平成15(行ウ)15 軽油引取税決定処分等取消請求事件(丙事件)

裁判年月日・裁判所
平成16年1月29日 名古屋地方裁判所
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判決文本文52,538 文字)

判決 主文 1 甲事件被告が,甲事件原告に対してした別表1ないし4記載の各軽油引取税の更正処分及び決定処分並びに不申告加算金の決定処分(ただし,別表1及び3の「甲事件原告の申告」の「税額」欄記載の金額を超える部分)のうち,別紙「認容部分一覧表」1記載の部分をいずれも取り消す。 2 乙事件被告が,乙事件原告に対してした別表5記載の各軽油引取税の決定処分及び不申告加算金の決定処分のうち,別紙「認容部分一覧表」2記載の部分をいずれも取り消す。 3 丙事件被告が,丙事件原告に対してした別表6ないし8記載の各軽油引取税の決定処分及び不申告加算金の決定処分のうち,別紙「認容部分一覧表」3記載の部分をいずれも取り消す。 4 甲事件原告,乙事件原告及び丙事件原告のその余の請求をいずれも棄却する。 5 訴訟費用はこれを10分し,その9を甲事件原告,乙事件原告及び丙事件原告の,その余を甲事件被告兼丙事件被告及び乙事件被告の各負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 甲事件甲事件被告が,甲事件原告に対してした別表1ないし4記載の各軽油引取税の更正処分(ただし,別表1及び3の「甲事件原告の申告」の「税額」欄記載の金額を超える部分)及び決定処分並びに不申告加算金の決定処分をいずれも取り消す。 2 乙事件乙事件被告が,乙事件原告に対してした別表5記載の各軽油引取税の決定処分及び不申告加算金の決定処分をいずれも取り消す。 3 丙事件丙事件被告が,丙事件原告に対してした別表6ないし8記載の各軽油引取税の決定処分及び不申告加算金の決定処分をいずれも取り消す。 第2 事案の概要本件は,甲事件被告兼丙事件被告及び乙事件被告(以下,各別に表記する場合,前者につき甲事件の関係では「被告甲」,丙事件 取税の決定処分及び不申告加算金の決定処分をいずれも取り消す。 第2 事案の概要本件は,甲事件被告兼丙事件被告及び乙事件被告(以下,各別に表記する場合,前者につき甲事件の関係では「被告甲」,丙事件の関係では「被告丙」といい,後者につき「被告乙」といい,これらを総称して「被告ら」という。)が,ガイアックスという名称のアルコール系自動車用燃料(以下「本件燃料」という。)を販売した甲事件原告,乙事件原告及び丙事件原告(以下,各別に表記する場合は「原告甲」,「原告乙」,「原告丙」といい,これらを総称して「原告ら」という。)に対し,軽油引取税の各更正処分(ただし,原告甲に対してのみ)及び各決定処分並びに不申告加算金の各決定処分(以下,総称して「本件課税処分」という。)をしたところ,原告らが,本件燃料は地方税法(以下,条文を示す場合は「法」という。)700条の3第3項所定の「炭化水素油」に当たらないなどと主張して,本件課税処分(ただし,各更正処分については,申告金額を超える部分)の取消しを求めた抗告訴訟である。 1 前提事実(当事者間に争いがない事実,証拠等によって容易に認めることができる事実等)(1) 関係法令法700条は,「道府県は,……軽油引取税を課するものとする。」と規定しているところ,同条の2第1項1号は,「軽油」について,「温度15度において0.8017をこえ,0.8762に達するまでの比重を有する炭化水素油をいい,政令で定める規格の炭化水素油を含まないものとする。」と定義している。 また,その納税義務者について,同条の3第1項は,「……特約業者又は元売業者からの軽油の引取り(略)で当該引取りに係る軽油の現実の納入を伴うものに対し,その数量を課税標準として,当該軽油の納入地(略)所在の道府県において,その引取りを行う者に課する。」 約業者又は元売業者からの軽油の引取り(略)で当該引取りに係る軽油の現実の納入を伴うものに対し,その数量を課税標準として,当該軽油の納入地(略)所在の道府県において,その引取りを行う者に課する。」と,同条の3第3項は,「……特約業者又は元売業者が炭化水素油(炭化水素とその他の物との混合物又は単一の炭化水素で,1気圧において温度15度で液状であるものを含む。以下同じ。)で軽油又は揮発油(揮発油税法(略)第2条第1項に規定する揮発油(同法6条において揮発油とみなされるものを含む。)をいう。……)以外のもの(同法第16条又は第16条の2に規定する揮発油のうち灯油に該当するものを含む。以下……「燃料炭化水素油」という。)を自動車の内燃機関の燃料として販売した場合においては,その販売量(略)を課税標準として,当該特約業者又は元売業者の事業所所在の道府県において,当該特約業者又は元売業者に課する。」と,同条の3第4項は,「……特約業者又は元売業者以外の石油製品の販売業者(以下……「石油製品販売業者」という。)が,軽油に軽油以外の炭化水素油を混和し若しくは軽油以外の炭化水素油と軽油以外の炭化水素油を混和して製造された軽油を販売した場合又は燃料炭化水素油を自動車の内燃機関の燃料として販売した場合においては,その販売量(略)を課税標準として,当該石油製品販売業者の事業所所在の道府県において,当該石油製品販売業者に課する。」とそれぞれ定めている(以下においては,法700条の3第3項を「本件規定」といい,法700条の3第3項及び第4項を併せて「本件規定等」ということがある。)。 なお,同条の3と同旨の規定が,愛知県税条例(昭和25年愛知県条例第24号。以下「条例」という。乙1)にも存在する(121条)。 (2) 当事者ア原告ら(ア) 原告甲原告甲は, とがある。)。 なお,同条の3と同旨の規定が,愛知県税条例(昭和25年愛知県条例第24号。以下「条例」という。乙1)にも存在する(121条)。 (2) 当事者ア原告ら(ア) 原告甲原告甲は,自動車用燃料の研究開発,製造,販売,委託販売等の業務を行う株式会社であり,本件燃料を,提携先の給油所である名古屋市熱田区△町△番地△所在の「ガイアックス日比野サービスステーション」(以下「日比野SS」という。)及び愛知県一宮市△町△△番地所在の「ガイアックス千秋サービスステーション」(以下「千秋SS」という。)において委託販売した(甲1の40及び42,乙9の1及び2)。 (イ) 原告乙原告乙は,自動車用燃料の販売業を営む者であり,本件燃料を,愛知県豊橋市△町△番地△所在の「エオスジャパン豊橋井原給油所」において販売した(甲1の52,乙10)。 (ウ) 原告丙原告丙は,石油類の販売等の業務を行う有限会社であり,本件燃料(ただし,商品名は「エピオン」である。)について,名古屋市千種区△△丁目△番△号の株式会社カナレ米穀との間で販売委託契約を締結し,同社の経営する愛知県津島市△町△△番地所在の同社津島店(以下「カナレ津島店」という。),愛知県春日井市△町△丁目△番△号所在の同社春日井店(以下「カナレ春日井店」という。)及び愛知県小牧市△△番地所在の同社小牧店(以下「カナレ小牧店」という。)において,本件燃料を委託販売した(甲1の60,乙13)。 イ被告ら被告らは,いずれも愛知県の一機関として,愛知県知事から軽油引取税の賦課徴収に関する事務等を委任されている(条例4条参照)。なお,原告甲に対する処分時の処分庁は,日比野SSについては愛知県熱田県税事務所長,千秋SSについては愛知県一宮県税事務所長であったが,その後の事務所統合により,被告甲兼被 ている(条例4条参照)。なお,原告甲に対する処分時の処分庁は,日比野SSについては愛知県熱田県税事務所長,千秋SSについては愛知県一宮県税事務所長であったが,その後の事務所統合により,被告甲兼被告丙(愛知県名古屋南部県税事務所長)に事務が委譲された。同様に,原告乙に対する処分時の処分庁は愛知県東三河事務所長であったが,その後,被告乙(愛知県西三河県税事務所長)に事務が委譲された。 (3) 本件燃料の成分及びその構成比本件燃料は,ガイアエナジー株式会社(以下「ガイアエナジー社」という。)が開発し,平成11年1月ころから販売が開始された自動車用燃料であって(甲51,52の2),ガソリンと比較して,排ガス中のCO,HC,SOxを大幅に削減する低公害の特殊アルコール系燃料であることをうたい文句にしている。 その成分は,以下のとおりであり,50パーセント以上をアルコール系の化合物が占めている(甲2)。なお,本件燃料は,常温(摂氏15度),常圧(1気圧)の状態で液状を呈するが,比重は軽油よりも軽く,ガソリンと同程度であるので,混入することも可能である(甲51,66)。 ア炭化水素化合物合計 43.23パーセント(内訳)(ア) 非芳香族炭化水素群 42.33パーセント(イ) ベンゼン 0.48パーセント(ウ) トルエン 0.35パーセント(エ) C8芳香族炭化水素群 0.07パーセントイアルコール系化合物合計 56.77パーセント(内訳)(ア) イソブチルアルコール 25.57パーセント(イ) メチルターシャリブチルエーテル 17.75パーセント(ウ) 56.77パーセント(内訳)(ア) イソブチルアルコール 25.57パーセント(イ) メチルターシャリブチルエーテル 17.75パーセント(ウ) イソプロピルアルコール 13.45パーセント(4) 本件課税処分と本訴提起に至る経緯ア甲事件(ア) 原告甲は,平成13年3月16日,別紙1及び3の「甲事件原告の申告」欄記載のとおり,日比野SSと千秋SSにおける平成12年5月分ないし同年9月分までの軽油引取税の申告をその期限を過ぎて行った。 これに対し,愛知県熱田県税事務所長及び愛知県一宮県税事務所長は,別表1ないし4の「処分の日」欄記載の日に,同表1及び3の「本件各更正処分」の「過不足税額」欄及び「本件各加算金決定処分」の「過不足税額に係るもの」欄並びに同表2及び4の「税額」欄及び「不申告加算金額」欄に記載のとおり,軽油引取税の更正処分及び決定処分並びに不申告加算金の決定処分を行った(甲1の1ないし38)。 (イ) 原告甲は,上記各処分を不服として,平成13年8月8日及び同年9月18日,上級庁である愛知県知事に対して審査請求を行ったところ,愛知県知事は,平成15年1月17日,いずれの請求も棄却するとの裁決をした(甲1の39ないし42,乙9の1,2)ため,原告甲は,同年4月5日,本訴を提起した。 イ乙事件(ア) 愛知県東三河事務所長は,平成13年11月14日,別表5の「税額」欄及び「不申告加算金額」欄記載のとおり,軽油引取税及び不申告加算金の決定処分を行った(甲1の43ないし50)。 (イ) 原告乙は,上記各処分を不服として,平成13年12月3日,上級庁である愛知県知事に対して審査請求を行ったところ,愛知県知事は,平成15年1月17日,請求を棄却するとの裁決をした(甲1の )。 (イ) 原告乙は,上記各処分を不服として,平成13年12月3日,上級庁である愛知県知事に対して審査請求を行ったところ,愛知県知事は,平成15年1月17日,請求を棄却するとの裁決をした(甲1の51及び52,乙10)ため,原告乙は,同年4月5日,本訴を提起した。 ウ丙事件(ア) 被告丙は,平成14年12月27日,別表6ないし8の「税額」欄及び「不申告加算金額」欄記載のとおり,軽油引取税及び不申告加算金の決定処分を行った(甲1の53ないし58)。 (イ) 原告丙は,上記各処分を不服として,平成15年2月10日,上級庁である愛知県知事に対して審査請求を行ったところ,愛知県知事は,同年3月18日,請求を棄却するとの裁決をした(甲1の59及び60,乙13)ため,原告丙は,同年5月31日,本訴を提起した。 (5) 原告らによる本件燃料の販売量原告甲は,日比野SSにおいて,平成12年5月から同年9月までの間,別表1の「本件各更正処分」の「課税標準量」欄記載の数量の,同年10月から平成13年6月までの間,別表2の「課税標準量」欄記載の数量の,千秋SSにおいて,平成12年5月から同年9月までの間,別表3の「本件各更正処分」の「課税標準量」欄記載の数量の,同年10月から平成13年6月までの間,別表4の「課税標準量」欄記載の数量の本件燃料を委託販売した。 原告乙は,平成13年2月から同年9月までの間,別表5の「課税標準量」欄記載の数量の本件燃料を販売した。 原告丙は,平成14年8,9月,カナレ津島店,カナレ春日井店及びカナレ小牧店において,別表6ないし8の「課税標準量」欄記載の数量(ただし,カナレ春日井店及びカナレ小牧店については,後記争点4についての被告らの主張のとおり,被告丙認定に係る原動機付自転車に対する販売量を控除したもの)の本件燃料を委託販 税標準量」欄記載の数量(ただし,カナレ春日井店及びカナレ小牧店については,後記争点4についての被告らの主張のとおり,被告丙認定に係る原動機付自転車に対する販売量を控除したもの)の本件燃料を委託販売した。 2 争点及びこれに関する当事者の主張本件の争点は,①炭化水素化合物の含有割合が50パーセントに満たない本件燃料が,本件規定所定の「燃料炭化水素油」,具体的には「炭化水素とその他の物との混合物」に当たるか否か(争点1),②本件規定等にいう「自動車」の意義,すなわち軽四自動車,二輪の小型自動車が含まれるか否か(争点2),③本件課税処分が信義則に違反するか否か(争点3)④原動機付自転車への販売の有無及び販売量(争点4)であり,これらに関する当事者の主張は,以下のとおりである。 (1) 争点1(本件燃料が「炭化水素とその他の物との混合物」に当たるか否か)について(被告らの主張)本件規定所定の「炭化水素とその他の物との混合物」は,炭化水素化合物とその他の化合物が混合されたものを広く意味し,炭化水素化合物が主成分(その含有割合が50パーセントを超えるもの)となっているものに限られるものではない。したがって,本件燃料のように,炭化水素化合物が主成分となっていないものもこれに当たるというべきである。その理由は以下のとおりである。 ア本件規定等(及び同旨の条例の規定)は,軽油引取税の課税対象として,燃料炭化水素油及びその混和軽油を規定しているところ,炭化水素油については,「炭化水素とその他の物との混合物又は単一の炭化水素で,1気圧において温度15度で液状であるものを含む。」と定めているにとどまり,その混合割合について何も定めているわけではないから,社会通念に従って理解する限り,炭化水素を含み,常温(摂氏15度),常圧(1気圧すなわち水銀柱7 で液状であるものを含む。」と定めているにとどまり,その混合割合について何も定めているわけではないから,社会通念に従って理解する限り,炭化水素を含み,常温(摂氏15度),常圧(1気圧すなわち水銀柱760ミリメートル)において液状で,軽油又は揮発油以外のものはすべて「燃料炭化水素油」に該当するというべきである。 イかかる解釈は,本件規定等の立法経緯からも裏付けることができる。すなわち,軽油引取税制度は,昭和31年法律第81号による法改正によって導入されたものであるが,その当時は,軽油の引取りのみが課税対象とされていた。