平成13(行ウ)7 損害賠償等請求事件,損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
平成16年7月16日 大阪地方裁判所
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判決文本文108,553 文字)

主文 1 B事件原告(A事件原告ら補助参加人)のA事件・B事件被告Y1,同株式会社ニューテック,同和田建設株式会社に対する本件各訴えをいずれも却下する。 2 A事件原告らの請求に基づき,A事件・B事件被告Y1,同株式会社ニューテック,A事件被告Y3,A事件・B事件被告和田建設株式会社及びA事件被告Y5は,B事件原告(A事件原告ら補助参加人)に対し,各自金4830万7000円及びこれに対する平成9年11月13日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 3 B事件被告小田急建設株式会社,同野村建設工業株式会社,同株式会社巴コーポレーション,同株式会社金剛組,同坂田建設株式会社及び同株式会社柄谷工務店は,B事件原告(A事件原告ら補助参加人)に対し,各自金4830万7000円及びこれに対する平成9年11月13日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 A事件原告らのその余の各請求及びB事件原告(A事件原告ら補助参加人)のB事件被告小田急建設株式会社,同野村建設工業株式会社,同株式会社巴コーポレーション,同株式会社金剛組,同坂田建設株式会社及び同株式会社柄谷工務店に対するその余の各請求をいずれも棄却する。 5 訴訟費用の負担は,別紙訴訟費用負担一覧表記載のとおりとする。 6 この判決は,第2項及び第3項に限り,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求 1 A事件A事件・B事件被告Y1(以下「被告Y1」という。),同株式会社ニューテック(以下「被告ニューテック」という。),A事件被告Y3(以下「被告Y3」という。),A事件・B事件被告和田建設株式会社(以下「被告和田建設」という。)及びA事件被告Y5(以下「被告Y5」という。)は,B事件原告(A事件補助参加人。以下「原告大阪府」という。)に対し,各自1億0392万7000 件被告和田建設株式会社(以下「被告和田建設」という。)及びA事件被告Y5(以下「被告Y5」という。)は,B事件原告(A事件補助参加人。以下「原告大阪府」という。)に対し,各自1億0392万7000円及びこれに対する平成9年11月13日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 B事件被告Y1,同ニューテック,同和田建設,B事件被告小田急建設株式会(以下「被告小田急建設」という。),同野村建設工業株式会社(以下「被告野村建設工業」という。),同株式会社巴コーポレーション(以下「被告巴コーポレーション」という。),同株式会社金剛組(以下「被告金剛組」という。),同坂田建設株式会社(以下「被告坂田建設」という。)及び同株式会社柄谷工務店(以下「被告柄谷工務店」という。)は,原告大阪府に対し,各自1億0392万7000円及びこれに対する平成9年11月13日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要本件は,指名競争入札の方法により原告大阪府が請負業者を選定して発注した大阪府立桃谷高等学校(以下「桃谷高校」という。)体育館改築工事(以下「本件工事」という。)について,当時大阪府議会議員であった被告Y1が本件工事の入札書比較予定価格の概数を原告大阪府の担当職員から聞き出してこれを指名業者の1つであり,被告ニューテック(平成12年8月10日商号変更前の旧商号株式会社尾上工務店)と被告和田建設の共同企業体(以下「JV」という。)であった尾上・和田経常建設共同企業体(以下「尾上・和田JV」という。)に漏洩し,また,指名業者間に談合が行われた結果,尾上・和田JVが上記予定価格に近接する価格で本件工事を落札し,これにより原告大阪府は損害を被ったとして,大阪府の住民であるA事件原告ら(以下「原告住民ら」という。)が,大阪 間に談合が行われた結果,尾上・和田JVが上記予定価格に近接する価格で本件工事を落札し,これにより原告大阪府は損害を被ったとして,大阪府の住民であるA事件原告ら(以下「原告住民ら」という。)が,大阪府に損害を賠償するよう求める住民訴訟を提起し(A事件),また,その後,原告大阪府が,損害賠償を求める訴訟を提起した(B事件)事案である。 1 前提となる事実等(各摘示の証拠の他,当事者間に争いのない事実(一部当事者間に争いのない場合を含む。)を含む。)(1) 当事者ア原告住民らは,いずれも大阪府の住民である。 (弁論の全趣旨)イ被告Y1は,昭和50年に大阪府議会議員に初当選して以来,大阪府議会議員を務め,平成8年当時も,大阪府議会議員であった。 (甲A12号証,14号証)ウ被告ニューテック,同和田建設,同小田急建設,同野村建設工業,同巴コーポレーション,同金剛組,同坂田建設及び同柄谷工務店は,いずれも建築工事の請負等を業とする株式会社である。 (弁論の全趣旨)エ被告ニューテックは,平成12年8月10日,旧商号株式会社尾上工務店から商号を変更した(本件工事の入札等,本訴で問題となっている事実関係は,いずれも商号変更前である。)。被告ニューテックの平成8年当時の代表者は,被告ニューテックの設立者である被告Y3であった。 被告ニューテックは,大阪市p区に本店を置いていた。尾上・和田JVを組んだ平成7年当時,被告ニューテックの原告大阪府の入札参加資格等級はB2であり,予定価格が1億8000万円以上3億5000万円未満の工事について指名を受けることができる入札参加資格を有していた。 Y2(以下「Y2」という。)は,平成5年ころ,被告Y3から誘われ,実質的に被告ニューテックの営業担当の従業員となった。 (甲B40号証,54号証,弁論 受けることができる入札参加資格を有していた。 Y2(以下「Y2」という。)は,平成5年ころ,被告Y3から誘われ,実質的に被告ニューテックの営業担当の従業員となった。 (甲B40号証,54号証,弁論の全趣旨)オ被告和田建設は,民間発注の工事及び公共工事の各請負を業としていたが,平成8年11月に被告Y5が被告和田建設の取締役を辞任するまでは,民間発注の工事は,被告和田建設の代表者であるY4が全て取り仕切り,公共工事は,被告和田建設の専務取締役であった被告Y5が全て取り仕切っていた。 被告和田建設は,大阪市p区に本店を置いていた。尾上・和田JVを組んだ平成7年当時,被告和田建設の原告大阪府の入札参加資格等級はC1であり,予定価格が1億円以上1億8000万円未満の工事について指名を受けることができる入札参加資格を有していた。 Z1(以下「Z1」という。)は,昭和52年ころ,土木関係の公共工事を請け負っていた建設会社に就職し,以来,公共工事の営業の仕事に従事してきたが,平成5年ころ,被告Y5から誘われ,被告和田建設の営業部長となり,被告Y5の元で公共工事の営業を行うようになった。 (甲B39号証,56号証)カ被告ニューテックと被告和田建設は,平成7年6月ころ,本件工事の発注を目指して,JVを組むこととし,同年7月,原告大阪府に尾上・和田JVの登録を行った。 (甲B39号証,40号証,53号証,55号証,56号証)(2) 被告ニューテックと被告和田建設が尾上・和田JVを組むに至った経緯ア平成5年に,大阪市p区qr-s-t所在の桃谷高校の校舎改装工事が原告大阪府により発注された。被告ニューテック及び被告和田建設は,それぞれ別の業者とJVを組んで入札に参加したが,いずれも落札することはできなかった。 (甲B39号証,54号証,56号証 改装工事が原告大阪府により発注された。被告ニューテック及び被告和田建設は,それぞれ別の業者とJVを組んで入札に参加したが,いずれも落札することはできなかった。 (甲B39号証,54号証,56号証)イ桃谷高校の体育館改築工事(本件工事)が平成8年度に原告大阪府から発注されることが明らかになったが,桃谷高校の所在地と同じ大阪市p区に本店を置く被告ニューテックや被告和田建設は,本件工事を受注したいと考えていた。しかるに,本件工事は,その規模から,等級がAランク(予定価格6億円以上12億円未満)になるものと考えられたところ,当時,原告大阪府では,地元企業振興の趣旨から,地元企業については等級を1ランク上げて入札に参加させる措置を講じていたが,それでも被告ニューテック(等級B2)や被告和田建設(等級C)単体では,本件工事の入札参加資格を得ることは困難であった。 そのため,被告和田建設は,他業者とJVを組んで本件工事の指名競争入札に参加したいと考え,被告ニューテックに本件工事を受注するためのJVを組むことを提案した。そして,被告ニューテックのY2と被告和田建設のZ1において原告大阪府に確認したところ,被告ニューテックと被告和田建設とでJVを組むと等級B1の格付けを得ることができるとのことであり,この場合,本件工事については地元p区の工事であることから,1ランク上げて等級Aの工事であっても指名競争入札に参加が可能なことが判明した。 そこで,被告ニューテックと被告和田建設は,平成7年6月ころ,本件工事の発注を目指して,JVを組むこととし,同年7月,原告大阪府に尾上・和田JVの登録を行った(出資比率の大きい被告ニューテックが代表者となった。)。 (甲B39号証,40号証,53号証,55号証,56号証)(3) 本件工事入札手続の概要ア原告 告大阪府に尾上・和田JVの登録を行った(出資比率の大きい被告ニューテックが代表者となった。)。 (甲B39号証,40号証,53号証,55号証,56号証)(3) 本件工事入札手続の概要ア原告大阪府は,桃谷高校体育館改築工事(本件工事。工期は契約締結日から平成9年10月9日まで)の発注について,指名競争入札による契約締結方式を採用決定し,下記の各指名業者(以下「本件各指名業者」という。)を選定して,平成8年7月24日には本件各指名業者にその旨の通知を行い,翌25日,本件各指名業者に対し,指名競争入札通知書及び指名競争入札心得を交付し,本件工事の入札(以下「本件入札」という。)に参加するよう申し入れをした。 記被告小田急建設(大阪支店)被告野村建設工業被告巴コーポレーション(大阪支店)株式会社淺川組(以下「淺川組」という。)(大阪支店)被告金剛組被告坂田建設(大阪支店)被告柄谷工務店(大阪支店)株式会社小林工務店(以下「小林工務店」という。)福川建設株式会社(以下「福川建設」という。)尾上・和田JVなお,本件各指名業者中,淺川組は,平成10年9月10日に更生手続開始決定,平成12年3月9日に更生計画の認可決定がされた更生会社であり,小林工務店及び福川建設は,それぞれ平成13年2月8日(小林工務店)ないし平成12年1月31日(福川建設)に破産宣告を受けている。 (甲B2号証,3号証,15号証ないし17号証,39号証)イ本件工事について,平成8年7月25日,原告大阪府の入札室において,現場説明が行われ(以下「本件現場説明」という。),本件各指名業者の担当者が集まった。尾上・和田JVの担当者として,Y2及びZ1の両名が本件現場説明に出席した。 (甲B2号証,39号証ないし42号証,4 説明が行われ(以下「本件現場説明」という。),本件各指名業者の担当者が集まった。尾上・和田JVの担当者として,Y2及びZ1の両名が本件現場説明に出席した。 (甲B2号証,39号証ないし42号証,44号証ないし52号証)ウ本件工事について,原告大阪府の建築部営繕室において積算の上,設計金額が6億9791万7700円と算出され,同金額が記載された設計金額調書等が同営繕室の調整担当参事のZ2(以下「Z2」という。)に交付された。そして,Z2において予定価格調書を作成し,同営繕室長のZ3(以下「Z3」という。)が審議した上,同建築部長のZ4が決裁して,本件工事の予定価格及び最低制限価格が決められた。 これにより,本件工事の予定価格及び最低制限価格は,以下の通りとされた。 (ア) 予定価格  6億9782万5000円入札書比較予定価格(消費税を除く)  6億7750万円(イ) 最低制限価格  5億8617万3000円入札書比較最低制限価格(消費税を除く)  5億6910万円(甲B4号証,乙B1号証,2号証,乙G4号証)エ本件入札は,平成8年8月23日に原告大阪府の入札室で行われ,本件各指名業者は,それぞれ以下の価格(契約希望金額の103分の100に相当する金額)で入札した。 被告小田急建設 6億9500万円被告野村建設工業 6億9800万円被告巴コーポレーション  6億9400万円淺川組 6億9000万円被告金剛組 6億8500万円被告坂田建設 7億1500万円被告柄谷工務店 7億1500万円小林工務店 6億8800万円福川建設 6億8000万円尾上・和田JV 6億70 億1500万円被告柄谷工務店 7億1500万円小林工務店 6億8800万円福川建設 6億8000万円尾上・和田JV 6億7000万円(甲B2号証,5号証ないし14号証)オ本件入札の結果,原告大阪府は,尾上・和田JVを落札者と決定し,平成8年8月26日,尾上・和田JVとの間で,請負代金を6億9010万円(うち消費税2010万円)とし,大阪府議会の議決がされたときに本契約となるとの条件で,本件工事の仮契約を締結した。さらに,大阪府議会の議決を経て,同年11月1日,本件工事の本契約(以下「本件契約」という。)としての効力が発生した。 (甲B14号証,18号証,19号証)(4) 被告Y1による本件工事の入札書比較予定価格の概数の漏洩ア被告Y3,被告Y5及びZ1は,平成8年6月ころ,被告Y1の事務所に赴き,被告Y1と面会をして,尾上・和田JVの本件工事受注に向けての取り組みを話すと共に,本件工事の規模を教えてもらうことや,本件工事の指名業者に選定されるよう取り計らってもらうことを依頼した。 (甲A12号証,14号証,甲B39号証,53号証ないし57号証)イ被告Y5は,尾上・和田JVが本件工事の指名業者に選定された後の平成8年7月26日ころ,被告Y1に電話をし,本件工事の入札書比較予定価格を調査して教えて欲しい旨依頼した。 さらに,被告Y5は,本件入札を数日後に控えた同年8月19日,再度被告Y1に電話をし,先に依頼した本件工事の入札書比較予定価格が判明したか否か確認した。これを受けて,被告Y1は,翌同月20日,原告大阪府の建築部営繕室長であるZ3に電話をし,Z3から本件工事の入札書比較予定価格の概数が6億7000万円であることを聞き出した。そして,被告Y1は,同 。これを受けて,被告Y1は,翌同月20日,原告大阪府の建築部営繕室長であるZ3に電話をし,Z3から本件工事の入札書比較予定価格の概数が6億7000万円であることを聞き出した。そして,被告Y1は,同日,被告Y5に電話をして,本件工事の入札書比較予定価格の概数が6億7000万円であることを被告Y5に伝えた。 (甲A13号証,14号証,甲B39号証,53号証,55号証,57号証,被告Y5本人)ウ被告Y3及び被告Y5は,平成8年10月4日ころ,被告Y1の事務所を訪ね,本件入札で尾上・和田JVが落札できたことに対するお礼を言うとともに,被告Y1に対し,現金300万円を交付し,被告Y1もこれを受け取った。 (甲A13号証,14号証)(5) 本件工事の施工と原告大阪府から尾上・和田JVに対する請負代金の支払ア尾上・和田JVは,本件工事を落札した後,本件工事を下請業者に施工させることとした。そこで,被告Y5は,かねてから被告和田建設が下請業者として使用していた穂積建設株式会社(以下「穂積建設」という。)に下請をさせようと考え,穂積建設に見積をさせた。 これに対し,穂積建設は,平成8年9月10日ころ,本件工事の下請け工事代金として,6億1830万円(消費税別)との見積を出したところ,被告Y5から,さらに安くするよう言われ,結局,穂積建設が5億9800万円(消費税別)で下請けすることとなった。 (甲B55号証,57号証,58号証)イ尾上・和田JVは,平成8年11月1日,本件工事に着手し,平成9年10月9日には本件工事を完了した。原告大阪府は,同月15日に完了検査を行い,これに合格したとして,同月22日,本件工事目的物の引渡しを受けた。 (甲B20号証ないし23号証)ウ原告大阪府は,尾上・和田JVに対し,本件工事に係る請負代金として合計6億 日に完了検査を行い,これに合格したとして,同月22日,本件工事目的物の引渡しを受けた。 (甲B20号証ないし23号証)ウ原告大阪府は,尾上・和田JVに対し,本件工事に係る請負代金として合計6億9010万円を以下のとおり支払った。 (ア) 請求日平成8年11月12日支払日同月29日支払額  5990万円(イ) 請求日平成9年1月10日支払日同月31日支払額  3986万円(ウ) 請求日平成9年4月25日支払日同年5月15日支払額  8250万円(エ) 請求日平成9年4月28日支払日同年5月15日支払額  1億6710万円(オ) 請求日平成9年7月7日支払日同月25日支払額  1億0505万円(カ) 請求日平成9年9月8日支払日同月24日支払額  1億1820万円(キ) 請求日平成9年10月29日支払日同年11月13日支払額  1億1749万円(甲B24号証ないし37号証)(6) 被告Y1,被告Y3及び被告Y5に対する刑事事件本件入札に関し,競売入札妨害,贈収賄等の嫌疑で捜査が行われ(本件入札に関する刑事事件を,以下「本件刑事事件」という。),平成11年7月に被告Y1,被告Y3及び被告Y5が逮捕された。 本件刑事事件について,上記被告3名は,それぞれ以下のとおり大阪地方裁判所において有罪判決を受けた。 ア被告Y1罪名競売入札妨害罪及びあっせん収賄罪宣告日平成11年12月13日確定日同月28日イ被告Y3罪名競売入札妨害罪,贈賄罪(本件入札に係る犯罪事実以外の犯罪事実を含む。)宣告日平成11年12 月13日確定日同月28日イ被告Y3罪名競売入札妨害罪,贈賄罪(本件入札に係る犯罪事実以外の犯罪事実を含む。)宣告日平成11年12月24日確定日平成12年1月8日ウ被告Y5罪名競売入札妨害罪,贈賄罪宣告日平成11年12月24日確定日平成12年1月8日(甲A12号証ないし14号証,甲B38号証ないし58号証,乙B1号証,2号証,乙F1号証,乙G3号証,4号証)(7) 原告住民らによる監査請求ア原告住民らは,平成12年12月15日,大阪府監査委員に対し,本件入札に関し,入札書比較予定価格が漏洩され,また,本件各指名業者間で談合が行われたことにより,尾上・和田JVが予定価格ぎりぎりの高値で落札し,これにより原告大阪府に損害を与えたとして,大阪府知事が被告Y1や本件各指名業者らに対する損害賠償請求を怠る事実を対象とする住民監査請求(以下「本件監査請求」という。)を行った。 (甲A1号証)イ大阪府監査委員は,平成13年1月26日,本件監査請求に対し,監査請求期間を徒過しており,かつ,徒過したことについて正当な理由も認められないから,地方自治法242条1項に規定する住民監査請求の要件を満たさないとして,本件監査請求を却下した。 (甲A2号証)(8) 原告らによる訴えの提起ア原告住民らは,平成13年2月23日,A事件被告らを相手として,当裁判所に対し,本件訴え(A事件)を提起した。なお,原告住民らは,当初,大阪府知事も被告とし,大阪府知事が被告Y1,同Y3,同ニューテック,同Y5及び同和田建設に対する金員の支払請求を怠る事実の違法確認も求めていたが,原告大阪府によるB事件の訴え提起も踏まえ, 当初,大阪府知事も被告とし,大阪府知事が被告Y1,同Y3,同ニューテック,同Y5及び同和田建設に対する金員の支払請求を怠る事実の違法確認も求めていたが,原告大阪府によるB事件の訴え提起も踏まえ,平成14年4月26日に行われたA事件の口頭弁論期日において,大阪府知事に対する訴えを取り下げ,大阪府知事も同取下げに同意した。 (当裁判所に顕著な事実)イ原告大阪府は,平成14年3月28日,B事件被告らを相手として,当裁判所に対し,本件訴え(B事件)を提起した。 (当裁判所に顕著な事実) 2 争点(1) 適法な監査請求前置の有無(A事件関係)(2) 原告大阪府の請求の二重起訴該当性(B事件における被告Y1,同ニューテック及び同和田建設に対する請求関係)(3) 被告らの不法行為(談合等)の成否(4) 原告大阪府に生じた損害額(5) 原告大阪府の請求の権利濫用該当性(6) 原告大阪府の請求について,消滅時効の成否 3 争点についての当事者の主張(1) 適法な監査請求前置の有無(A事件関係)(被告ニューテック及び同Y3)ア本件監査請求は,本件入札が行われた平成8年8月23日から4年4か月を経過してされたものであり,また,本件工事に係る本契約が締結された平成8年11月1日から4年1か月を経過してされたものであるから,地方自治法242条が定める監査請求期間を徒過してされたものである。よって,A事件に係る訴えは,適法な監査請求を経ずにされたものであり,却下すべきである。 イ本件において,原告住民らが原告大阪府に生じたとする損害は,原告住民らが被告ニューテックらの共同不法行為であると主張する,入札における価格談合及び贈賄等の結果ではなく,仮にそれらがあったとした場合に,それらによって形成された価格で,原告大阪府が本件工事を尾上・和田JVに発注 ューテックらの共同不法行為であると主張する,入札における価格談合及び贈賄等の結果ではなく,仮にそれらがあったとした場合に,それらによって形成された価格で,原告大阪府が本件工事を尾上・和田JVに発注し,請負契約を締結したことの結果である。とすれば,本件の核心として問われるべきは,上記価格によって契約を締結した財務会計上の行為の違法性である。このように,財務会計上の行為が違法無効であることに基づいて発生する実体法上の請求権の行使を怠る事実(不真正怠る事実)については,財務会計上の行為を違法,不当としてその是正措置を求める監査請求に包含される。 (被告和田建設及び同Y5)本件監査請求は,地方自治法242条2項所定の監査請求期間経過後にされたものであるから,適法な監査請求たり得ない。 (原告住民ら)ア原告住民らが本件監査請求において問題としているのは,原告大阪府がA事件被告らの共同不法行為により受けた損害の賠償請求権,具体的には,本件各指名業者による談合及び被告Y1による予定価格の漏洩により,地方自治法が本来予定する公正な形での入札手続が実施されていないにもかかわらず,公正な手続により契約金額が決定されたものと原告大阪府を誤信させたことにより,本来落札されるべき適当な工事金額よりも不当に高額な入札価格で本件工事が落札されたことから生じる損害賠償請求権の不行使であり,これが地方自治法242条1項所定の財産の管理を怠る事実に当たるとするものである。 そして,財産の管理を怠る事実については,地方自治法242条2項に規定する期間制限の適用はない。 イもっとも,財産管理を怠る事実を問題とする場合でも,財務会計上の行為が違法,無効であることに基づいて発生する実体法上の請求権の不行使をもって財産管理を怠る事実とする場合(不真正怠る事実の場合)に イもっとも,財産管理を怠る事実を問題とする場合でも,財務会計上の行為が違法,無効であることに基づいて発生する実体法上の請求権の不行使をもって財産管理を怠る事実とする場合(不真正怠る事実の場合)については,地方自治法242条2項所定の期間制限が適用されるものとされている。これは,主張の仕方如何によって同項の趣旨を没却する結果を招致させるべきではないとの判断,すなわち特定の財務会計上の行為が違法であるとする監査請求をすれば,それには,通常,上記の違法に基づく実体法上の請求権の行使を怠る事実の監査請求も実質的に含まれており,監査請求人としては前者の監査請求を経ることにより,後者の監査請求の目的も達成しうる状況にあるにもかかわらず,前者の請求を怠った場合に,後者の監査請求のみをした場合には監査請求期間の制限がないとすると,上記制限の趣旨を没却することになり不当であるとの判断に基づくものと解される。 とすれば,期間制限に服する不真正怠る事実の場合とは,結局,財産管理を怠る事実と構成しているが,事実上財務会計上の行為の違法,不当を問題としているのと変わらない場合,即ち,特定の財務会計上の行為の違法,不当を主張する監査請求と表裏の関係にある場合に限られるものというべきである。 これに対し,本件は,A事件被告らにおいて行われた不法行為に基づく損害賠償請求権の不行使を問題とするものであり,そこで問題とされるのは,具体的な入札妨害,談合行為の事実の有無とそれと因果関係を有する損害の有無,金額であって,これが,単に財務会計職員による不正な契約手続の結果,不当に高額の契約を締結したことのみを理由とする監査請求と表裏の関係にあるとは言い難い。 したがって,本件は,上記のような期間制限に服する不真正怠る事実の場合には当たらないというべきである。 以上 当に高額の契約を締結したことのみを理由とする監査請求と表裏の関係にあるとは言い難い。 したがって,本件は,上記のような期間制限に服する不真正怠る事実の場合には当たらないというべきである。 以上から,本件監査請求は,地方自治法242条2項の適用はなく,適法である。 (2) 原告大阪府の請求の二重起訴該当性(B事件における被告Y1,同ニューテック及び同和田建設に対する請求関係)(被告Y1及び同ニューテック)B事件に先行して原告住民らによる住民訴訟が提起されており(A事件),同訴訟では,原告大阪府の被告Y1及び同ニューテックらに対する,本件入札における談合及び入札妨害等を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権が訴訟物となっている。 したがって,被告Y1及び同ニューテックの関係では,B事件は,A事件と当事者及び訴訟物を同じくするものであるから,二重起訴に当たり,却下すべきである。 (3) 被告らの不法行為(談合等)の成否(原告ら)被告らによる不法行為の経過は以下のとおりである。 ア平成8年4月ころ,建設業界新聞に本件工事が同年8月ころに発注になるとの記事が出た。そこで,被告和田建設の従業員Z1は,本件工事について調整(談合)して,尾上・和田JVが落札できるかどうか調べるために,各業者の本件工事への営業活動状況を調査した。 イまず,被告らの建設業界では,以下のような調整(談合)の慣行が存した。 すなわち,調整(談合)は,以下の(ア)(イ)(ウ)の優先権を尊重して行われ,この優先権を尊重しない業者は,談合で相手にされなくなり,建設業を続けていく上で困難な状況に追い込まれていく。 (ア) ひもつき最も優先権の高いのは,「ひもつき」と呼んで尊重する優先権である。 これは,工事が行われる施設について,以前手がけたことのある 設業を続けていく上で困難な状況に追い込まれていく。 (ア) ひもつき最も優先権の高いのは,「ひもつき」と呼んで尊重する優先権である。 これは,工事が行われる施設について,以前手がけたことのある業者の持つ優先権である。 (イ) 地元業者次に優先権が高いのは,「地元業者」の優先権である。 これは,工事の行われる施設に近接して本店所在地を有する業者の持つ優先権である。 (ウ) 貸借さらに,「貸借」という優先権がある。 これは,過去にある業者がある業者に落札の権利を譲ったことなどが元で発生する個々の業者間の優先権である。 ウ Z1は,イの観点から調査したところ,以下のとおり判明し,本件工事については,業者間で談合(調整)して,尾上・和田JVが落札できる蓋然性が極めて高いことが分かった。 (ア) 「ひもつき」について本件工事について「ひもつき」を主張できる業者は,桃谷高校の校舎改装工事を手がけた田中建設・日進土建JVであったが,このうち,田中建設は,本件工事に意欲を見せておらず,田中建設・日進土建JVとして本件工事の入札に参加することはないと考えられた。 (イ) 「地元業者」について地元業者で,本件工事に営業活動をしている者は,大勝建設と末吉工務店があった。 しかし,大勝建設は等級がB2の業者であり,また,末吉工務店の等級はそれ以下であったことから,本件工事の規模が6億円を超えることを考えると,これら業者には入札参加業者となる資格はなかった。 (ウ) 以上から,本件工事について優先権を持つのは,「地元業者」である尾上・和田JVのみと考えられた。 エ Z1は,上記検討結果を被告Y5や被告Y3に報告した。被告Y3は,尾上・和田JVが本件工事の落札業者になれることに加えて,さらに,本件工事の入札書比較予定価格が分かれば,入札書比較予 えられた。 エ Z1は,上記検討結果を被告Y5や被告Y3に報告した。被告Y3は,尾上・和田JVが本件工事の落札業者になれることに加えて,さらに,本件工事の入札書比較予定価格が分かれば,入札書比較予定価格ぎりぎりの価格で本件工事を落札でき,最高の利益を上げることができることから,当時大阪府議会議員であった被告Y1に頼んで入札書比較予定価格を原告大阪府の担当者から聞き出してもらおうと考え,その旨被告Y5に伝え,被告Y5もこれに同意した。 オ被告Y3や被告Y5らは,被告Y1に本件工事のことを話して,本件工事の規模を教えてもらったり,尾上・和田JVが本件工事の入札参加業者として指名してもらえるよう推薦を頼んだりしながら,最終的には,原告大阪府の担当者から入札書比較予定価格を聞き出してもらい,入札書比較予定価格ぎりぎりの金額で本件工事を落札して,最高の利益を得ようと考え,被告Y3,同Y5,Z1及びY2は,平成8年6月,被告Y1の事務所に赴いた(ただし,Y2は執務室には入っていない。)。被告Y3,同Y5及びZ1が,被告Y1の事務所の執務室において被告Y1と会い,本件工事の規模を調べてもらうよう頼んだところ,被告Y1は,直ちに原告大阪府の担当者に電話をして,6億円を超える工事のようである旨教えた。さらに,被告Y3らが,尾上・和田JVが本件工事の入札参加業者として指名を受けられるよう推薦してもらうことを頼み,被告Y1もこれを了承した。 カ尾上・和田JVは,原告大阪府から本件入札に参加できる指名業者に選定され,平成8年7月25日,本件工事について指名競争入札通知書及び指名競争入札心得の交付を受けて,本件入札に参加するよう申し入れを受けた。 同日,本件現場説明に出席したY2及びZ1は,尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者の担当者と名刺交換を行い, 札通知書及び指名競争入札心得の交付を受けて,本件入札に参加するよう申し入れを受けた。 同日,本件現場説明に出席したY2及びZ1は,尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者の担当者と名刺交換を行い,その際,本件工事は地元業者である尾上・和田JVに優先権のある工事であるから,尾上・和田JVを落札業者とすることで談合をまとめたいと思っているので同意して欲しい,後日改めて同意を取りに行くので検討して欲しい,との趣旨で,「今回,地元p地区から指名になった尾上・和田JVです。今回の工事は,地元の工事ということで勉強していますので何とかよろしくお願いします。また改めて会社の方へご挨拶にお伺いします。」と挨拶した。これに対し,他の本件各指名業者からは,反発は示されず,特に談合を拒否するようなことはなかった。 なお,本件現場説明に出席した他の本件各指名業者の担当者は,以下のとおりであった。 