令和5(ワ)12021 特許権移転登録手続等請求事件

裁判年月日・裁判所
令和6年12月19日 大阪地方裁判所
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令和6年12月19日判決言渡同日原本領収裁判所書記官令和5年(ワ)第12021号特許権移転登録手続等請求事件口頭弁論終結日令和6年10月31日判決 原告わたつみ化研株式会社代表者代表取締役 訴訟代理人弁護士岩崎章浩 被告株式会社エステン化学研究所(以下「被告会社」)代表者代表取締役P1 被告P1 上記被告ら訴訟代理人弁護士福島隆 被告P2 上記被告訴訟代理人弁護士山田敬純 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 被告らは、原告に対し、連帯して1173万3751円及びこれに対する令和6年4月13日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。 2 被告P1は、原告に対し、341万1250円及びこれに対する令和6年4月13日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。(上記1の予備的請求) 3 被告P2は、原告に対し、341万1250円及びこれに対する令和6年4月13日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え。(上記1の予備的請求) 4 被告P1は、原告に対し、別紙物件目録記載の物件を引き渡せ。 5 被告P2は、原告に対し、別紙物件目録記載の物件を引き渡せ。 第2 事案の概要 1 本判決で用いる主な呼称 (1) 甲3契約国立大学法人北海道大学と原告間の令和元年11月1日付け共同研究契約(甲3) (2) 甲4契約原告を譲受人、被告P1及び被告会社を譲渡人とする令和元年11月25日付け技術譲渡契約(甲4) 法人北海道大学と原告間の令和元年11月1日付け共同研究契約(甲3)(2) 甲4契約原告を譲受人、被告P1及び被告会社を譲渡人とする令和元年11月25日付け技術譲渡契約(甲4) (3) 甲5契約被告P1と原告間の令和元年9月8日付け技術顧問契約(甲5)(4) 甲15契約原告から業務委託を受けた合同会社アルテシーマと被告P2間の令和元年6月3日付けコンサルティング業務委託契約(甲14、15)(5) 甲6合意原告と被告P2間の、秘密保持に関する令和元年12月26日付け合意(甲6) (6) 本件研究場所甲3契約において研究実施場所とされた北海道大学内の後記研究室 2 事案の概要(訴訟物)(1) 請求1項関係被告らの行為により甲3契約等による研究開発が頓挫し、原告がこれによる 成果を得られなかったこと等を前提とする、原告の、被告P1及び被告P2に 対しては共同不法行為(民法709条)に基づく、被告会社に対しては会社法350条に基づく、損害賠償請求及びこれに対する行為の後日から支払済みまで民法所定の割合による遅延損害金の支払請求(2) 請求2、3項関係(請求1項の予備的請求)原告、被告P1及び被告P2の三者間において組合契約が成立し、原告が1 023万3751円を同組合に出捐したことを前提として、被告P1及び被告P2に対し、各組合員の出資の価額に応じた負担を求める各請求(民法674条参照)及びこれらに対する請求の日の翌日(被告P2に対してはその後日)から支払済みまで民法所定の割合による遅延損害金の各支払請求(3) 請求3項の予備的請求 原告の、被告P2に対する、甲6合意による秘密保持義務に違反したことによる、請求3項と同額の債務不履行に基づく損害賠償請求及びこ る遅延損害金の各支払請求(3) 請求3項の予備的請求 原告の、被告P2に対する、甲6合意による秘密保持義務に違反したことによる、請求3項と同額の債務不履行に基づく損害賠償請求及びこれに対する請求の日の翌日より後日から支払済みまで民法所定の割合による遅延損害金の支払請求(4) 請求4項関係 原告の、被告P1に対する、所有権に基づく動産引渡請求(5) 請求5項関係原告の、被告P2に対する、所有権に基づく動産引渡請求 3 前提事実(1) 当事者 原告は、令和元年6月3日に設立された、高分子ゲルその他高分子化合物の研究、開発、製造及び販売に関する事業等を目的とする株式会社である(甲1)。 