主文 1 本件訴えを却下する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実及び理由 第1 請求函館市からホテルAに対して平成8年3月27日に交付された補助金8399万2000円,平成9年3月31日に交付された補助金276万8000円について,被告がホテルAに対する返還請求を怠っている事実が違法であることを確認する。 第2 事案の概要本件は,原告らが被告に対し,函館市からホテルAに対して交付された補助金について,主位的には,補助金等交付決定時ないし補助金交付前に生じた違法事由に基づいて,予備的には,補助金交付後に生じた事由に基づいて,補助金等交付決定を取り消さなければならないにもかかわらず,被告が同決定を取り消さず,補助金の返還請求を怠っていると主張して,同請求を怠る事実の違法確認を求めた事案である。 1 前提事実(証拠等を併記したもののほかは争いがないか,明らかに争いがない事実)(1)当事者ア原告らは,いずれも函館市に住所を有するものである。 イ被告は,函館市長であり,函館市の交付した補助金の返還請求をなし得る権限を有するものである。 (2)補助金交付の対象となった事業の経緯ア平成7年5月12日,ホテル,旅館業の経営等を目的として,ホテルAが設立された。 イホテルAは,函館市a町所在の土地を買い受け,または借り受けるなどして,ホテルを建設する計画(以下このホテルを「本件ホテル」といい,同計画を「本件建設計画」という。)を立て,B信用金庫から,同計画のため,平成8年3月までに総額16億2000万円の融資を受けた。 ウホテルAは,平成7年10月,本件ホテルの建 同計画を「本件建設計画」という。)を立て,B信用金庫から,同計画のため,平成8年3月までに総額16億2000万円の融資を受けた。 ウホテルAは,平成7年10月,本件ホテルの建設予定地にある建物の解体作業を開始し,同年11月には,同所において温泉の掘削作業を開始した。 エホテルAは,平成8年2月19日,C共同企業体との間で,地上8階,地下1階建ての計画で,本件ホテルの新築工事につき代金20億1880万円で請負契約を締結し,翌日から同工事が開始された(乙17の3)。 オしかしながら,ホテルAは,B信用金庫以外の金融機関等からの融資を受けることができず,同年5月ころには,当時,理事長が交代したB信用金庫から,本件ホテル事業の資金計画を減額するよう求められ,減額できない場合には,既に融資済みの資金を返還するように申し入れられた。その後,同年10月には地上3階までの鉄筋コンクリート躯体までが出来上がった状態で上記新築工事が中断され,同年12月,上記請負契約は正式に合意解除された(甲3,4,8)。 カホテルAは,平成13年1月22日,当庁において破産宣告を受けた(甲8)。 (3)函館市による補助金の交付ア平成7年度分の交付について(ア)平成7年10月11日,ホテルAは,函館市に対し,平成7年度補助金等交付申請書を提出した。 (イ)同月19日,函館市は,本件建設計画を函館市優良建築物等整備事業に指定し,平成7年度分の補助金8399万2000円の交付決定をした。 (ウ)上記決定に基づき,平成8年3月27日,函館市よりホテルAに対し,平成7年度分の補助金8 に指定し,平成7年度分の補助金8399万2000円の交付決定をした。 (ウ)上記決定に基づき,平成8年3月27日,函館市よりホテルAに対し,平成7年度分の補助金8399万2000円が交付された。 イ平成8年度分の交付について(ア)平成8年4月1日,ホテルAは,函館市に対し,平成8年度補助金等交付申請書を提出した。 (イ)同月17日,函館市は,平成8年度分の補助金1億2684万8000円の交付決定をした。 (ウ)平成9年2月4日,ホテルAは,函館市に対し,平成8年度補助金等交付決定変更申請書を提出した。 (エ)同月5日,函館市は,平成8年度分の補助金を276万8000円に変更する旨決定した。 (オ)上記各決定に基づき,同年3月31日,函館市よりホテルAに対し,平成8年度分の補助金276万8000円が交付された。 ウ函館市補助金等交付規則(以下「交付規則」という。)及び函館市市街地再開発事業等補助金交付要綱(以下「交付要綱」という。)の概略は別紙のとおりである(乙1,乙22)。 (4)補助金交付後における原告らの対応ア原告らは,平成12年2月9日,函館市監査委員に対し,函館市がホテルAに交付した補助金の返還を求めるなどの必要な措置を講じることを求めて住民監査請求をした。同委員は,同年4月7日付けでこれを棄却し,そのころ,原告らに通知した。 イ原告らは,平成12年4月30日,本訴を提起し,同年11月6日付け準備書面により,予備的請求の追加的変更をした(記録上明らかな事実)。 2 争点(1)本案前の争点ア本件訴えは,地方自治法242条の2第1項 日,本訴を提起し,同年11月6日付け準備書面により,予備的請求の追加的変更をした(記録上明らかな事実)。 2 争点(1)本案前の争点ア本件訴えは,地方自治法242条の2第1項,242条1項所定の「財産の管理を怠る事実」を対象とするものかどうか。 (被告)本件では,補助金等交付決定の取消権は未だ行使されていないところ,形成権である取消権とその取消権を行使した結果発生する原状回復請求権又は不当利得返還請求権(本件では補助金返還請求権)とが別個の権利であることは明らかであり,原告らの請求は,未発生の請求権について,その行使を怠る事実の違法確認を求めるものであるから,不適法である(仮にこれが本案の問題であるとすれば,原告らの主張は失当である。)。 