平成16(行ウ)71 PCB処理施設設置許可処分取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成18年3月29日 名古屋地方裁判所 警察関係
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判決文本文91,796 文字)

-- 平成18年3月29日判決言渡し平成16年(行ウ)第71号PCB処理施設設置許可処分取消請求事件判決主文 原告らの請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実 及び理由第1原告らの請求被告が日本車輌製造株式会社に対して平成16年8月13日付けでした別紙処分目録1,2記載の各産業廃棄物処理施設設置許可処分をいずれも取り消す。 第2事案の概要本件は,被告が,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下,条文を示すときは「法」といい,法律名を示すときは「廃棄物処理法」という。)15条1項に基づき,日本車輌製造株式会社(以下「日本車輌」という。)に対して,廃棄物処理法施行令(以下「施行令」という。)7条12号の2及び13号に規定する別紙処分目録1,2記載の各産業廃棄物処理施設(廃ポリ塩化ビフェニル等又はポリ塩化ビフェニル処理物の分解施設及びポリ塩化ビフェニル処理物の洗浄施設)設置許可処分をしたところ,同施設設置予定地の愛知県半田市内に居住する原告らが,その生命,健康等に重大な悪影響を受けるおそれがあるなどと主張して,これらの取消しを求めた抗告訴訟である。 前提事実(争いのない事実及び証拠により容易に認められる事実)(1)当事者ア原告ら原告らは,いずれも半田市内に居住する住民である。 イ被告被告は,法15条に基づき産業廃棄物処理施設の設置許可処分を行う権-- 限を有する行政庁である。 ウ日本車輌(乙19)日本車輌は,名古屋市熱田区●●町●番●号に本店を置く株式会社であり,愛知県半田市●●号地●番に衣浦製作所を設置している。 (2)ポリ塩化ビフェニルの概要(乙57)アポリ塩化ビフェニルの性状とその用途ポリ塩化ビフェニル(。以下,その略称であるPolyChlorin 田市●●号地●番に衣浦製作所を設置している。 (2)ポリ塩化ビフェニルの概要(乙57)アポリ塩化ビフェニルの性状とその用途ポリ塩化ビフェニル(。以下,その略称であるPolyChlorinatedBiphenyl「PCB」ともいう。)は,ベンゼン環2個に多数の塩素()が水素( )ClHと置換して結合している化学物質の総称であり,理論上は209種類の異性体が存在するとされている。 PCBは,主に油状を呈した物質であり,①水に極めて溶けにくい,②沸点が高い,③熱で分解しにくい,④不燃性,⑤電気絶縁性が高い,⑥化学的に安定しているなどの性質を有するため,電気機器の絶縁油,熱交換機の熱媒体,ノーカーボン紙等の様々な用途で使用され,かつての高圧トランスや高圧コンデンサは,その内部がPCB油やPCB油とトリクロロベンゼンの混合液で満たされていた。 イPCBの毒性しかし,PCBは,次第にその毒性が明らかになり,その後の研究の結果,現在では,脂肪に溶けやすいという性質から,慢性的な摂取により体内で徐々に蓄積され,目やに,色素沈下,座瘡皮疹(塩素ニキビ),爪の変形,瞼や関節の腫れ等の中毒症状を引き起こし,長期的又は大量に摂取した場合は,肝機能障害,手足のしびれや末梢神経系の異常,ホルモンの機能異常などの慢性影響があると報告されている。 ウPCBに対する規制このようにPCBの毒性が明らかになってきたことから,我が国では,昭和40年代からその規制が始まり,現在では製造・輸入ともに禁止され-- ている。また,これまでに使用されてきたPCBについては,外部に漏出しないよう,密閉するなどして保管することが義務付けられている。 国内におけるPCBの総量については,約5万4000トンが使用され,その約7割近くが高圧トランス,高圧コンデンサ については,外部に漏出しないよう,密閉するなどして保管することが義務付けられている。 国内におけるPCBの総量については,約5万4000トンが使用され,その約7割近くが高圧トランス,高圧コンデンサ等に用いられていたとされており,これら高圧トランス,高圧コンデンサのうち,現在も約22万台程度が処理されることなく保管されているとされている。これらについては,ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(以下「PCB特措法」という。)10条,同法施行令3条により,同法の施行日である平成13年7月15日から起算して15年(平成28年)までに処分すべきことが定められている。 (3)ダイオキシン類の概要(甲72,97,乙29,57)アダイオキシン類の種類等ダイオキシン類とは,一般には,ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(。以下「PCDD」という。)とポPolyChlorinatedDibenzo-para-Dioxinリ塩化ジベンゾフラン(。以下「PCDPolyChlorinatedDibenzoFuranCoplanarPolyF」という。)の総称であり,コプラナーPCB()のようなダイオキシン類と同様の毒性を示す物質をChlorinatedBiphenylダイオキシン類似化合物と呼んでいる。 我が国では,かつてはPCDDとPCDFをダイオキシン類として規制の対象としていたが,平成12年1月15日に施行されたダイオキシン類対策特別措置法(以下「ダイオキシン類特措法」という。)によって,コプラナーPCBもダイオキシン類として定義され,規制の対象に含められた(2条1項)。 イダイオキシン類の性状等ダイオキシン類は,基本的には炭素で構成される2個のベンゼン環が酸素()で結合するなどし,それに塩素( オキシン類として定義され,規制の対象に含められた(2条1項)。 イダイオキシン類の性状等ダイオキシン類は,基本的には炭素で構成される2個のベンゼン環が酸素()で結合するなどし,それに塩素()が付いた構造をしている。 OCl-- PCDDは75種類,PCDFは135種類,コプラナーPCBは13種類,合計223種類の異性体があり,そのうちの29種類に毒性があるとみなされている。 ダイオキシン類の毒性の強さは,毒性等価量(。 ToxicEquivalentQuantity以下「TEQ」という。)で表すこととされている。すなわち,ダイオキシン類の毒性の最も強いPCDDのうち2,3,7及び8の位置に塩素が付いた四塩化ジベンゾパラジオキシンの毒性を1とし,これを基にして他Toxicのダイオキシン類の毒性の強さを換算した係数を毒性等価係数()といい,これに各異性体量を乗じた数値の合計であるEquivalencyFactorTEQをもって,ダイオキシン類の毒性の強さを表している。 ダイオキシン類は,通常は無色の固体で水に溶けにくく,蒸発しにくい反面,他の化学物質や酸,アルカリにも簡単に反応せず,安定した状態を保つことが多いとされているが,太陽光の紫外線で徐々に分解されるといわれている。 ダイオキシン類の生体に対する毒性は,他の有毒物質と比較して極めて強く,ごく微量であっても大きな影響を与えるといわれているところ,これを大別すると急性毒性と慢性毒性に分けられる。前者の症状としては,甲状腺機能喪失による遅延性致死毒性のほか,胸腺萎縮,脾臓萎縮,肝臓障害,生殖障害などが挙げられ,後者の症状としては,軟組織肉腫,リンパ腫,肺がんなどの発がん性が注目されているが,これらの実態や機序については,なお不明な点も多いとされている。 ウダ 臓萎縮,肝臓障害,生殖障害などが挙げられ,後者の症状としては,軟組織肉腫,リンパ腫,肺がんなどの発がん性が注目されているが,これらの実態や機序については,なお不明な点も多いとされている。 ウダイオキシン類の発生原因等ダイオキシン類は,炭素,酸素,水素及び塩素が熱せられる過程で生成されるため,森林火災や火山の噴火などが原因となって,自然界においても微量ながら存在する。 人間活動が盛んになった現代においては,殺菌剤,除草剤であるフェノ-- ール系化合物の製造の際の副生物,PCB製造過程における副生物,PCBの熱反応による生成,炭素を含む有機物質や可燃性塩素を含むごみ焼却による生成等の様々な発生源が指摘されており,食物連鎖により生物に蓄積されると考えられている。 (4)日本車輌による気相水素還元法に関する実証試験の実施(甲8,10,74,106の1・2,107,108,114の1ないし4,乙36の1)ア実証試験の目的・概要等日本車輌は,平成9年11月11日付けで,カナダのエコ・ロジック・インターナショナル社から,「気相水素還元法による難分解性有機化合物処理のプロセス」のシステム技術を導入したが,日本国内で同システムを用いてPCBの処理を行うためには,監督官庁(環境庁,通商産業省,厚生省。ただし,いずれも当時。以下同じ。)による処理設備の認定を取得する必要があった。 そのため,日本車輌は,平成10年3月,日本車輌の豊川製作所内において,カナダから輸入した実証試験機を使用して,①低濃度PCB汚染油,②高濃度PCB汚染油,③PCB汚染トランス,④PCB汚染土砂について,それぞれ2回ずつ実証試験を実施することを計画し,同月18日,豊川市に対して同計画書を提出し,受理された。 イ日本車輌による実証試験の実施日本車輌は,①平成10 ランス,④PCB汚染土砂について,それぞれ2回ずつ実証試験を実施することを計画し,同月18日,豊川市に対して同計画書を提出し,受理された。 イ日本車輌による実証試験の実施日本車輌は,①平成10年7月28日,30日に低濃度PCB汚染油につき,②同年8月3日,5日に高濃度PCB汚染油につき,③同月20日,21日にPCB汚染土砂につき,④同年9月1日,7日にPCB汚染トランスにつき,それぞれ気相水素還元法を用いた処理の実証試験を合計8回にわたって実施した(以下,これらを総称して「本件実証試験」という。)。 -- ウ試料の分析と結果日本車輌は,本件実証試験の各試料を株式会社島津テクノリサーチ(以下「島津テクノリサーチ」という。)に引き渡し,分析を依頼した。 日本車輌は,上記分析結果を基に,平成10年12月付け「難分解性有機化合物の化学処理に関する気相水素還元法実証試験報告書」を取りまとめ,豊川市及び通商産業省の「難分解性有機化合物処理技術検討評価委員会」(以下「検討評価委員会」という。)に提出した。 検討評価委員会は,本件実証試験に係る気相水素還元法について技術評価をした上で,平成11年5月,通商産業省(環境立地局環境指導室)に対して平成10年度実証試験成果報告書を提出した(この実証試験成果報告書を受けて,還元熱化学分解方式(気相水素還元方式が含まれる方式)が廃棄物処理法施行規則で新たなPCB処理技術として認められることとなった。)。 (5)日本車輌によるPCB廃棄物処理施設の設置許可申請に至る経緯ア日本車輌による設置計画書の提出等(甲1,乙5)日本車輌は,平成15年3月17日付けで,愛知県PCB廃棄物処理施設設置等指導要綱(以下「旧要綱」という。)第7の1に基づき,被告に対し,衣浦製作所内に廃PCB等,PCB汚染物及びPC 甲1,乙5)日本車輌は,平成15年3月17日付けで,愛知県PCB廃棄物処理施設設置等指導要綱(以下「旧要綱」という。)第7の1に基づき,被告に対し,衣浦製作所内に廃PCB等,PCB汚染物及びPCB処理物の分解施設を設置することを内容とするPCB廃棄物処理施設設置等計画書(以下「本件計画書」といい,これに記載されたPCB処理施設を「本件計画施設」という。)を提出した。 これを受けた被告は,同月28日付で,旧要綱第7の2に基づき,上記計画書の写しを,関係市町村長である半田市長に送付した。 イ本件計画書に対する照会等(甲11,58,89,乙6,7)被告(愛知県環境部長)は,平成15年5月7日付け照会書により,日本車輌に対し,本件計画施設の性質,PCBの分解処理能力,排気装置及-- び排水処理設備等の安全対策等について8項目の疑義があるとして,362小項目に及ぶ疑義事項について回答するよう求めた。 これに対し,日本車輌は,同月21日,上記疑義事項について回答した。 ウ日本車輌による住民説明会の開催(ア)旧要綱に基づく住民説明会の開催(甲95の2,105,乙8,11)日本車輌は,旧要綱第8の1に基づき,本件計画書提出後の平成15年6月13日から同年8月10日までの間,半田市成岩地区,乙川地区,半田地区,亀崎地区及び半田市全域を対象として,合計6回(同年6月13日,同月16日,同月17日,同月18日,8月9日及び同月10日),本件計画施設に関する住民説明会を開催した。 (イ)本件条例に基づく住民説明会の開催(乙8ないし11)日本車輌は,平成15年12月24日,被告に対し,廃棄物の適正な処理の促進に関する条例(平成15年愛知県条例第2号。以下「本件条例」という。)9条2項に基づき,本件条例9条1項所定の関係地域を半田市全域として, 成15年12月24日,被告に対し,廃棄物の適正な処理の促進に関する条例(平成15年愛知県条例第2号。以下「本件条例」という。)9条2項に基づき,本件条例9条1項所定の関係地域を半田市全域として,平成16年1月17日に住民説明会を開催する予定であること,更にこれまで旧要綱に基づいて開催してきた住民説明会の日時・場所等を記載した住民説明会開催届出書を提出した。 被告は,廃棄物の適正な処理の促進に関する条例施行規則(以下「本件条例施行規則」という。)11条4項に基づき,半田市長の意見を聴いた上,平成16年1月8日付けで,日本車輌に対し,上記届出書のとおり住民説明会を実施するよう回答した。 日本車輌は,同月17日,半田市全域を対象とする住民説明会を開催し,同月30日,本件条例施行規則12条1項に基づき,被告に対し,その状況を報告した。 (ウ)住民説明会の終了(乙12,13)-- 被告は,日本車輌から住民説明会の状況報告書の提出を受けたことから,平成16年2月10日,本件条例施行規則12条2項に基づき,半田市長の意見を聴いた上,日本車輌に対し,平成15年6月13日から平成16年1月17日までに延べ7回の住民説明会が開催されたところ,依然として一部住民に安全性に対する危惧や意見があるため,今後とも衣浦製作所に設けられた衣浦準備室における説明や個別の説明の実施などによって誠実に対応されたい旨通知した。 エ日本車輌による修正計画書の提出(甲64ないし67,乙14ないし18)被告は,平成16年3月29日,旧要綱第9に基づき,日本車輌に対し,本件計画書に対する半田市長及び関係住民の意見に適切に対応し,その結果を文書で回答すべきことを通知した。 日本車輌は,同月30日,上記通知(意見)を受け,被告に対し,旧要綱第10の1に基づき,PCBの収集 画書に対する半田市長及び関係住民の意見に適切に対応し,その結果を文書で回答すべきことを通知した。 日本車輌は,同月30日,上記通知(意見)を受け,被告に対し,旧要綱第10の1に基づき,PCBの収集・運搬,施設の管理・運営,地域住民への安全配慮,情報公開などの点について回答するとともに,同日,旧要綱第10の4に基づいて本件計画書を一部修正した「PCB廃棄物処理施設設置等修正計画書」を提出した(以下「本件修正計画書」という。)。 被告は,同日,半田市長に対し,旧要綱第11の2に基づき本件修正計画書の写しを送付するとともに,本件修正計画書の当否を検討した結果,法15条1項の規定に基づく申請の形式的要件を具備しているものと判断し,日本車輌に対し,その旨通知した。 (6)日本車輌によるPCB廃棄物処理施設の設置許可申請とそれに伴う手続ア日本車輌による設置許可申請(甲2,3,乙19)日本車輌は,上記通知を受けたことから,平成16年3月31日,被告に対し,法15条1項に基づき,同社の衣浦製作所内に以下の(ア),(イ)のとおりの施設(以下,それぞれ「本件分解施設」,「本件洗浄施設」と-- いい,これらを併せて「本件各施設」という。)を設置することの許可申請をした(以下,本件分解施設に係る許可申請を「本件分解施設設置許可申請」,本件洗浄施設に係る許可申請を「本件洗浄施設設置許可申請」,これらを併せて「本件各許可申請」といい,これらの申請書をそれぞれの申請に対応して「本件各許可申請書」などという。)。 (ア)廃PCB等の分解施設a産業廃棄物処理施設の種類施行令7条12号の2に規定する「廃ポリ塩化ビフェニル等(ポリ塩化ビフェニル汚染物に塗布され,染み込み,付着し,又は封入されたポリ塩化ビフェニルを含む。)又はポリ塩化ビフェニル処理物の分解 の種類施行令7条12号の2に規定する「廃ポリ塩化ビフェニル等(ポリ塩化ビフェニル汚染物に塗布され,染み込み,付着し,又は封入されたポリ塩化ビフェニルを含む。)又はポリ塩化ビフェニル処理物の分解施設」b処理する産業廃棄物の種類廃PCB等,PCB汚染物及びPCB処理物c処理能力1日(24時間)当たり3.456トン,1時間当たり0.144トンd施設の処理方式還元熱化学分解方式(気相水素還元法)e処理に伴い生ずる排ガス及び排水hr排ガス:最大6987立方メートルN/排水:最大36立方メートル/日(イ)PCB汚染物等の洗浄施設a産業廃棄物処理施設の種類施行令7条13号「ポリ塩化ビフェニル汚染物又はポリ塩化ビフェニル処理物の洗浄施設」b処理する産業廃棄物の種類-- PCB処理物c施設の処理方式1日(24時間)当たり3トン,1時間当たり0.125トンd処理の方式洗浄法e処理に伴い生ずる排ガス及び排水hr排ガス:最大6987立方メートルN/排水:最大36立方メートル/日イ本件各許可申請書等の縦覧(甲77,93,102,乙20,32,34,50)被告は,平成16年4月16日付け愛知県公報により,同日から同年5月17日までの間,法15条4項に基づき,本件各許可申請書及びこれに添付された生活環境影響調査書を縦覧に供すること,利害関係者は,被告に対し,同年4月16日から同年5月31日までの間,生活環境の保全上の見地から意見書を提出することができることを告示した(愛知県告示第387号)。 ウ半田市長等の意見(甲30,乙21)被告は,平成16年4月8日付けで,法15条5項に基づき,半田市長に対し,生活環境の保全上の見地からの意見を求めたところ,半田市長は,同年5月17日付けで,生活環境保 市長等の意見(甲30,乙21)被告は,平成16年4月8日付けで,法15条5項に基づき,半田市長に対し,生活環境の保全上の見地からの意見を求めたところ,半田市長は,同年5月17日付けで,生活環境保全上,被告が日本車輌に対し,事業全般にわたる安全対策上の指導をするよう求めるとともに,収集運搬時の安全性の確保,処理時の安全性の確保,情報公開,補償等10項目の詳細事項を記載した意見書を提出した。 また,原告A(以下「原告A」という。)は,平成16年5月31日付けで,愛知県(被告)に対し,本件各施設の設置を批判する立場からの意見書を提出した。 -- (7)愛知県廃棄物処理施設審査会による審査ア被告による審査依頼(乙22)被告は,本件各許可申請書の提出を受け,法15条の2第3項に基づき,生活環境の保全に関し,専門的知識を有する者の意見を聴くため,平成16年4月14日,大学教授らによって構成される愛知県廃棄物処理施設審査会(以下「審査会」という。)に対し,日本車輌の本件許可申請に係る施設設置計画及び生活環境影響調査書の審査を依頼した。 イ審査会による審査の実施(甲9,12の1ないし3,14の1・2,32,121,乙37,39,52ないし57)審査会は,平成16年4月22日を皮切りに,同年5月6日,同月18日,同年6月10日,同月22日,同年7月8日,同月22日及び同年8月5日の合計8回にわたって審査会議を開き,①事業計画,生活環境影響調査書等の説明,②現地調査,③施設の構造等基準適合状況及び事業計画等に関する疑義事項についての審査,④日本車輌の半田市長及び利害関係者の意見に対する見解の審査,⑤日本車輌の利害関係者の意見(補足説明)に対する見解の審査等を実施した。 ウ審査会の意見(乙22)審査会は,平成16年8月5日,審査の結果 車輌の半田市長及び利害関係者の意見に対する見解の審査,⑤日本車輌の利害関係者の意見(補足説明)に対する見解の審査等を実施した。 ウ審査会の意見(乙22)審査会は,平成16年8月5日,審査の結果,日本車輌の本件各許可申請に係る施設の設置計画及び維持管理計画は,廃棄物処理法の定める技術上の基準に適合し,同法の定める周辺地域の生活環境の保全及び周辺の施設について適正な配慮がなされたものであると認められるとの意見を取りまとめ,被告に報告した。 (8)本件各許可申請に対する許可(甲4,5,乙23の1・2,60)被告は,平成16年8月13日,審査会から上記報告を受けて,日本車輌に対し,別紙処分目録1,2記載のとおり,本件各許可申請につき許可するとの処分を行った(以下,本件分解施設設置許可申請に対する許可を「本件-- 分解施設設置許可処分」,本件洗浄施設設置許可申請に対する許可を「本件洗浄施設設置許可処分」といい,両者を併せて「本件各許可処分」という。)。 日本車輌は,平成17年10月21日,被告に対し,本件各施設の窒素発生器,貯留タンクの構造及び排水処理装置について,最終的な仕様が確定したことに伴い,本件各許可申請書記載の計画の一部が変更されたとして,被告に対し,法15条の2の5第3項,9条3項に基づく産業廃棄物処理施設軽微変更等届出書を提出した。 (9)本件各施設の概要ア本件分解施設について(ア)本件分解施設において採用されたPCBの処理方法(気相水素還元法。甲117,132)本件分解施設は,廃PCB等,PCB汚染物及びPCB処理物を,気相水素還元法によって処理する施設である。 気相水素還元法とは,カナダのエコ・ロジック・インターナショナル社が開発したPCB等やダイオキシン類などの難分解性有機化合物を処理する技術であり 理物を,気相水素還元法によって処理する施設である。 気相水素還元法とは,カナダのエコ・ロジック・インターナショナル社が開発したPCB等やダイオキシン類などの難分解性有機化合物を処理する技術であり,還元熱化学分解方式の設備を用いて熱化学反応によりPCBを分解する方法の一つとして,「特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物の処分又は再生の方法として環境大臣が定める方法」(平成4年厚生省告示第194号)に定められた処理方法であり,有機化合物を,無酸素水素雰囲気中,常圧下で850度以上に加熱し,触媒を用いることなくPCBを分解,脱塩素する還元反応を利用するものである。 その特色として,液状物だけでなく固形物の処理も可能であること,反応に触媒を利用せず,新たなPCB廃棄物は発生しないこと,分解効率が高いこと,濃度にかかわらず希釈を行うことなく処理が可能である-- こと,すべて気相で処理するため,有機物の残さはほぼゼロとなることなどが挙げられている。 (イ)本件分解施設における処理の概要a処理対象物(甲122)本件分解施設で処理する対象物は,PCBに汚染された油,高圧・低圧コンデンサ,高圧・低圧トランス,蛍光灯,水銀灯安定器,ウエス,土砂・汚泥,廃感圧紙,コンクリート,保護具,活性炭,洗浄水・溶剤その他の物である。 b処理工程の概要(甲6,7の1,59,122)(a)受入れ工程処理の対象物となる廃PCB等(PCB廃油など)及びPCB汚染物(トランス,コンデンサなど)を受け入れ,保管する。他方,反応薬剤等(水素,窒素,二酸化炭素,都市ガス,水酸化ナトリウム)も受け入れ,保管する。 (b)前処理工程PCB油が封入されていたトランス,コンデンサ等(トランス類)から内部液(PCB油)を抜き取った後,切断,穿孔,解体し,容器残 市ガス,水酸化ナトリウム)も受け入れ,保管する。 (b)前処理工程PCB油が封入されていたトランス,コンデンサ等(トランス類)から内部液(PCB油)を抜き取った後,切断,穿孔,解体し,容器残留PCBを処理するため,固形物用蒸発設備に投入する。 また,PCB廃油は,トランス類から抜き取られた内部液(PCB油)とともに,液体蒸発設備へ供給される。 (c)分解反応工程固形物用蒸発設備では,加熱してトランス類に付着した残余PCBを蒸発させる。また,液体蒸発設備でも,PCB廃油を蒸発させる。そして,蒸発したPCBを反応器設備に送り込み,850度の高温の水素雰囲気中で還元分解する(ここで気相水素還元法が用いられる。)。 -- この還元反応により生成されたガスは,スクラバ設備に移送される。 (d)除去工程生成ガスは,スクラバ設備で急冷・洗浄され,スクラバ水は排水処理される。 (e)後処理工程スクラバ設備を出た生成ガスは,生成ガス圧縮設備で圧縮され,生成ガス貯留設備(生成ガスタンク)に貯められる。 (f)払出し工程生成ガス貯留設備(生成ガスタンク)に貯められた生成ガスから還元剤として再利用するため水素が回収され,残ったガスはオフガスタンクに貯められ,成分分析を経た後,燃料として反応器設備で再利用される。 除染済廃棄物や処理水も,貯留後に払出しされる。 イ本件洗浄施設PCBが付着していたトランス類であって蒸発処理を終えたものを,溶剤(アサヒクリンAK-225)を用いて洗浄する。 (10)原告らによる訴え提起原告らを含む7名は,平成16年10月29日,当裁判所に対し,本件各許可処分の無効確認を求めて訴えを提起し(当庁平成16年(行ウ)第68号事件),さらに,原告らを含む34名は,同年11月12日,本件各許可処分の取消しを求 16年10月29日,当裁判所に対し,本件各許可処分の無効確認を求めて訴えを提起し(当庁平成16年(行ウ)第68号事件),さらに,原告らを含む34名は,同年11月12日,本件各許可処分の取消しを求めて訴えを提起した(本訴)ところ,両事件は併合された。 その後,本件各許可処分の無効確認を求める訴えは取下げとなり,さらに,本訴についても,原告ら以外の者は訴えを取り下げている。 関係法令等の要旨ないし抜粋(1)廃棄物処理法-- (産業廃棄物処理施設)15条産業廃棄物処理施設(廃プラスチック類処理施設,産業廃棄物の最終処分場その他の産業廃棄物の処理施設で政令で定めるものをいう。以下同じ。)を設置しようとする者は,当該産業廃棄物処理施設を設置しようとする地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。 2項前項の許可を受けようとする者は,環境省令で定めるところにより,次に掲げる事項を記載した申請書を提出しなければならない。 (中略) 産業廃棄物処理施設の位置,構造等の設置に関する計画 産業廃棄物処理施設の維持管理に関する計画(中略)3項前項の申請書には,環境省令で定めるところにより,当該産業廃棄物処理施設を設置することが周辺地域の生活環境に及ぼす影響についての調査の結果を記載した書類を添付しなければならない。 