- 1 - 令和3年1月14日判決言渡令和元年(行コ)第85号損害賠償等請求控訴事件(原審大阪地方裁判所平成27年(行ウ)第231号) 主文 1 原判決を次のとおり変更する。 ⑴ 本件訴えのうち,被控訴人に対して原判決別紙請求目録記載の各請求(ただし,同目録記載1の請求については,当該業務委託契約の締結が地方自治法234条2項,地方自治法施行令167条の2第1項に違反することその他の財務会計上の行為の違法を理由とする請求部分に限る。)をすることを求める部分を却下する。 ⑵ 控訴人のその余の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は第1,2審とも控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人は,Aに対し,862万9939円及びこれに対する平成27年7月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 3 被控訴人は,Bに対し,862万9939円及びこれに対する平成27年7月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 4 被控訴人は,Cに対し,862万9939円及びこれに対する平成27年7月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 5 被控訴人は,被控訴人補助参加人に対し,862万9939円及びこれに対する平成27年7月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。 第2 事案の概要 - 2 - 1 事案の骨子本件は,α町の住民である控訴人(原審原告)が,α町がごみ袋製造業者であるDことCとの間において締結したとされるα町一般家庭ごみ指定袋の作製等の業務に係る各業務委託契約及び変更契約は,地方自治法施行令167条の 住民である控訴人(原審原告)が,α町がごみ袋製造業者であるDことCとの間において締結したとされるα町一般家庭ごみ指定袋の作製等の業務に係る各業務委託契約及び変更契約は,地方自治法施行令167条の2第1項2号所定の「その性質又は目的が競争入札に適しないもの」及び同項5号所定の「緊急の必要により競争入札に付することができないとき」に該当せず,また,Cの父であり,当時α町議会議員であった被控訴人補助参加人(以下「補助参加人」という。)との間で実質的に締結されたものであって,地方自治法234条2項,92条の2に反する違法かつ無効な随意契約であり,これらの契約の締結によりα町は損害を被ったとして,被控訴人(原審被告)に対し,当時α町長であったA,α町の職員であるB及びCに対しては不法行為に基づく損害賠償請求として,補助参加人に対しては不法行為に基づく損害賠償請求又は不当利得返還請求として,それぞれ862万9939円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成27年7月25日から支払済みまで平成29年法律第44号附則17条3項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における同法による改正前の民法所定の年5分の割合による遅延損害金又は利息の支払を請求することを求める住民訴訟である。 原判決は,本件訴えのうち,原判決別紙請求目録記載の各請求をすることを求める部分を却下し,その余の請求をいずれも棄却した。これに対し,控訴人が本件控訴をした。 2 前提事実,主な争点,争点に関する当事者の主張の要旨 前提事実,主な争点,争点に関する当事者の主張の要旨等は,後記のとおり補正し,後記3のとおり当審における補充主張を付加するほかは原判決「事実及び理由」第2の1から3まで(3頁初行から17頁22行目まで)記載のとおりであるから,こ 事者の主張の要旨等は,後記のとおり補正し,後記3のとおり当審における補充主張を付加するほかは原判決「事実及び理由」第2の1から3まで(3頁初行から17頁22行目まで)記載のとおりであるから,これを引用する。 - 3 - 原判決の補正ア 3頁4行目の「α町長であり」を「後記本件各契約締結当時,α町長であった者であり」に改める。 イ 3頁6・7行目の「平成19年5月1日以降,α町議会議員である」を「平成19年5月1日にα町議会議員となり,後記本件各契約締結当時,α町議会議員であった者である」に改める。 3 当審における控訴人の補充主張 争点1(本件追加請求部分の適法性)について本件追加請求部分と当初の請求部分(以下「本件当初請求部分」という。)とは,単に相手方を追加しているのみであって,訴訟物としては同一である。 仮に訴訟物が同一でないとしても,基礎となる社会的事実は同一である上,控訴人が本件当初請求部分において,補助参加人及びBを相手方に含めていなかったのは,α町監査委員がDに関するCと補助参加人の関係を監査せず,α町がDの振込口座の名義が補助参加人であることの開示を違法に拒絶していた事情によるものである。したがって,本件追加請求部分に係る訴えを本件当初請求部分に係る訴えの時に提起されたものと同視し,出訴期間の遵守において欠けるところがないと解すべき特段の事情があるというべきである。 