この点,原告らの請求が,上記取消権の行使をしないことの違法確認を求めるものと解する余地があるとしても,そのような訴えは住民訴訟の類型に適合しないから,やはり不適法である。 なお,取消権を行使するかどうかについては,取消権者の広範な裁量が認められるから,取消権を行使しないことの違法確認が住民訴訟の対象とされていないことには十分な合理性がある。 (原告ら)補助金等交付決定の取消権は補助金の返還請求権を発生させるための手段であって,両者は一体として機能することに鑑みれば,同取消権の行使は地方自治法240条2項所定の「取立てに関し必要な措置」,同法242条1項所定の財産の「管理」に含まれることは当然である。したがって,本件訴えは適法である。 実際問題としても,補助金等交付決定を取り消して,その返還請求権の行使 2条1項所定の財産の「管理」に含まれることは当然である。したがって,本件訴えは適法である。 実際問題としても,補助金等交付決定を取り消して,その返還請求権の行使のみを怠っている場合だけ住民訴訟の対象となり,取消権の行使そのものを怠っている場合には対象とならないというのは不合理である。 また,被告は取消権者の裁量を主張するが,本件各補助金の申請人たるホテルAは,平成8年から本件ホテルの新築工事を中断し,その後破産宣告を受け,同工事を続行することは不可能となっているから,取消権の行使に裁量を認める余地はない。 イ本件訴えに前置する住民監査請求が地方自治法242条2項本文の期間を経過した後になされたものかどうか。仮に経過した後になされたものであるとすれば,同項但書の「正当な理由」があるかどうか。 (被告)原告らが主張するように,上記取消権及び返還請求権を不可分一体のものとみなすとすれば,本件訴えの主位的請求部分は,本件における補助金等交付決定あるいは補助金の交付が原始的瑕疵によって違法であることに基づいて発生する補助金返還請求を怠っていることの違法確認を求めるものとなるところ,平成7年度における補助金交付の日は平成8年3月27日であり,平成8年度の補助金交付の日は平成9年3月31日であるから,同各日から1年を経過した後である平成12年2月に住民監査請求がなされている同主位的請求部分は不適法である。 また,本件訴えの予備的請求部分は,原告らの主張によれば,平成8年10月には本件ホテルの新築工事が中止され,再開の目処が立たなくなったことが取消事由となる は不適法である。 また,本件訴えの予備的請求部分は,原告らの主張によれば,平成8年10月には本件ホテルの新築工事が中止され,再開の目処が立たなくなったことが取消事由となるというのであるから,監査請求期間はその時点から起算すべきであり,そうすると主位的請求部分と同様に同期間を徒過していることになり,不適法である。 (原告ら)本件訴えに関しては,取消権の行使ができる間はいつでも住民監査請求ができると解すべきである。 また,仮に期間制限に服するとしても,補助金等交付決定を取り消して補助金の返還を請求すべきであるのに,それを怠っている旨の住民監査請求の期間における起算点は,当該自治体の長が取消しを怠っていると評価できるようになり,かつ一般的にみてその是正処置を住民らが求め得ると評価できる時点,すなわち,住民らが相当の注意力をもって注意したときに客観的にみて取消権の不行使が違法であることを知ることができた時点であると考えるべきである。本件の場合,その時期は,ホテルAがB信用金庫に対し,追加融資の不実行による損害賠償を求めて提起した訴訟において,第1審がホテルA敗訴となり,その控訴も棄却された日(平成11年9月10日)か,前提事実(2)カ記載の破産宣告時である。したがって,これらの起算点から1年を経過しないうちに請求された前提事実(4)ア記載の住民監査請求は適法である。 ウ本件訴えの予備的請求部分は地方自治法242条の2第2項1号の定める出訴期間を経過した後に追加されたものとして不適法であるかどうか。 (被告)同予備的請求部分は,同号の定める監査結果の通知 的請求部分は地方自治法242条の2第2項1号の定める出訴期間を経過した後に追加されたものとして不適法であるかどうか。 (被告)同予備的請求部分は,同号の定める監査結果の通知があった日から30日以内の出訴期間経過後に追加的に変更された訴えとして,不適法である。 (原告ら)同予備的請求部分と同主位的請求部分とでは請求の基礎が同一であり,また,同予備的請求部分は前提事実(4)ア記載の住民監査請求と内容を同じくするものであるから,被告の主張は失当である。 (2)本案の争点ア主位的請求原因について本件各補助金等交付申請に関し,交付規則及び交付要綱に違反する手続上の瑕疵(申請書の記載漏れ,添付書類の不備,報告義務違反)が存在するかどうか。 (原告ら)(ア)本件における各補助金等交付申請は,交付規則3条2項2号,4号に違反する。 なぜなら,交付規則3条2項2号が「補助事業等の収支予算書」の添付を義務付け,同項4号及び交付要綱4条1号が「その他市長が必要と認める書類」として事業計画内訳書を要求しているのは,事業の遂行,すなわち,本件の場合であれば,被告が主張するような直接の補助事業等(本件における調査設計計画,土地整備,共同施設整備)の完成のみならず,本件ホテルの完成という事業の全体を,収支計画,なかんずく資金計画の面からチェックしようとする趣旨によるものであるところ,「補助事業等の収支予算書」,あるいは「その他市長が必要と認める書類」としての事業計画内訳書には,預金の残高証明書あるいは金融機関の融資証明書等,資金面で全体の事業 ,「補助事業等の収支予算書」,あるいは「その他市長が必要と認める書類」としての事業計画内訳書には,預金の残高証明書あるいは金融機関の融資証明書等,資金面で全体の事業遂行が可能であることを裏付ける資料の添付が義務付けられていると解すべきであるにもかかわらず,本件における各申請書には,収入の部に事業全体の収入とその内訳(補助金,権利者自己負担金,借入金,その他の区別)が記載されてなく,自己負担金と借入金について預金の残高証明書あるいは金融機関の融資証明書が添付されていないからである。 