平成31年3月28日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成28年(ワ)第21762号特許権侵害差止等請求事件(第1事件)平成29年(ワ)第21804号特許権侵害差止請求事件(第2事件)平成30年(ワ)第24431号特許権侵害に基づく損害賠償請求事件(第3事件) 口頭弁論終結日平成30年12月6日判決 当事者の表示別紙当事者目録記載のとおり 主文 1 被告ソニー及び被告SSMMは,原告に対し,連帯して465万085 5円及びこれに対する平成29年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告らは,原告に対し,連帯して685万7730円,及びうち613万1730円に対する平成29年10月1日から,うち72万6000円に対する平成30年6月22日から,各支払済みまで年5分の割合による 金員を支払え。 3 被告ソニー及び被告SSMMは,原告に対し,連帯して4644万7500円及びこれに対する平成29年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 4 被告らは,原告に対し,連帯して1億3301万1450円,及びうち 5463万9750円に対する平成30年10月1日から,うち7837万1700円に対する平成30年6月22日から,各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 5 原告のその余の請求を棄却する。 6 訴訟費用は,第1事件ないし第3事件を通じてこれを7分し,その6を 原告の負担とし,その余を被告らの負担とする。 7 この判決は,第1項ないし第4項に限り,仮に執行することができる。 事実 及び理由第1 請求(第1事件・第2事件) 1 被告ソニーは,別紙方法目 被告らの負担とする。 7 この判決は,第1項ないし第4項に限り,仮に執行することができる。 事実 及び理由第1 請求(第1事件・第2事件) 1 被告ソニーは,別紙方法目録記載の方法で,別紙物件目録1記載のデータカ ートリッジを製造してはならない。 2 被告ソニーは,別紙方法目録記載の方法で製造した別紙物件目録1記載のデータカートリッジを販売し,輸出し又は販売の申出をしてはならない。 3 被告SSMMは,別紙方法目録記載の方法で,別紙物件目録1記載のデータカートリッジを製造し,販売し又は販売の申出をしてはならない。 4 被告SSMSは,別紙方法目録記載の方法で製造した別紙物件目録1記載のデータカートリッジを販売し,輸出し又は販売の申出をしてはならない。 5 被告らは,別紙方法目録記載の方法で製造した別紙物件目録1記載のデータカートリッジ及びその半製品を廃棄し,それらの製造に用いる設備を除却せよ。 6 被告ソニー及び被告SSMMは,原告に対し,連帯して1億9360万円及 びこれに対する平成29年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 7 被告らは,原告に対し,連帯して2640万円,及びうち825万円に対する平成29年10月1日から,うち1815万円に対する平成30年6月22日から,各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (第3事件) 8 被告ソニー及び被告SSMMは,原告に対し,連帯して3億3000万円及びこれに対する平成29年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 9 被告らは,原告に対し,連帯して3億7124万3400円,及びうち2億 1450万円に対する平成30年10月1日から,うち1億5674万340 0円に対す による金員を支払え。 9 被告らは,原告に対し,連帯して3億7124万3400円,及びうち2億 1450万円に対する平成30年10月1日から,うち1億5674万340 0円に対する平成30年6月22日から,各支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要第1事件・第2事件は,発明の名称を「磁気テープおよびその製造方法,サーボライタ,ならびにサーボバンドの識別方法および装置」とする特許権を有する 原告が,被告ら(以下,単に「被告」と表記することもある。)による別紙物件目録1記載のデータカートリッジ(以下「被告自社製品」という。)の製造・販売等が原告の上記特許権を侵害すると主張して,①被告らに対し,特許法100条1項に基づく被告自社製品の製造・販売等の差止めを,②被告らに対し,特許法100条2項に基づく被告自社製品及びその半製品の廃棄並びに製造設備の除 却を,③被告ソニー及び被告SSMMに対し,民法709条及び特許法102条2項に基づく損害賠償金1億9360万円(2億2000万円の内金)及びこれに対する平成29年4月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を,④被告らに対し,民法709条,特許法102条2項に基づく損害賠償金2640万円(2億4200万円の内金),及びうち825万 円に対する平成29年10月1日から,うち1815万円に対する平成30年6月22日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める事案である。 第3事件は,上記特許権を有する原告が,被告らによる別紙物件目録2記載のデータカートリッジ(以下「被告OEM製品」といい,被告自社製品と併せて「被 告製品」という。)の製造・販売等が原告の上記特許権を侵害すると 許権を有する原告が,被告らによる別紙物件目録2記載のデータカートリッジ(以下「被告OEM製品」といい,被告自社製品と併せて「被 告製品」という。)の製造・販売等が原告の上記特許権を侵害すると主張して,①被告ソニー及び被告SSMMに対し,民法709条及び特許法102条2項に基づく損害賠償金3億3000万円(15億4825万円の内金)及びこれに対する平成29年4月1日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を,②被告らに対し,民法709条,特許法102条2項に基づ く損害賠償金3億7124万3400円(44億3371万5000円の内金), 及びうち2億1450万円に対する平成30年10月1日から,うち1億5674万3400円に対する平成30年6月22日から各支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める事案である。 1 前提事実(証拠(枝番を付さないものは全ての枝番を含む。以下同じ。)を掲げない事実は当事者間に争いがない。) (1) 当事者原告及び被告らは,データカートリッジの製造,販売等を業とする株式会社である。 (2) 原告の特許権原告は,次の特許権(以下「本件特許権」といい,この特許を「本件特許」 といい,本件特許の願書に添付した明細書を「本件明細書」という。)を有している。 ア特許番号特許第4157412号イ発明の名称磁気テープおよびその製造方法,サーボライタ,ならびにサーボバンドの識別方法および装置 ウ出願日平成15年4月15日エ登録日:平成20年7月18日(3) 特許請求の範囲の記載本件特許の願書に添付した特許請求の範囲の請求項1及び請求項6の記載は,それぞれ本判決添付の本件特許に係る特許公報の該当項記 5日エ登録日:平成20年7月18日(3) 特許請求の範囲の記載本件特許の願書に添付した特許請求の範囲の請求項1及び請求項6の記載は,それぞれ本判決添付の本件特許に係る特許公報の該当項記載のとおりで ある(以下,本件特許の請求項1に係る発明を「請求項1発明」と,同請求項6に係る発明を「本件発明」という。)。なお,原告は,被告らによる本件特許権の侵害として,具体的には,本件発明の実施を主張している。 (4) 構成要件の分説本件発明を構成要件に分説すると,次のとおりである(以下,分説した構 成要件をそれぞれの符号に従い「構成要件A-1」のようにいう。)。なお, 請求項1発明を構成要件に分説すると,構成要件A-1ないしA-3のとおりである。 A-1 磁気ヘッドのトラッキング制御をするためのサーボ信号が複数のサーボバンド上にそれぞれ書き込まれた磁気テープであって,A-2 各サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号に,複数のサーボ バンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータがそれぞれ埋め込まれ,A-3 前記各サーボ信号は,一つのパターンが非平行な縞からなり,各データは,前記縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことにより前記各サーボ信号中に埋め込まれ ていることを特徴とする磁気テープA-4 の製造方法であって,B サーボバンドを特定するためのデータをエンコードする第一工程と,C 第一工程でエンコードしたデータを記録パルス電流に変換する第 二工程と,D 前記記録パルス電流をサーボ信号書込ヘッドに供給して,磁気テープの所定のサーボバンドに所定のエンコードされたデータが埋め込まれたサーボ信号を書き込む第三工程と, する第 二工程と,D 前記記録パルス電流をサーボ信号書込ヘッドに供給して,磁気テープの所定のサーボバンドに所定のエンコードされたデータが埋め込まれたサーボ信号を書き込む第三工程と,E を有することを特徴とする磁気テープの製造方法。 (5) 被告らの行為ア ●(省略)●(以下「本件期間①」という。)被告SSMM(平成29年4月1日に商号変更する前はソニーストレージメディア・アンド・デバイス株式会社。)は,被告製品を製造してこれを被告ソニーに販売し,被告ソニーは,被告製品を販売,輸出していた。 イ ●(省略)●(以下「本件期間②」という。) 被告SSMMは,被告製品を製造してこれを被告SSMSに販売し,被告SSMSは,被告製品を被告ソニーに販売し,被告ソニーは,被告製品を販売,輸出していた。 ウ ●(省略)●(以下「本件期間③」という。)被告SSMMは,被告製品を製造してこれを被告SSMSに販売し,被 告SSMSは,被告製品を販売,輸出していた。 (6) 被告製造方法の構成被告製品の製造方法(以下「被告製造方法」という。)の構成について,原告は,以下のとおり主張するのに対し,被告は,その一部(bないしd)を否認する。 a-1 磁気ヘッドが位置しているサーボバンドを特定するためのサーボ信号が複数のサーボバンド上にそれぞれ記録された磁気テープカートリッジであって,a-2 各サーボバンド内に記録された各サーボ信号に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定する ためのサーボバンドIDがそれぞれ埋め込まれ,a-3 前記各サーボ信号において,サブフレーム1は,非平行なバーストA及びバーストBからなり,各サーボバンドIDは,前記バ ボバンドを特定する ためのサーボバンドIDがそれぞれ埋め込まれ,a-3 前記各サーボ信号において,サブフレーム1は,非平行なバーストA及びバーストBからなり,各サーボバンドIDは,前記バーストA及びバーストBを構成する磁気ストライプの位置を,サーボバンド毎に磁気テープの長手方向にずらすことにより前記各サ ーボ信号中に埋め込まれていることを特徴とする磁気テープカートリッジa-4 の製造方法であって,b サーボバンドを特定するためのサーボバンドIDをエンコードする第一工程と, c 第一工程でエンコードしたサーボバンドIDを記録パルス電流に 変換する第二工程と,d 前記記録パルス電流を記録ヘッドに供給して,磁気テープの所定のサーボバンドに所定のエンコードされたサーボバンドIDが埋め込まれたサーボ信号を記録する第三工程と,e を有することを特徴とする磁気テープカートリッジの製造方法。 (7) LTO-7規格及びAP-75契約LTO-7規格(LTOUltrium 7)は,Hewlett-PackardLimited,InternationalBusinessMachinesCorporation(IBM)及びQuantumCorporation(以下,三社を併せて「TPCs」(「TechnologyProviderCompanies」の略)という。)によって2015年(平成27年)に策定されたデータカ ートリッジの標準規格である。FSP(「規格仕様参加者」を意味する。「FormatSpecificationparticipant」の略。)がTPCsとの間で締結する特許ライセンス契約は,●(省略)●との表題が付された定型の契約書により締結される(以下 する。「FormatSpecificationparticipant」の略。)がTPCsとの間で締結する特許ライセンス契約は,●(省略)●との表題が付された定型の契約書により締結される(以下「AP-75契約」という。)。 原告は,●(省略)●TPCsとの間で,AP-75契約を締結した(以 下「原告AP-75契約」という。)。 一方,被告ソニーは,●(省略)●TPCsとの間で,AP-75契約を締結した(以下「被告AP-75契約」という。)(乙1)。被告製品は,LTO-7規格に準拠している。 (8) 管轄合意等 原告AP-75契約11条11項には,●(省略)●旨の定めがある(以下「本件管轄合意」という。)。 なお,原告AP-75契約8条2項には,●(省略)●規定し,●(省略)●と規定する。(乙1,弁論の全趣旨) 2 争点 (1) 国際裁判管轄があるか(争点1) (2) 被告製造方法は本件発明の技術的範囲に属するか(争点2)なお,構成要件A-1ないしA-4及びEの充足性については当事者間に争いがない。 ア構成要件Bの充足性(争点2-1)イ構成要件C及びDの充足性(争点2-2) ウ構成要件Bに係る均等侵害の成否(争点2-3)(3) 本件特許に無効理由(本件発明の新規性ないし進歩性欠如)があるか(争点3)なお,各乙A号証に基づく主張(ア(エ)ないし(コ)及びイ)は第3事件のみ。 また,以下では,公知文献に記載された発明を当該文献の書証番号を付して 例えば「乙14発明」のようにいう。 ア請求項1発明の新規性ないし進歩性欠如((ァ)ないし(コ))に基づく本件発明の進歩性欠如(争点3-1)(ア) 乙14を主引用例とした進歩性欠如(争点3-1-1)(イ) 乙16を主引 う。 ア請求項1発明の新規性ないし進歩性欠如((ァ)ないし(コ))に基づく本件発明の進歩性欠如(争点3-1)(ア) 乙14を主引用例とした進歩性欠如(争点3-1-1)(イ) 乙16を主引用例とした進歩性欠如(争点3-1-2) (ウ) 乙15を主引用例とした進歩性欠如(争点3-1-3)(エ) 乙A1を主引用例とした進歩性欠如(争点3-1-4)(オ) 乙A2に基づく新規性欠如(争点3-1-5)(カ) 乙A2を主引用例とした進歩性欠如(争点3-1-6)(キ) 乙A3に基づく新規性欠如(争点3-1-7) (ク) 乙A3を主引用例とした進歩性欠如(争点3-1-8)(ケ) 乙A5を主引用例とした進歩性欠如(争点3-1-9)(コ) 乙A27を主引用例とした進歩性欠如(争点3-1-10)イ乙A2ないし乙A3に基づく本件発明の新規性ないし進歩性欠如(争点3-2) (4) 本件特許の請求項6は●(省略)●に当たるか(権利濫用の成否)(争点4)(5) 被告らに共同不法行為が成立するか(争点5)(6) 損害の有無及び額(争点6) 3 争点に関する当事者の主張 (1) 争点1(国際裁判管轄があるか)について(原告の主張)ア本件訴えに係る原告の請求は,本件特許権の侵害に基づく差止請求及び不法行為に基づく損害賠償請求であるところ,わが国の民事訴訟法3条の2第3項(被告の所在地),3条の3第8号(不法行為地)に基づき,日 本の裁判所は当然に本件訴えにつき裁判管轄を有する。以下のとおり,原被告間に管轄合意は存在しておらず,また,本件紛争に原告AP-75契約に記載された本件管轄合意が適用される余地もなく,これらに関する被告の主張は失当である。 イまず,被告は原告AP-75契 ,原被告間に管轄合意は存在しておらず,また,本件紛争に原告AP-75契約に記載された本件管轄合意が適用される余地もなく,これらに関する被告の主張は失当である。 イまず,被告は原告AP-75契約の締結当事者ではなく,同契約11条 11項において管轄合意をした●(省略)●ではないから,原被告間には管轄の合意が存在しない。したがって,被告に対する本件訴えに係る紛争について,原告が本件管轄合意による拘束を受ける余地はない。このことのみをもってして,被告の主張は失当である。 被告が根拠として挙げる民法539条は管轄合意とは全く関係のない条 文である。また,被告が主張する●(省略)●の確立した判例法は存在しない。●(省略)●法下の判例によれば,契約の「第三者受益者」は,契約に定められた全ての合意事項を行使できるわけではなく,あくまで,契約の当事者が明確に(specifically)意図した範囲内において,権利を行使し又利益を享受しうるにすぎない。しかも,●(省略)●法下での契約 解釈においては,契約の一部の箇所で用いられた用語が,他の箇所におい て用いられていない場合,当該他の箇所では,当該用語は意図的に排除されたものとして理解されなければならない。この点,原告AP-75契約において,●(省略)●ところ,8条2項は●(省略)●を同項に●(省略)●管轄合意条項である11条11項には,●(省略)●むしろ,●(省略)●このような8条2項と11条11項の記載の相違からすれば,原告 AP-75契約の当事者が,11条11項の管轄合意条項が●(省略)●とは到底理解できず,むしろ,原告AP-75契約において,11条11項は,●(省略)●であり,●(省略)●と理解すべきである。したがって,被告は,原告AP-75契約の管轄合 轄合意条項が●(省略)●とは到底理解できず,むしろ,原告AP-75契約において,11条11項は,●(省略)●であり,●(省略)●と理解すべきである。したがって,被告は,原告AP-75契約の管轄合意条項による拘束を原告に対して主張することはできない。 以上より,「第三者受益者」であることを理由とする被告の主張には理由がない。 ウさらに,本件管轄合意が適用対象とする請求は,●(省略)●すなわち,●(省略)●を意味することは,その文言上明らかである。したがって,各国の知的財産権の侵害に基づく差止請求や不法行為に基づく損害賠償請 求は,●(省略)●にも該当しないから,TPCsに対する請求であったとしても,本件管轄合意が適用対象とする請求に含まれない。本件において被告が主張している,規格参加者(FSP)による,TPCsとの間で契約を締結した他のFSPに対する知的財産権の侵害に基づく差止請求や不法行為に基づく損害賠償請求がこれに含まれないことは,一層明らかで ある。上記文言を以上のとおり解すべきことは,契約当事者の合理的意思にも合致する。 被告の主張は,●(省略)●法下ないし連邦法下の判例に照らしても,明らかに不合理な結論を招く。すなわち,●(省略)●法において,契約は,「commerciallyunreasonable」(商業上不合理に)に解釈されてはな らず,また,当事者の合理的な期待に反する結果となる解釈を行ってはな らないとされているところ,連邦巡回区控訴裁判所(以下「CAFC」という。)の判決によれば,日本の特許権の侵害の成否について,米国の地方裁判所が判断することはできないから,日本の特許権の侵害訴訟が●(省略)●裁判所を専属管轄とする管轄合意条項の対象となるという解釈は明らかに不合理 れば,日本の特許権の侵害の成否について,米国の地方裁判所が判断することはできないから,日本の特許権の侵害訴訟が●(省略)●裁判所を専属管轄とする管轄合意条項の対象となるという解釈は明らかに不合理であるし,日本の特許権の日本における侵害行為に対する訴 訟について,日本の裁判所による審理判断を受けられないと解することは,当事者の合理的な期待に反する結果となる。被告がその主張の根拠として挙げるCAFCの判決は本件とは事案が異なり,普遍的な判断ではない。 エさらに,被告は,被告が●(省略)●の裁判所に訴訟を提起したことを理由に,日本の裁判所は本件訴えについて国際裁判管轄を有しないという べきであると主張するが,本件訴えに係る請求は,本件管轄合意の対象ではないから,●(省略)●の裁判所は国際裁判管轄を有さず,国際訴訟競合の問題は生じないし,仮に,●(省略)●の裁判所が何らかの理由で裁判管轄を肯定するとしても,本件訴えに係る原告の請求は日本の裁判所が最も適切な判断をなしうるものであり,却下されるべきは被告が提訴した ●(省略)●の訴訟であって,本件訴えが却下されるべきことにはならない。 (被告らの主張)ア本件訴えに係る原告の各請求については,●(省略)●に所在する裁判所の管轄に専属的に服する旨の合意が存在する。したがって,日本の裁判 所は,本件訴えについて国際裁判管轄を有しないから,本件訴えは却下されるべきである。その理由は,以下のとおりである。 イ本件管轄合意条項が被告にも及ぶこと被告は,原告AP-75契約の当事者ではない。しかしながら,被告は●(省略)●として,原告AP-75契約の8条2項に規定する●(省略) ●に該当し,契約上,●(省略)●と規定されている。これは,日本法上 の「第三 者ではない。しかしながら,被告は●(省略)●として,原告AP-75契約の8条2項に規定する●(省略) ●に該当し,契約上,●(省略)●と規定されている。これは,日本法上 の「第三者のためにする契約」(民法537条)における受益者の地位に相当するものであると解される。他方,第三者のためにする契約において,当事者間の紛争について管轄合意が存在する場合,受益の意思表示をした受益者と,当該受益者に対して債務を負う諾約者との間の紛争にも,原則として当該管轄合意が適用されると解すべきである。このことは,民法5 39条において,諾約者は要約者に対する契約上の抗弁をもって受益者に対抗することができると規定されていることからも明らかである。 また,原告AP-75契約の準拠法である●(省略)●法上も,第三者受益者は管轄合意に基づく管轄違いの抗弁を主張することができるとされている。すなわち,●(省略)●の確立した判例法によれば,①当該第三 者が,当該契約の第三者受益者(third-partybeneficiary)である場合,②当該第三者が,グローバルな取引(globaltransaction)の当事者であり,当該契約が当該取引の一部であり,かつ,それらの契約が,同一の時期に,同一の当事者間で,又は同一の目的のために,締結されたものである場合には,契約当事者でない第三者は,当該契約における管轄合意条項 を行使することができるとされているところ,本件は,上記①及び②の場合に該当する。 ウ原告の各請求は,原告AP-75契約から生じ,又はこれに関連する請求であること被告は,本件発明が,LTO-7規格に準拠する上で必ず実施する必要 があるものであることを自認するものではないが,仮に,請求項6が●(省略)●に該当 生じ,又はこれに関連する請求であること被告は,本件発明が,LTO-7規格に準拠する上で必ず実施する必要 があるものであることを自認するものではないが,仮に,請求項6が●(省略)●に該当するものであるとすると,原告は,原告AP-75契約に基づき,被告に対して●(省略)●ことになる。そして,被告は●(省略)●から,通常実施権の抗弁ないし権利濫用の抗弁が成立し,原告の請求は棄却を免れない。ところで,●(省略)●の文言は,AP-75契約に登 場する契約文言であり,その文言解釈は,原告AP-75契約の解釈の問 題である。そして,原告AP-75契約11条11項は,●(省略)●を規定するとともに,●(省略)●を規定している。 そうすると,本件訴訟において,原告の請求に理由があるか否かを判断するためには,原告AP-75契約の解釈を行うことが必須であるから,本件訴訟に係る原告の請求は,原告AP-75契約に関連する請求に該当 し,●(省略)●裁判所の専属的な管轄権に属するというべきである。このことは,原告AP-75契約11条11項における●(省略)●の範囲を●(省略)●法に基づいて解釈(「無根拠ではない紛争」がある事例で関連性を認め管轄合意の適用を認めたCAFCの判決)しても,また●(省略)●法から離れて解釈しても同様であるし,また,原告AP-75契約 の当事者の合理的意思にも合致する。 エしたがって,本件訴えに係る原告の各請求については,●(省略)●裁判所の管轄に専属的に服する旨の合意が存在するから,日本の裁判所は本件訴えについて国際裁判管轄を有しない。 なお,被告は,平成28年7月27日,原告による●(省略)●の行為 が被告に対する義務に違反し,反競争的行為であるとして,●(省略)●裁判所に訴訟を提 件訴えについて国際裁判管轄を有しない。 なお,被告は,平成28年7月27日,原告による●(省略)●の行為 が被告に対する義務に違反し,反競争的行為であるとして,●(省略)●裁判所に訴訟を提起した。●(省略)●の文言を含め,原告AP-75契約の解釈は,当該問題について専属的な管轄権を有する当該裁判所により,当該訴訟において行われることになる。したがって,この問題について,日本の裁判所において重ねて審理・判断することは妥当ではない。かかる 観点からも,日本の裁判所は本件訴えについて国際裁判管轄を有しないというべきである。 (2) 争点2(被告製造方法は本件発明の技術的範囲に属するか)ア構成要件Bの充足性(争点2-1)について(原告の主張) (ア) 「サーボバンドを特定するためのデータ」を「エンコードする第一工 程」の意義についてa「サーボバンドを特定するためのデータ」の意義構成要件Bの「サーボバンドを特定するためのデータ」とは,エンコードされる前のデータであることが文言上明らかであるところ,本件明細書では,各サーボバンドSB1~SB5のいずれか一つを示す データである「サーボバンド情報」がこれに該当する。本件明細書において,「サーボバンド情報」がいかなる形式のデータであるかについての限定はないが,例えば【0031】によれば,サーボバンド情報は,96個の製造者情報構成データTxに書き込まれるデータ(たとえば,「0,1,・・・,9,A,B,C」)であり,記録再生装 置によるサーボバンドの識別方法について説明した【0045】によれば,解読後の「A」というデータがこれに該当する。 b「エンコードする第一工程」の意義について本件発明における「エンコードする第一工程」については, 識別方法について説明した【0045】によれば,解読後の「A」というデータがこれに該当する。 b「エンコードする第一工程」の意義について本件発明における「エンコードする第一工程」については,本件明細書の【0017】及び【0018】に記載されており,第一工程か ら第三工程は,「サーボバンドを特定するためのデータ」が,エンコード(符号化,すなわち,0と1からなる特定の数列で表すこと),記録パルス電流への変換,記録パルス電流のサーボ信号書き込みヘッドへの供給という工程を経て,サーボ信号内に埋め込まれる段階に至るまでの一連の工程を示したものであるところ,第一工程は,第二工 程において記録パルス電流への変換を行うために,その前提として,「サーボバンドを特定するためのデータ」をエンコード(符号化)する工程を指す。 そして,本件明細書の【0039】には,「サーボバンドを特定するためのデータ」をサーボライタに入力し,サーボライタ内の制御装 置に予め記憶された所定の変換表(所定の変換表に基づいて変換を行 うソフトウェア)を用いて,入力した「サーボバンドを特定するためのデータ」を,記録パルス電流への変換が可能な形式のデータにエンコードする,という実施形態が開示されているが,構成要件Bにおける「エンコードする工程」は,このような実施形態に限定されるものではない。すなわち,本件発明の構成要件Bにおいては,サーボライ タにより「エンコード」が行われなければならないとの限定はなく,例えば,●(省略)●も,構成要件Bにおける「エンコードする工程」に含まれる。 以上より,構成要件Bにおける「エンコードする第一工程」は,サーボライタにより「サーボバンドを特定するためのデータ」を記録パ ルス電流に変換するためにエンコ ンコードする工程」に含まれる。 以上より,構成要件Bにおける「エンコードする第一工程」は,サーボライタにより「サーボバンドを特定するためのデータ」を記録パ ルス電流に変換するためにエンコード(符号化)することに限られず,●(省略)●も含む。 (イ) 被告が構成要件Bを充足する工程を行っていることaLTO-7仕様書における●(省略)●が,構成要件Bにおける「サーボバンドを特定するためのデータ」に該当すること 上述したとおり,「サーボバンドを特定するためのデータ」とは,エンコードされる前のデータであって,各サーボバンドのいずれか一つを示すデータであるところ,LTO-7仕様書においては,●(省略)●,●(省略)●ないし●(省略)●がこれに該当する。 そして,LTO-7仕様書においては,●(省略)●が規定されて いる●(省略)●このように,LTO-7仕様書における●(省略)●が,構成要件Bの「サーボバンドを特定するためのデータ」に該当することは,●(省略)●にも裏付けられる。 b被告が,構成要件Bの「サーボバンドを特定するためのデータ」を 「エンコードする第一工程」を行っていること 上述したとおり,構成要件Bにおける「エンコードする第一工程」は,サーボライタにより「サーボバンドを特定するためのデータ」を記録パルス電流に変換するためにエンコードすることに限られず,●(省略)●も含む。 そして,被告は,●(省略)●このような被告の行為は,構成要件 Bにおける「エンコードする第一工程」に該当する。 この点,被告は,●(省略)●などと主張し,構成要件Bを充足しないと主張している。しかしながら,LTO-7仕様書において,「サーボバンドを特定するためのデータ」に相当するものが,●(省略 当する。 この点,被告は,●(省略)●などと主張し,構成要件Bを充足しないと主張している。しかしながら,LTO-7仕様書において,「サーボバンドを特定するためのデータ」に相当するものが,●(省略)●であることは上述したとおりであるところ,●(省略)●行為は, 【0039】に開示されたサーボライタを用いた実施形態と実質的に異なるところはなく,本件発明における「エンコード」に該当する。 なお,このように,●(省略)●行為も,一般に,「エンコード」に含まれることは,LTO-7仕様書にも現れている。すなわち,LTO-7仕様書において,●(省略)●との限定はなく,本件におい て被告が主張しているような,●(省略)●行為であっても,LTO-7仕様書に準拠したものとなるところ(この点において,原被告間に争いはない),LTO-7仕様書における●(省略)●との用語は,このような被告による行為も包含する用語として用いられているといえる。 (ウ) 以上より,被告の行為は,構成要件Bに該当する。 (被告らの主張)(ア) 本件発明は,「サーボバンドを特定するためのデータをエンコードする第一工程」を有することを要件とするものである(構成要件B)ところ,被告が被告製品を製造するのに現在使用している方法においては, ●(省略)●から,被告製造方法は上記工程を含まず,したがって構成 要件Bを充足しない。以下,詳述する。 (イ) LTO-7規格のサーボバンドIDに関する記載aLTO-7規格上,●(省略)●換言すれば,●(省略)●b他方,LTO-7規格上,●(省略)●cまた,●(省略)● d以上のとおり,LTO-7規格においては,●(省略)●したがって,●(省略)●e他方,●(省略)● )●b他方,LTO-7規格上,●(省略)●cまた,●(省略)● d以上のとおり,LTO-7規格においては,●(省略)●したがって,●(省略)●e他方,●(省略)●したがって,●(省略)●なお,●(省略)●(ウ) 被告製造方法において,●(省略)●ことa原告も認めるとおり,構成要件Bにおける「エンコード」とは,ビ ットパターンの形式で表現されていないデータを,ビットパターンの形式に変更することを意味すると解される。 bLTO-7規格上,●(省略)●●(省略)●しかしながら,●(省略)● c被告が現在,被告製品を製造するために使用している方法は,後者の方法である。すなわち,●(省略)●被告製品が製造される工程において,●(省略)●したがって,被告製造方法は「サーボバンドを特定するためのデータをエンコードする」工程を有しない。 (エ) 以上のとおり,被告製造方法は構成要件Bを充足しない。 イ構成要件C及びDの充足性(争点2-2)について(原告の主張)本件特許の特許請求の範囲には,パルス電流への変換が,定電流回路を用いてなされなければならないことは記載されていない。 また,被告の指摘する本件明細書の【0036】段落の記載から,構成 要件Cの「記録パルス電流に変換する」を,「定電流回路を用いてパルス電流に変換しなければならない」ことを意味するとの解釈が導き出される余地はない。 そして,●(省略)●したがって,被告製造方法は,構成要件C及びDを充足する。 (被告らの主張)本件明細書(段落【0036】)の実施例の記載は,記録パルス電流に含まれる,プラス極性又はマイナス極性をもつパルス電流の電流値が,ギャップパターンからの びDを充足する。 (被告らの主張)本件明細書(段落【0036】)の実施例の記載は,記録パルス電流に含まれる,プラス極性又はマイナス極性をもつパルス電流の電流値が,ギャップパターンからの漏れ磁束により磁気テープの磁性層を磁化するのに十分な電流値であることを意味すると解され,このような記録パルス電流 を発生させるためには,一定の電流値を有する電流を発生させる回路(定電流回路)が必要となる。以上を考慮すると,構成要件Cにおける,データを「記録パルス電流に変換する」とは,少なくとも,データに対応するパルス電流を定電流回路を用いて発生させることを要する,と解される。 これに対し,被告製造方法における●(省略)●このように,被告製造 方法においては,●(省略)●したがって,被告製造方法は構成要件Cを充足しない。また,構成要件Cの「記録パルス電流に変換する」を充足しない以上,同様に,構成要件Dの「前記記録パルス電流をサーボ信号書込ヘッドに供給し」も充足しない。 ウ構成要件Bに係る均等侵害の成否(争点2-3)について(原告の主張)(ア) 仮に,構成要件Bについて,文言侵害が成立しないとしても,被告の行為については,均等侵害が成立する。 第1に,被告が,●(省略)●行為が,「エンコード」には該当しな いとしても,本件発明における本質的部分が,構成要件A-2及びA- 3にあり,構成要件Bにあたるものではないことは,本件明細書の記載から明らかである(均等の第1要件)。 第2に,●(省略)●行為によっても,本件発明の目的(隣接するサーボバンドに書かれたサーボ信号を比較せずにサーボバンドを特定することができる)を達することができ,本件発明と同一の効果を奏する(均 等の第2要件)。 第3に, も,本件発明の目的(隣接するサーボバンドに書かれたサーボ信号を比較せずにサーボバンドを特定することができる)を達することができ,本件発明と同一の効果を奏する(均 等の第2要件)。 第3に,●(省略)●行為から,●(省略)●行為への置き換えは,当業者が,被告が被告方法を実施する時点において容易に想到することができたものである(均等の第3要件)。 第4に,被告方法は,本件発明の特許出願時における公知技術と同一 でも,容易に推考できたものでもない(均等の第4要件)。 第5に,被告方法が本件発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの事情もない。 以上より,被告の行為について文言侵害が成立しないとしても,被告方法は,均等侵害の要件を充足する。 (イ) 均等論適用の前提を欠くとの主張についてa被告ら製造方法には構成要件Bの「第一工程」に相当するものが存在すること被告らは,被告ら製造方法には構成要件Bの「第一工程」に相当するものが存在しないとして,均等論を適用する前提を欠くと主張して いる。しかしながら,まず,LTO-7仕様書における●(省略)●そして,被告らは,●(省略)●を認めている(被告準備書面(8)8頁)のであるから,被告らは,●(省略)●原告は,この行為について,構成要件Bの「第一工程」に相当する行為であると主張しているのであって,構成要件Bの「第一工程」に相当するものが存在しな いとの被告らの主張は失当である。 b被告らが●(省略)●また,被告らは,●(省略)●と主張しているが,●(省略)●c最高裁判決の判示に照らし,本件において均等侵害が認められるべきこと本件において,構成要件Bは,「サーボバンドを特定するためのデ ,被告らは,●(省略)●と主張しているが,●(省略)●c最高裁判決の判示に照らし,本件において均等侵害が認められるべきこと本件において,構成要件Bは,「サーボバンドを特定するためのデ ータをエンコードする第一工程」であるのに対し,被告らが行っている行為は,●(省略)●である。エンコードする行為そのものが本件発明の本質的部分ではないことについて当事者間に争いはない。また,●(省略)●ことと,●(省略)●ことは,実質的に同一であり,当業者は,これらの構成を容易に置き換えることができる。したがって, かかる容易な置き換えによって,原告による権利行使を容易に免れることができるとすれば,まさに「特許法の目的に反し,衡平の理念にもとる結果となる」のであり,ボールスプライン事件最高裁判決の判示する均等論の成立を認める論拠は,本件にも当てはまる。 (ウ) 均等論の第4要件と第5要件を欠くとの主張について a均等の第4要件について,被告らは「無効論において主張したとおり」と述べるのみで,均等侵害を否定する理由として新たな追加主張をしていない。そうすると,均等の第4要件を満たすとの主張に対する原告の反論も,全て,無効論において述べたとおりであるということになる。均等の第4要件が肯定されることは明らかである。 bまた,均等の第5要件を欠くとの被告らの主張は,本件明細書の【0041】においてエンコードの工程が必須の工程であるとは位置付けられていないとして,本件明細書には,エンコードの工程を有しない磁気テープの製造方法が記載されていると強弁するものであるが,かかる主張も明らかに誤っている。【0041】の冒頭に,「次に」と の記載があり,続けて「サーボライタSWによって磁気テープMTに サーボ信 が記載されていると強弁するものであるが,かかる主張も明らかに誤っている。【0041】の冒頭に,「次に」と の記載があり,続けて「サーボライタSWによって磁気テープMTに サーボ信号S1~S5を書き込む方法について図5を参照して説明する」とされていることから明らかなとおり,【0041】は,それ以前の記載に続けて,実施例におけるサーボ信号を書き込む方法について,具体的に説明した箇所である。そして,【0039】に,「コイルCに接続される各パルス発生回路SW4は,制御装置SW5(図5 参照)でエンコードされた個々のサーボバンドSB1~SB5を区別するためのデータを記録電流パターンに変換し,この記録電流パターンを前記コイルCに供給している」との記載があることからわかるように,当該実施例においては,制御装置SW5を用いて,個々のサーボバンドを区別するためのデータをエンコードすることとされている。 そして,【0040】では,各電気回路から各ヘッドコアHCに対して供給する記録電流のタイミングをどのように設定するかについて,より具体的な態様を説明している。このような記載の流れからすれば,被告らの指摘する【0041】は,【0039】(ないしそれ以前)において説明されている実施例と同一の実施例における,サーボ信号 を書き込む方法について説明したものであることが明らかである。【0041】内に,制御装置SW5によるエンコードが記載されていないのは,【0041】で言及されている図5に示されたサーボライタは,【0039】で説明されている制御装置を備えるサーボライタであるからにすぎず,【0041】に,制御装置によるエンコードをしない 実施態様が開示されているという被告らの理解は明らかな誤りである。 したがって,出願人が「 る制御装置を備えるサーボライタであるからにすぎず,【0041】に,制御装置によるエンコードをしない 実施態様が開示されているという被告らの理解は明らかな誤りである。 したがって,出願人が「客観的,外形的にみて,対象製品等に係る構成が特許請求の範囲に記載された構成を代替すると認識しながらあえて特許請求の範囲に記載しなかった旨を表示していた」とはいえず,第5要件を否定する被告らの主張は失当である。 (エ) 小括 以上より,仮に,被告ら製造方法が構成要件Bの文言侵害に該当しないとしても,被告ら製造方法については均等侵害が成立する。 (被告らの主張)(ア) 本件発明と被告製造方法の相違部分について被告製造方法に用いる●(省略)● したがって,被告製造方法においては,構成要件Bの「第一工程」に相当するものは,そもそも存在しない。本件発明と被告製造方法の相違部分は,本件発明は「サーボバンドを特定するためのデータをエンコードする第一工程」を有しているのに対し,被告製造方法はかかる工程を有しない点,である。 (イ) 被告製造方法に均等論を適用する前提を欠くこと均等論の適用による特許権侵害が認められる論拠は,対象製品等が特許発明の構成要件の一部を他の技術等に置き換えたものではなく,構成要件を欠くものである場合には,そもそも当てはまらない。本件においては,被告製造方法は構成要件Bを欠くものであり,当該構成を他の構 成に置換したものではないから,被告製造方法に均等論を適用する前提を欠き,第1ないし第5要件の充足の有無について検討するまでもなく,均等侵害は成立しない。 (ウ) 被告製造方法は均等成立の要件を充足しないことa均等成立の第4要件の非充足 本件発明は,後記(3)(被告 要件の充足の有無について検討するまでもなく,均等侵害は成立しない。 (ウ) 被告製造方法は均等成立の要件を充足しないことa均等成立の第4要件の非充足 本件発明は,後記(3)(被告らの主張)のとおり,進歩性を欠くものであるから,本件発明から本件発明と被告製造方法の相違部分である「サーボバンドを特定するためのデータをエンコードする第一工程」を除いた被告製造方法もまた,本件発明が進歩性を欠くのと同様の理由により,公知技術から容易に推考できたものであることは明ら かである。 したがって,被告製造方法は,均等成立の第4要件を充足しない。 b均等成立の第5要件の非充足被告製造方法において採用されている方法,すなわち,●(省略)●方法は,本件特許の出願当時において,当業者であれば当然,本件発明が採用した方法(すなわち,データをエンコードする工程を有す る方法)に代替する方法であると認識するものであったから,本件特許の出願人が,エンコードの工程を有しない方法を本件発明に代替する方法として認識していたことは明らかである。 このことは,本件明細書に実施例として記載されている磁気テープの製造方法について説明した箇所(段落【0041】)において,デ ータのエンコードについての記載は存在せず,エンコードの工程は必須の工程であるとは位置付けられていないことからも明らかである。 そうでありながら,出願人は,エンコードの工程を有しない発明を特許請求の範囲に記載しなかったものである。 したがって,被告製造方法が本件特許の出願手続において特許請求 の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情が存するから,被告製造方法は,均等成立の第5要件を充足しない。 (3) 争点3(本件特許に無効理由(本件 の出願手続において特許請求 の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情が存するから,被告製造方法は,均等成立の第5要件を充足しない。 (3) 争点3(本件特許に無効理由(本件発明の新規性ないし進歩性欠如)があるか)についてア請求項1発明の新規性ないし進歩性欠如に基づく本件発明の進歩性欠如 (争点3-1)(被告らの主張)(ア) 本件訴訟において,原告が被告に対して権利行使しているのは,請求項6にかかる本件特許権のみであるが,請求項6は請求項1の従属項であることから,まず請求項1発明が進歩性を欠くことについて述べ,然 る後,本件発明が進歩性を欠くことについて述べることとする。 (イ) 本件発明は,請求項1発明にかかる磁気テープの製造方法に関する発明であり,①サーボバンドを特定するためのデータをエンコードする第一工程,②第一工程でエンコードしたデータを記録パルス電流に変換する第二工程,及び③前記記録パルス電流をサーボ信号書込ヘッドに供給して,磁気テープの所定のサーボバンドに所定のエンコードされたデー タが埋め込まれたサーボ信号を書き込む第三工程,を有することを特徴とする。 (ウ) しかしながら,まず,後記イないしサ(但し,オないしサは第3事件についてのみ)で述べるとおり,請求項1発明は,当業者が公知技術及び周知技術に基づいて容易に発明できたものであり,進歩性を欠く。 (エ) さらに,上記①については,データを信号に埋め込む際に,当該データを「0」と「1」からなる二進数の形式に変換すること(換言すれば「エンコード」すること)は,当然のことであり,特段の創意工夫を何ら要しない。実際,タイミング・ベース・サーボにおける非平行な磁気遷移からなるサーボパターンを書き込む方法を 変換すること(換言すれば「エンコード」すること)は,当然のことであり,特段の創意工夫を何ら要しない。実際,タイミング・ベース・サーボにおける非平行な磁気遷移からなるサーボパターンを書き込む方法を開示する文献である乙1 8(第3事件においては乙A3の2。以下同じ。)にも,サーボ信号中に埋め込まれるデータは「0」と「1」からなる二進数の形式であることが記載されている(乙18・図4を参照)。 したがって,乙18には,上記①のうち「データをエンコードする工程」が開示されている。 (オ) 上記②及び③については,タイミング・ベース・サーボにおける非平行な磁気遷移からなるサーボパターンを書き込む方法を開示する文献である乙18に,遷移を磁気テープに対して水平方向にシフトすることにより,データをサーボトラックに符号化することが開示されており,また,データが符号化されたサーボパターンをテープ上に記録する方法も 開示されている。 具体的には,乙18には,符号化データが制御装置432の制御の下で,符号器433からシフト・レジスタ435にロードされ,パルス・ジェネレータ518にシフトされ,シフト・レジスタ435は,パルス・ジェネレータによるパルスの供給タイミングを表し,ヘッド402にテープ504上にシェブロンを書き込むよう指示すること,が開示されて いる。これは,要するに,符号化(エンコード)されたデータが,パルス・ジェネレータ518(パルス発生器)によりパルスに変換され,当該パルスがヘッド402に供給されることで,エンコードされたデータが埋め込まれたサーボ信号がテープ504上に書き込まれることを意味する。ここで,パルス・ジェネレータ518からヘッド402に供給さ れるパルスは,電流パルスであることは自明で ードされたデータが埋め込まれたサーボ信号がテープ504上に書き込まれることを意味する。ここで,パルス・ジェネレータ518からヘッド402に供給さ れるパルスは,電流パルスであることは自明であり,「記録パルス電流」に該当する。 したがって,乙18には,上記②「エンコードしたデータを記録パルス電流に変換する工程」及び③「記録パルス電流をサーボ信号書込ヘッドに供給して,磁気テープの所定のサーボバンドに所定のエンコードさ れたデータが埋め込まれたサーボ信号を書き込む工程」が,いずれも開示されている。 (カ) 以上のとおり,乙18には,タイミング・ベース・サーボにおいて,非平行な縞を構成する線の位置をテープ長手方向にずらすことで,データを符号化し,サーボ信号に埋め込む方法として,①データをエンコー ドすること(第一工程),②エンコードしたデータを記録パルス電流に変換すること(第二工程),及び③前記記録パルス電流をサーボ信号書込ヘッドに供給して,磁気テープの所定のサーボバンドに所定のエンコードされたデータが埋め込まれたサーボ信号を書き込むこと(第三工程),が開示されている。 したがって,請求項1発明にかかる磁気テープ(それ自体は,後記イ ないしサのとおり,新規性又は進歩性を欠く。)の製造方法における,サーボバンドを特定するためのデータをサーボ信号中に埋め込む方法として,乙18に開示されている上記①ないし③の工程を含む方法を採用することは,当業者が容易に想到し得ることであり,かかる製造方法は当業者が容易に発明できたものである。 (キ) 以上のとおり,本件発明は,後記イないしサ(請求項1発明の新規性又は進歩性の欠如)で述べた公知技術及び周知技術,並びに乙18に開示されている発明に基づいて当業者が容 きたものである。 (キ) 以上のとおり,本件発明は,後記イないしサ(請求項1発明の新規性又は進歩性の欠如)で述べた公知技術及び周知技術,並びに乙18に開示されている発明に基づいて当業者が容易に発明できたものであり,進歩性を欠くから,原告は,本件発明に係る特許権を被告に対して行使することはできない。 (ク) 原告の主張に対する反論(請求項1発明が進歩性を欠く場合には,本件発明も進歩性を欠くこと)a原告は,被告が請求項1発明の進歩性の有無をまず検討し,次に,請求項1発明が進歩性を欠くことを前提として本件発明の進歩性の有無を検討したこと自体を批判する。しかし,本件発明は,請求項1発 明の磁気テープを前提として,当該磁気テープの製造方法にかかる構成を追加するものであるから,本件発明の進歩性の有無について判断するに際し,まず,請求項1発明の進歩性の有無について検討し,請求項1発明に進歩性が無いとの判断に至った場合に,これを前提として,次に,本件発明が追加する,当該磁気テープの製造方法にかかる 構成に想到することが当業者にとって容易であるか否かを検討することは,極めて自然な判断手法である。 この点,以下に述べるとおり,本件明細書の記載に照らしても,請求項1発明が進歩性を欠く場合には,本件発明も進歩性を欠くものであることは明らかである。 bすなわち,本件明細書の記載によれば,隣接するサーボバンドのサ ーボパターンをテープ長手方向にオフセットさせ,それらのサーボバンドの信号を同時に読み取って比較することで,サーボバンドの特定を行う従来技術においては,ヘッド目詰まりなどで片側のサーボ信号の読み取りが一時的又は恒久的にできなくなった場合にサーボバンドの特定を行うことができなくなること等の問 することで,サーボバンドの特定を行う従来技術においては,ヘッド目詰まりなどで片側のサーボ信号の読み取りが一時的又は恒久的にできなくなった場合にサーボバンドの特定を行うことができなくなること等の問題点があった(甲2・【0 002】~【0005】段落)。本発明は,隣接するサーボバンドに書かれたサーボ信号を比較せずに,サーボバンドを特定することができるようにすることを目的とするものであり(同【0006】段落),本発明によれば,複数のサーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号に,各サーボバンドを示すデータが埋め込まれているので,従来のよ うに隣接するサーボバンドに書かれたサーボ信号を比較しなくとも,サーボバンドを特定することができる(同【0052】段落)。 以上の本件明細書の記載から明らかであるとおり,本件特許の請求項に記載された各発明は,従来の,隣接するサーボバンドに書かれたサーボ信号を比較してサーボバンドを特定する技術の問題点を解決す るため,隣接するサーボバンドに書かれたサーボ信号を比較しなくてもサーボバンドを特定できるようにするものであり,これを達成するため,各サーボ信号に,各サーボバンドを示すデータを埋め込むという構成を採用したものである。換言すれば,本件特許の請求項に記載された各発明において,発明の課題を解決するための構成は,各サー ボ信号に,各サーボバンドを示すデータを埋め込む点(請求項1発明における構成要件A-2)にある。 これに対し,請求項6が追加する構成は,本件明細書において,発明の課題を解決するための構成とは位置付けられていない。実際,前述したとおり,タイミング・ベース・サーボにおいて,非平行な縞を 構成する線の位置をテープ長手方向にずらすことで,データを符号化 し,サーボ信 構成とは位置付けられていない。実際,前述したとおり,タイミング・ベース・サーボにおいて,非平行な縞を 構成する線の位置をテープ長手方向にずらすことで,データを符号化 し,サーボ信号に埋め込む方法として,①データをエンコードすること(第一工程),②エンコードしたデータを記録パルス電流に変換すること(第二工程),及び③前記記録パルス電流をサーボ信号書込ヘッドに供給して,磁気テープの所定のサーボバンドに所定のエンコードされたデータが埋め込まれたサーボ信号を書き込むこと(第三工程) は,公知の技術である。本件発明は,タイミング・ベース・サーボにおいてサーボ信号にデータを埋め込むために使用されていた公知の技術を,単に流用したにすぎない。 c以上のとおり,請求項6が追加する構成は,本件明細書において,発明の課題を解決するための構成とは位置付けられておらず,それら の構成は,本件発明の進歩性を基礎付けるものとはなり得ない。 したがって,本件発明の進歩性の有無は,請求項1発明の進歩性の有無に完全に依存しており,請求項1発明が進歩性を欠く場合には,本件発明も進歩性を欠くものであることは明らかである。 (原告の主張) (ア) 被告による一致点・相違点の認定の根本的な誤り本件において原告が問題としているのは,被告が,本件発明を実施している点であり,したがって,被告により抗弁として主張されるべきは,本件発明の進歩性の有無である。しかるところ,被告は,まず,複数の先行文献を挙げて請求項1発明の進歩性がない旨を主張した上で,さら に,請求項1発明に記載されていない本件発明の構成については,乙18に開示されているから,本件発明は,前記先行文献及び乙18発明から容易に想到できるなどと主張する。しかし,進歩性の判 ,さら に,請求項1発明に記載されていない本件発明の構成については,乙18に開示されているから,本件発明は,前記先行文献及び乙18発明から容易に想到できるなどと主張する。しかし,進歩性の判断は,「前項各号に掲げる発明に基づいて容易に発明をすることができた」といえるかどうかにより判断されなければならないから(特許法29条2項), 有効性が問題とされている特許発明(本件では本件発明)と「前項各号 に掲げる発明」(主引用発明)とを対比し,その一致点・相違点を認定した上で,当該相違点に係る構成を想到することが当業者にとって容易と言えるかどうかが判断されなければならない。これに対し,「前項各号に掲げる発明」にさらに別の発明を組みあわせ,主引用発明を変更させた別の発明を観念し,その上で,当該別の発明に基づいて容易に発明 をすることができたかどうかを論ずることは,いわゆる「容易の容易」として,許されない。被告主張は,まさに「容易の容易」を論ずるものであって,主張自体失当というべきである。 もっとも,仮に,その点を措いて考えたとしても,以下に述べるとおり,被告が挙げる先行文献には本件発明の構成が開示されておらず,い ずれにせよ,被告の無効主張は成り立たない。 (イ) 乙14~18のいずれにも本件発明の構成が開示されていないことa本件発明本件発明は,磁気テープに形成されるサーボバンドを特定することに寄与する磁気テープの製造方法に関するものである(甲2【請求項 1】【請求項6】【0001】)。甲4の図25に示すように,磁気テープにはテープ幅方向に複数のデータトラックが設けられ,当該データバンドの間等に複数のサーボバンドが設けられる。これらの複数のサーボバンドのうち,サーボヘッドが信号を読み取っている すように,磁気テープにはテープ幅方向に複数のデータトラックが設けられ,当該データバンドの間等に複数のサーボバンドが設けられる。これらの複数のサーボバンドのうち,サーボヘッドが信号を読み取っているサーボバンドがどのサーボバンドバンドか(たとえば,サーボバンド0なの か,サーボバンド1なのか)を特定する必要がある。従来,隣接するサーボバンドのサーボパターンをテープ長手方向にオフセットさせ ,それらのサーボバンドの信号を同時に読み取って比較することで,サーボバンドの特定を行っていたところ,本件発明では隣接するサーボバンドに書かれたサーボ信号を比較せずに,サーボバンドを特定する ことができる磁気テープの提供を課題とするものである(本件明細書 【0002】,【0004】ないし【0006】,【0008】)。 本件発明では,当該課題を解決するために,「各サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータがそれぞれ埋め込まれ,前記各サーボ信号は,一つのパターンが非平行な縞からな り,各データは,前記縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことにより前記各サーボ信号中に埋め込まれている」ことを特徴とする磁気テープの製造方法を提供する(構成要件A-2,構成要件A-3)。 以上のとおり,本件発明は,「サーボバンド毎に縞を構成する線の 位置をずらすことによって ,サーボバンドを特定するデータを埋め込む」ことを特徴とする発明である(本件明細書・図2を参照)。 b乙14~18には本件発明の構成が開示されていない乙14~18のいずれにも,本件発明の構成要件A-2及び構成要件A-3を有する磁気テープの記載はない。すなわち (本件明細書・図2を参照)。 b乙14~18には本件発明の構成が開示されていない乙14~18のいずれにも,本件発明の構成要件A-2及び構成要件A-3を有する磁気テープの記載はない。すなわち,「サーボバン ド毎に縞を構成する線の位置をずらすことによって,サーボバンドを特定するデータを埋め込む」構成は記載されていない。 被告は,構成要件B~Dの第一工程~第三工程は乙18に開示されていると主張する。具体的には,乙18に磁気遷移を磁気テープに対して水平方向にシフトすることにより,データをサーボトラックに符 号化することが開示されており,また,データが符号化されたサーボパターンをテープ上に記録する方法も開示されていると主張する。しかしながら,本件発明の構成要件Dでは,「磁気テープの所定のサーボバンドに所定のエンコードされたデータが埋め込まれたサーボ信号」を書き込むことを規定する。すなわち,本件発明の構成要件A-2及 びA-3で特定される磁気テープは「サーボバンド毎に縞を構成する 線の位置をずらすことによって,サーボバンドを特定するデータを埋め込む」構成を有し,当該構成を有する磁気テープを製造するために,本件発明の構成要件Dの第三工程で,所定のサーボバンドに所定のエンコードされたデータが埋め込まれるものである。 これに対して,乙18では,そもそも,サーボバンド毎にサーボバ ンドを特定するデータが埋め込まれる磁気テープの開示はなく,磁気テープの所定のサーボバンドに所定のエンコードされたデータが埋め込まれる構成も開示されていない。 よって,乙14~18を全て組み合わせることができたとしても,当業者は本件発明に到達し得ない。 (ウ) 乙A1ないし乙A3,乙A5及び乙A27にも本件発明の構成が開示 開示されていない。 よって,乙14~18を全て組み合わせることができたとしても,当業者は本件発明に到達し得ない。 (ウ) 乙A1ないし乙A3,乙A5及び乙A27にも本件発明の構成が開示されていないこと(第3事件のみ)a本件発明と乙A1発明等との対比本件発明と被告らが新規性欠如ないし進歩性欠如として挙げた乙A1発明等とを対比すると,少なくとも以下の点(相違点A)でも相違 する。 (相違点A)本件発明は,サーボバンドを特定するためのデータをエンコードする第一工程と,第一工程でエンコードしたデータを記録パルス電流に変換する第二工程と,前記記録パルス電流をサーボ信号書込ヘッドに 供給して,磁気テープの所定のサーボバンドに所定のエンコードされたデータが埋め込まれたサーボ信号を書き込む第三工程とを有することを特徴とする磁気テープの製造方法であるのに対し,乙A1発明はこのような工程を有する製造方法が開示されていない点。 これに対し,被告らは,本件発明の構成要件F~Hが規定する第一 工程~第三工程は乙A3に開示されていると主張するが,本件発明は, 「磁気テープの所定のサーボバンドに所定のエンコードされたデータ,すなわち当該サーボバンドを特定するためのデータが埋め込まれたサーボ信号」を書き込むことを規定する(構成要件H)。すなわち,本件発明は,請求項1発明に記載された磁気テープの製造方法に係る発明であるから,本件発明の構成要件Hの「所定のサーボバンドに書き 込まれる所定のエンコードされたデータが埋め込まれたサーボ信号」における「データ」とは,請求項1発明の構成要件Bの「当該サーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータ」を指す。 これに対して,乙A3では,そもそも,複数のサーボバン 込まれたサーボ信号」における「データ」とは,請求項1発明の構成要件Bの「当該サーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータ」を指す。 これに対して,乙A3では,そもそも,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータの 開示はなく,ましてや,磁気テープの所定のサーボバンドに当該サーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータが埋め込まれる構成の開示は皆無である。 したがって,乙A3に記載された発明を以てしても,上記相違点Aを克服することはできない。よって,請求項1発明の進歩性欠如で挙 げられた乙A1ないし周知の発明に乙A3発明を組み合わせても,本件発明の構成には至らない。 b本件発明と乙A2等に記載された発明等との対比本件発明と被告らが進歩性欠如の主引用文献として挙げた乙A2,乙A3,乙A5等に記載された発明等を対比しても,前記相違点Aと 同じ相違点がある。よって,請求項1発明の進歩性欠如で挙げられた乙A2等ないし周知の発明を組み合わせても,本件発明の構成には至らない。 イ乙14を主引用例とした請求項1発明の進歩性欠如(争点3-1-1)(被告らの主張) (ア) 乙14には,磁気テープ上に,複数のデータバンド及び複数のサーボ バンドがテープの長手方向に沿って交互にかつ平行に配置されること,サーボバンドはトラック追随のために用いられること,サーボバンドは非平行な縞の形状をした磁気反転部(サーボストライプ)から構成され,サーボストライプはサーボフレームを構成すること,並びに,サーボフレームを構成する縞の一部をテープ長手方向にずらすことでデータを記 録することが開示されている。 (イ) ここで,乙14発明におけるサーボバンドは, ーボフレームを構成すること,並びに,サーボフレームを構成する縞の一部をテープ長手方向にずらすことでデータを記 録することが開示されている。 (イ) ここで,乙14発明におけるサーボバンドは,請求項1発明における「サーボバンド」に該当し,サーボバンド上に記録されたサーボストライプから構成される信号は「サーボ信号」に該当し,各サーボフレームは「一つのパターン」に該当する。 また,請求項1発明における「磁気ヘッドのトラッキング制御」とは,データトラックに対する記録・再生を行う磁気ヘッドが,どのデータトラックを記録・再生しているかを把握し,磁気ヘッドのデータトラック上における位置を制御することであると解される(本件明細書【0002】段落を参照)。他方,乙14発明において,サーボバンドはトラッ ク追随のために用いられるが,これは「磁気ヘッドのトラッキング制御」に他ならない。 したがって,請求項1発明と乙14発明を対比すると,両者の一致点・相違点は以下のとおりである。 a一致点 磁気ヘッドのトラッキング制御をするためのサーボ信号が複数のサーボバンド上にそれぞれ書き込まれた磁気テープであって,各サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号にデータがそれぞれ埋め込まれ,前記各サーボ信号は,一つのパターンが非平行な縞からなり,各データは,前記縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方 向にずらすことにより前記各サーボ信号中に埋め込まれていることを 特徴とする磁気テープである点。 b相違点請求項1発明では,各サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号にそれぞれ埋め込まれるデータが,「複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータ」であ るのに 求項1発明では,各サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号にそれぞれ埋め込まれるデータが,「複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータ」であ るのに対し,乙14発明では,各サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号に埋め込まれるデータとして,かかるデータが挙げられていない点。 (ウ) しかしながら,上記相違点については,以下に述べるとおり,乙15に,各サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号に,複数のサーボバ ンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータを埋め込むことが開示されており,これを乙14発明に組み合わせることは当業者が容易になし得ることである。 aそもそも,乙14に記載されているような,複数のデータバンド及び複数のサーボバンドがテープの長手方向に沿って交互にかつ平行に 配置された磁気テープにおいては,サーボバンドを読み取るサーボ・ヘッドが,自らがどのサーボバンドを読み取っているかを特定できるような仕組みが設けられている必要がある。すなわち,サーボバンドは,テープの幅方向における位置決めを正確に行い,データバンド上のデータの記録・再生を行うべき幅方向の位置を正確に特定すること を目的として設けられるものである。しかしながら他方で,サーボバンドを読み取るサーボ・ヘッドが,自らの位置を見失い,どのサーボバンドを読み取っているかを判別できなくなる場合も生じ得る。サーボ・ヘッドがどのサーボバンドを読み取っているかを判別できなくなると,結局,どのデータバンドでデータの記録・再生を行っているか も判別できなくなり,データの正確な記録・再生に支障を来たす。上 記のような問題点を解決するためには,サーボ・ヘッドがどのサーボバン データバンドでデータの記録・再生を行っているか も判別できなくなり,データの正確な記録・再生に支障を来たす。上 記のような問題点を解決するためには,サーボ・ヘッドがどのサーボバンドを読み取っているのかを特定できるような仕組みを設けておく必要がある。実際,乙14においても,サーボバンドを特定するための仕組みが例示されており,上記のような課題の存在が認識されている。 b他方,サーボ・ヘッドがサーボバンドを特定するための方法として最も簡単かつ当業者にとって自明な方法は,乙15に開示されている,サーボバンドに書き込まれるサーボ信号それ自体に,サーボバンドを特定する情報を埋め込む方法である。 すなわち,乙15には,磁気テープ上に,磁気ヘッドアセンブリー の位置決めのための複数のサーボ帯域(これは,請求項1発明における「サーボバンド」に該当する。)を設け,サーボ帯域にサーボ搬送信号の消去部分と非消去部分とからなるパターンを形成し,さらに,消去部分の長さを変化させることで,サーボ帯域を一意に同定する符号(換言すれば,個々のサーボ帯域を特定し,他のサーボ帯域から区 別するためのデータ)を当該サーボ帯域に埋め込むことが開示されている。 この点,乙15発明においては,サーボ読み取り要素がサーボ帯域上に形成されたサーボ搬送信号の消去部分と非消去部分とからなるパターンを読み取ることで,磁気ヘッドアセンブリーの位置決めが行わ れるから,当該パターンは請求項1発明における「磁気ヘッドのトラッキング制御をするためのサーボ信号」に該当する。また,乙15発明においては,当該パターンにおける消去部分の長さを変化させることで,サーボ帯域を一意に同定する符号が当該サーボ帯域に埋め込まれるが,これは,請求項1発明における ボ信号」に該当する。また,乙15発明においては,当該パターンにおける消去部分の長さを変化させることで,サーボ帯域を一意に同定する符号が当該サーボ帯域に埋め込まれるが,これは,請求項1発明における「各サーボバンド内に書き込 まれた各サーボ信号に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号 が位置するサーボバンドを特定するためのデータがそれぞれ埋め込まれ」ることに他ならない。 cここで,乙14発明及び乙15発明は,サーボバンド内に書き込まれるサーボ信号(サーボパターン)の構成の点において異なっている(乙14発明は非平行な縞の形状をした磁気反転部を用いるものであ るのに対し,乙15発明は,サーボ搬送信号の消去部分と非消去部分とからなるパターンを用いるものである。)が,複数のデータバンド及び複数のサーボバンドがテープの長手方向に沿って交互にかつ平行に配置された磁気テープであるという点においては,両者は共通する。 乙14には,隣接するサーボバンド間の相対的位置を検出すること でサーボバンドを特定するという,サーボバンドを特定するための方法が記載されている。しかしながら,乙14において,隣接するサーボバンド間の相対的位置を検出する方法は,かかる方法を用いてサーボバンドを特定「してもよい」,との位置付けに留まる。換言すれば,かかる方法は,あくまで,サーボバンドを特定するための方法の一例 として示されているに過ぎず,他の方法を採用することを何ら排除していない。 したがって,乙14において,サーボ・ヘッドがサーボバンドを特定するための方法として,乙15発明が提示する,サーボバンドそれ自体にサーボバンドを特定する情報を埋め込む方法を採用することは, 当業者が容易になし得ることである。 dなお,乙14 を特定するための方法として,乙15発明が提示する,サーボバンドそれ自体にサーボバンドを特定する情報を埋め込む方法を採用することは, 当業者が容易になし得ることである。 dなお,乙14に例示された方法によってサーボバンドを特定する場合,サーボ・ヘッドは隣接する2本のサーボバンドの情報を同時に読み取り,それらの情報を比較して先行・遅延の有無及びその程度を検出しなくてはならない。これに対し,乙15発明が提示する方法では, サーボ・ヘッドは1本のサーボバンドの情報を読み取ることで,どの サーボバンドを読み取っているのかを特定することができるのであり,後者の方がサーボバンドを特定するための仕組みとして遥かに簡単である。このように,乙14に例示された方法と比較して,乙15発明が提示する方法にメリットがあることは自明であり,前者の方法に代えて後者の方法を採用する動機付けが存在する。 したがって,仮に,乙14に例示されている,隣接するサーボバンド間の相対的位置を検出する方法から出発した場合であっても,サーボ・ヘッドがサーボバンドを特定するための方法として,かかる方法に代えて,乙15発明が提示する,サーボバンドそれ自体にサーボバンドを特定する情報を埋め込む方法を採用することは,当業者が容易 になし得ることである。 eまた,データをサーボ信号中に埋め込む方法については,乙14発明は既に,サーボフレームを構成する縞の一部をテープ長手方向にずらすという方法を採用しており,これをそのまま用いることが容易であることは明らかである。 したがって,乙14発明において,サーボ・ヘッドがサーボバンドを特定する必要があるという課題を解決するために,乙15発明が提示する解決方法である,サーボバンドを特定するための らかである。 したがって,乙14発明において,サーボ・ヘッドがサーボバンドを特定する必要があるという課題を解決するために,乙15発明が提示する解決方法である,サーボバンドを特定するためのデータを当該サーボバンドに書き込まれるサーボ信号に埋め込むという解決方法を採用することは,当業者が容易になし得ることである。 fなお,乙15発明においては,サーボ搬送信号の消去部分の長さを変化させることで,サーボバンドを特定するためのデータを符号化してサーボ信号に埋め込んでいるが,これは換言すれば,消去部分の終端の位置をサーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことにより,当該データをサーボ信号中に埋め込むことに他ならない。 他方,乙14発明が採用する方法も,サーボフレームを構成する非 平行な縞の形状をした磁気反転部の位置をテープ長手方向にずらすことで,データをサーボ信号中に埋め込むものである。このように,サーボパターンを構成する要素の位置をテープ長手方向にずらすことによりデータをサーボ信号中に埋め込むものであるという点において,乙14発明と乙15発明は共通するものであり,両者は,サーボ信号 中にデータを埋め込む方法として同種の方法を採用している。 かかる観点からも,サーボバンドを特定するためのデータをサーボ信号中に埋め込む方法として,乙14発明が既に開示している方法を用いることが容易であることは明らかである。 gしたがって,乙14発明において,サーボ・ヘッドがサーボバンド を特定する必要があるという課題を解決するために,乙15発明が提示する解決方法である,サーボバンドを特定するためのデータを当該サーボバンドに書き込まれるサーボ信号に埋め込むという解決方法を採用することは,当業者が容易になし得る を解決するために,乙15発明が提示する解決方法である,サーボバンドを特定するためのデータを当該サーボバンドに書き込まれるサーボ信号に埋め込むという解決方法を採用することは,当業者が容易になし得ることである。 (エ) 以上のとおり,請求項1発明は,乙14発明及び乙15発明に基づい て当業者が容易に発明できたものであるから,進歩性を欠く。 (オ) 原告の主張に対する反論a乙15において,原告がいうところの「トラックピッチ」とは,例えば乙15の図3に示されるような,1つのサーボ帯域内に存在する,消去部分及び非消去部分が設けられる複数の経路のそれぞれを意味す る(乙15・21頁14~24行)。図3では,サーボ帯域(61)内に,3本のトラックピッチ(経路73等)が存在する。このように,乙15において,トラックピッチとは,一つのサーボ帯域内に存在する複数の経路のそれぞれを意味するものであり,トラックピッチはサーボ帯域とは明確に区別された概念である。原告が主張するところの 「トラックピッチを一意に同定する」というのは,要するに,サーボ 帯域内に存在する複数のトラックピッチを,どのようにして相互に区別するかという話であり,ここでは,複数のサーボ帯域を相互に区別するということは問題となっていない。 他方,乙15に開示されている発明は,原告が主張するような,「トラックピッチを一意に同定する」ものに限られない。すなわち,前記 のとおり,乙15には,複数のサーボ帯域161,162及び163を備え,サーボ帯域161ないし163がデータ帯域170により隔てられているテープ160においては,サーボ帯域161ないし163が,サーボ帯域自身が他のサーボ帯域から一意に同定され得るような,異なる符号を用いて符号化されることが 63がデータ帯域170により隔てられているテープ160においては,サーボ帯域161ないし163が,サーボ帯域自身が他のサーボ帯域から一意に同定され得るような,異なる符号を用いて符号化されることが可能であることが開示さ れている(乙15・33頁25~29行,同図13)。 したがって,乙15には,磁気テープ上に,磁気ヘッドアセンブリーの位置決めのための複数のサーボ帯域を設け,サーボ帯域にサーボ搬送信号の消去部分と非消去部分とからなるパターンを形成し,さらに,消去部分の長さを変化させることで,サーボ帯域を一意に同定す る符号(換言すれば,個々のサーボ帯域を特定し,他のサーボ帯域から区別するためのデータ)を当該サーボ帯域に埋め込むことが開示されている。 そして,前記のとおり,乙14発明に乙15発明を組み合わせて請求項1発明に想到することは,当業者が容易になし得たことである。 原告は,乙15の上記開示について何ら触れておらず,原告の主張は失当である。 b乙15に記載のサーボ技術と,乙14発明のサーボ技術は,いずれも磁気テープのサーボ技術であり,両者が同一の技術分野に属することは明らかである。また,情報の埋め込み方が異なるとしても,乙1 5には,個々のサーボ帯域を特定し,他のサーボ帯域から区別するた めのデータを当該サーボ帯域に埋め込むという技術思想が開示されており,かかる技術思想は,具体的なサーボパターンの構成や情報の埋め込み方にかかわらず,等しく当てはまるものである。したがって,かかる技術思想を,乙14発明に適用することが容易であることは明らかである。 c原告は,乙15発明において,「アンプリチュードサーボにおける消去部分の長さを変化せしめる」という構成は本質的な特徴であり,これ 4発明に適用することが容易であることは明らかである。 c原告は,乙15発明において,「アンプリチュードサーボにおける消去部分の長さを変化せしめる」という構成は本質的な特徴であり,これを捨象することは許されないと主張する。 しかしながら,ここで問題となっているのは,進歩性の有無を判断する文脈において,「乙15に接した当業者が,いかなる発明が乙1 5に開示されていると理解するか」という問題であるから,原告が主張するところの「本質的な特徴」なるものを問題とする必要はない。 そして,乙15に接した当業者は,そこに,個々のサーボ帯域を特定し,他のサーボ帯域から区別するためのデータを当該サーボ帯域に埋め込むという技術思想が開示されており,かかる技術思想は,具体的 なサーボパターンの構成や情報の埋め込み方にかかわらず,等しく当てはまるものであると理解する。乙15に接した当業者がそのような理解に至るのは当然のことであり,原告が主張するような「あと知恵」ではない。 (原告の主張) (ア) 本件発明と乙14発明との対比被告は,本件発明ではなく請求項1発明と乙14発明とを対比しているため,当該対比に基づく相違点の認定が誤っている。本件発明と乙14発明とを対比すると,少なくとも,以下の2つの相違点が認められる。 なお,相違点2については,前記アのとおりである。 a相違点1 本件発明は,各サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号に,「複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータ」が,「縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすこと」により,それぞれ埋め込まれるのに対し,乙14発明では,「複数のサーボバンドのうちのそのサー ボ信号が るためのデータ」が,「縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすこと」により,それぞれ埋め込まれるのに対し,乙14発明では,「複数のサーボバンドのうちのそのサー ボ信号が位置するサーボバンドの特定」は,「隣接する上下のサーボバンドの相対位置を測定すること」により行われる点。 b相違点2本件発明は,サーボバンドを特定するためのデータをエンコードする第一工程と,第一工程でエンコードしたデータを記録パルス電流に 変換する第二工程と,前記記録パルス電流をサーボ信号書込ヘッドに供給して,磁気テープの所定のサーボバンドに所定のエンコードされたデータが埋め込まれたサーボ信号を書き込む第三工程とを有することを特徴とする磁気テープの製造方法であるのに対し,乙14発明はこのような工程を有する製造方法が開示されていない点。 (イ) 相違点1についてa乙14の磁気テープでは,「複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドの特定」は,「隣接する上下のサーボバンドの相対位置を測定すること」により行われている。 したがって,乙14には,「複数のサーボバンドのうちのそのサー ボ信号が位置するサーボバンドの特定」を「隣接する上下のサーボバンドの相対位置を測定すること」により行うことの問題点について記載も示唆もされておらず,しかも,乙14の磁気テープにおいて,「複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドの特定」という課題は解決済みである。 よって,乙14発明において,「複数のサーボバンドのうちのその サーボ信号が位置するサーボバンドを特定」する手段を「隣接する上下のサーボバンドの相対位置を測定すること」から他の手段に変更しようと当業者が動機付けられ 「複数のサーボバンドのうちのその サーボ信号が位置するサーボバンドを特定」する手段を「隣接する上下のサーボバンドの相対位置を測定すること」から他の手段に変更しようと当業者が動機付けられることはない。 bまた,乙15発明は,符号化トラックピッチの交互の消去及び非消去の部分によってデータを埋め込むサーボ技術(アンプリチュードサ ーボ)において,相異なる単一周波数を各サーボトラックに埋め込んで一意にサーボトラックを同定することが知られていたが,その同定には,「磁気ヘッドアセンブリーが,読取っているサーボトラックを判別できない」,「異なる周波数を使用するのでサーボヘッドと読取り回路のエレクトロニクスの費用が増大する」という課題があり,そ の解決手段として,アンプリチュードサーボの符号化トラックピッチの交互の消去及び非消去の部分が符号化情報(データ)を具備し,該消去部分の長さを変化せしめることによって符号化トラックピッチを一意に同定するデータ記録テープを提供するものである(乙15・請求項1,12頁7行~9行,13頁10行~14行)。 このように,乙15発明は,「符号化トラックピッチの交互の消去及び非消去の部分によってデータを埋め込むアンプリチュードサーボにおいて,符号化トラックピッチを一意に同定する」するために「消去部分の長さを変化せしめる」という解決手段を提供する発明である。 c被告は,このような乙15に記載された「符号化トラックピッチを 一意に同定する符号をサーボ帯域に埋め込む」という発明を,乙14のストライプを用いたサーボ技術(以下,「タイミング・ベース・サーボ」ともいう)に組み合わせて,本件発明が容易に想到し得ると主張する。しかしながら,乙15発明は,符号化トラックピッチの交互の消去及 のストライプを用いたサーボ技術(以下,「タイミング・ベース・サーボ」ともいう)に組み合わせて,本件発明が容易に想到し得ると主張する。しかしながら,乙15発明は,符号化トラックピッチの交互の消去及び非消去の部分に情報を埋め込むアンプリチュードサーボに おいて,符号化トラックピッチの消去部分の長さを変化せしめて情報 を埋め込む発明である。これに対して,乙14発明は,ストライプ間の距離や隣接するサーボバンドの相対位置に情報を埋め込むタイミング・ベース・サーボの発明である。このように,乙15に記載のアンプリチュードサーボと,乙14発明のタイミング・ベース・サーボとでは,そもそも情報の埋め込み方が全く異なり,技術分野を異にして いる。したがって,当業者が乙14発明に乙15発明を組み合わせることを想到することは困難である。 また,乙15発明は,符号化トラックピッチの交互の消去及び非消去の部分によってデータを埋め込むアンプリチュードサーボにおいて,従来,符号化トラックピッチを一意に同定するために,異なる周波数 を用いて符号化トラックピッチを一意に同定していたところ,消去部分の長さを変化せしめるという改良技術を提供するものである。したがって,乙15発明において,「アンプリチュードサーボにおける消去部分の長さを変化せしめる」という構成は本質的な特徴である。よって,このような乙15発明における本質的特徴を捨象して,符号化 トラックピッチを一意に同定する符号をサーボ帯域に埋め込むという思想だけを抜き出そうとすることは,いわゆる「あと知恵」であって,許されない。 d以上に述べたとおりであるから,相違点1について乙15発明から容易に想到し得ない。 (ウ) 小括以上のとおり,本件発明と乙14発明との相違点 「あと知恵」であって,許されない。 d以上に述べたとおりであるから,相違点1について乙15発明から容易に想到し得ない。 (ウ) 小括以上のとおり,本件発明と乙14発明との相違点1及び2は,乙15及び18に記載の発明から容易に想到し得ない。よって,本件発明は,乙14,15及び18に記載の発明から容易に発明できない。 ウ乙16を主引用例とした請求項1発明の進歩性欠如(争点3-1-2) (被告らの主張) (ア) 乙16には,磁気テープ上に,複数のデータトラック及び複数のサーボトラックが,テープ20の長手方向に沿って交互にかつ平行に配置されており,サーボトラック上には,非平行の向きに記録された磁気遷移より構成されるハの字形の2種類のパターン,又は,くの字形と逆くの字形の組合せからなる2種類のパターンからなるサーボパターンが記録 されており,サーボ・ヘッドがサーボパターンを読み取ることによりヘッドの位置決めを行うことが開示されている。 (イ) ここで,乙16発明におけるサーボトラックは,テープの長手方向に伸びる帯(バンド)であるから,請求項1発明における「サーボバンド」に該当し,サーボトラック上に記録されたサーボパターンは,請求項1 発明における「サーボ信号」に該当する。また,サーボパターンは,非平行の向きに記録された磁気遷移より構成され,ストライプ(縞)を形成しており,「非平行な縞」からなるものである。 さらに,前述のとおり,請求項1発明における「磁気ヘッドのトラッキング制御」とは,データトラックに対する記録・再生を行う磁気ヘッ ドが,どのデータトラックを記録・再生しているかを把握し,磁気ヘッドのデータトラック上における位置を制御することを意味する。他方,乙16発明におけるサー ックに対する記録・再生を行う磁気ヘッ ドが,どのデータトラックを記録・再生しているかを把握し,磁気ヘッドのデータトラック上における位置を制御することを意味する。他方,乙16発明におけるサーボパターンはヘッドの位置決めのために用いられるものであるが,これは「磁気ヘッドのトラッキング制御」に他ならない。 したがって,請求項1発明と乙16発明を対比すると,両者の一致点・相違点は以下のとおりである。 a(一致点)磁気ヘッドのトラッキング制御をするためのサーボ信号が複数のサーボバンド上にそれぞれ書き込まれた磁気テープであって,前記各サ ーボ信号は,一つのパターンが非平行な縞からなることを特徴とする 磁気テープである点。 b相違点1請求項1発明では,各サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータがそれぞれ埋め込まれているのに対し, 乙16発明では,かかる構成を有するか明らかでは無い点。 c相違点2請求項1発明では,前記各データは,縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことにより各サーボ信号中に埋め込まれているのに対し,乙16発明では,かかる構成を有するか 明らかでは無い点。 (ウ) しかしながら,上記相違点については,以下に述べるとおり,乙15に,各サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータを埋め込むことが開示されており,これを乙16発明に組み合わ せることは当業者が容易になし得ることである。 a乙16に記載されているような,複数のデータバンド及び複数のサーボバンドがテー を埋め込むことが開示されており,これを乙16発明に組み合わ せることは当業者が容易になし得ることである。 a乙16に記載されているような,複数のデータバンド及び複数のサーボバンドがテープの長手方向に沿って交互にかつ平行に配置された磁気テープにおいては,サーボバンドを読み取るサーボ・ヘッドが,自らがどのサーボバンドを読み取っているかを特定できるような仕組 みが設けられている必要がある。すなわち,サーボバンドは,テープの幅方向における位置決めを正確に行い,データバンド上のデータの記録・再生を行うべき幅方向の位置を正確に特定することを目的として設けられるものである。 しかしながら他方で,サーボバンドを読み取るサーボ・ヘッドが, 自らの位置を見失い,どのサーボバンドを読み取っているかを判別で きなくなる場合も生じ得る。サーボ・ヘッドがどのサーボバンドを読み取っているかを判別できなくなると,結局,どのデータバンドでデータの記録・再生を行っているかも判別できなくなり,データの正確な記録・再生に支障を来たす。 上記のような問題点を解決するためには,サーボ・ヘッドがどのサ ーボバンドを読み取っているのかを特定できるような仕組みを設けておく必要がある。実際,乙16と同様に,複数のデータバンド及び複数のサーボバンドがテープの長手方向に沿って交互にかつ平行に配置された磁気テープを開示する文献である乙14においても,サーボバンドを特定するための仕組みが記載されており,上記のような課題の 存在が認識されている。 b他方,サーボバンドを特定するための方法として最も簡単かつ当業者にとって自明な方法は,乙15に開示されている,サーボバンドそれ自体にサーボバンドを特定する情報を埋め込む方法である。すなわち,乙1 他方,サーボバンドを特定するための方法として最も簡単かつ当業者にとって自明な方法は,乙15に開示されている,サーボバンドそれ自体にサーボバンドを特定する情報を埋め込む方法である。すなわち,乙15には,磁気テープ上に,磁気ヘッドアセンブリーの位置決 めのための複数のサーボ帯域(これは,請求項1発明における「サーボバンド」に該当する。)を設け,サーボ帯域にサーボ搬送信号の消去部分と非消去部分とからなるパターンを形成し,さらに,消去部分の長さを変化させることで,サーボ帯域を一意に同定する符号(換言すれば,個々のサーボ帯域を特定し,他のサーボ帯域から区別するた めのデータ)を当該サーボ帯域に埋め込むことが開示されている。 この点,乙15発明においては,サーボ読み取り要素がサーボ帯域上に形成されたサーボ搬送信号の消去部分と非消去部分とからなるパターンを読み取ることで,磁気ヘッドアセンブリーの位置決めが行われるから,当該パターンは請求項1発明における「磁気ヘッドのトラ ッキング制御をするためのサーボ信号」に該当する。また,乙15発 明においては,当該パターンにおける消去部分の長さを変化させることで,サーボ帯域を一意に同定する符号が当該サーボ帯域に埋め込まれるが,これは,請求項1発明における「各サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータがそれぞれ埋め込ま れ」ることに他ならない。 cここで,乙16発明及び乙15発明は,サーボバンド内に書き込まれるサーボ信号(サーボパターン)の構成の点において異なっている(乙16発明は非平行な磁気遷移を用いるものであるのに対し,乙15発明は,サーボ搬送信号の消去部分と非消去部分とからなる ド内に書き込まれるサーボ信号(サーボパターン)の構成の点において異なっている(乙16発明は非平行な磁気遷移を用いるものであるのに対し,乙15発明は,サーボ搬送信号の消去部分と非消去部分とからなるパター ンを用いるものである。)が,複数のデータバンド及び複数のサーボバンドがテープの長手方向に沿って交互にかつ平行に配置された磁気テープであるという点において,両者は共通するものであり,両者を組み合わせることに格別の困難性は無い。 したがって,乙16発明において,サーボバンドを特定する必要が あるという課題を解決するために,乙15発明が提示する解決方法である,サーボバンドを特定するためのデータを当該サーボバンドに書き込まれるサーボ信号に埋め込むという解決方法を採用することは,当業者が容易になし得ることである。 dもっとも,乙16には,データをサーボバンドに埋め込む具体的な 方法についての開示はない。この点は,請求項1発明と乙16発明との間の相違点(相違点2)である。 しかしながら,この点については,乙16と同様に非平行な磁気遷移からなるサーボパターンを使用したタイミング・ベース・サーボに関する文献である乙17において,非平行な縞を構成する線の位置を テープ長手方向にずらすことで,データを符号化し,サーボ信号中に 埋め込むことが開示されている。この点,乙16は,タイミング・ベース・サーボを開示する文献の例として,米国特許出願第09/370256号に言及しているところ,当該米国特許出願は,乙17にかかる日本特許出願に対応する米国特許出願であり,乙17と同内容の技術を開示するものである。 したがって,乙16発明において,サーボバンドを特定するためのデータを当該サーボバンドに書き込まれるサーボ信 特許出願に対応する米国特許出願であり,乙17と同内容の技術を開示するものである。 したがって,乙16発明において,サーボバンドを特定するためのデータを当該サーボバンドに書き込まれるサーボ信号に埋め込む方法として,乙17発明が提示する上記方法を用いることは,当業者が容易になし得ることである。 また,乙17発明が提示する,非平行な縞を構成する線の位置をテ ープ長手方向にずらすことでデータを符号化する方法は,前述のとおり,乙14及び乙18にも開示されている。とりわけ,乙14は,ISO及びIECが策定・公開した標準規格であり,当該標準規格において上記方法が採用されたことで,当該方法は本件特許の出願日当時,既に周知となっていたものである。これらの点も併せて考慮すれば, 乙17が提示する上記方法を採用することが当業者にとって容易であったことは,より一層明らかである。 eなお,乙15発明においては,サーボ搬送信号の消去部分の長さを変化させることで,サーボバンドを特定するためのデータを符号化してサーボ信号に埋め込んでいるが,これは換言すれば,消去部分の終 端の位置をサーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことにより,当該データをサーボ信号中に埋め込むことに他ならない。他方,乙17発明が提示する方法も,サーボパターンを構成する非平行な磁気遷移の位置をテープ長手方向にずらすことで,データをサーボ信号中に埋め込むものである。このように,サーボパターンを構成する要素の位 置をテープ長手方向にずらすことによりデータをサーボ信号中に埋め 込むものであるという点において,乙15発明と乙17発明は共通するものであり,両者は,サーボ信号中にデータを埋め込む方法として同種の技術を採用している。 