被告会社は、高分子ゲルその他高分子化合物の技術、製造、販売等を目的とする株式会社であり、被告P1はその代表取締役である(甲2)。 被告P2は、平成26年から北海道大学に勤務し、先端生命科学研究院特定 専門職員の地位にあった(甲32)。 (2) 甲5契約の締結原告は、令和元年9月8日、被告P1との間で、技術顧問契約を締結し、被告P1は、原告から、原告の新手法ハイドロゲルの技術開発及び製造に関する事項の技術指導、研究開発等の委嘱(期間は、同日から令和2年8月31日まで)を受けた。 同契約において、被告P1の報酬は無償とされ、原告が承諾した経費を原告が負担することとされ、研究成果で得られた発明等に係る知的財産権については、原告の単独所有とすることとされた。また、原告側の研究代表者は、甲15契約に基づき原告のコンサルティング業務の再委託を受けた被告P2であった。 (3) 甲3契約の締結原告と北海道大学は、令和元年11月1日、概要次の内容の共同研究契約 代表者は、甲15契約に基づき原告のコンサルティング業務の再委託を受けた被告P2であった。 (3) 甲3契約の締結原告と北海道大学は、令和元年11月1日、概要次の内容の共同研究契約を締結した。甲3契約に基づく研究は、令和2年12月頃、終了した。 ア研究題目ハイドロゲル系新規防汚塗料のコンブ目植物に対する防汚性能評価と改良 開発イ研究目的及び内容コンブ目植物に対する防汚機能の発現メカニズムを解明し、環境負荷が最小となる防汚塗料の処方を決定する。 具体的な研究内容は、ハイドロゲル塗料に防汚剤(バイオサイド)や各種 添加剤を様々な濃度で加え、得られた塗膜表面に対して、実験室内及び実海域におけるコンブの付着忌避性、形態変化等を観察することにより、どのような要因、条件下で高い防汚性が発現されるかを評価する。 ウ研究担当者及び役割北海道大学側の研究担当者は、産学・地域協働推進機構特任教授であり、 役割は学内研究者の探索とする。 原告側の研究担当者は、被告P1(原告技術顧問の肩書)であり、役割は防汚塗料表面に対するコンブ付着性評価試験及び解析とする。 エ研究実施場所北海道大学(省略)(本件研究場所)オ研究期間 令和元年11月1日から令和2年10月31日まで(ただし、変更契約書(甲7)により、同年12月31日までに変更された。)。 (4) 甲4契約の締結原告と被告P1、被告会社は、令和元年11月25日、被告P1及び被告会社が既存の特許権を含む「ハイドロゲル製造技術」に関する知的財産権、ノウ ハウ等を原告に譲り渡す旨の技術譲渡契約を締結した。 4 争点(1) 被告らが、原告主張の「本件プロジェクト」を頓挫させ、成果物を搬出する 「ハイドロゲル製造技術」に関する知的財産権、ノウ ハウ等を原告に譲り渡す旨の技術譲渡契約を締結した。 4 争点(1) 被告らが、原告主張の「本件プロジェクト」を頓挫させ、成果物を搬出するなどした不法行為があったか(争点1)(2) 原告の被った損害の額(争点2) (3) 原告主張の組合契約が成立したか(争点3)(4) 原告主張の組合契約に基づき、被告P1及び被告P2が支払義務を負うか(争点4)(5) 被告P1及び被告P2が原告主張の動産の引渡義務を負うか(争点5)第3 争点に関する当事者の主張 1 争点1(被告らが、原告主張の「本件プロジェクト」を頓挫させ、成果物を搬出するなどした不法行為があったか)について【原告の主張】(1) 本件プロジェクト原告は、スタートアップ企業の研究所の関係者から、賃料を滞納していた被 告会社をサポートしてほしい旨の依頼を受け、これを検討していた。