被告小田急建設代理人 Z5被告野村建設工業大阪支店営業課長代理 Z6被告巴コーポレーション大阪支店営業課長代理 Z7淺川組営業課長 Z8被告金剛組営業部係長 Z9被告坂田建設営業課長 Z10被告柄谷工務店大阪支店次長 Z11小林工務店営業課長 Z12福川建設営業担当 Z13キ Y2及びZ1は,本件現場説明の際に尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者の担当者と名刺交換をしたときに,談合を拒否するような素振りを示すものはなかった旨を,それぞれ被告Y3ないし被告Y5に報告した。被告Y3及び同Y5は,この報告を受けて,本件工事について優先権を持つ者は,地元業者である尾上・和田JVのみであることを確信した。 そ のはなかった旨を,それぞれ被告Y3ないし被告Y5に報告した。被告Y3及び同Y5は,この報告を受けて,本件工事について優先権を持つ者は,地元業者である尾上・和田JVのみであることを確信した。 そこで,被告Y3及び同Y5は,それぞれY2ないしZ1に対し,他の本件各指名業者の調整(談合)に回るよう命じた。 ク Y2及びZ1は,平成8年7月26日,一緒に尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者を回り,以下記載のとおり本件工事について尾上・和田JVを落札業者とする旨の承諾を取って談合をまとめて回り,尾上・和田JVが本件工事を落札できることを確実にした。 (ア) 被告小田急建設についてY2とZ1は,平成8年7月26日,被告小田急建設大阪支店営業課長Z14(以下「Z14」という。)と面会し,尾上・和田JVが本件工事を受注することに同意してもらいたいとの趣旨で,「本件工事については,尾上・和田JVが地元業者なので是非取りたいのでよろしくお願いします。」と申し入れたところ,Z14は,「分かりました。」と言って,被告小田急建設として,尾上・和田JVが本件工事を落札,受注することに同意した。 (イ) 被告野村建設工業について被告野村建設工業大阪支店営業課長代理Z15(以下「Z15」という。)は,本件現場説明に出席した同営業課長代理Z6(以下「Z6」という。)から,本件工事については,p区の地元業者である尾上・和田JVが希望している旨聞いたとの報告を受けたことから,このことを同営業課長Z16(以下「Z16」という。)に報告した。Z16は,Z15に対し,「地元業者の尾上・和田JVが本件工事を希望しているのであれば,当社も協力してあげなさい。」と指示し,被告野村建設工業として,尾上・和田JVが本件工事を落札,受注することに同意することを決めた。 しかして の尾上・和田JVが本件工事を希望しているのであれば,当社も協力してあげなさい。」と指示し,被告野村建設工業として,尾上・和田JVが本件工事を落札,受注することに同意することを決めた。 しかして,Y2及びZ1が平成8年7月26日に被告野村建設工業の本件工事営業担当者に会って,尾上・和田JVが本件工事を落札,受注することに同意してもらいたいとの趣旨で,「本件工事については,尾上・和田JVが地元業者なので是非取りたいのでよろしくお願いします。」と申し入れたところ,同担当者は,「分かりました。」と言って,被告野村建設工業として,尾上・和田JVが本件工事を落札,受注することに同意した。 (ウ) 被告巴コーポレーションについて被告巴コーポレーションの営業課長Z17(以下「Z17」という。)は,本件現場説明に出席した同営業課長代理Z7(以下「Z7」という。)から,本件工事については,p区の地元業者である尾上・和田JVが希望している旨聞いたとの報告を受けたことから,本件工事は被告巴コーポレーションのエリア外であり,地元業者に譲ることはやむを得ないと判断していた。 しかるところ,Y2及びZ1が,平成8年7月26日,Z17と面会し,Z17に対し,「本件工事については,地元業者の尾上・和田JVに取らせて下さい。お願いします。」と申し入れたところ,Z17は,「分かりました。」と応えて,被告巴コーポレーションとして,尾上・和田JVが本件工事を落札,受注することに同意した。 (エ) 浅川組についてY2及びZ1は,平成8年7月26日,淺川組営業第1部担当次長Z18(以下「Z18」という。)と面会し,Z18に対し,「本件工事は,地元業者の尾上・和田JVが取りたいので,よろしくお願いします。」と申し入れた。これに対し,Z18は,被告ニューテック及び同和田建設 (以下「Z18」という。)と面会し,Z18に対し,「本件工事は,地元業者の尾上・和田JVが取りたいので,よろしくお願いします。」と申し入れた。これに対し,Z18は,被告ニューテック及び同和田建設はいずれも地元業者であり,JVを組んでやっている,地元業者とトラブルを起こしたくないと考え,「分かりました。」と応えて,淺川組として尾上・和田JVが本件工事を落札,受注することに同意した。 (オ) 被告金剛組について被告金剛組の営業課長Z19(以下「Z19」という。)は,本件現場説明に出席した同営業部係長Z9(以下「Z9」という。)から,本件工事については,地元業者の尾上・和田JVが希望している旨の報告を受けた。そこで,Z19は,本件工事については,調整(談合)が入る,地元業者が優先して落札する決まりがあり,被告金剛組が反対する訳にもいかない,被告金剛組としては,尾上・和田JVの調整(談合)に乗るしかないと決めていた。 しかるところ,Y2及びZ1は,平成8年7月26日,Z19と面会し,Z19に対し,「本件工事は,地元業者の尾上・和田JVが希望しておりますので,よろしくお願いします。」と申し入れた。これに対し,Z19は,「はい,分かりました。」と調整(談合)に応じるという了承をし,被告金剛組として,尾上・和田JVが本件工事を落札,受注することに同意した。 (カ) 被告坂田建設について被告坂田建設大阪支店の次長(営業部長)Z20(以下「Z20」という。)は,本件現場説明に出席した同営業課長Z10(以下「Z10」という。)から,尾上・和田JVの営業担当者が来て「よろしくお願いします。」と言って,名刺を出して挨拶に来た旨の報告を受けていた。そのため,Z20は,本来であれば,入札については,競争入札が建前であるが,業者間においては,話し合いによ 当者が来て「よろしくお願いします。」と言って,名刺を出して挨拶に来た旨の報告を受けていた。そのため,Z20は,本来であれば,入札については,競争入札が建前であるが,業者間においては,話し合いによる調整,いわゆる談合によって落札業者を決める場合があり,落札業者を決める基準として,地元業者優先という基準があるところ,本件工事は,p区内の工事であるので,地元業者となる尾上・和田JVが優先となる,被告坂田建設の営業責任者として,このような業者間の仁義に反してまでも,本件工事を取るつもりはないとして,被告坂田建設として,尾上・和田JVの調整(談合)が入れば,これに応じ,尾上・和田JVが本件工事を落札,受注することを同意する旨決めていた。 しかるところ,Y2及びZ1は,平成8年7月26日,被告坂田建設大阪支店を訪ねたが,本件工事担当者が不在であったため,代わりに応対に出た同支店従業員に名刺を渡し,「大阪府から発注された桃谷高校体育館改築工事の件でお世話になっている地元業者の尾上・和田JVです。今度の工事は,当社が希望していますので,よろしくお伝え下さい。」と伝言した。 しかして,被告坂田建設においては,上記のとおり,大阪支店次長(営業部長)のZ20が談合に応ずる旨決定しており,これについて,被告坂田建設は何らの異議も出さず,被告坂田建設として,尾上・和田JVが本件工事を落札,受注することに同意した。 (キ) 被告柄谷工務店についてY2及びZ1は,平成8年7月26日,被告柄谷工務店を訪ねたが,本件工事担当者は不在のため,代わりに対応に出た被告柄谷工務店大阪支店営業主任Z21に名刺を渡し,「大阪府から発注された桃谷高校体育館改築工事の件でお世話になっている地元業者の尾上・和田JVです。今度の工事は,当社が希望していますので,よろしくお伝え下さ 店大阪支店営業主任Z21に名刺を渡し,「大阪府から発注された桃谷高校体育館改築工事の件でお世話になっている地元業者の尾上・和田JVです。今度の工事は,当社が希望していますので,よろしくお伝え下さい。」と伝言した。 しかして,Z21から上記報告を受けた同大阪支店長Z22(以下「Z22」という。)は,その報告から,尾上・和田JVが本件工事を落札,受注することに同意してくれと言ってきたと判断したところ,Y2よりZ22に対し,電話連絡があり,「地元業者ですので,よろしくお願いします。」との依頼があった。 これに対し,Z22は,地元業者であれば仕事を譲っても仕方がないと考えたことから,「ああ,分かりました。」と返事をし,被告柄谷工務店として,尾上・和田JVが本件工事を落札,受注することに同意した。 (ク) 小林工務店についてY2及びZ1は,平成8年7月26日,小林工務店を訪問し,同営業部長Z23(以下「Z23」という。)に面会し,Z23に対し,「本件工事については,地元業者の尾上・和田JVに取らせて下さい。お願いします。」と申し入れた。これに対し,Z23は,「はい,分かりました。」と答えて,小林工務店として,尾上・和田JVが本件工事を落札,受注することに同意した。 (ケ) 福川建設について福川建設常務取締役Z24(以下「Z24」という。)は,本件現場説明に出席した同営業担当Z13から報告を受けて,本件工事については,p区の地元業者である尾上・和田JVから調整(談合)の話が入るだろうと考えられたことから,尾上・和田JVが本件工事を落札,受注することを同意する旨決めていた。 しかるところ,Y2及びZ1は,平成8年7月26日,福川建設を訪ねたが,本件工事担当者が不在であったので,代わりに対応に出た福川建設従業員に名刺を渡し,「大阪府から発注 を同意する旨決めていた。 しかるところ,Y2及びZ1は,平成8年7月26日,福川建設を訪ねたが,本件工事担当者が不在であったので,代わりに対応に出た福川建設従業員に名刺を渡し,「大阪府から発注された桃谷高校体育館改築工事の件でお世話になっている地元業者の尾上・和田JVです。今度の工事は,当社が希望していますので,よろしくお伝え下さい。」と伝言した。同伝言を聞いたZ24は,上記のとおり,本件工事は尾上・和田JVが落札,受注することを同意する旨決めていたので,この件については何らの異議も述べず,福川建設として,尾上・和田JVが本件工事を落札,受注することに同意した。 ケ被告Y5は,被告Y1に対し,平成8年7月26日,「おかげさまで本件工事の指名業者に選ばれました。入札日は平成8年8月23日午前10時と決まりましたので,入札書比較予定価格の方よろしくお願いします。」と電話連絡し,再度,同年8月19日,「いよいよ本件工事の落札が8月23日に行われますので,入札書比較予定価格の金額を教えていただきたいのですが,いくらかお分かりになったでしょうか。」と,原告大阪府の担当者から入札書比較予定価格を聞き出して教えてもらいたい旨電話連絡を取った。 これに対し,被告Y1は,「明日一番に聞き出して,午前中に電話する。」と返事をした。被告Y1は,同月20日,被告Y1の事務所から原告大阪府の建築部営繕室に電話をかけて,営繕室長として,原告大阪府が発注する公共工事の予定価格などを審議し,あるいは専決権などの職務に従事していたZ3から本件工事の入札書比較予定価格の概数が6億7000万円である旨を聞き出した。そして,被告Y1は,被告Y5に電話をし,本件工事の入札書比較予定価格の概数が6億7000万円になることを伝えた。 被告Y5は,直ちに被告Y3に電話をし, 数が6億7000万円である旨を聞き出した。そして,被告Y1は,被告Y5に電話をし,本件工事の入札書比較予定価格の概数が6億7000万円になることを伝えた。 被告Y5は,直ちに被告Y3に電話をし,被告Y1から予定価格(入札書比較予定価格)を6億7000万円と教えてもらった旨伝えた。被告Y3は,本件入札に際し,同金額で入札する旨の返事をした。 コ平成8年8月22日,被告Y5は,Z1に対し,「Y1先生から6億7000万円が予定価格(入札書比較予定価格)と聞いたから,業者には,6億7000万円以上の金額で入札するよう調整(談合)してくれ。」と命じた。被告Y3も,Y2に対し,「明日の入札は,6億7000万円で札を入れろ。」「今から最後の調整(談合)に回ってもらう。業者には,6億7000万円以上の金額で入札するよう言ってくれ。」と命じた。 サ Z1及びY2は,平成8年8月22日,一緒に尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者を回ることとし,6億7000万円では同じ入札金額となったときに困るから,少し上の6億8000万円以上で入札するよう各指名業者に伝えようと話し合いをした上,他の本件各指名業者を回ったところ,以下記載のとおり,これを拒絶する業者は一つもなく,本件入札について,いずれも6億8000万円以上の入札をした。 (ア) 被告小田急建設Y2及びZ1は,平成8年8月22日,被告小田急建設大阪支店の営業課長Z14に対し,「入札については,6億8000万円以上で入れて下さい。」と申し入れたところ,Z14はこれを承諾した。 そして,同月23日,Z14が,被告小田急建設の代理人として,本件入札に参加し,6億9500万円で入札した。 (イ) 被告野村建設工業Y2及びZ1は,平成8年8月22日,被告野村建設工業の営業部営業課長代理Z15と面会し,Z 被告小田急建設の代理人として,本件入札に参加し,6億9500万円で入札した。 (イ) 被告野村建設工業Y2及びZ1は,平成8年8月22日,被告野村建設工業の営業部営業課長代理Z15と面会し,Z15に対し,「入札金額については,6億8000万円以上でお願いします。」と申し入れた。Z15は,直ちにこのことを同営業部長Z16に報告したところ,「6億8000万円以上の金額で入れてあげなさい。」と指示されたことから,Y2及びZ1に対し,「上司の許可が出たので協力させて頂きます。そのかわり,うちが行くときはよろしくお願いします。」と言って,これを承諾した。 そして,同月23日,Z15が,被告野村建設工業の代理人として,本件入札に参加し,6億9800万円で入札した。 (ウ) 被告巴コーポレーションについてY2及びZ1は,平成8年8月22日,被告巴コーポレーションの営業課長Z17に面会し,Z17に対し,「入札金額については,6億8000万円以上でお願いします。」と頼んだ。これに対し,Z17は,「分かりました。6億8000万円で入札してあげます。そのかわり,うちが行くときはよろしくお願いします。」と言って,これを承諾した。 そして,Z17は,同営業課長代理Z7に本件入札の被告巴コーポレーションの委任状を持たせて,6億9400万円で入札するよう指示し,Z7は,同月23日,被告巴コーポレーションの代理人として,本件入札に参加し,6億9400万円で入札した。 (エ) 淺川組についてY2及びZ1は,平成8年8月22日,淺川組の営業第1部担当次長Z18と面会し,Z18に対し,「入札には,6億8000万円以上でお願いします。」と申し入れた。これに対し,Z18は,「分かりました。」と返事をして,これを承諾した。 そして,淺川組は,Z25に6億9000万 し,Z18に対し,「入札には,6億8000万円以上でお願いします。」と申し入れた。これに対し,Z18は,「分かりました。」と返事をして,これを承諾した。 そして,淺川組は,Z25に6億9000万円で入札するよう指示し,Z25は,同月23日,淺川組の代理人として,本件入札に参加し,6億9000万円で入札した。 (オ) 被告金剛組についてY2及びZ1は,平成8年8月22日,被告金剛組の営業課長Z19に面会し,Z19に対し,「6億8000万円以上で入れて下さい。」と申し入れた。これに対し,Z19は,「分かりました。」と返事をして,これを承諾した。 そして,被告金剛組は,同営業部係長Z9に6億8500万円で入札するよう指示し,Z9は,同月23日,被告金剛組の代理人として,本件入札に参加し,6億8500万円で入札した。 (カ) 被告坂田建設についてY2及びZ1は,平成8年8月22日,被告坂田建設の大阪支店に行き,本件工事担当者又は代わりに対応に出た従業員に対し,本件入札については,「6億8000万円以上でお願いしたい。」と申し入れた。 しかして,上記申し入れのあったことを聞いた,本件工事を担当する同支店次長Z20は,上記申し入れを承諾し,同営業課長Z10に7億1500万円で入札するよう指示し,Z10は,同月23日,被告坂田建設の代理人として,本件入札に参加し,7億1500万円で入札した。 (キ) 被告柄谷工務店についてY2及びZ1は,平成8年8月22日,被告柄谷工務店の大阪支店に行き,本件工事担当者又は代わりに対応に出た従業員に対し,本件入札については,「6億8000万円以上でお願いする。」と申し入れた。 しかして,上記申し入れのあったことの報告を受けた同支店長Z22は,上記申し入れを承諾し,同支店次長Z11(以下「Z11」という。 については,「6億8000万円以上でお願いする。」と申し入れた。 しかして,上記申し入れのあったことの報告を受けた同支店長Z22は,上記申し入れを承諾し,同支店次長Z11(以下「Z11」という。)に7億1500万円で入札するよう指示し,Z11は,同月23日,被告柄谷工務店の代理人として,本件入札に参加し,7億1500万円で入札した。 (ク) 小林工務店についてY2及びZ1は,平成8年8月22日,小林工務店の取締役営業部長Z23と会い,Z23に対し,本件入札については,「6億8000万円以上でお願いします。」と申し入れた。これに対し,Z23は,「はい。」と返事をして,上記申し入れを承諾した。 しかして,Z23は,同営業課長Z12に6億8800万円で入札するよう指示し,Z12は,同月23日,小林工務店の代理人として,本件入札に参加し,6億8800万円で入札した。 (ケ) 福川建設についてZ1は,平成8年8月22日,福川建設の常務取締役Z24に会い,Z24に対し,本件入札については,「6億8000万円以上で入札して下さい。」と申し入れた。これに対し,Z24は,これを承諾した。 しかして,Z24は,同営業担当Z26に6億8000万円で入札するよう指示し,Z26は,同月23日,福川建設の代理人として,本件入札に参加し,6億8000万円で入札した。 (被告Y1)被告Y1が,尾上・和田JVができる限り高額で本件工事を落札することができるようにするために,原告大阪府の担当職員であったZ3に働きかけて,Z3から本件工事の入札書比較予定価格の概数が6億7000万円であることを聞き出したことは認める。 (被告ニューテック及び同Y3)ア被告Y3が被告Y5との間で,被告Y1に対し,入札参加業者選定の専決権限を持つ原告大阪府の建築部営繕室から 億7000万円であることを聞き出したことは認める。 (被告ニューテック及び同Y3)ア被告Y3が被告Y5との間で,被告Y1に対し,入札参加業者選定の専決権限を持つ原告大阪府の建築部営繕室から入札書比較予定価格を聞き出してもらうことを依頼しようと話し合い,被告Y1に対し,本件工事の入札書比較予定価格を同営繕室から聞き出して被告Y3及び同Y5らに漏洩することを請託し,被告Y1もこれを了承したことは認める。 イ被告Y3がY2とZ1を通じて尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者と調整した結果談合が成立したこと,並びに,Y2及びZ1に指示して,他の本件各指名業者に6億8000万円以上で入札するよう依頼したことは,否認する。被告らは本件工事について談合は行っていない。 (被告和田建設及び同Y5)ア被告Y1が,本件入札に先立って,原告大阪府の建築部営繕室長のZ3から本件工事の入札書比較予定価格の概数を聞き出し,これを被告Y3及び同Y5に漏洩したことは認める。 イ被告Y3及び同Y5が尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者との間で談合をした事実は否認する。 (被告小田急建設)ア被告小田急建設は,本件入札当時,過去一度も原告大阪府の建築部の工事は受注したことがなく,かつ,同時期に入札がされた原告大阪府の土木部の工事である,前島ポンプ場の雨水滞水池築造工事に営業を集中していた。 このような状況から,被告小田急建設は,建築部の工事である本件工事には全く関心がなかった。 ところが,被告小田急建設は,本件工事について指名を受けてしまったため,やむなく概算的な積算を独自に行い,その金額を入札した。 イ本件現場説明に被告小田急建設のZ5が出席し,Y2及びZ1と名刺交換を行った事実は認めるが,その際,Y2及びZ1が,「今回,地元p地区から指名になっ 算的な積算を独自に行い,その金額を入札した。 イ本件現場説明に被告小田急建設のZ5が出席し,Y2及びZ1と名刺交換を行った事実は認めるが,その際,Y2及びZ1が,「今回,地元p地区から指名になった尾上・和田JVです。今回の工事は,地元の工事ということで勉強していますので何とかよろしくお願いします。また改めて会社の方へご挨拶にお伺いいたします。」と挨拶した事実は否認する。 原告大阪府の庁舎内で行われる説明会において,このような露骨な内容の挨拶が各社担当者と次々に交わされたとの原告らの主張は常識的にあり得ない。 ウ Y2及びZ1が平成8年7月26日ころ被告小田急建設大阪支社に挨拶に来た事実は認めるが,被告小田急建設のZ14において,「分かりました。」等と言って,被告小田急建設として,尾上・和田JVが本件工事を落札,受注することに同意したとの事実は否認する。 この日はZ14は会社を留守にしており,Z14自身は,挨拶に来た担当者と会っていない。対応は部下のZ5がしたが,Z5によれば本件をよろしくといった程度の内容の挨拶で,具体的な金額は明示されなかった。決裁権限のないZ5は,そうですかと聞いておく程度の対応しかしなかった。 その日以降本件入札に至るまで,尾上・和田JVからは電話や訪問など何らの接触はなかった。 エ以上のように,Z14自身は,尾上・和田JVと一度も接触したことすらなく,被告小田急建設においても,尾上・和田JVが本件工事を落札することにつき協力する旨の承諾をした事実は全くない。 オ本件刑事事件において作成されたZ14の調書(以下「Z14刑事調書」という。)では,Z14が被告ニューテックの担当者から挨拶をされ,「分かりました。」と返事をし,かつ,本件入札の前日にも同担当者から電話で「入札については,6億8000万円以上で札を 14刑事調書」という。)では,Z14が被告ニューテックの担当者から挨拶をされ,「分かりました。」と返事をし,かつ,本件入札の前日にも同担当者から電話で「入札については,6億8000万円以上で札を入れて下さい。」との連絡を受けたという内容になっている。 しかしながら,Z14刑事調書の内容は,捜査官の作文にすぎず,適正な取り調べの上,本人の記憶に基づく具体的供述によって作成されたものとは到底言えない。 本件刑事事件におけるZ14に対する取り調べは2回行われたが,1回目は調書は作成されず,2回目にZ14刑事調書が作成された。しかしながら,この2回目の取り調べは,地下の狭い,鉄格子の入った小さな窓しかない部屋に通され,脅し役となだめ役の2人の捜査官が代わる代わる取り調べをし,机を叩かれたり,灰皿が飛んでいったりの厳しい取り調べを受けた。また,トイレに行くのも一人で行かせてもらえず,捜査官がついてきた。また,大きな声を出されたりもした。他方で,「小田急を処罰するのではない,もっと悪いやつがいる。」などと被告小田急には害は及ばないとなだめたりされた。取り調べの時間も5時間に及び,Z14は,頭が真っ白になり,早く出たいとの気持ちでいっぱいになり,事実に全く反する調書に署名押印した。 さらに,本件刑事事件においては,被告Y3や被告Y5らは,談合罪では起訴されておらず,偽計入札妨害罪で起訴されているのであり,上記Z14の調書を含む本件各指名業者の担当者の調書は,本件刑事事件においては談合の事実を証明する証拠としては使用されていない。 以上のように,Z14刑事調書には信用性が認められない。 (被告野村建設工業)ア被告野村建設工業においては,元々公共工事は売上の5パーセント程度にすぎず,また,原告大阪府発注の工事を受注することは数年に一度程度 4刑事調書には信用性が認められない。 (被告野村建設工業)ア被告野村建設工業においては,元々公共工事は売上の5パーセント程度にすぎず,また,原告大阪府発注の工事を受注することは数年に一度程度しかなく,一度原告大阪府の工事を受注すると,その工事期間中は別の原告大阪府発注の工事を受注できないことが,原告大阪府と業界との間の暗黙のルールであった。 平成8年当時,被告野村建設工業としては,既に計画が出て平成10年に予定されていた府営城東住宅の受注を希望していた。このため,他の原告大阪府発注の工事を受注すると,工事期間が重なってしまうおそれがあったことから,被告野村建設工業としては,平成8年当時,本件工事に関して,指名,受注に向けた何らの営業活動も展開していなかった。 そのため,本件工事の入札にあたり原告大阪府から指名されたこと自体が予想外のことであり,被告野村建設工業としては,当初から本件工事を落札するつもりはなかった。 イ本件現場説明に被告野村建設工業の大阪支店営業課長代理のZ6が出席し,Y2及びZ1と名刺交換をした事実は認めるが,その際,Y2及びZ1が,「今回,地元p地区から指名になった尾上・和田JVです。今回の工事は,地元の工事ということで勉強していますので何とかよろしくお願いします。また改めて会社の方へご挨拶にお伺いいたします。」と挨拶した事実は否認する。原告大阪府の担当者も出席している本件現場説明において,Y2及びZ1がこのような挨拶をすることは常識的にあり得ない。 ウ被告野村建設工業大阪支店営業課長代理Z15が,本件現場説明に出席したZ6から,本件工事については,p区の地元業者である尾上・和田JVが希望している旨聞いたとの報告を受けたことから,このことを同営業課長Z16に報告したところ,Z16から,Z15に対し,「地 出席したZ6から,本件工事については,p区の地元業者である尾上・和田JVが希望している旨聞いたとの報告を受けたことから,このことを同営業課長Z16に報告したところ,Z16から,Z15に対し,「地元業者の尾上・和田JVが本件工事を希望しているのであれば,当社も協力してあげなさい。」と指示した事実は否認する。 Z6は,本件現場説明から帰社後,Z15に対し,本件入札における指名業者の中には,他の業者と共に,地元業者のJVとして尾上・和田JVが入っていることを報告した。これを受けて,Z15もZ16に対し,JVを組むことにより格付けを上げてまで入札資格を取得した地元業者の尾上・和田JVが,おそらく本件工事の落札を希望しているであろうとの意見を述べ,Z16も,おそらくそうだろうとこれに同意したに過ぎない。 エ Y2及びZ1が,平成8年7月26日ころ,被告野村建設工業の本件工事営業担当者に対し,本件工事について,尾上・和田JVが落札を希望している旨の申し入れをした事実は認めるが,同担当者が「分かりました。」と言って,被告野村建設工業として,尾上・和田JVが本件工事を落札,受注することに同意したとの事実は否認する。 Y2及びZ1の上記申し入れに対し,被告野村建設工業の担当者は,これを聞いていただけであり,了解するとか協力するという旨の回答はしていない。 オ被告野村建設工業としては,本件工事を受注するつもりはなかったが,本件入札に参加するにあたって,概算であっても入札金額を算定しないことには,低く見積もりすぎて落札してしまった場合には,赤字工事を受注した上に,その工事期間中は他の原告大阪府発注の工事を受注できなくなるという損害を被り,また,落札しないように高く見積もりすぎると,原告大阪府の担当者から,「あそこの業者は見積もできない。」との烙印を押 に,その工事期間中は他の原告大阪府発注の工事を受注できなくなるという損害を被り,また,落札しないように高く見積もりすぎると,原告大阪府の担当者から,「あそこの業者は見積もできない。」との烙印を押され,その後の指名に悪影響を及ぼすことから,落札するつもりがなかったとしても入札金額を算定する必要があった。 そのため,Z16は,Z15に対し,本件工事の入札金額の算定をするよう命じた。これを受けて,Z15は,設計図面から拾い出していく積算という方法は時間とコストがかかるので用いず,原告大阪府発注の過去の工事のデータを基にした単位面積あたりの単価に床面積を掛け,これに被告野村建設工業の一般管理費を経費として乗せた金額を概算として算定し,これを基にして6億9800万円という入札価格を決定した。 カ Y2及びZ1が,平成8年8月22日ころ,Z15と面会し,Z15に対し,「入札金額については,6億8000万円以上でお願いします。」と申し入れた事実は認めるが,Z15がZ16に報告したところ,Z16が「6億8000万円以上の金額で入れてあげなさい。」と指示した事実,及び,Z15から,Y2及びZ1に対し,「上司の許可が出たので協力させて頂きます。そのかわり,うちが行くときはよろしくお願いします。」と言って,これを承諾したとの事実は否認する。 Z15は,上記Y2及びZ1の申し入れを聞いただけであって,これを了解する旨の回答は何らしていない。被告野村建設工業としては,独自の見積により既に6億9800万円との入札金額を算定していたことから,上記申し入れとは関係なく,同金額で入札することを決め,同金額で本件入札に参加したものである。 キ本件刑事事件においても,被告Y1らが有罪判決を受けたのは,競売入札妨害と贈収賄であって,談合については一切認定されていない。 同金額で入札することを決め,同金額で本件入札に参加したものである。 キ本件刑事事件においても,被告Y1らが有罪判決を受けたのは,競売入札妨害と贈収賄であって,談合については一切認定されていない。 ク本件刑事事件において,Z15及びZ16の各調書が作成されている(以下それぞれ,「Z15刑事調書」「Z16刑事調書」という。)。 しかしながら,これらZ15刑事調書,Z16刑事調書中,Y2及びZ1からの申し入れを承諾したとする部分の信用性には疑問がある。 まず,Z15刑事調書については,Z15は,取り調べの開始にあたって黙秘権の告知を受けておらず,取り調べに対して本件工事の詳しいやり取りは覚えていない旨述べると,取調官は,Z15に対し,「このとおりやろ。」と強い調子で言ったり,既にY2やZ1らから供述を得ており,これは被告野村建設工業を処罰するためにしているのではなく,被告Y3や被告Y5を処罰するための裏付捜査としてしているのであり,被告野村建設工業には迷惑をかけないからと言われたりした。このため,Z15としてはやむなく取調官に迎合した内容の調書の作成に協力したものである。 また,Z15は,調書の読み聞かせの段階で,調書に自らが被疑者と記載されていたことから,この時点でようやく自らが被疑者として取り調べられていることを知ったが,調書は既に出来上がっており,署名捺印を拒否することは困難な状況であったため,やむなく署名捺印に応じたものである。 次に,Z16刑事調書についても,Z15と同様に,Z16は,取調官から,既にY2やZ1から供述を得ており,これは被告野村建設工業を処罰するためにしているのではなく,被告Y3や被告Y5を処罰するための裏付け捜査としてしているので,被告野村建設工業には迷惑をかけないと言われ,言われるままに取調官に迎合して れは被告野村建設工業を処罰するためにしているのではなく,被告Y3や被告Y5を処罰するための裏付け捜査としてしているので,被告野村建設工業には迷惑をかけないと言われ,言われるままに取調官に迎合して調書を作成したものである。 (被告巴コーポレーション)ア被告巴コーポレーションからは,本件現場説明に課長代理のZ7が出席したが,本件現場説明は原告大阪府の庁舎内で行われたものであり,談合の依頼がされたり,同意したりする雰囲気でもないし,談合が行われた事実もない。 