かかる観点からも,サー に埋め 込むものであるという点において,乙15発明と乙17発明は共通するものであり,両者は,サーボ信号中にデータを埋め込む方法として同種の技術を採用している。 かかる観点からも,サーボバンドを特定するためのデータをサーボ信号中に埋め込む方法として,乙17発明が開示する方法を用いるこ とが容易であることは明らかである。 fしたがって,乙16発明において,サーボバンドを特定するためのデータを当該サーボバンドに書き込まれるサーボ信号に埋め込む方法として,乙17発明が提示する方法である,非平行な縞を構成する線の位置をテープ長手方向にずらすことで,データを符号化する方法を 用いることは,当業者が容易になし得ることである。 (エ) 以上のとおり,請求項1発明は,乙16発明,乙15発明及び乙17発明に基づいて当業者が容易に発明できたものであるから,進歩性を欠く。 (オ) 原告の主張に対する反論 a乙16について乙16それ自体に,サーボバンドの特定についての開示がないとしても,乙15に,複数のサーボ帯域を有する磁気テープにおいて,サーボ帯域を特定する必要があること,及び,その方法として,個々のサーボ帯域を特定し,他のサーボ帯域から区別するためのデータを当 該サーボ帯域に埋め込むことが開示されているのであるから,当業者が乙16発明に乙15発明を組み合わせる動機付けがあることは明らかである。 また,乙15に,複数のサーボ帯域を有する磁気テープにおいて,サーボ帯域を特定する必要があること,及び,その方法として,個々 のサーボ帯域を特定し,他のサーボ帯域から区別するためのデータを 当該サーボ帯域に埋め込むことが開示されているのであるから,当業者が乙16発明に乙15発明を組み合わせる動 て,個々 のサーボ帯域を特定し,他のサーボ帯域から区別するためのデータを 当該サーボ帯域に埋め込むことが開示されているのであるから,当業者が乙16発明に乙15発明を組み合わせる動機付けがあることは明らかである。そして,乙17に,非平行な縞を構成する線の位置をテープ長手方向にずらすことで,データを符号化し,サーボ信号中に埋め込むことが開示されており(なお,これは周知技術でもある。), これを乙16発明に適用することは当業者が容易になし得たことであるから,乙16それ自体にデータを埋め込む方法が開示されていないことは,乙16発明に乙15発明を組み合わせる上で阻害要因とはならない。 b乙17について 乙17に接した当業者は,乙17に開示されている技術(非平行な縞を構成する線の位置をテープ長手方向にずらすことで,データを符号化し,サーボ信号中に埋め込むこと)は,LPOSワードのみならず,データ一般をサーボ信号中に埋め込むために用いることができると当然に理解するものである。 また,乙17に開示されている上記技術は,複数の平行サーボトラックを備えたテープシステムにおいて使用することを想定したものであり(乙17・7頁11欄14~17行),乙17には,複数のサーボバンドを有する磁気テープにおいて上記技術を使用することが開示されている。この点,原告は,乙17の図2に依拠して,乙17には サーボバンドが1つしかない磁気テープが開示されているだけであると主張するが,図2はあくまで簡略化された図にすぎない(乙17・7頁11欄12~14行)。 したがって,乙16発明に乙17発明を組み合わせることは,当業者が容易になし得ることであり,原告の主張は失当である。 (原告の主張) (ア) ・7頁11欄12~14行)。 したがって,乙16発明に乙17発明を組み合わせることは,当業者が容易になし得ることであり,原告の主張は失当である。 (原告の主張) (ア) 本件発明と乙16発明との対比被告は,本件発明ではなく請求項1発明と乙16発明とを対比しているため,当該対比に基づく相違点の認定が誤っている。本件発明と乙16発明とを対比すると,少なくとも,以下の2つの相違点が認められる。 なお,相違点2については,前記アのとおりである。 a相違点1本件発明は,各サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号に,「複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータ」が,「縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすこと」により,それぞれ埋め込まれる のに対し,乙16発明では,「複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータ」が,「縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすこと」により,それぞれ埋め込まれることが開示されていない点。 b相違点2 本件発明は,サーボバンドを特定するためのデータをエンコードする第一工程と,第一工程でエンコードしたデータを記録パルス電流に変換する第二工程と,前記記録パルス電流をサーボ信号書込ヘッドに供給して,磁気テープの所定のサーボバンドに所定のエンコードされたデータが埋め込まれたサーボ信号を書き込む第三工程とを有するこ とを特徴とする磁気テープの製造方法であるのに対し,乙16発明では,このような工程を有する製造方法が開示されていない点。 (イ) 相違点1についてa乙16発明は,ドライブとカートリッジの組み合わせにより,ある周波数 製造方法であるのに対し,乙16発明では,このような工程を有する製造方法が開示されていない点。 (イ) 相違点1についてa乙16発明は,ドライブとカートリッジの組み合わせにより,ある周波数に生じる通常とは異なる大きさのインパルス的なスペクトルに よる不安定要因を取り除いて,サーボ系を安定化させるために,テー プドライブに挿入されたテープカートリッジのテープに記録されているサーボパターンの周波数分析を実行し,前記周波数分析で得られた周波数成分から所定のスペクトル範囲を超えた特異点を検出し,前記特異点のパワー・スペクトルをうち消すように前記低域通過フィルタの係数を設定するサーボシステム安定化方法である(乙16・【00 06】ないし【0008】,【0010】)。このように,乙16発明は,サーボバンドの特定については何ら開示も示唆もしていない。 したがって,乙16発明に接した当業者が,サーボバンドの特定という課題を認識することはない。 よって,乙16発明を主引用発明として本件発明は容易に想到し得 ない。 bまた,上記の点を措いたとしても,サーボバンドそれ自体にサーボバンドを特定する情報を埋め込むという乙15発明を乙16発明に適用することは容易に想到し得ない。 すなわち,乙15発明は,符号化トラックピッチの交互の消去及び 非消去の部分に情報を埋め込むアンプリチュードサーボにおいて,符号化トラックピッチの消去部分の長さを変化せしめて情報を埋め込む発明である。これに対して,乙16発明では,そもそもサーボパターンに情報を埋め込むことが開示されておらず(この点は被告も認めている。),その必要性もない。したがって,乙16に接した当業者が, 同号証に記載のサーボパターンに埋め込まれた情報を取り出して, ンに情報を埋め込むことが開示されておらず(この点は被告も認めている。),その必要性もない。したがって,乙16に接した当業者が, 同号証に記載のサーボパターンに埋め込まれた情報を取り出して,乙15に記載のサーボパターンに記録させようと動機付けられることはない。 加えて,乙16発明は,テープドライブのサーボ技術に関し,ストライプを用いたサーボ技術を用いている(乙16・【0001】,図 5)。乙16発明では,そもそもストライプ(サーボパターン)に情 報が埋め込まれていないが,仮にストライプに情報が埋め込まれることに想到し得たとしても,乙15に記載のアンプリチュードサーボとは,情報の埋め込み方が全く異なり,技術分野を異にしている。したがって,かかる点に鑑みても,乙16発明に乙15発明を適用することは困難である。 さらに,乙15発明は,符号化トラックピッチの交互の消去及び非消去の部分によってデータを埋め込むアンプリチュードサーボにおいて,従来,符号化トラックピッチを一意に同定するために,異なる周波数を用いて符号化トラックピッチを一意に同定していたところ,消去部分の長さを変化せしめるという改良技術を提供するものである。 したがって,乙15発明において,アンプリチュードサーボにおける消去部分の長さを変化せしめるという構成は本質的な特徴である。よって,このような乙15発明における本質的特徴を捨象して,符号化トラックピッチを一意に同定する符号をサーボ帯域に埋め込むという思想だけを抜き出そうとすることは,いわゆる「あと知恵」であって, 許されない。 よって,乙15に開示されたサーボバンドそれ自体にサーボバンドを特定する情報を埋め込む方法を乙16発明に適用することは容易に想到し得ない。 cまた,乙 知恵」であって, 許されない。 よって,乙15に開示されたサーボバンドそれ自体にサーボバンドを特定する情報を埋め込む方法を乙16発明に適用することは容易に想到し得ない。 cまた,乙16発明では,そもそもストライプ(サーボパターン)に 情報を埋め込むことが開示されていないし,情報を埋め込む必要性についても開示がない。したがって,乙17がサーボ信号中に情報を埋め込むことを開示していたとしても,乙16発明においてストライプに情報を埋め込むことに当業者が動機付けられることはない。 また,乙17発明は,タイミング・ベース・サーボにおいて,LP OSワードの記録において誤り訂正バイトが許されていないため(乙 17・【0007】),ストライプの間隔を比較してサーボパターン中に変調した各ビットのロバスト検出する方法を提供する(乙17・【請求項1】【0008】【0038】,図6)。 このように,乙17発明は,ストライプ(縞)の間隔を変化させて,誤り訂正が許されないLPOSワードを誤りなく検出する発明であり, LPOSワード以外をストライプ(縞)に埋め込むことは全く想定されていない。 また,乙17にはそもそもサーボバンドが1つしかない磁気テープが開示されているだけであり,複数のサーボバンドから1つのサーボバンドを特定する必要性が全くない(乙17・図2)。 このように,乙17の開示内容に鑑みても,乙16において,サーボバンドを特定するためのデータを当該サーボバンドに書き込まれるサーボ信号に埋め込む方法として,乙17に記載の方法を用いることに,当業者が動機付けられることはない。 d以上に述べたとおりであるから,乙15発明及び乙17発明から相 違点1に係る構成を想到することはないというべきであ 乙17に記載の方法を用いることに,当業者が動機付けられることはない。 d以上に述べたとおりであるから,乙15発明及び乙17発明から相 違点1に係る構成を想到することはないというべきである。 (ウ) 小括以上のとおり,本件発明と乙16発明との相違点1及び2は,乙15,乙17及び乙18発明から容易に想到し得ない。よって,本件発明は,乙16,乙15,乙17及び乙18発明から容易に発明できない。 エ乙15を主引用例とした請求項1発明の進歩性欠如(争点3-1-3)(被告らの主張)(ア) 乙15には,磁気テープ上に,磁気ヘッドアセンブリーの位置決めのための複数のサーボ帯域(これは,請求項1発明における「サーボバンド」に該当する。)を設け,サーボ帯域にサーボ搬送信号の消去部分と 非消去部分とからなるパターンを形成し,さらに,消去部分の長さを変 化させることで,サーボ帯域を一意に同定する符号(換言すれば,個々のサーボ帯域を特定し,他のサーボ帯域から区別するためのデータ)を当該サーボ帯域に埋め込むことが開示されている。 この点,乙15発明においては,サーボ読み取り要素がサーボ帯域上に形成されたサーボ搬送信号の消去部分と非消去部分とからなるパター ンを読み取ることで,磁気ヘッドアセンブリーの位置決めが行われるから,当該パターンは請求項1発明における「磁気ヘッドのトラッキング制御をするためのサーボ信号」に該当する。また,乙15発明においては,当該パターンにおける消去部分の長さを変化させることで,サーボ帯域を一意に同定する符号が当該サーボ帯域に埋め込まれるが,これは, 請求項1発明における「各サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバン 意に同定する符号が当該サーボ帯域に埋め込まれるが,これは, 請求項1発明における「各サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータがそれぞれ埋め込まれ」ることに他ならない。 (イ) 請求項1発明と乙15発明を対比すると,両者の一致点・相違点は以下のとおりである。 a一致点磁気ヘッドのトラッキング制御をするためのサーボ信号が複数のサーボバンド上にそれぞれ書き込まれた磁気テープであって,各サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータが それぞれ埋め込まれている点。 b相違点請求項1発明では,各サーボ信号は,一つのパターンが非平行な縞からなり,各データは,縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことにより各サーボ信号中に埋め込まれてい るのに対し,乙15発明では,各サーボ信号は,一つのパターンはサ ーボ搬送信号の消去部分と非消去部分とからなり,各データは,非消去部分の長さをサーボバンド毎に変化させることにより各サーボ信号中に埋め込まれている点。 (ウ) しかしながら,上記相違点については,非平行な磁気遷移からなるサーボパターンを使用したタイミング・ベース・サーボを磁気テープにお いて用いることは,本件特許の出願日当時,既に周知技術であったものであり,当業者により普通に使用されていたものである。このことは,タイミング・ベース・サーボが,乙14,乙16,乙17及び乙18に開示されていることから明らかである。とりわけ乙14は,本件特許の出願日前にISO及びIECによって策定・公開された標準規格であり ,タイミング・ベース・サーボが,乙14,乙16,乙17及び乙18に開示されていることから明らかである。とりわけ乙14は,本件特許の出願日前にISO及びIECによって策定・公開された標準規格であり, 乙14に開示されているタイミング・ベース・サーボが周知となっていたことは明らかである。 さらに,タイミング・ベース・サーボは,乙19ないし25(乙19・20頁右欄13~22行,同図9,乙20・2頁2欄29~3頁3欄23行,同図2・3,乙21・2頁2欄31行~3頁3欄28行,同図2・ 3,乙22・5頁8欄47行~6頁9欄23行,同図3・4,乙23・6頁9欄9行~10欄5行,同図3・4,乙24・2頁2欄30~36行,同図9,乙25・3頁3欄41~45行,同図9)にも開示されている。 (エ) 以上のとおり,非平行な磁気遷移からなるサーボパターンを使用した タイミング・ベース・サーボを磁気テープにおいて用いることは,本件特許の出願日当時,既に周知技術であったものであり,当業者により一般的に使用されていた。 したがって,乙15発明における,一つのパターンがサーボ搬送信号の消去部分と非消去部分とからなるサーボ信号に代えて,周知技術であ る,非平行な磁気遷移からなるサーボパターン(換言すれば,一つのパ ターンが非平行な縞からなるサーボ信号)を用いることは,当業者が容易になし得たことである。 (オ) もっとも,乙15発明において,一つのパターンが非平行な縞からなるサーボ信号を採用した場合には,データをサーボ信号に埋め込む方法についても別の方法を採用する必要がある。しかしながら,この点につ いては,前述のとおり,非平行な磁気遷移からなるサーボパターンを使用したタイミング・ベース・サーボに関する文献である乙17 方法についても別の方法を採用する必要がある。しかしながら,この点につ いては,前述のとおり,非平行な磁気遷移からなるサーボパターンを使用したタイミング・ベース・サーボに関する文献である乙17に,非平行な縞を構成する線の位置をテープ長手方向にずらすことで,データを符号化し,サーボ信号に埋め込むことが開示されている。 したがって,乙15発明において,一つのパターンが非平行な縞から なるサーボ信号を採用する際,サーボバンドを特定するためのデータを当該サーボバンドに書き込まれるサーボ信号に埋め込む方法として,乙17発明が提示する方法である上記方法を採用することは,当業者が容易になし得ることである。 また,乙17発明が提示する,非平行な縞を構成する線の位置をテー プ長手方向にずらすことでデータを符号化する方法は,乙14及び乙18にも開示されている。とりわけ,乙14は,ISO及びIECが策定・公開した標準規格であり,当該標準規格において上記方法が採用されたことで,当該方法は本件特許の出願日当時,既に周知となっていたものである。これらの点も併せて考慮すれば,乙17が提示する上記方法を 採用することが当業者にとって容易であったことは,より一層明らかである。 (カ) なお,前述のとおり,乙15発明においては,サーボ搬送信号の消去部分の長さを変化させることで,サーボバンドを特定するためのデータを符号化してサーボ信号に埋め込んでいるが,これは換言すれば,消去 部分の終端の位置をサーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことによ り,当該データをサーボ信号中に埋め込むことに他ならない。 他方,乙17発明が提示する方法も,サーボパターンを構成する非平行な磁気遷移の位置をテープ長手方向にずらすことで,データをサーボ信 り,当該データをサーボ信号中に埋め込むことに他ならない。 他方,乙17発明が提示する方法も,サーボパターンを構成する非平行な磁気遷移の位置をテープ長手方向にずらすことで,データをサーボ信号中に埋め込むものである。このように,サーボパターンを構成する要素の位置をテープ長手方向にずらすことによりデータをサーボ信号中 に埋め込むものであるという点において,乙15発明と乙17発明は共通するものであり,両者は,サーボ信号中にデータを埋め込む方法として同種の技術を採用している。 かかる観点からも,サーボバンドを特定するためのデータをサーボ信号中に埋め込む方法として,乙17発明が開示する方法を用いることが 容易であることは明らかである。 (キ) したがって,乙15発明において,一つのパターンが非平行な縞からなるサーボ信号を採用する際,サーボバンドを特定するためのデータを当該サーボバンドに書き込まれるサーボ信号に埋め込む方法として,乙17発明が提示する方法である,非平行な縞を構成する線の位置をテー プ長手方向にずらすことで,データを符号化する方法を採用することは,当業者が容易になし得ることである。 (ク) 以上のとおり,請求項1発明は,乙15発明,乙17発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明できたものであるから,進歩性を欠く。 (原告の主張) (ア) 本件発明と乙15発明との対比被告は,本件発明ではなく請求項1発明と乙15発明とを対比しているため,当該対比に基づく相違点の認定が誤っている。本件発明と乙15発明とを対比すると,少なくとも,以下の2つの相違点が認められる。 なお,相違点2については,前記アのとおりである。 a相違点1 本件発明は,各サーボバンド内に書き込まれた各サー とを対比すると,少なくとも,以下の2つの相違点が認められる。 なお,相違点2については,前記アのとおりである。 a相違点1 本件発明は,各サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号に,「複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータ」が,「縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすこと」により,それぞれ埋め込まれるのに対し,乙15発明では,「複数のサーボバンドのうちのそのサー ボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータ」が,「サーボ搬送信号の消去部分と非消去部分とからなるパターンにおける消去部分の長さを変化させること」により,埋め込まれる点。 b相違点2本件発明は,サーボバンドを特定するためのデータをエンコードす る第一工程と,第一工程でエンコードしたデータを記録パルス電流に変換する第二工程と,前記記録パルス電流をサーボ信号書込ヘッドに供給して,磁気テープの所定のサーボバンドに所定のエンコードされたデータが埋め込まれたサーボ信号を書き込む第三工程とを有することを特徴とする磁気テープの製造方法であるのに対し,乙15発明は このような工程を有する製造方法が開示されていない点。 (イ) 相違点1についてa乙15発明は,符号化トラックピッチの交互の消去及び非消去の部分に情報を埋め込むアンプリチュードサーボにおいて,符号化トラックピッチの消去部分の長さを変化せしめて情報を埋め込む発明である。 これに対して,乙17発明は,ストライプ間の距離を調整して情報を埋め込むタイミング・ベース・サーボの発明である。このように,乙15発明のアンプリチュードサーボと,乙17に記載のタイミング・ベース・サーボとでは,情報の埋め込み方が ライプ間の距離を調整して情報を埋め込むタイミング・ベース・サーボの発明である。このように,乙15発明のアンプリチュードサーボと,乙17に記載のタイミング・ベース・サーボとでは,情報の埋め込み方が全く異なり,技術分野を異にしている。したがって,そもそも乙15発明に乙17発明を組み 合わせることは困難である。 また,乙17発明は,ストライプ(縞)の間隔を変化させて,誤り訂正が許されないLPOSワードを誤りなく検出する発明であり,LPOSワード以外をストライプ(縞)に埋め込むことは全く想定されていない。さらに,乙17にはそもそもサーボバンドが1つしかない磁気テープが開示されているだけであり,複数のサーボバンドから1 つのサーボバンドを特定する必要性が全くない(乙17・図2)。したがって,乙17発明から,ストライプ(縞)にLPOSワードとは無関係のサーボバンドを特定する情報を埋め込むことを動機付けられることは全くない。 よって,乙15発明に乙17発明を組み合わせることができたとし ても,当業者はストライプにサーボバンドを特定する情報を埋め込む構成に到達し得ない。 bまた,乙15発明は,符号化トラックピッチの交互の消去及び非消去の部分によってデータを埋め込むアンプリチュードサーボにおいて,従来,符号化トラックピッチを一意に同定するために,異なる周波数 を用いて符号化トラックピッチを一意に同定していたところ,消去部分の長さを変化せしめるという改良技術を提供するものである。したがって,乙15発明において,アンプリチュードサーボにおける消去部分の長さを変化せしめるという構成は本質的な特徴である。よって,このような乙15発明における本質的特徴を捨象して,符号化トラッ クピッチを一意に同定する符号を プリチュードサーボにおける消去部分の長さを変化せしめるという構成は本質的な特徴である。よって,このような乙15発明における本質的特徴を捨象して,符号化トラッ クピッチを一意に同定する符号をサーボ帯域に埋め込む方法として,乙17のタイミング・ベース・サーボの技術を選択することは,いわゆる「あと知恵」であって,許されない。 c以上に述べたとおりであるから,相違点1について乙17発明及び周知技術から容易に想到し得ない。 (ウ) また,乙15発明はアンプリチュードサーボの発明であり,それに組 み合わせようとする発明(乙19~25)はタイミング・ベース・サーボの発明である。しかし,乙16に記載のタイミング・ベース・サーボと乙15に記載のアンプリチュードサーボでは情報の埋め込み方が全く異なり技術分野が異なるから,当業者は両者を組み合わせようと動機付けられるものではない。 また,乙15には,符号化トラックピッチを一意に同定するためにトラックピッチの消去部分の長さを変化せしめる発明が開示されている。 このような乙15発明を乙17等のタイミング・ベース・サーボのサーボバンドのストライプに適用すると,サーボバンドにデータを記録できなくなってしまい,サーボバンドとしての機能を果たせなくなってしま う。したがって,乙15発明に乙17等に記載の発明を適用することには阻害要因があるといえる。さらに,乙15に記載の「符号化トラックピッチの消去部分の長さを変化せしめる」という解決手段は本質的な特徴であるから,このような特徴を無視して,サーボトラックを一意に同定する符号をサーボ帯域に埋め込む思想だけをタイミング・ベース・サ ーボの発明と組み合わせることは不可能である。 よって,このような乙15発明における本質的特徴 して,サーボトラックを一意に同定する符号をサーボ帯域に埋め込む思想だけをタイミング・ベース・サ ーボの発明と組み合わせることは不可能である。 よって,このような乙15発明における本質的特徴を捨象して,サーボトラックを一意に同定する符号をサーボ帯域に埋め込むという思想だけをタイミング・ベース・サーボの発明と組み合わせることは,「あと知恵」であって,許されない。 (エ) 小括以上のとおり,本件発明と乙15発明との相違点1及び2は,乙17発明,周知技術及び乙18発明から容易に想到し得ない。よって,本件発明は,乙15,乙17及び乙18発明及び周知技術から容易に発明できない。 オ乙A1を主引用例とした請求項1発明の進歩性欠如(争点3-1-4) (被告らの主張)(ア) 概要請求項1発明は,乙A1発明及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるから,進歩性を欠く。 乙A1の2(特開2001-67847号公報)に係る出願は,乙A 1の1(米国特許第6239939号明細書)に係る出願(US09/370256,出願日1999年8月9日)を基礎出願とする優先権主張出願である。乙A1の1及び乙A1の2は,基本的に同一の内容なので,以下の説明では,便宜上,乙A1の2の記載に基づき説明する。 (イ) 乙A1の開示事項 乙A1の2には,磁気テープのような長尺媒体において,テープヘッドがデータトラックに正確に追随するためのサーボパターンをサーボトラック27に書き込むこと(段落【0002】,【0016】),及び,サーボトラックはテープに平行して複数設けられるものであること(段落【0016】)が開示されている。乙A1発明のサーボトラックは, 「トラック」という文言で説明されているが 016】),及び,サーボトラックはテープに平行して複数設けられるものであること(段落【0016】)が開示されている。乙A1発明のサーボトラックは, 「トラック」という文言で説明されているが,トラッキング制御を行うサーボパターン(サーボ信号)が書き込まれた帯状の部分であるから,請求項1発明のクレーム中に規定するサーボ「バンド」に該当することは明らかである。なお,本件特許出願当時,サーボ信号が記録された領域については,サーボバンドとサーボトラックの両方の言葉が使用され ており,例えば,インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション(IBM)が公表しているRedbooks(TheIBMTotalStorageTapeLibrariesGuideforOpenSystems)(乙A23)において,「サーボトラック(バンドとも呼ばれる)」などと記載されているとおり,両者に技術的な区別はなされていなかった。この点,いずれも 原告の特許出願(本件特許と筆頭発明者が同じである。)にかかる特開 2000-242915号公報(乙A24)の段落【0012】には,「合計で5本のサーボ信号のトラック(以下,サーボトラックSとする)」との記載があり,特開2002-367101号公報(乙A25)の段落【0011】には,「5本のサーボトラックTrが形成される。図示例においては,所定角度で傾斜する3本のサーボ信号Sと,この信号と 逆方向に同角度で傾斜する3本のサーボ信号Sとを1つのパターンとし,このパターンを繰り返すことでサーボトラックTrが形成される。」と記載されていることからも,本件特許出願当時,サーボバンドを意味する用語として,サーボトラックとの用語も用いられていたことは明らかである。よって,乙 り返すことでサーボトラックTrが形成される。」と記載されていることからも,本件特許出願当時,サーボバンドを意味する用語として,サーボトラックとの用語も用いられていたことは明らかである。よって,乙A1には,「磁気ヘッドのトラッキング制御をする ためのサーボ信号が複数のサーボバンド上にそれぞれ書き込まれた磁気テープ」が開示されている(構成1a)。 また,乙A1の2には,上述のように,サーボパターンをサーボトラック27に書き込むことが開示されている(段落【0002】,【0016】)。すなわち,乙A1の2には,所定のデータを書き込むことが 記載されている。したがって,乙A1には,「各サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号に,データがそれぞれ埋め込まれ」ることが開示されている(構成1b)。 さらに,このサーボパターンは,図5に示されるとおり,一つのパターンが非平行な縞からなり,縞を構成する線の位置を,テープ長手方向 にずらすことによりデータを符号化するものであるから,乙A1の2には,一つのパターンが非平行な縞からなり,縞を構成する線の位置を,テープ長手方向にずらすことにより,データを各サーボバンドに埋め込むことが開示されている(段落【0032】,【0033】)。したがって,乙A1には,「前記各サーボ信号は,一つのパターンが非平行な 縞からなり,各データは,前記縞を構成する線の位置を,サーボバンド 毎にテープ長手方向にずらすことにより前記各サーボ信号中に埋め込まれている」ことが開示されている(構成1c)。 また,乙A1の2の段落【0002】の記載から明らかなように,乙A1には,「磁気テープ」が開示されている(構成1d)。 (ウ) 請求項1発明と乙A1発明との対比 請求項1発明と乙A1発明を対比す ,乙A1の2の段落【0002】の記載から明らかなように,乙A1には,「磁気テープ」が開示されている(構成1d)。 (ウ) 請求項1発明と乙A1発明との対比 請求項1発明と乙A1発明を対比すると,両者の一致点・相違点は以下のとおりである。 a一致点磁気ヘッドのトラッキング制御をするためのサーボ信号が複数のサーボバンド上にそれぞれ書き込まれた磁気テープであって(構成要件 A及び構成1a),各サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号に,データがそれぞれ埋め込まれ(構成要件Bのうち,構成1bに対応する部分),前記各サーボ信号は,一つのパターンが非平行な縞からなり,各データは,前記縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことにより前記各サーボ信号中に埋め込まれて いる(構成要件C及び構成1c )ことを特徴とする磁気テープ(構成要件D及び構成1d),である点。 b相違点請求項1発明の構成要件Bにおいて,「データ」が,「複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定する ためのデータ」であるのに対して,乙A1発明の構成1bにおいては,「複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータ」についての開示がない点。 (エ) 相違点が容易想到であることa乙A5~乙A11に記載されているとおり,本件特許出願前,所望 のデータトラックに誤りなく記録/再生するという周知の目的のもと, トラッキング制御をするための複数のサーボバンドを有する磁気テープにおいて複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定する必要性があること,そのために,各サーボバンド内に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信 ボバンドを有する磁気テープにおいて複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定する必要性があること,そのために,各サーボバンド内に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するための識別情報をそれぞれ埋め込むことは周知の 技術であったといえる。 また,乙A12~乙A17に記載されているとおり,本件特許出願前,磁気ディスク,光ディスク,光カード,光テープ等の2次元平面に情報を記録する記録媒体においても,同様の目的のもと,サーボバンドに相当するサーボトラックを識別するためにサーボトラック内に サーボトラックを特定するための識別情報を埋め込むことは周知の技術であった。磁気ディスク,光ディスク,光カード,光テープと磁気テープは,2次元平面に情報を記録する記録媒体である点で共通し,サーボトラックやデータトラックというフォーマットについても共通することから,かかる媒体の形状の違いや,光,磁気の記録再生方式 の違いに関わらず,当該媒体の所望の位置にデータを記録するために,当業者であれば,2次元平面に情報を記録する記録媒体で知られていた技術を磁気テープにも採用することについては動機づけがあった。 以上述べたことから,各サーボバンド内に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するための識別 情報をそれぞれ埋め込むことは,磁気テープ及び光ディスク等を含む,2次元平面に情報を記録するための記録媒体の技術分野において,本件特許出願前に広く知られた周知の技術であったといえる。 b以上のとおり,複数のサーボバンドを有する磁気テープにおいて,ある所望のデータトラックに誤りなく記録/再生するという周知の目 的のもと,記録再生ドライブが,磁気テー であったといえる。 b以上のとおり,複数のサーボバンドを有する磁気テープにおいて,ある所望のデータトラックに誤りなく記録/再生するという周知の目 的のもと,記録再生ドライブが,磁気テープに対する自身のヘッドの 位置を把握するために複数のサーボバンドのうちの所望のデータトラックに対応するサーボバンドを特定する必要性があること,そのために,各サーボバンド内に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するための識別情報をそれぞれ埋め込むことは,本件特許の出願時には,既に周知技術であった。 乙A1には,複数のサーボバンドを有する磁気テープが開示されており,そのようなテープにおいても同様の周知の目的のもと,複数のサーボバンドのうちの所望のデータトラックに対応するサーボバンドを特定する必要があること,そのために,各サーボバンド内に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特 定するための識別情報をそれぞれ埋め込むことは周知であったのであるから,乙A1発明と同じ磁気テープについての周知技術を組み合わせる動機づけが十分あったといえる。 したがって,相違点にかかる構成は,乙A1発明に周知技術を組み合わせることにより,当業者が容易に想到し得るものである。 (オ) 小括以上のとおり,請求項1発明は,乙A1発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明できたものであるから,進歩性を欠く。 (原告の主張)(ア) 乙A1発明の認定の誤り 乙A1発明は,タイミング・ベース・サーボのサーボパターンを構成するバーストの欠陥によるエラーを解決する方法である。すなわち,乙A1発明は,タイミング・ベースのサーボパターンを構成するバースト(ストライプ(ハの字)パ ング・ベース・サーボのサーボパターンを構成するバーストの欠陥によるエラーを解決する方法である。すなわち,乙A1発明は,タイミング・ベースのサーボパターンを構成するバースト(ストライプ(ハの字)パターン)の欠陥によってストライプ間隔(タイミング間隔)にズレが発生しそれによってエラーが生じても,検出し たハの字を構成する線の間隔を複数比較すること等によって,ビット値 (0又は1)を識別するデータ検出方法である。乙A1の図2においても,サーボトラックが1つである磁気テープの発明が説明されているのは,このような乙A1発明の特徴によるものである(乙A1【図2】)。 したがって,乙A1の【0016】の「当業者が認識し得るように,ほとんどのテープシステムは,複数の平行サーボトラック,複数のサー ボ再生ヘッド,及び複数のデータ再生・記録ヘッドを備えている。」というテープシステムの一般的な記載があっても,乙A1発明において,複数のサーボバンドを設けようとした場合に,各サーボバンドにどのようなデータをどのように埋め込んで,それぞれのデータバンドを識別することになるのかは全く不明である。乙A1には,複数のサーボバンド が設けられた場合に,各サーボバンドにデータを埋め込むか否か,埋め込むとしたらどのようなデータを埋め込むのか,各サーボバンドに埋め込まれるデータが同一なのか否か等,具体的な記載は全くない。 以上のとおりであるから,乙A1には,少なくとも,構成1aにおける「サーボ信号が複数のサーボバンド上にそれぞれ書き込まれている点」, 構成1bにおける「各サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号に,データがそれぞれ埋め込まれる点」,構成1cにおける「各データは,前記縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向に 構成1bにおける「各サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号に,データがそれぞれ埋め込まれる点」,構成1cにおける「各データは,前記縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことにより前記各サーボ信号中に埋め込まれている点」が記載されていない。 よって,被告らによる乙A1発明の認定は誤っている。 (イ) 被告らの認定する乙A1発明を前提としても請求項1発明は容易に想到し得ないこと仮に,被告らによる乙A1発明の認定に誤りがないと措定してみたとしても,請求項1発明は乙A1発明から容易に想到し得ない。 a乙A1に接した当業者が,乙A1発明の複数のサーボバンドに着目 し,さらに,各サーボバンドを特定しようと動機付けられることはないこと乙A1発明の課題は,タイミング・ベースのサーボパターンを構成するバースト(ストライプ(ハの字)パターン)の欠陥によってストライプ間隔(タイミング間隔)にズレが発生しそれによってエラーが 生じても,ビット値(0又は1)を正確に識別できるデータ検出方法を提供することにある。そして,このような課題の解決手段として,乙A1は請求項1のデータ検出方法を提供し,具体的には,検出したハの字を構成する線の間隔を複数比較すること等によって,ビット値(0又は1)を識別するデータ検出方法を提供する。 このように,乙A1発明は,1つのサーボバンドにおけるタイミング・ベース・サーボについて,タイミングの間隔(ハの字の幅)にエラーが生じてもビット値(0又は1)を識別できる発明であり,サーボバンドの特定とは全く無関係である。 したがって,乙A1に接した当業者は,乙A1発明を複数のサーボ バンドに適用し,それら複数のサーボバンドを特定するための方法とし できる発明であり,サーボバンドの特定とは全く無関係である。 したがって,乙A1に接した当業者は,乙A1発明を複数のサーボ バンドに適用し,それら複数のサーボバンドを特定するための方法として乙A1に記載された技術を適用しようと動機付けられ,乙A5~乙A17に記載された発明を組み合わせようとすることはない。 b乙A1発明に乙A5~乙A17に記載の発明を組み合わせることができたとしても,請求項1発明を容易に想到し得ないこと 仮に,乙A1に接した当業者が,乙A1のサーボバンドを複数有する磁気テープにおいて,各サーボバンドを特定する必要性を認識したとしても,乙A5~乙A17のいずれにも,タイミング・ベース・サーボの発明において,サーボバンドを特定するためのデータを縞を構成する線の位置をサーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことによ り埋め込む構成は全く記載されていない。したがって,仮に乙A5~ 乙A17の全ての発明を乙A1に組み合わせることができたとしても,当業者は請求項1発明には到達し得ない。 また,乙A1に接した当業者が,乙A1のサーボバンドを複数有する磁気テープにおいて,各サーボバンドを特定する必要性を認識したとしても,乙A1発明において,タイミング・ベース・サーボの開始 位置をずらすこと(オフセット)によってサーボバンドを特定する発明に到達するまでである(明細書【0002】,甲3,乙4)。すなわち,本件特許の出願当時,タイミング・ベース・サーボにおいては,隣接するサーボバンドのサーボパターンをテープ長手方向にオフセットさせ,それらのサーボバンドの信号を同時に読み取って比較するこ とで,サーボバンドを特定することが知られており(甲2【0002】),現に,本件特許の出願当時,乙4(IS 長手方向にオフセットさせ,それらのサーボバンドの信号を同時に読み取って比較するこ とで,サーボバンドを特定することが知られており(甲2【0002】),現に,本件特許の出願当時,乙4(ISO/IECの標準規格)では,上記技術が採用されていた。したがって,仮に,乙A1発明において複数のサーボバンドから1つのサーボバンドを特定しようと動機付けられたとしても,オフセットを用いてサーボバンドを特定する発明を 想到するのであり,他の手段を容易に想到することはない。 c乙A5~乙A17に基づく主張は後知恵であること加えて,乙A5~乙A17には,互いに発明の課題も課題の解決手段等も全く異なる発明が開示されており,具体的には,記録媒体(磁気テープ,磁気ディスク,光ディスク,光カード等),サーボ信号の 種類(タイミング・ベース・サーボ,アンプリチュードサーボ,磁気記録媒体上の光サーボ等)等が異なっている。被告らの主張は,記録媒体や,サーボ信号の種類等が異なる乙A5~乙A17に記載された発明を上位概念化して共通点を括り出し,各サーボバンド内に,複数のサーボバンドの内のそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定 するための識別情報をそれぞれ埋め込むことを抽出するものである。 すなわち,被告らは,請求項1発明を見た上で,請求項1発明の構成要件と関連する記載のある乙A5~乙A17を選び,これらの先行文献にそれぞれ記載された具体的な発明から,請求項1発明の構成要件を無理矢理抽象的な概念として変容させ,乙A1発明と組み合わせて進歩性欠如を主張しているのであり,被告らの主張は,当業者が容易 に想到し得る範囲を超えており,いわゆる「後知恵」に基づくもの以外の何ものでもない。 (ウ) 小括以上述べたとおりであるか 進歩性欠如を主張しているのであり,被告らの主張は,当業者が容易 に想到し得る範囲を超えており,いわゆる「後知恵」に基づくもの以外の何ものでもない。 (ウ) 小括以上述べたとおりであるから,乙A1発明から出発して,請求項1発明は容易に想到し得ない。 カ乙A2に基づく請求項1発明の新規性欠如(争点3-1-5)(被告らの主張)(ア) 概要請求項1発明は,乙A2発明と同一であるから,新規性を欠く。 乙A2の2(特表2003-504791号公報)に係る出願は,乙 A2の1(米国特許第6433949号明細書)に係る出願と同一の米国仮出願(US60/143240,出願日1999年7月9日)を基礎出願とする優先権主張出願である。乙A2の1及び乙A2の2は,基本的に同一の内容なので,以下の説明では,便宜上,乙A2の2の記載に基づき説明する。 (イ) 乙A2の開示事項a乙A2の2の段落【0004】~【0007】には,乙A2の2に記載の磁気テープは,LTOフォーマットに従うことができることが記載されており,LTOフォーマットの概要も記載されている。したがって,下記に示すLTOフォーマットの内容は,乙A2に開示され ているといえる。 LTOフォーマットのULTRIUM-1は,ISO/IEC22050(乙A4の1。同一の内容の日本工業規格(JISX75:2006)(乙A4の2))にその仕様が記載されているところ,その内容は,乙A2に開示されているといえる。 乙A2の2の開示事項として述べたように,乙A2の2には,複数 のサーボバンドを有する磁気テープが記載されている(段落【0009】)。また,乙A2の2には,LTOフォーマットに従うことができることが記載されている(段落 述べたように,乙A2の2には,複数 のサーボバンドを有する磁気テープが記載されている(段落【0009】)。また,乙A2の2には,LTOフォーマットに従うことができることが記載されている(段落【0004】~【0007】)。特に,段落【0004】には,「詳細には,LTOフォーマットは,各データバンドに区分する5つのサーボバンドにより,テープの幅方向 に対して横断するように分離された4つの分離データバンドを提供している。これらのサーボバンド内のデータは,テープユニットがどのデータバンドであるかを特定することが可能とするように,テープが走行する軸線に沿って指定された量だけ長手方向にオフセットされている。」との記載がある。よって,乙A2には,「磁気ヘッドのトラ ッキング制御をするためのサーボ信号が複数のサーボバンド上にそれぞれ書き込まれた磁気テープ」が開示されている(構成2a)。 bまた,LTOフォーマットに従った磁気テープにおいては,磁気ヘッドのトラック追随のためのサーボ信号が複数のサーボバンド0~4上に記録されており(乙A4の1,図25),Aバースト及びBバー ストから構成されるサーボ信号の一のパターンは非平行なストライプ(縞)からなり,ストライプ(縞)を構成する線の位置をテープの長手方向にずらすことにより,サーボフレームの情報が符号化されている(乙A4の1,図28)。 そして,乙A2の2には,「磁気テープメディアに対して垂直方向 に整列された多数の独立サーボ書込みコアを有する書込みヘッドが提 供されている。サーボ書込みコアの全ては,好ましくは,独立した駆動装置及びデータ生成器を有しており,これにより各駆動装置及び各データ生成器が磁気テープメディア上にデータを独立的に符号化することを可能と れている。サーボ書込みコアの全ては,好ましくは,独立した駆動装置及びデータ生成器を有しており,これにより各駆動装置及び各データ生成器が磁気テープメディア上にデータを独立的に符号化することを可能としている。」との記載がある(乙A2の2,段落【0009】)。さらに,乙A2の2には,「5つの個別の書込みコアを独 立した巻線と垂直方向に位置決めすることにより,このことが可能となっている。」との記載がある(乙A2の2,段落【0013】)。 そして,乙A2の2には,「5つの個別のデータ生成器を使用することにより,独特の長手方向オフセットを有する,又はデータ符号化する(中略)テストテープといった特別な目的のためのサーボテープを 生成することに対応可能である。」との記載がある(乙A2の2,段落【0020】)。