主文 1 原告ら及び参加原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告ら及び参加原告らの負担とする。 事実及び理由 第1 原告ら及び参加原告らの請求被告は,別紙事業目録1,2記載の各事業に関する費用を支出してはならない。 第2 事案の概要本件は,愛知県の住民である原告ら及び参加原告ら(以下「原告ら」と総称する。)が,愛知県の地方公営企業である愛知県企業庁(以下「企業庁」という。)が実施している中部国際空港建設関連事業としての別紙事業目録1,2記載の各事業(以下,その対象地を「空港島周辺部」,「対岸部」と,事業を「空港島周辺部事業」,「対岸部事業」といい,両者を総称して「本件各事業」という。)が,採算の見通しを欠き,かつ自然環境を破壊する不合理なものであり,地方公営企業の経営原則を定めた地方公営企業法(以下「企業法」という。)3条などに違反した違法なものであるから,これに要する費用の支出も違法な公金の支出に当たると主張して,地方自治法242条の2第1項1号(平成14年法律第4号地方自治法等の一部を改正する法律による改正前のもの。以下,同様)に基づき,企業庁の管理者兼業務執行者である被告に対して,上記費用支出(以下「本件支出」という。)の差止めを求めた住民訴訟である。 1 前提事実(当事者間に争いのない事実等)(1) 当事者についてア原告らは,いずれも愛知県内に住所を有する者である。 イ被告は,企業法8条及び愛知県公営企業の設置等に関する条例4条に基づき,愛知県が予定している本件各事業の実施主体である企業庁の管理者であるとともに,その業務を執行する者である。 (2) 中部国際空港設置事業の手続についてア中部国際空港(以下「本件空港」という。)は,国際航空路線に必要な公共用飛行場として,空港整備法上の「 者であるとともに,その業務を執行する者である。 (2) 中部国際空港設置事業の手続についてア中部国際空港(以下「本件空港」という。)は,国際航空路線に必要な公共用飛行場として,空港整備法上の「第一種空港」に位置づけられ(同法2条1項1号),その設置予定場所は愛知県常滑市地先水面とされている(中部国際空港の設置及び管理に関する法律(以下「設置法」という。)2条,同法施行令1条)。 その設置及び管理を行う者は,運輸大臣(平成10年法律第103号中央省庁等改革基本法及びこれに基づく中央省庁改編前のもの。以下,同様)が,本件空港の設置,管理等の事業を営むことを目的として設立された株式会社にして所定の要件を備えているものを指定することとされている(設置法4条1項)。 イ中部国際空港株式会社(以下「本件会社」という。)は,平成10年5月1日,地方公共団体と民間の出資により,本件空港の設置,管理等の事業を営むことを目的として設立,登記された(乙1)。 運輸大臣は,同年5月29日,「滑走路の数等(長さ3500メートル,幅60メートルのもの1本)」,「空港敷地の面積及び形状(面積470ヘクタールのおおむね長方形)」,「航空保安施設の種類」,「工事完成の予定期限(平成17年開港を目処にする。)」,「運用時間(時間制限を設けない。)」「その他必要な基本事項」から成る本件空港の「基本計画」を定め,これを公示し(乙2),次いで,同年7月3日,「中部国際空港等の設置及び管理を行う者」として,本件会社を指定した(運輸省告示第342号。乙3)。指定後,国も本件会社の共同出資者となり,その出資比率は,国約40パーセント,地方公共団体約10パーセント,民間約50パーセントとなった(甲64)。 本件会社は,平成11年8月24日,運輸大臣に対して,飛行場設置許可申請を行い 者となり,その出資比率は,国約40パーセント,地方公共団体約10パーセント,民間約50パーセントとなった(甲64)。 本件会社は,平成11年8月24日,運輸大臣に対して,飛行場設置許可申請を行い,同大臣は,平成12年4月21日,これを許可した。 (3) 本件各事業の手続についてア別添の中部国際空港及び関連事業図で示すとおり,空港島周辺部事業は,本件空港と一体となって空港島を構成する部分を埋立造成する事業であり,対岸部事業は,空港島の対岸に当たる常滑市の伊勢湾沿いの海岸を埋立造成する事業(いわゆる「前島」の造成)であり,いずれも本件会社が実施する本件空港設置事業の関連事業として,企業庁が行うものである。 イ本件各事業の対象地及び本件空港予定地は,いずれも公有水面であり,かつその一部は港湾区域であるため,企業庁及び本件会社は,平成11年8月24日,公有水面埋立法(以下「埋立法」という。)2条及び港湾法58条2項に基づき,愛知県知事及び常滑港港湾管理者愛知県代表者(愛知県知事)に対し,公有水面埋立免許を出願し(甲15ないし17),平成12年6月23日,その免許を得た(乙13,14)。 埋立てについて免許処分をするためには,埋立法4条の定める基準を満たすことを要し,かつ同法施行令32条に基づき,主務大臣(建設大臣,運輸大臣)の認可を要するところ,両主務大臣は,同日,下記のとおり,環境庁長官の意見を聴取した上で,認可した(乙15ないし18)。 ウ本件各事業は,国の環境影響評価実施要綱(昭和59年8月28日閣議決定。 乙5)第1の1が対象事業として定める埋立て及び干拓事業であって,規模が大きく,その実施により環境に著しい影響を及ぼすおそれがあるものに該当するため,下記のとおり,「運輸省所管の大規模事業に係る環境影響評価実施要領(乙6の1及び2 る埋立て及び干拓事業であって,規模が大きく,その実施により環境に著しい影響を及ぼすおそれがあるものに該当するため,下記のとおり,「運輸省所管の大規模事業に係る環境影響評価実施要領(乙6の1及び2)」及び「建設省所管に係る環境影響評価実施要綱(乙7の1及び2)」に基づき,環境影響評価手続が行われ,さらに,「愛知県環境影響評価要綱(乙8)」に基づき,環境影響評価手続が行われた。 すなわち,愛知県知事は,本件各事業に係る環境アセスメントの調査,予測,評価の手法をとりまとめた環境影響評価方法書を平成10年6月10日から同年7月10日まで縦覧に供した。その後,上記方法書及び環境影響評価準備書に対する住民意見や知事意見を踏まえ,最終的に,本件会社及び愛知県の連名による「中部国際空港建設事業及び空港島地域開発用地埋立造成事業に関する環境影響評価書(要約書。乙9)」及び愛知県名による「空港対岸部埋立造成事業に関する環境影響評価書(要約書。乙10)」の両環境評価書がとりまとめられ,平成11年6月1日から同年7月1日まで縦覧に供された。 その後,建設大臣及び運輸大臣は,前記認可に先立ち,本件各事業の規模が大きく,その実施により環境に及ぼす影響について特に配慮する必要があると認めて,環境庁長官の意見を聴取したところ,環境庁長官は,平成12年6月23日付けをもって,海域工事に伴う濁水の監視など多数項目について,環境保全上適切な措置,対策を講ずる必要がある旨回答している(甲31,乙4)。 エ被告は,本件各事業のための予算原案を作成し(企業法9条3号),愛知県知事は,これに基づいて予算を調整して(同法24条2項),愛知県議会に提出すべきところ,平成12年度予算(乙11)については,同年3月24日,同議会において承認され,本件各事業に関する支出につき同議会の議決を れに基づいて予算を調整して(同法24条2項),愛知県議会に提出すべきところ,平成12年度予算(乙11)については,同年3月24日,同議会において承認され,本件各事業に関する支出につき同議会の議決を得た。また,複数年度にわたる債務負担行為についても,その事項,期間及び限度額について,同議会の議決を得た。 被告は,平成13年度予算(乙12)についても,平成13年3月23日,同議会の議決を得た。 (4) 収支計画の概要について企業庁は,平成13年3月14日,幡豆地区土砂採取事業中止後の本件格事業の総事業費2640億円(概数。以下,同様。)の内訳を公表したが,その後,賃貸方式の導入検討や土砂調達計画の具体化を受けて,同年10月,本件各事業の収支計画の見直しを行った(甲61)。その概要は,下記のとおりである(以下「本件収支計画」という。甲62,乙19)。 ア基本方針(ア) 事業期間平成10年度から平成24年度(収支計算期間は平成40年度まで)(イ) 埋立面積230ヘクタール(空港島周辺部107ヘクタール,対岸部123ヘクタール)(ウ) 造成スケジュール等平成16年度末までに全体の埋立造成を完了するが,優先的に整備する区域については,平成14年度から順次,部分竣功していく。 埋立てに当たっては,しゅんせつ土,公共残土を活用し,環境に配慮しながら,コスト削減を図る。 道路,緑地,キャナル等の基盤整備は,土地処分計画に合わせて段階的な整備を行う。 (エ) 土地処分スケジュール平成15年度から平成24年度(10年間)なお,平成15年度から平成19年度までに,全体処分面積の3分の2相当の処分を目指す。 (オ) 土地処分方式等分譲を基本としつつ,区域を限定した賃貸方式を導入するが,分譲価格については,常滑市街地や周辺地域との均衡に ら平成19年度までに,全体処分面積の3分の2相当の処分を目指す。 (オ) 土地処分方式等分譲を基本としつつ,区域を限定した賃貸方式を導入するが,分譲価格については,常滑市街地や周辺地域との均衡に配慮しながら,優位性のある価格を設定する。 賃貸方式導入区域は,全体処分面積のおおむね2割程度とする。借地方式については,事業用借地権を基本とし,おおむね土地価格の年2ないし3パーセントの利回りで賃貸料を設定する。 イ本件収支計画の内訳(ただし,今後の状況変化に対応して,適宜適切な見直しを行う。)(ア) 総収入額 2450億円a 分譲収入 2160億円(a) 分譲予定面積 157ヘクタール(空港島周辺部70ヘクタール,対岸部87ヘクタール)(b) 平均分譲予定単価 1平方メートル当たり13万8000円(1坪当たり45万6000円)b 賃貸収入 290億円(賃貸予定面積 36ヘクタール(空港島周辺部,対岸部それぞれ18ヘクタール))(イ) 総事業費 2430億円a 漁業補償費 190億円b 工事費 1560億円(護岸工事,埋立工事,道路・緑地・キャナル等の基盤整備,上下水道・道路・鉄道等の工事負担金)c 調査費 90億円d 建設利息 330億円(起債の予定利率年1.4ないし2.5パーセント)e 事務費 140億円(人件費,需用費,企業債取得諸費)f 予備費 120億円(ウ) 差引利益 20億円(5) 地方公営企業に対する法規制等についてア地方公営企業は,常に企業の経済性を発揮する(以下「経済性発揮原則」という。)とともに,その本来の目的である公共の福祉を増進する(以下「公共の福祉増進原則」という。)ように運営されなければならない(企業法3条)。なお,ここにいう企業 揮する(以下「経済性発揮原則」という。)とともに,その本来の目的である公共の福祉を増進する(以下「公共の福祉増進原則」という。)ように運営されなければならない(企業法3条)。なお,ここにいう企業の経済性とは,企業一般に通ずる経営原則としての合理性と能率性を主として指す(地方公営企業法及び同法施行に関する命令の実施についての依命通達第一の四(二))。 イ地方公営企業の管理者は,原則として,その業務を執行し,当該業務の執行に関し当該地方公共団体を代表する(同法8条)。また,管理者は,業務に関し管理規程(企業管理規程)を制定することができる(同法10条)。 他方,地方公共団体の長は,住民の福祉に重大な影響がある地方公営企業の業務の執行に関しその福祉を確保するため必要があるとき,又は当該管理者以外の地方公共団体の機関の権限に属する事務の執行と当該地方公営企業の業務の執行との間の調整を図るため必要があるときは,管理者に対し,当該地方公営企業の業務の執行について必要な指示をすることができる(同法16条)。 なお,地方公営企業を経営する地方公共団体は,管理者の権限に属する事務を処理させるため,条例で必要な組織を設けることとされている(同法14条)が,管理者の権限に属する事務の執行を補助する職員(企業職員)は,管理者が任免する(同法15条)。 ウ地方公営企業の経理は,事業ごとに特別会計を設けて行うものとされ(同法17条),その経費は,原則として当該地方公営企業の経営に伴う収入をもって充てなければならない(同法17条の2)。 地方公共団体は,地方公営企業の給付について料金を徴収することができるが,その額は,公正妥当なもので,かつ能率的な経営の下における適正な原価を基礎とし,地方公営企業の健全な運営を確保することができるものでなければならない(同法21 について料金を徴収することができるが,その額は,公正妥当なもので,かつ能率的な経営の下における適正な原価を基礎とし,地方公営企業の健全な運営を確保することができるものでなければならない(同法21条1項,2項)。 (6) 住民監査請求及びその結果について原告らを含む住民らは,平成12年9月8日,同月25日,同年10月6日,同月10日,同月17日,同月23日,同月27日,同年11月27日,同月28日及び同年12月18日の各日付をもって,愛知県監査委員に対し,本件各事業等に係る事業費の支出の差止めを求める旨の住民監査請求をしたが,同委員は,同年11月2日及び同年12月26日付けをもって,同監査請求を棄却(一部の請求人については却下)し(甲1,2,70,71),そのころ,原告らに通知した。 2 本件における争点及びこれについての当事者の主張の要旨原告らによる本件支出差止請求の可否(本件支出が企業庁ないし愛知県に対して回復困難な損害を生ずるおそれがあるか,また,本件各事業の実施が,企業法3条に反することによって,本件支出が違法となるか。)(1) 本件支出による回復困難な損害を生ずるおそれの有無(原告らの主張)本件各事業の総事業費は2430億円であり,いまだ550億円が支出された段階にとどまっているところ,被告は,破綻した需要予測に固執して,今後も1900億円近い事業費を支出しようとしている。しかも,被告は,造成用地分譲が困難な情勢にあることから,税制上の優遇措置,補助金,第三セクター方式による地域開発構想等,愛知県の一般財源を投入することを企図しているが,その金額は予測することができないし,かつて富裕県といわれた愛知県の財政も今や破綻の危機に瀕しており,財政再建団体への転落が叫ばれている。企業法は,一般会計からの導入を原則として禁止し(1 いるが,その金額は予測することができないし,かつて富裕県といわれた愛知県の財政も今や破綻の危機に瀕しており,財政再建団体への転落が叫ばれている。企業法は,一般会計からの導入を原則として禁止し(17条の2),地方公共団体は地方公営企業に対して長期の貸付けなどができるにすぎない(18条の2)が,長期貸付けがなされた場合は,上記のとおり,回収の見込みはなく,本件各事業に投下された事業費は,回収困難となって愛知県の損害となるから,本件支出は,地方自治法242条の2第1項1号の「当該行為により普通地方公共団体に回復の困難な損害を生じるおそれがある場合」に該当する。 また,自然生態系の健全性が損なわれると取り返しがつかないから,本件各事業による埋立てのように,生態系を崩すおそれのあることが予測できる場合,あるいはその危惧が感じられる場合には,予防原則の見地から,回復の困難な損害を生ずるおそれがあるとして,本件各事業を目的とした本件支出は差し止められるべきである。 (被告の主張)原告らは,愛知県財政の危機的状況や企業庁財政に与える影響から,本件各事業が回復の困難な損害を与えることは明白であると主張するが,後記のとおり,本件各事業は採算性を有するものであるし,そもそも,原告らの主張は,自分たちの都合のよい社会状況の一側面のみを取り上げ,その上に成り立つ一方的な推測を基にしたもので,愛知県に回復困難な損害が発生することの蓋然性について何らの立証もなされていないから,差止請求の要件は満たされていない。 (2) 本件支出の違法性全般及びその主張立証責任(原告らの主張)ア原告らの主張する違法事由の正当性について(ア) 財務会計法規上の違法について被告は,原告らが本件各事業等の政策的当否を問題としている旨主張するが,原告らが本件空港関連事業の合理 告らの主張)ア原告らの主張する違法事由の正当性について(ア) 財務会計法規上の違法について被告は,原告らが本件各事業等の政策的当否を問題としている旨主張するが,原告らが本件空港関連事業の合理性の欠如を問題としているのは,それが本件各事業の経済性の有無を検討する前提となるからである。また,原告らは,本件各事業の政策的当否といった一般的な合理性ではなく,地方公営企業の管理者たる被告が負う財務会計上の義務違反を問題としている。すなわち,企業法3条が定める経済性発揮原則及び公共の福祉増進原則は,地方公営企業の管理者たる被告が,誠実執行義務(地方自治法138条の2)の内容として,本件各事業の実施に当たって遵守すべき財務会計法規上の義務であるところ,自ら策定した事業計画が上記原則に反する場合に,これを撤回・変更するなどの是正措置を採ることなく,同計画に基づいて各種契約を締結し,支出決定,支出命令,支出などの行為を行うことは,最終的には地方公共団体の一般会計から補填されざるを得ない事態を招くから,企業法が地方公営企業の経理につき特別会計を設けて行い(17条),かつ独立採算制を採用している(17条の2)ことなどに照らすと,違法な財務会計行為となると解すべきである。