イ Y2及びZ1が平成8年7月26日ころ被告野村建設工業の課長のZ17と面会したことは認めるが,Z17が「分かりました。」と応えて,被告巴コーポレーションとして,尾上・和田JVが本件工事を落札,受注することに同意したことは否認する。 被告巴コーポレーションの営業は,鉄構営業部門と建築営業部門とに分かれ,さらに建築営業部門は官庁担当と民間担当とに分かれていた。建築営業部門においては,民間工事の営業が担当のZ17と,公共工事の営業が担当のZ7とで,客先別に分けて担当していた。当時本件工事を担当していたのは,原告大阪府を担当していたZ7で,本件現場説明から本件入札までを担当しており,Z17は本件入札等の業務は担当していなかった。 民間と官庁とは,営業の質が違うので,一応お互いそれぞれの責任で担当しており,Z17は官庁にはタッチせず,Z7の上司としての役割もなかった。 Z17自身は,本件入札については,指名競争入札通知書を社内で回覧したので知った程度である。 かかるZ17が,何の予備知識もなく,面識もないY2及びZ1が突然会社に来たとしても,その場で談合を行うことはあり得ない。 ウ Z17が被告巴コーポレーションでY2及びZ1と会ったのは,平成8年7月27日ころの1回だけであり,同 なく,面識もないY2及びZ1が突然会社に来たとしても,その場で談合を行うことはあり得ない。 ウ Z17が被告巴コーポレーションでY2及びZ1と会ったのは,平成8年7月27日ころの1回だけであり,同年8月21日ないし22日ころ会った事実はない。 エ被告巴コーポレーションは,独自に積算し,6億9400万円で入札したものである。 オ本件刑事事件において作成されたZ17の調書(以下「Z17刑事調書」という。)には任意性がなく,信用できないものである。 本件刑事事件において,Z7が2,3回大阪府警察本部に出頭を求められたが,Z7は,聞かれたことが事実と異なっていたので,事実と違うと述べたところ,供述調書は作成されなかった。後日,本件工事を担当していないZ17が出頭を求められ,調書が作成されたが,Z17が,警察官の談合に関する問いかけに対し,やっていないものは言えないと返事をすると,他1名の警察官が他者の供述調書を読み,強い口調で,「このように供述している。」「間違いないのだろう。」と他の供述調書に合わせた供述を求め,「指名停止になることはない。」「調書はオープンにしない。」「協力してくれ,迷惑はかけない。」と言いながら強引に誘導を繰り返し,長時間にわたり協力を求められた結果,事実と異なる内容の調書が作成された。Z17も3回にわたり聴取を受けたが,Z17刑事調書が作成された時は,Z17は,警察本部の2階にある,狭くて窓が1か所の部屋に連れていかれ,警察官が突然机を叩いたり,机の脚を蹴るような暴力的な態度をとる中で,上記のようにして作成されたものであり,その内容は全く信用できないものである。 (被告金剛組)ア本件現場説明に被告金剛組からZ9が出席し,Y2及びZ1と名刺交換をしたことは認めるが,その際,談合(調整)の依頼がされたことは否認す その内容は全く信用できないものである。 (被告金剛組)ア本件現場説明に被告金剛組からZ9が出席し,Y2及びZ1と名刺交換をしたことは認めるが,その際,談合(調整)の依頼がされたことは否認する。本件現場説明は,原告大阪府の庁舎内で行われたものであり,そのような場で談合(調整)の依頼がされたとする原告らの主張は,客観的にもあり得ないことは明らかである。 イ Y2及びZ1が平成8年7月26日に被告金剛組を訪れ,Z19がこれに応対したこと,及び,Z19はY2及びZ1から,尾上・和田JVが落札を希望していると聞いたことは認めるが,これに対し,Z19が「はい,分かりました。」と調整(談合)に応じるという了承をしたことは否認する。Z19は,「そうですか。」と返事をしただけで了解はしていない。 このときのY2及びZ1の訪問は,アポイントもとらず突然被告金剛組の玄関先に現れたもので,やむを得ず玄関先に出ていって対応したものであり,立ち話として1分にも満たない状況であって,Z19はY2及びZ1の話を適当に聞き流して帰したに過ぎない。人が頻繁に出入りする会社の出入口で,しかも立ち話で談合するなど,およそ合理的な世界ではあり得ない。 ウ Y2及びZ1が平成8年8月22日被告金剛組の事務所を訪問し,Z19に対し「6億8000万円以上で入れて下さい。」と申し入れたことは認めるが,Z19がこれを承諾したことは否認する。Z19は,同依頼を聞いただけで,了解はしていない。なお,この時の状況もイ記載と全く同様である。 被告金剛組は,当時,既に別の案件(泉大津なぎさ住宅新築工事)に狙いを定めて営業活動を行っていたところ,本件工事に指名されたことから,本件入札に際し,坪単価75万円という見積のものに明確な計算に従って自ら簡易積算した結果算出した6億8500万円で入 築工事)に狙いを定めて営業活動を行っていたところ,本件工事に指名されたことから,本件入札に際し,坪単価75万円という見積のものに明確な計算に従って自ら簡易積算した結果算出した6億8500万円で入札したものであり,Y2及びZ1の訪問を受け,金額を示される前に,被告金剛組として,6億8500万円で入札するという方針を決定していた。したがって,Y2及びZ1から金額を聞かされたことは,被告金剛組の行動に何の影響も因果関係もない。 エ本件刑事事件においては,検察官は,刑法96条の3第2項の構成要件事実である「談合」があったとは主張しておらず,弁護人も「談合」に関しては何らの弁護活動もしていないし,裁判所も「談合」については何らの判断もしていない。 オ本件刑事事件において,Z19の調書が作成されている(以下「Z19刑事調書」という。)。 しかしながら,Z19刑事調書の作成経過は以下のとおりである。 すなわち,Z19は,警察官から,もともと被告Y1らの贈収賄事件を立件するためであり,Z19や被告金剛組を対象としたものではないと聞かされていた上,当日は,請負金額12億円という,本件工事と比較しても2倍近い大規模工事を受注している施主との間で工事のトラブルに関する話し合いを控えており,営業の責任者として絶対に行かなければならない状況にあったところに,警察官からサインしなければいつまでたっても帰れないぞなどと脅され,一方で,Z19や被告金剛組に不利益はないといった利益誘導を受けて巧みに誘導され,生まれて初めて取り調べを受けるという状況下で,つい警察官を信じてサインをしたものに過ぎない。また,取り調べに際しては,黙秘権の告知もされず,読み聞けにあたっても,不動文字で記載された調書の冒頭部分をあえて読まずに,最終の署名を求める部分だけを示して署名させ じてサインをしたものに過ぎない。また,取り調べに際しては,黙秘権の告知もされず,読み聞けにあたっても,不動文字で記載された調書の冒頭部分をあえて読まずに,最終の署名を求める部分だけを示して署名させるという違法なものであり,調書の長さと打ち込み時間からして,事前に下書き準備されたものとも強く疑われる。 このように,Z19刑事調書には,何らの信用性も存しない。 (被告坂田建設)ア被告坂田建設大阪支店の営業課長Z10が本件現場説明に出席し,その際,尾上・和田JVの営業担当者と名刺の交換をしたことは事実である。しかしながら,このことから,Z20が,談合が入ればこれに応じ,尾上・和田JVが本件工事を落札,受注することを同意したということは到底できない。 イ平成8年7月26日に,Y2及びZ1が被告坂田建設大阪支店を訪問したこと自体,Z10もZ20も,Y2及びZ1が来た旨の伝言を聞いた記憶が全くない。また,仮に,Y2及びZ1が来たとしても,「今度の工事は,当社が希望していますので,よろしくお伝え下さい。」という重要な申出を,名前さえ分からないような従業員に伝言することは考え難い。さらに,この申出を被告坂田建設が同意したというのも,全くの虚構である。 ウ Y2及びZ1が平成8年8月22日に被告坂田建設大阪支店を訪問し,本件工事担当者又は代わりに対応に出た従業員に対し,本件入札については「6億8000万円以上でお願いしたい。」と申し入れたとの原告ら主張についても,これを裏付ける証拠は何ら存しない。Z20やZ10も,このような訪問を受けた記憶も,伝言を聞いた記憶も全くない。ましてや,名前さえ分からない従業員に対し,「6億8000万円以上でお願いしたい。」との伝言をしたというのも不可解である。 エ被告坂田建設は,本件工事はもともと営業活動を行って いた記憶も全くない。ましてや,名前さえ分からない従業員に対し,「6億8000万円以上でお願いしたい。」との伝言をしたというのも不可解である。 エ被告坂田建設は,本件工事はもともと営業活動を行っていない工事であった。被告坂田建設は,当時,原告大阪府の公共工事を2,3年に1件くらい受注していたが,本件工事の入札が行われた平成8年8月当時は,公共事業と民間の工事が合わせて8件の工事がすでに動いており,さらに本件工事を受注するには人員的にも無理があった。また,すでに落札したい物件が次年度にあり,こうしたことからも実際にも本件工事には本腰が入らなかった。しかし,関心がないからといって指名を辞退すれば,その後の指名業者の選定にあたって不利になることもあり,指名されたら入札には参加するというのが被告坂田建設のスタンスであった。こうしたことから本件入札にも参加した。 本件工事の入札金額の積算については,被告坂田建設では,従来から,営業活動をしていない公共事業について指名業者とされた場合には,費用と日数が膨大にかかる詳細な積算は行わずに,工事の規模(平米数)等や当時の物価,坪単価などに基づいて工事金額の概算を算出して,支店経費や本社経費等の割り当て分を計上して入札金額を決定したが,本件工事の入札金額も同様の方法で決定した。どうしても落札したい工事に関しては,指名の段階で渡される図面を見て,必要な材料や部品の数量の拾い出しを行い,これを各パート毎に下請業者に積算してもらって合計し,これに支店経費や本店経費を乗せて利益率も考慮し,最終的な入札金額を決定するという方法で入札金額を決定していた。本件では,このような詳細な積算は行わずに上記のような簡易な積算を行い,営業部での話し合いを経て,最終的には当時の営業部の責任者であるZ20がZ10に指示して本件入 う方法で入札金額を決定していた。本件では,このような詳細な積算は行わずに上記のような簡易な積算を行い,営業部での話し合いを経て,最終的には当時の営業部の責任者であるZ20がZ10に指示して本件入札に参加した。 オ本件刑事事件において,Z20の調書が作成されている(以下「Z20刑事調書」という。)。 しかしながら,Z20刑事調書は,本件の具体的事実,すなわち,原告らが主張する談合の具体的な日時,場所,内容,人物などがどれをとっても全く曖昧である。この点,Z20自身,明確に記憶がないと述べているところである。Z20刑事調書は,Z20には本件に関して記憶がないにもかかわらず,警察が「坂田建設はすごく非協力的だ。」「このままでは終わらんぞ。」「迷惑はかけない。」などと執拗に迫ったため,Z20が警察の言われるままに調書を作成したものである。このようなZ20刑事調書に信用性がないことは明らかである。 (被告柄谷工務店)ア被告柄谷工務店は,元々,尼崎市を中心とする兵庫県南東部を主たる営業地域としており,本件入札当時の被告柄谷工務店大阪支店の年間売上規模はせいぜい3,4億円にすぎなかった。 また,被告柄谷工務店は,本件入札以前に原告大阪府から工事を受注したことがなく,そもそも指名競争入札における指名を受けたことすらなかった。 本件工事に関しても,原告大阪府に対し,指名,受注に向けた何らの営業活動も展開しておらず,本件工事の入札にあたり原告大阪府から指名されたこと自体が予想外のことであった。 そのため,被告柄谷工務店としては,当初から本件工事を落札するつもりはなかった。 もっとも,落札するつもりがなくても,原告大阪府から指名されながら入札を辞退することは,原告大阪府の入札担当者の意向を無視する行為であると一般に理解されており,今後も原告大阪 つもりはなかった。 もっとも,落札するつもりがなくても,原告大阪府から指名されながら入札を辞退することは,原告大阪府の入札担当者の意向を無視する行為であると一般に理解されており,今後も原告大阪府から公共工事入札の指名を受けるためには,たとえ落札するつもりがなくても入札に参加せざるを得なかった。 イ Y2及びZ1が,平成8年7月26日ころ,被告柄谷工務店を訪ね,名刺を置いていった事実は認めるが,被告柄谷工務店大阪支店営業主任Z21に対し,「大阪府から発注された桃谷高校体育館改築工事の件でお世話になっている地元業者の尾上・和田JVです。今度の工事は,当社が希望していますので,よろしくお伝え下さい。」と伝言した事実は否認する。 また,Y2よりZ22に対し,電話連絡があり,「地元業者ですので,よろしくお願いします。」との依頼があった事実は認めるが,これに対し,Z22が,地元業者であれば仕事を譲っても仕方がないと考えて,「ああ,分かりました。」と返事をした事実は否認する。 被告柄谷工務店は,尾上・和田JVが本件工事を落札,受注することに同意したことはない。 ウ Y2及びZ1が,平成8年8月22日ころ,被告柄谷工務店の大阪支店に来て,対応に出た従業員に対し,本件入札については6億8000万円以上でお願いしますとの申し入れをした事実は認めるが,この報告を受けたZ22が,上記申し入れを承諾し,同支店次長Z11に7億1500万円で入札するよう指示した事実は否認する。 上記申し入れを受けた被告柄谷工務店の従業員は,上記申し入れに対し,何らの決定権限も有していないことから,単にこれをZ22に報告したにすぎず,上記申し入れを了解する旨の回答は何らしていない。 エ被告柄谷工務店としては,本件工事を受注するつもりはなかったが,本件入札に参加するにあたって いないことから,単にこれをZ22に報告したにすぎず,上記申し入れを了解する旨の回答は何らしていない。 エ被告柄谷工務店としては,本件工事を受注するつもりはなかったが,本件入札に参加するにあたって,概算であっても入札金額を算定しないことには,低く見積もりすぎて落札してしまった場合には,赤字工事を受注した上に,その工事期間中は他の原告大阪府発注の工事を受注できなくなるという損害を被り,また,落札しないように高く見積もりすぎると,原告大阪府の担当者から,「あそこの業者は見積もできない。」との烙印を押され,その後の指名に悪影響を及ぼすことから,落札するつもりがなかったとしても入札金額を算定する必要があった。そこで,被告柄谷工務店大阪支店は,本社に依頼して行う厳密な見積は時間もコストもかかることから,原告大阪府発注の過去の公共工事における単位面積当たりの価格に床面積を掛け,これに経費率を加算することによって,全体の価格を概算で出す方法により入札金額を決定することとし,その結果,7億1500万円という入札金額を算出したものである。 オ本件刑事事件においても,被告Y1らが有罪判決を受けたのは,競売入札妨害と贈収賄であって,談合については一切認定されていない。 カ本件刑事事件において,Z22の調書が作成されている(以下「Z22刑事調書」という。)。 しかしながら,Z22刑事調書は,本件入札後3年近く経過した時期に,以下の経過で作成されたものであり,その信用性には疑問がある。 すなわち,本件刑事事件において,元々被告柄谷工務店のZ11次長が大阪府警察本部に呼ばれていたが,Z11次長は談合の事実を否認し,本件入札はZ22が行った見積に基づき行ったものである旨供述した。そこで,大阪府警察本部からZ22に電話があり,Z22が行くことになったが,Z22自 に呼ばれていたが,Z11次長は談合の事実を否認し,本件入札はZ22が行った見積に基づき行ったものである旨供述した。そこで,大阪府警察本部からZ22に電話があり,Z22が行くことになったが,Z22自身,Y2やZ1には会ったことがなく,また,当時,既に本件入札から3年近くが経過していたこともあって,本件工事の際のやり取りを尋ねられても詳しいやりとりは覚えていないと答えざるを得なかった。 ところが,取り調べを担当した警察官は,既にY2やZ1らから聞いた情報を基に,Z22の記憶が曖昧であることに乗じて,事実はこうだったのではないかと強引な態度をとっていた。また,取り調べを担当した警察官からは,これは被告柄谷工務店を処罰するためにしているのではなく,被告Y3や被告Y5を処罰するための裏付けとしてしているのであるから,認めた方がいいと言われ,取り調べの開始から長時間が経過していたこともあって,記憶とは異なる部分があったにもかかわらず,調書に署名捺印したものである。 (4) 原告大阪府に生じた損害額(原告住民ら)ア本件工事において,被告らの競売入札妨害や談合の違法行為がなければ,業者間の競争が行われ,本件工事の入札書比較最低制限価格5億6910万円に,これに対する消費税1707万3000円を加算した5億8617万3000円が,本件工事の請負代金となっていた蓋然性が高い。 したがって,本件工事において,被告らの不法行為により,原告大阪府が被った財産的損害は,原告大阪府から尾上・和田JVに対し支払われた6億9010万円(内消費税2010万円)と上記5億8617万3000円との差額である1億0392万7000円となる。 イ(ア) 地方自治法は,自治体による公共事業等の売買,貸借,請負,その他の契約について,競争入札を原則として,競争入札によって適正 617万3000円との差額である1億0392万7000円となる。 イ(ア) 地方自治法は,自治体による公共事業等の売買,貸借,請負,その他の契約について,競争入札を原則として,競争入札によって適正な価格が形成されることを予定している(同法234条1項,2項)。 そして,同法234条3項は,競争入札においては,政令の定めるところにより,契約の目的に応じ,予定価格の制限の範囲内で最低の価格をもって申込みをした者を契約の相手方とする旨定める。公共工事等の費用はすべて国民,住民の税金でまかなわれることから,国民,住民から公金の信託を受けた地方公共団体は,その費用を最小限にすることが要請されるからである。 競争入札においては,公正な自由競争が行われた場合,落札者,落札価格の決定が入札参加者による競争によって決められるため,入札参加者の入札価格の設定には,工事原価,利潤を抑制するインセンティブが働く。 その結果,最終的な落札価格には,競争による価格の下落(価格競争の効果)が発生するが,競争入札制度は,この価格競争効果を法的に予定し,このような価格競争効果(落札価格の下落)が,地方自治法等が法的に保護している発注者ひいては住民の利益なのである。 (イ) ところが,入札談合では,カルテルによって落札価格が決定され,競争原理が排除されるため,価格競争効果が失われる。入札談合によって発注者が被る損害とは,価格競争効果が排除される結果発注者が受ける損害に他ならない。すなわち,入札談合における損害は,談合によって成立した価格(以下「談合価格」という。)と,競争入札において,公正な自由競争が行われたならば,すなわち談合がなかったならば成立したであろう落札価格(以下「適正競争価格」という。)との差額である。 想定される適正競争価格を一義的に決定することは容易 において,公正な自由競争が行われたならば,すなわち談合がなかったならば成立したであろう落札価格(以下「適正競争価格」という。)との差額である。 想定される適正競争価格を一義的に決定することは容易ではないとしても,議員,落札業者らの入札妨害,贈収賄行為そして談合行為によって入札手続の公正がゆがめられた本件では,適正競争価格は入札最低制限価格と考えられる。 (ウ) 競争入札制度が公正に運用された場合,落札価格は,予定価格に比して大幅に下落する。これは,予定価格が,あくまで標準的工法を基準に標準的な資材単価等を用いて積算されたものであって,個々の企業の経営努力は捨象して積算されるものであること,すなわち,予定価格は,入札施行者が落札を承認しようとする極限を示す内部的標準価格ないしは行政内部の予算枠にすぎないためである。 しかしながら,他方で,工事原価割れ,すなわち,ダンピングによる異常低価格で落札されると,工事業者により手抜き工事や欠陥工事が行われ,国や地方公共団体に損害が生じるおそれがある。 そこで,国及び地方公共団体は,予定価格をもとにダンピング,すなわち採算割れとならない工事原価を算定し,その算定価格以下での契約を回避することによってダンピングによる損害を防止することとしている。すなわち,地方自治法施行令167条の10は,1項において低入札価格調査制度を,また,2項において最低制限価格制度をそれぞれ規定することによって,原価割れであるダンピングの誘発を防止しようとしている。 まず,低入札価格調査制度では,あらかじめ定められた基準額を下回る低額の入札があった場合,同価格の入札の合理性を調査し,そのうえで積算に合理性が認められる場合にその入札者を落札者とする。低入札価格調査制度を発動すべき低入札価格か否かの判断は,発注者があらかじ る低額の入札があった場合,同価格の入札の合理性を調査し,そのうえで積算に合理性が認められる場合にその入札者を落札者とする。低入札価格調査制度を発動すべき低入札価格か否かの判断は,発注者があらかじめ定めることとされており,各発注者は,中央公共工事契約制度運用連絡協議会により作成された低入札価格調査標準モデルにしたがって,基準を定めている。 国では,この低入札価格調査制度のみが認められているのに対し,地方公共団体では最低制限価格制度が認められ,かつ最低制限価格制度を採用するものが多く,本件入札においてもすべて最低制限価格制度が採られている。国と比較した場合,地方公共団体に低入札価格が合理的な価格であるかを見極める調査能力に限界があり,入札価格が予定価格以下であっても,最低制限価格を下回った場合には,自動的に失格とする最低制限価格制度を採用できるとされているためである。 そして,原告大阪府,大阪市を含む多くの地方自治体は,低入札価格調査標準モデルをもとに,予定価格の85パーセントを上限とし,それ以下の価格を最低制限価格として設定している。 以上のように,最低制限価格はダンピングすなわち採算割れによる不良工事等を防止するために設定される入札基準価格であって,最低制限価格においても,利益が確保されることが前提とされているのであり,本来的には適正競争価格はむしろ最低制限価格を下回るものと考えられている。 現に,本件を含む一連の原告大阪府,大阪市議員談合入札で明らかとなった入札実態も,入札参加者にとって,工事原価は最低制限価格を下回るのが通常であることを示している。 (エ) 別紙分布図が示すように,原告大阪府や大阪市の落札状況のデータからも,競争入札における公正な自由競争が行われた場合,落札価格が最低制限価格に収れんしていくものといえる。 ることを示している。 (エ) 別紙分布図が示すように,原告大阪府や大阪市の落札状況のデータからも,競争入札における公正な自由競争が行われた場合,落札価格が最低制限価格に収れんしていくものといえる。 すなわち,別紙分布図は,平成7年度以降における原告大阪府の府営住宅に係る公共工事の落札価格の分布を示したものである。同分布図中,各落札価格の相対落札値とは,各入札回における予定価格と最低制限価格の差額(幅)を1としたときの,入札価格と最低制限価格の差額の割合を計算したものである。この場合,相対落札値が小さいほど入札価格は最低制限価格に近く,逆に大きいほど入札価格は予定価格に近くなる。相対落札値が0のとき,落札価格は最低制限価格に一致し,相対落札値が1のとき,落札価格は予定価格に一致する。 同分布図によると,原告大阪府の府営住宅に関する公共工事の落札価格の分布は,大きく2つのグループ,すなわち,最低制限価格に近接したグループ(以下「下張り付きグループ」という。)と,予定価格に近接したグループ(以下「上張り付きグループ」という。)に2極分化している。 このうち,下張り付きグループは,上記(ウ)の主張を裏付けるものであり,最低制限価格が最低限の工事原価を上回る金額であることを意味している。その結果,価格競争によって押し下げられる最終的な落札価格は,最低制限価格ぎりぎりの価格帯に収束し,かつ,集中しているのである。 これに対し,上張り付きグループは,予定価格に近づくほど件数も多くなっている。これは,価格競争によって価格が下落するという価格法則に反した,不自然な分布である。 この上張り付きグループは,予定価格の85パーセントからはるかに乖離した価格帯に集中しているしているのであって,そこに工事原価をはるかに超えた利潤が発生していることを示して ,不自然な分布である。 この上張り付きグループは,予定価格の85パーセントからはるかに乖離した価格帯に集中しているしているのであって,そこに工事原価をはるかに超えた利潤が発生していることを示している。上張り付きグループが,談合という価格操作によって生じた人為的な落札価格であり,適正競争価格を反映したグループではないことは明白である。 (オ) 以上から,適正な競争が行われた場合の落札価格は最低制限価格に集中していくのであり,また,最低制限価格での落札でも十分に利潤を確保できるから,適正な競争が行われた場合の予想落札価格,すなわち適正競争価格は,最低制限価格となると考えるのが最も合理的である。 本件入札においても,談合が行われず適正な競争が行われた場合の適正競争価格は最低制限価格となることが合理的に予想され,被告らの不法行為により原告大阪府が受けた損害は,現実の落札価格と最低制限価格の差額となるというべきである。 ウ本件工事について,尾上・和田JVは,下請業者に約5億9000万円で施工させているところ,下請け業者に利益を確保させることを前提にしていることから,同価格は最低制限価格を若干上回っているが,談合が成立せず競争による入札となっていた場合には,被告ニューテック及び同和田建設において,本件工事について地元業者として極めて強い受注意欲を有していたこと,本件工事の契約実績が将来にわたって公共工事の受注を希望する被告ニューテック及び同和田建設にとってきわめて重要な意味を持っていたこと,下請工事を希望する下請業者は多数存在し,被告ニューテック及び同和田建設の下での価格競争が行われていたこと,被告ニューテックは,談合が成立していない場合には,確実に最低制限価格で落札してきた事実等にかんがみれば,尾上・和田JVが最低制限価格で落札していた蓋 同和田建設の下での価格競争が行われていたこと,被告ニューテックは,談合が成立していない場合には,確実に最低制限価格で落札してきた事実等にかんがみれば,尾上・和田JVが最低制限価格で落札していた蓋然性が極めて高いといえる。 なお,被告Y3も,本件刑事事件において,本件の場合,たたき合いなら5億9000万円くらいで入札していた旨の供述をしている。 (原告大阪府)ア以下のとおり,本件契約は無効である。 (ア) 原告大阪府は,本件各指名業者に対し,本件入札に先立ち,「談合,その他不法行為により,入札を行ったと認められる入札は無効となる」ことを申し入れ,本件各指名業者は,これを承諾の上,本件入札に参加したものである。 しかるに,争点(3)の原告ら主張に記載したとおり,本件各指名業者は,競争入札妨害罪に該当する行為,談合行為等の不法行為により入札を行ったことにより,尾上・和田JVが落札者と決定され,原告大阪府は,尾上・和田JVとの間で本件契約を締結することを余儀なくされた。 したがって,本件契約は,上記合意に基づき,無効であることは明らかである。 (イ) また,本件契約は,争点(3)の原告ら主張に記載したとおり,競売入札妨害罪に該当する行為,談合行為等の不法行為により,本件各指名業者が行った,公正な競争が排除された公正な価格が形成されていない不正な利益を得る目的による違法な入札により締結を余儀なくされたものに他ならない。したがって,その反社会性は顕著であり,公序良俗に反し,無効となることは明らかである。 イ(ア) 原告大阪府は本件契約に基づいて尾上・和田JVに本件工事請負代金6億9010万円を支払ったところ,ア記載のとおり本件契約は無効であるから,原告大阪府はこれと同額の損害を受けたことは明らかである。 (イ) これに対し,原告大阪府は,尾 ・和田JVに本件工事請負代金6億9010万円を支払ったところ,ア記載のとおり本件契約は無効であるから,原告大阪府はこれと同額の損害を受けたことは明らかである。 (イ) これに対し,原告大阪府は,尾上・和田JVから本件工事目的物の給付を受けているところ,これが現存利益は,本件工事の予定価格調書によって定められた入札書比較最低制限価格5億6910万円に,これに対する消費税1707万3000円を加算した5億8617万3000円を超えることはない。 そこで,原告大阪府は,本件工事目的物の現存利益等も考慮して,(ア)記載の損害額の一部請求として,1億0392万7000円の請求をする。 ウ尾上・和田JVは,争点(3)の原告ら主張に記載した不法行為により,原告大阪府から6億9010万円を不法に取得する手段として,原告大阪府に対し,本件工事目的物を引き渡し(占有移転し),原告大阪府は本件工事目的物の引渡しを受けているところ,民法705条,708条の規定により,尾上・和田JVは,原告大阪府に対し,本件工事目的物の返還を請求することは認められず,これによる反射的効果として,本件工事目的物の所有権は原告大阪府に帰属することとなると解される。 しかるところ,本件工事目的物の価格について損益相殺を認めるのは,公平を理念とする不当利得法上認められない利得の返還を,損害の公平な分担を制度趣旨とする不法行為法上,損益相殺の名の下に認めるのと同じこととなり,背理であり,許されないものといわざるを得ない。 また,尾上・和田JVが原告大阪府に対し本件工事目的物を引き渡したのは,上記6億9010万円を不法に取得する手段としてであり,原告大阪府の損害を填補することを本来の目的とするものでは全くないから,この点からも,本件工事目的物は損益相殺の対象とならないと解すべきであ は,上記6億9010万円を不法に取得する手段としてであり,原告大阪府の損害を填補することを本来の目的とするものでは全くないから,この点からも,本件工事目的物は損益相殺の対象とならないと解すべきである。 エ仮に本件工事目的物について損益相殺が認められるとしても,損益相殺の対象は,被告らの不法行為によって原告大阪府の得た同不法行為と相当因果関係の範囲にある利益に限られるところ,同不法行為により原告大阪府の取得する損益相殺の対象と目される利益は,本件工事目的物の所有権の価格(本件工事目的物価格)のみである。 しかるところ,本件工事目的物価格は,本件工事目的物の工事原価のみと解される。けだし,原告大阪府が本件行為を発注する場合には,工事原価に適正な利益の加算されたものが請負代金となるところ,同利益は本件工事受注者にのみ帰属し,本件工事受注者が原告大阪府に引き渡すものは,同利益を除く工事原価によって作られた本件工事目的物のみであり,同利益が原告大阪府に引き渡されることはない。そして,本件行為目的物(桃谷高校体育館)は,収益を目的とするものでもなければ,転売を予定されているものでもないことは明らかであり,市場価格の形成される余地は本質的にないのであって,将来においても,本件工事目的物は経年による減価があるのみで,工事原価を超える価格の発生する余地はない。 そして,本件入札においては,入札書比較予定価格及び入札書比較最低制限価格を定めて入札を行い,この範囲内で最低の価格をもって入札したものを落札者とする指名競争入札の方法で行っているものである。しかして,最低制限価格は,これを下回る価格の入札は自動的に失格してしまう基準となる価格であり,この価格を下回る価格での本件工事の契約は予定されていない。