主文 1 被申立人SDIVISIONHOLDINGSINC.及び被申立人甲は、いずれも、金融商品取引法4条1項本文の規定の適用を受ける外国法人の発行する証券で社債券の性質を有するもの又はこれに表示されるべき権利であって、当該証券が発行されていない場合における当該権利について、同項本文の届 出をするまでは、同法2条3項に規定する有価証券の募集を行ってはならない。 2 被申立人SDIVISIONHOLDINGSINC.及び被申立人甲は、いずれも、金融商品取引法4条1項本文の規定の適用を受ける外国法人の発行する証券で社債券の性質を有するもの又はこれに表示されるべき権利であって、当該証券が発行されていない場合における当該権利について、同項本文の届 出がその効力を生じるまでは、これを同法2条3項に規定する有価証券の募集により取得させてはならない。 3 被申立人株式会社STEPCAPITALMANAGEMENT及び被申立人甲は、いずれも、金融商品取引法29条所定の登録(ただし、業務の種別を第一種金融商品取引業とするもの)その他同法所定の適式の登録を受けずに、外国 法人の発行する証券で社債券の性質を有するもの又はこれに表示されるべき権利であって、当該証券が発行されていない場合における当該権利及び社債券又はこれに表示されるべき権利であって当該社債券が発行されていない場合における当該権利について、募集又は私募の取扱いを業として行ってはならない。 4 被申立人株式会社STEPCAPITALMANAGEMENT及び被申立 人甲は、いずれも、金融商品取引法4条1項本文の規定の適用を受ける社債券又はこれに表示されるべき権利であって当該社債券が発行されていない場合における当該権利について、同項本文の届出を 被申立 人甲は、いずれも、金融商品取引法4条1項本文の規定の適用を受ける社債券又はこれに表示されるべき権利であって当該社債券が発行されていない場合における当該権利について、同項本文の届出をするまでは、同法2条3項に規定する有価証券の募集を行ってはならない。 5 被申立人株式会社STEPCAPITALMANAGEMENT及び被申立 人甲は、いずれも、金融商品取引法4条1項本文の規定の適用を受ける社債券又 はこれに表示されるべき権利であって当該社債券が発行されていない場合における当該権利について、同項本文の届出がその効力を生じるまでは、これを同法2条3項に規定する有価証券の募集により取得させてはならない。 6 手続費用は各自の負担とする。 理由 第1 申立て主文第1項から第5項までと同旨第2 事案の概要本件は、内閣総理大臣の権限を委任された申立人が、被申立人SDIVISIONHOLDINGSINC.(以下「被申立人SDH社」という。) 及び被申立人甲において、①金融商品取引法(以下「金商法」という。)4条1項本文に違反して、同項所定の届出をせずに有価証券の募集を行っている(申立ての趣旨第1項関係)、②金商法15条1項に違反して、同法4条1項本文所定の届出をせずに有価証券を募集により取得させている(申立ての趣旨第2項関係)、また、被申立人株式会社STEPCAPITALMANAGEME NT(以下「被申立人キャピタル社」という。)及び被申立人甲において、③金商法29条に違反して、同条所定の登録を受けずに有価証券の募集又は私募の取扱いを業として行っている(申立ての趣旨第3項関係)、④金商法4条1項本文に違反して、同項所定の届出をせずに有価証券の募集を行っている(申立ての趣旨第4項関係) を受けずに有価証券の募集又は私募の取扱いを業として行っている(申立ての趣旨第3項関係)、④金商法4条1項本文に違反して、同項所定の届出をせずに有価証券の募集を行っている(申立ての趣旨第4項関係)、⑤金商法15条1項に違反して、同法4条1項本文所定の 届出をせずに有価証券を募集により取得させている(申立ての趣旨第5項関係)として、同法192条1項に基づき、被申立人らに対して主文第1項から第5項までの金商法違反行為の禁止及び停止(以下「禁止等」という。)を命ずることを求める事案である。 1 前提事実(後掲証拠及び審問の全趣旨により容易に認定できる事実) ⑴ 当事者等 ア申立人申立人は、金商法192条1項の規定による内閣総理大臣の権限について、同法194条の7第1項に基づき内閣総理大臣から権限の委任を受けた金融庁長官から、同条4項2号に基づき権限の委任を受けた者である。 イ被申立人ら (ア) 被申立人甲被申立人甲は、平成25年頃からフィリピン共和国(以下「フィリピン」という。)の不動産事業や金融業に関与し始め、フィリピン及び日本国内において被申立人キャピタル社を始めとする関連法人を複数設立又は買収した。被申立人甲は、平成29年にこれら複数の関連法人を統括す るために被申立人SDH社を設立し、それ以降も同種又は異種の事業を営む複数のフィリピンの現地法人を設立又は買収し、被申立人SDH社のグループ法人に加えた(以下、これらのフィリピン及び日本における複数の被申立人SDH社のグループ法人を総称して「SDH社グループ」という。)。