- 1 -平成17年(行ケ)第10765号審決取消請求事件平成18年10月18日判決言渡,平成18年9月13日口頭弁論終結判決原告有限会社カモ・コーポレーション訴訟代理人弁理士森下靖侑,杉谷嘉昭被告X訴訟代理人弁理士樺澤襄,樺澤聡,山田哲也主文原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1原告の求めた裁判「特許庁が無効2004-80116号事件について平成17年9月14日にした審決のうち『特許第3304252号の請求項3に係る発明についての特許を,無効とする』とした部分を取り消す」との判決。 。 第2事案の概要本件は,特許第3304252号の特許(以下「本件特許」といい,本件特許に係る発明を「本件発明」という。なお,請求項の個数は3個である)の特許権者。 である原告が,被告の無効審判請求を受けた特許庁により,本件特許の請求項3についての特許を無効とする旨の審決がなされたため,同審決の当該部分の取消しを求めた事案である。 - 2 - 特許庁における手続の経緯原告は,審判係属後の平成16年11月8日に,本件特許の設定登録当時からの特許権者であった有限会社加茂電機研究所及び伊東機工株式会社から,特許権の譲渡を受け,同年12月27日に特許庁長官に対する届出を行ったものである。 ( )本件特許(甲第6,第7号証) 特許権者:有限会社カモ・コーポレーション(原告)発明の名称:印刷機へのセット用パンチ孔を有する刷版の作成方法」「特許出願日:平成7年11月17日(特願平7-323741)優先権主張日:平成6年11月17日(日本)設定登録日:平成14年5月10日特許番号:特許第3304252号( )本件手続 審判請求日:平成16年7月30日(無効2004-80116号)審 優先権主張日:平成6年11月17日(日本)設定登録日:平成14年5月10日特許番号:特許第3304252号( )本件手続 審判請求日:平成16年7月30日(無効2004-80116号)審決日:平成17年9月14日審決の結論:特許第3304252号の請求項3に係る発明についての特許を「無効とする。特許第3304252号の請求項1ないし2に係る発明についての審判請求は,成り立たない。審判費用は,その2分の1を請求人の負担とし,2分の1を被請求人の負担とする」。 審決謄本送達日:平成17年9月27日(原告に対し)。 本件発明の要旨【請求項1,2】省略【請求項3】くわえ辺に,印刷機にセットするための一対のU字形パンチ孔が設けられている多色印刷用刷版を作成する方法であって;あらかじめ,未露光の刷版のくわえ辺に- 3 -前記一対のパンチ孔を形成しておき,それらのパンチ孔によりその刷版を位置決めして固定した後,それらのパンチ孔間の中心線と絵柄の中心線とが一致し,かつ,その絵柄が前記パンチ孔から所定の距離に位置するようにしてその刷版に絵柄を焼き付けることを特徴とする,印刷機へのセット用パンチ孔を有する刷版の作成方法。 審決の理由の要点,,(「」。)審決が本件発明のうち請求項3に係る発明以下本件特許発明3というについての特許を無効とした理由は,以下のとおりであるが,要するに,本件特許発明3は,特開平5-307265号公報(審判甲第4号証,本訴甲第5号証)及び特開平5-200983号公報(審判甲第3号証,本訴甲第4号証)にそれぞれ記載された発明並びに特開平4-229268号公報(審判甲第2号証,本訴甲第3号証)に記載された慣用手段及び技術常識に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本件特 にそれぞれ記載された発明並びに特開平4-229268号公報(審判甲第2号証,本訴甲第3号証)に記載された慣用手段及び技術常識に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本件特許発明3についての特許は,特許法29条2項に違反してなされたものであり,同法123条1項2号に該当するというものである。 1.甲号各証の記載内容審判請求書の無効理由に引用された甲号各証には,以下の記載がある。 (1)甲第1号証(本訴甲第2号証)(中略)(2)甲第2号証(本訴甲第3号証)(2-1)2頁1欄34~37行「産業上の利用分野][- 4 -本発明は,多色印刷における写真製版用の刷版を,多色印刷機にセット後,一度の見当合わせで自動的に本刷を行なうことを可能にする,レジスタパンチシステムに関する」。 (2-2)2頁1欄43~48行「従来の技術][従来,多色印刷における写真製版用の刷版を多色印刷機にセットするに当たっては,トンボを上下左右に描画した版材下端に穿設した1対の丸孔,長孔を,印刷胴の万力のピン孔に一致させたのちに,いちいちピンを差し込み固定するという手間を要し精度も悪い作業を行なっていた。 そこで,さきに本出願人のうちの1名は,特願昭62-28050(審決注:特開昭63-197952号公報)をもって,多色印刷機による印刷の直前に印刷所で,各色用版材のトンボを正確に位置合わせしたうえU字の如く一端開放の形状の穴(以降U字形孔)をパンチする,刷版用トンボ合わせ及びU字形孔パンチ装置を提案した」。 (2-3)3頁4欄21~28行「そしてステップ4において第3図に示すトンボ22を描画された版材20のような版材を版材載置テーブル2上に乗せ,版材センタ出し機構3により版材の水平方向の中心を取る。この版材センタ出し機構3の突起してい してステップ4において第3図に示すトンボ22を描画された版材20のような版材を版材載置テーブル2上に乗せ,版材センタ出し機構3により版材の水平方向の中心を取る。この版材センタ出し機構3の突起しているピンバーで刷版の左右をつめていき両方のピンバーに接触した時点で内蔵センサが働いて停止することにより,センタ出しが行われる」。 (2-4)3頁4欄45行~4頁5欄11行「次いで操作盤15上の移動スイッチによってCCDカメラ6をおおまかにトンボ22の上に持ってくる。 このトンボ22のだいたいの位置は学習機能によって記憶され,2版目からは自動的にある程度の位置までCCDカメラ6が移動しこの時に,トンボの形状や種類をも把握しやはり学習機能によって記憶される。続いてステップ6において,トンボ22の位置をコンピュータに予め記憶してありCRTディスプレイ16に表示される基準トンボに合わせるために操作盤15上で操作を行なう。 これを標準の版材上では3点について行なう。上記までの- 5 -見当合わせの行程を全て終わらせると,ステップ7において,版材載置テーブル2の図示せざる真空吸着装置によって版材を固定し,固定した状態で,ステップ3で選択したパンチ孔の深さ通りに,U字形孔パンチ機構10によって,第3図に示すU字形孔24のような1対のU字形孔を版材の下端にパンチングする」。 (2-5)4頁5欄44行~同6欄13行「2)多色印刷機の刷版は,一色の色を出すのに1枚必要であるので同じ絵柄の刷版を何(枚も必要とする。しかし従来技術においては多色印刷機の版胴に刷版をセットする際に何度も見当合わせによってトンボを調整していたため時間も長くかかり印刷精度も悪い場合が多かった,本発明ではだいたいのトンボの位置までCCDカメラが自動的に移動し,更にCCDカメラで撮像したト る際に何度も見当合わせによってトンボを調整していたため時間も長くかかり印刷精度も悪い場合が多かった,本発明ではだいたいのトンボの位置までCCDカメラが自動的に移動し,更にCCDカメラで撮像したトンボとあらかじめコンピュータに記憶してある正確な位置の基線トンボとを,CRTディスプレイに同時に表示しそれを感知して,操作盤より版上ピンとセンター出し機構とを介して基線トンボに撮像したトンボの位置を合わせる事ができる。 