制度導入後,軽油に軽油以外の炭化水素油(灯油等)を混和したり,軽油以外の炭化水素油(灯油等)に軽油以外の炭化水素油(スピンドル油等)を混和して自動車燃料として販売,使用することにより軽油引取税の負担を回避しようとする行為が見られるようになったため,昭和33年法律第54号によって,自動車保有者が軽油及び揮発油以外の炭化水素油を燃料として消費した場合,当該炭化水素油の消費に対して軽油引取税の課税対象とし(以下「33年改正」という。),さらに昭和36年法律第74号によって,特約業者又は元売業者以外の石油製品の販売業者が軽油に軽油以外の炭化水素油を混和し,又は軽油以外の炭化水素油と軽油以外の炭化水素油を混和して製造した軽油を販売した場合にも課税対象とする改正が行われた。 その後,炭化水素油以外の物質(メタノール)を含む「安全燃料」やトルエンを主成分とする物質で単一の炭化水素化合物によって構成された「コーレス燃料」が販売されるようになったため,所管官庁である自治省(当時。現総務省)は,「安全燃料等に関する軽油引取税の取扱いについて(昭和44年5月23日府県税課長内かん。甲37)」によって,各都道府県に対し,「……これらの燃料の大部 め,所管官庁である自治省(当時。現総務省)は,「安全燃料等に関する軽油引取税の取扱いについて(昭和44年5月23日府県税課長内かん。甲37)」によって,各都道府県に対し,「……これらの燃料の大部分は,メタノール等炭化水素化合物以外の混入量が極く少量であり,法700条の3第3項(現行第5項)に規定する炭化水素油の範囲に含まれることがおおむね明らかとなりました。しかしこの種の燃料に対する軽油引取税の取扱いについては,炭化水素化合物以外の物の混入量が多量である燃料に対する取扱いをも含め総合的に課税の方針を定める必要があり,目下この点について検討中の次第であります。」と通知し,さらに同名の連絡文書(昭和44年10月6日府県税課長内かん。甲37)によって,「自動車の内燃機関の燃料として消費された炭化水素油に混和されている炭化水素化合物以外の物の重量の当該燃料の重量に対する割合が0.05に満たない場合には,当該燃料の全量に対して課税することとし,当該割合が0.05以上の場合には,当該混和されている炭化水素化合物以外の物の量を除き,その残量に対して課税する。」と通知した。 本件規定の「(炭化水素とその他の物との混合物又は単一の炭化水素で,1気圧において温度15度で液状であるものを含む。(略))」という部分は,昭和45年法律第24号による法改正(以下「45年改正」という。)によって追加されたものであるが,改正時の国会審議における政府委員等の説明や雑誌等に記載された軽油引取税についての解説等によると,同改正は,安全燃料やコーレス燃料に対する課税を確実に行うことを直接の契機として行われたものということができるものの,①45年改正以前の段階で,自治省は,アルコール類が含まれた燃料油が市販されていることを踏まえて炭化水素油の定義中の「主成分」の解釈の問題 とを直接の契機として行われたものということができるものの,①45年改正以前の段階で,自治省は,アルコール類が含まれた燃料油が市販されていることを踏まえて炭化水素油の定義中の「主成分」の解釈の問題性を認識していたことがうかがわれるところ,45年改正では,取扱通達に規定され,その解釈が問題とされていた「主成分」という文言が用いられることなく,単に「炭化水素とその他の物との混合物」と規定されたこと,②45年改正の際の国会審議の過程においても,「安全燃料というの(は)……半分アルコールがまじっているわけでございます。」との説明の後,結論として「自動車の燃料になるものはすべて」課税を行う必要があるとの見解が示されていること(昭和45年4月9日開催の参議院地方行政委員会における自治省税務局府県税課長a説明員の説明),③45年改正についての解説書においても,同改正は,揮発油の代替燃料の使用によって税負担を回避しようとすることを防止し,課税の公平を確保する趣旨で行われたものとされていることなどを考慮すると,45年改正によって追加された括弧書の部分は,税制上の目的のため,これに該当する燃料を軽油引取税の課税対象としたものと解するのが相当であるから,「炭化水素とその他の物との混合物」とは,炭化水素を主成分とするものに限らず,炭化水素とその他の物を混同した物質を広く指すというべきである。 ウこの点につき,原告らは,「炭化水素とその他の物との混合物」について,炭素と水素のみからなる炭化水素化合物が主成分であることを要する旨主張し,その根拠として,①「地方税法及び同法施行に関する取扱についての依命通達(道府県税関係)」(昭和29年5月13日自乙府発第109号各道府県知事宛自治庁次長通達。以下「本件取扱通達」という。甲68,乙15)において,「炭化水素油」 同法施行に関する取扱についての依命通達(道府県税関係)」(昭和29年5月13日自乙府発第109号各道府県知事宛自治庁次長通達。以下「本件取扱通達」という。甲68,乙15)において,「炭化水素油」とは,炭素と水素のみからなる各種の炭化水素化合物を主成分とする混合物をいうとされていること,②「Aとその他の物との混合物」との文言は,当然にA(本件では炭化水素(化合物))が主成分であることを意味し,そうでない場合には,「Aとその他の物との混合物であってAの含有割合が○○パーセントを超える」といった定めがされるべきものであること,③「炭化水素油(炭化水素とその他の物との混合物又は単一の炭化水素で,1気圧において温度15度で液状であるものを含む。(略))」との文言は,あくまでも対象が炭化水素油であることを前提とし,その具体的な内容を括弧書の中で説明しているものであって,括弧書の記載が炭化水素油の概念を拡張することはあり得ないことなどを挙げる。 しかしながら,①の本件取扱通達については,平成5年4月1日自治府第28号による改正により,原告らが引用する部分に続いて,「なお,燃料炭化水素油,混和軽油等の販売又は消費に関する課税の規定(法700条の3第3項・4項・5項)における「炭化水素油」は,炭化水素とその他の物との混合物又は単一の炭化水素で,1気圧において温度15度で液状であるものを含むものであること。」とのなお書きが付されており(乙3の2及び3),②についても,「Aとその他の物との混合物」との文言は,常識的な解釈としては,Aとその他の物を混合した物を意味するに止まり,それ自体としてAが主成分であるという意味合いを持たないから,Aの含有割合が極めて小さく,「A」と「その他の物」を混合したというよりは,Aが不純物として混入しているに過ぎないというよ するに止まり,それ自体としてAが主成分であるという意味合いを持たないから,Aの含有割合が極めて小さく,「A」と「その他の物」を混合したというよりは,Aが不純物として混入しているに過ぎないというような場合はともかく,Aの含有割合が一定程度に達していれば,これを「Aとその他の混合物」に当たると解することに何らの差し支えもないというべきであるし,原告ら指摘の立法例も,特定の物質の含有割合を一定範囲に限定する必要から特定がされているものと解され,原告らの主張を根拠付けるものではない。また,③についても,「A(Bを含む。)」という文言が,必ずしもAの概念には含まれないBをも含むことを明らかにする用語例として用いられることはよくあるから,原告らの主張は,独自の解釈に基づくものとして失当である。 エまた,原告らは,昭和47年5月25日自治府第60号自治省府県税課長回答(J・K生照会)(以下「本件行政実例」という。甲15の3,123)を援用して,45年改正後も,「炭化水素とその他の物との混合物」とは炭化水素を主成分とする物質を意味するとの行政実例が存在したと主張するが,行政実例は,あくまでも行政内部における法律解釈を示したものに過ぎず,これによって法律の内容そのものが左右されるものでないから,本件規定の解釈を決定的に左右する事情とはいえない。また,本件行政実例は,「昭和44年5月16日付で照会のあった標記のことについて,下記のとおり回答します。」との記載や,「……単一体の炭化水素化合物は,それのみではここでいう炭化水素油に含まれないものであるが……」として,これが45年改正後の燃料炭化水素油をも含んだ意味での炭化水素油を説明したものであれば明らかに誤った記述であることに照らせば,45年改正前の地方税法の規定の説明をしているものであることが明らかで ,これが45年改正後の燃料炭化水素油をも含んだ意味での炭化水素油を説明したものであれば明らかに誤った記述であることに照らせば,45年改正前の地方税法の規定の説明をしているものであることが明らかである上,「昭和47.5.25」の日付は「昭和44.5.25」の誤記の可能性も否定できず,同改正後の法律解釈の参考になるものではない。 さらに,原告らが援用するバイオディーゼル燃料に関する京都府の非課税見解(甲15の2,3)は,その根拠とした本件行政実例が45年改正により失効していたことが判明した(乙20,21)ので,その後撤回され,適正な課税処分がされている。 オなお,原告らの主張する「課税要件明確主義」については,その具体的内容は明確ではなく,かつ,かかる主張が本訴の請求原因とどのような関連があるとするのかも判然としないが,本件規定等における「炭化水素とその他の物との混合物」の概念について,その内容を明確に定めた定義規定が置かれていないことを問題とするものとしても,これらの規定の内容は,すべて合理的な解釈によって確定することが可能であるから,その内容が曖昧であるとはいえない。また,原告らが主張する課税処分の根拠法規の解釈についての「厳格主義」及び「揚名主義」についても,ある事象が当該法律の規定の文言に含まれるかどうかの解釈において,当該規定が制定された当時には存在しないものはすべて含まれないと断定することはできず,制定時に存在しないものであっても,法の予定したものと本質を異にせず,法の想定を超えるものでない限りは,当該文言に含まれると解する余地は十分にあると解するのが通説であり,かつ正当な法律解釈というべきであるから,原告らの主張は独自の見解に過ぎない。 (原告らの主張)本件規定等は,「燃料炭化水素油」を課税対象とするが,これに当 十分にあると解するのが通説であり,かつ正当な法律解釈というべきであるから,原告らの主張は独自の見解に過ぎない。 (原告らの主張)本件規定等は,「燃料炭化水素油」を課税対象とするが,これに当たるためには,「炭化水素油」であることが前提となっているところ,「炭化水素油」については,地方税法上,明確な定義規定は存しなかったものの,本件取扱通達において,「炭素と水素のみからなる各種の炭化水素化合物を主成分とする混合物で,常温(温度15度),常圧(水銀柱760ミリメートル)において油状をなしているもの」とされており,炭化水素化合物を主成分とすることを要するものである。 本件規定所定の「炭化水素とその他の物との混合物」も,以下に示す理由のとおり,炭化水素化合物を主成分とするものでなければならないと解されるところ,本件燃料における炭化水素化合物の成分比は43.23パーセントに過ぎず,炭化水素化合物を主成分としていないから,軽油引取税の課税対象となるものではない。 ア本件規定を解釈する上での基本的立場法律規定の解釈は,まず,当該日本語の日本語としての常識的解釈に基づいてされる(文理解釈)とともに,当該規定の立法の前提となる事実(立法事実)に基づいて立法者の意思を推測し,他の規定等との統一的な解釈を行うことが必要不可欠である。 そして,課税は国民にとって刑罰権の行使に等しい効果を持つものであるから,課税根拠規定の解釈は厳格にされる必要がある(厳格主義)し,また,軽油引取税は,個別消費税に該当し,法律に明記された課税物件のみが課税対象となる(揚名主義)から,いくら課税対象と類似のものに対する課税の必要性が生じたとしても,新たな立法措置を講じて課税対象に含めない限り課税することはできない。安易に概念を拡張し,課税対象を拡張することは,法律によら から,いくら課税対象と類似のものに対する課税の必要性が生じたとしても,新たな立法措置を講じて課税対象に含めない限り課税することはできない。安易に概念を拡張し,課税対象を拡張することは,法律によらない課税行為にほかならず,国民の税負担に予測可能性と法的安定性を保障することを目的として,憲法84条が規定する租税法律主義(その一内容である課税要件明確主義)に反するというべきである。 イ本件規定の文言の検討本件規定が課税対象とする「炭化水素油(炭化水素とその他の物との混合物……)」について,法文上,炭化水素化合物が主成分であることが明示されているわけではないが,そのことは決して「主成分」の要件がないことを意味しない。「炭化水素油」として規定されている以上,炭化水素化合物が主成分であると解するのはごく当然であるし,課税当局自身,本件取扱通達の中で,「炭化水素油」は炭化水素成分が主成分であると解釈している。そして,以下のとおり,条文の文理解釈からも,炭化水素油は,炭化水素化合物を主成分とすることを不可欠の要件としているというべきである。 (ア) 「炭化水素油」の後に括弧書の形で「炭化水素とその他の物との混合物……」を付加するという本件規定の仕方からは,括弧書の中の「炭化水素とその他の物との混合物」は「炭化水素油」の一部として規定されているとしか考えられないから,これが炭化水素化合物を主成分とするものを指すことは明らかである。 かかる解釈は,法700条の3第3項及び第5項の規定からも正当というべきである。すなわち,同条の3第5項は,第3項で規定した「燃料炭化水素油」を前提に,「消費量(当該消費に係る炭化水素油(燃料炭化水素油にあっては……)」と規定され,明らかに燃料炭化水素油が炭化水素油の一部であることが前提とされているからである。 この点につ 炭化水素油」を前提に,「消費量(当該消費に係る炭化水素油(燃料炭化水素油にあっては……)」と規定され,明らかに燃料炭化水素油が炭化水素油の一部であることが前提とされているからである。 この点につき,被告らは,45年改正によって追加された部分は,必ずしも炭化水素油の概念には含まれない「炭化水素とその他の物との混合物」をも含むことを明らかにする趣旨のものである旨主張するが,仮に炭化水素油とは別のものを課税対象としたものであるならば,「炭化水素油,炭化水素とその他その物との混合物若しくは単一の炭化水素」というように並列的に規定していたはずであるから,規定の仕方を完全に無視した主張というべきである。 なお,付言すれば,45年改正では,それ以前に課税対象でないと解されていた単一の炭化水素化合物も「炭化水素油」として課税対象とされたが,単一の炭化水素化合物も炭化水素化合物であることに変わりはないから,45年改正が「炭化水素油」に含まれないものを課税対象に加えたと考えるべきではない。 (イ) 一般に,「Aとその他(A以外)の物との混合物」と規定されている場合,Aを主たる成分とする混合物であると解釈するのが自然であるから,「Aとその他(A以外)の物との混合物」という概念は,納税者の予測可能性を確保するために,明文で混合割合等が示されていない限り,Aを主成分とするものに限定されなければならない。現に,特別土地保有税の非課税について定めた法586条2項3号の2の「メタノールとメタノール以外のものとの混合物」について,同法施行規則16条の7の2第3項は,「当該燃料に混合されたメタノールの容積が当該燃料の容積の80%以上を占める燃料とする」旨,メタノールが主たる成分であることを前提に規定している。 