- 1 -平成24年8月28日判決言渡平成23年(行ケ)第10280号審決取消請求事件口頭弁論終結日平成24年6月28日判決 原告株式会社東京精密 訴訟代理人弁理士松浦憲三同松村潔同八幡宏之 被告アプライドマテリアルズインコーポレイテッド 訴訟代理人弁護士古城春実同堀籠佳典訴訟代理人弁理士園田吉隆 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由 第1 請求特許庁が,無効2010-800211号事件について,平成23年7月22日にした審決を取り消す。 第2 当事者間に争いのない事実 1 特許庁における手続の経緯等 - 2 -被告は,発明の名称を「機械化学的ポリッシング装置用のポリッシングパッドへの透明窓の形成」とする特許第3327817号(優先権主張平成8年8月16日,アメリカ合衆国。平成9年8月18日出願,平成14年7月12日設定登録。以下「本件特許」という。)の特許権者である。原告は,平成22年11月15日,本件特許の請求項1ないし25に係る発明についての特許を無効にすることについての審判の請求(無効2010-800211号事件)をし,被告は,平成23年6月30日に訂正請求書,同年7月5日に補正書を提出した(以下「本件訂正」という。)。特許庁は,平成23年7月22日,「訂正を認める。 請求(無効2010-800211号事件)をし,被告は,平成23年6月30日に訂正請求書,同年7月5日に補正書を提出した(以下「本件訂正」という。)。特許庁は,平成23年7月22日,「訂正を認める。本件審判の請求は,成り立たない。」との審決をし,その謄本は,同年8月2日,原告に送達された。 2 特許請求の範囲本件訂正後の本件特許の特許請求の範囲の請求項1ないし25の記載は次のとおりである(甲28,甲29。以下,この発明を「本件発明1」ないし「本件発明25」といい,これらを総称して「本件各発明」という。また,本件訂正後の特許請求の範囲,発明の詳細な説明及び図面を含めて「本件明細書」ということがある)。 【請求項1】機械化学的ポリッシング装置用のポリッシングパッドであって, ポリッシング面を有するパッド部と,前記ポリッシング面に形成され前記パッド部を貫通した開口であって,前記ポリッシング面に隣接し第1の寸法を持つ第1セクションおよび前記ポリッシング面から遠く前記第1の寸法とは異なる第2の寸法を持つ第2セクションを有する前記開口と,前記開口の前記第1セクション内に位置決めされた第1部分と,前記開口の前記第2セクション内に位置決めされた第2部分とを有する実質的に透明なプラグと,前記プラグを前記開口内の前記パッド部に固定する手段とを備えるポリッシングパッド。 【請求項2】前記プラグがポリウレタン材料で造られている,請求項1に記載のポリッシングパッド。 - 3 -【請求項3】前記固定手段が接着材料を有する,請求項1に記載のポリッシングパッド。 【請求項4】前記接着材料がゴム弾性ポリウレタン材で造られている,請求項3に記載のポリッシングパッド。 【請求項5】前記プラグの前記第1部分が前記開口の前 載のポリッシングパッド。 【請求項4】前記接着材料がゴム弾性ポリウレタン材で造られている,請求項3に記載のポリッシングパッド。 【請求項5】前記プラグの前記第1部分が前記開口の前記第1セクションと実質的に同一寸法であり,前記プラグの前記第2部分が前記開口の前記第2セクションと実質的に同一寸法である,請求項1に記載のポリッシングパッド。 【請求項6】前記プラグの前記第1部分が,前記ポリッシング面と同じ高さである上面を有する,請求項5に記載のポリッシングパッド。 【請求項7】前記プラグの前記第2セクションの厚さが前記開口の前記第2セクションの深さより小さい,請求項6に記載のポリッシングパッド。 【請求項8】前記第1の寸法が前記第2の寸法より大きい,請求項6に記載のポリッシングパッド。 【請求項9】前記プラグがリムを有する,請求項1に記載のポリッシングパッド。 【請求項10】前記固定手段が,前記リム上に配置された接着材料を有する,請求項1に記載のポリッシングパッド。 【請求項11】機械化学的ポリッシング装置用のポリッシングパッドであって, ポリッシング面を有する第1層と,前記第1層に隣接する第2層と,前記第1層および前記第2 - 4 -層を貫通する開口であって,第1の断面積を持つ前記第1層内の第1開口,および,より小さい第2の断面積を持つ前記第2層の第2開口とを有する前記開口と,前記開口に配置され,前記第1層の前記第1開口内に位置決めされた第1部分と,前記第2層の前記第2開口内に位置決めされた第2部分とを有する実質的に透明なプラグと,前記プラグを前記開口内の前記第1層と前記第2層に固定する接着材料と,を備えるポリッシングパッド。 【請求項12】前記第1層 開口内に位置決めされた第2部分とを有する実質的に透明なプラグと,前記プラグを前記開口内の前記第1層と前記第2層に固定する接着材料と,を備えるポリッシングパッド。 【請求項12】前記第1層が第1デュロメータ測定値を持ち,前記第2層が第2の,より小さいデュロメータ測定値を持つ,請求項11に記載のポリッシングパッド。 【請求項13】ポリッシング面を持つポリッシングパッドを形成する方法であって,開口が,前記ポリッシング面に隣接し第1の寸法を持つ第1セクション,および,前記ポリッシング面から遠く前記第1の寸法とは異なる第2の寸法を持つ第2セクションを有するように,ポリッシングパッドを貫通する前記開口を形成するステップと,実質的に透明なプラグを,前記プラグが前記開口の前記第1セクション内に位置決めされた第1部分と前記開口の前記第2セクション内に位置決めされた第2部分とを有する状態で,前記開口に配置するステップと,前記プラグを前記開口内の前記ポリッシングパッドに固定する固定ステップと,を備えるポリッシングパッド形成方法。 【請求項14】前記固定ステップが,前記プラグを接着材料で前記開口に固定するステップを有する,請求項13に記載のポリッシングパッド形成方法。 【請求項15】前記開口を形成するステップが,前記ポリッシングパッドから材料を除去する除去ステップを有する,請求項13に記載のポリッシングパッド形成方法。 【請求項16】前記除去ステップが,前記ポリッシングパッドの第1層から前記第1セクション - 5 -を除去するステップと,前記ポリッシングパッドの第2層から前記第2セクションを除去するステップとを有する,請求項15に記載のポリッシングパッド形成方法。 【請求項17】機械化学的ボリッシング装 除去するステップと,前記ポリッシングパッドの第2層から前記第2セクションを除去するステップとを有する,請求項15に記載のポリッシングパッド形成方法。 【請求項17】機械化学的ボリッシング装置用(判決注ポリッシング装置用の誤記と認める。)のポリッシングパッドであって,ポリッシング面を有する物体と,該物体を貫通して形成された開口であって,該開口は前記ポリッシング面に隣接し第1の寸法を有する第1セクション及び,前記ポリッシング面から遠く前記第1の寸法とは異なる第2の寸法を有する第2セクションとを有する,該開口と,該開口の前記第1セクションに対応する同一の形状を有しており且つ前記第1セクション内において該開口内の前記物体に固定された実質的に透明なプラグと,を備えるポリッシングパッド。 【請求項18】前記物体が,該ポリッシング面を有する第1層と,該第1層に隣接する第2層とを有する請求項17に記載のポリッシングパッド。 【請求項19】該開口が,該第1層および該第2層を貫通する請求項18に記載のポリッシングパッド。 【請求項20】該開口の該第1部分が該ポリッシング面に隣接し,該開口の該第1部分の寸法が該開口の該第2部分よりも大きい請求項19に記載のポリッシングパッド。 【請求項21】該プラグの上面が,該ポリッシング面と実質的に同じ高さにある請求項17に記載のポリッシングパッド。 【請求項22】機械化学的ポリッシング装置用のポリッシングパッドであって,ポリッシング面を有する被覆層及び前記被覆層の下側に位置している裏打ち層を包含する物体と, - 6 -前記ポリッシング面に隣接し,第1の寸法を持ち,前記被覆層に形成された第1セクションと,前記ポリッシング面から遠く,前記第1の寸法とは異なる第2の いる裏打ち層を包含する物体と, - 6 -前記ポリッシング面に隣接し,第1の寸法を持ち,前記被覆層に形成された第1セクションと,前記ポリッシング面から遠く,前記第1の寸法とは異なる第2の寸法を持ち,前記裏打ち層に形成された第2セクションとを有し,前記被覆層と前記裏打ち層を貫通する開口と,前記開口の前記第1セクション内の前記物体に固定され,前記開口の前記第1セクションの前記第1寸法及び前記被覆層の厚さと夫々実質的に同じ寸法を有する実質的に透明なプラグと,を備えるポリッシングパッド。 【請求項23】機械化学的ポリッシング装置用のポリッシングパッドであって,ポリッシング面を有する物体と,前記ポリッシング面に隣接し,第1の寸法を持つ第1セクションと,前記ポリッシング面から遠く,前記第1の寸法とは異なる第2の寸法を持つ第2セクションとを有し,前記物体を貫通する開口と,前記開口の前記第1セクション内に位置決めされた第1部分と前記第2セクション内に位置決めされた第2部分とを有しており,前記物体に固定され,前記ポリッシング面と実質的に同じ高さである上面を有すると共に前記第2部分の厚さが前記開口の前記第2セクションの深さより小さい実質的に透明なプラグと,を備えるポリッシングパッド。 【請求項24】該上面が,該ポリッシング面のプラグと直に隣接する部分と実質的に共面である請求項23に記載のポリッシングパッド。 【請求項25】機械化学的ポリッシング装置用のポリッシングパッドであって,透過性を低下させる添加物を含むポリウレタンで形成されたポリッシング面を有する物体と,前記ポリッシング面に隣接し,第1の寸法を持つ第1セクションと,前記ポリッシング面から遠く,前記第1の寸法とは異なる第2の寸法を持つ第2セクションとを有し,前記物 れたポリッシング面を有する物体と,前記ポリッシング面に隣接し,第1の寸法を持つ第1セクションと,前記ポリッシング面から遠く,前記第1の寸法とは異なる第2の寸法を持つ第2セクションとを有し,前記物体を貫通する開口と,前記開口の前記第1セクションに対応する同一の形状を有しており,前記第1セクション内に固定され,透過性を低下させる添加物を含まないポリウレタンで形成された,実質的に透明なプラグと,を備えるポリッシン - 7 -グパッド。 3 審決の理由(1) 別紙審決書写しのとおりである。その判断の概要は以下のとおりである。 ア本件訂正は,特許法134条の2第1項の規定に適合し,同条5項で準用する特許法126条3項,4項の規定にも適合するので,訂正を認める。 イ本件発明1は,特開平7-52032号公報(甲1)に記載された発明(以下「甲1発明」という。)との相違点1,2について困難性なしとすることはできず,証拠に基づき,当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 ウ本件発明2ないし本件発明4は,いずれも本件発明1に従属し,本件発明1の発明特定事項を全て含むものであるから,同様の理由により,当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 エ本件発明5は,甲1発明との相違点1,2を有し,さらに,相違点3で相違する。相違点1,2については,上記と同様に,困難性なしとすることはできない。 相違点3は,相違点1を前提としているから,相違点3についても,困難性なしとすることはできない。したがって,本件発明5は,証拠に基づき,当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 オ本件発明6は,甲1発明との相違点1ないし3を有し,さらに,相違点4で相違する。相違点4は,プラグをパッド部に固定すること,すなわち相違点2を前 が容易に発明をすることができたとはいえない。 オ本件発明6は,甲1発明との相違点1ないし3を有し,さらに,相違点4で相違する。相違点4は,プラグをパッド部に固定すること,すなわち相違点2を前提として,可能となるものである。本件発明6は,これにより,スラリ集積を防止するという効果を有する。甲26は,ガラス板4を研磨定盤6に固定し,研磨クロス5は柔軟性を有するから,研磨時に傷がつかないよう,ガラス板4を研磨クロス5の表面から,「わずかに後退」させるものであり,技術的意義が異なる。したがって,本件発明6は,証拠に基づき,当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 カ本件発明7は,甲1発明との相違点1ないし4を有し,さらに,相違点5で相違する。相違点5は,相違点1を前提としているから,相違点5についても,困 - 8 -難性なしとすることはできない。