平成19(行コ)1 建築確認処分取消請求控訴事件(原審・横浜地方裁判所平成14年(行ウ)第16号)

裁判年月日・裁判所
平成19年8月29日 東京高等裁判所 警察関係
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判決文本文5,251 文字)

- 1 -主文 原判決を取り消す。 本件訴えをいずれも却下する。 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人らの負担とする。 事実及び理由 第1控訴の趣旨主文第1,2項同旨第2事案の概要 事案の要旨本件は控訴人がA株式会社以下Aというに対し建築基準法以,(「」。),(下法ともいう6条の2第1項に基づき神奈川県逗子市α×××番6外「」。),(「」。)(「」22筆以下本件敷地というに建築する共同住宅以下本件建築物。)(「」という及び付属自動車車庫について確認をした以下本件建築確認処分というところ本件敷地の周辺に居住する被控訴人らが本件建築確認処分。),,は上記建築計画が法20条,建築基準法施行令93条に違反しているのを看過した違法なものであるなどと主張して,控訴人に対し,その取消しを求めた事案である。 原審は,被控訴人らの請求を認容したところ,控訴人が訴えの却下を求めて控訴した。 当事者の主張等基礎となる事実,争点及び争点に関する当事者の主張は,次のとおり原判決を補正し,訴えの利益に関する当事者の主張を付加するほかは,原判決の「事実及び理由」中の「第2事案の概要」の「2基礎となる事実」及び「第3争点及び争点に関する当事者の主張」の控訴人及び被控訴人らに関する部分に記載のとおりであるから,これを引用する。 (1)原判決の補正- 2 -ア原判決6頁19行目の次に,改行して次のとおり加える。 「ア建築基準法6条(建築物の建築等に関する申請及び確認)1項建築主は,第1号から第3号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては,建築物が増築後において第1号から第3号までに掲げる規模のものとなる場合 関する申請及び確認)1項建築主は,第1号から第3号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては,建築物が増築後において第1号から第3号までに掲げる規模のものとなる場合を含む,これらの建。)築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第4号に掲げる建築物を建築しようとする場合においては,当該工事に着手する前に,その計画が建築基準関係規定(この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定以下建築基準法令の規定というその他建(「」。)築物の敷地,構造又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものをいう以下同じに適合するもので。 。)あることについて,確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け,確認済証の交付を受けなければならない。当該確認を受けた建築物の計画の変更国土交通省令で定める軽微な変更を除くをして第1号から(。),第3号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては,建築物が増築後において第1号から第3号までに掲げる規模のものとなる場合を含む,これらの建築物の大規模の修繕若し。)くは大規模の模様替をしようとする場合又は第4号に掲げる建築物を建築しようとする場合も,同様とする。 別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物でその用途に供,する部分の床面積の合計が100平方メートルを超えるもの 木造の建築物で3以上の階数を有し又は延べ面積が500平方メ,ートル,高さが13メートル若しくは軒の高さが9メートルを超えるもの 木造以外の建築物で2以上の階数を有し又は延べ面積が200平,方メートルを超えるもの- 3 - 前3号に掲げる建築物を除くほか都市計画区域若しくは準都市計 の高さが9メートルを超えるもの 木造以外の建築物で2以上の階数を有し又は延べ面積が200平,方メートルを超えるもの- 3 - 前3号に掲げる建築物を除くほか都市計画区域若しくは準都市計,画区域(いずれも都道府県知事が都道府県都市計画審議会の意見を聴いて指定する区域を除く)若しくは景観法(平成16年法律第11。 )(。)0号第74条第1項の準景観地区市町村長が指定する区域を除く内又は都道府県知事が関係市町村の意見を聴いてその区域の全部若しくは一部について指定する区域内における建築物(2項以下省略)()イ建築基準法第6条の2国土交通大臣等の指定を受けた者による確認第1項前条第1項各号に掲げる建築物の計画(建築士法第3条から第3条の3までの規定に違反するものを除くが建築基準関係規定に適合するも。)のであることについて,第77条の18から第77条の21までの規定の定めるところにより国土交通大臣又は都道府県知事が指定した者の確認を受け,国土交通省令で定めるところにより確認済証の交付を受けたときは,当該確認は前条第1項の規定による確認と,当該確認済証は同項の確認済証とみなす」。 イ6頁20行目を「ウ建築基準法20条(構造耐力)1項(平成18年法律第92号による改正前のもの」に改める。 )ウ7頁8行目のイをエに同行目の36条を36条1項平「」「」,「」「(成19年政令第49号による改正前のもの」に改める。 )エ11頁13行目から17行目までを削除する。 (2)訴えの利益に関する当事者の主張(控訴人の主張)ア本件建築確認処分がなされた後,本件変更確認処分がなされた以上,本件建築確認処分は効力を失い,原確認に基づく工事を行うことはできないから,被控訴人らに訴えの利 する当事者の主張(控訴人の主張)ア本件建築確認処分がなされた後,本件変更確認処分がなされた以上,本件建築確認処分は効力を失い,原確認に基づく工事を行うことはできないから,被控訴人らに訴えの利益はない。 - 4 -すなわち,建築確認は,その基準時において確認に係わる建築計画が当該建築基準関係法令に適合しているとの行政庁の判断の表示にすぎない。 建築確認処分を取得した者は,申請建築物の工事を適法にすることができるが,これは建築確認処分が準法律行為的行政行為であることから,同処分を得た者に対し,法が特に与えた法定効果であると解されている。そして,変更確認処分がなされた後においては,原確認処分は,その基準時において確認に係わる建築計画が当該建築基準関係法令に適合しているとの行政庁の判断があったといういわば歴史上の事実にすぎず,原確認処分に基づく建築物を適法に建築することができるという法的な効果は変更確認処分によって失われる。なぜなら,原確認と変更確認とは同一行政庁による同一事項についての処分であるから,行政法の一般論としては,後行処分たる変更確認によって原確認の内容は前記の歴史的事実に属する部分のほかは,取り消されたと見るのが自然かつ相当であるからである。また,実質的にみても,仮に原確認処分の法定効果としての建築工事の自由が変更確認のそれによって消滅せずに併立するものとすると,両者の自由の行使による建築物の内容が互いに矛盾抵触し,収拾がつかなくなるおそれがあるからである。 イ仮に,一般論として,変更確認処分がなされた場合にも依然として原確,,認に基づく工事が可能であるという立場に立つとしても本件においては本件建築確認に基づく着工が未だなされない間に平成14年の建築基準法改正により,法28条の2及び建築基準法施行令20条の4ないし ,認に基づく工事が可能であるという立場に立つとしても本件においては本件建築確認に基づく着工が未だなされない間に平成14年の建築基準法改正により,法28条の2及び建築基準法施行令20条の4ないし7が加えられ,本件建築確認はこれらの新規定に適合しなくなったため,本件建築確認処分に基づく建築工事は不可能である。 (被控訴人らの主張)ア変更確認処分は,原確認処分の効力を吸収し,又は,消滅させる新たな処分ではない。すなわち,変更確認処分は,原確認処分の存在を前提とし- 5 -たうえで,原確認処分の法律効果の内容を一定の限度のものに変更する効果を生ぜしめるにすぎないものであり,この変更確認処分により,原確認処分は,当初から,変更確認処分のとおりの法律的効果を伴う確認処分として存在していたものとみなされることになる。 本件変更確認処分が,本件開発変更許可処分に基づいて造成される敷地を前提として建築基準関係規定への適合性を審査したうえで,変更処分をしたとするならば,明らかに変更確認の限度を超えるものであり,変更確認処分自体が違法となる。