令和5(行ケ)10108 審決取消請求事件

裁判年月日・裁判所
令和6年2月27日 知的財産高等裁判所 3部 判決 請求棄却
ファイル
hanrei-pdf-92815.txt

キーワード

判決文本文34,440 文字)

令和6年2月27日判決言渡 令和5年(行ケ)第10108号審決取消請求事件 口頭弁論終結日令和5年12月25日判決 原告 株式会社アクネスラボ 同訴訟代理人弁理士 松﨑隆 被告 ロート製薬株式会社 同訴訟代理人弁護士 三山峻司 同矢倉雄太 同西川侑之介 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は、原告の負担とする。 事実 及び理由 第1 請求 特許庁が無効2022-890080号事件について令和5年8月22日にした審決のうち、第3類「せっけん類」以外の指定商品及び指定役務に係る部分を取り消す。 第2 事案の概要 1 特許庁における手続の経緯等 ⑴ 被告は、次の商標(以下「本件商標」という。)について、令和4年4月1日に商標登録を受けた(登録番号第6540403号)。(甲1) 商標の構成 指定商品及び指定役務 第3類「洗濯用漂白剤、口臭用消臭剤、動物用防臭剤、せっけん類、歯磨き、香料、薫料」 第5類「薬剤(農薬に当たるものを除く。)、衛生マスク、ばんそうこう、乳幼児用粉乳、サプリメント、食餌療法用飲料、食餌療法用食品、乳幼児用飲料、乳幼児用食品、栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」 第44類「健康に関する指導・助言・情報の提供、美容・理容、入浴施設の提供、あん摩・マッサージ及び指圧、カイ 品、栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」第44類「健康に関する指導・助言・情報の提供、 美容・理容、入浴施設の提供、あん摩・マッサージ及び指圧、カイロプラクティック、きゅう、柔道整復、はり、リフレクソロジー、巻爪矯正、医療情報の提供、健康診断、栄養の指導」登録出願日令和3年11月2日 登録査定日令和4年3月16日設定登録日令和4年4月1日⑵ 被告は、かつて、次の商標(以下「先行登録商標」という。)の商標登録を受けていた。原告は、先行登録商標について不使用取消審判を請求し(取消2022-300568号事件。以下「先行不使用取消審判請求」という。)、 特許庁は、令和4年10月31日付けで先行登録商標の商標登録を取り消すべき旨の審決をし、その後、先行登録商標の登録を抹消する旨の登録がされた。(甲2、26) 登録番号第6151409号商標の構成 指定商品及び指定役務第3類「洗濯用漂白剤、口臭用消臭剤、動物用防臭剤、せっけん類、歯磨き、香料、薫料」 第5類「薬剤(農薬に当たるものを除く。)、衛生マスク、ばんそうこう、乳幼児用粉乳、サプリメント、食餌療法用飲料、食餌療法用食品、乳幼児用飲料、乳幼児用食品、栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」 第44類「健康に関する指導・助言・情報の提供、美容・理容、入浴施設の提供、あん摩・マッサージ及び指圧、カイロプラクティック、きゅう、柔道整復、はり、リフレクソロジー、巻爪矯正、医療情報の提供、健康診断、栄養の指導」 登録出願日平成30年5月21日設定登録日令和元年6月14日⑶ ロプラクティック、きゅう、柔道整復、はり、リフレクソロジー、巻爪矯正、医療情報の提供、健康診断、栄養の指導」 登録出願日平成30年5月21日設定登録日令和元年6月14日⑶ 原告は、令和4年10月7日、本件商標について商標登録無効審判を請求した(無効2022-890080号。以下「本件無効審判請求」という。)。 (甲16) ⑷ 被告は、原告による本件無効審判請求に対し、何ら答弁しなかった。 ⑸ 特許庁は、令和5年8月22日、「登録第6540403号商標の指定商品及び指定役務中、第3類『せっけん類』についての登録を無効とする。その余の指定商品及び指定役務についての審判請求は成り立たない。」とする審 決(以下「本件審決」という。)をし、その謄本は、同月31日に原告に送達された。 ⑹ 原告は、令和5年9月28日、本件審決のうち、第3類「せっけん類」以外の指定商品及び指定役務に係る部分の取消しを求めて、本件訴えを提起した。 ⑺ 原告が、本件無効審判請求において、本件商標が商標法4条1項11号に該当するとして引用した商標(以下「引用商標」という。)は、次のとおりであった。引用商標は現在も有効に存続している。(甲15)登録番号第4791971号商標の構成 指定商品及び指定役務第3類「化粧品」第21類「化粧用具」第42類「化粧品の試験・検査又は研究」登録出願日平成15年7月10日 設定登録日平成16年8月6日 2 本件審決の理由の要旨本件審決の理由は、別紙審決書(写し)のとおりであり、その要旨は次のとおりである。 ⑴ 使用商標の周知性について 原告は 設定登録日平成16年8月6日 2 本件審決の理由の要旨本件審決の理由は、別紙審決書(写し)のとおりであり、その要旨は次のとおりである。 ⑴ 使用商標の周知性について 原告は、「アクネスラボ」又は「ACNESLABO」の文字からなる商標(以下、これらを併せて「使用商標」という。)を使用しているところ、使用商標は、本件商標の登録出願時及び査定時には、原告の業務に係る使用商品を表 示するものとして、アクネ(ニキビ)対応商品に関心のある一定の需要者の間に広く認識されていた。 ⑵ 商標法4条1項10号該当性について本件商標と使用商標とは、外観において類似又は近似し、称呼を共通にし、観念において共通する場合があるから、両者の外観、称呼及び観念等によっ て取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。 使用商標に係る使用商品中「洗顔フォーム」は、本件商標の指定商品中の第3類「せっけん類」に包含されるものであるから、両者は同一又は類似の商品である。 したがって、本件商標の指定商品及び指定役務中、第3類「せっけん類」について、商標法4条1項10号に該当する。 ⑶ 商標法4条1項15号該当性について使用商標が、原告の業務に係る「せっけん類、化粧品」以外の商品の需要者において広く認識されていたとは認められず、「せっけん類」とその他の商 品では、その性質、用途、需要者が異なることなどから、本件商標を、その指定商品及び指定役務中、第3類「せっけん類」以外の商品及び役務に使用しても、これに接する取引者、需要者が使用商標を連想又は想起することはなく、その商品が他人(原告)あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業 類「せっけん類」以外の商品及び役務に使用しても、これに接する取引者、需要者が使用商標を連想又は想起することはなく、その商品が他人(原告)あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所につい て混同を生ずるおそれはない。 そして、本件商標の指定商品及び指定役務中、第3類「せっけん類」については、商標法4条1項10号に該当するから、同項15号のかっこ書きの規定により、同号に該当するとはいえない。 したがって、本件商標は同号に該当しない。 ⑷ 商標法4条1項8号該当性について 「アクネスラボ」や「ACNESLABO」の文字が、原告の名称の略称として使用され、認識されていたとは認められないから、「アクネスラボ」の文字が原告の著名な略称であるとは認められず、本件商標は商標法4条1項8号に該当しない。 ⑸ 商標法4条1項11号該当性について 本件商標と引用商標は、類似の商標であるが、本件商標の指定商品及び指定役務中の第3類「せっけん類」に含まれる「身体用石けん」及び第5類「サプリメント」に含まれる「美容サプリメント」と、引用商標の指定商品及び指定役務中の第3類「化粧品」は、その用途、製造・販売業者、需要者の一部を共通にする場合があり得るとしても、多くの用途について共通にするも のではなく、製造・販売業者や需要者が異なる場合もあり得るから、直ちに類似する商品であるということはできず、同一又は類似の商標を使用しても、これに接する取引者、需要者が商品の出所について誤認、混同を生ずるおそれはない。したがって、本件商標は商標法4条1項11号に該当しない。 ⑹ 商標法3条1項柱書の要件を具備するか否かについて 本件審判の請求時において、被告による本件商 誤認、混同を生ずるおそれはない。したがって、本件商標は商標法4条1項11号に該当しない。 ⑹ 商標法3条1項柱書の要件を具備するか否かについて 本件審判の請求時において、被告による本件商標の使用が確認できないとしても、被告が、本件商標の登録査定時において、将来、自己の業務に係る指定商品及び指定役務について本件商標を使用する意思を有していた商標であることを否定できないから、本件商標が商標法3条1項柱書の要件を具備しないものとはいえない。 3 取消事由⑴ 取消事由1商標法4条1項10号該当性についての判断の誤り⑵ 取消事由2商標法4条1項15号該当性についての判断の誤り ⑶ 取消事由3 商標法4条1項8号該当性についての判断の誤り⑷ 取消事由4商標法4条1項11号該当性についての判断の誤り⑸ 取消事由5商標法3条1項柱書きの要件該当性についての判断の誤り 第3 当事者の主張 1 取消事由1(商標法4条1項10号該当性についての判断の誤り)について〔原告の主張〕⑴ 原告は、本件無効審判請求において、本件商標が指定する第5類「サプリメント」と、原告が製造・販売する「化粧品」が類似するため、本件商標が 商標法4条1項10号に該当する旨主張していた(甲16)。しかし、本件審決は、本件商標の指定商品中の第5類「サプリメント」が商標法4条1項10号に該当するか否か判断しておらず、手続的瑕疵がある。 ⑵ア 「サプリメント」及び「化粧品」は、多くの同一営業主により製造又は販売を行っている実情がある。例えば製薬企業(甲20の1~8)、あるい は化粧品、食品、日用品(消費財)その他関連した事業を行う企業(甲20の9~72)が、「サプリメント」及び「化粧品」の製造又は販売 っている実情がある。