平成20(わ)497 法人税法違反,所得税法違反被告事件

裁判年月日・裁判所
平成20年7月3日 大阪地方裁判所
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判決文本文9,559 文字)

- 1 -主文被告人株式会社aを罰金1200万円に,被告人bを懲役1年6月に,被告人cを懲役1年及び罰金700万円に,被告人株式会社dを罰金800万円に,被告人eを懲役1年6月に,被告人fを懲役1年及び罰金300万円に,被告人gを懲役1年2月及び罰金1000万円に処する。 被告人gに対し,未決勾留日数中20日をその懲役刑に算入する。 被告人c,被告人f及び被告人gにおいてその罰金を完納することができないときは,被告人cについて金3万5000円を,被告人fについて金2万円を,被告人gについて金4万円を,それぞれ1日に換算した期間,その被告人を労役場に留置する。 被告人b及び被告人eに対し,この裁判確定の日から3年間それぞれその刑の執行を猶予し,被告人c及び被告人fに対し,この裁判確定の日から3年間それぞれその懲役刑の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)第1被告人株式会社a(以下「被告会社a」という)は,大阪府泉大津市内に。 本店を置き,不動産の売買等を目的とする資本金300万円の株式会社であり,被告人bは,被告会社aの代表取締役としてその業務全般を統括していたもの,被告人gはh株式会社外1社の代表取締役であるが, 被告人bは,被告会社aの業務に関し,その法人税を免れようと企て,同社の平成15年1月1日から同年9月30日までの事業年度における実際の所得金額が5289万5243円で,これに対する法人税額が1538万8100円であったにもかかわらず,上記h株式会社に対する架空仕入れを計上するなどして,その所得の一部を秘匿した上,同年11月27日,大阪府泉大津市二田町1丁目15番27号所在の所轄泉大津税務署において,同税務署長に対し,同事業年度における所得金額が2308万7950円で,こ- 2 -れに対する法人税額が所得税 11月27日,大阪府泉大津市二田町1丁目15番27号所在の所轄泉大津税務署において,同税務署長に対し,同事業年度における所得金額が2308万7950円で,こ- 2 -れに対する法人税額が所得税額を控除すると644万5700円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し,そのまま法定納期限を徒過させ,もって,不正の行為により,同事業年度における法人税894万2400円を免れ, 被告人bと被告人gは,共謀の上,被告会社aの業務に関し,その法人税を免れようと企て(1)同社の同年10月1日から平成16年9月30日までの事業年度における実際の所得金額が2336万2294円で,これに対する法人税額が636万1100円であったにもかかわらず,前同様の方法により,その所得の一部を秘匿した上,同年11月29日,同税務署において,同税務署長に対し,同事業年度における所得金額が1652万5141円で,これに対する法人税額が所得税額を控除すると431万円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し,そのまま法定納期限を徒過させ,もって,不正の行為により,同事業年度における法人税205万1100円を免れ,(2)同社の同年10月1日から平成17年9月30日までの事業年度における実際の所得金額が2062万9436円で,これに対する法人税額が551万3600円であったにもかかわらず,前同様の方法により,その所得の一部を秘匿した上,同年11月29日,同税務署において,同税務署長に対し,同事業年度における所得金額が1479万4137円で,これに対する法人税額が所得税額を控除すると376万3100円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し,そのまま法定納期限を徒過させ,もって,不正の行為により,同事業年度における法人税175万0500円を免れ,(3 得税額を控除すると376万3100円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し,そのまま法定納期限を徒過させ,もって,不正の行為により,同事業年度における法人税175万0500円を免れ,(3)同社の同年10月1日から平成18年9月30日までの事業年度における実際の所得金額が1億3906万5821円で,これに対する法人税額が4102万6200円であったにもかかわらず,前同様の方法により,- 