すなわち,乙A2の2には,独立したデータ生成器を有する5つの個別の独立サーボ書込みコアを用いて,独立的にデータを符号化することが記載されているといえる。したがって,乙A2の2には,LTOフォーマットに記載されているような磁気テープ (つまり,磁気ヘッドのトラッキング制御をするためのサーボ信号が複数のサーボバンド上に書き込まれ,一つのパターンが非平行な縞からなるサーボ信号の,縞を構成する線の位置をテープの長手方向にずらすことによって,データをサーボ信号中に埋め込まれる磁気テープ)において,各サーボバンド0~4に書き込まれるサーボ信号をそれぞ れ5個独立して書き込むこと,つまり,サーボ信号を構成する縞の書き込みタイミングをそれぞれ独立して制御することによって縞を構成する線の位置をテープの長手方向にずらすことにより,それぞれのサーボバンドに異なるデータを埋め込むことが開示されているといえる。 サーボバンドにそれぞれ異なるデータ 立して制御することによって縞を構成する線の位置をテープの長手方向にずらすことにより,それぞれのサーボバンドに異なるデータを埋め込むことが開示されているといえる。 サーボバンドにそれぞれ異なるデータが埋め込まれているということ は,埋め込まれたデータからそれぞれのサーボバンドを識別すること ができることになるため,かかるデータはサーボバンドを特定するためのデータに他ならないといえる。すなわち,上記に挙げたLTOの規格書(乙A4の2)11.3においては,サーボフレーム信号に記載される情報として,「テープの長手方向の絶対位置,製造業者のデータ及びサーボバンド識別情報」が挙げられているが,「テープの長 手方向の絶対位置」は,長手方向の位置が同じあれば幅方向の位置,すなわちサーボバンドが異なっても同一の情報が書き込まれ,同様に,「製造業者のデータ」はサーボバンドが異なっても同一の情報が書き込まれることが前提となっていることを当業者は当然に理解する。それゆえ,乙A2の2に記載の独立サーボ書込みコアを用いるならば, サーボバンドを識別する情報を各サーボバンドに独立に書き込むことができることを,当業者は当然に理解する。 したがって,乙A2には,「各サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータがそれぞれ埋め込まれ」ている ことが開示されているといえる(構成2b)。 cまた,上述のように,乙A4の1には,Aバースト及びBバーストから構成されるサーボ信号の一のパターンは非平行なストライプ(縞)からなり,ストライプ(縞)を構成する線の位置をテープの長手方向にずらすことにより,サーボフレームの情報が符号化されていること が記載さ れるサーボ信号の一のパターンは非平行なストライプ(縞)からなり,ストライプ(縞)を構成する線の位置をテープの長手方向にずらすことにより,サーボフレームの情報が符号化されていること が記載されている(乙A4の1,図28)。サーボバンド毎に独立した情報を符号化するということは,サーボバンド毎に異なる0と1のデータを埋め込むことであり,0と1で非平行な線の位置をテープの長手方向にずらす方向を異ならせることは,乙A4の1に記載されているとおりである。したがって,乙A2には,「前記各サーボ信号は, 一つのパターンが非平行な縞からなり,各データは,前記縞を構成す る線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことにより前記各サーボ信号中に埋め込まれている」ことが開示されている(構成2c)。 dまた,乙A2の2の段落【0009】の記載から明らかなように,乙A2には,「磁気テープ」が開示されている(構成2d)。 (ウ) 請求項1発明と乙A2発明との対比請求項1発明の構成要件と,上述の乙A2発明とを対比すると,請求項1発明の構成要件A,B,C及びDは,乙A2発明の構成2a,2b,2c及び2dに対応することは明らかである。 よって,乙A2には,請求項1発明のすべての構成要件が開示されて いるといえる。 (エ) サーボバンドを特定する方式についてなお,LTOフォーマットのULTRIUM-1(乙A4の1)で,隣接する2本のサーボバンドを同時に読み取って,サーボバンドの相対移動量を検出して磁気ヘッドが位置するサーボバンドを特定する方式が 採用されてもよいことが記載されていたため,乙A2では,隣接する2本のサーボバンドが相対移動量を有する磁気テープのサーボ信号を書き込むことを主に説明している。しか ーボバンドを特定する方式が 採用されてもよいことが記載されていたため,乙A2では,隣接する2本のサーボバンドが相対移動量を有する磁気テープのサーボ信号を書き込むことを主に説明している。しかしながら,当業者は,規格に記載の方式は永遠に続くものではなく,将来変更し得る可能性があることは当然に考慮していた。 (オ) 小括以上より,請求項1発明は乙A2発明と同一であるから,新規性を欠く。 (原告の主張)(ア) 乙A2発明として乙A4発明を組み込んで認定できないこと 乙A2には「LTOフォーマット」という記載があるだけで,LTO フォーマットを採用した磁気記録媒体の具体的な構成について記載されておらず,乙A4の1に記載された磁気記録媒体の構成も記載されていない。したがって,乙A4の1の内容が乙A2に開示されているという被告らの主張は誤っている。 また,乙A4の1の発行日は2002年10月1日であり,乙A2の 1の特許出願日である2000年7月7日よりも遅い。したがって,乙A2の1に接した当業者は,乙A2の1に記載された「LTOフォーマット」を,乙A2の1の出願日よりも後に発行された乙A4の1のLTOフォーマットと認識することはできない。 よって,乙A4発明を組み込んで作成された乙A2発明の認定は誤っ ている。 (イ) 乙A2に構成2bが開示されていないこと乙A2には,各サーボバンドに異なるデータを埋め込むことは全く記載されていない。乙A2には,書き込み要素が他の書き込み要素と電気的に独立していることによって可能となったことが記載されてい るだけである。 すなわち,従来,単一巻線を有しオフセットを可能とするヘッドにおいて(乙A2・図2),ヘッド内の各ギャップは,それぞれ適切な ていることによって可能となったことが記載されてい るだけである。 すなわち,従来,単一巻線を有しオフセットを可能とするヘッドにおいて(乙A2・図2),ヘッド内の各ギャップは,それぞれ適切な長手方向のオフセットを与えるように精確に加工される必要がある。 しかしながら,各ギャップの配置に必要な精度を有しつつヘッドを製 造する作業が少しも平易でなく,ギャップの不正確な配置による故障が生じているという課題があり(乙A2【0008】),このような課題を解決すべく,乙A2発明は,ギャップを縦に整列させて設け,かつ,各コアに独立した巻線を設けることによって,正確なオフセット量を設けたサーボ信号を書き込むことができ,またヘッドの製造作 業において,各ギャップを精確に配置させる作業を不要とできる発明 である(乙A2・【0013】,図3)。このように,乙A2発明は,精確なギャップを設ける加工を行うことなく,適切なオフセット量を設けたサーボ信号を書き込む発明である。実際,乙A2には,サーボ信号の書き込み要素同士で異なるデータを埋め込むことは全く記載されておらず,サーボ信号の書き込み要素同士で,パルス幅,振幅,立 上り時間,立下り時間及び波形を異なるようにすることができることが開示されているだけである。 以上のとおり,乙A2には,サーボ信号の書き込み要素同士で異なるデータを埋め込むことは記載も示唆もされていないから,乙A2には構成要件Bに対応する構成2bが開示されているという被告らの主 張は誤っている。 (ウ) 乙A2に構成2cが開示されていないこと乙A2は,「テープユニットがどのデータバンドであるかを特定することが可能となるように,テープが走行する軸線に沿って指定された量だけ長手方向にオフセットされている」 構成2cが開示されていないこと乙A2は,「テープユニットがどのデータバンドであるかを特定することが可能となるように,テープが走行する軸線に沿って指定された量だけ長手方向にオフセットされている」(乙A2 5頁4行~6行)と記 載されているとおり,隣接する2本のサーボバンドの相対移動量を用いてサーボバンドを特定している。すなわち,乙A2では,「複数のサーボバンドの内のそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータ」は,オフセットによって埋め込まれているのであり,縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことによ り前記各サーボ信号中に埋め込まれている構成は記載されていない。 よって,そもそも,乙A2には,被告らの主張する構成2cは開示されていない。 (エ) 小括以上に述べたとおり,乙A2に構成2b及び構成2cは開示されてい ないから,被告らの乙A2発明の認定は誤っている。請求項1発明は乙 A2発明と同一ではない。 キ乙A2を主引用例とした請求項1発明の進歩性欠如(争点3-1-6)(被告らの主張)(ア) 概要請求項1発明は,乙A2発明及び周知技術に基づいて,当業者が容易 に発明できたものであるから,進歩性を欠く。 (イ) 乙A2の開示事項前記カ(被告らの主張)で述べたとおり,乙A2には,磁気ヘッドのトラッキング制御をするためのサーボ信号が複数のサーボバンド上に書き込まれ,一つのパターンが非平行な縞からなるサーボ信号の,縞を構 成する線の位置をテープの長手方向にずらすことによって,データをサーボ信号中に埋め込まれる磁気テープにおいて,各サーボバンド0~4に書き込まれるサーボ信号をそれぞれ5個独立して書き込むことが開示されている。すなわち,請求項 手方向にずらすことによって,データをサーボ信号中に埋め込まれる磁気テープにおいて,各サーボバンド0~4に書き込まれるサーボ信号をそれぞれ5個独立して書き込むことが開示されている。すなわち,請求項1発明の構成要件A,B,C及びDが開示されている。 仮に,乙A2のサーボ信号に書き込まれる独立したデータが,「そのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータ」であることが明らかでないと解釈されても,以下のとおり,請求項1発明は,乙A2発明と周知技術から容易に想到し得る。 (ウ) 請求項1発明と乙A2発明との対比 請求項1発明と乙A2発明を対比すると,両者の一致点・相違点は以下のとおりである。 a一致点磁気ヘッドのトラッキング制御をするためのサーボ信号が複数のサーボバンド上にそれぞれ書き込まれた磁気テープであって,各サーボ バンド内に書き込まれた各サーボ信号に,データがそれぞれ埋め込ま れ,前記各サーボ信号は,一つのパターンが非平行な縞からなり,各データは,前記縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことにより前記各サーボ信号中に埋め込まれていることを特徴とする磁気テープ,である点。 b相違点 請求項1発明において,各サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号に埋め込まれた「データ」が,「複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータ」であるのに対して,乙A2発明においては,「サーボ信号に埋め込まれた独特なデータ」が,サーボバンドを特定するためのデータであるかど うかが不明である点。 (エ) 相違点が容易想到であること前記カ(被告らの主張)で述べたとおり,乙A5~乙A17に示すとおり,複数のサーボバンドを バンドを特定するためのデータであるかど うかが不明である点。 (エ) 相違点が容易想到であること前記カ(被告らの主張)で述べたとおり,乙A5~乙A17に示すとおり,複数のサーボバンドを有する磁気テープにおいて,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するため のデータを各サーボバンド内に埋め込むことは周知であった。前記カ(被告らの主張)で述べたとおり,乙A2には,サーボバンドそれぞれに個別のデータを記録する構成が開示されていることからすれば,サーボバンドそれぞれに個別のデータを書き込める装置を使用して,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するた めのデータを各サーボバンド内に埋め込むことは極めて容易であったといえる。したがって,乙A2発明と同じ磁気テープについての周知技術を組み合わせる動機づけが十分あったといえる。 さらに,乙A2の2には,現在の記録再生ヘッドが位置するデータバンドを特定可能とさせるという課題が明記され,そのもとで,磁気テー プ製造時にデータバンドに対応するサーボバンドを互いに所定距離オフ セットさせ,各データバンドを区分している上方のサーボバンドと下方のサーボバンドとの間のタイミングオフセットを計測することにより位置決めする旨の記載がある(乙A2の2,段落【0004】)(以下,この位置決め方式を,「マルチバンドID方式」という。)。しかしながら,データバンド,また対応するサーボバンドを特定するという課題 の解決のために,当該マルチバンドID方式に代えて,周知技術であるサーボバンド識別情報をそのサーボバンドに埋め込む方式(以下,この方式を「シングルバンドID方式」という。)を採用することは,同じ課題を解決するた ,当該マルチバンドID方式に代えて,周知技術であるサーボバンド識別情報をそのサーボバンドに埋め込む方式(以下,この方式を「シングルバンドID方式」という。)を採用することは,同じ課題を解決するための均等な代替手段による置換に過ぎず,単なる設計変更にすぎない。 なお,本件特許では,一つのヘッドだけでサーボバンドを特定できることを効果として述べている(甲2,段落【0052】)。かかる効果は単にサーボバンド識別情報を入れるという周知の構成を採用することで奏する効果であり,特段のものではない。 さらに,本件特許にはサーボライタのヘッドのギャップをオフセット させる場合にそのヘッドが高価になることも問題点として記載があり(甲2,段落【0005】),その解決策として図6のように5個の独立したパルス生成器を用いたサーボライタを記載している(甲2,段落【0036】)。しかし,乙A2の2においても,サーボライタのヘッドのギャップは一直線で形成されるものであり(図3),本件特許と同じく 5つの独立した駆動器,データ生成器を有したサーボライタの構成を採用しており,明示的に同様の問題も解決している(乙A2の2,段落【0013】)。したがって,乙A2発明と同じ構成を有するサーボライタを使用して請求項1発明の主題たる磁気テープを製造する困難性もない。 かかるギャップを有するサーボライタと,5個の独立駆動回路,データ 生成器を有するサーボライタの優位な点及び不利な点についても,19 98年2月には既に把握,検討されていたものである(乙A19)。なお,乙A2の出願人であるデザイン・アンド・テスト・テクノロジー社は,本件特許の発明者のA氏と,少なくとも1999年2月に連絡をしており,(本件特許の無効原因たり得る)乙A2発明に係 乙A19)。なお,乙A2の出願人であるデザイン・アンド・テスト・テクノロジー社は,本件特許の発明者のA氏と,少なくとも1999年2月に連絡をしており,(本件特許の無効原因たり得る)乙A2発明に係るサーボライターシステムの仕様について,原告も遅くとも2003年の本件特許の 出願時点においては,当時の技術水準として十分に把握していたと考えられる(乙A26)。 したがって,相違点に係る構成は,乙A2発明に周知技術を組み合わせることにより,又は乙A2発明のマルチバンドID方式を周知技術のシングルバンドID方式に置換することにより,当業者が容易に想到し 得るものである。 (オ) 小括以上のとおり,請求項1発明は,乙A2発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明できたものであるから,進歩性を欠く。 (原告の主張) (ア) 前記カ(原告の主張)のとおり,乙A2には構成2bと2cが開示されていないから,被告らによる乙A2発明の認定は誤っており,被告らによる乙A2発明に基づく進歩性欠如の主張は,前提において誤っている。 しかし,仮に被告らによる乙A2発明の認定を前提としても,請求項 1発明が乙A2発明から容易に想到し得ない。 (イ) 乙A2発明において,「複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定」する手段をオフセットから他の手段に変更しようと当業者が動機付けられないこと被告らも認めるとおり,乙A2発明では,複数のサーボバンドのうち のそのサーボ信号が位置するサーボバンドの特定はオフセットによって 行われている。すなわち,各データバンドを区分している上方のサーボバンドと下方のサーボバンドとの間のタイミングオフセットを計測することにより位置決めされている(乙A2の2【 ットによって 行われている。すなわち,各データバンドを区分している上方のサーボバンドと下方のサーボバンドとの間のタイミングオフセットを計測することにより位置決めされている(乙A2の2【0004】)。このように,乙A2発明では,「複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドの特定」という課題を,「隣接する上下のサーボ バンドの相対位置を測定すること」によって解決済みである。また,乙A2には,かかる解決手段を採用することにより新たに生じ得る問題点や課題について一切記載も示唆もされていない。 したがって,乙A2発明において,「複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定」する手段を「各データバ ンドを区分している上方のサーボバンドと下方のサーボバンドとの間のタイミングオフセットを計測することにより位置決め」することから他の手段に変更しようと当業者が動機付けられることはない。 (ウ) 乙A2発明及び乙A5~乙A17に記載された発明に基づき請求項1発明を容易に想到し得ないこと a上述のとおり,「複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定」する手段としてオフセットから他の手段に変更しようと動機付けられない。したがって,当業者が乙A5~乙A17に記載された各発明を乙A2発明に組み合わせようとすることはない。 bまた,そもそも乙A5~乙A17のいずれにも,複数のサーボバンドから1つのサーボバンドを特定するデータが縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことによりサーボ信号中に埋め込む構成は記載されていないから,乙A5~乙A17に記載されている各発明を乙A2発明に組み合わせることができたとしても, 本件 ーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことによりサーボ信号中に埋め込む構成は記載されていないから,乙A5~乙A17に記載されている各発明を乙A2発明に組み合わせることができたとしても, 本件発明に到達し得ない。 cさらに,乙A5~乙A17を上位概念化して共通点を括りだし,抽象的な概念を作成し,そのような概念を周知技術と認定して乙A2発明に組み合わせようとする被告らの主張は,いわゆる「後知恵」であり,誤っている。 d加えて,乙A5,乙A7,乙A10及び乙A17には,複数のサー ボバンドから1つのサーボバンドを特定することについて開示されていない。また,乙A6,乙A8,乙A9,乙A11及び乙A17に記載された各発明は,アンプリチュードの発明であり,このような発明から被告らが主張する概念を抽出し周知技術とし,それをタイミング・ベース・サーボの発明である乙A2発明に組み合わせることは不可能 である。さらに,乙A12~乙A16に記載された光ディスク,光カード,光テープの発明から,それを磁気記録媒体のタイミング・ベース・サーボの発明である乙A2発明に組み合わせることは不可能である。 したがって,乙A5~乙A17に記載された各発明から,被告らが 主張する概念を抽出し周知技術とし,それを磁気記録媒体におけるタイミング・ベース・サーボの発明である乙A2発明に組み合わせることは不可能である。 (エ) 以上のとおりであるから,乙A2発明及び乙A5~乙A17に記載された発明に基づき,請求項1発明は容易に想到し得えない。 ク乙A3に基づく請求項1発明の新規性欠如(争点3-1-7)(被告らの主張)(ア) 概要請求項1発明は,乙A3発明と同一であるから,新規性を欠く。 乙A3の2(特開平10- 。 ク乙A3に基づく請求項1発明の新規性欠如(争点3-1-7)(被告らの主張)(ア) 概要請求項1発明は,乙A3発明と同一であるから,新規性を欠く。 乙A3の2(特開平10-334435号公報)に係る出願は,乙A 3の1(米国特許第5930065号明細書)に係る出願(US08/ 859830号,出願日1997年5月16日)を基礎出願とする優先権主張出願である。乙A3の1及び乙A3の2は,基本的に同一の内容なので,以下の説明では,便宜上,乙A3の2の記載に基づき説明する。 (イ) 乙A3の開示事項a乙A3の2には,磁気ヘッドのトラッキング制御をするためのサー ボ情報がサーボトラック上に記録された磁気テープにおいて,「セクタ識別番号などのアドレス情報」を符号化してサーボ情報に重畳することが開示されている(乙A3の2,段落【0001】~【0004】及び【0035】)。 また,乙A3の2には,サーボ情報は,一つのパターンが非平行な 縞からなり,縞を構成する線の位置をテープ長手方向にずらすことにより,アドレス情報をサーボ情報に埋め込むことが開示されている(乙A3の2,段落【0025】及び【0035】~【0037】,並びに図4及び図5)。 乙A3の2のサーボトラックは,非平行な縞からなる磁気ヘッドの トラッキング制御をするためのサーボ情報が記録された帯状の部分であるから,本件特許のクレーム中に規定するサーボ「バンド」に該当することは明らかである。本件特許出願当時,サーボ信号が記録された領域については,サーボバンドとサーボトラックの両方の言葉が使用されており,両者に技術的な区別がなされていなかった。 なお,乙A3の2の図面には,データトラックが記録されたエリアであるデータ 域については,サーボバンドとサーボトラックの両方の言葉が使用されており,両者に技術的な区別がなされていなかった。 なお,乙A3の2の図面には,データトラックが記録されたエリアであるデータバンドとサーボトラック(サーボバンド)が複数書き込まれることについては明示的な記載はないものの,本件特許出願当時,乙A1,乙A2,乙A4~乙A11,乙A17及び乙A20(特開2002-74631号公報)に開示されるとおり,磁気テープにおい て複数のサーボバンドが書き込まれることは周知の事項であったから, 明示的な記載がなくとも,乙A3の2の磁気テープにおいて,サーボトラック(サーボバンド)は複数記録されるものであることを当業者は当然に理解する。実際,乙A3の2の図2と乙A1の2の図2はほぼ同じ図面であるが,その乙A1の2の段落【0016】において,「図2には,説明を簡単にするために,1個のサーボ再生ヘッド及び 1個のデータ・ヘッドが示してある。当業者が認識し得るように,ほとんどのテープシステムは,複数の平行サーボトラック,複数のサーボ再生ヘッド,及び複数のデータ再生・記録ヘッドを備えている」との記載がある。 よって,乙A3には,「磁気ヘッドのトラッキング制御をするため のサーボ信号が複数のサーボバンド上にそれぞれ書き込まれた磁気テープ」が開示されている(構成3a)。 b乙A3の2には「セクタ識別番号などのアドレス情報を符号化する」との記載があるが(段落【0035】),ここにアドレス情報として挙げられている「セクタ識別番号」は,文字通り,「セクタ」を識別 するための番号である。「セクタ」とは,記録媒体における最小の記録単位を意味する言葉である。例えば,磁気ディスクや光ディスクなどの記録媒体は,一定間隔 別番号」は,文字通り,「セクタ」を識別 するための番号である。「セクタ」とは,記録媒体における最小の記録単位を意味する言葉である。例えば,磁気ディスクや光ディスクなどの記録媒体は,一定間隔の同心円で分割されたドーナツ状の「トラック」に分割され,トラックの内部は一定の角度ごとに半径によって区切られて小さな扇子型の領域に分割されており,これを「セクタ」 と呼んでいる。各セクタには一定量のデータが格納され,磁気ディスクの場合,1セクタは512バイト,光ディスクの場合,1セクタは2048バイトが記録されることもある。なお,本件特許出願当時,「データセット」,「ブロック」(データブロック)という言葉も「セクタ」と同じ意味で使用されていた。例えば,乙A3の2が参照する 米国特許出願第270207号明細書(1994年6月30日出願) (対応する日本特許出願は特開平8-30942号公報(乙A21)では,乙A3の2と同様に,データ・ブロック・ロケーションの情報をサーボトラックのストライプのグループ相互間のスペーシング・インターバルに書き込むことが開示されており(段落【0028】),複数のトラックに複数のデータブロックが記録された磁気テープを開 示する特表平2-503249号(乙A22)では,データブロックの番号をアドレス情報として記録することが開示されている(20頁左下欄下から3行~右下欄4行及び図24)。 このようなアドレス情報たる「セクタ識別番号」(データブロック番号)を記録するのは,所望のデータにアクセスするためである。例 えば,ホストコンピュータ(パーソナルコンピュータ等)はテープドライブに対しこのセクタ識別番号(データブロック番号)を伝え,当該テープドライブがそのセクタ識別番号を有するセクタに含ま る。例 えば,ホストコンピュータ(パーソナルコンピュータ等)はテープドライブに対しこのセクタ識別番号(データブロック番号)を伝え,当該テープドライブがそのセクタ識別番号を有するセクタに含まれるデータを読み取りホストコンピュータに送り返すことにより,ホストコンピュータは所望のデータをテープから取得する,若しくは当該セク タにデータを記録するという動作を行う。それゆえ,「セクタ識別番号」(データブロック番号)を記録するということは,ある一定量のデータが格納されたセクタ(データブロック)を一意に識別するための番号を記録することを意味することは当業者にとって自明の事項である。 乙A3の2の磁気テープは「セクタ」に分割されてデータが記録されるものであるため,当業者であれば,下記のように,データトラック(バンド)に複数のセクタが記録されており,それぞれのセクタを識別するため,セクタ毎に異なる識別番号がサーボ情報に記録されていることを理解する。特定のセクタ識別番号は,特定のサーボバンド 上にあることから,サーボ情報に記録されたセクタ識別番号(上記の 紫で示した部分に記載の番号)を読み取ることにより,磁気ヘッドが位置するサーボバンドを特定することができるため,乙A3の2には,「セクタ識別番号などのアドレス情報」として,複数のサーボバンドのうちのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータがサーボ信号に埋め込まれていることが開示されているといえる。 したがって,乙A3には,「各サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータがそれぞれ埋め込まれ」ていることが開示されているといえる(構成3b)。 c上述のよう れた各サーボ信号に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータがそれぞれ埋め込まれ」ていることが開示されているといえる(構成3b)。 c上述のように,乙A3の2には,サーボ情報は,一つのパターンが 非平行な縞からなり,縞を構成する線の位置をテープ長手方向にずらすことにより,アドレス情報をサーボ情報に埋め込むことが開示されている(段落【0025】及び【0035】~【0037】,並びに図4及び図5)。よって,乙A3には,「前記各サーボ信号は,一つのパターンが非平行な縞からなり,各データは,前記縞を構成する線 の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことにより前記各サーボ信号中に埋め込まれている」ことが開示されている(構成3c)。 dまた,乙A3の2の段落【0002】及び【0003】の記載から明らかなように,乙A3には,「磁気テープ」が開示されている(構 成3d)。 (ウ) 請求項1発明と乙A3発明との対比請求項1発明の構成要件と,上述の乙A3発明とを対比すると,請求項1発明の構成要件A,B,C及びDは,乙A3発明の構成3a,3b,3c及び3dに対応することは明らかである。 よって,乙A3には,請求項1発明のすべての構成要件が開示されて いるといえる。 (エ) 小括以上より,請求項1発明は乙A3発明と同一であるから新規性を欠く。 (原告の主張)(ア) 乙A3には構成3aが開示されていないこと 被告らが認めるとおり,乙A3の2には,データサーボバンドとサーボトラック(サーボバンド)が複数書き込まれる発明が記載されていないから,乙A1等の文献等から磁気テープにおいて複数のサーボバンドが書き込まれることは周知の事項であったと ,データサーボバンドとサーボトラック(サーボバンド)が複数書き込まれる発明が記載されていないから,乙A1等の文献等から磁気テープにおいて複数のサーボバンドが書き込まれることは周知の事項であったとしても,また,乙A3の2の図2と乙A1の2の図2がほぼ同じ図面であったとしても,乙A1等 に記載された内容を乙A3に組み込んで乙A3発明を認定することはできない。 よって,乙A3に構成3aは開示されていない。 (イ) 乙A3には構成3bが開示されていないこと上記(ア)で述べたとおり,そもそも乙A3の2には複数データバンドを 有する発明が開示されておらず,また,乙A1等に記載された発明を乙A3に組み込んで乙A3発明を認定することはできない。したがって,乙A3の2には「セクタ識別番号などのアドレス情報」として,複数のサーボバンドのうちのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータがサーボ信号に埋め込まれていることは開示されていない。 よって,乙A3に構成3bは開示されていない。 (ウ) 小括以上に述べたとおり,乙A3に構成3a及び構成3bは開示されていないから,被告らによる乙A3発明の認定は誤っている。よって,請求項1発明は乙A3発明と同一ではない。 ケ乙A3を主引用例とした請求項1発明の進歩性欠如(争点3-1-8) (被告らの主張)(ア) 概要請求項1発明は,乙A3発明及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるから,進歩性を欠く。 (イ) 乙A3の開示事項 前記ク(被告らの主張)で述べたとおり,乙A3には,磁気ヘッドのトラッキング制御をするためのサーボ情報がサーボトラック上に記録された磁気テープにおいて,セクタ識別番号などのアドレス情報を符号化して 前記ク(被告らの主張)で述べたとおり,乙A3には,磁気ヘッドのトラッキング制御をするためのサーボ情報がサーボトラック上に記録された磁気テープにおいて,セクタ識別番号などのアドレス情報を符号化してサーボ情報に重畳すること,及び,サーボ情報は,一つのパターンが非平行な縞からなり,縞を構成する線の位置をテープ長手方向にずら すことにより,アドレス情報をサーボ情報に埋め込むことが開示されている。すなわち,請求項1発明の構成要件A,B,C及びDが開示されている。 仮に,乙A3には,「サーボバンド」が「複数のサーボバンド」であること,及び,サーボ信号に書き込まれる独立したデータが,「そのサ ーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータ」であることが開示されていないと解釈されても,以下のとおり,請求項1発明は,乙A3発明と周知技術から容易に想到し得る。 (ウ) 請求項1発明と乙A3発明との対比請求項1発明と乙A3発明を対比すると,両者の一致点・相違点は以 下のとおりである。 a一致点磁気ヘッドのトラッキング制御をするためのサーボ信号がサーボバンド上にそれぞれ書き込まれた磁気テープであって,サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号に,データがそれぞれ埋め込まれ,前記 各サーボ信号は,一つのパターンが非平行な縞からなり,各データは, 前記縞を構成する線の位置を,テープ長手方向にずらすことにより前記各サーボ信号中に埋め込まれていることを特徴とする磁気テープ,である点。 b相違点請求項1発明において,サーボバンドが複数記録されており,複数 のサーボバンドのうちのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータが埋め込まれているのに対して,乙A3発明においては,サーボバンドが複 いて,サーボバンドが複数記録されており,複数 のサーボバンドのうちのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータが埋め込まれているのに対して,乙A3発明においては,サーボバンドが複数記録されていること及びサーボ信号の位置するサーボバンドを特定するためのデータが埋め込まれることについて明示がない点。 (エ) 相違点が容易想到であること前記ク(被告らの主張)で述べたとおり,乙A1,乙A2,乙A4~乙A11,乙A17及び乙A20に開示されるとおり,磁気テープにおいて複数のサーボバンドが書き込まれることは周知の事項であった。乙A3の2にも記載のとおり(段落【0003】),記録媒体の容量を増 加させることは本件特許出願当時,技術的に必然の流れであり,データの記録密度を上げてデータトラックの数と共にサーボトラック(サーボバンド)を複数記録することは当業者であれば容易に想到し得るものであった。 乙A3ではデータの記録単位である「セクタ」を一意に識別するため の「識別番号」をサーボ情報に記録していたのであるから,乙A3発明において,複数のサーボバンドを記録した場合には,複数のサーボバンドには,それぞれが異なる「セクタ識別番号」が記録されることとなり,セクタ識別番号を読み取ることにより,磁気ヘッドが位置するサーボバンドを特定することができることとなる。したがって,乙A3発明と同 じ磁気テープについての乙A2,乙A4~乙A11,乙A17及び乙A 20に開示される周知技術を組み合わせることにより,相違点は容易に想到し得るといえる。 したがって,相違点にかかる構成は,乙A3発明に周知技術を組み合わせることにより,当業者が容易に想到し得るものである。 (オ) 小括 以上のとおり,請求項1発 容易に想到し得るといえる。 したがって,相違点にかかる構成は,乙A3発明に周知技術を組み合わせることにより,当業者が容易に想到し得るものである。 (オ) 小括 以上のとおり,請求項1発明は,乙A3発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明できたものであるから,進歩性を欠く。 (原告の主張)(ア) 前記ク(原告の主張)のとおり,乙A3には構成3aと3bが開示されていないから,乙A3発明の認定は誤っているが,仮に被告らによる 乙A3発明の認定を前提としても,請求項1発明は乙A3発明及び周知技術から容易に想到し得ない。 (イ) 乙A3発明において複数のサーボバンドを設け,複数のサーボバンドから1つのサーボバンドを特定しようと動機付けられないことa乙A3には,データバンドが1つの磁気記録媒体しか記載されてお らず,そもそも,複数のサーボバンドから1つのサーボバンドを特定する情報は不要である。すなわち,データバンドが1つの磁気記録媒体を読み取る際,磁気記録ヘッドのデータ読み取り素子は,常時当該1つのデータバンドを読み取るから,データバンド間を移動する必要がない。したがって,乙A3発明において,データ読み取り素子に隣 接して設けられたサーボ読み取り素子がサーボバンドから離脱することはなく,サーボ読み取り素子がサーボバンド間を移動することはないから,複数のサーボバンドの中からサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータを設ける必要が全くない。 以上のとおりであるから,仮に,乙A3発明において,複数のサー ボバンドを設けようと動機付けられたとしても,さらに,複数のサー ボバンドから1つのサーボバンドを特定しようと動機付けられることはない。 bまた,仮に万一,当業者が,乙 サー ボバンドを設けようと動機付けられたとしても,さらに,複数のサー ボバンドから1つのサーボバンドを特定しようと動機付けられることはない。 bまた,仮に万一,当業者が,乙A3発明において複数のサーボバンドから1つのサーボバンドを特定しようと動機付けられたとしても,乙A1発明において,タイミング・ベース・サーボの開始位置をずら すこと(オフセット)によってサーボバンドを特定する発明に到達するまでである(明細書【0002】,甲3,乙A4)。 すなわち,本件特許の出願当時,タイミング・ベース・サーボにおいては,隣接するサーボバンドのサーボパターンをテープ長手方向にオフセットさせ,それらのサーボバンドの信号を同時に読み取って比 較することで,サーボバンドを特定することが知られており,現に,本件特許の出願当時,甲3(ISO/IECの標準規格)では,上記技術が採用されていた。 よって,仮に,乙A3発明において複数のサーボバンドから1つのサーボバンドを特定しようと動機付けられたとしても,オフセットを 用いてサーボバンドを特定する発明を想到するのであり,他の手段を容易に想到することはない。 (ウ) 乙A3発明,乙A1,乙A2,乙A4~乙A11,乙A17及び乙A20に記載の発明に基づき,請求項1発明を容易に想到し得ないことa上述のとおり,乙A3発明において複数のサーボバンドを設け,複 数のサーボバンドから1つのサーボバンドを特定しようと動機付けられないから,当業者が,乙A1,乙A2,乙A4~乙A11,乙A17及び乙A20に記載された発明を乙A2発明に組み合わせようとすることはない。 bまた,そもそも乙A5~乙A17のいずれにも,複数のサーボバン ドから1つのサーボバンドを特定する 乙A17及び乙A20に記載された発明を乙A2発明に組み合わせようとすることはない。 bまた,そもそも乙A5~乙A17のいずれにも,複数のサーボバン ドから1つのサーボバンドを特定するデータが縞を構成する線の位置 を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことによりサーボ信号中に埋め込まれる構成は記載されていない。また,乙A1,乙A2及び乙A20にも,このような構成は記載されていない。 したがって,乙A1,乙A2,乙A4~乙A11,乙A17及び乙A20に記載された発明を乙A2発明に組み合わせることができたと しても,請求項1発明に到達し得ない。 cさらに,乙A1,乙A2,乙A4~乙A11,乙A17及び乙A20に基づく被告らの主張は,乙A1等を上位概念化して共通点を括りだし,抽象的な概念を作成し,そのような概念を周知技術と認定して乙A3発明に組み合わせようとする主張は,いわゆる「後知恵」であ り,誤っている。 d加えて,乙A1,乙A2,乙A4~乙A11,乙A17及び乙A20のいずれにも,タイミング・ベース・サーボの発明において,複数のサーボバンドから1つのサーボバンドを特定するためのデータを縞を構成する線の位置をサーボバンド毎にテープ長手方向にずらすこと により埋め込む構成は全く記載されていない。 すなわち,乙A1には,複数のサーボバンドから1つのサーボバンドを特定することが開示されていないことは被告らが認めている。また,乙A2には上記構成が開示されていない。さらに,乙A4は,オフセットを用いてサーボバンドを特定する発明であり(乙A4の2・ 47頁下から4行~最下行,48頁表5),上記構成は開示されていない。加えて,乙A5,乙A7,乙A10及び乙A17には複数のサーボバンドか いてサーボバンドを特定する発明であり(乙A4の2・ 47頁下から4行~最下行,48頁表5),上記構成は開示されていない。加えて,乙A5,乙A7,乙A10及び乙A17には複数のサーボバンドから1つのサーボバンドを特定することについて開示されていない。また,乙A6,乙A8,乙A9,乙A11及び乙A17に記載された発明はアンプリチュードの発明であり,このような発明か ら被告らが主張する概念を抽出し周知技術とし,それをタイミング・ ベース・サーボの発明である乙A3発明に組み合わせることは不可能である。 したがって,仮に乙A1等の発明を乙A3発明に組み合わせたとしても,このような構成を構成要件とする請求項1発明には到達し得ない。 コ乙A5を主引用例とした請求項1発明の進歩性欠如(争点3-1-9)(被告らの主張)(ア) 概要請求項1発明は,特開2002-25001号公報(乙A5)及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるか ら,進歩性を欠く。 (イ) 乙A5の開示事項乙A5には,複数のサーボバンド及びデータバンドがテープ長手方向に沿って配置されている磁気テープであって,各サーボバンドに,テープの幅方向及び長さ方向における磁気ヘッドの位置を検出するための情 報が書き込まれている磁気テープが記載されている。 ここで,乙A5には,磁気ヘッドがサーボバンドのサーボ情報を読み取ってテープ幅方向に微量だけ移動してラップを選択することが開示されているが,これは,「磁気ヘッドのトラッキング制御」に他ならない。 また,各サーボバンドに書き込まれている,テープの幅方向における 磁気ヘッドの位置を検出するための情報には,磁気ヘッドがサーボ情報を読み取っているサーボバンドが ッキング制御」に他ならない。 また,各サーボバンドに書き込まれている,テープの幅方向における 磁気ヘッドの位置を検出するための情報には,磁気ヘッドがサーボ情報を読み取っているサーボバンドがどのサーボバンドであるかを特定するための情報も含まれているということができる。かかる情報が各サーボバンドに書き込まれていないのであれば,磁気ヘッドは,自分がテープの幅方向のいかなる位置にいるかを判断することはできないからである。 実際,第2ないし第6で述べた通り,複数のサーボバンドを有する磁気 テープにおいて,サーボバンドを識別する必要があったことは,周知の課題であったものであり,この点を考慮すれば,乙A5においても,サーボバンドを特定するための情報が書き込まれることが想定されていることは明らかである。 他方,一般的に,記録媒体上のある位置を特定する方法として,当該 位置に,当該位置を示す情報(アドレス情報)を記録することは技術常識である。したがって,乙A5においても,テープの幅方向及び長さ方向における磁気ヘッドの位置を検出するための情報として,かかるアドレス情報を当該位置に書き込むことは,当然に想定されているということができる。 そうすると,乙A5には,磁気テープがどのサーボバンド上に位置しているかを示す情報を,各サーボバンド上に記録することが開示されている。 以上を踏まえると,乙A5には,磁気ヘッドのトラッキング制御をするためのサーボ信号が複数のサーボバンド上にそれぞれ書き込まれた磁 気テープであって,各サーボバンド内に書き込まれたサーボ信号に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータがそれぞれ埋め込まれた磁気テープが開示されている。 (ウ) 請求項 サーボバンド内に書き込まれたサーボ信号に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータがそれぞれ埋め込まれた磁気テープが開示されている。 (ウ) 請求項1発明と乙A5発明との対比 請求項1発明と,乙A5を比較すると,両者の一致点・相違点は以下のとおりである。 a一致点磁気ヘッドのトラッキング制御をするためのサーボ信号が複数のサーボバンド上にそれぞれ書き込まれた磁気テープであって(構成要件 A及び構成1a),各サーボバンド内に書き込まれたサーボ信号に, 複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータがそれぞれ埋め込まれた(構成要件B及び構成1b)磁気テープである点(構成要件D及び構成1d)。 b相違点請求項1発明の構成要件Cにおいて,各サーボ信号が,一つのパタ ーンが非平行な縞からなり,各データは,前記縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことにより前記各サーボ信号中に埋め込まれているのに対し,乙A5においては,かかる構成の記載が無い点。 (エ) 相違点が容易想到であること 乙A5には,サーボバンドにサーボ信号を書き込むことについての記載はあるものの,具体的にいかなるサーボ技術を採用するかについての記載は存在しない。他方,非平行な磁気遷移からなるサーボパターンを使用するサーボ技術であるタイミング・ベース・サーボを磁気テープにおいて用いることは,本件特許の出願日当時,周知の技術であった。 また,タイミング・ベース・サーボにおいて,非平行な縞を構成する線の位置をテープ長手方向にずらすことでデータを符号化する方法も,乙A1,乙A3及び乙A4に開示されており,本件特許の出願 。 また,タイミング・ベース・サーボにおいて,非平行な縞を構成する線の位置をテープ長手方向にずらすことでデータを符号化する方法も,乙A1,乙A3及び乙A4に開示されており,本件特許の出願日当時,周知の技術であった。とりわけ,乙A4は,ISO及びIECが策定・公開した標準規格であり,当該標準規格において上記方法が採用された ことで,当該方法は本件特許の出願日当時,既に周知となっていたものである。 そして,タイミング・ベース・サーボにおける上記の情報の符号化技術を用いて,「複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータ」をサーボバンドに埋め込むこと も,当業者が容易になし得たことである。 このことは,タイミング・ベース・サーボにおいて,上記の情報の符号化技術を用いて,テープ長手方向の絶対位置を示す情報をサーボバンドに埋め込むことが周知であったこと(乙A1,乙A3及び乙A4)からも明らかである。上記の情報の符号化技術を用いてテープ長手方向の位置を示す情報をサーボバンドに埋め込むことが周知であった以上,同 じく,上記の情報の符号化技術を用いてテープ幅方向の位置を示す情報のうち,サーボバンドを特定するためのデータをサーボバンドに埋め込むことも,当業者が容易に思い至ることである。 したがって,乙A5発明において,各サーボ信号を,一つのパターンが非平行な縞からなるものとし(換言すれば,タイミング・ベース・サ ーボを採用し),さらに,各サーボバンド内に書き込まれたサーボ信号に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータをそれぞれ埋め込む方法として,非平行な縞を構成する線の位置をテープ長手方向にずらす方法を採用することは, 号に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータをそれぞれ埋め込む方法として,非平行な縞を構成する線の位置をテープ長手方向にずらす方法を採用することは,当業者が容易になし得ることであった。