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主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告理由第一点について、<要旨第一>本件の如く、賃貸人が、賃借人に対する家屋賃貸借契約の終了を理由に、賃借人に対し、家屋明渡の請求を</要旨第一>する場合においては、右の家屋明渡請求権は、他に特段の事由がない限り、家屋賃貸借契約の終了に基づく契約上の請求権、詳言すれば、家屋賃貸借契約において、賃借人が賃貸借終了のときは、賃借家屋を賃貸人に明渡して返還すべきことを約定したことに由来する請求権であるとみるのが相当である。したがつて、訴訟物たる請求はただ一つで、契約終了原因の個数に応じて複数となるわけではないのである。即ち、賃貸借契約は無断転貸、無断改造禁止等の特約違背に基づく約定解除権の行使あるいは賃貸人の自己使用の必要その他正当事由に基づく解約の申入れ等によつて終了することはいうまでもないが、右約定解除権の行使、解約の申入れが、それぞれ賃貸家屋明渡請求権の直接的な発生原因となるのではなく、これらに基づく契約の終了が発生原因となるのである。したがつて賃貸家屋明渡請求訴訟において、右の約定解除権の行使を主張し、あるいは右の解約申入れを主張することは、右明渡請求の同一性に影響を来すものではなく、右各主張はいずれも契約の終了原因である点において、右明渡請求を理由あらしめる攻撃方法であるというべきである。そうであるから、本件において、賃貸人たる被上告人が当初無断転貸、無断改造等の禁止特約の違背を理由とする約定解除権の行使のみを主張していたのを、その後追加して予備的に正当事由に基づく解約申入れの主張をするに至つたからといつて、訴えの追加的変更をしたものということはできないのであつて、単なる攻撃方法の追加に過ぎないものであるこ ていたのを、その後追加して予備的に正当事由に基づく解約申入れの主張をするに至つたからといつて、訴えの追加的変更をしたものということはできないのであつて、単なる攻撃方法の追加に過ぎないものであることは、上告人所論のとおりである。 して予備的に正当事由に基づく解約申入れの主張をするに至つたからといつて、訴えの追加的変更をしたものということはできないのであつて、単なる攻撃方法の追加に過ぎないものであるこ ていたのを、その後追加して予備的に正当事由に基づく解約申入れの主張をするに至つたからといつて、訴えの追加的変更をしたものということはできないのであつて、単なる攻撃方法の追加に過ぎないものであることは、上告人所論のとおりである。しかしながら、本件は賃貸家屋明渡の請求だけではなく、そのほかに延滞賃料ならびに賃料相当額の損害金の各支払請求が併合されているのであつて、被上告人は、前記のとおり当初約定解除権の行使を主張し、賃貸借契約はこれによつて昭和二九年五月二日限り終了したものとし、同年五月一日及二日分両日分の延滞賃料と同月三日から家屋明渡済みまでの賃料相当額の損害金の各支払請求をしていたのであるが、その後予備的に正当事由に基づく解約申入れの主張をし、これによつて賃貸借契約は昭和三五年九月二六日限り終了したものとし、昭和二九年五月一日から昭和三五年九月二六日までの延滞賃料と同年九月二七日から家屋明渡済みに至<要旨第二>るまでの賃料相当額の損害金の支払請求をなすに至つたものである。ところで、右によつて明らかなように、</要旨第二>後者の請求は前者に比し延滞賃料の請求額を拡張するとともに損害金の請求額を減縮しているのであるが、前者とは異る別個の新な請求を含むものであることはいうまでもないから(この点は損害金の請求が、家屋明渡義務の不履行を理由とするものであるか、あるいは不法占拠を理由とするものであるかによつて差異を来すことはない。)、被上告人において、訴えの変更により予備的請求を追加したものといわなければならない。したがつて、前記正当事由に基づく解約申入れの主張は、右金員の支払請求の面からみれば、単なる攻撃方法でないことは勿論であつて、新訴の請求原因に属するものというべきである。そして、前記家屋明渡の請求と右の金員支払の請求とが併合審理せられ 申入れの主張は、右金員の支払請求の面からみれば、単なる攻撃方法でないことは勿論であつて、新訴の請求原因に属するものというべきである。そして、前記家屋明渡の請求と右の金員支払の請求とが併合審理せられた以上右解約申入れの主張は、関連する両請求についてなされたものであつて、たとえこれが前者については単なる攻撃方法であつても、後者については新訴の請求原因に属するのであるから、攻撃方法のみに関する民訴法一三九条の規定は適用の余地はなく、したがつて右主張を時機に遅れたものとして却下することができないのは当然である。 るものというべきである。そして、前記家屋明渡の請求と右の金員支払の請求とが併合審理せられた以上右解約申入れの主張は、関連する両請求についてなされたものであつて、たとえこれが前者については単なる攻撃方法であつても、後者については新訴の請求原因に属するのであるから、攻撃方法のみに関する民訴法一三九条の規定は適用の余地はなく、したがつて右主張を時機に遅れたものとして却下することができないのは当然である。そうであるから、原判決が右解約申入れの主張は単なる攻撃方法ではなく、請求の追加的変更に基づくものであるとの理由の下に右法条の適用がないとして、上告人の右主張却下の申立を排斥したのは、結局正当であり、論旨は採るを得ない。上告理由第二点について。所論は、被上告人の前記解約申入れにつき正当事由が存在する旨判断した原判決には、経験則違背ひいて法令の適用を誤つた違法がある旨主張する。しかしながら、原判決の確定した事実関係、すなわち、被上告人側、上告人側のそれぞれの家族関係、職業、住居の状態など右当事者双方が本件家屋を必要とする事情ならびにその程度、その他上告人が現状維持の仮処分および本件賃貸借契約における造作禁止の特約に違背して右家屋に物干場などの造作を附加し、なお、自ら建物に居住せず、第三者をこれに同居下宿させることを繰りかえすなど右当事者間の信頼関係を害するような行動に出たことなど諸般の事情をつぶさに検討すると、被上告人の右解約申入れにつき正当の事由があるとした原判決の判断は正当であり、原判決には所論の違法は認められない。したがつて、論旨は理由がない。よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条を適用して主文のとおり判決する。(裁 き正当の事由があるとした原判決の判断は正当であり、原判決には所論の違法は認められない。したがつて、論旨は理由がない。よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条を適用して主文のとおり判決する。(裁判長判事金田宇佐夫判事日高敏夫判事中島一郎)
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