主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告代理人守谷俊宏の上告理由について詐害行為取消権は、債務者の責任財産を確保し将来の強制執行を保全するために債権者に認められた権利であるところ、原審の適法に確定した事実関係の下においては、Dが上告人に対する本件連帯保証債務につき破産法第三編第一章の規定による免責決定を受けてこれが確定したことにより、上告人のDに対する右連帯保証債務履行請求権は、訴えをもって履行を請求しその強制的実現を図ることができなくなったものであり(破産法三六六条ノ一二参照)、その結果詐害行為取消権行使の前提を欠くに至ったものと解すべきであるから、上告人において、Dが自己破産の申立て前にした財産処分行為につき、右債権に基づき詐害行為取消権を行使することは許されないと解するのが相当である。これと同旨の見解に立って上告人の本訴請求を棄却すべきものとした原審の判断は、正当として是認することができる。右判断は、所論引用の判例に抵触するものではなく、原判決に所論の違法はない。論旨は、右と異なる見解に立って原判決を論難するものであり、採用することができない。 よって、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官園部逸夫裁判官可部恒雄裁判官大野正男- 1 -裁判官千種秀夫裁判官尾崎行信- 2 - 男 裁判官千種秀夫 裁判官尾崎行信
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