例えば製薬企業(甲20の1~8)、あるい は化粧品、食品、日用品(消費財)その他関連した事業を行う企業(甲20の9~72)が、「サプリメント」及び「化粧品」の製造又は販売を行っている。化粧品会社やその他異業種から健康食品事業への参入が多く行われ、健康食品や異業種から化粧品業界への参入も多く行われている(甲21の1~4)。 また、「サプリメント」と「化粧品」の両方の商品を、同一事業者が同一ブランドとして当該ブランドサイトにおいて紹介又は販売している実情(甲13の1・2、甲14の1~13)や、同一のブランドを「サプリメント」と「化粧品」の両方の商品に統一して使用している実情(甲20の8・9・11・13・14・15・29・31・37・47・59・60・ 62・71)もある。同一ブランドとして「サプリメント」と「化粧品」 とを同じブランドサイト内において販売していなくても、同一事業者が運営する同一サイト内において「サプリメント」と「化粧品」との両方の商品を紹介又は販売する例が多数存在する。 このように、多くの同一営業主により「サプリメント」と「化粧品」との製造又は販売が行われており、販売場所も同一であるという実情からす れば、「サプリメント」と「化粧品」に同一又は類似の商標を使用するときは、同一営業主により製造又は販売される商品であるとの誤認混同が生じる。 イ 「サプリメント」と「化粧品」とにおいて、同一の成分を含む商品も多く市販されており(甲14の4、20の29・37・53・58・60・ 63・64・66・71)、中には同一の作用を期待するものも存在する。 このように、「サプリメント」と「化粧品」とにおいて原材料又は品質が一致するものも多く存在する。 ウ化粧品は、主に身体に塗擦 63・64・66・71)、中には同一の作用を期待するものも存在する。 このように、「サプリメント」と「化粧品」とにおいて原材料又は品質が一致するものも多く存在する。 ウ化粧品は、主に身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されるもので、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又 は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つことを目的とするものであるが、外見を美しく見せる効果にとどまらず、前向きな気持ちを持たせる効果があり、心身の健康維持効果を有し、高齢者の心身機能やQOL(生活の質)を維持向上させ健康長寿を目指す「化粧療法」も存在する。 他方、「サプリメント」は、特定成分が凝縮され、錠剤やカプセルなど通 常の食品とは違う形をして作られたものであり、その特定成分を摂取することにより食事で不足している栄養素の補給や、健康の維持、美容、ダイエット、疲労回復などを目的とするものである。 このように、「サプリメント」と「化粧品」とは「美容や健康を維持する」という用途において一致している。 エ 「化粧品」と同一ブランドにて同一成分を含み同一の効果が期待できる 「サプリメント」については、いうまでもなく化粧品と需要者が共通するが、そうでなくても、美容と健康は密接に関連し、切り離して考えることはできないものであるから、美容を目的として使用されるものである「化粧品」の需要者は、食事で不足している栄養素を補給又は強化し、身体の調子を整え、健康の回復や維持等のために使用される「サプリメント」に も併せて関心を寄せるものであり、それらの需要者も共通する。 「サプリメント」と「化粧品」との需要者層は、例えば、美容や健康を維持することに興味関心のある需要者層において一致することは、美容や健康を維持することに興味関心の あり、それらの需要者も共通する。 「サプリメント」と「化粧品」との需要者層は、例えば、美容や健康を維持することに興味関心のある需要者層において一致することは、美容や健康を維持することに興味関心のある需要者層に向けた雑誌等が多数存在することからも明らかである(甲23の1~6)。これらの雑誌は、美容 や健康をテーマにした商品として「サプリメント」及び「化粧品」を紹介する(甲24の1~41)。その他の雑誌でも、美容や健康をテーマにした商品として「サプリメント」及び「化粧品」が掲載されている(甲24の42~57)。原告の商品を掲載するファッション雑誌等(甲7の7・16・19・24・26・38・41・55・57・60)にも、「化粧品」と「サ プリメント」の両方の商品が掲載されている実情がある。 オ以上を総合的に勘案すれば、本件商標に係る指定商品「サプリメント」と原告が製造・販売する「化粧品」に同一又は類似の商標を使用するときは、同一営業主の製造・販売又は提供に係る商品又は役務と誤認が生じるから、本件商標が指定する第5類「サプリメント」は商標法4条1項10 号に該当する。 〔被告の主張〕⑴ 本件審決は、「理由」第5の5「商標法第4条第1項第11号該当性について」の⑷「本件商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務との類否について」において、「化粧品」と「美容サプリメント」との類 似性を検討し、「多くの用途において共通にするものではなく、製造・販売業 者や需要者が異なる場合もあり得るのであるから、直ちに類似する商品であるということはできず、同一又は類似の商標を使用しても、これに接する取引者、需要者が商品の出所について誤認、混同を生ずるおそれはないものとみるのが相当である。」と判断している。 ちに類似する商品であるということはできず、同一又は類似の商標を使用しても、これに接する取引者、需要者が商品の出所について誤認、混同を生ずるおそれはないものとみるのが相当である。」と判断している。 原告自身も、準備書面において、商標法4条1項10号における商品又は 役務の類否判断は同項11号と同様に解されると自認しているところ、同項10号と同項11号との間で商品又は役務の類否判断について別異に解すべき理由もないから、本件審決において、同項10号における商品の類否判断についても、同項11号に関する上記判断によって実質的に判断されているといえる。 したがって、商標法4項1項10号に関する判断の遺脱はない。 ⑵ 本件商標の指定商品中、第5類の「サプリメント」については、特許庁商標課編「商品及び役務の区分解説〔国際分類第10版対応〕」において、「この商品は、人体に欠乏しやすいビタミン・ミネラル・アミノ酸・不飽和脂肪酸などを、錠剤・カプセル・飲料などの形にしたもので、医薬品に該当しな い商品です。」と説明されている(乙1の20頁)。 そして、「類似商品・役務審査基準〔国際分類第11-2021版対応〕(乙2)には、(備考)として、「『サプリメント』は、『ビタミン剤、アミノ酸剤、滋養強壮変質剤』に類似と推定する」旨の記載がある。 また、内閣府消費者委員会による「消費者の『健康食品』の利用に関する 実態調査(アンケート調査)」(甲17)においても、「サプリメント」の定義は、「健康食品のうち、錠剤型、カプセル型、又は粉状のもの」とされ、「健康食品」については、「健康の保持増進に資する食品として販売・利用される食品(野菜、果物、菓子、調理品等その他外観、形状等から明らかに食品と認識される物を除く)」と定義されている。 とされ、「健康食品」については、「健康の保持増進に資する食品として販売・利用される食品(野菜、果物、菓子、調理品等その他外観、形状等から明らかに食品と認識される物を除く)」と定義されている。 これに対し、「商品及び役務の区分解説〔国際分類第10版対応〕」は、第 3類に分類される「化粧品」について、「この商品には、薬事法(昭和35年法律第145号)に規定する『化粧品』の大部分及び『医薬部外品』のうち、『人体に対する作用が緩和なものであって、身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つことを目的として、身体に塗擦、散布等の方法で使用するもの』が含まれます。『化粧品』は、 女性用のみならず、男性用又は乳児用の商品も含まれます。」と説明している(乙1の12頁)。 そして、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「薬機法」という。)2条3項は、法律で『化粧品』とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を 健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。 ただし、これらの使用目的のほかに、第一項第二号又は第三号に規定する用途に使用されることも併せて目的とされている物及び医薬部外品を除く。」と定義している。 本件では商標の指定商品に関する定義を重視すべきであり、加えて、原告が使用商標を用いる「化粧品」は、薬機法上の規制対象となり得るものである以上、薬機法の定義をも尊重すべきであるところ、薬機法の「化粧品」の定義からすれば、原告が主張するような「健康の維持」という目的は、商品の類否判断における「化粧品」の定義に含まれない。 ものである以上、薬機法の定義をも尊重すべきであるところ、薬機法の「化粧品」の定義からすれば、原告が主張するような「健康の維持」という目的は、商品の類否判断における「化粧品」の定義に含まれない。 ⑶ 原告は、「『サプリメント』および『化粧品』は多くの同一営業主により製造又は販売を行っている実情がある。」などと主張する。 しかし、原告が挙げる製薬会社が販売するサプリメントの製造元は当該製薬会社とは異なる企業であり、化粧品とサプリメントが同一の営業主によって製造されているとは認められない。 また、原告は、「サプリメント」と「化粧品」の各販売が同一営業主により 行われる例を挙げるが、ほとんどの場合において、両者のブランドは明確に区別されて別ブランドとされ、たとえ同じウェブサイト上で紹介されていたとしても、商品として明確に区別する態様で販売されており、販売部門が一致しているとまではいえない。