4項都道府県知事は,産業廃棄物処理施設(略)について第1項の許可の申請があつた場合には,遅滞なく,第2項第1号から第4号までに掲げる事項,申請年月日及び縦覧場所を告示するとともに,同項の申請書及び前項の書類(略)を当該告示の日から1月間公衆の縦覧に供しなければならない。 5項都道府県知事は,前項の規定による告示をしたときは,遅滞なく,その旨を当該産業廃棄物処理施設の設置に関し生活環境の保全上関係がある を当該告示の日から1月間公衆の縦覧に供しなければならない。 5項都道府県知事は,前項の規定による告示をしたときは,遅滞なく,その旨を当該産業廃棄物処理施設の設置に関し生活環境の保全上関係がある市町村の長に通知し,期間を指定して当該市町村長の生活環境の保全上の見地からの意見を聴かなければならない。 6項第4項の規定による告示があつたときは,当該産業廃棄物処理施設の設置に関し利害関係を有する者は,同項の縦覧期間満了の日の翌日から起算して2週間を経過する日までに,当該都道府県知事に生活環境の-- 保全上の見地からの意見書を提出することができる。 (許可の基準等)15条の2都道府県知事は,前条第1項の許可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ,同項の許可をしてはならない。 その産業廃棄物処理施設の設置に関する計画が環境省令で定める技術上の基準に適合していること。 その産業廃棄物処理施設の設置に関する計画及び維持管理に関する計画が当該産業廃棄物処理施設に係る周辺地域の生活環境の保全及び環境省令で定める周辺の施設について適正な配慮がなされたものであること。 申請者の能力がその産業廃棄物処理施設の設置に関する計画及び維持管理に関する計画に従って当該産業廃棄物処理施設の設置及び維持管理を的確に,かつ,継続して行うに足りるものとして環境省令で定める基準に適合するものであること。 申請者が,第14条第5項第2号イからヘまでのいずれにも該当しないこと。 2項都道府県知事は,前条第1項の許可の申請に係る産業廃棄物処理施設の設置によつて,ごみ処理施設又は産業廃棄物処理施設の過度の集中により大気環境基準の確保が困難となると認めるときは,同項の許可をしないことができる。 3項都道府県知事は,前条第1項の許 物処理施設の設置によつて,ごみ処理施設又は産業廃棄物処理施設の過度の集中により大気環境基準の確保が困難となると認めるときは,同項の許可をしないことができる。 3項都道府県知事は,前条第1項の許可(略)をする場合においては,あらかじめ,第1項第2号に掲げる事項について,生活環境の保全に関し環境省令で定める事項について専門的知識を有する者の意見を聴かなければならない。 4項前条第1項の許可には,生活環境の保全上必要な条件を付すること-- ができる。 (以下略)(産業廃棄物処理施設の維持管理)15条の2の2産業廃棄物処理施設の設置者は,環境省令で定める技術上の基準及び当該産業廃棄物処理施設の許可に係る第15条第2項の申請書に記載した維持管理に関する計画(略)に従い,当該産業廃棄物処理施設の維持管理をしなければならない。 (改善命令等)15条の2の6都道府県知事は,次の各号のいずれかに該当するときは,産業廃棄物処理施設の設置者に対し,期限を定めて当該産業廃棄物処理施設につき必要な改善を命じ,又は期間を定めて当該産業廃棄物処理施設の使用の停止を命ずることができる。 第15条第1項の許可に係る産業廃棄物処理施設の構造又はその維持管理が第15条の2第1項第1号若しくは第15条の2の2に規定する技術上の基準又は当該産業廃棄物処理施設の許可に係る第15条第2項の申請書に記載した設置に関する計画若しくは維持管理に関する計画(略)に適合していないと認めるとき。 (以下略)(許可の取消し)15条の3都道府県知事は,次の各号のいずれかに該当するときは,当該産業廃棄物処理施設に係る第15条第1項の許可を取り消さなければならない。 (中略)2項都道府県知事は,前条第1号,第2号又は第4号のいずれかに該当するときは,当該産業廃棄物 当するときは,当該産業廃棄物処理施設に係る第15条第1項の許可を取り消さなければならない。 (中略)2項都道府県知事は,前条第1号,第2号又は第4号のいずれかに該当するときは,当該産業廃棄物処理施設に係る第15条第1項の許可を取り消すことができる。 -- (2)PCB特措法PCB特措法は,PCBが難分解性の性状を有し,かつ,人の健康及び生活環境に係る被害を生ずるおそれがある物質であること並びに我が国においてPCB廃棄物が長期にわたり処分されていない状況にあることにかんがみ,PCB廃棄物の保管,処分等について,必要な規制等を行うとともに,PCB廃棄物の処理のための必要な体制を速やかに整備することにより,その確実かつ適正な処理を推進し,もって国民の健康の保護及び生活環境の保全を図ることを目的とするもので,廃棄物処理法の特別法として位置づけられている(1条1項,2項)。 同法によれば,環境大臣は,PCB廃棄物の確実かつ適正な処理を総合的かつ計画的に推進するための基本的な計画(PCB廃棄物処理基本計画)を定めなければならず(6条),都道府県等は,PCB廃棄物処理基本計画等に即して,その区域内におけるPCB廃棄物の確実かつ適正な処理に関する計画(PCB廃棄物処理計画)を定めなければならず(7条),事業者及びPCB廃棄物を処分しようとする者は,PCB廃棄物の管理,処分状況を,都道府県知事に届け出なければならず(8条),都道府県知事は,その保管及び処分の状況を公表することとされ(9条),また,事業者は,PCB廃棄物を自ら処分し,又は処分を他人に委託して,同法の施行日である平成13年7月15日から15年(PCB特措法施行令3条)内に処分することが義務付けられている(10条)。 (3)廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(以下「施 他人に委託して,同法の施行日である平成13年7月15日から15年(PCB特措法施行令3条)内に処分することが義務付けられている(10条)。 (3)廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(以下「施行令」という。)(特別管理産業廃棄物)2条の4法第2条第5項(ダイオキシン類対策特別措置法第24条第2項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の政令で定める産業廃棄物は,次のとおりとする。 (中略)-- 特定有害産業廃棄物(次に掲げる廃棄物をいう。以下同じ。)イ廃ポリ塩化ビフェニル等(廃ポリ塩化ビフェニル及びポリ塩化ビフェニルを含む廃油をいう。以下同じ。)ロポリ塩化ビフェニル汚染物(次に掲げるものをいう。以下同じ。)(1)汚泥(略)のうち,ポリ塩化ビフェニルが染み込んだもの(略)(2)紙くず(略)のうち,ポリ塩化ビフェニルが塗布され,又は染み込んだもの(3)木くず(略)のうち,ポリ塩化ビフェニルが染み込んだもの(4)繊維くず(略)のうち,ポリ塩化ビフェニルが染み込んだもの(5)廃プラスチック類(略)のうち,ポリ塩化ビフェニルが付着し,又は封入されたもの(6)金属くず(略)のうち,ポリ塩化ビフェニルが付着し,又は封入されたもの(7)陶磁器くず(略)のうち,ポリ塩化ビフェニルが付着したもの(8)工作物の新築,改築又は除去に伴つて生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物(略)のうち,ポリ塩化ビフェニルが付着したものハポリ塩化ビフェニル処理物(廃ポリ塩化ビフェニル等又はポリ塩化ビフェニル汚染物を処分するために処理したもの(略)をいう。以下同じ。)(以下略)(産業廃棄物処理施設)7条法第15条第1項の政令で定める産業廃棄物の処理施設は,次のとおりとする。 (中略)-- を処分するために処理したもの(略)をいう。以下同じ。)(以下略)(産業廃棄物処理施設)7条法第15条第1項の政令で定める産業廃棄物の処理施設は,次のとおりとする。 (中略)-- 12の2廃ポリ塩化ビフェニル等(ポリ塩化ビフェニル汚染物に塗布され,染み込み,付着し,又は封入されたポリ塩化ビフェニルを含む。)又はポリ塩化ビフェニル処理物の分解施設 ポリ塩化ビフェニル汚染物又はポリ塩化ビフェニル処理物の洗浄施設又は分離施設(以下略)(4)廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(以下「施行規則」という。)(令第2条の4の環境省令で定める基準等)1条の2(中略)4項令第2条の4第5号ハのポリ塩化ビフェニル処理物に係る環境省令で定める基準は,廃ポリ塩化ビフェニル等又はポリ塩化ビフェニル汚染物を処分するために処理したものについて,当該処理したものが,廃油の場合は当該廃油に含まれるポリ塩化ビフェニルの量が試料1キログラムにつき0.5ミリグラム以下であることとし,廃酸又は廃アルカリの場合は当該廃酸又は廃アルカリに含まれるポリ塩化ビフェニルの量が試料1リットルにつき0.03ミリグラム以下であることとし,廃プラスチック類又は金属くずの場合は当該廃プラスチック類又は金属くずにポリ塩化ビフェニルが付着していない,又は封入されていないこととし,陶磁器くずの場合は当該陶磁器くずにポリ塩化ビフェニルが付着していないこととし,廃油,廃酸,廃アルカリ,廃プラスチック類,金属くず又は陶磁器くず以外の場合は当該処理したものに含まれるポリ塩化ビフェニルの量が検液1リットルにつき0.003ミリグラム以下であることとする。 (中略)-- 53項第2項から第6項まで……に掲げる基準は,環境大臣が定める方法により検定した場合にお ビフェニルの量が検液1リットルにつき0.003ミリグラム以下であることとする。 (中略)-- 53項第2項から第6項まで……に掲げる基準は,環境大臣が定める方法により検定した場合における検出値によるものとする。 (産業廃棄物処理施設の設置の許可の申請)11条1項法第15条第2項の申請書は,様式第18号によるものとする。 2項前項の申請書に法第15条第2項第6号の産業廃棄物処理施設の位置,構造等の設置に関する計画に係る事項として記載すべきものは,次のとおりとする。 産業廃棄物処理施設の位置 産業廃棄物処理施設の処理方式 産業廃棄物処理施設の構造及び設備 処理に伴い生ずる排ガス及び排水の量及び処理方法(略) 設計計算上達成することができる排ガスの性状,放流水の水質その他の生活環境への負荷に関する数値 その他産業廃棄物処理施設の構造等に関する事項3項第1項の申請書に法第15条第2項第7号の産業廃棄物処理施設の維持管理に関する計画に係る事項として記載すべきものは,次のとおりとする。 排ガスの性状,放流水の水質等について周辺地域の生活環境の保全のため達成することとした数値 排ガスの性状及び放流水の水質の測定頻度に関する事項 その他産業廃棄物処理施設の維持管理に関する事項(以下略)(産業廃棄物処理施設の技術上の基準)12条法第15条の2第1項第1号(略)の規定による産業廃棄物処理施設(略)のすべてに共通する技術上の基準は,次のとおりとする。 -- 自重,積載荷重その他の荷重,地震力及び温度応力に対して構造耐力上安全であること。 削除 産業廃棄物,産業廃棄物の処理に伴い生ずる排ガス及び排水,施設において使用する薬剤等による腐食を防止するために必要な措置が講じられていること。 力に対して構造耐力上安全であること。 削除 産業廃棄物,産業廃棄物の処理に伴い生ずる排ガス及び排水,施設において使用する薬剤等による腐食を防止するために必要な措置が講じられていること。 産業廃棄物の飛散及び流出並びに悪臭の発散を防止するために必要な構造のものであり,又は必要な設備が設けられていること。 著しい騒音及び振動を発生し,周囲の生活環境を損なわないものであること。 施設から排水を放流する場合は,その水質を生活環境保全上の支障が生じないものとするために必要な排水処理設備が設けられていること。 産業廃棄物の受入設備及び処理された産業廃棄物の貯留設備は,施設の処理能力に応じ,十分な容量を有するものであること。 12条の2法15条の2第1項第1号の規定による産業廃棄物処理施設の技術上の基準は,前条に定めるもののほか,この条の定めるところによる。 (中略)13項令第7条第12号の2に掲げる施設(ポリ塩化ビフェニル汚染物に塗布され,染み込み,付着し,又は封入されたポリ塩化ビフェニルの分解施設(以下「ポリ塩化ビフェニル汚染物分解施設」という。)を除く。)の技術上の基準は,次のとおりとする。 事故時における受入設備,反応設備等からの廃油,廃酸及び廃アルカリの流出を防止するために必要な流出防止堤その他の設備が設けられ,かつ,当該施設が設置される床又は地盤面は,廃油,廃酸及び廃-- アルカリが浸透しない材料で築造され,又は被覆されていること。 (中略) 還元熱化学分解方式の設備にあつては,次によること。 イ外気と遮断された状態で,廃ポリ塩化ビフェニル等又はポリ塩化ビフェニル処理物を反応設備に投入することができる供給設備が設けられていること。 ロ次の要件を備えた反応設備が設けられていること。 (1)高 と遮断された状態で,廃ポリ塩化ビフェニル等又はポリ塩化ビフェニル処理物を反応設備に投入することができる供給設備が設けられていること。 ロ次の要件を備えた反応設備が設けられていること。 (1)高温に耐え,かつ,腐食を防止するために必要な措置が講じられていること。 (中略)(3)外気と遮断されたものであること。 (4)反応に必要な薬剤として用いられるガスの供給装置が設けられていること。 (5)爆発を防止するために必要な措置が講じられていること。 (6)反応設備内の温度,圧力及び反応に必要な薬剤として用いられるガスの供給量を連続的に測定し,かつ,記録するための装置が設けられていること。 ハ次の要件を備えた除去設備が設けられていること。 (1)反応設備から排出された生成ガス中の粒子状の物質及び塩化水素を除去することができるものであること。 (2)除去設備から排出された生成ガス中の主要な成分を測定し,かつ,記録するための装置が設けられていること。 ニ事故時における反応設備からのガスの漏出を防止することができる設備が設けられていること。 ホ粒子状の物質を排出し,貯留することができる取出設備及び貯留設備(粒子状の物質の飛散及び流出を防止することができるものに-- 限る。)が設けられていること。 (以下略)14項令第7条第12号の2に掲げる施設(ポリ塩化ビフェニル汚染物分解施設に限る。)の技術上の基準は,次のとおりとする。 事故時における受入設備,反応設備等からの廃油,廃酸及び廃アルカリの流出を防止するために必要な流出防止堤その他の設備が設けられ,かつ,当該施設が設置される床又は地盤面は,廃油,廃酸及び廃アルカリが浸透しない材料で築造され,又は被覆されていること。 処理しようとするポリ塩化ビフェニル汚染物及び当該処 他の設備が設けられ,かつ,当該施設が設置される床又は地盤面は,廃油,廃酸及び廃アルカリが浸透しない材料で築造され,又は被覆されていること。 処理しようとするポリ塩化ビフェニル汚染物及び当該処理により生じた産業廃棄物の性状を分析することができる設備が設けられていること。 (中略) 還元熱化学分解方式の設備にあつては,次によること。 イ供給設備は,ポリ塩化ビフェニル汚染物を破砕することができるものであること。 ロ次の要件を備えた反応設備が設けられていること。 (1)高温に耐え,かつ,腐食を防止するために必要な措置が講じられていること。 (中略)(3)外気と遮断されたものであること。 (4)反応に必要な薬剤として用いられるガスの供給装置が設けられていること。 (5)爆発を防止するために必要な措置が講じられていること。 (6)反応設備内の温度,圧力及び反応に必要な薬剤として用いられるガスの供給量を連続的に測定し,かつ,記録するための-- 装置が設けられていること。 ハ次の要件を備えた除去設備が設けられていること。 (1)反応設備から排出された生成ガス中の粒子状の物質及び塩化水素を除去することができるものであること。 (2)除去設備から排出された生成ガス中の主要な成分を測定し,かつ,記録するための装置が設けられていること。 ニ事故時における反応設備からのガスの漏出を防止することができる設備が設けられていること。 ホ粒子状の物質を排出し,貯留することができる取出設備及び貯留設備(粒子状の物質の飛散及び流出を防止することができるものに限る。)が設けられていること。 (以下略)15項令第7条第13号に掲げる施設の技術上の基準は,次のとおりとする。 事故時における受入設備,洗浄設備又は分離設備及び洗浄剤又はポ できるものに限る。)が設けられていること。 (以下略)15項令第7条第13号に掲げる施設の技術上の基準は,次のとおりとする。 事故時における受入設備,洗浄設備又は分離設備及び洗浄剤又はポリ塩化ビフェニルの回収設備からの廃油,廃酸又は廃アルカリの流出を防止するために必要な流出防止堤その他の設備が設けられ,かつ,当該施設が設置される床又は地盤面は,廃油,廃酸又は廃アルカリが浸透しない材料で築造され,又は被覆されていること。 (中略) 分離方式の施設にあっては,次によること。 (中略)ロ次の要件を備えた回収設備が設けられていること。 (1)回収設備内を分離されたポリ塩化ビフェニルの回収に必要な温度とし,かつ,これを保つことができる温度制御装置が設けられていること。 -- (2)回収設備内の温度を連続的に測定し,かつ,記録するための装置が設けられていること。 (3)回収設備から排出される排気による生活環境保全上の支障が生じないようにすることができる廃棄処理装置等が設けられていること。 ハポリ塩化ビフェニルの分離及び回収の後に生じた産業廃棄物を,飛散及び流出を防ぎながら排出し,貯留することができる取出設備及び貯留設備が設けられていること。 (産業廃棄物処理施設の維持管理の技術上の基準)12条の6法第15条の2の2の規定による産業廃棄物処理施設のすべてに共通する維持管理の技術上の基準は,次のとおりとする。 (中略) 産業廃棄物が施設から流出する等の異常な事態が生じたときは,直ちに施設の運転を停止し,流出した産業廃棄物の回収その他の生活環境の保全上必要な措置を講ずること。 施設の正常な機能を維持するため,定期的に施設の点検及び機能検査を行うこと。 (中略) 施設から排水を放流する場合は,その水質を生活環境保 収その他の生活環境の保全上必要な措置を講ずること。 施設の正常な機能を維持するため,定期的に施設の点検及び機能検査を行うこと。 (中略) 施設から排水を放流する場合は,その水質を生活環境保全上の支障が生じないものとするとともに,定期的に放流水の水質検査を行うこと。 施設の維持管理に関する点検,検査その他の措置の記録を作成し,3年間保存すること。 12条の7法第15条の2の2の規定による産業廃棄物処理施設の維持管理の技術上の基準は,前条に定めるもののほか,この条の定めるところによる。 -- (中略)13項令第7条第12号の2に掲げる施設(ポリ塩化ビフェニル汚染物分解施設を除く。)の維持管理の技術上の基準は,次のとおりとする。 (中略) 還元熱化学分解方式の施設にあつては,次によること。 (中略)ホ除去設備から排出された生成ガス中の主要な成分を測定し,かつ,記録すること。 (中略)ト除去設備の出口における生成ガス中の環境大臣の定める方法により算出されたダイオキシン類の濃度が1立方メートル当たり0.1ナノグラム以下となるように処理すること。 チ除去設備の出口における生成ガス中のダイオキシン類の濃度を毎年1回以上……測定し,かつ,記録すること。 (以下略)14項令第7条第12号の2に掲げる施設(ポリ塩化ビフェニル汚染物分解施設に限る。)の維持管理の技術上の基準は,次のとおりとする。 (中略) 還元熱化学分解方式の設備にあつては,次によること。 (中略)ヘ除去設備から排出された生成ガス中の主要な成分を測定し,かつ,記録すること。 (中略)チ除去設備の出口における生成ガス中の環境大臣の定める方法により算出されたダイオキシン類の濃度が1立方メートル当たり0.1ナノグラム以下となるように処理すること。 つ,記録すること。 (中略)チ除去設備の出口における生成ガス中の環境大臣の定める方法により算出されたダイオキシン類の濃度が1立方メートル当たり0.1ナノグラム以下となるように処理すること。 -- リ除去設備の出口における生成ガス中のダイオキシン類の濃度を毎年1回以上……測定し,かつ,記録すること。 (中略)ヲポリ塩化ビフェニル汚染物の処理に伴い生じた排水を放流する場合は,放流水中のポリ塩化ビフェニル含有量,ノルマルヘキサン抽出物質含有量及び水素イオン濃度を6月に1回以上測定し,かつ,記録すること。 (以下略)(5)旧要綱旧要綱は,事業者が廃棄物処理法の規定(当時の法15条1項又は15条の2の4第1項)に基づいて,PCB廃棄物処理施設(PCB廃棄物の分解施設及び洗浄施設)の設置又は変更の許可を申請する前の段階における,知事に対するPCB廃棄物処理施設設置等計画書の提出(第7の1),知事による関係市町村長への計画書の写しの送付(第7の2),住民代表への計画書写しの送付等(第7の3,4),事業者が実施する住民説明会の開催(第8),関係住民の意見取りまとめと関係市町村長及び知事の意見の送付(第9),計画書の修正(第10,11),知事による計画の適否の判断と通知(第12)等の事前手続並びに許可後の環境モニタリング(第18)等の手続について規定していた。 (6)本件条例(目的)1条この条例は,廃棄物の適正な処理に関する県,事業者及び県民の責務を明らかにするとともに,廃棄物の適正な処理を確保するために必要な規制をすることと等により,廃棄物の適正な処理を促進し,もって県民の生活環境の保全に資することを目的とする。 (計画内容の周知等)-- 9条法第8条第1項若しくは法第9条第1項の許可(略)又は法第15条第 により,廃棄物の適正な処理を促進し,もって県民の生活環境の保全に資することを目的とする。 (計画内容の周知等)-- 9条法第8条第1項若しくは法第9条第1項の許可(略)又は法第15条第1項若しくは法第15条の2の5第1項の許可(略)(以下「法第8条第1項等の許可」という。)を受けようとする者は,規則で定めるところにより,当該許可に係る施設の設置等に伴い生活環境に影響を及ぼすおそれがある地域として規則で定める地域(以下「関係地域」という。)内において,当該施設の設置等に係る計画の内容を周知させるための説明会(以下「説明会」という。)を開催しなければならない。この場合において,関係地域内に説明会を開催する適当な場所がないときは,関係地域以外の地域において開催することができる。 前項に規定する者は,説明会を開催するときは,規則で定めるところにより,説明会の開催を予定する日時及び場所その他規則で定める事項を知事に届け出なければならない。 (7)本件条例施行規則(説明会の開催等)9条3項説明会を開催する者は,説明会において,法第8条第1項等の許可に係る施設の設置等に関する計画及び当該施設を設置すること等が周辺地域の生活環境に及ぼす影響についての調査の結果の概要その他知事が必要と認める事項を記載した書類を配布しなければならない。 (関係地域)10条条例第9条第1項の規則で定める地域は,法8条第1項等の許可に係る施設の種類ごとに知事が別に定める基準により当該施設の設置等に伴い生活環境に影響を及ぼすおそれがあると認められる地域とする。 (8)特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法(平成4年厚生省告示第192号。以下「検定方法」という。甲19) 規則第1条の2第4項に掲げる基準の検定方法は,廃PCB等 。 (8)特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法(平成4年厚生省告示第192号。以下「検定方法」という。甲19) 規則第1条の2第4項に掲げる基準の検定方法は,廃PCB等又はPC-- B汚染物を処分するために処理したものについて次のイからヘまでに掲げる区分に応じ,それぞれ当該イからヘまでに定める方法によるものとする。 (略)ロ廃油(処理方法告示第7号に規定する方法により処分又は再生した場合(トリクロロエチレン,テトラクロロエチレン又はこれらと同等以上の洗浄力を有する洗浄液(以下「洗浄液」という。)を循環させて洗浄した場合及び洗浄液に浸漬して洗浄した場合に限る。)における当該処分又は再生に係る洗浄液に限る。)別表第3の第1に定める方法 本件の争点(1)本案前の争点-原告適格の有無(2)本案の争点-本件各許可処分の違法性の有無具体的には,以下の事項が争われている。 ア本件分解施設から排出されるダイオキシン類の濃度が,維持管理の技術上の基準である1立方メートル当たり0.1ナノグラム(施行規則12条の7第13項4号ト及び14項3号チ)を超える違法があるか否か。 イ本件分解施設におけるPCB汚染トランス処理後の生成ガス中におけるPCB濃度が,日本車輌の定めた自主基準値である1立方メートル当たり0.001ミリグラムを超える違法があるか否か。 ウ本件分解施設から排出されるダイオキシン類を常時測定,記録すべきか否か(施行規則12条の7第13項4号ホ及び14項3号ヘ)。また,常時測定すべきではないとしても,測定方法自体に不備があるか否か。 エ本件分解施設からの排水中のフッ素濃度が,水質汚濁防止法3条1項所定の排水基準値(1リットル当たり15ミリグラム)を超える違法があるか否か。また,日本車輌の自主基 定方法自体に不備があるか否か。 エ本件分解施設からの排水中のフッ素濃度が,水質汚濁防止法3条1項所定の排水基準値(1リットル当たり15ミリグラム)を超える違法があるか否か。また,日本車輌の自主基準値(同2ミリグラム)を超える違法があるか否か。 オ本件洗浄施設において使用される溶剤の洗浄力が法令の基準を満たさな-- い違法があるか否か(検定方法第3ロ)。 カ本件洗浄施設を対象とする住民説明会が実施されていない違法があるか否か(本件条例9条)。 キ本件各施設の設置許可申請につき,日本車輌が「その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者」(法15条の2第1項4号,14条5項2号イ,7条5項4号ト)に該当するか否か。 争点に関する当事者の主張(1)争点(1)(本案前の争点-原告適格の有無)について(原告らの主張)原告らは,半田市内に居住しているところ,以下のとおり,本件各施設の設置及び稼働によりその生活環境ひいては身体の安全や健康を害される可能性が非常に高く,その権利を侵害され又は必然的に侵害されるおそれがあるから,本件各許可処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する。