被申立人甲はSDH社グループの実質的経営者である。(甲2の1・ 2、甲3、4、34の1・2、乙30)(イ) 被申立人キャピ のグループ法人を総称して「SDH社グループ」という。)。被申立人甲はSDH社グループの実質的経営者である。(甲2の1・ 2、甲3、4、34の1・2、乙30)(イ) 被申立人キャピタル社被申立人キャピタル社は、金銭の貸付け、有価証券の管理及び売買、ファイナンスコンサルティング事業等を目的として平成26年11月12日に設立された株式会社であり、被申立人甲が代表取締役を務めている。 元々は被申立人甲が経営するフィリピンの関連法人の金融業に関する日本側の窓口として設立されたが、やがてSDH社グループの資金調達を担う会社としての側面が強くなり、主に自社の発行する社債(以下「キャピタル社債」という。)や被申立人SDH社の発行する証券(以下「SDH社証券」という。)の取得勧誘及び販売を行っている。(甲3、4) (ウ) 被申立人SDH社 被申立人SDH社は、フィリピン所在の外国法人であり、SDH社グループを統括する投資持株会社として平成29年7月5日に設立された。 同社の代表者である社長は被申立人甲であり、同人は対外的には同社の会長として活動しているが、実質的には被申立人甲により経営されている。 (甲3、34の1・2、乙30) (エ) 金融商品取引業者としての登録被申立人甲、被申立人キャピタル社及び被申立人SDH社は、いずれも、現在に至るまで、金商法29条の規定による金融商品取引業者としての登録を受けていない。(甲6)⑵ キャピタル社債について ア概要(甲8、19、20、26、31)被申立人キャピタル社は、平成28年10月からキャピタル社債(1口当たりの金額が10万円から1000万円、利息が主に年利6%から60%、償還期限が主に1年から3年の範囲で定められたもの)の 1)被申立人キャピタル社は、平成28年10月からキャピタル社債(1口当たりの金額が10万円から1000万円、利息が主に年利6%から60%、償還期限が主に1年から3年の範囲で定められたもの)の発行を開始した。 権利を表示する証券又は証書は発行されていない。 キャピタル社債は取得勧誘を行う主体毎に償還期限の設定方法等が異なっているところ、取得勧誘を行っていた代理店である株式会社ThousandVentures(以下「TV社」という。)が取り扱うもの(以下「TV社取扱社債」という。)は、いずれも償還期限を運用開始月(募集月の3か月後)から3年後、年利を12%とするものであった。 イ取得勧誘等の状況(甲26)令和3年に発行されたTV社取扱社債のうち、以下の月に発行されたものについて、取得勧誘及び取得させる行為が行われた延べ人数とその発行価額総額は以下のとおりであった。 9月発行分:102名、計2億1600万円 12月発行分:91名、計2億4600万円 ウ金商法上の届出被申立人キャピタル社は、キャピタル社債の発行について、内閣総理大臣に対し有価証券届出書及び訂正有価証券届出書の提出を行ったことがない。 (甲28)⑶ SDH社証券について ア概要(甲8、16、29)(ア) 被申立人SDH社は、令和3年6月以降、令和4年9月頃までは、主にSDivisionHoldingsinc. Portfolio 社債という名称のSDH社証券(以下「ポートフォリオ社債」という。)を発行していた。権利を表示する証券又は証書は発行されていない。ポートフォリオ社債は、募集期間が令和3 年6月1日から令和8年8月25日まで、元金償還 券(以下「ポートフォリオ社債」という。)を発行していた。権利を表示する証券又は証書は発行されていない。ポートフォリオ社債は、募集期間が令和3 年6月1日から令和8年8月25日まで、元金償還日が令和9年5月31日と定められている。その種別や内容は概ね以下のとおりである。 1口当たりの金額利息利息の支払周期利息支払時の金額10万円年 8%6ヶ月目まで月1回、7ヶ月目以降は3ヶ月経過ごと6ヶ月目まで1回666円、7ヶ月目以降は1回3ヶ月分の額100万円年12%毎月1回配当1回1万円300万円年16%同上1回4万円500万円年18%同上1回7万5000円1000万円年24%同上1回20万円(イ) 被申立人SDH社は、令和4年10月以降、主に分散型フィリピン社債という名称のSDH社証券(以下、これとポートフォリオ社債とを併せて「SDH社債」という。)を発行していた。権利を表示する証券又は証書は 発行されていない。償還期限は2年間であり、償還期日の3か月前に解約申請がない場合はその時点の商品体系により自動更新となる。その種別や内容は概ね以下のとおりである。 1口当たりの金額利息利息の支払周期利息支払時の金額10万円年 6%6ヶ月目まで月1回、7ヶ月目以降は3ヶ月経過ごと6ヶ月目まで1回500円、7ヶ月目以降は1回3ヶ月分の額100万円年 8%毎月1回配当1回6666円300万円年10%同上1回2万5000円500万円年12%同上1回5万円1000万円年15%同上1回12万5000円イ取得勧誘等の状況(甲30)令和4年に発行さ %同上1回2万5000円500万円年12%同上1回5万円1000万円年15%同上1回12万5000円イ取得勧誘等の状況(甲30)令和4年に発行されたポートフォリオ社債のうち、以下の月の発行分のものについて、取得勧誘及び取得させる行為が行われた延べ人数とその発行価額総額は以下のとおりであった。 