「サプリメント」を販売せずに「化粧品」のみを販売する会社も当然に存在するのであって、原告は、「サプリメント」と「化 粧品」の両方を販売する会社の一例を殊更に紹介したにすぎず、それが「化粧品」を販売する会社の全体に占める割合などは一切示されていない。 ⑷ 「化粧品」と「サプリメント」の成分に一致する部分があるとしても、ほとんどの成分において一致しておらず、原材料のごく一部に重なる部分があり得るとしても、多くが重ならない。 同じ成分であっても、化粧品の原料として使用される場合と、サプリメントのような食品用の原料として使用される場合とでは、自ずと「グレード」が異なり取引される原材料自体が異なってくるし、成分の一部が一致することを理由に、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用され、人の身体を清潔にし、美化し、魅力 合とでは、自ずと「グレード」が異なり取引される原材料自体が異なってくるし、成分の一部が一致することを理由に、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用され、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛 髪をすこやかに保つことを目的とする「化粧品」と、経口投与され、身体の内部から健康を補助する目的を有する「サプリメント」との「品質」が一致するともいえない。 ⑸ 前記⑵の定義によれば、「化粧品」と「サプリメント」とでは目的が明確に異なる。 内閣府消費者委員会による前記実態調査(甲17)及びポーラ文化研究所が行ったアンケート調査(乙14)の各結果からしても、「サプリメント」、「化粧品」の各利用者における商品の利用目的は、基本的に「サプリメント」は「健康の保持増進」という客観的な用途に一致し、「化粧品」は「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪をす こやかに保つ」という客観的な用途に一致する。 この点に関連し、原告は、化粧による心身の健康維持効果や化粧療法による健康を維持するために用いられていることを指摘するが、近年の研究結果として上記作用があると認められるとしても、各商品の客観的な用途や各利用者の主観的な利用目的を覆してまで、直ちに「サプリメント」と「化粧品」の用途が一致することを示すものではない。 したがって、第5類「サプリメント」と、第3類に分類される「化粧品」とは、その用途において一致しない。 ⑹ 第5類「サプリメント」の需要者の範囲は、抽象度高く捉えるとしても、「健康の保持増進に関心のある一定の需要者」ということになる。これに対し、「化粧品」の需要者の範囲は、抽象度高く捉えるとしても、「人の身体を 清潔にし、美化し、魅 、抽象度高く捉えるとしても、「健康の保持増進に関心のある一定の需要者」ということになる。これに対し、「化粧品」の需要者の範囲は、抽象度高く捉えるとしても、「人の身体を 清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つことに関心のある一定の需要者」といえるから、「サプリメント」の需要者の範囲と一致しない。サプリメントを美容目的で利用する者はごくわずかにとどまり、そのようなごく一部において化粧品と需要者が重なる部分があったとしても、需要者が一致するとはいえない。 ⑺ 以上のとおり、第5類の「サプリメント」と「化粧品」とは、その生産部門、販売部門において一致せず、原材料又は品質においても一致せず、用途も一致しないうえに、需要者の範囲も一致しないから、第5類「サプリメント」と原告の製造販売する「化粧品」とは、類似しない。 したがって、本件商標は「せっけん類」を除き商標法4条1項10号に該 当しないとした本件審決の判断に違法性はない。 2 取消事由2(商標法4条1項15号該当性についての判断の誤り)について〔原告の主張〕⑴ 原告は、本件無効審判請求において、本件商標を第3類「せっけん類」及び第5類「サプリメント」に使用した場合には、原告が製造・販売する化粧 品であるかとの出所の混同を生ずるため、商標法4条1項15号に該当する 旨主張していた。しかしながら、本件審決は、本件商標の指定商品中の第5類「サプリメント」が商標法4条1項15号に該当するか否か判断しておらず、手続的な瑕疵を有する。 ⑵ 以下の事情を総合すれば、本件商標を指定商品「サプリメント」に使用したときに、「サプリメント」の需要者は、原告の業務に係る「サプリメント」 であると誤認するか、あるいは、原告と経済 する。 ⑵ 以下の事情を総合すれば、本件商標を指定商品「サプリメント」に使用したときに、「サプリメント」の需要者は、原告の業務に係る「サプリメント」 であると誤認するか、あるいは、原告と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品等であると誤認し、需要者が商品の出所について混同を生じる。 ア本件商標と使用商標との類似性の程度本件商標と使用商標は、相紛れるおそれのある類似の商標である。 イ使用商標の周知度使用商標は、「アクネ対応商品に関心のある一定の需要者」の間に広く認識されていた。ニキビに悩んだことのある者は大多数にのぼるから、「アクネ対応商品に関心のある一定の需要者」は、「せっけん類、化粧品」の需要者の大部分を占めるといえ、使用商標は「せっけん類、化粧品」の需要者 の大部分に広く認識されていたことになる。 ウ使用商標の独創性使用商標は、ニキビを意味する「acne」と、実験室、研究所等を意味する「laboratory」の語を由来とし、複数形の「acnes」と、略語として使用される「labo」を組み合わせ構成されており、いずれの辞書にも掲載はな く、独創性の高い商標である。 エ使用商標がハウスマークであること使用商標は原告のハウスマークであり、令和2年1月1日から同年12月31日までの間の売上総数量が約110万個である原告の化粧品関連商品等の多くに付して使用していた。また、使用商標は原告の名称の略称 でもある。 オ企業における多角経営の可能性前記1〔原告の主張〕⑵アのとおり、多数の製薬企業や化粧品会社、日用品会社などが健康食品業界に参入し、また、多数の食品会社が化粧品業界に参入している実情がある。これらの企業の中で、「サプリメント」と「化粧品」とを製造 アのとおり、多数の製薬企業や化粧品会社、日用品会社などが健康食品業界に参入し、また、多数の食品会社が化粧品業界に参入している実情がある。これらの企業の中で、「サプリメント」と「化粧品」とを製造又は販売する企業は挙げればきりがなく、また同一ブラン ドで「サプリメント」と「化粧品」とを販売する企業や、同一成分を含む「サプリメント」と「化粧品」、場合により同一成分で同一作用を訴求する「サプリメント」と「化粧品」とを販売する企業も多数存在する。 また、前記1〔原告の主張〕⑵エのとおり、化粧品とサプリメントの需要者が共通していることから、化粧品とサプリメントの双方を扱う事業者 が多数存在することとなっている。 カ商品間の関連性前記1〔原告の主張〕⑵ア、イ、ウのとおり、「サプリメント」と「化粧品」とは、①同一営業主により製造又は販売が行われている事実や、同一ブランドサイトまたは同一営業主による同一サイト内で販売されている 事実が多く存在する(生産部門・販売部門で一致する)という実情があり、②原材料又は品質においても一致する事例が多く存在し、③用途においても「美容や健康を維持する」という目的において共通する。 さらに、前記1〔原告の主張〕⑵エのとおり、ニキビの予防改善に必要な栄養素や「サプリメント」は多数の記事にて紹介されており、「アクネ対 応化粧品」と「サプリメント」との関係においても「美容や健康を維持する」という目的において共通する。 キ商品等の需要者の共通性その他取引の実情美容と健康は密接に関連し、切り離して考えることはできないものであるから、美容を目的として使用されるものである「化粧品」の需要者は、 食事で不足している栄養素を補給又は強化し、身体の調子を整え、健康の 回復や維持等のために えることはできないものであるから、美容を目的として使用されるものである「化粧品」の需要者は、 食事で不足している栄養素を補給又は強化し、身体の調子を整え、健康の 回復や維持等のために使用される「サプリメント」にも併せて関心を寄せるものであり、それらの需要者も共通している。そして前記1〔原告の主張〕⑵エのとおり、「サプリメント」と「化粧品」との需要者層は、例えば美容や健康を維持することに興味関心のある需要者層において一致する。 また、前記1〔原告の主張〕⑵アのとおり、「サプリメント」と「化粧品」 との両方の商品を同一事業者が同一ブランドとして、同じブランドサイトにおいて販売する例や、同一事業者が運営する同一サイト内において「サプリメント」と「化粧品」との両方の商品を紹介・販売する例が多数存在しており、両者は販売場所においても一致している実情がある。 〔被告の主張〕 ⑴ 本件審決は、「使用商標は、…請求人の業務に係る『せっけん類、化粧品』を表示するものとして、アクネ対応商品に関心のある一定の需要者の間に広く認識されていたものと認められるとしても、提出された証拠からは、それ以外の商品の需要者において広く認識されていたと認めることはできないし、『せっけん類』とその他の商品では、その性質、用途、需要者が異なること などから、本件商標を、その指定商品及び指定役務中、第3類『せっけん類』以外の商品及び役務に使用しても、これに接する取引者、需要者が使用商標を連想又は想起することはない」、「本件商標は、商標権者がこれを『せっけん類』以外の指定商品…について使用しても、…その商品の出所について混同を生ずるおそれはない」と判断しており、原告の主張する第5類「サプリ メント」は「『せっけん類』以外の指定商品」という表現 ん類』以外の指定商品…について使用しても、…その商品の出所について混同を生ずるおそれはない」と判断しており、原告の主張する第5類「サプリ メント」は「『せっけん類』以外の指定商品」という表現の中に包含されていることが明らかである。 したがって、本件審決には、原告の指摘するような判断の遺脱はなく、原告の指摘する手続的な瑕疵は存在しない。 ⑵ ニキビは、アクネ菌という菌が過剰に増殖し、炎症を起こすことで発生す るものである(乙18)ことから、「アクネ対応」とは、かかるアクネ菌の過 剰増殖に対応することをいい、「アクネ対応商品」とは、かかるアクネ菌の過剰増殖に対応する商品をいうものである。 したがって、使用商標の周知性が認められる「アクネ対応商品に関心のある一定の需要者」とは、かかるアクネ菌の過剰増殖に対応する商品に関心のある一定の需要者を指していることが明らかである。裏を返せば、「ニキビ跡」 については、アクネ菌の過剰増殖に対応する場面ではないから、使用商標の周知性が認められる需要者の範囲からは明確に除かれる。 そして、甲19のアンケート調査の結果によれば、10代から30代についてはニキビが肌の悩みとして挙げられているものの、40代以後はかなり限定的であることがうかがえるから、使用商標の周知性が認められる「アク ネ対応商品に関心のある一定の需要者」とは、具体的には、アクネ菌の過剰増殖に対応する商品に関心のある10代から30代の男女である。過去にアクネ対応商品に関心があったか否かは関係がない。 以上のとおり、使用商標の周知性の範囲は、「アクネ菌の過剰増殖に対応する商品に関心のある10代から30代の男女」の範囲に限られるのであって、 使用商標が「せっけん類、化粧品」の需要者の大部分に広く知られていたこ 商標の周知性の範囲は、「アクネ菌の過剰増殖に対応する商品に関心のある10代から30代の男女」の範囲に限られるのであって、 使用商標が「せっけん類、化粧品」の需要者の大部分に広く知られていたことはない。 ⑶ 特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)にて、「○○ラボ」の称呼を有する登録商標数について検索をしたところでは、合計6967件という極めて多くの登録件数が示され(乙19)、「商標(検索用)」のキーワードに「?LABO」 と入力し、「○○LABO」という構成の登録商標について検索を行ったところ、合計1720件が表示された(乙20)。 そうすると、既存の語と「ラボ」や「LABO」の語を組み合わせることは、ごく一般的な表現方法にすぎず、使用商標は、その組み合わせ方にも特徴はなく、独創性の高い造語などということはできない。 ⑷ 使用商標がたとえ原告のハウスマークであり、社名の略称であるとしても、 それが「売上総数量が約110万個である化粧品関連商品等の多くに付して使用していた」との原告主張については、「化粧品関連商品等」が具体的に何を指すのか不明であり、売上総数量が約110万個というのも、何ら立証されていない。 ⑸ 「サプリメント」と「化粧品」とを製造又は販売する企業が多数存在する こと、同一ブランドで「サプリメント」と「化粧品」とを販売する企業があることなどは、あくまで一般論であって、本件において、被告が本件商標を第5類「サプリメント」に使用したときに、原告の事業に係る商品と誤認混同を生ずるおそれがあるかという問題との関係ではほとんど意味をなさない。 仮に「企業における多角経営の可能性」を重視してしまえば、あらゆる事業 が誤認混同の対象となるという不都合が生じるのであり、原告が指摘するよ るかという問題との関係ではほとんど意味をなさない。 仮に「企業における多角経営の可能性」を重視してしまえば、あらゆる事業 が誤認混同の対象となるという不都合が生じるのであり、原告が指摘するような「企業における多角経営の可能性」という抽象的な一般論を理由に、事業の誤認混同を判断することは、極めて厳格に考えられなければならない。 ⑹ 前記1〔被告の主張〕のとおり、第5類「サプリメント」と第3類に分類される「化粧品」とは、生産部門が一致せず、販売部門も必ずしも一致しな いうえに、原材料又は品質も一致しないし、用途も需要者の範囲も一致しないから、両者の間には、原告が主張するような商品としての関連性は存在しないか、仮に関連性が存するとしても極めて希薄なものにとどまる。 ⑺ 前記⑵のとおり、「アクネ対応商品に関心のある一定の需要者」はアクネ菌の過剰増殖に対応する商品に関心のある10代から30代の男女であり、か かる需要者と第5類「サプリメント」の需要者とは、共通性がなく、仮に共通する部分があるとしても、極めて希薄である。 「サプリメント」と「化粧品」が同一のサイト内で紹介されていたとしても、販売場所の一致ということにはならない。仮に、被告が同一のサイト内において「サプリメント」と「化粧品」の両方を紹介又は販売したとして、 原告の商品との誤認混同を生ずるおそれがあるとはいえない。むしろ、需要 者は、被告の商品であるとの認識しか抱かず、原告と被告との間で経済的又は組織的に何らかの関係を有する業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないといえる。 なお、現実の販売場所である店舗においても、一般的に「化粧品」と「サプリメント」の販売場所は、その誤食や誤飲の事故を防ぐ趣旨もあり異なる 品の出所について混同を生ずるおそれはないといえる。 なお、現実の販売場所である店舗においても、一般的に「化粧品」と「サプリメント」の販売場所は、その誤食や誤飲の事故を防ぐ趣旨もあり異なる ことが望ましく、現実にも両商品の販売場所は異なることが通常であって、販売場所が一致するとはいえない。 ⑻ 以上によれば、本件商標は、商標権者たる被告が、これを指定商品である第5類「サプリメント」に使用しても、取引者、需要者をして使用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が原告あるいは原告と経済的又は組 織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないから、本件商標は、商標法4条1項15号にも該当せず、同様の結論をとる本件審決に違法性はない。 3 取消事由3(商標法4条1項8号該当性についての判断の誤り)について〔原告の主張〕 以下のとおり、原告による商品への使用商標の使用や、広告・宣伝活動により、「アクネスラボ」や「ACNESLABO」の文字が、原告の名称の略称として認識されていた。 ⑴ 原告は、平成16年7月以降、多数の化粧品等に「アクネスラボ」又は「ACNESLABO」の商標を使用していた(甲11)。 石けん類や化粧品を取り扱う化粧品業界において、商品包装の商品名を記載する側面下部中央に製造者の名称又はその略称若しくは当該製造者のハウスマーク商標を付すことは一般的である(甲25の1~25)。被告も、化粧品ブランド「白潤」シリーズや「極潤」シリーズ、「メラノCC」シリーズの化粧品の容器であって、商品名を記載する側面下部中央に、社名の略称であ り、かつ、ハウスマークである「ロート製薬」の商標を付して使用している (甲25の1~4)。 メラノCC」シリーズの化粧品の容器であって、商品名を記載する側面下部中央に、社名の略称であ り、かつ、ハウスマークである「ロート製薬」の商標を付して使用している (甲25の1~4)。したがって、需要者は、化粧品の容器や包装であって、商品名を記載する側面下部に記載された商標が当該化粧品を製造又は販売する社名の略称であることを認識する。原告も、社名の略称を、商品の容器や包装において、商品名を記載する側面下部に付して使用している。 また、化粧品業界において、社名の略称を化粧品のブランド名として用い ることも広く行われているのであり、需要者は、化粧品ブランドが社名の略称に由来する場合があることを理解している。 ⑵ 雑誌等における原告の商品の掲載頁には、「アクネスラボ」や「ACNESLABO」の文字が、原告の名称の略称として使用され、認識されていた(甲7の1・3・6~8・15~17・22・24~26・33~36・41・ 43・63)。 〔被告の主張〕⑴ 原告が証拠として提出する原告の商品の写真(甲11の1~34)において、片仮名の「アクネスラボ」の表記があるものは、1件(甲11の20)のみであり、その表記も、商品名の約10分の1の大きさで記載されるにと どまっている。また、上記各写真に撮影された商品の大半は、その商品名に「ACNESLABO」ないし「AcnesLabo」の表記が含まれており、需要者としては、包装の商品名下方に「AcnesLabo」の表記が存在したとしても、単なる製品のブランド名又は製品カテゴリーに統一して使用されるブランド名であるとの認識を抱くと考えられるから、上記各写真をもって、「AcnesLabo」 や「ACNESLABO」の表記が、原告の名称の略称として認識されてい リーに統一して使用されるブランド名であるとの認識を抱くと考えられるから、上記各写真をもって、「AcnesLabo」 や「ACNESLABO」の表記が、原告の名称の略称として認識されていたとは認められない。 ⑵ 雑誌(甲7の1~63)において紹介されている原告の商品は、基本的に「アクネスラボ」のブランド商品として販売されたものであり、かかる商品の紹介記事において記載された「アクネスラボ」や「ACNESLABO」の表記 は、ブランド名を示すものとして記載されているものがほとんどであり、少 なくとも、原告の名称の「略称」を記す趣旨であると明確に認識できる記載は見当たらない。 ⑶ 以上のとおり、「アクネスラボ」や「ACNESLABO」が原告の名称の略称として使用され、認識されていたことは立証されておらず、そのような略称が「著名」であったという点についても、その立証を欠く。したがって、本 件商標は、商標法4条1項8号には該当せず、同旨の判断をする本件審決には、違法性はない。 4 取消事由4(商標法4条1項11号該当性についての判断の誤り)について〔原告の主張〕前記1〔原告の主張〕⑵のとおり、本件商標に係る指定商品「サプリメント」 と「化粧品」に同一又は類似の商標を使用するときは、同一営業主の製造・販売又は提供に係る商品又は役務と誤認が生じ、本件商標における第5類「サプリメント」と、引用商標における第3類「化粧品」とは類似するため、本件商標が商標法4条1項11号に該当しないとした本件審決の判断は誤りである。 〔被告の主張〕 前記1〔被告の主張〕のとおり、本件商標における第5類「サプリメント」と引用商標における第3類「化粧品」とは類似しないから、本件商標は商標法4条1項11号に該当しな 。 