これにより,刷版とその絵柄の位置が各色,ズレていてもトンボの位置で見当合わせしU字形孔パンチを行うので多色印刷機の版胴に刷版を取り付けた状態において刷版の絵柄は常に同じ位置になる」。 (3)甲第3号証(本訴甲第4号証)(3-1)段落【】0001「産業上の利用分野】【本発明は,印刷版の印刷画像露光製版に使用する薄板状PS版材料(プレセンシタイズ版材料)を各種サイズの印刷機の版取り付けサイズに合うように裁断し且つそのPS版材料に版胴に設置されている版取り付け位置決めピンに合致するようにパンチング孔を穿孔するための印刷版裁断穿孔装置に関する」。 (3-2)段落【】0003「発明が解決しようとする課題】【- 6 -上記写真原版を用いて焼付け露光する刷版工程の段階では,既に,これから印刷工程にて使用すべき印刷機の機種や印刷機のサイズ及びそれによる印刷版材料のサイズ及び版取り付け用ピン孔の位置は決定されているものであり,万一何らかの作業進行上の都合により使用すべき印刷機の機種や印刷機のサイズを刷版終了後に変更する場合には,再度,その印刷機に合ったサイズの印刷版材料を準備し,ピン孔を穿孔して,刷版をやり直さなければならった。 よって,従来は,印刷に使用すべき印刷機の機種や印刷機のサイズが決定される以前に,前もって印刷すべき印 の印刷機に合ったサイズの印刷版材料を準備し,ピン孔を穿孔して,刷版をやり直さなければならった。 よって,従来は,印刷に使用すべき印刷機の機種や印刷機のサイズが決定される以前に,前もって印刷すべき印刷版の刷版を終了しておくことができないといった不都合もあった」。 (3-3)段落【】0004「本発明の課題は,印刷に使用すべき印刷機の機種や印刷機のサイズ決定前に,予め印刷に使用する印刷版を刷版してストック(所謂,溜め焼き)しておき,決定後にその印刷版を所定の寸法に裁断して使用するシステムが実施できるようにすることにあり,そのために,印刷機に合致した所定の版サイズに自動的に裁断でき且つその印刷機に合致した所定の位置に版取り付け用のピン孔が自動的に穿孔できるようにすることにある」。 (3-4)段落【】0027「次に,一対の穿孔手段Bについて図1に従って説明すれば,版テーブル2の一端部(図1の図面における版テーブル2の下端部)に平行な線上の2個所に一対の穿孔上板30が両側に取り付けられ,該穿孔上板30,30のそれぞれ穿孔雌孔30aが孔設されており,図2に示すように,該穿孔上板30は,穿孔基台40上に一体に取り付けられる。 又,必要に応じては,該版テーブル2には,該穿孔上板30,30の間の中間点に,印刷版材料1の左右方向の載置位置を決める縦線状の位置決めマーク4を設けるようにしてもよい。 ,,()あるいは又該位置決めマーク4に換えて板状若しくはピン状の版側端当接部図示せずを,版テーブル2の印刷版材料1載置相当部外側の側方端部に版テーブル2面より突出して固定状態,若しくは適宜位置移動調整可能に設けるようにしてもよい」。 - 7 -(3-5)段落【】0034「次に,本発明の印刷版裁断穿孔装置を用いて印刷版材料1を所定の版サイズ( より突出して固定状態,若しくは適宜位置移動調整可能に設けるようにしてもよい」。 - 7 -(3-5)段落【】0034「次に,本発明の印刷版裁断穿孔装置を用いて印刷版材料1を所定の版サイズ(A判,B判,四六判の,各倍判,全判,判截判など)に裁断し且つその印刷版前端部に版取付け時の位置決め用ピン孔を穿孔する場合の一使用例を,図4に従って下記に説明する」。 (3-6)段落【】0035「まず,例えば市販品における最大サイズ(例えばA倍判サイズより多少大きめのサイズ若しくはA倍判サイズ)のアルミニウム製薄板状の矩形状印刷版材料1(PS版,若しくは印刷)に使用すべき印刷機種が設定される以前の所定サイズのアルミニウム製薄板状の矩形状印刷版材料1(PS版)に,その印刷版材料1の左右幅方向(X方向)の中央部1aをほぼ印刷画像の印刷幅方向の中央部として所定の焼付け用原版を用いて密着焼付け,及び建造(現像」の「誤記と認められる)処理して,予め刷版を終了しておく」。 。 (3-7)段落【】0036「次に,版テーブル2上に,その印刷版材料1の下端縁(印刷版の前端縁に相当する部分)を穿孔手段Bの左右一対の穿孔上板30,30とその下側に対向する穿孔ガイド32,32の間に装填し,その印刷版材料1側端縁を版側端当接部4に当接し,該印刷版材料1の中央部1aを,一対の穿孔上板30,30の穿孔雌孔30a,30aの間の中央位置にマークされた位置決めマーク4に整合してセットする」。 (3-8)段落【】0037「続いて,版固定部3,3(図1参照)を用いて印刷版材料1の上端部をそのバネ3bの押し付け力により押し付けることにより印刷版材料1を版テーブル2上に固定する」。 (3-9)段落【】0038「次に,裁断穿孔動作制御器Dからの入力設定された穿孔ピン 料1の上端部をそのバネ3bの押し付け力により押し付けることにより印刷版材料1を版テーブル2上に固定する」。 (3-9)段落【】0038「次に,裁断穿孔動作制御器Dからの入力設定された穿孔ピン孔の穿孔位置データに基づく穿- 8 -孔位置決め制御信号に基づいて,穿孔位置決め手段Cの版端部当接部41を版端部の穿孔位置が所定位置になるように移動させた後,穿孔ピン31を,手動若しくは往復駆動機構35を動作させて上昇動作して印刷版材料1下端部の穿孔雌孔30a相当部に版取付け位置決め用のピン孔を穿孔する」。 (4)甲第4号証(4-1)段落【】0009「本発明は・・・,処理効率を低下させることなく,画像記録のための基準と印刷機による印刷基準とを一致させ,特にカラー印刷時の色ずれを防止することができる感光性平版印刷版のパンチング方法を得ることが目的である」。 (4-2)段落【】0019「実施例】【図1には,本発明の一実施例としての,オートパンチング装置10が示されている。このオートパンチング装置10は,輪転機に使用される印刷版を作成する際,露光されていない感光性平版印刷版(以下「PS版」と言う)12を,殖版機等で処理を行う際の基準及び,現像処理したPS版12を輪転機の版胴へ巻き掛けるための版曲げを行うための基準とするパンチ孔を。 ,穿設するものであるオートパンチング装置10によってパンチ孔が穿設されたPS版12は殖版機等の焼付装置によって原稿フィルム等に記録された画像に応じた露光が施され,現像処理されることによって輪転機等に使用される印刷版となる」。 (4-3)段落【】0021「PS版12はサイズで分類すると10種類以上あるが,殖版機等の焼付装置や輪転機等に装,,(,()填するための向きによって分類すると図2 刷版となる」。 (4-3)段落【】0021「PS版12はサイズで分類すると10種類以上あるが,殖版機等の焼付装置や輪転機等に装,,(,()填するための向きによって分類すると図20に示される如く2種類以下図20のAをAタイプ及び(B)をBタイプという)に分けることができる」。 - 9 -(4-4)段落【】0022「図20(A)及び(B)に示される如く,PS版12には,それぞれ基準となる一辺13Aが決められており,この一辺13Aを基準として殖版用基準パンチ孔12A及び版曲げ用基準パンチ孔12Bが穿設されるようになっている(穿設手段については後述する)。 また,この一辺13Aは,最終的に輪転機へ装着する際の突き当て基準となるものであり,全ての作業(パンチ孔穿設作業,突き当て作業)の基準とされている。すなわち,PS版12の各辺は,直線性においては精度がよいが,隣合う辺同士の直角性は比較的ラフな精度となっているため,全ての基準を一辺13Aとすることにより,位置決め精度を高めている」。 (4-5)段落【】0023「図20(A)に示すAタイプのPS版12は,基準となる一辺13Aに版曲げ基準用パンチ孔12Bが穿設されるタイプであり,図20(B)に示すBタイプのPS版12は,基準となる一辺13Aと隣接する一辺13Bに版曲げ用基準パンチ孔12Bが穿設されるタイプとなっている」。 (4-6)段落【】0119「PS版12の位置決め完了状態でPS版12の搬送方向先端にパンチャー294又はパンチャー296によって,パンチ孔が穿孔される。これらのパンチ孔は,前記一辺13Aが基準となって穿設される。このパンチ孔は,殖版装置による,焼付基準用とされると共に輪転機へ装填するための版曲げ用基準用とされる」。 (4-7)段落【 孔される。これらのパンチ孔は,前記一辺13Aが基準となって穿設される。このパンチ孔は,殖版装置による,焼付基準用とされると共に輪転機へ装填するための版曲げ用基準用とされる」。 (4-7)段落【】0026「・・・例えば,PS版12の幅方向に沿った中心位置を背板22の幅方向の中心位置に合わせる等の方法が可能であるが,これに限定するものではない」。 2.対比・判断- 10 -(1)本件特許明細書の記載本件特許明細書の段落【】には,多色印刷を行う場合には,少なくとも赤,藍,墨,黄0002の4色用の刷版が用いられ,それらの刷版が多色印刷機に順にセットされる際に,絵柄の位置が少しでもずれていると,得られる印刷物が色ずれしたものとなること,そのために各刷版の絵柄の位置を合わせる作業が必要なことが記載されている。 そして,続く段落【】では,従来の技術である,各刷版の一辺(くわえ辺)の,その絵0004柄に対して一定の位置に一対のU字形パンチ孔を形成し,そのパンチ孔を利用して各刷版を印刷機にセットするようにしたものにおける,刷版へのパンチ孔形成方法に関して,まず,刷版が刷版支持テーブル上に載置され,センタリングされ,その刷版に絵柄とともに焼き付けられている左右トンボのいずれか,例えば左側トンボを検出し,そのトンボ位置を記憶し,次いで右側トンボを検出し,その天地方向の位置を左側トンボと一致するように刷版が移動され,その位置で刷版が固定された後に,その刷版の下辺(くわえ辺)に所定間隔で一対のU字形パンチ孔が形成されることが記載される。 そして,段落【】では,このようにしてパンチ孔を形成すれば,各刷版の絵柄に対する0004パンチ孔の位置が一定となり,色ずれを生ずることがなくなることが記載されている。 しかしながら,本件特許発明が解決しようとする 】では,このようにしてパンチ孔を形成すれば,各刷版の絵柄に対する0004パンチ孔の位置が一定となり,色ずれを生ずることがなくなることが記載されている。 しかしながら,本件特許発明が解決しようとする課題に関する段落【】には,前記のよ0005うにパンチ孔の位置を定めたとしても,刷版に焼き付けられている絵柄の中心線がパンチ孔間mmの中心線に一致するとは限らないことから両面印刷を行う場合に表裏の絵柄の位置が数,,程度ずれた場合には,印刷後の断裁や折り畳みによって絵柄が欠ける可能性があることが指摘されている。 そして,段落【】には,本件特許発明の目的が,刷版に形成されているパンチ孔を利用0006してその刷版を印刷機にセットするだけで,各刷版の絵柄の位置を一致させることのできる,印刷機へのセット用パンチ孔を有する刷版の作成方法を得ることであると記載されている。 してみれば,この段落【】における絵柄の位置を一致させるべき刷版とは,その発明が0006解決しようとする課題及び目的に照らせば,両面印刷を行う際の表面に印刷を行う刷版と,裏面に印刷を行う刷版であって,従来の技術において,それらの印刷する絵柄自体に色ずれは生- 11 -じないことを前提としつつも,それらが印刷した表裏面の絵柄の位置をも一致させることが,本件特許発明の目指しているところであると解される。 (中略)(2)甲号各証の記載についての検討(2-1)甲第1号証について(中略)(2-2)甲第2号証について甲2の記載(2-2)によれば,多色印刷における写真製版用の刷版を多色印刷機にセットするに当たって,版材下端に穿設した1対の孔が,丸孔,長孔である場合には,印刷胴の万力のピン孔に一致させたのちに,いちいちピンを差し込み固定するという手間を要し精度も悪い作業であることが,当該 ットするに当たって,版材下端に穿設した1対の孔が,丸孔,長孔である場合には,印刷胴の万力のピン孔に一致させたのちに,いちいちピンを差し込み固定するという手間を要し精度も悪い作業であることが,当該甲2の出願人が従来から意識しており,U字の如く一端開放の形状の穴(以降U字形孔)をパンチすることを既に採用していたことが把握できる。 そして甲2の記載2-4によればステップ6においてトンボ22の位置がコ,(),,,「ンピュータに予め記憶されてありCRTディスプレイ16に表示される基準トンボ」に合わせるために操作盤15上で操作を行なわれるものと記載される。 すると,甲2には,以下の発明が記載されている。 「印刷機にセットするための一対のU字形パンチ孔が設けられている多色印刷用刷版を作成する方法であって;あらかじめ,刷版に絵柄とともに焼き付けられているトンボの位置を記憶させておき,刷版を作成するときには,その刷版に焼き付けられているトンボの位置が,記憶されている前記トンボの位置に合致するようにその刷版を位置決めして固定した後,その刷版に前記パンチ孔を形成することを特徴とする印刷機へのセット用パンチ孔を有する刷版の作成方法」。 (以下「甲2記載発明」という),。 - 12 -ここで,甲2の記載(2-5)にみられるように,甲2において意図されている効果は,多色印刷機の刷版が,同じ絵柄の刷版を何枚も必要とするものであっても,あらかじめコンピュータに記憶してある正確な位置の基線トンボを用いて,同じ絵柄の刷版についてトンボの位置を合わせることでき,この位置合わせした上で開けられるU字形孔パンチを用いることで,多色印刷機の版胴に刷版を取り付けた状態における刷版の絵柄が常に同じ位置になることが期待されるものである。 ただし,甲2の記載か とでき,この位置合わせした上で開けられるU字形孔パンチを用いることで,多色印刷機の版胴に刷版を取り付けた状態における刷版の絵柄が常に同じ位置になることが期待されるものである。 ただし,甲2の記載からは,前記あらかじめコンピュータに記憶される基線トンボが,同じ絵柄の刷版に対して共通に用いられることは把握できるものの,一つの絵柄を印刷する際に用いられる複数枚の刷版相互の位置決めを正確に行うことが意図されているに過ぎず,別の異なる絵柄の刷版に対しても前記コンピュータに記憶される同じ基線トンボが用いられるのかが定かでないことから,異なる絵柄を印刷する際に用いられるところの別の複数枚の刷版による多色刷り印刷との関係について記載若しくは示唆するところはない。 したがって,前記甲1と同様,甲2の記載には,両面印刷した場合に,表裏で絵柄がずれることを意識しているところは窺えない。 (2-3)甲第3号証について甲3の記載(3-3)によれば,甲3記載の発明では,予め印刷に使用する印刷版に刷版してストック(所謂,溜め焼き)しておき,使用する印刷機が決定した後に,その印刷版を所定の寸法に裁断し,使用する印刷機に合致した所定の位置に版取り付け用のピン孔を自動的に穿孔することを目的とするものであることが記載されている。 そして,甲3の記載(3-6)によれば,前記予め行う刷版では,使用する刷版のサイズに関わらず,印刷版材料の左右幅方向(X方向)の中央部をほぼ印刷画像の印刷幅方向の中央部とした印刷が行われることを前提としていることが記載されている。 すると,甲3には,以下の発明が記載されている。 「印刷機にセットするための一対のパンチ孔が設けられている多色印刷用刷版を作成する方法- 13 -であって;あらかじめ,刷版に印刷版材料の左右幅方向(X方向)の中央部をほぼ印刷画像 載されている。 