しかるところ,本件各事業は,争点(3)及び(4)における原告ら主張のとおり,その事業計画自体に採算性が全くなく,埋立予定海域周辺の環境に著しい悪影響を与える違法なものであるから,地方公営企業の管理者たる被告が,上記義務に反して埋立造成工事請負契約等を締結し,本件支出をすることは,財務会計法規上違法となる。 この点,被告は,企業法3条が具体的な財務会計行為の違法や差止請求を根拠づける直接的な条文となり得ない旨主張するが,同条が裁判規範性を有することは明らかである。 (イ) 被告の裁量権に 違法となる。 この点,被告は,企業法3条が具体的な財務会計行為の違法や差止請求を根拠づける直接的な条文となり得ない旨主張するが,同条が裁判規範性を有することは明らかである。 (イ) 被告の裁量権について被告は,地方公営企業の管理者が裁量権を有することを前提に,その行為については当・不当の問題が生ずるにすぎないと主張するところ,原告らも,被告が一定の裁量権を有することまで否定するつもりはないが,地方公営企業においては,その経営の不採算性が住民の不利益に直結する特殊性が存するから,経済性発揮原則は,企業一般に求められるより一層厳格に求められ,管理者が有する経営裁量も相当制約されると解すべきである。 (ウ) 本件支出の原因行為について被告は,本件各事業に先行する公有水面埋立免許等の行政処分,行政手続が本件支出の原因行為である旨主張するが,本件支出の原因行為は,企業庁が策定した本件各事業の実施行為であり,上記各処分等は,本件各事業を実施するのに必要な手続にすぎず,これらを原因として本件支出が行われるものではない。そして,前記のとおり,本件各事業は,財務会計法規たる企業法3条が定める経済性発揮原則及び公共の福祉増進原則に反する違法なものであるから,被告が,これを原因行為として本件支出を行うことは,違法な財務会計行為となる。 なお,公金支出が契約の履行としてなされる場合に,その履行行為の差止めを請求するためには,当該契約が無効であることを要するところ,本件各事業に基づく埋立造成工事請負契約等は,企業法3条に反するから,私法上も無効というべきである(地方自治法2条16項,17項)。 イ主張立証責任の所在について本件各事業は,2340億円の経費を投入する,巨大な都市開発事業であり,高度の専門性を有する極めて特殊な事業である。この点,最高裁判所は,高 治法2条16項,17項)。 イ主張立証責任の所在について本件各事業は,2340億円の経費を投入する,巨大な都市開発事業であり,高度の専門性を有する極めて特殊な事業である。この点,最高裁判所は,高度の技術性や専門性のある行政処分の裁量の逸脱に関する司法判断のあり方について,「取消訴訟においては,・・・被告行政庁がした右判断に不合理な点があることの主張,立証責任は,本来,原告が負うべきものと解されるが,当該原子炉施設の安全審査に関する資料をすべて被告行政庁の側が保持していることなどの点を考慮すると,被告行政庁の側において,まず,その依拠した前記の具体的審査基準並びに調査審議及び判断の過程等,被告行政庁の判断に不合理な点のないことを相当の根拠,資料に基づき主張,立証する必要があり,被告行政庁が右主張,立証を尽くさない場合には,被告行政庁がした右判断に不合理な点があることが事実上推認される」と判示する(最高裁判所平成4年10月29日第一小法廷判決・民集46巻7号1174頁)ところ,この理は,事業計画,造成土地に対する将来の需要予測,処分価格の妥当性等に関する資料及び判断の過程を被告がすべて秘匿する本件においても基本的に妥当するから,被告が,その判断に不合理な点のないことを相当の根拠,資料に基づいて主張立証する責任を負担すると解すべきである。 (被告の主張)ア原告らが主張する違法事由が主張自体失当であることについて(ア) 政策上の議論にとどまることについて住民訴訟は,財務会計行為自体が財務会計法規上の義務に違反し,違法なものであるときに限り,提起できる特別な訴訟制度であるところ,原告らが違法事由として掲げる本件各事業やその前提としての本件空港の設置事業の合理性欠如に関する主張は,まさに政策論議そのものであって,当・不当の問題にとど り,提起できる特別な訴訟制度であるところ,原告らが違法事由として掲げる本件各事業やその前提としての本件空港の設置事業の合理性欠如に関する主張は,まさに政策論議そのものであって,当・不当の問題にとどまるというべきである。すなわち,本件各事業の必要性や合理性それ自体を司法審査の対象とし,裁判所に政策的当否自体の判断を求めることは,司法の構造や住民訴訟制度の上記趣旨を明らかに逸脱するものであり,また,本件空港の設置事業そのものを問題とすることは,それが各種法令に基づく国家事業であり,事業主体が本件会社とされていることに照らすと,明らかに住民訴訟の目的に反するものである。また,埋立行為そのものも,住民訴訟の対象となる財務会計行為ではない。 この点,原告らが援用する企業法3条は,その内容があまりに一般的・抽象的にすぎ,個々の地方公営企業に対して具体的な規制を命ずるものではないから,裁判規範性を有せず,財務会計行為の違法や,差止請求を根拠づける直接的な条文となり得ない。 (イ) 被告の裁量権の範囲内にとどまることについてまた,地方公営企業の管理者による,公営事業の規模・事業費の程度等の計画や当該事業の実現性,必要性等の決定・判断は,多分に政治的判断を要する問題であるから,管理者がこれらを経済性の観点から適正に検討した上で当該事業を決定,実施した場合には,裁量権の逸脱又は濫用が認められない限り,違法の問題は生じないというべきである。したがって,仮に本件各事業によって自然環境に悪影響を与えるとしても,そのこと自体は当・不当の問題にとどまり,直ちに財務会計法規上違法とはならないし,このことのみをもって本件支出が違法であるとはいえない。 この点,原告らは,地方公営企業には一般企業よりも経済性発揮原則が厳格に求められるべきである旨主張するが,同企業が地方公 上違法とはならないし,このことのみをもって本件支出が違法であるとはいえない。 この点,原告らは,地方公営企業には一般企業よりも経済性発揮原則が厳格に求められるべきである旨主張するが,同企業が地方公共団体によって経営されるものである以上,本来の目的である公共の福祉の増進という政策的配慮が必要であるから,企業一般に通ずる経済性の原則としての合理性と能率性を有すれば足りるというべきである。 (ウ) 先行行為の違法事由にとどまることについて原告らは,本件空港の設置事業や本件各事業に係る各種行政処分や行政手続などのいわゆる先行する原因行為の違法が本件差止請求の対象である本件支出に承継されることを前提として,違法事由を構成している。しかしながら,本件各事業は,本件会社が愛知県常滑市地先の公有水面を埋め立てて行う本件空港の設置事業に並行して,空港島周辺部及び対岸部の公有水面(一部は港湾法にいう港湾区域)を埋め立て,商業・業務施設用地,流通施設用地等を確保することを目的とする事業であるところ,被告は,公有水面埋立免許によって,本件各事業を実施し,その費用を負担すべき立場にあるから,本件支出の原因行為は,公有水面埋立免許と解される。そして,地方自治法242条の2第1項1号に基づいて当該執行機関に対し当該行為の差止めを認めるためには,先行する原因行為に違法事由が存しても,これを前提としてなされた当該財務会計行為それ自体に財務会計法規上の義務違反が存する場合に限られるというべき(最高裁判所平成4年12月15日第三小法廷判決・民集46巻9号2753頁)ところ,本件支出の原因行為たる公有水面埋立行為は,埋立法2条,港湾法58条2項に基づき,諸官庁の免許・認可を受けて実施される非財務会計行為であり,埋立行為そのものの違法性は,上記免許・認可の取消訴訟や審査請求 支出の原因行為たる公有水面埋立行為は,埋立法2条,港湾法58条2項に基づき,諸官庁の免許・認可を受けて実施される非財務会計行為であり,埋立行為そのものの違法性は,上記免許・認可の取消訴訟や審査請求手続で争われるべきものである。したがって,本件の公有水面埋立免許が著しく合理性を欠き,そのため予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵が存する場合でない限り,本件支出が違法となることはない。 なお,被告は,先行する埋立造成工事請負契約等に基づいて本件支出を行うものであるから,その差止めを求めるためには,当該契約自体の無効を主張立証しなければならない(最高裁判所昭和62年5月19日第三小法廷判決・民集41巻4号687頁参照)。 イ主張立証責任の所在について原告らは,被告が本件各事業や本件支出に不合理な点のないことを相当な資料に基づいて主張立証する責任を有すると主張するが,抗告訴訟と異なり,住民訴訟においては,住民が財務会計行為の違法について主張立証責任を負うものであるから,原告らの主張は失当である。また,被告は,相当な資料に基づいて本件各事業に不合理な点のないことを主張立証している。 (3) 本件各事業の採算性欠如の有無(原告らの主張)本件空港の設置計画は,昭和57年12月に,地元自治体(愛知県,名古屋市)及び経済界(名古屋商工会議所,中部経済連合会)等が新空港建設を運輸大臣に要望したことから本格的に始まったが,この経緯から明らかなとおり,国が全国的な航空ネットワークや航空需要等をにらんで開設を決定したものではなく,地元経済界等が地域経済の発展を目指して構想を練り,主導してきた,いわば第三種空港的発想によるプロジェクトである。そのため,本件空港は,第一種空港として本来は国がその費用を負担すべきものである(空港整備法3条1項)にもか の発展を目指して構想を練り,主導してきた,いわば第三種空港的発想によるプロジェクトである。そのため,本件空港は,第一種空港として本来は国がその費用を負担すべきものである(空港整備法3条1項)にもかかわらず,運輸大臣の指定を受けた特定の株式会社がその設置及び管理を行うものとされ(設置法4条),その周辺部を企業庁の地域開発用地造成事業の対象とすることによって,実質的な空港整備費用の多くを地元自治体である愛知県が負担する構造となっている。したがって,その事業が破綻する場合は,愛知県が財政的に大きな打撃を被ることは免れない。 しかるところ,本件各事業は,以下のとおり,過大な需要予測を前提とした採算性の認められないものであって,これに基づき回収見込みのない費用を支出することは,経済性発揮原則に反し,地方公営企業の管理者の裁量を著しく逸脱,濫用するものであるから違法である。 ア本件収支計画の内容について本件収支計画は,そもそも採算ぎりぎりのものとして立案されている。すなわち,総事業費2430億円に対する利益はわずか20億円にすぎず,利益率は0.8パーセントにすぎない上,その利益は,平成15年度から10年間に土地処分を完了し,かつその3分の2が経済情勢が最も不透明さを増す5年以内に処分することが前提となっており,分譲単価が下方修正されるなど前提が少しでも狂えば,直ちに採算割れを来すものである。 また,分譲予定面積157ヘクタール中,36ヘクタールを賃貸予定とし,賃貸期間終了後,賃貸不動産を平成40年までに現時点で算定されている更地状態での分譲予定単価で分譲することとされている点は,現時点で分譲が困難であるから,予測不能な将来に損失を先送りするものである。 イ分譲予定価格について企業庁の分譲予定単価(1平方メートル当たり平均13万8000円)は 分譲することとされている点は,現時点で分譲が困難であるから,予測不能な将来に損失を先送りするものである。 イ分譲予定価格について企業庁の分譲予定単価(1平方メートル当たり平均13万8000円)は,財団法人日本不動産研究所作成の「土地評価調査業務報告書」(以下「評価書」という。)による平成13年1月1日現在の評価価格に,商業・業務用地について,平成16年まで毎年5パーセントの地価下落を見込んで設定されているが,地価の下落は,今や商業・業務地域や住居地域にとどまらず,工業地域にも及んでいるし,今後一層加速するとみるのが常識的であるから,企業庁の分譲予定価格の設定は極めて甘いものである。ちなみに,常滑市内の商業地の平均地価(1平方メートル当たり)は,平成9年の19万7500円から,平成12年の17万0500円,平成13年の16万2500円と,相当な下落を示している。 また,分譲予定価格は,平均的な公示価格を上回る水準にあるし,比準公示価格と対比しても,商業・業務用地でほぼ同等,流通施設・製造業用地では2倍近い水準となるに至っている。このように,公示価格以上の価格に設定した分譲予定価格は,家庭裁判所の遺産分割事件等において路線価や固定資産税評価額を基準とする扱いが一般化していることに照らしても,高額に過ぎ,非現実的なものであって,不動産の処分可能性を何ら保証するものでない。 そもそも,企業庁は,本件各事業により,157ヘクタールもの土地分譲等が実施されれば,これにより需給関係が緩和され,常滑市の地価水準が引き下げられることを無視している。 ウ需要予測の不当性について企業庁による分譲予定価格は,公有水面埋立免許願書(以下「願書」という。)における需要予測が実現する前提で設定されている(評価書の,空港島商業施設への来客数年間380万1500人 測の不当性について企業庁による分譲予定価格は,公有水面埋立免許願書(以下「願書」という。)における需要予測が実現する前提で設定されている(評価書の,空港島商業施設への来客数年間380万1500人,キャナルモール利用者数1日当たり1万3188人,空港対岸部オフィス人口7450人,宿泊観光客1日当たり6690人,空港対岸部全体貨物量年間293万4000トン等の記載は,願書の記載そのままである。)が,同予測は,下記のとおり,夢物語に等しい過大で根拠のないものであり,これに基づく土地評価は無意味である。 そもそも,本件各事業は,都市の創造という極めて高度で専門的な事業であるところ,企業庁にはこうした経験がなく,専門性を欠いている。企業庁がこれまでに行ってきた臨海工業用地造成事業においては,進出企業の内諾を確認してから着手され,しかも分譲単価は1平方メートル当たり3万円,内陸部でも同4万円から6万円程度であって割安感があったから,問題が生じなかったにすぎず,本件各事業を実施するに当たり,参考となるものではない。 (ア) 本件空港の航空需要について願書によれば,本件空港は,大都市圏における国内拠点空港として位置づけられるとともに,国際ハブ空港として設置されることが予定されており,その必要性として,今後,既存の名古屋空港の航空需要が増大し(平成8年の国際線旅客363万人,国内線旅客580万人,国際線貨物8万トンの実績に対し,平成22年の予測は,国際線旅客590万人,国内線旅客840万人,国際線貨物32万トン,平成37年の予測は,国際線旅客830万人,国内線旅客1220万人,国際線貨物44万トンと試算されている(甲7参照)。),21世紀には名古屋空港の処理能力が限界に達することが挙げられているが,その根拠自体が不明確であるばかりか,こうした予測は過 旅客1220万人,国際線貨物44万トンと試算されている(甲7参照)。),21世紀には名古屋空港の処理能力が限界に達することが挙げられているが,その根拠自体が不明確であるばかりか,こうした予測は過大なものである。すなわち,名古屋空港の国内線は,羽田,伊丹の各空港に比べ,複数の航空会社が参入するダブル,トリプル路線が少なく,1社のみが乗り入れるシングル路線が多い点に特色があるところ,シングル路線は,旅客数,利用率とも低い路線が少なくなく,需要調整規制が廃止されて撤退が容易となった現在,低需要路線として休廃止される可能性があるし,ダブル路線についても,採算性が悪化しており,減便,小型化などの措置が拡大している。また,国際線についても,各航空会社間の激しい運賃競争と合理化競争等が開始されており,収益性の低い空港が切り捨てられることが予想されるし,海外の航空会社に,名古屋空港を拠点空港とする方針を見い出すことはできない。そうすると,将来的に名古屋空港の処理能力が限界に達するほど需要が増加するとは考えられない。 (イ) 製造業用地の需要について本件各事業は,空港島周辺部及び対岸部において製造業用地及び道路敷,緩衝緑地(対岸部のみ)を開発・確保することを計画し,空港島周辺部における製造業用地は,空港支援型工場・事業所及び空輸型製造業の要請に,対岸部における製造業用地は,企業の将来的な需要に対応するものであるが,願書における需要予測は,極めてずさんで過大なものとなっている。 a 対岸部願書は,平成17年の愛知県製造業出荷額を46兆4042億円(知多地域はその1割の4兆6404億円)と想定し,これに基づいて,製造業用地必要面積を18ヘクタールと算出している。