【DRY-RUN】主 文 原判決を破毀し、本件を鳥取地方裁判所に差戻す。 理 由 上告訴訟代理人から提出した別紙上告理由書記載の論旨に對し、次の通り判断す る。 原審が所論の
主文 原判決を破毀し、本件を鳥取地方裁判所に差戻す。 理由 上告訴訟代理人から提出した別紙上告理由書記載の論旨に對し、次の通り判断する。 原審が所論の如き理由を掲げ上告人の取得時效の抗辯を排斥したことは所論の通りである。しかしながら原審口頭辯論調書並に原判決事實摘示によれば上告人は第一審以來本件係爭土地は上告人所有の烏取縣東伯郡a村大字b字cd番のeの土地の一部分であつて被上告人所有の同所d番のfの土地の範園に含まれるものではない。即ちこの部分は大正二、三年頃被上告人先代に譲渡したものでないと抗争していることが明かであるから、上告人において上告人先代が大正二、三年頃右d番のfの土地を被上告人先代に譲渡した事實を自認しても、そのことだけでは原判示の如く上告人先代次で上告人が係争土地の部分が被上告人先代次で被上告人の所有であつて上告人先代次で上告人の所有でないことを充分知つていたものである、従つて上告人先代次で上告人が本件係争土地を所有の意思で占有したものでないと即断することはできない。そ<要旨>ればかりでなく民法第百六十二條にいわゆる所有權の取得時效の要件の一つである所有の意思を以てする占有</要旨>とはものについて所有者と同様な支配をなす意思をもつてする占有をいうので、必ずしも占有者が所有者であると信ずることを必要としないと解すベきであるから、假に上告人において本件係争土地が被上告人所有のd番のfの土地の範園に含まれていること、従つてその所有權が上告人先代次で上告人に属していないことを知つていたとしても、上告人先代及び上告人が本件係争土地な同條にいわゆる所有の意思で占有することはあり得ることであるから、原判示の如く上告人は係争土地の部分が自己の所有でないことを知つていたのであるから上告人は ても、上告人先代及び上告人が本件係争土地な同條にいわゆる所有の意思で占有することはあり得ることであるから、原判示の如く上告人は係争土地の部分が自己の所有でないことを知つていたのであるから上告人は所有の意思をもつて占有したものでないと即断することはできぬ筋合である。それゆえ、若し上告人主張の如く上告人先代次で上告人において本件係争土地を引續き三十八年間以上占有した事實があるとすれば、たとえその占有の始善意無過失でなくとも時效中断の事由がない限り民法第百六十二條第一項の二十年の取得時效の完成に因り上告人は本件係争土地の所有權を取得したものと言わねばならない。しかるに原審は上告人先代が本件係争土地を占有し始めた時期については何時明示せず又上告人先代次で上告人が果して三十八年間以上係争土地の部分を占有していたかどうかについて何等判断せず(時效中断の再抗辯は原審においては被上告人の主張しないところである)慢然原判示の如き理由で上告人の取得時效の抗辯を排斥したのは民法第百六十二條の規定の解釋を誤つたか又は審理不盡理由不備の違法あるもので、原判決は到底破毀を免れない。 よつて民事訴訟法第四百七條に則り主文の通り判決する。 (裁判長判事小山慶作判事横山正忠判事和田邦康)
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