令和3年4月21日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成30年(行ウ)第246号婚姻関係確認等請求事件口頭弁論終結日令和3年1月27日 判決主文 1 本件訴えのうち地位の確認に係る部分をいずれも却下する。 2 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実 及び理由 第1 請求 1 主位的請求戸籍への記載によって原告らが互いに相原告と婚姻関係にあるとの公証を受けることができる地位にあることを確認する。 2 予備的請求 ⑴ 被告が作成する証明書の交付によって原告らが互いに相原告と婚姻関係にあるとの公証を受けることができる地位にあることを確認する。 ⑵ 被告は,原告らに対し,各10万円を支払え。 第2 事案の概要本件は,アメリカ合衆国(以下「米国」という。)のニューヨーク州におい て婚姻を挙行したとする原告らが,千代田区長に対し,「婚姻後の夫婦の氏」につき「夫の氏」と「妻の氏」のいずれにもレ点を付した婚姻の届書を提出して婚姻の届出をしたところ,民法750条及び戸籍法74条1号に違反していることを理由として不受理とする処分を受けたことから,被告に対し,⑴主位的に,戸籍法13条等に基づき,戸籍への記載によって原告らが互い に相原告と婚姻関係にあるとの公証を受けることができる地位にあることの確認を求め,⑵予備的に,①憲法24条等に基づき,被告が作成する証明 書(戸籍への記載以外の方法によるものと解される。)の交付によって原告らが互いに相原告と婚姻関係にあるとの公証を受けることができる地位にあることの確認を求めるとともに,②外国の方式に従って「夫婦が称する氏」を定めないまま 法によるものと解される。)の交付によって原告らが互いに相原告と婚姻関係にあるとの公証を受けることができる地位にあることの確認を求めるとともに,②外国の方式に従って「夫婦が称する氏」を定めないまま婚姻した日本人夫婦について,婚姻関係を公証する規定を戸籍法に設けていない立法不作為は憲法24条に違反するなどと主張して,国 家賠償法(以下「国賠法」という。)1条1項の規定に基づき,慰謝料各10万円の支払を求める事案である。 1 関係法令の定め⑴ 法の適用に関する通則法(以下「通則法」という。)ア婚姻の成立及び方式 通則法24条1項は,「婚姻の成立は,各当事者につき,その本国法による」と定め,同条2項は,「婚姻の方式は,婚姻挙行地の法による」と定める。 イ婚姻の効力通則法25条は,「婚姻の効力は,夫婦の本国法が同一であるときはそ の法によ」ると定める。 ウ経過措置通則法附則2条は,改正後の通則法の規定は,通則法附則3条の規定による場合を除き,通則法の施行の日(注・法の適用に関する通則法の施行期日を定める政令により,平成19年1月1日と定められている。)前に 生じた事項にも適用する旨定める。 ⑵ 戸籍法ア戸籍事務の管掌者戸籍法1条1項は,戸籍に関する事務は,市町村長がこれを管掌する旨定め,戸籍法4条は,市及び市長に関する規定は,特別区においては特別 区及び特別区の区長にこれを準用する旨定める。 イ戸籍事務の処理基準等 戸籍法3条1項は,法務大臣は,市町村長が戸籍事務を処理するに当たりよるべき基準を定めることができる旨定め,また,同条2項は,市役所又は町村役場の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長は,戸籍事務の処理に関し必要があると認め 市町村長が戸籍事務を処理するに当たりよるべき基準を定めることができる旨定め,また,同条2項は,市役所又は町村役場の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長は,戸籍事務の処理に関し必要があると認めるときは,市町村長に対し,報告を求め,又は助言若しくは勧告をすることができ(前段),戸籍事務の処理の適正 を確保するため特に必要があると認めるときは,指示をすることができる(後段)旨定める。 ウ戸籍の編製戸籍法6条本文は,戸籍は,市町村の区域内に本籍を定める一の夫婦及びこれと氏を同じくする子ごとに,これを編製する旨定める。 エ戸籍の謄本等の交付請求戸籍法10条1項は,戸籍に記載されている者又はその配偶者,直系尊属若しくは直系卑属(以下「戸籍に記載されている者等」という。)は,その戸籍の謄本若しくは抄本又は戸籍に記載した事項に関する証明書(以下「戸籍の謄本等」ということがある。)の交付の請求をすることができ る旨定める。 オ戸籍の記載事項等戸籍法13条は,戸籍には,戸籍内の各人について,「氏名」(1号),「夫婦については,夫又は妻である旨」(6号),「その他法務省令で定める事項」(8号)等を記載する旨定めている。 これを受けた戸籍法施行規則30条1号は,戸籍法13条8号の事項として「戸籍法13条1号から7号までに掲げる事項のほか,身分に関する事項」(1号)を掲げ,戸籍法施行規則35条は,「婚姻又は離婚に関する事項については,夫及び妻」(4号)の身分事項欄にこれを記載しなければならない旨定める。 また,戸籍法14条1項は,氏名を記載するには,「夫婦が,夫の氏を称するときは夫,妻の氏を称するときは妻」,「配偶者」,「子」の順に よる旨定める。 カ婚姻による新戸籍の編製等 また,戸籍法14条1項は,氏名を記載するには,「夫婦が,夫の氏を称するときは夫,妻の氏を称するときは妻」,「配偶者」,「子」の順に よる旨定める。 カ婚姻による新戸籍の編製等戸籍法16条1項本文は,婚姻の届出があったときは,夫婦について新戸籍を編製する旨定め,同項ただし書及び同条2項は,夫婦が,夫の氏を称する場合に夫,妻の氏を称する場合に妻が戸籍の筆頭に記載した者であ るときは,新戸籍を編製することなく,夫の氏を称する妻は,夫の戸籍に入り,妻の氏を称する夫は,妻の戸籍に入る旨定める(以下,これらの条文による新戸籍の編製又は入籍を「戸籍の編製等」という。)。 キ在外日本人の届出戸籍法41条1項は,外国に在る日本人が,その国の方式に従って,届 出事件に関する証書を作らせたときは,3か月以内にその国に駐在する日本の大使,公使又は領事にその証書の謄本を提出しなければならない旨定める。 ク婚姻届戸籍法74条は,婚姻をしようとする者は,「夫婦が称する氏」(1 号),「その他法務省令で定める事項」(2号)を届書に記載して,その旨を届け出なければならない旨定める。 ケ不服の申立て戸籍法122条は,戸籍事件について,市町村長の処分を不当とする者は,家庭裁判所に不服の申立てをすることができる旨定める。 ⑶ 民法ア婚姻の届出及び受理民法739条1項は,婚姻は,戸籍法の定めるところにより届け出ることによって,その効力を生ずる旨定め,民法740条は,婚姻の届出は,その婚姻が民法731条から737条まで及び739条2項の規定その他 の法令の規定に違反しないことを認めた後でなければ,受理することができない旨定める。 イ夫婦の氏民法750条は,「 が民法731条から737条まで及び739条2項の規定その他 の法令の規定に違反しないことを認めた後でなければ,受理することができない旨定める。 イ夫婦の氏民法750条は,「夫婦は,婚姻の際に定めるところに従い,夫又は妻の氏を称する」と定める。 