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主文 原告らの請求をいずれも棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする。事実 一、請求の趣旨被告は原告らに対しそれぞれ別表(一)債権額欄記載の金員およびこれに対する本件各訴状送達の翌日から右支払済みまでそれぞれ年五分の割合による金員を支払え。訴訟費用は被告の負担とする。との判決ならびに仮執行の宣言を求める。二、請求の趣旨に対する被告の答弁主文同旨の判決を求める。三、請求の原因(一) 原告らはいずれも被告の職員として雇用され、それぞれ別表(一)勤務箇所欄記載の箇所に所属し、同表職名欄記載の職務に従事しているものであり、被告は、日本国有鉄道法に基づき鉄道事業等を経営する公共企業体である。(二) 原告P1、P2、P3、P4、P5を除くその余の原告らは、別表(一)の休暇日欄記載の各日について(原告P6は午後のみ)、年次有給休暇(以下単に年休という)附与の権限をももつ箇所長の職務代理者に対し年休を請求したところ、同人らは右原告らに対しいわゆる年休の時季変更権を行使しなかつたので、右原告らは右休暇該当の日に年休をとつて勤務に従事しなかつた。(三) 原告P1、P2、P3、P4、P5は別表(一)の乗務日記載の日にいずれもあらかじめ定められている仕業に従事し、また原告P6は別表(一)の休暇日および乗務日記載の日にいずれも午前中はあらかじめ定められている仕業に従事したが、午後は年休をとつて勤務に従事しなかつた。(四) ところが、被告は別表(一)の賃金支給日欄記載の各賃金支給日にあたり、原告らに対し別表(一)債権額欄記載の金額を減額控除してその分を原告らに支給しなかつた。(五) 原告ら公共企業体の職員についても労働基準法の適用があることはもちろんであり、同法第三九条第四項によれば年休の日の賃金が支払われるべきは当然 額を減額控除してその分を原告らに支給しなかつた。(五) 原告ら公共企業体の職員についても労働基準法の適用があることはもちろんであり、同法第三九条第四項によれば年休の日の賃金が支払われるべきは当然であるし、所定の仕業に従事した分の賃金ももとより支払われるべきであるから、被告が原告らに対し右金額を一方的に控除したのは違法である。 んであり、同法第三九条第四項によれば年休の日の賃金が支払われるべきは当然 額を減額控除してその分を原告らに支給しなかつた。(五) 原告ら公共企業体の職員についても労働基準法の適用があることはもちろんであり、同法第三九条第四項によれば年休の日の賃金が支払われるべきは当然であるし、所定の仕業に従事した分の賃金ももとより支払われるべきであるから、被告が原告らに対し右金額を一方的に控除したのは違法である。よつて、原告らは被告に対し右各金額の支払ならびにこれに対する本件各訴状送達の翌日から各支払済みまで法定の年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。四、請求原因に対する被告の答弁(一) 請求原因第(一)項記載の事実を認める。(二) 同第(二)項記載の事実のうち、原告P7、P8、P9、P10を除くその余の同項記載の原告らが別表(一)休暇日欄記載の各日について年休の請求をしたこと、および原告らが右休暇日該当の日に勤務に従事しなかつたことは認めるが、いわゆる時季変更権を行使しなかつたとの点は否認する。また、原告P7は九月一九日については年休を請求したが、同月二〇日については年休を請求せず、原告P8は一〇月一一日と一二日については年休を請求せず、また原告P9は一〇月一一日については年休を請求したが、同月一二日については年休を請求せず、原告P10は一一月二九日、三〇日の両日とも年休を請求していない。(三) 請求原因第(三)項記載の事実を否認する。(四) 同第(四)項記載の事実のうち、原告P11の減額された金額および原告P9に関する部分を除き、その余の事実を認める。原告P11の一〇月二三日支給の賃金より減額した金額は一、〇八八円であり、また原告P9については、一二月分の賃金支給の際その勤務に従事しなかつた時間に対応する賃金相当額を同人に戻入させたものである。(五) 請求原因第(五)項記載のうち、原告ら公共企業体の職員に であり、また原告P9については、一二月分の賃金支給の際その勤務に従事しなかつた時間に対応する賃金相当額を同人に戻入させたものである。(五) 請求原因第(五)項記載のうち、原告ら公共企業体の職員に対しても労働基準法の適用があることおよび同法第三九条第四項によれば年休の日につき通常の賃金が支払われるべきものであることは認めるが、その余は争う。五、被告の抗弁(請求原因第(二)項記載の原告らについて)(一) 原告らの本件年休の請求は、非代替的な業務の提供が予定されている日ともいうべき業務上の出張命令が出されている日についてされたものであるから、年休の請求として効力を生じないという意味で無効である。 しても労働基準法の適用があることおよび同法第三九条第四項によれば年休の日につき通常の賃金が支払われるべきものであることは認めるが、その余は争う。五、被告の抗弁(請求原因第(二)項記載の原告らについて)(一) 原告らの本件年休の請求は、非代替的な業務の提供が予定されている日ともいうべき業務上の出張命令が出されている日についてされたものであるから、年休の請求として効力を生じないという意味で無効である。すなわち、被告管下の静岡鉄道管理局は、職員に対する職場内教育の一環として、昭和四一年度より青年職員に規律正しい共同生活を体験させ心身ともに健全な職員を育成するため青年職員研修会を実施してきたが、昭和四二年八月中ごろ、静岡県立焼津青少年の家を利用して、昭和四二年度の青年職員研修会を計画した。その内容は、(1)静岡鉄道管理局内の年令二五才以下の男子職員で、鉄道学園初等科程または普通科程終了者もしくは昭和三八年度以前の新規採用試験合格者で未だ鉄道学園における教育を終了していない者を対象とし、(2)研修目的は青年職員に共同生活を体験させ、心身ともに健全な職員を育成することを目的とし、専任安全管理者および業務別安全管理者による安全講座および安全座談会を実施する。(3)一回の研修期間は一泊二日とし、参加人員を一回四二名ずつとして、九月五日、六日の第一回より一二月五日、六日の最終回まで前後一三回実施する。(4)受講者の勤務は出張とし、旅費日当を支給するというものであつた。そして、原告らはそれぞれ別表(二)記載のとおり、その各勤務箇所の箇所長またはその職 五日、六日の最終回まで前後一三回実施する。(4)受講者の勤務は出張とし、旅費日当を支給するというものであつた。そして、原告らはそれぞれ別表(二)記載のとおり、その各勤務箇所の箇所長またはその職務代理者を通して、静岡鉄道管理局長より右青年職員研修会に出席すべき旨の出張命令を受けたのであるが、原告らはこれに対し前記のとおり年休の請求をしたのである。しかしながら、このような原告らの年休の請求は、従業員教育講座に参加すべき旨の出張命令が出されて、いわば非代替的な勤務の提供が予定されている日についてされたものとして法律上の効果を生じないというべきである。すなわち、年休の制度は労働者を毎年一定期間勤務から解放し、精神的、肉体的休養をとらせて、長期労働によつて低下する労働力を維持培養し、あわせて労働者の精神的、文化的な面の向上に役立つために設けられたものであるから、労働者の欲する時季に休暇をとらせることがその目的に合致することはいうまでもないが、使用者としてもその雇用する労働者の労働力をどのように使用するかについての自由を有するから、年休請求にあたつては、使用者の事業の運営に支障をきたさないように両者の調整をはかるべきことはいうまでもないところであり、労働基準法第三九条第三項はこの極めて当然のことを規定したものと解され、かかる趣旨からすれば、労働者が年休の請求ができるのは、その当該労働者に与えられている通常の勤務をすることが予定されている日であつて、使用者においてその労働者のなしている業務の代理者を確保することのできる状況にある場合に限られると解すべきである。 