争点2(本件監査請求への地方自治法242条2項の適用の有無)について原判決は,控訴人が主張するAの責任原因が地方自治法234条2項及び92条の2に違反して違法であることに帰着するとして,同法242条2項の適用を認めた。 しかし,控訴人は,本件監査請求において,Aの財務会計法規違反だけではなく,補助参加 方自治法234条2項及び92条の2に違反して違法であることに帰着するとして,同法242条2項の適用を認めた。 しかし,控訴人は,本件監査請求において,Aの財務会計法規違反だけではなく,補助参加人,C,A及びBが,共謀して補助参加人の利益を図る目的で,地方自治法92条の2を潜脱し,本件各契約を締結したという不法行為も主張していたものである。この不法行為に基づくα町のAに対する損害 - 4 - 賠償請求権の行使を怠る事実の監査は,財務会計法規に違反して違法であるか否かの判断を要するものではなく,不法行為法上違法の評価を受けるものであるかどうか,これによりα町に損害が発生したといえるかどうかを確定しさえすれば足りる。したがって,本件監査請求のうち前記怠る事実に当たる部分については,地方自治法242条2項の適用を受けるものではない。 争点3(本件監査請求に係る地方自治法242条2項ただし書の正当な理由の有無)について本件契約1について,ごみ袋作製に関して公金が支出されること及びその金額については,平成24年度α町一般会計・特別会計予算(乙28),平成24年α町一般会計・特別会計歳入歳出決算書(乙35)にそれぞれ記載があり,本件契約2については,平成25年度α町一般会計・特別会計予算(乙30),平成25年α町一般会計・特別会計歳入歳出決算書(乙36)にそれぞれ記載があるが,いずれにも随意契約である旨の記載はなく,これらの文書が閲覧に供されたというだけでは,普通地方公共団体の住民が相当の注意力をもって調査を尽くしても客観的にみて監査請求をするに足りる程度に本件契約1及び本件契約2の存在又は内容を知ることができたということはできない。控訴人は,情報公開請求の結果,平成27年4月9日頃,平成24年度から平成26年度までのご 監査請求をするに足りる程度に本件契約1及び本件契約2の存在又は内容を知ることができたということはできない。控訴人は,情報公開請求の結果,平成27年4月9日頃,平成24年度から平成26年度までのごみ袋作製等業務に関する契約が随意契約の方法で締結されていたことを初めて知ったのであり,原判決のように決算書,入札結果書面等の複数の資料を照合すれば随意契約であることを推測することができたとして,地方自治法242条2項ただし書の「正当な理由」の存在を否定することは,住民監査請求制度の趣旨を損なうことになりかねない。なお,相当の注意力をもってする調査の範囲としては,情報公開請求をする契機となる特段の事情(新聞報道等)がない限り,情報公開請求をすることを含めることは相当ではない。決算書等の一般への閲覧開始をもって,住民が情報公開請求をする契機と解することは,結局,これらの資 - 5 - 料から「推測」することを住民が相当の注意力をもってすべき調査の範囲に含ませることにほかならず,普通地方公共団体の住民の一般的な調査能力を著しく高く設定することになり,住民監査請求制度の門戸を閉ざすことになるから,妥当ではない。 争点4(本件各契約の違法性),6(Aの不法行為責任の有無)及び8(Cの不法行為責任の有無)についてア審理不尽原判決は,本件契約1及び本件契約2に関し,いずれも監査請求期間徒過を理由に財務会計上の行為の違法性及びAの前記不法行為に基づく損害賠償請求権の行使を怠る事実について判断することなく,訴えを却下している。しかし,前記のとおり,本件監査請求には,地方自治法242条2項ただし書の「正当な理由」が認められる上,不法行為に基づく損害賠償請求権の行使を怠る事実については,そもそも同項の適用はないというべきであるから 記のとおり,本件監査請求には,地方自治法242条2項ただし書の「正当な理由」が認められる上,不法行為に基づく損害賠償請求権の行使を怠る事実については,そもそも同項の適用はないというべきであるから,原判決が,本件契約1及び本件契約2に関する本案判断をしなかったことは,審理不尽である。なお,本件追加請求部分についても,前記のとおり,出訴期間の制限を充足しているというべきであるから,本案判断をしなかった原判決には同様に審理不尽がある。 イ不法行為について本件各契約は,いずれも補助参加人,C,A,Bが共謀して,補助参加人の利益を図る目的で,地方自治法92条の2を潜脱して締結したものであり,α町に対する不法行為を構成する。 ウ地方自治法234条2項違反について 地方自治法施行令167条の2第1項2号の事由(以下「2号事由」という。)がないこと本件各契約は,いずれも,その性質は,物の製作及び役務に関する請負と委任の混合契約であり,性質上,競争入札に適さないものではない。 - 6 - また,契約の目的は,仕様書に従った一般家庭ごみ指定袋の作製,保管,配送業務であるが,ごみ袋という一般的な商品の作製等であり,契約の目的上,競争入札に適さないものではない。