2 前提事実(顕著な事実,争いのない事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実) ⑴ 当事者ア原告らは,いずれも米国ニューヨーク州(以下,単に「ニューヨーク州」という。)に在住する日本人である。(弁論の全趣旨)イ被告は,婚姻及び家族に関する法制度の関係については,民法及び戸籍法を所掌する主体であるが,本件訴訟に先立って,原告らに対し,何らか の行政処分をしたものではない。 ⑵ 本件訴訟に至る経緯ア原告らは,平成9年12月26日,ニューヨーク州において,ニューヨーク州法所定の婚姻の方式に従い,婚姻許可証を得て,ニューヨーク州ニューヨーク市の市庁舎において,記録官の下で婚姻を挙行した。 この際,原告らは,夫婦が称する氏を定めておらず,それぞれ生来の氏を引き続き称した。(甲2,3の1,3の2,18)イ原告らは,千代田区長に対し,平成30年6月6日,婚姻の届書(甲6。 以下「本件婚姻届」という。)並びにニューヨーク州で発行された婚姻証書謄本(甲3の1。以下「本件婚姻証書」という。)及びその抄訳文(甲 3の2)を提出して,婚姻の届出(以下「本件届出」という。)をした。 本件婚姻届の「婚姻後の夫婦の氏」欄には,「夫の氏」と「妻の氏」のいずれにもレ点が付されていた。(甲6,弁論の全趣旨)ウ千代田区長は,平成30年6月6日,本件届出につき,「民法750条及び戸籍法7 の「婚姻後の夫婦の氏」欄には,「夫の氏」と「妻の氏」のいずれにもレ点が付されていた。(甲6,弁論の全趣旨)ウ千代田区長は,平成30年6月6日,本件届出につき,「民法750条及び戸籍法74条1号に違反している」ことを理由として,不受理とする 処分(以下「本件不受理処分」という。)をした。(甲9,乙28)エ原告らは,平成30年6月18日,本件訴訟を提起した。(顕著な事実) 3 争点⑴ 方法選択の適否(確認の利益の有無①―主位的請求関係。争点1)⑵ 即時確定の利益の有無(確認の利益の有無②―主位的請求及び予備的請求⑴共通。争点2)⑶ 戸籍への記載によって婚姻関係にあるとの公証を受けることができる地 位の有無(主位的請求関係。争点3)⑷ 被告が作成する証明書の交付によって婚姻関係にあるとの公証を受けることができる地位の有無(予備的請求⑴関係。争点4)⑸ 原告らの婚姻の成否(主位的請求及び予備的請求共通。争点5)⑹ 立法不作為の違法の有無等(予備的請求⑵関係。争点6) 4 争点に関する当事者の主張⑴ 争点1(方法選択の適否(確認の利益の有無①))(原告らの主張)ア戸籍への記載によって婚姻関係にあるとの公証を受けることができる地位の確認の訴えは,戸籍が機能しないために公証を求める訴えである から,国による婚姻関係の公証という「公法上の法律関係に関する確認の訴え」である。 イ被告は,本件不受理処分に対して不服があるときは,戸籍法122条に基づく家庭裁判所への不服申立てによるべき旨主張するが,家庭裁判所が審判において命ずることができるのは,婚姻証書謄本の受領であっ て戸籍の編製や戸籍への記載ではない。また,婚姻証書謄本が受領されても,戸籍 所への不服申立てによるべき旨主張するが,家庭裁判所が審判において命ずることができるのは,婚姻証書謄本の受領であっ て戸籍の編製や戸籍への記載ではない。また,婚姻証書謄本が受領されても,戸籍事務の処理基準は,法務大臣によって定められ(戸籍法3条1項),戸籍事務の処理は,被告の指示に従わなければならないから(同条2項),被告が,原告らの婚姻の有効性を争い,戸籍への記載はできないと主張している以上,例えば,戸籍事務の管掌者が自らの判 断で婚姻について戸籍に記載をしたとしても,同項に基づき,被告がその消除を指示する危険や不安が現にある。そのため,「戸籍への記載に よって原告らが互いに相原告と婚姻関係にあるとの公証を受けることができる地位にあること」について,被告との間で確認がされ,この点について被告が拘束されなければ,戸籍への記載によって原告らが互いに相原告と婚姻関係にあるとの公証を受けることができないことに変わりはなく,原告らの危険や不安は除去されない。さらに,被告を当事者と する主位的請求が認容されることで,外国の方式に従って「夫婦が称する氏」を定めないまま婚姻した日本人夫婦について,新たな戸籍を編製すべきか否かなどの戸籍事務の処理基準について被告が定めることが期待される。したがって,上記不服申立ては,原告らの救済手段としては不適切であり,被告との関係で,上記の地位にあることについて確認を する必要がある。 そもそも,戸籍法41条に基づく婚姻証書謄本の提出は,婚姻の報告的届出であって,その受理又は不受理は,婚姻の成否ないし有効性や公証を受ける地位に影響を及ぼすものではなく,また,その不受理に対する不服申立ては,婚姻の成否ないし有効性や公証を受ける地位の有無に ついて審理及び判断をするものでもない の成否ないし有効性や公証を受ける地位に影響を及ぼすものではなく,また,その不受理に対する不服申立ては,婚姻の成否ないし有効性や公証を受ける地位の有無に ついて審理及び判断をするものでもないから,正にこれらが争点となっている主位的請求に代わる司法上の救済とならない。 仮に,本件不受理処分に処分性が認められ,その不服申立てについて,戸籍法122条が行政事件訴訟法(以下「行訴法」という。)1条の「特別の定め」に該当するとしても,婚姻の成否ないし有効性や公証を 受ける地位の有無という重要な実体上及び手続上の法的利益ないし地位の審理及び判断については,憲法82条1項の趣旨である「手続を一般に公開してその審判が公正に行われることを保障する」ため,非公開(家事事件手続法33条)である戸籍法122条に基づく不服申立てではなく,行訴法4条所定の確認の訴えによるべきことは明らかである。 (被告の主張)そもそも,戸籍事務の管掌者でない被告に対し(戸籍法1条1項参照), 戸籍法等に基づき,戸籍への記載によって原告らが互いに相原告と婚姻関係にあるとの公証を受けることができる地位にあることの確認を求める法的根拠は明らかでない。 ところで,主位的請求に係る訴えに関しては,原告らは,千代田区長に対し,本件婚姻届及び本件婚姻証書を提出して本件届出をし,これに対して, 千代田区長は,本件不受理処分をしているというのである。かかる不受理処分について,戸籍法122条は,家庭裁判所に不服の申立てをすることができる旨規定し,さらに,当該手続においては,家庭裁判所が当該不服の申立てを理由があると認めるときは,当該市町村長に対し,相当の処分を命じなければならないとされているのであって(家事事件手続法230条2項), 届出の受理を命 おいては,家庭裁判所が当該不服の申立てを理由があると認めるときは,当該市町村長に対し,相当の処分を命じなければならないとされているのであって(家事事件手続法230条2項), 届出の受理を命ずる審判であれば,その確定後直ちに受理の手続を執って戸籍の記載をしなければならず,戸籍の記載を命ずる審判であれば,これに基づいて戸籍の記載をしなければならないこととされている。