「印刷機にセットするための一対のパンチ孔が設けられている多色印刷用刷版を作成する方法- 13 -であって;あらかじめ,刷版に印刷版材料の左右幅方向(X方向)の中央部をほぼ印刷画像の印刷幅方向の中央部とした印刷を行っておき,刷版にパンチ孔を作成するときには,その刷版の中央部を,穿孔装置の一対の穿孔ピン間の中央位置に合致するようにその刷版を位置決めして固定した後,その刷版に前記パンチ孔を形成することを特徴とする印刷機へのセット用パンチ孔を有する刷版の作成方法」。 (以下「甲3記載発明」という),。 (2-4)甲第4号証について前記各記載事項によれば,甲4には,画像記録のための基準と印刷機による印刷基準とを一致させ,特にカラー印刷時の色ずれを防止することができる感光性平版印刷版のパンチング方法を得ることが記載されており,段落【】から記載される実施例には,図20(A)に示されるような基準となる一辺130019Aに版曲げ基準用パンチ孔12Bが穿設されるAタイプのPS版について,殖版機等で処理を行う際の基準及び,現像処理したPS版12を輪転機の版胴へ巻き掛けるための版曲げを行うための基準として共通に使用するパンチ孔を穿設することが記載されている。 すると,甲4において,段落【】に示される「図20(A)に示すAタイプのPS版10023,」,,2は基準となる一辺13Aに版曲げ基準用パンチ孔12Bが穿設されるタイプすなわち画像記録のための基準と印刷機による印刷基準とを一致させたものについて,以下の発明が記載されている。 「印刷機にセットするための一対のパンチ孔が設けられている多色印刷用刷版を作成する方法であって,あらかじめ,未露光の刷版に,画像記録のための基準と印刷機による印刷基準として共通に使用するパンチ孔を 「印刷機にセットするための一対のパンチ孔が設けられている多色印刷用刷版を作成する方法であって,あらかじめ,未露光の刷版に,画像記録のための基準と印刷機による印刷基準として共通に使用するパンチ孔を形成しておき,それらのパンチ孔によりその刷版を位置決めして固定した後- 14 -に,刷版に画像を焼き付けるようにした,。」印刷機にセットするための一対のパンチ孔が設けられている多色印刷用刷版を作成する方法(以下「甲4記載発明」という),。 (3)本件特許発明1についての判断(中略)(4)本件特許発明2について(中略)(5)本件特許発明3について(5-1)本件特許発明3と甲4記載発明との対比刷版を印刷機に装着する場合には,その刷版の一辺に形成されている「くわえ部」を,印刷機の胴に設けられている一対の万力間に差し込み,胴に対して位置決めした後,当該万力を固定することで,刷版が印刷機に取り付けられるようにされており,当該「くわえ部」が「くわえ辺」と称されることは,技術常識に照らして明らかである。 そして,甲4記載の,画像記録のための基準と印刷機による印刷基準とを一致させたものにおいて「印刷機にセットする為に一対のパンチ孔が設けられている多色印刷用刷版」に「く,わえ辺」が存在することは自明である。 また,パンチ孔が形成されたくわえ辺自体は,絵柄を印刷し得るものとはいえないから,絵柄とパンチ孔との間には所定の距離が設けられることは技術常識に照らして明らかである。 してみれば,本件特許発明3と甲4記載発明とを対比すると,両者は,以下の点で一致及び相違する。 <一致点>I.くわえ辺に,印刷機にセットするための一対のパンチ孔が設けられている多色印刷用’刷版を作成する方法であって;- 15 -J.あらかじめ,未露光の刷版のくわえ辺に前記一対のパ る。 <一致点>I.くわえ辺に,印刷機にセットするための一対のパンチ孔が設けられている多色印刷用’刷版を作成する方法であって;- 15 -J.あらかじめ,未露光の刷版のくわえ辺に前記一対のパンチ孔を形成しておき,それら’のパンチ孔によりその刷版を位置決めして固定した後,K.絵柄が前記パンチ孔から所定の距離に位置するようにしてその刷版に絵柄を焼き付け’ることを特徴とする,L.印刷機へのセット用パンチ孔を有する刷版の作成方法。 ’<相違点>相違点1:パンチ孔形状に関して,本件特許発明3においては,U字形との特定がなされているのに対して,甲4記載発明においては,そのような特定を有しない点。 相違点2:刷版に絵柄を焼き付けるに際して,本件特許発明3においては「それらのパンチ孔間の中心線と絵柄の中心線とが一致」す,るようにされるのに対して,甲4記載発明においては,その点定かでない点。 (5-2)相違点の判断前記甲2の記載から,従来,印刷胴の万力のピン孔に一致させるために用いられる版材下端に穿設した1対の丸孔,長孔では,いちいちピンを差し込み固定するという作業が必要で,手間を要し精度も悪いことから,パンチ孔形状をU字の如く一端開放の形状の穴,すなわちU字形孔とすることが慣用されていると把握できる。 よって,当該相違点1のごとくに構成することは,当業者であれば容易になし得た程度のことと認められる。 次に,相違点2について検討する。 前記「2)甲各号証の記載についての検討」で認定したように,甲3においては,多色刷(り用の刷版であるとの特定はないものの,段落【】~【】の記載に,印刷画像の印刷00350038幅方向の中央部すなわち絵柄中心を,印刷材料の中心に合わせて形成した刷版に対して,版取,,付け位置決め用のピン孔を穿孔するに ものの,段落【】~【】の記載に,印刷画像の印刷00350038幅方向の中央部すなわち絵柄中心を,印刷材料の中心に合わせて形成した刷版に対して,版取,,付け位置決め用のピン孔を穿孔するに際して前記絵柄中心と穿孔を行う一対の穿孔上板30- 16 -30の穿孔雌孔30a,30aの間の中央位置にマークされた位置決めマーク4に整合させること,すなわち,絵柄中心とパンチ孔間の中心を合わせてパンチ孔を形成することが記載されている。 そして,甲3記載発明には「パンチ孔間の中心線」あるいは「絵柄の中心線」なる明記は,されていないものの,各々の部分の中央を認識することが明らかである際に,中心線をもって特定することに格別の困難性があるものとはいえない。 また,甲4記載発明は,未露光の刷版に,画像記録のための基準と印刷機による印刷基準として共通に使用するパンチ孔を形成しておき,それらのパンチ孔によりその刷版を位置決めして固定した後に,刷版に画像を焼き付けるものであるから,前記甲3記載発明と同様に,刷版の中央部と絵柄中心とを合致させる条件を設定するものといえる。 ,「()」,,,ここで前記 本件特許明細書の記載で検討したように本件特許発明は本来は従来の技術において,刷版の中央部に絵柄が必ずしも形成されていないことを前提として,これに伴い発生し得る両面印刷における表裏の絵柄の位置ずれを防ぐことを課題とするものである。 成る程,本件特許発明3においても,結果として,両面印刷における表裏の絵柄の位置ずれを防ぐ作用効果を得られることは事実である。 しかし,本件特許発明3は,たとえ本件特許明細書にいう目的・課題が前記のごとくのものであるとしても,その請求項記載された構成要件によれば,もともと,刷版の中央部に絵柄中心を合わせて印刷すること る。 しかし,本件特許発明3は,たとえ本件特許明細書にいう目的・課題が前記のごとくのものであるとしても,その請求項記載された構成要件によれば,もともと,刷版の中央部に絵柄中心を合わせて印刷することを特定するものであって,本件特許発明1或いは2とは異なり,刷版の中央部に絵柄中心が存在しないことを想定して,これに対処するものではない。 してみれば,相違点2に係る,左右のトンボ間の中心線と前記一対のパンチ孔間の中心線とが一致することを,刷版を作成する際の条件とする点で,前記甲3記載発明或いは甲4記載発明と技術思想を同じくするものと判断せざるを得ない。 ,,。 