〔被告の主張〕 前記1〔被告の主張〕のとおり、本件商標における第5類「サプリメント」と引用商標における第3類「化粧品」とは類似しないから、本件商標は商標法4条1項11号に該当しない。 5 取消事由5(商標法3条1項柱書きの要件該当性についての判断の誤り)について 〔原告の主張〕⑴ 被告は、本件商標の出願時点において、先行登録商標について商標権を有していた。先行登録商標の指定商品及び指定役務は本件商標の指定商品及び指定役務と同一であり、本件商標と先行登録商標との差異は、字体が明朝体様であるかゴシック体様であるかのみであって、両者は社会通念上同一と認 められる商標である。 被告は、先行登録商標と社会通念上同一と認められる本件商標について、原告による先行不使用取消審判請求の日(令和4年6月20日)よりも半年以上前に出願していたにもかかわらず、先行不使用取消審判請求に対し、先行登録商標の使用をしていること、又は不使用について正当な理由があることに関する答弁を何ら提出しなかった。 原告が調査した限り、先行登録商標の登録日から現在まで、被告が本件商標をその指定商品等に使用している事実はない。また、被告は、本件無効審判請求に対しても商標の使用の事実及び使用の意思について何ら答弁しなかった。さらに、被告が、本件商標の指定役務に含まれる第44類「あん摩・マッサージ及び指圧、カイロプラクティック、きゅう、柔道整復、はり、リ フレクソロジー、巻爪矯正」に関連するサービスを事業として行っている事実はなく、これらの業務を被告が行う予定があるとも認められない。 被告は、アクネ対応商品(洗顔、化粧水等)も取り扱っているから、原告が使用商標を用いていることを知っていたと推認され、使用商標が周知となって 、これらの業務を被告が行う予定があるとも認められない。 被告は、アクネ対応商品(洗顔、化粧水等)も取り扱っているから、原告が使用商標を用いていることを知っていたと推認され、使用商標が周知となっている状況において、「化粧品」、「せっけん類」のみならず、特に「化粧品」 と関連が高い「サプリメント」に使用した場合には、出所混同が生じることは被告にとっても明らかであって、あえてそのような商標を使用することは通常考え難い。仮に使用する意思があったとすれば悪意に基づくものであって正当な使用意思とは認められない。 したがって、被告が、「自己の業務に係る指定商品及び指定役務について本 件商標を使用する意思を有していた」とは到底認めることができない。少なくとも、「自己の業務に係る指定商品及び指定役務について本件商標を使用する意思を有していた商標であるか否か」については「合理的な疑義」が存在していた。 ⑵ 不使用取消審判により取り消された先行登録商標と書体における僅かな差 しか有しない社会通念上同一である本件商標について、先行登録商標と同一 の出願人に対して新たに排他独占的な権利を付与することは、国民一般の利益を不当に損ね、かつ、その存在により権利者以外の商標使用希望者の商標の選択の余地を狭めるものであり、不使用取消審判の制度趣旨にもとる。 原告は、本件商標が指定する商品等についても「アクネスラボ」又は「ACNESLABO」の商標の使用を希望し、先行登録商標に対する先行不使 用取消審判を請求した。また、原告は、本件商標が取り消された後に希望する商品及び役務の範囲について使用商標の商標権を得られるよう、新たな商標出願を令和4年6月24日付けで行っている(商願2022-78474)。 本件商標が登録されたことにより、原告その れた後に希望する商品及び役務の範囲について使用商標の商標権を得られるよう、新たな商標出願を令和4年6月24日付けで行っている(商願2022-78474)。 本件商標が登録されたことにより、原告その他の者の商標出願は本件商標を理由に商標法4条1項11号により拒絶されてしまう。本件商標の存在は、 不当に権利者以外の商標使用希望者の選択の余地を狭めるものである。 上記の点からも、被告が、「自己の業務に係る指定商品及び指定役務について本件商標を使用する意思を有していた」とは認められるべきではなく、出願手続により出願人の使用の意思を確認したとする判断は誤りである。少なくとも、不使用取消審判によって取り消された先行登録商標と社会通念上同 一と認められる商標について先行登録商標と同一の商品等を指定する本件商標については、「自己の業務に係る指定商品及び指定役務について本件商標を使用する意思を有していたか否か」について「合理的な疑義」があるとして、被告に商標の使用及び使用の意思が確認されるべきであった。そして、そのような機会(具体的には、審判段階における答弁の機会)があったにも かかわらず、被告より商標の使用及び使用の意思について何ら答弁がなかったのであるから、「自己の業務に係る指定商品及び指定役務について本件商標を使用する意思を有していた」とは認められるべきではない。 〔被告の主張〕⑴ 被告が本件商標を出願したのは令和3年11月2日であり、先行不使用取 消審判請求が原告からされた令和4年6月21日よりも7か月以上も前のこ とである。被告による本件商標の出願は、先行不使用取消審判の請求等の事情とは全く無関係にされたものである。将来的な使用意思がない商標を、いくつも取得することはかえって考え難く、上記事実自体が、被告 とである。被告による本件商標の出願は、先行不使用取消審判の請求等の事情とは全く無関係にされたものである。将来的な使用意思がない商標を、いくつも取得することはかえって考え難く、上記事実自体が、被告において本件商標を将来的に使用する意思があることの証左である。 また、被告は、本件商標の指定商品である第5類「薬剤」や「サプリメン ト」等に関する事業や業務を営んでいる(乙22)。第44類「健康に関する指導・助言・情報の提供」等についても、乙23のとおり、被告において「薬育教育支援プログラム」を提供しており、これら事業や業務を営んでいる。 被告は、他にも事業拡大を予定しており、スキンケア化粧品等に「アクネス」の商標使用の展開も行っているところである(乙24)。 したがって、被告による本件商標の登録出願時及び登録査定時における使用意思を否定することはできない。 ⑵ 原告の主張は、原告が商標登録出願を怠ったことに起因する結果について、自己の責任を措き、先願主義の下で商標権を取得するに至った被告を徒に非難するものにすぎない。本件商標は、現行制度のもとで、適法かつ有効に商 標出願をし、登録がされるに至ったものにすぎず、これを捉えて国民一般の利益を不当に損ねる、商標使用希望者の選択の余地を狭める、不使用取消審判制度の趣旨に悖るなどと論難するのは、相当性を欠くというべきである。 第4 当裁判所の判断 1 取消事由1(商標法4条1項10号該当性に関する判断の誤り)について ⑴ 指定商品が類似のものであるかどうかは、それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用する場合には、同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあると認められる関係があるか否かによっ 営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用する場合には、同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあると認められる関係があるか否かによって判断するのが相当である(最高裁昭和33年(オ)第1104号昭和36年6月27日第三 小法廷判決・民集15巻6号1730頁)。 ⑵ 証拠(甲7の1~63)及び弁論の全趣旨によれば、原告は、本件商標が登録出願される前から、使用商標を原告の製造、販売に係る「せっけん類」及び「化粧品」に用いていることが認められる。 このうち、「せっけん類」については、本件審決が、本件商標の指定商品及び指定役務のうち第3類「せっけん類」について、商標法4条1項10号に 該当すると判断している。 原告は、本件商標の指定商品及び指定役務のうち第5類「サプリメント」についても、同号に該当すると主張するので、使用商標が用いられる商品が上記のとおりであることを前提に、以下検討する。 ⑶ 特許庁商標課編「商品及び役務の区分解説〔国際分類第10版対応〕」(乙 1)は、指定商品の分類において第5類とされる「サプリメント」について、「この商品は、人体に欠乏しやすいビタミン・ミネラル・アミノ酸・不飽和脂肪酸などを、錠剤・カプセル・飲料などの形にしたもので、『医薬品』に該当しない商品です。」と説明している。また、内閣府消費者委員会による「消費者の『健康食品』の利用に関する実態調査(アンケート調査)」(甲17) では、「サプリメント」は「健康食品のうち、錠剤型、カプセル型、又は粉状のもの」と定義され、「健康食品」は「健康の保持増進に資する食品として販売・利用される食品(野菜、果物、菓子、調理品等その他外観、形状等から明らかに食品と認識される物を除く。)」 プセル型、又は粉状のもの」と定義され、「健康食品」は「健康の保持増進に資する食品として販売・利用される食品(野菜、果物、菓子、調理品等その他外観、形状等から明らかに食品と認識される物を除く。)」と定義されている。 これに対し、「商品及び役務の区分解説〔国際分類第10版対応〕」は、指 定商品の分類において第3類とされる「化粧品」について、「この商品には、薬事法(昭和35年法律第145号)に規定する『化粧品』の大部分及び『医薬部外品』のうち『人体に対する作用が緩和なものであって、身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つことを目的として、身体に塗擦、散布等の方法で使用するもの』が含まれ ます。『化粧品』は、女性用のみならず、男性用又は乳児用の商品も含まれま す。」と説明している。薬事法は、平成25年法律第84号によってその名称が「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)に改められたところ、薬機法2条3項は、「この法律で『化粧品』とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似す る方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。