7月発行分(年利16%):60名、計1億8000万円 同月発行分(年利24%):102名、計15億8000万円8月発行分(年利24%):89名、計11億1000万円9月発行分(年利12%):132名、計1億4600万円同月発行分(年利16%):102名、計3億0600万円同月発行分(年利18%):76名、計3億8000万円 同月発行分(年利24%):136名、計19億3000万円ウ金商法上の届出被申立人SDH社は、SDH社債の発行について、内閣総理大臣に対し有価証券届出書及び訂正有価証券届出書の提出を行ったことがない。(甲27) 2 当事者の主張の要旨 ⑴ 申立人の主張の要旨ア金商法等に違反する行為を行い又は行おうとする者であること (ア) 被申立人SDH社及び被申立人甲は、有価証券(金商法2条1項17号、同項5号、同条2項)に当たるポートフォリオ社債の令和4年7月発行分から9月発行分までについて、それぞれ50名以上の者を相手に有価証券届出書を提出することなく、いずれも発行価額総額1億円以上を募集し、届出の効力発生前にこれらを取得させたため、金商法4条1項及び1 5条1項に違反する行為を行う者に該当する。 また、被申立人甲は、金商法に抵触するおそれがあるとの認識を持ちながら、有価証券の募集に係る金商法の規制を潜脱する目的でSD 、金商法4条1項及び1 5条1項に違反する行為を行う者に該当する。 また、被申立人甲は、金商法に抵触するおそれがあるとの認識を持ちながら、有価証券の募集に係る金商法の規制を潜脱する目的でSDH社債の発行による資金調達を行っており、償還すべき金額が多額であること等も踏まえると、被申立人SDH社及び被申立人甲が、今後も無届でSDH社 債又はSDH社グループの他の外国法人の社債の募集を行う可能性は高く、金商法4条1項及び15条1項に違反する行為を行おうとする者に当たる。 (イ) 被申立人キャピタル社及び被申立人甲は、金商法29条所定の登録を受けずに、第一種金融商品取引業に当たる有価証券(金商法2条1項17 号、同項5号、同条2項)であるSDH社債の募集又は私募の取扱いを業として行った者であるから、金商法29条に違反する行為を行う者に該当する。また、被申立人キャピタル社及び被申立人甲は、有価証券(金商法2条1項5号、同条2項)に当たるTV社取扱社債の令和3年9月発行分及び12月発行分について、それぞれ50名以上の者を相手に有価証券届 出書を提出することなく、いずれも発行価額総額1億円以上を募集し、届出の効力発生前にこれらを取得させたため、金商法4条1項及び15条1項に違反する行為を行う者に該当する。 さらに、被申立人キャピタル社及び被申立人甲は、今後も、無登録でSDH社債又はSDH社グループの他の法人の発行する社債等の募集又は 私募の取扱いを業として行ったり、無届でキャピタル社債又はSDH社グ ループの他の内国法人の社債の募集を行ったりする可能性が高く、金商法4条1項、15条1項及び29条に違反する行為を行おうとする者に当たる。 イ緊急の必要があり、かつ、公益及び投資者保護のため必要かつ適当である 法人の社債の募集を行ったりする可能性が高く、金商法4条1項、15条1項及び29条に違反する行為を行おうとする者に当たる。 イ緊急の必要があり、かつ、公益及び投資者保護のため必要かつ適当であること 無登録金融商品取引業及び無届募集行為は、金商法が企図する公益及び投資者保護という目的を全うするための根幹をなす登録制度等を無視する重大な違法行為であるところ、被申立人らは、SDH社グループの資金調達のため、6年以上の長期にわたって無届募集等を継続し、その結果、少なくとも延べ4385名の一般投資家に対し合計200億円を超える社債を購入 させており、社債購入者が現時点において具体的に損失を被っていないとしても、返金の実現可能性は不明であり、無登録金融商品取引業及び無届募集行為自体が金融商品等の公正な取引を害するものである。そして、被申立人らが今後も同様の金商法違反の行為を行う蓋然性はなお高い。特に、被申立人甲は、SDH社グループの中心人物として勧誘行為等において極めて重要 な役割を果たしている上に、金商法上の規制を認識しながら無届募集等を継続するなど金商法に対する遵法意識が乏しく、別法人を設立するなどして無届募集等を継続する蓋然性が高い。被申立人らは、同種行為を継続する意図はない旨主張するが、今後多額の償還金を支払うために資金調達を行う必要性があることからすると、容易く受け入れることはできない。したがって、 被申立人甲個人も含む被申立人らの無届募集等の行為を直ちに差し止めなければ、一般投資家が的確な投資判断ができないままにその購入を決めてしまうおそれが高く、公益及び投資者保護の実現のためには、金商法192条1項に基づき、裁判所に対して被申立人らの行為の禁止等を求める以外に、十分な手段が存在しない。