以上のように,本件各申請は,交付規則3条2項2号,4号に違反するところ,申請時の規則違反も同規則16条1項に定める補助金等交付決定の取消事由に含まれるものと解すべきであるので,同項に基づき,被告は本件各補助金等交付決定を取り消して,同規則17条1項に基づき補助金の返還請求をするべきであるにもかかわらず,それを怠っているのは違法である。 (イ)本件における各補助金等交付申請は,交付規則5条1項3号に違反する。 なぜなら,同号は,補助事業等が予定の期間内に完了しない場合,または補助事業等の遂行が困難となった場合においては,速やかに市長に報告してその指示を受けるべきことを定めているところ,同号は,無駄な補助金等の支出を回避することを目的とした規定であるから,「補助事業等の遂行が困難となった場合」の「補助事業等」には,本件における補助事業等の目的に照らして,事業全体も含まれるものと解すべきであり,当該年度の補助事業は実現しても,事業全体の遂 業等の遂行が困難となった場合」の「補助事業等」には,本件における補助事業等の目的に照らして,事業全体も含まれるものと解すべきであり,当該年度の補助事業は実現しても,事業全体の遂行が危ぶまれるに至れば,申請人は,その旨を被告に報告し,その指示を受けなければならない。しかるに,ホテルAは,平成7年11月,予定していた金融機関から早くも融資を拒否され,さらにこれに代わる他の金融機関からも平成8年1月に融資を拒否されるなど,資金計画の一面が大きく崩れてしまっており,平成7年9月に申し込んだDからの融資も,申し込み早々,借入れの条件を満たさないことによる取下げを余儀なくされ,結局,本件建設計画に係る総額33億円の資金計画のうち,19億円について資金の目処が立たないことが,平成7年度の補助金交付前に明らかになっていた。にもかかわらず,ホテルAがそのことを被告に報告しなかったのは,同号に違反するものである。 したがって,被告は,同規則16条1項に基づき,本件各補助金等交付決定を取り消して,補助金の返還請求をするべきであるところ,それを怠っているのは違法である。 (被告)原告らの主張はいずれも否認ないし争う。 特に,主位的請求原因(ア)に対しては,交付規則は原始的瑕疵ある補助金等交付決定の取消しについて規定していないから,その取消しは法理論にゆだねられるところ,補助金等の交付申請者が詐欺,脅迫,贈賄等不正行為によって交付決定をなさしめたとき,過大申請,二重申請その他不正不当な申請に対し錯誤による交付決定がなされたとき,交付決定が違法であ の交付申請者が詐欺,脅迫,贈賄等不正行為によって交付決定をなさしめたとき,過大申請,二重申請その他不正不当な申請に対し錯誤による交付決定がなされたとき,交付決定が違法である旨を交付申請者において了知しているとき,またはその旨知らなかったことに重大な過失があるときなどに限って取り消し得るものと解されている。本件では,同取消しが許容される事由に該当する事情はない。また,原告らのいう預金残高証明書及び融資証明書は,交付規則及び交付要綱において補助金等交付申請書に添付すべき書類であるとは規定されていないから,それらの証明書を添付しないからといって,同規則に違反するわけではない。さらに,本件ホテルの完成に至るまでの事業の全体が補助事業等となっているものではないから,事業全体に要する費用について,その手当ての見込みを示す書類を補助金等交付申請書に添付することは,実際にも要求されることはない。 イ予備的請求原因について本件各補助金等交付決定には,ホテルAが本件ホテルを竣工させるという条件が付されていたかどうか。 (原告ら)ホテルAが破産宣告を受け,本件建設計画の続行が不能になった以上,被告は交付規則16条1項により,交付決定を取り消して,補助金の返還を求めるべきであり,それを怠っているのは違法である。 そもそも,函館市がホテルAに補助金を交付することになったのは,良好な建築物を建てることによって,安全で快適な市街地整備を図るという公益を達成するためである。したがって,ホテルAが補助金の交付を受けられるのは,本件ホテルが竣工した場合に限られ,本件建設計画が中止さ によって,安全で快適な市街地整備を図るという公益を達成するためである。したがって,ホテルAが補助金の交付を受けられるのは,本件ホテルが竣工した場合に限られ,本件建設計画が中止された以上,同計画内における年度ごとの補助対象事業が完成しても,補助金の交付を受けることはできないものというべきである。そうすると,同項が,「補助金等の交付の決定の内容またはこれに付した条件に違反したとき」と定める「条件」のなかには,上記公益目的の達成が当然に含まれていると解すべきであり,本件建設計画の続行が不能になった以上,被告は同項に基づき,速やかに本件各補助金等交付決定を取り消して,補助金の返還請求をするべきであるところ,それを怠っているのは違法である。 (被告)交付規則16条1項所定の「条件」とは,その前に「これに付した」という文言があることから明らかなとおり,補助金等交付決定に付された,すなわち同決定に記載された条件を指すものである。原告らが主張する本件ホテルの竣工は,本件平成7年度交付決定並びに平成8年度交付決定及び同年度変更決定のいずれにおいてもそれが条件として記載されていない。 