したがって,本件発明7は,証拠に基づき,当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 キ本件発明8ないし10は,いずれも本件発明1に従属し,本件発明1の発明特定事項を全て含むものであるから,同様の理由により,当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 ク本件発明11は,甲1発明との相違点6ないし9を有する。甲1発明に,甲18に記載された事項を適用し,相違点6に係るものとすることに困難性は認められない。また,相違点7,8は,実質的に相違点1,2と同様であるから,同様に,困難性なしとすることはできない。さらに,接着材料による固定は周知であるとしても,相違点9は,相違点8を前提としているから,相違点9についても,困難性なしとすることはできない。したがって,本件発明11は,証拠に基づき,当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 ケ本件発明1 ,相違点8を前提としているから,相違点9についても,困難性なしとすることはできない。したがって,本件発明11は,証拠に基づき,当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 ケ本件発明12は,本件発明11に従属し,本件発明11の発明特定事項を全て含むものであるから,同様の理由により,当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 コ本件発明13は,甲1発明の2との相違点10,11を有する。相違点10,11は,実質的に相違点1,2と同様であるから,同様に,困難性なしとすることはできず,本件発明13は,証拠に基づき,当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 サ本件発明14ないし16は,いずれも本件発明13に従属し,本件発明13の発明特定事項を全て含むものであるから,同様の理由により,当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 シ本件発明17は,甲1発明との相違点12,13を有する。相違点12,13は,実質的に相違点1,2と同様であるから,同様に,困難性なしとすることはできず,本件発明17は,証拠に基づき,当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 - 9 -ス本件発明18ないし20は,いずれも本件発明17に従属し,本件発明17の発明特定事項を全て含むものであるから,同様の理由により,当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 セ本件発明21は,甲1発明との相違点12,13を有し,さらに,相違点14で相違する。相違点14は,実質的に相違点4と同様であるから,同様に,困難性なしとすることはできない。したがって,本件発明21は,証拠に基づき,当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 ソ本件発明22は,甲1発明との相違点15ないし17を有する。相違 困難性なしとすることはできない。したがって,本件発明21は,証拠に基づき,当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 ソ本件発明22は,甲1発明との相違点15ないし17を有する。相違点15,16,17は,順に,実質的に相違点6,1,2と同様であるから,同様に,困難性なしとすることはできない。したがって,本件発明22は,証拠に基づき,当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 タ本件発明23は,本件発明7と実質的に同一であるから,同様の理由により,証拠に基づき,当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 チ本件発明24は,甲1発明との相違点1ないし5を有し,さらに,相違点18で相違する。プラグの上面を,「ポリッシング面のプラグと直に隣接する部分と実質的に共面」とすることは,いずれの証拠にも記載されておらず,本件発明24は,これにより,スラリ集積を防止するという効果を有する。したがって,本件発明24は,証拠に基づき,当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 ツ本件発明25は,甲1発明との相違点19ないし21を有する。相違点19について,ポリッシング面を,「透過性を低下させる添加物を含むポリウレタンで形成された」ものとする点は,いずれの証拠にも記載されていない。甲16,甲25記載のものは,ポリッシング面に関するものではない。相違点20は,実質的に相違点1と同様であるから,同様に,困難性なしとすることはできない。相違点21は,相違点2に加え,さらに「透過性を低下させる添加物を含まないポリウレタンで形成された」点で相違する。よって,同様に,困難性なしとすることはできない。本件発明25は,相違点19,21により,レーザービームの減衰が最小にな - 10 -るという効果を有する。したが 形成された」点で相違する。よって,同様に,困難性なしとすることはできない。本件発明25は,相違点19,21により,レーザービームの減衰が最小にな - 10 -るという効果を有する。したがって,本件発明25は,証拠に基づき,当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 (2) 審決が認定した甲1発明の内容及び甲1発明と本件各発明との一致点,相違点は,以下のとおりである。 ア甲1発明の内容(ア) シリカ粉末を含むアルカリ性溶液からなる研磨液を滴下しつつ研磨する研磨装置用の研磨布5であって,研磨面を有する研磨布5と,前記研磨面に形成され,研磨布5が張り付けられた定盤1の溝2と同形に研磨布5を切り抜いて形成した研磨布窓6と,上部に大径部,下部に小径部を有し,前記研磨布窓6内に大径部が位置決めされた透明窓材4と,前記透明窓材4の小径部を,研磨布5が張り付けられた定盤1の溝2に設けられた貫通孔3に嵌め込み,前記透明窓材4は研磨布5のポリッシング面より十分低いものである研磨布5。 (イ) 研磨面を有する研磨布5を形成する方法であって,研磨布5が張り付けられた定盤1の溝2と同形に研磨布5を切り抜いて研磨布窓6を形成するステップと,上部に大径部,下部に小径部を有する透明窓材4を,前記研磨布窓6内に大径部が位置決めされた状態で配置するステップと,前記透明窓材4の小径部を,研磨布5が張り付けられた定盤1の溝2に設けられた貫通孔3に嵌め込むステップと,を備える研磨布5形成方法。(以下,この発明を「甲1発明の2」という。)イ甲1発明,甲1発明の2と本件各発明との一致点(ア) 甲1発明との一致点a 本件発明1との一致点機械化学的ポリッシング装置用のポリッシングパッドであって,ポリッシング面を有するパッド部と,前記ポリッ 1発明の2と本件各発明との一致点(ア) 甲1発明との一致点a 本件発明1との一致点機械化学的ポリッシング装置用のポリッシングパッドであって,ポリッシング面を有するパッド部と,前記ポリッシング面に形成され前記パッド部を貫通した開口と,前記開口に位置決めされた第1部分を有する実質的に透明なプラグと,を備えるポリッシングパッド。 b 本件発明17との一致点 - 11 -機械化学的ポリッシング装置用のポリッシングパッドであって,ポリッシング面を有する物体と,該物体を貫通して形成された開口と,該開口内に配された実質的に透明なプラグと,を備えるポリッシングパッド。 c 甲1発明と本件発明22との一致点機械化学的ポリッシング装置用のポリッシングパッドであって,ポリッシング面を有する層を包含する物体と,前記物体を貫通する開口と,前記開口内に配された実質的に透明なプラグと,を備えるポリッシングパッド。 d 甲1発明と本件発明25との一致点機械化学的ポリッシング装置用のポリッシングパッドであって,ポリッシング面を有する物体と,前記物体を貫通する開口と,前記開口内に配された実質的に透明なプラグと,を備えるポリッシングパッド。 (イ) 甲1発明の2と本件発明13との一致点ポリッシング面を持つポリッシングパッドを形成する方法であって,ポリッシングパッドを貫通する開口を形成するステップと,実質的に透明なプラグを,前記開口に配置するステップと,を備えるポリッシングパッド形成方法。 ウ甲1発明と本件各発明との相違点(ア) 甲1発明と本件発明1ないし本件発明10,本件発明24との相違点相違点1:パッド部を貫通した開口について,本件発明1は,「ポリッシング面に隣接し第1の寸法を持つ第1セクションおよび前記ポリッシング面か 発明と本件発明1ないし本件発明10,本件発明24との相違点相違点1:パッド部を貫通した開口について,本件発明1は,「ポリッシング面に隣接し第1の寸法を持つ第1セクションおよび前記ポリッシング面から遠く前記第1の寸法とは異なる第2の寸法を持つ第2セクションを有する」ものであるが,甲1発明は,開口の形状が明らかでない点。 相違点2:プラグについて,本件発明1は,「開口の前記第2セクション内に位置決めされた第2部分」を有し,「開口内の前記パッド部」に固定されるが,甲1発明は,プラグの第2部分が「定盤」に固定される点。 (イ) 甲1発明と本件発明5ないし本件発明7,本件発明24との相違点相違点3:本件発明5は,「前記プラグの前記第1部分が前記開口の前記第1セ - 12 -クションと実質的に同一寸法であり,前記プラグの前記第2部分が前記開口の前記第2セクションと実質的に同一寸法である」が,甲1発明は,そのようなものでない点。 (ウ) 甲1発明と本件発明6,本件発明7及び本件発明24との相違点相違点4:本件発明6は,「前記プラグの前記第1部分が,前記ポリッシング面と同じ高さである上面を有する」が,甲1発明は,「プラグはポリッシング面より十分低いものである」点。 (エ) 甲1発明と本件発明7及び本件発明24との相違点相違点5:本件発明7は,「前記プラグの前記第2セクションの厚さが前記開口の前記第2セクションの深さより小さい」が,甲1発明はそのようなものでない点。 (オ) 甲1発明と本件発明11との相違点相違点6:パッド部について,本件発明11は「ポリッシング面を有する第1層と,前記第1層に隣接する第2層」からなるが,甲1発明は,2層構造でない点。 相違点7:パッド部を貫通した開口について,本件発明11は,「第1の について,本件発明11は「ポリッシング面を有する第1層と,前記第1層に隣接する第2層」からなるが,甲1発明は,2層構造でない点。 相違点7:パッド部を貫通した開口について,本件発明11は,「第1の断面積を持つ前記第1層内の第1開口,および,より小さい第2の断面積を持つ前記第2層の第2開口とを有する」ものであるが,甲1発明は,開口の形状が明らかでない点。 相違点8:プラグについて,本件発明11は,「前記第1層の前記第1開口内に位置決めされた第1部分と,前記第2層の前記第2開口内に位置決めされた第2部分と」を有し,パッド部の「開口」に配置されるが,甲1発明は,プラグの第2部分が「定盤」に固定される点。 相違点9:本件発明11は,「プラグを前記開口内の前記第1層と前記第2層に固定する接着材料」を備えるが,甲1発明は,明らかでない点。 (カ) 甲1発明の2と本件発明13との相違点相違点10:開口について,本件発明13は,「前記ポリッシング面に隣接し第1の寸法を持つ第1セクション,および,前記ポリッシング面から遠く前記第1の - 13 -寸法とは異なる第2の寸法を持つ第2セクションを有する」ものであるが,甲1発明の2は,開口の形状が明らかでない点。 相違点11:プラグについて,本件発明13は,「前記開口の前記第1セクション内に位置決めされた第1部分と前記開口の前記第2セクション内に位置決めされた第2部分とを有する状態で,前記プラグを前記開口内の前記ポリッシングパッドに固定する固定ステップ」を有するが,甲1発明の2は,プラグの第2部分が「定盤」に固定される点。 (キ) 甲1発明と本件発明17との相違点相違点12:物体を貫通した開口について,本件発明17は,「前記ポリッシング面に隣接し第1の寸法を有する第1セクション 部分が「定盤」に固定される点。 (キ) 甲1発明と本件発明17との相違点相違点12:物体を貫通した開口について,本件発明17は,「前記ポリッシング面に隣接し第1の寸法を有する第1セクション及び,前記ポリッシング面から遠く前記第1の寸法とは異なる第2の寸法を有する第2セクションとを有する」ものであるが,甲1発明は,開口の形状が明らかでない点。 相違点13:プラグについて,本件発明17は,「該開口の前記第1セクションに対応する同一の形状を有しており且つ前記第1セクション内において該開口内の前記物体に固定された」ものであるが,甲1発明は,プラグの第2部分が「定盤」に固定される点。 (ク) 甲1発明と本件発明21との相違点本件発明21と甲1発明とを対比すると,一致点,相違点12ないし13を有し,さらに,以下の点で相違する。 