Aにおいて本件契約3及び本件変更契約につき2号事由があるとして随意契約の方法により契約を締結したことが裁量権の逸脱,濫用になることは,後記のとおりである。 地方自治法施行令167条の2第1項5号の事由(以下「5号事由」という。)がないことa 本件契約1についてα町には,平成24年4月25日頃にEから破産申立ての受任通知が送付されているが,この段階でも,α町は,Eを抜きにして例年どおり競争入札を行うことは可能であ とa 本件契約1についてα町には,平成24年4月25日頃にEから破産申立ての受任通知が送付されているが,この段階でも,α町は,Eを抜きにして例年どおり競争入札を行うことは可能であった。例年どおり本件ごみ袋作製等業務委託の入札及び契約事務等依頼の決裁を行っていれば,同年5月19日頃には入札執行が行われていたはずである。しかし,α町は,同年7月17日までの3か月間,入札事務を行うことなく,突如として,随意契約の方法で,本件契約1を締結した。したがって,本件契約1については,5号事由(緊急の必要により競争入札に付することができないとき)に該当する事情がない。 b 本件契約2並びに本件契約3及び本件変更契約について平成25年度・平成26年度においては,Eの破産というような事情はなく,本件契約2並びに本件契約3及び本件変更契約については,5号事由に該当する事情がない。 c 裁量権の逸脱,濫用について原判決は,本件契約3及び本件変更契約が随意契約の方法により締結されたことについて,合理的な裁量の範囲内であると判断しているが,以下のとおり,同判断は誤っており,裁量権の逸脱,濫用が認められるべきである。 - 7 - ⒜ 目的違反・動機の不正Aは,補助参加人,C,Bと共謀し,補助参加人の利益を図る目的で,地方自治法92条の2を潜脱して本件各契約を締結したのであるから,裁量権の逸脱,濫用がある。 ⒝ 重要な事実の誤認平成25年度・平成26年度において,入札参加資格申請の公募は,「物品(修繕を含む)・役務」について行われ,22事業者が入札参加資格者として登録されている。「役務提供(委託)/第1希望」「営業種目名町指定ごみ袋作 26年度において,入札参加資格申請の公募は,「物品(修繕を含む)・役務」について行われ,22事業者が入札参加資格者として登録されている。「役務提供(委託)/第1希望」「営業種目名町指定ごみ袋作製」としていたのがDだけだとしても,「営業種目名町指定ごみ袋作製」は希望にすぎないから,これにより他の事業者の「町指定ごみ袋作製」についての入札参加資格が制限されるわけではない。原判決が,平成25年度及び平成26年度の本件ごみ袋作製業務において,入札参加資格者がDのみであったことを前提としているのは重要な事実の誤認である。 平成26年度において町指定ごみ袋の在庫量が切迫していた事情は認められず,D以外の業者もごみ袋作製業務を円滑に実施することができると考えられることを踏まえると,Dと随意契約の方法による契約を締結したことがAの合理的な裁量の範囲内の行為であったということはできない。 ⒞ 調査義務違反地方自治法234条2項によれば,随意契約はあくまでも例外であるから,普通地方公共団体は,随意契約の方法による契約を締結する前に競争入札を行うよう努力する義務がある。前記のとおり,本件ごみ袋作製業務自体は,特殊な技術や経験を要する業務内容ではなく,平成25年度・平成26年度において,「物品(修繕を含む)・役務」について行われた入札参加資格申請の公募の結果,2 - 8 - 2業者が登録されていたのであるから,Aは,この22業者の中から,「町指定ごみ袋作製」について事業者を指名することが可能であるか否かを調査すべきであった。仮に「役務提供(委託)/第1~4希望」「営業種目名町指定ごみ袋作製」が入札参加資格を制限するものであったとしても,当該22事業者の中から第2以下の希望を追加するかどうかについて照会 きであった。仮に「役務提供(委託)/第1~4希望」「営業種目名町指定ごみ袋作製」が入札参加資格を制限するものであったとしても,当該22事業者の中から第2以下の希望を追加するかどうかについて照会し,働きかけるべきであり,又は過去の入札参加資格者に対し,入札参加資格の申請をするよう促すべきであった。Aにおいて,このように入札参加資格者数の確保の可能性を調査することなく,2号事由に該当すると判断したことは,調査義務に違反する。 次に,Aは,Dと補助参加人との関係についても何ら調査を行っておらず,著しい調査義務違反がある。 第三に,随意契約の方法を採用するにせよ,Dを契約の相手方に選ぶに当たって,α町契約規則に定められた相見積りの徴収すら行っておらず,価格の相当性に関する調査義務に違反している。 これらの調査義務違反の結果,Aによる2号事由該当性の判断は,重要な事実の基礎を欠き,又は社会通念上著しく妥当性を欠くものとなっているから,裁量権の逸脱,濫用がある。 エ本件各契約の無効本件各契約は,違法な財務会計上の行為として無効である。 また,A及びBは,補助参加人の利益を図る目的で,地方自治法92条の2を潜脱し,本件各契約の締結に及んだ。そして,契約の相手方である補助参加人及びこれに関与したCもその事実を認識していた。