したがって,原告ら主張の事実は,同号の条件違反には該当しない。さらに,本件各交付決定及び変更決定における「補助事業等」は,各年度において補助金が交付される前に既に完了しており,本件建設計画の全体が補助事業等とされているものでない。よって,本件ホテルの建築工事が中止され,再開の目処が立たないことが,上記条件に違反するということはない。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)アについて地方自治法242条の2 て,本件ホテルの建築工事が中止され,再開の目処が立たないことが,上記条件に違反するということはない。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)アについて地方自治法242条の2第1項3号(242条1項)において,財産の管理を怠る事実の違法確認の対象となる「財産」とは,同法237条1項において「公有財産,物品及び債権並びに基金をいう」ものと定義され,このうち「債権」については,同法240条1項において「金銭の給付を目的とする普通地方公共団体の権利をいう」ものと定義されている。そうすると,原告らの請求が補助金返還請求権の行使を怠っていることの違法確認にある以上,訴訟要件として,同請求権を具体的に発生させる事実の存在が認められなければならないところ,本件では,そもそも補助金等交付決定が取り消されていないことは当事者間に争いがなく,補助金返還請求権は未発生であるから,取消権そのものは上記「債権」に該当しないことをも斟酌すると,本件訴えは同法242条の2第1項3号の予定する訴訟にあたらず,不適法であるといわざるを得ない。 これに対し,原告らは,補助金等交付決定の取消権は補助金返還請求権を発生させるための手段であって,両者は一体として機能するという点を強調して主張するところ,仮に本件各補助金等交付決定が違法であるとしても,被告が取消権を行使するかどうか,また行使するとしても全部についてするか一部にとどめるかなどについては行政上の判断に属する行政管理上の問題であって,その行使が同法240条2項所定の「取立てに関し必要な措置」に該当するとはいえないから,同主張は理由がない。 さらに,原告らは,上記帰結では,被告が交付決定を取り消さない以上,住民訴訟の対象 使が同法240条2項所定の「取立てに関し必要な措置」に該当するとはいえないから,同主張は理由がない。 さらに,原告らは,上記帰結では,被告が交付決定を取り消さない以上,住民訴訟の対象となり得ず,不合理であると主張する。しかしながら,違法状態を生ぜしめたことについて補助金の受領者である申請人に故意又は過失があれば,同人に対する損害賠償請求権が生じ,原告ら住民がこれを代位して請求することも不可能ではなく,交付決定が違法事由の存在により無効であれば,申請人に対する不当利得返還請求権が生じ,原告ら住民がこれを代位して請求することも不可能ではない(これらの場合は地方自治法242条の2第1項4号の請求となる。)。また,交付決定が行政処分としてなされたものであれば,原告らは,同項2号に基づき,その取消請求をする余地もある。したがって,上記帰結によるとしても,住民訴訟の提起を直ちに制約することにはならず,したがって,同主張も失当であるというべきである。 そうすると,本件訴えは却下を免れない。 2 その余の争点について以上によれば,その余の争点について特に判断する必要はなくなるのであるが,本件審理の経過及び住民訴訟制度の趣旨等に照らせば,なおその余の争点について一応の判断をすることが相当であると思料する。そこで,次にこれらの点についての検討結果を述べる。 (1)証拠(乙20及び証人Eのほか該当個所において掲記したもの)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 ア平成7年度分の補助金交付について(ア)平成7年10月11日,ホテルAは,函館市に対し,以下の内容を記載した平成7年度補助金等交付申請書を提出した(乙4の2の1)。 a 補助事 7年度分の補助金交付について(ア)平成7年10月11日,ホテルAは,函館市に対し,以下の内容を記載した平成7年度補助金等交付申請書を提出した(乙4の2の1)。 a 補助事業等の目的およびその概要(目的)土地の合理的な高度利用を図り,防災性に優れた良好な建築物の整備を図るとともに,敷地内に空地を確保し,その一部を公開空地として整備することにより,市街地環境の整備改善を図る。 (概要)調査設計計画,土地整備に関する事業。 b 補助事業等の着手および完了の予定時期(着手)平成7年10月20日(完了)平成8年3月10日c 補助事業に要する経費:1億3263万7000円d 補助金等交付申請額:8399万2000円(イ)上記申請書に添付された補助事業等の計画書(乙4の2の2)には,補助事業等の内容として,調査設計計画(事業計画作成,地盤調査,建築設計)及び土地整備(建築物除却等,整地)があげられており,補助事業等の収支予算書(乙4の2の3)には,収入の部の項目に「市補助金8399万2000円」「権利者自己負担金4864万5000円」の合計1億3263万7000円,支出の部の項目に事業計画作成,地盤調査,建築設計の各委託費1億661万3000円,建築物除却等,整地の各工事費2602万4000円の合計1億3263万7000円が各計上されている。 