そして相違点2により得られる作用効果は当業者であれば容易に想到し得ることである以上のとおりであるから,本件特許発明3と甲4記載発明との相違点1及び2のいずれもが- 17 -当業者が容易に想到し得る程度の事項であって,これらが総体として奏する作用効果についても,それら個別の作用効果を合わせた以上の格別なものが期待し得るものともいえない。 よって,本件特許発明3は,これら甲第4号証及び甲第3号証記載の発明及び技術常識に基づいて,当業者であれば容易に発明をすることができたものである。 第3原告の主張(審決取消事由)の要点審決は,本件特許発明3と特開平5-307265号公報(審判甲第4号証,本訴甲第5号証。以下,審決の理由説示を含めて「引用例1」という)に記載され。 た発明(審決の表記は「甲4記載発明。以下,前同様に「引用発明」という)」。 との一致点の認定を誤り(取消事由1,審決の認定した相違点1,2についての)判断を誤った(取消事由2,3)ものであるから,取り消されるべきである。 取消事由1(一致点の認定の誤り)( )審決は,本件特許発明3と引用発明とが「くわえ辺に,印刷機にセット 2についての)判断を誤った(取消事由2,3)ものであるから,取り消されるべきである。 取消事由1(一致点の認定の誤り)( )審決は,本件特許発明3と引用発明とが「くわえ辺に,印刷機にセットす るための一対のパンチ孔が設けられている多色印刷用刷版を作成する方法であって;あらかじめ,未露光の刷版のくわえ辺に前記一対のパンチ孔を形成しておき,それらのパンチ孔によりその刷版を位置決めして固定した後,絵柄が前記パンチ孔から所定の距離に位置するようにしてその刷版に絵柄を焼き付けることを特徴とする,印刷機へのセット用パンチ孔を有する刷版の作成方法」である点で一致する。 と認定したが,以下のとおり,誤りである。 ( )本件特許発明3の要旨が「印刷機にセットするための一対のU字形パンチ 孔が設けられている多色印刷用刷版」と規定するとおり,本件特許発明3の「一対」,。 ,のパンチ孔は印刷用刷版を印刷機にセットするためのものであるこれに対し引用例1に「図1には,本発明の一実施例としての,オートパンチング装置10が示されている。このオートパンチング装置10は,輪転機に使用される印刷版を作- 18 -成する際,露光されていない感光性平版印刷版(以下「PS版」と言う)12を,殖版機等で処理を行う際の基準及び,現像処理したPS版12を輪転機の版胴へ巻き掛けるための版曲げを行うための基準とするパンチ孔を穿設するものである」。 (段落【)と記載されているとおり,引用発明のパンチ孔は,未露光の刷版0019】(PS版)を殖版機等で処理を行う際の基準となるものであるとともに,現像処理した刷版を輪転機の版胴へ巻き掛けるために版曲げを行う際の基準となるものであって,刷版を印刷機にセットするためのものではない。引用例1には,パンチ孔を「印刷機による印刷基準 であるとともに,現像処理した刷版を輪転機の版胴へ巻き掛けるために版曲げを行う際の基準となるものであって,刷版を印刷機にセットするためのものではない。引用例1には,パンチ孔を「印刷機による印刷基準」とするとの記載もあるが,これは「輪転機の版胴へ巻,き掛けるために版曲げを行う際の基準」のことである。引用発明においては,刷版の両端を曲げ,その曲げた端部を版胴のスリットに差し込んで,刷版を輪転機に取り付けるものであり,取り付けに当たってパンチ孔は用いられない。引用発明のようなものでは,印刷機にセットするためにパンチ孔を設ける場合には,殖版機等で処理を行う際の基準及び版曲げを行う際の基準となるパンチ孔とは別個に設けられるものである。したがって,本件特許発明3と引用発明とが「印刷機にセットす,るための一対のパンチ孔が設けられている」点で一致するとした審決の認定は誤りである。 ( )また,本件特許発明3は,多色印刷に伴う色ずれを防止するのみならず, 両面印刷に伴う表面と裏面との印刷のずれを防止することを目的とするものであり,パンチ孔により刷版を位置決めして固定する際,U字形パンチ孔により正確に位置決めをする必要があるものである。これに対し,引用発明のパンチ孔は,上記( )のとおり,殖版機等で処理を行う際の基準と,版曲げを行う際の基準とを兼ね るものであるところ,このようなパンチ孔が丸孔と長孔とで構成されることは,当業者の技術常識である。そして,丸孔及び長孔のパンチ孔は,U字形パンチ孔と異なり,ピンを刺し通すものであるため,刺し通しやすいように開口径がピンの直径より大径とされており,ピンを挿入した後,わずかな「遊び」が生じて,刷版が正確には位置決めされないものである。すなわち,引用発明では,刷版は,パンチ孔- 19 -により「ほぼ」位置 径がピンの直径より大径とされており,ピンを挿入した後,わずかな「遊び」が生じて,刷版が正確には位置決めされないものである。すなわち,引用発明では,刷版は,パンチ孔- 19 -により「ほぼ」位置決めがなされるに止まる。したがって,本件特許発明3と引用発明とが「パンチ孔によりその刷版を位置決め」する点で一致するとした審決の,認定は誤りである。 取消事由2(相違点1についての判断の誤り)審決が認定した相違点1である「パンチ孔形状に関して,本件特許発明3にお,いては,U字形との特定がなされているのに対して,引用発明においては,そのような特定を有しない点」につき,審決は「甲2の記載から,従来,印刷胴の万力,,,のピン孔に一致させるために用いられる版材下端に穿設した1対の丸孔長孔ではいちいちピンを差し込み固定するという作業が必要で,手間を要し精度も悪いことから,パンチ孔形状をU字の如く一端開放の形状の穴,すなわちU字形孔とすることが慣用されていると把握できる。 よって,当該相違点1のごとくに構成することは,当業者であれば容易になし得た程度のことと認められる」と判断したが,。 誤りである。 すなわち,確かに,審判甲第2号証(特開平4-229268号公報,本訴甲第3号証,以下「周知例」という)には,刷版の丸孔や長孔から成るパンチ孔をU。 字形パンチ孔に換えることが記載されているが,当該パンチ孔は,刷版を印刷機にセットするために用いられるものである。これに対し,引用発明のパンチ孔は,上記1の( )のとおり,刷版を印刷機にセットするためのものではなく,殖版機等で 処理を行う際の基準と,版曲げを行う際の基準とを兼ねるものであって,このようなパンチ孔は,技術常識上,丸孔と長孔とから成るものである。したがって,引用発明の丸孔及び長孔を周知例 なく,殖版機等で 処理を行う際の基準と,版曲げを行う際の基準とを兼ねるものであって,このようなパンチ孔は,技術常識上,丸孔と長孔とから成るものである。したがって,引用発明の丸孔及び長孔を周知例に記載されたようなU字型パンチ孔に換えることは,当業者には考えられないところであり,これを容易になし得たとすることはできない。 取消事由3(相違点2についての判断の誤り)- 20 -審決が認定した相違点2である「刷版に絵柄を焼き付けるに際して,本件特許,発明3においては『それらのパンチ孔間の中心線と絵柄の中心線とが一致』する,ようにされるのに対して,引用発明においては,その点定かでない点」につき,審決は審判甲第3号証特開平5-200983号公報本訴甲第4号証以下引,(,。 「用例2」という)に,絵柄中心とパンチ孔間の中心を合わせてパンチ孔を形成す。 ることが記載されているとし,引用例2記載の発明では「パンチ孔間の中心線」,又は「絵柄の中心線」なる明記はされていないものの,各々の部分の中央を認識することが明らかである際に,中心線をもって特定することに格別の困難性があるものとはいえないとして,上記相違点が容易想到であると判断したが,誤りである。 