の運営に支障をきたさないように両者の調整をはかるべきことはいうまでもないところであり、労働基準法第三九条第三項はこの極めて当然のことを規定したものと解され、かかる趣旨からすれば、労働者が年休の請求ができるのは、その当該労働者に与えられている通常の勤務をすることが予定されている日であつて、使用者においてその労働者のなしている業務の代理者を確保することのできる状況にある場合に限られると解すべきである。このような場合にはじめて年休を請求することが労働者にとつて権利となり、年休を附与することが使用者にとつて義務であるといいうる。しかるに出張勤務なるものは当該労働者の通常の勤務とは異な きである。このような場合にはじめて年休を請求することが労働者にとつて権利となり、年休を附与することが使用者にとつて義務であるといいうる。しかるに出張勤務なるものは当該労働者の通常の勤務とは異なり、当該出張を命ぜられた労働者が出張することが必要であつて、これに代え他の労働者が出張するということはその性質上あり得ないものというべく、殊に本件のように出張命令の内容が従業員教育の受講にある場合にはなおさらのことで、その提供すべき業務は全く代替性のないものであるといわなければならない。したがつて、本件のように従業員教育講座に参加すべき旨の出張命令がなされている当該日に労働者が年休請求することは許されず、これをしても法律上の年休請求としての効力を生じないという意味において無効である。(二) 原告らは、その所属する国鉄動力車労働組合静岡地方本部の指令に基づき、もつぱら本件研修会に参加することを拒否するために本件年休請求をしたものであつて、このような年休請求は年休制度の本質と相容れないものであり、また年休請求権の濫用として無効といわなければならない。1 すなわち、昭和四二年八月一九日、国鉄動力車労働組合静岡地方本部(以下動労静岡地本と略称する。)は、静岡鉄道管理局長に対し、青年職員研修会の開催は組合側に対する思想攻撃、組織分断攻撃であるとして、断固反対の立場を明らかにし、即時中止方を申入れてきた。ついで、動労静岡地本は、研修会参加拒否の体制を確立して闘うことを決定し、各支部に対し、第一回入所該当組合員の年休行使により研修会参加を拒否するため現場長に対し年休を認めさせることなどを内容とする指令を発し、さらに九月七日から同月九日まで開催された第一七回地方大会において当面の闘いとして青年職員研修につき、「(1)青年職員研修会は、国鉄当局の反労働者 対の立場を明らかにし、即時中止方を申入れてきた。ついで、動労静岡地本は、研修会参加拒否の体制を確立して闘うことを決定し、各支部に対し、第一回入所該当組合員の年休行使により研修会参加を拒否するため現場長に対し年休を認めさせることなどを内容とする指令を発し、さらに九月七日から同月九日まで開催された第一七回地方大会において当面の闘いとして青年職員研修につき、「(1)青年職員研修会は、国鉄当局の反労働者 し年休を認めさせることなどを内容とする指令を発し、さらに九月七日から同月九日まで開催された第一七回地方大会において当面の闘いとして青年職員研修につき、「(1)青年職員研修会は、国鉄当局の反労働者的な人づくり政策の一環であるとの立場で、受講については参加拒否の体制を確立する。(2)一方的実施の場合は業務命令を排除する体制を確立する。(3)闘いをもりあげるため九月一五日以降各支部はビラはり行動を実施するとともに組合旗を掲揚する」等の行動を展開することなどの方針を決定し、この決定方針に基づき執行委員会を開いて、同月一〇日ごろ各支部に対し、「(1)青年職員研修会等思想攻撃排除のための組合員の意志統一等のため時間外職場集会を実施する。(2)青年職員研修会等に対する当局の不当な計画および取扱いを撤回させるため、現場長等に対し全組合員が必ず一回は参加する集団交渉を行なうこと」などを指令した。2 青年職員研修会に出席を命ぜられた原告らは、右指令に基づいて年休を請求したものであり、研修反対という要求貫徹の手段として年休を請求したものである。このように労働者が争議行為として年休請求をなすことは年休制度の趣旨と相容れないものである。けだし、争議行為として休むことは、いわば作業という平常状態をこわし、使用者に打撃を加えることが目的であると解されるからである。したがつて、青年職員研修会参加拒否のための争議行為としての原告らの年休請求は、その制度の趣旨と相容れないものとして許されないといわなければならない。かりにしからずとするも、右動労静岡地本の青年職員研修会拒否闘争は、右研修会を組合に対する思想攻撃、組織分断攻撃であるとの独自の考え方に基づき、もつぱら研修会の開催に反対し当局の従業員教育を妨害することを目的とするものであるから、このような組合の指令に基づ 争は、右研修会を組合に対する思想攻撃、組織分断攻撃であるとの独自の考え方に基づき、もつぱら研修会の開催に反対し当局の従業員教育を妨害することを目的とするものであるから、このような組合の指令に基づいてなされた原告らの年休の請求は、年休の取得それ自体が目的ではなく、当局を困らせることだけを目的としたものであつて権利の濫用として無効であるといわなければならない。 のであるから、このような組合の指令に基づ 争は、右研修会を組合に対する思想攻撃、組織分断攻撃であるとの独自の考え方に基づき、もつぱら研修会の開催に反対し当局の従業員教育を妨害することを目的とするものであるから、このような組合の指令に基づいてなされた原告らの年休の請求は、年休の取得それ自体が目的ではなく、当局を困らせることだけを目的としたものであつて権利の濫用として無効であるといわなければならない。(三) 被告は、別表(三)のとおり各原告らの勤務する勤務箇所の箇所長の職務代理者を通じ、原告らの年休請求に対し「年休請求の日は青年職員研修会のための出張になつているから、年休は承認できないので、他の日にしてもらいたい」旨を告知し、いわゆる時季変更権を行使した。以上のとおりであつて、原告らは本件青年職員研修会に参加を命ぜられた日になんらの理由もなく欠席しかつなんらの勤務にも従事しなかつたものであるから、被告が原告らに対してした賃金の控除は正当である。(請求原因第(三)項記載の原告らについて)なお、請求原因第(三)項記載の原告らに対しても右青年職員研修会への参加を命じて当日の勤務を変更し、あらかじめ同原告らに定められていた各仕業については代務者をもつてこれにあて、代務者が原告らにかわつてその任務を遂行したものであるから、原告らは当日なんらの勤務にもついたことにならず、被告のした賃金の控除には違法の点はない。六、抗弁に対する原告らの答弁(請求原因第(二)項記載の原告らについて)(一) 抗弁第(一)項記載の事実中、被告管下の静岡鉄道管理局が昭和四二年度の青年職員研修会を計画したことは認めるが、その内容は被告主張のような技術教育、技能教育を目的とする研修ではなく、後述のように職員の単なるレクリエーシヨンにすぎないものであつた。原告らに対する出張命令の伝達の有無についての原告らの認 るが、その内容は被告主張のような技術教育、技能教育を目的とする研修ではなく、後述のように職員の単なるレクリエーシヨンにすぎないものであつた。原告らに対する出張命令の伝達の有無についての原告らの認否は別表(二)のとおりである。