このようなAの判断は,裁量権の範囲を著しく逸脱し,又は裁量権を濫用するものであり,契約の相手方である補助参加人及びこれに関与したCもそれを認識していたのであるから,本件各契約を無効としなければ,地方自治法2条 - 9 - 14項,地方財政法4条1項の趣旨を没却する特段の事情が認められる。 したがって,本件各契約は私法上も無効であり,α町は,本件 ら,本件各契約を無効としなければ,地方自治法2条 - 9 - 14項,地方財政法4条1項の趣旨を没却する特段の事情が認められる。 したがって,本件各契約は私法上も無効であり,α町は,本件各契約に基づく委託料を受け取った補助参加人に対し不当利得返還請求権を有する。 第3 当裁判所の判断 1 判断の骨子当裁判所は,本件訴えのうち,被控訴人に対して原判決別紙請求目録記載1,2及び3の各請求(ただし,同目録記載1の請求については,当該業務委託契約の締結が地方自治法234条2項,地方自治法施行令167条の2第1項に違反することその他の財務会計上の行為の違法を理由とする請求部分に限る。)をすることを求める部分は不適法であり,控訴人のその余の請求はいずれも理由がないと判断する。その理由は,次のとおりである。 2 本案前の争点について認定事実認定事実は,原判決「事実及び理由」中,第3の1⑴(17頁25行目から20頁初行まで)記載のとおりであるから,これを引用する。 争点1(本件追加請求部分の適法性)についてア争点1に対する判断は,後記イのとおり,当審における控訴人の補充主張に対する判断を加えるほかは,原判決「事実及び理由」中,第3の1⑵(20頁2行目から21頁22行目まで)記載のとおりであるから,これを引用する。 イ当審における控訴人の補充主張に対する判断控訴人は,本件追加請求部分に係る訴えと本件当初請求部分に係る訴えとは訴訟物が同一であり,仮にそうでないとしても,本件追加請求部分に係る訴えが本件当初請求部分に係る訴えの時に提起されたと認めることができる特段の事情がある旨主張する。しかし,金員の支払の請求をすることを求める相手方が形式的にも実質的にも異なっている以上,両者の訴訟 本件当初請求部分に係る訴えの時に提起されたと認めることができる特段の事情がある旨主張する。しかし,金員の支払の請求をすることを求める相手方が形式的にも実質的にも異なっている以上,両者の訴訟 - 10 - 物が同一とはいえないことは明らかである。また,証拠(甲1)によれば,控訴人は,本件監査請求において,「D」はその所在地が補助参加人の自宅住所と一致しており,Cが補助参加人の息子であることから,実質的には補助参加人が営む業者である旨主張していることが認められる。したがって,控訴人は,本件訴訟提起時においても,同様の主張を前提として,補助参加人に対して金員の支払を請求することを求める請求と構成することは可能であったというべきであるから,本件当初請求部分のCに対して金員の支払の請求をすることを求める請求に,補助参加人に対して金員の支払の請求をすることを求める意思の表明を含んでいたと認めることはできない。したがって,控訴人の主張するような特段の事情も認めることはできず,控訴人の前記主張は採用することができない。 争点2(本件監査請求への地方自治法242条2項の適用の有無)についてア争点2に対する判断は,当審における控訴人の主張を踏まえ,後記イのとおり原判決を補正するほかは,原判決「事実及び理由」中,第3の1⑶(21頁23行目から23頁11行目まで)記載のとおりであるから,これを引用する。 イ原判決の補正22頁13行目の「α町長であるAの」から24行目末尾までを次のとおり改める。 「α町長であったAの財務会計上の行為(支出負担行為)である本件各契約が地方自治法234条2項,地方自治法施行令167条の2第1項に違反して違法であるとするものと,補助参加人,C,A,Bが共謀して,補助参加人の利益を図る目 計上の行為(支出負担行為)である本件各契約が地方自治法234条2項,地方自治法施行令167条の2第1項に違反して違法であるとするものと,補助参加人,C,A,Bが共謀して,補助参加人の利益を図る目的で,地方自治法92条の2を潜脱して締結したものであり,α町に対する不法行為に該当するというものであるが,前者の違法を理由とするAに対する損害賠償請求権の行使を怠る事実を対象と - 11 - する部分については,本件各契約が財務会計法規に違反して違法であるからこそ発生する実体法上の請求権であると解されるから,財務会計法規に違反する行為のあった日すなわち本件各契約の締結日を基準として地方自治法242条2項が適用される。そうすると,本件監査請求中,財務会計法規に違反して違法であることを理由とするAに対する本件契約1,本件契約2及び本件契約3に係る損害賠償請求権の不行使を対象とする請求部分については,同項本文の監査請求期間が経過していたものである。他方,後者の補助参加人,C,A,Bが共謀して,補助参加人の利益を図る目的で,地方自治法92条の2を潜脱して締結したものであり,α町に対する不法行為に該当することを理由とする部分については,監査委員が監査を遂げるためには,当該行為が不法行為法上違法の評価を受けるかどうか判断すれば足り,財務会計法規に違反して違法であるか否かの判断をしなければならない関係にはない。したがって,当該部分に係る監査請求について同法242条2項は適用されない。」 