相違点14:本件発明21は,「該プラグの上面が,該ポリッシング面と実質的に同じ高さにある」が,甲1発明は,「プラグはポリッシング面より十分低い」ものである点。 (ケ) 甲1発明と本件発明22との相違点相違点15:物体について,本件発明22は,「被覆層及び前記被覆層の下側に位置している裏打ち層」からなるが,甲1発明は,2層構造でない点。 相違点16:物体を貫通した開口について,本件発明22は,「前記ポリッシン - 14 -グ面に隣接し,第1の寸法を持ち,前記被覆層に形成された第1セクションと,前記ポリッシング面から遠く,前記第1の寸法とは異なる第2の寸法を持ち,前記裏打ち層に形成された第2セクションと」を有するものであるが,甲1発明は,開口の形状が明らかでない点。 相違点17:プラグについて,本件発明22は,「前記第1セクション内の前記物体に固定され,前記開口の前記第1セクションの ションと」を有するものであるが,甲1発明は,開口の形状が明らかでない点。 相違点17:プラグについて,本件発明22は,「前記第1セクション内の前記物体に固定され,前記開口の前記第1セクションの前記第1寸法及び前記被覆層の厚さと夫々実質的に同じ寸法を有する」ものであるが,甲1発明は,プラグの第2部分が「定盤」に固定される点。 (コ) 甲1発明と本件発明24との相違点相違点18:本件発明24は,「該上面が,該ポリッシング面のプラグと直に隣接する部分と実質的に共面である」が,甲1発明は,明らかでない点。 (サ) 甲1発明と本件発明25との相違点相違点19:ポリッシング面について,本件発明25は,「透過性を低下させる添加物を含むポリウレタンで形成された」ものであるが,甲1発明は明らかでない点。 相違点20:物体を貫通する開口について,本件発明25は,「前記ポリッシング面に隣接し,第1の寸法を持つ第1セクションと,前記ポリッシング面から遠く,前記第1の寸法とは異なる第2の寸法を持つ第2セクションと」を有するものであるが,甲1発明は,開口の形状が明らかでない点。 相違点21:プラグについて,本件発明25は,「前記第1セクションに対応する同一の形状を有しており,前記第1セクション内に固定され,透過性を低下させる添加物を含まないポリウレタンで形成された」ものであるが,甲1発明は,プラグの第2部分が「定盤」に固定される点。 第3 当事者の主張 1 取消事由に係る原告の主張審決には,(1) 本件発明1と甲1発明との相違点1に関する容易想到性判断の誤 - 15 -り(取消事由1),(2) 本件発明1と甲1発明との相違点2に関する容易想到性判断の誤り(取消事由2),(3) 本件発明5と甲1発明との相違点3に関する容易想 想到性判断の誤 - 15 -り(取消事由1),(2) 本件発明1と甲1発明との相違点2に関する容易想到性判断の誤り(取消事由2),(3) 本件発明5と甲1発明との相違点3に関する容易想到性判断の誤り(取消事由3),(4) 本件発明6と甲1発明との相違点4に関する容易想到性判断の誤り(取消事由4),(5) 本件発明7と甲1発明との相違点5に関する容易想到性判断の誤り(取消事由5),(6) 本件発明11と甲1発明との相違点7ないし9に関する容易想到性判断の誤り(取消事由6),(7) 本件発明13と甲1発明の2との相違点10,11に関する容易想到性判断の誤り(取消事由7),(8) 本件発明17と甲1発明との相違点12,13に関する容易想到性判断の誤り(取消事由8),(9) 本件発明21と甲1発明の相違点14に関する容易想到性判断の誤り(取消事由9),(10)本件発明22と甲1発明との相違点15ないし17に関する容易想到性判断の誤り(取消事由10),(11)本件発明24と甲1発明との相違点18に関する容易想到性判断の誤り(取消事由11),(12)本件発明25と甲1発明との相違点19ないし21に関する容易想到性判断の誤り(取消事由12),(13)特許法36条6項1号に関する無効理由に対する審理,判断を怠った瑕疵(取消事由13),(14)手続上の瑕疵(取消事由14)があり,これらは審決の結論に影響を及ぼすから,審決は取り消されるべきである。すなわち,(1) 本件発明1と甲1発明との相違点1に関する容易想到性判断の誤り(取消事由1)審決は,相違点1に関し,「開口を形成する場合,加工効率,加工工程数減少の観点から,開口の形成方向において断面形状は同一とする,すなわち上部断面形状と下部断面形状とが同一であることが一般的である。」,「よっ 相違点1に関し,「開口を形成する場合,加工効率,加工工程数減少の観点から,開口の形成方向において断面形状は同一とする,すなわち上部断面形状と下部断面形状とが同一であることが一般的である。」,「よって,開口が,『ポリッシング面に隣接し第1の寸法を持つ第1セクション』,『ポリッシング面から遠く前記第1の寸法とは異なる第2の寸法を持つ第2セクション』を有するものとするためには,特別の動機が必要と解される」として,困難性なしとすることはできない旨判断した。 しかし,審決の判断は誤りである。 - 16 -プラグを固定するための開口を形成する上で,開口の上部を下部よりも大きくし,それに嵌めこむプラグが開口から抜け落ちなくすることが一般的であるから(甲4の図1,甲19の図3,甲27の図7,甲31の図1),開口が「ポリッシング面に隣接し第1の寸法を持つ第1セクション」,「ポリッシング面から遠く前記第1の寸法とは異なる第2の寸法を持つ第2セクション」を有するものとするために,特別の動機は必要なく,当業者にとって自明である。 また,甲1の図1においては,プラグ(透明窓材4)が抜け落ちない程度に開口(貫通穴3)は形成されている。甲19の図3においては,プラグ(ビューウィンドウ72)が抜け落ちないように,研磨盤62に上部と下部とが異なる寸法の開口が形成されており,プラグを固定するための上部と下部とが異なる寸法の開口を,パッドに形成するかプラテン(定盤)に形成するかは設計事項である。甲4の図1,甲27の図7,甲31の図1のいずれにも,上部と下部とが異なる寸法の開口は示されている。 したがって,相違点1に係る本件発明1の構成は容易想到である。 (2) 本件発明1と甲1発明との相違点2に関する容易想到性判断の誤り(取消事由2)審決は,相違点2 寸法の開口は示されている。 したがって,相違点1に係る本件発明1の構成は容易想到である。 (2) 本件発明1と甲1発明との相違点2に関する容易想到性判断の誤り(取消事由2)審決は,相違点2に関し,「パッド部は定盤と比較すると柔軟性を有する」,「定盤はアルミニウム製である」と指摘した上,「プラグは,研磨液の漏出防止のためのものであるから,確実な固定が求められる。よって,プラグを開口に固定する場合には,確実な固定の観点から,定盤に固定しようとすることが自然である」,「プラグを柔軟性を有するパッド部に固定するためには,特別の動機が必要と解される」,「本件発明1は,この点により,『スラリがパッドの下に流出するこを防止することができ,スラリが高額のため実施効果が大きい』」として,困難性なしとすることはできない旨判断した。 しかし,審決の判断は,以下のとおり誤りである。 アプラグをプラテンに固定するか,パッドに固定するかは設計事項である。 - 17 -すなわち,プラグは,「研磨終点検出のための光の透過確保」,「スラリーの漏洩防止」のためのものであり(甲1の段落【0022】,図1),プラグを開口に固定する場合,「研磨終点検出のための光の透過確保」,「スラリーの漏洩防止」の二つの機能を満足する程度に定盤又はパッドに固定できればよいから,プラグの定盤への固定が自然であると解する根拠がない。 また,プラグの固定のために,プラグ固定相手の材料特性(パッドが柔軟性を有するか否か)は問題とならない。 プラグを固定する場合,上記の二つの機能を満足する観点で固定すればよく,プラグを固定する機能を果たす上で,パッド部と定盤とは同格であるから,プラグをパッド部に固定する特別の動機は必ずしも必要とされない。 したがって,プラグをプラテンに固定す する観点で固定すればよく,プラグを固定する機能を果たす上で,パッド部と定盤とは同格であるから,プラグをパッド部に固定する特別の動機は必ずしも必要とされない。 したがって,プラグをプラテンに固定するか,パッドに固定するかは設計事項である。 イ 「スラリがパッドの下に流出するこを防止することができ,スラリが高額のため実施効果が大きい」との効果は,本件発明1の格別の効果とはいえない。 すなわち,上記効果は,口頭審理で初めて主張された効果であり(甲30),本件明細書に記載されておらず,その記載から推認することもできない。 仮に,上記効果が本件明細書から読み取れるとしても,スラリーの漏れを防止するためにプラグ(透明窓材)を定盤に固定した公知技術(甲1)から予測できる効果であり,当業者にとって容易に想到しうる程度ものである。 また,甲19では,パッドとプラテンが一体となった研磨盤として構成されているため(段落【0016】,図3),スラリーがパッドの下に流出することはないのであるから,上記効果は,甲19で公知の効果又は甲19から予測できる効果であり,格別のものではない。 (3) 本件発明5と甲1発明との相違点3に関する容易想到性判断の誤り(取消事由3)審決は,相違点3について,困難性なしとすることはできない旨判断した。 - 18 -しかし,審決の判断は,以下のとおり誤りである。 アプラグの第1部分と開口の第1セクションとを実質的に同一寸法とし,プラグの第2部分と開口の第2セクションとを実質的に同一寸法とすることは,ごく普通のことである(甲4の図1,甲27の図7,甲31の図1)。 イ甲1発明も透明窓材を嵌めこみ,スラリーを漏れなくしている点で,上下面異なる寸法の開口に対して,その開口を塞ぐように透明窓材が配置されているから, る(甲4の図1,甲27の図7,甲31の図1)。 イ甲1発明も透明窓材を嵌めこみ,スラリーを漏れなくしている点で,上下面異なる寸法の開口に対して,その開口を塞ぐように透明窓材が配置されているから,液漏れを防止するように開口を塞ぐ構成とする上で,開口と透明窓材は実質的に同一寸法とすることは当然である(甲4,甲19,甲27,甲31)。 また,甲4,甲27も「光を通し」かつ,「液漏れを防止する」という点で,上下面異なる寸法の開口を塞ぐように窓が配置されており,同じである。 ウしたがって,相違点3に係る本件発明5の構成と甲1発明の構成は実質的に同一であり,相違点3に係る本件発明5の構成に至ることに困難性はない。 (4) 本件発明6と甲1発明との相違点4に関する容易想到性判断の誤り(取消事由4)審決は,相違点4について,困難性なしとすることはできない旨判断した。 しかし,審決の判断は,以下のとおり誤りである。 甲1発明のプラグの上面はポリッシング面と実質的に同じ高さとすることを妨げるものでない。すなわち,甲1の段落【0015】には,プラグ(透明窓材4)の上面をウェハ側に近づけることで当該上面とウェハとの間の間隔を小さくすることが示されるから,甲1においてもプラグ(透明窓材4の上面)とポリッシング面(研磨布5の上面)とをほぼ同一面とすることを妨げるものでない。 また,甲19の請求項4には,プラグ(ウィンドウ)がパッド(ワークを研磨する研磨盤)と同一平面であることが開示されている。 さらに,甲26の図3にも,プラグ(ガラス板4)の上面を,ポリッシング面(研磨クロス5の上面)と実質的に同じ高さにしたものが図示されており,平成19年(行ケ)第10250号判決(甲23の74頁)の判示によれば,甲26の - 19 -「ガラス板4」の代わ グ面(研磨クロス5の上面)と実質的に同じ高さにしたものが図示されており,平成19年(行ケ)第10250号判決(甲23の74頁)の判示によれば,甲26の - 19 -「ガラス板4」の代わりに,甲15に記載の「ポリシングパッド1」を置き換えるのは自然である。そして,このように置換すれば,その置き換えたポリシングパッド1を研磨クロス5の表面から後退させなくても,研磨時に傷がつかないようにできる。 したがって,相違点4は実質的な相違点ではなく,相違点4に係る本件発明6の構成に至ることに困難性はない。 (5) 本件発明7と甲1発明との相違点5に関する容易想到性判断の誤り(取消事由5)審決は,相違点5について,困難性なしとすることはできないと判断した。 しかし,審決の判断は誤りである。 プラグの第2セクションの厚さが開口の第2セクションの深さより小さくすることは,甲31の図1のようにごく普通のことである。 したがって,相違点5は実質的な相違点ではなく,相違点5に係る本件発明7の構成に至ることは困難ではない。 (6) 本件発明11と甲1発明との相違点7ないし9に関する容易想到性判断の誤り(取消事由6)審決は,相違点7ないし9について,「相違点7,8は,実質的に相違点1,2と同様であるから,同様に,困難性なしとすることはできない。」,「接着材料による固定は周知であるとしても,相違点9は,相違点8を前提としているから,相違点9についても,困難性なしとすることはできない。」と判断した。 しかし,審決の判断は誤りである。 この判断は相違点1,2に困難性があるとの前提に基づくものであるが,上記のとおり,その前提は誤りである。 