一方、本件申立て その購入を決めてしまうおそれが高く、公益及び投資者保護の実現のためには、金商法192条1項に基づき、裁判所に対して被申立人らの行為の禁止等を求める以外に、十分な手段が存在しない。一方、本件申立ては顧客への返金の禁止を求める ものではない。 よって、被申立人らによる本件申立てに係る行為を禁止等する緊急性があり、かつ、公益及び投資者保護のため必要かつ適当であることは明らかである。 ⑵ 被申立人らの主張の要旨被申立人らは、申立人が主張する金商法に抵触する無登録金融商品取引業 及び無届募集行為を行いはしたものの、社債により得た資金は実際にSDH社の事業等に運用し、収益を上げ、投資家の信頼を裏切らずに遅滞なく利息の支払及び元金の返還を行ってきたのであり、投資家による嘆願書はこれを裏付けるものである。もっとも、被申立人らは、当該金商法違反行為については真摯に反省し、二度とこれを繰り返さないことを誓約するとともに、現存 する社債の全てを解約し、投資家に対して全額返金を行うための手続を迅速かつ丁寧に進めている。実際に多数の社債が解約されるに至っており、今後短期間で全ての社債が解約できると共に投資家に対する返金にも着手できる見込みである。このような状況下で再び社債を発行することは不可能である。 また、社債の発行残高合計約229億円の返金は、総額370億円の資産を 有するSDH社グループの会社の利益や協力会社による支払支援によって確実に実現できる見込みである。そして、SDH社グループは既に前記資産を形成するに至っているのだから、今後資金調達の目的で日本国内において社債を発行・販売する必要はない。令和5年1月以降も被申立人SDH社が日本国内で社債を販売していた点については、投資家の要望を受けたというこ とと、被 ら、今後資金調達の目的で日本国内において社債を発行・販売する必要はない。令和5年1月以降も被申立人SDH社が日本国内で社債を販売していた点については、投資家の要望を受けたというこ とと、被申立人甲の誤解によるものにすぎない。すなわち、被申立人甲は、小規模私募債の規制については1回の募集で1億円以下・50人未満の要件を充たせば足りると誤解していた。また、SDH社債についても国外の社債であるから日本国内の法令規制の対象外であると誤解していた。被申立人キャピタル社は、SDH社グループの会社であるため、SDH社債を誤って私募 債と同一視していた。これらの誤解により被申立人甲及び被申立人キャピタ ル社は所定の登録をしていなかったにすぎない。 一方、本件申立てに係る行為の禁止等が命じられた場合、社債購入者に動揺が広がり大きな混乱を招く危険が拭えず、それにより現在円滑に進めている社債の解約手続に支障を来し、返金・償還が更に遅れ、結果として投資家を害することとなる可能性が高い。 これらの事情を考慮すると、本件においては、被申立人らに対して禁止及び停止命令を発すべき緊急の必要は既に失われており、かつ、公益及び投資者保護のため必要かつ適当ともいえない。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実 前記前提事実に加え、後掲証拠及び審問の全趣旨を総合すれば、次の事実が認められる。 ⑴ 被申立人甲による資金調達方法の変遷についてア被申立人甲は、平成28年10月以降、SDH社グループのフィリピンにおける事業資金の調達を理由に、被申立人キャピタル社において社債を発行 するようになった。実際に調達した資金は、投資家への社債の利息及び元本の支払原資や、代理店等への手数料等の支払原資にも用いられていた。また、被申立 に、被申立人キャピタル社において社債を発行 するようになった。実際に調達した資金は、投資家への社債の利息及び元本の支払原資や、代理店等への手数料等の支払原資にも用いられていた。また、被申立人甲は、平成30年8月、被申立人キャピタル社と同じ本店所在地に、同社社員を代表取締役として、海外送金用の銀行口座取得及び社債発行を目的とする実体のない会社である株式会社STEP及び株式会社SDIVI SIONを設立し、遅くとも平成30年10月頃から株式会社STEPの社債を、遅くとも令和4年6月頃から株式会社SDIVISIONの社債を発行し、資金調達を行っていた。(甲3、8、9、10、12、13)イ被申立人甲は、国内法人による社債発行の規模等が金商法に抵触するおそれがあるとの認識を持つようになり、外国法人による有価証券発行に切り替 えれば監督官庁から目を付けられることもないだろうと考え、令和3年6月 以降、SDH社グループの中心的な資金調達手段を、国内法人による社債発行を中心としたものから、被申立人甲が会長として実質的に経営している被申立人SDH社によって日本国内の投資家に対してSDH社証券を発行する形に切り替えた。(甲3、8)⑵ キャピタル社債について アキャピタル社債は平成28年10月以降継続的に発行されてきたが、主な資金調達手段がSDH社証券発行に移行した令和3年6月以降は発行回数が減り、現在は特別社債という名称で資金需要に応じて散発的に発行されている。