よって,乙A5発明に周知技術 を適用し,請求項1発明に想到することは,当業者が容易になし得たものである。 (オ) 小括以上のとおり,請求項1発明は,乙A5発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明できたものであるから,進歩性を欠く。 (原告の主張)(ア) 乙A5発明の認定の誤り乙A5にはサーボバンドを特定することの開示がない。 乙A5発明は,磁気テープのリード・ライト試験を短時間で行うことを課題とし,かかる課題を解決するために,リード・ライト試験におい て磁気ヘッドをあるラップから他のラップに切り替える順番を最適なも のに選択する発明であって,サーボバンドを特定することについては全く記載されていない。 すなわち,乙A5はリード・ライト試験を短時間で行うために,データバンド内において,稼働状態でデータの読み書きをするラップの順番とは異なる順番でラップにテスト・パターンを書き込み,読み取るよう に設定する発明である。具体的には,乙A5に記載された各データバンドは複数のラップで構成されており(たとえば,データバンド0には,ラップ0~11の12のラップが設けられている),ラップ・シーケンスとして示された連続番号の順番(図2)とは異なる順番(図10)でテスト・パターンを書き込めるように,書き込む順番が設定されること を特徴とする発明である。 このように,乙A5には,そもそも,サーボバンドを特定することについて全く開示されていない。 よって,「複数のサー 書き込めるように,書き込む順番が設定されること を特徴とする発明である。 このように,乙A5には,そもそも,サーボバンドを特定することについて全く開示されていない。 よって,「複数のサーボバンドの内のそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータがそれぞれ埋め込まれた磁気テープ」 とする被告らによる乙A5発明の認定は誤っている。 (イ) 一致点・相違点の認定の誤り,及び,請求項1発明が容易想到でないことa上述のとおり,被告らが主張する乙A5発明の認定は誤っているが請求項1発明,仮に,被告らが主張する相違点(各サーボ信号が,1 つのパターンが非平行な縞からなり,各データは,前記縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことにより前記各サーボ信号中に埋め込まれている)を前提としても,当業者はかかる相違点を容易に想到し得ない。 b上述のとおり,乙A5はリード・ライト試験を短時間で行うために, データバンド内において,稼働状態でデータの読み書きをするラップ の順番とは異なる順番でラップにテスト・パターンを書き込み,読み取るように設定する発明である。具体的には,乙A5に記載された各データバンドは複数のラップで構成されており,ラップ・シーケンスとして示された連続番号の順番とは異なる順番でテスト・パターンを書き込めるように,書き込む順番が設定されることを特徴とする発明 である。このように,乙A5には個々のサーボバンドを特定することについて全く開示されていないから,乙A5発明に接した当業者が,サーボバンドを特定しようと動機付けられることはない。したがって,サーボバンドを特定するために,前記相違点の構成を容易に想到することはない。 cまた,被告ら 5発明に接した当業者が,サーボバンドを特定しようと動機付けられることはない。したがって,サーボバンドを特定するために,前記相違点の構成を容易に想到することはない。 cまた,被告ら自身も認めるとおり,乙A5には,どのようなサーボ技術を用いるかについて記載されておらず,当然タイミング・ベース・サーボ技術について記載も示唆もされていない。そのような状況の中で,なぜ,乙A5にタイミング・ベース・サーボを採用しようと動機付けられるのか全く不明である。この点,被告らは,タイミング・ベ ース・サーボは周知技術であり,さらに,非平行な縞の位置をテープ長手方向にずらすことでデータを符号化する方法も(乙A1,乙A3及び乙A4)開示されていると主張する。しかし,被告らの主張は,乙A5発明に,タイミング・ベース・サーボの周知技術を組み合わせた後に,さらに別の副引例(乙A1,乙A3及び乙A4)の発明を組 み合わせて本件発明に到達できるというものであり,主引用発明を出発点として本件発明の構成に至るまでの論理付けに恣意性(後知恵)が介在しやすく,いわゆる「容易の容易」論として,進歩性を否定するロジックとして誤っている。 dさらに,上述のとおり,本件特許出願当時,タイミング・ベース・ サーボにおいては,隣接するサーボパターンをテープ長手方向にオフ セットさせ,これらのサーボバンドの信号を同時に読み取ることにより,サーボバンドを特定することしか知られていなかった(甲2【0004】~【0005】,乙A4の1・53頁1行~4行,Table5(乙A4の2・47頁下から4行~最下行,48頁の表5))。したがって,仮に万一,乙A5発明にタイミング・ベース・サーボを組み合わ せた発明に,さらに,サーボバンドを特定できる構 ,Table5(乙A4の2・47頁下から4行~最下行,48頁の表5))。したがって,仮に万一,乙A5発明にタイミング・ベース・サーボを組み合わ せた発明に,さらに,サーボバンドを特定できる構成を追加しようと動機付けられたとしても,乙A1等に記載された,隣接するサーボパターンをテープ長手方向にオフセットさせ,これらのサーボバンドの信号を同時に読み取ることにより,サーボバンドを特定することを想到するに留まるのであり,サーボバンドを特定するために,縞を構成 する線の位置をサーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことによりサーボ信号中に埋め込まれる構成など想到し得ることはあり得ない。 (ウ) 小括以上に述べたとおりであるから,仮に被告らが主張する乙A5発明の認定が正しかったとしても,請求項1発明との相違点を,当業者は容易 に想到し得ない。 サ乙A27を主引用例とした請求項1発明の進歩性欠如(争点3-1-10)(被告らの主張)(ア) 概要 請求項1発明は,乙A27(米国特許第4502082号明細書。1985年2月26日発行。)に記載の発明及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明できたものである。 (イ) 乙A27の開示事項a乙A27には,ヘッドが,データトラックに正確に追随するための サーボビット(sm)をサーボトラックT-1に書き込むこと(カラ ム6,54行~カラム7,3行,カラム7,57行~61行,カラム12,17行~35行),及び,サーボトラックは平行して複数設けられること(カラム12,9行~35行)が開示されている。乙A27発明のサーボトラックは,トラッキング制御を行うサーボビット(サーボ信号)が書き込まれた帯状の部分であるから,請求項1発明のク レーム中に規 カラム12,9行~35行)が開示されている。乙A27発明のサーボトラックは,トラッキング制御を行うサーボビット(サーボ信号)が書き込まれた帯状の部分であるから,請求項1発明のク レーム中に規定するサーボ「バンド」に該当する。 乙A27は,磁気ディスクについて主に論じたものであるが,テープシステムにも応用できる(カラム20,下から4行~カラム21,4行)と記載されており,テープにも応用可能なことが示されているから,磁気テープについても開示されている。 よって,乙A27には,「磁気ヘッドのトラッキング制御をするためのサーボ信号が複数のサーボバンド上にそれぞれ書き込まれた磁気テープ」が開示されている(構成27a)。 bまた,乙A27のサーボビットは,センタリングチェック(トラッキング制御)に加えて,トラックを識別するために使用されるため(カ ラム11,23行~27行,カラム15,55行~66行),乙A27には,サーボビットに,サーボトラック(サーボバンド)を識別するためのデータを埋め込むことが開示されている。したがって,乙A27には,「各サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特 定するためのデータを埋め込むこと」が開示されている(構成27b)。 c乙A27のサーボビットは,一つのパターンがΛのようなシェブロンの形から構成されているため(カラム6,下から4行~カラム7,3行,カラム11,23行~27行),各サーボ信号は,一つのパターンが非平行な縞であることが開示されているが(構成27c),ト ラックを識別するためのデータをどのように埋め込むかについては具 体的な開示はない。 d上記述べたとおり,乙A27にはテー な縞であることが開示されているが(構成27c),ト ラックを識別するためのデータをどのように埋め込むかについては具 体的な開示はない。 d上記述べたとおり,乙A27にはテープシステムへの応用(カラム20,下から4行~カラム21,4行)が記載されているから,「磁気テープ」が開示されている(構成27d)。 (ウ) 請求項1発明と乙A27発明の対比 請求項1発明と乙A27発明を対比すると,両者の一致点・相違点は以下のとおりである。 a一致点磁気ヘッドのトラッキング制御をするためのサーボ信号が複数のサーボバンド(トラック)上にそれぞれ書き込まれた磁気テープにおい て(構成要件A及び構成27a),各サーボバンド(トラック)内に書き込まれた各サーボ信号に,複数のサーボバンド(トラック)のうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンド(トラック)を特定するためのデータが埋め込まれ(構成要件B及び構成27b),各サーボ信号は,一つのパターンが非平行な縞からなる(構成要件 Cの前半及び構成27c)ことを特徴とする磁気テープ(構成要件D及び構成27d)。 b相違点請求項1発明の構成要件Cにおいて,各データは,前記縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことにより 前記各サーボ信号中に埋め込まれているのに対し,乙A27のサーボビットは,トラックを識別するためのデータをどのように埋め込むかについては具体的な開示はない点。 (エ) 相違点が容易想到であること上記複数のサーボバンドを有する磁気テープにおいて,一つのパター ンが非平行な縞からなるサーボ信号を用いることは,乙A1,乙A2, 乙A3,乙A4,乙A18,乙A21,乙A24及び乙A25に開示さ バンドを有する磁気テープにおいて,一つのパター ンが非平行な縞からなるサーボ信号を用いることは,乙A1,乙A2, 乙A3,乙A4,乙A18,乙A21,乙A24及び乙A25に開示されるとおり,周知の事項であった。さらに,かかる非平行な縞からなるサーボ信号にデータを埋め込むにあたって,縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらす方法により行うことも,乙A1,乙A3,乙A4,乙A18及び乙A23に開示されるとおり,周知 の事項であった。 乙A27は,シェブロンの形をしたサーボ信号の出力(P-A,P-B)の出力の時間差から,ヘッドの位置決めを行うサーボ技術を採用している(カラム8,35行~カラム9,43行,図2)。かかる乙A27発明のサーボ技術は,パルス信号の出力の時間からヘッドの位置決め を行う上記乙A1,乙A2,乙A3,乙A4,乙A18,乙A21,乙A23,乙A24及び乙A25に開示されるタイミング・ベース・サーボと親和性が高いものである。また,乙A3,乙A21に示されるとおり,タイミング・ベース・サーボにおいてシェブロンの形を用いるものも知られていたのであるから,乙A27のサーボ信号に代えて,乙A1, 乙A3,乙A4,乙A18及び乙A23に開示されている,一つのパターンが非平行な縞からなるサーボ信号を用いて,平行な縞からなるサーボ信号にデータを埋め込むにあたって,縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらす方法を採用することは容易であったといえる。記録媒体の容量を増加させることは本件特許出願当時,技 術的に必然の流れであり(乙A3-2,段落【0003】),乙A27発明のサーボビットに代えて,容量の増加に対応可能な乙A1,乙A3,乙A4,乙A18及び乙A2 せることは本件特許出願当時,技 術的に必然の流れであり(乙A3-2,段落【0003】),乙A27発明のサーボビットに代えて,容量の増加に対応可能な乙A1,乙A3,乙A4,乙A18及び乙A23のサーボ信号に置き換えることは技術の流れに沿うものである。 よって,乙A27発明と同じ磁気メディアについての乙A1,乙A3, 乙A4,乙A18及び乙A23に開示される周知技術を組み合わせるこ とにより,相違点は容易に想到し得るといえる。 したがって,相違点に係る構成は,乙A27発明に周知技術を組み合わせることにより,当業者が容易に想到し得るものである。 (オ) 小括以上のとおり,請求項1発明は,乙A27発明及び周知技術に基づい て当業者が容易に発明できたものであるから,進歩性を欠く。 (原告の主張)(ア) 乙A27及び周知技術(乙A1,乙A3,乙A4,乙A18,乙A23)を全て組み合わせてみても請求項1発明の構成に到達しないこと請求項1発明は,「縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテー プ長手方向にずらすことによりサーボバンド特定データを埋め込む」ことを技術的特徴とする発明であり,そのことが,請求項1発明の構成要件B及びC,並びに本件明細書から導かれることはこれまで原告が主張したとおりである。 しかしながら,被告らが主引例として挙げる乙A27,並びに,周知 技術として挙げる乙A1,乙A3,乙A4,乙A18及び乙A23(以下「乙A1等」ともいう。)は,いずれも,上記本件発明の技術的特徴に係る構成を開示する磁気テープの記載はない。すなわち,「複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータは,縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長 手方向 開示する磁気テープの記載はない。すなわち,「複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータは,縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長 手方向にずらすことにより前記各サーボ信号中に埋め込まれている」という構成は,どの引例にも一切開示されていない。 したがって,仮に,乙A27及び周知技術(乙A1等)を組み合わせてみても,請求項1発明の構成に到達し得ない。よって,かかる点のみを以てしても,乙A27を主引例とする進歩性欠如の無効理由は成り立 たない。 (イ) 被告らの主張に対する反論a仮に,上記被告らの主張する相違点を前提としたとしても,被告らが主張する前記相違点は当業者が容易に想到し得るものではないから,乙A27を主引例とする進歩性欠如の無効理由は成り立たない。 b「非平行な縞からなるサーボ信号にデータを埋め込むにあたって, 縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらす方法」が周知技術であるという被告らの主張の根拠である乙A1,乙A3,乙A4及び乙A23には,少なくとも,サーボバンド毎に異なるサーボ信号を埋め込むことも,非平行な縞を構成する線の位置をサーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことも,全く記載されていな い。 また,乙A18の文書は,乙A2の1の米国出願の包袋にファイルされ,表題に「秘密(Confidential)」と記載された文書であるが,乙A2の1に記載された発明は,精確なギャップを設ける加工を行うことなく,適切なオフセット量を設けたサーボ信号を書き込む発明で あり,サーボ信号の書き込み要素同士で,パルス幅,振幅,立上り時間,立下り時間及び波形を異なるようにすることができることが開示されているだけで オフセット量を設けたサーボ信号を書き込む発明で あり,サーボ信号の書き込み要素同士で,パルス幅,振幅,立上り時間,立下り時間及び波形を異なるようにすることができることが開示されているだけであり,サーボ信号の書き込み要素同士で異なるデータを埋め込むことは全く記載されていない。すなわち,乙A2の1には,サーボバンド毎に異なるデータを埋め込むことが記載も示唆もさ れていない。したがって,当業者は乙A2の1の米国出願の包袋にファイルされた乙A18に基づいて,サーボバンド毎に異なるデータを埋め込もうと動機付けられることはない。 以上のとおりであるから,乙A1等に基づき,当業者は,非平行な縞からなるサーボ信号にデータを埋め込むにあたって,縞を構成する 線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらす構成を容易に 想到し得ない。 cまた,仮に,乙A1等に記載された発明から,非平行な縞を構成する線の位置を長手方向にずらす方法(上述のとおり,サーボバンド毎に長手方向にずらす方法は抽出できない)を抽出でき,当該方法を乙A27発明に適用できたとしても,複数のサーボバンドのうちのその サーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータが非平行な縞を構成する線の位置を長手方向にずらすことによって埋め込まれる発明に到達することはない。 すなわち,まず,乙A27には,サーボビット「sm」として,「Λ」,「V」,「<」,「>」を採用することについて何らかの問題がある ことは一切記載されていないから,乙A27発明のサーボビットを乙A1等に記載された方法に変更しようと思い至ることはない。また,仮に,乙A27発明のサーボ技術を乙A1等に記載された方法に変更したからといって,サーボバンド識別情報について,「各サーボ ボビットを乙A1等に記載された方法に変更しようと思い至ることはない。また,仮に,乙A27発明のサーボ技術を乙A1等に記載された方法に変更したからといって,サーボバンド識別情報について,「各サーボ信号の縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずら すことにより前記各サーボ信号中に埋め込まれている」ことになるとはいえない(甲88・70頁10行~17行参照)。 よって,仮に,乙A27発明に乙A1等に記載され非平行な縞を構成する線の位置を長手方向にずらす方法を適用できたとしても,請求項1発明を容易に想到することはない。 d以上のとおり,少なくとも,被告らが主張する前記相違点を前提としたとしても,当業者は当該相違点を容易に想到し得るものではないから,乙A27及び周知技術に基づく進歩性欠如の無効理由は成り立たない。 シ乙A2ないし乙A3に基づく本件発明の新規性ないし進歩性欠如(争点 3-2) (被告らの主張)(ア) 概要本件発明の構成要件6B,6C,6D及び6Eは,乙A2又は乙A3に記載されており,本件発明は乙A2又は乙A3に開示されている発明と同一であるから,新規性を欠く。また,本件発明は,公知技術(乙A 1~乙A3及び乙A27)及び周知技術に開示されている発明に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるから,進歩性を欠く。 (イ) 本件発明と乙A2発明との対比a構成要件6A及び6Eについて,乙A2には,請求項1発明のすべての構成要件が開示されている。 b構成要件6Bについては,データを「符号化」すること(換言すれば「エンコード」すること)は,当業者にとって当然のことである。 実際,乙A2-2には,「LTOフォーマットでのテープヘッドの移動は,各 構成要件6Bについては,データを「符号化」すること(換言すれば「エンコード」すること)は,当業者にとって当然のことである。 実際,乙A2-2には,「LTOフォーマットでのテープヘッドの移動は,各データバンドの両側を境界形成する各サーボバンド内に符号化された情報を使用するサーボシステムにより制御されている。」と の記載がある(乙A2-2,段落【0006】)。 したがって,乙A2には,構成要件6B「サーボバンドを特定するためのデータをエンコードする第一工程」が開示されている。 c構成要件6C及び構成要件6Dについては,乙A2-2には,「磁気テープシステムでは,テープ内に満たされた磁気粒子を磁化させる ことにより情報がテープ上に記録される。これは,ワイヤを巻回したコイルを有して電磁石を形成する一本の磁性材料を備える記録ヘッドにより達成される。よって,蓄積したいと思う情報は,電磁石の磁場を変化させる電気信号の形態で記録ヘッドに作用する。」との記載がある(乙A2-2,段落【0002】)。また,乙A2-2には,「各 書込み要素は,制御されたパルス幅と,振幅と,立上り時間と,立下 り時間と,波形とを有する各パルスから構成されている書込み信号を受信する。」との記載がある(乙A2-2,段落【0015】)。したがって,乙A2には,所定のエンコードした信号を,電磁石の磁場を変化させる電気信号の形態(書込み信号)に変換することが記載されているといえる。電磁石の磁場を変化させる電気信号が,「記録パ ルス電流」であることは,当業者の技術常識である。また,書込み信号が,書込み信号を受信することにより,磁気テープに信号が記録される(埋め込まれる)ことも,当業者の技術常識である。 したがって,乙A2には,「エンコードしたデ 業者の技術常識である。また,書込み信号が,書込み信号を受信することにより,磁気テープに信号が記録される(埋め込まれる)ことも,当業者の技術常識である。 したがって,乙A2には,「エンコードしたデータを記録パルス電流に変換する第二工程」(構成要件6C)及び「記録パルス電流をサ ーボ信号書込ヘッドに供給して,磁気テープの所定のサーボバンドに所定のエンコードされたデータが埋め込まれたサーボ信号を書き込む第三工程」(構成要件6D)が,いずれも開示されている。 d以上のとおり,乙A2には,構成要件6A,6B,6C,6D及び6Eの工程を含む,サーボバンドにサーボ信号を書き込む方法が開示 されている。 (ウ) 本件発明と乙A3発明との対比a構成要件6A及び6Eについて,乙A3には,請求項1発明のすべての構成要件が開示されている。 b構成要件6Bについては,データを埋め込む際に,当該データを「0」 と「1」からなる二進数の形式に変換すること(換言すれば「エンコード」すること)は,当業者にとって当然のことである。実際,非平行な磁気遷移からなるサーボパターンを書き込む方法を開示する文献である乙A3にも,サーボ信号中に埋め込まれるデータは「0」と「1」からなる二進数の形式であることが記載されている(乙A3-2・図 4及びその説明である段落【0025】並びに図5及びその説明であ る段落【0037】を参照)。したがって,乙A3には,構成要件6Bが開示されている。 なお,ここで符号化(エンコード)されるべきデータは「サーボバンドを特定するデータ」である必要があるが,「乙A3-2には,『セクタ識別番号などのアドレス情報』として,複数のサーボバンドのう ちのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するた タは「サーボバンドを特定するデータ」である必要があるが,「乙A3-2には,『セクタ識別番号などのアドレス情報』として,複数のサーボバンドのう ちのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータがサーボ信号に埋め込まれていることが開示されている」といえる。 また,本件特許明細書の段落【0039】には,「なお,データのエンコード方式には,特開平10-334435号公報に記載の方式などがある」との記載がある。この「特開平10-334435号公 報」は乙A3-2であり,エンコード方式,すなわち符号化方式は,上記内容と同内容である。 c構成要件6C及び構成要件6Dについては,乙A3に,遷移を磁気テープに対して水平方向にシフトすることにより,データをサーボトラックに符号化することが開示されており,また,データが符号化さ れたサーボパターンをテープ上に記録する方法も開示されている。 したがって,乙A3には,「エンコードしたデータを記録パルス電流に変換する第二工程」(構成要件6C)及び「記録パルス電流をサーボ信号書込ヘッドに供給して,磁気テープの所定のサーボバンドに所定のエンコードされたデータが埋め込まれたサーボ信号を書き込む 第三工程」(構成要件6D)が,いずれも開示されている。 d以上のとおり,乙A3には,構成要件6A,6B,6C及び6Dの工程を含む,サーボバンドにサーボ信号を書き込む方法が開示されている。 (エ) 本件発明の新規性欠如について 上述のように,本件発明の構成要件6A,6B,6C,6D及び6E は,乙A2又は乙A3に記載されている。したがって,本件発明は乙A2又は乙A3に開示されている発明と同一である。 (オ) 本件発明の進歩性欠如について上述のように,本件 D及び6E は,乙A2又は乙A3に記載されている。したがって,本件発明は乙A2又は乙A3に開示されている発明と同一である。 (オ) 本件発明の進歩性欠如について上述のように,本件発明の構成要件6B,6C,6D及び6Eは,乙A2又は乙A3に記載されている。したがって,本件発明は,公知技術 (乙A1~乙A3及び乙A27)及び周知技術,並びに乙A2又は乙A3に開示されている発明に基づいて,当業者が容易に発明できたものである。 原告は,構成要件Hの「データ」とは,請求項1発明の構成要件B「当該サーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータ」を指し, 乙A1,乙A2,乙A3,乙A5にはこれらの開示がないと主張するが,乙A1,乙A2,乙A3,乙A5には構成要件B「当該サーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータ」が開示されているため,原告の主張は誤りである。 (原告の主張) 争う。 (4) 争点4(本件特許の請求項6は●(省略)●に当たるか(権利濫用の成否))について(被告らの主張)ア本件特許の請求項6が●(省略)●に該当することについて (ア) 原告AP-75契約(乙1)における●(省略)●とは,●(省略)●を意味する。 原告AP-75契約8条2項が,●(省略)●趣旨は,●(省略)●趣旨であると解されるから,ある特許の請求項が●(省略)●に該当するか否かの判断に際しては,●(省略)●になるか否かとい●(省略) ●も考慮すべきである。 そうすると,●(省略)●場合には,●(省略)●場合であっても,なお,当該請求項は●(省略)●に該当するというべきであり,●(省略)●請求項も●(省略)●に該当するといいうべきである。 また,本件特許の請求項6が● 略)●場合には,●(省略)●場合であっても,なお,当該請求項は●(省略)●に該当するというべきであり,●(省略)●請求項も●(省略)●に該当するといいうべきである。 また,本件特許の請求項6が●(省略)●に該当しないといえるための●(省略)●は,少なくとも,●(省略)●必要があるというべきで ある。さらに,ある●(省略)●について,例えば,●(省略)●しかしながら,そのような場合には,●(省略)●前述した原告AP-75契約の趣旨に反するといわざるを得ない。したがって,そのような●(省略)●の存在は,●(省略)●とはいえず,本件特許の請求項6が●(省略)●に該当しないことを基礎付けるものとはならないというべきであ る。 さらに,本件特許の請求項6が●(省略)●に該当しないといえるための●(省略)●は,少なくとも,●(省略)●というべきである。 (イ) 原告の主張に対する反論原告は,原告AP-75契約における●(省略)●には,●(省略) ●と主張するが,以下に述べるとおり,失当である。 a原告は,上記主張の根拠として,原告AP-75契約における●(省略)●の定義の文言を根拠として挙げるが,原告AP-75契約における●(省略)●の定義では,●(省略)●とされているに過ぎず,●(省略)●から,原告AP-75契約における●(省略)●の定義 の文言は,原告の上記主張の根拠とはならない。 b原告は,上記主張の根拠として,原告とTPCsとの間の,原告AP-75契約を関する交渉経緯を主張するが,原告が主張する交渉経緯は,証拠によって何ら裏付けられていない。 原告が提出した証拠から辛うじて読み取れることは,TPCsが連 名で原告に宛てて送付した●(省略)●レター(甲16)において, ●(省略) ,証拠によって何ら裏付けられていない。 原告が提出した証拠から辛うじて読み取れることは,TPCsが連 名で原告に宛てて送付した●(省略)●レター(甲16)において, ●(省略)●といった程度の事実に留まる。 また,甲16のレターに記載されている●(省略)●の定義においては,●(省略)●他方,最終的に原告とTPCsとの間で締結された原告AP-75契約の●(省略)●の定義においては,●(省略)●したがって,仮に,原告の主張するとおり,甲16のレターが,原 告AP-75契約の交渉過程においてTPCsから原告に対して送付されたものであるとすると,●(省略)●このような交渉経緯を経て,原告AP-75契約における●(省略)●の定義が確定したものであるとすれば,原告AP-75契約における●(省略)●の解釈としては,●(省略)●と解釈するのが自然である。そして,かかる限定が 存在しない以上,●(省略)●の範囲に,●(省略)●という解釈は,何ら不自然ではない。 これに対し,原告は,上記の交渉経緯において,●(省略)●と主張する。しかしながら,実際には●(省略)●したがって,原告AP-75契約の交渉経緯を根拠として,●(省 略)●場合は●(省略)●には含まれないとする原告の主張は失当である。 cなお,原告は,均等についても縷々主張する。しかしながら,●(省略)●場合には,●(省略)●から,結局,かかる●(省略)●の存在は,当該請求項が●(省略)●でないことを基礎付けるものとはな らない。原告の主張は失当である。 d原告は,原告AP-75契約における●(省略)●の定義のplainandordinarymeaning(明白かつ通常の意味)からして,これを●(省略)●の意味に解することはできず る。 d原告は,原告AP-75契約における●(省略)●の定義のplainandordinarymeaning(明白かつ通常の意味)からして,これを●(省略)●の意味に解することはできず,●(省略)●の意味に解するのが自然であると主張する。しかしながら,原告AP-75契約における● (省略)●から,●(省略)●の定義のplainandordinarymeaning からでは,これが●(省略)●を意味するといえない。また,標準化団体のIPRポリシーにおいては,●(省略)●の意味について,それが●(省略)●であることを明示する場合には,●(省略)●の意味であることを明文で規定するのが一般的であるのに対し,いずれとも規定されていない場合には,(ⅰ)●(省略)●又は(ⅱ)●(省 略)●の,いずれの解釈もあり得ると理解するのが一般的である(乙33,34)。この点に照らせば,原告AP-75契約における●(省略)●の意義については,●(省略)●以上,その定義自体から,●(省略)●がplainandordinarymeaningであるということはできない。 イ ●(省略)●がないこと仮に,●(省略)●の意味を●(省略)●と解釈しても,●(省略)●(ア) ●(省略)●を推認させる事実があること原告の主張を前提とすれば,●(省略)●サーボパターンを構成する非平行な縞を構成する線のうち,一部の線 の位置をテープ長手方向にずらす方法としてIBMが開発した方法(サーボ書込ヘッドそれ自体は固定し,また,テープの走行速度も一定に保ったまま,サーボパターンに対応する波形のパルス電流を発生させ,これをサーボ書込ヘッドに供給することで,サーボパターンを構成する線が書き込まれるテープ上の位置を変化さ た,テープの走行速度も一定に保ったまま,サーボパターンに対応する波形のパルス電流を発生させ,これをサーボ書込ヘッドに供給することで,サーボパターンを構成する線が書き込まれるテープ上の位置を変化させる方法)は,●(省略)●こ のことは,●(省略)●ことを,極めて強く推認させる。 (イ) 原告の主張する●(省略)●は,別紙「●(省略)●に関する当事者の主張(被告らの主張)」のとおり,いずれも●(省略)●である。 原告は,●(省略)●を主張・立証していないから,請求項6が,原告AP-75契約における●(省略)●に該当することは明らかであり, これを否定する原告の主張は失当である。 ウ原告の被告らに対する本件特許権の行使が権利の濫用であること(ア) 請求項6が●(省略)●に該当する場合,原告AP-75契約8条2項に基づき,●(省略)●●(省略)●他方,請求項6に基づく特許権を原告に対して行使し,差止め及び損害賠償を求めることは,権利の濫用(民法1条3項)に当 たる。 なお,原告は,●(省略)●と主張するが,●(省略)●などという解釈は成り立たないから,原告の主張は失当である。 (イ) 原告は,原告AP-75契約8条2項に規定する●(省略)●したがって,●(省略)●を超過する部分について,原告が被告ソニーから損 害賠償を受ける正当な利益を有しないことも明らかであり,かかる超過部分についての原告の被告ソニーに対する損害賠償請求権の行使は,権利濫用として許されない。 しかしながら,本件においては,差止請求権及び●(省略)●を超過する部分についての損害賠償請求権の行使のみならず,●(省略)●範 囲内での損害賠償請求権の行使もまた,権利濫用として許されないというべきである。すなわち,●(省略) 権及び●(省略)●を超過する部分についての損害賠償請求権の行使のみならず,●(省略)●範 囲内での損害賠償請求権の行使もまた,権利濫用として許されないというべきである。すなわち,●(省略)●及びその後の原告の被告ソニーに対する態度,並びに,請求項1と請求項6の関係を考慮すると,原告の被告ソニーに対する損害賠償請求を認めることは著しく不公正であり,損害賠償請求権の行使は権利濫用として一切許されないというべきであ る(知財高裁平成26年5月16日大合議判決)。 aすなわち,原告は,●(省略)●そして,原告は,被告ソニーがLTO-7規格に準拠する磁気テープの事業に参入するや否か,被告ソニーに対し,本件特許の請求項6は●(省略)●には該当せず,したがって●(省略)●との,原告独 自の見解を主張するに至り,本件においてもその主張を維持している。 以上のような,●(省略)●及びその後の原告の被告ソニーに対する態度を考慮すると,原告の被告ソニーに対する損害賠償請求を認めることは,●(省略)●範囲内であっても,著しく不公正であるといわざるを得ないのであり,原告の被告ソニーに対する損害賠償請求権の行使もまた,権利濫用として許されないことは明らかである。 bまた,原告による損害賠償請求権の行使を認めることは,原告による実施料の二重取りを認めるに等しい。 すなわち,本件特許の請求項1が●(省略)●に該当することについては,当事者間に争いはないところ,被告ソニーは,本件特許の請求項1について,(無効理由が存在しないのであれば)●(省略)● 原告は,●(省略)●他方で,仮に,原告の被告ソニーに対する損害賠償請求権の行使が,●(省略)●範囲内で認められるとすると,原告は,前述した請求項1についての実 ないのであれば)●(省略)● 原告は,●(省略)●他方で,仮に,原告の被告ソニーに対する損害賠償請求権の行使が,●(省略)●範囲内で認められるとすると,原告は,前述した請求項1についての実施料の支払に加えて,請求項6についても,●(省略)●に相当する額の支払を損害賠償として受けられることになる。しかしながら,請求項6に記載の発明は,請求項 1の磁気テープの製造方法として,既に存在した公知の方法を採用したものに過ぎず,請求項1に記載の発明に,何ら技術的な価値を付加するものではない。したがって,仮に原告が,請求項1についての実施料に加えて,請求項6についての実施料相当額の支払を被告ソニーから受けられるとすると,実質的に実施料の二重取りを認める結果と なり,不当である。 したがって,原告は,●(省略)●範囲内であっても,被告ソニーに対する損害賠償請求権を行使することは,権利濫用として認められないというべきである。 (ウ) 原告の被告SSMM及び被告SSMSに対する権利行使も権利濫用で あること 被告SSMM及び被告SSMSは,TPCsとの間でAP-75契約を締結した者ではなく,したがって,原告AP-75契約における●(省略)●には該当しない。 しかしながら,被告SSMM及び被告SSMSは,被告ソニーの完全子会社であり,原告AP-75契約の1条19項に定義する●(省略) ●に該当する。また,被告SSMM及び被告SSMSは,被告ソニーを筆頭とするソニーグループの磁気テープ事業を担っている会社であるから,被告ソニーが他社から磁気テープに関するライセンスを受ける場面においては,被告SSMM及び被告SSMSは被告ソニーと一体として扱われる地位にある。 また,原告AP-75契約は,●(省略 ら,被告ソニーが他社から磁気テープに関するライセンスを受ける場面においては,被告SSMM及び被告SSMSは被告ソニーと一体として扱われる地位にある。 また,原告AP-75契約は,●(省略)●すなわち,原告AP-75契約の4条1項は,●(省略)●を規定している。また,原告AP-75契約の8条1項は,●(省略)●規定であるが,ここでも,●(省略)●が規定されている(8条1項の第二段落の最終文)。 したがって,●(省略)●というべきである。(仮に,●(省略)●) したがって,仮に,本件特許の請求項6が●(省略)●に該当する場合には,原告が被告SSMM及び被告SSMSに対し,請求項6に係る特許権に基づく差止及び損害賠償請求権を行使することも,権利濫用となり許されない。 (原告の主張) ア原告AP-75契約に定められた●(省略)●の意義(ア) 原告AP-75契約の文言から理解される●(省略)●の意義a原告AP-75契約(甲15)における●(省略)●の定義によれば,●(省略)●は,●(省略)●しかも,●(省略)●から,●(省略)●を意味する。●(省略)●の意義をこのように解釈すべきこと は,後記(イ)に述べるとおり,原告AP-75契約の交渉経緯からも 裏付けられる。 b被告は,原告AP-75契約8条2項は,●(省略)●について,●(省略)●という独自の主張を展開しているが,かかる被告の主張は,何ら裏付けを欠くものである上,原告及びTPCsという当事者の意思にも反するものであり,失当である。 すなわち,原告AP-75契約8条2項は,●(省略)●そして,原告AP-75契約の交渉経緯によれば,●(省略)●(イ) TPCsとの交渉経緯による裏付けa原告とTPCsとの間で行 すなわち,原告AP-75契約8条2項は,●(省略)●そして,原告AP-75契約の交渉経緯によれば,●(省略)●(イ) TPCsとの交渉経緯による裏付けa原告とTPCsとの間で行われた原告AP-75契約の締結に向けた交渉 ●(省略)●原告は,TPCsとの間で,AP-75契約の締結に向けた交渉を開始した。TPCsは,原告宛の●(省略)●付けレター(以下「●(省略)●TPCsレター」という。)において,●(省略)●(甲16)。●(省略)●すなわち,●(省略)●また,●(省略)● これに対し,原告は,TPCs宛ての●(省略)●付けレター(以下「●(省略)●原告レター」という。甲19)において,●(省略)●また,原告は,●(省略)●にも,同趣旨のレターをTPCsに送付した。 しかるに,TPCsは,●(省略)●で,原告は,●(省略)●(甲 20)。 TPCsは,●(省略)●これにより,原告は,●(省略)●b交渉経緯において●(省略)●以上の交渉経緯及び同交渉経緯を踏まえて確定した最終的な契約文言によれば,●(省略)●交渉経緯に示されるとおり,原告AP-7 5契約の当事者は,同契約における●(省略)●とは,●(省略)● を意味すると相互に理解して,同契約を締結したものであり,この定義を前提に,●(省略)●への該当性が判断される必要がある。 (ウ) ●(省略)●法下において本件発明は●(省略)●に該当せず,日本法下における権利濫用の抗弁も成り立たないことa本件発明が原告AP-75契約における●(省略)●に該当するか 否かの準拠法は●(省略)●法であること権利濫用の抗弁の存否に関する準拠法については,日本法によるべきものと考えられるが,原告AP-75契約におけ -75契約における●(省略)●に該当するか 否かの準拠法は●(省略)●法であること権利濫用の抗弁の存否に関する準拠法については,日本法によるべきものと考えられるが,原告AP-75契約における●(省略)●の範囲,言い換えれば,本件発明(請求項6)が原告AP-75契約における●(省略)●に該当するか否かに関する準拠法は,いわゆる先 決問題に関する準拠法の問題として,「法廷地である我が国の国際私法により定まる準拠法」によることとなる(最高裁平成12年1月27日民集54巻1号1頁)。そして,法廷地である我が国の国際私法(法の適用に関する通則法)により,「当事者が当該法律行為の当時に選択した地の法」,すなわち●(省略)●法によるものと解される (甲23)。このことは,被告らは,管轄の不存在に関する主張において繰り返し述べており,争うものではないと解される。 b●(省略)●法によれば,原告AP-75契約における●(省略)●は,●(省略)●を意味し,●(省略)●はこれに該当しないこと●(省略)●法の下では,1)文言が明確な場合は契約のplainand ordinarymeaning(明白かつ通常の意味)で,2)文言が曖昧な場合には交渉経緯が参酌された上で,解釈される(甲24,25)。 原告AP-75契約における●(省略)●の定義は,●(省略)●である。この文言のplainandordinarymeaning(明白かつ通常の意味)として,●(省略)●と理解することはできず,むしろ,●(省 略)●と解するのが自然である。また,仮に,上記文言が曖昧である としても,交渉経緯を参酌すれば,●(省略)●は明らかであるから,いずれにしても,●(省略)●は●(省略)●には該当しない。 c米国 が自然である。また,仮に,上記文言が曖昧である としても,交渉経緯を参酌すれば,●(省略)●は明らかであるから,いずれにしても,●(省略)●は●(省略)●には該当しない。 c米国ITC手続のInitialDeterminationにおいて対応米国クレームが●(省略)●に該当するとの被告らの主張を排斥する判断がなされたこと 米国のITC手続において,被告らは,本件発明に対応する米国特許第7355805号のクレーム3(以下「対応米国クレーム」という。)が原告AP-75契約における●(省略)●であると主張していたが,かかる主張に対しては,同手続のInitialDetermination(甲26)において,被告らの主張を排斥する判断がなされている。これ によれば,対応米国クレームは,●(省略)●法上,●(省略)●に該当するとは解されない(少なくとも該当することが立証されていない)のであるから,対応米国クレームと同内容の本件特許の請求項6についても,●(省略)●法上,●(省略)●に該当しない。 したがって,日本法を準拠法とする権利濫用の抗弁の成否において も,●(省略)●法上,本件特許の請求項6が●(省略)●に該当しないとの判断がITCの判事により示されていることが参考にされるべきである。 d小括以上によれば,ITCの判断にも示されているとおり,●(省略) ●法の下,本件特許の請求項6は●(省略)●に該当しない。したがって,日本法下における被告らの権利濫用の抗弁についても,認められる余地はない。 イ構成要件C及び構成要件Dは,●(省略)●(ア) LTO-7仕様書の定め 構成要件Bの充足性において述べたとおり,LTO-7仕様書には, ●(省略)●(甲14)。ま 。 イ構成要件C及び構成要件Dは,●(省略)●(ア) LTO-7仕様書の定め 構成要件Bの充足性において述べたとおり,LTO-7仕様書には, ●(省略)●(甲14)。また,LTO-7仕様書には,●(省略)●(甲14。)。 しかし,●(省略)●(イ) 構成要件C及び構成要件Dに定められたサーボバンドIDをサーボバンドに書き込む方法 構成要件C及びDに定める方法を,本件明細書の記載及び図面に即して説明すると,次のとおりである(なお,かかる実施形態に限定されるものではない)。 図6に示されるように,サーボ信号書込ヘッド(WH)は,各サーボバンド(SB1~SB5)に相当する位置に形成されるハの字状の非平 行なギャップパターン(G)を備えている。サーボ信号書込ヘッド(WH)の各ヘッドコア(HC)には,コイル(C)が巻き付けられており,コイル(C)はサーボバンドごとに設けられたパルス発生回路(SW4)につながっている。 エンコードしたデータ(「0」と「1」で示されるデータ)は,図5 に示されるように,制御装置及びパルス発生回路(SW4)により,記録パルス電流に変換され,コイル(C)に供給される。エンコードしたデータの記録パルス電流への変換は,エンコードしたデータに係るビットが「0」であるか「1」であるかによって,縞を構成する線の位置が長手方向にずれるよう,供給される記録パルス電流におけるパルスの間 隔を調整することにより行われる。 サーボライタ(SW)は,走行系により磁気テープ(MT)を一定速度で走行させながら,コイル(C)を通じて各ヘッドコア(HC)に記録パルス電流を供給する。記録パルス電流が供給されると,各ギャップパターン(G)からの漏れ磁束によって,各サーボ信号(S1~S5 定速度で走行させながら,コイル(C)を通じて各ヘッドコア(HC)に記録パルス電流を供給する。記録パルス電流が供給されると,各ギャップパターン(G)からの漏れ磁束によって,各サーボ信号(S1~S5) が各サーボバンドに記録される。 (ウ) ●(省略)●他方,●(省略)●例えば,●(省略)●●(省略)●以上のように,●(省略)●したがって,●(省略)●から,請求項6は,●(省略)●には該当しない。 (エ) ●(省略)●との被告の主張が失当であることそもそも,●(省略)●また,仮に,●(省略)●ウ権利濫用の抗弁と損害賠償請求について(予備的主張)原告は,●(省略)●という被告らの主張は誤りである。 仮に権利濫用の抗弁が成立するとしても,●(省略)●についての原告の損害賠償請求権が否定されることはない。 被告らの主張する,●(省略)●などという事実は存在しない。被告らが本件発明(請求項6に係る発明)を実施していることを理由とする差止請求は,原告AP-75契約の文言,LTO-7仕様書の内容及び上記の LTO-7仕様書の策定経緯を踏まえた正当な権利行使であって,非難される理由はない。したがって,●(省略)●範囲内の損害賠償請求であっても著しく不公正であるなどという被告の主張が成り立つ余地はない。 被告らは,実質的に実施料の二重取りとなるとして,本件発明についての損害賠償請求権を行使することは権利の濫用となると主張している。し かしながら,そもそも,被告らは,請求項1発明について,●(省略)●を一切支払っていない。