そして,同最低制限価格を設ける趣旨はダンピング(原 ,最低制限価格は,これを下回る価格の入札は自動的に失格してしまう基準となる価格であり,この価格を下回る価格での本件工事の契約は予定されていない。そして,同最低制限価格を設ける趣旨はダンピング(原価割れ受注)を防止することにある。したがって,この最低制限価格をもって,本件工事の工事原価と予定されているものと解するのが合理的である。 したがって,本件入札においては,本件工事の最低制限価格5億8617万3000円(本件工事の入札書比較最低制限価格5億6910万円及びこれに対する消費税1707万3000円を加算した合計)が工事原価と予定されていると解するのが相当である。 よって,本件について損益相殺が認められるとしても,原告大阪府の利得と目される本件工事目的物価格は,上記最低制限価格5億8617万3000円相当額と解される。 (被告Y1)土木建築に関する工事又は測量(公共工事)の請負契約が競争入札の方法により締結された場合,競売入札妨害や談合といった違法行為が認められない場合であっても,落札価格(契約価格)は,(入札書比較)最低制限価格ではなく,むしろ,(入札書比較)予定価格に近接するのが通例である。 (被告ニューテック及び同Y3)ア(ア) 原告大阪府が入札予定価格を設定するに際しては,まず原告大阪府において,本件工事にかかる工事金額の積算を行う。この積算は,工事発注者である原告大阪府が,本件工事において最も妥当性があると考えられる標準的な施工方法を想定し,契約内容に基づいて,標準的な業者が施工する場合に必要と認められる適正な費用をあらかじめ推測して算出するものである。そして,同金額を端数処理したものを入札予定価格としている。 かかる入札予定価格の決定過程からみれば,同価格は,本件工事の請負代金額として,適正な価格であると原告大 じめ推測して算出するものである。そして,同金額を端数処理したものを入札予定価格としている。 かかる入札予定価格の決定過程からみれば,同価格は,本件工事の請負代金額として,適正な価格であると原告大阪府自身が認めた価格ということができ,これを下回る金額で落札された場合に何らの損害も生じていないことは明らかである。 (イ) 原告住民らは,最低制限価格によっても,利益がなお確保される旨主張し,かつ,本来的には,適正競争価格は最低制限価格を下回るものである旨主張する。 確かに,業者が最低制限価格によって落札して公共工事を受注した場合でも,それが原価割れとならないように配慮された金額であることから,当該工事のみに着目すれば粗利益が出る場合のあることは当然である。しかしながら,当該工事に関わる費用以外に,企業を維持するためには本社経費も必要となるのであり,この点をもあわせると,最低制限価格での落札は,業者に何ら利益をもたらさず,むしろ損失を生ぜしめるものといえ,およそ適正な競争の結果であるとはいえない。 (ウ) 原告住民らは,現行大阪府や大阪市の過去の指名競争入札の実績データから,予定価格に近接したグループ(上張り付きグループ)と最低制限価格に近接したグループ(下張り付きグループ)とに分け,上張り付きグループは談合という価格操作によって生じた人為的な落札価格である旨断定する。 しかしながら,原告住民らの上記主張は,最低制限価格こそが適正妥当な金額であるとする点で,既に全く事実に反している。 また,原告住民らの結論からすると,原告大阪府や大阪市の指名競争入札のほとんど全てで談合が行われていることになるが,これは事実に基づかない余りにも行き過ぎた推論というほかない。 イ本件工事の指名競争入札においては,原告大阪府の誤った指名(業者選定)のため 争入札のほとんど全てで談合が行われていることになるが,これは事実に基づかない余りにも行き過ぎた推論というほかない。 イ本件工事の指名競争入札においては,原告大阪府の誤った指名(業者選定)のために,原告らが主張する公正な自由競争はそもそもあり得なかった。 本件入札について,尾上・和田JVを除く本件各指名業者が入札予定価格を上回る価格で入札したのは,尾上・和田JV以外の本件各指名業者には本件工事に対する受注意欲がなく,本件工事を望まなかったからであって,尾上・和田JVに頼まれたからではない。したがって,本件において,公正な自由競争が行われた場合との差額もまた観念し得ない。 (被告和田建設及び同Y5)ア本件契約が当然に無効とする原告大阪府の主張は争う。 イ原告大阪府は,尾上・和田JVが6億9010万円を不法に取得する手段として本件工事目的物を引き渡したとし,この引渡しは不法原因給付であるとするが,尾上・和田JVがしたのは建築工事であり,引渡しではない。 ウこのほか,原告らの損害の主張に対し,他の被告らの主張を援用する。 (被告小田急建設)ア(ア) 原告大阪府は,被告らの不法行為がなければ尾上・和田JVに本件契約代金として6億9010万円を支払うことはなく,被告らの不法行為によって原告大阪府が同額の損害を受けたことは明らかである旨主張する。 しかしながら,不法行為の有無に関わらず,原告大阪府が入札により本件工事を発注すること自体は決まっていたのであり,仮に談合という不法行為があったとしても,当該不法行為と因果関係のある損害は談合により決まった代金と談合がなければ決まっていたであろう金額との差額でしかあり得ないというべきである。 (イ) この点,原告らは,公正な入札が行われたとすれば,当時の他物件の入札状況からみて,想定落札価格が最低 た代金と談合がなければ決まっていたであろう金額との差額でしかあり得ないというべきである。 (イ) この点,原告らは,公正な入札が行われたとすれば,当時の他物件の入札状況からみて,想定落札価格が最低制限価格になる旨主張する。 しかしながら,本件入札があった平成8年度の原告大阪府の入札データによれば,平均落札率は97.17パーセントであり,その前後の平成7年度及び平成9年度もそれぞれ96.01パーセント及び95.71パーセントとなっている。 したがって,当時の他物件の入札状況からみて,想定落札価格が入札書比較最低制限価格にならないことは明らかである。 イ(ア) 原告大阪府は,本件工事目的物の価格について損益相殺が認められない旨主張する。 しかしながら,このような原告大阪府の主張によれば,原告大阪府は6億円台の価値を有する本件工事目的物の所有権を取得しつつ,同時に代金として支払った6億9010万円全額を損害として主張できることとなる。このような結論は,損害の回復の範囲をはるかに超えて原告大阪府を利得させるものにほかならず,損害の公平な分担を目的とする不法行為制度の趣旨及び損益相殺の背景にある公平の理念にむしろ反するものである。 (イ) さらに,原告大阪府は,損益相殺を認めるとしても,その価格は工事原価のみである旨主張し,かつ,最低制限価格を工事原価とみるべきである旨主張する。 しかしながら,原価受注は本社経費を考えれば赤字となるのであって,全ての工事について工事原価だけで施工を請け負っていればいずれは倒産を免れないのであり,そのような価格で受注する業者は本来あり得ない。このことは,工事目的物が収益を目的としているかどうかとか,転売を予定しているかどうか等の事情によって変わりはない。したがって,損益相殺の対象となる利益が工事原価に限られ する業者は本来あり得ない。このことは,工事目的物が収益を目的としているかどうかとか,転売を予定しているかどうか等の事情によって変わりはない。したがって,損益相殺の対象となる利益が工事原価に限られるとする原告大阪府の主張は失当である。 また,最低制限価格は,実際には設計事務所の資料をもとに原告大阪府が積算する見積価格から一定割合を控除して機械的に算出されるものであり,実際にその価格が原価に合致しているかどうかを吟味して算出されるものではないから,最低制限価格をもって工事原価とみることもできない。 (被告野村建設工業及び同柄谷工務店)ア原告大阪府は,本件契約が無効であるとする。しかしながら,双務契約が無効とされ,かつ,既に債務が履行されていた場合において,受領物の返還義務を負うのは契約の当事者であって,当該受領物を取得しない限り,契約当事者ではない第三者が返還義務を負うことはあり得ない。 したがって,仮に本件契約が無効であったとしても,それによって,原告大阪府が尾上・和田JVに対して支払った請負代金6億9010万円の返還義務を,被告野村建設工業ないし被告柄谷工務店が負うことはない。 イ原告大阪府は,被告らによる不法行為がなければ,尾上・和田JVに対し,本件契約代金として6億9010万円を支払うことはなかったから,原告大阪府が被った損害額は6億9010万円であるとして,本訴(B事件)ではその一部請求をしている旨主張する。 しかしながら,不法行為がなかった場合に本件工事の請負代金が0円になるということはあり得ず,既に支払った請負代金の全額が原告大阪府の損害額であるとする上記主張が不合理であることは明らかである。 原告大阪府においては,本件工事を発注すること自体は不法行為の有無に関わらず既に決まっていたのであり,当該不法行為と相 額が原告大阪府の損害額であるとする上記主張が不合理であることは明らかである。 原告大阪府においては,本件工事を発注すること自体は不法行為の有無に関わらず既に決まっていたのであり,当該不法行為と相当因果関係のある損害は,当該不法行為が行われたことにより決まった請負契約代金額と,当該不法行為がなければ決まっていたはずの請負契約代金額との差額であると解するのが相当である。 原告大阪府の主張は,当該不法行為がなければいずれの業者に対しても本件工事の発注を行わなかったことを前提とするものであって,これが事実に反することは明らかである。 ウ(ア) 原告大阪府は,本件工事目的物の価格について損益相殺が認められない旨主張する。 しかしながら,これは損害の範囲をはるかに超えて原告大阪府を利得させることになり,損害の公平な分担を目的とする不法行為制度の趣旨や損益相殺の背景にある公平の理念に反する結果となる。 本件工事目的物は,原告らが不法行為であると主張する一連の行為に基づき,尾上・和田JVが原告大阪府に対しその所有権を移転したものであるから,本件工事目的物の取得,利用が原告らの主張する不法行為と相当因果関係を有する利益として損益相殺の対象になることは明らかである。 (イ) さらに,原告大阪府は,損益相殺を認めるとしても,その価格は工事原価のみである旨主張し,かつ,最低制限価格を工事原価とみるべきである旨主張する。 しかしながら,本社経費等を考慮すれば工事原価での受注は結果的に赤字をもたらすものであることが明らかであるところ,仮に原告大阪府が主張するように最低制限価格が工事原価であるとすれば,最低制限価格での受注は業者にとって結果的には赤字であり,そのような価格で受注する業者は本来あり得ないはずである。 また,入札手続における最低制限価格は, うに最低制限価格が工事原価であるとすれば,最低制限価格での受注は業者にとって結果的には赤字であり,そのような価格で受注する業者は本来あり得ないはずである。 また,入札手続における最低制限価格は,設計事務所の資料に基づき原告大阪府が積算する見積価格から一定割合を控除して機械的に算出されるものであり,その目的はダンピング(原価割れ受注)を防止するためであるから,最低制限価格とは工事原価にすら満たないことが明らかな価格と解するのが論理的帰結である。 (ウ) 現に,原告大阪府建築都市部が入札手続を行った府営住宅関連の請負工事の入札状況に関するデータによれば,予定価格に対する落札価格の比率(落札率)は,本件入札のあった平成8年度では97.17パーセントになっており,その前後の平成7年度から平成13年度の間でも,91.61パーセントから97.17パーセントという水準(年度別平均94.66パーセント)である。 これに対し,最低制限価格は,工事によっては予定価格の75パーセント以下に設定されている場合もあり,請負工事が最低制限価格ないしこれに近い価格で落札されることは極めて稀である。 (被告巴コーポレーション)ア原告ら主張の不法行為が存したとしても,原告大阪府として請負契約など結ぶつもりはなかったのに不法に締結させられたという不法行為ではなく,原告らのいう自由競争による代金額ではなかったという金額面だけの不法であり,この不法行為による損害は支払った金額全体ではなく,不法行為がなかった場合に支払ったであろう金額と,現実により高額を支払わされたとすれば,その両者の差額であるべきである。したがって,自由競争による価格より現実の支払額が高額でなければ損害もない。 もっとも,本件において自由競争価格が確定できないから,少なくとも,完成し引き渡され ,その両者の差額であるべきである。したがって,自由競争による価格より現実の支払額が高額でなければ損害もない。 もっとも,本件において自由競争価格が確定できないから,少なくとも,完成し引き渡された建物(本件工事目的物)の客観的価値を超過した支払がされた場合に損害を肯定すべきである。 また,上記観点からは,仮に原告大阪府が現実に支払った代金額を観念的に損害と構成するとしても,本件工事目的物は原告大阪府において計画どおり取得しているのであるから,その目的物の客観的価値は上記損害を填補するものであることは明らかであり,損益相殺の対象として損害額から控除すべきである。 イ本件入札当時の平成8年度における大阪府建築都市部の入札結果によると,全入札件数は627件で,その平均落札率(落札価格を入札予定価格で除したもの)は97.17パーセントである。 一方,本件工事の入札書比較予定価格は6億7750万円,落札価格は6億7000万円で,その落札率は98.89パーセントであり,上記平成8年度の平均落札率との違いは,わずか1.72パーセントであるにすぎない。 以上から,本件入札において,仮に故意に高い価格での入札が行われ,その結果落札されたとしても,平成8年度の上記入札結果と比較した場合の損害額は,112万円(6億7750万円の1.72パーセント)と算出されるのであって,特別の事情が存在しない限り,原告ら主張の損害が発生するとは考えられない。 ウ原告大阪府では,営繕工事第2係において,工事係のパソコンを使って積算係が積算したデータに基づく「)の出来高目途額」を作成しており,これを使って部分払等の際の査定をしている。 本件工事においても,原告大阪府が作成した上記「)の出来高目途額」に基づき査定し,本件工事自体に原告大阪府が作成した「)の出来高目途額 」を作成しており,これを使って部分払等の際の査定をしている。 本件工事においても,原告大阪府が作成した上記「)の出来高目途額」に基づき査定し,本件工事自体に原告大阪府が作成した「)の出来高目途額」の価値があることを確認した上で工事の引渡しを完了したものであり,原告ら主張の損害は発生する余地がない。 (被告金剛組)ア入札にあたって談合があったということと,実際に締結された工事請負契約自体を民法上公序良俗に反し無効と解すべきかどうかは別個の問題である。 実際に工事請負契約に基づいて建物等が完成し引き渡されれば,現実にそれを所有し,使用収益する利益は発生するのであり,工事請負契約自体を無効と解することによってそれらの利益の根拠をも失わしめ,原状回復の問題を発生させることは,事態をいたずらに複雑にするだけであって,妥当な解釈とは到底言えない。談合によって価格形成が歪められ,それによって生じた損害を回復するということであれば,端的に談合行為に対して損害賠償請求をすればよいことであって,工事請負契約の効力まで否定する必要性は認められない。 イ本件契約に基づいて完成した本件工事目的物は不法原因給付に該当し,その価値相当額の清算を要しないとする原告大阪府の主張は,損害の回復を超えて原告大阪府を利得させるものであり,損害の公平な分担を目的とする不法行為制度の趣旨にも反する。 ウ(ア) 原告大阪府は,損益相殺されるとしても,それは本件工事目的物価格相当額であり,これは工事原価と等しいとする。 しかしながら,目的物価格とは,その物が市場において有する価値のことであって,それには再調達価格が基準とされるべきである。原告大阪府を含めた取得希望者の立場において,同じ体育館施設を入手しようとした場合には,誰に発注しようと,いずれにせよ工事原価に利益を含 のことであって,それには再調達価格が基準とされるべきである。原告大阪府を含めた取得希望者の立場において,同じ体育館施設を入手しようとした場合には,誰に発注しようと,いずれにせよ工事原価に利益を含んだ価格でしか取得は不可能であることに変わりはないのであり,このことは,当該体育館施設が工事原価に利益を含めた価格に相当する価値を有していることに他ならない。 (イ) さらに,原告大阪府は,本件工事原価と最低制限価格とが等しいとする。 しかしながら,最低制限価格は,設計事務所の資料をもとに原告大阪府が積算する見積価格から一定割合を控除して機械的に算出するものであり,実際にその価格が原価に合致しているかどうかを吟味して算出されているものではない。 そもそも工事原価はそれぞれの企業によって異なるものである。各企業には,材料の仕入や労働者の調達にあたってそれぞれ独自のノウハウがあり,得手不得手も存する。各企業は,そのような状況の中から自社で可能な手段を駆使して可能な金額を積算し,入札に及んでいる。他方,最低制限価格は,そのような個別事情を勘案せずに,原告大阪府において一方的に各材料や人件費等について調達価格を決定し,それに基づいて積算して求められたものであるから,全ての企業において実際に可能な調達条件をもとになした積算を絶対に上回っているとは限らないのであり,場合によって特定の企業に不可能を強いることにもなりかねない。このような指標を不法行為における損害を論じるに当たって利用しようとすること自体が不当であることは明らかである。 エ(ア) 原告らは,公正な競争が行われた場合の想定落札価格(適正競争価格)は最低制限価格となる旨主張する。 しかしながら,原告大阪府の平成8年の都市計画部における入札結果を平均すれば,落札価格は入札予定価格の97.1 正な競争が行われた場合の想定落札価格(適正競争価格)は最低制限価格となる旨主張する。 しかしながら,原告大阪府の平成8年の都市計画部における入札結果を平均すれば,落札価格は入札予定価格の97.17パーセントとなるのであり,想定落札価格が最低制限価格に一致するはずであるとの原告らの主張は全く事実に反する。 (イ) 指名競争入札の制度の特質を考えると,落札価格が入札予定価格に近くなるという(ア)記載の結果は,自然な結論といえる。 すなわち,指名競争入札制度は,発注者においてあらかじめ入札に参加できる業者を指名し,その指名された業者の中で,最低制限価格以上入札予定価格以下の範囲内で,最も低い金額を提示した者と契約するというものであるが,指名された業者は,当該工事の受注に意欲を示している者とは限らず,指名された業者が真剣に競争に参加するとは限らない。したがって,この制度においては,指名業者間で積極的な競争がされるか否かは,いかなる業者を指名するかという点にかかっているといえる。 しかるに,これまでの原告大阪府の指名状況を見ていると,当該工事受注に積極的なのは1社だけと見られる事案も珍しくなく,本件の場合でも尾上・和田JV以外に本件工事の落札に意欲を持っていた業者はいなかった。このような事態が発生するのは,発注者たる原告大阪府の立場において,最低制限価格に近い価格で契約した場合には,いきおい受注者が手抜き工事をしたりして,欠陥工事となる可能性が高くなり,万一,そのようなことになれば,工事監督者としての原告大阪府の責任問題となることは必定であり,さらに受注者が倒産した場合には他の業者に発注しなければならない事態となったり,完成した公共施設が瑕疵により実際上利用できないような事態となっては,かえってコスト増となることも考えられるところ,発注 らに受注者が倒産した場合には他の業者に発注しなければならない事態となったり,完成した公共施設が瑕疵により実際上利用できないような事態となっては,かえってコスト増となることも考えられるところ,発注者たる原告大阪府において,競争の表面的形式をとりつつも,あえて指名業者間での競争がされるようなメンバーを指名することをできるだけ避けるようにしてきた実情があるからである。 (被告坂田建設)原告大阪府の建築都市部が行った府営住宅関連の請負工事の入札状況をみると,本件入札当時である平成7年度ないし平成9年度の年度落札率は,平成7年度が96.01パーセント,平成8年度が97.17パーセント,平成9年度が95. 71パーセントである。したがって,本件工事の想定落札価格が入札書比較最低制限価格になることはない。 (5) 原告大阪府の請求の権利濫用該当性(被告小田急建設,同野村建設工業,同金剛組,同坂田建設及び同柄谷工務店)本件は,本件工事の入札書比較予定価格を事前に漏洩するよう働きかけ,あるいは,この働きかけに応じて同価格の概数を事前に漏洩した原告大阪府の職員Z3や特別公務員である被告Y1の不祥事により生じたものである。 したがって,これら職員らの使用者たる原告大阪府が,原告ら主張のような談合が存したとして不法行為に基づく損害賠償を請求することは,権利の濫用にあたり許されない。 (被告Y1)被告Y1は,原告大阪府職員の漏洩がなければ,本件工事の入札書比較予定価格を知り得なかった。 すなわち,原告大阪府は,当該職員の行為によって,原告ら主張のような談合を招来したのであり,これにより原告大阪府に損害が生じたとしても,それは原告大阪府において甘受すべきである。したがって,被告Y1に対する本件請求は権利の濫用として許されない。 また,かかる漏 談合を招来したのであり,これにより原告大阪府に損害が生じたとしても,それは原告大阪府において甘受すべきである。したがって,被告Y1に対する本件請求は権利の濫用として許されない。 また,かかる漏洩は,少なくとも原告ら側の過失であって,たとえ原告ら主張のような談合の結果損害が生じたとしても,その損害賠償の額を定めるについて斟酌されなければならない。 (被告和田建設及び同Y5)仮に原告大阪府に損害が生じているとしても,これは原告大阪府自らの帰責事由によるものであるから,その請求は認められない。 (原告大阪府)被告Y1や原告大阪府の職員であるZ3は,故意に職務上の義務に違反し,加害者として振る舞っているものであることは明らかであり,被害者側の人間ではないから,被告Y1による漏洩の働きかけやZ3による漏洩の事実をもって,原告大阪府自身が損害を招いたものといわれる理由は全くないし,原告大阪府の請求が権利濫用といわれる理由も存しない。 被告らの主張は,本件についていわゆる「やりどく」を認める結果となるものであり,不法行為制度の趣旨に反するものである。 (6) 原告大阪府の請求について,消滅時効の成否(被告和田建設)原告大阪府が本訴(B事件)を提起したのは平成14年3月28日であるところ,これは本件契約に基づく原告大阪府から尾上・和田JVに対する最後の支払日である平成9年11月13日から3年経過後に提訴されたものであり,消滅時効が完成している。 被告和田建設は,平成15年6月11日実施の第10回口頭弁論期日において,上記消滅時効を援用する旨の意思表示をした。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(適法な監査請求前置の有無(A事件関係))について(1) 地方自治法242条2項本文は,監査請求の対象事項のうち財務会計上の行為について る旨の意思表示をした。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(適法な監査請求前置の有無(A事件関係))について(1) 地方自治法242条2項本文は,監査請求の対象事項のうち財務会計上の行為については,当該行為があった日又は終わった日から1年を経過したときは監査請求をすることが出来ない旨規定しているのに対し,怠る事実については,このような期間制限は規定されておらず,怠る事実が存在する限りはこれを制限しないものとするものと解される。もっとも,特定の財務会計上の行為が財務会計法規に違反して違法であるか又はこれが違法であって無効であるからこそ発生する実体法上の請求権の行使を怠る事実を対象として監査請求がされた場合には,当該行為が違法とされて初めて当該請求権が発生したと認められるから,これについて上記の期間制限が及ばないとすると,上記規定の趣旨を没却することとなる。したがって,このような場合には,当該行為のあった日又は終わった日を基準として上記規定を適用すべきである。 しかしながら,怠る事実については,監査請求期間の制限がないことが原則であることにかんがみれば,監査委員が怠る事実の監査をするに当たり,当該行為が財務会計法規に違反して違法であるか否かの判断を示さなければならない関係にない場合には,当該怠る事実を対象としてされた監査請求に上記の期間制限が及ばないものと解すべきであり,そのように解しても,上記規定の趣旨を没却することにはならないものと解される。 (2) これを本件についてみるに,本件監査請求は,本件入札に関し,入札書比較予定価格が漏洩され,また,本件各指名業者間で談合が行われたことにより,尾上・和田JVが予定価格ぎりぎりの高値で落札し,これにより原告大阪府に損害を与えたとして,大阪府知事が被告Y1や本件各指名業者らに対する損害賠償請 た,本件各指名業者間で談合が行われたことにより,尾上・和田JVが予定価格ぎりぎりの高値で落札し,これにより原告大阪府に損害を与えたとして,大阪府知事が被告Y1や本件各指名業者らに対する損害賠償請求を怠る事実を対象とするというものである(前提となる事実等(7)ア)。 これによれば,本件監査請求について監査を遂げるためには,監査委員は,本件入札に関し,上記入札書比較予定価格の漏洩や本件各指名業者間での談合の有無,原告大阪府に生じた損害の有無を検討することとなる。この場合,監査委員は,原告大阪府が尾上・和田JVと本件契約を締結したことやその代金額が不当に高いものであったか否かを検討せざるを得ないものであるが,原告大阪府の本件契約締結やその代金額の決定が財務会計法規に違反する違法なものであったとされて初めて原告大阪府の損害賠償請求権が発生するものではなく,上記入札書比較予定価格の漏洩や談合行為,これに基づく尾上・和田JVの入札及び原告大阪府との本件契約締結が不法行為法上違法の評価を受けるものであること,これにより原告大阪府に損害が発生したことなどを確定すれば足りるのであるから,本件監査請求は原告大阪府の財務会計上の行為を対象とする監査請求を含むと解さなければならないものではない。 したがって,本件監査請求を地方自治法242条2項本文の規定の適用がない怠る事実に係るものと認めても,上記規定の趣旨が没却されるものではなく,本件監査請求については上記規定による監査請求期間の制限が及ばないものと解するのが相当である。 (3) 以上から,A事件に係る訴えは,適法な監査請求を経て提起されたものと認められる。 2 争点(2)(原告大阪府の請求の二重起訴該当性(B事件における被告Y1,同ニューテック及び同和田建設に対する請求関係)について被告Y1,同ニ 適法な監査請求を経て提起されたものと認められる。 2 争点(2)(原告大阪府の請求の二重起訴該当性(B事件における被告Y1,同ニューテック及び同和田建設に対する請求関係)について被告Y1,同ニューテック及び同和田建設は,原告住民らの訴えに係るA事件及び原告大阪府の訴えに係るB事件の双方において被告とされている。 しかるところ,両事件に係る訴え共,本件入札に関する入札書比較予定価格の漏洩や談合行為等の不法行為により原告大阪府が被った損害の賠償を求めるものである。そして,A事件は,地方自治法242条の2第1項4号(平成14年法律第4号による改正前のもの)に基づいて,上記損害賠償請求権の行使を怠る事実の相手方たる被告Y1,同ニューテック及び同和田建設(他に被告Y3及び同Y5)を被告として,原告大阪府が有する上記損害賠償請求権を原告住民らが代位行使しているものである。 したがって,両事件とも,その訴訟物は,上記不法行為に基づく損害賠償請求権であり,同一のものと認められる。 しかるところ,原告住民らによるA事件に係る訴えの提起が平成13年2月23日であり,原告大阪府によるB事件に係る訴えの提起は,A事件係属後の平成14年3月28日であることは,前提となる事実等(8)記載のとおりであるから,原告大阪府によるB事件に係る訴え中,被告Y1,同ニューテック及び同和田建設に対する各訴えは,二重起訴に当たり,不適法な訴えとして却下を免れない。 3 争点(3)(被告らの不法行為(談合等)の成否)について(1) まず,被告Y1による原告大阪府担当者からの本件工事の入札書比較予定価格概数の聞き出しと,同概数の被告Y5への漏洩について検討する。 ア被告ニューテックと被告和田建設が尾上・和田JVを組むに至った経緯は,前提となる事実等(2)記載のとおりである。 の入札書比較予定価格概数の聞き出しと,同概数の被告Y5への漏洩について検討する。 ア被告ニューテックと被告和田建設が尾上・和田JVを組むに至った経緯は,前提となる事実等(2)記載のとおりである。 イそして,証拠(甲B39号証,47号証,49号証,53号証ないし56号証,乙C2号証,証人Z19,証人Z22,被告Y5本人)によれば,以下の各事実が認められる。 (ア) 本件各指名業者を含む建設業界においては,指名競争入札の方法により公共工事が行われる場合,まず第一に,当該工事が行われる施設を以前手がけたことがある業者がいわゆる「ひも付き」として優先され,次に,当該工事が行われる施設と近接した地元業者が優先される(地元優先)という慣行が存した。 (イ) 被告Y3や被告Y5あるいは被告和田建設従業員のZ1は,このような慣行に照らして,尾上・和田JVが本件工事を受注できそうかどうかを検討し,本件工事については,以前桃谷高校の校舎改装工事を手がけた田中建設・日進土建JVが本件工事の入札に参加することはなく,(ア)記載の「ひも付き」と称される優先権を持つ業者は本件工事の入札には参加しないであろうこと,及び,本件工事が等級Aランクの工事となると考えられ,尾上・和田JV以外に地元業者として本件工事の入札に参加する業者はいないであろうとの見込みを持つに至った。 (ウ) そこで,被告Y3は,当時大阪府議会議員であり,これまでも面識のあった被告Y1に頼んで本件工事の入札書比較予定価格を原告大阪府の担当者から聞き出してもらい,これにより,尾上・和田JVにおいて,入札書比較予定価格ぎりぎりの価格で本件工事を落札し,最高の利益を上げようと考え,その旨被告Y5にも伝えたところ,被告Y5もこれに同意した。 ウイ(ウ)を踏まえ,被告Y3及び同Y5において,被告Y1に対 比較予定価格ぎりぎりの価格で本件工事を落札し,最高の利益を上げようと考え,その旨被告Y5にも伝えたところ,被告Y5もこれに同意した。 ウイ(ウ)を踏まえ,被告Y3及び同Y5において,被告Y1に対し,本件工事の入札書比較予定価格を原告大阪府の担当者から聞き出して教えてくれるよう依頼し,被告Y1がこれに応じて,原告大阪府の建築部営繕部長であったZ3から本件工事の入札書比較予定価格の概数(6億7000万円)を聞き出し,これを被告Y5に伝えた経過は,前提となる事実等(4)記載のとおりである。 エ(ア) この点,被告Y5は,被告和田建設の担当者Z1において,本件工事の原告大阪府の入札書比較予定価格を把握しており,被告Y5も同価格を知っていたことから,被告Y1に同価格を教えてもらう必要はなかったが,被告Y1の顔を立てる意味もあり,同価格を知らないふりをして被告Y1に同価格を教えてくれるよう依頼した,被告Y1から連絡を受けた同価格の概数は,被告Y5において把握していた価格と一致していた,また,Z1が把握していた入札書比較予定価格の方が,被告Y1から知らされた概数よりもより正確であった旨の陳述ないし供述をする(乙C2号証,被告Y5本人)。 (イ) しかしながら,被告Y5は,本件刑事事件における検察官の取り調べにおいては,本件工事の入札書比較予定価格は被告Y1に頼んで原告大阪府の担当者から聞き出してもらうことにしていて,被告Y1に頼り切っていた,そのため,被告和田建設や被告ニューテックでは見積をしていなかったし,独自の見積がない以上,Z1やY2に独自の見積を持たせて原告大阪府の営繕室に行って,予定価格を知っている同室の公務員に対し,見積金額をもとに数値をぶつけて入札金額についてのヒントをもらう,いわゆるボーリングもできない状態であり,Z1はボーリング たせて原告大阪府の営繕室に行って,予定価格を知っている同室の公務員に対し,見積金額をもとに数値をぶつけて入札金額についてのヒントをもらう,いわゆるボーリングもできない状態であり,Z1はボーリングをしていないはずである,被告Y5自身もボーリングをしておらず,被告Y1が本件工事の入札書比較予定価格を教えてくれなかったら,あと一息の所まで来た大儲けの千載一遇のチャンスを逃しかねないとの供述をしており,Z1において入札書比較予定価格を把握していたとの供述はしていない(甲B56号証,57号証)。 また,Z1も,本件刑事事件における検察官の取り調べにおいて,本件工事について,尾上・和田JVにおいて落札できる見込みがついたので,煩雑で人手も費用も日数もかかる見積をせずに,再入札や失格の危険もなく,最大の儲けを出せる金額で落札するために,被告Y1を使って予定価格を知り得る原告大阪府の職員から予定価格を事前に聞き出すこととした,いくらボーリングがうまい営業員でも直接予定価格を聞き出す議員にはかなわない,しかも,被告ニューテックも被告和田建設も,JVと地元という二段構えの上げ底で普段は絶対とれないような大規模な工事に手を出すことから,ボーリングの前提となる見積も怪しいものであった,滅多にないチャンスを未経験で確実性に欠ける見積とZ1によるボーリングといった不確実なものに委ねるより,たとえ犯罪であっても被告Y1に頼もうとするのも仕方がないことであった,本件入札の3日位前に被告Y3に対し,一応ボーリングをするか尋ねたが,被告Y3は被告Y1に頼んでいるからボーリングの必要はない旨返事をしたため,Z1もボーリングは行わなかった旨供述している(甲B39号証)。 (ウ) さらに,被告Y5の本訴における陳述や供述(乙C2号証,被告Y5本人)をみても,Z1がどのよ グの必要はない旨返事をしたため,Z1もボーリングは行わなかった旨供述している(甲B39号証)。 (ウ) さらに,被告Y5の本訴における陳述や供述(乙C2号証,被告Y5本人)をみても,Z1がどのようにして本件工事の入札書比較予定価格を把握したのかは明らかではない。また,本件入札は尾上・和田JVとして参加するものであり,かつ,尾上・和田JVの代表者となっている被告ニューテックの方で入札書を作成して入札しているにも関わらず(甲B14号証),被告Y5の本訴における供述によれば,Z1からの情報により把握していた本件工事の入札書比較予定価格について,被告Y5自身は被告Y3に知らせていないし,また,Z1が被告Y3に知らせたか否かも分からないというのである(被告Y5本人)。 (エ) 以上のように,(イ)記載の本件刑事事件における被告Y5やZ1の供述内容に加え,(ウ)記載のように本訴における被告Y5の陳述や供述には疑義が存することに照らせば,(ア)記載の本訴における被告Y5の陳述ないし供述内容は信用できないものというべきである。 (オ) なお,被告Y5は,本件刑事事件における取り調べにおいては,否認しても聞き入れられず,逮捕後40日以上接見禁止で連日担当の警察官から断定的に申し向けられた結果,意に反する調書が作成されたものであり,また,本件刑事事件の裁判においても,どうせ執行猶予になるから早く認めて終わろうと弁護人から言われたため,有罪を認めたにすぎない旨の陳述ないし供述をする(乙C2号証,被告Y5本人)。 しかしながら,(ア)記載の被告Y5の陳述ないし供述内容には疑義が存することは(ウ)記載のとおりであり,また,本件刑事事件における被告Y5の供述内容は詳細であり(甲B56号証,57号証),Z1の供述内容(甲B39号証)とも合致していることに照らせ 内容には疑義が存することは(ウ)記載のとおりであり,また,本件刑事事件における被告Y5の供述内容は詳細であり(甲B56号証,57号証),Z1の供述内容(甲B39号証)とも合致していることに照らせば,本件刑事事件における被告Y5の供述調書が意に反して作成された虚偽の内容の調書であるということはできず,この点に関する上記被告Y5の本訴での陳述ないし供述は信用できない。 オ証拠(甲A12号証ないし14号証,甲B14号証,40号証,53号証,55号証,57号証)によれば,平成8年8月22日に,被告Y1から本件工事の入札書比較予定価格の概数が6億7000万円である旨聞いた被告Y5は,直ちに同金額を被告Y3に伝えたこと,被告Y3は,本件入札に際し,尾上・和田JVとして6億7000万円で入札するよう指示し,Y2は,同月23日に行われた本件入札において,入札金額として6億7000万円と記入した入札書を作成し,同金額で入札したことがそれぞれ認められる。 (2) 次に,本件各指名業者間に談合が行われたものと認められるか否か検討する。 アまず,尾上・和田JVから他の本件各指名業者に対する談合の働きかけが存したか否か検討する。 (ア) 原告大阪府が本件工事の発注について,指名競争入札による契約締結方式を採用決定し,本件各指名業者を選定して,平成8年7月24日には本件各指名業者にその旨の通知を行い,翌25日,本件各指名業者に対し,指名競争入札通知書及び指名競争入札心得を交付し,本件入札に参加するよう申し入れをしたことは,前提となる事実等(3)ア記載のとおりである。そして,証拠(甲B39号証,40号証,53号証,55号証,57号証)によれば,以下の各事実が認められる。 a 尾上・和田JVが本件工事の指名業者として選定されたことから,Y2及びZ1が,平成8年 そして,証拠(甲B39号証,40号証,53号証,55号証,57号証)によれば,以下の各事実が認められる。 a 尾上・和田JVが本件工事の指名業者として選定されたことから,Y2及びZ1が,平成8年7月25日に行われた本件現場説明に出席し,その際,同説明に出席していた他の本件各指名業者の担当者に対し,挨拶をしてまわった。 bY2が本件現場説明から戻り,被告Y3に対し他の本件各指名業者を報告したところ,被告Y3は,Y2に対し,翌26日にZ1と共に他の本件各指名業者のところに調整に回ること,すなわち,本件工事を尾上・和田JVが落札することを承諾してもらってくることを指示した。 また,被告Y5も,Z1に対し,同月26日,Y2と共に他の本件各指名業者のところに調整に回ること,すなわち,本件工事を尾上・和田JVが落札することを承諾してもらってくることを指示した。 cY2及びZ1はb記載の被告Y3ないし被告Y5の指示を受けて,同月26日,尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者を回り,本件工事について尾上・和田JVが落札できるよう依頼して回った。 d さらに,本件入札の前日である同年8月22日,被告Y1から本件工事の入札書比較予定価格の概数が6億7000万円であるとの連絡を受けた被告Y5は,Z1に対し,被告Y1から聞いた上記価格を伝え,尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者に連絡して調整するよう指示した。 また,被告Y5から上記価格の連絡を受けた被告Y3も,同日,Y2に対し,他の本件各指名業者を回って,6億7000万円以上の金額で入札するよう伝えるように指示した。 eZ1は,Y2に対し,6億7000万円で伝えると,尾上・和田JVと同価格での入札がされ,再入札となる可能性があることから,他の本件各指名業者には6億8000万円以上で入札するよう伝え 指示した。 eZ1は,Y2に対し,6億7000万円で伝えると,尾上・和田JVと同価格での入札がされ,再入札となる可能性があることから,他の本件各指名業者には6億8000万円以上で入札するよう伝えることを提案した。そして,Y2及びZ1は,同月22日,尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者を回り,本件入札において,6億8000万円以上の価格で入札するよう依頼した。 (イ) これに対し,被告Y5は,本件入札に関する全ての手筈はZ1に任せていたのであり,被告Y5がZ1に対し,尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者のところを回り,尾上・和田JVが本件工事を落札できるよう調整(談合)するよう依頼した事実はない旨の陳述ないし供述をする(乙C2号証,被告Y5本人)。 しかしながら,被告Y5は,被告和田建設の公共工事部門を全て取り仕切っていたものであり(前提となる事実等(1)オ),また,被告ニューテックとの間でJVを組んで,被告和田建設自体が当時有していた原告大阪府の入札参加資格等級C1(前提となる事実等(1)オ)よりもはるかに大規模な工事である等級Aランクの本件工事の落札を目指していたのであるから,本件工事の受注に関する被告和田建設側の担当者がZ1であったにせよ,上記のような地位,状況にあった被告Y5において,本件工事の受注に関する全ての手筈をZ1に一任していたものとはおよそ考えられない。 また,被告Y1による原告大阪府担当者からの本件工事の入札書比較予定価格概数の聞き出しと,同概数の被告Y5への漏洩の経緯は(1)で認定したとおりであり,被告Y5は,被告和田建設において被告ニューテックとの間でJVを組み,入札参加資格等級を上げてまで本件工事の受注を目指し,また,地元優先との慣行の中で,尾上・和田JVが本件工事を落札できる可能性が高いとの認識を 告和田建設において被告ニューテックとの間でJVを組み,入札参加資格等級を上げてまで本件工事の受注を目指し,また,地元優先との慣行の中で,尾上・和田JVが本件工事を落札できる可能性が高いとの認識を持ち,被告Y1に依頼して,本件工事の入札書比較予定価格の概数まで聞き出してもらっているのである。かかる被告Y5が,尾上・和田JVにおいて,本件工事の見積も行わず,本件工事を入札書比較予定価格に近い金額で確実に落札して,多額の利益を上げるため,他の本件各指名業者との調整(談合)を企図したであろうことは,容易に推認されるところであり,本件刑事事件における被告Y5の供述調書の内容(甲B57号証)も,これに沿うものといえる。 そして,本件刑事事件の取り調べにおいては,被告Y3,Y2及びZ1も,それぞれ(ア)記載のような供述をしている(甲B39号証,40号証,53号証,55号証)。 これら諸点に照らせば,上記のような本訴における被告Y5の陳述ないし供述内容は,信用できないものというべきである。 なお,本件刑事事件における被告Y5の供述調書の内容が,被告Y5の意に反して作成された虚偽の内容の調書であるとは認められないことは,(1)エ(オ)記載のとおりである。 (ウ) 以上から,尾上・和田JVから他の本件各指名業者に対する談合の働きかけが存したものと認められる。 イそこで,次に,本件各指名業者間に本件入札についての談合が成立したものと認められるか否か検討する。 この点,争点(3)についての各当事者の主張内容に照らし,本件入札についての談合の成否を検討するにあたっては,尾上・和田JVからの働きかけに関し,①平成8年7月25日に行われた本件現場説明における尾上・和田JVから他の本件各指名業者に対する働きかけ,②翌26日にY2及びZ1が尾上・和田JV以外 たっては,尾上・和田JVからの働きかけに関し,①平成8年7月25日に行われた本件現場説明における尾上・和田JVから他の本件各指名業者に対する働きかけ,②翌26日にY2及びZ1が尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者を回って行った働きかけ,及び,③同年8月22日にY2及びZ1が尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者を回って行った6億8000万円以上で入札するようにとの依頼の3点が問題となると共に,尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者がどのようにして本件入札に係る入札価格を決定したのかが問題となる。 (ア) まず,上記各点に関する本件刑事事件における本件各指名業者の担当者の供述調書の内容は,以下のとおりである。 aZ1(尾上・和田JV)の供述内容(甲B39号証)(a) 本件現場説明での働きかけについて本件現場説明の会場で,尾上・和田JV以外の本件各指名業者が分かったことから,Z1は,Y2と一緒に他の本件各指名業者の担当者と名刺交換をし,「今回,地元p区から指名になった尾上・和田JVです。 今回の工事は地元の工事ということで勉強してますので,何とかよろしくお願いします。また改めて会社の方へご挨拶にお伺いします。」と挨拶をして回った。 この挨拶の意味は,今回の工事は地元業者である尾上・和田JVに建設業界の慣行上の権利がある工事なので,尾上・和田JVを落札予定業者とすることで談合をまとめたいと思うので,同意をしていただきたいと思っている,同意を頂きに会社に行くのでご検討下さいという意味である。 この挨拶をして回ったところ,反発を示す業者もなかったので,予想通り談合はすんなりまとまりそうであった。 (b) 平成8年7月26日の働きかけについて平成8年7月26日に,Z1は,Y2と一緒に尾上・和田JV以外の他の本件 ,反発を示す業者もなかったので,予想通り談合はすんなりまとまりそうであった。 (b) 平成8年7月26日の働きかけについて平成8年7月26日に,Z1は,Y2と一緒に尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者を回ったが,断ってくる業者は1社もなかった。 (c) 平成8年8月22日の働きかけについて平成8年8月22日に,Z1は,Y2と一緒に尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者を回り,翌23日の本件入札では6億8000万円以上で入札するよう頼んで回ったが,断ってくる業者は1社もなかった。 逆に何社かの担当者は,その業者が希望する工事での談合に応じて下さいと頼んできたくらいだった。 bY2(尾上・和田JV)の供述内容(甲B40号証)(a) 本件現場説明での働きかけについて本件現場説明の前後に,Y2は,Z1と一緒に,集まってきた尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者の担当者に,「この度JVとして参加します尾上工務店と和田建設です。よろしくお願いします。後日お伺いします。」といって名刺交換をし,挨拶して回った。 「後日お伺いします。」という意味は,尾上・和田JVに落札させることについて承諾を頂きに行きますという意味であり,こう言って尾上・和田JVが落札を希望していることを伝えると同時に,相手の反応を見て承諾してくれそうかどうか探った。いずれの担当者も,特に談合を拒否するような素振りはなかった。 (b) 平成8年7月26日の働きかけについて平成8年7月26日に,Y2は,Z1と一緒に尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者9社すべてを回った。 一番最初に行った被告坂田建設と次に行った被告柄谷工務店大阪支店,そして最後に行った福川建設は担当者が不在だったが,代わりに応対に出た者に名刺を渡し,「大阪府から発注された桃谷高校体育館 った。 一番最初に行った被告坂田建設と次に行った被告柄谷工務店大阪支店,そして最後に行った福川建設は担当者が不在だったが,代わりに応対に出た者に名刺を渡し,「大阪府から発注された桃谷高校体育館改築工事の件でお世話になっている地元業者のJVの尾上和田です。今度の工事は当社が希望していますので,よろしくお伝え下さい。」と言付けをお願いした。もし相手の業者が談合に応じなければ連絡があるはずであった。 他の6社については,いずれも営業部長や営業課長など,営業の責任者が対応し,いずれも好意的な返答を得ることができた。 営業の責任者に直接面談できなかった上記3社についても,その後特に連絡はなかったので,これで尾上・和田JVに落札させることで話は付いたと思った。 (c) 平成8年8月22日の働きかけについて平成8年8月22日に,Y2は,Z1と一緒に尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者9社すべてを回った。 各社とも,あらかじめ翌23日の入札で尾上・和田JVを落札予定者とすることで内諾を得ていたので,直接の担当者がいなくても,代わりに応対してくれる人がいて,全ての業者に6億8000万円以上で入札して欲しいというお願いを伝え,特に異論は出なかった。 異論が出ないどころか,被告巴コーポレーションの営業課長や,被告野村建設工業の営業課長代理からは,逆に,被告巴コーポレーションや被告野村建設工業が落札を希望するときには談合に応じて下さいと言われるほどであった。公共工事における談合の浸透はAランクの業者といえども同じだった。 最後に行った福川建設については,同社の担当者とZ1とは知り合いらしく,Z1が一人で行くというので,Y2は車の中で待っていた。 その後,被告ニューテックに戻っても他の業者からは何の連絡もなく,翌23日の入札では各社とも6億 ては,同社の担当者とZ1とは知り合いらしく,Z1が一人で行くというので,Y2は車の中で待っていた。 その後,被告ニューテックに戻っても他の業者からは何の連絡もなく,翌23日の入札では各社とも6億8000万円以上で入札してくれるのは間違いなかった。 cZ14刑事調書(被告小田急建設)の内容(甲B41号証)(a) 本件現場説明での働きかけについて本件現場説明の際の挨拶の状況については記載がない。 (b) 平成8年7月26日の働きかけについて本件現場説明の翌日と思うが,被告ニューテックから,「この工事については,尾上と和田が地元の業者なので是非取りたいので,よろしくお願いします。」と挨拶があった。 本件工事については,被告小田急建設において積極的に営業活動をしていた工事ではなかったことで,被告ニューテックらの申出に対し,「分かりました。」等と言って,尾上・和田JVが本件工事を受注することに同意した。 (c) 平成8年8月22日の働きかけについて本件入札日の前日くらいに,被告ニューテックからの電話であったと思うが,「入札については,6億8000万円以上で札を入れて下さい。」と連絡があり,被告小田急建設として,Z14が代理で本件入札に参加し,6億9500万円で入札している。 dZ15刑事調書(被告野村建設工業)の内容(甲B42号証)(a) 本件現場説明での働きかけについてZ15は,本件現場説明には行けなかったため,代役として,営業課長代理のZ6が行った。 Z15は,本件現場説明後,Z6から,本件工事についてはp区の地元業者の尾上・和田JVが希望していた等ということを聞いた。この意味は,今回の公共工事については,尾上・和田JVに落札させてほしいという意味である。 Z15は,本件工事は被告野村建設工業のエリア外であったことか 和田JVが希望していた等ということを聞いた。この意味は,今回の公共工事については,尾上・和田JVに落札させてほしいという意味である。 Z15は,本件工事は被告野村建設工業のエリア外であったことから,被告野村建設工業の方で落とす必要はないと判断し,すぐに上司のZ16にその旨報告した。 Z16は,「そうか,地元の尾上,和田のJVが希望しているのであれば,我が社も協力してあげなさい。」等と指示したので,結局,被告野村建設工業の方針としては,本件工事については,尾上・和田JVに落札させてあげようと決定した。 そのため,被告野村建設工業としては,本件工事については正面切って取りには行かなかった。 (b) 平成8年7月26日の働きかけについて平成8年7月26日の尾上・和田JVの働きかけの状況については記載がない。 (c) 平成8年8月22日の働きかけについて本件入札日の前日か前々日の平成8年8月21日ないし22日ころ,Y2とZ1の2人が被告野村建設工業にやってきて,「今回の件ではお世話をかけています。入札金額については,6億8000万円以上でお願いします。」等と頼んできた。 Z15は,Z1とは以前から営業で面識があったが,Y2とは初対面であったから,このときにY2と名刺交換をしたように思う。 こうして2人が入札金額を決めてきたが,Z15には裁量権がなかったので,すぐにZ16にこのことを報告した。そうするとZ16は,「今回の公共工事については,当初から尾上,和田のJVさんとこに落札させてあげるんだから,我が社もできるだけ協力してあげて,それ以上の金額で入札してあげなさい。丁度,うまいぐあいに我が社ではじき出していた積算の概算金額が6億9800万円だから,その額を入札金額にすればいい。」等と言って指示した。 Z15は,Z16の決裁 以上の金額で入札してあげなさい。丁度,うまいぐあいに我が社ではじき出していた積算の概算金額が6億9800万円だから,その額を入札金額にすればいい。」等と言って指示した。 Z15は,Z16の決裁を得たことから,Y2及びZ1の2人に対し,「上司の決裁が出て,協力させて頂きます。そのかわり,うちが行くときにはよろしくお願いします。」等と言って,本件工事については,尾上・和田JVが落札することに協力することを承諾した。 eZ16刑事調書(被告野村建設工業)の内容(甲B43号証)(a) 本件現場説明での働きかけ及び平成8年7月26日の働きかけについて本件現場説明の数日後,Z15から,「今回の公共工事は私方会社のエリア外であります。公共工事については,尾上,和田のJVに落札させて欲しい等と頼んできています。」等の報告を受けたのが,そもそもの始まりだった。 Z16は,Z15からの報告を受け,本件工事は被告野村建設工業のエリア外であるし,被告野村建設工業の方で落とす必要はないと判断した。そして,Z16は,本件工事について地元の尾上・和田JVが落札させて欲しいと頼んできているのであれば,協力してもいいと思い,Z15に対し,「そうか,地元の尾上,和田のJVが希望しているのであれば,我が社も協力してあげなさい。」等と指示した。 (b) 入札金額の積算について本件工事については,Z16の判断で当初から営業をかけなかったが,本件入札のメンバーに入っていたことから,入札金額を適当に出しておくわけにもいかず,積算課に,「おつきあいやから,概算を出しておいてくれ。」等と言って積算金額の概算を一応はじき出しておいた。 積算課ではじき出した積算金額の概算が,今回入札した金額である6億9800万円である。 (c) 平成8年8月22日の働きかけについて くれ。」等と言って積算金額の概算を一応はじき出しておいた。 積算課ではじき出した積算金額の概算が,今回入札した金額である6億9800万円である。 (c) 平成8年8月22日の働きかけについて本件入札日の前日ないし前々日である平成8年8月21日ないし22日ころ,Z15から,Y2とZ1の2人が来て,「入札金額については6億8000万円以上でお願いします。」と言って頼んできているとの報告を受けた。そこで,Z16は,Z15に対し,「今回の公共工事については,当初から尾上,和田のJVさんとこに落札させてあげるんだから,我が社もできるだけ協力してあげて,それ以上の金額で入札してあげなさい。ちょうどうまいぐあいに,我が社ではじき出していた積算の概算金額が6億9800万円だから,その額を入札金額にすればいい。」等と指示しておいた。 fZ17刑事調書(被告巴コーポレーション)の内容(甲B44号証)(a) 本件現場説明での働きかけについて本件現場説明は,Z7に行かせた。その翌日ころ,Z17がZ7から本件工事の概要等の説明を聞いた際,本件工事については,p区の地元業者の尾上・和田JVが希望していることを聞いた。この,尾上・和田JVが希望していたという言葉の意味は,この業界では,本件工事については尾上・和田JVに落札させて欲しいということである。 Z17は,Z7からの上記報告を受けて,本件工事は,被告巴コーポレーションのエリア外だし,被告巴コーポレーションの方で落とす必要はないと判断した。 (b) 入札金額の積算について本件工事については,Z17の判断により当初から営業をかけなかったが,本件入札のメンバーに入っていたことから,入札金額を適当に出しておくわけにいかず,一応Z17の計算で積算金額の概算をそのころに6億9400万円とは ,Z17の判断により当初から営業をかけなかったが,本件入札のメンバーに入っていたことから,入札金額を適当に出しておくわけにいかず,一応Z17の計算で積算金額の概算をそのころに6億9400万円とはじき出しておいた。 (c) 平成8年7月26日の働きかけについてZ7から(a)記載の報告を受けた翌日ころの平成8年7月27日ころ,Y2とZ1の2人が被告巴コーポレーションの方に来て,その際,Z17が対応して名刺交換をした。 このとき,Y2及びZ1の2人から,「今回の公共工事については,地元の業者の尾上,和田のJVに取らせてください。お願いします。」等と頼まれた。 Z17は,本件工事については,Z17の判断で当初から営業をかけなかった方針で動いていたこともあり,このとき,本件工事は尾上・和田JVに落札させてあげようと決めた。そこで,Z17は,Y2及びZ1に対し,「分かりました。一応お聞きしておきます。」等と言っておいた。 (d) 平成8年8月22日の働きかけについて本件入札日の前日か前々日の平成8年8月21日ないし22日ころ,再度Y2及びZ1の2人が被告巴コーポレーションの方に来て,Z17に対し,「今回の件では,お世話をかけています。入札金額については,6億8000万円以上でお願いします。」等と頼んできた。 そこで,Z17は,Y2及びZ1に対し,「分かりました。協力させて頂きます。希望どおり,6億8000万円以上で入札してあげます。そのかわりうちが行くときには,よろしくお願いしますよ。」等と言って,本件工事については,尾上・和田JVが落札することに協力することを承諾した。 gZ18(淺川組)の供述調書の内容(甲B45号証)(a) 本件現場説明での働きかけについて本件現場説明は営業課長のZ8(以下「Z8」という。)と大東の2人に行っ とに協力することを承諾した。 gZ18(淺川組)の供述調書の内容(甲B45号証)(a) 本件現場説明での働きかけについて本件現場説明は営業課長のZ8(以下「Z8」という。)と大東の2人に行ってもらっている旨の記載があるが,特に本件現場説明の際の尾上・和田JVからの働きかけに関する記載はない。 (b) 平成8年7月26日の働きかけについて本件現場説明の翌日の平成8年7月26日ころ,Y2及びZ1の2人が淺川組を尋ねてきて,Z18が応対した。 2人のうちのどちらかが,Z18に対し,「今度の工事尾上と和田で取りたいんですが。よろしくお願いします。」等と言ってお願いしてきた。 Z18としては,本件工事の営業を積極的に行っていたわけでもなく,まして,被告ニューテックや被告和田建設は地元業者で,それもJVを組んで,積極的に営業している,地元業者とトラブルを起こしたくない等と思う気持ちもあり,「分かりました。」等と答えてしまった。 このことは,Z18から,上司であるZ27部長にも,「尾上工務店や和田建設は地元業者でどうしてもこの工事を取りたいと話しています。」等と報告したが,Z27部長も,仕方がないという顔をしていた。 (c) 平成8年8月22日の働きかけについて本件入札がある前日くらいと思うが,被告ニューテックの年齢37ないし38歳くらいの男と,被告和田建設の年齢55歳くらいの男が淺川組に来て,Z18が対応すると,被告ニューテックの従業員が,「入札には,6億8000万円以上でお願いします。」等とお願いしてきた。そこで,Z18は,「分かりました。」等と返事をした。 これも,積極的な営業活動をしている地元業者の被告ニューテック等とトラブルを行いたくないという気持ちがあったからである。 hZ8(淺川組)の供述調書の内容(甲B46号証)(a 」等と返事をした。 これも,積極的な営業活動をしている地元業者の被告ニューテック等とトラブルを行いたくないという気持ちがあったからである。 hZ8(淺川組)の供述調書の内容(甲B46号証)(a) 本件現場説明での働きかけについて本件現場説明の際,Z8は,被告ニューテックの32歳くらいの男の人及び被告和田建設の54歳ないし55歳くらいの男の人等と名刺交換をしている。 このとき,被告ニューテックと被告和田建設の男の人から,「よろしくお願いします。」等と挨拶を受けた程度でそれ以外の話はしていない。 (b) (a)記載以外に,Z8が,尾上・和田JVに意図的に「この工事を取らせて下さい。」等と言ってお願いされたことはない。 iZ19刑事調書(被告金剛組)の内容(甲B47号証)(a) 本件現場説明での働きかけについて本件現場説明には,Z9が行った。 Z9から本件工事の内容や本件入札に選ばれた本件各指名業者について説明を受けた際,確かな記憶ではないが,Z9から,「今回の物件,地元企業である尾上工務店と和田建設のJVが希望しているようなことを言っていました。」ということを聞いた。 Z19は,この話を聞いて,調整が入ると思った。この調整というのは,被告金剛組のような建築関係を業とする会社間での慣習のようなもので,地元企業が優先して落札するという決まりのようなもののことである。Z19は,Z9の話を聞いて,被告ニューテックが地元p区の会社であることから,本件工事の落札を希望している,被告金剛組としては,慣習上,被告ニューテックの調整に乗るしかないと考えた。 (b) 平成8年7月26日の働きかけについて本件現場説明から2,3日した平成8年7月27日ないし28日ころ,Y2と被告和田建設の営業員の2人が被告金剛組に顔を出し,Z19に対し,「今 えた。 (b) 平成8年7月26日の働きかけについて本件現場説明から2,3日した平成8年7月27日ないし28日ころ,Y2と被告和田建設の営業員の2人が被告金剛組に顔を出し,Z19に対し,「今回の工事,当社が希望していますのでよろしくお願いします。」と,本件工事の入札については尾上・和田JVが落札したいとの希望を持っている旨の挨拶をした。 被告金剛組としては,本件現場説明から帰社したZ9から一応の報告を受けていたことから尾上・和田JVが落札を希望してくることは充分分かっていたし,本件工事が被告ニューテックの膝元で行われることから慣習上調整に乗ることの腹づもりがあったことから,Z19は,「はい,分かりました。」と調整に応じるという了承をした。 入札価格をはじき出す積算には労力と経費がかかることから,早い時期で連絡しておかないと,経費を使った後では調整に応じてくれないことがあるため,このような早い時期での落札の希望の連絡は,通常当たり前のことである。 (c) 入札金額の積算について被告金剛組としては,本件工事の入札から完全に撤退することを決めたが,万が一,他の業者と尾上・和田JVとが叩きあいの入札にでもなれば,被告金剛組としても何らかの金額を記載して入札を行わなければならない。何らかの金額といっても,全くでたらめな金額を記載して入札すれば,原告大阪府の方からペナルティーがくることもあるので,概算でおおよその目安だけは立てていた。 (d) 平成8年8月22日の働きかけについて本件入札の前日か前々日くらいである平成8年8月21日ないし22日ころ,Y2と被告和田建設の従業員の2人が被告金剛組に顔を出した。Z19は,2人の顔を見て,調整がうまくいったと思った。調整がうまくいくと,通常入札の1,2日くらい前になると,調整役の会社が当社 日ころ,Y2と被告和田建設の従業員の2人が被告金剛組に顔を出した。Z19は,2人の顔を見て,調整がうまくいったと思った。調整がうまくいくと,通常入札の1,2日くらい前になると,調整役の会社が当社の入札金額を知らせに来るのが通常のことだからである。 Y2は,Z19に対し,金額を覚えていないが,○○○○円以上で入れて下さいと言ってきた。被告金剛組の入札金額が6億8500万円であることからすると,6億8000万円以上で入れて下さいとの依頼があったと思う。 Z19は,被告金剛組としては,本件工事に関しては尾上・和田JVの調整に応じる気持ちがあったので,「分かりました。」として,本件入札において6億8000万円以上の金額を記載して入札することの了承をした。 jZ10(被告坂田建設)の供述内容(甲B48号証)(a) 本件現場説明での働きかけについて本件現場説明の終わった後,本件各指名業者のうちの尾上・和田JVの名前については思い出せないが,営業担当の人が,「よろしくお願いします。」等と言って名刺を出して挨拶に来たので,Z10も名刺を出して名刺交換をした。 被告坂田建設に帰った後,本件現場説明の状況の結果報告を,書面にして上司のZ20に報告している。 (b) 平成8年7月26日の働きかけや同年8月22日の働きかけに関する記載はない。 kZ20刑事調書(被告坂田建設)の内容(甲B49号証)(a) 本件現場説明での働きかけについて本件現場説明については,Z10に行かせている。 Z10から,本件現場説明の結果報告を,指名報告書で受けており,どのような業者が指名されたか等の報告を受けている。 業者間においては,話し合いによる調整,いわゆる談合によって落札業者を決める場合があり,落札業者を決める基準として 告を,指名報告書で受けており,どのような業者が指名されたか等の報告を受けている。 業者間においては,話し合いによる調整,いわゆる談合によって落札業者を決める場合があり,落札業者を決める基準として,工事場所の地元業者優先という取り決めがある。本件工事はp区内の工事であるので,地元業者となる尾上・和田JVが優先となる。 Z20は,被告坂田建設の営業の責任者として,このような業者間の仁義に反してまでも本件工事を取るつもりはなかった。 (b) 平成8年7月26日の働きかけに関する記載はない。 (c) 入札金額の積算について自分のところが取らない工事であるからとって,適当な金額を入札すれば,工事を取るべき業者に迷惑がかかるし,また,役所の見積とかけ離れた金額を入れると,役所側から,次の工事の指名業者に入れてもらえない場合もあるので,自社で積算しない場合,金額については他の業者から聞いて決めたり,落札予定業者が教えにきたりするので,それで被告坂田建設の入札金額を決めていた。 本件工事の場合は,被告坂田建設としては,尾上・和田JVに譲る工事であり,また,被告坂田建設の建築積算課の責任者であるZ28(以下「Z28」という。)に確認したところ,本件工事についての積算はしていないとのことだったので,被告坂田建設の入札金額7億1500万円は被告坂田建設での積算によってはじき出した金額ではない。したがって,他の入札参加業者から聞いたか,落札した業者側から言って指示してきたものと思うが,はっきりした記憶はない。 (d) 平成8年8月22日の働きかけについて本件工事は最初から業者間で調整ができている工事であり,尾上・和田JVの営業担当が各社を回って金額を言ってお願いしたというのであれば,被告坂田建設は,これらの営業担当から被告坂田建設としての入札金額 件工事は最初から業者間で調整ができている工事であり,尾上・和田JVの営業担当が各社を回って金額を言ってお願いしたというのであれば,被告坂田建設は,これらの営業担当から被告坂田建設としての入札金額を指示されて,そのとおりの金額で入札したと思う。 lZ22刑事調書(被告柄谷工務店)の内容(甲B50号証)(a) 本件現場説明での働きかけについて本件現場説明については,Z11が出席しているとの記載があるが,尾上・和田JVからの働きかけについての記載はない。 (b) 平成8年7月26日の働きかけについて本件現場説明があった翌日ころ,Z22が留守にしている間に,被告柄谷工務店の大阪支店に尾上・和田JVの方2人が来たと,Z11かZ21から聞いた。このとき,「パンチパーマのごつい奴が来ましたわ。」と聞いたので,印象に残っている。 このときには,名刺をおいて,「地元業者ですのでよろしくお願いします。」と言ってきたとのことだった。 Z22としては,尾上・和田JVに落札させてくれと言ってきたと思った。 その後,間もない時期に,Y2からZ22宛に電話があり,「地元業者ですのでよろしくお願いします。」との依頼があった。Z22は,落札させて欲しいという依頼であると思ったので,「ああ分かりました,聞いておきましょう。」という感じの返事をしている。 Z22は,地元業者であれば本件工事を譲っても仕方がないかとの考えもあり,Y2の依頼を承諾した。 (c) 入札金額の積算について被告柄谷工務店では,工事の積算は,兵庫県尼崎市にある本社に依頼するが,本件工事については,Y2からの依頼があり,積算することが無駄になるため,本社に積算の依頼はしていない。 (d) 平成8年8月22日の働きかけについて本件入札の1日か2日前にZ22が出先から被告柄谷工務店大阪支店 ,Y2からの依頼があり,積算することが無駄になるため,本社に積算の依頼はしていない。 (d) 平成8年8月22日の働きかけについて本件入札の1日か2日前にZ22が出先から被告柄谷工務店大阪支店に帰ったところ,Z11かZ21から,「尾上・和田経常建設共同企業体の方が来られて,この金額でお願いしますと言っておられました。」との報告を受けた。 Z22は,Y2の依頼を受けて,本件工事を取るつもりはなかったので,本件入札に出席するZ11に,このときに聞いた金額で入札するよう指示した。 mZ23(小林工務店)の供述内容(甲B51号証)(a) 本件現場説明での働きかけについてZ12が行っていると思うとの記載があるが,尾上・和田JVからの働きかけについての記載はない。 (b) 平成8年7月26日の働きかけについてY2及びZ1が最初に小林工務店のZ23のところにきたときは,両者とも初対面であった。1階の応接室で話をしたと思うが,お互い名刺交換をして,話をした。先方の話は,本件工事は,地元業者ということでなんとかお願いしますということだった。 このときは,お互い初対面ということで,相手方も慎重に言葉を選んでしゃべっている感じであり,Z23としても社内で配置換えがあり,役所対応の営業部長になって間がなく,詳しく工事概要を知らなかったことから,このときは二つ返事で,「はい分かりました。検討します。」等と言って終わっている記憶がある。 (c) 入札金額の積算について小林工務店では,本件工事は,何が何でも取らなければならないという物件ではなく,本件現場説明があった後も,本件工事の詳しい積算なども具体的にしていなかったように記憶している。 (d) 平成8年8月22日の働きかけについて本件入札日の直前にY2及びZ1が小林工務店のZ23の所を訪問し 説明があった後も,本件工事の詳しい積算なども具体的にしていなかったように記憶している。 (d) 平成8年8月22日の働きかけについて本件入札日の直前にY2及びZ1が小林工務店のZ23の所を訪問し,1階の応接室で話をした。 このときに,「入札は6億8000万円以上の金額でお願いします。」と言ってきたので,Z23は,一応小林工務店では本件工事の入札金額を決定できる権限があったので,「はい。」などと了解をしていると思う。 このときの応対している時間は,約4,5分であったと思う。 小林工務店は,6億8800万円で入札しているが,この金額は,Y2及びZ1がお願いに来たときの6億8000万円以上という金額を考慮して決めたものと思う。 nZ24(福川建設)の供述内容(甲B52号証)(a) 本件現場説明での働きかけについて本件現場説明には,Z13が行っている。 Z13からは,本件各指名業者が指名されたことの報告を受けたと思う。 Z24の記憶では,本件工事については,福川建設の方では強力な営業はかけておらず,メンバーをみると,地元p区の尾上・和田JVが受注するものと考えられ,また,尾上・和田JVが熱心に営業活動を行っていた等のことを聞き,福川建設としては営業に力が入っていなかったというような正直な記憶である。 それで,本件工事については,おそらく尾上・和田JVの方から調整の話が入るだろうとの考えであった。 (b) 平成8年7月26日の働きかけについて本件入札の指名通知を受けて2,3日後くらいに,尾上・和田JVの構成員である被告ニューテックの営業担当者とZ1の2人が福川建設の方にやってきた。福川建設は,本件入札の1,2年前に田島中学校改築工事における下請業者として被告和田建設を使用したが,このときの被告和田建設の営業担当がZ1であった。 担当者とZ1の2人が福川建設の方にやってきた。福川建設は,本件入札の1,2年前に田島中学校改築工事における下請業者として被告和田建設を使用したが,このときの被告和田建設の営業担当がZ1であった。 このときは,Z24は不在であり,会えなかったが,おそらく応対に出た女子事務員が不在を告げ,そのときに2人の名刺をもらい,本件工事についての落札依頼のお願いにやってきたということを後から聞いたような記憶がある。 このとき,Z24は,福川建設ではそんなに営業をかけていなかったことや,顔見知りの地元被告和田建設のZ1からの願いであり,それは尾上・和田JVで行くだろう,つまり本件工事を取るだろう,という思いであった。 したがって,Z24としては,Y2,Z1の2人の相手方には電話等はしていないし,相手からの電話も受けたような記憶もない。 (c) 平成8年8月22日の働きかけについて本件入札の2,3日前と記憶しているが,Z1が再度福川建設を訪れた。Z24の記憶では,この日は,Z1と直接会い,Z1の方から札入れ価格のお願いがあったように記憶している。 Z1の方から,確か,「6億8000万円の以上札でお願いします。」というようなお願いを受けたので,本件工事は尾上・和田JVの工事というような考えもあり,その金額で札入れすることの了承をした。 このようなことで,福川建設としては,Z1から言われた金額の6億8000万円で入札した。 (d) 入札金額の積算について福川建設としては,設計積算担当社員はいるが,本件工事については全く積算をさせていない。 (イ) これに対し,上記各点に関する本訴における本件各指名業者の担当者の陳述ないし証言の内容は以下のとおりである。 aZ14(被告小田急建設)の陳述及び証言内容(乙C3号証,5号証,証人Z14) れに対し,上記各点に関する本訴における本件各指名業者の担当者の陳述ないし証言の内容は以下のとおりである。 aZ14(被告小田急建設)の陳述及び証言内容(乙C3号証,5号証,証人Z14)(a) 平成8年7月26日の働きかけについて平成8年7月26日ころ,被告ニューテックの担当者が被告小田急建設の大阪支店に挨拶に来たのは事実のようであるが,その際,Z14は所要で会社を留守にしており,挨拶に来た担当者には会っていない。 Z14の部下のZ5が担当者の応対をした。担当者が,「工事については尾上と和田が取りたい。」等の挨拶をしたのは事実のようであるが,Z5はそれに同意する等の権限はないので,ただ,そうですかという感じで聞いただけで,「上司に伝えます。」と言って引き取ってもらったとのことである。このように,被告小田急建設が同意した事実はない。 (b) 平成8年8月22日の働きかけについて本件入札日の前日くらいに,被告ニューテックから電話があり,「入札については,6億8000万円以上で札を入れて下さい。」との連絡があったという事実はない。 Z14は,(a)記載のZ14の留守中に被告ニューテックの担当者が挨拶に来て以来,被告ニューテックあるいは被告和田建設の担当者等と話をした覚えはない。 (c) 入札金額の積算について被告小田急建設は,原告大阪府が発注を予定していた前島ポンプ場の雨水滞水池築造工事に力を入れて営業活動をしていた。同工事については,平成8年8月に入札があり,被告小田急建設が落札し,同月23日に原告大阪府との間で契約を締結している。 このように,当時,被告小田急建設は,原告大阪府が発注する本件工事以外の工事を受注すべく営業活動を行っていたものであり,本件工事を受注する意思は全くなかった。 このような受注する意思が ている。 このように,当時,被告小田急建設は,原告大阪府が発注する本件工事以外の工事を受注すべく営業活動を行っていたものであり,本件工事を受注する意思は全くなかった。 このような受注する意思がない工事の入札であっても,入札参加業者に指名された以上,積算をして入札価格を決める必要がある。その場合の積算の方法は,出来るだけ,人やコストをかけないということで,概算的な見積をすることになる。このように概算で見積をすると,精度の高い見積をした場合に比して,金額は高くなる。 本件工事についても,被告小田急建設は,当然積算している。 本件工事の積算は,現場説明図面及び仕様書を原告大阪府から借用し,入札時返還となっていたことから,これら図面や仕様書を基に共通仮設工事,建築工事,外構工事等の概数量を拾い出し,仮設工事は工事予定地周辺の状況を考慮し,建築工事については,被告小田急建設全店における同種工事,類似工事の資料及び積算データ等を参考に市場単価とも比べ積算を行った。 (d) Z14刑事調書の信用性について本件入札から3年近くも経った平成11年7月に警察から呼出があり,Z14刑事調書記載内容のような調書の作成に協力するよう言われた。Z14は,当初刑事に,自分は留守で被告ニューテックの担当者に会っていないこと,その後も被告ニューテックの要望に同意した事実はないこと等を伝え,事実に反する調書の作成には協力できないといった。しかし,刑事から,執拗に,「君達をどうのこうのするつもりはない。もっと悪いことをした奴がいる。そいつらを処罰するのが目的なので協力してほしい。」とか,「君が違うと言ってももう他社のものは皆しゃべっている。」などと言って聞き入れてくれなかった。また,刑事2人が入れ替わり立ち替わり入ってきて,休む時間も与えられなかった。トイ 力してほしい。」とか,「君が違うと言ってももう他社のものは皆しゃべっている。」などと言って聞き入れてくれなかった。また,刑事2人が入れ替わり立ち替わり入ってきて,休む時間も与えられなかった。トイレに行くにもずっと付いてきた。また,時折,机を叩いて怒ったり,灰皿が飛んだこともあった。このような状況で5時間以上取り調べが続いたため,できるだけ早くこの状況を終わらせたいと思い,不本意ではあったが,妥協して,事実とは違う調書に署名押印した。 bZ15(被告野村建設工業)の陳述及び証言内容(乙E1号証,2号証,証人Z15)(a) 本件現場説明での働きかけについて本件現場説明にはZ6が出席したが,本件各指名業者の中に,本件工事の地元業者である被告ニューテックと被告和田建設がJVを組んで,入札資格を2ランク上げて参加していることがわかった。そこで,Z6は,帰社後,Z15に対し,本件各指名業者の中に地元の業者のJVとして尾上・和田JVが入っていることを報告した。 Y2及びZ1から,今回の工事は地元の工事ということで勉強しているので何とかよろしくお願いします,また改めて会社の方に挨拶に伺います,といった挨拶を受けたとの報告は,Z6から受けていない。原告大阪府の担当者も出席している本件現場説明において,Y2及びZ1が上記のような挨拶をすることはあり得ない。 本件各指名業者の顔ぶれをみると,尾上・和田JV以外は,大阪府以外に本店を構えている,いわゆる支店組の会社が中心で,大阪府に本店がある被告野村建設工業と被告金剛組も,本件工事の地元であるp区は,営業地域外であったことから,本件工事を受注しにいくのは尾上・和田JV以外には考えられなかった。 Z15は,Z6からの報告を受けて,上司のZ16に対し,JVを組むことにより格付けを上げてまで入札資格を 地域外であったことから,本件工事を受注しにいくのは尾上・和田JV以外には考えられなかった。 Z15は,Z6からの報告を受けて,上司のZ16に対し,JVを組むことにより格付けを上げてまで入札資格を取得した地元業者の尾上・和田JVが,おそらく本件工事の落札を希望しているだろうとの意見を述べ,Z16も,おそらくそうだろうと,この意見に同意した。 (b) 平成8年8月22日の働きかけについて本件入札日の前日か前々日の平成8年8月21日ないし22日ころ,Y2とZ1が被告野村建設工業にやってきて,Z15に対し,本件入札に際し,6億8000万円以上で入札して欲しいとの申し入れをしてきた。 Z15は,この申し入れを聞いただけであり,協力するとか了解するとかということは言っていない。Z15は,Y2及びZ1に対し,被告野村建設工業は当社の概算見積どおり入札を入れますということで帰ってもらった。 Z15は,Z16に対し,Y2及びZ1が挨拶に来て,上記申し入れをしたことを伝えた。 被告野村建設工業としては,独自の積算により6億9800万円との入札金額を算定していたことから,上記申し入れとは関係なく,同金額で入札することを決め,本件入札に参加した。 (c) 入札金額の積算について本件入札があった平成8年8月当時,被告野村建設工業は,平成10年の原告大阪府の府営住宅の受注を目指して営業努力していた。 そのため,被告野村建設工業は,本件工事についての営業活動はしていないし,本件工事を落札するつもりもなかった。 このような場合であっても,入札業者に指名された以上,入札をする必要があり,そのためには入札金額を決めなければならなかった。その場合には,過去の公共工事や民間工事のデータから,各物件の構造,屋根の形状及び平米プラン(各主要室の配置及び仕様)といった 入札をする必要があり,そのためには入札金額を決めなければならなかった。その場合には,過去の公共工事や民間工事のデータから,各物件の構造,屋根の形状及び平米プラン(各主要室の配置及び仕様)といった特性を考慮した単価に平米数をかけて原価を出し,それに経費(一般管理費)を乗せて算出するという概算で金額を出して入札金額を決めていた。 本件工事の概算についても,構造がRC造一部S造であり,SRC造よりは単価が安くなることや,屋根がアール屋根で,外装も吹き付けタイルで比較的単価が高くなる仕様になっていたことを踏まえ,上記手法により概算を行った。 (d) Z15刑事調書の信用性について元々警察に呼ばれたときは,被告Y3及び同Y5に対する刑事事件の立件のための裏付けとして話が聞きたいと言われていた。 Z15は,当時既に3年近くが経過していたことから,詳しいやり取りは覚えていない旨話したが,警察では既に全体のあらすじができあがっており,こういうことだろうと一方的に調書を作成していった。 Z15としては,被告野村建設工業が談合に加わったつもりはなく,これを否定していたが,警察の説明では,これで被告野村建設工業を処罰しようと考えているわけではなく,あくまでも被告Y3や被告Y5を処罰するための裏付けだからということだった。また,被告野村建設工業やZ15を処罰することはないとのことだったので,詳しい内容は覚えていなかったが,警察に言われるままの調書に署名捺印した。自分が被疑者になっているということは,調書ができて,内容を読んでもらった段階で初めて知った。 調書を作成するために警察にいた時間は6時間以上であり,警察の望む内容の調書ができあがるまでは自宅に帰れないのではないかと心配した記憶がある。 なお,Z15の場合は,机を叩かれるとか,大声で言わ 調書を作成するために警察にいた時間は6時間以上であり,警察の望む内容の調書ができあがるまでは自宅に帰れないのではないかと心配した記憶がある。 なお,Z15の場合は,机を叩かれるとか,大声で言われるとかということはなかった。 cZ17(被告巴コーポレーション)の陳述及び証言内容(乙F2号証,証人Z17)(a) Z17の本件入札への関与について被告巴コーポレーション大阪支店の建築営業部門においては,Z17が民間工事の営業を担当し,公共工事の営業はZ7が担当していた。 本件工事についても,本件現場説明から本件入札まで,Z7が担当して行った。Z17は本件入札等の業務には関与していない。 (b) 平成8年7月26日の働きかけについて日にちははっきり記憶していないが,Y2及びZ1が被告巴コーポレーションの大阪支店に来た際,Z7が不在で,代わりにZ17がY2及びZ1と会ったことがある。Y2及びZ1はお願いしますというような形で来ていると思う。これに対し,Z17は,一応お聞きしておきますということで,あと,Z7に伝えた。 (c) 平成8年8月22日の働きかけについてZ17が,平成8年8月21日ないし22日に,被告巴コーポレーションの大阪支店に来たY2及びZ1と会ったことはない。 (d) 入札金額の積算について入札金額については,Z7が,被告巴コーポレーションの立場で,過去のデータに基づいて作成している。 (e) Z17刑事調書の信用性について本件刑事事件については,まずZ7が2,3回大阪府警察本部に出頭を求められたが,Z7の供述調書は作成されなかった。その後,Z7では要領を得ないからZ17に話を聞きたいとして,Z17が3回ほど出頭を求められ,いろいろ聞かれた。 警察官の問いかけに対し,談合をしたことはないと何回も同じ返事をし 成されなかった。その後,Z7では要領を得ないからZ17に話を聞きたいとして,Z17が3回ほど出頭を求められ,いろいろ聞かれた。 警察官の問いかけに対し,談合をしたことはないと何回も同じ返事をし,押し問答になった。 2回このような押し問答が続き,3回目のときも同じ質問に同じ答えをしていたところ,警察官が,突然机を叩き,机の脚を蹴るなどの暴力的な態度をとり,「巴は全て隠している。他社は前向きに協力して認めている。」として,他社と比較して幼稚で危機感もないし,Z17と話をしているとパートのおばさん程度と侮辱された。 さらに,Z17が,「やっていないものを認めたら会社に迷惑がかかる。 指名停止でも問題になります。」と聞くと,警察官は,「指名停止になることはない。」「調書はオープンにしない。」「協力してくれ。迷惑はかけない。」と言いながら,強引に誘導を繰り返し,他の警察官が他の人の供述調書を読み,強い口調で,「このように供述している。」「間違いないのだろう。」と他の供述調書に合わせた供述を求めながら,長時間にわたり協力を求めた。その結果,Z17も疲れ果てて,記憶と異なる内容の調書が作成された。 dZ19(被告金剛組)の陳述及び証言内容(乙G6号証,7号証,証人Z19)(a) 本件現場説明での働きかけについて本件現場説明から帰ったZ9から,本件工事の概要と本件各指名業者について報告を受けたが,尾上・和田JVの担当者から尾上・和田JVが受注を希望していると言われたといった報告を受けた記憶はない。 Z19は,報告を受けて,この手の建物であれば,原告大阪府の平均的な積算坪単価は75万円程度と見られ,入札書比較予定価格は6億7500万円程度と見積もった。 原告大阪府では,いったん受注すると当該工事が完成するまで次の物件については指名されな 告大阪府の平均的な積算坪単価は75万円程度と見られ,入札書比較予定価格は6億7500万円程度と見積もった。 原告大阪府では,いったん受注すると当該工事が完成するまで次の物件については指名されない取扱いとなっていたところ,被告金剛組は,当時,府営泉大津なぎさ住宅新築工事の受注を狙っており,同工事の入札時期までに本件工事の完成は間に合わないことから,両方の工事を受注することは不可能であった。そして,これまで上記なぎさ住宅の案件について受注を狙って準備をしていたことや,なぎさ住宅の方が規模が大きく,その分利益も大きいと予想されたこと等から,本件工事の受注は見送ることとした。 (b) 平成8年7月26日の働きかけについて本件現場説明の2,3日後,Y2と被告和田建設の営業員が,予約も何もなく突然被告金剛組にZ19を訪ねてきた。両名は,会うなり,Z19に対し,本件工事は尾上・和田JVが熱望しているので,よろしくお願いしますと言ってきた。 Z19は,本件工事については受注見送りを決めていたため,もはや関心はなく,「そうですか。」とだけ返事をしておいた。 このやりとりは,被告金剛組の玄関を入ったところで,立ち話で行われたものであり,時間的にも1分もかからない程度であった。 (c) 入札金額の積算についてZ19は,本件入札においては,できるだけ落札価格に近いところで外れるようにする必要があると考え,他社の実際の入札価格は入札書比較予定価格と想定される6億7500万円程度より低い金額になるであろうと予測し,6億7500万円でも落札することはないであろうが,念のためにさらに1000万円くらい上積みしておけば確実に落札は免れると考えて,6億8500万円で入札することに決めた。 なお,(a)記載のように,本件工事の坪単価75万円と判断した根拠 ろうが,念のためにさらに1000万円くらい上積みしておけば確実に落札は免れると考えて,6億8500万円で入札することに決めた。 なお,(a)記載のように,本件工事の坪単価75万円と判断した根拠は,以下のとおりである。 すなわち,原告大阪府の坪単価を推定するにあたっては,本件工事のような体育館工事の場合,過去の体育館工事の落札価格を基に,構造や形状,仕上げ等のほか,その時々の積算の基礎となる原価数値等の要素も考慮して,上記坪単価を推定する。 本件工事については,被告金剛組は,原告大阪府の報告書にもある八尾高校,富田林高校,四条畷高校及び茨木高校のデータと,被告金剛組が過去に受注した夕陽丘高校のデータとを比較し,その主要構造その他の要因を検討して,標準的な仕様の場合の平均的な入札予定価格の坪単価はおおよそ65万円と推定した。この数値を基に,平成7年の阪神大震災を踏まえた耐震強度のアップや復興工事の影響による資材,機材,労賃の上昇を考慮し,概算数値として坪単価を約75万円と推定した。 (d) 平成8年8月22日の働きかけについて本件入札日の前日か前々日ころ,再びY2と前回来た被告和田建設の営業員が,突然被告金剛組のZ19のところに来て,今回の入札は○○○○円以上(金額ははっきり覚えていないが,被告金剛組が既に決めていた入札価格より低かったことは間違いない。)で入れて下さいと言ってきた。 Z19としては,被告金剛組としての入札予定価格は既に決まっていたため,今更どうでもいい話で,むしろ余計なことを聞かされたと思ったが,いずれにせよ被告金剛組の入札予定価格以下であったので,今回も「そうですか。」とだけ返事をしてその場をごまかし,両名には帰ってもらった。 なお,このときも,前回と同様,被告金剛組の玄関先で応対しており,時間的にも 剛組の入札予定価格以下であったので,今回も「そうですか。」とだけ返事をしてその場をごまかし,両名には帰ってもらった。 なお,このときも,前回と同様,被告金剛組の玄関先で応対しており,時間的にも30秒くらいであった。 (e) Z19刑事調書の信用性について本件刑事事件において,Z19は2回取り調べを受けた(1回目はZ9と一緒であった。)。 この2回目の取り調べの際,Z19が何度否定しても,調整しただろう,談合しただろうという言葉を繰り返し,一方的に調書を作成していった。そして,できあがった調書を確認したZ19が談合はしていないと反論したが,結果的に依頼を受けてその内容どおりの入札をしているではないか,はっきり否定しなかったのなら承諾したのも同じだなどといって,全く聞き入れてもらえなかった。一方で,刑事は,Z19や被告金剛組を起訴するためのものではない,指名停止にも関係ない,特段不利益はないのだから細かいところにこだわらずサインしてはどうか,と執拗にサインを迫った。なおもZ19が渋っていると,机を大きく叩いて,早くサインしないといつまでたっても帰れないぞと一喝した。Z19は,当日,午後5時に西宮の現場で施主と会う約束をしており,その施主は被告金剛組にとって重要な客であり,また細かい点にも厳しい方であったので,このまま抵抗し続けて万一遅刻でもすると大変なことになると思い,調書にサインした。 eZ29(以下「Z29」という。被告坂田建設)の陳述及び証言内容(乙H1号証,4号証,証人Z29)(a) 本件現場説明での働きかけについて被告坂田建設が,Z10から本件現場説明の報告を聞いて,談合に応じることを決めた事実は全くない。Z29自身,Z10やZ20からそのようなことを聞いたことはないし,Z10やZ20がそのようなことを話し合って 田建設が,Z10から本件現場説明の報告を聞いて,談合に応じることを決めた事実は全くない。Z29自身,Z10やZ20からそのようなことを聞いたことはないし,Z10やZ20がそのようなことを話し合っているのを聞いたこともない。 (b) 平成8年7月26日の働きかけについて平成8年7月26日に,Y2及びZ1が被告坂田建設大阪支店を訪問して従業員に名刺を渡し,「今度の工事は当社が希望していますので,よろしくお伝え下さい。」と本件工事の担当者への伝言を頼んだという事実はない。被告坂田建設においては,Y2及びZ1が訪問したことすら確認できないし,仮に訪問していたとしても,Z20もZ10も,他の営業の者も,このような内容の伝言を受けたことはない。 (c) 平成8年8月22日の働きかけについて平成8年8月22日に,Y2及びZ1が被告坂田建設大阪支店を訪問して,本件工事の担当者又は代わりに応対に出た従業員に対し,本件工事の入札については「6億8000万円以上でお願いしたい。」と申し入れて,Z20がこの申出を承諾したということはない。 Z20もZ10も,Y2及びZ1に会ったことすらなく,ましてや入札金額の申出を受けたこともない。他の従業員から入札金額の申出を受けたことを聞いたこともない。 (d) 入札金額の積算について被告坂田建設では,原告大阪府の公共工事を2,3年に1件くらい受注していたが,本件入札が行われた平成8年8月当時は8件の工事が既に動いており,さらに本件工事を受注することには人員的に無理があった。また,被告坂田建設で当時受注を目指していた物件(羽曳野の高層住宅建て替え工事等)が次年度にあった。このようなことから,被告坂田建設としては,本件工事には本腰が入らなかったが,指名されたことから,本件入札には参加した。 本件工事の入札金 物件(羽曳野の高層住宅建て替え工事等)が次年度にあった。このようなことから,被告坂田建設としては,本件工事には本腰が入らなかったが,指名されたことから,本件入札には参加した。 本件工事の入札金額の決定については,費用と日数が膨大にかかる詳細な積算は行わず,当時同種工事の落札金額(税抜き)を延べ床面積(坪)で割った坪単価の平均的な数字(おそらく坪単価60万円台半ばくらい)を算出し,それを基礎にして本社経費や支店経費,当時上昇していた建設物価の割増分を加味して積算金額を算定したと思う。 (e) Z20刑事調書の信用性について本件刑事事件についてZ20が警察で取り調べを受けた日の夜,Z20から被告坂田建設に連絡があった。Z20は,もう被告坂田建設が最後だからと言われたので,警察の言うとおりに,あまりしつこく言われたので,一応問題ないと思うから判子を押したとのことであった。 Z20刑事調書では,被告坂田建設の建築積算課の責任者であるZ28に,本件工事の積算をしていないことを確認した旨の記載がある。 