被告は、当該労働者の提供する業務が非代替的性質のものである場合には年休の請求が許されないとして種々主張するが、もし年休請求制度が業務の代務者を確保することのできる状況下にあることを前提とするならば、代務者の確保が行なわれない限り年休権の行使ができないという不合理な結果を生じ、また出張勤務の場合や非代替的勤務の性格をもつ労働の場合には年休がとれないとすると、長期出張あるいは職務の性格上代替性のない職務の場合には年休は無意味となる。 が非代替的性質のものである場合には年休の請求が許されないとして種々主張するが、もし年休請求制度が業務の代務者を確保することのできる状況下にあることを前提とするならば、代務者の確保が行なわれない限り年休権の行使ができないという不合理な結果を生じ、また出張勤務の場合や非代替的勤務の性格をもつ労働の場合には年休がとれないとすると、長期出張あるいは職務の性格上代替性のない職務の場合には年休は無意味となる。労働基準法第三九条は職務の内容や職種の性質によつて年休請求権の有無が左右される規定とは解されず、同条が時季変更権行使の要件として「業務」といわず、一定期間の継続的業務の総体を内容とする「事業」という言葉を使つているのはこのためであり、また、右同条が労働者の側からの「業務」の性質を問題とすることなく、使用者の「事業」というとらえ方をしているのは一工場あるいは一事業場のなかでの事業の遂行に重点をおいているからである。本件では被告が催した青年職員研修会という「事業」が原告らの年休により支障をきたし、開催不能または困難となつたかどうかが問題であり、原告らの代替者が右研修会に参加することが無意味であるかどうかが問題なのではない。被告はこの点を混同しており、もつぱら労働者の職務の性質のみに重点をおいて年休権の発生の有無を考えているのであつてその誤りは明白である。(二) 抗弁第(二)項記載の事実のうち、同項1記載の事実はすべて認める。同項2記載の事実のうち原告らが組合の指令に基づいて本件年休の請求を の発生の有無を考えているのであつてその誤りは明白である。(二) 抗弁第(二)項記載の事実のうち、同項1記載の事実はすべて認める。同項2記載の事実のうち原告らが組合の指令に基づいて本件年休の請求をしたことは認めるが、その余はすべて争う。年休の請求が組合の闘争のために行なわれたものであつても、労働基準法第三九条所定の要件を満たしているかぎり、これに対する法的評価が違つてくることはない。最も典型的な一斉休暇闘争であつても、年休制度と争議行為とは別個の法体系に属するものであるから、労働者が年休を請求した場合はたとえその実体が争議行為を目的とするものであり、かつ一斉に集団的に休暇を請求し、それを実施することが業務の正常な運営を阻害し、社会的事実として争議行為と評価されるような場合であつても、それが労働基準法第三九条に基づく正当な権利行使としてなされるものである限り、これをもつて直ちに法的意味においても禁止された争議行為と評価することはできないのである。 に属するものであるから、労働者が年休を請求した場合はたとえその実体が争議行為を目的とするものであり、かつ一斉に集団的に休暇を請求し、それを実施することが業務の正常な運営を阻害し、社会的事実として争議行為と評価されるような場合であつても、それが労働基準法第三九条に基づく正当な権利行使としてなされるものである限り、これをもつて直ちに法的意味においても禁止された争議行為と評価することはできないのである。なお、被告の権利濫用の主張は、必ずしも明確ではないが、年休請求権行使の目的については、これを明示する必要はなく、この権利行使の目的をとらえて権利濫用ということはそれ自体誤りである。本件では年休の取得それ自体が目的であり、取つた年休を組合活動に使用するか、または私用に供するかということは使用者の干渉外のことである。(三) 抗弁第(三)項記載の事実はすべて否認する。(請求原因第(三)項記載の原告らについて)研修参加を命じた業務命令が伝達されたかどうかの認否は別表(二)のとおりである。七、原告らの再抗弁本件青年職員研修会への参加を命じた被告の原告らに対する業務命令は、原被告間の労働契約上の義務の内容となつていない事項についてなされたものとして違法無効なものであり、また、右研修会はその の再抗弁本件青年職員研修会への参加を命じた被告の原告らに対する業務命令は、原被告間の労働契約上の義務の内容となつていない事項についてなされたものとして違法無効なものであり、また、右研修会はそのプログラムにみられるように個人の思想、信条の選択を迫る内容をもつもので、これに参加することを命ずる右業務命令は憲法第二一条に違反するものとして無効である。さらに右研修会は不当労働行為の意思をもつてされたものとして、この観点からするも本件業務命令は無効である。(一) 本件青年職員研修会の性格本件青年職員研修会の内容は、職員のレクリエーシヨンにすぎず、たとえば昭和四二年一〇月二六・二七日行なわれた第七回の内容は次のとおりである。二六日一三・〇〇-一五・〇〇 青年の家所長あいさつおよび講話一五・〇〇-一六・〇〇 バレーボール一六・〇〇-一六・四〇 自己紹介一六・四〇-一七・〇〇 君が代のレコードに合わせ国旗の降納一七・〇〇-一九・〇〇 夕食一九・〇〇-二一・〇〇 手品、フオークダンス、歌など二七日六・〇〇 起床七・三〇-七・四〇 君が代のレコードに合わせて国旗の掲揚七・四〇-八・三〇 朝食八・三〇-九・三〇 交通事故の話(局、P12)九・三〇-一一・〇〇 ソフトボール以後は昼食会まで自由時間、昼食後直ちに解散これによつて明らかなように、二四時間のうちわずか一時間のみが「交通事故の話」があるにすぎず、しかもその内容は事故が起これば国鉄が損害を受けるので注意をして事故を起こさないようにしようという趣旨の話があつた程度でことさら内容のあるものではなく、そのほかの時間はバレーボールやキヤンドルサービスにみられるようにレクリエーシヨンの性格をもつものである。 ソフトボール以後は昼食会まで自由時間、昼食後直ちに解散これによつて明らかなように、二四時間のうちわずか一時間のみが「交通事故の話」があるにすぎず、しかもその内容は事故が起これば国鉄が損害を受けるので注意をして事故を起こさないようにしようという趣旨の話があつた程度でことさら内容のあるものではなく、そのほかの時間はバレーボールやキヤンドルサービスにみられるようにレクリエーシヨンの性格をもつものである。本件研修の目的は、共同生活をさせて健全な職員を育成することにあ ら内容のあるものではなく、そのほかの時間はバレーボールやキヤンドルサービスにみられるようにレクリエーシヨンの性格をもつものである。本件研修の目的は、共同生活をさせて健全な職員を育成することにあるとされるが、本件研修はいわば一種の根性教育であつて、自衛隊への一日入隊や参禅教育と本質的に異ならない。すなわち、本件は職場を基礎に行なわれる技術教育ではなく、国鉄となんら関係のない第三者の施設の使用目的に従つて行なわれたものであつて、本質的に自衛隊への一日入隊等と軌を一にしているのである。また、国旗の掲揚や君が代の斉唱は、国民としての思想的選択をせまるものであるから、文字どおり思想教育(現実的機能としては思想攻撃)としての性格をもつているといわなければならない。(二) 本件業務命令の違法性一般的にいつて、業務命令が法的拘束力をもち得る根拠は、労働契約上の義務(債務)が労働者にあるからである。そして労働契約は、労働者の側からみれば、賃金と引換に労務提供の義務を負担する契約であるから、債務の内容は労務提供義務である。したがつて使用者の業務命令が有効であるためには、それが労働者の労務提供義務の内容に亘るものであるか、当該労務提供義務の履行にとつて必要不可欠な場合に限定される。