令和2(ワ)3473 特許権侵害行為差止等請求事件

裁判年月日・裁判所
令和5年1月23日 大阪地方裁判所
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令和5年1月23日判決言渡同日原本領収裁判所書記官令和2年(ワ)第3473号特許権侵害行為差止等請求事件口頭弁論終結日令和4年11月7日判決 原告コイズミ照明株式会社同代表者代表取締役同訴訟代理人弁護士飯島歩同藤田知美同町野静 同平野潤同真鍋怜子同神田雄同村上友紀同溝上武尊 同秦野真衣同三品明生同上田亮祐同訴訟代理人弁理士川上桂子 被告大光電機株式会社同代表者代表取締役同訴訟代理人弁護士中務尚子同榎本辰則同訴訟代理人弁理士清水義仁 主文 1 被告は、別紙被告製品目録記載の製品を製造し、販売し、販売の申出をし、販売のために展示し、輸入し又は輸出してはならない 2 被告は、別紙被告製品目録記載の製品及び半製品(別紙被告製品目録記載の製品の構造を具備しているが、未だ製品として完成に至らないもの)を廃棄せよ 3 被告は、原告に対し、2億0374万2411円並びにうち1億8300万34 58円に対する令和2年3月31日から支払済みまで年5分の割合による金員、うち97万円に 至らないもの)を廃棄せよ 3 被告は、原告に対し、2億0374万2411円並びにうち1億8300万34 58円に対する令和2年3月31日から支払済みまで年5分の割合による金員、うち97万円に対する同年4月9日から、うち1976万8953円に対する令和3年12月31日から各支払済みまで年3分の割合による金員を支払え 4 原告のその余の請求を棄却する。 5 訴訟費用は、これを13分し、その5を原告の負担とし、その余は被告の負担と する。 6 この判決は、第3項に限り、仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 1 主文第1項及び第2項と同旨 2 被告は、原告に対し、10億3342万5410円並びにうち9億2973万0636円に対する令和2年3月31日から支払済みまで年5分の割合による金員、うち485万0006円に対する同年4月9日から、うち9884万4768円に対する令和3年12月31日から各支払済みまで年3分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 本件は、発明の名称を「照明器具」とする特許(特許第5982227号。以下「本件特許」という。)に係る特許権(以下「本件特許権」という。)を有する原告が、別紙被告製品目録記載の各製品(以下「被告製品」という。)は本件特許に係る発明の技術的範囲に属するとして、被告に対し、特許法100条1項、2 項に基づき、被告製品の製造等の差止及び廃棄を求めるとともに、不法行為(民 法709条)に基づき、10億3342万5410円の損害賠償及びうち9億2973万0636円に対する令和2年3月31日(以下、遅延損害金の起算日は当該期間の最終行為日)から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定の年5分の割合、うち485万0006円 973万0636円に対する令和2年3月31日(以下、遅延損害金の起算日は当該期間の最終行為日)から支払済みまで平成29年法律第44号による改正前の民法所定の年5分の割合、うち485万0006円に対する令和2年4月9日から、うち9884万4768円に対する令和3年12月31日から、各支払済 みまで民法所定の年3分の割合による各遅延損害金の支払を求める事案である。 2 前提事実(争いのない事実、後掲証拠及び弁論の全趣旨より容易に認定できる事実。なお、枝番号のある証拠で枝番号の記載のないものは全ての枝番号を含む。)(1) 当事者ア原告は、各種照明器具の製造、加工及び販売等を業とする株式会社である。 イ被告は、電機照明器具の製造及び販売等を業とする株式会社である。 (2) 本件特許権原告は、別紙特許目録記載のとおり特許権(本件特許権)を有する。なお、本件特許は、登録後、2度にわたり特許請求の範囲につき訂正審判の請求がされ、いずれも訂正を認める旨の審決が確定している(訂正2020-3900 05(甲3)、訂正2021-390039(甲14の3)。以下それぞれ「第1次訂正」、「第2次訂正」といい、総称して「本件各訂正」という。また、本件各訂正後の別紙特許目録記載の「特許請求の範囲」請求項1記載の発明を「本件発明1」、同請求項2記載の発明を「本件発明2」といい、総称して「本件各発明」という。訂正部分は下線部であり、①が第1次訂正、②が第2次訂正に よるものである。)。 (3) 構成要件の分説本件各発明をそれぞれ構成要件に分説すると、別紙「本件各発明の構成要件一覧」記載のとおりである。 (4) 被告の行為 被告は、平成28年8月5日から令和3年12月31日まで、業として、被 告製品の 構成要件に分説すると、別紙「本件各発明の構成要件一覧」記載のとおりである。 (4) 被告の行為 被告は、平成28年8月5日から令和3年12月31日まで、業として、被 告製品の製造等をしている。 (5) 被告製品の構成原告が主張する被告製品の構造は、別紙被告製品の構成(原告主張)記載のとおりである。このうちa~cの構成については当事者間に争いがない。また、当該別紙で引用する別紙被告製品説明書の内容については当事者間に争いが なく、被告製品における構成要件の充足性の争点は共通である(弁論の全趣旨)。 (6) 構成要件の充足被告製品の構成a~cは本件各発明の構成要件A~Cを充足し、被告製品の構成jは本件発明2の構成要件Jを充足する(争いがない。)。 3 争点 (1) 構成要件の充足性ア構成要件Dの充足性(争点1)イ構成要件Eの充足性(争点2)ウ構成要件Fの充足性(争点3)エ構成要件Gの充足性(争点4) オ構成要件Hの充足性(争点5)(2) 本件特許に次の無効とすべき理由があるか(争点6)ア無効理由1(昭和53年に販売された被告1978年製品に係る発明(公然実施発明1)を引例とする進歩性欠如)(争点6-1)イ無効理由2(平成22年11月に販売された被告アンドナ製品に係る発明 (公然実施発明2)を引例とする新規性・進歩性欠如)(争点6-2)ウ無効理由3(意匠登録第1447716号公報に記載された発明(乙11発明)を引例とする進歩性欠如)(争点6-3)(3) 原告の被った損害額(争点7)第3 争点に関する当事者の主張 1 争点1(構成要件Dの充足性)について【原告の主張】(1) 「一部が被固定部に固定されるブラケット」の ) 原告の被った損害額(争点7)第3 争点に関する当事者の主張 1 争点1(構成要件Dの充足性)について【原告の主張】(1) 「一部が被固定部に固定されるブラケット」の意義本件各発明において、「ブラケット」とは、被固定部に固定されるとともに放熱部に回転自在に取り付けられるものとして規定されている(構成要件D及び F)。 また、「ブラケット」の意味は「持送り」と同義であり、「持送り」とは「壁体から突出して、庇・梁・棚・床などを支える構造物」である。このように、「ブラケット」には、壁などの被固定部に固定される部分と、当該部分から突出して別の物を支える部分との両方を含む構造体という意味がある。 (2) 構成要件の充足被告製品において、固定部21及びアーム22で構成された部分は、被固定部に固定されるとともにヒートシンク11に回転自在に取り付けられる。被告製品において、固定部21は被固定部である天井に固定される部分であり、アーム22は固定部21から突出して本体部1を支える部分である。 したがって、被告製品の固定部21及びアーム22で構成された部分は、本件各発明の「ブラケット」に相当する。 よって、被告製品は構成要件Dを充足する。 (3) 「ブラケット」の意味が限定される場合仮に、本件各発明の「ブラケット」が本体部分を支持するアームであると限 定的に解釈されるとしても、構成要件Dは、「一部が被固定部に固定されるブラケット」と規定し、ブラケットの一部が被固定部に固定されることを要件としているものの、ブラケットが被固定部に対して直接的に固定されていることまでは要求していない。 また、本件特許の特許公報(甲2)中の発明の詳細な説明及び図面(以下「本 れることを要件としているものの、ブラケットが被固定部に対して直接的に固定されていることまでは要求していない。 また、本件特許の特許公報(甲2)中の発明の詳細な説明及び図面(以下「本 件明細書」といい、特に図面をいう場合には「本件図面」という。)の図1及び 図3には、本件各発明の1つの実施形態として、ブラケットが回動自在の状態で電源部5に固定される形態が記載されている。 したがって、「ブラケット」について前記のとおり限定的な解釈を採用したとしても、「一部が被固定部に固定される」との構成には、ブラケットが被固定部に対して間接的に固定される場合も含まれるものと解すべきである。 被告製品のアーム22は固定部21に固定されており、固定部21は天井等の被固定部に固定されている。すなわち、被告製品のアーム22は、固定部21を介して被固定部に間接的に固定されている。 よって、本件各発明の「ブラケット」について限定的に解釈した場合でも、被告製品のアーム22は、本件各発明の「一部が被固定部に固定されるブラケ ット」に相当し、被告製品は構成要件Dを充足する。 (4) 均等侵害仮に、被告製品においてはブラケットに相当するアーム22が固定部21に固定されているのに対して、本件各発明ではブラケットが被固定部に固定されている点において両者が相違すると考えた場合でも、当該相違点は本件各発明 の本質的部分に係るものではなく、当該相違点に係る本件各発明の構成を被告製品における構成に置換しても本件各発明と同一の作用効果を奏し、このように置換することは本件出願日当時において当業者にとって容易であった。また、本件各発明に新規性及び進歩性があることは後記6ないし8の各【原告の主張】のとおりであり、本件各発明について を奏し、このように置換することは本件出願日当時において当業者にとって容易であった。また、本件各発明に新規性及び進歩性があることは後記6ないし8の各【原告の主張】のとおりであり、本件各発明について、当該相違点を採用することが意識的に 除外された事実はない。したがって、被告製品は、均等侵害の5要件を充足するから、本件各発明の技術的範囲に属する。 【被告の主張】(1) 「一部が被固定部に固定されるブラケット」の意義本件各発明の構成要件Dは、ブラケットの一部が、天井や壁等の被固定部に 固定されるというものである。 本件明細書において、ブラケット4とは、「光を照らす方向Lを変更自在に支持できる構成部品である」と記載されており、本体部分(光源部1、放熱部2及び外装部3から成るモジュール)を支持するアームを意味する。 したがって、構成要件Dの「一部が被固定部に固定されるブラケット」とは、本体部分を支持するアームの一部が、天井や壁等の被固定部に固定されること を意味する。また、「一部が被固定部に固定されるブラケット」との文言からすれば、ブラケットが被固定部に対して間接的に固定される場合も含まれるという解釈は取り得ない。 (2) 構成要件の非充足被告製品においては、本体部分を支持するアーム22が本件各発明のブラケ ットに相当する部材であるところ、アーム22は、固定部(電源部)21に固定されているものの、天井や壁等の被固定部に固定されていない。被告製品において、天井や壁等の被固定部に固定されるのは、固定部21である。 よって、被告製品は、本件各発明の構成要件Dを充足しない。 (3) 均等非侵害 後記6ないし8の各【被告の主張】のとおり、本件各発明は新規性又は進歩性を欠きい 定部21である。 よって、被告製品は、本件各発明の構成要件Dを充足しない。 (3) 均等非侵害 後記6ないし8の各【被告の主張】のとおり、本件各発明は新規性又は進歩性を欠きいずれも無効である。仮に原告の主張どおり被告製品が構成要件D以外の本件各発明の構成要件を充足するとすれば、被告製品についても本件出願時における公知技術と同一又は当業者が容易に推考できたといえる。したがって均等侵害に係る第4要件を充足せず、被告製品に本件各発明の均等侵害は成 立しない。 2 争点2(構成要件Eの充足性)について【原告の主張】(1) 「開口部」の意義ア本件各発明に係る特許請求の範囲の記載は、「開口部」について「前記外装 部の側部には、前記放熱部が露出する開口部が形成され」とだけ規定し、そ の範囲や形状等について何ら限定していない。 また、本件特許の特許請求の範囲及び本件明細書のいずれにも、「開口部」が「穴」ないし「窓」であるとは記載されていない。本件明細書には、外装部が貫通孔を有する旨の記載はあるが、これは本件各発明の1つの実施形態についての記載に過ぎず、本件各発明は当該実施形態に限定されるものでは ない。 イ原告は、本件特許の出願過程において提出した意見書(以下「本件意見書」という。)において、「補正前の「貫通孔」との記載は、その大きさから「孔」と表現するのは妥当でなく、補正後は「開口部」との記載に変更したものである。」と主張し、同様の補正(以下「本件補正」という。)を行った。これ は、拒絶理由通知において指摘された2つの引用文献(以下「本件各引用文献」という。)におけるネジの軸部を通すためだけに設けられた当該軸部と同程度の大きさの孔を除外することを意図して、「貫通孔」を「開 は、拒絶理由通知において指摘された2つの引用文献(以下「本件各引用文献」という。)におけるネジの軸部を通すためだけに設けられた当該軸部と同程度の大きさの孔を除外することを意図して、「貫通孔」を「開口部」に補正したものである。本件意見書に、「開口部」の範囲や形状などについて限定するような主張はなく、本件補正の際に、後端部から側面にかけて開放され た形状を意識的に除外したという事情もない。 ウ以上より、「開口部」とは、単に、外装部の側部に形成されて放熱部を露出する部分であると解釈される。 (2) 構成要件の充足被告製品の側周カバー12には、後端部から側面にかけて開放された部分が 形成されており、当該部分からヒートシンク11が露出している。すなわち、当該部分は、側周カバー12の側部に形成されてヒートシンク11を露出するものである。 したがって、被告製品の側周カバー12は「開口部」を有しているから、被告製品は構成要件Eを充足する。 【被告の主張】(1) 「開口部」の意義ア本件各発明の構成要件Eには、「前記外装部の側部には、前記放熱部が露出する開口部が形成され」ていると記載されているところ、「開口部」とは、その語義として「穴」または「窓」を意味する。 イ本件明細書に本件各発明の実施形態として記載された「開口部」の形状は、放熱部全体を覆った外装部の内側の一部が除去された、まさに「穴」ないし「窓」といえる形状である。 また、本件明細書の記載によれば、本件各発明における外装部は、外部から加わる衝撃に対して放熱部を保護し、放熱部の隙間に埃などの異物が付着 することを低減するとされている。外装部がこれらの効果をもたらす以上、本件各発明における外装部とは、放熱部の相応の広い部分 ら加わる衝撃に対して放熱部を保護し、放熱部の隙間に埃などの異物が付着 することを低減するとされている。外装部がこれらの効果をもたらす以上、本件各発明における外装部とは、放熱部の相応の広い部分を覆っており、放熱部が露出される「開口部」とは、そのような外装部に開けられた「穴」や「窓」を意味することを前提としている。 さらに、本件明細書では、外装部は、砲弾型、円筒型、円錐型、角柱型な どで良いと記載され、このような空間図形を念頭においた形状であることが示されており、このような形状は、開口部が「穴」や「窓」であるが故に導き出されるものである。 ウ原告は、本件特許の出願中に「ブラケットは、前記外装部に設けられた貫通孔を介して前記放熱部に取り付けられる」と記載した請求項について、本 件意見書に「補正前の「貫通孔」との記載は、その大きさから「孔」と表現するのは妥当でな」いと記載の上「貫通孔」の表現を「開口部」へ補正している(本件補正)。かかる経緯に照らせば、本件各発明の「開口部」とは、ブラケットを放熱部に取り付ける際に介する部位であり、本件明細書の「貫通孔3hb」を指す。