また,同計画書(乙4の2の2)の「補助事業等の実施による効果」欄には,「当地区は西部地区歴史的景観地域にあって,ウォーターフロントゾーンに位置し,市民や観光客の歩行者回遊軸の また,同計画書(乙4の2の2)の「補助事業等の実施による効果」欄には,「当地区は西部地区歴史的景観地域にあって,ウォーターフロントゾーンに位置し,市民や観光客の歩行者回遊軸の主要な一画を占めているが,現状は,木造で老朽化した事務所や店舗に接して,施行地区内で鉄工所が営業しているなど,防災上の観点からも整備が急がれる地区である。優良建築物等整備事業を実施することによって,敷地内に確保される空地の一部を公開空地として整備し,また,ホテルを主体とした施設建築物を建築することにより,ウォーターフロントゾーンにおける観光支援施設との連続性が強化され,市民や観光客等歩行者の回遊性を高めることになるとともに,防災性にも優れ,安全で快適な市街地環境の整備が図られるものである。」と記載されている。 (ウ)函館市は,同月19日付けで,ホテルAに対し,以下の事項が記載された平成7年度補助金等交付決定通知書(乙6)を送付した。 a 補助事業等に要する経費:1億3263万7000円補助金等の額:8399万2000円b この補助事業等の完了期限は,平成8年3月10日までとする。 c 補助金等の交付予定時期は,補助事業等実績報告書提出後,補助金等の額の確定後において交付するものとする。 d 次の条件を承知されたい。 (a)この通知に係る補助金等の交付の決定の内容またはこれに付された条件に不服があるときは,文書をもって当該補助金等の交付の申請を取り下げることが出来る。 (b)次の場合には,速やかに市長に報告して,その承認または指示を た条件に不服があるときは,文書をもって当該補助金等の交付の申請を取り下げることが出来る。 (b)次の場合には,速やかに市長に報告して,その承認または指示を受けること。 ⅰ 補助事業等の内容の変更または経費の配分の変更(市長の定める軽微な変更を除く。)をする場合。 ⅱ 補助事業等を中止し,または廃止する場合。 ⅲ 補助事業等が予定の期間内に完了しない場合または補助事業等の遂行が困難となった場合。 (c)この補助金等の交付の決定後における事情の変更により特別の必要が生じたときは,この決定の全部もしくは一部を取り消し,またはこの決定の内容もしくはこれに付した条件を変更することがある。 (d)補助事業等の遂行にあたっては,この決定の内容およびこれに付した条件に従い,善良な管理者の注意をもってこれにあたること。 (e)補助事業等の遂行の状況に関し,必要に応じ,報告を求め,調査をすることがある。 (f)補助事業等が完了したときは,速やかに補助事業等実績報告書に関係書類を添えて市長に提出しなければならない。 (g)次のいずれかに該当するときは,この補助金等の交付の決定の全部または一部を取り消し,当該取り消しに係る部分に関し,すでに補助金等が交付されているときは,期限を定めて,その返還を命ずることがある。 ⅰ この補助金等を他の用途に使用したとき。 ⅱ この補助金等の交付の決定の内容またはこれに付した条件に違反したとき。 ⅲ 法令ま とがある。 ⅰ この補助金等を他の用途に使用したとき。 ⅱ この補助金等の交付の決定の内容またはこれに付した条件に違反したとき。 ⅲ 法令または函館市補助金等交付規則に基づく市長の措置に違反したとき。 ⅳ 天災地変その他補助金等の交付の決定後生じた事情変更により,補助事業等の全部または一部を継続する必要がなくなったとき。 ⅴ 虚偽の申請その他不正な行為があったとき。 (h)補助事業等により取得し,または効用の増加した財産を,市長の承認を受けないで補助金等の交付の目的に反して使用し,譲渡し,交換し,貸し付け,または担保に供してはならない。 (i)補助事業者等は,この補助事業等に関する帳簿および書類を備え,これを整理しておくとともに,この補助事業等の完了の日の属する年度の翌年度の初日から5年間保存しなければならない。 (エ)平成8年3月14日,ホテルAから,函館市に対し,平成7年度補助事業等実績報告書(乙7の3)が提出された。同報告書には,地盤調査,建築物除却・整地,測量に関する平成7年度事業完了写真,また,成果品として函館市a町b番街区優良建築物等整備事業基本設計書等が添付されていた。 (オ)同月15日付けで,函館市の検査吏員により,上記各事業が完成したことを検査した旨記載された完成検査書が作成された(乙7の2)。 (カ)同月21日,函館市から,ホテルAに対し,平成7年度補助金等の額の確定通知書(乙8)が送付され,前提事実(3)ア(ウ)のとおり,同月27日,8399万20 7の2)。 (カ)同月21日,函館市から,ホテルAに対し,平成7年度補助金等の額の確定通知書(乙8)が送付され,前提事実(3)ア(ウ)のとおり,同月27日,8399万2000円の補助金等が交付された。 イ平成8年度の補助金等交付について(ア)平成8年4月1日,ホテルAは,函館市に対し,以下の内容を記載した平成8年度補助金等交付申請書を提出した(乙10の2の1)。 a 補助事業等の目的およびその概要(目的)土地の合理的な高度利用を図り,防災性に優れた良好な建築物の整備を図るとともに,敷地内に空地を確保し,その一部を公開空地として整備することにより,市街地環境の整備改善を図る。 (概要)調査設計計画,共同施設整備に関する事業。 