そうすると,本件不受理処分のような市町村長の処分に対しては,単に「戸籍への記載によって婚姻関係にあるとの公証を受けることができる地位の確認」にとどまら ず,当該処分の当否を直接の対象とし,更には,家庭裁判所が当該処分を行った市町村長に対して直接的に相当の処分の義務付けをも命じ得る,より救済の実効性の高い戸籍法上の不服申立手続が存在しているのであるから,そのような手続によらず,主位的請求に係る訴えを選択することは適切ではない。 なお,戸籍事件に関する不服申立手続は,その性質上,戸籍事件に常時関与している家庭裁判所の管轄として処理するのが適当であるとの趣旨から,行訴法1条の「他の法律に特別の定めがある場合」として,我が国の法制度上,特別な不服申立ての方法として規定された手続であるから,上記の趣旨からしても,そのような手続によらずに,主位的請求に係る訴えを選択する ことは適切ではない。 ⑵ 争点2(即時確定の利益の有無(確認の利益の有無②)) (原告らの主張)本件では,被告の行為に起因して,以下のとおり,現に,原告らの有する権利又は法的地位に危険又は不安が存在し,これを除去するため被告との間で確認判決を得ることが必要かつ適切といえる。 ア被告は,本件訴訟において,原告らの婚姻の有効性を争って棄却を求め, 原告らは婚 地位に危険又は不安が存在し,これを除去するため被告との間で確認判決を得ることが必要かつ適切といえる。 ア被告は,本件訴訟において,原告らの婚姻の有効性を争って棄却を求め, 原告らは婚姻関係の公証を受けることができる地位にないとの公的見解を明らかにしているから,原告らの地位には現に危険が存在する。 イ婚姻関係にあるとの公証を受けることができないことにより,原告らは,相続関係や後見等の開始の申立て,所得税の課税における配偶者控除等の可否といった場面で不利益を受ける危険や不安がある。 また,遺産分割の調停及び審判や相続税の申告といった婚姻関係の有無が前提問題となる場面において,外国の方式に従って婚姻したことを個別に証明して婚姻関係にある(あった)ものとして取り扱われ,保護を受けられる場合もあるが,個別的な証明活動は負担が大きいだけでなく,一旦第三者等により婚姻関係にあることを争われれば,原告らや関係者は煩雑 な作業ないし手続を強いられることになる。 ウ原告Bは,大阪市所在の米国総領事館において,就労可能な査証を有する原告Aの配偶者として査証を申請した際,戸籍による婚姻関係の証明がないことを理由に,日本人職員から申請書類の受領を拒否された。このときは,原告Bが米国領事に直接電話をして査証の発給を辛うじて受けるこ とができたが,被告が作成する公的書類によって婚姻関係を証明することができない限り,外国において配偶者として取り扱われない事態が生ずる危険や不安がある。 エさらに,原告らは,婚姻関係にあるとの公証を受けることができないため,その一方に突然の事故や病変等が起きた場合に,医療機関におい て,他方が配偶者として診察に立ち会い,入院に同意し,治療の説明を受け,協議するなどの機会が得られな 証を受けることができないため,その一方に突然の事故や病変等が起きた場合に,医療機関におい て,他方が配偶者として診察に立ち会い,入院に同意し,治療の説明を受け,協議するなどの機会が得られない危険や不安がある。 (被告の主張)確認の利益が存在するといえるためには,即時確定の利益が存在することが必要であり,現に,原告らの有する権利又は法的地位に危険又は不安が存在し,これを除去するため被告との間で確認判決を得ることが必要かつ適切であることを要する。 ところが,本件では,原告ら自身,「外国の方式に従って婚姻したことを個別に証明して婚姻関係にある(あった)ものとして取り扱われ,保護を受けられる場合もある」,「第三者等により婚姻関係にあることを争われれば,…煩雑な作業ないし手続を強いられることになる」などと主張するのみであり,このような主張を前提としても,確認判決によって不安が 除去されるべき原告らの利益ないし地位が現実的なものであるとはいい難い。 ⑶ 争点3(戸籍への記載によって婚姻関係にあるとの公証を受けることができる地位の有無)(原告らの主張) ア戸籍法は,婚姻についての情報収集,登録,証明について具体的に規定を設け,その登録ないし公証がされる地位にあるものとして取り扱っており,外国の方式に従って婚姻した日本人夫婦は,戸籍法41条,13条及び10条に基づき,その婚姻について登録ないし公証を受けられる地位にある。 具体的には,「夫婦が称する氏」を定めないまま婚姻した日本人夫婦については,現行法上戸籍の編製等はできないものの,編成事由が記載される「戸籍事項」と身分関係が記載される「身分事項」とは異なるのであって,戸籍の編製等ができないとしても,戸籍法13条に基づき 夫婦については,現行法上戸籍の編製等はできないものの,編成事由が記載される「戸籍事項」と身分関係が記載される「身分事項」とは異なるのであって,戸籍の編製等ができないとしても,戸籍法13条に基づき,戸籍の身分事項の欄に「夫又は妻である旨」及び「婚姻…に関する事項」(戸籍法 13条6号,8号,戸籍法施行規則30条1号,35条4号参照)が記載されなければならない。 この点について敷えん護のための登録ないし公証をするという憲法24条の要請に基づき,あるいは同条の趣旨を実現するものとして制定されているのであって,「夫婦が称する氏」を定めない日本人夫婦の婚姻であっても,その保護のために登録ないし 98条2項により遵守されるべき女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(以下「女子差別撤廃条約」という。)16条2項が規定する「婚姻の登録を義務付けるためのすべての必要な措置」を具体化している制度であり,同項に沿った解釈がされるべきであること,戸籍法は,身分関係の登録ないし公証を正確に行うという戸籍制度の趣旨に沿って合 目的的に解釈されるべきであること,外国で成立した婚姻については,通則法によって婚姻の成立要件について適用されるべき法が定まり,保護される婚姻の範囲が確定した後に戸籍法が作用するのであって,戸籍法が通則法を規律するかのごとき解釈は許されないこと,戸籍法6条本文は,民法750条を受けた規定ではあるが,同条の効力を享受できない日本人 夫婦を婚姻の登録ないし公証という保護を与えるべき範囲から除外するものではないこと,夫婦別氏のまま日本人が外国人と婚姻する場合には,戸籍の編製等がされ(戸籍法6条ただし書,16条3項本文参照),あるいは,昭和59年法律第45号による改正前の戸籍法の下では,実 ものではないこと,夫婦別氏のまま日本人が外国人と婚姻する場合には,戸籍の編製等がされ(戸籍法6条ただし書,16条3項本文参照),あるいは,昭和59年法律第45号による改正前の戸籍法の下では,実務上,戸籍の身分事項の欄に外国人との婚姻事項を記載することとされており, これらの場合と「夫婦が称する氏」を定めないまま日本人同士が婚姻する場合とを区別すべき合理的理由がないこと,婚姻の報告的届出においては,「夫婦が称する氏」を届け出るべき明文の規定はないこと(戸籍法41条参照),戸籍が日本人の公証のための制度である以上,「夫婦が称する氏」について協議が調わない日本人夫婦の婚姻関係の登録ないし公証 をしないのは戸籍の使命を放棄するに等しいことなどからすれば,「夫婦が称する氏」を定めないまま婚姻した日本人夫婦が婚姻関係にあることに ついては,その登録ないし公証を重視し,「夫婦が称する氏」を定める前であっても戸籍に記載されると解すべきである。 