しかしながら,上記出荷額は,昭和60年と平成9年の出荷額の比較によって算出されたものであると の1割の4兆6404億円)と想定し,これに基づいて,製造業用地必要面積を18ヘクタールと算出している。しかしながら,上記出荷額は,昭和60年と平成9年の出荷額の比較によって算出されたものであるところ,平成2年以降は長期不況期に入り,製造業の伸びも停滞しているし,我が国の経済構造に照らしても今後の急成長は望めない状況にあるから,今後の出荷額を想定するためには,かかる状況を踏まえる必要があるにもかかわらず,願書はこのような経済情勢の変化を考慮しておらず,過大なものとなっている。 平成2年と平成9年の出荷額を基に,平成17年の愛知県製造業出荷額を想定すれば,40兆7610億円(知多地域はその1割の4兆0761億円)となり,仮に,同年の知多地域の敷地生産性(従業員30人以上)を本件各事業計画どおりの1ヘクタール当たり13.4億円と仮定しても,知多地域の製造業用地総面積は3042ヘクタールと算定され,現況面積2990ヘクタールを差し引けば,知多地域の平成17年の増加製造業用地面積は52ヘクタールとなる。そして,願書のとおり,臨海部立地実績を19パーセントと仮定すれば,平成17年の知多地域の臨海部製造業増加面積は9.9ヘクタールとなり,上記知多地域臨海部の工業用地供給計画38ヘクタールをはるかに下回る結果となるから,対岸部でも空港島周辺部でも,新たな製造業用地は不要である。 また,願書は,他方で,引合状況から需要予測を行い,13社の希望面積と工業立地原単位を用いて算出した面積のうち,小さい方の面積を合計して,必要面積を14.3637ヘクタールと想定しているが,希望面積については,各社の希望面積をそのまま需要面積として算定していることが問題であるし,原単位の数値の適正さにも疑問がある。そして,引き合いについての資料が明示されていないため,願書に いるが,希望面積については,各社の希望面積をそのまま需要面積として算定していることが問題であるし,原単位の数値の適正さにも疑問がある。そして,引き合いについての資料が明示されていないため,願書に記載された引合企業13社と,調査報告書(甲13)のアンケート回答事業所22社がどのような関係にあるのか不明であり,業種や希望面積が合致するのかも不明である。なお,願書は,結論として引合状況に基づく数値を採用しているが,その理由も説明されていない。 b 空港島周辺部願書においては,空港島周辺部における製造業用地は,空港支援型工場・事業所(クリーニング工場,特殊車両整備工場)と空輸型製造業の需要に応ずるものとして計画されているところ,クリーニング工場については,機内サービスに係るおしぼり等旅客輸送に伴う空港活動から発生する品物のクリーニングを行うものであるとして,年間離着陸回数(国際線2万8500回,国内線5万4800回)と原単位のかけ算により必要面積を算出しているが,予測する年間離着陸回数自体が過大であることは,前述のとおりであるし,原単位については,新東京国際空港(成田空港)等の事例を採用しているが,その妥当性は不明である。また,特殊車両整備工場についても,新東京国際空港における面積を参考にして必要面積を算出しているが,これを参考にすることの合理性等についての説明もない。 さらに,空輸型製造業については,引合状況に基いて必要面積を算定しているが,各社の引合面積(希望面積)をそのまま需要面積として算定している点(しかも,引合状況についての資料が明示されていない。),原単位の数値の適正さ(全国平均値に基づいて「工業立地原単位」面積を算出していると推測されるが,空港島における需要予測をするのであれば,原単位も地域性を反映した数値に基づくべきである ていない。),原単位の数値の適正さ(全国平均値に基づいて「工業立地原単位」面積を算出していると推測されるが,空港島における需要予測をするのであれば,原単位も地域性を反映した数値に基づくべきである。)について問題があり,合理的な需要予測ではない。また,そもそも引合状況についての資料が明示されておらず,その内容の信用性や妥当性が検証できず,本当に引き合いがあるのかどうかすらも疑わしい。わずかな実数しかないものを過大に評価して,虚構に基づく需要を想定している可能性が十分にある。 (ウ) 流通施設用地の需要について願書においては,空港島周辺部において,航空貨物運送代理等を行うフォワーダー等の用地開発を計画するとともに,対岸部においてトラックターミナル用地と倉庫用地,道路敷を開発するとされているが,空港島周辺部及び対岸部において流通施設用地を開発することについては,確実な需要予測を行う必要があるところ,流通施設用地の需要予測は,以下のとおり,過大でずさんなものとなっている。 a 対岸部対岸部における需要予測については,平成17年の知多地域発生集中貨物量(航空貨物を含む。)を,中京都市圏物資流動調査(昭和51年,同61年,平成8年)の結果から,直線回帰の方法により求めているが,このような算出方法は,昭和51年以降の景気変動や平成2年以降の長期不況が全く考慮されていない点で,不合理であるし,貨物量の取扱割合を,東海市,半田市,常滑市がそれぞれ2,1,1の割合と想定して,常滑市で取り扱う貨物量を算出していることも,全く合理性がない。 また,願書が,対岸部の製造業用地で取り扱う貨物量を引合状況に基づいて算出している点についても,この引合状況の資料が信用し難いものであることは前述のとおりである。そして,願書は,常滑市と対岸部の製造業用地で取り扱う貨物量の 造業用地で取り扱う貨物量を引合状況に基づいて算出している点についても,この引合状況の資料が信用し難いものであることは前述のとおりである。そして,願書は,常滑市と対岸部の製造業用地で取り扱う貨物量の合計293万4468トン(1年当たり)をもって対岸部の全体貨物量とし,これに基づいてトラックターミナル中継貨物量及び倉庫中継貨物量を算出し,必要面積を算定しているところ,対岸部の全体貨物量についての需要予測は,上記のとおり,根拠のない過大なものであるから,それに基づく必要面積の算定も過大なものとなっているし,トラックターミナル用地の必要面積を,3施設(藤前流通業務団地,岐阜流通センター,小牧トラックターミナル)の事例を参考として想定することについての合理性は一切検証されていない。 b 空港島周辺部願書は,空港島周辺部における需要予測につき,フォワーダーへのヒアリングにより,空港の航空貨物取扱量における総合物流サービスへの流動割合を25パーセントに設定し,平成17年における本件空港航空貨物取扱量(予測値)にこれを乗じて流通施設用地取扱貨物量を算出し,その上で,①生鮮航空貨物についてはヒアリングに基づき,②非生鮮貨物については物流センサスにおける卸売業の値に基づいて原単位を設定し,これらと取扱シェアとの加重平均により原単位を設定し,流通施設用地必要面積を算定している。しかし,上記各ヒアリングの詳細は不明であり,内容の信用性や妥当性が検証できないから,合理的なものかどうか疑わしく,原単位の設定も,その詳細が不明であるし,本件空港の航空貨物取扱量の予測が過大であることは,前述したとおりである。 この点,本件空港の国際航空貨物の将来予測とエアロ・ロジスティクスパーク(空港立地型総合物流団地)構想に関して,国及び愛知県は,本件空港の国際線貨物を平成 大であることは,前述したとおりである。 この点,本件空港の国際航空貨物の将来予測とエアロ・ロジスティクスパーク(空港立地型総合物流団地)構想に関して,国及び愛知県は,本件空港の国際線貨物を平成37年(2025年)に43万トン,国内線貨物8万トンと,現在の名古屋空港の貨物の4倍にも当たる数字を予測するが,この妥当性は,第三者が検証できない状態であるし,株式会社東海総合研究所が平成10年10月に愛知県に提出した「空港島地域開発貨物流動予測調査」における,流通業者,大口航空貨物ユーザーに対するアンケート等においても,必ずしも本件空港における貨物の取扱量について好ましい回答が得られておらず,空港貨物が本件空港に集中するという保証はない。 (エ) ふ頭用地の需要について願書では,空港島周辺部及び対岸部において,それぞれふ頭用地の開発を計画しており,その理由として,前者では四日市港等からの海上アクセス,海上航空貨物運搬,遊覧船の需要があり,後者ではフェリー及び貨物船の利用,空港見学者の遊覧船利用などの需要があるとされている。しかしながら,上記需要予測は,本件空港の利用需要,空港島及び対岸部を含む常滑地域での貨物取扱量等に基づいて算出されているところ,それらがずさんで過大な予測であることは,前述のとおりである。 (オ) 商業施設用地の需要について願書では,空港島周辺部において商業施設及び業務施設を集約した複合ビルの建設を,対岸部において大規模商業施設とキャナルモールの建設をそれぞれ計画している。これらは,旅客,送迎者,見学者,商用者,従業員らに対する物品販売,飲食物提供,観光サービスの提供などの需要に対応するために必要であるとされている。 しかしながら,空港島周辺部に加えて対岸部にも大規模商業施設を建設するためには,確実な需要予測を行う必要が 品販売,飲食物提供,観光サービスの提供などの需要に対応するために必要であるとされている。 しかしながら,空港島周辺部に加えて対岸部にも大規模商業施設を建設するためには,確実な需要予測を行う必要があるところ,願書では,知多地域及び常滑市の将来人口と知多地域の平成17年度の1人当たり目標売場面積,知多地域に占める常滑市の人口割合から常滑市における新規必要売場面積を求め,これに駐車スペースを加えて対岸部における大規模商業施設必要面積を算出しているが,空港利用者等の来訪者数の予測に基づくのではなく,地域の売場面積から必要面積を割り出す手法は,全く合理性を有せず,かつ常滑市の人口は減少傾向が続いているにもかかわらず,大幅な人口増を想定している点や,常滑市内の新規必要売場面積をすべて対岸部に当てはめて計算している点で,非現実的といわざるを得ない。 また,キャナルモールについても,常滑市臨海部を中心とする半径60キロメートルの圏域(知多,尾張,三河,北勢,中勢の5ブロック),90キロメートル,120キロメートル圏の各圏域を想定し,他地域の類似施設を参考に各圏域からの観光客対象人口を予測し,その5分の1を常滑臨海部への観光客数とし,それに対岸部従業員数を加えてキャナルモールの利用者数を求め,そこから必要用地面積を割り出している。しかしながら,上記算定方法においては,全国的な集客力を誇る千葉のディズニーランドと長崎のハウステンボスを参考類似施設として,キャナルモールを訪れる観光客数が予測されているが,これは,対岸部に建設されるキャナルモールがディズニーランドやハウステンボスと同様の集客力を有することを前提とすることや,バブル崩壊後,全国各地の類似施設が集客力の低下による経営難に苦しんでいるという公知の事実に照らせば,全くもって無謀な計画というほかない ハウステンボスと同様の集客力を有することを前提とすることや,バブル崩壊後,全国各地の類似施設が集客力の低下による経営難に苦しんでいるという公知の事実に照らせば,全くもって無謀な計画というほかないし,また圏域内で5ブロックへの観光客の選択率を単純に5分の1とし,知多ブロックへの観光客の半数がキャナルモールを利用するとの推論も全く根拠がない。 (カ) オフィス用地の需要について願書では,本件空港の開港に伴い,常滑市臨海部に人,物,情報が集中し,空港との近接性を活かした経済活動,産業活動の拠点が形成されることが予想されるとの前提で,対岸部の埋立てによりオフィス用地を確保する必要があるとして,愛知県のオフィス人口増加予測や企業に対するアンケート調査からその需要を予測している。 しかしながら,昭和45年(1970年)から平成7年(1995年)までの5年ごとのオフィス就業者数の推移から将来のオフィス人口を予測するのは,バブル経済崩壊後の低成長時代にあっては過大な予測値というべきであるし,企業アンケート調査の回答では,市場規模の拡大を前提とするとの留保が付されている点を無視したり,「検討してみたい。」との回答を「進出を希望する企業」に含めたり,回答実数が非常に少ないことを考慮しないなど,過大な見積もりがなされている。愛知県内のオフィスについて既に供給過剰の状態にある中,都心から遠く離れた対岸部におけるオフィス需要の見通しはより慎重に検討されるべきであるにもかかわらず,上記のように需要を水増ししてまで安易にオフィス用地の造成を行うことは,全く経済的合理性を欠くものといわざるを得ない。 (キ) 宿泊施設用地の需要について願書では,空港島周辺部において365室のホテル,対岸部において798室の都市型ホテルと84室の観光型ホテルの建設をそれぞれ予定して 欠くものといわざるを得ない。 (キ) 宿泊施設用地の需要について願書では,空港島周辺部において365室のホテル,対岸部において798室の都市型ホテルと84室の観光型ホテルの建設をそれぞれ予定している。しかしながら,都市型ホテルについては,空港内事務所及び対岸部地域開発に対応する就業者数からその需要を予測しているが,これは空港島周辺部や対岸部への企業立地を前提としているところ,既述のとおり,オフィス等の企業立地予測は楽観的にすぎるし,観光型ホテルの需要予測の前提となる対岸部を訪れる宿泊観光客数の予測も過大なものである。 (ク) りんくうタウンとの類似性と空港インパクト論の破綻について本件各事業は,本件空港の開港に伴って生じる膨大な人・物の流れによって発生する需要を受け止めることを最大の眼目として計画されたもので,願書では「空港インパクト」なる言葉が繰り返し強調され,本件各事業の大前提とされている。 しかしながら,これは,前記のとおり,本件空港の過大な航空需要予測の上に,さらに過大な「空港インパクト」を想定して,過大な利用者数・集客数,オフィス人口,流通業務施設等の需要を予測して造成面積を算出するものであるし,そもそも本件各事業は,バブル経済のさなかに具体化され,計画されたため,土地開発によって,土地に本来の価値以上の付加価値を作り出し,巨額の利益を得ようとするバブル経済の特徴を有しているところ,同様に計画された,関西国際空港の対岸における「りんくうタウン」計画は,バブル経済の崩壊とともに開発の見通しの甘さが露呈し,産業の集積,新都市の形成が進まず,平成6年には「まちづくりとまちびらき手法の見直し」が,平成7年2月及び平成11年2月には収支計画の見直しが,平成13年8月には事業計画の見直しがそれぞれなされ,全額起債で賄われたこの事業は まず,平成6年には「まちづくりとまちびらき手法の見直し」が,平成7年2月及び平成11年2月には収支計画の見直しが,平成13年8月には事業計画の見直しがそれぞれなされ,全額起債で賄われたこの事業は,大阪府企業局はもちろんのこと大阪府に対しても深刻な財政危機をもたらしている。この例を見ても,「空港インパクト」なる波及効果が極めて限られたものであり,空港があれば自然と街ができ,膨大な需要が発生するという空港インパクト論が破綻していることは明らかである。 (被告の主張)本件各事業は,以下のとおり,採算性,合理性を有し,被告に経済性発揮原則違反はない。前記のとおり,地方公営企業は,地方公共団体によって経営されるものである以上,公共の福祉の増進という見地から何らかの政策的配慮の下で運営される必要があるから,被告が,このような性格に伴う政治的・政策的裁量権を有していることは当然であり,本件各事業が,これを逸脱,濫用するものでないことは明らかである。 ア本件収支計画の内容について本件収支計画のとおり,本件各事業の総収入額は,分譲収入約2160億円と賃貸収入290億円の合計2450億円を見込んでおり,総事業費は2430億円である。そして,不測の事態による工事費の増加,将来の金利上昇等に対応するため事業費の約5パーセント相当の金員である120億円を予備費として計上しており,収支見通しは,予備費の考慮なしで20億円の,予備費を含めると140億円の黒字であり,今後の変動要素を考慮しても,十分に採算性を有する。 工事費についても,公共残土を多く利用し,基盤整備についてもコストのかからない方法を採用してコスト削減を図った結果,平成13年3月14日に産業労働委員会で発表した数字よりも210億円にも及ぶ工事費が圧縮されている。そして,今後も状況の変化に応じて ついてもコストのかからない方法を採用してコスト削減を図った結果,平成13年3月14日に産業労働委員会で発表した数字よりも210億円にも及ぶ工事費が圧縮されている。そして,今後も状況の変化に応じて適宜収支計画の見直しを図っていく予定である。 イ分譲予定価格について分譲予定価格は,隣接する常滑市街地を含む開発地近隣の公示価格と比較しても割安であるし,本件各事業によって造成される土地は,①第一種空港である本件空港に隣接すること,②道路,鉄道,海上などの交通アクセスの結節点であること,③景観的に配慮された町作り計画を持つこと,④中部圏初の大規模複合都市開発事業であり,希少性を有すること,などの付加価値を有しているから,分譲は十分可能である。