b 補助事業等の着手および完了の予定時期(着手)平成8年4月17日(完了)平成9年3月10日c 補助事業に要する経費:2億1225万円d 補助金等交付申請額:1億2684万8000円(イ)上記申請書に添付された補助事業等の計画書(乙10の2の2)には,補助事業等の内容として,調査設計計画(建築設計)及び共同施設整備(空地等整備,供給処理施設整備,その他の施設整備)があげられており,補助事業等の収支予算書(乙10の2の3)には,収入の部の項目に「市補助金1億2684万8000円」「権利者自己負担金8540万2000円」の合計2億1225万円,支出の部の項目に建築設計(工事監理)の委託費3220万3000円,共同施設整備の工事費1億8004万7000円の合計2億1225万円が各計上されている。 合計2億1225万円,支出の部の項目に建築設計(工事監理)の委託費3220万3000円,共同施設整備の工事費1億8004万7000円の合計2億1225万円が各計上されている。 (ウ)函館市は,同月17日付けで,ホテルAに対し,以下の事項が記載された平成8年度補助金等交付決定通知書(乙12)を送付した。 a 補助事業等に要する経費:2億1225万円補助金等の額:1億2684万8000円b この補助事業等の完了期限は,平成9年3月10日までとする。 c 前記ア(ウ)c,d項と同じ。 (エ)ホテルAの代表者らは,平成8年7月ころ,函館市役所を訪れ,B信用金庫の理事長から総貸出額を25,6億に抑えるか,それができなければ融資済みの資金を返すように言われていることを都市建設部長に報告した。函館市の担当者は,ホテルAから事情説明を受けた後,市長及び助役に説明し,B信用金庫理事長を訪問して事情を聞き,続いて他の金融機関,施工者,設計者らとの協議を行い,同年10月,これまでの経過を国及び北海道に説明した。このことについて,ホテルAから,同年11月15日付けで「ホテル建設工事一時中断の件」と題する文書が提出され,その後,平成9年2月28日付けで現状と今後の方針等が記載された現状報告書が提出された。ホテルAは,函館市からの求めに従い,平成12年7月10日,9月5日,11月20日の各日において,工事中断以降の状況について報告をした。 (オ)平成8年12月12日,ホテルAは,函館市に対し,以下の内容を記載した平成8年度補助金等交付決定変更申請書(乙13の1 おいて,工事中断以降の状況について報告をした。 (オ)平成8年12月12日,ホテルAは,函館市に対し,以下の内容を記載した平成8年度補助金等交付決定変更申請書(乙13の1,乙13の2の1)を提出し,補助事業等の内容も調査設計計画(建築設計)及び共同施設整備(その他の施設整備)に変更した(乙13の2の2)。 a 変更の理由資金計画の見直しにより,事業の進捗が遅れたため。 b 変更の内容補助事業等に要する経費は変更前の2億1225万円から3086万1000円に,補助金等の額は変更前の1億2684万8000円から1842万4000円に各変更する。 (カ)平成9年2月4日,ホテルAは,函館市に対し,さらに以下の内容を記載した平成8年度補助金等交付決定変更申請書を提出した(乙14の2の1)。 a 変更の理由資金計画の見直しにより,事業の進捗が遅れたため。 b 変更の内容補助事業等に要する経費は変更前の2億1225万円から3086万1000円に,補助金等の額は変更前の1億2684万8000円から276万8000円に各変更する。 (キ)函館市は,同月5日付けで,ホテルAに対し,上記変更申請の内容のとおり承認する旨の平成8年度補助金等交付決定変更通知書(乙16)を送付した。同通知書には,「ただし,承知すべき条件は,従前のとおりとする。」と記載されている。 (ク)同年3月17日,ホテルAから,函館市に対し,平成8年度補助事業等実績報告書(乙17の3)が提出された。同報告書には,平成8年度 りとする。」と記載されている。 (ク)同年3月17日,ホテルAから,函館市に対し,平成8年度補助事業等実績報告書(乙17の3)が提出された。同報告書には,平成8年度工事監理費完了部分の図面,平成8年度設計監理報告書,事業完了写真等のほか,前提事実(2)オ記載の工事請負契約の解除に関する契約書等も添付されていた。 (ケ)同月21日付けで,函館市の検査吏員により,上記各事業が完成したことを検査した旨記載された完成検査書が作成された(乙17の2)。 (コ)同月24日付けで,函館市から,ホテルAに対し,平成8年度補助金等の額の確定通知書(乙18)が送付され,前提事実(3)イ(オ)のとおり,同月31日,276万8000円の補助金等が交付された。 (サ)ホテルAは,平成9年,B信用金庫を被告として,追加融資の不実行等を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求を提起し,これが敗訴となった後,さらに控訴を提起したところ,平成11年9月10日,同控訴は棄却された(甲3,4)。 (2)以上認定の事実及び前提事実を踏まえて検討した結果は次のとおりである。 ア主位的請求についてまず,原告らが主張するように,事業全体の収支をチェックするための預金残高証明書あるいは金融機関の融資証明書等,資金面で全体の事業遂行が可能であることを裏付ける資料の添付については,交付規則及び交付要綱においてこれを義務付ける規定は存在せず,またこれらが不可欠であると解さなければならない必然性は認められないから,これら資料の添付を欠くことが違法であるとまでは認めることはできない。しかしながら,確 定は存在せず,またこれらが不可欠であると解さなければならない必然性は認められないから,これら資料の添付を欠くことが違法であるとまでは認めることはできない。しかしながら,確かに本件各補助金等交付決定にかかる補助事業等の内容は,本件ホテルの完成に至るまでの事業全体ではなく,その一部にとどまるものではあるが,それ単独で固有の意義を有するものではなく,事業全体の完成によって初めて意義を有することになるのであり,本件各補助金交付の目的が良好な建築物を建てることによって安全で快適な市街地整備を図ることにある以上,本件ホテルが完成しなければその目的を果たせず,公益を実現できないことは明らかである。