イ被告は,戸籍法は,民法が予定する婚姻制度を離れた婚姻関係の公証を予定していない旨主張するが,例えば,重婚は民法で禁止されているものの無効とはされておらず,重婚者が後婚によって氏を変更した場合,前婚 夫婦は別氏でも婚姻関係にあることとなるところ,戸籍実務においては,このような民法750条に反する状態にある前婚の婚姻関係についても公証されるなど,民法が予定していない身分関係について戸籍による公証がされる例がある。 (被告の主張) 戸籍法は,民法の手続的附属法として,民法下の婚姻制度を前提とした規定が置かれているのであって,本件において原告らが公証を求めている別氏婚のような,我が国の民法が想定しない「婚姻関係」なるものを公証することは,およそ予定していない。 民法下の婚姻制度を前提とした規定が置かれているのであって,本件において原告らが公証を求めている別氏婚のような,我が国の民法が想定しない「婚姻関係」なるものを公証することは,およそ予定していない。したがって,そのような公証を受け得る地位ないし権利は法律上保護されているものではなく,かかる地位ないし権利は およそ観念することができないものである。 すなわち,外国に在る日本人同士がその国の方式に従って「夫婦が称する氏」を定めないまました婚姻が,我が国において実体法上有効に成立し得るものであると仮定しても,戸籍法は,このような夫婦について,戸籍に記載する規律を何ら定めておらず,戸籍法に基づき戸籍の記載ができるとする規 定は存しない。戸籍法上,全ての日本人同士の夫婦は,戸籍法6条の定める戸籍の編製基準により,戸籍法16条に基づき夫婦について戸籍の編製等をする必要があるところ,外国の方式に従って「夫婦が称する氏」を定めないまま婚姻したとして,婚姻に関する届出事件の証書の謄本のみを提出した場合には,法定の記載事項である「氏名」が記載できないことから,戸籍の編 製等がされず,戸籍法上,婚姻に関する記載をすることはできない。また,戸籍法16条は,婚姻による戸籍の変動を定める唯一の規定であり,戸籍に 夫婦として記載される者であって同条の適用がないものが存在すると解釈する余地はない。そのため,届出事件に関する証書の謄本のみでは,法定の記載事項を記載することができない場合には,戸籍の記載に必要な事項を申し出させる必要があるとされている(甲5)。したがって,外国の方式に従って婚姻をした別氏婚状態にある夫婦については,戸籍法に基づき戸籍の記載 を求めることはできない。 なお,原告らは,戸籍法13条6号の「夫婦 れている(甲5)。したがって,外国の方式に従って婚姻をした別氏婚状態にある夫婦については,戸籍法に基づき戸籍の記載 を求めることはできない。 なお,原告らは,戸籍法13条6号の「夫婦」には「氏を異にする夫婦」も含まれると主張するようであるが,「氏を異にする夫婦」については民法上及び戸籍法上の根拠がないし,戸籍法6条の「一の夫婦」に含まれないということは,すなわち「夫婦」に含まれないということにほかならない。ま た,原告らは,夫婦別氏のまま外国人と婚姻する場合(同条ただし書参照)について指摘するが,外国人は,元来我が国における民法上の氏を有していないことから,民法750条が適用されることはなく,日本人と外国人配偶者との間に生まれた子の氏に関する規律その他の民法上の規定とそごを来さないものであって,民法が許容していない「氏を異にする夫婦」というもの についての戸籍上の取扱いと同列に論ずることができるものではない。 ⑷ 争点4(被告が作成する証明書の交付によって婚姻関係にあるとの公証を受けることができる地位の有無)(原告らの主張)ア婚姻保護のための登録ないし公証の制度の構築を憲法24条が要請し, 女子差別撤廃条約16条2項が「公の登録所への婚姻の登録を義務付けるためのすべての必要な措置(立法を含む。)がとられなければならない」と定めてこれを具体化しているから,有効に婚姻が成立した全ての日本人は,これらの規定に基づき,婚姻関係にあることが登録され,その公証を受けられる地位にある。 まして,現代社会においては,少子化や晩婚化が進み,「婚姻をするについての自由」の円滑な行使の確保等,婚姻の保護が一層重視されるべき 状況にあるのであるから,戸籍が機能しない状況におい まして,現代社会においては,少子化や晩婚化が進み,「婚姻をするについての自由」の円滑な行使の確保等,婚姻の保護が一層重視されるべき 状況にあるのであるから,戸籍が機能しない状況においては,憲法及び女子差別撤廃条約に基づき,婚姻関係の公証を受けられる地位にあることが明らかにされ,被告において戸籍法の改正その他の救済措置を講じて婚姻保護の本質を全うさせるべき必要性が高まっているといえる。 イ外国の方式に従って「夫婦が称する氏」を定めないまま婚姻した日本人 夫婦について,「夫婦が称する氏」を定めるまでは戸籍への記載ができないと解するとしても,身分関係の証明について,戸籍法は,証明書を交付して行うことを予定しており(戸籍法10条1項参照),法務局等では,婚姻要件具備証明書(いわゆる独身証明書)を発行していることや(甲8参照),公証のための制度である不動産登記や商業登記においても,その 法的事項の証明は,証明書を交付して行うことが予定されていることからすれば(不動産登記法119条1項,商業登記法10条1項),戸籍法10条1項の類推適用ないし準用をして,公証手段として広く利用されている証明書の作成及び交付により,婚姻関係を公証することが相当である。 (被告の主張) ア戸籍法10条1項は,戸籍に記載された事項の証明についての規定であるところ,原告らの戸籍には,原告らが互いに婚姻関係にある旨の記載はされていないから,同項の類推適用ないし準用をする前提を欠く。 そもそも,婚姻及び家族に関する法制度は,その在り方が憲法上一義的には定められておらず,憲法24条2項も,具体的な内容は法律により規 定されることを予定しているのであって,具体的な法制度を離れて,直接,「婚姻関係にあるとの公証を受け の在り方が憲法上一義的には定められておらず,憲法24条2項も,具体的な内容は法律により規 定されることを予定しているのであって,具体的な法制度を離れて,直接,「婚姻関係にあるとの公証を受けることができる地位」なる憲法上の権利ないし法的地位が認められるものではない。すなわち,日本国民の親族的身分関係の登録ないし公証をする法制度としては,戸籍法が規定する戸籍制度が唯一のものであり,同制度を離れて,行政主体が親族的身分関係の 一つである婚姻関係について登録し,公証することは,現行法制度上予定されていない。つまり,予備的請求において確認の対象とされるべき具体 的な公法上の権利ないし法律関係なるものはそもそも存在しない。 イまた,夫婦がいずれも日本人である場合には,本国法である日本法が適用されるところ(通則法24条1項,25条),我が国においては,憲法24条の規定を受けて,実体法である民法において,婚姻及び家族に関する各規定が定められ,また,これを受けて,その手続法である戸 籍法において,各規定が定められている。