3 -その所得の一部を秘匿した上,同年11月27日,同税務署において,同税務署長に対し,同事業年度における所得金額が2175万6504円で,これに対する法人税額が所得税額を控除すると583万3500円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し,そのまま法定納期限を徒過させ,もって,不正の行為により,同事業年度における法人税3519万2700円を免れ,第2被告人cは,同府岸和田市内に居住し,同所において「i」の商号で不動,産販売業を営んでいたものであるが,被告人cと被告人gは,共謀の上,被告人cの所得税を免れようと企て, 平成15年分の総所得金額が6506万9353円で,これに対する所得税額が2077万6800円であったにもかかわらず,上記h株式会社らとの間で利益を分配した旨装い,共同事業の利益の一部を除外して,その所得の一部を秘匿した上,平成16年3月15日,大阪府岸和田市土生町2丁目28番1号所在の所轄岸和田税務署において,同税務署長に対し,平成15年分の総所得金額が2747万5562円で,これに対する所得税額が686万7400円である旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出し,そのまま法定納期限を徒過させ,もって,不正の行為により,平成15年分の所得税1390万9400円を免れ, 平成16年分の総所得金額が3502万9993 る旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出し,そのまま法定納期限を徒過させ,もって,不正の行為により,平成15年分の所得税1390万9400円を免れ, 平成16年分の総所得金額が3502万9993円で,これに対する所得税額が966万2400円であったにもかかわらず,前同様の方法により,その所得の一部を秘匿した上,平成17年3月7日,同税務署において,同税務署長に対し,平成16年分の総所得金額が1434万8440円で,これに対する所得税額が237万1400円である旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出し,そのまま法定納期限を徒過させ,もって,不正の行為により,平成16年分の所得税729万1000円を免れ, 平成17年分の総所得金額が3281万0485円で,これに対する所得- 4 -税額が887万2000円であったにもかかわらず,前同様の方法により,その所得の一部を秘匿した上,平成18年3月14日,同税務署において,同税務署長に対し,平成17年分の総所得金額が1294万5868円で,これに対する所得税額が197万5700円である旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出し,そのまま法定納期限を徒過させ,もって,不正の行為により,平成17年分の所得税689万6300円を免れ, 平成18年分の総所得金額が1030万1624円で,これに対する所得税額が132万4200円であったにもかかわらず,前同様の方法により,その所得の一部を秘匿した上,平成19年3月12日,同税務署において,同税務署長に対し,平成18年分の総所得金額が278万6311円で,これに対する所得税額が12万4200円である旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出し,そのまま法定納期限を徒過させ,もって,不正の行為により,平成18年分の所得税120万円を免れ,第3被告人株式会社d 対する所得税額が12万4200円である旨の内容虚偽の所得税確定申告書を提出し,そのまま法定納期限を徒過させ,もって,不正の行為により,平成18年分の所得税120万円を免れ,第3被告人株式会社d(以下「被告会社d」という)は,大阪市内に本店を置。 き,駐車場の管理等を目的とする資本金9800万円(平成17年6月6日以降)の株式会社であり,被告人eは,平成18年2月8日までは被告会社dの実質的経営者として,同日からは同社の代表取締役としてその業務全般を統括しているもの,被告人fは,不動産売買等を目的とする株式会社jの実質的経営者であるものであるが,被告人e,被告人f及び被告人gは,共謀の上,被告会社dの業務に関し,その法人税を免れようと企て,同社の平成17年1月1日から同年12月31日までの事業年度における実際の所得金額が1億1373万3977円で,これに対する法人税額が3347万9900円であったにもかかわらず,不動産売却収入の一部を除外するなどして,その所得を秘匿した上,平成18年2月22日,大阪市内の所轄税務署において,同税務署長に対し,同事業年度における欠損金額が31万3062円で,これに対する法人税額が零円である旨の内容虚偽の法人税確定申告書を提出し,そのまま法定- 5 -納期限を徒過させ,もって,不正の行為により,同事業年度における法人税3347万9900円を免れたものである。 (証拠の標目)【省略】(法令の適用) 被告会社a及び被告人b(1)被告人bの判示第1の1の所為は平成16年法律第14号による改正前の法人税法(以下「平成16年改正前の法人税法」という)159条1項に,。 判示第1の2(1),(2)の各所為はいずれも刑法60条,平成16年改正前の法人税法159条1項に,判示第1の2(3)の所為は刑法60 (以下「平成16年改正前の法人税法」という)159条1項に,。 判示第1の2(1),(2)の各所為はいずれも刑法60条,平成16年改正前の法人税法159条1項に,判示第1の2(3)の所為は刑法60条,平成19年法律第6号附則157条により同法による改正前の法人税法(以下「平成19年改正前の法人税法」という)159条1項にそれぞれ該当するところ,各所。 定刑中いずれも懲役刑を選択し,以上は刑法45条前段の併合罪であるから,同法47条本文,10条により犯情の最も重い判示第1の2(3)の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で被告人bを懲役1年6月に処し,情状により同法25条1項を適用してこの裁判確定の日から3年間その刑の執行を猶予することとする。 (2)被告人bの判示第1の1,2(1)ないし(3)の各所為はいずれも被告会社aの業務に関してなされたものであるから,被告会社aにつき,いずれも平成19年改正前の法人税法164条1項によって,判示第1の1,2(1),(2)の各罪については,平成16年改正前の法人税法159条1項の罰金刑に,判示第1の2(3)の罪については,平成19年改正前の法人税法159条1項の罰金刑に処すべきところ,以上は刑法45条前段の併合罪であるから,同法48条2項により各罪所定の罰金の多額を合計した金額の範囲内で被告会社aを罰金1200万円に処することとする。 - 6 - 被告人c被告人cの判示第2の各所為はいずれも刑法60条,所得税法238条1項に該当するところ,各所定刑中いずれも懲役刑及び罰金刑を選択し,以上は刑法45条前段の併合罪であるから,懲役刑については同法47条本文,10条により犯情の最も重い判示第2の1の罪の刑に法定の加重をし,罰金刑については同法48条2項により各罪所定の罰金の多額を合計し,その刑期及 前段の併合罪であるから,懲役刑については同法47条本文,10条により犯情の最も重い判示第2の1の罪の刑に法定の加重をし,罰金刑については同法48条2項により各罪所定の罰金の多額を合計し,その刑期及び金額の範囲内で被告人cを懲役1年及び罰金700万円に処し,その罰金を完納することができないときは,同法18条により金3万5000円を1日に換算した期間被告人cを労役場に留置し,情状により同法25条1項を適用してこの裁判確定の日から3年間その懲役刑の執行を猶予することとする。 被告会社d及び被告人e(1)被告人eの判示第3の所為は刑法60条,平成19年改正前の法人税法159条1項に該当するところ,所定刑中懲役刑を選択し,その所定刑期の範囲内で被告人eを懲役1年6月に処し,情状により刑法25条1項を適用してこの裁判確定の日から3年間その刑の執行を猶予することとする。 (2)被告人eの判示第3の所為は被告会社dの業務に関してなされたものであるから,平成19年改正前の法人税法164条1項によって,判示第3の罪につき平成19年改正前の法人税法159条1項の罰金刑に処すべきところ,情状により法人税法159条2項を適用して,その罰金額をその免れた法人税の額に相当する金額以下とし,その金額の範囲内で被告会社dを罰金800万円に処することとする。 被告人f被告人fの判示第3の所為は刑法65条1項,60条,平成19年改正前の法人税法159条1項に該当するところ,所定刑中懲役刑及び罰金刑を選択し,その所定刑期及び金額の範囲内で被告人fを懲役1年及び罰金300万円に処し,その罰金を完納することができないときは刑法18条により金2万円を1日に換- 7 -算した期間被告人fを労役場に留置し,情状により同法25条1項を適用してこの裁判確定の日から3年間そ 万円に処し,その罰金を完納することができないときは刑法18条により金2万円を1日に換- 7 -算した期間被告人fを労役場に留置し,情状により同法25条1項を適用してこの裁判確定の日から3年間その懲役刑の執行を猶予することとする。 