また,上部と下部とでサイズが異なる開口にプラグ又はプラグに相当する部材を,接着を用いて固定する点については 1,2に困難性があるとの前提に基づくものであるが,上記のとおり,その前提は誤りである。 また,上部と下部とでサイズが異なる開口にプラグ又はプラグに相当する部材を,接着を用いて固定する点については,甲6の段落【0018】及び甲31の段落【0008】に記載されている。 - 20 -したがって,相違点7ないし9に係る本件発明11の構成に至ることに困難性はない。 (7) 本件発明13と甲1発明の2との相違点10,11に関する容易想到性判断の誤り(取消事由7)審決は,相違点10,11について,「実質的に相違点1,2と同様であるから,同様に,困難性なしとすることはできない。」と判断した。 しかし,審決の判断は誤りである。 この判断は相違点1,2に困難性があることを前提とするが,上記のとおり,その前提は誤りである。 したがって,相違点10,11に係る本件発明13の構成に至ることに困難性はない。 (8) 本件発明17と甲1発明との相違点12,13に関する容易想到性判断の誤り(取消事由8)審決は,相違点12,13について,「実質的に相違点1,2と同様であるから,同様に,困難性なしとすることはできない。」と判断した。 しかし,審決の判断は誤りである。 この判断は相違点1,2に困難性があることを前提とするが,上記のとおり,その前提は誤りである。 したがって,相違点12,13に係る本件発明17の構成に至ることに困難性はない。 (9) 本件発明21と甲1発明の相違点14に関する容易想到性判断の誤り(取消事由9)審決は,相違点14について,「実質的に相違点4と同様であるから,同様に,困難性なしとすることはできない。」と判断した。 しかし,審決の判断は誤りである。 上記(4) に示される甲1の段落【0015】,甲19の請求項4 いて,「実質的に相違点4と同様であるから,同様に,困難性なしとすることはできない。」と判断した。 しかし,審決の判断は誤りである。 上記(4) に示される甲1の段落【0015】,甲19の請求項4及び甲26の図 - 21 -3の記載からすれば,相違点14は実質的な相違点ではなく,相違点14に係る本件発明21の構成に至ることに困難性はない。 (10) 本件発明22と甲1発明との相違点15ないし17に関する容易想到性判断の誤り(取消事由10)審決は,相違点15ないし17について,「相違点15,16,17は,順に,実質的に相違点6,1,2と同様であるから,同様に,困難性なしとすることはできない。」と判断した。 しかし,審決の判断は誤りである。 この判断は相違点1,2,6について困難性があることを前提とするが,上記のとおり,その前提に誤りがある。 したがって,相違点15ないし17に係る本件発明22の構成に至ることに困難性はない。 (11) 本件発明24と甲1発明との相違点18に関する容易想到性判断の誤り(取消事由11)審決は,相違点18について,「プラグの上面を,『ポリッシング面のプラグと直に隣接する部分と実質的に共面』とすることは,いずれの証拠にも記載されていない。」などとして,本件発明24は,証拠に基づき,当業者が容易に発明をすることができたとすることはできないと判断した。 しかし,審決の判断は誤りである。 上記(4) に示される甲1の段落【0015】,甲19の請求項4及び甲26の図3の記載からすれば,相違点18は実質的な相違点ではなく,相違点18に係る本件発明24の構成に至ることに困難性はない。 (12) 本件発明25と甲1発明との相違点19ないし21に関する容易想到性判断の誤り(取消事由12)審決は,相違 相違点ではなく,相違点18に係る本件発明24の構成に至ることに困難性はない。 (12) 本件発明25と甲1発明との相違点19ないし21に関する容易想到性判断の誤り(取消事由12)審決は,相違点19について,「ポリッシング面を,『透過性を低下させる添加物を含むポリウレタンで形成された』ものとする点は,いずれの証拠にも記載され - 22 -ていない。・・・甲第16号証,甲第25号証記載のものは,ポリッシング面に関するものではない。」,相違点20について,「実質的に相違点1と同様であるから,同様に,困難性なしとすることはできない。」,相違点21について,「相違点2に加え,さらに『透過性を低下させる添加物を含まないポリウレタンで形成された』点で相違する。よって,同様に,困難性なしとすることはできない。」,「本件発明25は,相違点19,21により,レーザービームの減衰が最小になるという効果(段落0014)を有する。」として,本件発明25は,証拠に基づき,当業者が容易に発明をすることができたとすることはできないと判断した。 しかし,審決の判断は,以下のとおり誤りである。 アポリッシング面を,透過性を低下させる添加物を含むポリウレタンで形成することは公知であるから,相違点19は実質的な相違点ではなく,相違点19に困難性はない。すなわち,本件明細書の段落【0003】,【0014】には,本件特許の出願時に公知であった被覆層(例えば,RodelIC1000,RodelEX2000)が添加物を含み,この添加物がレーザービームの透過性を妨げることが記載されているから,甲1発明のポリッシング面を,「透過性を低下させる添加物を含むポリウレタンで形成された」ものとする点に困難性はない。 したがって,相違点19に係る本件発明25の構成に困難性 とが記載されているから,甲1発明のポリッシング面を,「透過性を低下させる添加物を含むポリウレタンで形成された」ものとする点に困難性はない。 したがって,相違点19に係る本件発明25の構成に困難性はない。 イ甲1の段落【0022】には,プラグは透過性を低下させる添加物を含まないほうが好ましいことが示唆されており,甲16の段落【0006】には,光ビームを透過するものとしてポリウレタンが記載されているから,甲1の「透明窓材6」の代わりに,プラグの透過性を低下させる添加物を含まないポリウレタンで置換するのは,当業者にとって容易である。 したがって,相違点20,21に係る本件発明25の構成に困難性はない。 ウ甲1の段落【0022】の記載には,プラグは透過性を低下させる添加物を含まないほうが好ましいことが示唆されているから,レーザービームの減衰が最小になるという効果が記載されている。 - 23 -(13) 特許法36条6項1号に関する無効理由に対する審理,判断を怠った瑕疵(取消事由13)審決は,本件明細書の請求項24に記載の「上面が,該ポリッシング面のプラグと直に隣接する部分と実質的に共面である」をサポートする記載が,明細書又は図面に記載されているといえるかどうかを判断すべきであったのに,「他に,無効とすべき理由を発見しない。」として,判断を怠った瑕疵があるから,違法として取り消されるべきである。 すなわち,原告(審判請求人)は,審判手続において,審判請求書(甲33の34頁)で,本件発明24に関し,本件明細書の請求項24には,「上面が,該ポリッシング面のプラグと直に隣接する部分と実質的に共面である」と記載されているが,明細書又は図面には,それをサポートする記載が存在せず,請求項24は,特許を受けようとする発明が発明の詳 上面が,該ポリッシング面のプラグと直に隣接する部分と実質的に共面である」と記載されているが,明細書又は図面には,それをサポートする記載が存在せず,請求項24は,特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものではなく,特許法36条6項1号を満たしていない旨主張した。したがって,請求項24記載の「実質的に共面である」に関し,これをサポートする記載が,明細書又は図面に記載されているといえるかどうかについて争いがあったから,審決は,この点について判断すべきであったのに,判断を怠った瑕疵がある。 なお,第1回口頭審理調書(甲30)には,「請求人・・・訂正請求が認容されることを前提に,特許法第36条の無効理由の主張は取り下げる」との記載があるが,これは,訂正請求が認容されることを前提に,当該訂正請求が認容された請求項に対する特許法36条の無効理由の主張は取り下げるとの意であり,原告は,訂正されていない請求項24に対する主張は取り下げていない。 (14) 手続上の瑕疵(取消事由14)審決は,原告に弁駁の機会を与えることなくなされたものであり,審判手続に手続上の瑕疵があるから,違法として取り消されるべきである。 すなわち,審判手続において,被告は,「スラリがパッドの下に流出するこを防止することができ,スラリが高額のため実施効果が大きい」との効果を主張したが, - 24 -この効果は,本件明細書に記載されておらず,口頭審理で初めて主張されたものであるから,原告(審判請求人)に弁駁の機会が与えられるべきであったのに,審判体はこれを怠り,審決で上記効果を認定した上,本件発明1の進歩性を肯定する判断をした。 また,審決は,「パッド部と定盤とが同格とは言えない」と認定した上で,本件発明1の進歩性を肯定する判断をしたが,この点は被告 ,審決で上記効果を認定した上,本件発明1の進歩性を肯定する判断をした。 また,審決は,「パッド部と定盤とが同格とは言えない」と認定した上で,本件発明1の進歩性を肯定する判断をしたが,この点は被告(審判被請求人)が従前主張していなかった争点であるから,原告(審判段階の請求人)に弁駁の機会が与えられるべきであったのに,審判体はこれを怠った。 2 被告の反論審決には,以下のとおり,取り消されるべき判断の誤りはない。 (1) 取消事由1(本件発明1と甲1発明との相違点1に関する容易想到性判断の誤り)に対し原告は,相違点1に関する審決の判断について,①プラグを固定するための開口を形成する上で,開口の上部を下部よりも大きくし,それに嵌めこむプラグが開口から抜け落ちなくすることが一般的であるから,開口が「ポリッシング面に隣接し第1の寸法を持つ第1セクション」,「ポリッシング面から遠く前記第1の寸法とは異なる第2の寸法を持つ第2セクション」を有するものとするために,特別の動機は必要なく,当業者にとって自明である,②甲1の図1においては,プラグ(透明窓材4)が抜け落ちない程度に開口(貫通穴3)は形成されており,甲19の図3においても,プラグ(ビューウィンドウ72)が抜け落ちないように,研磨盤62に上部と下部とが異なる寸法の開口が形成されており,甲4の図1,甲27の図7,甲31の図1のいずれにも,上部と下部とが異なる寸法の開口は示されているから,相違点1に係る本件発明1の構成は容易想到であるなどとして,審決の判断に誤りがある旨主張する。 しかし,原告の主張は,以下のとおり失当である。 ア上記①の主張に対し - 25 -他の技術分野で,プラグを固定するための開口を「開口の上部を下部よりも大きく」する構成が周知であったとしても,本 の主張は,以下のとおり失当である。 ア上記①の主張に対し - 25 -他の技術分野で,プラグを固定するための開口を「開口の上部を下部よりも大きく」する構成が周知であったとしても,本件発明1が容易想到になるとはいえない。 すなわち,甲4,甲27及び甲31は,時計ガラスの防水,内視鏡の外れ防止構造,ケース防水(の検査)に関するものであり,スラリーを積極的に利用する技術に関するものでもなく,甲1発明とは技術分野が異なる。 また,甲1発明においては,透明窓材4は,定盤1に固定されているから,研磨布5の研磨布窓6の「上部を下部よりも大きく」することは無意味であるし,仮にそのような構成とすれば,研磨に寄与しない範囲が更に広くなるか,定盤1に溝2がポリッシングパッドに覆われてしまい,これを設けた意味がなくなってしまう。 したがって,甲4,甲27及び甲31に「開口の上部を下部よりも大きく」する構成が記載されているとしても,甲1発明に適用するのに適した内容とはいえない。 さらに,開口を形成する場合,加工効率,加工工程数減少の観点から,開口の形成方向において断面形状は同一とする,すなわち上部断面形状と下部断面形状とが同一であることが一般的である。特に,CMP用のポリッシングパッドは,薄く柔軟性のある材料で作られているので,「開口の上部を下部よりも大きく」する場合の加工効率上の不利等は大きく,本件発明1の課題が設定されない限り,甲1における研磨布5の研磨布窓6について,「開口の上部を下部よりも大きく」する構成を採用することは,技術的合理性のないことである。 したがって,「開口の上部を下部よりも大きく」する構成が他の技術分野で周知であったといえたとしても,これを甲1発明に適用することはできないから,相違点1に係る本件発明1の構成は想到容易では ある。 したがって,「開口の上部を下部よりも大きく」する構成が他の技術分野で周知であったといえたとしても,これを甲1発明に適用することはできないから,相違点1に係る本件発明1の構成は想到容易ではない。 イ上記②の主張に対し原告の主張に係る証拠は,いずれもスラリを積極的に利用するCMP用の光学的検出の分野において,実質的に透明なプラグを固定するためのポリッシングパッドの開口を,「開口の上部を下部よりも大きく」する構成が周知であったことを示すものではない。 - 26 -すなわち,甲1には,定盤1の貫通孔3に(パイレックス透明ガラス製の)透明窓材4を嵌めこむことが記載されているが,ポリッシングパッドの開口の形状については記載も示唆もされていない。 甲19の図3には,ポリッシングパッドの開口(研磨パッド66のビューイング・アパーチャ73)がテーパー付き側壁を有することが記載されているが,これはプラグを固定するための開口ではない。 甲4は,時計ガラスの防水に関するものであり,本件発明や甲1発明とは技術分野が異なり,また機能上も本件発明や甲1発明のようにスラリを積極的に利用するものではないから,甲4の図1の記載を根拠に,その構成をポリッシングパッドの開口に適用することが容易であるということはできない。 甲27は,内視鏡の外れ防止構造,甲31は,ケース防水(の検査)にそれぞれ関するものであり,いずれもスラリを積極的に利用するものではないから,甲27の図7や甲31の図1の記載を根拠に,その構成をポリッシングパッドの開口に適用することが容易であるということはできない(なお,甲27と甲31は,審判請求時に提出された証拠ではないから,本件発明の容易想到性を判断するための引用例として考慮することは許されない。)。 (2) 取消事由 容易であるということはできない(なお,甲27と甲31は,審判請求時に提出された証拠ではないから,本件発明の容易想到性を判断するための引用例として考慮することは許されない。)。 (2) 取消事由2(本件発明1と甲1発明との相違点2に関する容易想到性判断の誤り)に対し原告は,相違点2に関する審決の判断について,①プラグをプラテンに固定するか,パッドに固定するかは設計事項である,②「スラリがパッドの下に流出することを防止することができ,スラリが高額のため実施効果が大きい」との効果は本件発明1の格別の効果ではない旨主張する。 しかし,原告の主張は,いずれも失当である。 ア上記①の主張に対しプラグの確実な固定は,「研磨液(スラリ)の漏洩防止」のために要求されることである。そして,薄くて柔軟な材料からなる部材(ポリッシングパッドのパッド - 27 -部)に固定する場合には,十分な厚さと強度のある部材(定盤)に固定する場合に比べ,プラグの確実な固定は困難となるから,甲1において,定盤(定盤1)という十分な厚さと強度のある部材に固定されているプラグ(透明窓材4)を,敢えて,パッド部(研磨布5)という薄くて柔軟な材料からなる部材に固定する構成とすることは,当業者にとって容易ではない。 すなわち,甲1において,本件発明1のプラグに相当するとされる「透明窓材4」は,パイレックス透明ガラス製で,直径や高さは10mm程度であるから(段落【0022】には,透明窓材4は直径10mmの貫通孔3に嵌め込まれると記載され,図1には,透明窓材4の高さは直径とほぼ同様に描かれている。),甲1に接した当業者は,硬質で比較的重量のある部材である「透明窓材4」を,薄くて柔軟な材料からなる部材である「研磨布5」に固定することは通常考えない。もっとも,甲1の とほぼ同様に描かれている。),甲1に接した当業者は,硬質で比較的重量のある部材である「透明窓材4」を,薄くて柔軟な材料からなる部材である「研磨布5」に固定することは通常考えない。もっとも,甲1のプラグ(透明窓材1)を,定盤(定盤1)ではなく,敢えてパッド部(研磨布5)に固定する構成とする特別の動機付けの示唆が存在する場合には,そのような構成とすることが想到容易と言い得るが,提出された証拠にそのような示唆はない。 また,本件発明1は「ポリッシングパッドのパッド部」を有するところ,ポリッシングパッドのパッド部は比較的薄くて柔軟な材料からなり,定盤は比較的厚さと強度のある部材からなることは,出願時の技術常識である(乙6の50,51,151頁)。発明特定事項や刊行物の記載事項の解釈するにあたり,出願時の技術常識を考慮し得るから,「パッド部は定盤と比較すると柔軟性を有する」ということができる。 そうすると,プラグの確実な固定の観点から,パッド部と定盤は,プラグを固定する対象として同格であるということはできない。 したがって,プラグを開口に固定する場合には,確実な固定の観点から,定盤に固定しようとすることが自然であるから,プラグをプラテンに固定するかパッドに固定するかは,単なる設計事項ではない。 - 28 -イ上記②の主張に対しプラグをパッド部に固定することにより,「スラリがパッドの下に流出することを防止することができ,スラリが高額のため実施効果が大きい」との効果や,ポリッシングパッド設置時等のプラグの高さ調整を不要とするという効果を奏する。また,プラテンに貼付されて使用されるCMP用のポリッシングパッドは,定期的に交換が必要であるから,プラグの高さ調整を不要とすることによる利便性の向上は顕著である。 相違点2に係る本 果を奏する。また,プラテンに貼付されて使用されるCMP用のポリッシングパッドは,定期的に交換が必要であるから,プラグの高さ調整を不要とすることによる利便性の向上は顕著である。 相違点2に係る本件発明1の構成により,「スラリがパッドの下に流出することを防止することができ,スラリが高額のため実施効果が大きい」ことや,ポリッシングパッドの設置時等のプラグの高さ調整を不要とするという効果を奏することも当業者ならば理解できる(本件明細書の段落【0012】ないし【0014】)。 また,上記アのとおり,プラグがパッド部に固定されている構成が甲1の記載から容易に想到し得たとはいえないから,当該構成による効果についても,甲1から予想できる範囲のものとはいえない。 さらに,甲19において,「研磨パッド66」には切り抜き穴が形成されており,スラリーはパッドの下に流出するから,「スラリがパッドの下に流出することを防止することができ,スラリが高額のため実施効果が大きい。」との効果が記載されているとはいえない。 加えて,甲19の段落【0016】には,「研磨盤62はプラテン64と研磨パッド66を含む。」との記載の後に「研磨パッド66は,・・・Rodel 社(デラウェア州ニューアード)のもの等,一般に入手でき,厚みが50ミル(1.27ミリ)のオーダの研磨パッドから形成することができる。」と記載されるから,パッドとプラテンとは別部材であり,一体ではないと解される。すなわち,「研磨盤62」は,「研磨パッド66」ではなく,「プラテン64」と「研磨パッド66」を含むものであり,甲19の「研磨盤62」が本件発明1の「ポリッシングパッド」に対応するという原告の主張は誤りである。 - 29 -(3) 取消事由3(本件発明5と甲1発明との相違点3に関する容易想到 ,甲19の「研磨盤62」が本件発明1の「ポリッシングパッド」に対応するという原告の主張は誤りである。 - 29 -(3) 取消事由3(本件発明5と甲1発明との相違点3に関する容易想到性判断の誤り)に対し原告は,相違点3に関する審決の判断について,①プラグの第1部分と開口の第1セクションとを実質的に同一寸法とし,プラグの第2部分と開口の第2セクションとを実質的に同一寸法とすることはごく普通のことである,②液漏れを防止するように開口を塞ぐ構成とする上で,開口と透明窓材は実質的に同一寸法とすることは当然である(甲4,甲19,甲27,甲31)などとして,相違点3に係る本件発明5の構成と甲1発明の構成は,実質的に同一である旨主張する。 しかし,原告の主張は,以下のとおり失当である。 ア上記①の主張に対しポリッシングパッドのパッド部の開口に固定される実質的に透明な部材(プラグ)の前記第1部分が前記開口の前記第1セクションと実質的に同一寸法であり,前記プラグの前記第2部分が前記開口の前記第2セクションと実質的に同一寸法であることは,原告提出の公知例には記載されていない。そして,本件発明5は,相違点3に係る発明特定事項を備えることにより,「取付面積が拡がり固定しやすい」という効果(本件明細書の段落【0019】,【0020】,図3)を奏するものである。 したがって,相違点3は,実質的な相違点である。 イ上記②の主張に対し甲4,甲19,甲27及び甲31は,いずれもスラリを積極的に利用するCMP用のポリッシングパッド(のパッド部)が薄く柔軟性のある材料で作られているので,ポリッシングパッド(のパッド部)に開口を形成しても,これに実質的に透明なプラグを確実に固定することは困難であるという本件発明5の課題を,記載も示唆もして が薄く柔軟性のある材料で作られているので,ポリッシングパッド(のパッド部)に開口を形成しても,これに実質的に透明なプラグを確実に固定することは困難であるという本件発明5の課題を,記載も示唆もしていない。 したがって,相違点3に係る本件発明5の構成は容易想到ではない。 (4) 取消事由4(本件発明6と甲1発明との相違点4に関する容易想到性判断の - 30 -誤り)に対し原告は,相違点4に関する審決の判断について,甲1発明のプラグの上面はポリッシング面と実質的に同じ高さとすることを妨げるものでなく,甲19の請求項4にも,プラグ(ウィンドウ)がパッド(ワークを研磨する研磨盤)と同一平面であることが開示され,甲26の図3にも,プラグ(ガラス板4)の上面を,ポリッシング面(研磨クロス5の上面)と実質的に同じ高さにしたものが図示されているから,相違点4は実質的な相違点ではなく,困難性はない旨主張する。 しかし,原告の主張は失当である。 甲1,甲19,甲26には,実質的に透明なプラグをポリッシングパッド(のパッド部)に固定することは記載も示唆もされていないから,パッド部に固定された実質的に透明なプラグの上面を,ポリッシング面と同じ高さとすることについて示唆もないというべきである。 すなわち,甲1の段落【0023】には「透明窓材4は定盤1の表面より約0. 5mm突出するが,研磨布5の弾性を考慮しても研磨布5の表面よりも十分低くなっている。」と記載されている。 また,甲19は,請求項4に「上記ウィンドウの上面が上記研磨盤の上面とほぼ同一平面である」の記載があるが,段落【0019】の記載に照らせば,「上記研磨盤の上面」は,「上記研磨盤のプラテンの上面」の誤記であることは当業者にとって明らかであるから,プラグがパッド(のポリッシング 平面である」の記載があるが,段落【0019】の記載に照らせば,「上記研磨盤の上面」は,「上記研磨盤のプラテンの上面」の誤記であることは当業者にとって明らかであるから,プラグがパッド(のポリッシング面)と同一平面であることの開示があるとはいえない。仮に,甲19の請求項4に「上記ウィンドウの上面が上記研磨盤の上面とほぼ同一平面である」という構成の開示があることを前提にした場合,クォーツ,溶融シリカ,サファイア(酸化アルミニウム),ダイヤモンド等の透明な物質からなるビュー・ウィンドウ72を半導体ウエハに接触させるような構造にどのような技術的意義があるかは当業者にとって不明であり(ウエハを傷付けてしまう。),甲1発明の透明窓材4にそのような構成を適用する動機付けに欠けるか,そのような適用をすることにつき阻害事由があることとなる。パッド - 31 -部は柔軟性を有し,変形することから,相違点4は,プラグをパッド部に固定すること,すなわち相違点2を前提として可能となるものであり,プラグが定盤に取付けられている甲19に採用の余地はない。 さらに,甲26には,「ガラス板4は,前記研磨定盤6に張られた研磨クロス5の表面からわずかに後退して」(3頁左下欄)と記載されるとおり,プラグの上面をポリッシング面と同じ高さとすることが開示されていない。 したがって,相違点4に係る本件発明6の構成は容易想到ではない。 (5) 取消事由5(本件発明7と甲1発明との相違点5に関する容易想到性判断の誤り)に対し原告は,プラグの第2セクションの厚さが開口の第2セクションの深さより小さくすることは,甲31の図1のようにごく普通のことであるから,相違点5は実質的な相違点ではない旨主張する。 しかし,甲31は,防水ケースの(防水性能の)検査方法に関するも 2セクションの深さより小さくすることは,甲31の図1のようにごく普通のことであるから,相違点5は実質的な相違点ではない旨主張する。 しかし,甲31は,防水ケースの(防水性能の)検査方法に関するものであり,技術分野が異なる。 また,本件発明7は,相違点5に係る発明特定事項を備えることにより,「上面606はウェーハ14に接触するが,間隙610によってウェーハ上に圧力がかからない。2段型プラグ600のより密度の高い材料が局部的に増加する付加を生成することはない。従って,2段型プラグ600はウェーハ14のポリッシングに悪影響を及ぼすことはない。」(本件明細書の段落【0017】)との効果を奏するものであるが,このような効果は甲31からは予想できない。 したがって,相違点5に係る本件発明7の構成は容易想到ではない。 (6) 取消事由6(本件発明11と甲1発明との相違点7ないし9に関する容易想到性判断の誤り)に対し原告は,相違点7ないし9に関する審決の判断について,①当該判断は相違点1,2に困難性があるとの前提に基づくものであり,その前提は誤りである,②上部と下部とでサイズが異なる開口にプラグ又はプラグに相当する部材を,接着を用いて - 32 -固定する点については,甲6の段落【0018】及び甲31の段落【0008】に記載されている旨主張する。 