そして,民法750条は,「夫婦は,婚姻の際に定めるところに従い,夫又は妻の氏を称する」と定めていることから,当該夫婦が互いに相手方と婚姻関係にあるとの我が国における公証を受けることができる地位にあるといえるためには,同条の定める要件を満たす必要がある。 しかしながら,原告らは,「夫婦が称する氏」を定めておらず,民法750条の要件を満たしていないのであるから,原告らが互いに婚姻関係にあるとの我が国における公証を受けることができる地位にあるとはいえない。仮に,原告らの主張が,上記の要件を満たさなくても,原告らが互いに相手方と婚姻関係にあるとの我が国における公証を受ける地 位にあるとする主 ける公証を受けることができる地位にあるとはいえない。仮に,原告らの主張が,上記の要件を満たさなくても,原告らが互いに相手方と婚姻関係にあるとの我が国における公証を受ける地 位にあるとする主張であれば,独自の立法論を述べるものにすぎず,失当である。 ⑸ 争点5(原告らの婚姻の成否)(原告らの主張)ア婚姻の成立の準拠法は,各当事者につきその本国法であり(通則法24 条1項),原告らについては民法が適用されるところ,原告らの婚姻について障害事由(民法731条から738条まで)はなく,実質的成立要件は満たされている。 また,婚姻の方式の準拠法は,婚姻挙行地の法であり(通則法24条2項),原告らの婚姻挙行地はニューヨーク州であるから,ニューヨーク州 家事関係法が定める婚姻の方式に従った原告らの婚姻は,形式的成立要件も満たしている。 したがって,原告らの婚姻は,平成9年12月26日に有効に成立した。 イこれに対して,被告は,民法上,「夫婦が称する氏」を定めることが婚姻の実質的成立要件であると主張するが,いわゆる別姓訴訟大法廷判決(最高裁平成26年(オ)第1023号同27年12月16日大法廷判決・民集69巻8号2586頁。以下「別姓訴訟大法廷判決」という。) が,民法750条について,「婚姻の効力の一つとして夫婦が夫又は妻の氏を称することを定めたものであり,婚姻をすることについての直接の制約を定めたものではない」と判示しているとおり,同条に基づく夫婦同氏の合意が婚姻の実質的成立要件でないことは明らかである。 実務上も,外国の方式に従って「夫婦が称する氏」を定めないまま婚姻 した日本人夫婦について,婚姻が有効に成立したものとして取り扱われている 実質的成立要件でないことは明らかである。 実務上も,外国の方式に従って「夫婦が称する氏」を定めないまま婚姻 した日本人夫婦について,婚姻が有効に成立したものとして取り扱われている。 (被告の主張)通則法24条1項は,婚姻の成立(実質的成立要件)は,各当事者につき,その本国法によるものと定めるところ,本件においては,婚姻の成立(実質 的成立要件)については,原告らの本国法である我が国の民法が適用されることとなる。 そして,民法750条は,「婚姻の際に」,夫婦が称する氏を「定める」と規定して,婚姻当事者において婚姻の際に「夫婦が称する氏」についての合意をすること(協議で定めること)を婚姻の実質的成立要件とした上, 「婚姻の際に定めるところに従い」「称する」として,婚姻の効果として,かかる合意(協議)に従って定められた「夫又は妻の氏」を氏として称すると規定するものである。すなわち,我が国の民法は,我が国の婚姻として夫婦の同氏を厳に定めているのであって,婚姻当事者において婚姻の際に「夫婦が称する氏」についての合意をすること(協議で定めること)を,我が国 における婚姻の実質的成立要件と定めている。 ところが,原告らは,ニューヨーク州において婚姻の方式を履践した際に, 「いずれも,生来の氏を称することを希望し,互いに,相手の意思を尊重した」として,「夫婦が称する氏」を定めていなかったのであるから,原告らの婚姻は,婚姻意思を欠くとともに,我が国における婚姻の実質的成立要件である婚姻当事者において婚姻の際に「夫婦が称する氏」についての合意をすること(協議で定めること)との要件を欠き,我が国において成立してい ない。しかも,原告らにあっては,戸籍法41条1項が定める3か月 姻当事者において婚姻の際に「夫婦が称する氏」についての合意をすること(協議で定めること)との要件を欠き,我が国において成立してい ない。しかも,原告らにあっては,戸籍法41条1項が定める3か月を徒過した平成30年6月になって本件婚姻証書を提出するとともに本件婚姻届を提出しているが,その際にも「夫婦が称する氏」を明らかにしておらず,いまだ我が国において婚姻が成立していない状況にあるというべきである。 ⑹ 争点6(立法不作為の違法の有無等) (原告らの主張)被告は,外国の方式に従って婚姻した日本人夫婦については,婚姻証書の謄本を提出させて婚姻したことを把握するが,婚姻後も双方が生来の氏を名乗り続けることを希望し,「夫婦が称する氏」について協議が調わない日本人夫婦については,法的には婚姻関係にあるにもかかわらず,婚姻関係にあ ることを戸籍によって公証することができない。 婚姻をするについての自由は,憲法24条1項の規定の趣旨に照らし,十分尊重に値する(最高裁平成25年(オ)第1079号同27年12月16日大法廷判決・民集69巻8号2427頁)ところ,この自由を行使した結果である婚姻関係を公証することは,法制度としての婚姻制度の本質の一つ であるから,有効な婚姻をした日本人の全てを対象とした婚姻関係の公証制度を設けることは,同条の要請である。 婚姻関係の公証制度の設計につき,国会に合理的な立法裁量があるとしても,婚姻関係にある一部の者について制度の対象としないという点に立法裁量はない。そうであるにもかかわらず,被告は,外国の方式に従って「夫婦 が称する氏」を定めないまま婚姻した日本人夫婦について,婚姻関係を公証する規定を戸籍法に設けていないから,その立法不作為は,憲法24条に違 かわらず,被告は,外国の方式に従って「夫婦 が称する氏」を定めないまま婚姻した日本人夫婦について,婚姻関係を公証する規定を戸籍法に設けていないから,その立法不作為は,憲法24条に違 反する。 被告は,遅くとも昭和25年にはこのような立法不作為があることを把握していたが(甲5),現在まで何らの立法的手当も講じていない。 したがって,外国の方式に従って「夫婦が称する氏」を定めないまま婚姻した日本人夫婦の婚姻関係の公証について法の欠缺を放置してきた被告の立 法不作為は,憲法24条に違反するものであることが明白であるにもかかわらず,国会が正当な理由なく長期にわたってその改廃等の立法措置を怠ってきたものとして,国賠法1条1項の適用上違法である。 原告らは,被告の立法不作為により,戸籍により婚姻関係の公証を受けることができないという損害を被っており,その精神的苦痛を慰謝するには少 なくとも各10万円を要する。 (被告の主張)ア国会議員の立法不作為が国賠法1条1項の適用上違法となるのは,法律の規定が憲法上保障され又は保護されている権利利益を合理的な理由なく制約するものとして憲法の規定に違反するものであることが明白であるに もかかわらず,国会が正当な理由なく長期にわたってその改廃等の立法措置を怠る場合等,国会議員の立法過程における行動が職務上の法的義務に違反したと認められる場合である。 