これに対し,例えば,有機溶剤中毒予防規則(昭和47年9月3 料に混合されたメタノールの容積が当該燃料の容積の80%以上を占める燃料とする」旨,メタノールが主たる成分であることを前提に規定している。 これに対し,例えば,有機溶剤中毒予防規則(昭和47年9月30日労働省令第36号)は,「有機溶剤又は有機溶剤含有物」について,「有機溶剤と有機溶剤以外の物との混合物で,有機溶剤を当該混合物の重量の5パーセントを超えて含有するもの」と規定して,有機溶剤が主成分とする混合物に限定されないことが明示されている。 したがって,明文の定めがない本件規定においては,「炭化水素とその他の物との混合物」は,炭化水素化合物を主成分とするものに限定されていると解するべきである。 (ウ) 軽油引取税につき,石油ガス税法や揮発油税法などの自動車燃料税体系と統一的な解釈がなされるべきである。 すなわち,自動車燃料に対する課税は,①気状炭化水素については,石油ガス税,②液状炭化水素で比重が0.8017未満のものについては揮発油税,③液状炭化水素で比重が0.8017ないし0.8762のものについては軽油引取税と体系的に分類されているところ,本件規定における「炭化水素とその他の物との混合物」のうち「混合物」という概念は,課税回避防止措置規定である石油ガス税法2条1項括弧書における「炭化水素とその他の物との混合物でその性状及び用途が炭化水素に類似する物を含む」の「混合物」という文言や,揮発油税法6条における「揮発油に炭化水素以外のものを混和して揮発油以外の物(その性状及び用途が揮発油に類似する物に限る)」の「混和」の文言と統一的に解釈されるべきである。 しかるところ,石油ガス税法2条1項括弧書については,同法の基本通達2条3において「たとえば,石油ガスに着臭剤を混入した物をいうものとする」(甲14)と,揮発油税法6条については,同法の きである。 しかるところ,石油ガス税法2条1項括弧書については,同法の基本通達2条3において「たとえば,石油ガスに着臭剤を混入した物をいうものとする」(甲14)と,揮発油税法6条については,同法の基本通達6条の1(2)において「その含有する炭化水素が使用目的上の基礎的な成分をなすもの」(甲14添付,102)とされていて,いずれも当該混和物の主成分があくまで炭化水素であることを前提としている。また,後記のとおり,フエルという名称の代替燃料に対する課税のため規定された「みなし揮発油」(租税特別措置法88条の6)についても,炭化水素が主成分であるものをいうと解されており,これらに照らすと,本件規定の「炭化水素とその他の物との混合物」の主成分はあくまでも炭化水素化合物であることが前提とされており,本件規定に限って,混合物概念を拡大解釈するのは,統一的解釈に明らかに反するものである。 ウ立法事実の検討原告らの解釈が正当であることは,以下のとおり,45年改正当時の立法事実からも裏付けることができる。 (ア) 軽油引取税は,昭和29年の制定当初には軽油のみを課税対象としていたが,軽油に灯油を混ぜて自動車燃料として使用する事例が生じたため,これに対応すべく,33年改正により炭化水素油が課税対象とされた。 それ故,炭化水素油とは軽油に灯油を混ぜたものを意味していたところ,軽油も灯油も炭化水素化合物であることに照らすと,同改正によって,炭化水素化合物同士の混合物で,炭化水素成分が100パーセントの物質が課税対象とされたものである。 45年改正は,「炭化水素油」の文言に「(炭化水素とその他の物との混合物又は単一の炭化水素で,1気圧において温度15度で液状であるものを含む。(略))」を付加することにより,①炭化水素とその他の物との混合物,②単一の炭化水素 の文言に「(炭化水素とその他の物との混合物又は単一の炭化水素で,1気圧において温度15度で液状であるものを含む。(略))」を付加することにより,①炭化水素とその他の物との混合物,②単一の炭化水素の2種の炭化水素油を課税対象とすることを明確にしたが,その改正の経緯は,以下のとおりである。 昭和42年ころから,炭化水素化合物である灯油(約45パーセント)及びトルエン(約50パーセント)のほかに,炭化水素化合物でないメタノール(約5パーセント)を含む「安全燃料」が自動車用燃料として消費されるようになったが,これは,揮発油より比重が重く,軽油とは分留成分において異なり,石油ガスとは物理状態が異なっているため,これらの課税対象とすることができず,33年改正による「炭化水素油」に当たるか否かが問題となった。そこで,当時の自治省担当部局は,昭和42年9月20日付けで各都道府県あてに内かんを発し,課税の可否が確定するまで課税を控えるよう指導したが,分析試験を行った結果,炭化水素化合物でないメタノール等の混入量がごく少量であることが判明したため,昭和44年5月23日付け府県税課長内かんによって,上記燃料は「炭化水素油」に当たると判断されるが,上記混入量が多量である燃料の取扱いを含めて総合的に課税の方針を検討中である旨通知し,さらに昭和44年10月6日付け府県税課長内かんによって,炭化水素油に混和されている炭化水素化合物以外の物の重量の当該燃料の重量に対する割合が0.05に満たない場合には,当該燃料の全量に対して課税することとし,当該割合が0.05以上の場合には,当該混和されている炭化水素化合物以外の物の量を除き,その残量に対して課税する旨通知した。これにより,自治省は,炭化水素油に該当するか否かにつき,炭化化合物の割合が燃料の95パーセントを超える は,当該混和されている炭化水素化合物以外の物の量を除き,その残量に対して課税する旨通知した。これにより,自治省は,炭化水素油に該当するか否かにつき,炭化化合物の割合が燃料の95パーセントを超えるか否かによって判断していたことになる。 ほぼ時期を同じくして,トルエンを主成分とする物質で構成された「コーレス燃料」が出回るようになったが,「炭化水素油」は炭化水素化合物同士の混合物と考えられていたことから,このような単一の炭化水素化合物によって構成された燃料は想定外であり,課税することは不可能であったため,45年改正を行うことにより,課税対象とするに至った。 このように,45年改正が,「安全燃料」及び「コーレス燃料」に対する課税を目的としたものであることは,上記各内かん,改正時の国会審議,その後に公刊された同改正に関する解説書等によって裏付けることができる。 そして,安全燃料はその95パーセントが,コーレス燃料はそのすべてが炭化水素によって構成されており,当時,アルコール成分が50パーセントを超える本件燃料のような炭化水素化合物が主成分でない燃料は存在しなかったことを考慮すると,改正当時,本件燃料のように炭化水素化合物が主成分でない自動車用燃料に対して課税することは,立法者も自治省も全く考えていなかったことは明らかである。仮に,被告らが主張するように,45年改正が,炭化水素油についての解釈を180度変更し,炭化水素化合物が少しでも含有している燃料に対して課税するということであれば,これまでの課税対象を抜本的に変える重要な改正を行ったことになるため,改正当時,その説明がなされるはずであるが,衆議院の委員会での議案の説明や質疑でも一切その説明がなされておらず,炭化水素成分が半分以下の燃料に課税すると述べた資料は一つたりとも存しない。したがって, 正当時,その説明がなされるはずであるが,衆議院の委員会での議案の説明や質疑でも一切その説明がなされておらず,炭化水素成分が半分以下の燃料に課税すると述べた資料は一つたりとも存しない。したがって,45年改正によって付加された「炭化水素とその他の物との混合物」は,あくまでも炭化水素化合物を主成分とするものであることが前提とされていたというべきである。 (イ) この点につき,被告らは,45年改正によって追加された「炭化水素とその他の物との混合物」は,炭化水素化合物を主成分とすることを前提としていない旨主張し,昭和45年4月9日開催の参議院地方行政委員会において,説明員(a自治省税務局府県税課長)が「安全燃料というの(は)……半分アルコールがまじっているわけでございます。」などと説明したことを援用するが,安全燃料のアルコール含有率が5パーセントに過ぎないことに照らすと,同説明は完全な誤りであるし,同説明員による「自動車の燃料になるものはすべて自動車保有者の段階においてかけるということにしたわけでございます。」との説明も,その前の部分で,この改正が安全燃料とコーレス燃料に対する課税が目的であったという説明がされていることや,同説明員の上司に当たるb自治省税務局長が,「今回考えましたのは,自動車の保有者におきまして,いわゆる安全燃料あるいはコーレスなるものを使って自動車を走らせる場合において,……課税しようとするわけです。」と説明していることと整合しない。仮に被告らの主張どおりであれば,「炭化水素とその他の物との混合物」という規定を付加するのではなく,端的に「自動車の内燃機関で燃焼させる燃料に課税する」という規定を設けたはずであるから,同説明員の上記説明は,45年改正の内容を正確に理解しない誤った説明と考えるのが最も合理的である。 そのほか ,端的に「自動車の内燃機関で燃焼させる燃料に課税する」という規定を設けたはずであるから,同説明員の上記説明は,45年改正の内容を正確に理解しない誤った説明と考えるのが最も合理的である。 そのほか,45年改正の趣旨が被告ら主張のように無限定であることを示す政府委員の説明,解説書,通達などの資料は一切存在しない。 (ウ) また,45年改正の趣旨が,炭化水素化合物を主成分とする物に限らず,広く自動車燃料として消費される燃料について課税することが目的だったとの被告らの主張は,昭和59年に,フエルという名称の代替燃料に対して揮発油税を課税するために設けられた租税特別措置法88条の6の規定(みなし揮発油)との対比からも根拠がないことは明らかである。 すなわち,この規定にいうみなし揮発油は,炭化水素化合物が主成分であるものと解されているが,軽油引取税についての45年改正と昭和59年のみなし揮発油の新設は,道路目的税の観点から類似燃料について課税がされたという点で,同様の経過・目的からされたものであるにもかかわらず,45年改正についてのみ,炭化水素化合物を主成分とするものに限らず,広く自動車燃料として消費される燃料を課税対象としたと解釈することは,矛盾というほかない。 エ本件行政実例の存在(ア) 本件規定にいう燃料炭化水素油が炭化水素化合物を主成分とするものに限られるとの原告らの主張は,本件行政実例の内容とも整合する。 すなわち,昭和47年5月25日付けの本件行政実例は,昭和44年10月6日付け府県税課長内かんと同趣旨のものであり,「地方税法において上記の炭化水素油とは,炭素と,水素のみからなる各種の炭化水素化合物を主成分とする混合物で,常温(摂氏15度),常圧(水銀柱760ミリメートル)において油状をなしているものと解される。」とした上,炭化水素 炭化水素油とは,炭素と,水素のみからなる各種の炭化水素化合物を主成分とする混合物で,常温(摂氏15度),常圧(水銀柱760ミリメートル)において油状をなしているものと解される。」とした上,炭化水素化合物以外の物が混和されている炭化水素油を自動車燃料として消費した場合における軽油引取税については,炭化水素化合物に混和されている炭化水素化合物以外の物が少量であれば全量に課税し,そうでない場合には混和されている炭化水素化合物以外の物に相当する量は課税の対象から除くとしていることに照らせば,混和物のある炭化水素油全体に課税するためには,炭化水素化合物の成分比が51パーセント以上でも足りず,その圧倒的大部分が炭化水素化合物でなければならないとの解釈を示していると解される。 この点につき,被告らは,本件行政実例は45年改正前の地方税法に関するものであって,改正後の解釈を示したものではない旨主張するところ,確かに,本件行政実例の基となった照会自体は45年改正前の昭和44年にされ,回答も照会に合わせる形で改正前の旧規定を前提としているが,回答自体は45年改正から2年後の昭和47年にされているから,仮に回答が45年改正によって失効したのであれば,当然,「この回答は,昭和44年の照会に対するもので,45年改正により失効した。」旨の記載がされるはずであるが,そのような記載は一切ない。したがって,本件行政実例は,45年改正後も維持されていることが明らかである。 (イ) 本件行政実例が,45年改正後も適用されるものとして取り扱われてきたことは,以下の事実からも裏付けられる。 まず,総務省自治税務局都道府県税課は,本件燃料に関する課税問題が発生した後である平成13年10月9日になって初めて,「(本件行政実例)は,……昭和44年当時施行された地方税法の解釈であり られる。 まず,総務省自治税務局都道府県税課は,本件燃料に関する課税問題が発生した後である平成13年10月9日になって初めて,「(本件行政実例)は,……昭和44年当時施行された地方税法の解釈であり,昭和45年の地方税法改正によって現に失効しているので,念のため誤りのないようにお願いいたします。」との内容の事務連絡を都道府県税務主管課あてに行ったが,それまでの29年間,ただの一度も本件行政実例が失効した旨の通知をすることはなく,自治省関係者が編さんした地方税制度研究会編「地方税法規実例判例」(甲123)に本件行政実例を登載し,45年改正後も通用するとの説明をしていた。 これに先立ち,本件燃料について軽油引取税の課税処分を受けた原告ら及びその他の各販売店が各地で審査請求を申し立てた際,自らの主張に沿うものとして本件行政実例を提出していたが,これに対し,各地の都道府県側から実質的な反論はなされなかった。上記事務連絡は,東京都立川都税事務所長のした本件燃料に対する軽油引取税課税処分の取消訴訟の口頭弁論期日(平成13年10月1日)において,原告代理人が,被告に対して本件行政実例に関する回答を求めたため,東京都が慌てて総務省と協議し,訴訟対策として発せられたものと考えられる。 また,京都市は,平成10年,廃油リサイクルの一環として,軽油にバイオディーゼル燃料(使用後回収した天ぷら油にエタノールを加えた燃料。炭化水素は含まれていない。)を混合して市バスの燃料として使用することにしたが,これに先立ち,京都府に対して課税の有無につき照会したところ,京都府は,同年6月16日,本件行政実例を引用して,軽油とバイオディーゼルの混合比率が5対5の場合には軽油引取税は課税されないと回答した。この回答を信じて,京都市はバイオディーゼル燃料の導入に踏み切ったの ,同年6月16日,本件行政実例を引用して,軽油とバイオディーゼルの混合比率が5対5の場合には軽油引取税は課税されないと回答した。この回答を信じて,京都市はバイオディーゼル燃料の導入に踏み切ったのである。この回答は,平成13年になって180度転換され,税解釈を誤っていたとして課税可能との見解に改められたが,平成10年当時,京都府の税務課が本件行政実例の失効を見逃していたとは考えられず,自治省とも協議の上,慎重に判断したはずである。それにもかかわらず態度を一変させたのは,本件燃料に対して課税するためには,本件行政実例を葬り去る必要があったからとしか考えようがない。 