しかし,当時は,Z28が平成8年7月1日に被告坂田建設の大阪支店に赴任してきたところで,2か月ほど重複してZ30という積算課長がいた。したがって,Z28が積算をしていないのは当然である。 fZ22(被告柄谷工務店)の陳述及び証言内容(乙I1号証,2号証,証人Z22)(a) 本件現場説明での働きかけについて本件現場説明には,Z11が出席したが,本件各指名業者の中に,本件工事の地元業者である被告ニューテックと被告和田建設がJVを組んで,入札資格を2ランク上げて,本件入札の指名業者になっていることが分かり,Z22はZ11からその旨の報告を受けた。 なお,本件現場説明において,Y2及びZ1から,「今回,地元p地区から指名になった尾上・和田JV ランク上げて,本件入札の指名業者になっていることが分かり,Z22はZ11からその旨の報告を受けた。 なお,本件現場説明において,Y2及びZ1から,「今回,地元p地区から指名になった尾上・和田JVです。今回の工事は地元の工事ということで勉強しています。」と挨拶されたとの報告は受けていない。 本件各指名業者をみると,尾上・和田JV以外は,大阪府以外に本店を構えているいわゆる支店組の会社が中心で,大阪府に本店がある被告野村建設工業や被告金剛組も,本件工事の地元であるp区は営業地域外であったことから,本件工事を受注しに行くのは,尾上・和田JV以外に考えられないことは明らかだった。 (b) 平成8年7月26日の働きかけについてZ22は直接会っていないが,Z22不在のときにY2とZ1が被告柄谷工務店大阪支店に来て,Z11が応対をしたことがある。パンチパーマをかけた人が来たとかということは言われたような記憶があるが,その際の話は詳しく覚えていない。 そして,本件現場説明から数日経ったときに,Y2からZ22に電話があったが,「地元業者ですので,よろしくお願いします。」という挨拶程度のものであった。 Z22は,本件工事を受注するつもりはなかったが,特にそのようなことは口に出さず,Y2からの話を聞いておいた。 Z22から,尾上・和田JVに本件工事を落札できるよう被告柄谷工務店が協力するというような回答をしたことは一切ない。 (c) 平成8年8月22日の働きかけについてY2かZ1が,被告柄谷工務店大阪支店に来て,対応に出たZ22の部下に対し,本件入札について,この金額でお願いしますと行って金額を示してきたとの報告を受けたが,対応した部下もこれを承諾するような権限はなかったので,話を聞いただけで,被告柄谷工務店の方からは承諾するというような回 について,この金額でお願いしますと行って金額を示してきたとの報告を受けたが,対応した部下もこれを承諾するような権限はなかったので,話を聞いただけで,被告柄谷工務店の方からは承諾するというような回答はしておらず,部下から報告を聞いたZ22も,Y2ないしZ1に対し,その後,何らの回答もしなかった。 Z22は,Z11に対し,被告柄谷工務店で計算した結果に基づき,Y2やZ1の申し入れとは関係なく,7億1500万円で入札するよう指示している。 (d) 入札金額の積算について被告柄谷工務店は,本件工事を受注するつもりはなかったが,本件入札に際しては入札金額を算定する必要があった。 そこで,被告柄谷工務店大阪支店においては,本社に依頼して行う厳密な積算は時間も手間もかかるので,坪当たりの見積単価から全体の価格を概算する方法により入札金額を算定することとし,その結果,7億1500万円という入札金額を算出した。 この坪単価は,過去の施工例,あるいは過去に積算した物件を逆算して出した坪単価のデータを基に算出する。 被告柄谷工務店においては,原告大阪府発注の公共工事を受注したことはなかったが,兵庫県や尼崎市発注の公共工事や民間発注の工事は多数行っており,平成5年には兵庫県立尼崎西高校屋内体育館建築・特殊基礎工事を受注した実績もあり,その際の実績も概算に当たっては参考にしている。 本件工事の入札金額を決めるに当たり,本件入札の3,4日前にZ22が概算見積をした。Z22は,過去に積算を扱う部署にいたので,積算の経験は豊富であり,本件工事の概算を行う場合も1日あれば行うことができた。 (e) Z22刑事調書の信用性について警察に呼ばれた際,本件入札後既に3年近く経過していたことから,本件入札の際の詳しいやり取りなどは覚えていないと話した。 とこ 日あれば行うことができた。 (e) Z22刑事調書の信用性について警察に呼ばれた際,本件入札後既に3年近く経過していたことから,本件入札の際の詳しいやり取りなどは覚えていないと話した。 ところが,警察では,既にY2やZ1らから聞いた情報を基にして全体のあらすじを作っていたようであり,こうだったのだろうと押しつけられるように言われることが何度もあった。 Z22としては,全く記憶にないこともあったが,警察は,被告柄谷工務店を処罰するためにしているのではなく,被告Y3や被告Y5を処罰するための裏付けとしてしているのであるから,認めた方がいいと言われ,取り調べの開始から長時間が経過していたこともあって,詳しい内容は覚えていなかったが,警察に言われるまま調書に署名捺印した。 (ウ)a そこで検討するに,尾上・和田JVから他の本件各指名業者に対する談合の働きかけが存したこと自体,すなわち,Y2及びZ1が,①本件現場説明において,尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者の担当者に対し,挨拶をして回ったこと,②本件現場説明の翌日である平成8年7月26日に,尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者に対し,本件工事を尾上・和田JVが落札することを承諾するよう依頼して回ったこと,及び,③本件入札日の前日である同年8月22日に,尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者に対し,6億8000万円以上で入札するよう依頼して回ったことは,ア記載のとおり認められるところである。 このことは,(ア)で検討した本件刑事事件における本件各指名業者の担当者の供述調書の内容からも裏付けられているし,また,(イ)で検討した本訴における本件各指名業者の担当者の陳述ないし証言内容中にも,このような談合の働きかけに当たる事実があったこと自体は認める旨の陳述ないし証言も存する。 こ けられているし,また,(イ)で検討した本訴における本件各指名業者の担当者の陳述ないし証言内容中にも,このような談合の働きかけに当たる事実があったこと自体は認める旨の陳述ないし証言も存する。 この点,(イ)記載の本件各指名業者の担当者の陳述ないし証言内容中には,Y2及びZ1による上記働きかけが存したこと自体を否定する内容のものも存する(aZ14の陳述及び証言内容中(b)部分,bZ15の陳述及び証言内容中(a)部分,cZ17の陳述及び証言内容中(c)部分,eZ29の陳述及び証言内容中(b)及び(c)部分)。しかしながら,これら各陳述ないし証言は,上記指摘の本件刑事事件における本件各指名業者の担当者の供述調書の内容((ア)記載のとおり)や,本訴における陳述ないし証言内容((イ)記載のとおり)中,尾上・和田JV(Y2及びZ1)から談合の働きかけに当たる事実が存したこと自体は認める旨の陳述ないし証言内容に照らし,信用できない。 b (ア)で検討した本件刑事事件における本件各指名業者の担当者の供述調書の内容によれば,a記載のような尾上・和田JVからの談合の働きかけに対し,尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者は,談合に応じることとし,平成8年8月22日にY2及びZ1から本件入札に際しては6億8000万円以上で入札してほしいとの依頼を受けて,それぞれ同金額以上の金額で入札をしたものと認められる。 c これに対し,(イ)で検討した本訴における本件各指名業者の担当者の陳述ないし証言の内容は,談合の働きかけが存したこと自体を否定するものはもちろん,談合の働きかけに当たる事実自体が存したことは認めるものも,談合の働きかけは一方的にされたにすぎず,これを承諾していないし,また,本件入札に係る入札金額も,それぞれの概算的な見積により独自に決めたもので,Y かけに当たる事実自体が存したことは認めるものも,談合の働きかけは一方的にされたにすぎず,これを承諾していないし,また,本件入札に係る入札金額も,それぞれの概算的な見積により独自に決めたもので,Y2及びZ1から依頼された金額を了承して同金額以上で入札することとしたものではないとして,談合を行ったことを否定するものである。 しかしながら,b記載のような本件刑事事件における本件各指名業者の担当者の供述調書の内容は,当該供述者自身にとって刑事罰が科されかねないものであると共に,当該供述者が属する会社にとっても公共工事の指名停止等の不利益を被ることも充分に想起されるものである。 してみれば,本件各指名業者の担当者が,このように自己あるいは会社にとって不利益な結果をもたらす談合に応じたとの事実が何ら存しないにもかかわらず,そろってこれを認める旨の内容の供述を行うものとは通常考えがたく,このように本件刑事事件において,本件各指名業者の担当者がそろって談合を認める旨の供述をしていることは,当該談合の事実が真に存したことを推測させるものといえる。 d さらに,本訴における本件各指名業者の担当者の陳述ないし証言の信用性について,検討する。 (a) Z14(被告小田急建設)の陳述及び証言内容((イ)a記載のとおり)についてZ14は,本訴において,平成8年7月26日及び同年8月22日の各Y2ないしZ1からの働きかけについて,Z14自身が同働きかけを直接受けたことはない旨の陳述ないし証言をする。 しかしながら,Z14のこのような陳述ないし証言は,Z14自身が同働きかけを受け,これに応じたことを認めるZ14刑事調書における供述内容((ア)c記載のとおり)に反するものである。 しかるところ,c記載のように,本件各指名業者の担当者が,自己ないしその属する会 きかけを受け,これに応じたことを認めるZ14刑事調書における供述内容((ア)c記載のとおり)に反するものである。 しかるところ,c記載のように,本件各指名業者の担当者が,自己ないしその属する会社に不利益な事実を認める内容の供述をそろってしていることから,本件刑事事件におけるこれら各担当者の供述調書記載内容は信用性が高いと認められ,また,平成8年8月22日の働きかけ自体が存しなかったとする点について信用できないことは,a記載のとおりである。さらに,Z14刑事調書においては,同22日の働きかけについては被告ニューテックからの電話であったと思うと記載されているところ,本件刑事事件におけるY2及びZ1の各供述調書(甲B39号証,40号証)をみても,尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者を回って,6億8000万円以上で入札して欲しい旨伝えたとのことであり,電話でかかる依頼をしたとの供述はみあたらないから,この点について,Z14の取り調べをした警察官がZ14の供述に反して一方的に作成したものとは解されない。 このほか,Z14は,Z14刑事調書作成時の警察官による取り調べの状況について縷々陳述ないし証言し,Z14刑事調書の記載内容には信用性がないとする。しかしながら,上記記載の諸点や,Z14自身,Z14刑事調書を閲覧し,その記載内容を確認した上で同調書に署名していること(甲B41号証,証人Z14),また,同取り調べから帰社した後も,不当な取り調べにより,意に反し,談合を認める旨の調書を作成された旨の報告を会社やその顧問弁護士には一切していないことに照らせば,Z14刑事調書の記載内容は信用できるものと解するのが相当である。 なお,Z14は,被告小田急建設の入札金額が被告小田急建設自身の概算的な見積の結果に基づくものである旨陳述ないし証言す 照らせば,Z14刑事調書の記載内容は信用できるものと解するのが相当である。 なお,Z14は,被告小田急建設の入札金額が被告小田急建設自身の概算的な見積の結果に基づくものである旨陳述ないし証言する。しかしながら,Z14刑事調書にはこの点の記載がなく,当時,被告小田急建設において,本件工事についてそのような概算的な見積を行ったということ自体疑義が存するところであるが,仮に被告小田急建設として概算的な見積をしていたとしても,Y2及びZ1から6億8000万円以上で入札して欲しいとの依頼を受け,これを承諾した上で同金額以上の金額(被告小田急建設については6億9500万円)で入札していることに照らせば,同概算的な見積を行っていたからといって,談合の成立を否定することはできない。 (b) Z15(被告野村建設工業)の陳述及び証言内容((イ)b記載のとおり)についてZ15は,本訴において,Y2及びZ1からの働きかけに対し,Z15がこれに応じたことはない旨の陳述ないし証言をする。 しかしながら,Z15のこのような陳述ないし証言は,Z15がY2及びZ1から働きかけを受け,あるいは,Y2やZ1から働きかけを受けた旨のZ6の報告を受け,上司のZ16と相談した上で,これに応じたことを認めるZ15刑事調書やZ16刑事調書における供述内容((ア)d及びe各記載のとおり)に反するものである。 しかるところ,c記載のように,本件各指名業者の担当者が,自己ないしその属する会社に不利益な事実を認める内容の供述をそろってしていることから,本件刑事事件におけるこれら各担当者の供述調書記載内容は信用性が高いと認められる。また,Z15刑事調書及びZ16刑事調書においては,尾上・和田JVが落札を希望している旨の報告を聞いて,被告野村建設工業としても協力するようにとのZ 者の供述調書記載内容は信用性が高いと認められる。また,Z15刑事調書及びZ16刑事調書においては,尾上・和田JVが落札を希望している旨の報告を聞いて,被告野村建設工業としても協力するようにとのZ16の指示がされた状況や,Z15がY2及びZ1から6億8000万円以上で入札して欲しいとの依頼を受けた際に,Z15において,Z16に報告し,Z16の指示を受けた上で,Y2及びZ1に協力することを承諾したとの状況が記載されているところ,Y2及びZ1の各供述調書(甲B39号証,40号証)をみても,これらZ15とZ16間でのやりとりがされた後にZ15がY2及びZ1からの働きかけを承諾したとの供述はみあたらず,Z15とZ16間における報告,指示の有無やその内容については,Z15刑事調書,Z16刑事調書を作成した警察官がZ15の供述に反して一方的に作成したものとは解されない。特に,Z15はZ16に先だって取り調べを受けているから(甲B42号証,43号証,証人Z15),Z15自身においてZ16に対する報告やZ16からの指示内容を取り調べをした警察官に供述したものとみるのが相当である。さらに,Z15は,平成8年8月22日の働きかけについて,Y2及びZ1に対し,被告野村建設工業は当社の概算見積どおり入札を入れますということで帰ってもらった旨の陳述ないし証言をする。しかしながら,尾上・和田JVから他の本件各指名業者に対する談合の働きかけが存したこと,その一環として,本件入札日の前日である平成8年8月22日に,Y2及びZ1が尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者に対し,6億8000万円以上で入札するよう依頼して回ったことは,ア記載のとおり認められるところ,被告Y1を通じて聞き出した入札書比較予定価格の概数で入札することによって多額の利益を得ようとしていた尾 し,6億8000万円以上で入札するよう依頼して回ったことは,ア記載のとおり認められるところ,被告Y1を通じて聞き出した入札書比較予定価格の概数で入札することによって多額の利益を得ようとしていた尾上・和田JVのY2及びZ1が,上記Z15が陳述ないし証言するような,尾上・和田JVからの申し入れ価格とは無関係に入札する旨のZ15からの応答を受け,それ以上の何らの行動をとることなく,そのまま帰るものとは考えがたく,この点に関するZ15の本訴における陳述ないし証言も信用しがたい。 このほか,Z15は,Z15刑事調書作成時の警察官による取り調べの状況について縷々陳述ないし証言し,Z15刑事調書の記載内容には信用性がないとする。しかしながら,上記記載の諸点や,Z15自身,Z15刑事調書の内容を読み聞かされ,その記載内容を確認した上で同調書に署名していること(甲B42号証,証人Z15),また,同取り調べから帰社した後も,不当な取り調べにより,意に反し,談合を認める旨の調書を作成されたとして,弁護士に相談することはなかったことに照らせば,Z15刑事調書の記載内容は信用できるものと解するのが相当である。 なお,被告野村建設工業として,6億9800万円との概算見積を出していたこと自体は,Z15刑事調書,Z16刑事調書の記載内容からも伺えるところであるが,Y2及びZ1から6億8000万円以上で入札して欲しいとの依頼を受け,これを承諾した上で同金額以上の金額(被告野村建設工業については6億9800万円)で入札していることに照らせば,被告野村建設工業において上記概算的な見積をしていたとしても,これをもって談合の成立を否定することはできない。そして,被告野村建設工業が,結局は自己の見積である6億9800万円で入札するにしても,同被告において上記Y2及びZ 概算的な見積をしていたとしても,これをもって談合の成立を否定することはできない。そして,被告野村建設工業が,結局は自己の見積である6億9800万円で入札するにしても,同被告において上記Y2及びZ1からの依頼を承諾しなければ(例えば「当社は当社の見積で入札する。入札金額の指図は受けない。」との態度であれば),尾上・和田JVは,被告野村建設工業の入札金額を知ることができないため,被告野村建設工業に落札されるおそれを抱き,同被告との競争を意識して,入札書比較予定価格の上限などではなく,より低い価格で入札しようとしたことは明らかである。したがって,被告野村建設工業が上記Y2及びZ1からの依頼を承諾した行為と,正常な競争が行われず,その結果として正常な競争が行われた場合よりも入札価格が高くなったこととの間には,相当因果関係がある。 (c) Z17(被告巴コーポレーション)の陳述ないし証言内容((イ)c記載のとおり)についてZ17は,本訴において,本件工事を含む公共工事はZ7の担当であり,Z17自身は,Z7不在の際に被告巴コーポレーションに来社したY2及びZ1に一度会ったにすぎない旨の陳述ないし証言をする。 しかしながら,Z17のこのような陳述ないし証言は,Z17が,Z7からの本件現場説明の際の報告や,Y2及びZ1からの2度にわたる訪問により,尾上・和田JVが本件工事を落札することへの協力依頼,さらに,6億8000万円以上で入札して欲しいとの依頼を受け,これを承諾したことを認めるZ17刑事調書における供述内容((ア)f記載のとおり)に反するものである。 しかるところ,c記載のように,本件各指名業者の担当者が,自己ないしその属する会社に不利益な事実を認める内容の供述をそろってしていることから,本件刑事事件におけるこれら各担当者の供述調書 である。 しかるところ,c記載のように,本件各指名業者の担当者が,自己ないしその属する会社に不利益な事実を認める内容の供述をそろってしていることから,本件刑事事件におけるこれら各担当者の供述調書記載内容は信用性が高いと認められる。また,Z17は,本件刑事事件において,先にZ7が取り調べを受けたが,Z7では要領を得ないとして,Z17が呼ばれた,そして,Z17自身3回にわたって取り調べを受けた旨証言しているが,被告巴コーポレーション大阪支店においては,本件工事を含む公共工事がZ7の担当であり,Z17は公共工事に関してはZ7の上司としての役割は存しないというのでれば,Z7もその旨警察官に話していると思われるところ,これを聞いた警察官が,Z7では要領を得ないとして,公共工事を担当していないZ17を呼び出し,Z17に対し3回にわたって取り調べを行うとは考えがたい。さらに,Z17は,Z7では要領を得ないとして呼出を受けたにもかかわらず,Z7に対し,Z7が警察においてどのような聴取を受け,どのような供述をしたのかを具体的に聞いていないというのであるが(証人Z17),自己が関与せず,Z7が担当していた本件工事についてZ17自身が呼ばれたというのであれば,当然,Z7に対しどういうことか事情を聞くと思われるところであり,この点からもZ17の本訴における陳述ないし証言は信用しがたい。 Z17は,Z17刑事調書作成時,あるいはそれに先立つ2回の警察官による取り調べの状況について縷々陳述ないし証言し,Z17刑事調書の記載内容には信用性がないとする。しかしながら,上記記載の諸点や,Z17自身,Z17刑事調書の内容を読み聞かされ,その記載内容を確認した上で同調書に署名していること(甲B44号証,証人Z17),Z17刑事調書作成後帰社した後も,その内容を被 ,上記記載の諸点や,Z17自身,Z17刑事調書の内容を読み聞かされ,その記載内容を確認した上で同調書に署名していること(甲B44号証,証人Z17),Z17刑事調書作成後帰社した後も,その内容を被告巴コーポレーション大阪支店の支店長に報告したにもかかわらず,支店長は一応聞く形であり,特に何も言わなかったこと,また,不当な取り調べにより,意に反し,談合を認める旨の調書を作成されたとして,顧問弁護士に相談することはなかったことに照らせば,Z17刑事調書の記載内容は信用できるものと解するのが相当である。 なお,被告巴コーポレーションとして,6億9400万円との概算見積を出していたこと自体は,Z17刑事調書の記載内容からも伺えるところであるが,Y2及びZ1から6億8000万円以上で入札して欲しいとの依頼を受け,これを承諾した上で同金額以上の金額(被告巴コーポレーションについては6億9400万円)で入札していることに照らせば,被告巴コーポレーションにおいて上記概算的な見積をしていたとしても,これをもって談合の成立を否定することはできない。 (d) Z19(被告金剛組)の陳述及び証言内容((イ)d記載のとおり)についてZ19は,本訴において,Y2及びZ1からの働きかけに対し,Z19がこれに応じたことはない旨の陳述ないし証言をする。 しかしながら,Z19のこのような陳述ないし証言は,Z19がY2及びZ1から働きかけを受け,あるいは,Y2やZ1から働きかけを受けた旨のZ9の報告を受け,これに応じたことを認めるZ19刑事調書における供述内容((ア)i記載のとおり)に反するものである。 しかるところ,c記載のように,本件各指名業者の担当者が,自己ないしその属する会社に不利益な事実を認める内容の供述をそろってしていることから,本件刑事事件における 載のとおり)に反するものである。 しかるところ,c記載のように,本件各指名業者の担当者が,自己ないしその属する会社に不利益な事実を認める内容の供述をそろってしていることから,本件刑事事件におけるこれら各担当者の供述調書記載内容は信用性が高いと認められる。また,Z19刑事調書には,Y2及びZ1の働きかけと,地元優先との慣行を踏まえ,Z19がY2及びZ1の働きかけをどのように考え,これにどう対応したかが記載されており,その記載内容にも特に不自然な点は見あたらない。 このほか,Z19は,Z19刑事調書作成時の警察官による取り調べの状況について縷々陳述ないし証言し,Z19刑事調書の記載内容には信用性がないとする。しかしながら,上記記載の諸点や,Z19自身,Z19刑事調書の内容を読み聞かされ,その記載内容を確認した上で同調書に署名していること(甲B47号証,証人Z19),また,Z19は,Z19を取り調べた警察官から,被告金剛組に対する不利益はない,指名停止にはならないと言われたこともあって,Z19刑事調書に署名押印した旨陳述ないし証言する(乙G6号証,証人Z19)が,被告金剛組が指名停止になったことに対し,特にこれを争う等の対策は講じていないこと(証人Z19)に照らせば,Z19刑事調書の記載内容は信用できるものと解するのが相当である。 なお,被告金剛組として,本件入札に先だって概算見積を出していたこと自体は,Z19刑事調書の記載内容からも伺えるところであるが,Y2及びZ1から6億8000万円以上で入札して欲しいとの依頼を受け,これを承諾した上で同金額以上の金額(被告金剛組については6億8500万円)で入札していることに照らせば,被告金剛組において上記概算的な見積をしていたとしても,これをもって談合の成立を否定することはできない。そして 同金額以上の金額(被告金剛組については6億8500万円)で入札していることに照らせば,被告金剛組において上記概算的な見積をしていたとしても,これをもって談合の成立を否定することはできない。そして,被告金剛組がY2及びZ1からの依頼を承諾した行為と,本件において正常な競争が行われず,その結果として正常な競争が行われた場合よりも入札価格が高くなったこととの間に相当因果関係があることは,前記(b)において被告野村建設工業の承諾について説示したところと同じである。 (e) Z29(被告坂田建設)の陳述及び証言内容((イ)e記載のとおり)についてZ29は,本訴において,Y2及びZ1による本件現場説明の際の働きかけや,平成8年7月26日及び同年8月22日の各働きかけを否定する旨の陳述ないし証言をする。 しかしながら,Z29のこのような陳述ないし証言は,本件現場説明においてY2及びZ1から挨拶を受けたZ10から,その報告を受けたZ20において,地元優先との慣行から尾上・和田JVが落札することに異議を挟むつもりはなかった,また,尾上・和田JVの営業担当が各社を回って金額を言ってお願いしたのであれば,そのとおりの金額で入札したと思うとするZ20刑事調書の記載内容((ア)k記載のとおり)に反するものである。 しかるところ,c記載のように,本件各指名業者の担当者が,自己ないしその属する会社に不利益な事実を認める内容の供述をそろってしていることから,本件刑事事件におけるこれら各担当者の供述調書記載内容は信用性が高いと認められる。また,尾上・和田JVから他の本件各指名業者に対する談合の働きかけが存したこと,その一環として,本件現場説明の翌日である平成8年7月26日にはY2及びZ1が尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者を回って協力を依頼し,さらに 本件各指名業者に対する談合の働きかけが存したこと,その一環として,本件現場説明の翌日である平成8年7月26日にはY2及びZ1が尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者を回って協力を依頼し,さらに,本件入札日の前日である同年8月22日に,Y2及びZ1が尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者に対し,6億8000万円以上で入札するよう依頼して回ったことは,ア記載のとおり認められるところ,被告Y1を通じて入札書比較予定価格を聞き出した上で入札することによって多額の利益を得ようとしていた尾上・和田JVのY2及びZ1が,被告坂田建設に対しては働きかけを行わなかったもの,あるいは,同働きかけに対する被告坂田建設の承諾を得なかったものとは考えがたいところである。 これらからすると,Z20刑事調書の記載内容自体は,かなり曖昧な点が存するものの,被告坂田建設に対してもY2及びZ1からの働きかけがあり,被告坂田建設のZ20において,これを承諾したものと認めるのが相当である。 なお,Z29は,被告坂田建設の入札金額が被告坂田建設自身の概算的な見積の結果に基づくものである旨陳述ないし証言する。しかしながら,Z20刑事調書では,積算課の責任者であったZ28に確認したところ,本件工事についての積算はしていないとのことであった旨の供述がされていることから,当時,被告坂田建設において,本件工事について概算的な見積を行ったということ自体疑義が存するところである。この点,Z29は,当時積算課長としてZ28と2か月ほど重複して在籍していたZ30において見積を行っていると思われる旨証言する(証人Z29)。しかしながら,Z29の証言によっても,Z30が実際に本件工事の概算的な見積を行っていたことが確実に判明しているものではなく,一般にそうしていたから,本件工事でもそう れる旨証言する(証人Z29)。しかしながら,Z29の証言によっても,Z30が実際に本件工事の概算的な見積を行っていたことが確実に判明しているものではなく,一般にそうしていたから,本件工事でもそうしたであろうというにすぎず,Z20刑事調書の記載内容に反し,被告坂田建設において当時実際に概算的な見積を行ったものとまで認めることはできない。また,仮に,被告坂田建設として概算的な見積をしていたとしても,Y2及びZ1から6億8000万円以上で入札して欲しいとの依頼を受け,これを承諾した上で同金額以上の金額(被告坂田建設については7億1500万円)で入札していることに照らせば,同概算的な見積を行っていたからといって,談合の成立を否定することはできない。 (f) Z22(被告柄谷工務店)の陳述及び証言内容((イ)f記載のとおり)についてZ22は,本訴において,Y2及びZ1からの働きかけに対し,Z22がこれに応じたことはない旨の陳述ないし証言をする。 しかしながら,Z22のこのような陳述ないし証言は,Z22がY2及びZ1から働きかけを受け,あるいは,Y2やZ1から働きかけを受けた旨のZ11ないしZ21からの報告を受け,これに応じたことを認めるZ22刑事調書における供述内容((ア)l記載のとおり)に反するものである。 しかるところ,c記載のように,本件各指名業者の担当者が,自己ないしその属する会社に不利益な事実を認める内容の供述をそろってしていることから,本件刑事事件におけるこれら各担当者の供述調書記載内容は信用性が高いと認められる。また,Z22自身,地元業者が優先されるということは業界の中の共通認識であった旨証言しており(証人Z22),このようなZ22自身の認識に照らしても,地元業者である尾上・和田JVからの働きかけに応じたとするZ22刑事 地元業者が優先されるということは業界の中の共通認識であった旨証言しており(証人Z22),このようなZ22自身の認識に照らしても,地元業者である尾上・和田JVからの働きかけに応じたとするZ22刑事調書の記載内容は信用できるものといえる。 このほか,Z22は,Z22刑事調書作成時の警察官による取り調べの状況について縷々陳述ないし証言し,Z22刑事調書の記載内容には信用性がないとする。しかしながら,上記記載の諸点や,Z22自身,Z22刑事調書の内容を読み聞かされ,その記載内容を確認した上で同調書に署名していること(甲B50号証,証人Z22),また,同取り調べから帰社した後も,Z22は被告柄谷工務店の常務に電話で取り調べが終了した旨連絡しているが,その際,同調書の記載内容については,特にまずいとか,相談しなければならない内容であるとの認識は有しなかったこと(証人Z22)に照らせば,Z22刑事調書の記載内容は信用できるものと解するのが相当である。 なお,Z22は,被告柄谷工務店の入札金額がZ22自身の概算的な見積の結果に基づくものである旨陳述ないし証言する。しかしながら,Z22刑事調書では,本件工事については,Y2からの依頼があり,積算すると無駄になるから,被告柄谷工務店の本社に積算の依頼はしていない,入札金額も,尾上・和田JVからの依頼金額で入札するよう指示した旨の供述がされていることから,当時,Z22が,本件工事について概算的な見積を行ったということ自体疑義が存するところである。