労務提供義務と直接に関係のない、あるいは必要不可欠でない職務は労働契約上の義務とはなり得ない。そうすると、研修について出張命令・業務命令を出し得るかどうかは、それが労働契約上の義務の内容をなしているかどうかによつて決まることになる。そして職務命令に基づいて研修義務を労働者に課することができるのは、「技術研修」と「職場秩序を維持するうえで直接必要とされる事項」ということになる。すなわち、労働者が職務上の義務の履行を行なううえに必要な技術の修得と、そのための教育(研修 上の義務とはなり得ない。そうすると、研修について出張命令・業務命令を出し得るかどうかは、それが労働契約上の義務の内容をなしているかどうかによつて決まることになる。そして職務命令に基づいて研修義務を労働者に課することができるのは、「技術研修」と「職場秩序を維持するうえで直接必要とされる事項」ということになる。すなわち、労働者が職務上の義務の履行を行なううえに必要な技術の修得と、そのための教育(研修 課することができるのは、「技術研修」と「職場秩序を維持するうえで直接必要とされる事項」ということになる。すなわち、労働者が職務上の義務の履行を行なううえに必要な技術の修得と、そのための教育(研修)は職務上の義務を果たす前提として不可欠であるから、技術研修は職務上の義務となると解され、また労働契約による義務の履行が事業体のなかで有機的になされる現代の企業のもとにおいては、労働者の労務の提供は企業の設定したルール、あるいは労使間で合意した秩序のもとに行なわれることが不可欠であるから、就業規則その他の規程、達等の経営規範の内容の修得は労働者の債務の内容をなすものと解され、かかる事項の研修の職務命令は拘束力を有するといえる。しかしそれ以上に労働者は企業の要請する人間開発をなす義務を使用者に対して負担するものではなく、したがつて、使用者において人間開発の必要から研修や教育を一般的に計画実施することは自由であるにしても、労働者はこれに参加する職務上の義務を負担せず、このような研修への参加を命ずる業務命令は拘束力を有しないというべきである。本件青年職員研修会は、前記のような性格のものである以上、右の業務命令をもつて参加を命じ得る範囲を越えるものというべく、したがつて本件研修会への参加を命じた業務命令はその意味で違法無効であるというべきのみならず、前記の研修会のプログラムによつて明らかなとおり、国旗掲揚、君が代などの個人の思想・信条の選択を迫る内容をもつものであつて憲法第二一条に違反するものとしても無効といわなければならない。さらに、右研修会はその後被告が計画し実施してきた、いわゆるマル生運動と同質のものであるが、マル生運動は組合運動に対する支配介入を意図したものであることは公知の事実であり、加えて昭和四一年度実施された同種研修会において、組合 が計画し実施してきた、いわゆるマル生運動と同質のものであるが、マル生運動は組合運動に対する支配介入を意図したものであることは公知の事実であり、加えて昭和四一年度実施された同種研修会において、組合運動の批判攻撃に亘る内容が研修の一部に入つている事実からしてもこの研修会が不当労働行為の意思をもつてなされたものであることは明らかで、この点からしても本件業務命令は違法無効である。 同種研修会において、組合 が計画し実施してきた、いわゆるマル生運動と同質のものであるが、マル生運動は組合運動に対する支配介入を意図したものであることは公知の事実であり、加えて昭和四一年度実施された同種研修会において、組合運動の批判攻撃に亘る内容が研修の一部に入つている事実からしてもこの研修会が不当労働行為の意思をもつてなされたものであることは明らかで、この点からしても本件業務命令は違法無効である。現に被告は昭和四二年九月一五日動労静岡地本のP13委員長との間で、この研修会に参加を希望しないものは年休をとつて欠席することを諒承した筈である。八、再抗弁に対する被告の答弁(一) 本件青年職員研修会の性格本件青年職員研修会は、原告らの主張するような単なるレクリエーシヨンではない。すなわち、本件研修会は、青年職員に共同生活を体験させ、心身ともに健全な職員を育成することを目的として、職員の業務上の死傷事故防止のための専任安全管理者および業務別安全管理者による安全講座および安全座談会を実施することを中心として、職員管理規程(昭和三九年四月総裁達第一五七号)第二三条、職場内教育基準規程(昭和三九年七月三〇日職達第六号)第三章の研修会の形式において行なわれたものである。最近一般企業においては、企業の機械化、近代化が進むにつれて「人間の管理」(人間を正しく理解し、人間そのものの立場に立ち、人間がもつ自発性、意欲を引き出し、それを経営における能力として伸ばし、使つていく意味)の重要性はますます増大しつつあり、この人間開発の必要から職員に対する教育訓練というものが重要視される。ことに近代企業における労働は一人一人の単独作業ではなく、多数の労働者の共同作業である点に大きな特徴があり、この共同作業を事故なく円滑に行なうためには、日常より規律の正しい作業態度、作業の相手との意思の に近代企業における労働は一人一人の単独作業ではなく、多数の労働者の共同作業である点に大きな特徴があり、この共同作業を事故なく円滑に行なうためには、日常より規律の正しい作業態度、作業の相手との意思の疏通をはかることなどが必要であり、特に国鉄の業務は、直接、人命財産の安危にかかわるものであるから、職場における規律と協同を重んじなければならないのである。ところが国鉄の現場機関における青年職員の場合、現代の若年層の特質とされる過度の合理性、自己中心性、行動性を有するためか、ややもすると職場における規律正しさ、協調性等に欠ける点がみられる。 ためには、日常より規律の正しい作業態度、作業の相手との意思の疏通をはかることなどが必要であり、特に国鉄の業務は、直接、人命財産の安危にかかわるものであるから、職場における規律と協同を重んじなければならないのである。ところが国鉄の現場機関における青年職員の場合、現代の若年層の特質とされる過度の合理性、自己中心性、行動性を有するためか、ややもすると職場における規律正しさ、協調性等に欠ける点がみられる。そこでかかる青年職員に対して規律正しい共同生活を体験させ、心身ともに健全な職員に育成するため本件研修会が計画実施されたものである。そして、国鉄の現業機関の職員は日夜列車の運行の業務に従事しているものであつて、ひとたび事故が発生すると旅客の生命身体はもちろんのこと自己の生命身体までも危険にさらすこととなる。そのため国鉄においては運転事故防止、職員の傷害事故防止のために安全管理に日頃から意を注ぎ、機会あるごとに安全管理体制の確立、安全意識の高揚につとめてきたが、本件研修会においてもその安全対策の一環として専任安全管理者、業務別安全管理者による安全講座および安全座談会を行なうことにより、比較的経験の浅い青年職員の安全意識を高めたうえで、安全知識を習得させようとしたものである。なお、安全講座の内容は、(イ) 安全の意義と重要性(ロ) 傷害事故の概況について(ハ) なぜ事故は起きるか(ニ) 傷害事故を防止するには(ホ) 結びというものであり、また、安全座談会は自由討論の形式で行なわれたが、次の事項が主な話題となつた。(イ) 指差確認の励行方について(ロ) 保護帽の着用方について(ハ) 不安全行動に対 (ホ) 結びというものであり、また、安全座談会は自由討論の形式で行なわれたが、次の事項が主な話題となつた。(イ) 指差確認の励行方について(ロ) 保護帽の着用方について(ハ) 不安全行動に対する相互注意について(ニ) 基本動作励行について(ホ) 反覆訓練の励行について(ヘ) 構内設備改善等について右の研修内容からして、本件研修会が原告ら主張のような組合運動批判や組合の組織破壊を意図したものでないことは明らかである。