さらに,炭化水素化合物を含有する「M85」や「ヘック21」という名称の自動車用燃料について,福岡県は,平成12年7月17日付け文書(甲67)により,非課税となっている理由を自治省に問い合わせるも回答がなかった事実を明らかにしていることや,炭化水素化合物を0.3ないし0.9パーセント含有しているメタノール系燃料に対する課税が行われていないことなども,原告らの上記主張を裏付けるというべきである。 オ課税に至る経緯等の異常性後記(3)(争点3)における原告らの主張のとおり,本件燃料は「炭化水素とその他の物の混合物」に当たらず,自治省等も,このような正しい法律解釈に立脚した取扱いをしてきたにもかかわらず,本件燃料が普及し始めたことに危機感を抱いた石油業界が本件燃料に対する課税を行うよう総務省に圧力をかけ,それに屈した同省が,各地方自治体に対し,従前の取扱いに反し,軽油引取税の課税を行うよう指導を行い,それに従った被告らが本件課税処分を行ったというのが実態であり,同様に,本件行政実例が45年改正以降も有効なものとして取り扱われていたにもかかわらず,突如としてこれが失効したものとされ 指導を行い,それに従った被告らが本件課税処分を行ったというのが実態であり,同様に,本件行政実例が45年改正以降も有効なものとして取り扱われていたにもかかわらず,突如としてこれが失効したものとされたのは,本件燃料への課税のために,法解釈をねじ曲げたものとしか考えようがない。 こうした課税に至る経緯等の異常性も,原告らの主張の正当性を裏付けるものである。 (2) 争点2(自動車の意義)について(被告らの主張)ア本件規定等にいう「自動車」の概念を明確に定義した規定は法及び条例上存しないが,①軽油引取税は「道路に関する費用に充てるため,及び道路法第7条第3項に規定する指定市(略)に対し道路に関する費用に充てる財源を交付するため」課せられる目的税である(法700条)ことや,②本件規定等は,目的税である軽油引取税を「自動車の内燃機関の燃料」としての軽油等の販売又は消費に対して課するものであることなどに照らすと,「自動車」とは,道路の主たる利用者である自動車一般を指すものと解される。そして,かかる概念としての「自動車」については,「原動機により陸上を移動させることを目的として製作した用具で軌条若しくは架線を用いないもの又はこれにより牽引して陸上を移動させることを目的として製作した用具であって,次項に規定する原動機付自転車以外のものをいう。」と規定した道路運送車両法2条2項所定の自動車概念に基づいて解釈するのが相当であり,具体的には,原動機付自転車を除き,普通自動車,小型自動車,大型特殊自動車のほか,軽自動車,小型特殊自動車,二輪の小型自動車など自動車一般をすべて含むというべきである(以下,本件規定等にいう自動車を道路運送車両法2条2項所定の自動車と解する説を「2条説」という。)。 この点について,原告らは,本件規定等における「自動車」と 自動車一般をすべて含むというべきである(以下,本件規定等にいう自動車を道路運送車両法2条2項所定の自動車と解する説を「2条説」という。)。 この点について,原告らは,本件規定等における「自動車」とは,道路運送車両法4条所定の自動車を意味し,軽自動車,小型特殊自動車,二輪の小型自動車は含まれないと解すべき旨主張する(以下,本件規定等にいう自動車を道路運送車両法4条所定の自動車と解する説を「4条説」という。)が,同条は,自動車登録の対象となる自動車の範囲を定めたものであるところ,自動車登録すべき自動車も,その他の自動車も道路の利用者である点においては異なるところはないから,道路に関する費用に充てるための目的税である軽油引取税を課するかどうかを判断するに当たって,道路運送車両法上の自動車登録を必要とする自動車であるかどうかによって区別する合理的理由はない。 イ原告らは,4条説の根拠として,①公刊された自動車概念に関する自治省等による公権的解釈とその変遷,②国の自動車概念の変更に合理的な理由がないこと,③各地の課税当局の取扱いの実例,④解釈に多義性がある場合の運用実績に対する信頼などを挙げる。 しかしながら,まず,①については,原告らの挙げる本件取扱通達に原告ら主張の記載がされたのは平成元年の改正時からであって,それ以前には自動車の範囲に関する記載はなく,かえって,33年改正に伴い発せられた自治省税務局長通達(昭和33年4月24日自丙府発第36号,乙22)には,「「自動車」の範囲は,道路運送車両法の規定によって登録又は届出されるべき一切の自動車をいうものであるから,その範囲も道路運送車両法第3条に規定する普通自動車,小型自動車,軽自動車及び特殊自動車等はすべて含まれるものであること。」とされている。また,原告らは,月刊「税」(以下「税」と いうものであるから,その範囲も道路運送車両法第3条に規定する普通自動車,小型自動車,軽自動車及び特殊自動車等はすべて含まれるものであること。」とされている。また,原告らは,月刊「税」(以下「税」という。)平成13年4月号記載の解説(甲73)を,突如として2条説に立った見解を表明するに至った初めての文書と位置付けているが,それ以前にも2条説に立った文献は存在する(甲69,70)から,明らかに誤りである。 次に,②についても,上記のとおり,長年にわたって通達上も,実務上も4条説に立った運用がされてきたとの原告らの主張は事実に反する。また,地方税法の所管官庁であった自治省担当者の見解が一貫していたとは必ずしもいえないものの,アで述べたとおり,「自動車の内燃機関の燃料」における「自動車」とは,道路の利用者である自動車一般を指す概念としての「自動車」を指し,道路運送車両法2条2項所定の自動車概念に基づいて解釈するのが相当であって,自動車登録の有無によって限定解釈する必要がないといわざるを得ないから,合理性を有する2条説に見解が統一されていったことをもって,本件燃料に対する課税を強行するために合理的な理由なく見解が突如変更されたとする原告らの主張には何の根拠もなく,全くの邪推に過ぎない。なお,本件課税処分を行った被告らが,4条説から2条説に見解を変更した事実はない。 また,③についても,本件規定等における「自動車」概念の解釈について2条説を正当とすべきことは前記のとおりであるから,他の課税当局中に4条説を採用しているものがあるとしても,かかる結論の正当性は何ら左右されるべきものではないし,さらに,④についても,原告らの主張は,長年にわたり4条説に従って課税処分が行われてきたという実績の存在を前提にしているところ,被告らが,4条説に従って原告らに は何ら左右されるべきものではないし,さらに,④についても,原告らの主張は,長年にわたり4条説に従って課税処分が行われてきたという実績の存在を前提にしているところ,被告らが,4条説に従って原告らに対する課税処分を行ってきた事実は存在しないから,原告らの主張は,その前提を欠くものとして失当である。 (原告らの主張)本件規定等にいう「自動車」について,地方税法は明示の定義規定を置いていないが,以下のとおり,道路運送車両法4条所定の登録自動車に限定されると解すべきである。 ア軽油引取税に関する「自動車」概念については,通達や公刊された書籍などを見る限り,初期の混乱した時期を除けば,長年にわたって,4条説に立った運用がされてきたことが明らかである。すなわち,①昭和29年5月13日の本件取扱通達(甲68),②「税」平成2年3月号掲載の「軽油引取税に係る依命通達の改正について」(自治省税務局府県税課j。甲71),③「税」平成7年9月号掲載の「演習道府県税軽油引取税の引取り以外に対する課税」(自治省税務局府県税課c。甲72),④平成12年版地方税取扱いの手引(甲3)などは,いずれも明確に4条説に立っている。 もっとも,⑤「税」昭和33年5月号掲載の「道府県税の改正」(甲69)及び⑥「税」昭和36年11月号掲載の「軽油引取税の逐条解説」(甲70)は,2条説に立っているが,結論のみが述べられ,何の理由も示されていない。また,⑦「税」平成13年4月号掲載の「演習道府県税燃料炭化水素油の販売者課税等」(総務省自治税務局都道府県税課d。甲73)は,突如として2条説に立った見解を表明するに至った初めての文献であり,⑧「税」平成14年6月号掲載の「演習道府県税軽油引取税における燃料炭化水素油に係る販売店課税」(総務省自治税務局都道府県税課間税係長e て2条説に立った見解を表明するに至った初めての文献であり,⑧「税」平成14年6月号掲載の「演習道府県税軽油引取税における燃料炭化水素油に係る販売店課税」(総務省自治税務局都道府県税課間税係長e。甲74)も同旨であるが,これらは,一貫して4条説に立って運用されてきた実績を全く無視するもので,解釈の変更の動機が本件燃料に対する課税にあることが明らかであるから,その証拠価値には疑問がある。 イ前記のとおり,平成12年8月までは,国の「自動車」概念に関する解釈は4条説で統一されていたにもかかわらず,平成13年4月から,突如として2条説に立った見解が再び登場してくる(甲73等)が,それは自動車全般に対する課税という解釈が可能であるということを根拠としているに過ぎず,合理的な説明は全くない。この時期は,原告らガイアックスを販売した多くの業者が課税処分に対する審査請求を行い,その中で「自動車」概念に対する疑問を主張し,裁決が出されて提訴を始めていた時期と符合する。したがって,長年の運用を無視して突如として2条説への解釈の変更がされた理由については,本件燃料に対する課税処分を強行すること以外の動機は見当たらず,このことは,同様に本件燃料に対する課税処分を争った京都地方裁判所の別件訴訟におけるe証言,d証言からも明らかである。かかる合理的な理由のない見解は,何ら法解釈の参考にすべきものではない。 ウ各地の課税当局の取扱いにおいても,軽油引取税の「自動車」から軽四輪自動車,自動二輪車などを除外する扱いをしているところが少なからず存在しており,あくまでも実務上は道路運送車両法4条の「自動車」を前提にして課税がされてきている(甲16ないし23,75)。 例えば,新潟県上越財務事務所,香川県高松県税事務所,佐賀県税広域対策室は,明確に「自動車」から軽自 務上は道路運送車両法4条の「自動車」を前提にして課税がされてきている(甲16ないし23,75)。 例えば,新潟県上越財務事務所,香川県高松県税事務所,佐賀県税広域対策室は,明確に「自動車」から軽自動車,二輪自動車を除外しているし,京都南府税事務所,兵庫県姫路財務事務所,千葉県各支庁は,二輪自動車(ただし,前二者は排気量125CC以下)を除外している。 エ自動車概念について,純粋な条文解釈としては4条説も2条説も成り立つ可能性はあるものの,前記のとおり,すでに長年にわたり,4条説により課税実務が運用されてきており,こうした場合,国民は,過去の実績に基づいた運用がされると期待するのは当然であるから,立法による変更がされるのであればともかく,課税庁において突然解釈を変更することは,租税法律主義の面からも,課税の予測可能性の面からも許されるべきことではない。また,このように解釈が不明確で,不公平な課税となり得る規定がかろうじて合憲性を保ち得るのは,租税法律主義(厳格解釈)の見地から,国民に有利な方向での限定的な解釈がされる場合,すなわち,課税対象に含まれないと解する余地がある対象に対しては一切課税しない場合に限られるというべきである。 (3) 争点3(信義則違反の有無)について(原告らの主張)行政行為,とりわけ課税処分のように国民に対して重大な利害を及ぼす行為については,より強く信義誠実の原則が妥当するところ,本件課税処分は,本件燃料が「炭化水素とその他の物の混合物」には当たらず,自治省等も,このような正しい法律解釈に立脚した取扱いをしてきたにもかかわらず,本件燃料が普及し始めたことに危機感を抱いた石油業界が本件燃料に対する課税を行うよう自治省に圧力をかけ,それに屈した自治省が,各地方自治体に対して,従前の取扱いに反し,軽油引取税の にもかかわらず,本件燃料が普及し始めたことに危機感を抱いた石油業界が本件燃料に対する課税を行うよう自治省に圧力をかけ,それに屈した自治省が,各地方自治体に対して,従前の取扱いに反し,軽油引取税の課税を行うよう指導を行い,それに従った被告らが本件課税処分を行ったというのが実態であって,このような行為は,信義則に違反した無効な処分というべきである。 ア本件燃料を開発したガイアエナジー社は,平成11年1月,静岡県焼津市に第1号店をオープンし,その販売を開始したが,ガソリンと比較して低公害でありながら低価格であること等が消費者に評価され,これを取り扱う販売店が急激に増加した。 これに危機感を抱いた全国石油業協同組合連合会(全石連)や全国石油商業組合連合会(全石商)などの石油業界は,平成12年2月ころから,業界紙「ぜんせき」に課税を求める記事(甲59の1ないし6,62,63)を連日のように掲載したり,課税当局への要請活動を実施する(甲64)など,政界,官界などに対し,自らの存亡を懸けてアルコール系燃料に対する課税を求める大圧力を加えていた。 さらに,資源エネルギー庁も,全石連等の意向を受け,大蔵省主税局に対し,本件燃料につき揮発油税の課税を行うよう働きかけたが,同庁が,軽油引取税の担当省ではないにもかかわらず,全石連等の主張を丸呑みし,また揮発油税の課税対象とならないことは常識であったにもかかわらず,租税法律主義に反して働きかけを行ったこと(甲65)は,驚きというほかない。 このような動きを受けて,自治省税務局府県税課間税係は,都道府県の課税担当者に対し,本件燃料への課税指導と課税方法の伝達を行っただけでなく,その直後から,課税が実際に行われているか否かを繰り返し照会することで,都道府県の動きを事実上監督し続け,この間,静岡県から出された異 対し,本件燃料への課税指導と課税方法の伝達を行っただけでなく,その直後から,課税が実際に行われているか否かを繰り返し照会することで,都道府県の動きを事実上監督し続け,この間,静岡県から出された異論(甲66)を封じ込めるなどしている。 イまた,前記(1)(争点1)の原告の主張エ(イ)のとおり,本件行政実例は,45年改正以降も有効とされており,これは,本件行政実例が通知されて以来,平成13年10月まで29年間,本件行政実例が失効した旨の通知がされてなかった(甲123参照)ことやバイオディーゼル燃料への課税問題に対する京都府の取扱いを見ても明らかであるところ,同実例が失効した旨の「平成13年10月9日付け事務連絡」(甲4)は,東京地方裁判所における別件訴訟の平成13年10月1日の口頭弁論において,原告側から本件行政実例に対する回答を求められたため,訴訟対策として発せられたものであって,信用できるものではない。わざわざこうした通知を出す必要があったのは,各都道府県税務担当者の認識としては,本件行政実例が失効しているとは考えられていなかったことを示している。同様に,本件燃料に対する課税処分に対する審査請求において,審査請求人の主張に沿うものとして本件行政実例が提出されたのに対し,どの処分庁も本件行政実例に対する反論をしなかったにもかかわらず,平成13年12月3日以降,上記事務連絡によって,本件行政実例が失効している旨主張し始めたものであり,本件行政実例が真実失効していたのであれば,109件もの審査請求に対する審理の中で,その旨の主張がされなかったことの説明がつかないというべきである。 (被告らの主張)原告らの主張は否認ないし争う。 争点1について主張したとおり,本件燃料は軽油引取税の課税対象になると解すべきであるから,本件課税処分は信 との説明がつかないというべきである。 (被告らの主張)原告らの主張は否認ないし争う。 争点1について主張したとおり,本件燃料は軽油引取税の課税対象になると解すべきであるから,本件課税処分は信義則に反するものではなく,適法である。 (4) 争点4(原動機付自転車への販売の有無・販売量)について(被告らの主張)被告ら主張の2条説によれば,本件規定にいう「自動車」は,原動機付自転車を含まないところ,以下のとおり,本件課税処分は,原動機付自転車の内燃機関の燃料として販売した量を課税対象としていないから,この点においても本件課税処分は適法である。 ア原告甲に係る販売分について原告甲が販売した本件燃料は,以下の理由により,原動機付自転車に販売したものを含まないというべきである。 (ア) 原告甲から,原動機付自転車の内燃機関の燃料として本件燃料を販売したとの事実を裏付ける記載のある給油伝票等の提示はされていない。 (イ) 本件燃料は,平成11年ごろからガソリンの代替燃料として登場したものであるところ,本件燃料の輸入販売元であるガイアエナジー社は,同社のホームページ上に,本件燃料をオートバイの燃料として給油することを断る旨の文言を掲載しており(かかる事実によれば,同社は,原告らのような石油製品販売業者等に対しても,本件燃料をオートバイの燃料として給油しないよう指導していたと思われる。),原告甲自身も,ホームページ上に,本件燃料をオートバイの用途に使用されることを未然に防ぐため,携行缶への給油を断る旨掲載している。「オートバイ」の中に少なくとも原動機付自転車が含まれることは否定できないから,特段の事情がない限り,原告甲が本件燃料を原動機付自転車の内燃機関の燃料として販売した事実は存しないと推認するのが経験則に合致するところ,原告甲から 原動機付自転車が含まれることは否定できないから,特段の事情がない限り,原告甲が本件燃料を原動機付自転車の内燃機関の燃料として販売した事実は存しないと推認するのが経験則に合致するところ,原告甲から特段の事情として首肯し得るに足る弁解はない。 (ウ) 原告甲代表者fは,平成12年10月19日,処分庁の担当者らに対して,軽油引取税にいうところの自動車とは,道路運送車両法4条にいう自動車をいい,同条における自動車からは,軽自動車,原動機付自転車,小型特殊自動車等が除かれている旨の主張をする一方で,軽油引取税の申告は,軽自動車の内燃機関の燃料として販売した分のみを除いてすればよい旨の主張をし,原動機付自転車への販売分については全く言及せず,平成13年7月16日付けの更正処分の対象となった同年3月16日付けの申告書に対する弁明においても,平成12年5月分から同年9月分までの本件燃料の販売総量から軽自動車への販売数量を控除した量を課税標準として申告したとするのみである。このように,原告甲が,軽自動車への販売量についてのみ言及したことに照らすと,原動機付自転車に対する販売がなかったことを推認させるというべきである。 イ原告乙に係る販売分について原告乙が販売した本件燃料も,以下の理由により,原動機付自転車に販売したものを含まないというべきである。 (ア) ア(イ)と同じ。 (イ) 原告乙は,被告乙が平成13年10月31日に行った事情聴取(ただし,署名押印は拒否)において,①道路運送車両法4条の登録の対象とならない軽自動車や二輪車については本件規定等にいう「自動車」に含まれない,②軽自動車や二輪車に対する販売数量を把握しているが,資料の提示はできないという趣旨の回答をし,資料の提示を拒否したが,本件規定等にいう「自動車」の意義について,どのような見 自動車」に含まれない,②軽自動車や二輪車に対する販売数量を把握しているが,資料の提示はできないという趣旨の回答をし,資料の提示を拒否したが,本件規定等にいう「自動車」の意義について,どのような見解をとった場合でも,原動機付自転車に対して販売した量が軽油引取税の対象とならないことは明らかであるから,真実,原告乙が本件燃料を原動機付自転車に販売し,かつこれを裏付ける資料を所持しているとすれば,当然これを処分庁に提出して軽油引取税の課税を免れる道を選択したはずである。にもかかわらず,現実には,資料を所持することを自認しつつ,その提示を許否したのは,本件燃料を原動機付自転車に販売した事実がないことによるものといわざるを得ない。 ウ原告丙に係る販売分について(ア) カナレ春日井店及び同小牧店における販売分被告丙は,カナレ春日井店及び同小牧店における本件燃料の販売数量について,原告丙の了承を得た上,委託販売先であるカナレ米穀の協力を得て提示を受けたPOS伝票(給油伝票)の中から,1回の給油量が原動機付自転車の燃料タンクの最大容量である14リットル以下であったものを抽出し,その合計数量を課税対象から除外して課税処分を行った。その具体的数量は次のとおりであり,これにより,原動機付自転車への給油分と認められる可能性のあるものは,すべて販売数量から除外されている。 a カナレ春日井店分平成14年8月分販売総量3万4730.2リットルのうち原動機付自転車への販売数量1003.2リットル同年9月分販売総量1万7002リットルのうち原動機付自転車への販売数量523.1リットルb カナレ小牧店平成14年8月分販売総量1万8904リットルのうち原動機付自転車への販売数量581.3リットル同年9月分販売総量8314. 転車への販売数量523.1リットルb カナレ小牧店平成14年8月分販売総量1万8904リットルのうち原動機付自転車への販売数量581.3リットル同年9月分販売総量8314.5リットルのうち原動機付自転車への販売数量384.7リットル(イ) カナレ津島店における販売分被告丙は,カナレ津島店についても,原動機付自転車への給油分を除外するため,同店関係者に給油伝票その他資料の提示を求めたところ,個別の給油伝票はすべて廃棄したので存在せず,その他原動機付自転車への販売数量を明らかにすることができる資料を所持していないとのことであった。しかしながら,カナレ津島店は,同春日井店及び同小牧店と委託者(原告丙)及び受託者(カナレ米穀)が全く同一であるから,他の2店舗において個別の給油伝票が存する以上,経験則上,特段の事情のない限り,カナレ津島店においても個別の給油伝票は廃棄されることなく存在しているというべきであるから,同店関係者の上記回答は真実でなく,実際には,個別の給油伝票は存するが,これを提示すれば原動機付自転車に給油した事実の存しないことが明らかになり,自己に不利になるとの見解の下に,あえて個別の給油伝票は廃棄済みである旨主張したものと推定せざるを得ない。したがって,カナレ津島店における販売数量については,原動機付自転車への給油分は存しないというべきである。 (原告らの主張)被告らの主張は否認ないし争う。 第3 当裁判所の判断 1 争点1(本件燃料が「炭化水素とその他の物との混合物」に当たるか否か)について本件燃料は,前記のとおり,炭化水素化合物が43.23パーセント,アルコール系化合物が56.77パーセントを占めているところ,これが地方税法の定める軽油引取税の課税対象となるか否か,具体的には,本件燃料が, は,前記のとおり,炭化水素化合物が43.23パーセント,アルコール系化合物が56.77パーセントを占めているところ,これが地方税法の定める軽油引取税の課税対象となるか否か,具体的には,本件燃料が,本件規定にいう「炭化水素とその他の物との混合物」に当たるか否かが,本件の最大の争点である。 ところで,法文の意味内容を確定するに当たっては,そこに用いられた文言を日本語の通常の用語例に従って解釈すること,すなわち文理解釈を中心とし,これに当該法文の成立経緯,同種の法文の解釈例などを参考資料として判断すべきであることはいうまでもない。 (1) 文理解釈等についてア本件規定は,「炭化水素油(炭化水素とその他の物との混合物又は単一の炭化水素で,1気圧において温度15度で液状であるものを含む。(略))」で軽油又は揮発油(みなし揮発油を含む。)以外のものを軽油引取税の課税対象とする(ただし,自動車の内燃機関の燃料として販売されたものに限定される。)旨定めている。括弧書の前に置かれた「炭化水素油」については,物の種別を示す「油」の前に「炭化水素」が置かれている以上,通常の用語例としては,炭化水素化合物を主成分とし,その基本的性状が炭化水素化合物によって定まっている物を指すと解される(その意味では,これに続く括弧書中の「単一の炭化水素」から成る油が「炭化水素油」に含まれることは,文理解釈としては自明であるというべきであるが,後記のとおり,45年改正当時,この点に関する解釈上の疑義が存在していたことから,これを払拭するために付加されたものと考えられる。)。 そこで,本件で問題となっている括弧書中の「炭化水素とその他の物との混合物」について検討するに,被告らは,炭化水素化合物が含まれていれば足り,それが主成分である必要はないと主張するのに対し,原告らは,炭化 ,本件で問題となっている括弧書中の「炭化水素とその他の物との混合物」について検討するに,被告らは,炭化水素化合物が含まれていれば足り,それが主成分である必要はないと主張するのに対し,原告らは,炭化水素化合物を主成分とするものであることを要すると主張する。しかしながら,文言上,「炭化水素」及び「その他の物」は,同格を示す助詞である「と」によって並置されているから,この表現からは,両者の間に主従の関係があることを読み取ることはできず,両者が共に成分として含まれているもの一般を指す,換言すれば,基本的に両者の混合割合を問わない(もっとも,一方の混合量が微量であって,他方に対して不純物と位置付けられる場合は,「混合物」の通常の意味内容を逸脱すると考えられる。)と解されるから,前者が主成分,すなわち前者の成分比が後者のそれを上回ることを要すると解することは困難である。 イこの点につき,原告らは,「Aとその他の物との混合物」と規定されている場合,Aを主成分とする混合物であると考えるのが自然であり,納税者の予測可能性を確保するため,明文で混合割合等が明示されない限り,Aを主成分とするものに限定すべきである旨主張し(これに沿う学者の意見書として甲14),成分比を明示した立法例を援用する。 しかしながら,前記のとおり,通常の用語例としては,上記表現から,Aとそれ以外の物との間における主従の関係を読み取るのは無理というべきであり,原告ら指摘の立法例も,特定の物質の含有割合を一定範囲に限定する必要があるところから,その含有割合が特定されているに過ぎないと解されるから,原告ら主張の解釈指針を前提とした規定であるということはできない(むしろ,このような立法例にならえば,原告らの解釈が成立するためには,「炭化水素の成分比が50パーセントを超えるもの」との限定 から,原告ら主張の解釈指針を前提とした規定であるということはできない(むしろ,このような立法例にならえば,原告らの解釈が成立するためには,「炭化水素の成分比が50パーセントを超えるもの」との限定文言が必要であるとも考えられる。)。 ウまた,原告らは,石油ガス税法2条1項,揮発油税法6条,租税特別措置法88条の6などとの統一的な解釈の必要性を理由に,「炭化水素とその他の物との混合物」は炭化水素化合物が主成分となっているものに限られる旨主張する(これに沿う学者の意見書として甲14,126)。 しかしながら,石油ガス税法2条1項については,「炭化水素とその他の物との混合物」の後に続けて「その性状及び用途が炭化水素に類似する物……」との,揮発油税法6条については,「揮発油に炭化水素以外のものを混和して揮発油以外の物」の後に「(その性状及び用途が揮発油に類似する物に限る。)」との限定文言がそれぞれ付加され,基本的な性状及び用途の類似性を要件としているから,これらの法の基本通達(甲14添付,102)が,「たとえば,石油ガスに着臭剤を混入したものをいう」(石油ガス税法基本通達2条3)とか,「例えば,……その含有される炭化水素が使用目的上の基礎的な成分をなすもの」(揮発油税法基本通達6条1(2))との例を示しているからといって,かかる限定文言のない本件規定の「炭化水素とその他の物との混合物」が,上記各基本通達が例示するような物に限定されると解する合理的理由は存しない。 また,租税特別措置法88条の6の規定する「(炭化水素とその他の物との混合物……)」についても,基本通達上,炭化水素を主成分とするかどうかを問わないとされている(甲103)から,本件規定に関する上記の解釈と整合しないものでないことが明らかである。 エもっとも,以上のような解釈による いても,基本通達上,炭化水素を主成分とするかどうかを問わないとされている(甲103)から,本件規定に関する上記の解釈と整合しないものでないことが明らかである。 エもっとも,以上のような解釈によると,括弧書中の「炭化水素とその他の物との混合物」は,本来の「炭化水素油」に含まれないものを含んでいるから,括弧書が,その前に置かれた「炭化水素油」の概念を拡張する機能を果たしていることは否定できないところ,原告らは,「炭化水素油(炭化水素とその他の物との混合物又は単一の炭化水素で,1気圧において温度15度で液状であるものを含む。(略))」との文言は,あくまでも対象が炭化水素油であることを前提とし,括弧書の中で,その具体的な内容を説明しているものであって,括弧書の記載が炭化水素油の概念を拡張するようなことはあり得ないと主張する。 しかしながら,「A(Bを含む。)」という文言が,必ずしもAの概念には含まれないBをも含むことを意味する用語として用いられることは決してまれではなく(原告らの援用する甲126も,一般論としては,このような意味内容の拡張があり得ることを認めている。),例えば,本件規定は,軽油引取税の課税対象となる燃料炭化水素油を,「……炭化水素油(略)で軽油又は揮発油(揮発油税法(略)第2条第1項に規定する揮発油(同法第6条において揮発油とみなされるものを含む。)をいう。以下同じ。)以外のもの……」と定めているが,ここでは,除外物品である揮発油に,揮発油税法第2条第1項によって定義された本来の揮発油に含まれるとはいえない同法第6条所定のみなし揮発油が含まれる旨を明らかにしている。 加えて,仮に,原告ら主張のように,「炭化水素とその他の物との混合物」が炭化水素化合物を主成分とする混合物を意味するものであると解するならば,両者は同じことを繰 油が含まれる旨を明らかにしている。 加えて,仮に,原告ら主張のように,「炭化水素とその他の物との混合物」が炭化水素化合物を主成分とする混合物を意味するものであると解するならば,両者は同じことを繰り返していることになり,括弧書を付加した意味が失われるから,この点からも,原告らの上記主張は,正当とは言い難い。 オまた,原告らは,本件取扱通達の文言を根拠として,炭化水素油が炭化水素化合物を主成分とするものであることは課税当局も認めている旨主張するが,同通達の最初の発出は昭和29年5月13日付けであり,昭和31年の法改正によって軽油引取税が導入されたのを受けて,同年4月24日自乙府発第23号による改正により,原告ら主張のような内容が加えられたものであって(乙15),当時は本件で問題となっている括弧書は存在しなかったのであるから,「炭化水素とその他の物との混合物」の解釈指針となるものとはいえない(この括弧書が,本来の炭化水素油の概念を拡張する機能を果たしていることは既述のとおりである。)