(甲8)イキャピタル社債の具体的な内容は、被申立人甲が発行の都度決定していた。 その際、被申立人甲は、国内会社が発行する社債の募集に関して、利率や償還期限が同一のものを50名以上の投資者に対し総額1億円以上発行すると金商法 内容は、被申立人甲が発行の都度決定していた。 その際、被申立人甲は、国内会社が発行する社債の募集に関して、利率や償還期限が同一のものを50名以上の投資者に対し総額1億円以上発行すると金商法による規制を受けると認識しており、当該規制を回避するため、同一時期の募集であるにもかかわらず、社債の名称を変える、利率や償還日を変える、それぞれに回号を付して社債を発行する、1回分の申込者数が50 名以上となった場合にはその数が50名未満となるよう回号を振り分けるなどしていた。また、キャピタル社債において前記基準を超過してしまう際に、会社名を変えて発行すれば問題ないと考え、株式会社SDIVISIONや株式会社STEPの名前で社債を発行したこともあった。 (甲8、23、26) ウキャピタル社債の取得勧誘及び販売は、被申立人甲、被申立人キャピタル社の従業員のほか、業務委託契約を締結している法人である代理店や個人事業主が行っていた。被申立人甲及び被申立人キャピタル社の従業員は、一般投資家に対し、SDH社グループの事業内容や商品概要を説明する等して取得勧誘を行っていた。説明時の商品概要、募集要項等の資料は被申立人甲が 考え、実際の作成は前記従業員等が行い、同資料を代理店にも提供していた。 (甲8、23~25)エ平成28年10月から令和4年11月までに発行されたキャピタル社債の販売状況は、少なくとも合計購入金額が52億2690万円(購入延べ人数合計2001名)であった。(甲31)キャピタル社債の合計発行残高(返還未了の元本)は、令和5年8月末時 点において、38億9740万円(購入延べ人数合計1644名)である。 (乙18、36、37、40の1)⑶ SDH社証券についてア前記⑴イ 行残高(返還未了の元本)は、令和5年8月末時 点において、38億9740万円(購入延べ人数合計1644名)である。 (乙18、36、37、40の1)⑶ SDH社証券についてア前記⑴イ記載の経緯により、被申立人甲は、SDH社グループの中心的な資金調達手段とするため、令和3年6月以降、SDH社債等のSDH社証券 の商品組成を行い、被申立人SDH社の会長として同社をしてSDH社証券の本格的な発行を開始させた。SDH社債の取得勧誘及び販売の方式は、行為主体及び方法の点において、前記⑵ウ記載のキャピタル社債の取得勧誘及び販売とおおむね同一の方式が踏襲され、被申立人甲及び被申立人キャピタル社の従業員によって、取得勧誘等が行われた。(甲8、22~25) イ令和4年10月までの、SDH社債の販売状況は、合計購入金額が152億4930万円(購入延べ人数合計2384名)であり、令和4年12月5日時点のSDH社債の合計発行残高は144億4475万円(購入延べ人数合計2274名)であった。なお、申立人の調査によれば、令和3年8月から令和4年9月までの間において、日本国内の関係会社から被申立人SDH 社への銀行送金が確認できた額は約1億3500万円にとどまる。(甲14、15、17、29、32)ウ被申立人甲及び被申立人SDH社は、令和5年1月以降も、令和5年7月発行分までSDH社債の発行を毎月続けており、令和5年8月30日時点においては、SDH社債の合計発行残高は191億2970万円(購入延べ人 数合計3335名)である。(乙35) ⑷ 本件申立てに至るまでの経緯申立人は、令和4年12月13日、被申立人キャピタル社等の本店所在地に対する立入調査を行った。(甲4、9、10、14、15、22)その後、 (乙35) ⑷ 本件申立てに至るまでの経緯申立人は、令和4年12月13日、被申立人キャピタル社等の本店所在地に対する立入調査を行った。(甲4、9、10、14、15、22)その後、被申立人甲等に対する申立人による聴取が何度か行われており、令和5年4月13日の聴取中には被申立人甲はSDH社債につき、令和4年 12月中旬以降は発行を中止した旨述べていた。令和5年6月28日、申立人は本件申立てを行い、その旨をホームページ上で公表した。 (甲15、乙1) 2 被申立人らが金商法違反の行為を行い、又は行おうとする者であると認められるか否かについて⑴ 金商法違反行為を行う者の該当性について ア SDH社債に係る無届募集行為等について前記前提事実⑶によれば、SDH社債は、外国法人である被申立人SDH社が行う割当てにより発生する同社を債務者とする金銭債権であって、事前に定められた金額、利率、償還の方法及び期限、利息支払の方法及び期限等に従って償還されるものであり、社債(会社法2条23号、676条各号) の性質を有するものといえる。したがって、SDH社債は、外国法人が発行する証券で、社債券の性質を有するものに表示されるべき権利であると認められ、当該権利を表示する当該有価証券が発行されていない場合における当該権利であるから、有価証券に該当する(金商法2条1項17号、同項5号、同条2項)。 