また、研修日課中の国旗の掲揚や君が代の斉唱は、本件研修の行なわれた焼津青少年の家の日課表にあるものであつて、なんら思想教育や思想攻撃を意図したものではない。(二) 本件職務命令の効力使用者がその雇用する労働者に対してなすいわゆる職務命令は、使用者と労働者との間の労働契約に基礎を置くものであるが、近代企業のもとにおいては、労働契約の履行たる労務の提供は、人と物とが一つの経営目的に向つて統合されたいわゆる経営という組織体の中でなされるものであるから、単なる機械的な労働給付義務にとどまらず、かような組織的関係によつて特殊化されたものでなければならない。 い。(二) 本件職務命令の効力使用者がその雇用する労働者に対してなすいわゆる職務命令は、使用者と労働者との間の労働契約に基礎を置くものであるが、近代企業のもとにおいては、労働契約の履行たる労務の提供は、人と物とが一つの経営目的に向つて統合されたいわゆる経営という組織体の中でなされるものであるから、単なる機械的な労働給付義務にとどまらず、かような組織的関係によつて特殊化されたものでなければならない。いいかえると、労働者はそれぞれ有機的一体をなす業務の一部を担当しているから、その義務も集団的・連帯的性格を帯びざるを得ないものであつて、他の労働者との協調に留意する等できる限り企業全体の効率的運営に寄与するような方法で労務を提供すべきことが誠実義務として要請され、したがつて、使用者が自己の買取つた労働力に対し生産活動の効率をより高める目的のために施す種々の指揮命令には労働者は服従すべき地位に立つといわなければならない。そこで、このような観点から従業員教育への参加命令を検討すると、特定の思想教育、たとえば反共理論、反労働運動思想といつた思想教育は、直接間接に生産活動 服従すべき地位に立つといわなければならない。そこで、このような観点から従業員教育への参加命令を検討すると、特定の思想教育、たとえば反共理論、反労働運動思想といつた思想教育は、直接間接に生産活動に関連するものということはできず、思想良心の自由との関連からいつてもこれを強制することは不可能であるが、使用者が自己の生産活動の効率をより高める目的で、より良質の労働力を育成しようとして実施する従業員教育であれば、技術教育、技能教育、その他これと直接密接な関連を有する教育はもとより、労働者にかような経営組織体内の従業員としてふさわしい能力ないし人格を育成させるための教養教育であつても、業務命令としてその受講を命じ得ると解すべきである。ことに国鉄のような国民生活にきわめて密接な関連を有する企業にあつては、国民によりよきサービスを提供すべき社会的責任を負つているのであるから、単に切符を発売したり列車を動かせばよいというだけでなく、職員に対しその公共的職務についての自覚を促し、あるいは安全、正確、迅速に輸送が行なわれるための心構え等を教育することは、単なる教養教育というものと異なり、業務遂行に必要なものとして当然労働契約の内容に含まれると解される。 な国民生活にきわめて密接な関連を有する企業にあつては、国民によりよきサービスを提供すべき社会的責任を負つているのであるから、単に切符を発売したり列車を動かせばよいというだけでなく、職員に対しその公共的職務についての自覚を促し、あるいは安全、正確、迅速に輸送が行なわれるための心構え等を教育することは、単なる教養教育というものと異なり、業務遂行に必要なものとして当然労働契約の内容に含まれると解される。ところで本件青年職員研修会は、既に述べたように、青年職員に対して共同生活を体験させ心身ともに健全な職員を育成することを目的として、専任安全管理者および業務別安全管理者による安全講座および安全座談会を実施したものであつて、被告国鉄の職員の安全意識の高揚を図ることは被告の業務の一内容というべく、かかる業務の一内容についての研修会に参加を命ずることは職務命令をもつて命じ得る範囲内のものとして当然許されるというべきである。なお、前述のように本件研修会は組合運動批判や組合の組織破壊を意図したものでもなく、また ついての研修会に参加を命ずることは職務命令をもつて命じ得る範囲内のものとして当然許されるというべきである。なお、前述のように本件研修会は組合運動批判や組合の組織破壊を意図したものでもなく、また国旗掲揚や君が代斉唱による思想教育を意図したものでもないので、本件職務命令が不当労働行為ないし憲法違反の行為として無効とする原告らの再抗弁は理由がないといわなければならない。被告は原告ら主張のように参加したくない者が年休をとつて欠席することを諒承した事実はない。九、証拠(省略) 理由 一、原告らがいずれも被告の職員として雇用され、その主張の勤務箇所においてその主張の職務に従事している者であり、被告が日本国有鉄道法に基づく公共企業体であることはいずれも当事者間に争いがない。二、本件の原告合計四〇名のうち、請求原因第(二)項記載の年休請求をしたとする原告ら合計三五名と請求原因第(三)項記載の年休請求をせずにあらかじめ定められた仕業に従事した原告ら合計六名とは(原告P6は両方に入つている)、それぞれ別個の法律上の原因に基づき、被告の本件賃金カツトを違法と主張しているので、これら二つのグループにつきそれぞれ別に判断することにする。三、(請求原因第(二)項記載の原告らについて)(一) 請求原因第(二)項記載の原告らのうち、P14、P15、P16、P17、P18、P19、P20、P21、P10、P22、P23、P6の一二名が、それぞれ別表(二)記載の伝達者の職名氏名欄記載の職にある者から伝達の日欄記載の日に後記青年職員研修会へ参加すべき業務命令を受けたこと(その参加すべき日は別表(一)の休暇日に相当する)は当事者間に争いがない。 、(請求原因第(二)項記載の原告らについて)(一) 請求原因第(二)項記載の原告らのうち、P14、P15、P16、P17、P18、P19、P20、P21、P10、P22、P23、P6の一二名が、それぞれ別表(二)記載の伝達者の職名氏名欄記載の職にある者から伝達の日欄記載の日に後記青年職員研修会へ参加すべき業務命令を受けたこと(その参加すべき日は別表(一)の休暇日に相当する)は当事者間に争いがない。成立に争いのない乙第二二ないし二四号証、第二七ないし二九号証、第三一号証、第三三号証、第三五、三六号証、第 令を受けたこと(その参加すべき日は別表(一)の休暇日に相当する)は当事者間に争いがない。成立に争いのない乙第二二ないし二四号証、第二七ないし二九号証、第三一号証、第三三号証、第三五、三六号証、第三八、三九号証、第四一、四二号証、第四四ないし四六号証、第四八ないし五〇号証、第五二号証、第五四号証、第五七ないし第五九号証、第六一号証、第六三号証、第六五、六六号証、第八三号証、第八五号証、第八八、八九号証、第九一号証、第九六ないし九九号証、第一〇三、一〇四号証、第一〇七号証、第一一四、一一五号証、第一一七号証、第一一九号証、証人P24、P25、P26、P27、P28、P29の各証言によつて順次成立が認められる乙第二五号証、第三〇号証、第五六号証、第八一号証、第八六号証、第九三号証、第一〇二号証によれば、先の一二名を除くその余の原告らが前同様別表(二)記載のとおり青年職員研修会に参加すべき業務命令を受けたことが認められ、これに反する原告P7尋問の結果は信用しがたく、その他に右認定を左右するに足りる証拠はない。なお、原告らは、動労静岡地本と静岡鉄道管理局との間で、右青年職員研修会には参加を承諾した者のみに対し業務命令を出して参加させることとし、参加を承諾しない者には業務命令を出さないこととする趣旨の協定が結ばれたと主張し、成立に争いのない甲第一号証、証人P13の証言は右主張に添うものであるが、後記証言と対比するとたやすく信用しがたく、その他に右主張を認めることができる証拠はない。