また,無効論において説明しているとおり,本件発明は,新規性及び進歩性を有しており,「既に存在した公知の方法」ではないし,請求項1発明に係る磁気テープカートリッジ ●(省略)●を一切支払っていない。また,無効論において説明しているとおり,本件発明は,新規性及び進歩性を有しており,「既に存在した公知の方法」ではないし,請求項1発明に係る磁気テープカートリッジを製造等する方法には様々なものがありうる中で,先駆的に,本件発明の方法を選択し提示 した点においても,本件発明には技術的な価値があるというべきであるか ら,原告による損害賠償請求の行使を認めることが二重取りであるとの被告らの主張は誤っている。 エ TPCsと原告との関係についてTPCsと原告との関係が,いわゆる標準化団体とそれに加入する一企業との関係とは全く異質なものであること等を明らかにし,もって,請求 項1に係る物の1つの製造方法を規定したにすぎない本件発明が●(省略)●に該当しないことを,再度説明しておく。 例えば,アップルサムスン大合議事件におけるETSI(EuropeanTelecommunicationsStandardsInstitute。欧州電気通信標準化機構)は,ヨーロッパの通信セクターにおける標準規格の作成を目的とする団体であ り,全世界の多数の事業者がこの会員となり,世界統一の標準規格に基づく製品ないしシステムを実現することで,通信分野の発展に寄与しているものといえる。ETSIに加入する事業者は,標準規格に必須の知的財産権を,公正,合理的かつ非差別的な条件(いわゆるFRAND条件)で許諾する用意があることを保証することが求められるが,その反面,当該標 準規格に採用された知的財産権は,全世界の多数の事業者によって幅広く利用されることとなり,これに採用されなければ到底得られなかったであろう規模のライセンス料収入を得ることができることとなる。このような関係から,いわゆる標準化団体 全世界の多数の事業者によって幅広く利用されることとなり,これに採用されなければ到底得られなかったであろう規模のライセンス料収入を得ることができることとなる。このような関係から,いわゆる標準化団体の場合,これに加入する事業者にとっては,標準規格に自己の知的財産権を採用してもらうべく技術開発に注力するイ ンセンティブがあり,標準化団体にとっては,かかる事業者による技術開発により通信分野全体の技術発展が促進されるというメリットがある。 これに対し,TPCsは,シーゲイト・テクノロジー(当時),ヒューレット・パッカード及びIBMの3社が結成した私的な団体にすぎず,LTOは,これらの3社が,当時,一部の市場で主力製品を販売していたク ァンタムに対抗するために私的に策定したものにすぎない。すなわち,テ ープストレージ業界には,容量や品質の違いにより,「ハイエンド」,「ミッドレンジ」,「ローエンド」と呼ばれる製品群(セグメント)が存在するところ,1990年代,「ミッドレンジ」のセグメントでは,クァンタムが1位のシェアを獲得していた。LTOは,「ミッドレンジ」のセグメントでは2番手以降であった当時のシーゲイト・テクノロジー,ヒューレ ット・パッカード及びIBMが,誰でも契約を締結すれば参加できるオープンな仕様を策定してクァンタムに対抗しようとして策定したものである(甲53)。その後,クァンタムが,シーゲイト・テクノロジーの事業を譲り受けたことにより,原告AP-75契約締結当時のTPCsは,クァンタム,ヒューレット・パッカード及びIBMの3社であった。そして, LTOが策定された当時のFSP各社は,LTOの世代が上がるにつれて次々に撤退し,LTO-7にFSPとして参加しているのは,原告と被告ソニーの2社のみである びIBMの3社であった。そして, LTOが策定された当時のFSP各社は,LTOの世代が上がるにつれて次々に撤退し,LTO-7にFSPとして参加しているのは,原告と被告ソニーの2社のみである。 以上のとおりであるから,●(省略)●TPCsと原告との間の原告AP-75契約の締結に向けた交渉におい て,●(省略)●そして,●(省略)●すなわち,●(省略)●むしろ,●(省略)●以上のようなTPCsと原告との関係,両者間での交渉経緯,請求項1発明と本件発明の違い,●(省略)●等を踏まえれば,●(省略)●の範囲は厳格に画されなければならない。●(省略)●(B教授の意見書(甲 54)参照)。 以上より,●(省略)●被告らの主張は,明らかに誤りである。 オ被告SSMM及び被告SSMSについても,被告ソニーについて述べたことがそのまま当てはまり,被告SSMM及び被告SSMSに対する損害賠償請求権の行使が権利濫用となることはない。 (5) 争点5(被告らに共同不法行為が成立するか) (原告の主張)ア本件期間①について本件期間①における侵害行為は,被告ソニーと被告SSMMによる共同不法行為であるから,原告が当該不法行為により被った損害について,被告ソニー及び被告SSMMは,不真正連帯債務として,連帯して責任を負 う。そのため,原告は,被告ソニー及び被告SSMMに対して,本件期間1に被告ソニー及び被告SSMMが得た利益の合計額について,連帯での損害賠償を請求することができる(特許法102条2項)。 イ本件期間②について本件期間②における侵害行為は,被告ら三社による共同不法行為である から,原告が当該不法行為により被った損害について,被告らは,不真正連帯債務として,連帯して責任 イ本件期間②について本件期間②における侵害行為は,被告ら三社による共同不法行為である から,原告が当該不法行為により被った損害について,被告らは,不真正連帯債務として,連帯して責任を負う。 そのため,原告は,被告ら三社に対して,本件期間②に被告ら三社が得た利益の合計額について,連帯での損害賠償を請求することができる(特許法102条2項)。 ウ本件期間③について本件期間③においては,商流から被告ソニーは外れたものの,被告ソニーは,主体的に侵害行為に関与しており,主観的関連共同性及び客観的関連共同性が認められる。したがって,本件期間③における侵害行為は,被告ら三社による共同不法行為であるから,原告が当該不法行為により被っ た損害について,被告らは,不真正連帯債務として,連帯して責任を負う。 そのため,原告は,被告ら三社に対して,本件期間③に被告ら三社が得た利益の合計額について,連帯での損害賠償を請求することができる(特許法102条2項)。 (被告らの主張) 争う。 (6) 争点6(損害の有無及び額)(原告の主張)ア 102条2項による損害(主位的主張)(ア) 被告自社製品に係る損害a被告らの開示に基づく被告らの利益額 平成27年12月~平成30年6月までの各期間における被告らが被告自社製品の販売により得た利益額は,被告らの開示額を踏まえると,それぞれ別紙「原告主張:被告らの開示に基づく被告らの利益額」のとおりである(被告三社における各売上高,仕入金額,物流費等を各侵害期間における被告自社製品の数量に応じて割り付けることで, 各侵害期間の「利益の額」を算出した。)。 b被告らの限界利益額もっとも,上記別紙に記載の利益額の算出に当たり,被告 を各侵害期間における被告自社製品の数量に応じて割り付けることで, 各侵害期間の「利益の額」を算出した。)。 b被告らの限界利益額もっとも,上記別紙に記載の利益額の算出に当たり,被告らは,本来限界利益の算出に当たって被告自社製品の売上高から控除すべきでない人件費等の固定費を控除している。したがって,各侵害期間にお いて被告らが被告自社製品を製造・販売等することにより受けた利益の額は,それぞれ別紙「原告主張:損害額」の「利益の額(原告主張)」欄記載の金額を下らない。原告は,同金額のうち,本件期間①ないし本件期間③について,「利益の額(一部請求額)」欄記載の各金額を損害額の一部として請求する。 c弁護士・弁理士費用原告は,本件訴訟の遂行を原告代理人弁護士・弁理士に委任した。 原告が本件訴訟において負担を余儀なくされた弁護士費用のうち,被告らの不法行為と相当因果関係のある額は,別紙「原告主張:損害額」の「弁護士費用等」欄記載の金額(「利益の額(原告の主張)」記載 の金額の10%)を下らない。原告は,同金額のうち,本件期間①な いし本件期間③について,「弁護士費用等(一部請求額)」欄記載の各金額を損害額の一部として請求する。 d損害合計額したがって,原告は,本件期間①につき合計●(省略)●円の損害を被り,そのうちの●(省略)●円を一部請求し,本件期間②につき 合計●(省略)●円の損害を被り,そのうちの●(省略)●円を一部請求し,本件期間③につき合計●(省略)●円の損害を被り,そのうちの●(省略)●円を一部請求する。 (イ) 被告OEM製品に係る損害a被告らの利益額 被告らの主張を前提とすれば,被告ら三社が共同して製造・販売等した被告OEM製品の個数は,別紙 ちの●(省略)●円を一部請求する。 (イ) 被告OEM製品に係る損害a被告らの利益額 被告らの主張を前提とすれば,被告ら三社が共同して製造・販売等した被告OEM製品の個数は,別紙「原告主張:被告OEM製品に係る損害額」の「B.販売個数」欄記載の数を下らない。また,被告OEM製品1個当たりの被告ら三社における利益の額は●(省略)●円を下らない。 よって,各本件期間において被告らが被告OEM製品を共同して製造・販売等したことに対する,本件発明の実施に対する損害賠償額は,販売個数に被告OEM製品1個当たりの利益の額である●(省略)●円を乗じた別紙「原告主張:被告OEM製品に係る損害額」の「C.利益の額」欄記載の金額を下らない。 このうち,原告は,本件期間①につき●(省略)●円,本件期間②につき●(省略)●円,本件期間③につき●(省略)●円の支払を一部請求する。 b弁護士・弁理士費用原告が,本件訴訟の遂行を原告代理人弁護士・弁理士に委任したこ とにより負担を余儀なくされた弁護士・弁理士費用のうち,被告らの 不法行為と相当因果関係のある額は,別紙「原告主張:被告OEM製品に係る損害額」の「D.弁護士費用等」欄記載の金額(「C.利益の額」欄記載の金額の10%)を下らない。 このうち,原告は,本件期間①につき●(省略)●円,本件期間②につき●(省略)●円,本件期間③につき●(省略)●円を一部請求 する。 c損害合計額したがって,原告は,本件期間①につき合計●(省略)●円の損害を被り,そのうちの●(省略)●円を一部請求し,本件期間②につき合計●(省略)●円の損害を被り,そのうちの●(省略)●円を一部 請求し,本件期間③につき合計●(省略)●円の損害を被り,そのう を被り,そのうちの●(省略)●円を一部請求し,本件期間②につき合計●(省略)●円の損害を被り,そのうちの●(省略)●円を一部 請求し,本件期間③につき合計●(省略)●円の損害を被り,そのうちの●(省略)●円を一部請求する。 イ原告AP-75契約に基づいて算定される損害(予備的主張)(ア) 実施料a原告AP-75契約の定め 原告AP-75契約は,●(省略)●と規定している。原告AP-75契約の準拠法は●(省略)●法であるところ,●(省略)●元判事の意見書(甲61)にも記載されているとおり,●(省略)●法下において,契約文言が明確な場合は,当該文言の明白かつ通常の意味により解釈される。 ●(省略)●の明白かつ通常の意味は,●(省略)●もっとも,●(省略)●また,●(省略)●しかし,●(省略)●●(省略)●b1巻当たりの実施料 被告らは,全ての被告製品を,日本国内において製造している。か かる製造行為に対して適用されるべき1巻当たりの実施料は,被告らの卸売価格や小売価格に左右されず,同一の割合となるべきものと考えられる。そして,本件において適用されるべき1巻当たりの実施料の額は,金●(省略)●円とすることが妥当である。その理由は以下のとおりである。 まず,原告が主張しているとおり,引用発明を組み合わせたとしても,本件発明の構成には到達し得ない。従来技術に照らした本件発明の技術的価値は極めて高いというべきである。 また,被告らは,本件発明が,LTO-7に準拠する製品を製造す●(省略)●と主張している。仮にそうだとすれば,その意味でも, 本件発明の技術的価値は極めて高いこととなる。 さらに,●(省略)●さらに,請求項1発明は,●(省略)●これは,本件 製造す●(省略)●と主張している。仮にそうだとすれば,その意味でも, 本件発明の技術的価値は極めて高いこととなる。 さらに,●(省略)●さらに,請求項1発明は,●(省略)●これは,本件発明の技術的価値が現在もなお高いことを裏付ける事実であるといえる。 以上のとおり,本件発明の技術的価値及びその実施により被告らが 得られる利益は大きい。そして,本件発明の製造方法により製造される請求項1発明の構成は,●(省略)●そして,●(省略)●例えば,●(省略)●そして,上述したとおり,本件発明が,請求項1発明に係る構成の磁気テープカートリッジを製造する方法として,極めて高い技術的価値を有することを考慮すれば,●(省略)● したがって,被告製品1製品あたりの本件発明の貢献額は,●(省略)●円を下らず,これをもって,本件発明に準拠して被告製品を製造等した場合の1製品当たりの実施料とみることが妥当である。 なお,被告製品1製品当たり●(省略)●円の実施料は,被告製品の小売価格を●(省略)●円とすると,その●(省略)●%に相当し, 上述した本件発明の技術的価値等を踏まえれば決して高くない割合で ある。 c被告らの主張に対する反論(a) ●(省略)●まず,●(省略)●しかも,●(省略)●すなわち,●(省略)● ●(省略)●●(省略)●すなわち,●(省略)●このように,●(省略)●現に,●(省略)●以上のとおり,●(省略)●(c) ●(省略)●との主張に根拠がないこと さらに,被告らは,●(省略)●と述べるが,根拠が示されていない。 ●(省略)●したがって,●(省略)●という被告らの主張には根拠がないといわざるを得ない。●(省略)● (d) 1巻当たり1 被告らは,●(省略)●と述べるが,根拠が示されていない。 ●(省略)●したがって,●(省略)●という被告らの主張には根拠がないといわざるを得ない。●(省略)● (d) 1巻当たり1円との実施料が不当に低額であること被告らは,誤った算定に基づき,1巻当たりの実施料は1円を上回らないと主張する。しかしながら,上述のとおり,●(省略)●この点,被告らが主張する1巻あたり1円との実施料では,被告らの主張する被告らがこれまでに被告自社製品を製造販売した巻数 によっても,●(省略)●の実施料にしかならないのであって,かかる実施料では,価格競争力を確保できる金額であるとはいえない。 AP-75契約においては,●(省略)●このことからしても,●(省略)●原告の主張は失当である。 d実施料率の業界標準について (a) 社団法人発明協会が発行する「実施料率〔第五版〕」(甲85) には,磁気テープカートリッジのみに特定した実施料率の記載は存在しないが,同書の「20.電子計算機・その他の電子応用装置」には,「磁気テープ装置」を含む実施料の分布が記載されている。 それによると,「電子計算機・その他の電子応用装置」のうち,ハードウェアに関する実施料率は,1%,10%,3%,4%,5% の順に件数が多くなっているということができる。これによれば,被告が主張している1巻あたり300円(被告製品の小売価格を8800円とすると,その3.4%に相当する。)という実施料は,業界標準に照らしても相当な割合であることが理解できる。 (b) 「ロイヤルティ料率データハンドブック」 経済産業省知的財産政策室の編集に係る「ロイヤルティ料率データハンドブック~特許権・商標権・プログラム著作権・技術ノウハウ~」(甲8 る。 (b) 「ロイヤルティ料率データハンドブック」 経済産業省知的財産政策室の編集に係る「ロイヤルティ料率データハンドブック~特許権・商標権・プログラム著作権・技術ノウハウ~」(甲86)にも,磁気テープカートリッジのみに特定した実施料率の記載は存在しないが,同書においては,「情報記憶(G11)」を含む「器械」の技術分類の値が,最も近い技術分野の実施料率と して参考になるものと思われる。 これによれば,ロイヤルティ料率の相場全体としてみると,正味販売高に対する料率として,2~3%未満と4~5%未満がいずれも23.4%(15件)と最も高く,次いで,3~4%未満(18. 8%,12件),1~2%未満(14.1%,9件)となっている。 訴訟などの和解交渉による場合の割合も,これと大差ない結果となっている。 以上の記載からも,被告が主張している1巻あたり300円(被告製品の小売価格を8800円とすると,その3.4%に相当する。)という実施料は,業界標準に照らしても,相当な割合であるといえ る。 (イ) 被告自社製品に係る損害a原告AP-75契約に基づいて算定される損害額平成27年12月から平成30年6月までの各本件期間に被告SSMMが製造した被告自社製品の個数は,下記「販売個数」記載の数を下らない。よって,各本件期間において被告らが被告自社製品を製造・ 販売等したことに対する実施料相当損害額は,各販売個数に実施料相当額●(省略)●円(上記(ア))を乗じた下記「損害賠償額」記載の各金額を下らない。 (a) 本件期間①販売個数:●(省略)●個 損害賠償額:●(省略)●円(b) 本件期間②販売個数:●(省略)●個損害賠償額:●(省略)●円(c) 本件期間③ らない。 (a) 本件期間①販売個数:●(省略)●個 損害賠償額:●(省略)●円(b) 本件期間②販売個数:●(省略)●個損害賠償額:●(省略)●円(c) 本件期間③ 販売個数:●(省略)●個損害賠償額:●(省略)●円b弁護士・弁理士費用原告は,本件訴訟の遂行を原告代理人弁護士・弁理士に委任した。 原告が本件訴訟において負担を余儀なくされた弁護士費用のうち,被 告らの不法行為と相当因果関係のある額は,上記aの各本件期間の損害賠償額の10%を下らず,本件期間①につき●(省略)●円,本件期間②につき●(省略)●円,本件期間③につき●(省略)●円を下らない。 c損害合計額 したがって,原告は,本件期間①につき合計●(省略)●円,本件 期間②につき合計●(省略)●円,本件期間③につき合計●(省略)●円の損害を被った。 (ウ) 被告OEM製品に係る損害a原告AP-75契約に基づいて算定される損害額平成27年12月から平成30年9月までの各本件期間に被告らが 共同して製造・販売等した被告OEM製品の個数は,下記「販売個数」記載の数を下らない。よって,各本件期間において被告らが被告OEM製品を製造・販売等したことに対する実施料相当損害額は,各販売個数に実施料相当額●(省略)●円(上記(ア))を乗じた下記「損害賠償額」記載の各金額を下らない。 (a) 本件期間①販売個数:●(省略)●個損害賠償額:●(省略)●円(b) 本件期間②販売個数:●(省略)●個 損害賠償額:●(省略)●円(c) 本件期間③’販売個数:●(省略)●個損害賠償額:●(省略)●円b弁護士・弁理士費用 原告は,本件訴訟の遂行を原 ●(省略)●個 損害賠償額:●(省略)●円(c) 本件期間③’販売個数:●(省略)●個損害賠償額:●(省略)●円b弁護士・弁理士費用 原告は,本件訴訟の遂行を原告代理人弁護士・弁理士に委任した。 原告が本件訴訟において負担を余儀なくされた弁護士費用のうち,被告らの不法行為と相当因果関係のある額は,上記aの各本件期間の損害賠償額の10%を下らず,本件期間①につき●(省略)●円,本件期間②につき●(省略)●円,本件期間③につき●(省略)●円を下ら ない。 c損害合計額したがって,原告は,本件期間①につき合計●(省略)●円,本件期間②につき合計●(省略)●円,本件期間③につき合計●(省略)●円の損害を被った。 (被告らの主張) ア 102条2項による損害(主位的主張)争う。 イ原告AP-75契約に基づいて算定される損害(予備的主張)(ア) 実施料a●(省略)●実施料相当額について,原告が主張する計算方法であ る,「LTO-7製品とLTO-6製品の卸売価格の差額の15%」という計算方法は,計算方法自体の当否もさることながら,そもそも,肝心の「15%」という数字がどのようにして算出されたのかが全く不明であり,原告の主張には全く根拠がないといわざるを得ない。この点だけでも,原告の主張は失当である。 bところで,本件発明について●(省略)●他方,●(省略)●(AP-75契約3条1項,2項)。また,●(省略)●したがって,●(省略)●そこで,以下では,●(省略)●実施料相当額を算定することとする。このように,●(省略)●(乙68)。 cなお,AP-75契約は,●(省略)●と規定しており(AP-75契約3条1項,2項),●( 下では,●(省略)●実施料相当額を算定することとする。このように,●(省略)●(乙68)。 cなお,AP-75契約は,●(省略)●と規定しており(AP-75契約3条1項,2項),●(省略)●これは,●(省略)●実際,原告は,●(省略)●したがって,●(省略)●d●(省略)● AP-75契約は,TPCsがFSPに対してLTO-7製品を製 造・販売するライセンスを付与する契約であるが,当該ライセンスには,●(省略)●が含まれる。 ところで,●(省略)●そして,●(省略)●以下では,●(省略)●以上より,●(省略)● e●(省略)●●(省略)●●(省略)●なお,●(省略)●そうすると,●(省略)●f本件発明の技術的価値について 本件発明は,請求項1発明に係る磁気テープの製造方法に係る発明であるところ,その製造方法それ自体は,甲5に開示されている公知の製造方法を,単純に,請求項1発明に係る磁気テープに適用したものにすぎないから,本件発明は,請求項1発明の技術的価値に何ら追加の技術的価値を付加するものではない。 また,請求項1発明の技術的価値は,従来のように隣接するサーボバンドに書かれたサーボ信号を比較しなくともサーボバンドを特定できる,という点にあるところ,●(省略)●したがって,請求項1発明の技術的価値は,LTO-7製品においては意味を有しない。結局のところ,LTO-7規格において,サーボバンドを識別する方法と して,LTO-6規格まで採用されていた,隣接するサーボパターンをテープ長手方向にオフセットする方法(本件明細書・【0002】段落を参照)を採用するか,それとも,請求項1発明の方法(すなわち,サーボバンドIDを各サーボバンド されていた,隣接するサーボパターンをテープ長手方向にオフセットする方法(本件明細書・【0002】段落を参照)を採用するか,それとも,請求項1発明の方法(すなわち,サーボバンドIDを各サーボバンドに埋め込む方法)を採用するかは,単に,どちらか一方を選択する必要があるという問題にすぎず, ●(省略)●このように,LTO-7規格との関係においては,請求 項1発明の技術的価値は極めて低いといわざるを得ない。 以上のような事情を考慮すると,●(省略)●したがって,本件特許の請求項6についての●(省略)●実施料相当額は,カートリッジ1巻あたり1円を上回るものではない。 g小括 以上のとおり,本件特許の請求項6についての●(省略)●実施料相当額は,カートリッジ1巻あたり1円を上回らない。 h原告の主張に対する反論(a) 原告は,●(省略)●と主張する。 しかしながら,●(省略)●そして,●(省略)● 他方で,●(省略)●したがって,●(省略)●原告主張の算定方法は,その前提からして誤っているといわざるを得ない。ましてや,●(省略)●というのは,全く根拠のない主張であるといわざるを得ない。 (b) 原告は,原告が主張する被告製品1巻当たりの実施料●(省略) ●円は,業界標準に照らしても相当な割合であると主張し,その根拠として,「実施料率〔第五版〕」(甲85)及び「ロイヤルティ料率データハンドブック ~特許権・商標権・プログラム著作権・技術ノウハウ~」(甲86)を挙げる。 しかしながら,「実施料率〔第五版〕」については,これは平成 15年9月30日に発行された書籍であり,記載されている実施料率のデータは平成10年度までのものである。これは,データとしてあまりに古過ぎ,本件における 率〔第五版〕」については,これは平成 15年9月30日に発行された書籍であり,記載されている実施料率のデータは平成10年度までのものである。これは,データとしてあまりに古過ぎ,本件における●(省略)●を算定するに当たっては,そもそも参考にならないというべきである。 また,原告が挙げる上記資料に記載されている実施料率のデータ は,各ライセンス契約に規定されている実施料率を集計したもので あり,特許1件ごとの実施料率を集計したものではないと解される。 かかる観点からも,●(省略)●1個のみのライセンス条件が問題となっている本件においては,上記資料は参考にはならないというべきである。 さらに,原告が挙げる上記資料に記載されている実施料率は,● (省略)●かかる観点からも参考にはならないというべきである。 すなわち,●(省略)●しかしながら,●(省略)●しかしながら,原告が挙げる上記資料に記載されている実施料率のデータは,このような観点を踏まえたものとはなっていない。 なお,通信機器の分野において,いわゆるFRAND宣言の対象 となった特許についての実施料率が算定された各国の判例を見ると,FRAND宣言の対象である特許1件当たりの実施料率は,低いもので0.00014%,高いものでも0.034%であり,0.1%に届くものは存在しない(乙62。乙63も参照)。このことからも,原告が挙げる上記資料に記載されている実施料率のデータが● (省略)●に合致する実施料相当額を算定するに当たり,参考とならないことは明らかである。 (イ) 被告自社製品に係る損害被告らが販売した被告自社製品の巻数は,被告ソニー●(省略)●につき●(省略)●巻,被告SSMS●(省略)●につき●(省略)●巻 であり,合計●( である。 (イ) 被告自社製品に係る損害被告らが販売した被告自社製品の巻数は,被告ソニー●(省略)●につき●(省略)●巻,被告SSMS●(省略)●につき●(省略)●巻 であり,合計●(省略)●巻である。 したがって,原告が,本件特許の請求項6に基づいて被告自社製品に係る損害としてその賠償を求めることができる額は,●(省略)●円を上回らない。 (ウ) 被告OEM製品に係る損害 被告らが販売した被告OEM製品の巻数は,被告ソニー●(省略)● につき●(省略)●巻,被告SSMS●(省略)●につき●(省略)●巻であり,合計●(省略)●巻である。 したがって,原告が,本件特許の請求項6に基づいて被告OEM製品に係る損害としてその賠償を求めることができる額は,●(省略)●円を上回らない。 第3 争点に対する判断 1 争点1(国際裁判管轄があるか)について(1) 前記前提事実(8)のとおり,原告AP-75契約11条11項には,●(省略)●旨の定め(本件管轄合意)があるところ,同項の●(省略)●とは,文言上,●(省略)●を指すことは明らかであり,●(省略)●から,被告 らは本件管轄合意の当事者ではない。 (2) 被告らは,●(省略)●ところ,民法ないし●(省略)●の判例法によれば,このような契約の第三者受益者には,当該契約における管轄合意の効力が及ぶ旨主張する。そこで検討するに,原告AP-75契約8条2項においては,●(省略)●旨定められているところ,●(省略)●ものと解される。 しかしながら,●(省略)●からすれば,本件管轄合意においても被告ソニーが●(省略)●に当たると解する理由はなく,本件管轄合意の効力が被告ソニーないし被告らに及ぶものとはいえない。このことは,●(省略)●法下での (省略)●からすれば,本件管轄合意においても被告ソニーが●(省略)●に当たると解する理由はなく,本件管轄合意の効力が被告ソニーないし被告らに及ぶものとはいえない。このことは,●(省略)●法下での判例の内容を検討するまでもなく,原告AP-75契約8条2項及び11条11項の規定自体から明らかである。 なお,被告らは,●(省略)●の確立した判例法によれば,①当該第三者が,当該契約の第三者受益者(third-partybeneficiary)である場合,②当該第三者が,グローバルな取引(globaltransaction)の当事者であり,当該契約が当該取引の一部であり,かつ,それらの契約が,同一の時期に,同一の当事者間で,又は同一の目的のために,締結されたものである場合に は,契約当事者でない第三者は,当該契約における管轄合意条項を行使する ことができるとされているところ,本件は,上記①及び②の場合に該当すると主張するが,上記判例法が存在することを認めるに足りる証拠はないし,仮にそのような判例法があるとしても,被告ソニーが●(省略)●上記①のような同契約における一般的な第三者受益者に当たるものと認めるに足りる証拠はないし,また,上記②の場合に当たるものと認めるに足りる証拠もな い。 (3) したがって,本件管轄合意の効力は被告らには及ばないから,本件訴えについては●(省略)●裁判所の専属的な管轄に属さず,日本の裁判所は管轄権を有する(民事訴訟法3条の2第3項)。 2 争点2(被告製造方法は本件発明の技術的範囲に属するか)について (1) 本件明細書の記載本件明細書には以下の記載がある(甲2)。 ア発明の属する技術分野「本発明は,磁気テープに形成されるサーボバンドを特定することに寄与する するか)について (1) 本件明細書の記載本件明細書には以下の記載がある(甲2)。 ア発明の属する技術分野「本発明は,磁気テープに形成されるサーボバンドを特定することに寄与する磁気テープおよびその製造方法,サーボライタ,ならびにサーボバ ンドの識別方法および装置に関するものである。」(段落【0001】)イ従来の技術「近年,コンピュータのデータバックアップ用等に使用される磁気テープには,高密度に記録されたデータを精度良く読み取るために,テープ長手方向に沿って形成される複数のデータトラックと隣接する複数のサーボ バンド上にサーボ信号が記録されている。このような磁気テープにおいては,磁気ヘッドがどのデータトラックを記録・再生しているかを把握するために,テープ幅方向に配設された複数のサーボバンドのうちどのサーボバンドにヘッドが位置しているかを特定することが非常に重要となっている。従来の技術としては,隣接するサーボバンドのサーボパターンをテー プ長手方向にオフセットさせ,それらのサーボバンドの信号を同時に読み 取って比較することで,サーボバンドの特定を行うものがある(たとえば,特許文献1参照)。」(段落【0002】)ウ発明が解決しようとする課題「しかしながら,従来の技術では,隣接するサーボバンドを同時に比較する必要があるため,たとえばヘッド目詰まりなどで片側のサーボ信号の 読み取りが一時的または恒久的にできなくなった場合,サーボバンドの特定を行うことができなかった。また,隣接するサーボバンドを同時に比較する必要があるため,サーボ信号読取素子や信号処理回路を複数配設しなければならなかった。」(段落【0004】)「さらに,オフセットしたサーボパターンを書き込む際には,基準とな ボバンドを同時に比較する必要があるため,サーボ信号読取素子や信号処理回路を複数配設しなければならなかった。」(段落【0004】)「さらに,オフセットしたサーボパターンを書き込む際には,基準とな る一方のサーボバンドに書かれたサーボパターンに対して,正確にオフセットさせて他方のサーボバンドにサーボパターンを書く必要があった。そのため,サーボ信号書込ヘッドに,テープ長手方向のオフセットに相当する位置関係で正確にギャップを形成する必要があり,ヘッド製造においてコストアップの要因になっていた。」(段落【0005】 「そこで,本発明の課題は,隣接するサーボバンドに書かれたサーボ信号を比較せずに,サーボバンドを特定することができる磁気テープ,およびその製造方法,サーボライタ,ならびにサーボバンドの識別方法および装置を提供することにある。」(段落【0006】)エ課題を解決するための手段 「前記課題を解決した本発明のうちの請求項1に記載の発明は,磁気ヘッドのトラッキング制御をするためのサーボ信号が複数のサーボバンド上にそれぞれ書き込まれた磁気テープであって,各サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータがそれぞれ埋め込まれ,前記 各サーボ信号は,一つのパターンが非平行な縞からなり,各データは,前 記縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことにより前記各サーボ信号中に埋め込まれていることを特徴とする。」(段落【0007】)「請求項1に記載の発明によれば,一つのパターンを構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことにより,一つのサーボ バンド内に書き込まれたサーボ信号に (段落【0007】)「請求項1に記載の発明によれば,一つのパターンを構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことにより,一つのサーボ バンド内に書き込まれたサーボ信号にそのサーボバンドを示すデータを埋め込むことができるので他のサーボバンド上のサーボ信号と対比することなく,自己のサーボバンドを特定することができる。」(段落【0008】)「請求項6に記載の発明は,請求項1に記載の磁気テープの製造方法であって,サーボバンドを特定するためのデータをエンコードする第一工程と, 第一工程でエンコードしたデータを記録パルス電流に変換する第二工程と,前記記録パルス電流をサーボ信号書込ヘッドに供給して,磁気テープの所定のサーボバンドに所定のエンコードされたデータが埋め込まれたサーボ信号を書き込む第三工程と,を有することを特徴とする。」(段落【0017】) 「この製造方法によれば,第一工程でサーボバンドを特定するためのデータがエンコード(符号化)され,このエンコードされたデータが第二工程で記録パルス電流に変換される。そして,第三工程おいて,この記録パルス電流をサーボ信号書込ヘッドに供給して,磁気テープのサーボバンド上に,サーボ信号が書き込まれると,このサーボ信号内にエンコードされ たデータ,すなわちサーボバンドを特定するためのデータが埋め込まれることとなる。」(段落【0018】)「このサーボライタによれば,制御装置でサーボバンドを特定するためのデータをエンコードし,このエンコードしたデータをパルス発生回路で記録パルス電流に変換する。そして,この記録パルス電流をサーボ信号書 込ヘッド内のコイルに供給して,磁気テープのサーボバンド上にサーボ信 号を書き込むと,このサーボ信号内にサーボバ 記録パルス電流に変換する。そして,この記録パルス電流をサーボ信号書 込ヘッド内のコイルに供給して,磁気テープのサーボバンド上にサーボ信 号を書き込むと,このサーボ信号内にサーボバンドを特定するためのデータがサーボ信号に埋め込まれることとなる。」(段落【0021】)オ発明の実施の形態「サーボ信号S1~S5は,図2に示すように,テープ長手 方向に沿って任意に複数配設される二種類の第一サーボパターン1および第二サーボパターン2によって構成されている。そして,第一サーボパターン1は, 非平行な縞である第一サブフレーム11および第二サブフレーム12を有するとともに,第二サーボパターン2も,非平行な縞である第一サブフレーム21および第二サブフレーム22を有している。」(段落【0025】) 「第一サブフレーム11,21は,テープ長手方向に対して斜めに形成される五本の線状パターンL1~L5と,これらに対して対称に形成される五本の線状パターンL6~L10とで非平行なハの字状に形成されている。ちなみに,これらの線状パターンL1~L10が,後記するハの字状のギャップパターンG(図5参照)で形成されることにより,図示左側か ら順に一対のハの字となる線状パターン(L1,L6),(L2,L7),(L3,L8),(L4,L9),(L5,L10)の間隔はそれぞれ前記ギャップパターンGの間隔と同じ長さになっている。なお,以下においては,説明の便宜上,前記した一対のハの字となる線状パターン(L1,L6)~(L5,L10)を,図示左側から順に第一ハの字パターンP1, 第二ハの字パターンP2,第三ハの字パターンP3,第四ハの字パターン P4,および第五ハの字パターンP5と呼ぶこととする。」(段 10)を,図示左側から順に第一ハの字パターンP1, 第二ハの字パターンP2,第三ハの字パターンP3,第四ハの字パターン P4,および第五ハの字パターンP5と呼ぶこととする。」(段落【0026】)「第一サーボパターン1の第一サブフレーム11では,第三ハの字パターンP3に対して第二ハの字パターンP2と第四ハの字パターンP4が離れるように形成されている。また,第二サーボパターン2の第一サブフレ ーム21では,第三ハの字パターンP3に対して第二ハの字パターンP2と第四ハの字パターンP4が近づくように形成されている。なお,第二サブフレーム12,22は,テープ長手方向に対して斜めに形成される四本の線状パターンL11~L14と,これらと対称に形成される四本の線状パターンL15~L18とで構成されており,これらの線状パターンL1 1~L18で構成される各ハの字パターンP6~P9はテープ長手方向に等間隔で配設されている。なお,前記した線状パターンは,非平行なものがセットになっていればよい。」(段落【0027】)「このように第一サーボパターン1と第二サーボパターン2の第一サブフレーム11,21をそれぞれ異なるように形成することにより,第一サ ーボパターン1に「1」を示すデータが埋め込まれ,第二サーボパターン2に「0」を示すデータが埋め込まれることとなる。そして,これらの第一サーボパターン1と第二サーボパターン2をテープ長手方向に任意に配設することにより,たとえば一つのサーボ信号S1全体を読み取ったときに所定のデータを読み取ることが可能となっている。」(段落【0028】) 「パルス発生回路SW4は,制御装置SW5からのパルス制御信号に基づいてサーボ信号書込ヘッドWHに設けられた複数のコイルC(図6参照) み取ることが可能となっている。」(段落【0028】) 「パルス発生回路SW4は,制御装置SW5からのパルス制御信号に基づいてサーボ信号書込ヘッドWHに設けられた複数のコイルC(図6参照)に記録パルス電流を供給する回路であり,これらのコイルCごとにそれぞれ独立して設けられている。具体的に,このパルス発生回路SW4は,制御装置SW5からのパルス制御信号に基づいて,プラス極性またはマイナ ス極性をもつパルス電流とゼロ電流とを交互に発生させることで,第一サ ーボパターン1や第二サーボパターン2を各サーボバンドSB1~SB5の所定位置に書き込んでいる。なお,記録パルス電流は,ギャップパターンG(図6参照)からの漏れ磁束により磁気テープMT’の磁性層を磁化するのに十分な電流値であり,サーボ信号書込ヘッドWHのコイルC(図6参照)の特性等を考慮して設定される。」(段落【0036】) 「また,ギャップパターンGごとにヘッドコアHCは独立しており,これらのヘッドコアHCにはそれぞれコイルCが巻回されている。そして,各コイルCに接続される各パルス発生回路SW4は,制御装置SW5(図5参照)でエンコードされた個々のサーボバンドSB1~SB5を区別するためのデータを記録電流パターンに変換し,この記録電流パターンを前 記コイルCに供給している。なお,データのエンコード方式には,特開平10-334435号公報に記載の方式などがある。これにより,各サーボ信号S1~S5に,各サーボバンドSB1~SB5に応じた固有のIDが埋め込まれることとなる。」(段落【0039】)「次に,サーボライタSWによって磁気テープMTにサーボ信号S1~ S5を書き込む方法について図5を参照して説明する。 図5に示すように,走行系により磁気 こととなる。」(段落【0039】)「次に,サーボライタSWによって磁気テープMTにサーボ信号S1~ S5を書き込む方法について図5を参照して説明する。 図5に示すように,走行系により磁気テープMTの走行を開始するとともに,図6に示す各パルス発生回路SW4からサーボ信号書込ヘッドWHの各ヘッドコアHCに巻かれた各コイルCに所定の記録電流パターンを供給する。このように各ヘッドコアHCに所定の記録電流が供給されると, 各ギャップパターンGによって各サーボバンドSB1~SB5にそれぞれ所定のサーボ信号S1~S5が記録される。そして,このように記録されたサーボ信号S1~S5には,それぞれ異なるサーボバンド情報が埋め込まれることとなる。」(段落【0041】)「データ解読部32は,サーボ読取ヘッド31bまたは予備サーボ読取 ヘッド31cで読み取った一つのサーボ信号,たとえばサーボ信号S1中 に埋め込まれたデータ(各サーボバンドSB1~SB5を区別するためにエンコードされたデータ)をデコードするものである。また,サーボバンド特定部33は,データ解読部32から出力される信号に基づいて各サーボバンドSB1~SB5を特定するものである。」(段落【0044】)(2) 構成要件Bの充足性(争点2-1)について ア 「サーボバンドを特定するためのデータをエンコードする」の意義構成要件Bは「サーボバンドを特定するためのデータをエンコードする第一工程と,」というものであるところ,「エンコード」とは,一般に「符号化」(広辞苑第7版)の意味を有する語であり,本件明細書をみても,前記(1)エのとおり,構成要件Bの「エンコード」に関して,本件明細書の 「課題を解決するための手段」における本件発明の説明である段落【00 7版)の意味を有する語であり,本件明細書をみても,前記(1)エのとおり,構成要件Bの「エンコード」に関して,本件明細書の 「課題を解決するための手段」における本件発明の説明である段落【0018】に「エンコード(符号化)」と記載されている。 また,本件明細書の「発明の実施の形態」の記載及び図面を見ても,第1サーボパターン,第2サーボパターンを構成するハの字パターンをずらすことにより,第1サーボパターンに「1」を示すデータを埋め込み,第 2サーボパターンに「0」を示すデータを埋め込むこと(段落【0025】ないし【0028】),制御装置SW5からのパルス制御信号に基づいてパルス発生回路SW4が発生する記録パルス電流は,「プラス極性またはマイナス極性をもつパルス電流とゼロ電流とを交互に発生される」電流であること(段落【0036】),パルス発生回路SW4は,制御装置SW 5でエンコードされたサーボバンドを区別するためのデータを記録電流パターンに変換すること(段落【0039】),がそれぞれ記載されている。 以上によれば,構成要件Bの「サーボバンドを特定するためのデータをエンコードする」とは,「サーボバンドを特定するためのデータ」を「0」又は「1」の形式に変換することと解すべきである。 イ LTO-7仕様書の記載 LTO-7仕様書(甲14)には,●(省略)●が記載されている。そうすると,LTO-7規格においては,●(省略)●また,●(省略)●一方で,LTO-7仕様書には,●(省略)●ウ以上からすれば,前記アのとおり,構成要件Bの「サーボバンドを特定 するためのデータをエンコードする」とは,「サーボバンドを特定するためのデータ」を「0」又は「1」の形式に変換することと解すべきところ,被告 ,前記アのとおり,構成要件Bの「サーボバンドを特定 するためのデータをエンコードする」とは,「サーボバンドを特定するためのデータ」を「0」又は「1」の形式に変換することと解すべきところ,被告製造方法において,上記の形式の変更を行っていることを示す証拠は何ら存在しない(なお,前記イのとおり,LTO-7規格においても,●(省略)●)から,被告製造方法は,「サーボバンドを特定するためのデ ータをエンコードする」と定める構成要件Bを充足しない。 (3) 構成要件C及びDの充足性(争点2-2)についてア構成要件C及びDは,「第一工程でエンコードしたデータを記録パルス電流に変換する第二工程と,」「前記記録パルス電流をサーボ信号書込ヘッドに供給して,磁気テープの所定のサーボバンドに所定のエンコードさ れたデータが埋め込まれたサーボ信号を書き込む第三工程と」というものであり,そこにおける「記録パルス電流」の発生要件は何ら限定されていない。また,本件明細書の「発明の実施の形態」の記載を見ても,前記(1)オのとおり,本件明細書の段落【0036】では,単に「記録パルス電流」が「磁気テープMT’の磁性層を磁化するのに十分な電流値」であること を示しているものの,その電流発生の具体的要件については何ら記載されていない。以上によれば,構成要件C及びDにおける「記録パルス電流」の発生要件については何ら限定解釈すべきではない。 イそして,被告製造方法におけるサーボ信号の書込みにおいては,磁気ヘッドにパルス状の電流が流れるものと考えられるから,被告製造方法にお いては,「データを記録パルス電流に変換」し,「記録パルス電流をサー ボ信号書込ベッドに供給して,磁気テープの所定のサーボバンドに所定のエンコードされたデータが 被告製造方法にお いては,「データを記録パルス電流に変換」し,「記録パルス電流をサー ボ信号書込ベッドに供給して,磁気テープの所定のサーボバンドに所定のエンコードされたデータが埋め込まれたサーボ信号を書き込む」ことが行われているといえる。よって,構成要件C及び構成要件Dを充足する。 ウこれに対して,被告らは,構成要件Cにおける,データを「記録パルス電流に変換する」とは,少なくとも,●(省略)●と解されると主張する。 しかしながら,上記のとおり,「記録パルス電流」の発生要件について被告らが主張するように限定解釈すべき根拠はないから,被告らの主張は採用できない。 (4) 構成要件Bに係る均等侵害について(争点2-3)についてア均等侵害の要件 特許請求の範囲に記載された構成中に対象製品等と異なる部分が存する場合であっても,①上記部分が特許発明の本質的部分ではなく(第1要件),②上記部分を対象製品等におけるものと置き換えても,特許発明の目的を達することができ,同一の作用効果を奏するものであって(第2要件),③上記のように置き換えることに,当業者が,対象製品等の製造等の時点 において容易に想到することができたものであり(第3要件),④対象製品等が,特許発明の特許出願時における公知技術と同一又は当業者がこれから上記出願時に容易に推考できたものではなく(第4要件),かつ,⑤対象製品等が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情もない(第5要件)ときは, 上記対象製品等は,特許請求の範囲に記載された構成と均等なものとして,特許発明の技術的範囲に属するものと解するのが相当である(最高裁平成10年2月24日第三小法廷判決・民集52巻1号113頁参照 上記対象製品等は,特許請求の範囲に記載された構成と均等なものとして,特許発明の技術的範囲に属するものと解するのが相当である(最高裁平成10年2月24日第三小法廷判決・民集52巻1号113頁参照)。 イ第1要件について本件明細書に記載された従来技術は,隣接するサーボバンドのサーボパ ターンをテープ長手方向にオフセットさせ,それらのサーボバンドの信号 を同時に読み取って比較することで,サーボバンドの特定を行うものであり(段落【0002】),片側のサーボ信号の読み取りが一時的又は恒久的にできなくなった場合,サーボバンドの特定を行うことができなかったという課題があった(段落【0004】)。 そこで,請求項1発明は,隣接するサーボバンドに書かれたサーボ信号 を比較せずに,サーボバンドを特定するために,各サーボバンド内に書き込まれた各サーボ信号に,そのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータがそれぞれ埋め込まれ,前記各サーボ信号は,一つのパターンが非平行な縞からなり,各データは,前記縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことにより前記各サーボ信号中 に埋め込まれているようにした磁気テープであり(段落【0007】),本件発明は,その製造方法である(段落【0017】)。 