争点3(本件監査請求に係る地方自治法242条2項ただし書にいう正当な理由の有無)についてア争点3に対する判断は,後記イのとおり,当審における控訴人の補充主張に対する判断を加えるほかは,原判決「事実及び理由」中,第3の1⑷(23頁12行目から26 にいう正当な理由の有無)についてア争点3に対する判断は,後記イのとおり,当審における控訴人の補充主張に対する判断を加えるほかは,原判決「事実及び理由」中,第3の1⑷(23頁12行目から26頁6行目まで)記載のとおりであるから,これを引用する。 イ当審における控訴人の補充主張に対する判断原判決が説示するとおり,本件各契約については,ごみ袋作製に関して公金が支出されること及びその金額については,α町一般会計・特別会計歳入歳出決算書にそれぞれ記載があり,公共工事等の入札が行われた場合,入札の結果を記載した書面(入札結果書面)がファイルにつづられ,一般の閲覧に供されていたのであるから,相当の注意力をもって調査をすれば, - 12 - 当該ファイルを閲覧することにより,本件各契約について入札結果書面が作成されていないことを知り,随意契約の方法により本件各契約が締結されたことを推測することができるものと認められる。そして,さらに情報公開請求等をすることにより,住民監査請求をするに足りる程度に随意契約の存在及び内容を知ることができることは,控訴人の本件監査請求に至る経緯からも明らかである。 控訴人は,相当の注意力をもって行う調査の内容として,閲覧資料からの推測と情報公開請求を求めることは,住民に対し著しく高い調査能力を設定することになり,住民監査請求制度の趣旨に反する旨主張する。しかしながら,入札結果書面がない場合に随意契約の可能性を推測することは格別困難なことではなく,情報公開制度は,行政の保有する情報を公開し,行政の活動を住民に説明する責務を全うするために設けられた制度であるから,地方自治法242条2項ただし書の適用が問題となる場面において,住民が客観的にみて監査請求をするに足りる程度に対象となる行為の存在又は内 住民に説明する責務を全うするために設けられた制度であるから,地方自治法242条2項ただし書の適用が問題となる場面において,住民が客観的にみて監査請求をするに足りる程度に対象となる行為の存在又は内容を知ることができたかどうかを判断するに当たり,相当の注意力をもって行う調査の内容として情報公開請求を除外すべき理由はないというべきである。したがって,控訴人の前記主張は採用することができない。 小括以上によれば,本件追加請求部分に係る訴えは地方自治法242条の2第2項所定の出訴期間経過後に提起された不適法な訴えであり,本件当初請求部分に係る訴えのうち本件契約1及び本件契約2について財務会計法規に違反して違法であることを理由にAに対して金員の支払の請求をすることを求める部分は同法242条2項本文所定の住民監査請求期間経過後に同項ただし書の正当の理由なくされた監査請求を前提とする不適法な訴えであるから,いずれも却下を免れない。他方,本件訴えのうち,本件契約3及び本件変更契約の締結が財務会計法規に違反して違法であることを理由にAに対して金 - 13 - 員の支払の請求をすることを求める部分並びに本件各契約について,補助参加人,C,A,Bが共謀して,補助参加人の利益を図る目的で,地方自治法92条の2を潜脱して締結したものであり,α町に対する不法行為に該当することを理由にA及びCに対して金員の支払の請求をすることを求める部分は適法であるから,以下,これらの部分に関する限度で本案の争点について判断する。 3 本案の争点について 認定事実ア原判決の引用認定事実は,後記イのとおり原判決を補正するほかは,原判決「事実及び理由」中,第3の2⑴(26頁16行目から30頁2行目まで)記載のとおりであるから, 認定事実ア原判決の引用認定事実は,後記イのとおり原判決を補正するほかは,原判決「事実及び理由」中,第3の2⑴(26頁16行目から30頁2行目まで)記載のとおりであるから,これを引用する。 イ原判決の補正 27頁14行目の「預金口座に指定している。」の次に「同口座には補助参加人の議員報酬も振り込まれており,同口座の預金通帳やキャッシュカードはDの事務所に保管され,同口座がDに関する各種支払に用いられたほか,補助参加人の妻が同口座から補助参加人の生活費を引き出すこともあった。」を加え,15行目の「45」の次に「,丙9,10」を加える。 27頁17行目の「「D」としている。」の次に「なお,平成24年分及び平成25年分のCの所得税等の確定申告書Bに用いられた印鑑は,本件各契約の契約書のDのCの印鑑にも用いられていたほか,補助参加人のα町監査委員の職務においても使用された。」を加え,20行目の「丙1の1」の前に「甲44,」を加え,21行目の「丙2,3」の次に「,丙7の1及び2」を加える。 27頁21行目の末尾に改行の上,「Cは,平成30年3月14日, - 14 - F税務署に対し,平成28年12月31日に事業を廃止した旨の届出を提出した。平成29年1月1日以降,補助参加人がDの事業を継続している。(甲70,丙12の1から3まで,弁論の全趣旨)」を加える。 28頁23行目の「7月1日」の次に「,Gとの間で」を加える。 