すなわち、本件意見書で原告が記載した「その大きさ」 とは、当該貫通孔3hbの大きさを指したものである。したがって、本件各 発明における「開口部」とは、本件明細書に記載された貫通孔3hbと同程度の大きさの「穴」ないし「窓」の形状を意味している。 (2) 構成要件の非充足被告製品の側周カバー12は、後端部から側面にかけて開放されており、本件明細書の貫通孔3hbのような「穴」又は「窓」は形成されていない。よっ て被告製品は、外装部の側部に開口部が形成されておらず、本件各発明の構成要件Eを充足しない。 3 争点3(構成要件Fの充足性 細書の貫通孔3hbのような「穴」又は「窓」は形成されていない。よっ て被告製品は、外装部の側部に開口部が形成されておらず、本件各発明の構成要件Eを充足しない。 3 争点3(構成要件Fの充足性)について【原告の主張】(1) 「露出する部分」の意義 本件各発明は、「前記ブラケットは、前記放熱部における前記開口部から露出する部分に回転自在に取り付けられ」ていることをその構成要件とするものであるところ、放熱部はカバーの内側にあるため、本件各発明の実施品においては、見る角度によってブラケットと放熱部の固定位置がカバーによって隠れることが生じるのは避けられない。 本件各発明の効果は、ユーザーが本体部分を回転させようとした場合において、外装部に荷重が掛かることを抑制し、外装部の変形や破損を防ぐことにあるところ、このような効果を奏するためには、「露出する部分」の態様が特段限定される必要はない。仮に特定の方向から見た場合に外装部に覆われる放熱部の部分にブラケットが取り付けられていたとしても、前記のとおりの本件各発 明の効果を得ることができるから、「前記放熱部における前記開口部から露出する部分」との要件は、単に、カバーで覆われた放熱部にブラケットを取り付けようとすれば、放熱部がカバーから露出した部分が必要になることを示したものと考えられる。 したがって、開口部を通じて目視できる部分にブラケットが取り付けられて いる構成であれば、「前記放熱部における前記開口部から露出する部分に…取 り付けられ」との要件を充足するものというべきである。 (2) 構成要件の充足被告製品は、別紙被告製品説明書記載の図3のとおり、アーム22が、ヒートシンク11における、側周カバー12の開口部を通じて目視で の要件を充足するものというべきである。 (2) 構成要件の充足被告製品は、別紙被告製品説明書記載の図3のとおり、アーム22が、ヒートシンク11における、側周カバー12の開口部を通じて目視できる部分に取り付けられている。被告製品のアーム22はヒートシンク11における開口部 から「露出する部分」に回転自在に取り付けられているといえることから、被告製品は構成要件Fを充足する。 【被告の主張】(1) 「露出する部分」の意義ア本件特許の特許請求の範囲は、ブラケットが「前記放熱部における前記開 口部から露出する部分に」取り付けられる旨規定している。「露出する」との文言から、ブラケットは、外装部により覆われていない、開口部から現れて出ている放熱部の部分に取り付けられるものと一義的に解される。したがって、「露出する部分」に、外装部で覆われているにもかかわらず、開口部を通じていわばその隙間から目視できる放熱部の部分は含まれない。 イ本件明細書の記載によれば、本件各発明に係る照明器具においては、メンテナンス作業をする際、まず、ブラケット4と放熱部2の連結部に係るボス21に固定されたボルト41を外した上で、ブラケット4から本体部分を取り外すことが想定されている。そのため、当該ボス21が開口部から露出していることが必要となる。 ウ原告は、本件補正において、本件特許が「ブラケットが放熱部における開口部から露出する部分に取り付けられる構成」であることを強調し、「ブラケットは、外装部に設けられた貫通孔を介して放熱部に取り付けられる」という先行技術との相違を主張している。したがって、本件各発明は、ブラケットが放熱部における「開口部から露出する部分」に取り付けられることを 特徴とすることは明らかである。 けられる」という先行技術との相違を主張している。したがって、本件各発明は、ブラケットが放熱部における「開口部から露出する部分」に取り付けられることを 特徴とすることは明らかである。 (2) 構成要件の非充足被告製品のアーム22は、放熱部フィン111における側周カバー12に覆われた部分に取り付けられおり、また、ヒートシンク11の連結部に係るボス穴113は側周カバー12に覆われた部分にある。これにより、被告製品は、メンテナンスを行う場合、最初にアーム22とヒートシンク11の連結部に係 る六角ネジ23を外してブラケット4からヒートシンク11を取り外すことはできない構造となっている。 したがって、被告製品は、ブラケットに相当するアーム22が放熱部における「露出する部分」に取り付けられていないため、本件各発明の構成要件Fを充足しない。 4 争点4(構成要件Gの充足性)について【原告の主張】(1) 「取り外し可能」の意義構成要件Gは、「前記外装部は、前記放熱部とは別体に形成され、前記放熱部から取り外し可能であること」というものであって、「取り外し可能」の具体的 意味は、外装部が放熱部とは別部材であることにある。 本件明細書には、メンテナンス作業をする際に、ブラケットから本体部分を取り外した後に本体部分から外装部を取り外す旨の記載はあるが、これは本件各発明の1つの実施形態の説明に過ぎず、本件各発明は当該実施形態に限定されるものではない。 仮に、構成要件Gの「取り外し可能」に、別部材という構成的な意味だけでなく、取り外すという動作的な意味が含まれるとしても、構成要件Gは、「前記外装部は、…前記放熱部から取り外し可能」との構成であって、「照明装置から取り外し可能」との 、別部材という構成的な意味だけでなく、取り外すという動作的な意味が含まれるとしても、構成要件Gは、「前記外装部は、…前記放熱部から取り外し可能」との構成であって、「照明装置から取り外し可能」との構成ではない。すなわち、構成要件Gは、単に外装部が放熱部から分離可能であることを意味したものといえる。 (2) 構成要件の充足被告製品は、側周カバー12とヒートシンク11が別部材であり、両者が物理的に別部材として「取り外し可能」である。また、被告製品の側周カバー12は、プラスネジ14を外すことでヒートシンク11から分離可能であるから、ヒートシンク11から「取り外し可能」である。 したがって、被告製品は本件各発明の構成要件Gを充足する。 【被告の主張】(1) 「取り外し可能」の意義構成要件Gは、「前記外装部は、前記放熱部とは別体に形成され、前記放熱部から取り外し可能であ」ること、すなわち、外装部と放熱部が別部材であるこ とに加え、取り外し可能であることを規定している。また、構成要件Gは、第1次訂正により訂正されているところ、かかる訂正のうち、「取り外し可能」という部分は、本件明細書において、照明器具が天井に取り付けられている場合のメンテナンス作業を示す段落及び本件図面の図4の記載を参照にした上で、これらの記載を根拠として認められている。 本件明細書では、メンテナンス作業時の安全性の向上を本件各発明の特徴点とその効果として記載していることから、構成要件Gにいう「取り外し可能」は、当該メンテナンス作業にかかる記載の一部を明確にした趣旨であると解するのが相当である。より具体的には、本件図面の図4で示されるとおり、①ブラケット4から本体部分(光源部1、放熱部2及び外装部3から成るモジ ンテナンス作業にかかる記載の一部を明確にした趣旨であると解するのが相当である。より具体的には、本件図面の図4で示されるとおり、①ブラケット4から本体部分(光源部1、放熱部2及び外装部3から成るモジュー ル)を取り外す、②ボルト31を放熱部2及び外装部3から取り外す、③外装部3を保持した状態で外装部3から放熱部2を引き抜く、という過程を経て、外装部3が放熱部2から取り外すことが可能であることをいうと解釈するべきである。 (2) 構成要件の非充足 被告製品においても、側周カバー12とヒートシンク11は別部材である以 上、物理的には別部材として取り外すことはできる。 しかし、被告製品においては、ヒートシンク11における側周カバー12に覆われた部分にアーム22が取り付けられており、また、固定部21が被固定部に固定されている状態ではプラスネジ14を外すこともできない。そのため、被告製品では、側周カバー12をヒートシンク11から取り外すために、①固 定部21を天井や壁等の被固定部から外す、②側周カバー12とヒートシンク11を固定するプラスネジ14を外す、③側周カバー12をずらして、ヒートシンク11に取り付けられたアーム22の六角ネジ23を露出させる、④六角ネジ23を外し、アーム22からヒートシンク11を取り外すという過程を経る必要があり、放熱部と外装部を固定するボルトを外せば外装部を放熱部から 取り外すことができる本件各発明と異なる。 以上のとおり、被告製品は、外装部に相当する側周カバー12が、放熱部に相当するヒートシンク11から「取り外し可能」であるとはいえない。 よって、被告製品は、本件各発明の構成要件Gを充足しない。 5 争点5(構成要件Hの充足性)について 【原告の主張】(1 するヒートシンク11から「取り外し可能」であるとはいえない。 よって、被告製品は、本件各発明の構成要件Gを充足しない。 5 争点5(構成要件Hの充足性)について 【原告の主張】(1) 構成要件Hの意義及び作用効果について構成要件Hは、外装部が放熱部を覆う部分を特定するものである。 本件各発明は、ブラケットを外装部ではなく放熱部に取り付けることとして、ユーザーが光を照らす方向(以下「照射方向」という場合がある。)を変更し ようとしたときに、外装部に荷重が掛かりにくくし、その変形や破損を防ぐという作用効果(以下「本件意義1」という。)を奏するものである。外装部に荷重が掛かる場合とは、ユーザーが外装部を掴んで照射方向を変更しようとする場合である。また、ユーザーとしては、照射範囲を直接確認しながら照射方向を変更するため、照明器具が光を照射している状態で、照明器具の照射方向を 変更可能であることが好ましい。 本件発明1に係る照明器具において、回転の中心となる「前記放熱部において前記ブラケットが取り付けられている位置」から離れた部分を掴むと、テコの原理により、照明器具の本体部分を回転させる力を効率よく加えることができる。しかし、当該位置よりも光を照らす方向の前方を掴むと、外装部を掴む自らの手が照明器具の照射する光を遮り易くなり、光の照射範囲を正確に把握 できなくなるおそれがある。 構成要件Hは、外装部が「前記放熱部において前記ブラケットが取り付けられている位置よりも光を照らす方向とは反対側となる部分の少なくとも一部を覆う」構成によって、ユーザーが、ブラケットが取り付けられている位置よりも後方、すなわち外装部を掴む自らの手が照明器具の照射する光を遮らない 位置を掴んで、照射範囲 なる部分の少なくとも一部を覆う」構成によって、ユーザーが、ブラケットが取り付けられている位置よりも後方、すなわち外装部を掴む自らの手が照明器具の照射する光を遮らない 位置を掴んで、照射範囲を正確に把握しながら照射方向を変更することを可能とするという作用効果(以下「本件意義2」という。)を奏するものである(以下、放熱部においてブラケットが取り付けられている位置を起点として、光を照らす方向を「前」又は「前方」、当該方向とは反対側の部分を「後」又は「後方」という場合がある。)。 (2) 被告製品の充足被告製品は、側周カバー12が、ヒートシンク11におけるアーム22が取り付けられている位置よりも後方部分の少なくとも一部を覆っている。また、被告製品は、当該部分を掴んで照射方向を変更することが可能であるから、構成要件Hに係る本件発明1の作用効果(本件意義2)を奏する。 よって、被告製品は、本件発明1に係る構成要件Hを充足する。 【被告の主張】(1) 構成要件Hのいう外装部の形状本件発明1の構成要件Hは、「外装部」(構成要件C及びE)に係る構成である。 構成要件Hに原告が主張するような作用効果(本件意義2)があるとするな らば、構成要件Hを充足する「外装部」とは、「放熱部においてブラケットが取り付けられている位置よりも光を照らす方向とは反対側となる部分」において、ブラケットの支点軸に近い場所を、照射方向を変更及び調整するために手で掴みやすい形状と重心の位置を有するような、限定された外装部であることが必要である。すなわち、構成要件Hのいう外装部が放熱部の「少なくとも一部を 覆う」形状とは、「放熱部においてブラケットが取り付けられている位置よりも光を照らす方向とは反対側となる部 であることが必要である。すなわち、構成要件Hのいう外装部が放熱部の「少なくとも一部を 覆う」形状とは、「放熱部においてブラケットが取り付けられている位置よりも光を照らす方向とは反対側となる部分」を手で掴んで照射方向を変更することが容易となる形状を意味するものと解される。 (2) 被告製品の非充足被告製品の外装部は、「放熱部においてブラケットが取り付けられている位 置よりも光を照らす方向とは反対側となる部分」の上半分を覆わない、開放した形状をしている。また、被告製品の重心は前方にある。したがって被告製品の外装部は、アーム22が取り付けられている位置よりも後方を手で掴んで照射方向を変更することが容易とは言えず、むしろ、アーム22が取り付けられている位置より前方であり、被告製品の重心に近いカバー13を掴 んで照射方向を操作することが自然となる形状をしている。 よって、被告製品の外装部は、「放熱部においてブラケットが取り付けられている位置よりも光を照らす方向とは反対側となる部分」を手で掴んで照射方向を変更することが容易となる形状をしておらず、被告製品は、構成要件Hを充足しない。 6 争点6-1(無効理由1(昭和53年に販売された被告1978年製品に係る発明(公然実施発明1)を引例とする進歩性欠如))について【被告の主張】(1) 公然実施仮に被告製品が本件各発明の技術的範囲に含まれる場合、被告は、本件出願 日前に、照明器具であるスポットライト製品(品番:D95-3574、D9 5-4820、以下「被告1978年製品」といい、同製品に係る発明を「公然実施発明1」という。)を製造及び販売していた。被告1978年製品は、被告が昭和53年に発行した製品カタログに掲載され、設計図面も 4820、以下「被告1978年製品」といい、同製品に係る発明を「公然実施発明1」という。)を製造及び販売していた。被告1978年製品は、被告が昭和53年に発行した製品カタログに掲載され、設計図面も存在する。したがって、被告1978年製品に係る公然実施発明1は、本件出願日前に、日本国内において公然と知られ得る状態で実施されていた。 (2) 公然実施発明1の構成公然実施発明1は、次の構成を備えている。 a1 発光素子を有する光源部⑥と、b1 前記光源部⑥の熱を空気中へ発散させる本体①と、c1 前記本体①の少なくとも一部を覆うハウジングケース④と、 d1 一部が被固定部に固定されるアーム⑦と、を具備し、e1 前記ハウジングケース④の側部には、前記本体①が露出する開口部が形成され、f1 前記アーム⑦は、前記本体①における前記開口部から露出する部分に回転自在に取り付けられ、 g1 前記ハウジングケース④は、前記本体①とは別体に形成され、前記本体①から取り外し可能であり、h1 放熱部である本体①においてアーム⑦が取り付けられている位置よりも光を照らす方向とは反対側となる部分の少なくとも一部を覆っていること i1 を特徴とする照明器具以下分説する。 ア構成b1及びc1被告1978年製品は、発光素子であるハロゲンランプが発した熱を、熱伝導した本体①から空気中に発散させている。ハウジングケース④には、放 熱目的で開口部が形成されており、かかる構造からも本体①が空気中へ熱を 発散させている(「放熱部」とは、文言上、熱を発散する機能を有する部位であると一義的に解釈でき、殊更積極的に空気中へ熱を発散させるための構造(表面積を増大させたフィン)を有するものに限られない。) 発散させている(「放熱部」とは、文言上、熱を発散する機能を有する部位であると一義的に解釈でき、殊更積極的に空気中へ熱を発散させるための構造(表面積を増大させたフィン)を有するものに限られない。)