【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 当審における未決勾留日数中六〇日を本刑に算入する。 理 由 弁護人植木敬夫の上告趣意について。 原判決は、「本件A、
主文 本件上告を棄却する。 当審における未決勾留日数中六〇日を本刑に算入する。 理由 弁護人植木敬夫の上告趣意について。 原判決は、「本件A、B両巡査が被告人に対し、職務質問をするに至つた経緯は、前記A証人の供述する如くであつて、被告人の服装、年令、態度、携帯品などから推して当時戸塚署管内に頻発していた窃盗事件に関係がありはしないかとの疑を抱いたことは警察吏員としてはまさに当然であり、更にその所持に係る風呂敷包みの内容について呈示を求められるや俄かに歩きはじめ更に逃げ出す等の異常の態度を示すに至つたため両巡査において益々犯行を犯した者でないかとの疑念を強くし停止を求めるためにその跡を追いかけたことは極めて当然の成行であり、追跡という行動は単に逃走する相手方の位置に接近する手段として必要な自然な行動であつて、かかる手段をもつて強制又は強制的手段とは認められないことは勿論であり、また、これを以て逮捕行為と目すこともできない。」旨並びに「本件訴訟記録全体を精査しても前顕両巡査が被告人に対しその所持品の呈示を強要したと認められるような証拠はなく、あくまで任意の呈示を求めたに過ぎないこと明らかである」旨を判示している。されば、所論違憲の主張は、その前提を欠き刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また、原判決の認定した事実関係の下における法令解釈に関する判示は正当であると認められるから、刑訴四一一条を適用すべきものとも思われない。 被告人本人の上告趣意について。 論旨一は、事実誤認並びにこれを前提とする法令違反の主張を出でないものであり、同二、三は、原判決に影響を及ぼさない事項に関する非難に過ぎないものであり、同四は、原判決の判示に副わない事実関係(弁護人の上告趣意について説明し- 1 -たよ 令違反の主張を出でないものであり、同二、三は、原判決に影響を及ぼさない事項に関する非難に過ぎないものであり、同四は、原判決の判示に副わない事実関係(弁護人の上告趣意について説明し- 1 -たように原判決は、A、B両巡査が被告人に対してその所持品の呈示を強要した事実は認められないとしている。)を前提とする違憲違法の主張であつて、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また、記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。 よつて、同四一四条、三八六条一項三号、刑法二一条により裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。 昭和二九年一二月二七日最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官真野毅裁判官斎藤悠輔裁判官岩松三郎裁判官入江俊郎- 2 -
▼ クリックして全文を表示