昭和32(オ)1130 雇傭関係存続確認等請求

裁判年月日・裁判所
昭和35年9月15日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 大阪高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人弁護士浪江源治の上告理由について。  原判示は用語いささか不十分であ

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判決文本文1,425 文字)

主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告代理人弁護士浪江源治の上告理由について。 原判示は用語いささか不十分であるが、その要点とするところは、次の如きものであると解するを相当とする。すなわち、日米行政協定第三条に基づく基地管理権により、その雇傭にかかる日本人労務者に対し衛生管理権を有するものと認むべき在日米駐留軍はその管理の必要上伝染病結核等を駆除予防すべく、適当な処置を講じ得べき筋合であり、従つて駐留軍係官は日本人労務者の健康状態につき疑を抱くかぎり日本人労務者に日本国法令の禁じていない身体検査を行うことを要求する権限を有し、日本人労務者が右の身体検査を拒絶するときは駐留軍係官はかかる労務者の駐留軍施設に立入ることを拒否する最終的権限を有するものであること、然るに、在日駐留軍の傘下にあつて駐留軍神戸補給基地更生修理部隊の副支配人として雇われていた上告人は、肺浸潤に罹り判示のように約九〇日間の有給休暇を取つたが、右休暇の期間満了する数日前兵庫県立D病院の治癒証明書を提出して出勤したところ、病気の治癒に疑を抱く部隊労務士官はこれよりさきに上告人を肺浸潤と診断した神戸中央治療所の診断書の提出を命じ、その提出された診断書の内容と右D病院の治癒証明書のそれとは若干所見を異にするところから部隊労務士官は上告人の健康状態をみるとの理由で、予て上告人に対し申し渡していた解雇を一ヶ月猶予すべき旨告げた上、その猶予期間の満了する昭和二八年八月一〇日上告人に対し健康状態を理由に解雇する旨申し渡したところ、上告人はこれに異議を述べたので右労務士官は上告人に駐留軍の医療施設たる「USFJ」において診断をうけるか否かを質したのに、上告人はこれを拒否したので、右労務士官は前示権限 雇する旨申し渡したところ、上告人はこれに異議を述べたので右労務士官は上告人に駐留軍の医療施設たる「USFJ」において診断をうけるか否かを質したのに、上告人はこれを拒否したので、右労務士官は前示権限に基づき上- 1 -告人に対し右同日限り駐留軍施設に立入り労務を提供することを拒絶したというのである。 してみれば、上告人は簡単且つ容易に実行できたであろう駐留軍の医療施設において診断をうけることを自ら正当の理由なくして拒絶し、これによつて自己の債務たる労務の提供を履行不能に至らしめたものと認めるの外はないから、民法五三六条一項の解釈上右労務の提供に対する反対給付たる所論請求権を有せざるに至つたものと解すべきであり、そして上告人においてこのように報酬請求権を失つている以上はこれを伴わない雇傭関係の存続を主張しこれが確認を求めるが如きは即時(原審最終口頭弁論期日を基準として)確定を求める利益がないものと解するを相当とする。 原判決最終の判断は叙上と同一に帰するものであつて、正当である。 所論るる論述するところは要するに、原判示中上叙の事実認定部分につき原審の専権行使を非難するか、あるいは独自の事実関係を想定して以て独自の法律論を展開するに外ならないものであつて、すべて採るを得ない。 よつて、民訴九六条、三八四条一項、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官下飯坂潤夫裁判官斎藤悠輔裁判官入江俊郎裁判官高木常七- 2 - 裁判官 入江俊郎 裁判官 高木常七

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