昭和39(オ)987 債務額確定等請求

裁判年月日・裁判所
昭和40年9月17日 最高裁判所第二小法廷 判決 破棄差戻 大阪高等裁判所 昭和39(ネ)179
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄し、本件を大阪高等裁判所に差し戻す。          理    由  上告代理人中谷鉄也の上告理由第一点について。  所論の点についての原判決(その引用する第一審

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判決文本文2,334 文字)

主    文      原判決を破棄し、本件を大阪高等裁判所に差し戻す。          理    由  上告代理人中谷鉄也の上告理由第一点について。  所論の点についての原判決(その引用する第一審判決を含む。以下同じ。)の認 定した事実は、その挙示の証拠関係によつて、これを肯認しうる。  原判決には、所論のような違法はなく、所論は、結局、原審の専権に属する証拠 の取捨・選択、事実の認定を非難するに帰し、採用しがたい。  同第二点について。  論旨は、利息制限法所定の制限をこえる利息、損害金は、債務者が任意に支払つ たときでも、右制限をこえる部分は貸金元本に充当さるべきにもかかわらず、これ を否定した原判決は法令の解釈をあやまり、右違法は上告人らの債務不存在確認訴 訟の判決に影響を及ぼすことは明らかであるという。  よつて、案ずるに、原判決の事実摘示によると、上告人らの被上告人に対する請 求の趣旨として、「上告人Aの被上告人に対する債務の残存元本は金一四万六、四 六五円を超えて存在しないことを確認する。その余の上告人らの被上告人に対する 債務の不存在を確認する」の記載があり、その請求の原因の要旨としては、(1) 訴外Dは昭和三二年四月二三日被上告人から金一一〇万円を弁済期同三三年三月末 日などの約で借り受けたが、同訴外人は、同年九月三日死亡し、上告人ら一一名が 相続し、右債務を承継したが、上告人Aにおいて単独で右全債務を引き受けること とし、被上告人も、これを承諾し、その余の上告人らに対する債務わ免除した。( 2)そして、上告人Aは、右貸金債務に対し(イ)同三二年一二月二四日金八三万 三、五三五円を、(ロ)同三三年四月七日金五万円を、(ハ)同年一二月二八日金 七万円を、それぞれ弁済したから、右貸金債務の残元金は金一四万六、四六五円に - 1 - なつた。(3)よつて、上告 金八三万 三、五三五円を、(ロ)同三三年四月七日金五万円を、(ハ)同年一二月二八日金 七万円を、それぞれ弁済したから、右貸金債務の残元金は金一四万六、四六五円に - 1 - なつた。(3)よつて、上告人らは請求の趣旨記載の判決を求める。というにある。  上告人らの右請求に対し、原判決は、上告人Aにおいて本件貸金の元本債権に弁 済したと主張する(イ)同三二年一二月の金八三万三、五三五円の支払について、 その内金五〇万円のみが右元本債権に弁済されたが、その余の三三万三、五三五円 は本件貸金債権の利息などに弁済されたにすぎず、かりに、(ロ)同三三年四月の 金五万円、(ハ)同年一二月の金七万円の弁済が上告人ら主張のとおり本件貸金債 権の元本債権に弁済されたとしても、本件貸金の残金元本債権が上告人Aにおいて 自認する金一四万六、四五六円をこえることは明らかであり、しかも、上告人らが 主張する債務引受の事実は認めがたい旨判示して、上告人らの本所請求を全部排斥 していることが認められる。  しかし、本件請求の趣旨および請求の原因ならびに本件一件記録によると、上告 人らが本件訴訟において本件貸金債務について不存在の確認を求めている申立の範 囲(訴訟)は、上告人Aについては、その元金として残存することを自認する金一 四万六、四六五円を本件貸代金債権金一一〇万から控除した残額九五万三、五三五 円の債務額の不存在の確認であり、その余の上告人らにおいては、右残額金九五万 三、五三五円の債務額について相続分に応じて分割されたそれぞれの債務額の不存 在の確認であることが認められる。  したがつて、原審としては、右の各請求の当否をきめるためには、単に、前記( イ)の弁済の主張事実の存否のみならず、(ロ)および(ハ)の弁済の各主張事実 について審理をして本件申立の範囲(訴訟)である前記貸金残額の存否ないし ては、右の各請求の当否をきめるためには、単に、前記( イ)の弁済の主張事実の存否のみならず、(ロ)および(ハ)の弁済の各主張事実 について審理をして本件申立の範囲(訴訟)である前記貸金残額の存否ないしその 限度を明確に判断しなければならないのに、ただ単に、前記(イ)の弁済の主張事 実が全部認められない以上、本件貸金の残債務として金一四万六、四六五円以上存 在することが明らかである旨説示したのみで、前記(ロ)および(ハ)の弁済の主 - 2 - 張事実について判断を加えることなく、残存額の不存在の限度を明確にしなかつた ことは、上告人らの本件訴訟の申立の範囲(訴訟物)についての解釈をあやまり、 ひいては審理不尽の違法をおかしたものというべく、論旨は、結局、理由あるに帰 する(なお、債務者が利息制限法所定の制限こえる金銭貸借上の利息、損害を任意 に支払つたときには、右制限をこえる部分は、元本債権に充当されるものと解すべ きことは、当裁判所大法廷判決昭和三九年一一月一八日(民集一八巻九号一八六八 頁)の説示するところである。)  よって、民訴法四〇七条に基づき原判決を破棄し、原審をして右の点についてさ らに審理を尽くさせるため、本件を大阪高等裁判所に差し戻すこととし、裁判官全 員の一致で、主文のとおり判決する。      最高裁判所第二小法廷          裁判長裁判官    奥   野   健   一             裁判官    山   田   作 之 助             裁判官    草   鹿   浅 之 介             裁判官    石   田   和   外 - 3 -    和   外 - 3 -

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