【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理 由 上告代理人君野駿平、同神道寛次の上告理由第一点及び第二点について。 原判決及
主文本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由上告代理人君野駿平、同神道寛次の上告理由第一点及び第二点について。 原判決及びその引用する一審判決によれば、「旧駅前土地区画整理事業は、もと鳥取市が都市計画事業として施行していたものであるところ、その後鳥取県において鳥取火災復興土地区画整理事業を施行することになつた際、鳥取県は、昭和二七年五月建設大臣の命により、右駅前土地区画整理事業を承継し、鳥取火災復興土地区画整理に併せて施行するに至つたものであり、本件土地に関しては、鳥取市長が、すでに昭和一六年九月九日頃、駅前土地区画整理の施行として、合計四三七坪五九の換地予定地を指定したが、その後鳥取地震、開戦等諸般の事情のため、整理事業の進行は停滞し、換地処分にまでは移行しなかつたが、昭和二七年五月、右のようないきさつから鳥取県がこれを承継し、施行するに至つた」というのである。 建設大臣が右承継を命じた趣旨は、本来鳥取市において続行完了すべかりし爾後の手続を鳥取県をして追完せしめるとともに、火災復興土地区画整理の施行上必要がある場合には、所要の調整ないし修正を加えしめるにあつたものと解すべきであり、鳥取県が火災復興土地区画整理とともにこれを施行するからといつて、それまでに鳥取市の既に施行した一切の手続を更新しなければならぬものではない。 ことに本件の場合は、前掲判示の如く、上告人所有の土地については、鳥取市長が、駅前土地区画整理の施行として、既に換地予定地の指定を終つていたというのであるから、鳥取県が右市の事業を引継いだときには、換地処分こそいまだ完了してはいなかつたが、上告人の従前の土地についての権利関係は、右換地予定地の推定によつて一応変動を生じていたのであるから、その であるから、鳥取県が右市の事業を引継いだときには、換地処分こそいまだ完了してはいなかつたが、上告人の従前の土地についての権利関係は、右換地予定地の推定によつて一応変動を生じていたのであるから、その指定処分を前提とし、多少こ- 1 -れに修正を加えて本件換地予定地の指定をしたとしても、所論の違法があるということはできない。まして本件換地予定地の指定(実際は修正)は、さきに市の行なつた指定よりも、その地積において増歩していることを原判決が明らかにしているのであるから、上告人には、むしろ有利に帰したものといわなければならない。 されば、旧駅前土地区画整理事業と火災復興土地区画整理事業との間に、かりに所論のように国の補助金額等の差異があるとしても、原審の確定したような事実関係の下では、所論補助金等を前提として新たな減歩率を決定し、かつ当初の手続を根本から更新しなかつたとしても、所論の違法ありとすべきではない。所論はひつきようこれと相容れない独自の見解に立つて原判決を非難するものであるから採るを得ない。 同第三点の一、二、三について。 土地区画整理における各地区の減歩率は、当該地区の整理前の土地の総地積(あるいはその評価額)と、その地積の中で公共用地に供される地積と替費地とされる地積とを合計したもの(あるいは合計地積の評価額)との比率により決定さるべきものであつて、替費地とさるべき地積の額は、特定地区内の土地所有者が、全体として負担すべき事業費の額により左右さるべきものということができる。 しかし、このことから特定地区内における各個の所有者が、土地の価格ないし整理による価値増加額に応じて事業費を負担し、これに応じて各個の所有者ごとに減歩率を決定しなければならないと解すべき理由はない。 ことに、本件の場合のように、鳥取県が鳥取市の区画整理事 の価格ないし整理による価値増加額に応じて事業費を負担し、これに応じて各個の所有者ごとに減歩率を決定しなければならないと解すべき理由はない。 ことに、本件の場合のように、鳥取県が鳥取市の区画整理事業を引き継ぐ以前において、既に、鳥取市が上告人所有の土地について換地予定地の指定を行なつており、鳥取県がその指定を上告人の有利のために多少修正して施行を追完したような場合にあつては、他の区域と減歩率において多少の差異が生じてもやむを得ないことであり、それだからといつて本件指定を違法とすることはできない。 - 2 -所論はこれに反する独自の見解であるから採るを得ない。 同第三点の四について。 土地区画整理は、土地自体の宅地としての利用を増進するためになされるものであるのみならず、減歩率の決定は、前叙のような方法でなされるものであるから、区画整理の結果個々の地上建物の利用価値が減少するに至ること、もしくは、その移転のための費用を要するに至る等の事情は、損失補償請求の原因になることがあつても、減歩率の決定に影響を及ぼすものではない。 違憲の論旨を含む所論は、右に反する独自の見解を前提とするものであるから採るを得ない。 よつて、民訴三九六条、三八四条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官高木常七裁判官斎藤悠輔裁判官入江俊郎裁判官下飯坂潤夫- 3 - 裁判官下飯坂潤夫- 3 -
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