加えて,企業庁は,従来の方式とは異なり,「早期のまちづくり」を図る観点から,分譲を基本としながらも,処分面積の約2割について,定期借地方式である事業用借地権を基本とした賃貸方式を導入し,企業側の初期投資額の軽減,進出意欲の促進を図っており,今後も,専門家による検証を加えながら,企業誘致のために土地処分条件などを示す「土地処分ガイドライン」の中で企業誘致の促進に向けた様々な誘致戦略を具体化する予定である。 この点,原告らは,評価書が願書の来客数等の数値を使用していることが非現実的なものであるとして,それに基づき想定された本件収支計画も妥当でないと主張するが,評価書では,単に願書の数値のみでなく,土地評価の標準的方法である取引価格比較法と収益還元法を総合考慮して分譲予定価格が算定されているし,本件収支計画では,安全性を勘案して,さらに安めの価格が設定されているから,妥当性を有するものである。 また,原告らは,地価下落傾向を考慮すれば,平成13年1月の公示価格と均衡していることをもって,処分時点における適正な 性を勘案して,さらに安めの価格が設定されているから,妥当性を有するものである。 また,原告らは,地価下落傾向を考慮すれば,平成13年1月の公示価格と均衡していることをもって,処分時点における適正な価格の根拠とすることはできないと主張するが,本件各事業は,「歩きたくなるまちづくり」,「風土になじむまちづくり」,「眺めを楽しむまちづくり」,「未来がみえるまちづくり」というデザインコンセプトに沿って,既存の常滑市街地とは一線を画す都市拠点の整備を目指すものであって,上記のとおり,分譲予定地の付加価値が極めて高いことを考慮すると,現時点で分譲予定価格が地価公示価格と均衡していることは,相当に優位性を有する価格設定であるといえるし,そもそも将来の不動産価格の動向のような不確実な事柄は,司法判断の対象外とされるべきである。 次に,原告らは,企業庁が分譲予定価格を公示地価と均衡した価格に設定していることに対し,高額に過ぎ,非現実的なものであって,不動産の処分可能性を何ら保証するものでないと主張して,家庭裁判所の遺産分割事件等において路線価や固定資産税評価額を基準とする扱いが一般化している例を挙げるが,公示価格は,地価公示法の定めるところに従い,国土交通省令で定める都市計画区域内の標準地について,毎年1回,国土交通省令で定めるところにより,不動産鑑定士等の鑑定評価を求め,その結果を審査し,必要な調整を行って,一定の基準日における当該標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定したものであり(地価公示法2条1項),正常な価格とは,土地について自由な取引が行われた場合に通常成立する価格というとされている(同法2条2項)ことや,地価公示制度の目的(同法1条1項),取引を行う者の責務(同条の2)に照らせば,企業庁が分譲予定価格の設定を公示地価と均衡した価格に設 に通常成立する価格というとされている(同法2条2項)ことや,地価公示制度の目的(同法1条1項),取引を行う者の責務(同条の2)に照らせば,企業庁が分譲予定価格の設定を公示地価と均衡した価格に設定したことは合理的である。家庭裁判所の上記実務は,時価算定のための鑑定に費用と時間がかかることや,公示価格が標準地にしか存しないことから,便法として路線価等を使用しているにすぎず,実務上,審判段階の資料としての路線価の価値は低いものとされ,公示価格が実際の時価に近いとされているから,企業庁の価格設定は極めて合理的である。 さらに,原告らは,分譲により需給関係が緩和され,常滑市の地価水準が引き下げられることを被告が無視している旨主張するが,本件各事業による埋立造成地は,本件空港に近接する機体整備工場や航空貨物取扱施設等の用地の新規需要,人口の増大や経済成長に伴う新規需要を満たすものであり,とりわけ前者の需要は既存の土地による代替はあり得ないのであるから,分譲によって,直ちに需給関係が緩和される性質のものではない。 ウ需要予測について願書による需要予測が,夢物語に等しい過大で根拠のないものであり,これに基づく土地評価は無意味であるとの原告らの主張は争う。原告らは,現在の社会情勢や企業意識の変化が永続することを前提に,願書による需要予測を批判し,企業庁が予定する土地分譲が将来にわたって困難であるかのように主張するが,これは,単に現在の一般的社会情勢の一側面を一方的に取り上げ,具体的な根拠を示すことなく,将来の仮定を前提とした仮定の議論を繰り返すものにすぎないし,企業庁は,社会経済情勢や企業意識の変化に応じて適切な取組を行い,常に本件各事業の採算性向上を図っている(企業の初期投資額の軽減,最大10年間の長期分納制度,土地リース制度等)から,原告らの いし,企業庁は,社会経済情勢や企業意識の変化に応じて適切な取組を行い,常に本件各事業の採算性向上を図っている(企業の初期投資額の軽減,最大10年間の長期分納制度,土地リース制度等)から,原告らの主張は当たらない。 また,原告らは,本件各事業が都市の創造という極めて高度に専門的な事業であるところ,企業庁にはこうした経験がなく,専門性が欠けている旨主張するが,本件各事業はあくまで埋立造成事業であり,「まちづくり」を行う主体は都市計画を策定する常滑市及び実際に分譲地に進出した事業者である(愛知県公営企業の設置等に関する条例1条)し,企業庁は,埋立造成について,昭和34年度の事業開始以来,衣浦港及び三河港臨海工業用地造成等,全国トップレベルの埋立造成実績を有し,ノウハウも十分持ち合わせている。また,企業庁は,用地を提供する立場から,常滑市と協力してまちづくりの誘導策を講じているが,これについては,専門機関への委託や学識経験者の意見を踏まえ,シンクタンク等にも調査を依頼しながら進めており,原告らの主張は妥当でない。 なお,原告らは,りんくうタウンの状況を例に引いて,本件各事業が失敗する可能性が高い旨主張するが,りんくうタウンと本件各事業とは,その構想された時期,費用規模等が全く異なるし,企業庁は,りんくうタウンの状況も参考にして,当初より賃貸方式や10年間の長期分納方式を導入するなどの方策を講じており,原告らの主張は認められない。 (4) 本件各事業による環境破壊の有無(原告らの主張)本件各事業は,以下のとおり,埋立予定海域周辺の環境に著しい悪影響を与えるものであり,こうした行為は,環境保全が人類の生存の基盤であり,これを維持すべきことを宣言した環境基本法3条,地方公共団体の責務を定めた同法7条及び環境影響評価の推進をうたった2 しい悪影響を与えるものであり,こうした行為は,環境保全が人類の生存の基盤であり,これを維持すべきことを宣言した環境基本法3条,地方公共団体の責務を定めた同法7条及び環境影響評価の推進をうたった20条,埋立てが環境保全について十分配慮されたものでなければならないことを定めた埋立法4条1項2号の趣旨に照らすと,企業法3条により地方公営企業が遵守すべき公共の福祉増進原則に違反し,違法というべきである。 ア空港島予定地の環境における重要性について空港島予定地のある伊勢湾は,湾中央部が最も深いすり鉢状になっている閉鎖性内湾(入口が狭く奥が広い湾)であり,湾奥にいわゆる木曽三川等比較的大きな河川が流入しているため,ここから運ばれる土砂が堆積した遠浅で砂泥質の干潟(水深5メートルを超えない海域),浅場(水深5メートルから10メートルまでの海域)が海岸線に沿って広がっている。そして,伊勢湾に流入した多量の河川水が,海水と混合しながら河口付近に広がり,地球の自転の影響を受けて西方向に流れる結果,常滑沖は,極めて潮通しがよく,底質環境は良好な状態を保っている。 空港島予定地は,別添の中部国際空港及び関連事業図のとおり,対岸とわずか1. 2キロメートルの近距離に位置し,同予定地付近の海域は,ほぼ水深5ないし10メートル以浅の干潟・浅場が広がっているが,干潟・浅場には,以下のような機能が存し,常滑市沖は,年々悪化する伊勢湾の環境全体に対して重要な機能を果たしている。 (ア) 干潟・浅場は,水深が浅いので海面からの酸素の供給量が多く,海底まで太陽光が差し込むため,砂に付着した単細胞のケイソウからアマモなどの海草が生え,しかも陸から栄養塩や有機物が流れ込むことから,種々の生物が多様に生息することができる(生物多様性創出機能)。また,身を隠す植物や砂があること に付着した単細胞のケイソウからアマモなどの海草が生え,しかも陸から栄養塩や有機物が流れ込むことから,種々の生物が多様に生息することができる(生物多様性創出機能)。また,身を隠す植物や砂があることから,魚介類の産卵場や,稚魚の成長のためのすみかともなる(魚介類保育機能)。 (イ) 干潟に生息するアサリなどの二枚貝は,赤潮の元となる植物プランクトンを多量に消費し,アマモやアオサは,赤潮の原因となる窒素やリンの栄養塩を多量に吸収し,砂泥の中にすむ特殊なバクテリアは,窒素の栄養塩を窒素ガスに変えるなどの働きをしている(水質浄化機能)。 (ウ) 漁業資源の点から見ても,常滑市沖周辺のアマモ場は,伊勢湾全体の33パーセントを占め,また,対岸部の前浜干潟や周辺の浅場を加えた水域は,魚類,甲殻類,貝類その他の底生生物などの生育の場となり,優良な漁場となっている。 イ本件各事業による環境悪化について本件各事業による埋立てが実施されると,その海域周辺の干潟・浅場面積が縮小し,生息する生物,ひいては漁業生産性が確実に減少する。そればかりでなく,海岸線,海底の地形の変化は,伊勢湾東岸部の海流をせき止め,滞留部分を形成する可能性があり,場合によっては,空港島と対岸部が漂砂の堆積によってつながってしまうトンボロ現象の発生も心配される。 また,閉鎖性内湾である伊勢湾は,富栄養化が進み,夏場は海底付近が酸欠状態となるところ,干潟・浅場では,その水質浄化機能によって,酸欠状態にならないが,干潟・浅場が埋め立てられれば,酸欠となる範囲は増加する。 さらに,空港島予定海域は,木曽三川からの流入により南向きの流れが生じるため,浮泥(巻き上がりやすい有機物に富んだ泥で堆積するとヘドロになる。)等は南向きの流れに沿って洗い流され,これに,潮汐による上げ潮,下げ潮や北西の季節風, 川からの流入により南向きの流れが生じるため,浮泥(巻き上がりやすい有機物に富んだ泥で堆積するとヘドロになる。)等は南向きの流れに沿って洗い流され,これに,潮汐による上げ潮,下げ潮や北西の季節風,台風による巻き上げが加わることで,底質が良好な状態に保たれているところ,空港島の建設によって,南向きの流れも上げ潮,下げ潮も遮断される部分が生じる。この場合,空港島の南側の流れが弱くなって,水道の方に回り込む流れが生じるため,巻き上げが弱くなり,空港島の南側から水道に及ぶ海域に浮泥が溜まりやすくなり,これにより,海底の有機物,バクテリアが増加し,酸素消費量が増え,海底への酸素供給量が少なくなり,底層にすむことができる生物の種類と量が減少する。 常滑市沖は,今まで良好な環境を維持してきたところ,上記のような事態に至ると,伊勢湾全体の水質や魚類の生産に与える影響は大きく,これを経済的効果の面から見ると,800億円程度の経済的損失となることが予想される(三河湾の一色干潟を例として算定)。 現に,環境庁も,平成12年6月23日,埋立法47条2項に基づき,常滑市沖の海域が伊勢湾の中でも良好な水質,底地環境が維持され,最良の漁場になっているところ,本件各事業による埋立ては大規模なものであるから特に慎重な対応を図るべきであるとした上で,企業庁に対し,埋立てについては,用地需要を確認するとともに,伊勢湾における環境保全の推進に配慮して,用途,工事等について必要に応じて見直しを行い,適切に対応すべき旨の意見を述べている。 これに対し,本件会社及び愛知県は,自然環境への影響を回避,減少させるための方策として,①空港島,対岸部の海域幅の確保,②空港島の形状の曲線化,③空港島の隅角部の曲線化,④空港島の護岸壁面での岩礁域生態系の創出,などの措置を講ずることを約している を回避,減少させるための方策として,①空港島,対岸部の海域幅の確保,②空港島の形状の曲線化,③空港島の隅角部の曲線化,④空港島の護岸壁面での岩礁域生態系の創出,などの措置を講ずることを約しているが,これらによっても,南向きの海流,上げ潮,下げ潮,波などを遮断する効果は同様であって,浮泥等が滞留し,底層にすめる生物の種類及び量が減少することに変わりはないし,岩礁の生態系を創出しても砂質の生態系の代償とすることはできず,埋立予定地の生態系の健全性は図られない。 また,被告は,空港島の建設によって消滅する干潟・浅場の面積は,伊勢湾全体の水深10メートル以下の浅海部分の約1.5パーセントにすぎないと主張するが,これは埋立てによる周辺への影響を考慮していない主張である。埋立てによって浮泥等が溜まりやすくなって底質が悪化する部分があること(上記面積の約2.5倍),底質が砂質のため水深が10メートルでも貧酸素を免れる空港島建設予定海域以外の海域では,水深5メートルを超えると貧酸素となることなどを考慮すると,埋立てによる影響は上記浅海部分の7.5パーセントに及ぶとみるべきである。加えて,空港島建設予定海域に依存度の高い魚介類(サヨリ,アサリ,ハマグリ,カレイ,タイ,メバル,アナゴ,スズキ,ハゼ,ウナギ,アユ,エイ,クルマエビ,ガザミ(ワタリガニ),赤貝,トリガイ,カレイ,アナゴ,コチ,イカ,タコ,シャコ,エビ,カニ等)は,幼生の一時期あるいは生涯にわたり,主として上記海域及び白子,松阪,伊勢の浅海域に分布し,しかも,空港島建設予定海域の面積は他の3海域の2倍であるから,結局,埋立てによる影響は13倍に達し,軽微な影響とは到底いえない。 (被告の主張)原告らは,本件各事業による開発が,著しい環境破壊を引き起こす旨主張するが,以下のとおり,全く根拠の であるから,結局,埋立てによる影響は13倍に達し,軽微な影響とは到底いえない。 (被告の主張)原告らは,本件各事業による開発が,著しい環境破壊を引き起こす旨主張するが,以下のとおり,全く根拠のない憶測であって,失当である。そもそも,原告らの援用する環境基本法3条等は,具体的な財務会計行為の違法を基礎づけ,差止請求の直接の根拠となる財務会計法規ではない。 ア本件各事業の計画における環境への配慮について本件各事業の計画においては,①海域環境に対する配慮(空港島と対岸部との最小海域幅を1.1キロメートル確保する,潮流に対してできるだけ抵抗の少ない形状にする等),②水性生物に対する配慮(捨石式傾斜護岸や人口海浜を築造する等)など,各種の環境保全措置を講ずることとされ,その結果,環境影響調査においても,本件各事業の実施による大気質を始め,水質,底質,地形・地質,動植物等への影響は,各種の環境保全対策実施により回避,低減されており,また,地域の環境保全の基準又は目標の達成状況にほとんど変化を来すことはなく,伊勢湾及びその周辺地域の環境に及ぼす影響も小さいとの総合評価を得ている。 イ本件各事業の環境に対する影響について原告らは,上記環境保全措置によっても,空港島建設によって局所的に負荷が増大するとともに,海流や波が弱まるなどの影響を受ける海域が広範囲に現れるため,浮泥の滞溜などの水・底質の悪化や,トンボロ現象によるアマモ場や砂質浅海域生態系の減少の危険性は解消されない旨主張するが,本件会社及び愛知県は,平成12年6月,「中部国際空港建設事業及び空港島地域開発用地埋立造成事業及び空港対岸部埋立造成事業に係る工事中の環境監視計画」を策定し,これに基づき,同年7月の準備工事の着工以来,空港島及び対岸部の周辺海域で水質,底質,海洋生物などの環境監視 地域開発用地埋立造成事業及び空港対岸部埋立造成事業に係る工事中の環境監視計画」を策定し,これに基づき,同年7月の準備工事の着工以来,空港島及び対岸部の周辺海域で水質,底質,海洋生物などの環境監視を行い,専門分野の学識者による検討委員会による検討,評価を経た上,環境監視結果年報を公表している。これによれば,平成12年度では,工事による影響は認められず,平成13年度でも,空港島と対岸部間の水道部の陸域に近い監視地点における航路しゅんせつ工事に伴うと思われる濁りを除き,工事による影響は認められなかった。また,底質について,空港島南部,水道部及び知多半島海岸近くの各監視地点で採取した土砂中に占めるシルト及び粘土分の割合は,10パーセントを超えたが,一時的な変化であって,その他の監視地点では変化が認められなかったことから,工事による影響とは認められなかった。海生生物の状況についても,平成12年度,平成13年度を通じて大きな変化はなく,海水の流れについても,空港島南部で冬期の上層流速が工事前より若干小さい傾向があったものの,原告らがトンボロ現象が生じると主張する水道部での海水の流速,流向は,着工前の状況とほぼ同様であった。 以上によれば,原告らの主張は,全く根拠がないというべきである。 第3 当裁判所の判断 1 争点(1)(本件支出による回復困難な損害を生ずるおそれの有無)原告らの本訴請求は,地方自治法242条の2第1項1号に基づく差止請求であるところ,被告は,訴訟要件たる同号所定の「回復困難な損害を生ずるおそれ」(最高裁判所平成12年12月19日第三小法廷判決・民集54巻9号2748頁参照)の存在が認められないと主張するので,これについて判断する。 