しかし,上記のとおり,相違点1,2に関する審決の判断に誤りはない。また,甲6や甲31は,技術分野が異なるし,スラリを積極的に利用するものでもないから,甲6や甲31を根拠に相違点9が解消されるとする原告の主張に理由はない。 (7) 取消事由7(本件発明13と甲1発明の2との相違点10,11に関する容易想到性判断の誤り)に対し原告は,相違点10,11に関する審決の判断について,当該判 する原告の主張に理由はない。 (7) 取消事由7(本件発明13と甲1発明の2との相違点10,11に関する容易想到性判断の誤り)に対し原告は,相違点10,11に関する審決の判断について,当該判断は相違点1,2に困難性があるとの前提に基づくものであり,その前提は誤りである旨主張する。 しかし,上記のとおり,相違点1,2に関する審決の判断に誤りはないから,原告の主張は失当である。 (8) 取消事由8(本件発明17と甲1発明との相違点12,13に関する容易想到性判断の誤り)に対し原告は,相違点12,13に関する審決の判断について,当該判断は相違点1,2に困難性があるとの前提に基づくものであり,その前提は誤りである旨主張する。 しかし,上記のとおり,相違点1,2に関する審決の判断に誤りはないから,原告の主張は失当である。 (9) 取消事由9(本件発明21と甲1発明の相違点14に関する容易想到性判断の誤り)に対し原告は,相違点14に関する審決の判断について,甲1の段落【0015】,甲19の請求項4及び甲26の図3の記載からすれば,相違点14は実質的な相違点ではない旨主張する。 しかし,原告の主張は失当である。 原告は,要するに,相違点4に関する審決の判断の誤りを前提とするものであると主張するが,相違点4に関する審決の判断に誤りはない。 (10) 取消事由10(本件発明22と甲1発明との相違点15ないし17に関す - 33 -る容易想到性判断の誤り)に対し原告は,相違点15ないし17に関する審決の判断について,当該判断は相違点1,2,6について困難性があるとの前提に基づくものであり,その前提に誤りがある旨主張する。 しかし,上記のとおり,相違点1,2,6に関する審決の判断に誤りはないから,原告の主張は失当であ 相違点1,2,6について困難性があるとの前提に基づくものであり,その前提に誤りがある旨主張する。 しかし,上記のとおり,相違点1,2,6に関する審決の判断に誤りはないから,原告の主張は失当である。 (11) 取消事由11(本件発明24と甲1発明との相違点18に関する容易想到性判断の誤り)に対し原告は,相違点18に関する審決の判断について,甲1の段落【0015】,甲19の請求項4及び甲26の図3の記載からすれば,相違点18は実質的な相違点ではない旨主張する。 しかし,原告の主張は失当である。 甲1には,研磨布(ポリッシングパッド)の上面が,ポリッシング面の透明窓材4(プラグ)と直に隣接する部分が存在することの記載はなく,かえって,観察を可能とするために,研磨液を十分保持できるようにし,空気が混じらないようにするための溝2(段落【0016】)が存在するから,甲1は,スラリ集積を積極的に誘引しており,本件発明24とは逆の発想に基づくものである。すなわち,甲1は,研磨布(ポリッシングパッド)の上面が,ポリッシング面の透明窓材4(プラグ)と直に隣接する部分が存在する構成を積極的に排除しているといえる。また,甲1の段落【0015】の「透明窓材の表面とウエハの研磨面との間の間隔が小さい」の記載は,(小さいとはいえ)両者の間に間隔が存在することを意味するから,透明窓材の表面とウエハの研磨面(研磨布5の上面)の間に段差があり,両者が「実質的に共面である」ことはあり得ない。さらに,甲1の段落【0023】でも,「透明窓材4は定盤1の表面より約0.5mm突出するが,研磨布5の弾性を考慮しても研磨布5の表面よりも十分低くなっている。」と記載され,プラグの上面を「ポリッシング面のプラグと直に隣接する部分と実質的に共面」とすることを積極 - 突出するが,研磨布5の弾性を考慮しても研磨布5の表面よりも十分低くなっている。」と記載され,プラグの上面を「ポリッシング面のプラグと直に隣接する部分と実質的に共面」とすることを積極 - 34 -的に排除している。 甲19の請求項4や甲26の図3に「実質的に共面であること」が開示されていないことについては,上記(4) のとおりである。 したがって,原告の主張には理由がない。 (12) 取消事由12(本件発明25と甲1発明との相違点19ないし21に関する容易想到性判断の誤り)に対し原告は,相違点19ないし21に関する審決の判断について,①ポリッシング面を,透過性を低下させる添加物を含むポリウレタンで形成することは公知であるから,相違点19は実質的な相違点ではない,②相違点20,21に関する判断は,相違点1,2に関する審決の判断を前提とするが,審決の相違点1,2に関する判断は誤りである,③甲1の段落【0022】に,プラグの透過性を低下させる添加物を含まないほうが好ましいことが示唆され,甲16の段落【0006】には,光ビームを透過するものとしてポリウレタンが記載されているから,甲1の「透明窓材6」の代わりに,プラグの透過性を低下させる添加物を含まないポリウレタンで置換するのは容易であり,相違点20,21に係る本件発明25の構成に困難性はないなどと主張する。 しかし,原告の主張は失当である。 上記②の主張について,上記のとおり,相違点1,2に関する審決の判断に誤りはない。 また上記③の主張について,甲1には,「パイレックス透明ガラス製の透明窓材4が嵌め込まれ」(段落【0022】)との記載があるが,そのような材料を選択する理由については何ら記載していないから,透明窓材4を,添加物を含まないポリウレタンに置換することにつき示 ス製の透明窓材4が嵌め込まれ」(段落【0022】)との記載があるが,そのような材料を選択する理由については何ら記載していないから,透明窓材4を,添加物を含まないポリウレタンに置換することにつき示唆があるとはいえない。 (13) 取消事由13(特許法36条6項1号に関する無効理由に対する審理,判断を怠った瑕疵)に対し原告は,本件明細書の請求項24の「上面が,該ポリッシング面のプラグと直に - 35 -隣接する部分と実質的に共面である」をサポートする記載が,明細書又は図面に記載されているといえるかどうかを判断すべきであったのに,これを怠った瑕疵があるから,審決は違法として取り消されるべきである旨主張する。 しかし,原告の主張は失当である。 審判手続における第1回口頭審理調書(甲30)の「陳述の要領」の「請求人」に,「8 訂正請求が認容されることを前提に,特許法第36条の無効理由の主張は取り下げる。」と記載されるとおり,請求人(原告)は,特許法36条に関する無効理由を取り下げているから,審決が同無効理由についての判断をしないことは違法ではない。 (14) 取消事由14(手続上の瑕疵)に対し原告は,審決は,原告に弁駁の機会を与えることなくなされたものであり,審判に手続上の瑕疵があるから,違法として取り消されるべきである旨主張する。 しかし,原告の主張は失当である。 被請求人(被告)の主張の内容は,遅くとも口頭審理の期日までに請求人(原告)に伝えられており,原告は,口頭審理の期日において,反論したい旨述べることもできたし,その後に反論の内容を記載した書面を提出することもできたのであるから,原告には反論の機会が与えられていた。 したがって,審判手続に瑕疵はない。 第4 当裁判所の判断当裁判所は,原告主張の取消 の後に反論の内容を記載した書面を提出することもできたのであるから,原告には反論の機会が与えられていた。 したがって,審判手続に瑕疵はない。 第4 当裁判所の判断当裁判所は,原告主張の取消事由にはいずれも理由がなく,審決に取り消されるべき違法はないと判断する。 1 取消事由1(本件発明1と甲1発明との相違点1に関する容易想到性判断の誤り)について原告は,相違点1に関する審決の判断について,①プラグを固定するための開口を形成する上で,開口の上部を下部よりも大きくし,それに嵌めこむプラグが開口から抜け落ちなくすることが一般的であるから,開口が「ポリッシング面に隣接し - 36 -第1の寸法を持つ第1セクション」,「ポリッシング面から遠く前記第1の寸法とは異なる第2の寸法を持つ第2セクション」を有するものとするために,特別の動機は必要なく,当業者にとって自明である,②甲1の図1においては,プラグ(透明窓材4)が抜け落ちない程度に開口(貫通穴3)は形成されており,甲19の図3においても,プラグ(ビューウィンドウ72)が抜け落ちないように,研磨盤62に上部と下部とが異なる寸法の開口が形成されており,甲4の図1,甲27の図7,甲31の図1のいずれにも,上部と下部とが異なる寸法の開口は示されているなどとして,相違点1に係る本件発明1の構成は容易想到であり,審決の判断に誤りがある旨主張するので,以下検討する。 (1) 認定事実ア本件明細書の特許請求の範囲の【請求項1】の記載は,上記第2の2のとおりである。また,本件明細書には次の記載がある(甲28,甲29)。 【発明の実施形態】・・・【0014】パッドの被覆層で使用されるポリウレタン材料はレーザービームを実質的に透過できるが,ナイロン微小球体等の或る種の添加物を含み,こ 載がある(甲28,甲29)。 【発明の実施形態】・・・【0014】パッドの被覆層で使用されるポリウレタン材料はレーザービームを実質的に透過できるが,ナイロン微小球体等の或る種の添加物を含み,この添加物がその透過性を妨げる。この問題は,図3の(C)に記載された本発明の実施形態で解消される。この実施形態では,プラテン孔30上に位置する領域の代表的なパッド材料が,中実のポリウレタンプラグ42と置き換わっている。このプラグ42は,レーザービーム用の窓として働くが,ナイロン微小球体を含まないポリウレタン材料でできている。・・・【0015】・・・液体ポリウレタンを硬化させて,ポリッシングパッド内に一体成形されたプラグを成形する。或はまた,プラグを中実インサートとして予め成形することもできるだろう。このインサートを,溶融したポリッシングパッドバルク材料中に入れてから,プラグ42の材料とポリッシングパッド18の材料とが接合するように,そのアセンブリ全体を硬化させることができる。アセンブリが冷却されると,ポリウレタンプラグ42がポリッシングパッドの中に一体成形されるこ - 37 -とになる。しかしながら,ポリッシングパッド18の材料,特に被覆層22の材料は,ポリウレタンプラグ42の材料とは異なる。従って,アセンブリが硬化するときにプラグ42の材料が収縮して,窓を上か下に座屈させる傾向がある。これによって,スラリを集積させるくぼみか,ウェーハ14を損傷させる隆起のいずれかが発生する。 【0016】図3の(D)によれば,別の実施形態では,2段型プラグ600が,プラテン孔30の上のポリッシングパッド18中に位置決めされている。この2段型プラグ600は,レーザービーム用の窓として働く比較的透明な材料で形成される。・・・上記材料は,ポリッシン ラグ600が,プラテン孔30の上のポリッシングパッド18中に位置決めされている。この2段型プラグ600は,レーザービーム用の窓として働く比較的透明な材料で形成される。・・・上記材料は,ポリッシングプロセスに関して化学的に不活性で,ポリッシングパッドと同じ速度で侵食する。2段型プラグ600は,上側プラグ部602と下側プラグ部604とを含む。上側プラグ部602は被覆層22の孔,つまり開口630に嵌合し,下側プラグ部604は裏打ち層20の孔,つまり開口632に嵌合する。上側プラグ部602の上面606は,ポリッシングパッド18の上面23と同一平面である。・・・【0018】図3の(E)と(F)によれば,ポリッシングパッド18を以下のように組み立ててもよい。中実のポリウレタンピースから2段型プラグ600を機械加工するか成形加工する。ポリッシングパッド18に開口612を切削加工する。 或は,ポリッシングパッド18を開口612と一体に成形してもよい。開口612は2つのセクションを含む。開口の第1セクションを被覆層22の孔630とし,開口の第2セクションを裏打ち層20の孔632としてもよい。開口612は2段型プラグ600の形状に合わせる。プラグの形は,異なる断面積を持つ隣接する長方形の平板でもよい。・・・【0022】2段型プラグ600によって提供される窓は,レーザービーム34を遮る,プラテン孔30上へのスラリ集積を防止する。・・・プラグは,プラテン孔30へのスラリ40の漏れを防ぐために開口内に密止され,またウェーハに局部的な負荷増加を防ぐために押し下げられる。 - 38 -【図3】は別紙1のとおりである。 イ甲1発明の内容は,上記第2の3(2)ア(ア)のとおりであり(当事者間に争いがない。),甲1発明の2の内容は,同(イ) のとお れる。 - 38 -【図3】は別紙1のとおりである。 イ甲1発明の内容は,上記第2の3(2)ア(ア)のとおりであり(当事者間に争いがない。),甲1発明の2の内容は,同(イ) のとおりである(弁論の全趣旨)。また,甲1には次の記載がある。 