このことは,都市計画事業の認可処分の取消しを求めた小田急高架化訴訟において,原告適格を公害対策基本法や都条例に基づく環境アセスメントの対象地域内に住む沿線住民らに認めた最高裁判決によっても裏付けられる。 ア廃棄物処理法の趣旨,目的等について(ア)廃棄物処理法の趣旨,目的廃棄物処理法の趣旨及び目的は,廃棄物の排出を抑制し,及び廃棄物の適正な分別,保管,収集,運搬,再生,処分等の処理をし,並びに生活環境を清潔にすることにより,生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図る点にある(1条)。 そして,廃棄物処理業が許 抑制し,及び廃棄物の適正な分別,保管,収集,運搬,再生,処分等の処理をし,並びに生活環境を清潔にすることにより,生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図る点にある(1条)。 そして,廃棄物処理業が許可制であることの趣旨は,いうまでもなく,適正な処理をさせるためであり,これが必要になるのは,不適正な処理が環境汚染等を引き起こすからであるが,ここでいう汚染から保護され-- るべき環境とは,廃棄物処理業が営なまれる土地周辺の環境を指すことは明らかである。 これを廃棄物処理法の規定に即して検討するに,同じ環境法令である大気汚染防止法や水質汚濁防止法が,公共用水域や大気等の環境汚染を防止すべく一般的な排出規制や行政の監視義務などを定め,個別具体的な汚染に対処する規定に乏しいのに対し,廃棄物処理法は,具体的な汚染等の問題に対し,改善命令や許可の取消しなどの規定を置いて,悪質な汚染行為や基準違反の施設に対する個別的・具体的な対処を可能にしており,各種の技術上の基準等も極めて具体的である。 要するに,廃棄物処理法による周辺環境への配慮は,一般的な環境保全という見地よりは,個別的・具体的に生じ,又は生ずるおそれがある周辺環境への汚染に事後的又は予防的に対処することに主眼がある。 (イ)廃棄物処理法の改正点廃棄物処理法は,廃棄物処理場周辺の生活環境破壊事例の頻発を受けて改正が重ねられ,現在では,産業廃棄物処理施設の設置者は,当該施設に係る周辺地域の生活環境の保全及び増進に配慮することとされ(法15条の4による法9条の4の準用),申請書には,当該産業廃棄物処理施設の設置による周辺地域の生活環境への影響についての調査の結果を記載した書類を添付しなければならない(法15条3項)とされるに至った(平成9年法律第85号)。 このことからすれば,廃棄物処理 処理施設の設置による周辺地域の生活環境への影響についての調査の結果を記載した書類を添付しなければならない(法15条3項)とされるに至った(平成9年法律第85号)。 このことからすれば,廃棄物処理法は,廃棄物を適正に処理することを通じて生活環境の保全と国民の健康を図るという一般的公益のほかに,これとは明確に区別する形で,当該処理施設の周辺地域の良好な生活環境の確保を同地域に居住する個々人の個別的な利益として保護しようとしていることが明らかである。 イダイオキシン類等による深刻な悪影響を受ける高度な可能性について-- (ア)ダイオキシン類等の毒性ダイオキシン類は,ダイオキシン類特措法1条で「人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある物質である」とされている。また,平成16年11月12日の中央環境審議会の答申(「ダイオキシン類の測定における簡易測定法導入のあり方について」。甲97)においても,「ダイオキシン類の健康影響に関する研究が進み,現在では,以前に問題となった発がん性や致死毒性の場合よりもさらに微量で生殖,脳,免疫系などに対して生じ得る影響が懸念されるようになっている。このような影響は,一般的には,胎児や乳幼児において最も高いリスクになると考えられるため,ダイオキシン類による胎児や乳幼児への暴露によって,次世代に対する悪影響が生じる可能性がある。」などと言及されている。 また,PCBは,PCB特措法1条で「難分解性の性状を有し,かつ,人の健康及び生活環境に係る被害を生ずるおそれがある物質である」とされている。具体的には,PCBは,その安定性や脂肪への溶解性から,いつまでも環境中に残留し,また水中のプランクトンなどの微生物に取り込まれ,食物連鎖により生体濃縮されていく。生体内で分解されにくく脂肪組織に蓄積される ,PCBは,その安定性や脂肪への溶解性から,いつまでも環境中に残留し,また水中のプランクトンなどの微生物に取り込まれ,食物連鎖により生体濃縮されていく。生体内で分解されにくく脂肪組織に蓄積されるため,人体に対し,皮膚障害(ニキビ様の吹き出し物,色素沈着),内臓障害,手足のしびれ,黄疸,ホルモン異常(月経異常など)などの影響を及ぼす。また,母体内に取り込まれたPCBは,母乳中に容易に移行し,母乳を介した次世代への影響が懸念されている。そのほか,動物実験では,いわゆる環境ホルモンとして,性周期の延長や出生児の死亡率の増加,発育異常などが報告されている。 さらに,PCBは,生体内でAhレセプター(受容体)と結合して,様々な遺伝子の発現を制御し,酵素発現やホルモン濃度などに影響を与え,がん,奇形,免疫異常及び発育異常などを引き起こすとされている。 -- このように,ダイオキシン類及びPCBが猛毒の化学物質であることは,今更議論するまでもない。 (イ)ダイオキシン類やPCBの半田市内への拡散の可能性本件分解施設において採用される気相水素還元法は,日本で初めて取り入れられるものであり,その安全性の根拠となるべき本件実証試験には,後記のとおり信頼性がないため,本件分解施設の設置・稼働によって,ダイオキシン類やPCBが煙突等から排出されるおそれは非常に高いところ,半田市付近では,夏季には三河湾から知多半島に向かって強い風が吹く傾向にあるから,本件分解施設から排出されたダイオキシン類やPCBは,半田市の大気に拡散し,半田市中を覆うことになる。 そして,半田市は,もともとダイオキシン類の濃度の高い地域であることが愛知県及び半田市の調査で明らかになっている。例えば,半田市の衣浦排水機場屋上では,平成11年度の愛知県調査において環境基準値(年間平 ,半田市は,もともとダイオキシン類の濃度の高い地域であることが愛知県及び半田市の調査で明らかになっている。例えば,半田市の衣浦排水機場屋上では,平成11年度の愛知県調査において環境基準値(年間平均値1立方メートル当たり0.6ピコグラム-TEQ(以下,特に必要がある場合のほか,TEQの記載は省略する。))を上回る1立方メートル当たり1.3ピコグラムに達し,平成14年度の同調査では年間平均値が0.5975ピコグラムと基準値に近い水準であり,冬季には1立方メートル当たり0.99ピコグラムに達している。 このような状況下で,本件各施設からダイオキシン類が排出されると,半田市民は環境基準を上回るダイオキシン類の浮遊する大気の中での生活を余儀なくされることとなる。 そうすると,本件各許可処分に基づいて本件各施設が設置,稼働されることによって,原告らの生活環境ひいては身体の安全や健康を危険にさらす可能性が非常に高いというべきである。 (ウ)原告らの居住地原告ら4名の中には,本件各施設から半径1キロメートル以内に居住-- している者はおらず,半径2キロメートルに拡大しても,原告B(以下「原告B」という。)1名が居住しているにすぎない。しかし,これを日本車輌の敷地から測定すれば,少なくとも原告Bは半径1キロメートル以内に居住しているし,これを半径5キロメートルにまで拡大すれば,原告Aを除く全員がその範囲内に居住している(甲100)。しかも,日本車輌の作成した生活環境影響調査書の内容が信用できるとしても,半田市では夏季において南東の風が吹走することが多く,これにいわゆる海風が加わると風速毎秒7メートル以上にも達する(甲101)。 このように季節や風向・風速によっては,半田市の市街地に排ガスをまき散らすことにもなりかねず,その影響は重大である。 多く,これにいわゆる海風が加わると風速毎秒7メートル以上にも達する(甲101)。 このように季節や風向・風速によっては,半田市の市街地に排ガスをまき散らすことにもなりかねず,その影響は重大である。 ウ住民説明会の対象となる関係地域について本件条例9条は,法8条1項等の許可を受けようとする者は,規則で定めるところにより,当該許可に係る施設の設置等に伴い生活環境に影響を及ぼすおそれがある地域として規則で定める地域(関係地域)内において,当該施設の設置等に係る計画の内容を周知させるための説明会を開催しなければならないと規定し,本件条例施行規則10条は,本件条例9条1項の規則で定める関係地域は,法8条1項等の許可に係る施設の種類ごとに知事が別に定める基準により当該施設の設置等に伴い生活環境に影響を及ぼすおそれがあると認められる地域とすると定めている。 また,廃棄物の適正な処理の促進に関する条例の手引き(乙31)によれば,焼却施設・PCB処理施設の関係地域について,「次の廃棄物処理施設の区分に応じ,調査事項ごとに定める調査対象地域が含まれる町又は字の区域とする。」と定め,例えば,大気汚染を調査事項とした場合には,調査対象地域を「①煙突排ガスによる影響:プルーム式等の大気拡散式から推定される最大着地濃度出現距離を考慮して設定した地域(対象施設からの距離が最大着地濃度出現予想距離のおおむね2倍の地点を含む地域と-- する。)とし,その設定に当たっては,地域の気象特性のほか,行政区域や地形・土地利用の状況も勘案するものとする。②廃棄物運搬車両による影響:車両の走行によって交通量が相当程度変化する主要搬入道路沿道の周辺の人家等が存在する地域とし,その設定に当たっては,運搬車両台数,現況交通量に対する寄与率,道路沿道周辺の人家等の状況を勘案す 影響:車両の走行によって交通量が相当程度変化する主要搬入道路沿道の周辺の人家等が存在する地域とし,その設定に当たっては,運搬車両台数,現況交通量に対する寄与率,道路沿道周辺の人家等の状況を勘案するものとする。」としている。 これを受けて,半田市は,半田市全域が本件各施設の排ガスや廃棄物運搬車両による影響を受けると判断し,半田市全域を関係地域として想定し,愛知県もこの考えを受け入れ,日本車輌もこれに従って,半田市全域の住民を対象とした住民説明会を開催した(甲95の1・2)。 以上によれば,本件条例9条等の規定は,廃棄物処理法と目的を共通にする関係法令として,同法の趣旨及び目的を考慮する際に参酌しなければならないところ,関係地域と原告適格を有する者の居住範囲とは,限りなく一致するものであり,このような経緯で住民説明会が開催されたことは,本件各施設の設置・稼働により,原告らの生活環境ひいては身体の安全や健康を害される危険にさらされる可能性が非常に高いことの証左である。 エ搬入道路の生活環境悪化に伴う付近住民の悪影響について日本車輌は,広く中部地方全体からPCB廃棄物を受け入れて,本件各施設で処理をすることを予定しており,10年間に本件各施設で処理する予定の約4500トンのPCB廃棄物のうち,半田市で排出される50トンを除いた約4450トンは,愛知県の内外から半田市内を通って本件各施設に運び込まれることとなる(甲76)。 そうすると,主要搬入道路(特に知多半田道路の半田中央インターチェンジから本件各施設までの道路)においては,廃棄物運搬車両の走行によって交通量が相当程度変化し,渋滞や交通事故の発生の増加,廃棄物運搬車両の排ガスによる大気汚染が予想される(甲104)。また,処理前の-- PCB廃棄物を積んだ車両の走行により,沿道では よって交通量が相当程度変化し,渋滞や交通事故の発生の増加,廃棄物運搬車両の排ガスによる大気汚染が予想される(甲104)。また,処理前の-- PCB廃棄物を積んだ車両の走行により,沿道では,より強くPCB汚染の危険が高まることになる。なお,産業廃棄物処理の現場では,しばしば見られるように,届出をしていない廃棄物が持ち込まれる可能性も否定できない。 これらのことに照らすと,原告らのうち主要搬入道路の周辺住民が,生活環境及び身体の安全や健康上の危険にさらされる可能性がより一層強まる。 (被告の主張)原告らの主張は否認ないし争う。 本件各許可処分の名あて人でない原告らが,これらの取消しを求めるためには,取消しを求めるにつき法律上の利益を有することを立証する必要があるところ,以下のとおり,原告らの主張する生命・健康に対する重大な悪影響については,その内容や程度が具体的に明らかにされておらず,立証もないから,本件訴えは,原告適格を有しない者の提起したものとして,却下を免れない。 ア原告らが受ける悪影響に関する個別・具体的主張の欠如について原告らは,平成9年における廃棄物処理法の一部改正を根拠に,廃棄物処理法が,一般公益のほかに,これと明確に区別して,当該処理施設の周辺地域における良好な生活環境の確保を,周辺地域に居住する個々人の個別的な利益として保護していると主張する。しかし,廃棄物処理法の各規定が,誰のどのような利益を保護しているかは,個々の規定ごとに判断されるべきであるところ,原告らは,本件各施設の稼働により個々の原告らがどのような影響を受ける蓋然性があるのか,個別的・具体的には明らかにしていない。一例を挙げれば,原告らが挙示する廃棄物処理法15条の3第1項1号,14条5項2号イ,7条5項4号トの規定が,当該施設の近隣住民の 響を受ける蓋然性があるのか,個別的・具体的には明らかにしていない。一例を挙げれば,原告らが挙示する廃棄物処理法15条の3第1項1号,14条5項2号イ,7条5項4号トの規定が,当該施設の近隣住民の生命・健康まで個別具体的に保護していると解されないことは,-- 後記のとおりである。 原告らは,結局のところ,本件各施設から一定の範囲内の距離に居住しているという外形的事実のみをもって,すべての取消し原因について,原告適格を基礎づけようとしているにすぎない。仮に原告らの上記主張・立証だけで本件の原告適格が認められるとすれば,行政事件訴訟法9条1項が,原告適格として法律上の利益を有することを要件とした趣旨が著しく没却されることは明白である。 イダイオキシン類の危険性に関する反論について(ア)ダイオキシン類の耐容摂取量原告らの主張は,一般論として,ダイオキシン類の危険性を指摘するのみで,ダイオキシン類によって原告らが被る可能性があるという重大な悪影響の内容や蓋然性は,何ら明らかにされていない。ダイオキシン類との関係で原告適格を基礎づけるためには,ダイオキシン類が,通常の大気中にも存在する以上,本件各施設から人体に影響する可能性がある程度の量のダイオキシン類が排出され,それが原告らに到達することの蓋然性が明らかにされなければならないはずである。 また,ダイオキシン類は,大気,食品,動植物中にも存在しており,その環境基準は,「耐容一日摂取量(単位は,ピコグラム-/キTEQログラム体重/日。以下同じ。)」から設定されているが,これは,生涯にわたって摂取し続けた場合の健康影響を指標とした値であり,一時的にこの値を多少超過したとしても健康を損なうものではない。さらに,耐容一日摂取量4ピコグラムのうち,空気中から取り込む量は約0.07ピコ たって摂取し続けた場合の健康影響を指標とした値であり,一時的にこの値を多少超過したとしても健康を損なうものではない。さらに,耐容一日摂取量4ピコグラムのうち,空気中から取り込む量は約0.07ピコグラムであり,食品から取り込む量の2ピコグラムの30分の1程度にすぎないことを併せ考えると,仮に排ガスが無処理のまま排出されたとしても,原告らに影響が生ずるとは考えられない。なお,ダイオキシン類は急性毒性が強いといわれるが,これは日常の生活の中で摂取-- する量の約数十万倍の量を一時的に摂取した場合のことであり,日常生活への影響はほとんどないといってよい。したがって,原告らが,本件各施設から排出されるダイオキシン類による影響を受けるとはいえない。 (イ)生活環境影響調査環境基本法16条に基づく環境基準は,「人の健康等を維持するための最低限度としてではなく,より積極的に維持されることが望ましい目標として,その確保を図っていこうとするもの」であり,これを下回っていれば,十分に安全性が確保されるところ,平成12年度以降,愛知県又は半田市が実施したダイオキシン類の環境調査によれば,半田市内の全ての調査地点で環境基準を達成しており,平成15年度には,半田市内の5か所のうち4か所で,環境基準の半分以下の数値となっている。 一方,日本車輌は,本件各施設に関し,生活環境影響調査を実施しているところ,その報告書(乙32)によると,本件各施設の稼働に伴うダイオキシン類の影響については,排出口から南南東約460メートルの地点が最も高くなる(最大着地濃度地点)と予測されているが,その地点の寄与濃度も1立方メートル当たり0.00018ピコグラムと予測されている。この値は,半田市内の現況のダイオキシン類の濃度の1000分の1程度,環境基準の3000分の1程度 測されているが,その地点の寄与濃度も1立方メートル当たり0.00018ピコグラムと予測されている。この値は,半田市内の現況のダイオキシン類の濃度の1000分の1程度,環境基準の3000分の1程度と極めて小さいものである(乙34)。 したがって,本件各施設から排出されるダイオキシン類によって,原告らの生活環境が影響を受けることはない。 (ウ)本件各施設の安全管理対策と排ガスの異常時拡散予測a本件各施設により発生する生成ガスについては,直接,環境中に排出せずに,いったんオフガスタンクに全量貯留し,PCB濃度等を複数の機器で測定し,PCBが処理されたことを確認した後,予熱器の燃料として利用する計画である。 -- また,ダイオキシン類についても,施行規則に定める維持管理の技術上の基準に従い,定期的に測定することとしている。そして,万が一にもオフガス中のPCB濃度等が目標値を超えた場合には,オフガスを全量反応器に戻してPCBを再処理し,その生成ガスをいったんタンクに貯留し,再度,PCBが処理されたことを確認することとしている。そのため,PCB濃度等が目標値を超えるオフガスを燃料として使用することはない。ましてや,PCB濃度等が目標値を超えるオフガスが,そのまま環境中に排出されることもない。 したがって,排ガスについては,例えPCB濃度等が目標値を超えたとしても,直接環境中に排出されず,再処理されるため,原告らが影響を受けるとは考えられない。 bそして,万一の事故等により,排出前段階の活性炭処理装置が故障し,PCB及びダイオキシン類を含んだ排ガスが無処理で排出された場合の周辺環境への影響を予測した結果(「異常時拡散予測」。乙48)においても,ダイオキシン類の予測濃度は,住居地域に近い日本車輌の敷地境界において,環境基準を下回って だ排ガスが無処理で排出された場合の周辺環境への影響を予測した結果(「異常時拡散予測」。乙48)においても,ダイオキシン類の予測濃度は,住居地域に近い日本車輌の敷地境界において,環境基準を下回っており(直近の住居地におけるダイオキシン類の濃度は1立方メートル当たり0.346ピコグラム),それ以上の距離を置いて生活している原告らが影響を受けるとは考えられない。 c日本車輌は,運転管理を徹底し,事故等にも適正に対応できるよう,「通常運転時の操作手順書」,「地震や停電時等に対処するための緊急時手順書」及び「安全管理規定」を作成するとともに,不測の事態や緊急時にも対応できる体制の整備,多重の安全対策,作業マニュアルの整備,作業員教育などを行い,災害やヒューマンエラーによる事故等を防止することとしている。また,地震,火災,事故等による故障及び異常が発生した場合は,速やかに施設を停止するなど適切に対-- 応できるように,緊急マニュアル,維持管理マニュアル等を整備し,これらを用いて従業員の教育・研修等を行うこととしている。 したがって,事故等が仮に発生して施設が故障したとしても,それが長期間にわたって放置されることはなく,原告らに影響を及ぼすこともない。 (エ)原告らの居住地域原告Aの居住地は,本件各施設から半径6キロメートルの圏外であり,原告C(以下「原告C」という。)の居住地は,本件各施設から約5キロメートルの地点である。さらに,原告D(以下「原告D」という。)の居住地は,本件各施設から約3.8キロメートルの地点である(甲100)。以上のとおり,原告らのうち3名は,いずれも本件各施設から少なくとも約4キロメートルの地点に居住しており,上記のとおり,生活環境影響調査において,ダイオキシン類の最大着地濃度が出現する地点が事業予定地 のとおり,原告らのうち3名は,いずれも本件各施設から少なくとも約4キロメートルの地点に居住しており,上記のとおり,生活環境影響調査において,ダイオキシン類の最大着地濃度が出現する地点が事業予定地から460メートルの地点とされていることからすれば,生活環境上何らの影響も受けないことが明らかである。 また,原告Bについては,訴状に記載されている住所地は,本件各施設から約1.5キロメートルの地点である「半田市●●町●丁目●番●号」であるが,その住民票上の住所地は,本件各施設から約3.2キロメートルの地点に位置する「半田市●町●丁目●番地」であって(乙62),本件各施設から排出される可能性のあるダイオキシン類の影響を受ける可能性はない。そもそも原告Bの訴状記載の住所地の現況は倉庫であって,同人がここに居住している可能性はないのであるから,原告適格については,住民票上の住所を基準に判断すべきである。 ウ住民説明会の対象範囲に関する反論について原告らは,本件条例9条,本件条例施行規則10条に基づく住民説明会の開催対象が半田市全域であることを原告適格の根拠として主張する。 -- しかし,本件条例9条は,産業廃棄物処理施設の設置許可について,事業者に説明会を実施させることにより手続の透明性を高め,計画の内容について住民のコンセンサスをできる限り確保するという手続上の観点から愛知県が独自に定めた規定である。したがって,そうした住民周知の徹底のために日本車輌が説明会の開催対象として届け出た範囲と,本件各許可処分の取消訴訟の原告適格が認められる範囲とは視点が異なっており,両者が直ちに一致するものではないから,このような本件条例の規定によって原告適格を基礎づけること自体失当である。 上記のような本件条例の趣旨からすれば,日本車輌が説明会の対象範囲 点が異なっており,両者が直ちに一致するものではないから,このような本件条例の規定によって原告適格を基礎づけること自体失当である。 上記のような本件条例の趣旨からすれば,日本車輌が説明会の対象範囲をより広く設定することは,むしろ望ましいことでもあり,日本車輌が半田市全域にダイオキシン類の影響が及ぶとの判断の下に説明会開催の範囲を半田市全域として届け出たものではなく,まして被告が,そのような判断をしたものでもない。 エ搬入道路付近住民の生活環境に関する反論について日本車輌の計画では,PCB廃棄物の処理量は1日当たり平均2トンであり,4トン積みトラックで2日に1台程度の搬入計画とされている。したがって,PCB廃棄物運搬車両の走行によって交通量が相当程度変化し,渋滞や交通事故の発生の増加,廃棄物運搬車両の排ガスによる大気汚染がもたらされることはない。 また,日本車輌は,産業廃棄物保管業者及び収集運搬業者との間で,PCB廃棄物の運搬について協議して,安全な収集運搬の計画及び態勢を整備するとともに,収集運搬業者に対し,運転手等への「PCB廃棄物収集・運搬ガイドライン」の遵守等の指導・周知を求め,管理に努めている。 以上から,処理予定の産業廃棄物を運搬・搬入する車両の通行によって,原告らは何ら影響を受けないというべきであるから,かかる観点からも原告らの原告適格を基礎づけることはできない。 -- オその他の違法事由に関する反論について原告らは,ダイオキシン類や住民説明会以外にも,本件各許可処分に関する違法事由をるる主張するが,以下のとおり,これらの事由によって,個々の原告らがどのような影響を受ける蓋然性があるのかは何ら明らかにされていない。 (ア)フッ素濃度に関する原告らの主張についてフッ素の濃度に関する原告らの主張は,ダイオキシン類 の事由によって,個々の原告らがどのような影響を受ける蓋然性があるのかは何ら明らかにされていない。 (ア)フッ素濃度に関する原告らの主張についてフッ素の濃度に関する原告らの主張は,ダイオキシン類濃度に関するものと同様,本件分解施設から排出されるフッ素によって,原告らにどのような影響が及ぶのかが何ら明らかにされていない。もともと,海水中にはフッ素が1リットル当たり約1.4ミリグラム含まれているが,これを直接人体に摂取することは考えられず,魚介類を介しての間接的な摂取を想定しても,これによって具体的な健康被害が生じた例は報告されていない。したがって,本件分解施設からの排水中のフッ素が,海水に取り込まれることによって,原告らの日常生活に影響が及ぶとは考えられない。 また,日本車輌の計画では,フッ素を含む本件各施設からの排水は,既設工場(衣浦製作所)の排水と一緒に,同所の総合排水処理設備で再度凝集沈殿処理し,衣浦港に放流する計画である(乙50)。そのため,万一,本件各施設に故障等が生じても,排水の安全性は二重に確保されており,排水が全く処理されずに排出されることは考えられない。 さらに,本件各施設及び衣浦製作所の両排水処理設備が故障したと仮定しても,排出地点から200メートル程度離れると,排水中のフッ素濃度が海水中の平均的なフッ素濃度にまで拡散されるから,原告らの生活環境に影響が生ずるとは考えられない。 よって,この点からも原告適格は根拠づけられない。 (イ)洗浄剤に関する原告らの主張について-- 本件洗浄施設で用いられる溶剤の選定に関する原告らの主張についても,それによって,原告らにどのような悪影響が生じるのかについては,何ら明らかにされておらず,この点から原告適格を論ずることはできない。 (ウ)日本車輌が,「その業務に関し る原告らの主張についても,それによって,原告らにどのような悪影響が生じるのかについては,何ら明らかにされておらず,この点から原告適格を論ずることはできない。 (ウ)日本車輌が,「その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認められる相当の理由がある者」に該当するとの主張について原告らは,日本車輌が,「その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者」に該当すると主張するが,設置者が上記の者に該当する場合には,設置許可を取り消すことができるとする法15条の3第1項1号は,資質や信用性等の観点から当該産業廃棄物処理施設の設置者が適正に当該施設の管理をすることができないと認められたときに許可を取り消すことによって,事業者の適切な資質・信用を担保するという公益目的のためのものであるから,原告適格を基礎づける性質は有していない。 (2)争点(2)ア(本件分解施設から排出されるダイオキシン類の濃度が,維持管理の技術上の基準である1立方メートル当たり0.1ナノグラムを超える違法があるか否か)について(原告らの主張)ア維持管理の技術上の基準の位置づけについて(ア)廃棄物処理施設設置許可との関係廃棄物処理施設の設置許可制度は,同施設の設置を一般に禁止した上で,施設の設置に関する計画が技術上の基準に適合していること,施設の設置及び維持管理に関する計画が周辺地域の生活環境の保全等について適正な配慮をしていることなど,一定の要件を具備すると認められるときに限って許可されるものである(法15条の2第1項)。 そして,廃棄物処理施設の設置者は,環境省令で定める技術上の基準-- (以下「維持管理の技術上の基準」という。)及び維持管理に関する計画に従い,当該施設の維持管理をしなければならないとさ 。 そして,廃棄物処理施設の設置者は,環境省令で定める技術上の基準-- (以下「維持管理の技術上の基準」という。)及び維持管理に関する計画に従い,当該施設の維持管理をしなければならないとされている(法15条の2の2)。 そうすると,維持管理の技術上の基準については,設置許可申請書に維持管理に関する計画が記載されていればよいというものではなく,設置を許可する際に,将来にわたって維持管理の技術上の基準が充足され続けることが相当の蓋然性をもって判断されなければならない。なぜなら,維持管理の技術上の基準を充足しないことが予想されるにもかかわらず,とりあえず設置許可をして,その稼働後に改善命令等の措置をすれば足りるという運用をするのでは,許可制が採用されている趣旨に反するからである。 したがって,このような許可の判断に際しては,あらかじめ実施した実験等の結果に基づいて設定した維持管理に関する計画が,法令の基準を充足しているか否かが具体的に判断されるべきである。現に,環境省や厚生労働省の通達(環境省通知環廃産第260号,厚生省通知衛環第37号)によれば,設置許可に際して,維持管理の技術上の基準を充足するか否かについても検討すべき旨記載されている。 以上によれば,産業廃棄物処理施設の維持管理の技術上の基準に違反していることも,本件各許可処分の取消原因となると解すべきである。 (イ)ダイオキシン類濃度に関する維持管理の技術上の基準上記のとおり,産業廃棄物処理施設の維持管理の技術上の基準も,本件分解施設の設置許可要件となるべきところ,法15条の2の2の規定を受けて,施行規則12条の7第13項4号ト及び第14項3号チは,産業廃棄物処理施設の維持管理の技術上の基準として,「除去設備の出口における生成ガス中の環境大臣の定める方法により算出されたダ の規定を受けて,施行規則12条の7第13項4号ト及び第14項3号チは,産業廃棄物処理施設の維持管理の技術上の基準として,「除去設備の出口における生成ガス中の環境大臣の定める方法により算出されたダイオキシン類の濃度が1立方メートル当たり0.1ナノグラム以下となるよ-- うに処理すること」と定めている。 したがって,本件分解施設における除去設備(煙突)の出口における生成ガス中のダイオキシン類の濃度が1立方メートル当たり0.1ナノグラム以下となるように処理されることが本件分解施設の設置許可要件となっているものであり,この基準値を超えることが明らかな場合は,本件分解施設設置許可処分は,法15条の2第1項1号,施行規則12条の7第13項4号ト及び14項3号チに違反するものとして,違法である。 イ本件分解施設が維持管理の技術上の基準を満たさない根拠について(ア)維持管理の技術上の基準への適合性に関する実験の欠如(本件実証試験の不十分さ)a維持管理の技術上の基準への適合性に関する実験の不可欠性除去設備の出口における生成ガスのダイオキシン類濃度が,1立方メートル当たり0.1ナノグラム以下に処理できるかどうかについては,計算結果だけでなく実験結果に基づく理論的かつ科学的根拠が必要である。しかし,日本車輌は,本件実証試験以外,生成ガス中のPCB濃度及びダイオキシン類濃度を測定・分析する実験を一度も行っていない。しかも,本件実証試験は,気相水素還元法について国の評価を受けるために実施されたものであって,本件分解施設に関するものではないのである。 したがって,本件分解施設が,維持管理の技術上の基準に定められた値を達成できるとする根拠は,計算上の理論にすぎないのであって,理論的かつ科学的根拠としては不十分である。 b本件実証試験のずさん 。 したがって,本件分解施設が,維持管理の技術上の基準に定められた値を達成できるとする根拠は,計算上の理論にすぎないのであって,理論的かつ科学的根拠としては不十分である。 b本件実証試験のずさんさそして,本件実証試験の内容も,以下のとおり,実際の本件分解施設の規模や稼働状況を前提としたものではなく,その安全性を根拠づ-- けるものではない。 ⒜反応設備等の規模が大きく異なること本件実証試験に用いられた実証試験機の規模は,廃PCBの投入量で実用機の333分の1,反応器容積で1136分の1,固形物用蒸発機容積で164分の1と小さく,モデル機として理想とされる10分の1にはるかに及ばない。したがって,スケールアップするのは規模が違いすぎる。 この点について,被告は,化学反応として単純であることを理由に問題ない旨主張するが,化学反応としての単純さとシステムの単純さはイコールではなく,例えば温度管理などは,規模の拡大によって熱量の維持や均等性などの問題が生ずる。つまりシステムは複雑なものを要するのである。 ⒝用いられた試料が実際の処理方法を反映していないこと日本車輌が本件実証試験に供した低濃度PCB油,高濃度PCB油の試料は,後者のものでもPCB原油を6パーセント程度に希釈したものであって(甲8),実際のものと比べると極めて低濃度であるから,この試料を用いた本件実証試験の結果において,生成ガス中のダイオキシン類の濃度が基準以下になったとしても,実際の操業の際に妥当するとは限らない。 しかも,上記試験において収集されたデータは,施行規則において定められた除去設備出口(計画施設の第2段スクラバ出口)のガスではなく,生成ガスタンクに貯留され平均化されたガスであり,本件分解施設が実際に稼働した場合における排ガスの排出状況とは異なる において定められた除去設備出口(計画施設の第2段スクラバ出口)のガスではなく,生成ガスタンクに貯留され平均化されたガスであり,本件分解施設が実際に稼働した場合における排ガスの排出状況とは異なる。 ⒞基準値を超える結果が生じていること本件実証試験の結果を見ると,PCB汚染土砂を用いて行った試-- 験においては,生成ガスタンクにおいて平均化された生成ガスのダイオキシン類濃度でさえ,維持管理の技術上の基準値である1立方メートル当たり0.1ナノグラムをはるかに上回る1立方メートル当たり0.29ナノグラムであって,基準値の3倍近い数値となっている(甲8,134の11頁)。 このような場合,改良を加えて再度実証試験を行うべきであるにもかかわらず,これが行われていない。被告は,固形物蒸発器やスクラバの改良を主張するが,これらがダイオキシン類の発生抑制に意味を持つかは疑問があり,実際の試験も行われていない。 ⒟ダイオキシンが合成されていること本件分解施設が採用している気相水素還元法は,還元反応であるから,理論上はPCBを完全に分解し,ダイオキシン類は合成されないはずである。しかし,本件実証試験の分析結果によれば,反応分解前には,定量下限値未満しか存在せず,H7CDDsよりも少量だったO8CDDが,反応分解後には,H7CDDsよりも多く含まれていたことが判明しており,このことは,ダイオキシン類が合成されていると考えなければ説明がつかない。 c小括上記のとおり,本件実証試験の結果によっても,本件分解施設において生じるダイオキシン類を,維持管理の技術上の基準値である1立方メートル当たり0.1ナノグラム以下に処理できることは何ら保証されていないから,本件分解施設は維持管理の技術上の基準に適合していないことは明らかである。したがって,実 理の技術上の基準値である1立方メートル当たり0.1ナノグラム以下に処理できることは何ら保証されていないから,本件分解施設は維持管理の技術上の基準に適合していないことは明らかである。したがって,実証データを検討することなく,本件分解施設設置許可申請書の記載だけに基づいて,維持管理の技術上の基準に適合しているとした本件分解施設設置許可処分は違法である。 -- (イ)日本車輌による分析結果のデータの隠ぺいa技術認定騙取の経緯日本車輌は,島津テクノリサーチに対して,本件実証試験において生成されたガスの採取・分析を依頼した。これを受けて,島津テクノリサーチは,本件実証試験において生成されたガスを採取し,PCB及びダイオキシン類の測定結果を日本車輌に報告した(甲114の1ないし4)。 それにもかかわらず,日本車輌は,PCB汚染トランスの分解実験(第2回)の生成ガス中におけるPCB及びダイオキシン類の測定結果を意図的に取り除いて,実証試験報告書(甲74)を作成し,豊川市,愛知県に提出した上,検討評価委員会に対しても同報告書に基づいた実証試験成果報告書(甲106の2)を提出している。このことは,実証試験報告書に添付された島津テクノリサーチの分析結果報告書に欠落部分が存在することから明らかである。 日本車輌が上記データを隠ぺいしたのは,処理運転状況が正常であっても,PCBとダイオキシン類濃度が目標値を達成しなかったからと考えられる。すなわち,上記のように,汚染土砂の処理実験において,運転状況が正常であったにもかかわらず,ダイオキシン類濃度が目標値を上回って0.29ナノグラムの数値を示したことから,汚染トランスの分析結果を隠すことになったと思われる。このため,日本車輌は,実証試験報告書の処理目標値に対する結果の記述においても,生成ガ 目標値を上回って0.29ナノグラムの数値を示したことから,汚染トランスの分析結果を隠すことになったと思われる。このため,日本車輌は,実証試験報告書の処理目標値に対する結果の記述においても,生成ガスの分析値について一切触れることなく,「生成ガスの燃焼排ガス」の排出基準や分析値についての論述にすり替えている。 このように,日本車輌は,上記のデータを隠して,検討評価委員会に提出し,廃棄物処理法の還元熱化学分解方式によるPCBの処理技術としての認定を受けたものである。 -- b第4回愛知県廃棄物処理施設審査会議における嘘の報告PCB処理を考える市民会議の一員である半田市議が,平成16年2月12日,環境省を訪れて日本車輌への適切な指導を要請したところ,愛知県に伝えておくとの返答を得た。そこで,原告らが,同年3月,愛知県を訪れ,実証試験のデータに疑わしい部分があり,都合の悪い分析結果を取り除いた可能性について指摘したが,愛知県は現在に至るまで何らの行動もとっていない。 被告は,上記審査会議において,委員に対し,汚染トランスの生成ガスについては採取をしていないし分析測定もしていないと説明しているが,上記のとおり,これは全くの嘘であり,2回目の分解実験の際に生成ガスの採取や測定が行われなかったことについて疑問を抱く機会はあったはずである。 (ウ)小括上記のとおり,本件分解施設設置許可処分は,重要な試験データを一部隠した上で作成された実証試験成果報告書の評価結果を基になされたもので,実態は許可基準に適合していない。そして,被告は,これらについて疑問を抱くことなく,日本車輌の言い分をそのまま受け入れて,安易に上記処分を行ったものである。 (被告の主張)原告らの主張は否認ないし争う。 ア維持管理の技術上の基準の位置づけについて本件分解施 疑問を抱くことなく,日本車輌の言い分をそのまま受け入れて,安易に上記処分を行ったものである。 (被告の主張)原告らの主張は否認ないし争う。 ア維持管理の技術上の基準の位置づけについて本件分解施設設置許可処分に際しての技術上の基準は,法15条の2第1項1号の規定を受けて,施行規則12条及び12条の2に定められているところ,原告らが違法事由として主張する施行規則12条の7第13項4号ト,14項3号チは,法15条の2の2に定める廃棄物処理施設の維持管理の技術上の基準であり,廃棄物処理施設が実際に稼働した後に問題-- とされるべきものであって,設置許可に際しての技術上の基準への抵触の問題を生じないものである。 なお,産業廃棄物処理施設の設置許可申請に際しては,法15条2項7号により,施行規則11条3項に定める産業廃棄物処理施設の維持管理に関する計画の記載が要求されるが,維持管理については,施行規則12条の6及び12条の7に維持管理の技術上の基準が定められており,この維持管理の技術上の基準に適合した維持管理に関する計画が記載されていれば,法15条2項7号の要件を充足するものである。 そして,現実に産業廃棄物処理施設が稼働した後に,施行規則12条の6及び12条の7の維持管理の技術上の基準に適合していないことが判明したときには,改善命令等の措置が取られる(法15条の2の6)のであり,許可に際しての技術上の基準と維持管理の技術上の基準は,適用される局面が異なるから,両者を混同してはならない。 以上から,原告らの主張は,これらを看過した論理的に誤ったものというほかなく,それ自体失当である。 イ本件実証試験について(ア)原告らは,本件分解施設において維持管理の技術上の基準が達成できない根拠をるる主張するが,これらの原告らの指摘は,結局のと ものというほかなく,それ自体失当である。 イ本件実証試験について(ア)原告らは,本件分解施設において維持管理の技術上の基準が達成できない根拠をるる主張するが,これらの原告らの指摘は,結局のところ,本件分解施設そのものについて実証試験などの実験がなされていないという点に尽きるものであるところ,そもそも,法15条1項に基づく産業廃棄物処理施設の設置許可については,設置に関する技術上の基準,さらには維持管理に関する技術上の基準を達成できることが,実証試験等の実験によって裏付けられていることまで要件としていない。 本件実証試験は,PCBの除染能力を確認し,通商産業省の「難分解性有機化合物処理技術検討評価委員会」の技術評価を受けるために行ったものである。 -- (イ)次に,原告らは,本件実証試験の結果,PCB汚染土砂の第2回目の試験でダイオキシン類濃度が基準値の約3倍の0.29ナノグラムになるなど,本件実証試験を本件分解施設の安全性の根拠とするには不十分である旨主張する。 しかし,本件分解施設設置許可申請に当たり,①本件実証試験においてPCB汚染土砂の処理に用いられた粒状固形物用蒸発器(ロータリーキルン)を,プログラミングした昇温速度で温度を上げるようコントロールする形式のものに変更し,②PCB分解温度を安定化させるために過熱器を設置し,③より急速に冷却できるよう除去設備のスクラバの散水ノズルを増設するなどの改良を加えており,本件分解施設において,生成ガス中のダイオキシン類濃度を廃棄物処理法の定める基準値以下に処理することができることについては,十分に科学的な合理性があるといえるから,これらの改良点を無視し,本件実証試験の結果のみをもって,本件分解施設の合理性を論ずることは失当である。 (ウ)また,実証試験機との規模の相違に については,十分に科学的な合理性があるといえるから,これらの改良点を無視し,本件実証試験の結果のみをもって,本件分解施設の合理性を論ずることは失当である。 (ウ)また,実証試験機との規模の相違についても,気相水素還元法は,触媒を使わない単純な化学反応を利用するものであるから,実用機が一気にスケールアップされたものであるとしても,実際の検出濃度に影響を及ぼさないという推測に十分な合理性が認められる。 (エ)さらに,原告らは,トランスオイルの処理結果中のO8CDDの濃度(甲135の別表)を根拠に,気相水素還元法によって,ダイオキシン類が合成された可能性があると主張する。 しかし,気相水素還元法は,原理の単純な還元反応であり,ダイオキシン類が合成されることは理論上考えられない(乙57の8頁)。本件実証試験においては,低濃度PCB汚染油の処理に際し,市販の電気絶縁油で希釈して試料としているが,原告らの推論は,この希釈に用いられた市販の電気絶縁油にもダイオキシン類が含まれていた可能性を無視-- したもので非現実的である。 したがって,分析結果が,ダイオキシン類が合成されたことの根拠になるとは考えられない。 ウデータの隠ぺいに関する反論について(ア)原告らは,日本車輌が,本件実証試験のデータの一部を提出しなかったことを捉えてデータの隠ぺいであると主張するが,日本車輌がデータを提出しなかった理由は以下のとおりである。 日本車輌は,当初,本件実証試験において,新品のトランスにPCBを塗布して試験を行い,PCBの分解率を算出する計画であった。しかし,現在入手可能な新品のトランスと,現実に処理することとなる昭和40年代ころのトランス(以下「実トランス」という。)では構造等が異なっており,実際の処理との乖離が生じる可能性があった。このため, し,現在入手可能な新品のトランスと,現実に処理することとなる昭和40年代ころのトランス(以下「実トランス」という。)では構造等が異なっており,実際の処理との乖離が生じる可能性があった。このため,可能な限り実際の処理の実態に近づけるべく,検討評価委員会の承認も得た上で,本件実証試験では実トランスを使用することに変更した。ただし,実トランスの試験においては,トランス処理後の残存物中のPCB濃度は確認できるが,試験前に実トランスに付着していたり,既に染み込んでいるPCBの総量(絶対量)を測定することは不可能であり,生成ガス中のPCBやダイオキシン類の濃度を測定しても分解率が評価できないため,トランスの生成ガス中のPCBやダイオキシン類の濃度は,有意な測定項目としては位置づけなかった。 したがって,一つの社内資料としての測定結果として扱い,報告書に記載すべきデータとしては扱わなかったにすぎず,PCBの処理性能については,PCB汚染油の本件実証試験結果から分解率を確認することで,検討評価委員会の評価を得たものである(乙43)。 (イ)以上のとおり,結果的に測定したデータについて報告されていないものがあるものの,意図的なデータ隠しではなく,これを隠ぺいしたな-- どとの原告らの主張は邪推でしかない。 ちなみに,日本車輌が保有しているトランスの生成ガス中のダイオキシン類濃度は,1立方メートル当たり0.0094ナノグラムにすぎず,目標値の0.01ナノグラムを下回っているほか,これに,その後にダイオキシン類に含まれることになったコプラナーPCBの0.12ナノグラムを加え,「ダイオキシン類の濃度の算出方法」(平成12年厚生省告示第335号)に基づいて酸素濃度による補正を行うと,ダイオキシン類濃度は0.0587ナノグラムであって,やはり現在の .12ナノグラムを加え,「ダイオキシン類の濃度の算出方法」(平成12年厚生省告示第335号)に基づいて酸素濃度による補正を行うと,ダイオキシン類濃度は0.0587ナノグラムであって,やはり現在の基準を下回っている。 (3)争点(2)イ(本件分解施設におけるPCB汚染トランス処理後の生成ガス中におけるPCB濃度が,日本車輌の定めた自主基準値である1立方メートル当たり0.001ミリグラムを超える違法があるか否か)について(原告らの主張)ア自主基準値の位置づけについて本件分解施設の排ガス,排気中のPCBについては,法令上の具体的な基準は存在しないが,廃棄物処理法の改正(平成9年法律第85号によるもの)に際して発せられた厚生省の各種通達に,設置者自らが設定した計画に従って維持管理していくことが記載されている(平成9年12月17日付け生衛1112号(甲119),平成10年5月7日付け生衛発780号(甲90の2の5頁),平成10年5月7日付け衛環37号(甲120))。 これらの通達によれば,廃棄物処分業者は,「周辺地域の生活環境保全」のために自ら申請した維持管理基準(自主基準値)に従わなければならないものであって,設置計画等が処分業者自ら設定した自主基準値に違反する場合には,知事が設置許可処分を行うことは許されないと解すべきである。 -- したがって,日本車輌の定めた自主基準値が達成できないにもかかわらず,被告が本件分解施設設置許可処分をしたことが判明した場合には,同処分は違法として取り消されなければならない。 イPCB濃度に関する自主基準値の達成不能の根拠について(ア)日本車輌の自主基準値とPCBの実測濃度日本車輌は,生成ガス中のPCB濃度について,1立方メートル中0. 001ミリグラムという自主基準値を定めている(甲14 主基準値の達成不能の根拠について(ア)日本車輌の自主基準値とPCBの実測濃度日本車輌は,生成ガス中のPCB濃度について,1立方メートル中0. 001ミリグラムという自主基準値を定めている(甲142の48頁)。 ところが,本件実証試験に関する日本車輌の愛知県環境部廃棄物対策課に対する回答書(乙43)によれば,PCB汚染トランスから生じた生成ガス中のPCBの実測濃度として1立方メートル当たり1万7000ナノグラムの記載があるから,これを自主基準値と同単位に換算すると,1立方メートル当たり0.017ミリグラムとなり,同基準値の17倍もの数値となっている。上記のような大幅な自主基準値違反が本件分解施設設置許可処分の取消事由に当たることは明らかである。 (イ)本件申請書におけるPCB濃度の改ざんまた,日本車輌は,前述のとおり,PCB汚染トランスに関する本件実証試験の結果のうち,生成ガスに関する分析結果を隠ぺいしていたところ,後にトランスの生成ガス中のPCB濃度が1立方メートル当たり1万7000ナノグラムであったことが判明したものであるが,本件各許可申請書の仕様書には,気相水素還元法の性能を示すものとして,生成ガス中のPCB濃度を4.0ナノグラムと記載した資料集を添付した。 これはまさにデータの改ざんであって,これを前提になされた本件分解施設設置許可処分は取り消されるべきである。 (被告の主張)原告らの主張は争う。 ア自主基準の位置づけについて-- 原告らは,産業廃棄物処理施設設置計画が事業者の設定した自主基準値に違反する場合は,被告が設置許可をすることは許されないと解すべきであるなどと主張するが,廃棄物処理施設に関しては,法15条の2第1項各号のいずれにも適合していると認める場合には,その設置を許可をしなければならないのであって 許可をすることは許されないと解すべきであるなどと主張するが,廃棄物処理施設に関しては,法15条の2第1項各号のいずれにも適合していると認める場合には,その設置を許可をしなければならないのであって,事業者自ら定めた自主基準を達成し得ることが許可要件になることはない。 イPCB濃度が自主基準値を超えるとの原告らの主張について原告らの上記主張は,PCB汚染トランスに関する本件実証試験の結果に基づくものであるが,かかる主張は,日本車輌が,本件分解施設において,固形物蒸発器やスクラバを改良している点を無視したものである。日本車輌の維持管理に関する計画は,こうした改良点を含め,審査会において審査され,適正な配慮がされたものであると認められる旨の意見が報告されたものであり,この点を看過した原告らの主張は失当である。 なお,原告らの指摘する本件各許可申請書の仕様書に添付された資料集(PCB処理技術資料集増補版(2)資料4-8)中のPCB濃度1立方メートル当たり4.0ナノグラムの記載は,生成ガスの燃焼排ガス測定結果を誤って転記したものにすぎず,最新版のPCB処理技術ガイドブック(改訂版)においては削除されている(乙59)。 (4)争点(2)ウ(本件分解施設から排出されるダイオキシン類を常時測定,記録すべきか否か。また,常時測定すべきではないとしても,測定方法自体に不備があるか否か)について(原告らの主張)アダイオキシン類測定に関する許可基準について(ア)常時測定の要件法15条の2第1項1号は,都道府県知事は,「その産業廃棄物処理施設の設置に関する計画が環境省令で定める技術上の基準に適合してい-- る」のでなければ,当該施設の設置を許可してはならないと定めているところ,施行規則12条の2第13項2号は,施行令7条12号の2に掲げら 計画が環境省令で定める技術上の基準に適合してい-- る」のでなければ,当該施設の設置を許可してはならないと定めているところ,施行規則12条の2第13項2号は,施行令7条12号の2に掲げられた分解施設について,「処理しようとする廃ポリ塩化ビフェニル等又はポリ塩化ビフェニル処理物及びこれらの処理により生じた産業廃棄物の性状を分析することができる設備が設けられていること」と規定し,施行規則12条の2第14項2号は,ポリ塩化ビフェニル汚染物分解施設についても同様の定めをしている。さらに,施行規則12条の2第13項5号ハ(2)及び14項4号ハ(2)は,気相水素還元法を含む還元熱化学分解施設について,「除去設備から排出された生成ガス中の主要な成分を測定し,かつ,記録するための装置が設けられていること」と定めている。また,維持管理の技術上の基準としても,施行規則12条の7第13項4号ホ及び14項3号ヘは,「除去設備から排出された生成ガス中の主要な成分を測定し,かつ,記録すること」と規定している。 この点について,被告は,上記「主要な成分」にダイオキシン類は含まれていない旨主張するが,廃棄物処理法改正に先立って開催された中央環境審議会の第2回廃棄物処理基準等専門委員会は,ダイオキシン類をも念頭において議論している上,施行規則12条の7第13項4号ト及び14項3号チが,除去設備の出口におけるダイオキシン類の濃度を規制していることからすると,「主要な成分」は,水素,メタン,一酸化炭素,二酸化炭素に限定されるものではなく,ダイオキシン類も含むと解釈すべきであるから,上記主張は誤りである。 したがって,本件分解施設においては,除去設備から排出された生成ガス中の主要成分であるダイオキシン類の濃度を常時測定し,かつ,記録するための装置が設けられてい べきであるから,上記主張は誤りである。 したがって,本件分解施設においては,除去設備から排出された生成ガス中の主要成分であるダイオキシン類の濃度を常時測定し,かつ,記録するための装置が設けられていることが,その設置の許可要件になっているというべきである。 -- (イ)適切な測定方法の要件また,法15条の2の2を受けて,施行規則12条の7第13項4号チ及び14項3号リは,維持管理の技術上の基準として,除去設備の出口における生成ガス中のダイオキシン類の濃度を毎年1回以上測定し記録することを定めている。 したがって,ダイオキシン類の測定方法に不備がある場合には,本件分解施設設置許可処分は,上記各規定に違反するものである。 イダイオキシン類測定に関する許可基準違反の根拠について(ア)本件分解施設がダイオキシン類濃度測定装置を備えていないこと本件分解施設は,除去設備から排出された生成ガス中のダイオキシン類を測定し,記録する設備を設けていない。そうすると,本件分解施設は,法の規定を満たさないものであり,その設置許可処分は取り消されるべきである。 