【DRY-RUN】主 文 本件各控訴を棄却する。 理 由 被告人両名の弁護人矢野三郎の控訴趣意は別紙記載の通りである。 控訴趣意第一点について 原判決は被告人Aに対し精米の
主文 本件各控訴を棄却する。 理由 被告人両名の弁護人矢野三郎の控訴趣意は別紙記載の通りである。 控訴趣意第一点について原判決は被告人Aに対し精米の換価代金二千六百四十八円四十五銭の没収を科しているところ、法律の適用において刑法第十九条を掲げているのみであつて同条第一項の第何号に該当するかを示していないことは<要旨>所論の通りである。しかし没収に関する判決主文と判決の認定事実及び挙示の証拠とを対照して当該没収の目</要旨>的物が刑法第十九条第一項第何号に該当するものであるか自ら明瞭である場合には法律の適用において必ずしも右第何号に該当するかを示さなくても判決理由不備であるとはいえない。本件没収の目的物は被告人Aが不法輸送した精米(原判示第一の事実)の換価代金であつて同条第一項第一号に所謂「犯罪行為を組成したる物」に該当すること原判決全体より推して明かであるから、没収につき単に刑法第十九条とのみ記した原判決を違法であるとはいえず、論旨は採用できない。 同第二点について本件没収の目的物は被告人Aが任意に提出した精米を換価した代金であることは所論の通りであるけれども、これが没収に際し判決において刑法第十九条の外に右換価についての根拠条文を示すことは必要でない。従て論旨は理由がない。 同第三点について論旨は被告人Bに対する原判決の科刑は重きに失すると謂うのである。勿て本件記録を精査し論旨援用の諸点を斟酌して考察するに、被告人Bは相被告人Aの依頼により本件精米を輸送したものであることは記録上窺い得るけれども同被告人は既に物価統制令違反罪により罰金千五百円、食糧管理法違反罪により罰金四千五百円の各前科のあること記録上明かであり、その他諸般の情状を考量すれば原審が本件につき同被告人に対し罰金一 けれども同被告人は既に物価統制令違反罪により罰金千五百円、食糧管理法違反罪により罰金四千五百円の各前科のあること記録上明かであり、その他諸般の情状を考量すれば原審が本件につき同被告人に対し罰金一万二千円を科したのはその量刑相当であるといわなければならない。相被告人Aに対する科刑と比較するも何等権衡を失して居らず論旨は理由がない。 その他職権で調査するも原判決には刑事訴訟法第三百七十七条乃至第三百八十三条に規定する事由が認められないから同法第三百九十六条により本件各控訴はいずれもこれを棄却すべきものとする。 仍て主文のとおり判決する。 (裁判長判事坂本徹章判事塩田宇三郎判事浮田茂男)
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