【0001】【産業上の利用分野】本発明は,半導体ウエハ,特にSOI(Silicon-on-Insulator)ウエハ等の膜付きウエハの研磨方法及び装置に関する。 【0006】【発明が解決しようとする課題】本発明は,研磨途中でウエハを定盤から離すことなく研磨中の膜の厚さを知ることができ,研磨の高精度な制御が効率よくできるウエハの研磨方法及び装置を提供することを課題とする。 【0022】【実施例】図1,図2に示した実施例について説明する。定盤1は直径300mm,厚さ10mmのアルミニウム製の円盤で,その中心の片面に定盤1を回転するための軸が固定してある。定盤1の軸を固定した面の反対側の面には,中心から放射状に伸びる近接した2本の直線で囲まれ,中心付近から周縁近くまで伸びた溝2が設けてある。溝2の中心側の幅は5mmで周縁側の幅は15mm,深さ1mmとなっている。溝2の長手方向中央には,直径10mmの貫通孔3が設けられ,溝2の反対側では円錐状に拡大している。貫通孔3の溝2側にはパイレックス透明ガラス製の透明窓材4が嵌め込まれ,研磨液が漏れないようにしてある。 【0023】定盤1の溝2を有する面には,定盤1と同形の厚さ0.7mmのローデルニッタ社製,商品名suba-500 ウレタン含浸ポリエステル不織布からなる研磨布5が張り付けられ,溝2に相当する部分は溝2と同形に切り抜かれて,研磨布窓6が形成されている。透明窓材4は定盤1の表面より約0.5mm突出するが,研磨布5の弾性を考慮しても研磨布5の からなる研磨布5が張り付けられ,溝2に相当する部分は溝2と同形に切り抜かれて,研磨布窓6が形成されている。透明窓材4は定盤1の表面より約0.5mm突出するが,研磨布5の弾性を考慮しても研磨布5の表面より十分低くなっている。 【図1】,【図2】は,別紙2のとおりである。 ウ甲4,甲19,甲27及び甲31の記載の概要は次のとおりである。 (ア) 甲4(実開昭64-19191号公報)「メッキ付き時計ケースの時計ガラスの固定構造」に関する技術であり,時計ケ - 39 -ース1に形成された開口に位置決めされた時計ガラス4が記載されている(当事者間に争いがない。)。第1図は,別紙3(1) のとおりである。 (イ) 甲19(特開平7-235520号公報)「研磨過程モニタ装置及びそのモニタ方法」に関する技術であり,半導体ウエハの機械化学研磨における終了点判定において,鋭いナイフ等の適当な器具を用いて,又は研磨パッド66の形成時に,パッドを切削して研磨パッド66にビューイング・アパーチャ73を形成することが記載されている(当事者間に争いがない。)。 第3図は,別紙3(2) のとおりである。 (ウ) 甲27(特開平7-59727号公報)「内視鏡カバー方式の内視鏡」に関する技術であり,開口部51に形成された段部53に,レンズカバー35のフランジ52を嵌合させた内視鏡カバー3が記載されている(当事者間に争いがない。)。図7は,別紙3(3) のとおりである。 (エ) 甲31(特開平5-196536号公報)「防水ケースの検査方法」に関する技術であり,ケース本体に形成された開口12aの段部に,窓用透明部材14のフランジ部を嵌合させた構造が記載されている。 図1は,別紙3(4) のとおりである。 (2) 判断ア上記①の主張について上 り,ケース本体に形成された開口12aの段部に,窓用透明部材14のフランジ部を嵌合させた構造が記載されている。 図1は,別紙3(4) のとおりである。 (2) 判断ア上記①の主張について上記(1)ア認定の事実によれば,本件発明1は,ポリッシングパッドに形成された開口に透明なプラグを良好に固定するために,「前記ポリッシング面に形成され前記パッド部を貫通した開口であって,前記ポリッシング面に隣接し第1の寸法を持つ第1セクションおよび前記ポリッシング面から遠く前記第1の寸法とは異なる第2の寸法を持つ第2セクションを有する前記開口と,前記開口の前記第1セクション内に位置決めされた第1部分と,前記開口の前記第2セクション内に位置決めされた第2部分とを有する実質的に透明なプラグと,前記プラグを前記開口内の前記パッド部に固定する手段とを備える」ものと解される(請求項1,段落【001 - 40 -4】ないし【0016】,【0018】)。また,ポリッシングパッドにプラグが固定された構造から,パッド下方に位置するプラテン孔30へのスラリ40の漏れを防止する効果を奏することが認められる(段落【0022】)。 これに対して,上記(1)イ認定の事実によれば,甲1の図1には,上部に大径部,下部に小径部を有し,研磨布窓6内に大径部が位置決めされた透明窓材4があり,透明窓材4の小径部を溝2に設けられた貫通穴3に嵌め込んだ形状が図示されていることが認められるが,甲1発明は,研磨布5(パッド)の研磨布窓6(開口)の形状(本件発明1の開口の形状に対応するものであって,面に垂直な方向に関する形状)が明らかでなく,少なくとも,プラグを固定するものではないから,上記形状は,プラグの固定を良好にすることを意図したものではないといえる。 また,上記(1)ウ認 あって,面に垂直な方向に関する形状)が明らかでなく,少なくとも,プラグを固定するものではないから,上記形状は,プラグの固定を良好にすることを意図したものではないといえる。 また,上記(1)ウ認定の事実によれば,甲4の第1図,甲19の第3図,甲27の図7,甲31の図1には,いずれも,開口を蓋部材で塞ぐ構造において,開口の上部(下部)を下部(上部)よりも大きくし,それに蓋部材を嵌め込むようにして蓋部材が開口から抜け落ちなくすることが開示されているが,甲4は「メッキ付き時計ケースの時計ガラスの固定構造」,甲27は「内視鏡カバー方式の内視鏡」,甲31は「防水ケースの検査方法」に関する技術であり,本件発明1の機械化学的ポリッシング及びポリッシングパッドに関する技術とは異なる。 さらに,甲19は「研磨過程モニタ装置及びそのモニタ方法」に関する技術であって本件発明1と技術分野が共通するが,開口はパッドではなくプラテン64に形成され,ビュー・ウィンドウ72(プラグ)はプラテン64に嵌め込まれて固定されたものである。この点,原告は,プラグを固定するための上部と下部とが異なる寸法の開口を,パッドに形成するかプラテンに形成するかは設計事項である旨主張するが,後記2のとおり,原告の主張は採用できない。 そうすると,甲4,甲19,甲27,甲31に,開口を蓋部材で塞ぐ構造において,開口の上部(下部)を下部(上部)よりも大きくし,それに蓋部材を嵌め込むようにして蓋部材が開口から抜け落ちなくする技術が開示されているとしても,ポ - 41 -リッシングパッド又はその開口の形状に適用することが記載又は示唆されておらず,適用することの動機付けがあるとも認められない。原告は,上記の技術をポリッシングパッド又はその開口の形状に適用することに特別の動機は必要ない旨 その開口の形状に適用することが記載又は示唆されておらず,適用することの動機付けがあるとも認められない。原告は,上記の技術をポリッシングパッド又はその開口の形状に適用することに特別の動機は必要ない旨主張するが,後知恵を排除する観点から,かかる解釈は採用できない。 したがって,ポリッシングパッドの開口が,「ポリッシング面に隣接し第1の寸法を持つ第1セクション」,「ポリッシング面から遠く前記第1の寸法とは異なる第2の寸法を持つ第2セクション」を有するものとすることが,当業者にとって自明であるとはいえない。 イ上記②の主張についてまた,上記アのとおり,甲1の図1記載の形状はプラグの固定を良好にすることを意図したものではなく,甲19の図3記載の開口はパッドではなくプラテン64に形成され,ビュー・ウィンドウ72(プラグ)はプラテンに嵌め込まれて固定されたものであり,甲4,甲27,甲31記載の技術は,いずれも機械化学的ポリッシング及びポリッシングパッドに関する技術とは異なる技術分野に属する。 したがって,上記各証拠の記載から,実質的に透明なプラグを固定するためのポリッシングパッドに関し,「開口の上部を下部よりも大きく」する構成が周知であったとか,これらに記載された技術を適用して,相違点1に係る本件発明1の構成に容易に想到するとは認められない。 ウ以上のとおり,相違点1に関する審決の容易想到性判断に誤りはない。 2 取消事由2(本件発明1と甲1発明との相違点2に関する容易想到性判断の誤り)について原告は,相違点2に関する審決の判断について,①プラグをプラテンに固定するか,パッドに固定するかは設計事項である,②「スラリがパッドの下に流出することを防止することができ,スラリが高額のため実施効果が大きい」との効果は本件発明1の格別の効果では ラグをプラテンに固定するか,パッドに固定するかは設計事項である,②「スラリがパッドの下に流出することを防止することができ,スラリが高額のため実施効果が大きい」との効果は本件発明1の格別の効果ではない旨主張する。 (1) 上記①の主張について - 42 -甲1の段落【0022】,【0023】の記載は,上記1(1)イの【0022】,【0023】のとおりである。すなわち,甲1には,「定盤1」に設けられた貫通孔3に,硬質で比較的重量のある部材である「透明窓材4」が嵌め込まれること,定盤1の溝2を有する面に張り付けられるのは薄くて柔軟な部材からなる「研磨布5」であることが開示されているといえる。 甲1に接した当業者にとって,硬質で比較的重量のある部材である「透明窓材4」を「定盤1」ではなく,薄くて柔軟な材料からなる部材「研磨布5」に固定することが,技術常識からして当然とはいえない。また,甲1において,「透明窓材4」を,「研磨布5」に固定する構成とする示唆ないし動機付けが示されているとも認められない。そうすると,プラグ(甲1発明の「透明窓材4」に相当する。)を固定する場合には,確実な固定の観点から,パッド部(甲1発明の「研磨布5」に相当する。)ではなく,定盤に固定しようとすることがむしろ自然である。 また,機械化学的ポリッシング装置(CMP装置)において,研磨パッド(研磨布,ポリッシングパッド)は定盤(プラテン)の上に貼り付け,ウエハーに接触することが一般的と考えられるところ,本件発明1及び甲1発明においてもそのような構成及び機能であるから,定盤と研磨パッド(ポリッシングパッド)とはその構成及び機能が異なるものと解される。 したがって,パッド部と定盤は,プラグを固定する対象として同格であるということはできず,プラグをプラテン(定 ら,定盤と研磨パッド(ポリッシングパッド)とはその構成及び機能が異なるものと解される。 したがって,パッド部と定盤は,プラグを固定する対象として同格であるということはできず,プラグをプラテン(定盤)に固定するかパッドに固定するかは,設計事項とはいえない。 (2) 上記②の主張について上記1(2)アのとおり,相違点2に係る本件発明1の構成であるポリッシングパッドにプラグが固定された構造から,スラリがパッドの下のプラテン孔に流出することを防止できる効果を理解できる。 一方,上記(1) のとおり,プラグがパッド部に固定されている構成が甲1の記載から容易に想到できるとはいえないから,ポリッシングパッドにプラグが固定され - 43 -た構造から奏される上記の効果も,甲1から予測できるとはいえない。 また,甲19の段落【0016】に「研磨盤62はプラテン64と研磨パッド66を含む。・・・研磨パッド66は,・・・Rodel社・・・のもの等,一般に入手でき,厚みが50ミル(1.27mm)のオーダの研磨パッドから形成することができる。」と記載されるから,プラテンと研磨パッドとは別部材であると解され,他に,両者が一体となっていることの記載又は示唆はない。そうすると,両者が一体となっていることを前提として,上記効果が,甲19により公知又は予測可能であるとする原告の主張は前提を欠くものである。 (3) 以上のとおり,相違点2に関する審決の容易想到性判断に誤りはない。 3 取消事由3(本件発明5と甲1発明との相違点3に関する容易想到性判断の誤り)について原告は,相違点3に係る本件発明5の構成と甲1発明の構成は,実質的に同一である旨主張する。 しかし,相違点3は,相違点1を前提とした相違点であるところ,上記1のとおり,相違点1に関する について原告は,相違点3に係る本件発明5の構成と甲1発明の構成は,実質的に同一である旨主張する。 しかし,相違点3は,相違点1を前提とした相違点であるところ,上記1のとおり,相違点1に関する審決の容易想到性判断に誤りはないから,相違点3に関する審決の容易想到性判断にも誤りは認められない。 4 取消事由4(本件発明6と甲1発明との相違点4に関する容易想到性判断の誤り)について原告は,相違点4に関する審決の判断について,甲1発明のプラグの上面はポリッシング面と実質的に同じ高さとすることを妨げるものでなく,甲19の請求項4にも,プラグ(ウィンドウ)がパッド(ワークを研磨する研磨盤)と同一平面であることが開示され,甲26の図3にも,プラグ(ガラス板4)の上面を,ポリッシング面(研磨クロス5の上面)と実質的に同じ高さにしたものが図示されているから,相違点4は実質的な相違点ではなく,困難性はない旨主張するので,以下検討する。 (1) 認定事実 - 44 -ア甲1には,次の記載がある。 