。また,本件取扱通達は,やや遅れた感は否めないとはいえ,平成5年4月1日自治府第28号による改正により,原告らが引用する部分に続いて,「なお,燃料炭化水素油,混和軽油等の販売又は消費に関する課税の規定(法700条の3第3項,4項,5項)における「炭化水素油」は,炭化水素とその他の物との混合物又は単一の炭化水素で,1気圧において温度15度で液状であるものを含むものであること。」とのなお書きが追加されている(乙3の2及び3)から,原告らの上記主張は採用できない。 カ以上によれば,文理解釈上は,「炭化水素とその他の物との混合物」とは,炭化水素化合物を主成分とするものに限らず,炭化水素化合物とその他の物を混合した物質一般を指す(ただし,一方が他方に比べて微量であるも によれば,文理解釈上は,「炭化水素とその他の物との混合物」とは,炭化水素化合物を主成分とするものに限らず,炭化水素化合物とその他の物を混合した物質一般を指す(ただし,一方が他方に比べて微量であるものを除く。)ものと解する以外になく,これによれば,43.23パーセントの炭化水素化合物を含有している本件燃料は,「炭化水素とその他の物との混合物」に当たるといわねばならない。 なお,原告らは,憲法84条の規定する租税法律主義の観点から,解釈によって安易に概念を拡張することは許されない旨主張するが,上記の文理解釈は,法律の文言を通常の日本語の用語例に従って理解したものに過ぎないから,租税法律主義に基づく批判を受ける余地は全くないというべきである。 (2) 45年改正の経緯について次に,原告らは,本件規定の立法経緯に照らすと,「炭化水素とその他の物との混合物」は,炭化水素化合物を主成分とするものに限定されるべきである旨主張するので,この点について検討するに,前記前提事実に,証拠(甲34ないし38,乙15ないし19)及び弁論の全趣旨を総合すれば,以下の事実が認められる。 ア軽油引取税は,昭和31年の地方税法改正(同年法律第81号)によって導入されたものであるが,この時点においては,軽油の引取りのみが課税対象とされていたところ,ここでいう「軽油」とは,「摂氏15度において0.8017をこえ,0.8762に達するまでの比重を有する炭化水素油をいい,政令で定める規格の炭化水素油を含まないものとする。」と定義されていた(同改正後の法700条の2第1項1号)。 しかして,ここでいう「炭化水素油」については,法令上の定義はなかったものの,本件取扱通達(第15章第1節第1,2)において,「……軽油については,一般に軽油として市販されているものを捉えようとする しかして,ここでいう「炭化水素油」については,法令上の定義はなかったものの,本件取扱通達(第15章第1節第1,2)において,「……軽油については,一般に軽油として市販されているものを捉えようとする趣旨から,……業者が通常軽油として取引しているものを課税対象として取り扱うことが適当であること。なお,その認定に当たっては,次の諸点に留意する……」との前置きに続き,「(2)炭化水素油とは,炭素と水素のみからなる各種の炭化水素化合物を主成分とする混合物で,常温(温度15度),常圧(水銀柱760ミリメートル)において油状をなしているものをいい,単一の炭化水素化合物(ベンゾール等),常温,常圧において気状(プロパンを主成分とする液化ガス),固状又は半固状(パラフィン,ワセリン等)を呈する炭化水素の混合物はこれに含まれないこと。」とされ(乙15),炭化水素化合物を主成分とする混合物であるとの認定上の指針が示されていた。 イ同改正後,軽油に軽油以外の炭化水素油(灯油等)を混和したり,軽油以外の炭化水素油(灯油等)に軽油以外の炭化水素油(スピンドル油等)を混和して自動車の燃料として販売又は使用することにより軽油引取税の負担を回避しようとする行為が見られるようになったため,33年改正によって,自動車の保有者が軽油及び揮発油以外の炭化水素油を自動車の内燃機関の燃料として消費した場合においては,当該炭化水素油の消費に対し,消費量を課税標準として軽油引取税を課する旨の規定が設けられ(同改正後の700条の3第2項),さらに,昭和36年の地方税法改正(同年法律第74号)によって,特約業者又は元売業者以外の石油製品の販売業者が軽油に軽油以外の炭化水素油を混和し,又は軽油以外の炭化水素油と軽油以外の炭化水素油を混和して製造された軽油を販売した場合においては,その販 によって,特約業者又は元売業者以外の石油製品の販売業者が軽油に軽油以外の炭化水素油を混和し,又は軽油以外の炭化水素油と軽油以外の炭化水素油を混和して製造された軽油を販売した場合においては,その販売量を課税標準として軽油引取税を課する旨の規定(同改正後の700条の3第2項。なお,同改正により,前述の700条の3第2項の規定は,同第3項に繰り下げられた。)が設けられた(甲34)。 ウその後,昭和42年夏ころから,「安全燃料」と呼ばれるものが販売されるようになり,それに対して軽油引取税を課すことができるのか否かの問題が生じた。すなわち,「安全燃料」は,炭化水素化合物である灯油(約45パーセント)及びトルエン(約50パーセント)のほかに,炭化水素化合物でないメタノール(約5パーセント)が含まれていたため,炭化水素化合物を主成分とするものに当たるか否かが問題とされた。 この問題を背景にして,「税」昭和43年5月号(乙19)に,「炭化水素油とは」の記事(自治省府県税課職員g執筆)が掲載され,「……炭化水素油に炭化水素化合物以外のもの,例えばアルコール類等を相当程度混入した場合それによって出来た燃料油が,軽油引取税の対象となる炭化水素油といえるかどうかが問題となってきているのである。……最近,灯油類似の炭化水素油に,アルコール類を10パーセント前後混入した燃料油が市販されているようであるが,現実にもしアルコール類が,10パーセント前後も混入されているとすれば,アルコールには水酸基が含まれているので,当然その燃料は,酸素基が何パーセントとか含まれており,化学界において一般的には,炭化水素油とはいえなくなるものである。しかしながら,炭化水素油という言葉は,税法独特のものであり,その定義も税法にまかされているものである。したがって,軽油引取税におい 化学界において一般的には,炭化水素油とはいえなくなるものである。しかしながら,炭化水素油という言葉は,税法独特のものであり,その定義も税法にまかされているものである。したがって,軽油引取税において,炭化水素油の定義中における「主成分」の解釈をいかにするかによって,課税の対象となるか,ならないかが決まるものと解する。この解釈については,現在検討中であるが,なかなか問題のあるところである。」とした上で,揮発油税法における「主成分」の解釈について論じている。 エこれに対し,地方税法の所管官庁である自治省の府県税課は,「安全燃料等に対する軽油引取税の取扱いについて」(昭和44年5月23日府県税課長内かん)を発出し,各都道府県に対し,「……当省においてこれらの燃料のうち市販されている数種類のものについて通商産業省工業技術院に分析試験を依頼した結果,自動車の内燃機関の用に供されているこれらの燃料の大部分は,メタノール等炭化水素化合物以外の混入量が極く少量であり,法第700条の3第3項(現行第5項)に規定する炭化水素油の範囲に含まれることがおおむね明らかとなりました。しかしこの種の燃料の範囲に対する軽油引取税の取扱いについては,炭化水素化合物以外の物の混入量が多量である燃料に対する取扱いをも含め総合的に課税の方針を定める必要があり,目下この点について検討中の次第であります。従って,各都道府県においてもおってこれが最終的な取扱方針を通知するまでの間は随時分析試験等を行い諸般の準備を進められるようご連絡いたします。」と通知した上,同名の昭和44年10月6日府県税課長内かんにおいて,「自動車の内燃機関の燃料として消費された炭化水素油に混和されている炭化水素化合物以外の物の重量の当該燃料の重量に対する割合が0.05に満たない場合には,当該燃料の全量 日府県税課長内かんにおいて,「自動車の内燃機関の燃料として消費された炭化水素油に混和されている炭化水素化合物以外の物の重量の当該燃料の重量に対する割合が0.05に満たない場合には,当該燃料の全量に対して課税することとし,当該割合が0.05以上の場合には,当該混和されている炭化水素化合物以外の物の量を除き,その残量に対して課税するものとする。」と通知した。 オ前記の課税措置により,安全燃料の販売は下火となったが,これと入れ替わるように,「コーレス燃料」と呼ばれるものが販売されるようになり,それに対して軽油引取税を課すことができるのかどうかという問題が生じた。すなわち,「コーレス燃料」については,トルエンを主成分とする物質で単一の炭化水素化合物によって構成された燃料と認識されていたため,本件取扱通達で示されていた「炭化水素油とは……単一の炭化水素化合物……はこれに含まれないこと。」との認定指針を満たすか否かが問題とされた。 カそこで,自治省は,法700条の3第3項の「炭化水素油」の後に「(炭化水素とその他の物との混合物又は単一の炭化水素で,温度15度及び1気圧において液状のものを含む。(略))」との括弧書を付加するなどの地方税法の改正を企図し,法案を第63回国会に提出した。 主管官庁である自治省のh国務大臣は,昭和45年3月19日開催の衆議員地方行政委員会において,「……軽油引取税につきましては,課税の公平をはかる見地から,自動車の保有者に対して軽油引取税が課される炭化水素油の範囲に炭化水素とその他の物との混合物または単一の炭化水素を含めることといたしました。」と提案理由を述べ(乙16),自治省税務局長のb政府委員は,同月24日開催の同委員会において,「…今回考えましたのは,自動車の保有者におきまして,いわゆる安全燃料あるいはコーレス とといたしました。」と提案理由を述べ(乙16),自治省税務局長のb政府委員は,同月24日開催の同委員会において,「…今回考えましたのは,自動車の保有者におきまして,いわゆる安全燃料あるいはコーレスなるものを使って自動車を走らせる場合において,その自動車の保有者に課税しようとするわけでございます。……この安全燃料あるいはコーレスといわれるものは,全体として見ると必ずしも油状,油の状態,炭化水素油というわけにはまいらぬわけでございます。……しかしながら……この税は,結局道路の目的財源でございますから,したがって,同じようなものにおいて自動車を運行する燃料課税ということであれば,やはり同じように課税すべきものであるということに踏み切ったわけでございます。」と説明した(甲38,乙17)。 また,自治省税務局府県税課長のa説明員は,同年4月9日開催の参議員地方行政委員会において,「2年前ばかりからこのコーレスの前身と申しますか,安全燃料というのが出回り始めたのでございます。この安全燃料というのが,これが軽油の規格にも該当しない,それから揮発油の規格にも該当しない,半分アルコールがまじっているわけでございます。……そこで,いろいろ政府各省検討いたしまして,アルコール分は無理でございますけれども,アルコールと炭化水素油との混合体でございますと,その炭化水素油の部分だけについて,安全燃料としては軽油引取税を自動車の保有者の段階においてかけるということにいたしまして,昨年の11月からそういう措置をとったわけでございます。そういたしますと,安全燃料というものが揮発油とは,税金がかかりますと太刀打ちできないというようなこともございまして,姿を消しまして,今度はそれに変わってコーレスというトルオールだけでつくった揮発油類似品と申しますか,そういった燃料が出 発油とは,税金がかかりますと太刀打ちできないというようなこともございまして,姿を消しまして,今度はそれに変わってコーレスというトルオールだけでつくった揮発油類似品と申しますか,そういった燃料が出回り始めたということでございます。で,軽油引取税の目的からいたしまして,これは御承知のように目的税でございまして,自動車の運行に使う油であれば全部かけるということでございまして,これらのものはいろいろな形をとっておりますけれども,結局は自動車の燃料になるわけでございますので,そういう観点から,自動車の燃料になるものはすべて自動車保有者の段階においてかけるということにしたわけでございます。」と説明し,b政府委員も,「……そこで,この一番最後の場合,現在炭化水素油というふうに書いてありますので,これにはまらない油で自動車を走らせる場合の課税というものについて,新しいものが出れば,これは課税のバランスから,そこに加えていくと,むしろ包括的な規定になっていればいいのでありますが,そうではなしに,炭化水素油というふうになっておりますので,……今回課税のバランスというものを考えて,少なくとも道路を走る車については,油について課税をする,こういうふうにいたしたわけでございま(す)」と同旨の説明をした(乙18)。 キこのような審議を経て,地方税法改正案は,昭和45年法律第24号として成立した(なお,イ記載のとおり,45年改正前の地方税法700条の3第3項の規定は,自動車の保有者に対する課税を定めたものであり,45年改正も,自動車の保有者に対する課税における「炭化水素油」の規定に修正を加えるものであった。その後,平成元年法律第14号による地方税法改正によって,本件規定に相当する定めが置かれることとなった。)。 なお,「税」昭和45年7月号(甲35)は,45年 素油」の規定に修正を加えるものであった。その後,平成元年法律第14号による地方税法改正によって,本件規定に相当する定めが置かれることとなった。)。 なお,「税」昭和45年7月号(甲35)は,45年改正による地方税法の解説を特集しているが,その中で,自治省府県税課職員iは,「……現行法のもとでは,全面的な課税ができないいわゆる安全燃料およびコーレス燃料に対して軽油引取税を課税することができるようにしたものです。……安全燃料とかコーレス燃料が揮発油の代替燃料としてタクシー等に使用されていることにかんがみ,これらの燃料の使用によって税負担を回避しようとすることを防止するとともに課税の公平を確保する趣旨から今回の改正が行われたものです。」と解説している。 以上の認定事実によれば,45年改正は,当時問題とされていた安全燃料やコーレス燃料の出現を直接の契機として行われたことは疑う余地がない。しかしながら,法律の制定ないし改正が,特定の具体的問題の発生を契機として行われたとしても(相当数の法令がこのような立法経緯を有することは公知の事実である。),一般的,抽象的な文言をもって立案,審議され,成立した以上,文理解釈に沿うことなく,かかる具体的な問題のみに対処し,それ以外のものに対する適用を排除する趣旨の規定であると解釈するには,その合理性を裏付ける特段の事情を必要とすると解されるところ,認定に係る45年改正の経緯に照らしても,安全燃料やコーレス燃料に対してのみ課税するとの限定的な立法意思の存在を認めるべき特段の事情が存在したと認めることはできない(45年改正の経緯の中で,本件燃料のようなアルコール成分が50パーセントを超える燃料について具体的に論議されなかったことも,当時,そのようなものが出回っておらず,改正の契機となったわけでないからに過ぎないと の経緯の中で,本件燃料のようなアルコール成分が50パーセントを超える燃料について具体的に論議されなかったことも,当時,そのようなものが出回っておらず,改正の契機となったわけでないからに過ぎないと解されるし,他方で,安全燃料に含まれるアルコールの成分比が約5パーセントであることを明示し,炭化水素化合物が主成分である燃料に限って課税する趣旨の説明が行われた事実も認められないから,これをもって上記の特段の事情と認めることはできない。)