この点についても,被告は,外部委託のPCB濃度モニタ(型式CP-2000P)でPCB濃度を管理し,これからダイオキシン類濃度を類推する(甲6)から技術上の基準に合致する旨主張するが,生成ガス中のダイオキシン類をリアルタイムで連続測定していく技術や装置が開発されている(甲138)上,両者の相関関係を示す科学的な根拠は存在しないから,上記の類推という手法は不可能である。 (イ)PCB濃度モニタの精度上記のモニタについては,製造元の日立那珂エレクトロニクスからの回答(甲147)によれば,PCBが存在するか否かを検査できる最下限を意味する「検出下限」は1立方メートル当たり6.6マイクログラム( 上記のモニタについては,製造元の日立那珂エレクトロニクスからの回答(甲147)によれば,PCBが存在するか否かを検査できる最下限を意味する「検出下限」は1立方メートル当たり6.6マイクログラム(2分)ないし1.65マイクログラム(30分)であり,その量の多寡を計測できる最下限である「定量下限」ともに必要な測定精度を有しておらず,到底,日本車輌が定めた運転管理値である同1マイクログ-- ラムを測定することはできない。まして,きょう雑物質が混在しているときの精度が悪化する可能性は高い。 ウ小括よって,本件分解施設はダイオキシン類測定に関する許可基準を満たしていないから,本件分解施設設置許可処分は違法である。 (被告の主張)原告らの主張は争う。 ア施行規則の定める「主要な成分」について施行規則12条の2第13項5号ハ(2)及び14項4号ハ(2)は,除去設備から排出された生成ガス中の主要な成分を測定し,かつ,記録するための装置が設けられていることを要求しているところ,ここにいう「主要な成分」とは,水素,メタン,一酸化炭素,二酸化炭素等と解されており(乙38),ダイオキシン類のように非常に微量にしか含有されず,高性能の測定装置が必要な物質までも対象としているものではない。 イ本件分解施設における測定頻度・方法について維持管理の技術上の基準である施行規則12条の7第13項4号チ及び14項3号リは,「除去設備の出口における生成ガス中のダイオキシン類の濃度を毎年1回以上,粒子状の物質及び塩化水素の濃度を6月に1回以上測定し,かつ,記録すること」と規定しているところ,日本車輌は,スクラバ出口とオフガスタンクで6月ごとに測定することとしており,上記基準に適合していることが明らかである。 なお,原告らが主張するように,生成ガス中のダイオキ と」と規定しているところ,日本車輌は,スクラバ出口とオフガスタンクで6月ごとに測定することとしており,上記基準に適合していることが明らかである。 なお,原告らが主張するように,生成ガス中のダイオキシン類濃度について,常時備え付けてリアルタイムで連続測定する装置は実用化されていない。したがって,日本車輌の計画では,上記のように6月ごとにダイオキシン類濃度を測定するほか,普段の運転管理においては,水素,酸素,メタン,一酸化炭素,二酸化炭素,モノクロロベンゼン,ベンゼン,PC-- Bの濃度を測定し(甲6),これらを指標として,総合的な運転管理を行うこととしているところ,その計画の合理性については,専門的知識を有する者で構成される審査会で審査された結果,PCB濃度モニタは,ガスクロマト質量分析計と検量しながら使えば,モニタとして使えるとの結論が出されている。 ウ小括したがって,本件分解施設におけるダイオキシン類測定方法等は,科学的な合理性を有しているから,上記原告らの主張は何ら取消原因たり得ないものであり,失当というほかない。 (5)争点(2)エ(本件分解施設からの排水中のフッ素濃度が,水質汚濁防止法3条1項所定の排水基準値(1リットル当たり15ミリグラム)を超える違法があるか否か。また,日本車輌の自主基準値(同2ミリグラム)を超える違法があるか否か)について(原告らの主張)アフッ素濃度に関する設置許可基準について法15条の2第1項1号は,廃棄物処理施設の設置要件として,「その産業廃棄物処理施設の設置に関する計画が環境省令で定める技術上の基準に適合している」ことを要求し,これを受けて,施行規則12条6号は,技術上の基準として,「施設から排水を放流する場合は,その水質を生活環境保全上の支障が生じないものとするために必要な排 技術上の基準に適合している」ことを要求し,これを受けて,施行規則12条6号は,技術上の基準として,「施設から排水を放流する場合は,その水質を生活環境保全上の支障が生じないものとするために必要な排水処理設備が設けられていること」を規定している。 そして,排水に関しては,水質汚濁防止法が排水基準を定めているところ,同法3条1項に基づく「水質汚濁防止法第3条第1項の規定による排水基準を定める省令」(昭和46年総理府令第35号)の別表第1によれば,有害物質の種類が「ふつ素及びその化合物」の場合,許容限度は,「海域に排出されるもの1リットルにつきふつ素15ミリグラム」と定め-- られているから,本件分解施設から海域に排出される排水のフッ素濃度が上記許容限度以下であることが,その設置許可要件となっている。 また,上記のとおり,廃棄物処分業を行おうとする者は,申請書に記載した自主基準値に従って維持管理をしなければならなず,これに違反する場合に設置許可することは許されない。本件において,日本車輌は,本件分解施設設置許可申請の際,排水中のフッ素濃度を1リットル当たり2ミリグラム以下とする管理目標値(自主基準値)を設定しており(甲36),日本車輌が上記値を達成することができることが許可基準となる。 以上によれば,本件分解施設からの排水中のフッ素濃度が,水質汚濁防止法上の排水基準である1リットルにつき15ミリグラムを超える場合はもちろんのこと,仮に,同基準を満たすとしても,自主基準値(1リットルにつき2ミリグラム)を達成することができない場合には,本件分解施設設置許可処分は違法となる。 イ本件分解設備が許可基準に違反する根拠について(ア)本件実証試験の不十分さ被告は,本件分解施設からの排水処理が合理的であることは本件実証試験によって根拠づけ 施設設置許可処分は違法となる。 イ本件分解設備が許可基準に違反する根拠について(ア)本件実証試験の不十分さ被告は,本件分解施設からの排水処理が合理的であることは本件実証試験によって根拠づけられると主張するが,本件実証試験における廃水処理データは,スクラバ水から有害物を取り除くため,廃水を容器に採り,そこに活性炭を入れてかくはんした結果を分析したものであって(甲32),活性炭やスクラバ水の量については何ら説明されていないばかりか,本件分解施設設置許可申請に係る廃水処理設備は,本件実証試験における設備と全く異なるものであるから,その安全性は,実験等によって何ら根拠づけられていない。 (イ)日本車輌の処理方法の問題点日本車輌が採用する塩化カルシウム凝集沈殿処理法による排水処理では,フッ素濃度を海洋への排出基準である1リットル当たり15ミリグ-- ラム以下にすることは困難であるといわれており,しかもフッ素濃度が低くなるほど処理効率が低下する傾向があることが学術的に指摘されている。これより厳格な海洋以外への排出基準である1リットル当たり8ミリグラム以下の濃度で排水するためには,樹脂吸着装置や2段凝集沈殿装置を設置した上で,大量に発生する汚泥を処理する必要があるところ,既にこのようなフッ素高度処理装置が開発されており,1リットル当たり8ミリグラム以下に処理することが可能となっている。 これに対して,日本車輌は,独自の計算の結果,排水中のフッ素濃度を1リットル当たり2ミリグラム以下に処理することができると計画しているが,その排水処理設備が,①1段式であり,多段式ではないこと,②汚泥を脱水する装置がないこと,③上記のようなフッ素の高度処理を行うものではないことに照らすと,その計画は机上の空論といわざるを得ない。 (ウ)日本車輌 が,①1段式であり,多段式ではないこと,②汚泥を脱水する装置がないこと,③上記のようなフッ素の高度処理を行うものではないことに照らすと,その計画は机上の空論といわざるを得ない。 (ウ)日本車輌のフッ素処理技術には十分な根拠がないこと本件洗浄施設において,PCB汚染物であるトランス等を洗浄した後の溶剤は,再度洗浄溶剤として再利用するために蒸留を行うが,その蒸留残さにはフッ素が含まれており,かかる残留残さは,本件分解施設で分解処理されるから,その生成ガスにもフッ化水素が含まれることとなる。そして,フッ化水素を含む生成ガスを洗浄した後の排水は,油分除去凝集ろ過器,凝集沈殿処理装置(凝集反応槽,沈殿槽,砂ろ過器,活性炭吸着塔)を経て,貯留タンクに貯められることになる。 このような排水処理の過程で,蒸留残さを分解処理する限り,フッ素(=フッ化水素)が発生するところ,日本車輌は,本件分解施設設置許可申請書添付の資料(甲31)において,計算根拠とともに放流水のフッ素濃度を1リットル当たり1.38ミリグラムとしている。しかし,かかる数値は,上記のとおり,実証試験に基づくものではないばかりか,-- 以下のとおり,その算出方法にも誤りがある。 すなわち,日本車輌は,フッ化カルシウムの溶解度は0.017であり,これ以上のフッ化カルシウムは沈殿するので,溶解するフッ素濃度は1リットル当たり8.27ミリグラムであるとし,他方,廃溶剤を分解処理する時間は2時間であるところ,排水処理施設の設計値によればスクラバ水の排水量は1時間当たり1.5立方メートルであるから,この間のスクラバ水の量は3立方メートルであるとし,これを18立方メートルの貯留タンクに貯留するから6倍に希釈され,これに含まれるフッ素も同様に希釈されるとの前提に立って,最終的なフッ素濃度を ら,この間のスクラバ水の量は3立方メートルであるとし,これを18立方メートルの貯留タンクに貯留するから6倍に希釈され,これに含まれるフッ素も同様に希釈されるとの前提に立って,最終的なフッ素濃度を1リットル当たり1.38ミリグラムまでに抑えて処理できるとする。 しかし,本件分解施設におけるスクラバ設備の構造上,スクラバ水は,第1循環水タンク,第2循環水タンクと循環して,最終的に第1スクラバ受水タンクよりオーバーフローして排水処理設備へ流れ出ることになっており,排水処理装置に流れ出るのは,第1スクラバ受水タンクからオーバーフローした液体のほかに,第1・第2スクラバ受水タンクから遠心分離機又は自動ストレーナで除去した粒子状物質を含む排水も含まれている。ところで,上記各タンクの容量13.82立方メートルのうち8割の水量が存在していると仮定すると,11.056立方メートルとなり,これと2時間分の排水処理設備に流れ出るスクラバ水3立方メートルを合わせた約14立方メートルの水にフッ素が含まれる計算となる。日本車輌の計算は,2時間分の排水処理設備で処理される排水3立方メートルにしかフッ素が含まれていないこと,すなわちフッ素がスクラバ設備で混合されることなく,直ちにオーバーフロー水とともに流れ出ることを前提としている点に誤りがある。 そうすると,18立方メートルの貯留タンクに貯留することになる液体総量は3立方メートルではなく14立方メートルに,そこに含まれる-- フッ素濃度も1立方メートル当たり8.27ミリグラムになるから,18立方メートルの貯留タンクでの希釈を考慮しても,計算上のフッ素濃度は1リットル当たり6.43ミリグラムに達する。したがって,最終的なフッ素濃度を1リットル当たり1.38ミリグラムまでに抑えて処理できるとする日本車輌の ンクでの希釈を考慮しても,計算上のフッ素濃度は1リットル当たり6.43ミリグラムに達する。したがって,最終的なフッ素濃度を1リットル当たり1.38ミリグラムまでに抑えて処理できるとする日本車輌の説明は机上の空論にすぎない。 (エ)フッ素濃度に関する被告の主張は本件分解施設設置許可申請書に記載されていないこと被告は,本件分解施設のフッ素濃度が自主基準の1リットル当たり2ミリグラム以下とすることを確認した旨主張するが,これは,原告らが自主基準を達成することができない旨指摘した後,日本車輌に照会し,その回答をそのまま主張したにすぎず,本件分解施設設置許可申請書からは到底読み取れない内容である。 しかし,本件分解施設設置許可処分は,上記許可申請書の記載を根拠としてなされたはずであり,これと矛盾する上記回答を根拠になされたものではない。そうすると,被告は,法15条の2第1項1号,2号に適合するか否かの審査を十分に行っていないことになる。 ウ小括以上のとおり,日本車輌の排水処理技術では,排水中のフッ素濃度につき,1リットル当たり15ミリグラムという水質汚濁防止法上の排出基準を達成することができず,仮にこれが可能であったとしても,1リットル当たり2ミリグラムという自主基準値を達成することができないことは明らかであるから,本件分解施設設置許可処分は取り消されるべきである。 (被告の主張)原告らの主張は争う。 アフッ素の排水基準についてそもそも海域は,自然の状態においてフッ素濃度が高いため,環境基準-- が設定されていない。そして,施行規則12条6号は,維持管理の技術上の基準として,「施設から排水を放流する場合は,その水質を生活環境保全上の支障が生じないものとするために必要な排水処理設備が設けられていること」と規定しているところ,具 2条6号は,維持管理の技術上の基準として,「施設から排水を放流する場合は,その水質を生活環境保全上の支障が生じないものとするために必要な排水処理設備が設けられていること」と規定しているところ,具体的なフッ素の排水基準は水質汚濁防止法3条1項の規定による「水質汚濁防止法第3条第1項の規定による排水基準を定める省令」(昭和46年総理府令第35号)別表第1において,「海域に排水されるもの1リットルにつきふつ素15ミリグラム」と規定されており,この基準に適合すれば,生活環境保全上の支障は生じないものと解される。 また,法15条の2第5項の規定により,設置許可に係る産業廃棄物処理施設については,都道府県知事の検査を受け,申請書に記載した設置に関する計画に適合していると認められた後でなければ,これを使用してはならないとされているところ,被告は,排水のフッ素濃度が本件分解施設設置許可申請書に記載された1リットル当たり2ミリグラム以下になることを検査し,上記計画に適合することを確認することとしている。 イ排水中のフッ素濃度について本件分解施設からの排水中に含まれるフッ素の濃度は,以下のとおり排水処理過程で6倍に希釈され,最終的に1リットル当たり2ミリグラムにまで処理される。 (ア)PCB処理に伴い,排水にフッ素が生じるのは,フッ素を含む廃溶剤を処理するときであり,その頻度は月1回である。 (イ)フッ素を含む廃溶剤の処理は,設備を点検するために設備を停止する直前の約2時間で処理する計画である。 (ウ)また,設備を停止する直前の処理のため,スクラバの運転管理を次のように行う。 aスクラバへの工水を追加せず,各スクラバ水約6立方メートルを循-- 環させる。このとき,排水処理設備へのスクラバ水のオーバーフローはない。 bフッ素を含む廃溶 管理を次のように行う。 aスクラバへの工水を追加せず,各スクラバ水約6立方メートルを循-- 環させる。このとき,排水処理設備へのスクラバ水のオーバーフローはない。 bフッ素を含む廃溶剤を処理し,反応器の停止後,第1段目のスクラバのスクラバ水約6立方メートルのうち,まず3立方メートルを排水処理設備で2時間かけて処理し,フッ素を含まない排水処理水15立方メートル(10時間分)が貯まっている貯留タンクに排水する。 c次に残りのスクラバ水3立方メートルを排水処理設備で2時間かけて処理し,フッ素を含まない排水処理水15立方メートル(10時間分)が貯まっている3基の貯留タンクのうち,1段目のスクラバの洗浄水の処理水を排水していない貯留タンクに排水する。 (エ)このため,フッ素を含む排水処理水3立方メートルとフッ素を含まない排水処理水15立方メートルが混合され,6倍に希釈される。 (オ)また,フッ化水素は第1段目のスクラバで除去可能であるが,念のため,第2段目のスクラバのスクラバ水も処理し,分析後放流する予定である。なお,フッ素濃度を1リットル当たり2ミリグラム以下とする技術は既に実用化されており(乙28),日本車輌はこの技術の導入を検討している(乙60)ほか,施設の運転管理及び維持管理の徹底を図るべくマニュアルの整備や従業員の教育を行うことにより,より一層の環境影響の低減に努めることを計画している。 ウ小括原告らは,日本車輌の上記計画におけるフッ素濃度の計算を誤りであるとして,独自の試算結果を主張しているが,原告らは,日本車輌と異なる前提に立った上で異なる試算結果を導いているにすぎない。 このように日本車輌の排水処理は,施行規則12条6項の技術上の基準に適合していることは明らかであって,法15条の2第1項1号に違反するとの原 前提に立った上で異なる試算結果を導いているにすぎない。 このように日本車輌の排水処理は,施行規則12条6項の技術上の基準に適合していることは明らかであって,法15条の2第1項1号に違反するとの原告らの主張は失当であるから,本件分解施設設置許可処分に取り-- 消されるべき違法はない。 (6)争点(2)オ(本件洗浄施設において使用される溶剤の洗浄力が法令の基準を満たさない違法があるか否か)について(原告らの主張)ア溶剤の洗浄力に関する許可基準について廃棄物処理法には溶剤の洗浄力に関する規定はない。しかし,施行規則1条の2第4項において,PCB処理物に係る環境省令で定める基準は「……廃プラスチック類又は金属くずの場合は当該廃プラスチック類又は金属くずにポリ塩化ビフェニルが付着していない,又は封入されていないこと」と定められている。したがって,法の定める溶媒で洗浄したときに洗浄液を検定して,その値が基準以下となって初めて被洗浄物である金属くずにPCBが付着していないことが証明され,上記基準を満たすことになる。 ところで,検定方法第3ロの廃油については,別表第3の第1の検定方法(洗浄液試験法)に用いる洗浄液が,トリクロロエチレン,テトラクロロエチレン又はこれらと同等以上の洗浄力を有することを要求しているところ,第3ニの金属くず等の検定方法も上記と同じであるから,洗浄液も同様に規定されるといわなければならない。したがって,PCB処理物を洗浄する際の溶剤としては,トリクロロエチレン,テトラクロロエチレン又はこれらと同等以上の洗浄力を有することが本件洗浄施設の許可基準となっているというべきである。すなわち,廃棄物処理法には溶剤に洗浄力に関する規定はないが,処理ができたかどうかの検定方法に規制がある。 そうすると,本件洗浄施設において ことが本件洗浄施設の許可基準となっているというべきである。すなわち,廃棄物処理法には溶剤に洗浄力に関する規定はないが,処理ができたかどうかの検定方法に規制がある。 そうすると,本件洗浄施設において用いられる溶剤が,検定方法で定められた程度の性能を有していない場合には,本件洗浄施設設置許可処分は,法15条の2第1項1号,施行令6条の5第1項2号ホ,2条の4第5号ハ,施行規則1条の2第4項,検定方法に違反し,違法となる。 -- イ本件洗浄施設の溶剤が上記許可基準に違反する根拠について(ア)日本車輌は,PCB汚染トランスを洗浄する溶剤として,旭硝子株式会社製の「アサヒクリンAK-225」を選定した。 そこで,原告らは,アサヒクリンAK-225が,トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンと同等以上の洗浄力を有するか否かを検討するため,日本車輌が参照した「PCB処理技術ガイドブック」に記載されている溶剤洗浄処理基礎試験結果を用いて,その概要をグラフに作成した(甲23)。これによれば,アサヒクリンAK-225は,トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンと比較して油分除去率(洗浄時間30分)が約5ないし6パーセント低く,同等以上の洗浄力を有していない。 廃棄物処理法が,トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンと同等以上の洗浄力を有していることを規定しているのは,現在の知見において,これらの溶剤が,十分にPCBを洗浄除去し,汚染物とされていたトランス類も汚染していないものとして排出することができると考えているからである。実際,三菱重工などの他の企業では,廃棄物処理法上の基準に合致した施設,方法で処理を行うよう努力している。 しかし,日本車輌は,アサヒクリンAK-225が消防法,水質汚濁防止法,大気汚染防止法等の関係法令の適用を受けな 他の企業では,廃棄物処理法上の基準に合致した施設,方法で処理を行うよう努力している。 しかし,日本車輌は,アサヒクリンAK-225が消防法,水質汚濁防止法,大気汚染防止法等の関係法令の適用を受けないことから,溶剤試験をすることなく,PCB処理技術ガイドブックの溶剤洗浄処理基礎試験結果のみを引用して溶剤を選択したものであり,安全性が実証されているとはいえない。 (イ)日本車輌は,PCB処理技術ガイドブックの溶剤洗浄処理基礎試験結果を根拠に溶剤を選定したが,同試験結果は,溶剤を満たしたビーカーに試験片を入れ,超音波洗浄にかけるという方法で得られたものである。 -- しかし,本件洗浄施設においては,洗浄容器に入れられた溶剤中にPCB汚染トランスを浸漬し,溶剤を循環して洗浄する方法であり,超音波によるキャビティ(空洞)の破壊の衝撃で異物を強力に剥離して表面を洗浄する方法ではなく,狭い箇所にも洗浄液が行き渡る方法でもない。 したがって,この方法で上記ガイドブックの溶解力と同じ結果を得ることは困難である。 ウ小括被告は,上記のように日本車輌が計画している溶剤の能力や洗浄方法の効果について何らの実証試験をさせないまま,本件洗浄施設設置許可処分を行ったものであって,違法である。 (被告の主張)原告らの主張は争う。 原告らは,検定方法を根拠として,洗浄液(溶剤)について,トリクロロエチレン,テトラクロロエチレン又はこれらと同等以上の洗浄力を有することがPCB汚染物の洗浄施設の設置許可基準であると主張する。 しかし,廃棄物処理法上,PCB洗浄施設で用いられる溶剤についての定めはなく,日本車輌が採用したアサヒクリンAK-225に十分な洗浄能力があることも審査会で確認されている(甲23,乙57)。 原告らの指摘する検定方法は,施行規則1条4項及び いられる溶剤についての定めはなく,日本車輌が採用したアサヒクリンAK-225に十分な洗浄能力があることも審査会で確認されている(甲23,乙57)。 原告らの指摘する検定方法は,施行規則1条4項及び同規則1条の2第51項に基づき定められた基準への適合性を測定する方法を定めたものにすぎず,産業廃棄物処理施設の設置許可についての技術上の基準ではない。また,原告らの指摘する検定方法第3ロは,法15条の2第1項と無関係な「廃油」に関するものであって,まったく見当違いというほかない。 したがって,この点に関する原告らの主張は失当である。 (7)争点(2)カ(本件洗浄施設を対象とする住民説明会が実施されていない違法があるか否か)について-- (原告らの主張)ア説明会に関する許可基準について本件条例9条1項は,「(廃棄物処理施設)設置者の義務として,(廃棄物処理)計画の内容を周知させるための説明会を開催しなければならない」と定めているから,住民説明会を開催して産業廃棄物処理施設の周辺住民に対して計画の内容を周知させることが許可要件となっている。 したがって,住民説明会を経ていない場合には,本件洗浄施設設置許可処分は,法15条の2第1項2号,本件条例9条1項に違反し,違法である。 イ本件洗浄施設についての説明会の欠如について日本車輌は,当初,PCB廃棄物処理施設のうちの洗浄設備は,金属くず等の処理物をすべて溶剤抽出装置に搬入し,その溶剤を分析することにより卒業判定を行うための施設であるとの前提で,分解施設設置許可のみを受ける計画を立案しており,平成15年3月17日に提出された本件計画書には,本件分解施設の説明しかなく,同年8月9日,10日に開催された住民説明会でも本件分解施設についての説明しかされなかった。 しかし,日本車輌は,その後, 平成15年3月17日に提出された本件計画書には,本件分解施設の説明しかなく,同年8月9日,10日に開催された住民説明会でも本件分解施設についての説明しかされなかった。 しかし,日本車輌は,その後,愛知県環境部廃棄物対策課等から,上記洗浄設備は卒業判定を行うための設備であるとしても,PCB処理物に付着しているPCBを洗浄除去する装置であるので,施行令7条13号の洗浄施設に該当するとの指導を受け,平成16年3月31日,本件分解施設のみならず,本件洗浄施設についても設置許可申請をしたものである。その結果,日本車輌は,本件洗浄施設については,その構造計画,維持管理計画についての住民説明会を開催しておらず,本件条例9条1項に違反していることは明らかである。 したがって,本件洗浄施設設置許可処分は違法であり,取り消されるべきである。 -- (被告の主張)原告らの主張は争う。 ア廃棄物処理法と本件条例との関係について産業廃棄物処理施設設置許可の手続は,本来は廃棄物処理法に基づくものがあるだけであるが,愛知県においては,地元市町村,住民等の意見を尊重し,PCB廃棄物の処理施設の円滑な立地と適正処理を推進することによって,県民の生活環境の保全を図ることを目的として,旧要綱を独自に制定し(平成13年1月23日施行),さらに平成15年3月25日,本件条例を制定している(同年10月1日施行)。 原告らは,本件洗浄施設については住民説明会が開催されていないとして,同施設設置許可処分が本件条例に違反していると主張するが,廃棄物処理法に定める産業廃棄物処理施設の設置許可の手続と本件条例に定める手続は別のものであって,本件条例に定める手続上の問題点が,本件洗浄施設設置許可処分の瑕疵となることはなく,本件条例を根拠として法15条の2第1項2号の違反をいう の設置許可の手続と本件条例に定める手続は別のものであって,本件条例に定める手続上の問題点が,本件洗浄施設設置許可処分の瑕疵となることはなく,本件条例を根拠として法15条の2第1項2号の違反をいう原告らの主張は失当というほかない。 イ本件条例に基づく手続の適正な履践について日本車輌による本件計画書の提出(乙5)から,平成15年8月9,10日の同社による住民説明会の開催までの手続は,旧要綱に則って適正に履践された。そして,同年10月1日に本件条例及び本件条例施行規則が施行された後は,これらの規定に基づく手続も適正に履践されている。 なお,日本車輌は,平成15年6月と同年8月に合計6回の旧要綱に基づく説明会を開催していたが,これらは本件条例9条と同等の手続,内容,範囲で開催されていたため,同条に基づく説明会とみなされ,本件条例上の住民説明会としては,平成16年1月17日に開催された説明会と併せて,合計7回の説明会が実施されたことになる。 以上のとおり,本件条例に基づく手続も適正に履践されたものであり,-- この点からも原告らの主張には理由がない。 (8)争点(2)キ(本件各施設の設置許可申請につき,日本車輌が「その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者」に該当するか否か)について(原告らの主張)ア申請者に関する許可基準について産業廃棄物処理施設の設置許可の申請者が,その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者に該当するときには,産業廃棄物処理施設の設置を許可をしてはならないこととされている(法15条の2第1項4号,14条5項2号イ,同号ニ及び7条5項4号ホ)。 したがって,上記のような事情が認められる場合には,本件各許可処分は,上記各規定 設置を許可をしてはならないこととされている(法15条の2第1項4号,14条5項2号イ,同号ニ及び7条5項4号ホ)。 したがって,上記のような事情が認められる場合には,本件各許可処分は,上記各規定に違反し,違法である。 イ日本車輌の不正又は不誠実な行為について日本車輌は,本件実証試験に係るデータを隠したまま,気相水素還元法につき,検討評価委員会の技術評価を受けており,さらに,愛知県などに対しては,PCB汚染トランスから生じた生成ガスについての測定分析をしていないなどと虚偽の回答をしている。このように,日本車輌が,本件実証試験のデータを一部隠しながら,検討評価委員会による評価を受けているから本件各施設は安全であるなどと主張することは,産業廃棄物処理施設を管理・運営する者としては不誠実極まりないというべきである。 その他,本件各許可処分を受けるまでの態度に照らせば,日本車輌は自己の経済的利益を優先させ,地域住民の安全確保や説明責任を果たす意思が極めて薄弱であるというほかないから,その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあることは明らかである。 したがって,日本車輌は,法15条の2第1項4号,14条4項2号イ,-- 7条5項4号トに該当する者であるから,本件各許可処分は取り消されるべきである。 (被告の主張)原告らの主張は争う。 日本車輌には,原告らが指摘するような,「その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者」に該当するような事情はなく,主張自体失当である。 この点につき,原告らは,日本車輌が本件実証試験のデータを隠ぺいしたと主張するが,事実関係は,前記(争点(2)についての被告の主張ウ)のとおりであって,原告らの邪推というほかない(なお,仮に,原告の主張するような事実があった 車輌が本件実証試験のデータを隠ぺいしたと主張するが,事実関係は,前記(争点(2)についての被告の主張ウ)のとおりであって,原告らの邪推というほかない(なお,仮に,原告の主張するような事実があったとしても,それが法15条の2第1項4号,14条5項2号イ,7条5項4号トに該当し得るかははなはだ疑問である。)。また,日本車輌が保有しているトランスの生成ガス中のダイオキシン類の濃度に関する結果についても,当時のダイオキシン類の定義(コプラナーPCBを含んでいなかった。)や酸素濃度による補正を考慮すれば,日本車輌の目標値やダイオキシン類の濃度に関する基準との関係で特段問題のなかったことが判明しており,何ら問題はない。 したがって,本件各許可処分は何ら違法ではない。 第3当裁判所の判断 争点(1)(本案前の争点・原告適格の有無)について(1)原告適格の判断手法について行政事件訴訟法9条1項の「法律上の利益を有する者」とは,当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され,又は必然的に侵害されるおそれのある者をいうところ,当該処分を定めた行政法規が,不特定多数者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず,それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣-- 旨を含むと解される場合には,このような利益もここにいう法律上保護された利益に当たり,当該処分により上記利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者は,当該処分の取消訴訟における原告適格を有すると解される。 そして,処分の相手方以外の者について法律上の利益の有無を判断するに当たっては,同条2項が定めるとおり,当該処分の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく,当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利 の者について法律上の利益の有無を判断するに当たっては,同条2項が定めるとおり,当該処分の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく,当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮し,この場合において,当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たっては,当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌し,当該利益の内容及び性質を考慮するに当たっては,当該処分がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案すべきものである(最高裁平成17年12月7日大法廷判決・裁判所時報1401号2頁参照)。 以下,かかる観点から原告らの原告適格の有無について検討する。 (2)廃棄物処理法による規制についてア廃棄物処理法の趣旨・目的について本件各許可処分の根拠法令たる廃棄物処理法は,廃棄物の排出を抑制し,及び廃棄物の適正な分別,保管,収集,運搬,再生,処分等の処理をし,並びに生活環境を清潔にすることにより,生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的としている(1条)。 そして,廃棄物処理法は,事業者に対しては廃棄物の適正な処理を行うことを,国や地方公共団体に対しては,廃棄物の適正な処理に必要,適切な措置を講ずべきことを,一般的責務としている(3条,4条)。 イ廃棄物処理法の規制内容・手法について(ア)廃棄物処理法は,その規制対象たる廃棄物を,一般廃棄物と産業廃-- 棄物(事業活動に伴って生じた廃棄物のうち一定のもの及び輸入された廃棄物)とに大別した上,爆発性,毒性,感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物のうち一定のものを「特別管理一般廃棄物」及び「特別管理産業廃棄物 輸入された廃棄物)とに大別した上,爆発性,毒性,感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物のうち一定のものを「特別管理一般廃棄物」及び「特別管理産業廃棄物」と定義し(2条),それぞれの性質に応じた規制を加えている。 その規制内容・手法の概要を示すと,①事業者が産業廃棄物を自ら運搬,保管,処分,委託する場合の規制,具体的には,「産業廃棄物処理基準」,「産業廃棄物保管基準」等の遵守(12条),その対象が特別管理産業廃棄物である場合は,「特別管理産業廃棄物処理基準」,「特別管理産業廃棄物保管基準」等の遵守(12条の2),②産業廃棄物の収集,運搬,処分を業として行う場合の規制,具体的には,一定の要件充足を前提とする都道府県知事による許可制,「産業廃棄物処理基準」の遵守,事業停止命令や許可取消しによる違反状態の是正(14条ないし14条の3の2),その対象物が特別管理産業廃棄物である場合の同様の規制(14条の4ないし14条の7),③産業廃棄物処理施設を設置する場合の規制,具体的には,一定の要件充足を前提とする都道府県知事による許可制,一定の要件充足を前提とする都道府県知事による許可制,一定の基準に従った施設の維持管理義務(15条ないし15条の4)等の規定となる(なお,規制に違反した場合には,25条以下によって罰則の対象となり得る。)。 (イ)そこで,上記③の産業廃棄物処理施設の設置許可基準としての技術上の基準について検討する。 a産業廃棄物処理施設に共通する技術上の基準廃棄物処理法は,産業廃棄物処理施設全般の設置につき,その地を管轄する都道府県知事の許可を要することとし(15条1項),許可の基準の一つとして,「その設置計画が,環境省令で定める技術上の-- 基準に適合していること」(15条の の設置につき,その地を管轄する都道府県知事の許可を要することとし(15条1項),許可の基準の一つとして,「その設置計画が,環境省令で定める技術上の-- 基準に適合していること」(15条の2第1項1号)を挙げている。 そして,同号の規定を受けて,施行規則12条は,産業廃棄物処理施設全般に共通する技術上の基準として,①自重,積載荷重その他の荷重,地震力及び温度応力に対して構造耐力上安全であること,②産業廃棄物,産業廃棄物の処理に伴い生ずる排ガス及び排水,施設において使用する薬剤等による腐食を防止するために必要な措置が講じられていること,③産業廃棄物の飛散及び流出並びに悪臭の発散を防止するために必要な構造のものであり,又は必要な設備が設けられていること,④著しい騒音及び振動を発生し,周囲の生活環境を損なわないものであること,⑤施設から排水を放流する場合は,その水質を生活環境保全上の支障が生じないものとするために必要な排水処理設備が設けられていること,⑥産業廃棄物の受入設備及び処理された産業廃棄物の貯留設備は,施設の処理能力に応じ,十分な容量を有するものであることを定めている(1号,3号ないし7号)。 bPCB分解施設及びPCB洗浄施設の技術上の基準また,施行規則12条の2第13項ないし15項は,当該産業廃棄物処理施設が廃PCB等又はPCB処理物の分解施設(施行令7条12号の2。以下「PCB分解施設」という。)及びPCB汚染物又はPCB処理物の洗浄施設(施行令7条13号。以下「PCB洗浄施設」という。)に当たるときは,施行規則12条の定めるaの技術上の基準に加えて,以下のとおり,これら施設に固有の技術上の基準を満たすことも要求している。 (a)PCB分解施設についてPCB分解施設に関する技術上の基準としては,①事故時におけ めるaの技術上の基準に加えて,以下のとおり,これら施設に固有の技術上の基準を満たすことも要求している。 (a)PCB分解施設についてPCB分解施設に関する技術上の基準としては,①事故時における受入設備,反応設備等からの廃油,廃酸及び廃アルカリの流出を防止するために必要な流出防止堤その他の設備が設けられ,かつ,-- 当該設備が設置される床又は地盤面は,廃油,廃酸及び廃アルカリが浸透しない材料で築造され,又は被覆されていること(同条13項1号,14項1号)のほか,②反応設備において,<ア>高温に耐え,腐食を防止するための必要な措置,<イ>外気との遮断及び<ウ>爆発を防止するために必要な措置などが講じられていること(同条13項5号ロ(1),(3),(5),14項4号ロ(1),(3),(5)),③除去設備において,<ア>反応設備から排出された生成ガス中の粒子状の物質及び塩化水素を除去することができるものであること,<イ>除去設備から排出された生成ガス中の主要な成分を測定し,かつ,記録するための装置が設けられていること(13項5号ハ(1),(2),14項4号ハ(1),(2)),④事故時における反応設備からのガスの漏出を防止することができる設備が設けられていること(13項5号ニ,14項4号ニ),⑤粒子状の物質を排出し,貯留することができる取出設備及び貯留設備(粒子状の物質の飛散及び流出を防止することができるものに限る。)が設けられていること(13項5号ホ,14項4号ホ)などが定められている。 (b)PCB洗浄施設についてPCB洗浄施設に関する技術上の基準としては,①事故時における受入設備,洗浄設備又は分離設備及び洗浄剤又はPCBの回収設備からの廃油,廃酸又は廃アルカリの流出を防止するために必要な流出防止堤その他の設備が設けら に関する技術上の基準としては,①事故時における受入設備,洗浄設備又は分離設備及び洗浄剤又はPCBの回収設備からの廃油,廃酸又は廃アルカリの流出を防止するために必要な流出防止堤その他の設備が設けられ,かつ,当該設備が設置される床又は地盤面は,廃油,廃酸又は廃アルカリが浸透しない材料で築造され,又は被覆されていること(同条15項1号)のほか,②回収設備において,<ア>回収設備内を分離されたPCBの回収に必要な温度とし,かつ,これを保つことができる温度制御装置や,回収設備内の温度を連続的に測定し,かつ,記録するための装置が設け-- られていること(同項3号ロ(1),(2)),<イ>回収設備から排出される排気による生活環境保全上の支障が生じないようにすることができる排気処理装置等が設けられていること(同項3号ロ(3)),③PCBの分離及び回収の後に生じた産業廃棄物を,飛散及び流出を防ぎながら排出し,貯留することができる取出設備及び貯留設備が設けられていること(同項3号ハ)などが定められている。 (ウ)設置許可基準としての生活環境の保全への配慮等についてまた,廃棄物処理法は,上記許可の要件として,「その産業廃棄物処理施設の設置に関する計画及び維持管理に関する計画が当該産業廃棄物処理施設に係る周辺地域の生活環境の保全及び環境省令で定める周辺の施設について適正な配慮がなされたものであること」を規定している(15条の2第1項2号)。 ウ廃棄物処理法の定める許可申請手続について都道府県知事が,上記許可要件の適合性を判断する前提となる設置許可申請書には,処理施設の種類,廃棄物の種類,設置に関する計画及び維持に関する計画等を記載しなければならないほか(法15条2項3号ないし7号),この申請書には,環境省令で定めるところにより,当該処理施設 請書には,処理施設の種類,廃棄物の種類,設置に関する計画及び維持に関する計画等を記載しなければならないほか(法15条2項3号ないし7号),この申請書には,環境省令で定めるところにより,当該処理施設を設置することが,周辺地域の生活環境に及ぼす影響についての調査の結果を記載した書類を添付しなければならないとされている(同条3項)。 そして,これを受けて,施行規則は,上記書類の記載事項として,①設置しようとする産業廃棄物処理施設の種類及び規模並びに処理する産業廃棄物の種類を勘案し,当該産業廃棄物処理施設を設置することに伴い生ずる大気汚染,水質汚濁,騒音,振動又は悪臭に係る事項のうち,周辺地域の生活環境に影響を及ぼすおそれがあるものとして調査を行ったもの(以下「生活環境影響調査項目」という。),②生活環境影響調査項目の現況及びその把握の方法,③当該産業廃棄物処理施設を設置することが周辺地-- 域の生活環境に及ぼす影響の程度を予測するために把握した水象,気象その他自然的条件及び人口,土地利用その他社会的条件の現況並びにその把握の方法,④当該産業廃棄物処理施設を設置することにより予測される生活環境影響調査項目に係る変化の程度及び当該変化の及ぶ範囲並びにその予測の方法,⑤当該産業廃棄物処理施設を設置することにより周辺地域の生活環境に及ぼす影響の程度を分析した結果,⑥大気汚染,水質汚濁,騒音,振動又は悪臭のうち,これらに係る事項を生活環境影響調査項目に含めなかったもの及びその理由,⑦その他当該産業廃棄物処理施設を設置することが周辺地域の生活環境に及ぼす影響についての調査に関して参考となる事項を記載しなければならないとしている(11条の2各号)。 また,都道府県知事は,産業廃棄物処理施設設置許可申請があった場合には,遅滞なく,申請者名,処理施 ぼす影響についての調査に関して参考となる事項を記載しなければならないとしている(11条の2各号)。 また,都道府県知事は,産業廃棄物処理施設設置許可申請があった場合には,遅滞なく,申請者名,処理施設の設置場所,処理施設の種類及び産業廃棄物の種類,申請年月日等を告示するとともに,申請書及び上記の周辺地域の生活環境に及ぼす影響についての調査の結果を記載した書類を一定期間公衆の縦覧に供しなければならず(法15条4項),さらに,上記告示の後,遅滞なく当該産業廃棄物処理施設の設置に関し,生活環境の保全上関係がある市町村の長に通知し,その意見を聴かなければならず(同条5項),さらに,当該廃棄物処理施設設置に利害関係を有する者は,一定期間,当該都道府県知事に対し,生活環境の保全上の見地から意見書を提出することができるとされている(同条6項)。 エ許可に付する条件について都道府県知事は,廃棄物処理法15条1項の許可をするに際して,生活環境の保全上必要な条件を付することができる(法15条の2第4項)。 そして,産業廃棄物処理施設の設置許可を受けた者(設置者)は,当該産業廃棄物処理施設の維持管理に関する事項を記録し,これを当該施設に備え置くとともに,当該維持管理に関し,生活環境の保全上利害関係を有-- する者の求めに応じ,閲覧させなければならないこととされ(法15条の2の3,8条の4),さらに,設置者は,当該産業廃棄物処理施設に係る周辺地域の生活環境の保全及び増進に配慮することが求められている(法15条の4,9条の4)。 (3)本件条例による規制について本件条例は,愛知県として,廃棄物の適正な処理を確保するために必要な規制をすることによって,廃棄物の適正な処理を促進し,もって県民の生活環境の保全に資することを目的とするものであり(1条),産 いて本件条例は,愛知県として,廃棄物の適正な処理を確保するために必要な規制をすることによって,廃棄物の適正な処理を促進し,もって県民の生活環境の保全に資することを目的とするものであり(1条),産業廃棄物処理施設の設置許可を受けようとする者に対し,当該許可に係る施設の設置等に伴い生活環境に影響を及ぼすおそれがある地域として規則で定める地域を「関係地域」として,これを対象に設置計画を周知させるための住民説明会を開催することを義務付けている(9条1項)。 これを受けて,本件条例施行規則は,関係地域を,知事が別に定める基準により,当該施設の設置等に伴い生活環境に影響を及ぼすおそれがあると認められる地域と定めている(10条)ところ,廃棄物の適正な処理の促進に関する条例の手引き(乙31)は,「関係地域」について,「次の廃棄物処理施設の区分に応じ,調査事項ごとに定める調査対象地域が含まれる町又は字の区域とする。」とし,例えば,大気汚染を調査事項とした場合には,調査対象地域を「①煙突排ガスによる影響:プルーム式等の大気拡散式から推定される最大着地濃度出現距離を考慮して設定した地域(対象施設からの距離が最大着地濃度出現予想距離のおおむね2倍の地点を含む地域とする。)とし,その設定に当たっては,地域の気象特性のほか,行政区域や地形・土地利用の状況も勘案するものとする。②廃棄物運搬車両による影響:車両の走行によって交通量が相当程度変化する主要搬入道路沿道の周辺の人家等が存在する地域とし,その設定に当たっては,運搬車両台数,現況交通量に対する寄与率,道路沿道周辺の人家等の状況を勘案するものとする。」と解説-- している。 (4)廃棄物処理施設の周辺住民の原告適格についてア廃棄物処理法による規制の要約(ア)上記のとおり,本件各許可処分の根拠 の人家等の状況を勘案するものとする。」と解説-- している。 (4)廃棄物処理施設の周辺住民の原告適格についてア廃棄物処理法による規制の要約(ア)上記のとおり,本件各許可処分の根拠法令である廃棄物処理法は,生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的として,(産業)廃棄物の収集から処分に至るまでのあらゆる過程を対象として規制を加えており,とりわけ,危険性が高く事業活動等に伴って継続的かつ大量に生ずる特別管理産業廃棄物に対する規制は厳格である。 これらは,「環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し,もつて現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献する」(環境基本法1条)との理念を,人間社会の営みに必然的に伴う廃棄物の処理等の側面において,具体化するものと解されるところ,「国民の健康」なるものは,一般公益の性質を有するのみならず,つきつめれば各個人に関わる利益としての健康(の総和)に帰着すると考えられる。 そして,廃棄物処理法は,廃棄物の収集から処分に至るまでの行為が不適正になされた場合に生ずると予想される危険等が軽からざるものであって,国民の健康等に対する悪影響が軽視できないとの認識に立脚していることが明らかである。 (イ)また,PCB分解施設及び同洗浄施設の設置許可要件を通覧すれば,これらの施設自体の稼働による設備の劣化及び地震などの災害による施設の破損・倒壊を防止し得る構造を有することを前提とした上(施行規則12条1号,3号,12条の2第13項5号ロ(1),同条14項4号ロ(1)),当該施設において処理することとされている廃棄物やその処理によって生成される排ガス,排水などが,その処理の過程で外部に漏出することを構造上防止し得ること(規則12条4号,5号,7号,1- (1)),当該施設において処理することとされている廃棄物やその処理によって生成される排ガス,排水などが,その処理の過程で外部に漏出することを構造上防止し得ること(規則12条4号,5号,7号,1-- 2条の2第2項,13項5号ロ(3),ハ(1),同条14項4号ロ(3),ハ(1),15項3号ロ(3)),その稼働に伴って生成される排ガスや,発生する排水,悪臭,騒音,振動などについても,これらの発生等を監視・分析し,適切に処理する設備の設置を求めることにより,その発生自体を極力減少させることに配慮しているとともに(施行規則12条6号,12条の2第13項2号,5号ロ(2),(6),ハ(1),(2),同条14項2号,4号ロ(2),(6),ハ(1),(2),15項3号ハ),事故による被害が最も拡大すると思われる火災事故,爆発事故を防止するために必要な措置が講じられていることを許可要件とすることで,これらの事故により,周辺地域の大規模な災害に発展する危険性を予防しており(施行規則12条の2第13項5号ロ(5),14項4号ロ(5)),万が一これらの事故が発生した場合であっても,当該施設から廃油等が流出することを防止し得る設備があることをも要件としている(施行規則12条の2第13項1号,5号ニ,14項1号,4号ニ,15項1号)。 (ウ)さらに,手続上の設置許可要件として,施設の設置計画が施設の周辺地域の生活環境の保全に適正に配慮されたものであることを挙げ,これらの許可申請書には,環境基本法において公害の一種とされる大気汚染を含む,生活環境影響調査項目等の記載を要することとし,申請者に周辺地域の生活環境に対する適切な配慮を求めるとともに(施行規則11条の2等),設置者に当該施設の稼働状況に関する記録を備え置かせ,生活環境の保全上利害関係を有す 等の記載を要することとし,申請者に周辺地域の生活環境に対する適切な配慮を求めるとともに(施行規則11条の2等),設置者に当該施設の稼働状況に関する記録を備え置かせ,生活環境の保全上利害関係を有する者の閲覧請求に応じなければならないこととし(法15条の2の3で準用される法8条の4),上記利害関係者に対し,当該施設の維持管理の適切性を監視し得る地位を付与している。 イ周辺住民の原告適格の有無と範囲(ア)以上を総合すると,廃棄物処理法(施行規則,施行令を含む。この-- 項においては以下同じ。)は,処理の対象物であるPCB及びその処理の過程で生成されるダイオキシン類などが高度の毒性を有することにかんがみ,これが,施設の設備の不備,故障及び事故などによって,施設外に放出された場合には,施設の周辺地域の生活環境に悪影響を与え,ひいてはそこに居住する住民の生命・身体・健康に重大な被害をもたらす危険性が高いこと等に配慮して,これらによって引き起こされる災害の発生を未然に防止すべく,その発生と施設外への排出を抑制し,特に被害の拡大が予想される火災や爆発などの事故にも対処し得る設備,措置を要求したものと解される。 そして,廃棄物処理法が,施設の設置許可後も,設置者に,維持管理事項の記録とその備え置きを義務付け,生活環境の保全上の利害関係を有する者からの閲覧請求に応じなければならないことを規定しているのは,維持管理上の責務の履行を設置者にのみゆだねることなく,利害関係者などによる監視を強化し,これらの者に,都道府県知事による改善命令(法15条の2の6)や許可の取消し(法15条の3)といった職権発動を促す機会をも付与したものと解されるところ,ここにいう利害関係者には,施設付近に居住する住民が含まれることは明らかというべきである。 そうする の6)や許可の取消し(法15条の3)といった職権発動を促す機会をも付与したものと解されるところ,ここにいう利害関係者には,施設付近に居住する住民が含まれることは明らかというべきである。 そうすると,廃棄物処理法は,少なくともPCB処理施設及びPCB洗浄施設について,その周辺に居住し,これらの施設から有害な物質が排出された場合に直接的かつ重大な被害を受けることが想定される範囲の住民の生命・身体の安全や健康維持を具体的,詳細な規制を通じて実現しようとするものであって,これらが遵守されることによって周辺地域に居住する住民が得る利益は,単なる一般公益に解消され得る性質のものとは考えられないから,本件各許可処分の根拠法令である廃棄物処理法は,これらを個々人の個別具体的な利益としても保護する趣旨を含-- むと解するのが相当である(なお,参加的利益に関する最高裁平成15年1月24日第三小法廷判決・裁判所時報1332号3頁参照)。 (イ)そして,上記のとおり,廃棄物処理法が,産業廃棄物処理施設が通常に稼働した場合において生じ得る災害を未然の防止することはもとより,その構造の強化や爆発の防止などに関する諸規定を設け,当該施設において故障や大規模な事故が生じた場合における周辺地域の生活環境への悪影響を防止しようとしていることからすると,上記「施設から有害な物質が排出された場合に直接的かつ重大な被害を受けることが想定される範囲」を画するに際しては,当該施設の通常の稼働状況や,処理設備の一部の機能不全といった軽度の異常事態のみを想定するだけでは足りず,広範な災害に発展し得る大規模事故の発生などの事態をも考慮すべきものと考えられる。 さらに,その被害の及び得る範囲については,本件条例及び本件条例施行規則が,設置計画についての住民説明会の開催を義務 広範な災害に発展し得る大規模事故の発生などの事態をも考慮すべきものと考えられる。 