前記前提事実(4)記載のとおり,本件収支計画によれば,本件各事業の総事業費は2430億円とされて 法廷判決・民集54巻9号2748頁参照)の存在が認められないと主張するので,これについて判断する。 前記前提事実(4)記載のとおり,本件収支計画によれば,本件各事業の総事業費は2430億円とされているところ,その主要部分である工事費(1560億円)についてみても,空港島周辺部及び対岸部の埋立造成工事の完了予定時期が平成16年度末とされていることを考慮すると,現時点では,いまだ相当額の支出が留保されている状態であると認められる(現に,原告らは,いまだ総事業費の一部である550億円が支出されているにすぎないと主張しているところ,被告から具体的な反論はない。)。しかるところ,かかる金額は,企業庁ないし愛知県の財政規模に照らしても,到底軽視し得る金額であるとはいえず,愛知県が,埋立造成工事の完成に伴い相当面積の造成土地を取得し,これを分譲ないし賃貸することによって相当額の収入を得る見込みがあることを考慮しても,その支出は,なお愛知県に回復困難な損害を与え得るというべきである。 そして,この事業費は,本件各事業の進展に伴って順次支出されていくことが確実であるから,上記の損害を生ずるおそれが客観的,具体的に存在すると認めるのが相当であって,被告の上記主張を採用することはできない。 2 争点(2)(本件支出の違法性全般及びその主張立証責任)について(1) 一般に,住民訴訟における差止請求の対象たる行為(地方自治法242条の2第1項1号所定の当該行為)が複数にわたる場合,その特定は,これらの行為が全体として他の財務会計上の行為と区別して認識可能であること,これらの行為が行われることが相当な確実さをもって予測できること,これらの行為が行われると,地方公共団体に回復困難な損害が生ずるかについて判断できること,以上の要請を満たす限り,個々の行為を他の行為と らの行為が行われることが相当な確実さをもって予測できること,これらの行為が行われると,地方公共団体に回復困難な損害が生ずるかについて判断できること,以上の要請を満たす限り,個々の行為を他の行為と区別して特定できるよう個別,具体的に摘示することなく,これらの行為を包括的に特定することも許されるというべきである(最高裁判所平成5年9月7日第三小法廷判決・民集47巻7号4755頁参照)。本件において,原告らは,差止請求の対象を本件「各事業に関する費用の支出」と包括的に特定しているところ,このように特定の事業の完成に向けて行われる一連の費用(公金)の支出の差止めを求める場合,当該事業自体が特定されれば,差止請求の対象となる公金支出の範囲を識別することができ,また,その違法性の有無,実行の確実性,上記損害発生の有無等についての判断も可能というべきであるから,全体として特定に欠けるところはないと解される。しかして,本件各事業は,場所,面積等の内容に照らし,社会的な事実として他の事業と区別して認識することが十分に可能であって,差止請求の対象を画するに足りる程度に特定されているというべきであるから,原告による上記包括的な特定は,全体として特定に欠けることはないというべきである(別紙事業目録1,2参照)。 この点に関して,被告は,原告らが本件空港の設置事業あるいは埋立行為そのものを問題としているとの理解の上に,本件差止請求は,住民訴訟の趣旨,目的に反する旨主張するが,本件の差止請求の対象は,上記のとおり,公金の支出たる本件支出であり,これが住民訴訟の対象となり得る財務会計行為に該当することに疑いを容れる余地はない(地方自治法242条1項)。 (2) 次に,被告は,本件支出の原因行為が公有水面埋立免許(付与)等の処分であるとの理解を前提として,この処分 り得る財務会計行為に該当することに疑いを容れる余地はない(地方自治法242条1項)。 (2) 次に,被告は,本件支出の原因行為が公有水面埋立免許(付与)等の処分であるとの理解を前提として,この処分を抗告訴訟で争うことはともかく,そうでなければ同処分に著しい瑕疵が存しない限り,本件支出が違法となることはない旨主張する。しかしながら,埋立免許自体は,免許を受けた者に対して公有水面の埋立てをする資格,権利(埋立権)を授与するものにすぎず(埋立法16条,17条参照),これに期限等の条件が付されていたとしても,条件を満たさない場合に当該免許が失効するだけで(同法34条1項),埋立行為自体を免許を受けた者に義務づけるものではない上,埋立免許処分そのものに関して公金が支出されることは,およそ想定し難いから,本件支出の直接の原因行為は,原告ら主張のとおり,本件各事業と解するのが相当である。 ところで,先行する原因行為の違法を理由として,当該執行機関が行おうとする財務会計行為の差止めの請求ができるのは,当該原因行為を前提としてなされた当該財務会計行為それ自体に財務会計法規上の義務に違反する違法が存するときに限られると解される(前掲最高裁判所平成4年12月15日第三小法廷判決)が,公金の支出は,当該支出負担行為が法令等に反しないことが確認された後でなければできない(地方自治法232条の4第2項)から,仮に,原告ら主張のように,本件各事業が法令に反するものであるならば,それを目的とした埋立工事請負契約,土地造成工事請負契約,土砂運搬請負契約等の諸契約や,工事の監督等のために派遣される職員らに対する出張命令,手当支給決定等の支出負担行為が違法ないし無効となることがあり得ないわけではなく,したがって本件支出も違法と評価されることがあり得るから,公有水面埋立 等のために派遣される職員らに対する出張命令,手当支給決定等の支出負担行為が違法ないし無効となることがあり得ないわけではなく,したがって本件支出も違法と評価されることがあり得るから,公有水面埋立免許処分が抗告訴訟によって争われない以上,それ自体に重大な瑕疵がない限り,本件支出が違法となることはない旨の被告の主張は採用できない。 (3) また,被告は,原告らが違法事由として掲げる本件各事業等の合理性欠如に関する主張は,政策論議そのものであって,住民訴訟の趣旨を明らかに逸脱するし,原告らが援用する企業法3条は財務会計法規としての性格を有しない旨主張する。 なるほど,本件空港の設置事業やこれに関連する本件各事業の実施が,高度の政策的,行政的観点からの検討を要するものであることは,その性質上,容易に推測することができ,また,前者については,設置法等の法令上の根拠を有していることは前記前提事実(2)記載のとおりである。しかしながら,およそ行政上の行為は,多かれ少なかれ,何らかの政策的,行政的配慮の下で決定,実施されるのが通常であり,このような性質を有するからといって,当該行為が地方自治法242条1項所定の財務会計行為に該当するにもかかわらず,住民訴訟の対象になり得ないと解するのは相当でない。また,本件各事業は,本件空港の設置事業と密接に関連することは否定できないが,事業そのものは,その内容及び実施主体において別個のものといわざるを得ないから,本件空港の設置事業が住民訴訟の対象とならないからといって,本件各事業の違法性を主張することが許されないとはいえない。 そして,企業法3条は,前記前提事実(5)記載のとおり,地方公営企業が,常に経済性を発揮し,公共の福祉を増進するように運営されなければならない旨定めているところ,その内容は,企業法及び同法施行に 。 そして,企業法3条は,前記前提事実(5)記載のとおり,地方公営企業が,常に経済性を発揮し,公共の福祉を増進するように運営されなければならない旨定めているところ,その内容は,企業法及び同法施行に関する命令の実施についての依命通達を参酌しても,なお一般的,抽象的なものとの評価を免れず,財務会計行為の担当者が履践すべき行為義務,注意義務の内容が具体的,一義的に明確であるとはいい難い。しかしながら,その内容が一般的,抽象的でありながら,裁判規範たり得ることは,規範的要件あるいは一般条項と呼ばれる法規が存在することに照らしても明らかであるから,企業法3条が抽象的,規範的評価を含む概念から成っているからといって,直ちに裁判規範としての性格を否定すべきではなく,かえって,企業法が,地方公営企業に関する法令等が同法3条に規定する基本原則に合致するものでなければならないこと(5条),管理者は,地方公共団体の長が任命し(7条の2第1項),長は管理者に対して必要な指示をすることができること(16条),財務についても,特別会計(17条),独立採算制(17条の2第2項),計理の方法(20条),料金(21条),予算(24条),繰越し(26条),出納(27条),監査(27条の2),決算(30条),計理状況の報告(31条),剰余金(32条),欠損処理(32条の2),資産の取得,管理及び処分(33条)などについて具体的な規制を行っていることなど,全体として同法3条の経済性発揮原則が目的とする地方公営企業の健全な財務運営の確保を企図していると考えられることに照らすと,地方公営企業の財務運営を危殆に瀕せしめることが明らかであるなど,同法の趣旨を没却するような事態を招く場合は,当該行為は,同法3条や誠実管理執行義務を定めた地方自治法138条の2に違反するものとして, 公営企業の財務運営を危殆に瀕せしめることが明らかであるなど,同法の趣旨を没却するような事態を招く場合は,当該行為は,同法3条や誠実管理執行義務を定めた地方自治法138条の2に違反するものとして,違法と評価されることがあると解すべきであり,さらにそれが法律行為の形式で行われ,法律上の効果を否定しなければその趣旨を維持できない場合には,無効となることもあり得ると解するのが相当である。 かかる意味において,企業法3条が財務会計法規たり得ないとの被告の主張は採用できない。 もっとも,財務会計法規は,地方公共団体の健全な財務運営を確保することを直接の目的とするものであり,これと関連性を有しない利益の実現をも目的とするものではないから,問題とされた財務会計行為により,かかる利益が損なわれるからといって,直ちに財務会計法規としての企業法3条に違反するものとはいえない。本件において,原告らは,本件支出による環境悪化を違法事由として主張するところ,なるほど,原告ら指摘の環境法3条,7条,20条,埋立法4条1項2号などの規定は,環境保全の重要性とその責務等を明らかにしたものと考えられるが,そうであるからといって,環境保全自体は財務会計法規によって直接護られるべき利益とはいえないから,これが侵害されるからといって,直ちに企業法3条に違反するものとはいえない。 しかしながら,環境悪化の程度が甚だしく,重大な結果を招くことが十分に予想される場合には,そのような事態の実現に向けられた経済的出捐は,行政目的の存在を考慮しても,当該地方公営企業にとっておよそ無意味な行為であり,その健全な財務運営に悪影響を及ぼす財務会計行為と評価し得るから,かかる特段の事情がある場合に限り,上記経済的出捐は,同法3条の趣旨に反し,違法,無効となることもあり得ると解するのが相当である。 ,その健全な財務運営に悪影響を及ぼす財務会計行為と評価し得るから,かかる特段の事情がある場合に限り,上記経済的出捐は,同法3条の趣旨に反し,違法,無効となることもあり得ると解するのが相当である。 そして,地方公営企業における財務運営,経営判断は,政策的,専門的見地から多角的,総合的に勘案してなされることを要するものであり,その意味において,当該地方公営企業は当然一定の裁量権を有するものであるから,企業法3条の趣旨に反するとして当該行為が違法,無効となり得るのは,地方公営企業が下した判断が,当該行為の性質,その当時の状況等に照らし,上記裁量権の逸脱ないし濫用と評価される場合に限られるというべきである。 (4) なお,原告らは,被告が,事業計画,造成土地に対する将来の需要予測,処分価格の妥当性等についての判断に不合理な点のないことを相当な根拠,資料に基づいて主張立証すべきである旨主張し,原子炉設置許可処分の取消しが争われた前掲最高裁判所平成4年10月29日第一小法廷判決を援用する。 一般に,抗告訴訟においては,問題とされた処分が受益的処分でない限り,被告とされた行政庁において,その適法性について主張立証すべきものであるが,当該処分が裁量処分としての性質を有する場合には,被告行政庁がこれを逸脱し,濫用したことについて,原告が主張立証責任を負うと解するのが相当である。しかるところ,上記裁判例は,原子炉施設の安全性に関する審査が,多方面にわたる極めて高度な最新の科学的,専門技術的知見に基づく総合的判断を必要とするところ,「核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」の規定に照らすと,被告行政庁がした判断に不合理な点があることの主張立証責任は,本来,原告が負担すべきものであるが,その安全審査に関する資料を被告行政庁がすべて保持しているこ 子炉の規制に関する法律」の規定に照らすと,被告行政庁がした判断に不合理な点があることの主張立証責任は,本来,原告が負担すべきものであるが,その安全審査に関する資料を被告行政庁がすべて保持していることなどにかんがみると,被告行政庁がその判断に不合理な点のないことを相当の根拠,資料に基づいて主張,立証する必要があり,これを尽くさない場合には,その判断に不合理な点のあることが事実上推認されると判断したものであり,被告行政庁が(専門技術的)裁量を有する場合の本来の主張立証責任の所在を明らかにしつつ,これに関する資料を被告行政庁が独占的に保持しているなどの特殊性にかんがみて,事実上の推定という方法を用ることによって,例外的に原告の立証の負担を軽減したものと考えられる。 住民訴訟においては,それが地方公共団体の財政の健全化という観点から特別に認められた訴訟制度であることにかんがみると,原告たる住民側に当該財務会計行為の違法を基礎づける事実の主張立証責任が存するというべきであり,特に,問題となっている行為が裁量処分としての性質を有する場合には,これを逸脱ないし濫用してなされたことについても主張立証すべき責任を有するというべきである。また,本件においては,上記の裁判例の事案と異なり,本件各事業の計画が具体化される過程,すなわち,各種調査に基づくデータの収集,その検討,これを前提とする判断形成の各過程について記した報告書や資料集が相当程度公表され,あるいは公文書公開条例による公開の対象とされているから,事実上の推認の基礎を欠くといわざるを得ない。 よって,原告らの上記主張は採用できない。 以下においては,これらの見地に立って,検討を加えることとする。 3 争点(3)(本件各事業の採算性の欠如の有無)について(1) 本件各事業の計画策定過程について 証拠 告らの上記主張は採用できない。 以下においては,これらの見地に立って,検討を加えることとする。 3 争点(3)(本件各事業の採算性の欠如の有無)について(1) 本件各事業の計画策定過程について証拠(甲3ないし7,9,10,12ないし17,22,39ないし44,72,75ないし77,81の2,85の2,86の1及び2,87,88,125)によれば,以下の事実が認められる。 ア財団法人中部空港調査会(以下「調査会」という。)は,中部地方の大学に在籍する学者らを専門委員として,愛知,三重,岐阜の3県及び名古屋市並びに地元経済界等が中心となって昭和60年12月に設立され,本件空港に関する種々の調査・研究を行い,昭和63年12月には,その対象地区を4か所に絞って公表した。これを受けて,上記自治体等は,平成元年3月,首長懇談会を開催して,伊勢湾東部海上の常滑市沖を候補地とすることで合意した。 調査会は,平成2年5月,「中部新国際空港基本構想(甲3)」を公表して,既存の名古屋空港では,中部における将来の予測航空需要(国際線旅客数は,平成17年で710万人から880万人,平成37年で1300万人ないし1700万人,同貨物量は,平成17年で55万トンから65万トン,平成37年で110万トンから150万トン,国内線旅客数は,平成17年で580万人ないし600万人,平成37年で710万人ないし740万人,同貨物量は,平成17年度で15万トンないし16万トン,平成37年で18万トンないし20万トン)に対応できないことなどを理由として,本件空港の早期実現が期待されることを訴えた。その後,調査会は,平成3年6月,「中部新国際空港の全体像(甲4)」を公表して,本件空港の規模,位置,範囲,事業化の方向などの検討課題について提言し,さらに,その専門委員会は,平成6年 を訴えた。その後,調査会は,平成3年6月,「中部新国際空港の全体像(甲4)」を公表して,本件空港の規模,位置,範囲,事業化の方向などの検討課題について提言し,さらに,その専門委員会は,平成6年11月,「事業化に関する調査状況について(甲5)」を公表して,空港整備内容,採算性と費用負担の問題等について,中間的な検討結果を明らかにした。 