一方本件変更確認処分が構造に係る計画変更ではなく,原確認処分を前提として,法6条1項後段の変更確認できる限度での変更確認とすれば,原確認処分は所与の事実として,変更をしたにすぎず,本件変更確認処分によって,原確認処分が吸収される訳でもなく,取り消されたと解することはできない。 法87条に基づき,原確認処分の変更確認処分をした場合は,原確認処分の効力に消長をきたさず,有効に存在すると解されているところ,法87条の変更の方が,法6条1項後段に基づく変更より,原確認処分の変更の程度が重大であるのに,原確認処分の効力に影響を与えないのであるから,より原確認処分の同一性の範囲である変更確認処分によって,原確認処分の効 方が,法6条1項後段に基づく変更より,原確認処分の変更の程度が重大であるのに,原確認処分の効力に影響を与えないのであるから,より原確認処分の同一性の範囲である変更確認処分によって,原確認処分の効力が消滅ないし取り消されたとするのは,極めて不合理な解釈である。 イ原確認処分が有効に存在するのであれば,建築が可能か不可能かは,訴えの利益とは直接の関係はない。 第3当裁判所の判断,,まず本件建築確認処分の取消しを求める訴えの利益があるか否かについて判断する。 前記のとおり,法6条1項前段及び法6条の2第1項は,建築主は,一定の建築物を建築しようとする場合においては,当該工事に着手をする前に,その- 6 -計画が建築基準関係規定等に適合するものであることについて,建築主事又は法77条の18から77条の21までの規定の定めるところにより指定を受けた指定確認検査機関以下建築主事等というの確認を受けなければなら(「」。)ないとし,法6条1項後段及び法6条の2第1項は,確認を受けた建築物の計画の変更をして,建築物を建築しようとする場合も,同様とするとしている。 そして,法6条1項後段は,上記のとおり,確認を受けた建築物の計画の変更をして,建築物を建築しようとする場合も,当初の建築の計画の場合と同様に取り扱うものとしているから,同項は,確認を受けた建築物の計画の変更があった場合には,当該工事に着手をする前に,変更に係る建築物の建築計画が建築基準関係規定等に適合するものであることについて,改めて,建築主事等の確認を受けることを義務付けているものと解される。このような同条の文理及び規定の趣旨に照らすと,同項は,当初の建築物の計画についての確認の効力がそのまま存続することを前提として,その変更部分についてのみ,建築主事等の確認を受 いるものと解される。このような同条の文理及び規定の趣旨に照らすと,同項は,当初の建築物の計画についての確認の効力がそのまま存続することを前提として,その変更部分についてのみ,建築主事等の確認を受ければ足りるとしているものではなく,変更に係る建築物の建築計画の全体について建築主事等の確認を受けることを義務付けているものと解するのが相当である。 したがって,建築確認変更処分は,当初の建築確認処分が有効であることを前提として,変更に係る部分についてのみ,これが建築基準関係規定等に適合することを確認するものではなく,変更に係る部分以外の部分を含む変更後の建築計画の全体につき,改めて建築基準法令の規定等に適合するか否かを判断し,適合すると判断した場合には既にされた建築確認処分を変更する処分であると解されるから,建築確認変更処分がされると,これにより既存の建築確認処分は取り消され,その効力は消滅することになると解するのが相当である。 そうすると,本件建築確認処分は,本件変更確認処分がされたことにより取り消され,その効力は失われたものであるから,本件建築確認処分の取消しを求める訴えの利益は失われたものというべきである。 - 7 -上記判断に反する被控訴人らの主張は,いずれも独自の見解に基づくものであって,採用することができない。 第4 結論 以上によれば,本件訴えは,いずれも却下すべきであり,これと異なる原判決は相当でなく,本件控訴は理由があるから,原判決を取り消し,本件訴えをいずれも却下することとする。 東京高等裁判所第12民事部裁判長裁判官柳田幸三裁判官田中治裁判官白石史子 三裁判官 田中治 裁判官 白石史子

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