平成28(行コ)71 公金支出差止及び返還請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
平成28年7月12日 東京高等裁判所 住民訴訟
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判決文本文6,872 文字)

- 1 -平成28年7月12日判決言渡し平成28年(行コ)第71号公金支出差止及び返還請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成26年(行ウ)第568号) 主文 本件控訴をいずれも棄却する。 控訴費用は控訴人らの負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人は,関越自動車道高架下活用事業に関して,一切の公金を支出し,契約を締結し,又はその他の債務を負担してはならない。 3 被控訴人は,P1及びP2に対し,各自2350万円及びこれに対する平成26年11月29日から支払済みまでの年5分の割合による金員を練馬区に支払うよう請求せよ。 4 被控訴人は,P3に対し,5369万7000円及びこれに対する平成26年11月29日から支払済みまでの年5分の割合による金員を練馬区に支払うよう賠償の命令をせよ。 5 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。 第2 事案の概要 1 本件は,東京都練馬区の住民である控訴人らが,同区の関越自動車道高架下活用事業(高速自動車国道である関越自動車道の高架部分の路面下に高齢者センター,スポーツ関連スペース等の諸施設を整備する事業。以下「本件事業」という。)に関して同区がした道路占用許可の申請及びこれに対して道路管理者である国土交通大臣の権限を代行する独立行政法人日本高速道路保有・債務- 2 -返済機構(以下「機構」という。)がした道路占用許可は道路法等の規定が定める許可の基準に一見明白に違反するものであること,本件事業は高架道路の経年劣化や大地震による破損,落下等により周辺住民の生命,生活維持等の人格権を侵害するものであることなどからして,同区の執行機関又は職員が本件事業に関して公金の支出 であること,本件事業は高架道路の経年劣化や大地震による破損,落下等により周辺住民の生命,生活維持等の人格権を侵害するものであることなどからして,同区の執行機関又は職員が本件事業に関して公金の支出,契約の締結及び債務の負担の各行為をすることは財務会計上違法であると主張して,同区の執行機関である被控訴人に対し,①地方自治法242条の2第1項1号の規定に基づき,上記各行為の差止めを求めるとともに,② 同項4号の規定に基づき,既に支出済みの公金相当額の損害の賠償として,区長であるP1及び副区長であるP2に各自2350万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成26年11月29日から支払済みまでの民法所定の年5分の割合による遅延損害金を同区に支払うよう請求すること並びに会計管理者であるP3に5369万7000円及びこれに対する上記同日から支払済みまでの上記同割合による遅延損害金の賠償の命令をすることを求めた住民訴訟である(以下,①の請求を「本件1号請求」,②の請求を「本件4号請求」という。)。 原審は,機構がした道路占用許可には練馬区の予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵があるとは認められず,本件事業についても整備予定施設の利用者を含む周辺住民の人格権を侵害するなどの違法は認められないから,同区の執行機関又は職員による上記公金の支出等の各行為が財務会計法規上の義務に違反する違法なものであるとは認められないとして,控訴人らの本件1号請求及び本件4号請求をいずれも棄却した。 そこで,控訴人らがこれを不服として控訴した。 2 関係法令等の定め次のとおり補正するほか,原判決の「事実及び理由」の第2の2及び原判決別紙2に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 79頁3行目の「3ないし5 (略)」を次のとおり改める。 - 定め次のとおり補正するほか,原判決の「事実及び理由」の第2の2及び原判決別紙2に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 79頁3行目の「3ないし5 (略)」を次のとおり改める。 - 3 -「3・4 (略) 5 道路管理者は,第1項又は第3項の規定による許可を与えようとする場合において,当該許可に係る行為が道路交通法第77条第1項の規定の適用を受けるものであるときは,あらかじめ当該地域を管轄する警察署長に協議しなければならない。 (参照)道路交通法77条1項(道路の使用の許可)77条次の各号のいずれかに該当する者は,それぞれ当該各号に掲げる行為について当該行為に係る場所を管轄する警察署長(以下この節において「所轄警察署長」という。)の許可(中略)を受けなければならない。 一道路において工事若しくは作業をしようとする者又は当該工事若しくは作業の請負人二道路に石碑,銅像,広告板,アーチその他これらに類する工作物を設けようとする者三場所を移動しないで,道路に露店,屋台店その他これらに類する店を出そうとする者四前各号に掲げるもののほか,道路において祭礼行事をし,又はロケーションをする等一般交通に著しい影響を及ぼすような通行の形態若しくは方法により道路を使用する行為又は道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼすような行為で,公安委員会が,その土地の道路又は交通の状況により,道路における危険を防止し,その他交通の安全と円滑を図るため必要と認めて定めたものをしようとする者」(2) 82頁13行目の「16」を「5」に改める。 