むしろ証人P30、P31、P28の証言によれば、動労の要求でその組合員に対し被告の係員から研修会の趣旨、内容をよく説明し参加を説得しようとしたもので、説得に応じた者のみを参加させ、応じなかつた者は参加しなくてもいいと決めたものではないことが認められる。 ない甲第一号証、証人P13の証言は右主張に添うものであるが、後記証言と対比するとたやすく信用しがたく、その他に右主張を認めることができる証拠はない。むしろ証人P30、P31、P28の証言によれば、動労の要求でその組合員に対し被告の係員から研修会の趣旨、内容をよく説明し参加を説得しようとしたもので、説得に応じた者のみを参加させ、応じなかつた者は参加しなくてもいいと決めたものではないことが認められる。次に原告P 対し被告の係員から研修会の趣旨、内容をよく説明し参加を説得しようとしたもので、説得に応じた者のみを参加させ、応じなかつた者は参加しなくてもいいと決めたものではないことが認められる。次に原告P7、P8、P9、P10を除くその余の原告らが、その主張のとおりの休暇日につき年休の請求をし(原告P6は午後のみ)、右請求原因第(二)項記載の原告の全部がその休暇該当日に年休をとつたとして青年職員研修会に参加しなかつたことおよび被告が原告ら(但し原告P11、P9を除く)に対し、その主張のとおりの賃金額を減額してこれを支給しなかつたことはいずれも当事者間に争いがない。成立に争いのない乙第四三号証、第五一号証、第五五号証、前出乙第八一号証、証人P29の証言によつて成立が認められる乙第一〇八号証によれば、被告主張のとおり、別表(一)の休暇日のうち、原告P7は昭和四二年九月一九日の分のみ年休を請求して同二〇日の分は請求せず、原告P8は一〇月一一、一二日の両日とも年休を請求せず、原告P9は一〇月一一日の分のみ年休を請求して同一二日の分は請求せず、原告P10は一一月二九、三〇の両日とも年休を請求しなかつたことが認められる。原告P10本人尋問の結果のうち右認定に反する部分は信用しない。なお成立に争いのない乙第二一号証、第八二号証によると原告P11の支給されなかつた額は一〇八八円であり、原告P9は減額されたのではなく後日戻入したものであること、が認められる。(二) 原告ら公共企業体の職員についても労働基準法の適用があることは明らかであるから、本件における主要な争点は原告らのした年休の請求が当該労働日につき効力を生じたかどうかであることはいうまでもないが、その前提として、本件年休の請求は被告の実施した青年職員研修会へ参加すべきものとされた日になされたことから 原告らのした年休の請求が当該労働日につき効力を生じたかどうかであることはいうまでもないが、その前提として、本件年休の請求は被告の実施した青年職員研修会へ参加すべきものとされた日になされたことから、当事者間において種々その効力が争われているので、まずこの青年職員研修会の内容、この研修会への参加を命ずる業務命令の効力について判断することとする。 年職員研修会へ参加すべきものとされた日になされたことから 原告らのした年休の請求が当該労働日につき効力を生じたかどうかであることはいうまでもないが、その前提として、本件年休の請求は被告の実施した青年職員研修会へ参加すべきものとされた日になされたことから、当事者間において種々その効力が争われているので、まずこの青年職員研修会の内容、この研修会への参加を命ずる業務命令の効力について判断することとする。証人P32の証言によつて真正に成立したものと認める乙第一号証、証人P33の証言によつて真正に成立したものと認める同第二号証、証人P33およびP32の各証言によれば、次の事実が認められる。すなわち、被告日本国有鉄道管下の静岡鉄道管理局は、昭和四二年八月ごろ、職員に対する職場内教育の一環として青年職員に規律正しい共同生活を体験させ心身ともに健全な職員を育成することを目的とする昭和四二年度青年職員研修会の実施を計画したが、その主な内容は、「(1)静岡県の社会教育施設である静岡県立焼津青少年の家を利用し、一回の研修期間は一泊二日とする。(2)対象者は静岡鉄道管理局内の年令二五才以下の男子職員で鉄道学園初等科程終了者等とし、参加人員を一回四二名ずつとして前後一三回に分けて実施する。(3)研修目的は青年職員に共同生活を体験させ、心身ともに健全な職員を育成することを目的とし、専任安全管理者および業務別安全管理者による安全講座および安全座談会を実施する。(4)受講者の勤務は出張とし、旅費日当を支給する」というものであつたこと、そして、その具体的な研修日程は、(第一日)一三・〇〇-一三・三〇 入所式主催者および所長挨拶、入所中の遵守事項伝達一三・三〇-一五・〇〇 講話青年の家所長一五・〇〇-一六・〇〇 レクリエーシヨン体操、歌唱その他一六・〇〇-一六・四〇 オリエンテーシヨン自己紹介、青年の 挨拶、入所中の遵守事項伝達一三・三〇-一五・〇〇 講話青年の家所長一五・〇〇-一六・〇〇 レクリエーシヨン体操、歌唱その他一六・〇〇-一六・四〇 オリエンテーシヨン自己紹介、青年の家講師の指導一六・四〇-一七・〇〇 夕べの集い国旗降納一七・〇〇-一九・〇〇 夕食・入浴班別に入浴する一九・〇〇-二一・〇〇 キヤンドルサービス火を囲んで演芸などを行なう二一・〇〇-二二・〇〇 自由時間二二・〇〇 就寝・消燈(第二日)六・三〇 起床寝具整理、洗面七・〇〇-七・四〇 朝の集い国旗掲揚、体操、清掃七・四〇-八・三〇 朝食八・三〇-九・三〇 安全座談会九・三〇-一一・〇〇 レクリエーシヨン体操、歌唱その他一一・〇〇-一二・〇〇 自由時間あとかたづけ、清掃一二・〇〇-一三・〇〇 昼食一三・三〇 解散焼津駅前で解散というものであつたこと、右の研修日程のうち、国旗の掲揚等は右研修の行なわれた焼津青少年の家の日課表にあるものであつて、ここを利用する場合はこれを日課に組入れることになるものであること、以上の事実が認められ、この認定を左右するに足る証拠はない。 三〇-一一・〇〇 レクリエーシヨン体操、歌唱その他一一・〇〇-一二・〇〇 自由時間あとかたづけ、清掃一二・〇〇-一三・〇〇 昼食一三・三〇 解散焼津駅前で解散というものであつたこと、右の研修日程のうち、国旗の掲揚等は右研修の行なわれた焼津青少年の家の日課表にあるものであつて、ここを利用する場合はこれを日課に組入れることになるものであること、以上の事実が認められ、この認定を左右するに足る証拠はない。ところでこのような青年職員研修会への参加を命じた被告の業務命令の効力につき、原告らは、労働契約上の義務となつていない事項についてなされたものとして無効であると主張するので、この点について判断する。一般的にいつて、使用者がその雇用する労働者に対して業務命令をもつて指示命令することができる根拠は、労働者がその労働力の処分を使用者に委ねることを約する労働契約にあることはいうまでもない。すなわち、労働者は使用者に対して一定の範囲での労働力の自由な処分を許諾して労働契約を締結するものであるから、その一定の範囲での労働力の処分に関する使用者 約する労働契約にあることはいうまでもない。すなわち、労働者は使用者に対して一定の範囲での労働力の自由な処分を許諾して労働契約を締結するものであるから、その一定の範囲での労働力の処分に関する使用者の指示命令である業務命令にはこれに従わざるを得ない。そうすると、業務命令をもつて指示命令することのできる事項であるかどうかは、当該労働契約によつてその処分を許諾した範囲内の事項であるかどうかによつて定まるものというべく、結局のところ当該具体的な労働契約の解釈の問題に帰することになる。