【0015】本発明の装置において,透明窓材とウエハとの間にできる研磨液の膜を通してウエハの研磨面に照射した光の反射光を観察あるいは評価するのであるが,研磨液は液中に微粒子が懸濁したものであり,光を散乱する性質をもっているので,透明窓材の表面とウエハの研磨面との間の間隔が小さい方が観察あるいは評価に都合がよい。 イ甲19には,次の記載がある。 【請求項4】上記ウィンドウが,上記ウィンドウの上面が上記研磨盤の上面とほぼ同一平面であるように,上記研磨盤内に組込まれることを特徴とする,請求項1乃至3のいずれか1つに記載の研磨過程モニタ装置。 【0019】・・・ビュー・ウィンドウ72は研磨盤62内に取り付けられ,特に,ビュー・ウィンドウ72の 磨盤内に組込まれることを特徴とする,請求項1乃至3のいずれか1つに記載の研磨過程モニタ装置。 【0019】・・・ビュー・ウィンドウ72は研磨盤62内に取り付けられ,特に,ビュー・ウィンドウ72の上面が研磨盤62のプラテン64の上面とほぼ同一平面になるように取り付けられる。または,ビュー・ウィンドウ72は,研磨盤62の上面の下にわずかに埋込んでもよい。・・・ビュー・ウィンドウ72は,クォーツ,溶融シリカ,サファイア(酸化アルミニウム),ダイヤモンド等の透明な物質からなり,更に下面や上面に反射防止(AR)膜を有する。・・・ウ甲26(特開平3-234467号公報)には,次の記載がある。 「ガラス板4は,前記研磨定盤6に張られた研磨クロス5の表面からわずかに後退してほぼ同一平面を形成するように該研磨定盤6の適宜部位に形成された取付孔6bに嵌着されており,その表面は前記研磨クロス5が張られることなく露出している。」(3頁左下欄)図3は,別紙3(5) のとおりである。 (2) 判断上記1のとおり,甲1及び甲19には,プラグ(透明窓材4,ビュー・ウィンドウ72)をパッド(研磨布5,研磨パッド66)に固定することについて記載又は示唆されていないから,パッド部に固定されたプラグの上面をパッド部のポリッシ - 45 -ング面と同じ高さとすることについての記載又は示唆もないというべきである。 また,上記1(1)イ認定の事実によれば,甲1の段落【0023】には「透明窓材4は定盤1の表面より約0.5mm突出するが,研磨布5の弾性を考慮しても研磨布5の表面よりも十分低くなっている。」と記載されること,上記(1) 認定の事実によれば,甲19は,請求項4に「上記ウィンドウの上面が上記研磨盤の上面とほぼ同一平面である」の記載があるが,段落【0 磨布5の表面よりも十分低くなっている。」と記載されること,上記(1) 認定の事実によれば,甲19は,請求項4に「上記ウィンドウの上面が上記研磨盤の上面とほぼ同一平面である」の記載があるが,段落【0019】及び第3図の記載に照らせば,「上記研磨盤の上面」は,「上記研磨盤のプラテンの上面」の誤記と認められることからしても,相違点4に係る本件発明6の構成について,甲1及び甲19に記載又は示唆はないといえる。 さらに,上記(1) 認定の事実によっても,甲26には,「ガラス板4は,前記研磨定盤6に張られた研磨クロス5の表面からわずかに後退して」と記載されており,プラグの上面をポリッシング面と同じ高さとすることが開示されているとはいえない。 したがって,甲1,甲19,甲26には,パッド部に固定された実質的に透明なプラグの上面を,ポリッシング面と同じ高さとすることについて記載も示唆もないというべきであり,相違点4に関する審決の容易想到性判断に誤りはない。 5 取消事由5(本件発明7と甲1発明との相違点5に関する容易想到性判断の誤り)について原告は,相違点5は実質的な相違点ではない旨主張する。 しかし,相違点5は,相違点1を前提とした相違点であるところ,上記1のとおり,相違点1に関する審決の容易想到性判断に誤りはないから,相違点5に関する審決の容易想到性判断にも誤りは認められない。 6 取消事由6(本件発明11と甲1発明との相違点7ないし9に関する容易想到性判断の誤り)について原告は,相違点7ないし9に関する審決の判断について,①当該判断は相違点1,2に困難性があるとの前提に基づくものであり,その前提は誤りである,②上部と - 46 -下部とでサイズが異なる開口にプラグ又はプラグに相当する部材を,接着を用いて固定する点については ,2に困難性があるとの前提に基づくものであり,その前提は誤りである,②上部と - 46 -下部とでサイズが異なる開口にプラグ又はプラグに相当する部材を,接着を用いて固定する点については,甲6の段落【0018】及び甲31の段落【0008】に記載されている旨主張する。 しかし,相違点7ないし9は,相違点1,2を前提とした相違点であるところ,上記1,2のとおり,相違点1,2に関する審決の容易想到性判断に誤りはないから,相違点7ないし9に関する審決の容易想到性判断にも誤りは認められない。 7 取消事由7(本件発明13と甲1発明の2との相違点10,11に関する容易想到性判断の誤り)について原告は,相違点10,11に関する審決の判断について,当該判断は相違点1,2に困難性があるとの前提に基づくものであり,その前提は誤りである旨主張する。 しかし,相違点10,11は,相違点1,2と同様であるところ,上記1,2のとおり,相違点1,2に関する審決の容易想到性判断に誤りはないから,相違点10,11に関する審決の容易想到性判断にも誤りは認められない。 8 取消事由8(本件発明17と甲1発明との相違点12,13に関する容易想到性判断の誤り)について原告は,相違点12,13に関する審決の判断について,当該判断は相違点1,2に困難性があるとの前提に基づくものであり,その前提は誤りである旨主張する。 しかし,相違点12,13は,相違点1,2と同様であるところ,上記1,2のとおり,相違点1,2に関する審決の容易想到性判断に誤りはないから,相違点12,13に関する審決の容易想到性判断にも誤りは認められない。 9 取消事由9(本件発明21と甲1発明の相違点14に関する容易想到性判断の誤り)について原告は,相違点14に関する審決の判断について,甲1 に関する審決の容易想到性判断にも誤りは認められない。 9 取消事由9(本件発明21と甲1発明の相違点14に関する容易想到性判断の誤り)について原告は,相違点14に関する審決の判断について,甲1の段落【0015】,甲19の請求項4及び甲26の図3の記載からすれば,相違点14は実質的な相違点ではない旨主張する。 しかし,相違点14は,相違点4と同様であるところ,上記4のとおり,相違点 - 47 -4に関する審決の容易想到性判断に誤りはないから,相違点14に関する審決の容易想到性判断にも誤りは認められない。 10 取消事由10(本件発明22と甲1発明との相違点15ないし17に関する容易想到性判断の誤り)について原告は,相違点15ないし17に関する審決の判断について,当該判断は相違点1,2,6について困難性があるとの前提に基づくものであり,その前提に誤りがある旨主張する。 しかし,相違点15ないし17は,順に,実質的に相違点6,1,2と同様であるところ,上記1,2のとおり,相違点1,2に関する審決の容易想到性判断に誤りはなく,相違点6に関する審決の容易想到性判断については,原告は取消事由を主張しない。したがって,相違点15ないし17に関する審決の容易想到性判断にも誤りは認められない。 11 取消事由11(本件発明24と甲1発明との相違点18に関する容易想到性判断の誤り)について原告は,相違点18に関する審決の判断について,甲1の段落【0015】,甲19の請求項4及び甲26の図3の記載からすれば,相違点18は実質的な相違点ではない旨主張する。 しかし,上記4のとおり,甲1の段落【0015】の記載は,透明窓材の表面とウエハの研磨面(研磨布5の上面)との間に間隔が存在し,段差があることを意味する上,段落【0023】の記載 ない旨主張する。 しかし,上記4のとおり,甲1の段落【0015】の記載は,透明窓材の表面とウエハの研磨面(研磨布5の上面)との間に間隔が存在し,段差があることを意味する上,段落【0023】の記載は,両者が実質的に共面となることを排除していると解されるから,甲1において,両者が「実質的に共面である」ことが記載又は示唆されているとはいえない。また,甲19,甲26においても,プラグの上面を,ポリッシング面のプラグと直に隣接する部分と「実質的に共面」とすることが記載又は示唆されているとはいえない。 したがって,相違点18に関する審決の容易想到性判断に誤りはない。 12 取消事由12(本件発明25と甲1発明との相違点19ないし21に関す - 48 -る容易想到性判断の誤り)について原告は,相違点19ないし21に関する審決の判断について,相違点19は実質的な相違点ではない,相違点20,21に関する判断は,相違点1,2に関する審決の判断を前提とするが,審決の相違点1,2に関する判断は誤りである,甲1の「透明窓材6」の代わりに,プラグの透過性を低下させる添加物を含まないポリウレタンで置換するのは容易であり,相違点20,21に係る本件発明25の構成に困難性はないなどと主張する。 しかし,相違点20は,実質的に相違点1と同様であるところ,上記1のとおり,相違点1に関する審決の容易想到性判断に誤りはないから,相違点20に関する審決の容易想到性判断にも誤りは認められず,本件発明25は,当業者が容易に発明をすることができたとはいえない旨の審決の判断に誤りはない。 13 取消事由13(特許法36条6項1号に関する無効理由に対する審理,判断を怠った瑕疵)について原告は,本件明細書の請求項24に記載の「上面が,該ポリッシング面のプラグと直に隣接 りはない。 13 取消事由13(特許法36条6項1号に関する無効理由に対する審理,判断を怠った瑕疵)について原告は,本件明細書の請求項24に記載の「上面が,該ポリッシング面のプラグと直に隣接する部分と実質的に共面である」をサポートする記載が,明細書又は図面に記載されているといえるかどうかを判断すべきであったのに,これを怠った瑕疵があるから,審決は違法として取り消されるべきである旨主張する。 しかし,原告の主張は,以下のとおり失当である。 審判手続における第1回口頭審理調書(甲30)の「陳述の要領」欄の「請求人」の項には「8 訂正請求が認容されることを前提に,特許法第36条の無効理由の主張は取り下げる。」と記載されているところ,この記載によれば,請求人(原告)は,審判手続において,訂正請求が認容されるならば,特許法36条に関する無効理由を主張しない趣旨と解される。 この点,原告は,上記記載について,訂正請求が認容された請求項に対する特許法36条の無効理由の主張は取り下げるとの意である旨主張するが,上記審理調書の記載を原告主張のように解することはできず,また,他に原告の主張を裏付ける - 49 -証拠もない。 したがって,審決が,特許法36条の無効理由についての判断しなかったことは違法とはいえない。 14 取消事由14(手続上の瑕疵)について原告は,審決は,原告に弁駁の機会を与えることなくなされたものであり,審判に手続上の瑕疵があるから,違法として取り消されるべきである旨主張する。 すなわち,原告は,被告が,審判手続の口頭審理において「スラリがパッドの下に流出することを防止することができ,スラリが高額のため実施効果が大きい」との効果を主張したのに対し,原告に弁駁の機会が与えられるべきであったと主張する。 しかし, 理において「スラリがパッドの下に流出することを防止することができ,スラリが高額のため実施効果が大きい」との効果を主張したのに対し,原告に弁駁の機会が与えられるべきであったと主張する。 しかし,被請求人(被告)の主張の内容は,遅くとも口頭審理の期日までに請求人(原告)に伝えられ,原告は,口頭審理の期日において,反論したい旨述べたり,その後に反論を記載した書面を提出することも可能であったと認められるから(甲30,弁論の全趣旨),原告には反論の機会が与えられていたというべきである。 また,原告は,審決が「パッド部と定盤とが同格とは言えない」とした点について,原告(審判段階の請求人)に弁駁の機会が与えられるべきであったと主張する。 しかし,審決の上記の点は,パッド部と定盤とは(プラグの固定対象として)同等と言えないことを表現したものにすぎず,新たな争点とは認められないから,原告に反論の機会が与えられなかったとしても,違法とはいえない。 したがって,審判手続に瑕疵は認められない。 第5 結論以上のとおり,原告の主張する取消事由にはいずれも理由がなく,審決に取り消されるべき違法はない。原告は,他にも縷々主張するが,いずれも採用の限りではない。 よって,原告の請求を棄却することとして,主文のとおり判決する。 - 50 -知的財産高等裁判所第3部 裁判長裁判官芝田俊文 裁判官岡本岳 裁判官 裁判官岡本岳 裁判官武宮英子 別紙 1 本件明細書【図3】 2 甲1【図1】 【図2】 (1) 甲4の第1図 (2) 甲19の第3図 (3) 甲27の図7 (4) 甲31の図1 (5) 甲26の図3
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