29頁2行目末尾に「Aが本件契約1を随意契約の方法で締結した理由は,Eの破産という予想外の事態が発生し,下請業者との関係やごみ指定袋に関する権利関係の確認等が必要になる中で,破産手続が長期化するなどした場合に,在庫の管理状況を把握す 意契約の方法で締結した理由は,Eの破産という予想外の事態が発生し,下請業者との関係やごみ指定袋に関する権利関係の確認等が必要になる中で,破産手続が長期化するなどした場合に,在庫の管理状況を把握することができないときは,在庫がないのと同じ状況になることから,速やかに一般家庭ごみ指定袋作製業務を業者に委託する必要があるが,入札手続を行う時間的余裕がなく納入実績がある町内業者であるDに委託するのが適切であると考えたからであった(甲11の1から3まで,乙5,6,17)」を加える。 29頁12行目の末尾に改行の上,次のとおり加える。 「 α町の入札参加資格審査申請においては,入札参加資格審査を希望する者に,入札参加申請要領【物品(修繕含む)・役務等】の「物品区分・分類表」,「役務等区分・分類表」に従い,その希望する分類名を物品については第1から第3まで,役務等については第1から第4まで記載させ,入札参加資格はこの分類名毎に入札参加資格者名簿に登録して認めることとしている。平成21・22年度入札参加資格審査申請要領【物品(修繕含む)・役務等】において,「町指定ごみ袋」については,物品の「日用品」の区分として新規に分類項目が作成されていたが,平成23・24年度入札参加資格審査申請要領【物品(修繕含む)・役務等】においては,「町指定ごみ袋」の分類項目が「日用品」の区分からは削除され,新たに役務等の「印刷製本及び作製業務」の区分として「町指定ごみ袋作製」に分類項目が設けられた。平成25・26年度入札参加資格審査申請要領【物品(修繕含む)・役務等】においても「町 - 15 - 指定ごみ袋作製」の分類項目は同様であった。(乙19から21まで,38,40)平成21・22年度において「町指定ごみ袋」を第一希望と ・役務等】においても「町 - 15 - 指定ごみ袋作製」の分類項目は同様であった。(乙19から21まで,38,40)平成21・22年度において「町指定ごみ袋」を第一希望とし,入札参加資格者名簿に登録された業者は4社,平成23・24年度において同様に「町指定ごみ袋作製」について入札参加資格者名簿に登録された業者は5社であった(いずれもEを含む。)。(甲4の2)」⑵ 争点4(本件各契約の違法性)についてア地方自治法234条2項及び92条の2違反の有無争点4に対する判断は,後記イのとおり原判決を補正し,後記ウにおいて当審における控訴人の補充主張に対する判断を加えるほかは,原判決「事実及び理由」中,第3の2第⑵(30頁3行目から35頁9行目まで)記載のとおりであるから,これを引用する。 イ原判決の補正 34頁4行目の「そうすると」から8行目末尾までを削除する。 34頁9行目の「すなわち,一方において」を「確かに,本件において」に改める。 34頁15行目の「しかしながら」から35頁9行目末尾までを次のとおり改める。 「さらに,⑤前記補助参加人名義の預金口座には補助参加人の議員報酬も振り込まれており,同口座の預金通帳やキャッシュカードはDの事務所に保管され,同口座からはDに関する各種支払のみならず補助参加人の生活費が引き出されることがあったことや,⑥Cの所得税等の確定申告書Bに用いられた印鑑が,補助参加人のα町監査委員の職務においても使用されていたこと,⑦Cは平成28年末に事業を廃止した旨の届出をしているが,平成29年1月1日以降,補助参加人がDの事業を継続していることを考慮すると,Dが対外的にCの名義で事業を行っていた - 16 - と,⑦Cは平成28年末に事業を廃止した旨の届出をしているが,平成29年1月1日以降,補助参加人がDの事業を継続していることを考慮すると,Dが対外的にCの名義で事業を行っていた - 16 - としても,補助参加人がα町の議員になった後は事業に全く関与していなかったとは考えられず,むしろ,実質的には補助参加人がDを経営していたことが推認される。したがって,α町がDを屋号とするCとの間で本件各契約を締結したことは,形式的にみれば地方自治法92条の2に違反するものではなかったとしても,実質的には同条に違反し,少なくとも,同条の趣旨には反するものであったと解する余地がある。 しかしながら,前記のとおり,地方自治法92条の2の規定は議員としての公正な職務の執行や議会の公正な運営を確保するため,いわば一般予防的な見地から,議員の身分保持の要件を定めたものであって,同条に該当することにより,直ちに地方公共団体の財務会計上の利益その他の財産上の利益が侵害されることになるわけではない。同条に該当する場合の効果として法定されているのは,当該議員の失職であり,同法127条1項によれば,同法92条の2の規定に該当するか否かは,当該議員の属する議会が決定することとされている。同条の「請負」に当たる行為が当然に無効になったり,違法になったりするという法的効果が発生することを定めた規定や,当該法定効果の発生を前提とした規定は見当たらない。 したがって,地方自治法92条の2の規定又はその趣旨に違反する行為がされたというだけで,当然に不法行為が成立するということはできず,本件各契約の締結行為が不法行為となるかどうかは,具体的な行為の内容に即して検討する必要がある。 