。 かえって,前記認定事実によれば,45年改正前の段階で,自治省は,アルコール類が含まれた燃料油が市販されていること等を踏まえて炭化水素油の定義中の「主成分」の要件の問題性を認識していたことがうかがわれるところ,45年改正では,取扱通達に規定され,その解釈が問題とされていた「主成分」という文言が用られることなく,単に「炭化水素とその他の混合物」との表現が採用されていること,45年改正の国会審議の過程においても,政府側委員は,軽油引取税の目的税たる性格を強調し,課税のバランスの観点から,「むしろ包括的な規定になっていればいいのであります」(b政府委員)とか,「自動車の燃料になるものはすべて自動車保有者の段階においてかける」(a説明員)と説明していることに照らすと,45年改正は,代替燃料による税負担の回避を広く防止しようとする趣旨に出たものと認めるのが相当である(なお,a説明員の説明中,安全燃料に含まれるアルコール成分比に言及した部分に誤りが見受けられるが,説明全体としては,代替燃料による税負担の回避を広く防止しようとする改正の趣旨を述べていることは明らかである。)。 そうすると,45年改正の経緯に照らしても,「炭化水素とその他の物との混合物」は,前記の文理解釈どおり,炭化水素とその他の物を混合した物質を広く指す 改正の趣旨を述べていることは明らかである。)。 そうすると,45年改正の経緯に照らしても,「炭化水素とその他の物との混合物」は,前記の文理解釈どおり,炭化水素とその他の物を混合した物質を広く指すと解するのが相当というべきであり,炭化水素を主成分とするものに限られるとの原告らの上記主張を採用することはできない。 (3) 本件行政実例についてさらに,原告らは,45年改正後も,本件行政実例によって「炭化水素化合物とその他の物との混合物」とは炭化水素化合物を主成分とする物質を意味するとの行政解釈が示されていたと主張する。 しかしながら,行政実例は,あくまでも具体的な問題を前提として,行政内部における解決の指針を示したものに過ぎず(したがって,同種の問題に対処する際に参考となり得ることはもちろんであるが,通達のように,一般的に下級行政庁を拘束するものではない。),ましてや,これによって法律の内容そのものが左右されることはあり得ないから,本件規定の解釈を決定的に左右する事情であるとはいえない。 また,本件行政実例は,昭和44年5月16日付けで照会を受けた事項について,3年余経過した昭和47年5月25日付けで回答していること,「内燃機関」とすべきところを「内燃料機関」としていること,東京地方裁判所における別件訴訟において,参加人である総務大臣が,本件行政実例が発出された際の決裁書類等は見つからないと述べていること(甲91,94)など,正規の自治省府県税課長の回答にしては不可解な点がないではないが,それはさておくとしても,その内容を見ると,「昭和44年5月16日付で照会のあった標記のことについて,下記のとおり回答します。」とあって,45年改正前の事案に関する回答であることが明記されていることに照らすと,45年改正後における本件規定の解釈を示したもの 6日付で照会のあった標記のことについて,下記のとおり回答します。」とあって,45年改正前の事案に関する回答であることが明記されていることに照らすと,45年改正後における本件規定の解釈を示したものであると認めることはできない。もっとも,冒頭に「地方税法第700条の3第3項(現行第5項)……」と記載されている(甲15の3)ところ,第5項が設けられたのは平成元年の改正である(甲120)ことに照らすと,少なくともその時点までは行政実例として存在していたと認められるが,そうすると,「なお,単一体の炭化水素化合物は,それのみではここでいう炭化水素油には含まれない……」との記載は,45年改正後の燃料炭化水素油をも含んだ意味での炭化水素油の説明としては,明らかに誤ったものというべきであるから,結局,45年改正後における本件規定の解釈に当たって,本件行政実例は参考とされるべきものとはいえない(したがって,原告らが主張する,45年改正以降も本件行政実例が有効として取り扱われてきたにもかかわらず,本件燃料への課税処分取消訴訟の対策のためだけに,総務省は,平成13年10月9日になって初めて本件行政実例が失効している旨の事務連絡を行った等の事情は,本件規定の解釈に影響を与えるものとはいえない。)。 (4) 課税に至る経緯等の異常性について原告らは,自治省等が本件燃料は「炭化水素とその他の物の混合物」に当たらないと正しく解釈してきたにもかかわらず,石油業界からの圧力に屈した総務省が法解釈をねじ曲げたものであり,このような課税に至る経緯等の異常性は,原告らの主張の正当性を裏付ける旨主張するが,行政による解釈の変更が法律解釈の決め手となるものではない上,そもそも,その立論の前提とされた,自治省等が本件燃料は「炭化水素とその他の物の混合物」に当たらないと正しく解釈 を裏付ける旨主張するが,行政による解釈の変更が法律解釈の決め手となるものではない上,そもそも,その立論の前提とされた,自治省等が本件燃料は「炭化水素とその他の物の混合物」に当たらないと正しく解釈してきたとの事実が認められないことは前記のとおりであるから,上記主張は採用の限りではない(信義則違反の基礎事情としての主張に対する判断は,後記のとおりである。)。 (5) 小括以上によると,本件燃料は,軽油引取税の対象となる「炭化水素とその他の物との混合物」に当たると解すべきものであり,原告らの主張は,いずれも採用できない。 2 争点2(「自動車」の意義)について(1) 本件規定における「自動車」の意義について判断するに,本件規定等における「自動車」の概念を明確に定義した規定は存在しないが,軽油引取税が「道路に関する費用に充てるため,及び道路法第7条第3項に規定する指定市に対し道路に関する費用に充てる財源を交付するため」の目的税たる性格を有すること(法700条),本件規定等は,このような目的税である軽油引取税を「自動車の内燃機関の燃料」としての軽油等の販売又は消費に対して課するものであることなどに照らすと,そこにいう「自動車」とは,道路の主たる利用者であり,これによる道路の損傷等に対する負担金を課せられるべき実体を有する自動車一般を指すと解されるから,2条説によって解釈するのが相当である。 原告らは,4条説に立って自動車概念を解釈すべき旨主張するが,道路運送車両法4条以下に定める自動車登録ファイルの登録は,権利関係を明確にするとともに,その管理責任の所在を明らかにすることに主たる目的があり,登録すべき自動車もその他の自動車も,道路の利用者である点において異なるところはないから,上記登録義務の有無に軽油引取税の納税義務をかからしめることは合理 所在を明らかにすることに主たる目的があり,登録すべき自動車もその他の自動車も,道路の利用者である点において異なるところはないから,上記登録義務の有無に軽油引取税の納税義務をかからしめることは合理的理由を欠くといわざるを得ない(上記登録義務を課せられない軽自動車,小型特殊自動車及び二輪の小型自動車の自動車は,それ以外の自動車と比較して小型,軽量であることから,道路の損傷等の可能性や受益の度合いは小さいと考えられるが,反面,単位走行距離当たりの燃料の消費量ひいては軽油引取税の負担額も相対的に小さいと考えられるから,これらの車両の燃料として用いられる炭化水素油を課税対象としても,均衡を失するものではない。)。 そうすると,本件規定等における「自動車」は,2条説によって,自動車一般,すなわち原動機付自転車と軽車両を除く道路運送車両を指すと解するのが相当である。 (2) この点について,原告らは,①行政は,本件規定等における「自動車」概念につき,一貫して4条説に立って解釈してきたと主張するところ,なるほど,証拠(甲3,68,71,72)によれば,本件取扱通知には,「自動車とは道路運送車両法第4条に規定する登録を受けた自動車をいうものであること。」との記載があり,その後も平成12年ころまでに公刊された雑誌等(「税」平成2年3月号,「税」平成7年9月号,平成12年版地方税取扱いの手引)には,自治省関係者によって,同旨の説明がされていることが認められる。また,原告らは,②各地の課税当局において,上記「自動車」から軽自動車,自動二輪車などを除外する扱いをしているところが少なからず存在し,実務上は4条説に立って課税されていると主張するところ,証拠(甲16ないし18,22,23,75)には,この主張に沿う内容が記載されている。 もっとも,証拠(甲69,70 るところが少なからず存在し,実務上は4条説に立って課税されていると主張するところ,証拠(甲16ないし18,22,23,75)には,この主張に沿う内容が記載されている。 もっとも,証拠(甲69,70,73,74,乙22,23,24の1ないし3)によれば,本件取扱通知において上記記載がされたのは,平成元年の法改正(元売業者,石油製品販売業者等が燃料炭化水素油を自動車の内燃機関の燃料として販売した場合,これらの者に軽油引取税を課すこととした法700条の3第4項の追加)に伴う取扱通知改正からであり,それ以前の本件取扱通知にはそのような自動車の範囲に関する記載はなく,むしろ,昭和33年の地方税法改正(新たに自動車の保有者が軽油及び揮発油以外の炭化水素油を自動車の内燃機関の燃料として消費した場合においては,自動車の保有者に対して軽油引取税を課することができることとした。)に伴い発せられた同年4月24日付け自治庁税務局長通達では,「「自動車」の範囲は,道路運送車両法の規定によって登録又は届出されるべき一切の自動車をいうものであるから,その範囲も道路運送車両法3条に規定する普通自動車,小型自動車,軽自動車及び特殊自動車等はすべて含まれるものであること」とされ,その後に公刊された雑誌(「税」昭和33年5月号,「税」昭和36年11月号)にも,自治省職員の執筆に係る同旨の記事が掲載されていること,また,内閣は,第150回国会でなされた本件燃料に関する質問に対する平成12年10月24日付け答弁書において,燃料炭化水素油を自動車の内燃機関の燃料として販売する場合の「自動車」とは,軽油引取税の性格から,道路運送車両法2条2項に規定する自動車のうち道路において運行の用に供することができるものをいうとの見解を表明し,その後に発行された雑誌(「税」平成13年4月号, 動車」とは,軽油引取税の性格から,道路運送車両法2条2項に規定する自動車のうち道路において運行の用に供することができるものをいうとの見解を表明し,その後に発行された雑誌(「税」平成13年4月号,「税」平成14年6月号)にも,総務省職員の執筆に係る同旨の記事が掲載されていること,以上の事実も認められる。 これらを総合すれば,地方税法の所轄官庁である自治省の見解は,必ずしも一貫したものがあったとは言い難く,各地の都道府県の課税事務所などにおいて,異なった取扱いがなされている一因を作った可能性は否定できないが,前記のとおり,本件規定等にいう自動車の解釈については,2条説が4条説よりも合理的であり,現に,4条説に立つ前掲各文献等には首肯できる合理的な説明が示されていない(平成元年以降の取扱通知が4条説によった理由につき,甲74(これ自体は2条説に立っている。)は,「法第700条の3第5項の自動車の保有者が炭化水素油を自動車の内燃機関の燃料として消費した場合に,当該自動車を道路において運行の用に供するため消費した場合に限って課税していることとの均衡上,自動車であってもサーキット場内や試験研究施設等一般交通の用に供しない場所で使用するものに供する炭化水素油の販売についてまで軽油引取税を課さないことを例示的に示したものであると解される。」と説明しているが,これが4条説の根拠として成り立たないことは明らかである。)ことに照らすと,4条説に立った行政の見解は法律解釈を誤ったものというほかなく,現在では,国ないし総務省は見解を是正し,2条説で統一されていることは前記認定のとおりであるから,原告らが援用する行政解釈ないし課税の運用を考慮しても,「自動車」の範囲に関する前記結論を左右するに足りるものではなく,原告らの上記主張は採用できない。 3 争点3(信 前記認定のとおりであるから,原告らが援用する行政解釈ないし課税の運用を考慮しても,「自動車」の範囲に関する前記結論を左右するに足りるものではなく,原告らの上記主張は採用できない。 3 争点3(信義則違反の主張)について原告らは,自治省等が本件燃料は「炭化水素とその他の物の混合物」には当たらないとの正しい法律解釈に立脚した取扱いをしてきたにもかかわらず,石油業界からの圧力に屈し,本件燃料に対する軽油引取税の課税を行うよう,各地方自治体に対して指導を行った結果,本件課税処分が行われたなどと主張して,同処分は信義則に違反する旨主張するところ,証拠(甲59の1ないし6,62ないし64)及び弁論の全趣旨によれば,これを「圧力」と表現することの是非はともかくとして,平成12年2月ころから,全国石油業協同組合連合会や全国石油商業組合連合会などが関与する業界紙「ぜんせき」に,本件燃料への早急な課税を求める記事が度々掲載され,また当局への課税要請活動が行われた事実が認められる。 しかしながら,自治省等が本件燃料は「炭化水素とその他の物の混合物」には当たらないとの正しい法律解釈に立脚した取扱いをしてきたとの前提事実が認められないことは既述のとおりである上,そもそも租税法規に適合する課税処分について,法の一般原理である信義則の適用により,課税処分を違法なものとして取り消すことできる場合があるとしても,法律による行政の原理なかんずく租税法律主義の原則が貫かれるべき租税法律関係においては,その適用については慎重であるべきで,租税法規の適用における納税者間の平等,公平という要請を犠牲にしてもなお当該課税処分に係る課税を免れしめて納税者の信頼を保護しなければ正義に反するといえるような特別の事情が存する場合でなければならず,かかる特別の事情が存するか否かの判断にお いう要請を犠牲にしてもなお当該課税処分に係る課税を免れしめて納税者の信頼を保護しなければ正義に反するといえるような特別の事情が存する場合でなければならず,かかる特別の事情が存するか否かの判断においては,少なくとも,税務官庁が納税者に対し信頼の対象となる公的見解を表示したことにより,納税者が上記表示を信頼し,その信頼に基づいて行動をしたところ,後に上記表示に反する課税処分が行われ,そのために納税者が経済的不利益を受けることになったものか否か,納税者が税務官庁の上記表示を信頼し,その信頼に基づいて行動したことについて納税者の責めに帰すべき事由が存しないか否かという点の考慮が不可欠というべきである(最高裁判所第三小法廷昭和62年10月30日判決・集民152号93頁参照)。 