SDH社債のうち令和4年7月から9月までの間に発行されたポートフォリオ社債については、それぞれ一度に50名以上の者を相手方として取得の申込みの勧誘が行われたこと、及び、それぞれの発行価額の総額が1億円以上であることが認められるから(前記前提事実⑶イ)、これらの取得勧誘行為は有価証券届出書の提出義務が生じる「有価証 方として取得の申込みの勧誘が行われたこと、及び、それぞれの発行価額の総額が1億円以上であることが認められるから(前記前提事実⑶イ)、これらの取得勧誘行為は有価証券届出書の提出義務が生じる「有価証券の募集」(金商法2条 3項、同法施行令1条の5)に該当する(金商法4条1項)。 また、前記前提事実⑴イ及び認定事実⑶によれば、被申立人SDH社のみならず、被申立人甲についても、被申立人SDH社を実質的に経営する者であり、SDH社債の内容を決定し、勧誘活動を自ら行うなど、同社の中心人物として有価証券の募集を行ったことが認められる。 そして、SDH社債の発行について、被申立人SDH社は有価証券届出書 等の提出を行わないまま(前記前提事実⑶ウ)、前記ポートフォリオ社債をそれぞれ募集し、かつ、相手方に取得させたのだから、被申立人SDH社及び被申立人甲は、金商法4条1項に反する無届募集を行った者、及び、金商法15条1項に反して届出の効力発生前に当該有価証券を取得させた者に、それぞれ当たるといえる。 イキャピタル社債に係る無届募集行為等について前記前提事実⑵によれば、キャピタル社債は、被申立人キャピタル社が行う割当てにより発生する同社を債務者とする金銭債権であって、事前に定められた金額、利率、償還の方法及び期限、利息支払の方法及び期限等に従って償還されるものであり、社債(会社法2条23号、676条各号)に該当 するものと認められる。したがって、キャピタル社債は、被申立人キャピタル社の社債券に表示されるべき権利であって、当該権利を表示する当該有価証券が発行されていない場合における当該権利であるから、有価証券(金商法2条1項5号、同条2項)に該当する。 キャピタル社債のうち令和3年9月及 べき権利であって、当該権利を表示する当該有価証券が発行されていない場合における当該権利であるから、有価証券(金商法2条1項5号、同条2項)に該当する。 キャピタル社債のうち令和3年9月及び12月各発行分のTV社取扱社 債については、それぞれ一度に50名以上の者を相手方として取得の申込みの勧誘が行われたこと、及び、それぞれの発行価額の総額が1億円以上であったことが認められるから(前記前提事実⑵イ)、これらの取得勧誘行為は有価証券届出書の提出義務が生じる「有価証券の募集」(金商法2条3項、同法施行令1条の5)に該当する(金商法4条1項)。 また、前記前提事実⑴イ及び認定事実⑵によれば、被申立人キャピタル社 のみならず、被申立人甲についても、被申立人キャピタル社の代表取締役としてキャピタル社債の具体的な内容を発行の都度決定し、自ら勧誘活動を行うなど、同社の中心人物として有価証券の募集を行ったことが認められる。 そして、キャピタル社債の発行について、被申立人キャピタル社は有価証券届出書等の提出を行わないまま(前記前提事実⑵ウ)、前記TV社取扱社 債をそれぞれ募集し、かつ、相手方に取得させたのだから、被申立人キャピタル社及び被申立人甲は、金商法4条1項に反する無届募集を行った者、及び、金商法15条1項に反して届出の効力発生前に当該有価証券を取得させた者に、それぞれ当たるといえる。 ウ無登録金融商品取引業について 前記アにおいて認定したとおりSDH社債は有価証券に当たるところ、前記前提事実⑴及び認定事実⑶によれば、被申立人キャピタル社は、SDH社グループの資金調達を目的とし、SDH社グループを統括する被申立人SDH社のために、令和3年6月以降、反復継続して多数の者を相手としてSD 実⑴及び認定事実⑶によれば、被申立人キャピタル社は、SDH社グループの資金調達を目的とし、SDH社グループを統括する被申立人SDH社のために、令和3年6月以降、反復継続して多数の者を相手としてSDH社債の取得勧誘を行い、これを取得させていたことが認められる。被申立 人甲についても、被申立人キャピタル社の代表取締役かつ被申立人SDH社を実質的に経営する者として、被申立人SDH社のために、反復継続して自らSDH社債の取得勧誘を行うとともに、前記のとおり被申立人キャピタル社をしてSDH社債の取得勧誘を行わせていたことが認められる。 したがって、被申立人キャピタル社及び被申立人甲は、有価証券の募集又 は私募の取扱いを業として行った者といえ(金商法2条8項9号)、金融商品取引業のうち第一種金融商品取引業(金商法28条1項)を行った者に当たる。そして、前記前提事実⑴イ(エ)のとおり、同人らは金商法29条所定の金融商品取引業者としての登録を受けていないから、金商法29条に反して無登録で第一種金融商品取引業を行った者に、それぞれ当たるといえる。 ⑵ 金商法違反行為を行おうとする者の該当性について ア被申立人甲について前記前提事実⑴から⑶まで及び認定事実⑴から⑶までによれば、被申立人甲は、被申立人SDH社及び被申立人キャピタル社を含むSDH社グループを創設した同グループの実質的な経営者であるところ、同グループの資金調達のため、金商法上の登録や届出を行わないまま平成28年10月から被申 立人キャピタル社の社債発行を繰り返し行った上、令和3年6月頃には国内法人による社債発行の規模等が金商法に抵触するおそれがあるとの認識を持ったにもかかわらず、規制を潜脱する目的で、キャピタル社債について社債名称を変える・利 を繰り返し行った上、令和3年6月頃には国内法人による社債発行の規模等が金商法に抵触するおそれがあるとの認識を持ったにもかかわらず、規制を潜脱する目的で、キャピタル社債について社債名称を変える・利率等を変える・回号を付して申込者数が50名未満となるように回号を振り分ける・別の国内法人名で社債を発行する等の手法を駆 使したほか、外国法人に係るSDH社証券の発行による資金調達を開始し、これらの有価証券につき代理店等を通じて幅広く取得勧誘を行った結果、前記⑴において認定した金商法違反行為に及んだということができる。その上、前記認定事実⑶及び⑷によれば、被申立人甲は、申立人による立入調査を受けた後もなお本件申立てが公表される頃までは、約半年にわたり毎月SDH 社債を発行し続け、令和4年12月5日時点と比べて46億8495万円も発行残高を増加させており、その一方で申立人による聴取に対してはSDH社債の販売を中止した旨述べていたものでもある。 このような被申立人甲の金商法遵守意識の低さ及び有価証券発行による資金調達に対する意欲の高さには顕著なものがあり、被申立人甲が、国内法 人として、被申立人キャピタル社に止まらず、会社としての実体のない株式会社STEP及び株式会社SDIVISIONを設立してまで、これらの会社の社債を発行し、社債発行による資金調達を繰り返し行っていたこと(前記認定事実⑴ア)も踏まえると、被申立人甲が資金調達を行うために、前記⑴において認定した行為と同様に、今後も、被申立人SDH社及び被申立人 キャピタル社を通じて、又は、自身が支配する他の国内外の法人を通じて、 有価証券届出書の提出が必要となる有価証券の募集を行い、届出効力が生じていないのにこれを取得させたり、前記⑴と同一又はこれに準じる無登録金 て、又は、自身が支配する他の国内外の法人を通じて、 有価証券届出書の提出が必要となる有価証券の募集を行い、届出効力が生じていないのにこれを取得させたり、前記⑴と同一又はこれに準じる無登録金融商品取引業を行おうとしたりするおそれが高いといえる。 これに対し、被申立人らは、被申立人甲は金商法を誤解していたに過ぎないため被申立人らが金商法違反行為を行うことは二度となく、SDH社グル ープの総額370億円の資産規模や協力会社からの資金援助の予定等に照らすと、被申立人甲ひいては被申立人らは、今後日本国内で社債発行及び販売を行う必要はない旨主張する。 しかし、前記前提事実⑴及び認定事実⑴から⑶までによれば、被申立人甲は、社債名称等を変えるなどの手法を駆使しながら自身が支配する各法人の 有価証券発行による資金調達を約6年以上反復継続しながら行ってきている上、令和4年10月までに発行されたSDH社債及び同年11月までに発行されたキャピタル社債に限ってみても、少なくとも延べ4385名の投資家に対し、合計204億円を超える相当な規模の有価証券を取得させており、更に令和5年8月末時点における返還未了のSDH社債及びキャピタル社 債の元本額は合計230億円以上と認められるのであるから、被申立人らが主張するSDH社グループの資産規模を前提としても、突如有価証券発行の必要がなくなるとは考え難いものである。現に、被申立人甲は、前記のとおり申立人による立入調査を受けた後である令和5年1月以降ですらSDH社債の発行を繰り返して発行残高を46億円以上増加させており、仮にその 理由が投資家からの要望であったとしても、被申立人甲における金商法遵守の意識の低さ、有価証券発行継続に対する意欲の高さは明らかというべきであるから、被申立人らの主張は 加させており、仮にその 理由が投資家からの要望であったとしても、被申立人甲における金商法遵守の意識の低さ、有価証券発行継続に対する意欲の高さは明らかというべきであるから、被申立人らの主張は前記認定を左右するものではない。 よって、被申立人甲は、金商法4条1項本文及び15条1項に違反する行為を行おうとする者並びに金商法29条に違反する行為を行おうとする者 に当たるということができる。 イ被申立人SDH社について前記前提事実⑶並びに認定事実⑶及び⑷によれば、被申立人SDH社は、少なくとも令和3年6月から令和4年10月までの1年5か月程の短い期間内に、延べ2384名もの多数の投資家に対し、総額152億円以上に及ぶSDH社債を取得させ幅広く募集行為を行っていたこと、令和4年12月 中旬に申立人の立入調査が入った後もなおSDH社債の発行を継続していたこと、令和5年8月30日時点におけるSDH社債の元本の償還に限っても191億円以上の資金が必要となる状況であることが、それぞれ認められる。