。したがって、公然実施発明1は、構成b1及びc1を備えている。 イ構成d1ないしg1 被告1978年製品は、アーム⑦の取り付け箇所の奥が空洞であり、ハウジングケース④の側面に開口部が形成されているため、開口部から露出する本体①にアーム⑦の先端が取りつけられる構成を備える。 また、被告1978年製品の設計図面において、ハウジングケース④と本体①とは別の部品として記載されている。「取り外し可能」とは、外装部が放 熱部とは別部材であれば足りるので、被告1978年製品の本体①とハウジングケース④は別部材であって「取り外し可能」といえる。 したがって、公然実施発明1は、構成d1ないしg1を備えている。 ウ構成h1被告1978年製品のハウジングケース④は、本体①においてアーム⑦が 取り付けられている位置よりも後方の部分の少なくとも一部を覆っているから、公然実施発明1は構成h1を備える。 (3) 本件各発明と公然実施発明1の一致点及び相違点本件各発明の構成要件BないしIは、公然実施発明1の構成b1ないしi1と一致し、公然実施発明1は、構成a1について発光素子が「基板に配置され」 ていない点で、本件各発明の構成要件Aと相違する。 (4) 相違点に係る構成の容易相当性公然実施発明1の実施当時、基板に配置された発光素子を有する光源部を用いた照明器具(LED製品)は未だ存在せず、光源部はハロゲンランプを含む白熱電球が主流であった。その後、LED製品が登場し普及したが、スポット ライトの光源で された発光素子を有する光源部を用いた照明器具(LED製品)は未だ存在せず、光源部はハロゲンランプを含む白熱電球が主流であった。その後、LED製品が登場し普及したが、スポット ライトの光源であるという作用効果は、ハロゲンランプでも基板に配置された 発光素子を有する光源でも同一である。現に、本件明細書には、「本実施形態おける発光素子は、LED11であるが、白熱灯やハロゲン灯などであっても良く、これに限定するものではない」と記載されている。 したがって、光源部にハロゲンランプを用いるか、基板に配置された発光素子を用いるかは課題解決のための具体的手段における微差に過ぎず、当該相違 点は、先行技術に基づいて当業者が容易に想到できるものである。 (5) 本件発明2について本件発明2は、前記のとおり進歩性を欠く本件発明1の構成(構成要件Hを除く)に、放熱部はブラケットが取り付けられるボスを有し、当該ボスを始点とした放熱フィンが形成される(構成要件J)という周知技術を付加したもの に過ぎない。よって、本件発明2も、進歩性を欠いた発明である。 【原告の主張】(1) 公然実施及び公然実施発明1について不知。 被告1978年製品が、公然実施発明1の構成d1を備えることは認め、そ の余は否認する。 (2) 相違点の存在公然実施発明1は、次のとおり本件各発明の構成要件AないしC及びEないしHに相当する構成を有しておらず、本件各発明と相違する。 ア相違点1 公然実施発明1は、光源としてハロゲンランプを使用している。ハロゲンランプは、基板に配置されるものではなく、ソケットである口金にねじ入れられることで装着される。 本件明細書には、発光素子がハロゲン灯でも良い旨の記載はある ハロゲンランプを使用している。ハロゲンランプは、基板に配置されるものではなく、ソケットである口金にねじ入れられることで装着される。 本件明細書には、発光素子がハロゲン灯でも良い旨の記載はあるものの、現実的には、ソケットに口金をねじ入れるハロゲン灯を本件特許発明に適用 することはできないため、原告は、第1次訂正により「発光素子を有する光 源部」を「基板に配置された発光素子を有する光源部」と訂正し、権利範囲を減縮している。 したがって、公然実施発明1は、「基板に配置された発光素子を有する光源部」(構成要件A)を備えていない。 イ相違点2 本件各発明の構成要件Bは、光源部の熱を空気中へ「発散させる放熱部」と規定し、単に熱を空気中に伝達する部材と区別し、光源部で発生した熱を空気中へ発散させる機能を有するものを「放熱部」としている。すなわち、本件各発明の「放熱部」は、積極的に空気中へ熱を発散させるため、表面積を増大させた構造を有するものである。 この点、公然実施発明1の本体①は、単純な筒型であり、積極的に空気中へ熱を発散させるための構造を有しておらず、発熱部分が電球内部のフィラメントであり、空気中に突出した電球自体から放熱可能であるため、本体①に熱を発散させる機構を備える必要がない。 したがって、公然実施発明1の本体①は、本件各発明の「前記光源部の熱 を空気中へ発散させる放熱部」(構成要件B)には該当しない。 ウ相違点3公然実施発明1は「放熱部」を備えていないため、「前記放熱部の少なくとも一部を覆う外装部」(構成要件C)の構成も備えていない。 エ相違点4 被告1978年製品は、アーム⑦の先端の取り付け先が本体①であるかが明らかではなく、ハウジングケース の少なくとも一部を覆う外装部」(構成要件C)の構成も備えていない。 エ相違点4 被告1978年製品は、アーム⑦の先端の取り付け先が本体①であるかが明らかではなく、ハウジングケース④の窪んだ部分に取り付けられている可能性がある。この場合、被告1978年製品は、ハウジングケース④の側部に本体①が露出する開口部を有さず、構成要件E及びFの構成を備えていないことになる。 したがって、公然実施発明1は、そもそも構成e1及びf1を備えている とはいえない。 オ相違点5被告1978年製品のハウジングケース④は、本体①と別体に形成されているか及び本体①から取り外し可能であるかが明らかではない。被告1978年製品の設計図面において、ハウジングケース④と本体①が別の部品とし て記載されているとしても、同一部材の各部分を異なる名称として記載している可能性は否定できない。よって、公然実施発明1は、構成g1を備えているとはいえない。 カ相違点6公然実施発明1は、構成要件Bの「放熱部」及び構成要件Cの「外装部」 を備えていないから、構成要件Hに相当する特徴を備えていない。 (3) 小括以上のとおり、公然実施発明1と本件各発明との間には複数の相違点があり、当該相違点に係る構成について、本件各発明の構成に想到することが容易であるといえない。よって、本件発明1は進歩性を欠くものではない。 また、本件発明2の構成要件Jに係る構成が周知技術であるとはいえない。 7 争点6-2(無効理由2(平成22年11月に販売された被告アンドナ製品に係る発明(公然実施発明2)を引例とする新規性・進歩性欠如))について【被告の主張】(1) 公然実施 被告は、本件出願日前に、スポッ 成22年11月に販売された被告アンドナ製品に係る発明(公然実施発明2)を引例とする新規性・進歩性欠如))について【被告の主張】(1) 公然実施 被告は、本件出願日前に、スポットライト製品(品名:andna、品番:LZ0.5、LZ1、LZ2、LZ3、LZ4、以下「被告アンドナ製品」といい、同製品に係る発明を「公然実施発明2」という。)を製造及び販売していた。被告アンドナ製品は、被告が平成22年11月に発行した製品カタログに掲載され、設計図面も存在する。したがって、公然実施発明2は、本件出願日 前に、日本国内において公然と知られ得る状態で実施されていた。 (2) 公然実施発明2の構成公然実施発明2は、次の構成を有する。 a2 LED基板⑦に配置された発光素子㉛を有する光源部と、b2 前記光源部の熱を空気中へ発散させる部材㊶及び放熱フィン④(合わせて放熱部を構成する)と、 c2 前記部材㊶及び放熱フィン④の少なくとも一部を覆う外装部③と、d2 一部が固定部(電源部)に固定されるアーム②と、を具備し、e2 前記外装部③の側部には、前記部材㊶及び放熱フィン④が露出する開放部が形成され、f2 前記アーム②は、前記部材㊶及び放熱フィン④における前記開放部から 露出する部分に回転自在に取り付けられ、g2 前記外装部③は、前記部材㊶及び放熱フィン④とは別体に形成され、前記部材㊶及び放熱フィン④から取り外し可能でありh2 前記外装部③は、前記部材㊶及び放熱フィン④において前記アーム②が取り付けられている位置よりも光を照らす方向とは反対側となる部分の少 なくとも一部を覆うことi2 を特徴とする照明器具被告アンドナ製品が構成a2、g2及びh2の て前記アーム②が取り付けられている位置よりも光を照らす方向とは反対側となる部分の少 なくとも一部を覆うことi2 を特徴とする照明器具被告アンドナ製品が構成a2、g2及びh2の構成を有することは自明であり、これ以外の構成につき、以下分説する。 ア部材㊶及び放熱フィン④が「放熱部」に該当すること(構成b2) 被告アンドナ製品は、発光により熱を持つLED基板⑦の裏側においてヒートシンクの役割をする部材㊶から、放熱フィン④に熱伝導され放熱するという構造を有している。部材㊶は、LED基板⑦の底面から伝わった熱が伝導し、空気中に触れることで熱を発散させる機能を有している。よって、部材㊶及び放熱フィン④は一体として「放熱部」を形成している。 イ部材③が「外装部」に該当すること(構成c2) 被告アンドナ製品の部材③は、フィン形状の放熱フィン④の一部を覆っているから、「外装部」に該当する。この点、部材③は、放熱フィン④と部材㊶の双方に接触する円盤部を有し、当該円盤部は光源部からの熱を伝熱する役割を有するが、当該円盤部は、放熱フィン④と部材㊶に挟まれ、円盤部から直接空気中に照明器具内部の熱を放熱させる機能を有していない。また、部 材③のうち、放熱部である部材④を覆う部分は、前記円盤部から屈曲して構成され、円盤部との離間を設けることで熱が伝わりにくい構造となっているため、放熱機能を持つものではない。したがって、部材③は「放熱部」ではなく「外装部」に該当する。 ウ構成d2ないしf2 被告アンドナ製品は、アーム②が電源部に固定されている構成(d2)を具備している。また、同様に被告アンドナ製品は外装部3が後端部から側面にかけて開放されており、「開口部」が存在するといえ、被告アン 被告アンドナ製品は、アーム②が電源部に固定されている構成(d2)を具備している。また、同様に被告アンドナ製品は外装部3が後端部から側面にかけて開放されており、「開口部」が存在するといえ、被告アンドナ製品のアーム22は、部材㊶が当該開口部から露出した部分に取り付けられている(構成e2及びf2)。 (3) 公然実施発明2と本件各発明との対比公然実施発明2の構成と本件発明1の構成を対比すると、全ての構成において一致し、仮に何らかの相違点があるとしても、公然実施発明2に周知技術を組み合わせた程度の相違にとどまる。 また、本件発明1と構成要件AないしGを共通にした上、放熱部はブラケッ トが取り付けられるボスを有し、当該ボスを始点とした放熱フィンが形成される(構成要件J)という周知技術を付加したに過ぎない本件発明2は、進歩性を欠くものである。 【原告の主張】(1) 公然実施及び公然実施発明2について 公然実施の点は不知。 被告アンドナ製品が、公然実施発明2の構成a2、d2及びh2の構成を備えることは認め、その余は否認する。被告アンドナ製品の部材㊶は、放熱部ではない。 (2) 相違点の存在本件各発明の「放熱部」は、積極的に空気中へ熱を発散させるための表面積 を増大させた構造を有するものである。公然実施発明2の構成b2における部材㊶は、アーム②が取り付けられているものの、基板を保持する底面と、基板の周囲を囲む円筒状の側面のみを有し、積極的に空気中へ熱を発散させるための構造を有していない。また、被告アンドナ製品の放熱フィン④と部材㊶は、これらの間に外装部③が挟まれることで完全に離間しているため、両者を合わ せて1つの放熱部とみることもできない。したがって、部材㊶は本件各 ない。また、被告アンドナ製品の放熱フィン④と部材㊶は、これらの間に外装部③が挟まれることで完全に離間しているため、両者を合わ せて1つの放熱部とみることもできない。したがって、部材㊶は本件各発明の「放熱部」に該当せず、被告アンドナ製品は、ブラケットが放熱部における開口部から露出する部分に回転自在に取り付けられる構成(構成要件F)を備えない。 仮に、放熱フィン④及び部材㊶が一体として放熱部を形成していると解した 場合、両部材に挟まれ熱が伝達される部材③も放熱部と解することになる。この場合、公然実施発明2は、「放熱部の少なくとも一部を覆う外装部」(構成c2)を備えず、その結果、構成e2ないしh2に相当する構成も備えない。 また、本件発明2の構成要件Jに係る構成が周知技術であるとはいえない。 (3) 小括 以上のとおり、公然実施発明2は、本件各発明の構成要件F又はC及びEないしHに相当する構成を有しておらず、本件各発明と相違し、当該相違点に係る本件各発明の構成に想到することが容易であるともいえない。 8 争点6-3(無効理由3(意匠登録第1447716号公報に記載された発明 (乙11発明)を引例とする進歩性欠如))について【被告の主張】(1) 頒布刊行物の存在意匠登録第1447716号に係る意匠公報(以下「乙11公報」という。)は、平成24年8月6日に発行された。乙11公報には、後記(2)のとおりの構 成を有する発明(以下「乙11発明」という。)が開示されている。 したがって、乙11発明は、本件出願日前に、日本国内において頒布された刊行物に記載された発明である。 (2) 乙11発明の構成乙11発明は次の構成を有する。なお、構成c3等の「開放部」は、外装部 ③ 1発明は、本件出願日前に、日本国内において頒布された刊行物に記載された発明である。 (2) 乙11発明の構成乙11発明は次の構成を有する。なお、構成c3等の「開放部」は、外装部 ③の後端の周縁部より後方の領域を指す。また、乙11公報の意匠に係る物品は、スポットライトであって、光源としてLEDを用いたものである。 a3 LED基板に配置された発光素子を有する光源部①と、b3 前記光源部の熱を空気中へ発散させる放熱部②と、c3 前記放熱部②の少なくとも一部を覆う外装部③と、 d3 一部が固定部(電源部)に固定されるアーム④と、を具備し、e3 前記外装部③の側部には、前記放熱部②が露出する開放部が形成され、f3 前記アーム④は、前記放熱部②における前記開放部から露出する部分に回転自在に取り付けられ、g3 前記外装部③は、前記放熱部②とは別体に形成され、前記放熱部②から 取り外し可能であることh3 を特徴とする照明器具(3) 本件各発明と乙11発明の一致点乙11発明と本件各発明は、構成要件AないしGにおいて一致している。 ア乙11発明が「開口部」を備えること 本件各発明の「開口部」について、単に外装部の側部に形成されて放熱部 を露出する部分であれば良いとする原告の主張を前提とすると、外装部③から放熱部②が露出する部分が形成される乙11発明の「開放部」は、「開口部」に相当する。 イ開放部が「外装部の側部」に形成されていること被告製品のように、アームを放熱部に取り付けるため、放熱部全体を覆う はずの空間図形状の外装部のうちの一部が欠損し、当該欠損部をもって外装部の側部に形成された開口部に該当するという原告の主張を前提とすると、乙11発明においても、アー けるため、放熱部全体を覆う はずの空間図形状の外装部のうちの一部が欠損し、当該欠損部をもって外装部の側部に形成された開口部に該当するという原告の主張を前提とすると、乙11発明においても、アーム④を放熱部②に取り付けるために、放熱部全体を覆うはずの空間図形状の外装部のうち、アーム④が取りつけられている位置より後方部分が欠損していることから、外装部の「側部」に開放部が存 在しているといえる。 また、乙11発明の周縁部には、外装部③の側周面のうち、アーム④が放熱部②に取り付けられている半円状に欠けた部分も含まれる。当該半円状に欠けた部分に係る開放部は、外装部③の側部に存在している。 ウ外装部③と放熱部②が「取り外し可能」であること 乙11公報の記載によれば、外装部③と放熱部②は、ボルトで接続されているとみるのが自然であり、別部材として取り外しが可能である。また、乙11公報に係る意匠と同日に出願された部分意匠に係る公報(以下「乙11-3公報」という。)