イそもそも,憲法24条2項は,婚姻及び家族に関する法制度の構築に当たって,個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚すべきであるとする要請, 指針を示すものであるから,具体的な立法を待つことなく,個々の国民に対し,裁判規範として機能する権利を保障するものではなく,また,戸籍に代わる証明手段として夫婦が互いに きであるとする要請, 指針を示すものであるから,具体的な立法を待つことなく,個々の国民に対し,裁判規範として機能する権利を保障するものではなく,また,戸籍に代わる証明手段として夫婦が互いに婚姻関係にあるとの公証を受けることができる法制度といった,具体的な特定の内容の法制度を設けることを要請しているものでもない。したがって,同条は,民法の定める要件を満 たさなくても,夫婦が互いに婚姻関係にあるとの我が国における公証を受けることができるとする法制度を設けることを要請しているものではない から,そのような法制度が設けられていないことは,同条に違反するものではない。 また,我が国では,憲法24条の規定を受けて,実体法である民法において婚姻及び家族に関する各規定が定められ,また,これを受けて民法の手続法である戸籍法において,民法の規律に対応する各規定が定められて いる。そして,戸籍法は,民法の趣旨を適法に具体化し,民法の定める身分関係を公証するための手続的附属法であり,同条も戸籍法も,民法750条の定める夫婦同氏制の制度的枠組みの外にある婚姻関係について,戸籍法に基づく公証を受け得る地位ないし権利なるものを保護するものではない。 そうすると,民法750条の要件を満たさなくても,夫婦が互いに婚姻関係にあるとの我が国における公証を受けることができるとする法制度が設けられていないことは,憲法上保障され又は保護されている権利利益を合理的な理由なく制約するものとして憲法の規定に違反するものであることが明白であるにもかかわらず,国会が正当な理由なく長期にわたってそ の改廃等の立法措置を怠っているとはいえないから,国賠法1条1項の違法性があるとはいえない。 第3 当裁判所の判断 1 争点 白であるにもかかわらず,国会が正当な理由なく長期にわたってそ の改廃等の立法措置を怠っているとはいえないから,国賠法1条1項の違法性があるとはいえない。 第3 当裁判所の判断 1 争点5(原告らの婚姻の成否)について本件事案の内容に鑑み,本案前の争点に先立って,争点5(原告らの婚姻の 成否)について検討する。 ⑴ 婚姻の成立及び方式に関し,通則法24条1項は,「婚姻の成立は,各当事者につき,その本国法による」と定め,同条2項は,「婚姻の方式は,婚姻挙行地の法による」と定めている。 そして,原告らは,社会通念上夫婦であると認められる関係の設定を欲す る意思を有して(甲17,18,弁論の全趣旨),前記前提事実のとおり,ニューヨーク州において,ニューヨーク州法所定の婚姻の方式に従い,婚姻 を挙行したものと認められるのであって,婚姻の成立に関し,原告らの本国法である民法上の実質的成立要件(民法731条から737条まで)にも欠けるところは認められないから,民法750条の定める婚姻の効力が発生する前であっても,原告らの婚姻自体は,有効に成立しているものと認められる。 ⑵ この点に関し,被告は,原告らが「夫婦が称する氏」を定めていないため,我が国において婚姻が成立していない旨主張する。しかしながら,通則法24条2項は,婚姻の方式は,婚姻挙行地の法によると定めているのであって,また,戸籍法41条は,外国に在る日本人が,その国の方式に従って,婚姻を含む届出事件に関する証書を作らせたときは,3か月以内にそ の国に駐在する日本の大使その他所定の機関にその証書の謄本を提出し,又は発送しなければならない旨定めて,報告的届出について規定しているのであるから,婚姻挙行地である外国の方式に従って,「夫婦 の国に駐在する日本の大使その他所定の機関にその証書の謄本を提出し,又は発送しなければならない旨定めて,報告的届出について規定しているのであるから,婚姻挙行地である外国の方式に従って,「夫婦が称する氏」を定めることなく婚姻が挙行されることは,当然に想定されているということができる。そして,そのような場合にも,通則法24条2項が定めら れている以上,本国法の定める実質的成立要件を満たす限り,婚姻自体は成立しているものと解するほかないのであるから,被告の上記主張は採用することができない。 すなわち,民法750条は,婚姻の効力を定めた規定であるところ(別姓訴訟大法廷判決参照),我が国においては,婚姻の際に「夫婦が称する氏」 を定めて届け出ることが法律上要求されているのに対し(民法739条1項,戸籍法74条1号),外国に在る日本人がその国の方式に従って婚姻をする場合においては,婚姻の際に「夫婦が称する氏」を定めることが必ずしも法律上要求されていないから,婚姻の挙行時に「夫婦が称する氏」が定められていない場合もあり得るのであって,そのような場合には,「夫婦が称する 氏」が定められて婚姻による夫婦同氏の効力が発生する(通則法25条,民法750条)までの間に,少なくとも一定の時間的間隔が生ずることは避け 難いといえる。このように,通則法24条2項は,外国に在る日本人が「夫婦が称する氏」を定めることなく婚姻することを許容しているものと解さざるを得ないのであり,そのような場合であっても,その婚姻は我が国において有効に成立しているというほかない(なお,戸籍実務上,戸籍法41条に基づく報告的届出の際には,「夫婦が称する氏」を届け出なければならない が,この「夫婦が称する氏」については,婚姻の際に合意がされたことを証 ているというほかない(なお,戸籍実務上,戸籍法41条に基づく報告的届出の際には,「夫婦が称する氏」を届け出なければならない が,この「夫婦が称する氏」については,婚姻の際に合意がされたことを証明する必要はないとの取扱いがされており(昭和42年3月27日民事甲第365号。甲15),婚姻の挙行時に「夫婦が称する氏」を定めていない場合であっても,戸籍には,婚姻の挙行時に婚姻が成立した旨の記載がされることになる。)。 ⑶ したがって,以下では,原告らの婚姻が有効に成立していることを前提に検討することとする。 2 争点1(方法選択の適否(確認の利益の有無①))について⑴ 確認の訴えは,確認の対象となり得るものが形式的には無限定である上,その判決には既判力が認められるのみであるから,紛争について,権利又は 法的地位の確認という解決手段が有効適切に機能するかという実効性及び解決を必要とする紛争が現実に存在するかという現実的必要性の観点から,確認の利益の存在が必要であると解すべきである。そして,確認の利益を必要とする趣旨がこのようなものであることからすれば,確認の利益があるといえるためには,原告の権利又は法的地位に危険や不安が現に存し,その危険 や不安を除去するために確認の訴えが有効かつ適切な手段といえることが必要であると解すべきである。そして,この理は,公法上の法律関係に関する確認の訴えにおいても異なるものではないと解される。 ⑵ 原告らは,主位的請求において,行訴法4条の公法上の法律関係に関する確認の訴えとして,戸籍への記載によって婚姻関係にあるとの公証を受ける ことができる地位にあることの確認を求めている。 この点に関し,前記前提事実のとおり,原告らは,本件訴えの提起に先立 ,戸籍への記載によって婚姻関係にあるとの公証を受ける ことができる地位にあることの確認を求めている。 