そうであれば,交付規則3条2項2号所定の「補助事業等の収支予算書」には,単に当該補助金等交付申請にかかる補助事業等の収支予算のみでなく,本件ホテルの完成という事業全体についての収入とその内訳(補助金,権利者自己負担金,借入金,その他の区別)を記載することが相当であると解されるところ,本件各補助金等交付申請書には,同全体についての収入とその内訳が記載された収支予算書の添付がされていないから,この点を看過してなされた本件各補助金等交付決定は違法であると解する余地がある。 次に,交付規則5条1項3号所定の条件である「補助事業等の遂行が困難となった場合」には,単に当該補助事業等にかかるものにとどまらず,本件ホテルの竣工という事業全体の遂行が困難となった場合も含まれると解されるから,この点に関する原告らの主張には理由がある。しかしながら,本件ホテル事業に関する大口融資先であるB信用金庫の追加融資が困 いう事業全体の遂行が困難となった場合も含まれると解されるから,この点に関する原告らの主張には理由がある。しかしながら,本件ホテル事業に関する大口融資先であるB信用金庫の追加融資が困難となり始めたのは早くとも平成8年5月ころ以降であり,既に平成7年度の補助金はホテルAに交付済みであって,またそのころから約2か月経過した平成8年7月ころからは,同社から函館市の担当者に対して,B信用金庫から当初の資金計画の変更等を求められていることの報告や相談があり,函館市がこれに関与している等の事実に照らせば,交付規則5条1項3号違反は存在しない。 主位的請求の本案に関する一応の判断は以上のとおりであるが,次の理由によれば,結局本件訴えのうち同請求部分については不適法といわざるを得ず,いずれにせよ却下を免れない。すなわち,同請求部分については,結局のところ,補助金等交付決定ないし補助金交付という特定の財務会計行為が違法であることに基づいて発生する実体法上の請求権の不行使をもって財産の管理を怠る事実とするものと解される(この点,本件における補助金返還請求権が補助金等交付決定を取り消さなければ具体的に発生しないことは上記1のとおりであるが,取消権と返還請求権とを一体とみなすとすれば,違法な財務会計行為がなされた時点で取消権を行使し,返還請求権を行使することが可能な状態であったといえる。)。そうすると,前提事実(3)ア,イ,(4)アによれば,本件において対象となる補助金等交付決定ないし補助金交付のうち,もっとも遅い平成8年度分の補助金交付があった日(平成9年3月31日)を基準としてみても,同日 ア,イ,(4)アによれば,本件において対象となる補助金等交付決定ないし補助金交付のうち,もっとも遅い平成8年度分の補助金交付があった日(平成9年3月31日)を基準としてみても,同日には取消権を行使して,返還請求権を行使することが可能であったといえるから,本件における住民監査請求(平成12年2月9日)は1年を経過した後になされたものとして,地方自治法242条2項本文により不適法となる(なお,本件における補助金等交付決定ないし補助金交付は,いずれも秘密裡になされたものと認めるに足りる証拠はないし,甲11の13及び14によれば,平成8年10月30日には前提事実(2)オ記載の新築工事中断に至る経過が新聞報道され,さらに,平成9年3月31日に前提事実(3)イ(オ)記載の補助金が交付された後も,甲11の10及び11によれば,本件における補助金等交付決定及び補助金交付に触れた新聞報道がなされているのであるから,同条但書の適用がないことは明らかである。)。 イ予備的請求についてまず,同請求部分については,原告ら主張のとおり,ホテルAからB信用金庫に対する損害賠償請求訴訟において,第1審で敗訴したホテルAからの控訴が棄却された平成11年9月10日をもって本件ホテルの工事中止が確定的になったとも考えられること等に照らせば,前提事実(4)ア記載の住民監査請求について,地方自治法242条の2第2項本文所定の期間経過をもって直ちに不適法となることはないとみる余地がある。 次に,同請求部分は,地方自治法242条の2第2項1号所定の出訴期間経過後に追加的に変更されたものであるところ,本件 期間経過をもって直ちに不適法となることはないとみる余地がある。 次に,同請求部分は,地方自治法242条の2第2項1号所定の出訴期間経過後に追加的に変更されたものであるところ,本件訴えにおける主位的請求と予備的請求とでは,財務会計行為である補助金交付前に生じた原始的事由と,その後に生じた後発的事由をそれぞれ理由とするという差違が認められるものの,同一の補助金等交付決定ないし補助金交付を対象としたものであること,本件における住民監査請求(甲1)の内容は,むしろ,予備的請求と同内容の主張を主眼とするものであって,要するに,工事再開の目処が立っていない本件ホテルに交付された補助金は返還されるべきであり,それを怠っている被告の不作為は違法であることを主張するものと解されること,同請求の趣旨に照らせば,上記変更後の訴えは,実質的には同一の請求とみることも可能であること等を併せ考えると,変更後の新請求に係る訴えを当初の訴え提起の時に提起されたものと同視し,出訴期間の遵守において欠けるところがないと解すべき特段の事情があると解する余地がある。 