には、乙11発明と同一構造の発明(以下「乙11-3発明」という)が開示され、乙11-3発明においては、外装部③と放熱部 ②は、プラスドライバーで外すことが可能なボルトで接続されており、別部材であって取り外しが可能である。 (4) 相違点の容易想到性乙11発明は、アーム④が取り付けられている位置よりも後方に外装部③が存在しないという点で、本件発明1の構成要件Hと相違するが、構成要件Hは、 原告が主張する本件意義2を有するものではなく、前記の相違点は、先行技術 に基づいて当業者が容易に成し遂げることができるものである。 また、本件発明2は、乙11発明が同一の構成を有する構成要件AないしGに、周知技術である構成要件Jを付加したものに過 技術 に基づいて当業者が容易に成し遂げることができるものである。 また、本件発明2は、乙11発明が同一の構成を有する構成要件AないしGに、周知技術である構成要件Jを付加したものに過ぎないから、進歩性を欠いた発明である。 【原告の主張】 (1) 乙11発明の構成についての認否乙11発明が、構成a3ないし構成d3を備えることは認め、その余は否認する。 乙11発明の開放部は照射方向を前方として、外装部③の周縁部よりも後方の領域であるというのであるから、開放部は外装部③の側部になく、構成e3、 f3を備えない。また、乙11公報には、外装部が放熱部②から取り外し可能である旨の記載がなく、むしろ外装部③と放熱部②は一体的な部材として形成されており、取り外しできない構造であるから、構成g3を備えない。 (2) 相違点にかかる容易想到性について乙11発明にはアーム④が取り付けられている位置よりも後方に外装部③ が存在せず、本件発明1の構成要件Hと相違する点は認め、その余は争う。 また、本件発明2の構成要件Jに係る構成が周知技術であるとはいえない。 9 争点7(原告の被った損害額)について【原告の主張】(1) 特許法102条2項が適用できること 特許権者による特許発明の実施は、特許法102条2項の要件ではなく、特許権者に、侵害者による特許権侵害行為がなかったならば利益が得られるであろうという事情が存する場合には、その適用が認められる。 原告は、平成26年以降、本件各発明の実施品(以下「原告実施品」という。)の販売を開始し、現在でも在庫品限りで販売継続している上、原告は、平成2 6年から現在まで、原告実施品と並行して、原告実施品を改良した製品(以下 実施品(以下「原告実施品」という。)の販売を開始し、現在でも在庫品限りで販売継続している上、原告は、平成2 6年から現在まで、原告実施品と並行して、原告実施品を改良した製品(以下 「原告後継品」という。)を販売している。原告後継品は、本件各発明の実施品ではないが、外装部を厚肉にするなどの設計変更により外装部に変形及び破損が生じないという本件各発明と同様の作用効果を奏し、かつ、放熱部とは別体である外装部がブラケットの取り付け部分よりも後方を覆う構造を維持している。 これらのことから、原告には、被告による被告製品の販売という特許権侵害行為がなかったならば利益が得られたであろうという事情が存在する。 (2) 推定される損害額ア本件登録日である平成28年8月5日から令和3年12月31日まで(以下「本件期間」という。)の被告製品の販売による利益の額(限界利益)は● (省略)●を下らない。 イ消費税法基本通達5-2-5によれば、特許権侵害に基づく損害賠償金は「資産の譲渡等」の対価に該当するものとして消費税の課税対象となるから、上記損害金に消費税率10パーセントを乗じた●(省略)●も、原告が賠償を受けるべき利益に含まれる。 ウ以上を踏まえると、被告の行為によって原告が受けた損害額は、次のとおりの額を合計した●(省略)●を下らないものと推定される。 (3) 推定が覆滅されないことア本件各発明の技術的意義等(ア) 本件各発明の技術的意義 本件各発明は、ブラケットを外装部ではなく放熱部に取り付けることとして、ユーザーが照射方向を変更しようとしたときに、外装部に荷重が掛かりにくくし、その変形や破損を防ぐという作用効果を奏する(本件意義1)。これに加え、本件発明1は、ユーザーが外装部の 付けることとして、ユーザーが照射方向を変更しようとしたときに、外装部に荷重が掛かりにくくし、その変形や破損を防ぐという作用効果を奏する(本件意義1)。これに加え、本件発明1は、ユーザーが外装部の後方を掴むことを可能とし、自らの手で照明器具の光を遮ることなく、照射範囲を正確に把握 しながら照射方向を変更することが可能とする作用効果を奏する(本件意 義2)。なお、外装部の後方をユーザーが掴むことによって照射範囲を正確に調整できることは、本件図面の図1などに示された本件各発明の構造から自明である。また、本件発明2は、放熱部においてボスを始点とした放熱フィンを形成することにより、放熱部の製造時において溶融材料が滞留する可能性を低くして、不良率を低減させるという作用効果(以下「本 件意義3」という。)も奏している。 (イ) 代替技術の存在により技術的意義が否定されないこと一般的に、スポットライトは、使用中の照射範囲の変動を防止するため、ある程度大きな荷重を外装部にかけなければ回転または回動しないように構成する必要があるとともに、照射範囲を変更する際の荷重によって外 装部が変形又は破損する可能性が高い。外装部の変形及び破損を防止する方法は、本件各発明のようにブラケットの取り付け構造を工夫して外装部の材質や形状に自由度を持たせる方法もあれば、外装部の材質や形状を限定して強度を高める方法もある。課題を解決する技術が複数あることは、本件各発明の技術的意義を否定する理由にはならない。 (ウ) 需要者の購入動機スポットライト製品の需要者は、カタログに記載された文章よりも、目を引き易い製品の写真等に着目して購入動機を形成すると考えられる。本件意義1及び2は、ブラケットが外装部ではなく放熱部に取り付けられ、 ポットライト製品の需要者は、カタログに記載された文章よりも、目を引き易い製品の写真等に着目して購入動機を形成すると考えられる。本件意義1及び2は、ブラケットが外装部ではなく放熱部に取り付けられ、外装部が放熱部におけるブラケットの接続部分よりも後方に延びている という構造上の特徴に由来するため、原告実施品及び被告製品に係る各カタログにおいて、製品の写真等により明示されているといえる。 また、各照明器具メーカーのスポットライト製品のカタログは、構造が同じシリーズ毎にまとめられ、1つのシリーズについて複数の光学的特性から選択可能な構成となっている。スポットライトの構造は、各社及び各 シリーズにおいて異なるが、光学特性が幅広い範囲から選択可能であるこ とは共通している。このことは、需用者が、まずスポットライトの構造を決定し、その次に光学的特性を選択すること、すなわち需要者の購入動機の中心が各社及びシリーズ毎で異なる構造にあることを示している。 したがって、構造上の特徴に係る本件意義1及び2は、需要者の購入動機の中心であり、顧客誘引力を有し、被告製品の売り上げに貢献している。 イ原告実施品の販売状況等原告は、原告実施品及び原告後継品の販売を継続しており(前記(1))、原告実施品の販売状況を理由に原告損害額の推定が覆滅されることはない。 ウ競合品の不存在被告が指摘する競合品は、外装部と放熱部とが別体であるという本件各発 明の構成を備えているか否かが明らかではなく、競合品には該当しない。 エ原告の市場占有率被告が指摘する市場占有率は、店舗用照明に係るものであり、スポットライトのほか、ダウンライト、ベースライト、ペンダントライト、非常灯・誘導等及びスリムライ い。 エ原告の市場占有率被告が指摘する市場占有率は、店舗用照明に係るものであり、スポットライトのほか、ダウンライト、ベースライト、ペンダントライト、非常灯・誘導等及びスリムライン等が含まれている。このような市場占有率に基づいて は、原告の損害額の推定が覆滅されることはない。 (4) 弁護士及び弁理士費用相当額被告による本件特許権侵害に係る不法行為と因果関係のある損害としての弁護士及び弁理士費用は、前記(2)の損害額の●(省略)●である。 (5) 小括 よって、前記(2)及び(4)の合計である請求の趣旨第2項記載の損害賠償金の支払を求める。 【被告の主張】(1) 特許法102条2項の適用について原告は、平成24年以降原告実施品の販売を開始したものの、平成26年ま でに製造を終了し、平成27年以降はカタログ上での販売を終了している。す なわち、原告は、本件登録日(平成28年8月5日)以降、本件各発明の特徴を備えた製品を製造販売しておらず、本件各発明を実施していない。 本件各発明の特徴となる構成は、ブラケットが放熱部に取り付けられているという点にあり、かかる特徴のない、もはやスポットライトという汎用品、量産品である照明器具の製造販売をしているに過ぎない場合まで「特許権者に侵 害者による特許権侵害行為がなかったならば利益が得られたであろうという事情」が存在するとはいえない。 よって、被告製品が本件特許権を侵害するとしても、被告が被告製品の製造販売によって得た利益が、原告の被った損害と推定される事情はなく、特許法102条2項は適用されない。 (2) 限界利益被告が本件期間中の被告製品を製造、販売した利益の額については、原告が主張する期間に応じた額を含め 損害と推定される事情はなく、特許法102条2項は適用されない。 (2) 限界利益被告が本件期間中の被告製品を製造、販売した利益の額については、原告が主張する期間に応じた額を含めて認める。 (3) 推定覆滅事由の存在ア本件各発明の技術的意義が被告製品の売り上げに貢献する程度等 (ア) 本件各発明の技術的意義等本件各発明の作用効果は、ブラケットを外装部ではなく放熱部に取り付けることにより外装部が変形や破損をしないというものである。本件意義2は、本件明細書に記載がない上読み取ることもできず、発明の技術的意義といえるような格別な作用効果を奏功するものではない。また、本件意 義1ないし3は、本件各発明によらずに従来技術で実現可能であり、かつ各照明器具メーカーにおいてごく一般に奏功されている効果である。 実際に、被告製品のカタログ等において、本件意義1ないし3は何ら言及されておらず、原告自身も、原告実施品のカタログにおける製品情報において、本件意義1ないし3に言及していない。原告は、本件登録日前に 原告実施品の製造販売を中止しており、本件各発明の技術的意義を顧客に 対して言及する機会もなかった。 (イ) 需要者の購入動機スポットライトは対象物を照射するための店舗用の照明器具であることから、各照明器具メーカーとも複数のシリーズを掲げ、構造が同じシリーズ製品の中で、光色、明るさ、配光特性、演色性(彩度)、調光の可否等 が異なる様々な商品を展開している。 需要者は、前記の様々な商品特性に加え、価格やブランドを総合的に考慮して商品を選択する。そのため、各照明器具メーカーは、カタログにおいて前記の商品特性を詳細かつ個別に図示し、購入者がそのニーズに基づいて製品を選択できるようにしており 、価格やブランドを総合的に考慮して商品を選択する。そのため、各照明器具メーカーは、カタログにおいて前記の商品特性を詳細かつ個別に図示し、購入者がそのニーズに基づいて製品を選択できるようにしており、被告製品に係るカタログも同様で ある。一方で、ブラケットが外装部に取り付けられているのか開口部から露出する放熱部に取り付けられているか否かは、原告、被告を含む各照明器具メーカーのカタログをみても、その違いをカタログの写真や記載から判別することが困難であり、需要者が当該構成によって需要を喚起されることはない。 (ウ) 以上によれば、本件各発明の技術的意義は、被告製品の売り上げにほとんど貢献していない。 イ原告実施品の販売状況等原告が原告実施品の製造販売をすぐに中止した事実は、原告自身が、本件各発明が本件明細書に記載された作用効果を現実に奏功しないか、作用効果 として極めて乏しいものであること等を認識していたことを示すものである。したがって、原告が原告実施品を短期間製造販売したに過ぎず、本件登録日前に製造を中止し、その後は在庫品限りとして販売したに過ぎないことは、推定を覆滅する事情として十分に考慮されるべきである。 ウ競合品の存在 (ア) 店舗用のスポットライト製品一般が被告製品の競合製品であると考え る場合、パナソニック株式会社、東芝ライテック株式会社、オーデリック株式会社、株式会社遠藤照明及び三菱電機株式会社(以下、これらを総称して「競合他社」という。)の各照明器具メーカーは、本件特許登録前からスポットライト製品を販売している。 (イ) ブラケットが外装部ではない部分に取り付けられている製品が被告製 品の競合製品であると考える場合でも、店舗用スポットライトとして用途が共通し 前からスポットライト製品を販売している。 (イ) ブラケットが外装部ではない部分に取り付けられている製品が被告製 品の競合製品であると考える場合でも、店舗用スポットライトとして用途が共通し、寸法、素材、性能等に特徴がありながらも概ね同じ製品として、競合他社から多数の競合品が販売されている。外装部の形状がブラケットの取付位置よりも後方を覆っているものを競合品であると考える場合も、パナソニック、オーデリック、三菱電機から複数の競合品が販売されてい る。 (ウ) 以上のとおり、スポットライト製品市場において、被告製品の競合製品が多数存在しており、被告製品が市場に存在しなかった場合、原告実施品の販売数が極わずかである状況も踏まえると、その需要のほとんどは、競合他社が製造販売する競合品に代替されるものと考えられる。 エ原告の市場占有率平成27年における「店舗照明」製品市場におけるメーカー別シェア(かっこ内の数字はいずれもパーセント)は、順に、パナソニック(21.3)、被告(14.7)、東芝ライテック(13.9)、遠藤照明(13.5)、オーデリック8.8)、原告(7.3)、平成29年度における同様のメーカー別 シェアは、順に、パナソニック(14.7)、被告(9.7)、遠藤照明(8. 3)、アイリスオーヤマ(6.1)、オーデリック(5.9)、原告(4.8)である。また、平成30年における同様のメーカー別シェアの見込みは、順にパナソニック(15.7)、被告(10.3)、遠藤照明(7.8)、アイリスオーヤマ(6.9)、オーデリック(6.0)、原告(5.3)である。 本件期間中原告が販売していた製品が原告実施品ではなく一般的なスポ ットライトであり、本件期間を含む原告の製品市場の占有率が前記の ーデリック(6.0)、原告(5.3)である。 本件期間中原告が販売していた製品が原告実施品ではなく一般的なスポ ットライトであり、本件期間を含む原告の製品市場の占有率が前記のとおりわずか数パーセントに止まることに鑑みれば、被告製品が市場に存在しなかった場合に、その需要のほとんどは競合他社の製品に代替されると考えられる。 オ覆滅の程度 前記ア~エの事情を踏まえれば、各事情のみによっても、また総合考慮した場合でも、9割を超えるそのほとんどの割合において推定覆滅されるべきである。 第4 判断 1 本件各発明について (1) 本件明細書の記載本件明細書には、次のとおりの記載がある。 ア技術分野「本発明は、照明器具の技術に関する。」(【0001】)イ背景技術 「従来より、任意の方向に光を照らすスポットライト型の照明器具が知られている。…このような照明器具は、意匠性を考慮した外装部を備えており、室内インテリアなどを基調とした商品選択を可能としている。」(【0002】)「このような照明器具は、外装部に回動及び回転自在のブラケットを取り付けて光を照らす方向を変更可能としている。つまり、このような照明器具は、 外装部に回動及び回転自在のブラケットを取り付けることによって、本体部分(光源部や外装部などから成るモジュール)を回動及び回転自在とし、光を照らす方向を変更可能としている。そのため、ユーザーが光を照らす方向を変更しようとしたときに外装部に大きな荷重が掛かり、該外装部が変形したり破損したりする恐れがあった。」(【0003】) ウ発明が解決しようとする課題 「本発明は、このような問題を解決すべくなされたものであり、外装部が変形や破損 部が変形したり破損したりする恐れがあった。」(【0003】) ウ発明が解決しようとする課題 「本発明は、このような問題を解決すべくなされたものであり、外装部が変形や破損をしない照明器具を提供することを目的としている。」