【DRY-RUN】主 文 原判決を破毀する。 被告人を懲役一年六月に處する。 押収の阿片六十九箇(昭和二十一年證第六十九號の八、十一及び十二) 軍万一振(同押號の九)及び指揮刀一振(
主文原判決を破毀する。 被告人を懲役一年六月に處する。 押収の阿片六十九箇(昭和二十一年證第六十九號の八、十一及び十二)軍万一振(同押號の九)及び指揮刀一振(同押號の十)は孰れも没収する。 理由辯護人長友安夫、同海野普吉の上告趣意は末尾添附の兩辯護人共同名義の上告趣意書と題する書面記載の通りで、之に對し、當裁判所は次のやうに判断する。 論旨第二點について。 <要旨第一>麻薬取締規則第四十二條には麻薬取扱者その他同法第三十三條、第三十四條、第三十七條の規定によつて交付</要旨第一>を受けた者以外の者は麻薬を所有又は所持することが出來ない旨規定してゐる。故に麻薬の不法所持の罪の判示にはその所持者が法定の資格者でないことを示さねばならないが、これを具體的に詳細明記する必要はない。 判文上その所持者が法定の資格者でないことが自らわかれば足りる。 原判決によれば被告人は味噌醤油醸造業者であつて麻薬取扱者でないことは明白である。また原判示に依れば被告人は三女の婚禮を控え現金の入用に迫られていた折柄、Aが戦時中陸軍衛生材料廠の委託で同人宅に保管し終戦後進駐軍の接収に際し洩れて残つた阿片七十箇(一箇の重量約一瓩)を同人から買受け、その内六十九箇の引渡を受けこれを所持していたのである。 被告人が麻薬の取締規則第三十三條等の規定によつて交付を受けた法定の資格者でないことは判文を通讀してこれを看取するに難くない。故に原判決には所論のような理由不備の違法がない。又記録を精査しても審理不盡の違法があるとは見えない。論旨は理由がない。 同第四點について。 <要旨第二>銃砲等所持禁止令はわが國民より武器を剥奪し、その武器解除を目的とするものであるから人を殺害するに足</要旨第二>りる刀劍類は勿 とは見えない。論旨は理由がない。 同第四點について。 <要旨第二>銃砲等所持禁止令はわが國民より武器を剥奪し、その武器解除を目的とするものであるから人を殺害するに足</要旨第二>りる刀劍類は勿論單に人を傷害するに適當な刀剣類も同令第一條に所謂刀剣類と解するのが相當である。而して所謂指揮刀は人を殺害するには不適當であるが人を傷害するには充分役立ち得るものであるから、之を右第一條に所謂刀剣類に包合せしむべきである。これと同旨に出でた原判決は正常で所論のような違法がない。論旨は理由がない。(その他の判決理由は省略する。)(裁判長判事吉田常次郎判事小泉英一判事小山慶作判事中野保雄判事深井正男)
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