平成25(ワ)5819 標章等使用差止等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成26年5月22日 東京地方裁判所
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平成26年5月22日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成25年(ワ)第5819号標章等使用差止等請求事件口頭弁論の終結の日平成26年4月24日判決東京都文京区<以下略>原告株式会社ベル・ジュバンスエージェンシー同訴訟代理人弁護士野 邊 寛太郎村 岡 みち代東京都世田谷区<以下略>被告有限会社ウエルフェア研究所同訴訟代理人弁護士阿部 博小川憲久追川道代主文 1 被告は,別紙標章目録記載の標章を添付した別紙製品一覧表記載の製品及び梱包材等(容器を含む。)を販売してはならない。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求主文第1項と同旨第2 事案の概要本件は,原告が,被告に対し,原告と被告との間の取引基本契約に基づき,別紙標章目録記載の標章(以下「本件標章」という。)を添付した別紙製品一覧表記載の製品及び梱包材等の販売の差止めを求める事案である。 1 前提事実(当事者間に争いがないか,後掲各証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)(1) 原告(旧商号株式会社ソシエテヤマザキ)と被告は,平成19年5月31日,以下の約定で,被告が原告からの発注を受けて別紙製品一覧表記載の製品(以下「ベル・ジュバンス製品」という。)を製造し,原告に納品することを内容とする取引基本契約(以下「本件基本契約」という。)を締結した(甲4)。 ア本件基本契約の対象となるベル・ジュバンス製品は,別紙のとお ジュバンス製品」という。)を製造し,原告に納品することを内容とする取引基本契約(以下「本件基本契約」という。)を締結した(甲4)。 ア本件基本契約の対象となるベル・ジュバンス製品は,別紙のとおりとする(2条)。 イベル・ジュバンス製品の仕様については,原告及び被告は,別途協議し,仕様確認書において定める(3条1項)。 ウ被告は,ベル・ジュバンス製品及び梱包材等に,原告の指定する商標(以下「原告指定商標」という。)を,原告の指定する態様及び方法で添付する(5条1項)。 エ被告は,3条の仕様に基づき製造されたベル・ジュバンス製品,並びに原告指定商標が添付されたベル・ジュバンス製品及び梱包材等を,原告以外の第三者に対して販売しないものとし,原告指定商標を本件基本契約以外のために使用してはならない(5条2項)。 オ被告は,自ら開発した商品に,原告指定商標を付して販売しようとするときは,原告に対し書面にて申入れをし,原告の書面による承諾を得なければならない(5条3項)。 カ本件基本契約の解除又は終了後といえども,5条(商標)等は継続して効力を有するものとする(17条)。 (2) 原告は,本件標章を添付したものを含む別紙1記載の容器のデザインを被告に交付し,被告は,原告に対し,本件基本契約に基づき,平成19年5月31日ころから平成24年5月31日までの間,別紙1記載のとおり,本 件標章等を添付したベル・ジュバンス製品を納品していた。 (3) 被告は,平成24年3月14日,原告に対し,本件基本契約を同年5月31日をもって終了させる旨通知し,原告がこれを了承したため,本件基本契約は同日をもって終了した。 (4) 被告は,平成24年10月ころから現在に至るまで,別紙2記載のとおり,上段に本件標章を配置し,下段に横書き 了させる旨通知し,原告がこれを了承したため,本件基本契約は同日をもって終了した。 (4) 被告は,平成24年10月ころから現在に至るまで,別紙2記載のとおり,上段に本件標章を配置し,下段に横書きした「WELFARE」の欧文字を配置した標章(以下「被告標章」という。)を添付したシャンプー等(以下「被告商品」という。)の製造,販売をしている。 (5) 被告は,本件標章を含む別紙3記載の各商標権を有している。 2 争点本件の主たる争点は,本件基本契約にいう原告指定商標の意味であり,これに関する当事者の主張は,次のとおりである。 (1) 原告本件基本契約において原告が被告に対して添付を指示したのは,別紙1記載の容器のデザインから明らかなとおり,本件標章である。別紙1記載のベル・ジュバンス製品のボトルは原告がデザインし,ボトルに添付する標章は原告が指定したものである。そうであるから,原告は,ボトルデザインによって,原告指定商標を本件標章と指定したというべきである。 被告商品に付されている被告標章は,本件標章の下に「WELFARE」の文字が入っているだけで,一見して明らかに本件標章と同一のものであることがわかる。 もともとベル・ジュバンスという名称や本件標章のデザインを考案したのは原告代表者の母であるAとその夫であったBである。被告は,Aから委託され,下請けとしてベル・ジュバンス製品の製造,販売を行い,別紙3記載の各商標権を管理していたに過ぎない。このような経緯からすれば,原告が,被告との間で,ボトルデザイン全体を原告指定商標とし,これと異なってさ えいれば被告が自由に本件標章を利用できるという内容の契約を締結するはずがない。 (2) 被告原告と被告との間で本件基本契約を締結した際,原告指定商標がいかなる標章を指す なってさ えいれば被告が自由に本件標章を利用できるという内容の契約を締結するはずがない。 (2) 被告原告と被告との間で本件基本契約を締結した際,原告指定商標がいかなる標章を指すかという点については取り決めがなかった。被告は,別紙3記載の各商標権を有しており,本件標章は被告が有する商標権に係る登録商標である。