被告人g被告人gの判示第1の2(1),(2)の各所為はいずれも刑法65条1項,60条,平成16年改正前の法人税法159条1項に,判示第1の2(3),第3の各所為はいずれも刑法65条1項,60条,平成19年改正前の法人税法159条1項に,判示第2の各所為はいずれも刑法65条1項,60条,所得税法238条1項にそれぞれ該当するところ,各所定刑中いずれも懲役刑及び罰金刑を選択し,以上は刑法45条前段の併合罪であるから,懲役刑については同法47条本文,10条により犯情の最も重い判示第1の2(3)の罪の刑に法定の加重をし,罰金刑については同法48条2項により各罪所定の罰金の多額を合計し,その刑期及び金額の範囲内で被告人gを懲役1年2月及び罰金1000万円に処し,同法21条により未決勾留日数中20日をその懲役刑に算入することとし,その罰金を完納することができないときは同法18条により金4万円を1日に換算した期間被告人gを労役場に留置することとする。 (量刑の理由) 被告会社a及び被告人bについて被告会社aにかかる法人税のほ脱額は,4期合計で約4793万円余りに上っている上,ほ脱率も,4期通算で約70.1%と高い。ほ脱の方法は,被告人gら,いわゆるB勘屋と呼ばれる者に依頼し,架空の事業者との共同事業を行ったように装い,自社の利益を圧縮するというものであり,架空の共同事業者が真実の共同事業者であるかのように装うために虚偽の領収書や覚書まで作成しているのであって,周到・巧妙で悪質なものである。被告人bは,事業がうま 自社の利益を圧縮するというものであり,架空の共同事業者が真実の共同事業者であるかのように装うために虚偽の領収書や覚書まで作成しているのであって,周到・巧妙で悪質なものである。被告人bは,事業がうまくいかなくなったときに備えて資金を蓄えておきたい,ぜいたくもしたいし,子供にも資産を残してやりたいなどと考えて脱税していたものであるが,このような動機にも酌量の余地はない。 - 8 -以上によれば,被告会社a及び被告人bの刑事責任は,いずれも重い。 他方,被告会社aにおいて,修正申告の上,本件起訴にかかる法人税の本税及び重加算税等を既に納付済みであること,被告会社aに前科はなく,被告人bについても交通違反の罰金前科及び20年以上前の執行猶予付の懲役前科のほかに前科はないこと,被告人bに代わって被告会社aの代表取締役となった妻が,今後は顧問税理士の指導のもとで適正な納税を行っていく旨述べていること,被告人bが本件犯行を反省していることなど,同被告人らにとって有利に考慮すべき事情も認められる。 そこで,これらの事情を総合考慮し,被告会社aを主文の罰金刑に,被告人bを主文の懲役刑に処するが,被告人bについては今回に限りその刑の執行を猶予し,社会内での更生の機会を与えるのが相当であると判断した。 被告人cについて被告人cにかかる所得税のほ脱額は,4年分で合計約2929万円余りに上っており,ほ脱率も,4年分通算で約72.1%と高い。ほ脱の方法についても,B勘屋を介在させる手口は前同様であり,周到・巧妙で悪質なものである。被告人cは,将来に備えて資金を蓄えておきたいなどと考えて脱税したものであるが,このような動機にも酌量の余地はない。 以上によれば,被告人cの刑事責任は重い。 他方,被告人cにおいて,修正申告の上,本件起訴にかかる所得税(本税)を既に おきたいなどと考えて脱税したものであるが,このような動機にも酌量の余地はない。 以上によれば,被告人cの刑事責任は重い。 他方,被告人cにおいて,修正申告の上,本件起訴にかかる所得税(本税)を既に納付済みであり,附帯税についても納付の見込みであること,交通違反による罰金前科のほかに前科はないこと,妻が当公判廷に出廷し,今後の監督を誓約していること,本件犯行を反省していることなど,被告人cにとって有利に考慮すべき事情も認められる。 そこで,これらの事情を総合考慮し,被告人cについては主文の懲役刑及び罰金刑に処するが,懲役刑については今回に限りその刑の執行を猶予し,社会内での更生の機会を与えるのが相当であると判断した。 - 9 - 被告会社d及び被告人eについて被告会社dにかかるほ脱額は,1期で約3347万円余りに及んでおり,ほ脱率も100%と極めて高い。ほ脱の方法についても,B勘屋を不動産売買に介在させ,自社の利益を圧縮するというものであり,これまた周到・巧妙で悪質なものである。被告人eは,被告会社dの運転資金や借入金の返済資金を得るために本件脱税に及んだものであるが,このような動機にも特に酌むべき事情があるとはいえない。 以上によれば,被告会社d及び被告人eの刑事責任は,いずれも重い。 