そうすると,本件発明の本質的部分は,構成要件A-3「前記各サーボ信号は,一つのパターンが非平行な縞からなり,各データは,前記縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことにより 前記各サーボ信号中に埋め込まれていることを特徴とする磁気テープ」にあるといえ,構成要件B「サーボバンドを特定するためのデータをエンコードする第一工程と,」は本質的部分には当たらないというべきである(被告 ーボ信号中に埋め込まれていることを特徴とする磁気テープ」にあるといえ,構成要件B「サーボバンドを特定するためのデータをエンコードする第一工程と,」は本質的部分には当たらないというべきである(被告らも特に争っていない。)。 よって,被告製造方法は,均等の第1要件を充足する。 ウ第2要件について仮に,被告製造方法が,構成要件Bの「エンコード」する工程に換えて,●(省略)●場合でも,本件明細書に記載された「隣接するサーボバンドに書かれたサーボ信号を比較せずに,サーボバンドを特定することができる」(段落【0006】)という作用効果を奏するものといえる(被告ら も特に争っていない。)。 よって,被告製造方法は,均等の第2要件を充足する。 エ第3要件についてLTO-7仕様書(甲14)では,各サーボバンドに対応する「8桁のビットパターン」は変更されるものではなく固定であることからすれば,サーボバンドに「8桁のビットパターン」を埋め込む際,●(省略)●と 認められる。そうすると,本件発明の「エンコードする工程」を,●(省略)●に置き換えることは,当業者が容易に想到し得るものといえる(被告らも特に争っていない。)。 よって,被告製造方法は,均等の第3要件を充足する。 オ第4要件について 被告らは,本件発明は,進歩性を欠くものであるから,本件発明から本件発明と被告製造方法の相違部分である「サーボバンドを特定するためのデータをエンコードする第一工程」を除いた被告製造方法もまた,本件発明が進歩性を欠くのと同様の理由により,公知技術から容易に推考できたものであることは明らかであり,被告製造方法は,均等成立の第4要件を 充足しない旨主張する。 しかしながら,後記3のとおり,本件発明は進歩性を欠 同様の理由により,公知技術から容易に推考できたものであることは明らかであり,被告製造方法は,均等成立の第4要件を 充足しない旨主張する。 しかしながら,後記3のとおり,本件発明は進歩性を欠くものとは認められないから,被告らの主張はその前提を欠き,採用できない。 そのほか,本件発明から,本件発明と被告製造方法の相違部分である「サーボバンドを特定するためのデータをエンコードする第一工程」を除いた 被告製造方法について,当業者が容易に推考できたものと認める足りる証拠はないから,被告製造方法は,均等の第4要件を充足する。 カ第5要件について(ア) 出願人が,特許出願時に,特許請求の範囲に記載された構成中の対象製品等と異なる部分につき,対象製品等に係る構成を容易に想到するこ とができたにもかかわらず,これを特許請求の範囲に記載しなかった場 合において,客観的,外形的にみて,対象製品等に係る構成が特許請求の範囲に記載された構成を代替すると認識しながらあえて特許請求の範囲に記載しなかった旨を表示していたといえるときには,対象製品等が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情が存するというべきである(最高裁平 成29年3月24日第二小法廷判決・民集71巻3号359頁参照)。 (イ) 被告らは,●(省略)●方法は,本件特許の出願当時において,当業者であれば当然,本件発明が採用した方法に代替する方法であると認識するものであったから,本件特許の出願人が,エンコードの工程を有しない方法を代替する方法として認識していたことは明らかである旨,ま た,このことは,本件明細書に実施例として記載されている磁気テープの製造方法について説明した箇所(段落【0041】)に を有しない方法を代替する方法として認識していたことは明らかである旨,ま た,このことは,本件明細書に実施例として記載されている磁気テープの製造方法について説明した箇所(段落【0041】)において,データのエンコードについての記載は存在せず,エンコードの工程は必須の工程であるとは位置付けられていないことからも明らかである旨主張する。 そこで検討するに,出願当時において,●(省略)●が,本件発明が採用する,データをエンコードする工程を有する方法に代替する方法であると当業者が当然認識していたことを認めるに足りる証拠はない。 また,本件明細書の段落【0041】の「サーボライタSWによって磁気テープMTにサーボ信号S1~S5を書き込む方法」には,「パル ス発生回路SW4」に何がどの様に入力されて,記録電流パターンがコイルに供給されるのか記載されてはいないものの,本件明細書の段落【0021】,【0039】,【0044】の各記載から,「パルス発生回路SW4」は,「制御装置SW5」で「エンコード」された「サーボバンドを特定するためのデータ」が入力され,当該「データ」を記録電流 パターンに変換し,コイルCに供給するものであることが明らかであり, 段落【0041】に示された「サーボライタSWによって磁気テープMTにサーボ信号S1~S5を書き込む方法」が,このような「パルス発生回路SW4」及び「制御装置SW5」における工程を含むことは当然のことと認められる。一方,本件明細書には,「最初から当該データをビットパターンの形式で保持した上で,これをサーボバンドに埋め込む 方法」は全く記載されておらず,これを示唆する記載も見当たらない。 そうすると,本件特許の出願人が,エンコードの工程を有しない方法を,本件発明が 式で保持した上で,これをサーボバンドに埋め込む 方法」は全く記載されておらず,これを示唆する記載も見当たらない。 そうすると,本件特許の出願人が,エンコードの工程を有しない方法を,本件発明が採用した方法に代替する方法として認識していたものと認めることはできないし,まして,出願人が,客観的,外形的にみて,被告製造方法に係る構成が構成要件Bの構成を代替すると認識しながら あえて特許請求の範囲に記載しなかった旨を表示していたとも認められない。 (ウ) よって,被告製造方法が本件特許の出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情は認められず,被告製造方法は,均等の第5要件を充足する。 キ被告製造方法に均等論を適用する前提を欠くとの被告の主張について被告は,被告製造方法においては,●(省略)●旨,それゆえ,被告製造方法は構成要件Bを欠くものであり,当該構成を他の構成に置換したものではないから,被告製造方法に均等論を適用する前提を欠き,第1ないし第5要件の充足の有無について検討するまでもなく,均等侵害は成立し ない旨主張する。 しかしながら,被告製造方法において,●(省略)●よって,被告製造方法に均等論を適用する前提を欠くという被告の主張は採用できない。 ク小括 以上から,被告製造方法は,構成要件Bに係る均等侵害の要件を全て充 足し,本件発明と均等なものとして,本件発明の技術的範囲に属するものと認められる。 3 争点3(本件特許に無効理由(本件発明の新規性ないし進歩性欠如)があるか)(1) 無効主張に係る各公知文献の記載 ア ISO/IEC 22050:2002(E)(乙14)乙14は,国際標準化機構(ISO)および国際電気標準会議( ないし進歩性欠如)があるか)(1) 無効主張に係る各公知文献の記載 ア ISO/IEC 22050:2002(E)(乙14)乙14は,国際標準化機構(ISO)および国際電気標準会議(IEC)が協同して策定し,2002年10月1日に公開した,磁気テープカートリッジに関する標準規格である。 サーボバンドは,非平行な縞の形状をした磁気反転部(サーボストライ プ)から構成され,サーボストライプはA~Dバーストの各サーボバーストを構成する。A,Bバーストはサーボフレーム1を,C,Dバーストはサーボフレーム2を,それぞれ構成し,サーボフレーム1,2はサーボフレームを構成する。 各サーボフレームには,製造業者データ等のデータが符号化されて記録 される。サーボサブフレーム1内の縞の位置をテープ長手方向にずらすことで,1ビットのデータが記録される。 サーボバンドの特定は,隣接するサーボバンドに含まれるフレームのテープ長手方向の相対的位置を検出する方法によって行われてもよい。この場合,サーボバンドを読み取るサーボヘッドは,隣接する2本のサーボバ ンドを同時に読み取ることで,先行又は遅延を検出し,どのサーボバンドを読み取っているかを判断する。(53頁,表5)イ特表2002-502533号公報(乙15)乙15は,テープのサーボ追跡,より詳細にはサーボトラックへの情報の符号化に関する技術を開示する文献である。(8頁) 「少なくも数本のトラック上にサーボ情報を設け,さらにこのような情 報を読取るために記録/再生ヘッド上にサーボトランスデューサ要素を具備することでヘッドの側方向位置の制御を可能ならしめ,以て,ヘッドの各トランスデューサ要素をテープトラックに相対して動的に保持することが公知である。」 /再生ヘッド上にサーボトランスデューサ要素を具備することでヘッドの側方向位置の制御を可能ならしめ,以て,ヘッドの各トランスデューサ要素をテープトラックに相対して動的に保持することが公知である。」(8頁)乙15のサーボトラック構成は,サーボ搬送信号63が,サーボ帯域6 1のほぼ全幅を横切って書き込まれ,次に,サーボ搬送信号63の部分が消去され,図3のような構成が得られる。このようにして形成された消去部分62及び非消去部分64は,サーボトラックの対を定義する。(21頁)サーボ読み取り要素71がサーボトラック68の中心に位置決めされる と,サーボ読み取り要素71の出力信号は,サーボ読み取り要素71が非消去部分64に記録されたサーボ搬送信号63上にある場合は最大振幅の信号バーストであるのに対し,搬送波63が消去されている消去部分62上にある場合には,半分の振幅の信号バーストとなり,信号バーストの振幅は正確に2対1となる。これに対し,テープがヘッドアセンブリーに対 して横手方向に移動すると,バーストの振幅の比が変化する。これを利用して磁気ヘッドアセンブリー151の再位置決めが行われる。(22,23頁)他方でテープの特性に関する情報を,消去部分の長さをテープの長さに沿って変化させることで,サーボトラックに符号化することができる。(2 3頁)サーボ帯域が161乃至163がデータ帯域170により隔てられているテープ160において,サーボ帯域161乃至163が,サーボ帯域自身が他のサーボ帯域から一意に同定され得るような,異なる符号を用いて符号化されることも可能である。図13においては,サーボ帯域163が, サーボトラック構成166とは異なったサーボトラック構成165によっ て横手方向に符号化さ 異なる符号を用いて符号化されることも可能である。図13においては,サーボ帯域163が, サーボトラック構成166とは異なったサーボトラック構成165によっ て横手方向に符号化されており,構成166は,消去部分171及び173の異なる長さによって示されるように,サーボトラック165とは異なる方式で符号化されている。このように,任意個数の消去部分がサーボ帯域ごとに変化する長さを備えることで,サーボ帯域を一意に同定することが可能となる。(33,34頁) ウ特開2002-74631号公報(乙16)乙16は,テープ・ドライブのサーボ制御,特に,サーボ・トラックおよびデータ・トラックが長手方向に配置されているテープを利用するカートリッジ式テープ・ドライブのサーボ・システムに関する技術を開示する文献である。(2頁・2欄) サーボ制御の一方式である,タイミング・ベース・サーボ(TBS)は,データ・トラックと平行に少なくとも一つの特別にパターン化されたサーボ・トラックを設けておき,テープ・ヘッドがテープの幅方向に移動したときに,サーボ・パターンの読み取りによって得られるサーボ位置信号パルスのタイミングが連続的に変化するようにしたものである。そのため, サーボ・パターンは,ハの字形のパターンや,くの字形と逆くの字形を組み合わせたパターンのように,非平行の向きに記録された磁気遷移より構成される(3頁・3欄)。 サーボ・ヘッドは,テープ20の走行に伴い,サーボ・パターンを読み取り,その読み取り信号をテープ・ドライブ12のMPU38に送る。M PU38は,サーボ・パターン読み取り信号から,パターン内間隔Aおよびパターン間間隔Bを測定する。間隔Aは,1つの繰り返しパターン内において対になっている非平行スト 2のMPU38に送る。M PU38は,サーボ・パターン読み取り信号から,パターン内間隔Aおよびパターン間間隔Bを測定する。間隔Aは,1つの繰り返しパターン内において対になっている非平行ストライプ間の間隔であり,ヘッドがテープ20の幅方向に移動すると,それに応じて値が増減する。他方,間隔Bは隣接する2つの繰り返しパターン間の間隔であり,ヘッドがテープ20の幅 方向に移動しても,値は変化しない。タイミング・ベース・サーボは,間 隔Aおよび間隔Bのような性質を利用して,ヘッドの位置決めを行う。(5頁・7欄)エ特開2001-67847号公報(乙17)乙17は,非平行の向きに記録された磁気遷移からなるサーボ・パターンを用いたタイミング・ベースのサーボ・システムに関する技術を開示す る文献である。(4頁・6欄,7頁・11欄)乙17の図5には,サーボ・パターン中にデータを符号化(変調)することのできるサーボ・パターンの例が開示されており,「1」は,変化ストライプ80と81とを離れるように移動させ,変化ストライプ82と83を互いに近づくように移動させることで符号化され,「0」は,変化ス トライプ84と85を互いに近づくように移動させ,変化ストライプ86と87とを離れるように移動させることで符号化される。(8頁・14欄)オ特開平10-334435号公報(乙18)後記乙A3の2と同じカ乙A1の2(特開2001-67847号公報) 「【従来の技術】通常,磁気テープまたは光テープのような長尺媒体は,シーケンシャルにまたは稀(まれ)にアクセスする大量のデータ(例えば長期保存用データ)を格納する補助記憶媒体として用いられている。(中略)そして,テープ・ヘッドがデータ・トラックに正確に追随できる シーケンシャルにまたは稀(まれ)にアクセスする大量のデータ(例えば長期保存用データ)を格納する補助記憶媒体として用いられている。(中略)そして,テープ・ヘッドがデータ・トラックに正確に追随できるように,トラック追随サーボ・システムが採用されている。」(段落【000 2】)「特にテープに採用されているトラック追従サーボ・システムの一例として,(中略)タイミング・ベースのサーボ・パターンから成るものがある。このサーボ・パターンは,連続した長さで非平行の角度で記録された磁束変化領域から構成されている。」(【0003】) 「図2を参照して,このようなテープ駆動装置は,通常,ヘッド組立体 24を横切ってテープ20を移動させる,カートリッジ14のリールを回転させるモーター(図示せず)を備えている。ヘッド組立体24は,(中略)比較的狭いサーボ再生ヘッド26を備えている。サーボ再生ヘッド26は,テープ20のサーボ・トラック27に記録されているサーボ・パターンを検出する。ヘッド組立体24のデータ・ヘッド28は,(中略)テ ープ20のデータ・トラック領域29の上に位置している。(中略)図2には,説明を簡単にするために,1個のサーボ再生ヘッドおよび1個のデータ・ヘッドが示してある。当業者が認識し得るように,ほとんどのテープ・システムは,複数の平行サーボ・トラック,複数のサーボ再生ヘッド,および複数のデータ再生・記録ヘッドを備えている。」(段落【0016】) 「図5(a)および図5(b)は,サーボ・パターン中にデータを符号化すなわち変調することのできるサーボ・パターンの例を示す図である。 サーボ位置エラー信号を生成するため,およびデータを符号化するために使うことのできる,1つのフレーム中の変化ストライプの最小数は 号化すなわち変調することのできるサーボ・パターンの例を示す図である。 サーボ位置エラー信号を生成するため,およびデータを符号化するために使うことのできる,1つのフレーム中の変化ストライプの最小数は,変化ストライプのペアがただ1つである。ペアの各変化ストライプは,同じよ うに傾斜した変化ストライプの別々のバースト中に存在する。図示した例では,2グループの「5,4」フレームのうち,5ストライプ・グループの2ペアの変化ストライプを使っている。図5(a)に示すように,“1”は次のようにして符号化する。すなわち,変化ストライプ80と81とを離れるように移動させ,変化ストライプ82と83とを互いに近付くよう に移動させる。図5(b)に示すように,“0”は次のようにして符号化する。すなわち,変化ストライプ84と85とを互いに近付くように移動させ,変化ストライプ86と87とを離れるように移動させる。ペアの各変化ストライプが移動する距離は同じであるが,方向は逆である。図5(a)および図5(b)では,4ストライプ・グループは,不変であり,データ を持たない変化ストライプの普通の間隔を表している。」(段落【003 2】)「したがって,図5(a)では,“1”を符号化した変化ストライプ間の間隔「a」「d」「e」および「h」は減少しており,間隔「b」「c」「f」および「g」は増加している。図5(b)では,“0”を符号化した変化ストライプ間の間隔「a」「d」「e」および「h」は増加してお り,間隔「b」「c」「f」および「g」は減少している。」(段落【0033】)キ乙A2の2(特表2003-504791号公報)「リニアテープオープン(“LTO”)フォーマットといった各オープンフォーマットテープストレージ技術は,この している。」(段落【0033】)キ乙A2の2(特表2003-504791号公報)「リニアテープオープン(“LTO”)フォーマットといった各オープンフォーマットテープストレージ技術は,この希望を満足させるために指 向したものである。詳細には,LTOフォーマットは,各データバンドに区分する5つのサーボバンドにより,テープの幅方向に対して横断するように分離された4つの分離データバンドを提供している。これらのサーボバンド内のデータは,テープユニットがどのデータバンドであるかを特定することが可能とするように,テープが走行する軸線に沿って指定された 量だけ長手方向にオフセットされている。前記各データバンドは,各データバンドを区分している上方のサーボバンドと下方のサーボバンドとの間のタイミングオフセットを計測することにより位置決めされている。隣接する各サーボバンド間の長手方向オフセットは,+33.33,-33. 33,+66.66,-66.66マイクロメートル(μm)である。よ って,このフォーマットにおいて各サーボバンド内に符号化されるタイミングデータは,所望の各長手方向オフセットを満たすように高精度で配置されねばならない。」(段落【0004】)「LTOフォーマットは,各サーボバンド内の多数のサーボ位置を規定している。サーボ位置の数は実施形態に依存している。隣接する2つのサ ーボ位置間の距離は,各データバンド間の距離に一致している。(中略) LTOといったオープンテープフォーマットは,容量及び性能を最大化するために,タイミングベースサーボ制御,(中略)リニア多チャンネル二方向テープフォーマットの有利点を組み合わせている。」(段落【0005】)「図2を参照すると,データストレージのために使用する るために,タイミングベースサーボ制御,(中略)リニア多チャンネル二方向テープフォーマットの有利点を組み合わせている。」(段落【0005】)「図2を参照すると,データストレージのために使用する前に,テープ 上の上述した各サーボバンドの符号化に対して,前処理(previousapproach)が以下の手法においてなされていた。ヘッド40は,単一の巻線10を有する1つの大きなコア20から構成されている。ヘッド内の各ギャップ30は,適切な長手方向の各オフセット50を与えるように精確に加工されていた。前処理は,いくつかの点で欠点を有している。第1に,各ギャッ プの配置に必要な精度を有しつつヘッドを製造する作業が,少しも平易でないことである。(中略)第2に,各ギャップがヘッド表面の全域の長手方向に分布しているので,テープヘッドインターフェースの非接触エリアが非常に広い。(中略)最後に,分布した各ギャップのそれぞれから必要される磁束を達成するために,コア内の単一巻線のインダクタンスが比較 的大きくなければならない。」(段落【0008】)「【課題を解決するための手段】本発明は上述した欠点及び他の欠点を克服している。本発明の教示によれば,磁気テープメディアに対して垂直方向に整列された多数の独立サーボ書込みコアを有する書込みヘッドが提供されている。サーボ書込みコア の全ては,好ましくは,独立した駆動装置及びデータ生成器を有しており,これにより各駆動装置及び各データ生成器が磁気テープメディア上にデータを独立的に符号化することを可能としている。他の書込みコア駆動装置に対して精確な微小ステップでオフセット可能であるように,各サーボ書込みコア駆動装置は,好ましくは,精度源(precisionsource)により刻 可能としている。他の書込みコア駆動装置に対して精確な微小ステップでオフセット可能であるように,各サーボ書込みコア駆動装置は,好ましくは,精度源(precisionsource)により刻 時パルスを独立して送られている。」(段落【0009】) 「図3は,本発明の好適な実施形態についてのサーボ書込みヘッドを示している。本発明の好適な実施形態についての図3は,以下の点及び他の点において,前処理についての図2とは異なっていることに注意されたい。 第1に,各ギャップ60が中心線70に沿ってヘッド100に配置されている。他の各サーボバンドに対して各サーボバンド内にデータの書き込み をオフセットする目的のための著しいオフセットはない。第2に,独立した各コア90を有する5つの独立した書込み巻線80があり,各コアは5つのギャップ60とそれぞれ対応している。よって,分離した各書込みコアを有する5つの独立した巻線の垂直方向整列が,ヘッド100内に形成されている。」(段落【0011】) 「この構成により,本発明は,LTOテープの各サーボバンドにデータを書き込む前処理を克服し,かつ取って代わり,かつ大変革している。これは,実現し又は達成することが難しかった各物理パラメータを容易に扱われる電気的パラメータに変換することにより達成している。5つの個別の書込みコアを独立した巻線と垂直方向に位置決めすることにより,この ことが可能となっている。第1に,タイミングオフセットが,各ギャップの物理的位置の関数というよりは,今や独立した各巻線に対する駆動信号のタイミングの関数であるので,各ギャップの位置決めにおいて精確さを有しつつヘッドを製造する作業が省かれている。これにより,製造時におけるばらつきのために各ヘッドを廃棄するといった に対する駆動信号のタイミングの関数であるので,各ギャップの位置決めにおいて精確さを有しつつヘッドを製造する作業が省かれている。これにより,製造時におけるばらつきのために各ヘッドを廃棄するといったことが排除されている。 第2に,各ギャップが今やヘッドの表面全域で垂直方向に整列されているので,テープ接触エリアが最小化されており,これにより,テープに対するヘッドの接触が向上している。これにより,サーボデータを非常に高速なテープ速度にて符号化することが可能となっている。第3に,個別の各コアに対してそれぞれ5つの独立した巻線があるので,これらの巻線のイ ンダクタンスが非常に小さい。従って,信号電子装置が,ヘッドを非常に 容易に駆動できる。さらに,5つの巻線があるので,各巻線に対する駆動電流において各巻線間のばらつき又は各ギャップにおける磁束密度が補償される。結局,フォーマット変更の場合には,新しい基準を厳守するように,独立した各巻線に対する各信号のタイミングを変化させてもよい。」(段落【0013】) 「図5は,本発明の範囲内で使用されるようなデータ生成器160と書込み駆動電子装置150を示すブロック図である。本発明の書込みヘッドは,前述したLTOフォーマットといったテープフォーマットに対する書込み性能及び順応性を向上させるために,磁気テープメディアに対して鉛直方向にかつ垂直方向に整列された多数の書込み要素170(例えば,多 数のサーボ書込みコア)を有している。本発明の範囲内において,書込み要素との記載は,サーボ書込みコア構成要素といった書込み操作を実施するためにヘッド内で使用される構成要素を含んでいる。本発明の各サーボ書込みコア構成要素は,独立した駆動装置150とデータ生成器160を有しており,これら 書込みコア構成要素といった書込み操作を実施するためにヘッド内で使用される構成要素を含んでいる。本発明の各サーボ書込みコア構成要素は,独立した駆動装置150とデータ生成器160を有しており,これらが磁気テープメディア上に独立してデータを符号化す ることが可能としている。好適な実施形態では,多チャンネルデータ生成器が使用される。各サーボ書込みコア駆動装置150が,多チャンネルデータ生成器の各出力のうちの1つにより駆動される。ここで,多チャンネル生成器の各出力は,精度基準による時間でプログラム可能オフセットを提供している。」(段落【0014】) 「各書込み要素が個別の書込み駆動電子装置により駆動されているので,各書込み要素は他の各書込み要素とは電気的に独立している。各書込み要素は,制御されたパルス幅と,振幅と,立上り時間と,立下り時間と,波形とを有する各パルスから構成されている書込み信号を受信する。よって,以下の書込み信号特性のうちの1つ又は2つ以上を書込み要素のために変 更することが可能である:すなわち,少なくとも1つの書込み要素に供給 される書込み信号パルス幅を他の書込み要素に供給される書込み信号パルス幅とは異なるようにすることが可能である;少なくとも1つの書込み要素に供給される書込み信号振幅を他の書込み要素に供給される書込み信号振幅とは異なるようにすることが可能である;少なくとも1つの書込み要素に供給される書込み信号立上り時間を他の書込み要素に供給される書込 み信号立上り時間とは異なるようにすることが可能である;少なくとも1つの書込み要素に供給される書込み信号立下り時間を他の書込み要素に供給される書込み信号立下り時間とは異なるようにすることが可能である;少なくとも1つの書込み要素に供給される書 能である;少なくとも1つの書込み要素に供給される書込み信号立下り時間を他の書込み要素に供給される書込み信号立下り時間とは異なるようにすることが可能である;少なくとも1つの書込み要素に供給される書込み信号波形を他の書込み要素に供給される書込み信号波形とは異なるようにすることが可能である。」 (段落【0015】)「5つの個別のデータ生成器を使用することにより,独特の長手方向オフセットを有する,又はデータ符号化する,又はテープに透かしを入れるテストテープといった特別な目的のためのサーボテープを生成することに対応可能である。」(段落【0020】) ク乙A3の2(特開平10-334435号公報)「【発明の属する技術分野】本発明は,水平方向の記録のためのタイミング・ベースのサーボに関し,特に,データまたはアドレス指定情報をタイミング・ベースのサーボ情報に重畳すること,(中略)に関する。」(段落【0001】) 「【従来の技術】磁気テープ装置が容量を最大化するために使用する1つの方法は,テープ上の平行なトラックの数を最大化することである。トラックの数を最大化する典型的な方法は,トラック追従を提供し,トラックが非常に接近して配置されることを可能にするサーボ・システムを使用することである。」(段落【0003】) 「トラック追従サーボ作用の例は,水平方向のデータ・トラックのグル ープ間に横たわる,予め記録された平行な水平方向のサーボ・トラックのグループを提供することである。それにより,1つ以上のサーボ・ヘッドがサーボ情報を読出すことができ,付随するトラック追従サーボがサーボ・ヘッドが対応するサーボ・トラック上の中央に維持されるように,ヘッドまたはテープの垂直方向の位置を調整する。サーボ・ヘッドは所定 がサーボ情報を読出すことができ,付随するトラック追従サーボがサーボ・ヘッドが対応するサーボ・トラック上の中央に維持されるように,ヘッドまたはテープの垂直方向の位置を調整する。サーボ・ヘッドは所定の距離 だけデータ・ヘッドから間隔を開けられ,サーボ・ヘッドのセンタリングにより,データ・ヘッドがデータ・トラック上でセンタリングされる。」(段落【0004】)「図4は,データをサーボ・トラックに符号化するために,遷移が磁気テープに対して水平方向にシフトされた図3のシェブロン及びダイヤモン ドを示す。データはサーボ・タイミングが正しければ,任意の態様で符号化され得る。」(段落【0025】)「重要な点は,サーボ・タイミングの観点から,シェブロンが対になって同一方向若しくは反対方向に,またはパターン内のあらゆる変化が互いにオフセットするようにシフトされることである。」(段落【0034】) 「このことは,サーボ性能に影響を与えること無く,データがシェブロン・パターンの位置に符号化され得ることを意味する。符号化データは,タコメータ情報若しくはセクタ識別番号などのアドレス情報を符号化するために,またはテープ長,メーカ,媒体タイプなどのカートリッジに関する他の情報を符号化するために使用され得る。」(段落【0035】) 「図5は,データをサーボ・パターンに符号化する最も簡単な方法を示す。サーボ位置誤差信号を生成し,データを符号化するために使用されるグループ内のシェブロンの最小数は2である。」(段落【0036】)「一般的な符号化アルゴリズムは,シェブロンを遠ざけることにより"1"を符号化し,シェブロンを一緒に近づけることにより"0"を符号化する。 各シェブロンが移動される距離は大きさは同一であるが,方向は反対であ アルゴリズムは,シェブロンを遠ざけることにより"1"を符号化し,シェブロンを一緒に近づけることにより"0"を符号化する。 各シェブロンが移動される距離は大きさは同一であるが,方向は反対であ る。シェブロンは対になって移動されなければならないので,ダイヤモンドを構成する両方のシェブロンが対として一緒に移動される。図5では,上方のダイヤモンド50は,データの無いシェブロンの公称スペーシングを示し,下方のダイヤモンド51のパターンは,左から右にビット列"0011"を符号化するように示される。」(段落【0037】) ケ乙A4の1(ISO/IEC22050)及び乙A4の2(日本工業規格JISX6175:2006)「11.サーボバンドの記録方法11.1概要テープは,5本のサーボバンドをあらかじめ記録し,それぞれのサーボバンドに複数のサーボ位置を定める。サーボ位置は,カートリ ッジがカートリッジ装置内で作動中にトラック追随のために用いる。サーボバンドは,カートリッジにデータの記録及び再生に使用する前に書き込み,すべてのサーボ位置は,テープ基準縁から特定の距離に位置する。(中略)各サーボバンドは,18本のサーボストライプからなりサーボフレーム を含む。サーボフレームは,テープの長さに沿って長手方向の位置を表すLPOS ワードを符号化する。サーボバンドに沿ってサーボフレームを長手方向に移動することによって,サーボバンドを一意に識別する。サーボバンドの詳細は,図25,図26 及び図28に示す。」「11.3 サーボフレーム符号化サーボフレーム符号化は,テープの長手 方向の絶対位置,製造業者のデータ及びサーボバンド識別情報とする。 11.3.1 位置及び製造業者データの符号化方法位置及び製 3 サーボフレーム符号化サーボフレーム符号化は,テープの長手 方向の絶対位置,製造業者のデータ及びサーボバンド識別情報とする。 11.3.1 位置及び製造業者データの符号化方法位置及び製造業者データの符号化方法は,サーボサブフレーム1のストライプの相対位置を移動して,サーボフレームの情報を符号化する(図28参照)。サーボフレームは,“1”又は“0”の一つのビットを符号化する。(図略) “1”は,Aバーストの第2ストライプを第1ストライプの方向へ0. 25μm移動し,Aバーストの第4ストライプを第5ストライプの方向へ0.25μm移動して符号化する。Aバースト及びBバーストの対応するストライプ間で正しいタイミングを維持するため,同じ移動は,Bバーストの第2ストライプ及び第4ストライプにも適用する。 “0”は,Aバーストの第2ストライプを第1ストライプから遠ざかる 方向へ0.25μm移動及びAバーストの第4ストライプを第5ストライプから遠ざかる方向へ0.25μmだけ移動して符号化する。Aバースト及びBバーストの対応するストライプ間で正しいタイミングを維持するために,同じ移動は,Bバーストの第2ストライプ及び第4ストライプにも適用する。」 コ乙A5(特開2002-25001号公報)「図1は,磁気テープ100の記録領域の構成とデータの書き込みおよび読み取りを行う磁気ヘッド201を模式的に記載した図である。磁気テープ100には,0ないし3の4個のデータ・バンドと各データ・バンドの両側に0ないし4の4個のサーボ・バンドが配置されている。データ・ バンドは記録領域として利用され,また,各サーボ・バンドにはテープ100の幅方向および長さ方向における磁気ヘッドの位置を検出するための情報等が書き込 サーボ・バンドが配置されている。データ・ バンドは記録領域として利用され,また,各サーボ・バンドにはテープ100の幅方向および長さ方向における磁気ヘッドの位置を検出するための情報等が書き込んである。」(段落【0014】)「磁気ヘッド201は,たとえば図1に示すようにデータ・バンド1に関して,サーボ・バンド1とサーボ・バンド2のサーボ情報を読み取って テープ幅方向に微量だけ移動して所望のラップ(図示せず。)を選択する。 磁気ヘッド201は,さらにテープ幅方向に大きく移動して他のデータ・バンドに対応するサーボ情報を読み取って当該データ・バンド内の所望のラップにアクセスすることができる。」(段落【0015】)サ乙A27(米国特許4502082号) 「サーボビット「sm」は,トラックに沿ってワークビットに対して半直 交に整列される。ビット「sm」は,以下に説明するように「センタリングダイビット」として特徴付けられ,トラックに関して「ラムダ構成」として理解される」(6欄63~67行)「斜めの互いに直交するダイビットの形態のサーボビット「sm」は,所定のトラックTに沿って所定の方法で分配され,ワークビット「wb」と(ト ラック/セクタ)識別ビット「sb」との間に挿入されると理解される。」(7欄58~62行)「次のプリレコーディングされたサーボダイビットすなわち「シェブロン」,「sm」は,このサーボ出力を開始し(図2A,2B,2Cのように),「センタリングチェック」だけではなく,トラック,データブロックなどを識 別するために使用される。」(11欄23~27行)「(整列された)セクタ・ビット「sb」によって示されるトラック番号及びセクタ番号を読み出すことができる。」(11欄41~43行) を識 別するために使用される。」(11欄23~27行)「(整列された)セクタ・ビット「sb」によって示されるトラック番号及びセクタ番号を読み出すことができる。」(11欄41~43行)「したがって,ヘッドh1がヘッドh1に「従属」され,サーボ中心にサーボされることが明らかであり,それゆえに,ヘッドh1は「制御サーボトラ ック」(又はトラックセグメントT-1,ダイギャップ /ダイビットにセンダリングされる),ヘッドh2はT-1及びディスクDDと同心である関連データトラックを「追従」して書き込む(例えば,T-aはT-1に従属し,T-bはT-2に「従属する」)」(12欄25~33行)「本発明のさらなる改変も可能である。例えば,本明細書に開示される 手段及び方法は,特定のテープシステムなど,又は特定のドラムなどにも適用可能であり得る。また,本発明は,光学的にデータの記録及び再生が行われるような他の形式の記録/再生系を使用したある種の「スパイラルレコーディング」の提供についても適用できる。)」(20欄65行~21欄4行) (2) 争点3-1について 本件発明は,本件特許の請求項1の従属項である請求項6に係る発明である。そして,請求項1発明は「磁気テープ」に係る発明であるのに対し,本件発明は,該「磁気テープ」の「製造方法」であって,さらに「第一工程」ないし「第三工程」を有する発明であるから,本件発明の進歩性の有無を判断するには,先行技術の中から最も適している主引用発明を選び,そこから 出発して,「製造方法」の発明である本件発明に容易に到達する論理付けができるか否かを検討すべきである。 しかるに,被告らは,本件発明の進歩性欠如を主張する際に,まず,物の発明である請求項1発明について複数の引用 造方法」の発明である本件発明に容易に到達する論理付けができるか否かを検討すべきである。 しかるに,被告らは,本件発明の進歩性欠如を主張する際に,まず,物の発明である請求項1発明について複数の引用発明から容易に想到することができるとした上で,さらに,請求項1発明とはカテゴリーも異なる製造方法 の発明である本件発明について,別個の引用発明(乙18発明)を組み合わせて容易に想到することができると主張するが(争点3-1-5,3-1-7を除く。),そもそも,そのように多段階にわたって先行技術を適用することを前提として,当業者が本件発明を容易に発明することができたということはできない。 したがって,争点3-1に係る被告らの主張(争点3-1-5,3-1-7を除く。)は,個別に検討するまでもなく失当であるが,以下では,念のため,被告らの主張する手法に従い,請求項1発明を当業者が容易に発明できたか否かについて検討する。 (3) 争点3-1-1について 被告らは,乙14発明を主引用発明として乙15発明を組み合わせれば,請求項1発明を容易に発明できたと主張する。 ア乙14の前記記載によれば,請求項1発明と乙14発明の相違点は次のとおりと認められる。 請求項1発明においては,「データ」が,「複数のサーボバンドのうち のそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータ」であ る(構成要件A-2)のに対して,乙14発明においては,「複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータ」についての開示がない点。 イ上記相違点に係る容易想到性について検討するに,乙14には,非平行な縞の磁気遷移からなるサーボパターンを使用したタイミング・ベース・ サーボにおいて,サー データ」についての開示がない点。 イ上記相違点に係る容易想到性について検討するに,乙14には,非平行な縞の磁気遷移からなるサーボパターンを使用したタイミング・ベース・ サーボにおいて,サーボフレームを形成するストライプをずらすことにより,サーボバンドに記録される信号中にデータを埋め込む技術が記載されている。そして,乙14(53頁,表5)には,サーボバンドを識別する方法が記載されている以上,乙14発明において,サーボバンドを特定する必要性があることは明らかである。 一方,乙15発明は,サーボ搬送信号の交互の消去及び非消去の部分からなるサーボトラック構成を備えたアンプリチュードサーボにおいて,サーボトラック構成の消去部分の長さを他のサーボ帯域と異ならせて情報を埋め込むというものである。すなわち,乙15の33頁下から4行~34頁の8行,及び図13には,「サーボ帯域161ないし163が,サーボ 帯域自身が他のサーボ帯域から一意に同定され得るような,異なる符号を用いて符号化されても良い。(中略)任意個数の消去部分がサーボ帯域ごとに変化する長さを備えることで,サーボ帯域を一意に同定,つまり一意なサーボ帯域符号を具備しても良い」と記載されており,サーボ帯域自身が他のサーボ帯域から一意に同定され得るような,異なる符号を用いて符 号化されること,その例として,サーボ帯域の消去部分の長さを他のサーボ帯域と異ならせる方式で符号化することが開示されている。 以上によれば,乙14発明は,タイミング・ベース・サーボに係るものであり,かつ,サーボフレームを形成するストライプをずらすことにより,サーボバンドに記録される信号中にデータを埋め込む発明であるのに対し, 乙15発明は,アンプリチュードサーボに係るものであり,かつ,サーボ サーボフレームを形成するストライプをずらすことにより,サーボバンドに記録される信号中にデータを埋め込む発明であるのに対し, 乙15発明は,アンプリチュードサーボに係るものであり,かつ,サーボ 帯域の消去部分の長さを他のサーボ帯域と異ならせる方式で符号化する発明であるから,結局,両者は,そのシステム自体も,また,データの符号化方式も異なるものである。そうであれば,乙14発明に乙15発明を適用することは容易であるとはいえず,かえって阻害要因があるというべきであるし,仮に乙14発明に乙15発明を適用しても,相違点に係る構成 には容易に想到し得ない。 ウこれに対して,被告らは,サーボパターンを構成する要素の位置をテープ長手方向にずらすことによりデータをサーボ信号中に埋め込むものであるという点において,乙14発明と乙15発明は共通しており,サーボバンドを特定するためのデータをサーボ信号中に埋め込む方法として,サー ボフレームを構成する縞の一部をテープ長手方向にずらすという,乙14発明が既に開示している方法を用いることは容易であると主張する。しかし,上記のとおり,あくまで,乙14発明は,非平行な縞の磁気遷移からなるサーボパターンを使用したタイミング・ベース・サーボにおいて,サーボフレームを形成するストライプをずらすことにより,サーボバンドに 記録される信号中にデータを埋め込むという発明であるし,乙15発明は,サーボ搬送信号の交互の消去および非消去の部分からなるサーボトラック構成を備えたアンプリチュードサーボにおいて,サーボトラック構成の消去部分の長さを他のサーボ帯域と異ならせて情報を埋め込むという発明であるから,両発明について,それらの具体的構成を離れて,被告らが主張 するように,サーボパターンを構 ,サーボトラック構成の消去部分の長さを他のサーボ帯域と異ならせて情報を埋め込むという発明であるから,両発明について,それらの具体的構成を離れて,被告らが主張 するように,サーボパターンを構成する要素の位置をテープ長手方向にずらすことによりデータをサーボ信号中に埋め込むものであると抽象化した上で,両発明を組み合わせることが当業者にとって容易であるとは認められず,被告らの上記主張は採用できない。 (4) 争点3-1-2について 被告らは,乙16発明を主引用発明として乙15発明と乙17発明を組み 合わせれば,請求項1発明を容易に発明できたと主張する。 ア乙16の前記記載を踏まえて,請求項1発明と乙16発明とを対比すると,①「各サーボ信号に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータがそれぞれ埋め込まれ」ている点(構成要件A-2),及び②「各データは,各縞を構成する線の位 置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことにより前記各サーボ信号中に埋め込まれている」点(構成要件A-3)で相違する。 イ上記相違点①の容易想到性については,乙14発明の場合と同様である。 すなわち,乙16には,非平行な縞の磁気遷移からなるサーボパターンを使用したタイミング・ベース・サーボに係る技術が記載されており,一方, 乙15発明は,アンプリチュードサーボに係るものであり,かつ,サーボ帯域の消去部分の長さを他のサーボ帯域と異ならせる方式で符号化する発明であるから,結局,両者は,そのシステム自体も,また,データの符号化方式も異なるものである。そうであれば,乙16発明に乙15発明を適用することは容易であるとはいえず,かえって阻害要因があるというべきで あるし,仮に乙16発明に ム自体も,また,データの符号化方式も異なるものである。そうであれば,乙16発明に乙15発明を適用することは容易であるとはいえず,かえって阻害要因があるというべきで あるし,仮に乙16発明に乙15発明を適用しても,相違点に係る構成には容易に想到し得ない。 (5) 争点3-1-3について被告らは,乙15発明を主引用発明として乙17発明と周知技術を組み合わせれば,請求項1発明を容易に発明できたと主張する。 ア乙15の前記記載を踏まえて,請求項1発明と乙15発明とを対比すると,「各サーボ信号は,一つのパターンが非平行な縞からなり,各データは,各縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことにより前記各サーボ信号中に埋め込まれている」点(構成要件A-3)で相違する。 イ上記相違点に係る容易想到性について検討するに,乙15は,サーボ搬 送信号の交互の消去及び非消去の部分からなるサーボトラック構成を備えたアンプリチュードサーボに関し,サーボ帯域に形成された「消去部分」及び「非消去部分」において,サーボ読取り要素71の中心線が消去部分62の端に正確に位置決めされる限り,読取り素子71の出力信号は,非消去部分64上にある間は最大振幅の信号バーストであり,消去部分62 上にある間は半分の振幅の信号バーストが続き,磁気ヘッドがテープに対して移動した場合,上記信号バーストの振幅の比が変化するため,これを利用して,磁気ヘッドの再位置決めを行うサーボ技術に関する発明である。 被告らが主張するように,非平行な縞からなるサーボパターンを使用したタイミング・ベース・サーボが周知であり,また,乙17に非平行な縞 を構成する線の位置をテープ長手方向にずらすことで,データを符号化し,サーボ信号中 非平行な縞からなるサーボパターンを使用したタイミング・ベース・サーボが周知であり,また,乙17に非平行な縞 を構成する線の位置をテープ長手方向にずらすことで,データを符号化し,サーボ信号中に埋め込むことが開示されているとしても,これらの技術を,アンプリチュードサーボに係る乙15発明に適用すれば,乙15の上記サーボ技術が機能しなくなることは明らかであることから,乙15発明に,周知技術及び乙17発明を適用する上での阻害要因が存在することは明ら かであるし,仮に乙15発明に周知技術および乙17発明を適用しても,相違点に係る構成には容易に想到し得ない。 (6) 争点3-1-4について被告らは,乙A1発明を主引用発明として周知技術(乙A5~17)を組み合わせれば,請求項1発明を容易に発明できたものであると主張する。 ア乙A1の前記記載によれば,請求項1発明と乙A1発明の相違点は次のとおりと認められる。 請求項1発明においては,「データ」が,「複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータ」である(構成要件A-2)のに対して,乙A1発明においては,「複数のサー ボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するため のデータ」についての開示がない点。 イ被告らは,当業者であれば,周知技術(乙A5~17)に基づいて,上記相違点に係る構成に容易に想到することができたと主張するので,検討する。 (ア) 乙A12ないし16について 乙A12ないし16は,光記録再生に係る技術であって,乙A1の磁気記録再生とは,記録再生の原理そのものが異なり,また,タイミング・ベース・サーボ技術も,タイミング・ベース・サーボ技術における符号化技術も,明記されていな 光記録再生に係る技術であって,乙A1の磁気記録再生とは,記録再生の原理そのものが異なり,また,タイミング・ベース・サーボ技術も,タイミング・ベース・サーボ技術における符号化技術も,明記されていないことからすれば,乙A1発明に乙A11ないし16に開示された技術を組み合わせても,相違点に係る構成を容易 に想到し得るとはおよそいえない。 (イ) 乙A6,8,9,11について乙A6は,乙15と同一の公知文献であり,乙A6発明は,サーボ搬送信号の交互の消去および非消去の部分からなるサーボトラック構成を備えたアンプリチュードサーボにおいて,符号化トラックピッチの消去 部分の長さを他のサーボ帯域と異ならせて情報を埋め込むというものである。そうすると,乙A6発明は,タイミング・ベース・サーボ技術に係る乙A1発明とは,そのシステム自体が異なり,また,データの符号化方式も異なることから,乙A1発明に乙A6を組み合わせることは困難であり,むしろ阻害要因が存在するし,仮に乙A1発明に乙A6発明 を適用しても,相違点に係る構成には容易に想到し得ない。 乙A8には,磁気テープ横方向における望ましくない動作(LTM)を補償するために,レーザにより磁気素材を欠落させたくぼみである光サーボマーク72により光サーボパターンを生成し,光サーボパターンのトラックを,どの光サーボパターンがたどられているのかを決定する 固有の値またはコードで符号することが記載され(段落【0004】, 【0017】,【0018】,図3),また,光サーボパターン上に磁気信号が書込まれ,光サーボパターンにより振幅変調された磁気信号を2つのサーボ読取ヘッドによって読み取られ,両者の振幅の差を位置誤差信号として用いることが記載されている(段落【0020】~【 上に磁気信号が書込まれ,光サーボパターンにより振幅変調された磁気信号を2つのサーボ読取ヘッドによって読み取られ,両者の振幅の差を位置誤差信号として用いることが記載されている(段落【0020】~【0023】,図5,図6)。そうすると,乙A8は,乙A6と同様,アンプ リチュードサーボに係る技術であり,また,乙A8は,磁気素材を欠落させたくぼみから構成された光サーボパターンを必須の構成としていることからすれば,乙A1発明に係る技術と,そのシステム自体が異なり,また,データの符号化方式も異なることから,乙A1発明に乙A8発明を組み合わせることには阻害要因が存在するし,仮に乙A1発明に乙A 8発明を適用しても,相違点に係る構成には容易に想到し得ない。 乙A9には,「隣接するサーボトラックは,消去済み又は未記録のテープ部分のエッジを通る縦線によって画定される」こと(概要),「サーボトラックペア番号及び/又はサーボサンプル番号に関する情報は,消去済み又は未記録のテープ部分に記録することができ,前記サーボト ラックからの信号と共に復号して読み戻すことができる」(5欄7~11行),「矩形4は,(中略)消去されている。各サーボトラック3,3’の中心線は,消去された又は記録されていない矩形4,4’の縁に沿ってそれぞれ配置される。(中略)サーボ・サンプル番号のサーボトラックペアの番号を矩形4,4’に記録し,必要に応じてテープ位置を 決定し,(中略)ロー・パス/バンド・パス・フィルタリング・バージョンから同じ読取り信号を受け取り,(中略)サーボ復調器に渡すことができる。」(8欄11~26行)ことがそれぞれ開示されている。そうすると,乙A9は,乙6と同様なアンプリチュードサーボに係る技術であることからすれば,乙A1発明に係る技術とは ーボ復調器に渡すことができる。」(8欄11~26行)ことがそれぞれ開示されている。そうすると,乙A9は,乙6と同様なアンプリチュードサーボに係る技術であることからすれば,乙A1発明に係る技術とは,そのシステム自体 が異なり,また,データの符号化方式も異なるため,乙A1発明に乙A 9発明を組み合わせることは困難であり,むしろ阻害要因が存在するというべきであるし,仮に乙A1発明に乙A9発明を適用しても,相違点に係る構成には容易に想到し得ない。 乙A11には,トラックバンドルに特別トラックを設け,当該特別トラックは,第1の特性及び第2の特性を提供する表面領域を有し,当該 表面領域がトラッキング情報を符号化するように用いられるパターンを形成する(【請求項11】,段落【0018】,【0022】)とともに,ヘッド読み出し部の2つのチャネルが,特別トラックの内側の2つのトラックを読み出し,2つの信号を再生された信号の振幅に基づいてトラッキング信号を得る(段落【0024】)ことが記載されている。 また,乙A11の段落【0030】には,「図4による幅方向及び長さ方向の位置情報のプロセスは,あるいはトラックバンドルを識別できる特別トラックの表面領域内に含まれた識別情報を実現してもよい」と記載されている。そうすると,乙A11も乙6と同様,アンプリチュードサーボに係る技術であり,乙A1発明に係る技術とは,そのシステム自 体が異なり,また,データの符号化方式も異なることから,乙A1発明に乙A11発明を組み合わせることは困難であり,むしろ阻害要因が存在するし,仮に乙A1発明に乙A11発明を適用しても,相違点に係る構成には容易に想到し得ない。 (ウ) 乙A5について 段落【0014】には,磁気テープの構成として, ,むしろ阻害要因が存在するし,仮に乙A1発明に乙A11発明を適用しても,相違点に係る構成には容易に想到し得ない。 (ウ) 乙A5について 段落【0014】には,磁気テープの構成として,「磁気テープ100には,40ないし3の4個のデータ・バンドと各データ・バンドの両側に0ないし4の4個(判決注:5個の誤り)のサーボ・バンドが配置されている。」と記載され,また,同段落には,「各サーボ・バンドにはテープ100の幅方向および長さ方向における磁気ヘッドの位置を検 出するための情報等が書込んである」と記載されている。しかし,「テ ープの幅方向における磁気ヘッドの位置を検出するための情報」が,どのような「情報」であるのか明確に記載されていないこと,及び,テープ幅方向への移動に関して,所望のラップ2(「データトラック」のこと(段落【0002】)。)にアクセスする際に用いる「サーボ情報」(段落【0015】,【0017】,【0020】,【0027】,【0 028】,【0032】,【0041】参照。)について記載されているものの,他のデータバンドへの移動については具体的な制御方法について明記されていないことから,「テープの幅方向における磁気ヘッドの位置を検出するための情報」は,「サーボバンドを特定するためのデータ」を含むのか定かではない。したがって,乙A1発明に乙A5発明 を組み合わせたとしても,相違点に係る構成を容易に想到し得るとはおよそいえない。 (エ) 乙A10について乙A10には,トラック切換数以下の複数本のサーボトラックをデータトラックに平行かつデータトラックのピッチの整数倍のピッチで設け, 当該サーボトラック毎に,異なる周波数のサーボ信号を記録し,周波数を切り替え可能なフィルタを介して2つ サーボトラックをデータトラックに平行かつデータトラックのピッチの整数倍のピッチで設け, 当該サーボトラック毎に,異なる周波数のサーボ信号を記録し,周波数を切り替え可能なフィルタを介して2つのサーボ用再生ヘッドにより1つのサーボトラックのサーボ信号をそれぞれ再生し,両ヘッドの再生信号の振幅同士が等しくなるようトラッキングを行うこと(1頁「特許請求の範囲」,5頁左上欄3行~6頁右下欄6行)が記載されている。そ うすると,乙A10では,各サーボトラックを特定するために,サーボトラックに記録されるサーボ信号の「周波数」を異ならせているものの,サーボ信号にサーボトラックを特定するための「データ」は記録されていない。よって,乙A1発明に乙A10発明を組み合わせたとしても,相違点に係る構成を容易に想到し得るとはおよそいえない。 (オ) 乙A7及び17について 乙A7には,36トラック対応の磁気ヘッドを用いた場合のマルチトラックの磁気記録方式が図5に示され,段落【0031】には,磁気テープをn個のエリアに等分割し,36トラック分が磁気テープ幅の1/n以下に納まる磁気ヘッドによりn往復して磁気記録を行うことが,段落【0033】には,エリア1つにつき1つであり,データグループに 共通のサーボトラックを書込み,エリアが区別できるように,サーボトラックに記録される識別情報を変化させ,この識別情報を読み出することにより,サーボトラック14にサーボヘッド素子を位置付ければ磁気ヘッドを位置付けたいデータグループに位置付けできることが,段落【00036】には,サーボトラックの読み取りにより磁気ヘッド1が位置 するデータグループの属するエリアを確認することが,それぞれ記載されている。さらに,段落【0023】,【002 とが,段落【00036】には,サーボトラックの読み取りにより磁気ヘッド1が位置 するデータグループの属するエリアを確認することが,それぞれ記載されている。さらに,段落【0023】,【0024】,【0038】,【0040】の各記載から,乙A7には,サーボトラックからの情報により,磁気ヘッド1の位置付けを行い,さらに,トラックずれを検出しこれを補正することが記載されている。そうすると,乙A7には,エリ アが区別できるように変化される識別情報を各サーボトラックに記録する発明が開示されているところ,これを乙A1発明に適用したとしても,請求項1発明の「サーボバンドを特定するためのデータ」が「サーボ信号」に「埋め込まれる」構成(構成要件A-2)には達しない。さらに,乙A1発明では,「データ」を符号化する方法として,サーボ信号が有 するパターンの非平行な縞を構成する線の位置を,テープ長手方向にずらす構成を採用しているところ,乙A7発明には,タイミング・ベース・サーボ技術,及び,タイミング・ベース・サーボ技術における符号化技術は,明記されていないことからすれば,そもそも,乙A1発明に乙A7発明を組み合わせることは容易に想到し得ない。 また,乙A17には,磁気記録媒体上に8個のデータトラックの集合 体からなる8個のデータ領域と,17個のサーボトラックからなる1個のサーボ領域とを形成し,トラックアクセスの際,サーボヘッド素子が2個のサーボトラックからの信号を再生し,両者の信号振幅の差の信号(「トラッキングエラー信号」)が0になるように,サーボヘッド素子が2個のサーボトラックの境界に位置決めされると,記録ヘッド素子・ 再生ヘッド素子が,それぞれのデータ領域の選択されたデータトラックの中央に同時に位置決めされ が0になるように,サーボヘッド素子が2個のサーボトラックの境界に位置決めされると,記録ヘッド素子・ 再生ヘッド素子が,それぞれのデータ領域の選択されたデータトラックの中央に同時に位置決めされることが記載されており(5頁左上欄12行~右下欄2行),また,サーボヘッド素子がどのサーボトラックに位置決めされたかを知るために,サーボトラックにトラック番号を記録しておくことも記載されている。そうすると,乙A17には,乙A7発明 と同様に,「トラック番号をサーボトラックに記録する発明」が開示されているところ,これを乙A1発明に適用したとしても,「サーボバンドを特定するためのデータ」が「サーボ信号」に「埋め込まれる」構成には達しない。さらに,乙A17発明には,そもそも,タイミング・ベース・サーボ技術,及び,タイミング・ベース・サーボ技術における符 号化技術は,明記されていないことからすれば,そもそも,乙A1発明に乙A17発明を組み合わせることは容易に想到し得えない。 ウ以上のとおり,請求項1発明が乙A1発明及び周知技術(乙A5~17)に基づいて当業者が容易に発明できたものであるとは認められない。 (7) 争点3-1-5及び3-1-6について 被告らは,請求項1発明は乙A2発明と同一である,仮に同一でなくても乙A2発明と周知技術(乙A5~17)を組み合わせれば容易に発明できたと主張する。 ア乙A2の前記記載を踏まえて,請求項1発明と乙A2発明とを対比すると,①「各サーボ信号に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が 位置するサーボバンドを特定するためのデータがそれぞれ埋め込まれ」て いる点(構成要件A-2),及び②「各サーボ信号は,一つのパターンが非平行な縞からなり,各データは,各縞を構成する 位置するサーボバンドを特定するためのデータがそれぞれ埋め込まれ」て いる点(構成要件A-2),及び②「各サーボ信号は,一つのパターンが非平行な縞からなり,各データは,各縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことにより前記各サーボ信号中に埋め込まれている」点(構成要件A-3)で相違する。 なお,被告らは,乙A4の1のLTOフォーマットも参照すれば,上記 相違点②に係る構成は乙A2に開示されていると主張するが,乙A2には,LTOフォーマットに係る記載は散見されるものの,「サーボ信号」の「パターン」の構成,及び,「符号化」の方法について記載されていないし,そもそも,乙A2の発行日(2002年8月13日)より後に発行された乙A4の1に基づいて,乙A2に記載されたLTOフォーマットが乙A4 の1のLTOフォーマットであると当業者が認識することはできないから,被告らの上記主張は採用できず,請求項1発明が乙A2発明と同一であるとは認められない。 イそして,上記相違点①については,乙A1発明で検討したのと同様に,乙A7,乙A17等の先行技術を乙A2発明に組み合わせたとしても,「サ ーボバンドを特定するためのデータ」が「サーボ信号」に「埋め込まれる」構成には達しない。 また,上記相違点②は,「各サーボ信号は,一つのパターンが非平行な縞からなり,各データは,各縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことにより前記各サーボ信号中に埋め込まれてい る」点であるところ,前記のとおり,乙A2,乙A7,乙A17には,サーボ信号のパターン構成及びサーボ信号にデータを埋め込む方法は記載されていないため,上記乙A2発明に乙A7発明又は乙A17発明を組み合わせたとしても,相違点② おり,乙A2,乙A7,乙A17には,サーボ信号のパターン構成及びサーボ信号にデータを埋め込む方法は記載されていないため,上記乙A2発明に乙A7発明又は乙A17発明を組み合わせたとしても,相違点②に係る構成には達しない。仮に,乙A3や乙A4に記載されたようなタイミングサーボパターン及びデータを埋め込む方 法が周知であったとしても,相違点②に係る構成とするためには,乙A2 発明に当該周知技術を組み合わせた上で,さらに,乙A7発明,乙A17発明を組み合わせる必要があるため,このように2段階にわたって先行技術を組み合わせることが当業者にとって容易に想到し得たこととはいえない。 以上から,請求項1発明は,乙A2発明及び周知技術に基づいて当業者 が容易に発明できたものではない。 (8) 争点3-1-7及び争点3-1-8について被告らは,請求項1発明は乙A3発明と同一である,仮に同一でなくても乙A3発明と周知技術を組み合わせれば容易に発明できたと主張する。 ア乙A3の前記記載によれば,請求項1発明と乙A3発明の相違点は次の とおりと認められる。請求項1発明においては,「データ」が,「複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータ」である(構成要件A-2)のに対して,乙A3発明においては,「複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータ」についての開示がない点。 なお,被告らは,乙A3の2では,サーボ情報に記録されたセクタ識別番号を読み取ることによりサーボバンドを特定できるため,乙A3の2には,「セクタ識別番号などのアドレス情報」として,複数のサーボバンドのうちのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータがサーボ信 取ることによりサーボバンドを特定できるため,乙A3の2には,「セクタ識別番号などのアドレス情報」として,複数のサーボバンドのうちのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータがサーボ信号に埋め込まれていることが開示されているといえると主張するが, 「セクタ識別番号を読み取ることにより,サーボバンドを特定」することは,乙A3の2には全く開示されていないから,上記主張は採用できず,請求項1発明が乙A3発明と同一であるとは認められない。 イそして,上記相違点に係る容易想到性についても,乙A1発明を主引用発明とする場合と同様である。 被告らは,乙A3では,セクタ識別番号を読み取ることにより,磁気ヘ ッドが位置するサーボバンドを特定することができるところ,磁気テープにおいて複数のサーボバンドが書込まれることは周知の事項であるから,データの記録密度を上げてデータトラックの数と共にサーボトラック(サーボバンド)を複数記録することは当業者であれば容易に想到し得ると主張する。しかし,磁気テープに複数のサーボバンドを書込むことが周知で あったとしても,上記で述べたように,乙A3発明には,「セクタ識別番号を読み取ることにより,サーボバンドを特定すること」は全く記載されておらず,また,「セクタ識別番号」と「サーボバンド」との関係性を示唆する記載も見当たらない。したがって,上記主張は採用できない。 よって,請求項1発明は,乙A3発明及び周知技術に基づいて当業者が 容易に発明できたものではない。 (9) 争点3-1-9について被告らは,請求項1発明は乙A5発明と周知技術を組み合わせれば容易に発明できたと主張する。 ア乙A5の前記記載を踏まえて,請求項1発明と乙A5発明とを対比する と,乙A2発明 9について被告らは,請求項1発明は乙A5発明と周知技術を組み合わせれば容易に発明できたと主張する。 ア乙A5の前記記載を踏まえて,請求項1発明と乙A5発明とを対比する と,乙A2発明の場合と同様に,①「各サーボ信号に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータがそれぞれ埋め込まれ」ている点(構成要件A-2),及び②「各サーボ信号は,一つのパターンが非平行な縞からなり,各データは,各縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことにより 前記各サーボ信号中に埋め込まれている」点(構成要件A-3)で相違する。 イこの点,被告らは,乙A5において,「各サーボバンド内に書き込まれたサーボ信号に,(中略)サーボバンドを特定するためのデータがそれぞれ埋め込まれ」ていると考えるべき理由として,①どのサーボバンドであ るかを特定するための情報が各サーボバンドに書き込まれていなければ, 磁気ヘッドは,自分がテープの幅方向のいかなる位置にいるかを判断することはできないこと,②実際,複数のサーボバンドを有する磁気テープにおいて,サーボバンドを識別する必要があったことは周知の課題であり,乙A5においても,サーボバンドを特定するための情報が書き込まれることが想定されていること,③記録媒体上のある位置を特定する方法として, 当該位置に,当該位置を示す情報(アドレス情報)を記録することは技術常識であるから,乙A5においても,テープの幅方向及び長さ方向における磁気ヘッドの位置を検出するための情報として,かかるアドレス情報を当該位置に書き込むことは,当然に想定されていること等を挙げる。 しかし,本件明細書の段落【0003】に従来技術として掲載されてい る ドの位置を検出するための情報として,かかるアドレス情報を当該位置に書き込むことは,当然に想定されていること等を挙げる。 しかし,本件明細書の段落【0003】に従来技術として掲載されてい るように(【特許文献1】特開平11-273040号公報(公開日:平成11年10月8日)),隣接するサーボバンドのサーボパターンをテープ長手方向にオフセットさせ,それらのサーボバンドの信号を同時に読み取って比較することで,サーボバンドを特定する技術が知られている以上,被告の上記①の主張は採用できない。 また,複数のサーボバンドを有する磁気テープにおいて,サーボバンドを識別する必要があったことが周知の課題であった(上記②)としても,それを解決するために,必ずしも,サーボバンドを識別する情報を書き込む技術を採用するとは限らないし,また,記録媒体上の位置に,当該位置を示す情報(アドレス情報)を記録することが技術常識である(上記③) としても,乙A5発明において,テープの「幅方向」における磁気ヘッドの位置を検出するための情報として,「アドレス情報」が当該位置に書き込まれることを裏付ける根拠は,乙A5には何ら見当たらない。 そして,乙A5に記載された「テープの幅方向における磁気ヘッドの位置を検出するための情報」(段落【0014】)が,どの様な「情報」で あるのか明確に記載されておらず,テープ幅方向への移動に関して,所望 のラップ2(「データトラック」のこと(段落【0002】)。)にアクセスする際に用いる「サーボ情報」(段落【0015】,【0017】,【0020】,【0027】,【0028】,【0032】,【0041】参照。)については記載されているものの,他のデータバンドへの移動について具体的な制御方法について明記されて 5】,【0017】,【0020】,【0027】,【0028】,【0032】,【0041】参照。)については記載されているものの,他のデータバンドへの移動について具体的な制御方法について明記されていないことからすれば,乙A 5に,「各サーボバンド内に書き込まれたサーボ信号に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータがそれぞれ埋め込まれ」ていることが開示されているとは認められない。 ウ上記相違点に係る容易想到性についても,乙A2発明の場合と同様であ る。なお,被告らは,乙A5発明においてタイミング・ベース・サーボを採用し,さらに,各サーボバンド内に書き込まれたサーボ信号に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのデータをそれぞれ埋め込む方法として,非平行な縞を構成する線の位置をテープ長手方向にずらす方法を採用することは,当業者が容易にな し得ることであると主張するが,このように周知技術を2段階にわたって重ねて適用して請求項1発明の構成とすることは,当業者にとって容易であるとはいえない。 以上から,請求項1発明は,乙A5発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明できたとはいえない。 (10) 争点3-1-10について被告らは,請求項1発明は乙A27発明と周知技術を組み合わせれば容易に発明できたと主張する。 ア乙A27の前記記載を踏まえて,請求項1発明と乙A27発明とを対比すると,①「各サーボ信号に,複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信 号が位置するサーボバンドを特定するためのデータがそれぞれ埋め込まれ」 ている点(構成要件A-2),及び②「各データは,各縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎に のそのサーボ信 号が位置するサーボバンドを特定するためのデータがそれぞれ埋め込まれ」 ている点(構成要件A-2),及び②「各データは,各縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらすことにより前記各サーボ信号中に埋め込まれている」点(構成要件A-3)で相違する。 イこの点,被告らは,乙A27のサーボビットは,センタリングチェック(トラッキング制御)に加えてトラックを識別するために使用されるため, 乙A27には,サーボビットにサーボトラック(サーボバンド)を識別するためのデータを埋め込むことが開示されていると主張する。 しかし,乙A27には,「符号化」について,「ワークビット「wb」は,(中略)同一の符号化された磁気極性およびアライメントの一連の磁気遷移信号を含むと理解される」(6欄43~47行),「1つの特徴に よれば,ビット符号化方式は,各トラックについて,ワークビットおよびサーボビットのための所定のアライメントを確立する」(6欄54~57行)等と記載され,また,トラック番号を識別するために,制御サーボパルス列を「基準パルス」として使用すること(15欄60~62行)は記載されているものの,「サーボビット」に,「サーボトラック(サーボバ ンド)を識別するためのデータを埋め込むこと」は明記されていない(被告らも,この点がどこに開示されているのか具体的に指摘していない。)。 したがって,被告の上記主張は採用できない。 ウ上記相違点①に係る容易想到性は,乙A1発明の場合と同様である。 なお,被告らは,乙A27発明のサーボ技術はタイミング・ベース・サ ーボと親和性が高く,また,タイミング・ベース・サーボにおいてシェブロンの形を用いるものも知られていたから,乙A27のサーボ信号に代 被告らは,乙A27発明のサーボ技術はタイミング・ベース・サ ーボと親和性が高く,また,タイミング・ベース・サーボにおいてシェブロンの形を用いるものも知られていたから,乙A27のサーボ信号に代えて,乙A1,乙A3,乙A4,乙A18及び乙A23に開示されている,一つのパターンが非平行な縞からなるサーボ信号を用いて,平行な縞からなるサーボ信号にデータを埋め込むにあたって,縞を構成する線の位置を, サーボバンド毎にテープ長手方向にずらす方法を採用することは容易であ ったと主張する。しかし,乙A27には,被告が提示する乙A1,乙A3,乙A4,乙A18及び乙A23に見られるようなタイミング・ベース・サーボ技術を採用する動機が見当たらない。また,乙A27は,ヘッドhのギャップg1,g2とビット対A,Bとの相対位置に基づいてトラッキング制御を行うものであって,仮に,このビット対A,Bに,乙A1,乙A 3,乙A4,乙A18及び乙A23に開示されている,縞を構成する線の位置を,サーボバンド毎にテープ長手方向にずらす技術を採用すると,乙A27において,正確なトラッキング制御を行うことができないことから,乙A27発明に,乙A1,乙A3,乙A4,乙A18及び乙A23に開示されている技術を適用することには阻害要因がある。したがって,乙A2 7発明に乙A1,乙A3,乙A4,乙A18及び乙A23に開示される周知技術を組み合わせることは,当業者が容易に想到し得ないことである。 (11) 争点3-2について前記のとおり,乙A2発明ないし乙A3発明に基づいて請求項1発明の新規性ないし進歩性を否定することはできないから,そうであれば,これらの 発明に基づいて,請求項1発明の構成を含む本件発明の新規性ないし進歩性を否定すること 乙A3発明に基づいて請求項1発明の新規性ないし進歩性を否定することはできないから,そうであれば,これらの 発明に基づいて,請求項1発明の構成を含む本件発明の新規性ないし進歩性を否定することもできない。 (12) 小括以上のとおり,本件発明に係る本件特許に無効理由がある旨の被告らの主張はいずれも理由がない。 4 争点4(本件特許の請求項6は●(省略)●に当たるか(権利濫用の成否))について(1) 原告AP-75契約8条2項の●(省略)●の意義ア準拠法について法律行為の効力は,当事者が当該法律行為の当時に選択した地の法によ る(法の適用に関する通則法7条)ところ,原告AP-75契約11条1 1項には,同契約が●(省略)●法(以下,単に●(省略)●法」という。)に従って解釈する旨の規定がある(甲15)から,原告AP-75契約8条2項の●(省略)●の意義は,同契約の当事者が選択した地の法である●(省略)●法に従って解釈すべきである。 イ ●(省略)●の意義 証拠(甲24,25)及び弁論の全趣旨によれば,●(省略)●法によれば,裁判所が契約ないしその文言が曖昧でないと判断した場合には,各文言に明白かつ通常の意味を割り当て,外的証拠によらずに契約を解釈すべきであり,一方,裁判所が契約ないしその文言が曖昧であると判断した場合には,交渉過程における契約当事者間のやりとりなどの外的証拠を検 討し得るとされているものと認められる。 そこで,以上に従って検討すると,原告AP-75契約8条2項には,●(省略)●(甲15)。また,同契約1条6項には,●(省略)●と規定されている(甲15)。 そして,原告AP-75契約の規定する内容によれば,上記の●(省略) ●に関する条項(8条2項) ●(省略)●(甲15)。また,同契約1条6項には,●(省略)●と規定されている(甲15)。 そして,原告AP-75契約の規定する内容によれば,上記の●(省略) ●に関する条項(8条2項)は,●(省略)●であることは明らかである。 このような契約全体の規定内容も踏まえて,上記の●(省略)●に関する条項(8条2項)の文言を解釈すれば,●(省略)●と解すべきことは明らかである。 なお,念のため,契約当事者であるTPCsと原告との間の交渉経緯等 をみても,上記の文言解釈を左右する事情は見当たらない。 すなわち,証拠(甲16,19,20)によれば,●(省略)●が認められる。 以上の事実を踏まえると,●(省略)●以上のとおり,原告AP-75契約の交渉経緯等をみても,上記の文言解釈を左右する事情は見当たらな い。 なお,原告は,●(省略)●旨主張する。しかしながら,上記のとおり,原告AP-75契約における●(省略)●の解釈は,当事者(TPCs及び原告)の合理的意思により解釈されるべきものであり,原告の立場や意思のみを考慮して解釈されるべきものではない。また,●(省略)●また,●(省略)●よって,原告の上記主張は採用できない。 以上を前提に,●(省略)●について検討する。 (2) ●(省略)●についてア ●(省略)●(ア) 原告が主張する●(省略)●(イ) ●(省略)● a証拠(甲14)及び弁論の全趣旨によれば,●(省略)●bもっとも,●(省略)●から,その前提を欠き,採用できない。 なお,原告は,●(省略)●旨主張する。確かに,●(省略)●cまた,●(省略)●について,被告は,●(省略)●旨主張するのに対し,原告は,●(省略)●主張している。●(省略)● 。 なお,原告は,●(省略)●旨主張する。確かに,●(省略)●cまた,●(省略)●について,被告は,●(省略)●旨主張するのに対し,原告は,●(省略)●主張している。●(省略)● dまた,原告は,●(省略)●と主張し,被告らは,●(省略)●と主張する。 ●(省略)●もっとも,被告が指摘するように,●(省略)●そうすると,●(省略)●しかしながら,●(省略)●(ウ) ●(省略)● aまず,被告は,●(省略)●主張するところ,●(省略)●そして,●(省略)●●(省略)●b原告は,●(省略)●主張する。これに対して,被告は,●(省略)●主張する。原告は,●(省略)●主張しており(原告準備書面15・ 6頁,同18・4頁),●(省略)● なお,●(省略)●旨主張する。確かに,●(省略)●しかし,●(省略)●c原告は,●(省略)●主張する。これに対して,被告らは,●(省略)●と主張する。●(省略)●もっとも,●(省略)●しかしながら,●(省略)● d原告は,●(省略)●と主張する。これに対して,被告らは,●(省略)●なお,●(省略)●eその他,原告は,●(省略)●主張し,●(省略)●(エ) ●(省略)● 被告は,●(省略)●主張する。これに対し,原告は,●(省略)●主張する。確かに,●(省略)●なお,●(省略)●そこで検討するに,●(省略)●(オ) 小括以上からすれば,●(省略)● また,●(省略)●そうすると,●(省略)●イ ●(省略)●(ア) 原告が主張する●(省略)●(イ) ●(省略)●そして,●(省略)● ウ ●(省略)●(ア) 原告が主張する●(省略)●は,●(省略)●(イ) ●イ ●(省略)●(ア) 原告が主張する●(省略)●(イ) ●(省略)●そして,●(省略)● ウ ●(省略)●(ア) 原告が主張する●(省略)●は,●(省略)●(イ) ●(省略)●●(省略)●しかしながら,●(省略)● ●(省略)● エ ●(省略)●(ア) 原告が主張する●(省略)●は,●(省略)●(イ) ●(省略)●●(省略)●(ウ) ●(省略)● 被告らは,●(省略)●旨主張する。これに対して,原告は,●(省略)●しかしながら,●(省略)●(エ) 小括以上からすれば,●(省略)● オその他の●(省略)●原告が主張する●(省略)●カ小括以上からすれば,●(省略)●から,本件特許の請求項6は,原告AP-75契約1条6項の●(省略)●に当たり,同請求項は,同契約8条2 項の●(省略)●に当たる。 (3) 権利濫用の抗弁についてア被告自社製品に係る差止請求,廃棄・除却請求について(ア) ●(省略)●他方,●(省略)● 以上を踏まえると,●(省略)●(イ) 証拠(乙4ないし9)によれば,●(省略)●また,●(省略)●なお,原告は,●(省略)●主張するようであるが,●(省略)●(ウ) したがって,原告の被告らに対する被告自社製品に係る差止請求,廃棄・除却請求は,権利の濫用(民法1条3項)に当たり,許されない。 イ損害賠償請求について (ア) 前記ア(ア)のとおり,●(省略)●他方,●(省略)●以上を踏まえると,●(省略)●(イ) まず,●(省略)●(ウ) 次に,●(省略)●については,被告らは,●(省略)●と主張する。 そこで検討するに,被告らは,●( 他方,●(省略)●以上を踏まえると,●(省略)●(イ) まず,●(省略)●(ウ) 次に,●(省略)●については,被告らは,●(省略)●と主張する。 そこで検討するに,被告らは,●(省略)●と主張するが,●(省略)●また,被告らは,仮に原告が,請求項1についての実施料に加えて,請求項6についての実施料相当額の支払を被告ソニーから受けられるとすると,実質的に実施料の二重取りを認める結果となり,不当であるとも主張するが,両請求項が●(省略)●に当たるとしても,それを踏ま えて,●(省略)●実施料をどのように定めるかという問題にすぎないし,そもそも,被告らは請求項1について実施料を支払っているものとも認められないから,何ら二重取りを認めることになるものではない。 被告は本件発明が何ら技術的な価値を付加するものではないと主張するが,本件発明が新規性及び進歩性を有することは前記3のとおりである。 したがって,●(省略)●権利の濫用には当たらない。 5 争点5(被告らに共同不法行為が成立するか)(1) 本件期間①について前記前提事実(5)アのとおり,●(省略)●(本件期間①),被告SSMMは,被告製品を製造してこれを被告ソニーに販売し,被告ソニーは,被告 製品を販売,輸出していたことが認められるところ,同期間において,被告SSMM及び被告ソニーは,共同して本件特許権を侵害する行為を行っていたものであるから,本件特許権の侵害について共同不法行為が成立する。 (2) 本件期間②について前記前提事実(5)イのとおり,●(省略)●(本件期間②),被告SSM Mは,被告製品を製造してこれを被告SSMSに販売し,被告SSMSは, 被告製品を被告ソニーに販売し,被告ソニーは,被告製品を販売,輸出して ●(省略)●(本件期間②),被告SSM Mは,被告製品を製造してこれを被告SSMSに販売し,被告SSMSは, 被告製品を被告ソニーに販売し,被告ソニーは,被告製品を販売,輸出していたことが認められるところ,同期間において,被告らは,共同して本件特許権を侵害する行為を行っていたものであるから,本件特許権の侵害について共同不法行為が成立する。 (3) 本件期間③について 前記前提事実(5)ウのとおり,●(省略)●被告自社製品につき●(省略)●被告OEM製品につき●(省略)●(本件期間③),被告SSMMは,被告製品を製造してこれを被告SSMSに販売し,被告SSMSは,被告製品を販売,輸出していたことが認められる。また,被告SSMM及び被告SSMSは,被告ソニーがTPCsと契約した被告AP-75契約に基づいて被 告製品を製造,販売等しているものであり,弁論の全趣旨によれば,被告ソニーは,販売した被告製品ごとに,被告AP-75契約に基づき,TPCsに対してロイヤリティを支払っており,平成29年4月以降は,被告SSMSが,被告ソニーとの間の契約に基づき,被告ソニーがTPCsに対して支払ったロイヤリティの額を,被告ソニーに対して償還していたことが認めら れる。以上の事実に照らせば,本件期間③において,被告らは,共同して本件特許権を侵害する行為を行っていたものと認められるから,本件特許権の侵害について共同不法行為が成立する 6 争点6(損害の有無及び額)(1) 前記4(3)及び前記5からすれば,原告は,原告AP-75契約8条2項 の●(省略)●でのライセンス料相当額(本件ライセンス料相当額)について,被告らに対して損害賠償を請求することができる。 (2) 本件ライセンス料相当額についてLTO-7 5契約8条2項 の●(省略)●でのライセンス料相当額(本件ライセンス料相当額)について,被告らに対して損害賠償を請求することができる。 (2) 本件ライセンス料相当額についてLTO-7規格の技術分野及びその規模,FSP間の競争関係,当該技術分野の実施料率の相場(具体的には,社団法人発明協会発行「実施料率〔第 五版〕」(甲85)では,「電子計算機・その他の電子応用装置」のうち, ハードウェアに関する実施料率は,多い方から1%,10%,3%,4%,5%の順である(平成4~10年度の総件数)こと,また,経済産業省知的財産政策室編「ロイヤルティ料率データハンドブック~特許権・商標権・プログラム著作権・技術ノウハウ~」(甲86)では,「情報記憶(G11)」を含む「器械」について,正味販売高に対する料率は,2~3%未満と4~ 5%未満がいずれも23.4%(15件),3~4%未満(18.8%,12件),1~2%未満(14.1%,9件)であること),被告製品の1巻あたりの販売価格(原告は被告製品の小売価格については8800円としており,被告らもこれを特に争っていないこと),以上の事情に加え,●(省略)●(乙3)も考慮すると,本件ライセンス料相当額は,1巻につき●(省 略)●円を下回るものではないと認められる。 この点,原告は,本件ライセンス料相当額が1巻につき●(省略)●円を下回るものではないと主張するが,上記のとおり,●(省略)●を考慮すると,原告の上記主張は採用できない。 他方,被告らは,●(省略)●と主張する。 しかしながら,●(省略)●かえって,●(省略)●よって,被告らの主張はその前提を欠き,採用できない。 (3) 被告自社製品に係る損害アライセンス料相当損害額弁論の全趣旨によれ しかしながら,●(省略)●かえって,●(省略)●よって,被告らの主張はその前提を欠き,採用できない。 (3) 被告自社製品に係る損害アライセンス料相当損害額弁論の全趣旨によれば,平成27年12月から平成30年6月までの各 本件期間に被告らが製造・販売等した被告自社製品の個数は,下記「販売個数」記載のとおりと認められる。よって,各本件期間において被告らが被告自社製品を製造・販売等したことに対するライセンス料相当損害額は,各販売個数に前記(2)の本件ライセンス料相当額である1巻につき●(省略)●円を乗じた下記「損害額」記載の各金額のとおりである。 (ア) 本件期間① 販売個数:●(省略)●個損害額:●(省略)●円(イ) 本件期間②販売個数:●(省略)●個損害額:●(省略)●円 (ウ) 本件期間③販売個数:●(省略)●個損害額:●(省略)●円イ弁護士・弁理士費用本件事案の内容,複雑さ,上記損害額等を考慮すると,被告自社製品の 製造,販売等による本件特許権の侵害と相当因果関係のある弁護士費用相当損害額は,本件期間①につき●(省略)●円,本件期間②につき●(省略)●円,本件期間③につき●(省略)●円を下らない。 ウ損害合計額以上から,被告らの被告自社製品の製造,販売等による本件特許権の侵 害により原告が被った損害の合計は,本件期間①につき●(省略)●円,本件期間②につき●(省略)●円,本件期間③につき●(省略)●円であり,その合計は,●(省略)●円であると認められる。 (4) 被告OEM製品に係る損害アライセンス料相当損害額 証拠(乙A32,33)及び弁論の全趣旨によれば,平成27年12月から平成30年6月までの各本件期間に であると認められる。 (4) 被告OEM製品に係る損害アライセンス料相当損害額 証拠(乙A32,33)及び弁論の全趣旨によれば,平成27年12月から平成30年6月までの各本件期間に被告らが製造・販売等した被告OEM製品の個数は,下記「販売個数」記載のとおりと認められる。よって,各本件期間において被告らが被告OEM製品を製造・販売等したことに対するライセンス料相当損害額は,各販売個数に前記(2)の本件ライセンス料 相当額である1巻につき●(省略)●円を乗じた下記「損害額」記載の各 金額のとおりである。 (ア) 本件期間①販売個数:●(省略)●個損害額:●(省略)●円(イ) 本件期間② 販売個数:●(省略)●個損害額:●(省略)●円(ウ) 本件期間③販売個数:●(省略)●個損害額:●(省略)●円 イ弁護士・弁理士費用本件事案の内容,複雑さ,上記損害額等を考慮すると,被告OEM製品の製造,販売等による本件特許権の侵害と相当因果関係のある弁護士費用相当損害額は,本件期間①につき●(省略)●円,本件期間②につき●(省略)●円,本件期間③につき●(省略)●円を下らない。 ウ損害合計額以上から,被告らの被告OEM製品の製造,販売等による本件特許権の侵害により原告が被った損害の合計は,本件期間①につき●(省略)●円,本件期間②につき●(省略)●円,本件期間③につき●(省略)●円であり,その合計は,●(省略)●円であると認められる。 第4 結論よって,原告の請求は,主文第1項ないし第4項記載の限度で理由があるからこれを認容し,その余の請求は理由がないからこれを棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第47部 告の請求は,主文第1項ないし第4項記載の限度で理由があるからこれを認容し,その余の請求は理由がないからこれを棄却することとして,主文のとおり判決する。 主文 東京地方裁判所民事第47部 裁判長裁判官沖中康人 裁判官奥俊彦 裁判官髙櫻慎平 別紙当事者目録 第1事件・第2事件・第3事件原告富士フイルム株式会社(以下,単に「原告」という。) 原告訴訟代理人弁護士片山英二服部誠中村閑黒田薫 第1事件原告訴訟復代理人弁護士兼第2事件・第3事件原告訴訟代理人弁護士佐志原将吾 第1事件・第2事件原告訴訟復代理人弁護士兼第3事件原告訴訟代理人弁護士高岸亘 原告訴訟代理人弁理士黒川恵古橋伸茂 第1事件・第3事件被告ソニー株式会社(以下「被告ソニー」という。) 第2事件・第3事件被告ソニーストレージメディアマニュファクチャリング株式会社(以下「被告SSMM」という。) 第2事件・第3事件被告ソニーストレージメディアソリューションズ株式会社(以下「被告SSMS」という。) 上記3名訴訟代理人弁護士 いう。) 第2事件・第3事件被告ソニーストレージメディアソリューションズ株式会社(以下「被告SSMS」という。) 上記3名訴訟代理人弁護士窪田英一郎乾 裕介中 岡 起代子今井優仁第2事件・第3事件被告ら訴訟代理人弁護士 本阿弥 友 子 第3事件被告ら訴訟代理人弁護士鈴 木 佑一郎 別紙方法目録 磁気ヘッドが位置しているサーボバンドを特定するためのサーボ信号が複数のサーボバンド上にそれぞれ記録された磁気テープカートリッジであって、 各サーボバンド内に記録された各サーボ信号に、複数のサーボバンドのうちのそのサーボ信号が位置するサーボバンドを特定するためのサーボバンドIDがそれぞれ埋め込まれ、前記各サーボ信号において、サブフレーム1は、非平行なバーストA及びバーストBからなり、各サーボバンドIDは、前記バーストA及びバーストBを構成する 磁気ストライプの位置を、サーボバンド毎に磁気テープの長手方向にずらすことにより前記各サーボ信号中に埋め込まれていることを特徴とする磁気テープカートリッジの製造方法であって、サーボバンドを特定するためのサーボバンドIDをエンコードする第一工程と、 第一工程でエンコードしたサーボバンドIDを記録パルス電流に変換する第二工程と、前記記録パルス電流を記録ヘッドに供給して、磁気テープの所定のサーボバンドに所定のエンコードされたサーボバンドIDが埋め込まれたサーボ信号を記録する第三工程と、 ルス電流に変換する第二工程と、前記記録パルス電流を記録ヘッドに供給して、磁気テープの所定のサーボバンドに所定のエンコードされたサーボバンドIDが埋め込まれたサーボ信号を記録する第三工程と、 を有することを特徴とする磁気テープカートリッジの製造方法。 別紙物件目録1 「LTX6000G」データカートリッジ以上 別紙物件目録2 1 以下の製品名及び製品番号により特定されるHewlettPackardEnterprise製のLTO7Ultriumカートリッジ (1)製品名:HPELTO-7 Ultrium 15TBRWdatacartridge製品番号:C7977A(2)製品名:HPELTO-7 Ultrium 15TB 960 datacartridgepalletwithoutcases製品番号:C7977AB(3)製品名:HPELTO-7 Ultrium 15TBRW 20 datacartridgescustomlabeledlibrary packwithoutcases製品番号:C7977AC(4)製品名:HPELTO-7 Ultrium 15TB 960 datacartridgepalletwithcases製品番号:C7977AD(5)製品名:HPELTO-7 Ultrium 15TBRW 20 datacartridgesRFIDcustomlabeled withcases製品番号:C7977AF(6)製品名:HPELTO-7 Ultrium 15TB datacartridgesRFIDcustomlabeled withcases製品番号:C7977AF(6)製品名:HPELTO-7 Ultrium 15TB 20 datacartridgeslibrarypackwithoutcases製品番号:C7977AH(7)製品名:HPELTO-7 Ultrium 15TBRW 20 datacartridgescustomlabeledwithcases 製品番号:C7977AL(8)製品名:HPELTO-7 Ultrium 15TBRW 20 datacartridgesnon-customlabeledwithcases製品番号:C7977AN(9)製品名:HPELTO-7 Ultrium 15TBWORMdatacartridge 製品番号:C7977W (10)製品名:HPELTO-7 Ultrium 15TBWORM 20 datacartridgescustomlabeledwithcases製品番号:C7977WL 2 以下の製品番号により特定されるQuantumInc.,製のLTO7 Ultriumカートリッジ (1)MR-L7MQN-01(2)MR-L7MQN-02(3)MR-L7MQN-BC(4)MR-L7WQN-BC(5)MR-L7MQN-20 (6)MR-L7LQN-BC以上 別紙 ●(省略)●に関する当事者の主張(被告らの主張) ●(省略)● 別紙 ●(省略)●に関する当事者の主張(原告の主張) ●(省略)● 別紙●(省略)●に関する当事者の主張(被告らの主張) ●(省略)● 別紙●(省略)●に関する当事者の主張(原告の主張) ●(省略)●
▼ クリックして全文を表示