(【0005】)エ発明の効果「本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。」(【0012】)「本願に開示する照明器具によれば、ユーザーが光を照らす方向を変更しよ うとしたときに外装部に荷重が掛かりにくいので、該外装部の変形や破損を防ぐことが可能となる。」(【0013】)オ発明を実施するための形態「まず、本発明の実施形態に係る照明器具100について簡単に説明する。」(【0015】) 「図1は、照明器具100の使用状態を示す図である。図2は、照明器具100の構造を示す図である。図3は、照明器具100の動作を示す図である。 なお、本願では、重力が作用する方向を上下方向Xと定義する。また、光を照らす方向Lに対して平行となる方向を光軸方向Yと定義する。」(【0016】)「照明器具100は、主に、光源部1と、放熱部2と、外装部3と、ブラケ ット4と、で構成されている。」(【0017】)「光源部1は、発光素子を有する構成部品である。」(【0018】)「放熱部2は、光源部1の熱を空気中へ発散させる構成部品である。」(【0019】)「外装部3は、放熱部2の一部を覆う構成部品である。外装部3は、外部から加わる衝撃に対して放熱部2を保護する。外装部3は、放熱部2の少なく とも一部を覆うので、放熱部2の放熱フィン22の隙間に埃などの異物が付着することを低減できる。また、外装部3は、意匠性が考慮されているので、美感を起こさせることができる。」( 熱部2の少なく とも一部を覆うので、放熱部2の放熱フィン22の隙間に埃などの異物が付着することを低減できる。また、外装部3は、意匠性が考慮されているので、美感を起こさせることができる。」(【0020】)「ブラケット4は、光を照らす方向Lを変更自在に支持できる構成部品である。ブラケット4は、放熱部2にボルト41によって取り付けられている。 このため、ブラケット4は、ボルト41を中心として回動自在となっている。 換言すると、本体部分(光源部1、放熱部2及び外装部3から成るモジュール)は、ボルト41を中心として回動自在となっている。」(【0021】)「以下に、本実施形態に係る照明器具100の主な特徴点とその効果について説明する。」(【0029】)「照明器具100は、ブラケット4が放熱部2に取り付けられている。つま り、照明器具100は、外装部3ではなく放熱部2にブラケット4を取り付けたことを特徴としている。これにより、ユーザーが光を照らす方向Lを変更しようとしたときに、外装部3に荷重が掛かりにくいので、該外装部3の変形や破損を防ぐことが可能となる。また、照明器具100 では、放熱部2にブラケット4を取り付けた構成としているので、ブラケット4 をアルミ ニウム合金などの熱伝導性が高い材料で形成することにより、放熱部2の熱をブラケット4 に伝えることができる。これにより、放熱部2の放熱効率を高めることができる。」(【0030】)「放熱部2は、ブラケット4が取り付けられるボス21を有し、該ボス2を始点とした放熱フィン22が形成されている。従って、放熱部2を製造す る際にボス21から放熱フィン22へ溶融材料Mが流れ込むので、不良率を低減できる。」(【0039】)【図1】 始点とした放熱フィン22が形成されている。従って、放熱部2を製造す る際にボス21から放熱フィン22へ溶融材料Mが流れ込むので、不良率を低減できる。」(【0039】)【図1】 (2) 本件各発明の技術的意義以上のような本件明細書の記載を踏まえると、本件各発明は、主に光源部、放熱部、外装部及びブラケットから構成されるスポットライト型の照明器具において、光の照射方向を変更可能とする回動及び回転自在のブラケットを外装部に取り付けると、ユーザーが照射方向を変更しようとしたときに、外装部に 大きな荷重がかかり、外装部が変形したり破損したりする恐れがあるという課題に対して、ブラケットを外装部以外の部材、具体的には放熱部に取り付けることにより、外装部が変形及び破損しない作用効果を有する照明器具を提供することを目的とした発明である。すなわち、本件各発明は、外装部の変形及び破損防止のため、ブラケットを外装部ではなく放熱部に取り付けた点に、技術 的意義を有するものであると認められる(本件意義1)。 以上に加え、本件発明2は、「放熱部は、前記ブラケットが取り付けられるボスを有し、該ボスを始点とした放熱フィンが形成されている」との構成を有しており(構成要件J)、放熱部を製造する際に、ブラケットの取付部分であるボスから放熱フィンへ溶融材料が流れ込むことを可能にすることで、不良率を 低減する効果を有する発明であると認められる(本件意義3)。 2 争点1(構成要件Dの充足性)について(1) 「一部が被固定部に固定されるブラケット」の意義ア本件各発明に係る特許請求の範囲の記載によれば、本件各発明における「ブラケット」は、「一部が被固定部に固定される」(構成要件D)構成を有 するもの 被固定部に固定されるブラケット」の意義ア本件各発明に係る特許請求の範囲の記載によれば、本件各発明における「ブラケット」は、「一部が被固定部に固定される」(構成要件D)構成を有 するものであるが、固定される方法や被固定部の具体的態様について特段の記載はない。 イ本件明細書には、前記1(1)のほか、発明を実施するための形態について、「本実施形態に係る照明器具100は、天井面や壁面などの被固定部Fに固定して使用することを主な使用形態としている。」(【0016】) 「本実施形態に係る照明器具100は、電源部5を備えている( 図1、図3 参照)」(【0017】)「ブラケット4は、光を照らす方向Lを変更自在に支持できる構成部品である。ブラケット4は、放熱部2にボルト41によって取り付けられている。 本体部分…は、ボルト41を中心として回動自在となっている。…また、本体部分…は、支持具42を中心として回転自在となっている。つまり、照明 器具100では、光を照らす方向Lを回転させることができる…。」(【0021】)といった記載がある。 【図3】 ウ前記のとおり、本件明細書において、「ブラケット」とは、照明器具の本 体部分(光源部1、放熱部2及び外装部3から成るモジュール)を、照射方向に変更自在に支持できる構成部品であり、モジュールを構成する放熱部にボルト41によって回動自在に取り付けられるとともに、支持具42を中心として回転自在となるものである(【0021】)。本件明細書には、本件各発明に係る照明器具の1つの実施形態として、天井面や壁面などの被固定部F に固定して使用することを主な使用形態とし、電源部5を備える照明器具が記載されている。当該照明器具は、被固定部Fに、電源部5 に係る照明器具の1つの実施形態として、天井面や壁面などの被固定部F に固定して使用することを主な使用形態とし、電源部5を備える照明器具が記載されている。当該照明器具は、被固定部Fに、電源部5が固定され、当該電源部5に、支持具42が固定され、当該支持具42を中心として、ブラ ケット4が回転する旨が記載されている(【0016】、【0017】、図3)。 エまた、本件各発明の解決しようとした課題とその解決手段との関係で、被固定部の具体的態様が何らかの技術的意義を持つものではないことに加え、本件明細書の記載を参酌すると、本件各発明において、ブラケットの一部が固定される対象である被固定部は、(天井面や壁面などに固定される)電源 部等の部材もこれに含むものと解される(原告の間接的に固定されることも含むとの主張は、このように解することができる。)。 (2) 被告製品について被告製品のアーム22が本件各発明の「ブラケット」に相当する部材であることについては争いがないところ、同アーム22は、固定部21に360度回 転可能に取り付けられており(別紙被告製品説明書図4)、被告製品の固定部21は、ライティングダクトに接続される電源装置である(甲8)。 以上によれば、被告製品における固定部21は、被固定部に当たるものというべきであるからアーム22は、固定部21に回転自在に取り付けられた状態にある(同別紙図4)。 したがって、被告製品のアーム22は、被固定部(固定部21)に一部が固定されていることから、本件各発明における「一部が被固定部に固定されるブラケット」に相当する。 以上より、被告製品は、本件各発明の構成要件Dを充足する。 3 争点2(構成要件Eの充足性)について (1) 「開口部」の意義ア本件 が被固定部に固定されるブラケット」に相当する。 以上より、被告製品は、本件各発明の構成要件Dを充足する。 3 争点2(構成要件Eの充足性)について (1) 「開口部」の意義ア本件各発明に係る特許請求の範囲の記載によれば、本件各発明の「開口部」は、「外装部の側部」に「形成され」、「放熱部が露出する」形状であること(構成要件E)及び当該「開口部から露出する」「放熱部における」「部分」に、ブラケットを「回転自在に取り付けられ」る形状であること(構成要件 F)が理解される。 また、「開口」及び「開口部」の各辞書的意味は、「外に向かって穴が開くこと。また、その穴」及び「建築物で、窓・出入り口・換気口など外部へ向かって開いている部分」である。「孔」の辞書的意味は、「あな。つきぬけているあな」である。(乙1、2、大辞林第四版900頁。)イ本件明細書の記載 本件明細書には、前記1(1)のほか、発明を実施するための形態について、次のとおりの記載がある。 「本実施形態において、…外装部3の端部と側部には、貫通孔3ha・3hbが設けられている( 図2C参照)。」(【0020】)「放熱部2には、二つのボス(ネジ穴などを設けるための突起部)21が設 けられている。二つのボス21は、上下方向Xに対して垂直となる方向、即ち、水平方向に設けられている。これは、光軸方向Yに対して垂直となる方向でもある。そして、それぞれのボス21には、ネジ穴21hが設けられている。このため、放熱部2を挟み込むように形成されているブラケット4は、二つのボルト41によって取り付けられることとなる。」(【0024】) 「上述したように、外装部3には、貫通孔3ha・3hbが設けられている。 貫通孔3haは、外装部3 いるブラケット4は、二つのボルト41によって取り付けられることとなる。」(【0024】) 「上述したように、外装部3には、貫通孔3ha・3hbが設けられている。 貫通孔3haは、外装部3の端部(光源部1に対して反対側となる端部)に設けられている。貫通孔3haの形状は、光軸方向Yに対して斜めに切断した際の切り口に類似している。一方、貫通孔3hbは、外装部3の側部(外装部3を光軸方向Yが上下方向Xに対して垂直となる姿勢にした際に略上 側となる側部)に設けられている。貫通孔3hbの形状は、光軸方向Yに対して垂直となる方向を下弦とした略円弧状となっている。放熱フィン22の一部は、それぞれの貫通孔3ha・3hbから視認できる( 図1 、図3参照)。」(【0028】)「また、照明器具100では、ブラケット4が外装部3に設けられた貫通孔 3hbを介して放熱部2に取り付けられている。」(【0032】) 【図2】 ウ出願経過原告は、本件特許の出願中、出願当初の請求項1ないし3について、本件 各引用文献等を理由に新規性又は進歩性を欠くとした特許庁審査官からの拒絶理由通知を受け、前記請求項1に、「前記外装部には、前記放熱部が露出する開口部が形成され、前記ブラケットは、前記放熱部における前記開口部から露出する部分に回転自在に取り付けられる」旨の内容を加え、新たな請求項1とする形で特許請求の範囲及び明細書の補正を行った(本件補正)。 なお、本件補正前の請求項3は「前記ブラケットは、前記外装部に設けられた貫通孔を介して前記放熱部に取り付けられる、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の照明器具」との記載であった(公知の事実)。 原告は、本件補正と同時に特許庁審 トは、前記外装部に設けられた貫通孔を介して前記放熱部に取り付けられる、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の照明器具」との記載であった(公知の事実)。 原告は、本件補正と同時に特許庁審判官に提出した本件意見書において、本件各引用文献には、「ブラケットが外装部を介して外装部の貫通孔を通る ネジによって放熱部に取り付けられる」構成が開示されているものの、本件 補正後の請求項1記載の発明のように「ブラケットが放熱部における開口部から露出する部分に取り付けられる」構成とは異なるものである旨、及び「補正の根拠」の項目に、「なお、補正前の「貫通孔」との記載は、その大きさから「孔」と表現するのは妥当でなく、補正後は「開口部」との記載に変更したものである。」と記載した。なお、前記の拒絶理由通知書が指摘した本件各 引用文献記載の図には、次のとおりの図がある。 (以上につき甲12、13、乙4ないし乙6)エ検討前記アのとおり、本件各発明に係る特許請求の範囲の記載によれば、本件 各発明の「開口部」は、形成される位置が「外装部の側部」であること、及びその形状が「放熱部が露出する」ものであり、かつ当該放熱部が露出する部分に、ブラケットを回転自在に取り付けることに支障のない形状であることが理解できる(「露出する」の意義については後記(3)で詳述する。)。一方、前記特許請求の範囲には、それ以上に開口部の大きさ及び形状並びに形成位 置について限定する旨の記載はない。また、開口部は、本件各発明の課題の解決手段との関係でいうと、ブラケットを外装部ではなくその内方に配置される放熱部に取り付けるために外装部に設けられるものであって、このよう【引用文献1の図3】【引用文献2の図25】 な目的からする でいうと、ブラケットを外装部ではなくその内方に配置される放熱部に取り付けるために外装部に設けられるものであって、このよう【引用文献1の図3】【引用文献2の図25】 な目的からすると、ブラケットが取り付け可能かつ放熱部が露出する空間であればよいのであって、これ以上に特定の形状である必要はないものと解される。 以上より、本件各発明における「開口部」とは、形成される位置が「外装部の側部」であり、その形状が「放熱部が露出する」ものであり、かつ当該 放熱部が露出する部分に、ブラケットを回転自在に取り付けることに支障のない形状であれば足り、それ以上に大きさや形状が限定されるものではないと解される。 (2) 被告の主張について被告は、本件補正の経緯に照らせば、本件各発明の「開口部」とは、本件明 細書の貫通孔3hbを指すこと、本件意見書で原告が記載した「その大きさ」とは貫通孔3hbの大きさを意味し、「貫通孔」から補正された「開口部」もこれと同程度の大きさの「穴」又は「窓」といえる形状を意味する旨主張する。 この点、前記ウのとおりの本件補正の経緯に照らせば、原告は、貫通孔3hbを念頭に「貫通孔」を「開口部」と補正し、かつ当該開口部から露出する部 分にブラケットを取り付ける旨の補正を行ったものと認められ、その意味で、本件意見書の「その大きさ」とは、貫通孔3hbを念頭に置いていたものと認められる。もっとも、当該記載の主眼は、本件各引用文献に記載された技術との差異の明確化、具体的には、本件各引用文献に記載された、ブラケットが外装部に設けられた貫通孔(ネジ孔)を通ってネジ等により放熱部に取り付けら れる構成を除外する目的で、ネジ孔のような小さなあなと理解できる「孔」の表現を「開口部」へ変更したと認めら ラケットが外装部に設けられた貫通孔(ネジ孔)を通ってネジ等により放熱部に取り付けら れる構成を除外する目的で、ネジ孔のような小さなあなと理解できる「孔」の表現を「開口部」へ変更したと認められ、本件補正に際し、原告が、「開口部」の大きさ及び形状を、実施例の一つである3hbに限定する意図や、「貫通孔」である3haのような形状を「開口部」から除外する意図を有していたとは認められない。 したがって、この点に係る被告の主張は採用できない。 また、被告は、開口部が設けられる外装部の形状や機能等に基づき「開口部」の意義を述べる。