本件標章をデザインしたのは被告の先代代表者であるCである。 本件標章を登録商標とする商標権を有する被告が原告に専用使用権を設定するに等しい重大な制約を容認するはずがなく,現に原告指定商標を特定する書面を当事者間で取り交わした事実もないことからすれば,原告指定商標とは,被告の有する別紙3記載の各登録商標ではあり得ず,本件標章ではない。これは,別紙1のベル・ジュバンス製品のカタログに,本件標章が全く付されていない製品が含まれていることからも明らかである。そうであるから,原告指定商標とは,ベル・ジュバンス製品のロゴとボトルデザインが一体となった標章である。別紙1記載の原告指定商標と別紙2記載の被告商品のボトルデザインとは全く異なるから,本件基本契約によって被告商品の販売が制約されるいわれはない。 第3 当裁判所の判断 1 本件基本契約5条2項及び17条によれば,被告は,原告に対し,本件基本契約終了後においても,原告指定商標を本件基本契約以外のために使用してはならない義務を負っているところ,これは,被告が原告指定商標を本件基本契約に基づく製品以外に使用することによってベル・ジュバンス製品との混同が生じるのを防ぐことを目的とする趣旨であると解される。そして,証拠(甲4)によれば,本件基本契約につき作成された取引基本契約書には,原告を甲とし,被告を乙として,5条1項に,「乙は,本製品及び梱包材等に,甲の指定する商標(以 る趣旨であると解される。そして,証拠(甲4)によれば,本件基本契約につき作成された取引基本契約書には,原告を甲とし,被告を乙として,5条1項に,「乙は,本製品及び梱包材等に,甲の指定する商標(以下「本件商標」という。)を,甲の指定する態様及び方法で添付す る。」旨,5条2項に,「乙は,・・・本件商標を本基本契約以外のために使用してはならない。」旨が記載されていると認められるところ,これらの文言に照らすと,本件基本契約にいう原告指定商標とは,別紙1記載のベル・ジュバンス製品の各容器に付された標章を指すものと解するのが相当であり,これはベル・ジュバンス製品の過半数に付されている本件標章を含むものである。 そして,被告商品に付された被告標章は本件標章を含んでいるところ,これに接した需要者がその全体を一体のものとして感得するとまでは考え難く,これを被告製品に使用することによってベル・ジュバンス製品との混同が生じるということができるから,原告は,被告に対し,本件基本契約5条2項及び17条に基づき,本件標章を添付した被告商品等の販売を差し止めることができる。 2 被告は,本件標章を登録商標とする商標権を有する被告が原告に専用使用権を設定するに等しい重大な制約を容認するはずがない旨主張する。しかしながら,被告が,A及び原告との間で,「甲三(被告)は,『ベル・ジュバンス』,『BELLE・JOUVENCE』の文字等につき商標権を所有しているが,右文字及び呼称は昭和39年ごろ甲一(A)がその発想企画にかかる化粧品につき発案創始したものである。その後,同年甲三(被告)は甲一(A)及び株式会社美好屋商店の依頼により,製造権及び,商標権を取得した。」との平成8年5月14日付け覚書を交わしたこと(甲3)などからすれば,被告が商標権者であることは前 ,同年甲三(被告)は甲一(A)及び株式会社美好屋商店の依頼により,製造権及び,商標権を取得した。」との平成8年5月14日付け覚書を交わしたこと(甲3)などからすれば,被告が商標権者であることは前記認定に係る本件基本契約の解釈を左右するものではないし,そもそも,商標権者といえども自ら締結した標章の使用を制限する内容の契約には拘束されるというべきである。被告の上記主張は,採用することができない。 また,被告は,原告指定商標は,本件基本契約2条,3条1項の別紙及び仕様確認書記載の製品に添付されたものを指すところ,本件基本契約には対象製品を定めた別紙や仕様確認書がないから,本件基本契約の対象が特定されてい ないなどと主張する。しかしながら,本件基本契約締結当時,既に原告と被告との間で別紙1記載の製品が取引されていたこと(甲41)からすれば,本件基本契約の対象となるベル・ジュバンス製品とは,別紙1記載のベル・ジュバンス製品を指すとするのが契約当事者の合理的意思であり,本件基本契約の対象は別紙1記載の製品として特定されている。被告の上記主張は,採用することができない。 さらに,被告は,その他本件基本契約の解釈に関してるる主張するが,被告の主張は,本件基本契約の文言に基づかないか,独自の解釈に基づくものであって,これを採用することはできない。 3 したがって,原告の請求は理由がある。なお,被告は,被告による本件標章の使用を禁止しても原告が本件標章を使用できるわけではないから訴えの利益がないなどと主張するが,原告には本件基本契約上本件標章による被告商品とベル・ジュバンス製品との混同を防止する権利があるのであって,訴えの利益に欠けるところはない。 4 よって,原告の請求を認容することとして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所 による被告商品とベル・ジュバンス製品との混同を防止する権利があるのであって、訴えの利益に欠けるところはない。 よって、原告の請求を認容することとして、主文のとおり判決する。 主文 東京地方裁判所民事第47部 裁判長裁判官高野輝久 裁判官藤田壮 裁判官宇野遥子 理由 別紙製品一覧表 1 トリートメントウェーブローション 2 エステローション 3 補助剤 4 pH調整剤 5 シャンプー 6 リンス 7 トリートメントオイル 8 ローション 9 オイル 10 美容液 11 クレンジングオイル 12 UVベースクリーム

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