しかるところ,証拠(甲49,87)によれば,有限会社敬商の代表者は,本件燃料の販売に先立つ平成11年3月5日,ガイアエナジー社の会社案内と本件燃料のパンフレットを持参して東京都の軽油引取税課を訪れ,担当者に面談して同税の納税義務の有無及びその理由の教示を要望したが,結論は出されなかったこと,同月9日にも再訪して担当者に面談したが,十分な説明を受けることができず,「上司と相談して,ご連絡申し上げます。課税される場合には連絡します。」との返答を受けるにとどまったこと,同月16日に訪問したときは,担当者が不在であったこと,その後,同社は,同年7月1日,福生市にて,本件燃料の販売を開始したこと,以上の事実が認められるが,これらの事実だけでは,東京都の担当部署の職員が本件燃料に対する軽油引取税の課税がなされないとの見解を公的に表明したといえないことは明らかである。 また,証拠(甲4,乙20,21)によると,本件行政実例は,平成13年に至るまで,失効していることが公にされなかったこ 引取税の課税がなされないとの見解を公的に表明したといえないことは明らかである。 また,証拠(甲4,乙20,21)によると,本件行政実例は,平成13年に至るまで,失効していることが公にされなかったことが認められるが,前記認定に係るその内容に照らすと,それをもって自治省ないし総務省が本件燃料に対する軽油引取税の課税がなされないとの見解を公に表明したといえないことは前同様である上,原告らが,これを検討した結果,被告らから課税処分を受けることがないものと信頼したとの事実を認めるに足りる証拠もない。 そうすると,本件においては,その余について検討するまでもなく,信義則の適用によって課税処分を違法ならしめるための要件の充足を欠くといわざるを得ず,原告らの上記主張は採用できない。 4 争点4(原動機付自転車への販売の有無及び販売量)についてア前記のとおり,2条説によっても,原動機付自転車の燃料として販売された本件燃料は,軽油引取税の課税対象にならないところ,被告らは,原告らが販売した本件燃料のうち,原告丙がカナレ春日井店及び同小牧店で委託販売した分を除き,原動機付自転車への販売分は存しないと主張し,その理由として,①原告らから,原動機付自転車の内燃機関の燃料として販売した事実を裏付ける給油伝票等の提示はなかった(原告甲,原告乙及び原告丙の販売分のうちカナレ津島店販売分)こと,②本件燃料の輸入販売元であるガイアエナジー社がホームページ上に本件燃料をオートバイの燃料として給油することを断る旨の文言を掲載していること及び原告甲が,ホームページ上に,本件燃料がオートバイの燃料として使用されることを未然に防止するため携行缶への給油を断る旨掲載していることからすると,特段の事情がない限り,本件燃料が原動機付自転車の燃料として販売された事実はないと推認されるべ トバイの燃料として使用されることを未然に防止するため携行缶への給油を断る旨掲載していることからすると,特段の事情がない限り,本件燃料が原動機付自転車の燃料として販売された事実はないと推認されるべきところ,原告甲及び原告乙からそうした特段の事情として肯首するに足りる弁解はなかったこと,③課税の経過において,原告甲代表者は,本件規定等における自動車は,道路運送車両法4条所定の自動車をいうとして,課税の対象から軽自動車,原動機付自転車,小型特殊自動車等が除かれる旨主張する一方で,申告においては,軽自動車に対する販売分しか除外しなかったことを挙げる。 しかしながら,自動車一般,すなわち原動機付自転車以外の内燃機関付き道路運送車両の燃料として販売された本件燃料の量は,本来,課税要件事実として課税庁である被告らが主張立証すべきものであるから,①のような事実があるからといって,原動機付自転車の燃料として本件燃料が販売された事実がないものと扱うことはできないし,また,原告丙が販売委託していたカナレ春日井店及び同小牧店において,本件燃料を原動機付自転車に対して販売した事実を被告らが認めていることや,証拠(乙8)によれば,原告乙の経営する給油所において本件燃料が原動機付自転車の燃料として販売された事実が認められることなどに照らすと,①ないし③のような事実があるからといって,原動機付自転車の燃料として本件燃料が販売されなかった事実を推認することもできないので,被告らの上記主張は採用できない。 イそこで,原告らによって販売された本件燃料(原告丙については,カナレ津島店分)のうち,原動機付自転車の燃料として販売された数量について検討するに,これらを直接明らかにする証拠は存在しないものの,それぞれの給油所が,販売対象車種の割合に無視し得ない偏りがあることをう 島店分)のうち,原動機付自転車の燃料として販売された数量について検討するに,これらを直接明らかにする証拠は存在しないものの,それぞれの給油所が,販売対象車種の割合に無視し得ない偏りがあることをうかがわせる地域的特徴を有することを認めるに足りる証拠がない以上,被告丙が原動機付自転車の燃料として販売されたことを自認しているカナレ春日井店及び同小牧店における販売実績の平均値を基に算定するのが経験則に沿うというべきところ,その割合は,カナレ春日井店における平成14年8月及び9月分の販売総量5万1732.2リットルのうち1526.3リットルで2.95パーセント,カナレ小牧店における同期間分の販売総量2万7218.5リットルのうち966リットルで3.55パーセントであるから,両者の平均値である3.25パーセントを基準として算定すべきである。 これを前提として,あるべき課税標準量,軽油引取税額,不申告加算金額を計算すると,別紙「認容部分一覧表」に記載したとおりとなるから,本件課税処分は,その限度では適法であるが,これを上回る部分はいずれも違法として取消しを免れない。 5 結論以上の次第で,原告らの本訴各請求は,主文第1項記載の限度で理由があるからこれらを認容し,その余は理由がないものとして棄却することとし,訴訟費用の負担につき,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条,64条,65条1項本文を適用して,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第9部裁判長裁判官加藤幸雄裁判官舟橋恭子裁判官小嶋宏幸(別表省略)(別紙)認容部分一覧表1(1) 被 裁判官舟橋恭子裁判官小嶋宏幸(別表省略)(別紙)認容部分一覧表1(1) 被告甲が原告甲に対し,平成13年7月16日付け軽油引取税等更正通知書及び軽油引取税不申告加算金決定通知書をもってした処分のうち,下記の数量,金額を超える部分アガイアックス日比野サービスステーション販売分(ア) 平成12年5月分の課税標準量15571.477リットル,軽油引取税額49万9844円,不申告加算金額5万1600円(申告税額に係るもの1万1600円,不足税額に係るもの4万円)(イ) 平成12年6月分の課税標準量17115.781リットル,軽油引取税額54万9416円,不申告加算金額5万6600円(申告税額に係るもの1万2700円,不足税額に係るもの4万3900円)(ウ) 平成12年7月分の課税標準量4321.280リットル,軽油引取税額13万8713円,不申告加算金額1万4300円(申告税額に係るもの3200円,不足税額に係るもの1万1100円)(エ) 平成12年8月分の課税標準量55674.971リットル,軽油引取税額178万7166円,不申告加算金額18万4700円(申告税額に係るもの4万1500円,不足税額に係るもの14万3200円)(オ) 平成12年9月分の課税標準量42193.545リットル,軽油引取税額135万4412円,不申告加算金額14万円(申告税額に係るもの3万1400円,不足税額に係るもの10万8600円)イガイアックス千秋サービスステーション販売分(ア) 平成12年5月分の課税標準量94842.012リットル,軽油引取税額304万4428円,不申告加算金額33万 もの10万8600円)イガイアックス千秋サービスステーション販売分(ア) 平成12年5月分の課税標準量94842.012リットル,軽油引取税額304万4428円,不申告加算金額33万0600円(申告税額に係るもの6万2900円,不足税額に係るもの26万7700円)(イ) 平成12年6月分の課税標準量73091.519リットル,軽油引取税額234万6237円,不申告加算金額25万4900円(申告税額に係るもの4万8500円,不足税額に係るもの20万6400円)(ウ) 平成12年7月分の課税標準量76624.606リットル,軽油引取税額245万9649円,不申告加算金額26万7100円(申告税額に係るもの5万0800円,不足税額に係るもの21万6300円)(エ) 平成12年8月分の課税標準量206364.624リットル,軽油引取税額662万4304円,不申告加算金額71万9600円(申告税額に係るもの13万6900円,不足税額に係るもの58万2700円)(オ) 平成12年9月分の課税標準量109951.015リットル,軽油引取税額352万9427円,不申告加算金額38万3400円(申告税額に係るもの7万2900円,不足税額に係るもの31万0500円)(2) 被告甲が原告甲に対し,平成13年7月16日付け軽油引取税等決定通知書をもってした処分のうち,下記の数量,金額を超える部分アガイアックス日比野サービスステーション販売分(ア) 平成12年10月分の課税標準量125345.062リットル,軽油引取税額402万3576円,不申告加算金額60万3400円(イ) 平成12年11月分の課税標準量134057.409リットル,軽油引取税額430万3242円,不申告加算金額64万5400円 取税額402万3576円,不申告加算金額60万3400円(イ) 平成12年11月分の課税標準量134057.409リットル,軽油引取税額430万3242円,不申告加算金額64万5400円(ウ) 平成12年12月分の課税標準量170645.492リットル,軽油引取税額547万7720円,不申告加算金額82万1500円(エ) 平成13年1月分の課税標準量144846.505リットル,軽油引取税額464万9572円,不申告加算金額69万7300円(オ) 平成13年2月分の課税標準量166595.015リットル,軽油引取税額534万7699円,不申告加算金額80万2000円(カ) 平成13年3月分の課税標準量189235.153リットル,軽油引取税額607万4448円,不申告加算金額91万1100円(キ) 平成13年4月分の課税標準量166795.422リットル,軽油引取税額535万4133円,不申告加算金額80万3100円(ク) 平成13年5月分の課税標準量179186.572リットル,軽油引取税額575万1888円,不申告加算金額86万2600円イガイアックス千秋サービスステーション販売分(ア) 平成12年10月分の課税標準量251835.876リットル,軽油引取税額808万3931円,不申告加算金額121万2400円(イ) 平成12年11月分の課税標準量235762.257リットル,軽油引取税額756万7968円,不申告加算金額113万5000円(ウ) 平成12年12月分の課税標準量282351.891リットル,軽油引取税額906万3495円,不申告加算金額135万9400円(エ) 平成13年1月分の課税標準量199763.382リットル,軽油引取税額641 課税標準量282351.891リットル,軽油引取税額906万3495円,不申告加算金額135万9400円(エ) 平成13年1月分の課税標準量199763.382リットル,軽油引取税額641万2404円,不申告加算金額96万1800円(オ) 平成13年2月分の課税標準量247569.666リットル,軽油引取税額794万6986円,不申告加算金額119万1900円(カ) 平成13年3月分の課税標準量262820.088リットル,軽油引取税額843万6524円,不申告加算金額126万5400円(キ) 平成13年4月分の課税標準量254053.570リットル,軽油引取税額815万5119円,不申告加算金額122万3200円(ク) 平成13年5月分の課税標準量261342.290リットル,軽油引取税額838万9087円,不申告加算金額125万8300円(3) 被告甲が原告甲に対し,平成13年8月22日付け軽油引取税等決定通知書をもってした処分のうち,下記の数量,金額を超える部分アガイアックス日比野サービスステーションに係る平成13年6月分の課税標準量175603.591リットル,軽油引取税額563万6875円,不申告加算金額84万5400円イガイアックス千秋サービスステーションに係る平成13年6月分の課税標準量255318.306リットル,軽油引取税額819万5717円,不申告加算金額122万9200円 2 被告乙が原告乙に対し,平成13年11月14日付け軽油引取税等決定通知書をもってした処分のうち,下記の数量,金額を超える部分(1) 平成13年2月分の課税標準量80895.577リットル,軽油引取税額259万6748円,不申告加算金額38万9400円(2) 平成13年3月分の課税標準量11 の数量,金額を超える部分(1) 平成13年2月分の課税標準量80895.577リットル,軽油引取税額259万6748円,不申告加算金額38万9400円(2) 平成13年3月分の課税標準量116139.667リットル,軽油引取税額372万8083円,不申告加算金額55万9200円(3) 平成13年4月分の課税標準量112393.507リットル,軽油引取税額360万7831円,不申告加算金額54万1000円(4) 平成13年5月分の課税標準量118288.485リットル,軽油引取税額379万7060円,不申告加算金額56万9500円(5) 平成13年6月分の課税標準量107022.915リットル,軽油引取税額343万5435円,不申告加算金額51万5200円(6) 平成13年7月分の課税標準量112254.187リットル,軽油引取税額360万3359円,不申告加算金額54万0400円(7) 平成13年8月分の課税標準量89174.475リットル,軽油引取税額286万2500円,不申告加算金額42万9300円(8) 平成13年9月分の課税標準量63044.235リットル,軽油引取税額202万3719円,不申告加算金額30万3400円 3 被告丙が原告丙に対し,平成14年2月27日付け軽油引取税等決定通知書をもってした処分のうち,有限会社カナレ米穀津島店に係る処分にして,下記の数量,金額を超える部分(1) 平成14年8月分の課税標準量105104.072リットル,軽油引取税額337万3840円,不申告加算金額50万5900円(2) 平成14年9月分の課税標準量53700.120リットル,軽油引取税額172万3773円,不申告加算金額25万8400円 (2) 平成14年9月分の課税標準量53700.120リットル,軽油引取税額172万3773円,不申告加算金額25万8400円

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