平成14(ネ)944 損害賠償等請求控訴事件

裁判年月日・裁判所
平成15年12月17日 名古屋高等裁判所 棄却 名古屋地方裁判所 平成12(ワ)2990
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判決文本文16,392 文字)

主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 控訴人(1) 原判決中,控訴人敗訴部分を取り消す。 (2) 上記取消にかかる被控訴人らの請求をいずれも棄却する。 (3) 訴訟費用は,第1,2審を通じ,被控訴人らの負担とする。 2 被控訴人ら主文と同旨第2 事案の概要 1 本件は,控訴人に雇用され,競走馬育成のための調教業務に従事していた被控訴人らの二男である亡Aが,落馬して馬に腹部を踏まれるか蹴られるかして,肝臓断裂の傷害を負い,肝損傷による出血により死亡した事故(以下「本件事故」という。)について,控訴人には安全配慮義務違反があったと主張する被控訴人らが,控訴人に対し,損害賠償を求めるとともに,控訴人が,B農業協同組合との間で,亡Aを被共済者,被控訴人らを受取人,受取人代表者を被控訴人Cとして締結していた傷害共済契約に基づく共済金について,控訴人が,B農業協同組合をして共済金から一定額を控除した額を被控訴人Cに送金させ,控除額を控訴人に送金させたことは,不法行為又は不当利得に該当すると主張して,被控訴人Cが,控訴人に対し,損害賠償又は不当利得の返還を求めたものである。 原審は,本件事故の発生につき控訴人に安全配慮義務違反があったものと認定し,控訴人は,被控訴人らに対し,それぞれ3278万9959円及び同金員に対する平成12年7月10日から各支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払の限度で被控訴人らの請求を認め,その余の請求は理由がないとして棄却し,B農業協同組合の共済金については控訴人に違法な侵害行為とか不当利得はないとして被控訴人Cの請求 分の割合による遅延損害金の支払の限度で被控訴人らの請求を認め,その余の請求は理由がないとして棄却し,B農業協同組合の共済金については控訴人に違法な侵害行為とか不当利得はないとして被控訴人Cの請求を棄却したところ,控訴人が控訴したものである。したがって,当審における審理の対象は控訴人の安全配慮義務違反による損害賠償請求権の有無である。 2 争いのない事実等,争点(当事者の主張を含む。)は,次のとおり当審主張を付加するほか,原判決の「第2 事案の概要」の各該当欄に記載のとおりであるから,これを引用する(但し,原判決24頁14行目から28頁16行目までを除く。)。 3 控訴人の当審主張(1) 原判決は,本件事故の背景事情として「キャンターによる騎乗を本格的に経験したことはなかったために,そのような場合に亡Aが慌ててしまうのは当然というべきである」との観念に基づき,「馬が暴走状態になっても慌てることなくこれを制御できる技量を有することを見極めた上で,亡Aを競走馬の調教業務に従事させるべき使用者としての安全配慮義務を負う」とする。 しかし,馬が生き物である以上,これに騎乗する人間がその動静を完全に管理,制御することは熟達の程度にかかわらず困難なのであって,いわゆる「かかったとき」の制御も騎乗の実体験の中でその方法,感覚を習得していくしかない。 したがって,そのダクの騎乗練習に「先立って」馬が「かかり」,キャンターなみのスピードになったときに落ち着いて対処できるだけの技量を備えさせなければならないということは,その技量が十分に備わるまではダクの騎乗訓練には乗せてはならないという論理矛盾をおかしているばかりでなく,騎乗訓練の方法論としても無意味である。 ダクの練習のときに,馬がかかってしまい,ダクをし続けるという基礎条件が部分的に欠けるこ 練には乗せてはならないという論理矛盾をおかしているばかりでなく,騎乗訓練の方法論としても無意味である。 