しかるところ,前記補正の上引用した原判決の認定事実のとおり,A 法行為が成立するということはできず,本件各契約の締結行為が不法行為となるかどうかは,具体的な行為の内容に即して検討する必要がある。 しかるところ,前記補正の上引用した原判決の認定事実のとおり,Aは,平成24年度においては,Eの破産という予想外の事態を踏まえ,一般家庭内ごみ指定袋の作製を速やかに行う必要があると考えて納入実績のある町内業者であるDを相手方として本件契約1を締結したのであり,平成25年度及び平成26年度においては,入札参加資格者名簿に - 17 - 登録されていたのがDのみであったことから,本件契約2並びに本件契約3及び本件変更契約を締結したことが認められる。控訴人は,本件契約1については,入札手続を行う時間的余裕があった上,Dのみが適格性のある業者ではなかったこと,本件契約2及び本件契約3についてはD以外の業者も入札参加資格があったことなどを縷々指摘するが,前記のとおり,本件監査請求中,本件契約1及び本件契約2に係る財務会計上の行為の違法を理由とする損害賠償請求権の不行使を対象とする部分は地方自治法242条2項所定の監査請求期間が経過していたことが認められ,控訴人が指摘する点はいずれも財務会計法規違反の問題であるから,本件契約1及び本件契約2に関する限り,本件訴訟において,被控訴人に対し,控訴人が指摘する財務会計法規違反を理由にAらに対する金員の支払請求をすることを求めることはできない。また,この点を措き,不法行為法上の違法評価を検討したとしても,本件各契約が締結された当時の状況を踏まえると,AやBにおいて随意契約の方法により本件各契約を締結することが相当であると判断したことには相応の根拠があったことが認められる一方,控訴人が主張するように補助参加人,C,A,Bらが共謀の上,補助参加人の利益を図る目的 契約の方法により本件各契約を締結することが相当であると判断したことには相応の根拠があったことが認められる一方,控訴人が主張するように補助参加人,C,A,Bらが共謀の上,補助参加人の利益を図る目的で本件各契約を締結したことを認めるに足りる的確な証拠はないから,結局,控訴人が主張する不法行為の成立は認められないというべきである。」ウ当審における控訴人の補充主張に対する判断 審理不尽について本件契約1及び本件契約2に関する不法行為に基づく損害賠償請求権の行使を怠る事実については,控訴人の主張するとおり,地方自治法242条2項の適用はないと解すべきこと,他方,本件契約1及び本件契約2について財務会計法規に違反したことを理由とする請求部分については,同項の適用があり,同項ただし書の正当な理由も認められないこ - 18 - とは,前記争点2及び争点3についての判断で説示したとおりである。 その他,本件追加請求部分についての判断は,前記争点1についての判断のとおりである。 不法行為について控訴人は,補助参加人,C,A,Bが共謀して,補助参加人の利益を図る目的で,地方自治法92条の2を潜脱して本件各契約を締結した旨主張するが,前記補正の上引用した原判決のとおり,これを認めるに足りる証拠はないから,控訴人の主張は採用することができない。 地方自治法234条2項違反について前記のとおり,本件契約1及び本件契約2については,本件監査請求は,地方自治法242条2項の監査請求期間を徒過しており,同項ただし書の正当な理由も認められないから,本件訴訟において,地方自治法234条2項その他の財務会計法規違反の有無を検討する必要があるのは,本件契約3及び本件変更契約である 求期間を徒過しており,同項ただし書の正当な理由も認められないから,本件訴訟において,地方自治法234条2項その他の財務会計法規違反の有無を検討する必要があるのは,本件契約3及び本件変更契約である。 控訴人は,平成25年度・平成26年度における入札参加資格申請について,公募は,「物品(修繕を含む)・役務」について行われ,「役務提供(委託)/第1希望」「営業種目名町指定ごみ袋作製」としているのは,Dだけであるが,入札参加資格申請の公募自体は「物品(修繕含む)・役務」について行われ,「営業種目名町指定ごみ袋作製」は希望にすぎないのであり,入札参加資格を制限するものと解するのは相当ではない旨主張する。しかし,証拠(乙11)によれば,役務等の区分においても,「印刷製本及び作製業務」,「レンタルリース」,「役務サービス」,「設備・保守点検・修理」,「清掃等」,「警備」,「管理業務等」,「運搬請負」等,その業種は多岐にわたる上,「印刷製本及び作製業務」の区分においても,「町指定ごみ袋作製」のほかに「活版印刷(冊子・伝票等)」,「オフセット印刷(カラーもの)」,「フ - 19 - ォーム印刷(一般)」,「フォーム印刷(OCR・シーラー)」,「軽オフセット(資料等)」,「封筒印刷」,「シール・ラベル印刷」,「地図印刷」,「青写真・マイクロフィルム」,「航空写真」に分類されていることが認められるから,「印刷製本及び作製業務」を希望する業者であっても,必ずしも「町指定ごみ袋作製」の履行能力があるとは限らないし,入札手続を可能にすることだけを目的に当該業務を希望しない業者にも入札参加資格を認めることの実効性にも疑問がある。