ただし、これらの使用目的のほかに、第一項第二号又は第三号に規定する用途に使用されることも併せて目的とされている物及び医薬部外品を除く。」と定義している。 これらの説明及び法律上の定義によれば、「サプリメント」は、人体に欠乏 しやすいビタミン・ミネラル等の栄養素を経口投与によって体内に摂取するための食品であり、その使用の目的は健康の保持増進にあると認められる。 これに対し、「化粧品」は、身体に対し は、人体に欠乏 しやすいビタミン・ミネラル等の栄養素を経口投与によって体内に摂取するための食品であり、その使用の目的は健康の保持増進にあると認められる。 これに対し、「化粧品」は、身体に対して塗擦、散布等をする方法で使用するものであり、その使用の目的は人の身体を清潔にし、美化し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つことにあると認められるから、「サプ リメント」と「化粧品」とはその使用方法及び使用目的の根本的部分において明確に異なっていると認められる。 ⑷ 「サプリメント」と「化粧品」については、これら双方を製造する会社及び双方を販売する会社が複数存在することは認められるものの(甲13の1・2、14の1~13、甲20の1~72)、通常同一の営業主により製造又は 販売されているとの事情があるとは認められない。 また、前記⑶のとおり、「サプリメント」が経口投与によって体内に摂取する方法で使用し、「化粧品」が身体に塗擦、散布等をする方法で使用するという違いがあることからすれば、「化粧品」には経口投与による体内への摂取には適しない成分を使用することも可能であると認められ、「サプリメント」と 「化粧品」について、同一の成分を含む商品が存在するとしても、その原材 料が通常一致するといった関係にあるとは認められない。 需要者については、それぞれの使用目的から、「サプリメント」の需要者は健康の保持増進に関心のある一般消費者であり、「化粧品」の需要者は身体を清潔にし、美化し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つことに関心のある一般消費者であって、これらは一部において一致すると考えら れるが、完全に一致するとは認められない。 ⑸ 上記⑶及び⑷の事情を総合すると、本件商標の指定商品のうち第5類「サプ ことに関心のある一般消費者であって、これらは一部において一致すると考えら れるが、完全に一致するとは認められない。 ⑸ 上記⑶及び⑷の事情を総合すると、本件商標の指定商品のうち第5類「サプリメント」と、使用商標が用いられている商品のうち「化粧品」とは、これらの商品に同一又は類似の商標を使用する場合に、同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあるとは認められず、商標法4条1項 10号にいう「類似する商品」に当たるとは認められない。 ⑹ 原告の主張に対する判断ア原告は、前記第3の1〔原告の主張〕⑴のとおり、本件審決は、本件商標の指定商品のうち第5類「サプリメント」が商標法4条1項10号に該当するか否か判断しておらず、手続的瑕疵があると主張する。 確かに形式的に見れば、本件審決における商標法4条1項10号該当性に関する判断の箇所(本件審決の「理由」第5の2)には、本件商標の指定商品及び指定役務中、第3類「せっけん類」について同号に該当するとの判断は記載されているが、第5類「サプリメント」について同号に該当するか否かについての判断は記載されていない。 しかし、本件審決は、第5類「サプリメント」について商標法4条1項10号に該当すると請求人(原告)が主張していることは記載しており(本件審決の「理由」第3の2⑶エ(イ)、オ)、原告が上記主張をしていることを見落としたという事情はなく、その上で、上記商標法4条1項10号該当性に関する判断の箇所においては、専ら本件商標の指定商品及び指定役 務中、第3類「せっけん類」についての登録が無効であることについて判 断を示したものと理解され、結果的に、その余の指定商品及び指定役務についての審判請求は成り立たないとの結論を示すことによって、第5類「 「せっけん類」についての登録が無効であることについて判 断を示したものと理解され、結果的に、その余の指定商品及び指定役務についての審判請求は成り立たないとの結論を示すことによって、第5類「サプリメント」について同号に該当するとは認められないとの判断を示していると認められる。 そして、商標法4条1項10号と同項11号における類否の判断基準は 同様であるところ、本件審決は、同項11号該当性に関する判断の箇所(本件審決の「理由」第5の5)において、本件商標の指定商品及び指定役務中の第5類「サプリメント」に含まれる「美容サプリメント」と、引用商標の指定商品及び指定役務中の第3類「化粧品」が同一又は類似する商品であるとの原告の主張について検討し、「美容サプリメント」と「化粧品」 は、直ちに類似する商品であるということはできず、同一又は類似の商標を使用しても、これに接する取引者、需要者が商品の出所について誤認、混同を生ずるおそれはないものとみるのが相当であると判断している。そうすると、本件審決は、同様の理由で、本件商標の指定商品及び指定役務中、第5類「サプリメント」についても、実質的に同項10号に該当しな いと判断したものと理解することができる。 以上を総合すれば、本件審決に関し、商標法4条1項10号該当性についての判断の遺脱があるために違法であって取り消すべきであるとはいえない。 したがって、原告の上記主張は採用することができない。 イ原告は、前記第3の1〔原告の主張〕⑵のとおり、本件商標の指定商品のうち「サプリメント」と原告が製造・販売する「化粧品」に同一又は類似の商標を使用するときは、同一営業主の製造・販売又は提供に係る商品又は役務と誤認が生じるから、本件商標の指定商品のうち第5類「サプリメント」は メント」と原告が製造・販売する「化粧品」に同一又は類似の商標を使用するときは、同一営業主の製造・販売又は提供に係る商品又は役務と誤認が生じるから、本件商標の指定商品のうち第5類「サプリメント」は商標法4条1項10号に該当すると主張する。 しかし、「サプリメント」と「化粧品」の両方を製造又は販売している企 業が複数存在しており(前記⑷)、その中には、当該企業が運営する同一のウェブサイトで「サプリメント」と「化粧品」を販売する企業や、「サプリメント」と「化粧品」に同一のブランド名を付して販売している企業があることが認められるが(甲13の1・2、甲14の1~13等)、「サプリメント」と「化粧品」が通常同一の営業主により製造又は販売されている との事情があるとは認められないことは前記⑷のとおりであり、「サプリメント」を販売する企業の多くが化粧品を製造又は販売している、あるいは「化粧品」を販売している企業の多くが「サプリメント」を販売しているといった事情があるとも認められない。そうすると、「サプリメント」と「化粧品」について、使用の目的及び方法の双方について相違があること (前記⑶)からすれば、上記のとおり認められる事実の限度では、これらの商品に同一又は類似の商標を使用する場合に、同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあるとは認めるに足りない。 「サプリメント」と「化粧品」とにおいて、同一の成分を含む商品が販売されているとしても、通常成分が一致するといった関係にあるとは認め られず、「サプリメント」は経口投与によって体内に摂取する食品であり、「化粧品」は身体に塗擦、散布等をする方法で使用するという違いがあることによって、含まれる成分にも差異があると考えられる。 「化粧品」の使用の目的は、前記⑶ 口投与によって体内に摂取する食品であり、「化粧品」は身体に塗擦、散布等をする方法で使用するという違いがあることによって、含まれる成分にも差異があると考えられる。 「化粧品」の使用の目的は、前記⑶のとおり、人の身体を清潔にし、美化し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つことにあるので あり、これらを達成することによって心身の健康維持の効果があると説かれることがあるとしても、そのような効果はあくまで間接的なものであるといえる。これに対し、「サプリメント」は健康の保持増進が使用の直接の目的であるといえるから、「サプリメント」と「化粧品」で使用の目的や用途が一致するとはいえない。 「サプリメント」の需要者と「化粧品」の需要者は、その使用の目的が 異なることからすれば、一部において一致する者があるとしても、完全に一致しているという事情は認められない(前記⑷)。 以上によれば、原告が前記第3の1〔原告の主張〕⑵のとおり主張する事情を考慮しても、「サプリメント」と「化粧品」について、同一又は類似の商標を使用する場合には、同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認 されるおそれがあると認められる関係があるとは認められない。 したがって、原告の上記主張は採用することができない。 2 取消事由2(商標法4条1項15号該当性に関する判断の誤り)について⑴ 商標法4条1項15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」には、当該商標をその指定商品又は指定役務に使用 したときに、当該指定商品又は指定役務が他人の業務に係る商品又は役務であると誤信されるおそれがある商標のみならず、当該指定商品又は指定役務が上記他人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商 定役務が他人の業務に係る商品又は役務であると誤信されるおそれがある商標のみならず、当該指定商品又は指定役務が上記他人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品又は役務であると誤信されるおそれ(以下「広義の混同を生 ずるおそれ」という。)