すなわち,本件特許発明3は,多色印刷に伴う色ずれを防止するのみならず,両面印刷に伴う表面と裏面の絵柄の位置のずれを防止することを目的とするものであり,各刷版は,上記1の( )のとおり,正確に位置決めされる必要があるだけでな ,。 ,く絵柄の中心線が正確にパンチ孔間の中心線と一致する必要があるこれに対し引用例2記載の発明は,あらかじめ,焼付けをした刷版をストックしておき,使用する印刷機の機種やサイズに合わせて裁断して使用できるようにしようとするものであって,裁断した際に絵柄 必要があるこれに対し引用例2記載の発明は,あらかじめ,焼付けをした刷版をストックしておき,使用する印刷機の機種やサイズに合わせて裁断して使用できるようにしようとするものであって,裁断した際に絵柄が欠けないよう,絵柄を刷版のほぼ中央部に位置させようとするものであるが,多色印刷を目的とするものではないから,各刷版の絵柄の位置を正確に一定させる必要はない引用例2に印刷版材料1の左右幅方向X。 「(方向)の中央部1aをほぼ印刷画像の印刷幅方向の中央部として所定の焼付け用原版を用いて密着焼付け(段落【)と記載されているとおり,刷版の中央部,」】0035と絵柄の中央部とは「ほぼ」一致していれば足りるものであって,数程度の,mmずれがあっても差し支えないのである。このように,引用例2は,パンチ孔間の中心線と絵柄の中心線とを(正確に)一致させることが記載されたものではなく,それが示唆されたものでもないから,引用発明に引用例2記載の発明を適用しても,本件特許発明3の相違点2に係る構成とはならない。 - 21 -第4被告の反論の要点 取消事由1(一致点の認定の誤り)に対し( )原告は,引用発明のパンチ孔が,刷版を印刷機にセットするためのもので はないと主張するが,引用例1の段落【,段落【,段落【】には,000900190119】】パンチ孔が刷版を輪転機(印刷機)にセットするためのものであることが開示されているといえるから,原告の主張は誤りである。 ( )また,原告は,引用発明の丸孔と長孔とで構成されるパンチ孔は,開口径 ,,「」,がピンの直径より大径であるためピンを挿入した後わずかな遊びが生じて刷版が「ほぼ」位置決めがなされるに止まると主張するが,引用例1には,引用発,,明のパンチ孔 径 ,,「」,がピンの直径より大径であるためピンを挿入した後わずかな遊びが生じて刷版が「ほぼ」位置決めがなされるに止まると主張するが,引用例1には,引用発,,明のパンチ孔の開口径やピンの直径について記載はなく本件特許発明3の要旨もパンチ孔の径の寸法とパンチ孔に挿入するピンの径の寸法との関係につき,何ら限定するものではない。そして,印刷された絵柄にずれが生じないように,パンチ孔で刷版を正確に位置決めすることは当業者の技術常識であるから,原告の主張は誤りである。 取消事由2(相違点1についての判断の誤り)に対し原告は,引用発明のパンチ孔が,刷版を印刷機にセットするためのものではないことを前提として,周知例に記載された慣用手段を引用発明に適用することが容易でないと主張するが,上記1の( )のとおり,引用発明のパンチ孔は,刷版を印刷 機にセットするためのものであるから,原告の主張は,前提を欠くもので,失当である。 取消事由3(相違点2についての判断の誤り)に対し原告は,引用例2は,刷版の中央部と絵柄の中央部とを「ほぼ」一致させること,()が記載されているものであってパンチ孔間の中心線と絵柄の中心線とを正確に一致させることが記載されたものではなく,それが示唆されたものでもないから,- 22 -引用発明に引用例2記載の発明を適用しても,本件特許発明3の相違点2に係る構成とはならないと主張する。 しかしながら,引用例2には「絵柄の左右方向中央部と左右一対のパンチ孔間,の中央部とを一致させる」という技術思想が記載されているといえるものであるところ,引用発明は「未露光の刷版に,画像記録のための基準と印刷機による印刷,基準として共通に使用するパンチ孔を形成しておき,それらのパンチ孔によりその刷版を位置決めし れているといえるものであるところ,引用発明は「未露光の刷版に,画像記録のための基準と印刷機による印刷,基準として共通に使用するパンチ孔を形成しておき,それらのパンチ孔によりその刷版を位置決めして固定した後に,刷版に画像を焼き付けるものである」から,引用例2記載の発明と同様「刷版の中央部と絵柄中心とを合致させる条件を設定す,るもの」ということができることは,審決が指摘するとおりである。そして,このように,刷版の中央部と絵柄の中央部を認識することが明らかである際に,それぞれの中心線をもって特定することは,当業者にとって格別な困難性があるものとはいえない。したがって,原告の上記主張は失当である。 第5当裁判所の判断 取消事由1(一致点の認定の誤り)について,【】,,( )原告は引用例1の段落の記載を引用し引用発明のパンチ孔が 0019,,殖版機等で処理を行う際の基準と版曲げを行う際の基準とを兼ねるものであって刷版を印刷機にセットするためのものではないと主張する。 確かに引用例1には原告が引用する段落の記載のほか図20(A),,【】,「0019及び(B)に示される如く,PS版12には,それぞれ基準となる一辺13Aが決められており,この一辺13Aを基準として殖版用基準パンチ孔12A及び版曲げ用基準パンチ孔12Bが穿設されるようになっている(段落【「図20(A)」】),0022に示すAタイプのPS版12は,基準となる一辺13Aに版曲げ基準用パンチ孔12Bが穿設されるタイプであり(段落【)との各記載があり,これらの記載」】0023によれば,引用例1には,引用発明のパンチ孔につき,殖版機等で処理を行う際の基準とすることと,版曲げを行うための基準とすることが記載されていると認めら- 記載があり,これらの記載」】0023によれば,引用例1には,引用発明のパンチ孔につき,殖版機等で処理を行う際の基準とすることと,版曲げを行うための基準とすることが記載されていると認めら- 23 -れる。 しかしながら,引用例1には,パンチ孔に関し「本発明は・・・感光性平版印,,刷版の所定の縁部に画像記録,印刷機への装着のための基準とするパンチ孔を穿設するための感光性平版印刷版のパンチング方法に関する(段落【「本発。」】),0001明は・・・画像記録のための基準と印刷機による印刷基準とを一致させ,特にカラー印刷時の色ずれを防止することができる感光性平版印刷版のパンチング方法を得ることが目的である(段落【)との記載があり,これらの記載によれば,。」】0009引用発明のパンチ孔につき,画像記録のための基準(殖版機等で処理を行う際の基準)とするとともに,印刷機への装着のための基準とすることも記載されているものと認められる。原告は,上記印刷機への装着のための基準とは,版曲げを行うための基準のことであり,引用発明においては,刷版の両端を曲げ,その曲げた端部を版胴のスリットに差し込んで,刷版を輪転機に取り付けるものであって,取り付けに当たってパンチ孔は用いられないと主張するが「印刷機への装着のための基,準とするパンチ孔」と記載されているものが「版曲げを行うための基準とするパ,ンチ孔」のことであるとする根拠や,刷版を印刷機に取り付ける際にパンチ孔は用いられないとする根拠となるような記載は,引用例1に見当たらず,また,引用発明のようなもので,印刷機にセットするためにパンチ孔を設ける場合には,殖版機等で処理を行う際の基準及び版曲げを行う際の基準となるパンチ孔とは別個に設けられるとする,原告の主張に沿うような証拠もない。 明のようなもので,印刷機にセットするためにパンチ孔を設ける場合には,殖版機等で処理を行う際の基準及び版曲げを行う際の基準となるパンチ孔とは別個に設けられるとする,原告の主張に沿うような証拠もない。