本件空港は,平成3年11月に閣議決定された,同年度から平成7年度における「第6次空港整備計画五箇年計画」において,地域の創意工夫を反映しつつ,関係者が連繋して総合的な調査を進めるものと位置づけられ,次いで,平成7年8月における「第7次空港整備五箇年計画の基本的考え方(中間とりまとめ)」において,新東京国際空港及び関西国際空港に続く国際ハブ空港に位置づけられ,総合的な調査検討を進め,早期に結論を得た上,関係者が連携してその事業の推進を図るものとされた。これを受けて,運輸省(第五港湾建設局),愛知県及び調査会の三者は,平成8年6月,「中部新国際空港の規模等に関する調査(~平成7年度)について(甲6)」を発表し,今後の検討の基礎資料とすべき従前の調査結果を整理,公表した。 その後,本件空港が,平成8年12月13日閣議決定(平成9年12月12日改定)された「第7次空港整備五箇年計画(現七箇年計画)」(以下「第7次計画」という。)において,中部圏における新たな拠点空港の構想について,定期航空路線の一元化を前提に,関係者が連携して,総合的な調査検討を進め早期に結論を得た上,その事業の推進を図ると位置づけられたことから,中部新国際空港推進調整会議(平成7年12月26日に新たに関係自治体,運輸省や建設省の関係部局,関係経済団体等の長をもって組織された。以下「推進会議」という。)は,平成9年3月,「中部圏における新たな 新国際空港推進調整会議(平成7年12月26日に新たに関係自治体,運輸省や建設省の関係部局,関係経済団体等の長をもって組織された。以下「推進会議」という。)は,平成9年3月,「中部圏における新たな拠点空港に関する計画案(中間まとめ)(甲40)」,「アクセス整備方策案(甲41)」及び「空港島連絡施設について(甲42)」を,次いで,平成10年3月,「中部国際空港の計画案(最終まとめ)(甲7)」をそれぞれ公表した。これらは,平成8年度の実績(旅客数は,国際線363万人,国内線580万人,航空貨物量は,国際線8万トン,国内線5万トン,離着陸回数は10万5000回で,10年前と比べて約1.5倍の増加)を基に,平成12年度の旅客数を国際線430万人,国内線670万人の合計1100万人,航空貨物量を国際線23万トン,国内線4万トンの合計27万トン,離着陸回数を11万1000回に,平成17年度は,同様に,500万人と710万人の合計1210万人,27万トンと5万トンの合計32万トン,12万1000回に,それ以降も5年ごとに平均約1割の増加を予測するなどして本件空港の必要性を再説した上で,滑走路,空域・飛行経路,空港施設に関する最終計画を明らかにしている。 また,第7次計画を受けて,平成9年3月,愛知県等の関係自治体3県1市は,本件空港を前提とした「地域整備構想案(甲39)」を,上記関係自治体と関係経済団体は,「空港事業推進に係る地域の取り組みについて(甲43)」を,愛知県は,「空港近接部(空港島及び対岸部)における地域開発構想案(甲44)」をそれぞれ公表し,本件空港の設置事業や本件各事業を推進する方向を打ち出した。 イ愛知県企画部航空対策局は,平成7年と平成8年に,株式会社東海総合研究所に対し,臨空都市圏整備構想調査を委託し,平成8年3月と平成9年 ,本件空港の設置事業や本件各事業を推進する方向を打ち出した。 イ愛知県企画部航空対策局は,平成7年と平成8年に,株式会社東海総合研究所に対し,臨空都市圏整備構想調査を委託し,平成8年3月と平成9年3月にそれぞれ報告書(甲13,14)の提出を受けた。 前者では,企業(大企業,外資系企業,東海企業及び知多企業の合計1万2534社)に対する本件空港隣接部への進出意欲を問うアンケート調査結果が記載されており,これによれば,回答企業数805社,回収率15.4パーセントのうち,進出を希望する社(2.8パーセント)と進出を検討したい社(13.2パーセント)は合計で16パーセント,進出の可能性は別として興味がある社(27.4パーセント)を加えると43.4パーセントであるのに対し,現在の業務内容では進出不可能な社(19.6パーセント),まったく進出する意思がない社(22.4パーセント)を加えると42パーセントとなっている。 後者では,アンケート調査に基づいて,対岸部の土地需要(ただし,平成37年まで)を,オフィス用地12ヘクタール,工業用地29ヘクタール,研究所31ヘクタールと想定している。 ウまた,企業庁は,平成9年5月30日,株式会社三菱総合研究所に対し,中部新国際空港対岸部事業化基本調査を,平成10年6月5日,中部国際空港近接部(空港島周辺部及び対岸部)事業化実施調査を委託し(甲12,85の2),前者については平成10年3月,後者については平成11年3月にそれぞれ報告書(甲9,10)の提出を受けた。 前者(対岸部)の報告書は,名古屋圏における地価の下落率は低下していること,企業に対するアンケート調査などによれば,空港近接部に対する運輸・通信業,サービス業,卸売・小売業等を営む国内企業の関心は高いものの,海外企業の関心は低いことなどを指摘し,事業化 低下していること,企業に対するアンケート調査などによれば,空港近接部に対する運輸・通信業,サービス業,卸売・小売業等を営む国内企業の関心は高いものの,海外企業の関心は低いことなどを指摘し,事業化の検討に当たっては,アクセス網(道路及び鉄道・海上交通)の整備,周辺地域の整備を踏まえた上で,①地球的交流により高い付加価値創出を実現するまちを目指す,②楽しみや癒しを重視したライフスタイルの創出を目指す,③真の地域貢献たる開発を目指す,④中部圏初の大規模複合都市開発として独創的な取り組みに挑戦する,⑤まちづくり主体を明確にし責任ある取り組みを行うとの5つの開発コンセプトの下に,「地球人楽市」の標語に合致した3つのゾーン(アミューズメントゾーン,ブレインゾーン及びパブリックゾーンから成るセンターゾーン,ホスピタリティゾーン,マリーナタウン,ベイサイドガーデン及び港湾関連用地から成るウオーターフロントゾーン,オフィスゾーン,ロジスティクスゾーン,パブリックゾーン及びベイサイドゾーンから成るウィングゾーン)分割方式による整備を提案し,具体的な施設や配置案について提示している。そして,この事業の収支を改善するためには,総事業費の圧縮と収入の拡大が必要であり,後者のためには,分譲土地面積の拡大と借地方式の併用が望ましいこと,土地処分を促進するためには,税制等における各種補助・優遇措置の実施,柔軟かつ多様な処分方式,各種メディアを活用した情報発信,海外企業を視野においた企業誘致などが検討課題とされるべきである旨述べている。 後者(近接部)の報告書も,上記の5つの都市開発コンセプトと「地球人楽市」の標語の下に,各ゾーン(対岸部につき,中核ゾーン,親水ゾーン及び市街地隣接ゾーン,空港島周辺部につき,空港隣接ゾーン)ごとに開発計画及び施設を具体的に提案し つの都市開発コンセプトと「地球人楽市」の標語の下に,各ゾーン(対岸部につき,中核ゾーン,親水ゾーン及び市街地隣接ゾーン,空港島周辺部につき,空港隣接ゾーン)ごとに開発計画及び施設を具体的に提案し,そこで予定されているオフィス,ホテル及び商業施設の各事業について,初期投資に対する利回りからみた負担可能地価概算,DCF法に基づく収益還元法による地価概算,事業収支シミュレーションの3つの方法により,事業採算性を検討し,これらを前提に,近接部全体の開発事業を単一のデベロッパーが実施する場合は,埋立コストの削減,資金計画の工夫(借入額の減少による金利負担の低減),収入源の確保(土地分譲・賃貸に加え,管理委託料,収益事業実施),土地価格の上昇(まちの成熟による付加価値の増大),税制面等での優遇措置,事業費支払の工夫などの検討が必要であると述べている。 エ企業庁は,平成13年7月3日,株式会社帝国データバンク(名古屋支店)に対し,対岸部地域開発用地に関するアンケート調査を委託し(甲81の2),平成14年2月,その報告書(甲88)の提出を受けたが,これによれば,回答企業707社(回収率70.7パーセント)のうち,大いに関心があるとする社4.1パーセントと関心がある社12.6パーセントを合わせて16.7パーセントであるのに対し,あまり関心がない社10.6パーセント,関心がない社72.3パーセントであったが,進出の意向については,ぜひ進出したい社8.3パーセント,条件が合えば進出したい社20.2パーセント,今後検討したい社24.9パーセントであるのに対し,その意向がない社は29.5パーセントであった。 また,企業庁は,平成13年9月27日,株式会社三菱総合研究所に対し,中部国際空港近接部地域開発事業推進調査を委託し(甲86の1,2),平成14年1月に の意向がない社は29.5パーセントであった。 また,企業庁は,平成13年9月27日,株式会社三菱総合研究所に対し,中部国際空港近接部地域開発事業推進調査を委託し(甲86の1,2),平成14年1月にその中間報告(甲72)の,同年3月,その結果(甲125)及びその概要(甲87)の各提出を受けている。これによれば,まちづくりについては,「次世代の産業技術やライフスタイルが創造・発信されるエアフロント・シティ中部臨空都市」の標語の下,「①次世代産業技術のグローバルゲート・シティ,②国際性のあるにぎわいを備えた新たな生活を提案するライフスタイル創造都市,③次世代を担う国際人を育む都市」のコンセプトによって推進すること,土地処分については,土地を取り巻く環境が厳しいことから,①長期的視点に立った処分,②公共による積極的牽引,③多様な処分方式,④事業初期における賃貸方式の重視,⑤多様な事業者選定方式等の導入,⑥各種優遇施策の導入などが提案されている。 なお,対岸部において実際にまちづくりを担当する常滑市の商工会議所は,平成14年1月,商業・業務施設用地の中核となる施設として,テーマパークやアウトレットモールの誘致を検討してきたが,現実性などの点で困難との結論に達し,カジノを中心としてホテル,レストラン,ショッピング施設を併せ持つ総合商業エリアの構想を発表している(甲75ないし77)。 (2) 本件各事業の計画の前提予測について証拠(甲15,17)によれば,以下の事実が認められる。 ア本件各事業のための願書(対岸部につき甲15,空港島周辺部につき甲17)では,対岸部の必要埋立規模は,ふ頭用地3.9ヘクタール,流通施設用地18. 4ヘクタール,商業・業務施設用地45.9ヘクタール,製造業用地16ヘクタール,交通施設用地26.4ヘクタール,緑地16.7ヘ は,対岸部の必要埋立規模は,ふ頭用地3.9ヘクタール,流通施設用地18. 4ヘクタール,商業・業務施設用地45.9ヘクタール,製造業用地16ヘクタール,交通施設用地26.4ヘクタール,緑地16.7ヘクタールの合計127.3ヘクタールとされており,空港島周辺部のそれは,ふ頭用地5.2ヘクタール,流通施設用地33.2パーセント,商業・業務施設用地6.3ヘクタール,製造業用地14.7ヘクタール,輸送用機械器具製造業用地31ヘクタール,交通施設用地8.1ヘクタール,緑地19.8ヘクタールの合計118.3ヘクタールとされている。 イ願書には,上記の埋立規模の算定の前提として,次のような記載がある。 (ア) ふ頭用地について空港島周辺部では,四日市港,津松阪港,鳥羽港からの海上アクセスに必要な180GT級双胴型高速船,三重県からの航空貨物発生予想量(平成17年度)3万6100トンに,本件空港を利用する割合75.5パーセントを乗じた2万7300トンに対応できる2000DWT級海上航空貨物運搬船,年間130万人(1便当たり208人)の乗船客に対応できる160GT級遊覧船,200GT級官公庁船を前提とし,対岸部では,現在,伊勢湾で航行している2000GT級フェリー,常滑市内の企業からの港湾取扱貨物量5万3827トンと対岸部製造業用地立地企業からのそれ1万4145トンに対応できる2000DWT級貨物船,維持管理船等,年間130万人(1便当たり208人)の乗船客に対応できる160GT級遊覧船などを前提に,必要なふ頭用地を算定している。 (イ) 流通施設用地について空港島周辺部については,推進会議による平成17年度における航空貨物予測量(国際線27万トンと国内線5万トンの合計32万トン)の25パーセントを流通施設用地取扱貨物量と想定し,これに単位面積(1平 空港島周辺部については,推進会議による平成17年度における航空貨物予測量(国際線27万トンと国内線5万トンの合計32万トン)の25パーセントを流通施設用地取扱貨物量と想定し,これに単位面積(1平方メートル)当たりの取扱貨物量を0.31トンとして流通施設用地必要面積26万0320平方メートルを算出し,これに所要の道路敷5万3916平方メートル,緑地1万2497平方メートル,胸壁敷75平方メートル,護岸敷5580平方メートルを加えたものを必要な流通施設用地としている。 他方,対岸部については,平成17年の知多地域における貨物量(航空貨物を含む。)を,第3回中京都市圏物資流動調査(昭和51年は1日当たり20万0108トン,昭和61年は同18万0362トン,平成8年は同33万1787トン)の結果から,同36万2514トンと予測した上,平成8年から平成17年にかけての増加量同3万0727トンの4分の1を常滑市で取り扱うものと想定して算出した年間280万3565トンと,対岸部製造業用地から発生することが予測される年間13万0903トンの合計293万4468トンに対応できるトラックターミナル用地を6万1500平方メートル,倉庫用地を8万5938平方メートルと算出し,これに所要の道路敷3万6676平方メートルを加えたものを必要な流通施設用地としている。 (ウ) 商業施設用地について空港島周辺部については,推進会議における旅客予測数等を基に,本件空港の利用者(旅客,送迎者,見学者及び商用者)数を平成17年度は1042万人,平成27年度は1260万人と想定した上,これに長時間滞在者割合と立寄率を乗じて商業施設来店者数(平成17年度は376万5000人)を予測し,これにその他の来店者予測数3万6500人を加えた380万人余を商業施設年間来店者数とした。 上,これに長時間滞在者割合と立寄率を乗じて商業施設来店者数(平成17年度は376万5000人)を予測し,これにその他の来店者予測数3万6500人を加えた380万人余を商業施設年間来店者数とした。その上で,これに対応できる商業施設必要面積を関西国際空港の計画にならって1万3310平方メートルと算出し,行政サービス施設用地400平方メートル,空港サービス施設用地1万5400平方メートルを加えて必要面積としている。 他方,対岸部については,平成17年度における知多地域の人口を61万人(常滑市のそれは6万6000人。なお,平成14年は約5万人)と予測した上,人口1人当たりの売場面積1.24平方メートル(平成9年度は0.98平方メートル)を乗じ,さらにこれに知多地域の人口に占める常滑市の人口の割合等を乗じて常滑市内の新規必要売場面積を2万1717平方メートル,延床面積4万7777平方メートルと算出し,これに必要な屋内駐車場面積4万3440平方メートルを加えて,その3分の1(3階建てを想定)である3万0406平方メートルに屋外駐車場面積2万1720平方メートルを加えた5万2126平方メートルをもって大規模商業施設必要面積とした。 さらに,キャナルモール予定地については,平成17年度の距離帯別の圏域人口を予測した上,日帰り観光参加回数を1人当たり年間3.24回,宿泊観光のそれを1.51回と想定し,これに千葉県と長崎県の大規模集客施設における距離帯別減衰率の中間値を乗じて年間観光客数を日帰り3817万人,宿泊1779万人とし,これに活動目的別参加率(日帰り20.4パーセント,宿泊37.6パーセント)を乗じ,さらに知多,尾張,三河,北勢,中勢の5地域のうち知多地域の選択率0.2,日集中率0.005を乗じて1日当たりの観光客数を1万4475人とした上, 0.4パーセント,宿泊37.6パーセント)を乗じ,さらに知多,尾張,三河,北勢,中勢の5地域のうち知多地域の選択率0.2,日集中率0.005を乗じて1日当たりの観光客数を1万4475人とした上,その半数をキャナルモールの利用者数とし,これに対岸部地域の従業者数1万1900人の半数を加えた1万3188人をもって施設利用者予測数とした。 そして,これに対応する用地面積を5万3735平方メートルと算出している。 (エ) オフィス用地について愛知県におけるオフィス人口増加数を22万1823人(平成7年度123万9898人,平成17年度146万1721人)と予測し,これに意向調査に現われた本社,支社,営業所の新設・移転の可能性がある企業の割合29.4パーセント,本件空港近接部への進出を希望ないし検討する意向を示した企業の割合16パーセント,対岸部での進出を希望する企業の割合71.4パーセントをそれぞれ乗じて,対岸部でのオフィス人口を7450人と算定し,これに1人当たりの有効床面積15平方メートルを乗じ,事務所有効率70パーセントを除し,さらに容積率300パーセントで除した5万3214平方メートルをもって対岸部における必要オフィス面積としている。 (オ) 宿泊施設用地について空港島周辺部については,推進会議による平成17年度の予測旅客数1216万7000人(国際線504万9000人,国内線711万8000人)を前提として,関西国際空港の平成8年度の実績を基に,必要なホテル室数を365室と算出し,これに1室当たりの床面積30平方メートルを乗じ,宿泊部分の有効率28パーセントで除して宿泊施設必要面積3万9107平方メートルを算出している。 対岸部については,空港内事務所及び対岸部地域開発に対応する就業者数を平成17年度で3万4500人とした上で,名古 効率28パーセントで除して宿泊施設必要面積3万9107平方メートルを算出している。 対岸部については,空港内事務所及び対岸部地域開発に対応する就業者数を平成17年度で3万4500人とした上で,名古屋市の値を基に就業者1000人当たりの必要ベッド数34.7床を乗じ,これにシングルとダブルの割合を1対1として必要客室数798室を算出し,これに1室当たりの床面積30平方メートルを乗じ,前記有効率28パーセントで除して必要床面積8万5500平方メートルを算出し,これに伴う駐車場160台分,4800平方メートルを加えた上,容積率300パーセントで除して,都市型ホテル必要面積を3万0100平方メートルと算定している。さらに,前記(ウ)記載と同様の手法で求めた1日当たりの宿泊観光客予測数6690人にビラコート利用率2.9パーセントを乗じた194人をもって観光型ホテル利用者数とし,余裕を持たせてベッド数200床を,ツイン(2床)8,ビラ(4床)2の割合で案分し,これに1室当たりの床面積46平方メートル(ツイン),89平方メートル(ビラ)を乗じ,有効率45パーセントで除した上,延べ床面積に対する敷地面積割合2.3を乗じた2万3267平方メートルをもって,観光型ホテル必要面積とした。 (カ) 製造業用地について空港島周辺部については,推進会議による予測離着陸回数(平成17年度で,国際線旅客機2万8500回,国内線旅客機5万4800回を前提に,クリーニング工場必要面積5050平方メートルを算出し,さらに新東京国際空港を参考にして特殊車両整備工場必要面積を1万2000平方メートルと算出している。また,空輸型製造業を営む企業のうち,引き合いのあった8社の引合面積にほぼ匹敵する9万5500平方メートルを同製造業の必要面積としている。 他方,対岸部については,平 00平方メートルと算出している。また,空輸型製造業を営む企業のうち,引き合いのあった8社の引合面積にほぼ匹敵する9万5500平方メートルを同製造業の必要面積としている。 他方,対岸部については,平成17年度の愛知県製造業出荷額を46兆4042億円,知多地域はその1割の4兆6404億円と想定した上で算出した必要面積18ヘクタールと,引き合いのあった企業13社の希望面積を基に算出した採用面積14万3637平方メートルを比較し,小さい後者をもって製造業用地必要面積としている。 (3) 本件各事業の事業計画の概要について前記前提事実(4)及び証拠(甲61,62,乙19,24,25,27,28,証人A)を総合すれば,以下の事実が認められる。 ア企業庁は,平成12年10月ころ,財団法人日本不動産研究所(名古屋支所)に対し,本件各事業の推進と早期実現に資することを目的として,空港島周辺部と対岸部について,商業・業務施設用地,製造業用地,流通施設用地の区分ごとに,平成13年1月1日時点における土地の推定価格及び推定賃料(製造業用地を除く。)を査定することなどを委託し,同年1月末ころ,評価書(乙24)の提出を受けた。 その調査方法は,①価格形成要因の分析(願書に記載された推定値を基にした開発事業の把握,近隣地域分析,対象地分析),②取引事例比較法の適用(周辺地域における取引事例からの比準価格の査定,願書に記載された推定来客数に見合う駅前の公示価格やりんくうタウン分譲価格等からの検証),③収益還元法による収益価格の査定(賃貸事例比較法に基づく標準地の比準賃料,これを基にした総収益と総費用の査定,純収益を基に還元利回り(4.5又は5パーセント)で還元した収益価格の査定,その検証),④推定土地価格帯の査定(商業・業務施設用地については収益価格の最小値と比準 れを基にした総収益と総費用の査定,純収益を基に還元利回り(4.5又は5パーセント)で還元した収益価格の査定,その検証),④推定土地価格帯の査定(商業・業務施設用地については収益価格の最小値と比準価格の最大値を,製造業用地及び流通施設用地については比準価格の最小値と最大値をそれぞれ採用),⑤推定賃料の査定(推定土地価格帯に期待利回り(4パーセント)を乗じて査定)の各作業を行うというものであった。 調査の結果,標準地(対岸部及び空港島周辺部のそれぞれ3か所)の推定土地単価(1平方メートル当たり)は,①対岸部の商業・業務施設用地が20万5000円ないし26万2000円,②同製造業用地が9万7200円ないし10万6000円,③同流通施設用地が14万6000円ないし15万9000円,④空港島周辺部の商業・業務施設用地が23万9000円ないし31万6000円,⑤同製造業用地が12万4000円ないし13万5000円,⑥同流通施設用地が18万6000円ないし20万3000円と査定された。また,推定賃料(1平方メートル当たりの月額賃料)は,⑦対岸部の商業・業務施設用地が680円ないし880円,⑧同流通施設用地が480円ないし530円,⑨空港島周辺部の商業・業務施設用地が800円ないし1050円,同流通施設用地が620円ないし680円と査定された。 イ企業庁は,平成11年8月,埋立免許出願の際に,総事業費2400億円の金額を発表し,次いで平成13年3月14日,幡豆地区土砂採取事業中止を受けて総事業費2640億円を公表したが,りんくうタウンの事例も参考にしたその後の見直し作業の結果,同年10月,本件収支計画(乙19)を公表した。 その骨子は,①事業期間は平成10年度から平成24年度(収支計算期間は平成40年度まで),②埋立面積は空港島107ヘクタールと対 後の見直し作業の結果,同年10月,本件収支計画(乙19)を公表した。 その骨子は,①事業期間は平成10年度から平成24年度(収支計算期間は平成40年度まで),②埋立面積は空港島107ヘクタールと対岸部123ヘクタールの合計230ヘクタール,③造成スケジュールについては,平成14年度から順次,部分竣功していき,平成16年度までに完了する,道路,緑地,キャナル等の基盤は,土地処分計画に合わせて段階的な整備を行う,④土地処分スケジュールについては,平成15年度から平成24年度までの10年間とし,平成19年度までに,全体面積の3分の2相当の処分を目指す,⑤土地処分方式等については,分譲を基本としつつ,区域を限定(おおむね2割)した賃貸方式を導入することとし,賃貸料は,分譲予定価格の7割相当を土地価格とした上,公租公課を含めた実質的な利回りが分譲予定価格の年利2ないし3パーセントとなるよう設定する,というものであり,これらは,今後も状況変化に対応して,専門機関による検証を加えながら,適宜,計画の見直しを行うものとされている。 そして,本件各事業による収入の基礎となるべき分譲予定単価(1平方メートル当たり)については,前記の査定価格を基に,その後の地価下落を先取りした形で修正した(商業・業務施設用地については,年5パーセントの下落率を3年分)上,さらに標準地との比較を行って,各地域,ゾーンごとに想定した結果,商業・業務施設用地では平均17万2000円,流通施設用地では同13万5000円,製造業用地では同11万1000円,交通施設用地では造成原価にそれぞれ設定され,その総平均は13万8000円とされている。これらの結果,本件各事業の総収入額は,分譲収入(空港島周辺部70ヘクタール,対岸部87ヘクタール)2160億円,賃貸収入(空港島周辺部18ヘク 設定され,その総平均は13万8000円とされている。これらの結果,本件各事業の総収入額は,分譲収入(空港島周辺部70ヘクタール,対岸部87ヘクタール)2160億円,賃貸収入(空港島周辺部18ヘクタール,対岸部18ヘクタール,期間は10年間から30年間)290億円の合計2450億円と見積もられている。なお,実際の分譲価格は,土地鑑定評価を実施した上で,造成原価を勘案しながら区画ごとに設定されることになっており,当初の分譲価格は,上記予定価格からさらに若干下げることが計画されている。 他方,事業費については,①漁業補償費190億円,②工事費1560億円,③調査費90億円,④建設利息330億円(建設費充当起債1710億円,そのうち290億円を2回借り換えるものとする,前者の予定利率は年1.4ないし1.6パーセント,後者のそれは年2.5パーセントにして,償還期間は7ないし10年),⑤事務費140億円,⑥予備費120億円(上記各費用の合計額の5パーセント相当額)の合計2430億円と見積もられ,総収入額との差額は20億円となっている。 ウなお,企業庁は,平成14年2月1日,新たな長期分納制度と土地リース制度を導入することを公表したが,これは,分納期間が4年から10年に,初回納入額が30パーセント以上から10パーセント以上に,分納利率が年2パーセントから年1.4パーセントに,分納条件がそれぞれ緩和されるなど,その所有する土地の処分を促進するための優遇措置を定めるものである。 (4) 総合的検討以上を前提として,本件各事業が,企業法3条に反するものか否かについて判断する。 ア前記認定事実によれば,本件空港の設置は,我が国におけるいわゆるバブル経済のころに発案され,これが崩壊した後であってもなお右肩上がりの経済状況が継続していた時代の数値を基に について判断する。 ア前記認定事実によれば,本件空港の設置は,我が国におけるいわゆるバブル経済のころに発案され,これが崩壊した後であってもなお右肩上がりの経済状況が継続していた時代の数値を基にした利用予測を行い,これに対応できることを前提に具体化されたものであり,その過程では,地元(関係自治体及び関係経済団体)の意向が強く反映されていたと評することができる。 すなわち,推進会議が平成10年3月に公表した「中部国際空港の計画案(最終まとめ)」中の利用予測は,平成8年の実績を基に,5年ごとに約1割の拡大を示しているところ,我が国の経済の減速に伴って,その達成が困難な情勢になりつつあることは否定できず(例えば,上記計画案では,平成12年度の航空貨物利用予測は,国内線と国際線を合わせて27万トンとされているが,証拠(甲19)によれば,平成11年度の名古屋空港における航空貨物の利用実績は15万8000トンにすぎないことが認められ,その予測が大きく外れたことは確実である。),これに,低迷を続ける今日の経済情勢,なかんずく土地神話の崩壊,関西国際空港の運営・管理に当たる関西国際空港株式会社の財政的苦境,一部を除いた各地のテーマパーク等の集客力の低下などの公知の経済事象を考慮すると,今後の経済情勢の展開について,いかに楽観的な見通しを持つとしても,上記の各予測が実現する可能性は低いと考えざるを得ない(ちなみに,証拠(甲24ないし26)によれば,総務省は,平成13年5月,空港整備事業における需要予測について精度の向上が必要であることを指摘している事実が認められる。)。このような事情に照らすと,在日外国航空会社協議会(FAAJ)が,平成12年10月,日本の空港における着陸料や施設利用料等の民間航空経費が,諸外国のそれと比較して著しく高いことを指摘し, られる。)。このような事情に照らすと,在日外国航空会社協議会(FAAJ)が,平成12年10月,日本の空港における着陸料や施設利用料等の民間航空経費が,諸外国のそれと比較して著しく高いことを指摘し,その引下げを求める声明書(甲50)の中で,既存の名古屋空港の滑走路の使用率は,飽和点からほど遠く,本件空港は主に中部地域の威信のための施設として案出されたと述べているのは,必ずしも一面的な見方といい切れないものがある。 そして,本件空港が開港された後の利用状況についても,それが楽観視できるものでないことは,例えば,株式会社東海総合研究所が,平成10年9月,流通業者等19社を対象に行ったアンケート調査において,本件空港の新たな利用を考えていないとする社が9社で,利用に積極的な社が7社であったこと(甲100),また,中部地方物流研究会が,平成12年10月,中部地方(東海4県,北陸3県の7県)に本社あるいは航空貨物取扱拠点を置く企業263社(回答146社)を対象にして行ったアンケート調査(甲101)において,本件空港が開港された場合,航空貨物輸送のためにその利用を検討するとするものが41社であったのに対し,消極的な社が85社あったことなどの事実に照らしても明らかというべきであり,そうだとすると,このような各予測の影響を直接受けると考えられる本件空港の維持・管理業務を担当する本件会社の財務運営が厳しいものになることが予想されないではない。 イしかしながら,本件各事業そのものについて検討すると,前記認定事実から明らかなとおり,願書に記載された本件空港の旅客・貨物の利用予測や,対岸部及び空港島への来客予測,需要予測は,直接には埋立必要面積を算出するためのものであり,分譲予定価格の設定のためのものではないこと(もちろん,必要な面積を超えて土地が供給され 貨物の利用予測や,対岸部及び空港島への来客予測,需要予測は,直接には埋立必要面積を算出するためのものであり,分譲予定価格の設定のためのものではないこと(もちろん,必要な面積を超えて土地が供給されれば,価格形成に影響を与えることは否定できないが,価格形成には,その他の諸要因も影響し得るから,例えば実際の需要が予測需要の2分の1であれば,その割合がそのまま実際に形成される分譲価格に連動するという関係までは肯定できない。),評価書には,土地の推定価格及び推定賃料の査定に当たり,願書に記載された上記利用予測,需要予測を前提とした部分があるが,その評価手法全体を通じて検討すれば,これらを直接の資料として上記推定価格等が査定されたわけではなく,取引事例比準法や収益還元法による試算の前提や正当性の検証の資料として用いられたにすぎないことが明らかであるから,上記査定に間接的な影響を与えるにとどまっていること,企業庁は,本件収支計画においては,上記査定価格を前提としつつも,さらにこれに相当の地価下落率を見込み,あるいは割引価格を前提とした賃料を設定し,その上で,当初の分譲に際しては,分譲戦略上,さらに低減した価格を設定し,価格の優位性を維持するなどの工夫を検討していること,以上の事実によれば,分譲予定価格の形成に与える利用予測,需要予測の落ち込みによる影響は,かなり薄まっていると考えられ,裏返せば,二重,三重の安全策が講じられていることにより,上記予測値の過大見積もりの収入金額に対する影響は,かなりの程度吸収されることが期待できるというべきである。 ウこの点につき,原告らは,需要予測が狂えば,分譲がなされないまま起債の返還が困難となり,借入利息の増大を招くと主張し,りんくうタウン事業の例を指摘するところ,なるほど,証拠(甲46,92,103,12 の点につき,原告らは,需要予測が狂えば,分譲がなされないまま起債の返還が困難となり,借入利息の増大を招くと主張し,りんくうタウン事業の例を指摘するところ,なるほど,証拠(甲46,92,103,123,124の1及び2,127,128,証人B,同C)によれば,同事業は,昭和62年3月に工事着手され,平成2年4月に商業・業務用地の分譲が開始されたが,ほどなくして分譲状況が悪化し,10年後の平成12年3月の段階に至っても,高い契約率に達している用地は,公共施設用地(100パーセント)のほかに,流通製造加工用地(91.6パーセント)と住宅関連用地(87パーセント)にすぎず,比較的大きな面積を占める商業業務用地(17.2パーセント),空港関連産業用地(34. 6パーセント),工場団地(39.5パーセント)の契約率については,低率にとどまっていること,そのため,大阪府企業局は,適宜,収支計画を見直してきたが,平成13年8月,積極的な企業誘致,優遇措置,分譲価格の再設定などによる産業集積・都市創生策と,事業規模の縮減等による事業計画の抜本的見直し案を公表し,収支見通し(赤字2789億円)の改善を図ることを宣言したが,それでも最終的な収支見通しは1941億円の赤字が予想されていること,以上の事実が認められる。 しかしながら,りんくうタウン事業は,もともと造成面積が本件各事業の約1.4倍(318.4ヘクタール)にすぎないのに,経費である総事業費が約2.6倍(6430億円)に達するという採算性の劣る事業であり,現に,商業・業務施設用地の分譲単価(1平方メートル当たり)は,平成2年4月時点が131万円,平成7年2月が88万円,平成13年8月時点が36万円であり,11年余の間に3分の1以下に低下しているものの,それでも本件収支計画のそれと比較して2倍以上であ り)は,平成2年4月時点が131万円,平成7年2月が88万円,平成13年8月時点が36万円であり,11年余の間に3分の1以下に低下しているものの,それでも本件収支計画のそれと比較して2倍以上であること,契約済みの平均売却価格は,商業・業務施設用地が85万3000円,流通製造加工用地が26万7000円,空港関連産業用地が28万9000円,工業団地用地が19万3000円であり,本件収支計画のそれと比較して,商業・業務施設用地では約5倍,流通施設用地では約2倍,製造業用地でも2.6ないし1.7倍の金額となっていること,以上の事実が認められ(乙29),これによれば,その分譲価格は,見直し後においてすら,本件各事業の分譲予定価格と比較して割高であると考えられるから,りんくうタウン事業が破綻必至であるからといって,本件各事業も同様の運命をたどることが確実であるとはいえず,むしろ,企業庁は,この失敗例を考慮した上で,事業展開を検討していることは前記認定のとおりである。 