ダクの練習のときに,馬がかかってしまい,ダクをし続けるという基礎条件が部分的に欠けることがあり得るが,これは馬という生き物の騎乗練習に本質的に内在する特性であって,これが,スキーの練習や自動車の練習というような,練習の条件ないし環境を人為的に一定の状態に限定することができるものとの本質的差異である。この点に関しての基本的理解が欠如している限り,競走馬の育成牧場における馬の騎乗ないしその雇用者としての安全配慮の当否を論ずることはできない。 一般に馬が「かかったとき」の制御・対処方法は,手綱をより強く引くことによって馬の口に装着されている金具であるハミにその力を伝え,馬にブレーキをかけ,馬の感情を抑止し,沈静化するのを待つしかないものであって,特段の高等技術を要するものではなく,馬の騎乗体験を積み重ねることによって習得してゆくほかないのである。さらに馬がかかったときに落馬を防止するための対処方法は,手綱を引くとともに,馬のたてがみや馬の首に巻いているロープを掴むなどして,バランスを取りながら落馬を避けること,また万が一落馬した場合に備えて足を鐙には深く入れないなどであって,それ以上の防止策は存在せず,実際には,落馬の防止体験や落馬自体の体験を通じて,身をもって習得していくしかない。 なお,騎乗馬からの落馬自体は決して珍しいことではなく,騎乗の初級者はもとより,熟練の調教師やプロの騎手に至るまで,落馬に遭遇することは避けられるものではない。 (2) 原判決は,本件事故時の騎乗を「調教業務」という視点でのみ捉え,亡Aの「騎乗訓練」であるとの側面を軽視ないし無視している。 平成11年2月2日から始まる亡Aの就労の実際は,控訴人 はない。 (2) 原判決は,本件事故時の騎乗を「調教業務」という視点でのみ捉え,亡Aの「騎乗訓練」であるとの側面を軽視ないし無視している。 平成11年2月2日から始まる亡Aの就労の実際は,控訴人においては亡Aを一人前の調教牧夫として成長させるため,亡Aにおいて志望している騎手へのステップとして位置づけられていたものであって,騎乗馬にとっての調教目的の達成は,あくまでかかる騎乗訓練の結果に過ぎないのである。 原判決は,前日までの角馬場における単独のダクの騎乗訓練と事故当日の円形馬場における部班制でのダクの騎乗訓練に質的差異があるかのように理解しているようであるが,安全管理面,騎乗訓練としての効用,調教としての効用のどれをとっても,両者の間には何ら本質的な差異はなく,亡Aにとってはあくまで騎乗訓練でありながら,同時に馬にとっては調教としての効用を受けるものであって,原審はかかるごく明快な相互関係の理解を欠いたものと言わざるを得ない。 場長たるDが亡Aの騎乗する馬の選定や集団騎乗における配置を考慮し,かつダクまでの騎乗に留めるという目的意識の由来は,亡Aの騎乗訓練であることを意図していたからに他ならないのである。そして,ダクによる集団的な騎乗は,訓練として最も有効かつ安全な方策である。 (3) 原判決は,「騎乗を前提とする業務に従事する以上落馬が避けがたいのであれば,そこまでの技量を有しないものであればなおさらのこと,落馬したときの危険防止のために防護服を着用させるべき使用者としての安全配慮義務を負っていたものと認めるのが相当である。」として防護服を着用させなかった控訴人の責任を認めている。 ア防護服の着用につき,原判決は,以下の諸事情を根拠にして,控訴人の主張を排斥した。 (ア)「乙14によれば,日本中央競馬会競馬施行規程は,本 て防護服を着用させなかった控訴人の責任を認めている。 ア防護服の着用につき,原判決は,以下の諸事情を根拠にして,控訴人の主張を排斥した。 (ア)「乙14によれば,日本中央競馬会競馬施行規程は,本件事故当時において,平地競走に比べ落馬等の危険性の高い障害飛越競走において,防護服の着用を義務づけていたことが認められる。