しかし、本件各発明の特許請求の範囲の記載(構成要件C)及び本件明細書における外装部に係る記載(前記1(1)【0020】)によれば、本件各発明の外装部の形状は、放熱部の少なくとも一部を覆えば足りるものであると解され、被告が主張するような、本件各発明における外装部が放熱部の相 応の広い部分を覆っており、これとの関係で放熱部が露出される開口部が「穴」や「窓」と解される等の主張は採用できない。 (3) 被告製品について被告製品の側周カバー12は、円筒状で、後端部から側面にかけて開放された部分が形成されている(争いがない。)。すなわち、被告製品の側周カバー1 2は、側周カバーを光軸方向Yが上下方向Xに対して垂直となる姿勢にした際に略上側となる部分が、後端部から前方にかけて、側周カバーの長さ3分の2程度の位置まで欠けた形状である。当該欠けた部分からヒートシンク11の一部が露出しており、また、当該露出したヒートシンク11の部分に、アーム22を回転自在に取り付けるのに支障のない形状である(別紙被告製品説明書記 載図1、図3及び図4)。 したがって、被告製品は、「前記外装部の 、当該露出したヒートシンク11の部分に、アーム22を回転自在に取り付けるのに支障のない形状である(別紙被告製品説明書記 載図1、図3及び図4)。 したがって、被告製品は、「前記外装部の側部には、前記放熱部が露出する開口部が形成され」ているといえ、構成要件Eを充足する。 4 争点3(構成要件Fの充足性)について(1) 「放熱部における前記開口部から露出する部分」の意義 ア本件各発明に係る特許請求の範囲には、「前記ブラケットは、前記放熱部における前記開口部から露出する部分に回転自在に取り付けられ」(構成要件F)と記載され、「ブラケット」が「回転自在に取り付けられ」る「放熱部における」部位が、外装部の側部に形成された「開口部」から、「露出する部分」であることが理解できる。もっとも、いかなる具体的態様をもってブラ ケットの取付部位が「露出」していると判断するか、及び「露出」の程度等 については、明示的に記載されていない。 イ本件明細書には、実施例において「開口部」に相当する貫通孔3hbと放熱部に関して、「放熱フィン22の一部は、…貫通孔3hbから視認できる。」と記載され(【0028】)、当該記載以外に、放熱部の「開口部から露出する部分」に関する具体的な記載はない。そうすると、開口部から視認できる部 分をもって「開口部から露出する部分」と解することができる。 さらに、本件意義1を踏まえると、本件各発明においては、ブラケットが、外装部ではなく放熱部に取り付けられる点が重要であり、そのために、外装部の側部に放熱部が露出する開口部を形成する構成(構成要件E)を採用し、外装部にこのような開口部が設けられた以上、構成要件Fにおいて、ブラケ ットが、当該「開口部から露出する部分」に「回転自在に取 側部に放熱部が露出する開口部を形成する構成(構成要件E)を採用し、外装部にこのような開口部が設けられた以上、構成要件Fにおいて、ブラケ ットが、当該「開口部から露出する部分」に「回転自在に取り付けられる」と規定されていると解される。したがって、ブラケットは、外装部の側部に設けられた開口部を通じて露出した放熱部に回転自在に取り付けられていれば足り、「露出」の程度について、ブラケットの取付部位が全て露出している必要がある等厳密に解する必要はないと解される。 ウ以上によれば、放熱部における「開口部から露出する部分」とは、照明器具をいずれかの方向から見た場合、外装部に形成された開口部から視認できる部分をいい、ブラケットが取り付けられる放熱部の部位は、開口部を通じて現れ出ていれば足りると解することができる。 (2) 被告製品について 被告製品は、ヒートシンク11が側周カバーの側部に設けられた開口部から露出し、アーム22は当該開口部を通じて放熱部に取り付けられており、斜め上から見た場合、アーム22のヒートシンク11における取付部位を当該開口部から視認することができる。また、アーム22は、本体部10に対して90度の範囲内で自在に回転する(別紙被告製品説明書図3及び図4)。 したがって、被告製品のアーム22は、「前記放熱部における前記開口部か ら露出する部分に回転自在に取り付けられ」る構成を有しており、構成要件Fを充足する。 (3) 被告の主張について被告は、本件発明に係る照明器具のメンテナンス作業について言及した本件明細書の段落において、最初にブラケット4と放熱部2の連結部に係るボス2 1に固定されたボルト41を外した上で、ブラケット4から本体部分を取り外す旨の記載があることを根拠 業について言及した本件明細書の段落において、最初にブラケット4と放熱部2の連結部に係るボス2 1に固定されたボルト41を外した上で、ブラケット4から本体部分を取り外す旨の記載があることを根拠として、当該ボルト41を取り付けるボス21が開口部から露出していることが必要である旨を主張する。 この点、本件明細書には、実施例の特徴点と効果を説明する段落において、メンテナンス作業の方法として、まずブラケットと放熱部を取り付けているボ ルト41を取り外し、このようにブラケットから本体部分を取り外さなければ外装部を取り外すことができない形態とすることで、メンテナンス時の安全性を向上させることが可能となる旨の記載がある。また、同段落の記載は、照明器具をいずれの方面から視認した場合でも、貫通孔3hbから、ボス21が完全に露出している実施例を前提としていると理解できる(【0030】、【0033】、 【0034】、【0038】、図1)。 しかし、当該記載は、本件各発明の実施例の1つの特徴及び効果として説明されており、本件意義1と照明器具のメンテナンス時の安全性の向上という作用効果との関連性も明確でないことから、本件各発明に係る全ての実施形態において当該特徴及び効果が奏することが求められるものとは理解できない。よ って、かかる本件明細書の記載をもって、ボス21が開口部から露出することが必要であるとの被告の主張は採用できない。 また、被告は、原告が本件意見書において、本件特許と先行技術との相違点として、ブラケットが放熱部における開口部から露出する部分に取り付けられる構成の点を強調していたと主張する。しかし、被告が指摘する本件意見書の 記載は、ブラケットに相当する部材が貫通孔(ネジ孔)を通じて放熱部に取り 口部から露出する部分に取り付けられる構成の点を強調していたと主張する。しかし、被告が指摘する本件意見書の 記載は、ブラケットに相当する部材が貫通孔(ネジ孔)を通じて放熱部に取り 付けられ、当該ネジ孔から放熱部が一切視認できない本件各引用文献に開示された照明器具との差異を強調するための記載であると理解できる(前記2(1)ウ)から、これを採用することもできない。 5 争点4(構成要件Gの充足性)について(1) 「取り外し可能」の意義 ア特許請求の範囲の記載本件各発明に係る特許請求の範囲には、「前記外装部は、前記放熱部とは別体に形成され、前記放熱部から取り外し可能であり」と記載され、外装部が、「放熱部とは別体に形成され」ている別部材であること、及び放熱部から「取り外しが可能」である構成であることが理解される。一方で、当該記載 及びその余の特許請求の範囲の記載において、外装部を放熱部から取り外す方法及び順序等について、特段の記載はない。 イ本件明細書の記載本件明細書では、照明器具が被固定部である天井面に取り付けられている場合のメンテナンス作業の一部として、ユーザーが、①まず、ブラケットと 放熱部を取り付けるボルト41を取り外し、ブラケットを本体部分から取り外すこと(【0033】、【0034】)、②次に、外装部と放熱部を固定しているボルト31(【0027】)を取り外し、外装部を保持した状態で外装部から放熱部を引き抜くこと(【0036】、【0037】)、③このような過程を経て灯体部分(光源部及び放熱部から成るモジュール)に対して部品交換などのメンテナンスが可能 となること(【0037】)、このようにブラケットから本体部分を取り外さなければ、外装部を取り外すことができない構造とするこ 放熱部から成るモジュール)に対して部品交換などのメンテナンスが可能 となること(【0037】)、このようにブラケットから本体部分を取り外さなければ、外装部を取り外すことができない構造とすることで、被固定部に取り付けられた状態のままでメンテナンス作業ができないようにして、メンテナンス時の安全性を向上させることが可能となる(【0038】)旨の記載がある。 当該記載は、本件各発明の実施形態に係る照明器具の主な特徴点とその効 果(【0029】)として記載されたものであるが、本件意義1との関連性が明確 でなく、本件各発明を実施する全ての形態において、放熱部から外装部を取り外すための手順及び方法が前記のとおりの本件明細書記載の手順等に限定されなければならないものとは解されない。 以上より、外装部が放熱部から「取り外し可能」とは、別体に形成された外装部と放熱部が、字義どおり物理的に取り外すことが可能であるという意 味と理解され、取り外すための手順及び方法に特段の限定はないと解される。 (2) 被告製品について被告製品の側周カバーは、ヒートシンクとは別部材であり、ヒートシンクから物理的に取り外すことが可能である。 したがって、被告製品は、「前記外装部は、前記放熱部とは別体に形成され、 前記放熱部から取り外し可能であ」るといえ、構成要件Gを充足する。 (3) 被告の主張についてア被告は、本件各発明の構成要件Gに係る構成は、第1次訂正により、本件明細書においてメンテナンス作業を示す段落及び本件図面の図4の記載を参照した上で、当該記載を根拠に追加された構成であること、及び当該段落 を含む本件明細書のメンテナンス作業に係る記載において、メンテナンス時の安全性を向上させることが本件各発明の特徴及 記載を参照した上で、当該記載を根拠に追加された構成であること、及び当該段落 を含む本件明細書のメンテナンス作業に係る記載において、メンテナンス時の安全性を向上させることが本件各発明の特徴及び効果として記載されていることから、「取り外し可能」とは、前記(1)イのとおり明細書に記載された手順を経て外装部が放熱部から取り外すことが可能であることをいうと解される旨主張している。 イこの点、本件明細書のメンテナンス作業に係る段落を理由に、「取り外し可能」の手順が限定される解釈が採用できないことは前記(1)のとおりである。 ウまた、第1次訂正を認める旨の審決には、本件明細書において、外装部が放熱部に接触した状態でボルトによって固定される旨の記載(【0027】、図 2)、メンテナンス作業の一部として、ユーザーがボルトを放熱部及び外装 部から取り外す旨(【0036】)及び外装部から放熱部を引き抜く旨の記載(【0037】)並びに本件図面の図4等の記載によれば、「外装部3は」「放熱部2を覆うことができ」、「外装部3は、放熱部2」「に接触した状態で、二つのボルト31によって固定される」から、外装部は、放熱部とは別体に形成されているといえるとし、「ボルト31を放熱部2及び外装部3から取 り外」し、「外装部3から放熱部2を引き抜く…」から、外装部は放熱部から取り外し可能であるといえる」と記載されている(甲3)。 このような審決の記載内容は、外装部と放熱部が物理的に別部材であり、ボルトで固定されているため、当該ボルトを取り外せば再び物理的に別体となる、すなわち取り外すことができるといえることを示すものであり、それ 以上に、メンテンナンス作業の具体的手順等の記載を根拠として構成要件Gの追加が認められたとは理解 外せば再び物理的に別体となる、すなわち取り外すことができるといえることを示すものであり、それ 以上に、メンテンナンス作業の具体的手順等の記載を根拠として構成要件Gの追加が認められたとは理解されない。 エしたがって、この点に係る被告の主張は採用できない。 6 争点5(構成要件Hの充足性)について(1) 構成要件充足性 本件発明1の構成要件Hは、第2次訂正により追加された構成である。 構成要件Hは、「前記放熱部において前記ブラケットが取り付けられている位置よりも光を照らす方向とは反対側となる部分の少なくとも一部を覆うこと」というものであり、「放熱部の少なくとも一部を覆う」(構成要件C)としていた外装部の形状(構成)を限定するものと解される。 被告製品における側周カバーは、「放熱部において前記ブラケットが取り付けられている位置よりも光を照らす方向とは反対側となる部分」の少なくとも下半分が覆われているから、構成要件Hを充足している。 (2) 被告の主張について被告は、被告製品において、「放熱部において前記ブラケットが取り付けら れている位置よりも光を照らす方向とは反対側となる部分」の上半分を覆わな い開放した形状であるため、原告が主張する構成要件Hに係る作用効果(本件意義2)を奏せず、それ故構成要件Hを充足しない旨主張する。 しかし、仮に、構成要件Hについて、本件意義2の作用効果を奏するに足りる程度には放熱部を覆う必要があるものと解したとしても、被告製品の側周カバー12は、ヒートシンク11の、アーム22が取り付けられている位置より も光を照らす方向とは反対側となる部分の下半分を覆っている(別紙被告製品説明書の図1及び図3)のであれば、構成要件Hの想定する作用効果を果たす ク11の、アーム22が取り付けられている位置より も光を照らす方向とは反対側となる部分の下半分を覆っている(別紙被告製品説明書の図1及び図3)のであれば、構成要件Hの想定する作用効果を果たすことができるというべきであるから、被告の主張はその前提を欠く。 7 争点6-1(無効理由1(昭和53年に販売された被告1978年製品に係る発明(公然実施発明1)を引例とする進歩性欠如))について (1) 被告1978年製品は公然実施発明1の構成を備えているか被告は、被告1978年製品が公然実施発明1の構成を備えるものと主張する。 しかし、被告1978年製品は、光源として発光素子ではなくハロゲンランプが採用されており(乙8の2)、そもそも構成a1にいう「発光素子」を備え ているとはいえないし、また、ハウジングケース④が本体①から取り外し可能であるかどうかは不明であって、構成g1を備えているとも認められない。 したがって、被告の主張は、そもそも被告1978年製品が公然実施発明1の実施品でない点で、前提を欠くものというべきである。(なお、本件明細書においては、発光素子は白熱灯やハロゲンランプでもよい旨の記載があるが、通 常の用語上、フィラメントは発光素子とは区別されるものと解され、ハロゲンランプ等を光源部とする構成は本件各発明の特許請求の範囲には含まないものと解されるし、このことは第1次訂正によってより明確になったものというべきである。)(2) 公然実施発明1と本件各発明の相違点について 原告主張の相違点のうち、構成要件Bと構成b1の対比について検討する。 構成要件Bの放熱部は「前記光源部の熱を空気中へ発散させる」ものであり、本件明細書には、発明の実施形態に係る説明の中で、放熱部は、光 ち、構成要件Bと構成b1の対比について検討する。 構成要件Bの放熱部は「前記光源部の熱を空気中へ発散させる」ものであり、本件明細書には、発明の実施形態に係る説明の中で、放熱部は、光源部のLEDや基板の熱を空気中へ発散させる構成部材であること、アルミニウム合金等熱伝導性の高い材料で形成されること、LEDや基板を収めるための収容部が設けられていること、複数の放熱フィンが設けられ、当該放熱フィンは互いに 所定の間隔をあけて形成されているので外気に触れる面積が大きく、放熱フィンまで伝達した熱を効率良く空気中へ発散できること、外装部と放熱部との間に所定の隙間が設けられることが記載されている(【0019】、【0022】、【0023】、【0025】、【0027】)ことからすると、「放熱部」とは、光源が「基板に配置された発光素子」であって、排熱を構造上考慮する必要があることに由来するもの であり、材質のほか、光源部のLED等が発する熱を効率的・効果的に空気中へ発散させるための特定の構造を持った部材であって、独立の構成要素となるものと解される。 これに対し、構成b1の本体①は、放熱のための具体的な構造を備えていないから、構成b1の本体①は、構成要件Bの「放熱部」に相当するものとは認 められない。 (3) 小括以上によれば、被告1978年製品は、公然実施発明1を実施するものではないし、また、本件出願日当時、当業者が公然実施発明1に基づき前記の各相違点に係る本件各発明の構成を容易に想到することができたものとも認めら れず、争点6-1に係る被告の主張(抗弁)は理由がない。 