したがって,α町が分類名毎に入札資格及び指名を受けようとした者を入札参加資格者名簿に登録し,当該分類名について登録 的に当該業務を希望しない業者にも入札参加資格を認めることの実効性にも疑問がある。したがって,α町が分類名毎に入札資格及び指名を受けようとした者を入札参加資格者名簿に登録し,当該分類名について登録された者に入札参加資格を認めることにしている取扱い(乙40)が不合理であるということはできない。したがって,この点の控訴人の主張は採用することができない。 調査義務違反について控訴人は,平成25年度・平成26年度において,入札参加資格申請について公募の結果,「物品(修繕を含む)・役務」について行われ,入札参加資格者として22業者あったのであるから,この22業者の中から,「町指定ごみ袋作製」について事業者を指名することが可能であるか調査すべきであった旨主張する。確かに,可能な限り,入札手続を原則とする法の趣旨に沿うように契約手続を行うよう努力することは望ましいということはできるが,財務会計法規違反に係る違法性の問題としては,前記のとおり,役務について入札参加資格者として全体で22業者があったとしても,その業種は多岐にわたる上,入札参加資格審査申請の際に入札参加希望がなかった業務について,改めてα町が各業者に対し参加希望の有無を確認しない限り,随意契約の方法による契約を締結することが許されないとまでは解することはできない。 また,控訴人は,Aは,Dと補助参加人との関係についても何ら調査 - 20 - を行っておらず,著しい調査義務違反があるとも主張する。しかしながら,前記のとおり,議員の失職要件としての地方自治法92条の2の規定に該当するか否かは,制度上,議会の決定に委ねられている問題であり,同条違反により契約の無効や違法という効果が発生するわけではない。同条は,財務会計上の観点から「請負」に当たる行 法92条の2の規定に該当するか否かは,制度上,議会の決定に委ねられている問題であり,同条違反により契約の無効や違法という効果が発生するわけではない。同条は,財務会計上の観点から「請負」に当たる行為を規制するものではないから,Cがα町から受注した業務に係る金員の振込先を補助参加人の口座に指定していることや,同口座に補助参加人の議員報酬も振り込まれていることなどの事情が窺われたとしても,Aにおいて,平成25年度及び平成26年度指定ごみ袋作製業務について,入札参加資格者名簿に登録されていたのがDのみであり,ごみ袋作製業務を業者に委託する必要があった状況下で,Dとの間で随意契約の方法により本件契約3及び本件変更契約を締結する必要があると判断したことが,2号事由の該当性判断について契約担当者に認められる裁量権の逸脱,濫用に該当するということはできない。 さらに,控訴人は,随意契約の方法を採用するにせよ,Dを契約の相手方に選ぶに当たって,α町契約規則に定められた相見積りの徴収すら行っておらず,価格の相当性に関する調査義務に違反している旨主張するが,前記のとおり,平成25年度・平成26年度においては,入札参加資格者名簿にはDのみしか登録されていない状況下で他業者から相見積りを徴取しなかったからといって,裁量権の逸脱,濫用があったということはできないから,控訴人の主張は採用することができない。 ⑶ 争点6(Aの不法行為責任の有無)についてア前記⑵で説示したとおり,本件契約3及び本件変更契約について,地方自治法234条2項及び92条の2に違反して違法であるということができないから,その余の点を判断するまでもなく,Aが地方自治法234条2項及び92条の2に違反して違法であることを理由とする損害賠償責任 - 21 - に違反して違法であるということができないから,その余の点を判断するまでもなく,Aが地方自治法234条2項及び92条の2に違反して違法であることを理由とする損害賠償責任 - 21 - を負うことはない。 イまた,Aが,補助参加人,C及びBと共謀して,補助参加人の利益を図る目的で本件各契約を締結したことを認めるに足りる証拠がないことは,前記のとおりである。したがって,その余の点について判断するまでもなく,不法行為に関する控訴人の主張は理由がない。 ⑷ 争点8(Cの不法行為責任の有無)について前記⑶のとおり,Cが補助参加人,A及びBと共謀して本件各契約の締結に係る不法行為を行った事実を認めることはできないから,その余の点について判断するまでもなく,控訴人の主張は理由がない。 第4 結論よって,本件契約1及び本件契約2についてAに対して金員の支払の請求をすることを求める部分については,地方自治法234条2項,地方自治法施行令167条の2第1項に違反することその他の財務会計上の行為の違法を理由とする部分を除き,いずれも棄却すべきところ,同部分を却下した原判決は相当ではないから,その限度で原判決を変更することとし,主文のとおり判決する。 大阪高等裁判所第2民事部 裁判長裁判官清水響 裁判官佐 々 木愛彦 裁判官倉地真寿美は転補のため署名押印することができない。 - 22 - 裁判長裁判官清水響 裁判長 裁判官清水響
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