このことを前提として、労働者に対し業務命令をもつて参加を命じ得る研修の範囲について考えてみると、現在の我が国における労働契約のほとんどがいわゆる終身雇用制を前提とし、年功序列による昇進などによつてその提供すべき労務内容が長い期間の間に時とともに異なり得る雇用形態であることを考慮すれば、一般的にいつて原告らの主張するような単に現在の業務遂行に必要な技術・技能研修あるいは就業規則等の修得のための研修のみにとどまらず、より広く労働者の労働力そのものを良質化し向上させるための研修であつても、これへの参加を業務命令をもつて命じ得るものといわざるを得ない。もつとも、このことは企業の要請のままに人間開発・人格形成をなす義務を労働者に負担させることを意味するものでないことはいうまでもなく、したがつて被告の主張する人格陶冶のための教養教育などは一般的には業務命令をもつてその受講を命じ得ないものというべきである。 とどまらず、より広く労働者の労働力そのものを良質化し向上させるための研修であつても、これへの参加を業務命令をもつて命じ得るものといわざるを得ない。もつとも、このことは企業の要請のままに人間開発・人格形成をなす義務を労働者に負担させることを意味するものでないことはいうまでもなく、したがつて被告の主張する人格陶冶のための教養教育などは一般的には業務命令をもつてその受講を命じ得ないものというべきである。このような考え方に立つて本件青年職員研修会について検討すると、この研修会が前認定のように、青年職員に対して規律正しい共同生活を体験させ心身ともに健全な職員を育成することを目的とし、専任安全管理者および業務別安全管理者による安全講座および安全座談会を実施したものである以上 前認定のように、青年職員に対して規律正しい共同生活を体験させ心身ともに健全な職員を育成することを目的とし、専任安全管理者および業務別安全管理者による安全講座および安全座談会を実施したものである以上、これに対する参加は業務命令をもつてこれを命じ得るものというべきである。すなわち、労務の提供が事業体のなかで有機的に行なわれる現代の企業のもとにおいては、なによりも職場における規律と協同が重んじられ、これなくしては多数の労働者による円滑な共同作業は不可能であるから、労働者の協調性ないし規律を遵守する精神の増進を図ることは労働力の良質化・向上を図ることとしてとらえることができ、また、国鉄職員の場合安全に関する教育啓蒙のための研修を受けることは業務遂行に直接必要なものとして当然に労働契約のなかに含まれると解すべきであるから、本件研修はいずれの意味においても業務命令をもつて参加を命じ得る研修の範囲内にあるということができると解されるのである。もつとも本件青年職員研修会が、原告らが主張するようにレクリエーシヨン的な色彩をかなり帯びていたことは前認定の研修日程によつても明らかであるが、規律正しい共同生活を体験させることが主たる目的である以上、その内容においてスポーツあるいは演芸等のレクリエーシヨン的な要素があつたとしても、これをもつて直ちに業務命令をもつて命じ得る範囲をこえるものとすることはできない。以上のとおりであつて、本件青年職員研修会への参加を命じた被告の業務命令は、労働契約上の義務となつていない事項についてなされたという意味で無効とすることはできないといわなければならない。 正しい共同生活を体験させることが主たる目的である以上、その内容においてスポーツあるいは演芸等のレクリエーシヨン的な要素があつたとしても、これをもつて直ちに業務命令をもつて命じ得る範囲をこえるものとすることはできない。以上のとおりであつて、本件青年職員研修会への参加を命じた被告の業務命令は、労働契約上の義務となつていない事項についてなされたという意味で無効とすることはできないといわなければならない。なお原告らは本件研修につき、国旗掲揚、君が代斉唱など個人の思想・信条の選択を迫る内容をもつものであるから、これへの参加を命ずる業務命令は憲法第二一条に違反するものとして無 いといわなければならない。なお原告らは本件研修につき、国旗掲揚、君が代斉唱など個人の思想・信条の選択を迫る内容をもつものであるから、これへの参加を命ずる業務命令は憲法第二一条に違反するものとして無効であると主張し、また右研修はいわゆるマル生運動と同質のものであつて不当労働行為の意思をもつてなされたものとして無効であると主張するが、本件研修における国旗の掲揚、君が代の斉唱等は、前認定のように、右研修がなされた静岡県立焼津青少年の家そのものの日課表にあるものであつて、被告において思想教育、思想攻撃を意図したものとはいえず、しかもその部分への参加が強制されているとも認められないので憲法第二一条に違反するとは認められず、また、被告が不当労働行為の意図をもつて本件研修を実施したものとは本件全証拠によつてもこれを認めるに足りないから原告らの右主張はいずれも理由がないといわざるを得ない。証人P34、P13、P35、P36、P37、P38の各証言、それらによつて成立が認められる甲第三、第四号証、第六、第七号証、第九号証、第一一ないし一三号証、第一五号証、成立に争いのない甲第二号証などのうち、上記認定に反する部分は本件青年職員研修会に限つて信用しない。(三) そこで、次に右のような青年職員研修会へ参加すべきものとして業務命令が出されている日についてされた年休の請求の効力が問題となるが、この点につき被告は、まず、原告らの本件年休の請求は、非代替的業務の提供が予定されている業務上の出張命令が出されている日についてされたものであるから、年休の請求として効力を生じないと主張する。しかしながら、非代替的業務の提供が予定されている日であるからといつて、直ちに年休の請求ができず、これをしても無効であると解すべき根拠はない。 業務命令が出されている日についてされた年休の請求の効力が問題となるが、この点につき被告は、まず、原告らの本件年休の請求は、非代替的業務の提供が予定されている業務上の出張命令が出されている日についてされたものであるから、年休の請求として効力を生じないと主張する。しかしながら、非代替的業務の提供が予定されている日であるからといつて、直ちに年休の請求ができず、これをしても無効であると解すべき根拠はない。労働基準法第三九条第三項が休暇の時季の決 ないと主張する。しかしながら、非代替的業務の提供が予定されている日であるからといつて、直ちに年休の請求ができず、これをしても無効であると解すべき根拠はない。労働基準法第三九条第三項が休暇の時季の決定を第一次的に労働者の意思にかからしめ、同項但書所定の事由が客観的に存在する場合にはじめて使用者に時季変更権の行使を認めている趣旨から考えると、同項但書所定の「事業の正常な運営を妨げる場合」であることが事前に客観的に明らかである場合であつても、直ちにこのことのみから労働者のする年休の請求が無効となると解すべきものではなく、この場合においても使用者の時季変更権の行使があつてはじめて当該労働日に対する年休の請求は効力を失うものと解するのが至当であると考える。そうすると、この点に関する被告の主張は理由がないものといわざるを得ない。そこで進んで、原告らの本件年休の請求は、組合の指令に基づき青年職員研修反対という要求貫徹の手段としてなされた争議行為であり、このように争議行為としてなされた年休の請求は、年休制度の趣旨と相容れないものとして許されないとの被告の主張について検討する。原告らの所属する動労静岡地本が本件青年職員研修会の開催は組合側に対する思想攻撃、組織分断攻撃であるとして断固反対の立場を明らかにしその中止方を静岡鉄道管理局長に申し入れ、さらに研修会参加拒否の体制を確立して闘うことを決定して各支部に対し、入所該当組合員の年休行使による研修会参加拒否等を内容とする指令をしたことおよび原告らがこの指令に基づいて本件年休の請求をしたことはいずれも当事者間に争いがない。