8 争点6-2(無効理由2(平成22年11月に販売された被告アンドナ製品に係る発明(公然実施発明2)を引例とする新規性・進歩性欠如 れず、争点6-1に係る被告の主張(抗弁)は理由がない。 8 争点6-2(無効理由2(平成22年11月に販売された被告アンドナ製品に係る発明(公然実施発明2)を引例とする新規性・進歩性欠如))について(1) 被告アンドナ製品の態様証拠(乙9)によると、被告アンドナ製品は、発光素子㉛が配置されたLE D基板⑦からなる光源部、円筒状で内部底面に光源部が設置され、裏面の外部 にはアーム②を取り付けられる部品が付された部材㊶、部材㊶と接して取り付けられる外装部③の一部及びその外装部③の一部と接して取り付けられる放熱フィン④を備える。 そして、そのような構造をとることにより、基板⑦等で発した熱は、部材㊶と、外装部③のうちの部材㊶と接触する部分を介して放熱フィン④に伝導し、 空気中に放熱される。 (2) 公然実施発明2の構成について被告は、前記(1)の被告アンドナ製品の構成から、公然実施発明2は、部材㊶と放熱フィン④が、「光源部の熱を空気中へ発散させる放熱部」(構成b2)を構成する旨の主張をして、本件各発明の構成要件Bとの一致点を構成すると主 張する。 この点、本件各発明における「放熱部」とは、材質に加え、光源部の発光素子及び基板が発する熱を効率的・効果的に空気中へ発散させるための具体的な構造を持った部材であると解されるところ、公然実施発明2においては、放熱フィン④がこれに相当する。このことは、カタログ(乙9)において、被告ア ンドナ製品の説明として「放熱効果を高めたヒートシンクデザインを採用」としていることとも整合する。仮に、部材㊶と放熱フィン④が一体となって「放熱部」を構成するのであれば、その間に挟まる外装部③も放熱部を構成するものと解せざるを得ず、公然実施発明2の構成自体 を採用」としていることとも整合する。仮に、部材㊶と放熱フィン④が一体となって「放熱部」を構成するのであれば、その間に挟まる外装部③も放熱部を構成するものと解せざるを得ず、公然実施発明2の構成自体に破綻をきたすことになる。 したがって、部材㊶は、本件各発明の「放熱部」に相当する部材であるとは 認められない。 そうすると、被告アンドナ製品の部材㊶は、「放熱部」を構成せず(構成b2)、アーム②が放熱部に取り付けられる構成(構成f2)も備えないから、同製品から公然実施発明2を構成することはできない。 また、かかる構成を欠くものを公然実施発明2であると考えたとしても、そ の相違点につき、当業者が容易想到であったとする証拠もなく、これを認める ことはできない。 したがって、争点6-2に係る被告の主張(抗弁)は、理由がない。 9 争点6-3(無効理由3(意匠登録第1447716号公報に記載された発明(乙11発明)を引例とする進歩性欠如))について(1) 乙11発明の構成 乙11公報に、乙11発明が備えることにつき争いのない構成(構成a3ないしd3)以外の構成が開示されているかどうかを検討する。 この点、乙11公報、特に【左側面図】及び【内部機構を省略したA-A断面図】によれば、当該スポットライトの構成は次のとおりと認められる。 ア外装部③は、アーム②が取り付けられている位置から前方部分を覆う略円 筒状の形状であり、アーム②を放熱部に取り付ける取付部分に沿う形で、半円状に欠けた部分が存在し、当該欠けた部分から露出する放熱部②に、アーム④が取り付けられている。 イ放熱部②と外装部③は別部材であり、ボルト又はリベット状のもので固定されている。 ウ放熱部②は、アーム④ 在し、当該欠けた部分から露出する放熱部②に、アーム④が取り付けられている。 イ放熱部②と外装部③は別部材であり、ボルト又はリベット状のもので固定されている。 ウ放熱部②は、アーム④が取り付けられるボスを有し、当該ボスの位置は、放熱フィンの長手方向の中腹辺りである。 (2) 検討ア構成e3及びf3について構成e3につき、本件各発明と同じ意味で、外装部③の「側部」に開放部 が形成されているかどうかについてみると、前記3で述べたとおり、本件各発明に係る特許請求の範囲の記載によれば、本件各発明の「開口部」は、形成される位置が「外装部の側部」であること、及びその形状が「放熱部が露出する」ものであり、かつ当該放熱部が露出する部分に、ブラケットを回転自在に取り付けることに支障のない形状であることが理解できる一方、前記 特許請求の範囲には、それ以上に開口部の大きさ及び形状並びに形成位置に ついて限定する旨の記載はなく、開口部は、本件各発明の課題の解決手段との関係でいうと、ブラケットを外装部ではなくその内方に配置される放熱部に取り付けるために外装部に設けられるものであって、このような目的からすると、ブラケットが取り付け可能な空間であればよいのであって、これ以上に特定の形状である必要はないものと解される。 乙11公報においては、スポットライトを側方から見た場合に、外装部④はアーム④の専ら前方(光が照射される方向)にのみ存在するから、外装部の側部が観念できないとも思えるが、他方、前述の「開口部」の意義からすると、乙11公報におけるスポットライトにおいても、放熱フィン全体の周囲を含めた「外装部」を想定し、これが開放されているととらえることも可 能なのであり、このような意味において、乙11公 らすると、乙11公報におけるスポットライトにおいても、放熱フィン全体の周囲を含めた「外装部」を想定し、これが開放されているととらえることも可 能なのであり、このような意味において、乙11公報に掲記のスポットライトは、側部に開放部が形成されているということができるから、乙11発明は、本件各発明の「開口部」と同一の意味における「開放部」を備える構成、すなわち構成e3及びf3を備えていると認められる。 イ構成g3について 乙11公報においては、放熱部②は外装部④とは別部材であることが認められるが、アーム④を放熱部②に取り付ける部材について六角レンチを使いて取り付けるボルト等が示唆されている一方、放熱部②を外装部④に取り付ける部材については、そのような示唆がなく、外装部が放熱部から取り外し可能である旨の開示がされているとは認められない。 したがって、乙11公報から、構成g3を備える乙11発明を導くことはできず、本件各発明との関係では、構成g3は相違点を構成する。 (3) 相違点に係る構成の容易想到性以上によると、乙11発明は、本件各発明の構成要件1G(前記(2)イ)及び1H(争いがない。)を備えない点で本件各発明と相違する。このうち、本件各 発明の構成要件1Hは、本件各発明の課題である外装部の破損防止を出発点と して、外装部の形状を、放熱部においてブラケットが取り付けられている位置よりも照射方向とは反対側となる部分の少なくとも一部を覆う形状に限定するものであるところ、このような特定された外装部の形状を採用することについて乙11発明の構成ないし乙11公報からは何らの示唆も得られないことからすると、相違点に係る構成が容易想到であったということはできない。 (4) まとめ以 部の形状を採用することについて乙11発明の構成ないし乙11公報からは何らの示唆も得られないことからすると、相違点に係る構成が容易想到であったということはできない。 (4) まとめ以上によると、本件各発明に、乙11発明を主引例とする進歩性欠如の無効理由があるとは認められず、これを理由とする被告の抗弁は理由がない。 争点7(原告の被った損害額)について(1) 特許法102条2項が適用されるかどうか ア特許権者が特許権侵害を理由に損害賠償を請求する場合において、特許権者に、侵害者による特許権侵害行為がなかったならば利益が得られたであろうという事情が存在する場合には、特許権者がその侵害行為により損害を受けたものとして、特許法102条2項の適用が認められると解される(知的財産高等裁判所平成25年2月1日特別部判決、知的財産高等裁判所令和元 年6月7日特別部判決参照)。そして、特許権者が、特許発明の実施品であることや、特許発明と同様の作用効果を奏する製品に限らず、侵害品と需要者を共通にする同種の製品であって、市場において、侵害者の侵害行為がなければ輸出又は販売することができたという競合関係にある製品を輸出又は販売していれば足りる(知的財産高等裁判所令和4年10月20日特別部 判決参照)。 イ本件において、原告は、平成24年9月に発行した店舗・施設照明総合カタログに原告実施品を掲載してその販売を開始した(乙15)。原告実施品は、平成25年8月発行の同様のカタログにも掲載されたが(乙16)、平成26年9月発行のカタログでは在庫品限りの販売として掲載された(甲1 5)。原告は、原告実施品を平成27年以降の同種のカタログに掲載してい ないが(乙24)、平成28年以降も販売した実績を有する 行のカタログでは在庫品限りの販売として掲載された(甲1 5)。原告は、原告実施品を平成27年以降の同種のカタログに掲載してい ないが(乙24)、平成28年以降も販売した実績を有する(甲17、18)。 また、原告は、平成26年9月発行の前記カタログ以降に、原告後継品を掲載してこれを販売している。原告後継品は、原告実施品と外観が類似しつつも、ブラケットが放熱部ではなく外装部に取り付けられたものである(乙17~21、弁論の全趣旨)。 以上によれば、原告は、原告実施品を販売し、また被告製品と少なくとも一部の需要者を共通にする同種の製品といえる原告後継品を販売していることいえる。 したがって、本件においては、原告に、被告による本件特許権侵害行為がなかったならば利益が得られたであろうという事情が存在するといえる。こ の点に関する被告の主張は採用できない。 (2) 被告製品の販売に係る限界利益の額等本件期間中に被告が被告製品を販売したことにより受けた利益(限界利益)の額は、合計●(省略)●である(争いがない。)。 また、この損害賠償金は、資産の譲渡等(消費税法2条8号)の対価の性質 を有し、これを行った原告は事業者として消費税の納税義務を負う(同法5条)から、特許権者である原告は、これに消費税法所定の税率(令和元年9月30日までは8パーセント、同年10月1日からは10パーセント。なお、これと異なる適用すべき税率に関する原告の主張は採用しない。)を乗じた金額を損害賠償金として請求することができる。 よって、期間1の限界利益額●(省略)●が、推定覆滅前の特許法102条2項により推定される原告の損害となる。 (3) 推定の覆滅ア本件各発明の技術的意義本件明細書上、本件発明1には、 よって、期間1の限界利益額●(省略)●が、推定覆滅前の特許法102条2項により推定される原告の損害となる。 (3) 推定の覆滅ア本件各発明の技術的意義本件明細書上、本件発明1には、ブラケットを放熱部に取り付けることに より外装部の変形及び破損を防止すること(本件意義1)及び放熱部製造時 の不良率の低減(本件意義3)があるものと読み取れる。原告はこれに加え、外装部が放熱部におけるブラケットの接続部分よりも後方に延びている構造により、ユーザーが、ブラケットが取り付けられている位置よりも後方の外装部を掴み、自らの手が照明器具の照射する光を遮らずに、照射範囲を正確に把握しながら照射方向を変更することを可能とする技術的意義(本件意 義2)がある旨主張するが、本件明細書に記載はなく、構成要件Hとして追加された経緯等をふまえると(甲11の1、14の1)、後付けの感をぬぐえず、本件各発明の直接の作用効果としての意義は乏しい。 イ本件各発明の技術的意義が被告製品の売り上げに貢献する程度等(ア) 本件意義1について スポットライト製品一般は、本件特許発明より相当前から市場に存在し、既に成熟した市場が形成されており(乙5、弁論の全趣旨)、市場動向調査によれば、スポットライト製品は、演色性や色温度などにおいて高い付加価値を有する製品の開発が期待されている状況にあり(乙30、31)、原告、被告、競合他社のカタログ等において、配光制御・特性、光色、 レンズ設計、省エネ、製品の大きさ、軽さ、デザイン等が訴求されていることもうかがえる(甲5、6、乙15、16、25ないし29)これに対し、外装部の変形及び破損防止という本件意義1は、いわば製品として当然に担保されるべき機能及び要素であるといえ、また、材質、ブ こともうかがえる(甲5、6、乙15、16、25ないし29)これに対し、外装部の変形及び破損防止という本件意義1は、いわば製品として当然に担保されるべき機能及び要素であるといえ、また、材質、ブラケットの取付方法及び取付部分の構造の工夫等、本件各発明以外の技 術によっても実現可能であり、現に各照明器具メーカーにおいて一般に実現している効果であると考えられる。 また、原告は、平成26年以降、原告実施品と同じシリーズ名・製品名で、ブラケットを放熱部ではなく外装部に取り付け、外装部を厚肉とすることで外装部の変形及び破損の防止を実現した原告後継品を販売してい る(弁論の全趣旨)。すなわち、本件意義1は、これを欠いても、同一シリ ーズ・製品として顧客に販売することが可能な程度の顧客誘引力しか有しないと評価し得る。このことは、カタログに文言上本件意義1が明示されてないとしても、商品の写真から本件意義1に係る特徴を看取できることを考慮しても同様である。 (イ) 本件意義3 本件意義3は、不良率低減という製造コスト削減に寄与するものであるといえるが、本件意義3によるコスト削減(製品価格への反映)の程度が不明であること等を踏まえると、被告製品の利益に対する寄与度が大きいとは認められない。 (ウ) 以上のような事情を踏まえると、本件意義1及び3の顧客誘引力は限 定的であり、本件意義1及び3が被告製品の売り上げに貢献する程度は低いと言わざるを得ない。 ウ原告実施品の販売実績等原告は、本件期間前に原告実施品の販売を開始した後、本件登録日(平成28年8月5日)以降は在庫品限りとして原告実施品を販売するにとどまっ ており、平成28年以降の原告実施品の販売数は16個である(甲17、18)。 このように、原 始した後、本件登録日(平成28年8月5日)以降は在庫品限りとして原告実施品を販売するにとどまっ ており、平成28年以降の原告実施品の販売数は16個である(甲17、18)。 このように、原告が本件登録日以降原告実施品を製造しておらず、その販売方法(販路)等が相当程度限定され、その規模も極めて小さいことや、原告が原告後継品を販売しているものの、当該製品が本件各発明とは異なる技 術により本件各発明と同様の作用効果を奏していることは、前記(1)で説示した特許法102条2項の推定の前提事実を欠くとまでいうことはできないものの、本件推定を大きな割合で覆滅させる事情というべきである。 エ競合品の存在本件期間中、ブラケットが外装部ではなく、放熱部を含む別の部分に取り 付けられているという特徴を有する製品は、パナソニックのTOLSOシリ ーズ(乙25)、オーデリックのC1000シリーズ(乙27の2ないし27の4)、三菱電機のAKシリーズ、彩明シリーズ、鮮明シリーズ及びLEDスポットライトシリーズ(乙29)をはじめ、複数存在する。これらの製品は、原告実施品及び被告製品と価格帯も概ね同程度である。 以上の事情に鑑みると、被告製品には、競合品が存すると認められ、かか る競合品の存在も推定を覆滅させる事情に当たる。 オ原告の市場占有率被告は、スポットライト市場又は店舗用照明市場における原告の市場占有率が低いとして、被告製品が存在しない場合、その需要の多くが競合他社の製品へ流れ、原告実施品を販売できたはずであるとはいえない旨主張する。 しかし、被告が主張する原告を含む照明器具メーカーの市場占有率は、スポットライトを含む店舗用照明器具市場における機器全般ついてのものであって、スポットライト以外の幅広い商品群 旨主張する。 しかし、被告が主張する原告を含む照明器具メーカーの市場占有率は、スポットライトを含む店舗用照明器具市場における機器全般ついてのものであって、スポットライト以外の幅広い商品群を含むものと解されるから、原告実施品等との関連が乏しく、推定を覆滅させる事情に当たるとはいえない。 