3 前提事実,争点及び当事者の主張次のとおり補正するほか,原判決の「事実及び理由」の第2の3,4及び第- 4 -3並びに原判決別紙2~4に記載のとおりであるから,これを 」を「5」に改める。 3 前提事実,争点及び当事者の主張次のとおり補正するほか,原判決の「事実及び理由」の第2の3,4及び第- 4 -3並びに原判決別紙2~4に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 7頁17行目の「甲9」を「甲8」に,9頁23行目,10頁1行目及び同頁5行目の「(1)」を「(1)イ」に改める。 (2) 11頁3行目の「本件申請」を「本件申請及び本件機構処分」に改め,同頁18行目末尾に改行の上「(オ) 道路法32条5項の協議の不存在(争点9の2)」を加える。 (3) 17頁19行目の「を除く。」を削り,19頁3行目の「(3)カ」を「(3)オ」に改め,26頁14行目末尾に改行の上次のとおり加える。 「9の2 争点9の2(道路法32条5項の協議の不存在)について(控訴人らの主張)本件機構処分は,機構が道路法32条5項の警察署長との事前協議をせずに行った違法な処分であるから,本件各財務会計行為等も違法である。 (被控訴人の主張)本件機構処分に当たり,仮に道路法32条5項の協議が必要であり,かつ協議を欠いているとしても,協議の欠缺は練馬区において関知できるものではないし,協議が行われるようにすべき法律上の義務が同区にあるものでもない。同項の協議は,道路管理権と交通警察権との調整を図るという行政上の便宜のために設けられたものにすぎず,協議を欠く許可も瑕疵ある行政処分として取り消し得ることがあるにとどまる。したがって,同項の協議の欠缺は,予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵とはいえない。」(4) 28頁16行目の「P4が作成した」を削り,同頁18行目の「と題する文書」を「と題する国土交通省の内部資料に添付されたP4作成の『α高架橋の経緯等』と題する文書」に,31頁8行目から9行目の「道路管 28頁16行目の「P4が作成した」を削り,同頁18行目の「と題する文書」を「と題する国土交通省の内部資料に添付されたP4作成の『α高架橋の経緯等』と題する文書」に,31頁8行目から9行目の「道路管理者である」を「関越自動車道の維持,修繕等を行う」に,同頁25行目の「橋脚」を「橋げた」に,33頁15行目及び37頁22行目の「(3)ウ」を- 5 -「(3)イ(イ)」に改める。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も,本件各財務会計行為等が財務会計法規上の義務に違反する違法なものであるとは認められず,控訴人らの請求はいずれも理由がないから棄却すべきものと判断する。その理由は,次のとおり補正するほか,原判決の「事実及び理由」の第4の1~14に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1) 41頁8行目及び同頁20行目の「242条1項」を「242条の2第1項」に,同頁8行目から9行目の「同項」を「同法242条1項」に改める。 (2) 42頁16行目の「損害賠償の請求」の次に「又は賠償の命令」を加え,同頁19行目の「請求することを求めるもの」を「請求し又は命ずることを当該地方公共団体の執行機関等に対して求めるもの」に改め,同頁26行目の「原告らは」の次に「,争点2ないし9の2に関し」を加え,43頁6行目の「被告」を「本件各財務会計行為等に係る当該執行機関又は職員」に改め,同頁12行目末尾に「控訴人らは,機構が行う道路占用の許否の判断に申請者である練馬区が介入できる旨を主張するが,独自の見解であり,採用することはできない。」を加える。 (3) 44頁24行目から25行目,45頁20行目から21行目,46頁4行目,同頁6行目及び同頁12行目の「(2)エ」を「(2)ウ」に改め,45頁14行目末尾に「控訴人らの主張は,実質的には本件事業による高 4頁24行目から25行目,45頁20行目から21行目,46頁4行目,同頁6行目及び同頁12行目の「(2)エ」を「(2)ウ」に改め,45頁14行目末尾に「控訴人らの主張は,実質的には本件事業による高齢者センター利用者の人格権侵害をいうものであって,争点10ないし12における控訴人らの主張と同旨のものと解される。」を,46頁17行目の「著しく合理性を欠く」の前に「無効の瑕疵があり又は」を加える。 (4) 47頁3行目及び48頁4行目の「著しく困難」の前に「客観的にみて」を,同頁12行目の「また」の次に「,今後,練馬区内の高齢者人口の増加が見込まれる(乙48)中で」を,同頁23行目の「著しく合理性を欠- 6 -く」の前に「無効の瑕疵があり又は」を加える。 (5) 49頁21行目の「採用することはできない」の前に「上記説示に反する限りにおいて」を,51頁14行目の「著しく合理性を欠く」の前に「無効の瑕疵があり又は」を加える。 (6) 54頁3行目末尾に「なお,証拠(甲38)及び弁論の全趣旨によれば,練馬区は,上記植栽帯に高さ40~50㎝程度の低木を植え,更に関越道下側道との境に高さ80㎝程度のガードレールを設置する計画であることが認められるが,この点は,本件申請に当たり,P5警察署から『プロムナードから対面する既存歩道へ植栽帯をかき分けての横断が頻繁に起こり,事故が起こるようであれば,既存歩道側に柵などを設置するよう指導することになる』との意見が付されており(甲11の2の添付資料17(警察との協議書)),本件機構処分においても上記程度のガードレールの設置は想定されていたものと解される上,19号通達許可基準(2)(コ)(車道等への飛び出し事故の防止)を満たすための上記程度のガードレールの設置を,同じ19号通達許可基準である(2)(イ)の ールの設置は想定されていたものと解される上,19号通達許可基準(2)(コ)(車道等への飛び出し事故の防止)を満たすための上記程度のガードレールの設置を,同じ19号通達許可基準である(2)(イ)の基準が許容していないとは解されない。」