被告会社 は、当時「ハイドロゲル系新規防汚塗料の開発」に取り組んでいたが、経営が厳しかったことから、原告と北海道大学で開発を行い、製品化の目途が付いた時点で、被告会社に業務委託をするとの枠組みが考えられた。 原告は、甲15契約、甲5契約、甲3契約、甲4契約、甲6合意を順次締結し、上記枠組みによる「ハイドロゲル系新規防汚塗料の開発」に係るプロジェ クト(本件プロジェクト)を開始させた。 (2) 被告らの行為(本件プロジェクトを頓挫させた行為)ア被告P1は、令和2年9月、部外者であるP3氏に対し、ハイドロゲル製造を活用した塗料・染料の技術を提供することを前提に、資金調達を目的としたプレゼンテーションを実施し、裏付けとなる資料を郵送した。さらに、 関西ペイントマリン株式会社(以下「本件塗料 ロゲル製造を活用した塗料・染料の技術を提供することを前提に、資金調達を目的としたプレゼンテーションを実施し、裏付けとなる資料を郵送した。さらに、 関西ペイントマリン株式会社(以下「本件塗料会社」)と内密に技術利用の検討をするなどして技術を自らのビジネスに利用するための準備行為をし、原告との信頼関係を破壊して、本件プロジェクトを頓挫させた。 イ被告P2は、本件塗料会社に情報、技術を提供し、一体となって活動するなどして、甲6合意により禁止されるノウハウ等の不正使用を行った。 (3) 被告らの行為(成果物の搬出行為)被告P2は、被告P1の指示により、令和2年12月14日、本件研究場所からハイドロゲル製造技術に関する道具及び成果物一式を学生と共に搬出した。 (4) 小括上記(2)(3)の被告P1及び被告P2の行為は、甲15契約、甲4契約等に定 められた被告P1及び被告P2の負う義務にも違反するものであって、共同不法行為に当たり、被告会社も会社法350条により不法行為責任を負う。 なお、被告P2の上記(2)イの行為は、甲6合意に基づく秘密保持義務の債務不履行に当たり、同義務違反に基づく損害賠償を、後記4【原告の主張】に記載の請求の予備的請求として請求する。 【被告P1及び被告会社の主張】 (1) 本件プロジェクトの主体は原告であって、被告P1は技術顧問として原告に雇われていたにすぎない。研究開発は順調に行われていたが、原告が一方的に打ち切ったものである。 原告が甲3契約を終了させたことから、被告P1は身辺を整理し、本件研究場所から退去したにすぎない。 (2) P3氏は、被告会社の株主であるが、被告P1は、P3氏に何らかのプレゼンテーションをしたことはない。 (3) 塗料の 、被告P1は身辺を整理し、本件研究場所から退去したにすぎない。 (2) P3氏は、被告会社の株主であるが、被告P1は、P3氏に何らかのプレゼンテーションをしたことはない。 (3) 塗料の塗膜の耐性を測定するためには、実験室における測定だけでは限界があり、1年間実海水に浸す実験を行う必要があったところ、被告P1は、当該実験のために原告所属の者として本件塗料会社と技術的な打合せを行ったもの である。 当該実験については報告会が開催される予定であったが、原告代表者が出席を拒んだために開催されなかった。 【被告P2の主張】(1) 本件プロジェクトの開始の経緯はおおむね認めるが、研究開発は、その性質 上当初の予定どおりに進行しないことが常であるから、被告P2は研究者の立場から、その都度原告に問題や課題を報告し、原告の了承のもと、必要に応じてリスケジュール等をして本件プロジェクトを進めてきた。結局、甲3契約所定の期間(変更後の期間を含む。)内に具体的な実用化に至ることはなく、本件プロジェクトは終了したものである。 (2) 被告P2は、被告P1の求めによりいわゆるエンジェル投資家であるP3氏に面会したことはあるが、秘密にすべき情報を用いた説明等はしておらず、何らの不法行為にも及んでいない。 (3) 被告P2は、令和2年12月頃、本件研究場所から被告P1の私物に属する装置等を搬出したが、原告との協議を経たものであり、研究に関連する情報等 を隠匿、不正使用した事実はない。 2 争点2(原告の被った損害の額)について【原告の主張】原告は、本件プロジェクトのために、別紙出捐金額一覧記載のとおり創立費、開業費、家賃等合計1023万3751円を支出したところ、同額が被告らの不法行為により被った損 について【原告の主張】原告は、本件プロジェクトのために、別紙出捐金額一覧記載のとおり創立費、開業費、家賃等合計1023万3751円を支出したところ、同額が被告らの不法行為により被った損害となる。また、原告は、本件訴訟の提起追行を弁護士に 委任したところ、被告らの不法行為と相当因果関係のある弁護士費用相当額の損害は150万円である。 よって、被告らは、上記合計1173万3751円を原告に支払う義務を負う。 【被告らの主張】否認し争う。 3 争点3(原告主張の組合契約が成立したか)について【原告の主張】原告は、被告P1及び被告P2に技術顧問として手弁当で本件プロジェクトに参画してもらっていたところ、被告P2は原告の発起人でもあり、被告P1は技術開発の中核を担い、本件プロジェクトの推進のキーマンとして活躍することが 予定されていた。原告は資金を、同被告らは技術と知見を提供することで、それぞれ契約締結の時点からハイドロゲル製造技術の開発及び製品化に関する1つの共同体を形成する合意(組合契約)が三者間で成立した。 【被告P1及び被告P2の主張】否認する。 4 争点4(原告主張の組合契約に基づき、被告P1及び被告P2が支払義務を負うか)について【原告の主張】原告は、本件プロジェクトに1023万3751円を支出したものであるところ、民法674条1項に基づき、損失の負担を他の組合員である被告P1及び被 告P2に各3分の1の割合で求償できる。 【被告P1及び被告P2の主張】否認し争う。 5 争点5(被告P1及び被告P2が原告主張の動産の引渡義務を負うか)について【原告の主張】 (1) 甲5契約において、同契約に基づく研究開発の実施に伴う技術的 主張】否認し争う。 5 争点5(被告P1及び被告P2が原告主張の動産の引渡義務を負うか)について【原告の主張】 (1) 甲5契約において、同契約に基づく研究開発の実施に伴う技術的成果物であって、有体・無体を問わないものである「研究成果」(1条1号)は、原告が所有するとされている(14条(2))。 別紙物件目録記載の物件は、上記「研究成果」に当たるから、原告は、被告P1に対し、所有権に基づき、その引渡しを求める。 (2) 甲15契約の4条において、被告P2が受託した業務に基づき原告のために作成した成果物は原告の所有とされているから、上記(1)と同様に、原告は、被告P2に対しても、所有権に基づき、別紙物件目録記載の物件の引渡しを求める。 【被告P1の主張】 本件プロジェクトにより得たデータ等は全て原告に引き渡している。 別紙物件目録記載の物件は、上記のとおり引き渡したものか、本件とは無関係のものであるか、特定できないかのいずれかである。 【被告P2の主張】本件プロジェクトに係る成果物は、有形無形を問わず、令和3年4月までに一 切を廃棄又は消去済みであり、現存しない(少なくとも、被告P2が保有する有体物はない。)。 第4 判断 1 争点1(被告らが、原告主張の「本件プロジェクト」を頓挫させ、成果物を搬出するなどした不法行為があったか)について (1) 認定事実 証拠及び弁論の全趣旨に前提事実を総合すると、原告主張事実に関連し、次の事実が認められる。 