そして,引用例1の図20には,パンチ孔が,丸孔及び長孔から成る一対のパンチ孔である実施態様が記載されているところ,周知例には「従来の技術」として「従来,多色印刷における写真,製版用の刷版を多色印刷機にセットするに当たっては,トンボを上下左右に描画した版材下端に穿設した1対の丸孔,長孔を,印刷胴の万力のピン孔に一致させたのちに,いちいちピンを差し込み固定するという手間を要し精度も悪い作業を行なっていた(2頁左欄38~43行)との記載があることを併せ考えれば,引用例1。」には,引用発明において,印刷機にセットするためにパンチ孔を設けることが記載- 24 -されていると認めるのが相当である。 したがって,本件特許発明3と引用発明とが「印刷機にセットするための一対,のパンチ孔が設けられている」点で一致するとした審決の認定に誤りはない。 ,,,( )原告は本件特許発明3は多色印刷に伴う色ずれを防止するのみならず 両面印刷に伴う表面と裏面との印刷のずれを防止することを目的とするものであり,パンチ孔により刷版を位置決めして固定する際,U字形パンチ孔により正確に位置決めをする必要があるが,引用発明の丸孔と長孔とで構成されるパンチ孔は,開口径がピンの直径より大径であるため,ピンを挿入した後,わずかな「遊び」が,,「」。 生じて刷版はパンチ孔によりほぼ位置決めがなされるに止まると主張するしかしながら,本件特許発明3の要旨は,刷版を「正確に」位置決めすることについて,数値等を用いるなどして規定するものではなく,また,引用例1に, チ孔によりほぼ位置決めがなされるに止まると主張するしかしながら,本件特許発明3の要旨は,刷版を「正確に」位置決めすることについて,数値等を用いるなどして規定するものではなく,また,引用例1に,丸孔と長孔とで構成されるパンチ孔により位置決めした際に「遊び」が生ずることが記載されているものでもない。もっとも,周知例には「従来の技術」として,上記,記載に引き続いて「そこで,さきに本出願人のうちの1名は,特願昭62-28,050をもって,多色印刷機による印刷の直前に印刷所で,各色用版材のトンボを正確に位置合わせしたうえU字の如く一端開放の形状の穴(以降U字形孔)をパンチする,刷版用トンボ合わせ及びU字形孔パンチ装置を提案した(2頁左欄43。」~48行)との記載があり,この記載は,丸孔と長孔とで構成されるパンチ孔は,ピンを挿入した後「遊び」が生じるものであり,U字形パンチ孔を用いることに,より「遊び」をなくし得ることが技術常識であることを示唆するものともいえる。 しかしながら,そうだとしても,それらの事象は,丸孔及び長孔のパンチ孔を用いたときと,U字形パンチ孔を用いたときの,それぞれの場合に伴う作用ないし結果であるというべきところ,審決は「パンチ孔形状に関して,本件特許発明3にお,いては,U字形との特定がなされているのに対して,引用発明においては,そのような特定を有しない点」を本件特許発明3と引用発明との相違点1として認定しているのであるから,原告主張のような相違は,相違点1に係る構成上の相違に伴う- 25 -ものとして,相違点1に包含されており,そのような相違を捨象した「パンチ孔により刷版を位置決め」すること自体が,一致点として認定されているものということができる。 したがって,本件特許発明3と引用発明とが「パンチ孔によりその されており,そのような相違を捨象した「パンチ孔により刷版を位置決め」すること自体が,一致点として認定されているものということができる。 したがって,本件特許発明3と引用発明とが「パンチ孔によりその刷版を位置,決め」する点で一致するとした審決の認定に誤りはない。 取消事由2(相違点1についての判断の誤り)について原告は,周知例記載のパンチ孔は,刷版を印刷機にセットするために用いられるものであるのに対し,引用発明のパンチ孔は,刷版を印刷機にセットするためのものではなく,殖版機等で処理を行う際の基準と,版曲げを行う際の基準とを兼ねるものであって,技術常識上,このようなパンチ孔は丸孔と長孔とから成るものであるから,引用発明の丸孔及び長孔を周知例に記載されたようなU字型パンチ孔に換えることは,当業者にこれを容易になし得たとすることはできないと主張する。 しかしながら,引用発明のパンチ孔は,刷版を印刷機にセットするためのものではないとする主張が採用し得ないことは,上記1の( )のとおりであるから,原告 の上記主張はその前提を欠くものであるそして周知例には上記1の( )( ),。 ,,, で摘記した従来技術に係る記載(2頁左欄38~48行)があり,この記載によれば,本件特許出願に係る優先権主張日(平成6年11月17日)当時,印刷機にセットするためのパンチ孔をU字形とすることは,周知慣用の手段であったと認めることができ,作業効率と精度の改善のために引用発明のパンチ孔をU字形とすることは,当業者が容易に想到し得たものと認められる。 したがって,審決の相違点1についての判断に誤りはない。 取消事由3(相違点2についての判断の誤り)について原告は,本件特許発明3においては,両面印刷に伴う表面と裏面の絵柄の位置のずれを防止する したがって,審決の相違点1についての判断に誤りはない。 取消事由3(相違点2についての判断の誤り)について原告は,本件特許発明3においては,両面印刷に伴う表面と裏面の絵柄の位置のずれを防止するため,絵柄の中心線が正確にパンチ孔間の中心線と一致する必要が- 26 -あるのに対し,引用例2記載の発明は,引用例2に記載されているとおり,刷版の中央部と絵柄の中央部とが「ほぼ」一致していれば足りるものであって,引用例2は,パンチ孔間の中心線と絵柄の中心線とを(正確に)一致させることが記載又は示唆されたものではないから,引用発明に引用例2記載の発明を適用しても,本件特許発明3の相違点2に係る構成とはならないと主張する。 しかるところ,引用例2には「本発明は,印刷版の印刷画像露光製版に使用す,る薄板状PS版材料(プレセンシタイズ版材料)を各種サイズの印刷機の版取り付けサイズに合うように裁断し且つそのPS版材料に版胴に設置されている版取り付け位置決めピンに合致するようにパンチング孔を穿孔するための印刷版裁断穿孔装置に関する(段落【「本発明の課題は,印刷に使用すべき印刷機の機種。」】),0001,(,や印刷機のサイズ決定前に予め印刷に使用する印刷版を刷版してストック所謂溜め焼き)しておき,決定後にその印刷版を所定の寸法に裁断して使用するシステムが実施できるようにすることにあり,そのために,印刷機に合致した所定の版サイズに自動的に裁断でき且つその印刷機に合致した所定の位置に版取り付け用のピン孔が自動的に穿孔できるようにすることにある(段落【「次に,一対。」】),0004の穿孔手段Bについて図1に従って説明すれば,版テーブル2の一端部(図1の図面における版テーブル2の下端部)に平行な線上の2個所に一対の穿孔上板30が両側に取 「次に,一対。」】),0004の穿孔手段Bについて図1に従って説明すれば,版テーブル2の一端部(図1の図面における版テーブル2の下端部)に平行な線上の2個所に一対の穿孔上板30が両側に取り付けられ,該穿孔上板30,30のそれぞれ穿孔雌孔30aが孔設されており,図2に示すように,該穿孔上板30は,穿孔基台40上に一体に取り付けられる。又,必要に応じては,該版テーブル2には,該穿孔上板30,30の間の中間点に,印刷版材料1の左右方向の載置位置を決める縦線状の位置決めマーク4を設けるようにしてもよい(段落【「本発明の印刷版裁断穿孔装置を用。」】),0027いて印刷版材料1を所定の版サイズ(A判,B判,四六判の,各倍判,全判,判截判など)に裁断し且つその印刷版前端部に版取付け時の位置決め用ピン孔を穿孔する場合の一使用例を,図4に従って下記に説明する(段落【「まず,例。」】),0034えば市販品における最大サイズ(例えばA倍判サイズより多少大きめのサイズ若し- 27 -くはA倍判サイズ)のアルミニウム製薄板状の矩形状印刷版材料1(PS版,若)しくは印刷に使用すべき印刷機種が設定される以前の所定サイズのアルミニウム製薄板状の矩形状印刷版材料1(PS版)に,その印刷版材料1の左右幅方向(X方向)の中央部1aをほぼ印刷画像の印刷幅方向の中央部として所定の焼付け用原版を用いて密着焼付け,及び建造処理(判決注:現像処理」の誤記と認められる)「。 