これらの事情に、前記アにおいて認定した被申立人甲の金商法違反行為を行おうとする者の該当性及び同人が被申立人SDH社の実質的経営者で あることを加味すると、被申立人SDH社についても、今後、有価証券届出書の提出が必要となるSDH社証券等の募集を行い、届出の効力が生じていないのにこれを取得させるおそれが高いといえる。 したがって、被申立人SDH社は、金商法4条1項本文及び15条1項に違反する行為を行おうとする者に当たるといえる。 ウ被申立人キャピタル社について前記前提事実⑴及び⑵並びに認定事実⑵から⑷までによれば、被申立人キャピタル社は、SDH社グループの資金調達を担う会社として、キャピタル社債の発行及び取得 ウ被申立人キャピタル社について前記前提事実⑴及び⑵並びに認定事実⑵から⑷までによれば、被申立人キャピタル社は、SDH社グループの資金調達を担う会社として、キャピタル社債の発行及び取得勧誘等を行うほか、SDH社債の取得勧誘等を行ってきたものであるところ、令和4年12月中旬に申立人の立入調査が入った後も なおSDH社債の発行が継続されていたこと、キャピタル社債について、金商法上の規制を回避するために、同一時期の募集であるにもかかわらず、1回分の申込者数が50名以上となった場合にはその数が50名未満となるよう回号を振り分けるなどの潜脱行為が行われていたこと、令和5年8月末時点におけるキャピタル社債の元本の償還に限っても38億円以上の資金 が必要となる状況であることが、それぞれ認められる。これらの事情に、前 記アにおいて認定した被申立人甲の金商法違反行為を行おうとする者の該当性及び同人が被申立人キャピタル社の代表取締役であることを加味すると、被申立人キャピタル社についても、今後、無登録でSDH社証券等の募集又は私募の取扱いを業として行うおそれが高く、かつ、無届で有価証券届出書の提出が必要となる社債の募集を行い、届出の効力が生じていないのに これを取得させるおそれが高いといえる。 したがって、被申立人キャピタル社は、金商法29条に違反する行為を行おうとする者並びに金商法4条1項本文及び15条1項に違反する行為を行おうとする者に当たるといえる。 3 緊急の必要があり、かつ、公益及び投資者保護のため必要かつ適当と認められ るか否かについて⑴ 前記2において説示したとおり、被申立人らが今後も再び金商法違反行為を行おうとするおそれは高い。そして、金商法上、金商法4条1項及び15条1項違反の行為について れ るか否かについて⑴ 前記2において説示したとおり、被申立人らが今後も再び金商法違反行為を行おうとするおそれは高い。そして、金商法上、金商法4条1項及び15条1項違反の行為については、事後的に課徴金の納付を命ずることができる(金商法172条1項、2項)等に止まり、金商法29条違反の行為についても、 登録を受けた金融商品取引業者ではない被申立人らに対しては、業務停止命令等の行政処分をすることができないなど、いずれの金商法違反の行為についても、裁判所の命令により被申立人らの行為を禁止等する以外に、投資家を保護する為の十分な手段が存在せず、その必要性が高いといえる。 ⑵ これに対し、被申立人らは、これまで投資家の信頼を裏切らずに社債運用 が行われてきた上に、被申立人らが再び金商法違反行為を行うことはなく、現存の社債は全て解約され元本が返金される見込みであり、一方、本件申立てに係る行為の禁止等が命じられると社債購入者に動揺を与え現在円滑に進めている社債の解約償還手続に支障を来し、かえって投資家を害する旨の主張をする。 しかし、前記2において説示したとおり、被申立人らが金商法違反行為を 再び行う可能性はなお高いと認められるため、現時点で現実に具体的損害を受けた投資家がいるかどうかを問わず、被申立人らによる同種の金商法違反行為を禁止等する必要性は高い。また、当該行為の禁止等は、被申立人らによる有価証券の解約及び償還手続を禁止するものではないため、投資家を害するものではない。被申立人らが指摘する有価証券購入者の動揺の点は、被申 立人らが先に認定した金商法違反行為を行った結果によるものであり、被申立人らによる金商法違反行為を禁止等する必要性を否定する理由となるものではない。 ⑶ これらの事情を総 動揺の点は、被申立人らが先に認定した金商法違反行為を行った結果によるものであり、被申立人らによる金商法違反行為を禁止等する必要性を否定する理由となるものではない。 これらの事情を総合すれば、被申立人らによる金商法違反の各行為の禁止等を命ずることについて、緊急の必要があり、かつ、公益及び投資者保護のため必要かつ適当であるということができる。 第4 結論以上によれば、本件各申立てはいずれも理由がある。よって、主文のとおり決定する。 令和5年11月1日 大阪地方裁判所第4民事部 裁判長裁判官谷村武則 裁判官黒田吉人 裁判官森田千尋
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