そうすると、一般に争議行為は「労働関係の当事者がその主張を貫徹することを目的として行なう行為であつて、業務の正常な運営を阻害する行為」をいうと解されるから、青年研修反対という要求貫 間に争いがない。 を確立して闘うことを決定して各支部に対し、入所該当組合員の年休行使による研修会参加拒否等を内容とする指令をしたことおよび原告らがこの指令に基づいて本件年休の請求をしたことはいずれも当事者間に争いがない。そうすると、一般に争議行為は「労働関係の当事者がその主張を貫徹することを目的として行なう行為であつて、業務の正常な運営を阻害する行為」をいうと解されるから、青年研修反対という要求貫 間に争いがない。そうすると、一般に争議行為は「労働関係の当事者がその主張を貫徹することを目的として行なう行為であつて、業務の正常な運営を阻害する行為」をいうと解されるから、青年研修反対という要求貫徹のため、研修を受けるべき者自身が年休をとつて研修に参加しないというのは一応争議行為に当たるものということができよう。けだし研修の場合その者に研修を受けさせることが業務なのであるから、その研修を命ぜられた者が研修に参加しないということになると、それだけで業務の正常な運営が阻害されるというべきことになるからである。しかし一方で、年休をどのように利用するかは使用者の干渉を許さない労働者の自由であると解される。とすると、原告らのこの程度の休暇斗争をもつて、いわゆる一斉休暇斗争と同じくもはや年休に名を藉りた争議行為であつて本来の年次有給休暇権の行使ではないといつてしまうのは必ずしも妥当ではあるまい。同様に被告をこまらせるだけの、権利の濫用であるとするのもあたらない。(四) そこでさらに被告が原告らの年休請求に対して時季変更権を行使したかどうかを検討する。前出乙二三号証、第二八号証、第五八号証、笑六五号証、第九七、九八号証、第一一四号証、第二五号証、第五六号証、第八一号証、第九三号証、第一〇二号証、成立に争いのない乙第二六号証、第三四号証、第三七号証、第四三号証、第四七号証、第六二号証、第六四号証、第八四号証、第八七号証、第九二号証、第一〇五号証、第一一六号証、第一一八号証、第一二〇号証、証人P25、P26、P28、P39、P40、P29の各証言によつて成立が認められる乙第三二号証、第四〇号証、第五三号証、第六〇号証、第九〇号証、第九五号証、第一〇一号証、第一二二号証によると、被告は別表(三)の記載のとおり各原告に対し告知者の職氏名欄にしるされた 立が認められる乙第三二号証、第四〇号証、第五三号証、第六〇号証、第九〇号証、第九五号証、第一〇一号証、第一二二号証によると、被告は別表(三)の記載のとおり各原告に対し告知者の職氏名欄にしるされた職にある者から告知の日時欄記載の日時に、それぞれ請求のあつた年休に対して「その日は青年職員研修会に出席のための出張になつているから年休を賦与できないので、他の日に請求してもらいたい」旨を告知し、いわゆる時季変更権を行使したことが認められる。 号証、第五三号証、第六〇号証、第九〇号証、第九五号証、第一〇一号証、第一二二号証によると、被告は別表(三)の記載のとおり各原告に対し告知者の職氏名欄にしるされた職にある者から告知の日時欄記載の日時に、それぞれ請求のあつた年休に対して「その日は青年職員研修会に出席のための出張になつているから年休を賦与できないので、他の日に請求してもらいたい」旨を告知し、いわゆる時季変更権を行使したことが認められる。原告P41、P42、P23、P43、P9、P44、P45、P46の各本人尋問の結果のうち右認定に反する部分は信用できず、その他に右認定を左右するに足りる証拠はない。そして青年職員研修会へ職員を参加させることが当該事業場(本件の運転所や機関区)にとつて労働基準法第三九条第三項但書にいう事業に含まれると解するのが相当であるから、原告らが右研修会に参加すべき日に年休を請求するのは客観的に事業の正常な運営を妨げる場合に該当するというべきである。したがつて被告の時季変更権は適法に行使されたものというべきであり、そうだとすれば、別表(三)の原告らの本件年休の請求がその効力を生じないものとしてした被告のいわゆる賃金カツトにはなんらの違法の点は認められず、その違法を前提として賃金控除額の支払を求める原告らの請求はいずれも理由がないといわなければならない。(五) さらに原告P7、P9は各一日P8、P10は各二日の年休の請求をせず、しかも青年職員研修会に参加しなかつたわけであるから、その分の賃金カツトを受けるのはやむをえないことで、この点の請求も理由がない。四、(請求原因第(三)項記載の原告らについて)請求原因第(三)項記載の原告らのうち、原告P1、P3、P5、P6に対して別表(二)記載のとおり本件青年職員研修会への参加 この点の請求も理由がない。四、(請求原因第(三)項記載の原告らについて)請求原因第(三)項記載の原告らのうち、原告P1、P3、P5、P6に対して別表(二)記載のとおり本件青年職員研修会への参加を命ずる業務命令が伝達されたことは当事者間に争いがなく、真正に成立したことに争いのない乙第七一号証、証人P47およびP48の各証言によれば、原告P2に対して右業務命令が伝達されたことが認められ、また成立に争いのない乙第一〇九号証によれば、原告P4に対しても右業務命令が伝達されたことが認められ、右各認定を左右するに足る証拠はない。 3、P5、P6に対して別表(二)記載のとおり本件青年職員研修会への参加を命ずる業務命令が伝達されたことは当事者間に争いがなく、真正に成立したことに争いのない乙第七一号証、証人P47およびP48の各証言によれば、原告P2に対して右業務命令が伝達されたことが認められ、また成立に争いのない乙第一〇九号証によれば、原告P4に対しても右業務命令が伝達されたことが認められ、右各認定を左右するに足る証拠はない。ところが前出乙第七一号証、第一〇九号証、第一二二号証、成立に争いのない乙第六八号証、第七七、七八号証、第一一〇号証、第一一一ないし一一三号証、第一二一号証、証人P31、P40、P49、P50、P51、P48、P52、P53の各証言によつて順次成立が認められる乙第六七号証、第六九、七〇号証、第七二ないし七六号証、第七九、八〇号証によると、右原告ら六名の右研修会に参加すべき日の業務はいずれも他の代務者が充当されていて、その者によつて行なわれることに変更されていたのにかかわらず、原告らは右研修会に参加せずに、先の変更された業務に就こうとしたこと(P6は午前中のみ)が認められ、これに反する証拠はない。そうすると前述のとおり、右青年職員研修会への参加を命ずる業務命令が有効なものと認められる以上、たとえ原告らが右あらかじめ定められた仕業の勤務についたとしても、労働契約の債務の本旨に従つた履行ということはできず、賃金債権が発生するに由ないものといわなければならない。したがつて、請求原因第(三)項記載の原告らについても、被告のした賃金カツトは適法なものといわざるを得ない。五、以上のとおりであつて、原告らの本訴請求はいずれも理由 いものといわなければならない。したがつて、請求原因第(三)項記載の原告らについても、被告のした賃金カツトは適法なものといわざるを得ない。五、以上のとおりであつて、原告らの本訴請求はいずれも理由がないのでこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八九条第九三条を適用して主文のとおり判決する。(裁判官水上東作宍戸達徳中島尚志)別表(一)~(三)(省略)
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