そこで,同請求部分の本案について一応の判断をすると,本件ホテルの完成と各補助事業等の関係については上記アにおける判断のところで述べたとおりであるが,そうであるからといって,交付規則や本件各補助金等交付に関する一件書類等を精査しても,同補助事業等が完了した後もその後に同ホテルの竣工ができないことに確定すれば,既に各補助事業等のため交付された補助金の返還請求ができるとする合理的根拠を見いだすことはできない。したがって,仮に上記のとおり,ホテルAの 同ホテルの竣工ができないことに確定すれば,既に各補助事業等のため交付された補助金の返還請求ができるとする合理的根拠を見いだすことはできない。したがって,仮に上記のとおり,ホテルAのB信用金庫に対する控訴審判決が下された日をもって,本件ホテルの竣工が不能に帰したと認められるとしても,それ以前に平成7年度及び平成8年度の各年度において,上記補助事業等は適法に完了したことについて検査を受け,額の確定を経て補助金が交付されている以上,被告は,本件各補助金等交付決定を取り消して,交付された補助金の返還請求をすることはできないというほかはない。よって,予備的請求に関する原告らの本案の主張は採用できない。 3 結論以上の次第で,結局,本件訴えは不適法であるから,これを却下する。 函館地方裁判所民事部裁判長裁判官堀内明裁判官河村俊哉裁判官島村典男・(別紙)函館市補助金等交付規則(抄録)3条補助金等の交付の申請をしようとする者は,補助金等交付申請書を市長に提出しなければならない。 2 前項の申請書には,次の各号に掲げる書類または図面を添付しなければならない。 (1)補助事業等の計画書(2)補助事業等の収支予算書またはこれに代わる書類(3)工事の施行を伴う場合にあっては,その実施設計書および図面(4)その他市長が必要と認める書類または図面 3 市長は,前項第1号から第3号までに掲げる書類および図面のうち必要がないと認めるものについては,その添付を省略させることができる。 5条市長は, の他市長が必要と認める書類または図面 3 市長は,前項第1号から第3号までに掲げる書類および図面のうち必要がないと認めるものについては,その添付を省略させることができる。 5条市長は,補助金等の交付の決定をする場合において,補助金等の交付の目的を達成するため,次に掲げる条件を付するものとする。 (1)補助事業等の内容の変更または補助事業等に要する経費の配分の変更(市長の定める軽微な変更を除く。)をする場合においては,市長の承認を受けるべきこと。 (2)補助事業等を中止し,または廃止する場合においては,市長の承認を受けるべきこと。 (3)補助事業等が予定の期間内に完了しない場合または補助事業等の遂行が困難となった場合においては,速やかに市長に報告してその指示を受けるべきこと。 2 前項各号に定めるもののほか,市長は,補助金等の交付の目的を達成するため必要と認める条件を付することができる。 8条市長は,補助金等の交付の決定をした場合において,その後の事情の変更により特別の必要が生じたときは,補助金等の交付の決定の全部もしくは一部を取り消し,またはその決定の内容もしくはこれに付した条件を変更することができる。ただし,補助事業等のうち既に経過した期間に係る部分については,この限りでない。 2 市長が前項の規定により補助金等の交付の決定を取り消すことができる場合は,次に掲げる場合に限るものとする。 (1)天災地変その他補助金等の交付の決定後生じた事情の変更により補助事業等の全部または一部を継続する必要がなくなった場合(2)補助事業者等が補助事業等を遂行するため必要な土地その他の手段を使用することができないこと, 生じた事情の変更により補助事業等の全部または一部を継続する必要がなくなった場合(2)補助事業者等が補助事業等を遂行するため必要な土地その他の手段を使用することができないこと,補助事業等に要する経費のうち補助金等によってまかなわれる部分以外の部分を負担することができないことその他の理由により補助事業等を遂行することができない場合(補助事業者等の責めに帰すべき事情による場合を除く。) 3 第6条の規定(決定の通知に関する規定)は,第1項の規定による取消しまたは変更をした場合について準用する。 16条市長は,補助事業者等が,補助金等を他の用途に使用し,その他補助事業等に関して補助金等の交付の決定の内容またはこれに付した条件その他この規則またはこれに基づく市長の措置に違反したときは,補助金等の交付の決定の全部または一部を取り消すことができる。 2 前項の規定は,補助事業等について交付すべき補助金等の額の確定があった後においても適用があるものとする。 3 第6条の規定は,第1項の規定による取消しをした場合について準用する。 17条市長は,補助金等の交付の決定を取り消した場合において,補助事業等の当該取消しに係る部分に関し,既に補助金等が交付されているときは,期限を定めて,その返還を命ずるものとする。 2 市長は,補助事業者等に交付すべき補助金額等の額を確定した場合において,既にその額を超える補助金等が交付されているときは,期限を定めて,その返還を命ずるものとする。 以上函館市市街地再開発事業等補助金交付要綱(抄録)4条規則(函館市補助金等交付規則を指す 還を命ずるものとする。 以上函館市市街地再開発事業等補助金交付要綱(抄録)4条規則(函館市補助金等交付規則を指す。)第3条第2項第4号のその他市長が必要と認める書類は,次の各号に掲げる書類とする。 (1)事業計画内訳書(2)施行者以外に施行地区内の敷地および建築物について所有権等を有する者または所有権等以外の権利を有する者があるときは,これらの者の事業計画に対する同意書以上
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