そうすると,防護服の着用によりかえって落馬を招きかねないものと認めることはできない」(原判決36頁)(イ)「甲15,20によれば,腹部まで防護する防護服があることが認められ,また,前記認定のとおり,日本中央競馬会競馬施行規程が騎手に対し一定の場合に防護服の着用を義務づけているが,それは落馬等の事故発生時の被害を軽減する効果があることによるものであることは明らかというべきであって,亡Aが防護服を着用していなかったことが亡Aが死亡するに至った原因の一つであると優に推認することができる」(原判決36頁)イしかし,上記原判決の論旨はいずれも承服できない。 (ア) 障害飛越競走において防護服の着用を義務づけているのは,平地競走と異なり,障害の飛越の際に馬自身が障害に足を取られ,又は障害をジャンプした後の着地の際に馬自らバランスを崩して馬自体が転倒する可能性が高いことから,騎乗者の馬上での操作性を犠牲にしてでも防護服を着用させることの安全性を優先させたということに過ぎない。着用により騎乗時の動きがぎこちなくなり,却って騎乗者自らの落馬を招きかねないとする控訴人の従来からの主張と抵触するものではない。 なお,日本中央競馬会におけるレースの際の防護服の着用義務は,まず平成7年に障害飛越競走のみについて制定実施されたが,一般の平地競走においては,やはり馬上での操作性の問題から騎手の間で防護服の着用に対する抵抗が強く,競馬会では約3 の際の防護服の着用義務は,まず平成7年に障害飛越競走のみについて制定実施されたが,一般の平地競走においては,やはり馬上での操作性の問題から騎手の間で防護服の着用に対する抵抗が強く,競馬会では約3年の歳月をかけて,その素材や形状を改良改善し,試作品を試着したうえでの騎乗を何回も経て,ようやく平成13年になって,レース中の着用が義務化されたものである。 また,競馬会管理下の各競馬場におけるトレーニングのための馬場使用に関する規則たる「日本中央競馬会馬場使用基準」においては,その13,14条において,保護帽(ヘルメット)についての規定はあるものの,防護服(中央競馬会においては保護ベストと呼ばれている)に関する規定は現在においても存在していない。 (イ) 甲15の防護服は,あくまで乗馬クラブ用のものであり,騎乗にあたって前傾姿勢を取らざるを得ない調教現場では,腹部まで覆う防護服では余りに動きが取りづらく,採用されていないのが実状である(乙8の8,9頁)。競走馬用の防護服は前傾姿勢をとって騎乗する関係上,あばら骨が隠れる程度のサイズであって,仮に騎乗者が仰向けに倒れた場合に腹部のかなりの部分は実際には保護されないことになり,仮に防護服を着用していた場合であっても,死亡という結果が避けられたといいうるかどうかは極めて疑問がある。 確かに,一般論としては防護服が落馬時における身体への負荷を軽減し,加わる重力の緩衝用として有用なものであることは否定し得ない。 しかしながら,ウレタン素材でできている防護服が馬体重400キロを超える馬に踏まれ,あるいは蹴られた場合に,その本来の効用を発揮し,死亡という事態を防止できたか,また上記の通り転倒の際に腹部を保護できたのかどうかについては大いに疑問である。 (ウ) 仮に防護服を着用することによって,亡 は蹴られた場合に,その本来の効用を発揮し,死亡という事態を防止できたか,また上記の通り転倒の際に腹部を保護できたのかどうかについては大いに疑問である。 (ウ) 仮に防護服を着用することによって,亡Aの死亡が回避できたものとしても,一律に着用を騎乗者に義務づけることは,現下の育成牧場における使用実態に照らし,過大な義務を課すものとの謗りを免れないものというべきである。 医療過誤訴訟において医師の責任の有無を分かつ基準は「当時の臨床医学の実践における医療水準」にあることは裁判所にとって顕著な事実と思われる。 そして,このことは育成牧場における安全配慮義務の存否をも分かつ基準として念頭に置かれるべきである。