がある商標を含むものと解するのが相当である。そして、上記の「混同を生ずるおそれ」の有無は、当該商標と他人の表示との類似性の程度、他人の表示の周知著名性及び独創性の程度や、当該商標の指定商品又は指定役務と他人の業務に係る商品又は役務との間の性質、用途又は目的における関連性の程度並びに商品又は役務の取引者及び需要者の共通性 その他取引の実情などに照らし、当該商標の指定商品又は指定役務の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として、総合的に判断されるべきものである(最高裁平成10年(行ヒ)第85号平成12年7月11日第三小法廷判決・民集54巻6号1848頁)。 以下、この観点から検討する。 ⑵ア本件商標は、「AcnesLabo」の文字と「アクネスラボ」の文字とを上下 二段に横書きしてなる商標であり、下段の片仮名は、上段の欧文字の読みを表したものと理解されるといえるから、「アクネスラボ」の称呼を生じる。 また、「アクネスラボ」のうち「アクネス」が「Acnes」に、「ラボ」が「Labo」に対応しており、「アクネスラボ」は「アクネス」と「ラボ」を組み合わせたものであることも容易に理解することができる。このうち「アクネス」 は「アクネ」(acne)に関連する語であり、「アクネ」(acne)は「ニキビ」を意味する語であるが、一般消費者になじみのある単語とまではいえない。 に理解することができる。このうち「アクネス」 は「アクネ」(acne)に関連する語であり、「アクネ」(acne)は「ニキビ」を意味する語であるが、一般消費者になじみのある単語とまではいえない。 また、「Labo」、「ラボ」は「Laboratory」の略語であり、「Laboratory」は「研究所」を意味する語であるが、「Labo」、「ラボ」が「研究所」を意味する略語として広く定着しているとまではいえない。そうすると、本件商標 からは、特定の観念が生じないか、生じるとしても「ニキビに関連する研究所」程度の観念が生じるといえる。 他方、使用商標は、「アクネスラボ」又は「ACNESLABO」の文字からなる商標である。「アクネスラボ」は本件商標の下段の片仮名と一致している。「ACNESLABO」は欧文字であり、本件商標の「AcnesLabo」とは、 各単語の語頭以外の文字が大文字で表されているか小文字で表されているかという差異があるものの、綴りを同一としている。そうすると、本件商標と使用商標は、外観が類似しているといえる。使用商標は「アクネスラボ」の称呼を生じ、生ずる観念も本件商標と同一であるといえる。 したがって、本件商標と使用商標は、外観が類似し、称呼及び観念が一 致しているから、互いに類似する商標であって、その類似性の程度は高い。 イ原告は、平成15年12月に設立され、現在に至るまで、使用商標を用いたアクネ対応(ニキビ対策)の化粧品や洗顔料等を販売しており、テレビでの宣伝も含む宣伝活動を行うほか、雑誌で使用商標が用いられた商品が紹介されることもあることが認められ(甲7の1~63、9の1~3・ 7等)、これらの事情によれば、アクネ対応商品に関心のある一定の需要者 の間では全国的に認識されていたと いられた商品が紹介されることもあることが認められ(甲7の1~63、9の1~3・ 7等)、これらの事情によれば、アクネ対応商品に関心のある一定の需要者 の間では全国的に認識されていたと認められる。 「アクネスラボ」又は「ACNESLABO」は、「アクネス」「ACNES」と「ラボ」「LABO」とを組み合わせたものであり、一種の造語であると認められるものの、前記アのとおり、「アクネ」(acne)は「ニキビ」を意味する語であって、一般にはなじみがないとしても全くの造語ではなく、実際、 アクネ対応の化粧品等であって、その名称又はブランド名に「アクネス」の語が用いているものが存在すること(甲40)、末尾に「LABO」の文字が存在する商標及び末尾に「ラボ」が付く称呼を有する商標がいずれも多数登録されていること(乙19、20)からすると、使用商標の独創性が高いとはいえない。 ウ本件商標の指定商品及び指定役務は前記第2の1⑴のとおりである。 他方、使用商標については、原告が、本件商標の登録出願がされる前から、使用商標を原告の製造、販売に係る洗顔料(「せっけん類」)及び「化粧品」に使用しており、本件商標の登録出願時及び査定時において、原告の業務に係る「せっけん類」及び「化粧品」を表示するものとして、アク ネ対応の商品に関心のある需要者の間に認識されていたことは認められるが(前記イ)、使用商標がアクネ対応に関心のある需要者以外の一般消費者に広く認識されていたと認めるに足りる証拠はない。 本件商標の指定商品に「せっけん類」は含まれているが、「化粧品」は含まれていない。そして、「化粧品」と、本件商標の指定商品に含まれる「サ プリメント」とでは、その使用の目的及び方法について根本的な部分において異なっていることは、 まれているが、「化粧品」は含まれていない。そして、「化粧品」と、本件商標の指定商品に含まれる「サ プリメント」とでは、その使用の目的及び方法について根本的な部分において異なっていることは、前記1のとおりである。 エ前記1⑶のとおり、「サプリメント」と「化粧品」については、①これらをともに販売する会社は複数存在するが、通常同一の営業主により製造又は販売されているとは認められず、②同一の成分を含む商品が存在すると しても、その原材料が通常一致するといった関係にはなく、③それぞれの 需要者は、一部において一致すると考えられるが、完全に一致するとは認められない。 ⑶ 上記⑵アないしエの事情を総合すると、本件商標をその指定商品及び指定役務に使用したときに、その取引者及び需要者において、当該指定商品及び指定役務が原告の業務に係る商品又は役務であると誤信するおそれがあると は認められず、広義の混同を生ずるおそれがあるとも認められない。 ⑷ 原告の主張に対する判断ア原告は、前記第3の2〔原告の主張〕⑴のとおり、本件審決は、本件商標の指定商品中の第5類「サプリメント」が商標法4条1項15号に該当するか否か判断しておらず、手続的な瑕疵があると主張する。 しかし、本件審決は、「理由」第5の3において、本件商標は、商標権者がこれを「せっけん類」以外の指定商品及び指定役務について使用しても、取引者、需要者をして使用商標を連想又は想起させることはなく、その商品の出所について混同を生ずるおそれがないものというべきと判断しており、本件商標の「せっけん類」以外の指定商品に「サプリメント」が含 まれると認められるから、「サプリメント」について商標法4条1項15号に該当しないことを判断しているといえる。 したがって、原告 本件商標の「せっけん類」以外の指定商品に「サプリメント」が含 まれると認められるから、「サプリメント」について商標法4条1項15号に該当しないことを判断しているといえる。 したがって、原告の上記主張は採用することができない。 イ原告は、前記第3の2〔原告の主張〕⑵のとおり、本件商標を、その指定商品のうち「サプリメント」に使用した場合、需要者が商品の出所につ いて混同を生じると主張する。 しかし、「サプリメント」と「化粧品」は、その使用の目的及び方法が根本的な部分において異なっている。「化粧品」に心身の健康維持の効果があるとしても、その効果はあくまで間接的なものであり、「化粧品」及び「サプリメント」について認められる使用目的は前記1⑶のとおりである。 また、「サプリメント」の需要者と「化粧品」の需要者は、その使用の目 的に応じて異なっており、一部において重なるところがあるとしても、完全に一致するとは認められない。 これらの点に加え、「サプリメント」と「化粧品」が、通常同一の営業主により製造又は販売されているとは認められないこと、その原材料が通常一致するといった関係にはないことも考慮すれば、使用商標が商標法4条 1項15号の「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」に該当するとは認められない。 使用商標について独創性が高いといえないことは、前記⑵イのとおりである。また、「アクネスラボ」が原告の名称の一部であるとしても、使用商標が、アクネ対応の商品に関心のある一定の需要者を超えて、広く一般の 消費者の間に認識されていたとは認められない。 「サプリメント」と「化粧品」の両方を製造又は販売している企業が複数存在するが、通常同一の営業主により製造又は販売されているとの事情があると 消費者の間に認識されていたとは認められない。 「サプリメント」と「化粧品」の両方を製造又は販売している企業が複数存在するが、通常同一の営業主により製造又は販売されているとの事情があるとは認められず、「サプリメント」を販売する企業の多くが「化粧品」を製造又は販売している、あるいは「化粧品」を販売している企業の多く が「サプリメント」を販売しているといった事情があるとも認められないことは、前記1⑹イのとおりである。そして、一般的に、企業が多角的経営を行う可能性があり、「サプリメント」と「化粧品」の両方を販売する企業が増加する可能性があることをもって、「サプリメント」と「化粧品」の性質が類似しているとか、関連性の程度が強いと解することはできない。 以上によれば、原告が前記第3の2〔原告の主張〕⑵のとおり主張する事情を考慮しても、使用商標が商標法4条1項15号の「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」に該当するとは認められない。 したがって、原告の上記主張は採用することができない。 3 取消事由3(商標法4条1項8号該当性に関する判断の誤り)について ⑴ 「アクネスラボ」は、原告の名称から「株式会社」を除いたものであるから、原告の名称の略称である。 しかし、原告がアクネ対応のせっけん類や化粧品に本件商標を付して販売しており、これにより「アクネスラボ」及びその欧文字表記である「ACNESLABO」が原告の業務に係る「せっけん類」及び「化粧品」を表示する商標 であることについては、アクネ対応商品に関心のある一定の需要者の間に認識されていたと認められるが、「アクネスラボ」が原告の名称の略称であることが需要者に広く認識されていたと認めるに足りる証拠はない。 