ア原告は、令和元年6月頃から、当時資金難にあった被告会社を支援して同人が行う塗料の開発等を進めるために設立された(甲1、18の1、甲27)。 イ原告は、甲5契約に基づき、原告の技術顧問である被告P1を甲 、令和元年6月頃から、当時資金難にあった被告会社を支援して同人が行う塗料の開発等を進めるために設立された(甲1、18の1、甲27)。 イ原告は、甲5契約に基づき、原告の技術顧問である被告P1を甲3契約の 原告側研究担当者として、本件研究場所で令和元年11月からハイドロゲル塗料の開発に係る研究に従事させた(前提事実、弁論の全趣旨)。 ウ被告P2は、甲15契約に基づき、コンサルタントとして上記イの研究に従事した。甲15契約においては、その期間は令和2年5月31日までとされていたが、同日の経過後も事実上関与を継続した(甲15、23)。 エ令和2年夏頃、被告P1は、本件塗料会社とサンプルを実海水に浸す実験等を実施した。原告もこれを承知していた(甲18の2、甲34、36、乙1(甲30の1枚目も同じ))。 オ被告P1は、令和2年9月に、P3氏に対し自己の研究状況の概要を説明し出資を依頼する書簡を、同年11月には、本件研究場所の退去予定等を報 告する書簡を送付した(甲28の2、3)。 カ原告代表者は、令和2年11月頃、被告P1を支援しての開発を打ち切ることとし、被告P2は、本件研究場所の退去に関し、当時の原告代表者の意向を慎重に確認しつつこれに沿う形で実際の退去事務を行った(甲36)。 (2) 不法行為該当性 原告は、被告P1及び被告P2が契約に定める義務に違反して秘密情報を原告以外の第三者(P3氏、本件塗料会社)に示すなどして利用し、「本件プロジェクト」を頓挫させた等と主張するが、具体的にどのような情報をどのように利用したのか、またそれが「本件プロジェクト」の帰趨に具体的にどのような影響を与えたのかは主張上も不明であって、それ自体失当というほかない上、 本件において同被告らがそのような行為に及ん うに利用したのか、またそれが「本件プロジェクト」の帰趨に具体的にどのような影響を与えたのかは主張上も不明であって、それ自体失当というほかない上、 本件において同被告らがそのような行為に及んだと認めるに足りる証拠もない。 また、本件研究場所からの退去は、甲3契約の終了に基づき原告が行ったものであるところ、結果的に被告P2が主導したものの、原告代表者(当時)の意思に反する点も認められず、不法行為を構成する余地はない。 その他原告が主張する諸点も、不法行為に該当するものはない。 (3) 小括 以上から、争点1に係る原告の主張は理由がなく、争点2は判断を要しない。 2 争点3(原告主張の組合契約が成立したか)について原告主張の組合契約が成立したと認めるに足りる証拠はなく、争点3に係る原告の主張は理由がない。争点4は、判断を要しない。 原告は、甲5契約により被告P1と、甲15契約により被告P2(合同会社ア ルテシーマを介して)との法的関係を形成したに尽き、それらが組合契約であるとする余地はない。 3 争点5(被告P1及び被告P2が原告主張の動産の引渡義務を負うか)について原告は、別紙物件目録記載の物件につき、所有権に基づき引渡しを求めている ところ、別紙物件目録のうち、「データ」をいうもの(記載2、5、6等)は、動産でないことは明らかであるから、その主張は失当である。 また、報告書、記録などの紙媒体等であって動産とみる余地があるもの(記載1、3、4等)、及び上記「データ」につきそれが記録された媒体をいうものであるとしてその媒体についても、その存在を認めるに足りる証拠がないか、又は抽 象的には存在し得るとしても、具体的な動産として特定されてはいないのであって、結局、具 が記録された媒体をいうものであるとしてその媒体についても、その存在を認めるに足りる証拠がないか、又は抽 象的には存在し得るとしても、具体的な動産として特定されてはいないのであって、結局、具体的に特定された動産につき、過去に被告P1及び被告P2が所有していたこと及び現在同被告らが占有していることの的確な立証がなく、原告の主張は理由がない。 