また,仮に,被告柄谷工務店として概算的な見積をしていたとしても,Y2及びZ1から6億8000万円以上で入札して欲しいとの依頼を受け,これを承諾した上で同金額以上の金額(被告柄谷工務店については7億1500万円)で入札していることに照らせば,同概算的な見積を ,Y2及びZ1から6億8000万円以上で入札して欲しいとの依頼を受け,これを承諾した上で同金額以上の金額(被告柄谷工務店については7億1500万円)で入札していることに照らせば,同概算的な見積を行っていたからといって,談合の成立を否定することはできない。 (エ) 以上から,本件各指名業者間に本件入札についての談合が成立したものと認めるのが相当である。 (3) 以上から,本件入札に関しては,(1)記載のような本件工事の入札書比較予定価格の概数の漏洩及び(2)記載のような談合の各事実が認められ,被告ニューテック,同Y3,同和田建設及び同Y5は(1)記載の漏洩行為及び(2)記載の談合行為を,被告Y1は(1)記載の漏洩行為を,被告小田急建設,同野村建設工業,同巴コーポレーション,同金剛組,同坂田建設及び同柄谷工務店は(2)記載の談合行為を行ったものとして,それぞれ原告大阪府に対する不法行為責任を負うものと解するのが相当である。 4 争点(4)(原告大阪府に生じた損害額)について(1) 損害額についての考え方ア予定価格(入札書比較予定価格)を下回る限り損害は生じないとの主張について(ア) 被告ニューテック及び同Y3は,原告大阪府における本件工事に係る入札予定価格の決定過程に照らせば,入札予定価格は,本件工事の請負代金額として,適正な価格であると原告大阪府自身が認めた価格ということができ,これを下回る金額で落札された場合に何らの損害も生じていないことは明らかである旨主張する。 (イ) しかしながら,地方自治法234条2項は,普通地方公共団体が,本件工事のような請負工事に係る契約を指名競争入札の方法で行う場合,予定価格の制限の範囲内で最低の価格をもって申込みをした者を契約の相手方とする旨規定しており,また,同法施行令167条の10第2項 本件工事のような請負工事に係る契約を指名競争入札の方法で行う場合,予定価格の制限の範囲内で最低の価格をもって申込みをした者を契約の相手方とする旨規定しており,また,同法施行令167条の10第2項(同条の13により指名競争入札に準用)は,普通地方公共団体の長は,指名競争入札により工事等についての請負契約を締結しようとする場合において,当該契約の内容に適合した履行を確保するため特に必要があると認めるときは,あらかじめ最低制限価格を設けて,予定価格の制限の範囲内で最低の価格をもって申込みをした者を落札者とせず,予定価格の制限の範囲内で最低制限価格以上の価格をもって申込みをした者のうち最低の価格をもって申込みをした者を落札者とすることができる旨規定している。 これら各規定から明らかなように,予定価格(入札書比較予定価格)は,指名競争入札において,当該金額で入札した者を落札者となし得る上限を画する価格(入札書比較予定価格を超える価格で入札した者は,たとえ他の入札者がより高額での入札であり,当該入札者が最低の価格での入札であっても,落札者とすることができない。)といえる。そして,指名競争入札においては,指名された各業者に競争させて,予定価格(入札書比較予定価格)の範囲内で,より安価な価格で入札した者(ただし,上記のとおり,最低制限価格が定められている場合には,最低制限価格以上の価格をもって申込みをした者のうち最低の価格をもって申込みをした者)を落札者とし,同落札者との間で契約を締結することにより,最小費用で最大効果を上げようとするものであるから,入札書比較予定価格の漏洩及び談合行為が行われず,正常な競争が行われた場合にはより低額で落札されたであろうと認められる限り,当該地方公共団体にはその差額について損害が発生しているものと解するのが相当 札書比較予定価格の漏洩及び談合行為が行われず,正常な競争が行われた場合にはより低額で落札されたであろうと認められる限り,当該地方公共団体にはその差額について損害が発生しているものと解するのが相当である。 (ウ) 談合は,正常な競争によって落札価格が下落するのを防ぎ,入札書比較予定価格に近い金額で落札して,より多くの利益を得ようとするものである。特に,本件のように入札書比較予定価格の概数の漏洩の上に談合が行われている場合には,より入札書比較予定価格に近い金額で落札することが可能となるのであり,本件入札においても,入札書比較予定価格の概数の漏洩及び談合行為がなく,正常な競争が行われた場合には,本件入札に係る落札価格は,尾上・和田JVによる現実の落札価格よりも低価格であった蓋然性が高い。 (エ) 以上から,予定価格(入札書比較予定価格)を下回る価格で落札された場合には原告大阪府に何らの損害も生じないとする被告ニューテック及び同Y3の主張は,失当である。 イ損害の内容(ア) ア記載のように,入札書比較予定価格の概数の漏洩及び談合がなかった場合には,原告大阪府には,入札書比較予定価格の概数の漏洩及び談合の結果,尾上・和田JVが現実に本件工事を落札した価格と,かかる漏洩及び談合がなく,正常な競争の下で入札が行われた場合の落札価格(想定落札価格ないし適正競争価格)との差額(正確には,これら落札価格に消費税相当額を付加した契約金額の差額)相当額の損害が生じているものといえる。 そこで,上記漏洩や談合がなく,正常な競争の下で入札が行われた場合の落札価格(想定落札価格ないし適正競争価格)として,いかなる価格が観念されるかが問題となる。 (イ)a この点,原告住民らは,かかる想定落札価格は最低制限価格(入札書比較最低制限価格)となる旨主張する 札価格(想定落札価格ないし適正競争価格)として,いかなる価格が観念されるかが問題となる。 (イ)a この点,原告住民らは,かかる想定落札価格は最低制限価格(入札書比較最低制限価格)となる旨主張する。 すなわち,原告住民らは,最低制限価格がダンピングすなわち採算割れによる不良工事等を防止するために設定される入札基準価格であって,最低制限価格においても,利益が確保されることが前提とされているのであり,本来的には適正競争価格はむしろ最低制限価格を下回るものと考えられるとし,また,別紙分布図の分析結果によっても,談合が存しない場合の想定落札価格(適正競争価格)は最低制限価格に収れんするとする。 b しかしながら,ア(イ)記載のように,最低制限価格(入札書比較最低制限価格)は,これが定められている場合の指名競争入札において,当該金額で入札した者を落札者となし得る下限を画する価格であり,同価格を下回る価格で入札した者は,たとえ当該入札者が最低の価格での入札であっても,落札者とすることはできないものである。してみれば,仮に原告住民ら主張のように最低制限価格によってもなお利益が確保されるとしても,上記のような性格を有する最低制限価格(入札書比較最低制限価格)をもって,正常な競争が行われた場合の想定落札価格とみることはできない。 また,公共工事の指名競争入札における落札価格は,当該工事の種類や規模,工事工法,当該工事が行われる地域や時期,入札者として指名された業者の数や各業者の当該工事受注意欲の多寡,入札当時の経済情勢等が複雑に絡み合って形成されるものといえるから,この点からしても,想定落札価格は最低制限価格(入札書比較最低制限価格)となるということはできない。 c もっとも,この点,別紙分布図を前提とすれば,原告大阪府の府営住宅に関する公共工 いえるから,この点からしても,想定落札価格は最低制限価格(入札書比較最低制限価格)となるということはできない。 c もっとも,この点,別紙分布図を前提とすれば,原告大阪府の府営住宅に関する公共工事の落札価格の分布は,原告住民らが主張するように,大きく2つのグループ,すなわち,最低制限価格に近接したグループ(下張り付きグループ)と,予定価格に近接したグループ(上張り付きグループ)に2極分化しているといえる。そして,談合が正常な競争によって落札価格が下落するのを防ぎ,入札書比較予定価格に近い金額で落札して,より多くの利益を得ようとするものであることにかんがみれば,最低制限価格に近接したグループ(下張り付きグループ)に係る入札については,談合がされていないものと推認される。 一方,別紙分布図によれば,落札価格が最低制限価格と予定価格の中間付近に位置するものが少なくなっており,その後,予定価格に近接したグループ(上張り付きグループ)として,予定価格に近接した価格で落札された工事が多数存することが認められるところ,ア(イ)記載のように予定価格と最低制限価格がそれぞれ落札価格の上限と下限を画する価格であることにかんがみれば,落札価格の分布が,このように最低制限価格に近接したグループ(下張り付きグループ)と予定価格に近接したグループ(上張り付きグループ)に2極化し,その間の中間付近に位置するものが少ないという状態は,通常想定しがたいところである。そして,上記のとおり最低制限価格に近接したグループ(下張り付きグループ)については談合がされていないものと推認されることからすれば,予定価格に近接したグループ(上張り付きグループ)中には相当程度談合の結果によるものが含まれているのではないかとの合理的な疑いが存する。 しかしながら,予定価格に近接したグ 推認されることからすれば,予定価格に近接したグループ(上張り付きグループ)中には相当程度談合の結果によるものが含まれているのではないかとの合理的な疑いが存する。 しかしながら,予定価格に近接したグループ(上張り付きグループ)中に談合の結果によるものがどの程度含まれているかは,全く不明であるし,b記載のような指名競争入札における落札価格の形成要因にかんがみると,正常な競争が行われた場合であっても落札価格が予定価格(入札書比較予定価格)に近似する場合もあるものと解されるから,予定価格に近接したグループ(上張り付きグループ)がすべて談合が行われたものであるとみることはできない。例えば,証拠(甲A15号証の60頁,65頁,68頁)によれば,予定価格に近接したグループ(上張り付きグループ)の中には,第1回入札で入札書比較予定価格に達しないために第2回入札が行われたところ,第1回入札において最低の価格を入札した業者が第2回入札では下から3番目となり,別の業者が落札した例があることが認められるが,談合によりこのような結果が何度も発生するということには疑問があるところである。 以上の別紙分布図を前提とした検討結果によっても,正常な競争が行われた場合の想定落札価格が最低制限価格(入札書比較最低制限価格)となるということはできない。 (ウ) これに対し,被告らから,正常な競争が行われた場合の想定落札価格はむしろ予定価格(入札書比較予定価格)に近似する旨の主張がされている。 しかしながら,ア(イ)記載のように,予定価格(入札書比較予定価格)は,指名競争入札において,当該金額で入札した者を落札者となし得る上限を画する価格であり,同価格を上回る価格で入札した者は,たとえ当該入札者が最低の価格での入札であっても,落札者とすることはできないことや,(イ)b おいて,当該金額で入札した者を落札者となし得る上限を画する価格であり,同価格を上回る価格で入札した者は,たとえ当該入札者が最低の価格での入札であっても,落札者とすることはできないことや,(イ)b記載のような指名競争入札における落札価格の形成要因にかんがみると,正常な競争が行われた場合の想定落札価格が予定価格(入札書比較予定価格)に近似するということはできない。 また,(イ)c記載のように,別紙分布図の検討結果に照らしても,最低制限価格に近接したグループ(下張り付きグループ)に係る入札については談合がされていないものと推認されるところであり,このことからも,正常な競争が行われた場合の想定落札価格が予定価格(入札書比較予定価格)に近似するものということはできない。 (エ) 以上の検討結果によれば,談合がなく,正常な競争が行われた場合の想定落札価格の額を立証することは,損害の性質上極めて困難であると認められるから,民事訴訟法248条により,裁判所において相当な損害額を算定するのが相当である。 ウ本件契約の有効性との関係(ア) 原告大阪府は,①「談合,その他不法行為により入札を行ったと認められる入札は無効となる」との合意に基づき,本件契約が無効である,②本件契約目的物(桃谷高校体育館)は尾上・和田JVが本件契約が無効であることを知りながら給付したものであるから,民法705条(非債弁済)により返還請求権を有せず,その反射的効果として原告大阪府に所有権が帰属したが,これについて損益相殺は認められない,③したがって,原告大阪府の受けた損害は,尾上・和田JVに支払済みの本件契約代金全額である主張する。 しかし,契約の無効とは、契約が何らかの理由で当事者の意図した効果を生じないことをいうのであって、「無効とする合意」というような当事者の 上・和田JVに支払済みの本件契約代金全額である主張する。 しかし,契約の無効とは、契約が何らかの理由で当事者の意図した効果を生じないことをいうのであって、「無効とする合意」というような当事者の意図により契約が無効となるものではない。もっとも,上記合意を契約解除の特約と解する余地はあるかもしれないが,本件契約は建物の建築請負契約であって,瑕疵により契約の目的を達すること能わざるときでも解除できない旨強行規定により定められているものである(民法635条ただし書)ことに照らせば,本件のように仕事の目的物が完成した後に契約時の特約に基づいて契約解除を主張することはできないと解すべきである。 したがって,本件契約を上記合意により無効とすることはできない。 (イ) また,原告大阪府は,①本件契約は競売入札妨害罪に該当する行為,談合行為等の不法行為により,本件各指名業者が行った違法な入札により締結を余儀なくされたものであるから,公序良俗違反に反し,無効である,②民法708条(不法原因給付)の規定により尾上・和田JVにおいて本件契約目的物の返還を請求できなくなった反射的効果として同目的物の所有権が原告大阪府に帰属したが,これについて損益相殺は認められない,③したがって,原告大阪府の受けた損害は,尾上・和田JVに支払済みの本件契約代金全額である主張する。 しかし,仮に,本件契約が公序良俗違反であって,そのために本件契約目的物の完成,引渡しが不法原因給付であるとしても,原告大阪府は,現に同目的物の完成,引渡しを受けて同目的物相当の利益を得ている。そして,原告大阪府は,本件各指名業者らの不法行為によって損害を受けたのと同一の事実関係に基づき完成した同目的物を受領しており,実質的に見て原告大阪府の損害はこの利益により填補されたものと評価されるから, ,原告大阪府は,本件各指名業者らの不法行為によって損害を受けたのと同一の事実関係に基づき完成した同目的物を受領しており,実質的に見て原告大阪府の損害はこの利益により填補されたものと評価されるから,原告大阪府の損害を算定するに当たっては,信義則上同目的物の正当な対価相当額を損益相殺として控除するのが相当である。 (ウ) 上記本件契約目的物(桃谷高校体育館)の完成,引渡しに対する正当な対価とは,本件入札について談合がなく正常な競争入札が行われた場合に原告大阪府が当該入札に係る落札者との間で締結した請負契約に基づき当該落札者に支払った代金額,すなわち,本件入札について正常な競争が行われた場合の想定落札価格に消費税相当額を加算した契約代金額と同一とみるべきである。 これに対し,原告大阪府は,損益相殺すべきは本件契約目的物の工事原価に限る旨主張する。しかし,原告大阪府が本件契約目的物を取得するためにはいずれかの業者との間で建築請負契約を締結しなければならず,したがって工事原価だけでこれを取得することはあり得なかったのである。 そうである以上,原告大阪府が本件契約により得た本件工事目的物の完成,引渡しの利益は,上記記載のように解すべきであって,これを工事原価のみとすることはできない。 したがって,本件契約が公序良俗違反として無効であるとしても,これにより原告大阪府に生じる損害額は,結局イ記載の損害額と同一であると解すべきこととなる。 エ本件における相当な損害額の算定(ア) イ(イ)b記載のとおり,公共工事の指名競争入札における落札価格は,当該工事の種類や規模,工事工法,当該工事が行われる地域や時期,入札者として指名された業者の数や各業者の当該工事受注意欲の多寡,入札当時の経済情勢等が複雑に絡み合って形成されるものといえるから,民法248条 種類や規模,工事工法,当該工事が行われる地域や時期,入札者として指名された業者の数や各業者の当該工事受注意欲の多寡,入札当時の経済情勢等が複雑に絡み合って形成されるものといえるから,民法248条の規定により相当な損害額を算定するに際しても,これら諸要素を勘案する必要がある。 (イ)a 本件工事についてみるに,本件工事は,大阪市p区所在の桃谷高校体育館の改築工事であるから,当該工事の内容自体が特に落札価格に特定の影響を与えるものとは認めがたい。 したがって,本件工事の落札価格の形成要因としては,本件工事の入札者として指名された業者の数や各業者の本件工事受注意欲の多寡によるところが大きいものと解される。 b そこで,本件各指名業者の本件工事に対する受注意欲の点についてみると,以下のとおりと認められる。 (a) 尾上・和田JVについて前提となる事実等(2)記載のとおり,被告ニューテック及び同和田建設は,両者の地元である大阪市p区所在の桃谷高校の体育館改築工事(本件工事)について,強い受注意欲を有し,原告大阪府における両被告の入札参加資格(等級)が被告ニューテックはB2,被告和田建設はCに過ぎず,等級Aと予想された本件工事の受注は困難であったことから,両被告でJVを組み,かつ,地元業者であるとして1ランク上げる措置を講ずることによって,Aランクの本件工事に参加する資格を得たものである。 したがって,このようにJVまで組み,ランクを上げて本件工事の受注獲得を目指していた尾上・和田JVの受注意欲は強固なものがあったといえる。 (b) 被告小田急建設について証拠(甲B41号証,乙D4号証の1ないし5,証人Z14)によれば,以下の事実が認められる。 すなわち,被告小田急建設では,建築工事よりも土木工事の方が実績もあり,土木工事を中心に営 設について証拠(甲B41号証,乙D4号証の1ないし5,証人Z14)によれば,以下の事実が認められる。 すなわち,被告小田急建設では,建築工事よりも土木工事の方が実績もあり,土木工事を中心に営業を行っていた。原告大阪府が発注する公共工事についても,土木工事の受注はあったものの,建築工事の受注はなかった。被告小田急建設は,本件入札の前年に,原告大阪府発注に係る淀川右岸流域下水道前島ポンプ場雨水滞水池土木工事を落札していたことから,同工事と関連する工事であり,本件入札とほぼ同時期に入札のあった同ポンプ場雨水滞水池築造工事の受注に勢力を注いでおり,現に同工事を受注して,平成8年8月23日には同工事の仮契約を締結している。以上から,被告小田急建設は,本件工事については特に営業活動は行っておらず,その受注意欲も乏しかった。 (c) 被告野村建設工業について証拠(甲B42号証,43号証,乙E1号証,2号証,証人Z15)によれば,以下の事実が認められる。 すなわち,被告野村建設工業は,原告大阪府発注の工事は数年に1度の割合で受注していたが,平成5年に夕陽丘高校の体育館の工事を受注し,本件入札のあった平成8年8月当時は,原告大阪府が平成10年に予定していた府営住宅の受注を目指して営業活動を行っており,本件工事の受注に向けての営業活動は特に行っていなかった。 また,原告大阪府の取扱いとして,いったん工事を受注すると,同工事が終了するまで,新たな指名がされなかったことからも,本件工事の受注意欲は乏しかった。 (d) 被告巴コーポレーションについて証拠(甲B44号証)によれば,被告巴コーポレーションは,本件工事について特に積極的な受注意欲は有していなかったものと認められる。 (e) 淺川組について証拠(甲B45号証)によれば,淺川組は,本 拠(甲B44号証)によれば,被告巴コーポレーションは,本件工事について特に積極的な受注意欲は有していなかったものと認められる。 (e) 淺川組について証拠(甲B45号証)によれば,淺川組は,本件入札当時,堺の金岡住宅や,泉大津のなぎさ住宅等の改修工事に力を入れて営業活動を行っており,本件工事の営業活動は行っていなかったことから,本件工事について積極的な受注意欲は有していなかったことが認められる。 (f) 被告金剛組について証拠(甲B47号証,乙G6号証,証人Z19)によれば,以下の事実が認められる。 すなわち,被告金剛組は,原告大阪府や大阪市発注の公共工事を年に2,3件程度受注していた。平成8年4月に入り,被告金剛組が原告大阪府から受注していた府営富田林東住宅新築工事の完成引渡予定日まで半年を切ったことから,被告金剛組は,次に受注を狙う物件を探し,原告大阪府が発注を予定していた府営泉大津なぎさ住宅新築工事の受注を目指すこととした。被告金剛組は,本件工事については特に営業活動は行っておらず,また,本件工事を受注した場合,上記泉大津なぎさ住宅新築工事の入札参加業者として指名されなくなることから,本件工事の受注意欲は乏しかった。なお,被告金剛組は,平成9年に上記泉大津なぎさ住宅新築工事を受注している。 (g) 被告坂田建設について証拠(甲B49号証,乙H1号証,2号証,4号証,証人Z29)によれば,以下の事実が認められる。 すなわち,被告坂田建設は,原告大阪府発注の公共工事を2,3年に1度の割合で受注していた。本件入札がされた平成8年当時は,被告坂田建設は,原告大阪府が発注予定の府営羽曳野第1期高層住宅(建て替え)新築工事(第1工区)を含む数件の工事を念頭において営業活動を行っていた。また,本件入札当時,8件の工事が既に動 年当時は,被告坂田建設は,原告大阪府が発注予定の府営羽曳野第1期高層住宅(建て替え)新築工事(第1工区)を含む数件の工事を念頭において営業活動を行っていた。また,本件入札当時,8件の工事が既に動いていた。このようなことから,被告坂田建設は,本件工事については特に営業活動を行っておらず,また,本件工事の受注意欲も乏しかった。なお,被告坂田建設は,平成9年に上記羽曳野高層住宅新築工事を受注している。 (h) 被告柄谷工務店について証拠(乙I1号証,証人Z22)によれば,以下の事実が認められる。 すなわち,被告柄谷工務店は,兵庫県尼崎市に本店を置き,同市を主たる営業地域としていたことから,本件入札当時まで,原告大阪府発注の公共工事を受注したことは一度もなく,指名を受けたこと自体,本件工事が初めてであった。被告柄谷工務店は,本件工事について特に営業活動を行っておらず,本件工事の積極的な受注意欲も有していなかった。 (i) 小林工務店について証拠(甲B51号証)によれば,以下の事実が認められる。 すなわち,小林工務店は,大阪市天王寺区に本店を置いており,本件工事についても落札したい工事ではあった。しかしながら,小林工務店は,民間工事がほとんどであり,原告大阪府を含む公共団体への営業活動については全くしていない状態であった。このようなことから,本件工事について,是が非でも受注したいというまでの受注意欲は有していなかった。 (j) 福川建設について証拠(甲B52号証)によれば,福川建設は,本件工事については特に営業に力をかけていたものではなく,積極的な受注意欲は有していなかったものと認められる。 cb記載の本件各指名業者の受注意欲に照らせば,尾上・和田JVは,強固な受注意欲を有しており,本件工事の入札書比較予定価格の漏洩や談合行 く,積極的な受注意欲は有していなかったものと認められる。 cb記載の本件各指名業者の受注意欲に照らせば,尾上・和田JVは,強固な受注意欲を有しており,本件工事の入札書比較予定価格の漏洩や談合行為がなければ,他の本件各指名業者の入札価格が分からないままに,利益の出る範囲内で,他の本件各指名業者の入札価格よりも確実に低いと考える金額で入札することにより,本件工事を落札しようとしたものと推測される。一方,小林工務店も,本件工事を受注したいとの意向は有していたことから,談合行為がなければ,受注も視野に入れ,他の業者の入札価格を知らないまま,利益が確実な範囲内で,尾上・和田JVを含めた他の業者の入札価格より低くなるであろうと考える金額での入札を試みたものと推測される。これに対し,その他の本件各指名業者は,いずれも本件工事の受注意欲が乏しいか,あるいは,少なくとも積極的な受注意欲を有しておらなかったことから,必要経費等を充分加味した価格で入札をしたものと推測されるところである。 d 前提となる事実等(5)記載のとおり,尾上・和田JVは,本件工事落札後,本件工事の下請業者として使用した穂積建設に本件工事の見積をさせており,その見積結果は,当初は6億1830万円(消費税別)であり,また,被告Y5の指示に基づく再検討の結果減額した見積価格が5億9800万円(消費税別)であったところ,b(a)及びc記載のとおり尾上・和田JVの本件工事受注意欲が強固であったことをも勘案すると,本件工事の入札書比較予定価格の漏洩や談合行為がなく,正常な競争が行われた場合には,尾上・和田JVは,本件入札に先立って穂積建設に見積をさせ,その見積価格をも入札金額の参考にしたことも十分考えられるところである。 e 被告Y3は,検察官に対し,「尾上・和田JVがもしたたき合い,即 尾上・和田JVは,本件入札に先立って穂積建設に見積をさせ,その見積価格をも入札金額の参考にしたことも十分考えられるところである。 e 被告Y3は,検察官に対し,「尾上・和田JVがもしたたき合い,即ち本来の指名競争入札に,下請けに見積もらせた金額で入札したら,この6億前後の金額で入札したことは間違いありません。」「本件の場合,たたき合いなら5億9000万円くらいで入札していたと思います。」(甲B55号証)と供述している。もっとも,本件入札では,他に尾上・和田JVほどの強い受注意欲を示していた業者はいなかったことから,尾上・和田JVがそこまで低い金額で入札したかどうかは疑問もあるところである。 f 以上のような本件各指名業者の受注意欲や,尾上・和田JVが下請業者として使用した穂積建設の見積価格に加え,本件工事の予定価格は6億9782万5000円(消費税を除いた入札書比較予定価格は6億7750万円),最低制限価格は5億8617万3000円(消費税を除いた入札書比較最低制限価格は5億6910万円)であったこと(前提となる事実等(3)ウ),本件工事の落札価格が6億7000万円であり,本件契約の契約金額が6億9010万円(うち消費税2010万円)であること(前提となる事実等(3)ウ,エ),その他本件に現れた諸事情を総合考慮すると,3記載のような入札書比較予定価格の概数の漏洩行為及び談合行為により原告大阪府が被った損害額は,本件契約の契約金額の7パーセント(4830万7000円)であると認めるのが相当である。 5 争点(5)(原告大阪府の請求の権利濫用該当性)について(1) 被告Y1による本件工事の入札書比較予定価格の概数の漏洩の経緯は前提となる事実等(4)記載のとおりであり,確かに,原告大阪府の府議会議員であった被告Y1が,原告大阪府の建築部 当性)について(1) 被告Y1による本件工事の入札書比較予定価格の概数の漏洩の経緯は前提となる事実等(4)記載のとおりであり,確かに,原告大阪府の府議会議員であった被告Y1が,原告大阪府の建築部営繕室長であったZ3に働きかけて,Z3から上記概数を聞き出したものである。 しかしながら,被告Y1がZ3に上記概数の漏洩を働きかけたのは,尾上・和田JVが本件工事を入札書比較予定価格に近い価格で落札することにより多額の利益を得ようとしたことに端を発しているのであり,一番の元凶は尾上・和田JVの構成員である被告ニューテック及び同和田建設並びにその各責任者である被告Y3と被告Y5にあるといえる。また,尾上・和田JV以外の他の本件各指名業者も,尾上・和田JVからの,尾上・和田JVが落札できるようにとの依頼,及び,尾上・和田JVが被告Y1に対する働きかけにより得た上記概数を基にした一定金額以上での入札の依頼に応じ,これにより尾上・和田JVが入札書比較予定価格に近い価格で本件工事を落札することに寄与しているのである。そして,その結果,原告大阪府は4記載のような損害を被っている。 してみれば,上記のような被告Y1のZ3に対する働きかけや,Z3から被告Y1に対する上記概数の漏洩の点をとらえ,原告大阪府の被告らに対する損害賠償請求が権利の濫用に当たるとすることはできないものと解するのが相当である。 (2) また,(1)記載の諸点に照らせば,Z3による漏洩行為をとらえて原告大阪府に過失ありとし,この点を損害額に斟酌すべきとする被告Y1の主張や,原告大阪府の帰責事由によるものであるとし,原告大阪府の請求は認められないとする被告和田建設及び同Y5の主張も,いずれも理由がない。 6 争点(6)(原告大阪府の請求について,消滅時効の成否)について原告大阪府の被告和 るものであるとし,原告大阪府の請求は認められないとする被告和田建設及び同Y5の主張も,いずれも理由がない。 6 争点(6)(原告大阪府の請求について,消滅時効の成否)について原告大阪府の被告和田建設に対する請求が二重起訴に当たり,不適法な訴えとして却下を免れないことは,2記載のとおりである。したがって,原告大阪府による被告和田建設に対する請求についての消滅時効をいう被告和田建設の主張(争点(6))については,判断を要しない。 7 よって,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第2民事部裁判長裁判官山田知司裁判官田中健治 裁判官小野裕信(別紙) 訴訟費用負担一覧表 1 A事件原告らの負担(1) A事件原告らに生じた費用の2分の1(2) A事件被告Y3及び同Y5に生じた費用の5分の2(3) A事件・B事件被告Y1,同株式会社ニューテック及び同和田建設株式会社に生じた費用の20分の7 2 B事件原告(A事件原告ら補助参加人)の負担(1) B事件原告(A事件原告ら補助参加人)に生じた費用の5分の3(2) A事件被告Y3及び同Y5に生じた費用の10分の1(3) A事件・B事件被告Y1,同株式会社ニューテック及び同和田建設株式会社に生じた費用の4分の1(4) B事件被告小田急建設株式会社,同野村建設工業株式会社,同株式会社巴コーポレーション,同株式会社金剛組,同坂田建設株式会社及び同株式会社柄谷工務店に生じた費用の2分の1 3 A事件被告Y3及び同Y5の負担(1) A事件被告Y3及び同Y5に生じた費用の2分の1(2) A事件原告らに生じた費用の4分の1(3) B事件原告(A事件原告ら補助参加人)に生じた費用の20分 3 A事件被告Y3及び同Y5の負担(1) A事件被告Y3及び同Y5に生じた費用の2分の1(2) A事件原告らに生じた費用の4分の1(3) B事件原告(A事件原告ら補助参加人)に生じた費用の20分の1 4 A事件・B事件被告Y1,同株式会社ニューテック及び同和田建設株式会社の負担(1) A事件・B事件被告Y1,同株式会社ニューテック及び同和田建設株式会社に生じた費用の5分の2(2) A事件原告らに生じた費用の4分の1(3) B事件原告(A事件原告ら補助参加人)に生じた費用の20分の1 5 B事件被告小田急建設株式会社,同野村建設工業株式会社,同株式会社巴コーポレーション,同株式会社金剛組,同坂田建設株式会社及び同株式会社柄谷工務店の負担(1) B事件被告小田急建設株式会社,同野村建設工業株式会社,同株式会社巴コーポレーション,同株式会社金剛組,同坂田建設株式会社及び同株式会社柄谷工務店に生じた費用の2分の1(2) B事件原告(A事件原告ら補助参加人)に生じた費用の10分の3

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