を,同頁7行目の「著しく合理性を欠く」の前に「無効の瑕疵があり又は」を加える。 (7) 54頁15行目から16行目の「リサイクルセンター,スポーツ関連スペース及び地域交流スペース」を「リサイクルセンター及びスポーツ関連スペース」に改め,55頁18行目の「講じられていること」の次に「,実際に上記の箇所を含む関越自動車道の維持,修繕等を行うP4からも,日常点検については作業上支障がなく,工事の場合も取り外し可能な構造であるため道路管理上支障がない旨の意見が付されていること(甲29の2・資料7)」を加え,56頁8行目の「上記箇所の」から同頁9行目の「証拠もない」までを「本件機構処分に付された占用許可条件(甲12の1~5)によれば,災害等の緊急時においては,占用者である練馬区が費用を負担して占- 7 -用物件の移転,除却等に速やかに応じることにより,P4による道路の点検,補修等を可能にすることが想定されていることが認められる」に改め,56頁26行目の「著しく合理性を欠く」の前に「無効の瑕疵があり又は」を加える。 (8) 58頁9行目から10行目の「講じられていること」の次に「,実際に上記の箇所を含む関越自動車道の維持,修繕等を行うP4からも,日常点検については作業上支障がなく,工事の場合も取り外し可能な構造であるため道路管理上支障がない旨の意見が付されていること(甲29の2・資料7)」を,同頁25行目及び59頁11行目の「著しく合理性を欠く」の前に「無効の瑕疵があり又は」を加える。 (9) 60頁6行目 め道路管理上支障がない旨の意見が付されていること(甲29の2・資料7)」を,同頁25行目及び59頁11行目の「著しく合理性を欠く」の前に「無効の瑕疵があり又は」を加える。 (9) 60頁6行目末尾に「控訴人らの主張は,実質的には本件事業による高齢者センター利用者の人格権侵害をいうものであって,争点10ないし12における控訴人らの主張と同旨のものと解される。」を,同頁12行目の「著しく合理性を欠く」の前に「無効の瑕疵があり又は」を加える。 (10) 60頁13行目末尾に改行の上次のとおり加える。 「10の2 争点9の2(道路法32条5項の協議の不存在)について控訴人らは,本件機構処分につき,道路法32条5項の協議の不存在を主張する。しかしながら,機構が本件機構処分をする前に同項の警察署長との協議をしていないことを認めるに足りる証拠はない。また,仮に,この協議を欠いていたとしても,同項の協議は,道路管理権と交通警察権との調整を図るという行政上の便宜のために設けられた許可権限者側の内部行為と解されるものであるから,協議を欠く占用許可も当然無効ではなく,瑕疵ある行政処分として取り消されることがあるにとどまるものと解される上,占用許可を受けた申請者としては,同項の協議の有無を関知し得る立場にはないのが通常であることから,特段の事情のない限り,協議があったものとしてその後の行動をとれば足りるものと解されるところ,- 8 -本件において上記特段の事情があるものとはうかがわれない。 したがって,本件申請に基づく本件機構処分について,道路法32条5項の協議に関し,無効の瑕疵があり又は著しく合理性を欠くために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵があるとは認められない。」(11) 61頁8行目の「甲29の1,2」の次に「,乙38」を加 項の協議に関し,無効の瑕疵があり又は著しく合理性を欠くために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵があるとは認められない。」(11) 61頁8行目の「甲29の1,2」の次に「,乙38」を加え,同頁20行目の「8月」を「10月」に改め,62頁5行目の「P4が作成した」を削り,同頁7行目の「と題する文書」を「と題する国土交通省の内部資料に添付されたP4作成の『α高架橋の経緯等』と題する文書」に改める。 (12) 65頁23行目の「(3)ウ(ウ)」を「(3)イ(イ)」に,66頁2行目の「現状を把握するとともに」から同頁5行目の「検討していること」までを「現状を把握し,風環境,交通量,大気汚染及び騒音・振動についての環境影響予測をすることにより,これらの各面から整備後の本件整備予定施設の利用に際しての環境配慮の必要性を検討することにあること」に,同頁10行目の「上記の点が」を「本件事業を進めることが」に,同頁11行目から12行目の「確保に欠けることを理由として」を「確保に欠ける違法なものであり,その結果」に,67頁23行目,68頁6行目,69頁18行目及び70頁20行目の「上記アのとおり複合的な」を「上記アのとおりの」に改め,69頁20行目の「2地点において騒音の」を「1地点において大気汚染の」に,70頁22行目の「2地点において」を「1地点において」に改める。 2 よって,原判決は相当であって,本件控訴はいずれも理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第7民事部 裁判長裁判官菊池洋一 - 9 - 裁判官佐久間政和 裁判官古田孝夫 裁判官菊池洋一 裁判官佐久間政和 裁判官古田孝夫

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