なお、証拠(甲11、23、36)によると、①被告P2は、本件研究場所の 退去に当たり、原告の求めに応じ研究で得られた塗料のサンプル等を送付したこ と、②原告は、本件訴訟提起に先立ち、代理人弁護士を通じて請求4、5とおおむね同旨の申入れを行い、被告P1及び被告会社は、代理人弁護士を通じ、令和4年11月時点で存在するデータを回答し、データを送付する旨の応答を行ったことが認められ、これらによって、被告P1及び被告P2の契約上の義務は履行されたものとみられる(同被告らにおいて、上記①及び②以上に対応すべき義務 があるとは認められない。)。 第5 結論以上の次第で、原告の主位的請求、予備的請求はいずれも理由がない。 大阪地方裁判所第26民事部 裁判長裁判官 松阿彌隆 裁判官 阿波野右起 裁判官 西尾太一 (別紙)物件目録 1 本件プロジェクトに関する報告書 2 製造ロット&提供サンプル管理表一式及びデータ一式 3 引 西尾太一 (別紙)物件目録 1 本件プロジェクトに関する報告書 2 製造ロット&提供サンプル管理表一式及びデータ一式 3 引っ張り試験の記録 4 ハイドロゲル組成表 5 特許に関連する研究データ一式 6 ロットごとのサンプル塗布後の写真データ 7 酸化還元触媒系樹脂組成表 8 貯蔵安定性(室温)データ 9 40℃貯蔵安定性の評価データ 10 塗料液の貯蔵安定性(50℃)のデータ(紙資料に手書書き込み)皮張り防止データ 11 P3氏宛プレゼン資料と出資願いのレター 12 漁網用可塑剤の試験結果 13 本件塗料会社との議事録とテストデータ 14 本件塗料会社との議事録令和2年1月14日 P4取締役・P5課長・被告P1・P6 15 浸漬試験途中経過報告 16 忍路の浸漬試験結果報告一式(令和2年9月のデータを包含するがこれに限られない。) 17 品質検査報告書(大八化学工業) 18 デザイン京都における「たれ防止剤の検証議事録及びデータ一式」 19 令和2年1月15日付けP6○○との議事録アルキルイソニトリル開発過程に関するもの 20 原料原価計算表 21 原告R&D事業部報告書 22 走査プローブ顕微鏡(原子間力顕微鏡)による塗膜表面の粗度評価 23 貯蔵安定性試験データ 24 タレ防止能評価試験データ 25 皮張り防止能評価試験データ 26 割れ防止能評価試験データ 27 実海水浸漬試験データ 28 水中摩擦抵抗試験データ 29 塗装作業性(延び性/吹付性)データ 30 塗り重ね性(再塗工性)データ 31 繰り返し凍結解凍試験(室内)データ 32 繰り返し乾燥膨 試験データ 水中摩擦抵抗試験データ 塗装作業性(延び性/吹付性)データ 塗り重ね性(再塗工性)データ 繰り返し凍結解凍試験(室内)データ 繰り返し乾燥膨潤試験データ 擦過試験・耐摩耗試験データ 実海水浸漬試験(試験板)データ 実海水浸漬試験(導水路試験板)データ 水中摩擦抵抗測定(室内)データ 物性評価(テンシロン)データ 塗装作業性データ 塗り重ね性データ 繰り返し凍結解凍試験(室内)データ(※31との異同不明) 繰り返し乾燥膨潤試験データ(※32との異同不明) 本件プロジェクトに関する知的財産権を利用した実験にかかる一切のサンプル 42のサンプルについての検討内容(実験ノート以外の成果物) 42の実験ノート 42の実験につき作成したグラフ ハイドロゲル塗料のレシピ ハイドロゲル樹脂のレシピハイドロゲル樹脂には、水とアルコールを媒介とした均一系の水系バインダー及び塗料用水系バインダーを含む その他ハイドロゲル系新規防汚塗料を利用した一切以上 以上

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