昭和55(オ)1072 認知

裁判年月日・裁判所
昭和57年3月19日 最高裁判所第二小法廷 判決 破棄差戻 大阪高等裁判所 昭和55(ネ)469
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【DRY-RUN】主    文      原判決を破棄する。      本件を大阪高等裁判所に差し戻す。          理    由  上告代理人河本光平の上告理由について  原審が確定したところによれば、(1) 

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判決文本文1,554 文字)

主文 原判決を破棄する。 本件を大阪高等裁判所に差し戻す。 理由 上告代理人河本光平の上告理由について原審が確定したところによれば、(1) 訴外D(以下「D」という。)と、訴外E(以下「E」という。)とは、昭和四九年三月中旬から内縁関係にあつたものであるところ、Eは昭和五〇年一一月初めに出奔して行方不明となつたが、Dは、昭和五一年二月一〇日上告人を出産したので、同年二月二三日、自己が保管していたEの署名、捺印のある婚姻届とみずからE名義で作成した上告人の出生届とを京都市左京区役所に提出し、その結果、上告人が戸籍上EとDとの間の嫡出子として記載された、(2) その後、Dは、Eの親族の了解を得て協議離婚届出をし、更に、上告人につき母の氏を称する旨の届出をしたことにより、上告人はDの戸籍に入籍されることとなつた、(3) ところが、昭和五三年一二月初め頃、新潟県警東署からの身許照会により、Eが昭和五〇年一一月一日頃に死亡したことが確認されたところから、前記婚姻届、出生届、協議離婚届等上告人に関するすべての届出の無効を理由とした戸籍訂正許可の審判に基づいて戸籍が訂正された結果、上告人とEとは戸籍上父子関係が存在しないこととなつた、(4) Dは、上告人の法定代理人として、昭和五四年五月二四日本件訴えを提起した、というのである。 原審は、右事実関係に基づいて、本件訴えは、Eの死亡後三年を経過して提起されたもので、民法七八七条但書の出訴期間を徒過した不適法な訴えであるとの理由で、これを却下した。 しかしながら、前記事実関係によれば、Eの死亡の事実がDらに判明したのは、その死亡の日から既に三年一か月を経過したのちであり、その間、上告人は戸籍上- 1 -E、D夫婦間の嫡出子としての身分を取得して しながら、前記事実関係によれば、Eの死亡の事実がDらに判明したのは、その死亡の日から既に三年一か月を経過したのちであり、その間、上告人は戸籍上- 1 -E、D夫婦間の嫡出子としての身分を取得していたのであるから、上告人又はDがEの死亡の日から三年以内に認知の訴えを提起しなかつたことはやむをえなかつたものということができ、しかも、仮に右認知の訴えを提起したとしてもその目的を達することができなかつたことに帰するところ、このような場合にも、民法七八七条但書所定の出訴期間を徒遇したものとしてもはや認知請求を許さないとすることは、認知請求権者に酷に失するものというべきである。右出訴期間を定めた法の目的が身分関係の法的安定と認知請求権者の利益保護との衡量調整にあることに鑑みると、本件の前記事実関係のもとにおいては、他に特段の事情が認められない限り、右出訴期間は、Eの死亡が客観的に明らかになつた昭和五三年一二月初め頃から起算することが許されるものと解するのが相当である。そして、本件訴えが昭和五四年五月二四日に提起されたものであることは前記のとおりである。しかるに、原判決が他に特段の事情を認めるべき事実を確定しないで本件訴えにつき出訴期間を徒過した不適法なものとしてこれを却下したのは、同条但書の解釈適用を誤つたものというべく、その誤りは判決に影響を及ぼすことが明らかであつて、論旨は結局理由があるから、原判決は破棄を免れない。そして、本件については、更に審理を尽くす必要があるから、これを原審に差し戻すのが相当である。 よつて、民訴法四〇七条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官栗本一夫裁判官木下忠 一致の意見で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官栗本一夫裁判官木下忠良裁判官鹽野宜慶裁判官宮崎梧一裁判官大橋進- 2 -

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