したがって、「ア 、アクネ対応商品に関心のある一定の需要者の間に認識されていたと認められるが、「アクネスラボ」が原告の名称の略称であることが需要者に広く認識されていたと認めるに足りる証拠はない。 したがって、「アクネスラボ」が、原告の名称の著名な略称であるとは認められないから、本件商標は商標法4条1項8号に該当しない。 ⑵ 原告の主張に対する判断原告は、前記第3の3〔原告の主張〕⑴及び⑵のとおり、「アクネスラボ」が原告の名称の略称として著名であると主張する。 しかし、化粧品や洗顔料のブランド名に、当該商品を製造又は販売する会社の名称又はその一部が当然に用いられるとの事情は存在しないから、「ア クネスラボ」及び「ACNESLABO」が、原告の業務に係る「せっけん類」及び「化粧品」を表示する商標であることが一定の需要者の間で認識されていたとしても、そのことから「アクネスラボ」が原告の名称の略称である事実が同様の範囲で認識されていたと認めることはできない。 また、使用商標が用いられた原告の商品を撮影した写真(甲11の1~3 4)、又は使用商標が用いられた原告の商品を掲載した雑誌の記事若しくはウェブサイトの表示(甲3、7の1~63、9の1~12、10の6~8等)からは、原告の商品の容器又は包装に「株式会社アクネスラボ」という原告の名称が記載されているか否か、記載されているとしてその位置や大きさはどのようなものであるかは不明である。上記写真のうち、商品の容器又は包 装に片仮名の「アクネスラボ」の記載があることが撮影されているのは甲1 1の20のみであり、これも「株式会社アクネスラボ」ではなく、単に「アクネスラボ」と記載されており、需要者はこの記載を商品のブランド名であると認識するといえる。 上記雑誌の記事には、使用商標 1の20のみであり、これも「株式会社アクネスラボ」ではなく、単に「アクネスラボ」と記載されており、需要者はこの記載を商品のブランド名であると認識するといえる。 上記雑誌の記事には、使用商標が用いられた商品に関する記載の中に、原告の名称又はその略称として「アクネスラボ」又は「株式会社アクネスラボ」 を記載しているものが複数存在するが(甲7の7、7の34等)、原告の名称又はその略称であることが強調された記載であるとはいえず、ブランド名としての「アクネスラボ」のみを記載している雑誌の記事も複数存在する(甲7の54、7の61等)。 原告の商品に関する宣伝広告についても、このような宣伝広告に接した需 要者が、商品の名称とともに製造・販売者の名称を常に確認するとは認められず、このような宣伝広告において、「アクネスラボ」が原告の名称の略称であることを強調する表示や記載がされていたとは認められない。 したがって、原告の主張は採用することができない。 4 取消事由4(商標法4条1項11号該当性に関する判断の誤り)について 商標法4条1項11号にいう商品又は役務の類似性は、同項10号の場合と同様に、前記1⑴の枠組で判断することが相当である。 引用商標の構成並びに指定商品及び指定役務は、前記第2の1⑺のとおりである。 これを前提に検討すると、本件商標の指定商品及び指定役務のうち第5類「サ プリメント」と、引用商標の指定商品及び指定役務のうち第3類「化粧品」とは、これらの商品に同一又は類似の商標を使用する場合に、同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあるとは認められず、商標法4条1項11号にいう「類似する商品」に当たると認められないことは、同項10号の場合(前記1⑷)と同様である。 そして、その 又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあるとは認められず、商標法4条1項11号にいう「類似する商品」に当たると認められないことは、同項10号の場合(前記1⑷)と同様である。 そして、その他、本件商標の指定商品及び指定役務と、引用商標の指定商品 及び指定役務について、類似するものがあるとは認められない。 したがって、本件商標は商標法4条1項11号に該当しない。 5 取消事由5(商標法3条1項柱書きの要件該当性についての判断の誤り)について⑴ 商標法3条1項柱書きの「使用をする商標」は、出願人が現に使用してい る商標のみならず、出願人が将来において使用する意思を有している商標も含まれると解される。 被告については、①被告はかつて、本件商標と同じく、「AcnesLabo」の文字と「アクネスラボ」の文字とを上下二段に横書きしてなる商標であって、指定商品及び指定役務も本件商標と同一である先行登録商標の登録を受けて いたが、原告による先行不使用取消審判請求に対し、先行登録商標の使用に関する主張及び資料を何ら提出せず、先行登録商標は取り消されたこと、及び②被告は、本件無効審判請求に対しても、何らの答弁を提出せず、本件審決がされたことが認められる(前記第2の1⑵ないし⑷)。 しかし、上記①及び②の事実をもって、被告が、本件商標の登録査定時に おいて、将来、自己の業務に係る商品又は役務に本件商標を使用する意思を有していなかったと推認することはできない。 被告が先行登録商標を使用したことがなく、本件商標についても現在までこれを使用したことがないとしても、これらの事実をもって、被告が、将来において自己の業務に係る商品又は役務に本件商標を使用する意思を有して いなかったと認められることにはならない。この点は、前 これを使用したことがないとしても、これらの事実をもって、被告が、将来において自己の業務に係る商品又は役務に本件商標を使用する意思を有して いなかったと認められることにはならない。この点は、前記①及び②の事実を併せ考慮しても変わらないというべきである。 被告は、本件商標の指定商品及び指定役務のうち、少なくとも、第5類の「薬剤」及び「サプリメント」の販売を行っており(甲20の6②、③、乙6)、被告が本件商標の指定商品の販売又は指定役務に係る業務のいずれか に本件商標を用いる可能性がなかったとは認められない。 そして、他に、被告が、本件商標の登録査定時において、将来、本件商標を使用する意思を有していなかったと認めるに足りる証拠はない。 以上によれば、本件商標は、被告が将来において自己の業務に係る商品又は役務に使用する意思のある商標であると認められ、商標法3条1項柱書きの要件を満たすとした本件審決の判断に誤りがあるとはいえない。 ⑵ 原告の主張に対する判断ア原告は、前記第3の5〔原告の主張〕⑴のとおり、被告が「自己の業務に係る指定商品及び指定役務について本件商標を使用する意思を有していた」とは認められず、少なくとも「自己の業務に係る指定商品及び指定役務について本件商標を使用する意思を有していた商標であるか否か」に ついては合理的な疑義があったと主張する。 しかし、原告が挙げる事実をもって、被告が、本件商標に係る登録査定時において、自己の業務に係る指定商品及び指定役務について本件商標を使用する意思を有していなかったと認められないことは、前記⑴のとおりである。 本件商標が商標法4条1項15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」に該当すると認められないことは、前記 ったと認められないことは、前記⑴のとおりである。 本件商標が商標法4条1項15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」に該当すると認められないことは、前記2⑶のとおりであって、原告の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるような本件商標を被告が使用する意思を有していたはずがないとの理由、又は被告の使用の意思が不当なものであるとの理由によって、被告が 本件商標を使用する意思を有していたと認定できないことにはならない。 したがって、原告の上記主張は採用することができない。 イ原告は、前記3の5〔原告の主張〕⑵のとおり、①不使用取消審判により取り消された先行登録商標と社会通念上同一の商標である本件商標の登録を認めることは不使用取消審判の制度趣旨にもとる、②被告が、原告 の本件審判請求に対し、本件商標の使用の意思について何も答弁しなかっ たのであるから、本件商標の使用の意思を有していたと認められるべきではないと主張する。 しかし、①については、本件商標の登録が認められるか否かは、本件商標について登録の要件を満たすか否かに基づき判断されるべきものである。そして、先行登録商標及び本件商標に関する事実を考慮しても、被告 が将来において本件商標を使用する意思を有していなかったと認められず、その他原告が主張する取消事由も認められないことは、前記⑴及び前記1ないし4のとおりであって、本件商標の登録を認めることが不使用取消審判の制度趣旨に反するとは認められない。 ②については、本件商標と同じく「AcnesLabo」の文字と「アクネスラ ボ」の文字とを上下二段に横書きしてなる商標であった先行登録商標が、原告による先行不使用取消審判の請求に基づき取り消された事実があるとしても、被告が原 nesLabo」の文字と「アクネスラ ボ」の文字とを上下二段に横書きしてなる商標であった先行登録商標が、原告による先行不使用取消審判の請求に基づき取り消された事実があるとしても、被告が原告の本件無効審判請求に対して何らの答弁を提出しなかったことによって直ちに、被告が本件商標の使用の意思を有していたと認められないことにはならず、他の事実も考慮して使用の意思を有してい たと認定することが違法・不当であるともいえない。 したがって、原告の上記主張は採用することができない。 6 結論以上のとおり、取消事由1ないし5は、いずれも理由がない。 よって、原告の請求は理由がないからこれを棄却することとして、主文のと おり判決する。 知的財産高等裁判所第3部 裁判長裁判官東海林保 裁判官 今井弘晃 裁判官水野正則(別紙審決書写し省略)

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る