この点に関し,前記前提事実のとおり,原告らは,本件訴えの提起に先立 ち,千代田区長に対し,本件婚姻届及び本件婚姻証書を提出して本件届出をし,これに対して,千代田区長は,本件不受理処分をしている。戸籍法上,婚姻の届出によらずに婚姻関係が戸籍に記載されることは予定されていないと解される(戸籍法15条,16条,40条,41条参照)ことを踏まえれば,主位的請求は,結局のところ,本件不受理処分により,本件届出が受理 されず,原告らの戸籍の編製等その他の戸籍への記載(身分事項の欄への記載も含む。)がされなかったことを不服として,戸籍への記載によって婚姻関係にあるとの公証を受けることができる地位にあること,すなわち,公証の給付を請求することができることの確認を求めるものというべきである。 そして,本件不受理処分のような戸籍事件に関する市町村長(戸籍法4条 により特別区の区長に準用される。以下同じ。)の処分に対しては,戸籍法122条に基づき,家庭裁判所に不服の申立てをすることができ,家庭裁判所は,当該不服の申立てを理由があると認めるときは,当該市町村長に対し,相当の処分を命じなければならない(家事事件手続法230条2項)とされているのであって,市町村長に相当の処分を命ずる審判が確定すると,当該 市町村長は,審判の命ずるところに従って是正の措置を講じなければならない。具体的には,届出等を受理すべき旨を命ずる審判であれば,市町村長は直ちに受理の手続を執らなければならないし(なお,婚姻の届出が受理されれば,戸籍の編製等がされ(戸籍法16条),婚姻関係が表示される(戸籍法13条6号)。),戸籍の記載を命ずる審判であ ,市町村長は直ちに受理の手続を執らなければならないし(なお,婚姻の届出が受理されれば,戸籍の編製等がされ(戸籍法16条),婚姻関係が表示される(戸籍法13条6号)。),戸籍の記載を命ずる審判であれば,市町村長はその審 判に基づいて戸籍の記載をしなければならないと解される。そうすると,原告らは,本件不受理処分に対する不服の申立てを通じて,婚姻関係が戸籍に記載され,戸籍の謄本等の交付を請求することもできる(戸籍法10条1項)ようになり得るのであって,これにより,戸籍への記載によって婚姻関係にあるとの公証を受けるという目的を達成することができるのであるから,主 位的請求については,戸籍への記載によって婚姻関係にあるとの公証を受けることができる地位にあることの確認よりも,上記の不服の申立てによる方 がより有効で適切であることは明らかである。 したがって,戸籍への記載によって婚姻関係にあるとの公証を受けることができる地位の確認を求めることは,紛争の解決に有効かつ適切であるとは認められないから,争点2及び3について判断するまでもなく,原告らの主位的請求に係る訴えは,確認の利益を欠き,不適法である。 ⑶ これに対して,原告らは,本件不受理処分に対する不服の申立ては,婚姻の成否ないし有効性や公証を受ける地位の有無について審理及び判断をするものではないから,主位的請求に代わる司法上の救済とならないし,そのような重要な実体上及び手続上の法的利益ないし地位の審理及び判断については,公開の手続である公法上の法律関係に関する確認の訴えによるべきであ る旨主張する。 しかしながら,戸籍の記載は,人の身分関係を形成したり,確定したりする効力のあるものではないところ(乙26参照),主位的請求は,その請求の 確認の訴えによるべきであ る旨主張する。 しかしながら,戸籍の記載は,人の身分関係を形成したり,確定したりする効力のあるものではないところ(乙26参照),主位的請求は,その請求の趣旨から明らかなように,戸籍への記載によって公証を受けることができる地位を確認の対象とするものであって,原告らの婚姻の成否ないし有効性 を直接の確認の対象とするものではない。そして,前述のとおり,戸籍法上,婚姻の届出によらずに婚姻関係が戸籍に記載されることは予定されていないと解されるのであるから,戸籍への記載に関する不服は,その前提となる届出の不受理処分を対象とすべきであって,本件不受理処分に対する不服の申立てという,より適切な手続によってその目的を達成することができるにも かかわらず,一般的抽象的に戸籍への記載によって婚姻関係にあるとの公証を受けることができる地位の確認を求める訴えは,確認の利益を欠き不適法であるというほかないことは上記⑵において説示したとおりである。また,主位的請求において確認の対象とされているのは,戸籍への記載によって公証を受けることができる地位であるところ,戸籍法122条は,戸籍事件に ついての不服の申立てに関しては,行政事件訴訟の方法による救済よりも,戸籍事件に係る事柄にふさわしい態勢を備えて常時関与している家庭裁判所 による救済の方が適切であるとの立法政策上の判断の下に定められたものであることからしても,これを公開の手続である公法上の法律関係に関する確認の訴えにより判断しなければならないとは解されない。したがって,原告らの上記主張は採用することができない。 3 争点2(即時確定の利益の有無(確認の利益の有無②))について ⑴ 前記2⑴において説示したとおり,確認の訴えには確認の れない。したがって,原告らの上記主張は採用することができない。 3 争点2(即時確定の利益の有無(確認の利益の有無②))について ⑴ 前記2⑴において説示したとおり,確認の訴えには確認の利益の存在が必要であり,確認の利益があるといえるためには,原告の権利又は法的地位に危険や不安が現に存し,その危険や不安を除去するために確認の訴えが有効かつ適切な手段といえることが必要であると解すべきである。 この点につき,原告らは,被告による公証を受けられないことにより,各 種手続等の際に婚姻関係の証明が煩雑であることや,課税等の場面で不利益を受ける危険や不安があることなどを主張するが,いずれも事実上の不便や将来の抽象的な危険等をいうにとどまるものであり,また,事後的に争ったのでは回復し難い損害を被るおそれがあるなどの特段の事情も認められないから,原告らの主張によっても,原告らの権利又は法的地位に危険や不安が 現に存するということは困難であって,原告らが,「被告が作成する証明書の交付によって婚姻関係にあるとの公証を受けることができる地位にあること」を確認することにつき,確認の利益があるということはできない。 更にいえば,原告らは,民法750条に基づき「夫婦が称する氏」を定めなければならないものの,現段階では協議が調わない旨述べるところ(甲1 8,弁論の全趣旨),同条の規定が憲法24条等に違反しないと解されること(別姓訴訟大法廷判決参照)を踏まえると,このような事情は,原告らの内部的事情にとどまるものといわざるを得ないのであり,「夫婦が称する氏」を定めて戸籍の編製等を求めるにつき何ら客観的な障害は見当たらないのであって,前記1において説示したとおり,原告らの婚姻は有効に成立してい る以上,原告らは,「夫婦が称する氏」 婦が称する氏」を定めて戸籍の編製等を求めるにつき何ら客観的な障害は見当たらないのであって,前記1において説示したとおり,原告らの婚姻は有効に成立してい る以上,原告らは,「夫婦が称する氏」を定めて届け出さえすれば,戸籍の編製等(戸籍法16条1項)を経て,戸籍の謄本等の交付を請求することが できるようになる(戸籍法10条1項)のであるから,原告らの主張する危険や不安を除去するために,「被告が作成する証明書の交付によって婚姻関係にあるとの公証を受けることができる地位にあること」を確認することが,有効かつ適切な手段であるということはできない。 ⑵ したがって,争点4について判断するまでもなく,原告らの予備的請求⑴ に係る訴えは,確認の利益を欠き,不適法である。 4 小括以上によれば,原告らの地位の確認の訴え(主位的請求及び予備的請求⑴)は,いずれも不適法であり,却下を免れない。 5 争点6(立法不作為の違法の有無等)について ⑴ 国賠法1条1項は,国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が個々の国民に対して負担する職務上の法的義務に違反して当該国民に損害を加えたときに,国又は公共団体がこれを賠償する責任を負うことを規定するものであるところ,国会議員の立法行為又は立法不作為が同項の適用上違法となるかどうかは,国会議員の立法過程における行動が個々の国民に 対して負う職務上の法的義務に違反したかどうかの問題であり,立法の内容の違憲性の問題とは区別されるべきものである。そして,上記行動についての評価は原則として国民の政治的判断に委ねられるべき事柄であって,仮に当該立法の内容が憲法の規定に違反するものであるとしても,そのゆえに国会議員の立法行為又は立法不作為が直ちに同項の適用上違法の評価 則として国民の政治的判断に委ねられるべき事柄であって,仮に当該立法の内容が憲法の規定に違反するものであるとしても,そのゆえに国会議員の立法行為又は立法不作為が直ちに同項の適用上違法の評価 を受けるものではない。 もっとも,法律の規定が憲法上保障され又は保護されている権利利益を合理的な理由なく制約するものとして憲法の規定に違反するものであることが明白であるにもかかわらず,国会が正当な理由なく長期にわたってその改廃等の立法措置を怠る場合等においては,国会議員の立法過程における行動が 上記職務上の法的義務に違反したものとして,例外的に,その立法不作為は,国賠法1条1項の規定の適用上違法の評価を受けることがあるというべきで ある(最高裁昭和53年(オ)第1240号同60年11月21日第一小法廷判決・民集39巻7号1512頁,最高裁平成13年(行ツ)第82号,第83号,同年(行ヒ)第76号,第77号同17年9月14日大法廷判決・民集59巻7号2087頁,前掲最高裁平成25年(オ)第1079号同27年12月16日大法廷判決参照)。 ⑵ 原告らは,有効な婚姻をした日本人の全てを対象とした婚姻関係の公証制度を設けることは,憲法24条の要請であるにもかかわらず,被告は,外国の方式に従って「夫婦が称する氏」を定めないまま婚姻した日本人夫婦について婚姻関係を公証する規定を戸籍法に設けていないから,法の欠缺を放置してきた被告の立法不作為は,同条に違反するものであることが 明白である旨主張する。 しかしながら,日本人同士の婚姻の場面では民法750条が適用され,原告らも同条の合憲性については争っていないところ,戸籍法は,同条の定める夫婦同氏制を戸籍手続に反映し,その実効性を保つため,原則として氏を同じくする夫婦及び子を戸 場面では民法750条が適用され,原告らも同条の合憲性については争っていないところ,戸籍法は,同条の定める夫婦同氏制を戸籍手続に反映し,その実効性を保つため,原則として氏を同じくする夫婦及び子を戸籍の編製の単位とし(6条),婚姻の届出があっ たときは,夫婦について戸籍の編製等をした上(16条1項),戸籍に記載した事項を公証する(10条1項)ことなどを定めているのであって,民法750条の規定が憲法24条に違反しないと解されること(別姓訴訟大法廷判決参照)に照らすと,外国の方式に従って「夫婦が称する氏」を定めないまま婚姻した日本人夫婦が民法750条により婚姻の効力として定めなけれ ばならないこととされている「夫婦が称する氏」を定めるまでの間の暫定的な状態の婚姻関係について,戸籍法がこれを公証するための規定を設けていないとしても,上記の婚姻関係に対する合理的な理由のない制約であるということはできない。 なお,原告らが指摘するように,外国の方式に従って「夫婦が称する氏」 を定めないまま婚姻した日本人夫婦について,戸籍の編製等をすることなく従前戸籍のまま身分事項の欄に婚姻関係を記載する方法があり得るとしても, そもそも,そのような婚姻の状態は民法750条に整合しないのであって,同条の定める婚姻の効力が発生する前の暫定的な状態の婚姻関係についてまで公証を可能にするかどうかは,立法裁量の範囲内であるといわざるを得ず,仮にこれを可能とするとしても,その後の夫婦の戸籍の編製手続や,戸籍を異にする夫婦間に出生した子の氏や戸籍をどう定めるかについては改めて検 討を要するのであり,上記のような方法を認めるためには,戸籍法その他の関係法令についても改正の要否を検討する必要があると考えられる。 そうすると,民法750条の規定が めるかについては改めて検 討を要するのであり,上記のような方法を認めるためには,戸籍法その他の関係法令についても改正の要否を検討する必要があると考えられる。 そうすると,民法750条の規定が憲法24条に違反しないと解される以上,これを戸籍手続に反映し,その実効性を保つための戸籍法の規定も同様に同条に違反しないと解され,外国の方式に従って「夫婦が称する氏」を定 めないまま婚姻した日本人夫婦が,民法750条の要請に従って「夫婦が称する氏」を定めるまでの間の暫定的な状態の婚姻関係について,各種手続等の際に婚姻関係の証明が煩雑であることなど原告らの主張するような不利益が生じているとしても,これに対処するため,立法措置を採るか否か,立法措置を採るとしてその内容をどのようなものと定めるかは,国会の立法裁量 に委ねられた問題であって,この点につき憲法24条により裁量の限界が画されるか否かを論じる余地はないというべきである。したがって,原告らの主張するように,外国の方式に従って「夫婦が称する氏」を定めないまま婚姻した日本人夫婦について婚姻関係を公証する規定が戸籍法に設けられていないとしても,同条の規定に違反するものであることが明白であると評価す ることはできないから,原告らの主張する立法不作為は,国賠法1条1項の適用上違法の評価を受けるものではないというべきである。 ⑶ 以上によれば,原告らの被告に対する国家賠償請求は,いずれも理由がなく棄却すべきものである。 第4 結論 よって,本件訴えのうち地位の確認に係る部分はいずれも不適法であるから,これらを却下し,原告らのその余の請求はいずれも理由がないから,これら を棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第3部 いずれも不適法であるから,これらを却下し,原告らのその余の請求はいずれも理由がないから,これらを棄却することとして,主文のとおり判決する。 主文 東京地方裁判所民事第3部 裁判長裁判官市原義孝 裁判官邊見育子 裁判官中野晴行は,差し支えのため,署名押印することができない。 裁判長裁判官市原義孝
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