他方,被告会社dにおいて,修正申告の上,本税及び附帯税が既に納付されていること,被告会社d及び被告人eに前科前歴はないこと,本件申告後に被告会社dの顧問となった税理士が当公判廷に出廷し,今後は適正な納税が行われるように努める旨述べていること,被告人eが本件犯行を反省していることなど,同被告人らにとって有利に考慮すべき事情も認められる。 そこで,これらの事情を総合考慮し,被告会社dを主文の罰金刑に,被告人eを主文の懲役刑に処するが,被告人eについては今回 を反省していることなど,同被告人らにとって有利に考慮すべき事情も認められる。 そこで,これらの事情を総合考慮し,被告会社dを主文の罰金刑に,被告人eを主文の懲役刑に処するが,被告人eについては今回に限りその刑の執行を猶予し,社会内での更生の機会を与えるのが相当であると判断した。 被告人fについて被告人fは,上記被告会社dの脱税に当たり,B勘屋を介在させた不動産売買の仲介を行ったものであって,その果たした役割は大きい。被告人fは,自らもその利益の分配を受けることを期待して脱税に関与したものであり,現に,約1300万円という高額の利益を得たのであって,この点は厳しい非難を免れない。 以上によれば,被告人fの刑事責任は重い。 他方,被告人fは,本件で自らが経営する会社が得た簿外の利益を含め,同社の過去5年分の法人税について,修正申告を行った上納付しており,納税意識の改善が見られること,交通違反による罰金前科以外に前科はないこと,妻が当公判廷に出廷し,今後の監督を誓約していること,被告人fが本件犯行を反省して- 10 -いることなど,被告人fにとって有利に考慮すべき事情も認められる。 そこで,これらの事情を総合考慮し,被告人fを主文の懲役刑及び罰金刑に処するが,懲役刑については今回に限りその執行を猶予し,社会内での更生の機会を与えるのが相当であると判断した。 被告人gについて本件起訴にかかる被告人gが関与したほ脱額は,総額で約1億0177万円余りと高額である。ほ脱率も,被告会社aは3期通算で約73.6パーセント,その他も上記2,3のとおりであって,いずれも高率である。被告人gは,納税義務者側からの依頼に応じ,又はこれらの者に脱税を持ちかけるなどしてその脱税に関与したものであるが,本件各脱税は,いわゆるB勘屋である被告人gの存在なくして て,いずれも高率である。被告人gは,納税義務者側からの依頼に応じ,又はこれらの者に脱税を持ちかけるなどしてその脱税に関与したものであるが,本件各脱税は,いわゆるB勘屋である被告人gの存在なくしてはなし得なかったものであって,その果たした役割は重大である。被告人gは,各納税義務者における利益圧縮額に応じた手数料を得るために本件各犯行に及び,これによって,少なくとも約1200万円余りという高額の報酬を得ていたと認められる(なお,報酬額が200万円弱であったとする被告人gの公判供述は関係証拠に照らして信用できない。被告人gは,長年にわたり,い。)わゆるB勘屋として,他人の脱税に協力し,その手数料を得ることを生活の糧としてきたものであり,本件は職業的かつ常習的な犯行であって,犯情は相当に悪く,他の被告人らにも増して厳しい非難に値するというべきである。被告人gには納税意識が欠如していたことが明らかであって,被告人gの公判での供述を見ても,本件の重大性の認識や納税に対する意識はなお不十分といわざるを得ない。 以上によれば,被告人gの刑事責任は重い。 他方,被告人gは高齢で,健康状態も優れないこと,本件により一定期間身柄を拘束されていたこと,交通違反の罰金前科及び20年以上前の罰金前科のほかに目立った前科はないことなど,被告人gにとって有利に考慮すべき事情も認められる。 しかし,これらの有利な事情も,上記のような刑事責任の重さに照らすと,被- 11 -告人gにつき懲役刑の執行を猶予するほどのものとまでは認めがたく,実刑に処することはやむを得ないものといわざるを得ない。そこで,被告人gを主文の懲役刑及び罰金刑に処するのが相当であると判断した。 よって,主文のとおり判決する。 求刑被告会社aにつき罰金1700万円被告人bにつき懲役1年6月被告人 わざるを得ない。そこで,被告人gを主文の懲役刑及び罰金刑に処するのが相当であると判断した。 よって,主文のとおり判決する。 求刑被告会社aにつき罰金1700万円被告人bにつき懲役1年6月被告人cにつき懲役1年及び罰金1000万円被告会社dにつき罰金1200万円被告人eにつき懲役1年6月被告人fにつき懲役1年及び罰金300万円被告人gにつき懲役2年及び罰金1000万円平成20年7月3日大阪地方裁判所第12刑事部裁判長裁判官並木正男裁判官渡部市郎裁判官安原和臣

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