さらに,その被害の及び得る範囲については,本件条例及び本件条例施行規則が,設置計画についての住民説明会の開催を義務付けている関係地域を定めるに際し,大気汚染に関しては,地域の気象特性,行政区域や地形・土地利用の状況をも勘案することとし,さらに,廃棄物運搬車両による影響をも考慮して,生活環境に影響を及ぼすおそれがあると認められる地域を設定すべき旨規定していることが重要な資料になるというべきである。 (5)原告らの原告適格の有無アそこで,原告らが原告適格を有するかについて判断するに,前記前提事実に証拠(甲7の1,100ないし102,104,乙11,42,62,証人E,証人F)及び弁論の全趣旨を総合すると,以下の事実が認められる。 (ア)衣浦製作所の地理上の位置づけ本件各施設の設置予定地である衣浦製作所は,半田市の南東部に位置-- しており,その前面(本件各施設の事業予定地の南東側)は海(衣浦湾奥部の衣浦港)となっている。 衣浦港を囲む一帯は,日本車輌の衣浦製作所のほか,日本金属工業衣浦製造所や衣浦食品工業団地が所在しており,衣浦地域と称する機械工業を中心とした工業地帯となっている。また,衣浦製作所の所在地である11号地は,北側を阿久比川河口部,南側を十ヶ川河口部に挟まれ,東端部には衣浦海底トンネルの半田市側のトンネル口があるほか,衣浦臨海鉄道の半田埠頭駅がある。 なお,本件各施設から北西約1キロメートルの地点にはみなと公園があり,その西側は住宅地になっている。 (イ)半田市の風向半田市周辺で吹く風は,冬型気圧配置時と夏型気圧配置時とでは大きく異なっている。 冬型気圧配置時は,主として西方からの風が吹くため,本件各施設の設置場所である衣浦 なっている。 (イ)半田市の風向半田市周辺で吹く風は,冬型気圧配置時と夏型気圧配置時とでは大きく異なっている。 冬型気圧配置時は,主として西方からの風が吹くため,本件各施設の設置場所である衣浦製作所付近では,内陸部から衣浦港に向かう風が吹いている。もっとも,衣浦製作所の北北東に位置する日東町付近では,衣浦製作所の北側に位置する阿久比川に向かって(内陸方向に向かって)風向が変化するものも見られる。 他方,夏型気圧配置時は,主として南東方向からの風が吹き,海側(衣浦港)から進入する海風は,そのまま衣浦製作所の北側の阿久比川に沿って北西方向へ進む風,衣浦製作所の北北東に位置する日東町方向に吹き込む北東方向の風,東大矢知町方向に吹き込む北方向への風に枝分かれする。このうち,衣浦製作所付近では,北東方向の風と北方向の風が吹いている。 年間を通じると,衣浦製作所付近においては,全方位を16の方角に区分したうち,北北西と北西の2方向への風が最も多く,両者の割合を-- 合わせると約40パーセントを占めている(前者は20パーセント超,後者は20パーセント弱)。これに,北,西北西,西の各方向への風の割合を加えると,1年のうち,海側から入って内陸部(市街地)方向へ吹く風が約6割に達する結果となっている。 (ウ)原告らの居住地原告らは,いずれも半田市の住民であり,①原告Aは,本件各施設から略北西方向約6.4キロメートル地点に位置する同市●●町●丁目●番●号に居住し,②原告Cは,本件各施設から略北方向約5キロメートル地点に位置する同市●●町●丁目●番地に居住し,③原告Dは,本件各施設から略西北西方向約3.8キロメートル地点に位置する同市●●丁目●番●号(●●ハイツ●号)に居住し,④原告Bは,本件各施設から西方向やや北寄り約3.2キロメートル地 に居住し,③原告Dは,本件各施設から略西北西方向約3.8キロメートル地点に位置する同市●●丁目●番●号(●●ハイツ●号)に居住し,④原告Bは,本件各施設から西方向やや北寄り約3.2キロメートル地点に位置する同市●町●丁目●番地に居住している(なお,訴状に記載された原告Bの住所地は,本件各施設から略北西方向約1.5キロメートル地点に位置する半田市●●町●丁目●番●号とされているが,乙63,64号証によれば,上記住所の現況は倉庫にすぎず,住民票上も上記④が住所とされていることが認められる。)。 (エ)本件分解施設の処理工程本件分解施設でのPCBの処理工程は,主として①廃PCB等を受け入れる受入れ工程,②受け入れたPCB汚染物等を蒸発設備に投入する前段階処理をする前処理工程,③気相水素還元法を用いて,高温下でPCBを蒸発させ,反応設備において,850度の高温の水素雰囲気中で還元分解する分解反応工程,④分解反応において生成されたガスを洗浄する除去工程を含んだ6工程に区分されている。 ダイオキシン類は,気相水素還元法を用いた分解反応工程ではほとんど合成されることはないが,300度前後の温度帯において再合成され-- やすいため,生成ガスを冷却する際に,この温度帯を通過する時間を可能な限り短くすることで,ダイオキシン類の再合成を回避することが可能になる。そのため,除去工程において,800度ないし850度の生成ガスに水を噴霧して,60度付近まで急速に冷却することとしている。 しかし,このような処理をすることによっても,ダイオキシン類の完全な除去は困難である。また,気相水素還元法を利用する反応設備においては,水素の漏洩が爆発事故につながるおそれがあるため,水素検知器を設け,万一の水素漏洩に備えている。 そして,ダイオキシン類が微量でも人体 は困難である。また,気相水素還元法を利用する反応設備においては,水素の漏洩が爆発事故につながるおそれがあるため,水素検知器を設け,万一の水素漏洩に備えている。 そして,ダイオキシン類が微量でも人体に対して種々の重篤な悪影響を与える有害物質であることは,前記のとおりである。 イ以上の認定事実によれば,本件分解施設においては,高温の水素雰囲気中で,PCBの蒸発ガスを分解処理する工程が含まれており,仮に同工程において,火災あるいは爆発などの大規模な事故が発生した場合には,未処理のPCBが施設外に放出される結果となる。また,その後の生成ガスを冷却する除去工程において,同種の事故が発生した場合には,そこで生成されたダイオキシン類が放出されることも予想されるのであって,このような事故が発生した場合には,放出される有害物質による悪影響は,衣浦製作所付近の風向の特色に照らすと,市街地の広範な範囲に拡散される可能性が高いと考えられる(内陸部から海洋に向かって風が吹くことの多い冬季においても,風の一部が衣浦製作所北北東の上空で内陸向きへと風向きを変化させる傾向が見られることから,周辺市街地に有害物質が拡散される可能性は高いというべきである。)。 そうすると,本件各施設から最大でも約6.4キロメートルの範囲内にある市街地に居住している原告らは,いずれも本件各施設から有害な物質が排出された場合に直接的かつ重大な被害を受けることが想定される範囲内に居住する者として,本件各許可処分の取消しを求めるにつき原告適格-- を有すると判断するのが相当である。 ウこの点につき,被告は,生活環境影響調査や異常時拡散予測の結果などから,本件各施設からダイオキシン類の最大着地濃度地点である460メートル以上離れた地点に居住している原告らには,本件各施設からの排気等 点につき,被告は,生活環境影響調査や異常時拡散予測の結果などから,本件各施設からダイオキシン類の最大着地濃度地点である460メートル以上離れた地点に居住している原告らには,本件各施設からの排気等による生命・身体への影響は生ずることはないなどと主張し,原告らの原告適格を否定するところ,証拠(乙32,34,48)によれば,次の事実が認められる。 (ア)生活環境影響調査について日本車輌が実施した生活環境影響調査によれば,本件各施設の煙突の高さ,予測される大気汚染物質の最大着地濃度出現距離等により,本件における事業予定地を中心とした半径1キロメートルの円内を調査対象地域として,二酸化窒素,浮遊粒子状物質濃度,PCB,ベンゼン及びダイオキシン類の年平均値(長期平均濃度)の予測結果を測定した結果,これらの物質の最大着地濃度は,二酸化窒素について,中心煙突から南南東約290メートルの位置,その余の物質については,南南東約460メートルの位置であった。 (イ)株式会社テクノ中部による異常時拡散予測株式会社テクノ中部が実施した異常時拡散予測によれば,本件各施設において,PCB及びダイオキシン類が未処理で排気口から放出された場合の環境影響を試算した結果,ダイオキシン類の環境基準値である1立方メートル当たり0.6ピコグラムを超える範囲は,排出地点から600メートル以内であり,直近住居地(●●町●丁目,排出地点から930メートル地点)への影響としては,予測濃度は1立方メートル当たり0.186ピコグラム,これに現況濃度を加えると,1立方メートル当たり0.346ピコグラムとなり,いずれの場合も環境基準を下回った。 -- 株式会社テクノ中部が,上記結果を基に,事故等の異常時において,ダイオキシン類濃度が一時的に環境基準値(1立方メートル当たり0. 6ピコグラムとなり,いずれの場合も環境基準を下回った。 -- 株式会社テクノ中部が,上記結果を基に,事故等の異常時において,ダイオキシン類濃度が一時的に環境基準値(1立方メートル当たり0. 6ピコグラム)を上回ると予想した範囲は,半径600メートルの内側であるが,ダイオキシン類の1時間値に関する環境基準値は存在しないため,年平均値である上記環境基準(1立方メートル当たり0.6ピコグラム)を参考としたものであり,異常時拡散値が上記基準を超えたとしても,直ちに環境等に影響が及ぶおそれはないとも判断している。 以上の事実が認められる。しかしながら,上記生活環境影響調査は,年間の風向,代表風速(秒速10メートルまで)の出現頻度を基に大気拡散モデルを用いて大気汚染物質の最大着地濃度出現距離等を予測するものにすぎず,秒速10メートルを超える場合において,最大着地濃度出現距離以遠に居住する住民らが,本件各施設から排出される有害物質によって直接的かつ重大な被害を受けないことまで推認させるものでないことは明らかであり,異常時拡散予測においても,コンデンサ解体時に活性炭処理装置が故障して未処理のまま排気されたという事態を想定し,その場合における排気量1時間当たり4500立方メートル,ダイオキシン濃度1立方メートル当たり18ナノグラム,排出時間1時間の数値を前提として計算されたものであって,これを超える重大な事故が発生した場合には,上記のような計算の前提条件が崩れる以上,上記調査・予測によって原告らの原告適格を否定することはできない。 かえって,愛知県においては,廃棄物処理法の規定を踏まえ,本件条例及び本件条例施行規則を制定し,産業廃棄物処理施設の設置等に伴って,生活環境に影響を及ぼすおそれがあると認められる地域を関係地域として,申請者に対して, いては,廃棄物処理法の規定を踏まえ,本件条例及び本件条例施行規則を制定し,産業廃棄物処理施設の設置等に伴って,生活環境に影響を及ぼすおそれがあると認められる地域を関係地域として,申請者に対して,関係地域を対象として住民の理解を得ることを主たる目的とした住民説明会を開催することを義務付け(本件条例9条1項,本件条例施行規則10条),その関係地域としては,大気汚染に関しては,煙-- 突排ガスの最大着地濃度出現距離を推定するほか,地域の気象特性,行政区域や地形・土地利用の状況をも勘案することとし,さらに,廃棄物運搬車両による影響をも考慮するものとしているところ,日本車輌は,平成16年1月17日,半田市全域を関係地域とする住民説明会を実施し,本件条例施行規則12条1項に基づき,被告に対し,その状況を報告したことは前記のとおりである。このように,日本車輌自身が同条例上の関係地域を半田市全域としたのは,上記のような事故による被害の拡散の可能性を認識し,これを考慮してのものであると推測されるが,このことも,原告らの原告適格を裏付けるというべきである。 よって,被告の上記主張は採用できない。 争点(2)ア(本件分解施設から排出されるダイオキシン類の濃度が,維持管理の技術上の基準である1立方メートル当たり0.1ナノグラムを超える違法があるか否か)について(1)法15条の2の2に規定する維持管理の技術上の基準の位置づけア前記のとおり,産業廃棄物処理施設(施行令7条で定められたものに限る。以下,同じ。)を設置しようとする者は,当該産業廃棄物処理施設を設置しようとする地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない(法15条1項)ところ,都道府県知事は,①産業廃棄物処理施設の設置に関する計画が環境省令で定める技術上の基準に適合している 設を設置しようとする地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない(法15条1項)ところ,都道府県知事は,①産業廃棄物処理施設の設置に関する計画が環境省令で定める技術上の基準に適合していること,②産業廃棄物処理施設の設置に関する計画及び維持管理に関する計画が,当該産業廃棄物処理施設に係る周辺地域の生活環境の保全及び環境省令で定める周辺の施設について適正な配慮がなされたものであること,③申請者の能力がその産業廃棄物処理施設の設置に関する計画及び維持管理に関する計画に従って当該産業廃棄物処理施設の設置及び維持管理を的確に,かつ,継続して行うに足りるものとして環境省令で定める基準に適法するものであること,④申請者が14条5項2号イからヘまでのいずれにも該当-- しないことの各要件のいずれにも適合していると認めるときでなければ,許可をしてはならないとされている(法15条の2第1項)。 そして,①を受けて,施行規則12条,12条の2は,詳細な技術上の基準を定めている。 イところで,原告らの援用する維持管理の技術上の基準(施行規則12条の6,12条の7)については,産業廃棄物処理施設の設置許可要件を定めた法15条の2によって定められているものではなく,あくまで同施設を維持管理する上での基準として位置づけられており(法15条の2の2),両者は異なった性格のものとして規定されている。 しかしながら,上記②のとおり,産業廃棄物処理施設の設置許可要件の中には,産業廃棄物処理施設の維持管理に関する計画が,当該産業廃棄物処理施設に係る周辺地域の生活環境の保全及び環境省令で定める周辺の施設について適正な配慮がなされたものであることが定められているところ,ここにいう維持管理に関する計画とは,単に書類の上で周辺地域の生活環境の保全及び周辺の施設 環境の保全及び環境省令で定める周辺の施設について適正な配慮がなされたものであることが定められているところ,ここにいう維持管理に関する計画とは,単に書類の上で周辺地域の生活環境の保全及び周辺の施設について適正な配慮がなされているかのように数値が並べられ,記述されていれば足り,そこに記載された計画が実現可能であることが科学的に裏付けられていることまで要しないと解するのは相当でない。計画に従って実際に維持管理されることにより,周辺地域の生活環境の保全が計られ得るものでなければ,事前規制としての許可要件の意義が著しく没却されるからである。 しかして,前記のとおり,設置者は,維持管理の技術上の基準等に従って当該施設を維持管理しなければならないとされているから,結局,設置許可要件としては,維持管理の技術上の基準に従った維持管理が可能であることが科学的に裏付けられ,かつこのように科学的に裏付けられた維持管理に関する計画が策定されたことを要するというべきである。この点につき,被告は,維持管理の技術上の基準が設置許可要件と無関係であると-- 主張するが,このような解釈では,同基準を達成できない可能性がどれだけ高くとも,設置許可を与えねばならないことになり,極めて不合理な結果を招くことが明らかである(この不合理性は,法15条の2の6に基づく改善命令等や法15条の3に基づく設置許可の取消しによっても,完全に解消されるものではない。)。 (2)本件分解施設が維持管理の技術上の基準に適合するかについてア施行規則12条の7第13項4号ト及び14項3号チは,維持管理の技術上の基準として,PCB分解施設の除去設備(煙突)の出口における生成ガス中のダイオキシン類濃度が1立方メートル当たり0.1ナノグラム以下となるように処理されることを定めている。 とこ 維持管理の技術上の基準として,PCB分解施設の除去設備(煙突)の出口における生成ガス中のダイオキシン類濃度が1立方メートル当たり0.1ナノグラム以下となるように処理されることを定めている。 ところで,上記のとおり,都道府県知事は,法15条の2第1項各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ,法15条1項に基づく許可をしてはならないと定められているところ,知事は,その許可をするについては,あらかじめ,法15条の2第1項2号に掲げる事項について,生活環境の保全に関し環境省令で定める事項について専門的知識を有する者の意見を聴かなければならないとされている(同条3項)。 そうすると,廃棄物処理法は,同項2号に掲げる事項の基準適合性については,上記専門知識を有する者(から成る審査会)の意見を十分に尊重して行う都道府県知事の合理的な判断にゆだねていると解されるから,現在の科学技術水準に照らし,審査会の調査審査において用いられた具体的審査基準に不合理な点があり,あるいは当該施設が具体的審査基準に適合するとした審査会の調査審議及び判断の過程に看過し難い過誤,欠落があり,都道府県知事の判断がこれに依拠してされたと認められる場合には,上記判断に不合理な点があるものとして,これに基づく許可処分は違法となると解すべきである(最高裁平成17年5月30日第一小法廷判決・民集59巻4号671頁)。 -- しかるところ,証拠(乙22,36の1・2,57,証人E)によれば,本件実証試験においては,一部(PCB汚染土壌を試料として行われた2回目の試験)において上記基準値を超えるダイオキシン類濃度が検出されたものの,他のデータには問題がない上,本件分解施設で用いられる実用機については,上記の結果に対処すべく,種々の改良が加えられる予定であることなどから 上記基準値を超えるダイオキシン類濃度が検出されたものの,他のデータには問題がない上,本件分解施設で用いられる実用機については,上記の結果に対処すべく,種々の改良が加えられる予定であることなどから,化学物質についての専門家委員を含む審査会において,安全性に特段欠けることはないとの結論に至ったことが認められる。 イこの点につき,原告らは,本件分解施設における除去設備(煙突)の出口における生成ガス中のダイオキシン類の濃度が上記基準を超えると主張し,その根拠として,①本件実証試験に用いられた試験機の規模が実用機と比較して違いすぎること,②本件実証試験に用いられた試料のPCB濃度が実際のものと比較して低いこと,③一部の試験において,基準値を超える1立方メートル当たり0.29ナノグラムのダイオキシン類が検出されたこと,④試験結果によると,ダイオキシン類が合成された可能性が高いこと,⑤日本車輌が本件実証試験のデータの一部を隠ぺいしていたことなどを挙げる。 そこで検討するに,まず,①については,なるほど,実証試験に用いられた試験機と実用機との規模が近接することは,試験値の信頼性の観点からは望ましいといえようが(証人F),他方で,証拠(乙41,57,証人E)によれば,どの程度の規模が適当かは,必ずしも一概に決められるものではなく,その施設の内容・処理方法等によって判断すべきところ,本件分解施設の採用した気相水素還元法は,触媒等を用いない,化学的に単純な反応原理に基づくPCB処理法として確立され,既にカナダ,オーストラリアで実績を上げていることが認められ,これに照らすと,本件実証試験における試験機の規模が不適当であって,その結果に信頼性がないとまではいえない。 -- 次に,②については,なるほど,証拠(甲8,乙56)によれば,本件実証試験の れに照らすと,本件実証試験における試験機の規模が不適当であって,その結果に信頼性がないとまではいえない。 -- 次に,②については,なるほど,証拠(甲8,乙56)によれば,本件実証試験の試料として,PCB濃度100パーセントのPCB油は用いられていないことが認められるが,本件分解施設は,PCBを気化した後,気相水素還元法によってPCBを分解,処理するものであるから,処理対象物であるPCB油の濃度がいかなる程度のものであれ,気化されたPCB蒸気が処理能力を超えない濃度であれば特段の不都合は生じないというべきところ,本件分解施設においては,次に述べるように,これを適切にコントロールできるよう設備等が改良される予定であるから,上記の点をもって,本件実証試験の方法が不適切であったということはできない。 また,③については,本件実証試験は,前記のとおり,日本車輌が,平成10年7月から9月にかけて,本件分解施設において採用されている気相水素還元法の行政上の許認可を得るために実施したものであって,証拠(乙36の1・2,57,証人E)によれば,維持管理の技術上の基準値を超えるダイオキシン類濃度が検出された原因は,固形物蒸発器に投入されたPCB汚染土壌の全体が急激に昇温し,処理能力を超えるPCBの気化がもたらされたことにあると推測できるところ,本件分解施設は,同試験において用いられた試験機をそのまま拡大して使用するものではなく,上記のような事態を避けるべくPCBの気化を適切にコントロールできるように設備を改良,変更して用いる予定であることが認められるから,本件実証試験の一部において,上記基準値を超えるダイオキシン類濃度が検出されたからといって,直ちに本件分解施設における排出ガス中のダイオキシン類の濃度が同基準を上回るとはいえない。なお,改良 から,本件実証試験の一部において,上記基準値を超えるダイオキシン類濃度が検出されたからといって,直ちに本件分解施設における排出ガス中のダイオキシン類の濃度が同基準を上回るとはいえない。なお,改良が加えられる場合,改良された試験機によって再度の実証試験を行った上で安全性を確認すべきであるとの意見(証人F)も傾聴に値するが,上記のように,実証試験の一部に基準値を超えるダイオキシン類濃度が出現した原因が特定され,これを解消すべく設備等に改良が加えられる以上,試験機を作り直-- して再度の実証試験を行わなかったからといって,安全性が確認されていないとはいえない。 さらに,④については,証拠(甲135,乙56,証人F)によると,ダイオキシン類の一部については,反応分解前よりも反応分解後の割合が多くなっていたことが認められる。しかしながら,量的に増えているわけではない上,その原因,機序等は必ずしも明らかでない(日本車輌は,ダイオキシン類の定量下限値が反応分解前のPCB油と反応分解後の生成ガスとで異なることによると説明する。)ところ,証拠(乙57,証人E)によれば,気相水素還元法の内容,性格からして,ダイオキシン類が新たに合成されることは(分解された後に冷却過程で再合成され得ることを除いて)あり得ないと認められるから,その原因が本件実証試験機ないし気相水素還元法そのものにあるとは考え難く,審査会が日本車輌の上記説明の合理性を肯定したことをも考慮すると,上記現象をもって,本件分解施設が維持管理の技術上の基準を満たさないと推認することはできない。 最後に,⑤については,なるほど,証拠(甲74,106の2,114の1ないし4)によれば,日本車輌は,島津テクノリサーチから本件実証試験において採取されたガス全部のPCB及びダイオキシン類濃度の測定 最後に,⑤については,なるほど,証拠(甲74,106の2,114の1ないし4)によれば,日本車輌は,島津テクノリサーチから本件実証試験において採取されたガス全部のPCB及びダイオキシン類濃度の測定結果を受け取ったにもかかわらず,実証試験報告書や実証試験成果報告書には,PCB汚染トランスの分解実験の生成ガスの測定結果を省いていたことが認められる。しかしながら,証拠(乙43)によれば,日本車輌は,上記分析結果を省いた理由は,本件実証試験においては,計画時と異なって,実際に長年にわたって保管されていた実トランスを試料として用いたところ,実トランスでは,試験前にトランスに付着したり染み込んだPCBの総量を測定できず,したがってPCBやダイオキシン類の分解率を算定できないので,生成ガス中のPCB及びダイオキシン類濃度のデータを提出しなかったにすぎなかったと説明していることが認められ,これによ-- れば,日本車輌が意図的にデータ隠しをしたとまでは推認できず,実際にも,実トランスのダイオキシン類濃度の測定結果は,維持管理の技術上の基準値を満たしていることが認められる。 ウそうすると,本件分解施設については,施行規則12条の7第13項4号ト及び14項3号チで定めるダイオキシン類濃度を含め,特段安全性に欠ける点はないとした審査会の調査審査及び判断の過程に看過し難い過誤,欠落があるとはいえないので,これに依拠した本件分解施設設置許可処分に違法があるとの原告らの上記主張は採用できない。 争点(2)イ(本件分解施設におけるPCB汚染トランス処理後の生成ガス中におけるPCB濃度が,日本車輌の定めた自主基準値である1立方メートル当たり0.001ミリグラムを超える違法があるか否か)について(1)自主基準値の位置づけについて原告らは,法令中には, ガス中におけるPCB濃度が,日本車輌の定めた自主基準値である1立方メートル当たり0.001ミリグラムを超える違法があるか否か)について(1)自主基準値の位置づけについて原告らは,法令中には,PCB分解施設からの排ガスのPCB濃度に関する規制,基準は存しないものの,廃棄物処理法の改正(平成9年法律第85号)の際,施設の設置者は自ら設定した維持管理上の計画に従って施設を維持管理すべきことが各種通達によって明らかにされているから,上記計画上に記載された自主基準値も本件各許可処分の許可要件になると主張するところ,ここでいう自主基準値とは,施行規則11条3項1号において,申請書に維持管理に関する計画(法15条2項7号)として記載すべきものとされている「排ガスの性状,放流水の水質等について周辺地域の生活環境の保全のため達成することとした数値」であると解される。 しかしながら,設置許可要件を定めた法15条の2第1項2号は,上記計画が周辺地域の生活環境の保全等に適正に配慮されたものであることを要求するにとどまり,申請に係る施設が現実に稼働した場合に,当該自主基準値を満たすことを設置許可の時点で審査・判断すべきことまで求めるものでないと解すべきである(維持管理が上記計画に適合していないと認められた場-- 合に,法15条の2の6第1号,15条の3第2項に基づき,都道府県知事から改善命令等や設置許可取消処分を受けることがあるのは別論である。)。 すなわち,自主基準値は,法令上の基準と異なり,生活環境の保全のためにどの程度の数値が必要か,どの程度の数値であるならば達成することが可能かといった事柄に関する申請者の認識によって異なり得るところ,このような主観的要素によって左右される自主基準値いかんにより施設の設置許可処分が適法となったり違法となった あるならば達成することが可能かといった事柄に関する申請者の認識によって異なり得るところ,このような主観的要素によって左右される自主基準値いかんにより施設の設置許可処分が適法となったり違法となったりするのでは,不合理な結果を招くといわざるを得ないからである。 (2)小括そうすると,本件実証試験の結果,トランスの処理に際して発生した生成ガス中のPCBの実測濃度が,日本車輌の自主基準値である1立方メートル当たり0.001ミリグラムの17倍に達したことを根拠に,本件分解施設設置許可処分を違法とする原告らの主張は,実証試験機と実用機とが設備,構造等において異なることを無視ないし軽視していることをさておいても,採用できないというべきである。 争点(2)ウ(本件分解施設から排出されるダイオキシン類を常時測定・記録すべきか否か。また,常時測定すべきではないとしても,測定方法自体に不備があるか否か)について(1)ダイオキシン類濃度の測定頻度の位置づけについて原告らは,法15条の2第1項1号の設置の技術上の基準として,施行規則12条の2第13項5号ハ(2)及び14項4号ハ(2)が,「除去設備から排出された生成ガス中の主要な成分を測定し,かつ,記録するための装置が設けられていること」と規定しているところ,ここにいう「生成ガス中の主要な成分」にはダイオキシン類が含まれているから,常時ダイオキシン類濃度を測定し,かつ,記録するための装置が設けられていることがPCB分解施設の設置許可の要件になっているにもかかわらず,本件分解施設にはこれが-- 設置されていないと主張する。 しかしながら,ダイオキシン類の濃度の測定及び記録については,法15条の2の2の維持管理の技術上の基準として,施行規則12条の7第13項4号チ及び同条14項3号リにおいて, されていないと主張する。 しかしながら,ダイオキシン類の濃度の測定及び記録については,法15条の2の2の維持管理の技術上の基準として,施行規則12条の7第13項4号チ及び同条14項3号リにおいて,「除去設備の出口における生成ガス中のダイオキシン類の濃度を毎年1回以上(略)測定し,かつ,記録すること。」と規定されていることに照らすと,常時測定され記録されることが求められる施行規則12条の2第13項5号ハ(2)及び14項4号ハ(2)の「生成ガス中の主要な成分」には,ダイオキシン類は含まれないと解するほかなく,したがって,本件分解施設に常時ダイオキシン類濃度を測定し,かつ,記録するための装置が設けられていないとしても,本件分解施設設置許可処分が違法となるものではない。 (2)PCB濃度モニタの問題点についてまた,原告らは,本件分解施設におけるダイオキシン類を常時測定すべきではないとしても,①日本車輌が本件分解施設において予定しているダイオキシン類の測定方法は,ダイオキシン類との相関関係が不明確なPCB濃度やモノクロロベンゼンを指標として類推するものであり,正確な測定は不可能であること,②使用を予定しているPCB測定モニタの検出下限は6.6マイクログラムないし1.65マイクログラムであって,精度が低いことなどを理由に,本件分解施設設置許可処分は違法であると主張する。 しかしながら,①については,証拠(乙54)及び弁論の全趣旨によれば,日本車輌が使用する予定のPCB濃度モニタは,日常的な運転管理上の必要から設置するものにすぎず,6か月ごとにダイオキシン類濃度を測定する際には,外部の専門業者に委託して精密な分析を行う予定であるから,維持管理の技術上の基準である施行規則12条の7第13項4号チ及び同条14項3号リは十分に満たし得ると認められる。 ン類濃度を測定する際には,外部の専門業者に委託して精密な分析を行う予定であるから,維持管理の技術上の基準である施行規則12条の7第13項4号チ及び同条14項3号リは十分に満たし得ると認められる。 また,原告らの上記②の主張は,要するに,日本車輌の用いるPCB濃度-- モニタでは,日本車輌の策定した維持管理上の計画で示された1立方メートル当たり1ナノグラムの自主基準値を測定することができないというものであると解されるところ,前記認定・判断のとおり,当該自主基準値を満たすことが本件分解施設の設置許可要件になっているとは解されないので,その精度が低いからといって(もっとも,乙57及び証人Eによれば,審査会での審査の結果,上記PCB濃度モニタは,精度の向上により,ガスクロマト質量分析計と併用すれば,有分な信頼性を有するとされたことが認められる。),上記許可処分が違法になるとはいえない。 争点(2)エ(本件分解施設からの排水中のフッ素濃度が,水質汚濁防止法3条1項所定の排水基準値を超える違法があるか否か。また,日本車輌の自主基準値を超える違法があるか否か)について(1)排水中のフッ素濃度に関する基準の位置づけア原告らは,本件分解施設設置許可処分の違法事由として,①本件分解施設からの排水中のフッ素濃度が,水質汚濁防止法上の排出基準値(1リットル当たり15ミリグラム)を超えること,②同じく,日本車輌の自主基準値(1リットル当たり2ミリグラム)を超えることを主張する。 原告らの上記主張のうち②については,争点(2)イについて判断したとおり,維持管理に関する計画に記載された自主基準値を満たすことがPCB分解施設の設置許可要件であるとは解されないから,違法事由の主張としてはそれ自体失当というほかない。 イ他方,水質汚濁防止法は,工場及 維持管理に関する計画に記載された自主基準値を満たすことがPCB分解施設の設置許可要件であるとは解されないから,違法事由の主張としてはそれ自体失当というほかない。 イ他方,水質汚濁防止法は,工場及び事業場から公共用水域に排出される水の排出及び地下に浸透する水の浸透を規制するとともに,生活排水対策の実施を推進すること等によって,公共用水域及び地下水の水質の汚濁の防止を図ることを目的としている(同法1条)ところ,本件分解施設は,フッ素を含有する排水を排出する施設であって,水質汚濁防止法上の「特定施設」に該当する(同法2条2項1号,同法施行令2条25号)から,-- 同法による規制を受けるものである。そして,同法によれば,特定施設を設置する工場又は事業場から公共用排水域に排出される排出水の汚染状態の限度としては,フッ素の場合,海域に排出されるものについては1リットル当たり15ミリグラム以下とされている(同法3条1項,水質汚濁防止法第3条第1項の規定による排水基準を定める省令別表第1)。 他方,施行規則12条6号は,法15条の2第1項1号の定める許可のための技術上の基準の一つとして,「施設から排水を放流する場合は,その水質を生活環境保全上の支障が生じないものとするために必要な排水処理設備が設けらられていること」と規定するところ,ここでいう「水質を生活環境保全上の支障が生じないものとする」の具体的意義は,上記水質汚濁法の目的・趣旨に照らすと,同法の定める基準が遵守されている状態を指すと解される。 そうすると,設けられるべき排水処理設備が,水質汚濁防止法上の排出基準である上記フッ素濃度を満たす能力を有していることが産業廃棄物処理施設の設置許可要件として必要となり,この要件を満たさない場合,同許可処分は,法15条の2第1項1号,施行規則1 濁防止法上の排出基準である上記フッ素濃度を満たす能力を有していることが産業廃棄物処理施設の設置許可要件として必要となり,この要件を満たさない場合,同許可処分は,法15条の2第1項1号,施行規則12条6号,水質汚濁防止法3条1項に反するものとして違法となるというべきである。 (2)本件分解施設からの排水中のフッ素濃度についてアそこで,本件分解施設に設けられる排水処理設備が,水質汚濁防止法上の排出基準であるフッ素濃度(1リットル当たり15ミリグラム)を満たす能力を有しているか否かについて検討するに,証拠(甲21,31,33ないし40,79ないし83,84の1ないし3,86,乙19,27,28,43,48,50,60)及び弁論の全趣旨を総合すると,以下の事実が認められる。 (ア)本件分解施設設置許可申請書に記載された産業廃棄物処理施設の位置,構造等の設置に関する計画によれば(別紙3-3「処理に伴い生ず-- る排水の検討」),本件分解施設から排出される排水は,①スクラバ水,建物内ピット排水などのプロセス排水,②作業員の長靴の洗浄などによる排水である洗浄排水,③事務所や工場からの生活排水,④PCB廃棄物由来の排水や試薬を含む排水である分析系排水,⑤雨水などであり,①,②及び④のうちのPCB廃棄物由来の排水は,原水タンクに貯留され,油分除去凝集ろ過処理,凝集沈殿処理,砂ろ過処理及び活性炭吸着処理などを経て,合併洗浄槽での処理を経た③と混合の上,海水中に放流される。 また,④のうちの試薬を含む排水の処理は,産業廃棄物処理業者に委託され,⑤は油分分離槽での処理を経て,衣浦工場雨水経路から排出される。 (イ)原水タンクにおける排水中に含まれるフッ素の濃度は,通常1リットル当たり0ミリグラムであるが,毎月1回程度,廃洗浄溶剤を処理す ⑤は油分分離槽での処理を経て,衣浦工場雨水経路から排出される。 (イ)原水タンクにおける排水中に含まれるフッ素の濃度は,通常1リットル当たり0ミリグラムであるが,毎月1回程度,廃洗浄溶剤を処理する場合にのみ,1リットル当たり1万9000ミリグラムとなるところ,排水中に含まれるフッ素は,塩化カルシウムを添加してフッ化カルシウムとして処理することとされ(カルシウム添加法),最終的には1リットル当たり1.38ミリグラムにまで処理され,さらに衣浦製作所の排水とともに総合排水処理設備で処理された後に衣浦港に放流される計画である。 その廃溶剤の処理は,施設の全停止直前の最後の処理として,2時間で行うことが予定されており,その工程は,スクラバ工水を追加せず,スクラバごとに約6立方メートルの水を循環させて生成ガス中の塩化水素,フッ化水素などを除去し,廃溶剤の処理終了後,第1段目のスクラバの貯留水約6立方メートルの半量(約3立方メートル)を排水処理設備で処理する。排水処理能力は1時間当たり1.5立方メートルなので,これを2時間行うことにより,上記3立方メートルの排水を処理するこ-- とが可能である。このようにして処理した3立方メートルの排水を,あらかじめ10時間分(15立方メートル)の処理水を貯留した貯留タンク(12時間分の18立方メートルを貯留することができる。)に貯めて分析し,基準に適合することを確認してから放流することとしている。 (ウ)フッ素を含む排水の処理方法として,単純なフッ素の濃厚廃液などに対しては,カルシウム塩を使って溶解度の低いフッ化カルシウムにして沈殿分離する方法(凝集沈殿処理法)が有効であり,計算上,摂氏40度でのフッ素濃度は1リットル当たり8.27ミリグラムとなるが,この数値はフッ化カルシウムの溶解度によっても いフッ化カルシウムにして沈殿分離する方法(凝集沈殿処理法)が有効であり,計算上,摂氏40度でのフッ素濃度は1リットル当たり8.27ミリグラムとなるが,この数値はフッ化カルシウムの溶解度によっても左右され,フッ素濃度が低い溶液の場合(1リットルにつき100ミリグラム以下),各種の塩やイオンが含まれているため,処理効率が悪くなる傾向がある。そのため,フッ素濃度が1リットル当たり50ないし100ミリグラム程度の溶液を凝集沈殿処理法のみによって同8ミリグラム以下に除去することは容易ではなく,凝集沈殿処理の後段に樹脂吸着装置や2段凝集沈殿装置を設置するという多段処理が必要になることが指摘されている。 イ上記認定事実によれば,本件分解施設においては,タンク内の水による希釈や施設から排出後である衣浦製作所総合排水処理設備における処理を考慮しないとしても,排水中のフッ素濃度を,少なくとも水質汚濁防止法上の基準(1リットル当たり15ミリグラム)以下にすることができることが明らかというべきである。このことは,原告らによる独自の計算によっても,排水中のフッ素濃度が1リットル当たり6.43ミリグラムとなることからも裏付けられる。 そうすると,本件分解施設は,法15条の2第1項1号,施行規則12条6号,水質汚濁防止法3条1項に定める排水中のフッ素濃度の基準を満たすものであるから,同施設の設置許可処分が違法であるとの原告らの上記主張は採用できない。 -- 争点(2)オ(本件洗浄施設において使用されている溶剤の洗浄力が法令の基準を満たすか否か)について原告らは,PCB処理物を洗浄する際に用いられる溶剤について,施行規則1条の2第4項,検定方法第3ロ及びニを根拠に,トリクロロエチレン,テトラクロロエチレン又はこれらと同等以上の洗浄力を有すること要 原告らは,PCB処理物を洗浄する際に用いられる溶剤について,施行規則1条の2第4項,検定方法第3ロ及びニを根拠に,トリクロロエチレン,テトラクロロエチレン又はこれらと同等以上の洗浄力を有すること要求されており,したがって,これと同程度の性能を有しない溶剤を用いるPCB洗浄施設の設置許可処分は,法15条の2第1項1号,施行令6条の5第1項2号ホ,2条の4第5号ハに反するものとして違法である旨主張する。 しかしながら,施行規則1条の2第4項は,その文言から明らかなように,法2条5項で定義した「特別管理産業廃棄物」を具体的に列挙した施行令2条の4のうち,特定有害産業廃棄物の一つである「ポリ塩化ビフェニル処理物」に該当するか否かの基準を定めたものであり,検定方法は,その判定方法を具体的に示したものにすぎない。すなわち,検定方法に示された判定方法によって施行規則1条の2第4項を満たすことが明らかになった場合には,当該ポリ塩化ビフェニル処理物は,特定有害産業廃棄物に当たらないことになり,ひいては特別管理産業廃棄物に関する規制の対象外とされることになるにすぎないのであって,PCB洗浄施設の設置許可要件と無関係である。 そうすると,廃油に関する検定方法第3ロの内容が金属くずに関する同第3ニにも妥当するか,さらにはアサヒクリンAK-225がトリクロロエチレン,テトラクロロエチレン又はこれらと同等以上の洗浄力を有するかの問題をさておいても,本件洗浄施設で用いられる溶剤の洗浄力を理由に,その設置許可処分を違法とする原告らの上記主張は,それ自体失当というべきである。 争点(2)カ(本件洗浄施設を対象とする住民説明会が実施されていない違法があるか否か)について前記のとおり,本件条例は,廃棄物の適正な処理に関する県,事業者及び県民の責務を明らかにするとともに 争点(2)カ(本件洗浄施設を対象とする住民説明会が実施されていない違法があるか否か)について前記のとおり,本件条例は,廃棄物の適正な処理に関する県,事業者及び県民の責務を明らかにするとともに,廃棄物の適正な処理を確保するために必要-- な規制をすること等により,廃棄物の適正な処理を促進し,もって県民の生活環境の保全に資することを目的とするものであり(1条),産業廃棄物処理施設の設置者等の義務として,法15条1項の許可を受けようとする者は,本件条例施行規則で定めるところにより,当該許可に係る施設の設置等に伴い,生活環境に影響を及ぼすおそれがある地域として同規則で定める地域(関係地域)内において,当該施設の設置等に係る計画の内容を周知させるための説明会を開催しなければならない(9条1項)としている。これを受けて,本件条例施行規則は,説明会を開催した者は,速やかに,説明会の開催の状況を説明会開催状況報告書により知事に報告しなければならず(12条1項),知事は,前項の説明会開催状況報告書が提出された場合において,関係市町村長の意見を聴いて当該施設の設置等に係る計画の内容の周知が十分でないと認めるときは,当該説明会開催状況報告書を提出した者に対し,再度説明会を開催すべきことを指示することができる(12条2項)こととしている。 これらの規定によれば,住民説明会は,廃棄物処理施設が周辺住民の生活環境等に影響を与え得るものであることにかんがみ,その設置に当たっては,周辺住民に対して施設の概要や事業の内容,これらによってもたらされると予測される生活環境への影響等を知らしめ,疑義や意見等がある場合にはこれらを述べる機会を与えるなど,手続上の透明性を高めることにより,廃棄物の適正な処理の促進(立地計画の円滑な進ちょくを含む。)に寄与すること 生活環境への影響等を知らしめ,疑義や意見等がある場合にはこれらを述べる機会を与えるなど,手続上の透明性を高めることにより,廃棄物の適正な処理の促進(立地計画の円滑な進ちょくを含む。)に寄与することを目的としたものと解される。 しかしながら,この目的・趣旨を超えて,住民説明会の開催が当該施設の設置許可要件となっていることをうかがわせる規定は,廃棄物処理法や本件条例のいずれにも見当たらず,これを怠った場合における罰則規定も存在しないことも考慮すると,本件洗浄施設については日本車輌による住民説明会が(実質的にも)開催されていないか否かはさておき,住民説明会の開催の欠如を理由として本件洗浄施設設置許可処分が違法となるとの原告らの主張は,それ自体-- 失当というべきである。 争点(2)キ(本件各施設の設置許可申請につき,日本車輌が「その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者」に該当するか否か)について(1)不正又は不誠実な行為をするおそれがある者の意義について廃棄物処理法は,産業廃棄物処理施設の設置許可要件として,その申請者がその業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者に該当しないことを定めている(15条の2第1項4号,14条5項2号イ,同号ニ及び7条5項4号ホ)ところ,原告らは,日本車輌が,本件実証試験に係るデータを隠ぺいしたまま,検討評価委員会の技術評価を受けたり,愛知県に測定分析していないと虚偽の回答をしたことなどを理由に,同社が不正又は不誠実な行為をするおそれがあると主張する。 ところで,法15条の2第1項4号は,産業廃棄物処理施設の設置許可申請者についての要件(欠格事由)を定めているところ,その準用する法14条5項2号イないしヘ及び な行為をするおそれがあると主張する。 ところで,法15条の2第1項4号は,産業廃棄物処理施設の設置許可申請者についての要件(欠格事由)を定めているところ,その準用する法14条5項2号イないしヘ及び法7条5項4号イないしトは,上記の欠格事由のほか,①成年被後見人,被保佐人,復権を得ていない破産者(法7条5項4号イ),②禁錮以上の受刑者等(同号ロ),③廃棄物処理法等の規定の違反者等(同号ハ),④廃棄物処理業等の許可を取り消され,取消しの日から5年を経過しない者等(同号ニ),⑤廃棄物処理業等の廃止等の届出をしてから5年を経過しない者(同号ホ),⑥廃棄物処理業等の廃止等の届出をした法人の役員等であった者で,届出から5年を経過しない者(同号ヘ),⑦暴力団員等(法14条5項2号ロ),⑧未成年者で法定代理人が①ないし⑦のいずれかに該当するもの(同号ハ),⑨法人で役員等が①ないし⑦のいずれかに該当するもの,⑩法人で暴力団員等が事業活動を支配するもの,⑪個人でその使用人が①ないし⑦のいずれかに該当するものを挙げている。 これらを通覧すれば,法15条の2第1項4号の申請人に係る許可要件は,-- 産業廃棄物処理施設の設置・運営・管理が,適切に行われるか否かが周辺地域の生活環境に重大な影響を及ぼすことに加え,設置許可要件としての明確性をも確保するとの観点から,復権を得ない破産者のように施設運営の資力に乏しいことが客観的に明らかな者や,未成年者,暴力団員,あるいは廃棄物処理法や生活環境を保全すべきことを目的とする法律に違反して有罪判決を受けた者のように,その能力や資質から,およそ産業廃棄物処理施設の適切な運営・管理を行うことができないことが一般的に肯定される者を,設置者から除外するために設けられた規定であると解される。 そうすると,これらの欠格事由と 能力や資質から,およそ産業廃棄物処理施設の適切な運営・管理を行うことができないことが一般的に肯定される者を,設置者から除外するために設けられた規定であると解される。 そうすると,これらの欠格事由と併記されている「その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者」とは,これらの者と同程度に,その資力や資質から見て産業廃棄物処理施設の運営・管理を適切に行うことが期待できないと客観的,定型的に判断される者をいうと解するのが相当である。 (2)日本車輌の申請欠格事由該当性の有無についてアそこで,日本車輌が「その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者」に該当するか否かについて判断するに,前記前提事実に,証拠(甲8,10,12の1,74,106の2,107,108,109の1・2,114の1ないし4,133,乙43)及び弁論の全趣旨を総合すると,以下の事実が認められる。 (ア)日本車輌は,カナダから導入した気相水素還元法について,通商産業省が設置する検討評価委員会の評価を受けるため,実証機を用いて,気相水素還元法によるPCB処理の実証試験を実施することを計画し,平成10年3月付けで,豊川市に対し,本件実証試験の実施計画書を提出し,同市によって受理された。 日本車輌は,平成10年7月28日から同年9月7日までの間,8回にわたる本件実証試験を実施し,これによって得られた各試料を分析会-- 社である島津テクノリサーチに引き渡した。 (イ)島津テクノリサーチは,引き渡された全試料について分析を行い,その結果を日本車輌に報告した。日本車輌は,その分析結果を取りまとめ,いくつかの実証試験報告書を作成した(東京貿易株式会社と日本車輌が併記されたものとして「『気相 渡された全試料について分析を行い,その結果を日本車輌に報告した。日本車輌は,その分析結果を取りまとめ,いくつかの実証試験報告書を作成した(東京貿易株式会社と日本車輌が併記されたものとして「『気相水素還元法』実証試験成果報告書」,平成10年12月付け「難分解性有機化合物の化学処理に関する気相水素還元法実証試験報告書」,日本車輌のみが作成者として表記されている「『気相水素還元法』実証試験成果報告書」)。 (ウ)しかし,日本車輌は,PCB汚染物であるトランスの実証試験において,実証試験計画書には測定するものと記載されている生成ガスの分析データを,実証試験報告書に添付しなかった。日本車輌は,愛知県からその理由を問われたため,要旨,以下のとおり回答した。 「当初は,新品のトランスによって実証試験を実施する予定であったが,処理の実態に合わせるため,実証試験計画を実トランスを用いるよう変更したものの,実トランスでは実証試験前にトランスに付着していたPCBの総量を測定することができず,分解率を算出できないため,評価対象としてトランスの実証試験における生成ガスを測定項目から外し,当該データを社内で保管することとして,検討評価委員会には提出しなかった。したがって,情報を隠ぺいしたものではない。」(エ)また,日本車輌は,平成16年6月10日に開催された第4回の審査会において,トランスに関する(生成ガスの)測定はしなかった旨説明したところ,日本車輌は,このような説明をした理由として,質問内容を「モノクロロベンゼンとPCBの相関が確認できるデータはないか。」というものであると理解したため,そのようなデータはない旨回答したと説明した。 さらに,日本車輌は,本件実証試験において,トランスに関する生成-- ガスの分析をし,その生成ガス中のPCB濃度 いうものであると理解したため,そのようなデータはない旨回答したと説明した。 さらに,日本車輌は,本件実証試験において,トランスに関する生成-- ガスの分析をし,その生成ガス中のPCB濃度が1立方メートル当たり17000ナノグラムであったにもかかわらず,本件許可申請書に添付した資料には,生成ガス中のPCB濃度を1立方メートル当たり4ナノグラムと記載した。日本車輛は,これについて,単なる転記ミスであると説明した。 イ上記認定事実によれば,日本車輌は,客観的には,本件実証試験の結果の一部を検討評価委員会に提出した報告書に記載せず,審査会において事実と異なる説明を行い,愛知県に提出した資料中にも事実と異なる数値が記載されていたといわざるを得ない。 しかしながら,日本車輌は,上記のいずれについても,自己に不利益な結果を隠ぺいする意図に出たものでない旨説明しているところ,これらは必ずしも首肯できないものではない上,そもそも,本件実証試験は気相水素還元法についての検討評価委員会の評価を受けることを目的として実施されたものであることなどを考慮すると,上記の事実だけでは,日本車輌が,その資力や資質等から見て,産業廃棄物処理施設の運営・管理を適切に行うことを期待できないことが客観的,定型的に見て明らかであるとまでは認められず,したがって,「その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者」に該当するということはできない。 よって,この点に関する原告らの主張も採用できない。 結論 以上の次第で,原告らの本訴請求は理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担につき,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条,65条1項本文を適用して,主文のとおり判決する。 -- 名古屋地方裁判所民事第9部加藤 は理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担につき,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条,65条1項本文を適用して,主文のとおり判決する。 -- 名古屋地方裁判所民事第9部加藤幸雄裁判長裁判官舟橋恭子裁判官片山博仁裁判官-- (別紙)処分目録 許可の年月日平成16年8月13日許可番号16廃対第63-1号施設の種類及び処理す廃棄物処理法施行令第7条第12号の2に規定するる産業廃棄物の種類廃ポリ塩化ビフェニル等(ポリ塩化ビフェニル汚染物に塗布され,染み込み,付着し,又は封入されたポリ塩化ビフェニルを含む。)又はポリ塩化ビフェニル処理物の分解施設廃ポリ塩化ビフェニル等(ポリ塩化ビフェニル汚染物に塗布され,染み込み,付着し,又は封入されたポリ塩化ビフェニルを含む。)及びポリ塩化ビフェニル処理物設置場所半田市●●号地●●番日本車輌製造株式会社衣浦製作所内処理能力0.144t/時,3.456t/日(24時間)許可条件なし-- 許可の年月日平成16年8月13日許可番号16廃対第63-2号施設の種類及び処理す廃棄物処理法施行令第7条第13号に規定するポリる産業廃棄物の種類塩化ビフェニル汚染物又はポリ塩化ビフェニル処理物の洗浄施設ポリ塩化ビフェニル処理物設置場所半田市●●号地●●番日本車輌製造株式会社衣浦製作所内処理能力0.125t/時,3t/日(24時間)許可条件なし 申し訳ありませんが、整形するテキストが提供されていません。整形が必要なテキストをお知らせいただければ、対応いたします。

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