カ覆滅の程度以上の事情、とりわけ本件特許発明の技術的意義や実施品の販売状況を重視した上総合的に考慮すると、本件においては、被告製品の販売がなかった場合に、これに対応する需要が原告実施品ないし原告後継品に向かう蓋然性はむしろ低いとみるべきであって、特許法102条2項により推定された損 害の8割について覆滅されるというべきである。これに反する原告及び被告の各主張はいずれも採用できない。 (4) 原告の損害ア推定覆滅の効果前記(2)による消費税相当額加算後の金額から、前記(3)カの推定覆滅割合 を控除した金額は、期間1について●(省略)●である。 イ弁護士費用等原告は、本訴の提起追行を訴訟代理人に委任したところ、本件特許権の侵害行為と相当因果関係のある上記費用相当の損害額は、期間1について●(省略)●と認めるのが相当である。 ウ小括 前記アとイを合算した原告の損害額は、期間1につき●(省略)●である。 第5 結論原告の請求中被告製品の製造等の差止及び廃棄(請求1項)は全部理由があり(主文1項、2項)、損害賠償請求(請求2項)は主文3項掲記の限度で理由があり、その余は理由がない。主文1項及び2項については、仮執行宣言を付するのは相当で ないからこれを付さないこととする。 よって、主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第26民事部 裁判長 その余は理由がない。 主文 1項及び2項については、仮執行宣言を付するのは相当でないからこれを付さないこととする。 よって、主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第26民事部 裁判長裁判官 松阿彌隆 裁判官 杉浦一輝 裁判官 布目真利子 (別紙)被告製品目録 品番に下記の各記号及び番号を含むスポットライト製品記 1.「LZS-91748」(以下「被告製品1」という。) 2.「LZS-91749」 3.「LZS-91750」 4.「LZS-91751」 5.「LZS-91752」 6.「LZS-91753」 7.「LZS-91754」 8.「LZS-91755」 9.「LZS-91756」 10.「LZS-91757」 11.「LZS-91758」 12.「LZS-91759」 13.「LZS-91760」 14.「LZS-91761」 15.「LZS-91762」 16.「LZS-91763」 17.「LZS-91764」 18.「LZS-91765」 19.「LZS-91766」 20.「LZS-92134」 21.「LZS-92135」 22.「LZS-92514」 23.「LZS-92515」 24. 「LZS-91766」20.「LZS-92134」 21.「LZS-92135」 22.「LZS-92514」23.「LZS-92515」24.「LZS-92516」25.「#722452」26.「#741384」 27.「#772384」28.「#778657」29.「#779457」30.「#779458」31.「#779459」 32.「#781119」33.「#781120」34.「#784695」35.「#784696」36.「#789207」 37.「#812181」38.「#818602」39.「#823089」40.「#825547」41.「#825548」 42.「#825549」43.「#827003」44.「#832969」45.「#835378」46.「#836414」 47.「#837062」 48.「#837177」49.「#837178」50.「#837179」51.「#837180」52.「#837181」 53.「#837182」54.「#841066」55.「#844363」56.「#849575」57.「#855296」 58.「#861855」59.「#863388」60.「#870258」61.「#874017」62.「#874018」 63.「#874624」64.「#874625」65.「#8760 88」60.「#870258」61.「#874017」62.「#874018」 63.「#874624」64.「#874625」65.「#876057」66.「#876058」67.「#879609」 68.「#879610」69.「#880757」70.「#882442」71.「#883459」72.「#883775」 73.「#885345」 74.「#895808」75.「#895809」76.「#896998」77.「#896999」78.「#899353」 79.「#900708」80.「#900709」81.「#900710」82.「#901834」83.「#907019」 84.「#910355」85.「#913566」86.「#914682」87.「#916742」88.「#916743」 89.「#916744」90.「#916745」91.「#920362」92.「#921678」93.「#922321」 94.「#924009」95.「#924010」96.「#929953」97.「#937147」98.「#938132」 99.「#939633」 100.「#946535」101.「#949163」102.「#954101」103.「91758」104.「91759」 105.「91760」106.「91761」 35」101.「#949163」102.「#954101」103.「91758」104.「91759」 105.「91760」106.「91761」107.「91762」108.「91763」109.「91764」 110.「91765」111.「91766」112.「TX91758」113.「TX91759」114.「TX91760」 115.「TX91762」116.「TX91764」117.「TX91765」118.「TX91766」119.「TX92515」 120.「TX92516」以上 (別紙)特許目録特許番号特許第5982227号発明の名称照明器具出願日平成24年8月31日(以下「本件出願日」という。) 登録日平成28年8月5日(以下「本件登録日」という。)特許請求の範囲【請求項1】基板に配置された①発光素子を有する光源部と、前記光源部の熱を空気中へ発散させる放熱部と、前記放熱部の少なくとも一部を覆う外装部と、一部が被固定 部に固定されるブラケットと、を具備し、前記外装部の側部①には、前記放熱部が露出する開口部が形成され、前記ブラケットは、前記放熱部における前記開口部から露出する部分に回転自在に取り付けられ、前記外装部は、前記放熱部とは別体に形成され、前記放熱部から取り外し可能であ①り、前記放熱部において前記ブラケットが取り付けられている位置よりも光を照らす方向とは反対側とな る部分の少なくとも一部を覆う②ことを特徴とする照明器具。 【請求 放熱部から取り外し可能であ①り、前記放熱部において前記ブラケットが取り付けられている位置よりも光を照らす方向とは反対側とな る部分の少なくとも一部を覆う②ことを特徴とする照明器具。 【請求項2】基板に配置された発光素子を有する光源部と、前記光源部の熱を空気中へ発散させる放熱部と、前記放熱部の少なくとも一部を覆う外装部と、一部が被固定部に固定されるブラケットと、を具備し、前記外装部の側部には、前記放熱部が露 出する開口部が形成され、前記ブラケットは、前記放熱部における前記開口部から露出する部分に回転自在に取り付けられ、前記外装部は、前記放熱部とは別体に形成され、前記放熱部から取り外し可能であり、②前記放熱部は、前記ブラケットが取り付けられるボスを有し、該ボスを始点とした放熱フィンが形成されている、ことを特徴とする②請求項1に記載の照明器具。 以上 (別紙)本件各発明の構成要件一覧 1 本件発明1A 基板に配置された発光素子を有する光源部と、B 前記光源部の熱を空気中へ発散させる放熱部と、 C 前記放熱部の少なくとも一部を覆う外装部と、D 一部が被固定部に固定されるブラケットと、を具備し、E 前記外装部の側部には、前記放熱部が露出する開口部が形成され、F 前記ブラケットは、前記放熱部における前記開口部から露出する部分に回転自在に取り付けられ、 G 前記外装部は、前記放熱部とは別体に形成され、前記放熱部から取り外し可能であり、H 前記放熱部において前記ブラケットが取り付けられている位置よりも光を照らす方向とは反対側となる部分の少なくとも一部を覆うことI を特徴とする照明器具。 2 本件発明2A 基板に配置された発光素子を有する光 ラケットが取り付けられている位置よりも光を照らす方向とは反対側となる部分の少なくとも一部を覆うことI を特徴とする照明器具。 2 本件発明2A 基板に配置された発光素子を有する光源部と、B 前記光源部の熱を空気中へ発散させる放熱部と、C 前記放熱部の少なくとも一部を覆う外装部と、D 一部が被固定部に固定されるブラケットと、を具備し、 E 前記外装部の側部には、前記放熱部が露出する開口部が形成され、F 前記ブラケットは、前記放熱部における前記開口部から露出する部分に回転自在に取り付けられ、G 前記外装部は、前記放熱部とは別体に形成され、前記放熱部から取り外し可能であり、 J 前記放熱部は、前記ブラケットが取り付けられるボスを有し、該ボスを始点と した放熱フィンが形成されている、K ことを特徴とする照明器具。 以上 (別紙)被告製品の構成(原告主張)a 被告製品は、基板に配置されたLEDチップを有するLED光源15を備える(別紙被告製品説明書記載図7)。 b 被告製品は、LED光源15の熱を空気中に発散させるヒートシンク 11を備える(別紙被告製品説明書記載図6)。 c 被告製品は、ヒートシンクの少なくとも一部を覆う側周カバー12を備える(別紙被告製品説明書記載図1ないし図3)。 d 被告製品は、天井等に固定される固定部21と、本体部10に取り付けられるアーム22を有するブラケット20を備える(別紙被告製品 説明書記載図1ないし図3)。 e 側周カバー12は、側周面の一部が欠けて開口した円筒状であり、この側周カバー12の開口によってヒートシンク11の一部が露出している(別紙被告製品説明書記載図1ないし図3)。 f ブラケット20の一 側周カバー12は、側周面の一部が欠けて開口した円筒状であり、この側周カバー12の開口によってヒートシンク11の一部が露出している(別紙被告製品説明書記載図1ないし図3)。 f ブラケット20の一部であるアーム22は、側周カバー12の開口に よってヒートシンク11が露出した部分に取り付けられ、アーム22は本体部10に対して90度の範囲内で回転自在に取り付けられている(別紙被告製品説明書記載図1ないし図4)。 g 側周カバー12は、ヒートシンク11とは別体に形成されており、プラスネジ14を取り外すことで、側周カバー12をヒートシンク11 から取り外し可能である(別紙被告製品説明書記載図5、図6及び図8)。 h 側周カバー12は、ヒートシンク11におけるアーム22が取り付けられている位置よりもよりも光を照らす方向とは反対側となる部分の少なくとも一部を覆っている(別紙被告製品説明書記載図3)。 ⅰ 被告製品は、上記aないしhの特徴を有するスポットライトである。 j ヒートシンク11は、ブラケット20の一部であるアーム22が取り付けられるボス114を有し、該ボス114を始点としてフィン111が形成されている(別紙被告製品説明書記載図8ないし図10)。 k 被告製品は、上記aないしh及びjの特徴を有するスポットライトである。 以上 (別紙)被告製品説明書 概要被告製品は、ブラケットによって本体部が支持されるスポットライトである。 被告製品には多数の種類があるが、ブラケットによって本体部が支持される構造は全ての種類において共通している。 以下、被告製品を代表して、被告製品1(品番LZS-91748LW)の構造を説明する。 被告製品の全体構造 ラケットによって本体部が支持される構造は全ての種類において共通している。 以下、被告製品を代表して、被告製品1(品番LZS-91748LW)の構造を説明する。 被告製品の全体構造図1に示すように、被告製品1は、光を照射する本体部10と、本体部10を支持するブラケット20を備えている。 本体部10は、複数枚のフィン111を備えたヒートシンク11と、ヒートシンク11の周囲を部分的に覆う側周カバー12と、光の照射方向の先端に設けられて いる先端カバー13を備えている。 ブラケット20は、天井等に固定される固定部21と、固定部21の端部に取付けられているアーム22とを備えている。アーム22は、二叉に分かれた構造である。 ブラケットと本体部の取付構造図1ないし図3に示すように、本体部10は、二叉に分かれたアーム22の間にヒートシンク11が位置する状態で、ブラケット20に取付けられている。 側周カバー12は、側周面の一部が欠けて開口した円筒状である。この側周カバー12の開口によってヒートシンク11の一部が露出しており、この露出した部分 にアーム22が取付けられている。 また、図4に示すように、アーム22は、本体部10に対して、90度の範囲内で回転自在に取り付けられている。 被告製品の内部構造図5は本体部10を分解した写真である。図5に示すように、被告製品1は、側 周カバー12、ヒートシンク11及び先端カバー13が、プラスネジ14で取り付けられている。プラスネジ14は、側周カバー12のネジ穴121、ヒートシンク11のネジ穴112を貫通し、先端カバー13のネジ穴131に挿入されてネジ留めされている。このプラスネジ14を取り外すことで、側周カバー12及び先端カバ 、側周カバー12のネジ穴121、ヒートシンク11のネジ穴112を貫通し、先端カバー13のネジ穴131に挿入されてネジ留めされている。このプラスネジ14を取り外すことで、側周カバー12及び先端カバー13のそれぞれを、ヒートシンク11から取り外すことができる。 図6及び図7に示すように、被告製品1は、LED光源15を備えている。LED光源15は、基板上に配置された複数のLEDチップを、蛍光体を分散させた樹脂で封止した、いわゆるチップオンボード(COB)タイプの光源である。LED光源15は、ヒートシンク11上に取り付けられており、LED光源15で発生した熱はヒートシンク11へ伝達され、フィン111等を介して空気中へと発散され る。 ヒートシンクの構造図8に示すように、アーム22は、ヒートシンク11に対して、六角ネジ23によって取り付けられている。図9に示すように、六角ネジ23を取り外してアーム 22を取り外すと、六角ネジ23を挿入するためのボス穴113が露出する。 図10に示すように、両端にボス穴113が形成されているボス114は、フィン111の根元に形成されており、フィン111の始点となっている。 図面の簡単な説明 図1 被告製品1の斜視図(被告製品1の仕様書(甲8の1)から抜粋) 図2 被告製品1をヒートシンク側から見た背面図(被告製品1の仕様書(甲8の1)から抜粋)図3 被告製品1のブラケットとヒートシンクの接続部分を拡大した写真図4 被告製品1の可動範囲について説明した模式図(被告製品1の仕様書(甲8の1)から抜粋) 図5 被告製品1においてプラスネジを緩めてヒートシンク、先端カバー及び側周カバーを撮影した写真図6 被告製品1においてプラスネジ た模式図(被告製品1の仕様書(甲8の1)から抜粋) 図5 被告製品1においてプラスネジを緩めてヒートシンク、先端カバー及び側周カバーを撮影した写真 図6 被告製品1においてプラスネジを緩めてヒートシンク、先端カバー及び側周カバーを撮影した写真 図7 被告製品1の光源を接写した写真 図8 被告製品1においてプラスネジを緩めてヒートシンク、先端カバー及び側周カバーを撮影した写真 図9 被告製品1のヒートシンクからブラケットを取り外した状態の写真 図10 被告製品1のヒートシンクを接写した写真 符号の説明 1 被告製品1 10 本体部 11 ヒートシンク 111 フィン 112 ネジ穴 113 ボス穴 114 ボス 12 側周カバー 121 ネジ穴 13 先端カバー 131 ネジ穴 14 プラスネジ 15 LED光源 20 ブラケット 21 固定部 22 アーム 23 六角ネジ 図1 図2 図3 図4 図5 図6 図5 図6 図7 図8 図9 図10 以上

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