して,予め刷版を終了しておく(段落【「次に,版テーブル2上に,そ。」】),0035の印刷版材料1の下端縁(印刷版の前端縁に相当する部分)を穿孔手段Bの左右一,,,対の穿孔上板3030とその下側に対向する穿孔ガイド3232の間に装填しその印刷版材料1側端縁を版側端当 の印刷版材料1の下端縁(印刷版の前端縁に相当する部分)を穿孔手段Bの左右一,,,対の穿孔上板3030とその下側に対向する穿孔ガイド3232の間に装填しその印刷版材料1側端縁を版側端当接部4に当接し,該印刷版材料1の中央部1aを,一対の穿孔上板30,30の穿孔雌孔30a,30aの間の中央位置にマークされた位置決めマーク4に整合してセットする(段落【「続いて,版固。」】),0036定部3,3(図1参照)を用いて印刷版材料1の上端部をそのバネ3bの押し付け力により押し付けることにより印刷版材料1を版テーブル2上に固定する(段落。」【「次に,裁断穿孔動作制御器Dからの入力設定された穿孔ピン孔の穿孔0037】),位置データに基づく穿孔位置決め制御信号に基づいて,穿孔位置決め手段Cの版端部当接部41を版端部の穿孔位置が所定位置になるように移動させた後,穿孔ピン31を,手動若しくは往復駆動機構35を動作させて上昇動作して印刷版材料1下端部の穿孔雌孔30a相当部に版取付け位置決め用のピン孔を穿孔する(段落。」【「続いて,刷版作業開始直前,又は刷版作業終了後(若しくは刷版作業0038】),中でもよい)に,印刷に使用すべき印刷機種を選定して,その決定された印刷機に使用すべき印刷版サイズデータに基づいて・・・裁断データを版裁断用制御器D,に入力設定する(段落【「図4においてm~mは,各印刷版サイズ。」】),0039 に裁断すべき印刷方向(Y方向)に沿った印刷版の幅サイズを決定する裁断線を示し,n~nは,各印刷版サイズに裁断すべき印刷幅方向(X方向)に沿った 印刷版の天地サイズを決定する裁断線相当部を示し,1bは,刷版によって形成された印刷版上の印刷画像形成領域を示し,裁断動作においては, ,各印刷版サイズに裁断すべき印刷幅方向(X方向)に沿った 印刷版の天地サイズを決定する裁断線相当部を示し,1bは,刷版によって形成された印刷版上の印刷画像形成領域を示し,裁断動作においては,可動体11に取り- 28 -付けられた断裁刃21が前記裁断線相当部を裁断しながら走査することによって印刷版材料1を裁断するものである(段落【)との各記載がある。 。」】0040これらの記載によれば,引用例2には,あらかじめ印刷画像の焼付けをした刷版(なお,引用例2では「焼付け」を「刷版」と「刷版」を「印刷版」と表記して,,いる)をストックしておき,これを,使用すべき印刷機に合致した所定の版サイ。 ズに自動的に裁断した上,その印刷機に合致した所定の位置に版取り付け用のピン孔(印刷機にセットするための一対のパンチ孔)を自動的に穿孔する印刷版裁断穿孔装置に関し,印刷画像の焼付けの際に,刷版の左右幅方向(X方向)の中央部をほぼ印刷画像の印刷幅方向の中央部として焼付けを行うこと,及び刷版にパンチ孔を形成する際には,その刷版の中央部を,穿孔装置の一対の穿孔ピン間の中央位置に合致するようにその刷版を位置決めして固定した後,その刷版にパンチ孔を穿孔すること(したがって,パンチ孔間の中心線が印刷画像のほぼ中央部に位置する結果となる)が記載されていると認められ,また,段落【】の記載と図4の表。 0040示とによれば,刷版をどのようなサイズに裁断する場合であっても,裁断後の刷版の中央部が裁断前の中央部と一致するように裁断すること(したがって,刷版の中央部がほぼ印刷画像の中央部に位置する状態や,刷版の中央部が一対のパンチ孔の中央位置に合致する状態は維持されること)が記載されているものと認めることができる。 ところで,引用例2の段落【】の記載におい がほぼ印刷画像の中央部に位置する状態や,刷版の中央部が一対のパンチ孔の中央位置に合致する状態は維持されること)が記載されているものと認めることができる。 ところで,引用例2の段落【】の記載においては,印刷版材料(刷版材料)0035の左右幅方向の中央部を「ほぼ」印刷画像の印刷幅方向の中央部として焼付けを行うとの表現となっていることは,原告主張のとおりである。 しかしながら,中央部を特定するのに中心線をもってした場合(中央部を特定す,。),「」る際に中心線を用いることは普通に行われることであると認められるほぼという表現があるにせよ,刷版の中央部が印刷画像の中央部に位置するようにしようとすれば,刷版の中心線と印刷画像の中心線とをともに意識せずにはいられないことは明らかであり,そうすると,刷版の中心線と印刷画像の中心線とを合致させ- 29 -ようとすることは極めて自然なことであって,当業者の最初に想起するところであるというべきである。そして,上記のとおり,パンチ孔は,刷版の中央部を,穿孔装置の一対の穿孔ピン間の中央位置に合致するようにその刷版を位置決めして穿孔するものであるから,刷版の中心線と印刷画像の中心線とが合致すれば,パンチ孔間の中心線が印刷画像の中心線に合致することになり,結局,引用例2には,一対のパンチ孔間の中心線が,絵柄の中心線と合致するように,パンチ孔を形成する技術が開示されているものということができる。他方,上記1の( )で摘記した引用 例1の記載によれば,引用発明は,カラー印刷(多色印刷)時の色ずれを防止することを目的とするものであることが認められ,そのためには,各刷版の絵柄の位置を正確に一定させる必要があるところ,当業者が,引用例2に開示された上記「一,,」対のパンチ孔間の中心線が絵柄の中心線と合致す 的とするものであることが認められ,そのためには,各刷版の絵柄の位置を正確に一定させる必要があるところ,当業者が,引用例2に開示された上記「一,,」対のパンチ孔間の中心線が絵柄の中心線と合致するようにパンチ孔を形成する技術から,一対のパンチ孔間の中心線と絵柄の中心線とを合致させる技術思想を抽出し,各刷版の絵柄の位置を正確に一定させる必要がある引用発明に,これを適用して(多色印刷をするのみで,両面印刷を考えなければ,各刷版の絵柄の位置を正確に一定させる必要があるものの,絵柄の中心線をパンチ孔間の中心線と合致させることは必ずしも必要としないが,絵柄の中心線をパンチ孔間の中心線と合致させれば,必然的に,各刷版の絵柄の位置が正確に一定となることは,直ちに理解し得る事柄である,相違点2に係る本件特許発明3の構成とすることは,容易に想到。)し得る程度のことと認められる。 原告は,引用例2は多色印刷を目的とするものではないから,各刷版の絵柄の位置を正確に一定させる必要はないと主張するが,仮にそうであるとしても,そのことが,引用例2に上記技術が開示されていることと矛盾するものでないことはもとより,当業者が,上記技術思想を抽出し,これを引用発明に適用することを妨げる阻害事由となるものでもない。 したがって,審決の相違点2の判断に誤りはない。 - 30 - 結論 以上によれば,原告の主張はすべて理由がなく,原告の請求は棄却されるべきである。 知的財産高等裁判所第4部裁判長裁判官塚原朋一裁判官石原直樹裁判官高野輝久
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