そして,本件各事業における土地処分は,平成15年度から10年間というスパンで行うことを予定しており,分譲が進ちょくしない場合には,この期間に原因を分析して,所要の対策を講ずることが可能であること(前記認定のとおり,企業庁は,状況変化に対応して,適宜,本件収支計画の見直しを行うことを予定している。),また,本件収支計画には,予備費と剰余金合計140億円が織り込まれていること,公共施設用地に対する国の補助も考えられること(証人A)などを考慮すると,分譲計画が大幅に狂うといった事態が生じない限り,本件収支計画は,基本的に維持することが期待できないものではないというべきである。 エ以上の検討結果によれば,本件各事業が明らかに採算性を有せず,企業庁の財務運営を危殆に瀕せしめることが明らかであ 本件収支計画は,基本的に維持することが期待できないものではないというべきである。 エ以上の検討結果によれば,本件各事業が明らかに採算性を有せず,企業庁の財務運営を危殆に瀕せしめることが明らかであるとまでは認め難い上,採算性を有する事業であるとした被告の判断が,その裁量権を逸脱し又はこれを濫用するものとはいえないから,同事業が企業法3条の趣旨に反する違法なものであると認めることはできない。 4 争点(4)(本件各事業による環境破壊の有無)について(1) 前記判断のとおり,財務会計法規としての企業法3条は,地方公営企業の健全な財務運営の確保を直接の目的としていると考えられるから,環境保全それ自体が公共の福祉の内容を成すことを前提に,これを悪化させる行為を財務会計法規違反とすることはできないが,その程度が甚だしく,重大な結果を招くことが十分に予想される場合は,これに向けられた経済的出捐は,およそ無意味なものであり,これを放置すれば地方公営企業の健全な財務運営に悪影響を与え得るから,このような行為は,同法3条の趣旨に反するものとして,違法,無効と評価され得る場合が存すると解するのが相当である。 (2) そこで判断するに,原告らは,①空港島予定地付近は,閉鎖性内湾である伊勢湾にとって重要な干潟,浅場が広がった海域であり,②この海域は,埋立てによって浮泥が溜まりやすい地形上の特性を有し,有機物の増加,酸素供給量の減少という環境悪化を招きやすく,その経済的損失は800億円にも達するなどと主張するところ,証拠(甲23,27,28,35,36,52,93,111ないし114,117,証人D)によれば,以下の事実が認められる。 ア伊勢湾は,入口が狭く奥行きが広い形状であり,海岸線に沿って水深5メートル以下の干潟,浅場が存在し,その先が急斜面になって水深 1ないし114,117,証人D)によれば,以下の事実が認められる。 ア伊勢湾は,入口が狭く奥行きが広い形状であり,海岸線に沿って水深5メートル以下の干潟,浅場が存在し,その先が急斜面になって水深10ないし20メートルまで落ち込み,中央部は水深20ないし30メートル程度の比較的平坦な深場を構成し,奥側に木曽三川が流れ込むという典型的な閉鎖型内湾を形成している。また,その奥まった部分に名古屋市等の都市部が展開しており,そこから大量の窒素,リンなどの有機物が流入するので,富栄養化しやすい。そのため,海水面近くに赤潮が発生しやすく,その場合には,海底面付近に酸欠状態の層が形成されやすい。そして,空港島建設予定地付近の海域は,河川の流れと地球の自転の影響で,年間を通じて時計回り方向に南への循環流を生じ,いわゆる潮通しが良好であるが,空港島と対岸部との近接性(最短1.1キロメートル)を考慮すると,埋立後は浮泥や有機物がたまりやすく,将来は両者がつながるトンボロ現象の発生も考えられる。 イ空港島の予定地付近の海域は,知多半島の西岸に展開する干潟が緩斜面によって次第に深くなって,水深5ないし10メートルに達するまでの浅場であるところ,このような干潟ないし浅場は,海面からの酸素供給量が多く,太陽光も届くことから,特にアマモ等の海草類や魚貝類などの海生動物の環境に適し,多くの個体が生息している。干潟,浅場は,トラフグ属稚仔,マアナゴ,メバル,コウイカ,ヨシエビ,アサリ,ガザミ,マダイ,クルマエビなどにとって不可欠であり,その漁業生産機能は,三河湾有数のアサリ場である一色干潟(面積1000ヘクタール余)では,アサリ,ノリ,クルマエビ等合わせて年間50億円(投下資本370億円に匹敵)に達している。 ウまた,干潟等においては,これらの動植物,とりわけアサ 場である一色干潟(面積1000ヘクタール余)では,アサリ,ノリ,クルマエビ等合わせて年間50億円(投下資本370億円に匹敵)に達している。 ウまた,干潟等においては,これらの動植物,とりわけアサリやバカガイ等の二枚貝が赤潮や栄養塩を摂取することによる水質の浄化がもたらされており,空港島予定地の干潟等においても,相当な規模の下水道処理場と比肩できる水質浄化機能が期待でき,これを経済的効果として金額に換算することも可能である(上記一色干潟の同機能は,10万人規模の処理場,金額にして878億円の効果として評価できる。)。 以上の事実が認められ,これによれば,海域そのものが消滅する空港島建設予定地においては,そこを生育場とし,環境のために有用な役割を果たしている海生動植物が存在し得なくなるなど,好ましからざる環境への影響が生ずるといえる。 (3) もっとも,一色干潟は,上記のとおり,三河湾でも有数のアサリ場であるのに対して,空港島建設予定地付近の海域がこれと比肩する程度に海生動植物の個体数を有するものであることについては必ずしも明確でない(証人D自身,狭義の干潟は干潮時に海面上に露出する場所と定義されており,また,空港島予定地付近の海域におけるオオアサリやミルガイの生息は,自ら確認したものではなく,元漁民から聞いた話にすぎないことを自認している。)から,同海域における水質浄化機能の喪失等の規模を確定することはできない。 そして,証拠(甲8,18,23,35,36,38,乙9,10,30,31,32の1ないし23,34ないし37)によれば,以下の事実が認められる。 ア社団法人日本水産資源保護協会による「水産用水基準(1995年版)」(甲23)には,水生生物保護のための環境の水質基準として,①閉鎖性内湾の沿岸域の有機物値(COD)は,1リットル当 められる。 ア社団法人日本水産資源保護協会による「水産用水基準(1995年版)」(甲23)には,水生生物保護のための環境の水質基準として,①閉鎖性内湾の沿岸域の有機物値(COD)は,1リットル当たり2ミリグラム以下であること,②海域の全窒素濃度(T-N)は,1リットル当たり1ミリグラム以下,同全リン濃度(T-P)は,1リットル当たり0.09ミリグラム以下であること,③海域の溶存酸素は,1リットル当たり6ミリグラム以上(ただし,内湾の夏季底層においては,1リットル当たり4.3ミリグラム以上)であること,④海域のPH値は,7.8から8.4の間であること,⑤海域における人為的懸濁物質値(SS)は,1リットル当たり2ミリグラム以下であること,⑥海域の底質については,乾泥1グラム当たりのCODは20ミリグラム以下,硫化物は0.2ミリグラム以下,ノルマルヘキサン抽出物は0.1パーセント以下であること,以上のように定められている。 イ愛知,岐阜,三重の3県と調査会が行った空港島の埋立造成等の漁業に対する影響の予測調査(平成9年8月結果公表。甲35,36)によれば,①夏季の水質については,空港島西側の湾奥部に栄養塩が運ばれ,窒素,リンとも上昇するのに対し,空港島周辺では逆に減少し,その増減は,現況濃度の20パーセント程度であること,底層の溶存酸素は,空港島南部でわずかに減少するが,対岸部では増加すると予想されること,②冬季の水質については,三重県側ではわずかに栄養塩が増加し,空港島南部の知多半島沿岸では逆に減少すること,以上のように予測された。 ウ他方,空港島及び対岸部の埋立造成事業に関する環境影響評価(平成11年6月公表。乙9,10)のうち,前者の水質,底質,海生動植物,生態系の分野については,新日本気象海洋株式会社(名古屋支店)等が,後者の ,空港島及び対岸部の埋立造成事業に関する環境影響評価(平成11年6月公表。乙9,10)のうち,前者の水質,底質,海生動植物,生態系の分野については,新日本気象海洋株式会社(名古屋支店)等が,後者の埋立造成による環境影響評価は,日本工営株式会社(名古屋支店)がそれぞれ担当したものであるが,これらによれば,①夏季の水質については,COD,T-N及びT-Pの各等濃度線は空港島西側から伊勢湾西側にかけて湾口側に移動し,この海域でやや濃度が増加するが,知多半島側では各濃度線が湾奥側へ移動し,この海域では濃度がやや減少すること,冬季の水質についても同様の傾向となるが,その変化の程度は夏季に比べて小さいこと,②開始から完成までの5年間にわたる工事に伴って発生する濁りが,拡散及び沈降することにより,海底に土砂が堆積するが,その厚みは,最大でも0.5センチ程度であり,空港島直近に限られること,③工事に伴って発生する濁りが著しい場合,魚貝類の生残率や呼吸機能に障害を与えたり,逃避行動を起こさせることが予想されるが,その範囲は,護岸から1キロメートル以内にとどまること,以上のように予測された。 エ前記のような空港島等の埋立造成事業による環境への影響を低減するため,①基本構想の段階で,空港島と対岸部との最小海域幅を約1.1キロメートル確保し,空港島の形状に曲線を取り入れ,対岸部との海域幅を広くし,隅角部を曲線にするなどして,南下流をできるだけ妨げないように計画し,②水生生物の環境保全のため,空港島東側の形状の曲率をさらに大きくして対岸部との海域を広くし,捨石式傾斜堤護岸及び岩礁性藻場の創出等を行うこと,③工事自体も,護岸等の概成後に埋立工事を実施し,埋立工事の最大工事量を分散し,汚濁負荷量の小さい材料の使用を増加するなどの対策を講ずることなどが決められた 斜堤護岸及び岩礁性藻場の創出等を行うこと,③工事自体も,護岸等の概成後に埋立工事を実施し,埋立工事の最大工事量を分散し,汚濁負荷量の小さい材料の使用を増加するなどの対策を講ずることなどが決められた。 オところで,空港島については,護岸工事が平成12年8月に開始され,これが概成した平成13年3月からは埋立工事も平行して行われている。また,対岸部については,護岸工事が平成12年10月に開始され,これが概成した平成13年9月からは埋立工事も平行して行われている。しかるところ,平成12年9月から平成14年5月までの間において,愛知県と本件会社によって実施された環境影響監視調査(月報は乙32の1ないし23,年報は乙34ないし37)によれば,①空港島と対岸部間の海水の平均流速には,ほとんど変化が見られないこと(乙31),②採取した土砂に含まれるシルト(0.005ないし0.075ミリメートルの成分)の割合は,平成12年8月時点では,空港島南部,水道部が2パーセントであったところ,これらの数値は平成12年11月から平成13年11月にかけて上昇したが,平成14年2月には,減少傾向を示したこと(乙30),③水質は,一部を除き,いずれの監視点においても,COD,T-N,T-Pの各項目にわたり,環境基準が達成されていなかったが,広域的な愛知県の公共用水域でも同様であり,監視結果は,ほぼ公共用水域の調査結果の範囲内であり,一部を除いて,工事着工前後で大きな変化は見られなかったこと,底質,海生生物でもほぼ同様であり,工事による影響は認められなかったこと,以上のような調査結果が示されており,平成13年3月に公表された工事中の海域環境影響検討調査報告(甲8)では,着工後の水質,底質の監視結果は,着工前の調査データ及び予測結果と比較してもほとんど変化は見られず,海 査結果が示されており,平成13年3月に公表された工事中の海域環境影響検討調査報告(甲8)では,着工後の水質,底質の監視結果は,着工前の調査データ及び予測結果と比較してもほとんど変化は見られず,海域環境への影響はほとんどないと考えられると総括されている。 (4) 上記認定事実によれば,空港島の埋立造成によって生ずる同周辺海域に対する悪影響は,伊勢湾全体を視野に入れれば著しいものではないと予想されていたところ,実際にも,その建設工事が進ちょく中の前記期間において,甚だしい悪化を示すデータが得られたとはいえず,したがって,空港島の建設による重大な環境破壊の発生が現実味を帯びているとまでは認め難い(シルトの割合の上昇により,現実に海生生物の生存が厳しくなったことを示す証拠はない。)。そうすると,空港島や対岸部の埋立造成事業によって,一定程度の環境の悪化が生じることは認められるものの,その程度が甚だしく,放置すれば重大な結果を招くことが十分に予想できるとまでは認めることはできない。 また,上記のとおり,企業庁が環境に対する影響の検討に用いた資料には,予想される環境悪化がさほどでないことを示すものが少なくないこと,本件各事業は,空港島そのものの埋立造成事業を内容とするものではなく,空港島の一部である空港島周辺部と対岸部の埋立造成事業であって,上記の環境悪化のうち,そのまた一部の原因となるにすぎないことを考慮すると,本件各事業による環境への影響は,所要の環境保全対策を講ずることで実行可能な範囲内で回避,低減が可能なものであり,地域の環境保全の基準又は目標の達成状況にほとんど変化を来すことはなく,伊勢湾及びその周辺地域の環境に及ぼす影響は小さいなどとした被告の判断(乙9,10参照)が,その裁量権を逸脱し又はこれを濫用するものであるとはいえない。 標の達成状況にほとんど変化を来すことはなく,伊勢湾及びその周辺地域の環境に及ぼす影響は小さいなどとした被告の判断(乙9,10参照)が,その裁量権を逸脱し又はこれを濫用するものであるとはいえない。 よって,本件各事業が企業法3条に反する違法なものであると認めることはできない。 5 以上の次第で,原告らの本訴請求は理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担につき,行訴法7条,民訴法61条,65条1項本文を適用して,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第9部裁判長裁判官加藤幸雄裁判官舟橋恭子裁判官小嶋宏幸(別紙)事業目録 1 空港島地域開発用地埋立造成事業(空港島周辺部事業)(1) 事業目的中部国際空港の支援・補完と空港利用者に対する利便機能の提供(2) 所在地常滑市沖(中部国際空港に隣接)(3) 開発計画面積約107ヘクタール(空港開港時)(4) 土地利用計画土地利用計画の内訳│ 用途名 │ 主張施設 │ 面積 ││ │ │(㌶) ││流通施設用地 │航空貨物関連流通施設等 │ 32.5│ │ │(㌶) ││流通施設用地 │航空貨物関連流通施設等 │ 32.5││ふ頭用地 │岸壁,旅客ターミナル施設│ 4.5││ │等 │ ││商業・業務施設用地 │商業(物販・飲食)施設,│ 5.7││ │宿泊施設等 │ ││製造業用地 │関連車両整備工場等 │ 14.3││輸送用機械器具製造業用地│航空機製造業等 │ 22.8││交通施設用地 │道路,鉄道 │ 8.1││緑地 │シンボル緑地等 │ 18.7││計 │ 約107│ 2 空港対岸部(前島)地域開発用地埋立造成事業(対岸部事業)(1) 事業目的中部国際空港の建設・運用に伴うアクセス用地や空港のインパクトを地域に波及させる都市拠点の整備(2) 所在地常滑市地先公有水面(3) 開発計画面積約123ヘクタール(空港開港時)(4) 土地利用計画土地利用計画の内訳 2) 所在地常滑市地先公有水面(3) 開発計画面積約123ヘクタール(空港開港時)(4) 土地利用計画土地利用計画の内訳│ 用途名 │ 主要施設 │ 面積 ││ │ │(㌶) ││ふ頭用地 │岸壁,旅客ターミナル施設等 │ 3.8││流通施設用地 │トラックターミナル,倉庫等 │ 18.2││商業・業務施設用地│商業施設,オフィス,宿泊施設,官│ 44.7││ │公庁施設,緑地等 │ ││製造業用地 │食料品製造業,一般機械器具製造業│ 15.8││ │等 │ ││緑地 │緩衝緑地,修景緑地,レクリエーシ│ 14.4││ │ョン緑地等 │ ││交通施設用地 │道路,鉄道 │ 26.2││計 道路,鉄道 26.2 計 約123
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