本件事故が発生した平成11年3月当時,他の育成牧場で防護服が着用されているとの実態がなく,より危険な競馬レースにおいても着用が義務づけられておらず,本件事故前後を通じて,労働基準監督署からの防護服着用の指導も皆無という状況下において,また馬が落馬した騎乗者の身体を踏みつけたり,蹴飛ばしたりすることは希有のことと受け止められているなかで,騎乗者の柔軟な操作や行動が妨げられ,却って落馬を引き起こしかねないとの判断のもとに,あえて着用させなかった控訴人に,結果的に亡Aが死亡したとの事実のみを重視してかかる義務を負わせることは,余りに過酷であって,もはや結果責任の範疇として受け止めざるを得ないものである。 なお,調教の現場において防護服が着用されていない実態については,乙8のほか,乙10ないし12の写真によって明らかである。 (4) 原判決は,落馬という事態が前提に意識されているとはいえ,亡Aの死亡が騎乗馬に腹部(肝臓所在個所)を踏みつけられるか,蹴られるかした結果によるものとの事実を過小に評価している。 馬は,その習性から転倒し ,落馬という事態が前提に意識されているとはいえ,亡Aの死亡が騎乗馬に腹部(肝臓所在個所)を踏みつけられるか,蹴られるかした結果によるものとの事実を過小に評価している。 馬は,その習性から転倒している人間を踏みつけたり,蹴ったりはしないものであって,かかる事態が起こり得ることの予見や結果回避義務まで育成牧場に課すとすれば,育成牧場の存在自体を否定することにならざるを得ない。 けだし,本件のごとき場合に予見並びに結果回避義務を課すとするなら,転倒した人間の顔面や首筋(既存の防護服によっては覆うことのできない個所)を踏みつけることも可能性としては否定できないから,かかる事態についても防止のための措置を講ぜざるを得ないが,この場合,馬に人を乗せないこと以外には方法がないのであって,育成牧場の経営を断念せざるを得ないのである。 原判決は,かような不可抗力的事態についての認識を欠落させ,具体的根拠もないままに防護服の一般的効用(衝撃緩衝効果)のみを根拠にして,その着用により亡Aの死亡は防止し得たとするものである。 (5) 原判決は,控訴人の責任の有無を判断するに当たって,亡Aが将来騎手になることを夢見て,控訴人牧場に就職を希望して採用されたものであるとの事実を格段考慮した形跡が窺われない。 個人が趣味として危険を伴う騎乗を楽しむことと,騎乗を職業にすることとの間には,その法的関係につき差異があり,後者の場合には,その使用者に従業員に対する安全配慮義務がある。 しかしながら,前者の場合に適用すべき準則,すなわち「自己責任」(ないし,英米法上の「危険の引き受けの抗弁(アサンプション・オブ・リスク)」)という観点を後者の場合においても加味して安全配慮義務の具体的内容が判断されるべきである。損害賠償制度における損害の衡平な分担という理念は, 「危険の引き受けの抗弁(アサンプション・オブ・リスク)」)という観点を後者の場合においても加味して安全配慮義務の具体的内容が判断されるべきである。損害賠償制度における損害の衡平な分担という理念は,損害論の領域においてのみ妥当するものとは考えられず,責任論の分野においても,かかる理念を念頭においた検討が加えられてしかるべきである。 控訴人の場長であるDは,亡Aが乗馬クラブでの騎乗経験を有し,かつ騎手を志望していることを踏まえながらも,牧場という新たな環境への親和を先行させた上,騎乗訓練も亡Aの力量を見定めながら段階的に行ったものである。 そして,力量の評価や訓練方法には定量的,定性的判断基準がなく,基本的にDを通じた控訴人の裁量的判断に委ねざるを得ないものであって,現下の育成牧場における騎乗訓練の実状に照らし,亡Aの力量の評価や騎乗訓練の方策に不合理や危険性があるという特段の事情が認められない限り,亡Aは自らの「自己責任」の内容として,かかる控訴人の指示に従い,かつその指示に基づく騎乗の結果として落馬に至ったとしても,落馬の危険を本質的に有している職場への就職を自らの意思で決断した以上,かかる事態を自らの選択の結果であるとして,これを受容すべきであるとの規範による制約を受けるものと考えるべきである。 (6) 原判決は,亡Aの力量を殊更過小評価している。 亡Aは,地元の乗馬クラブにおいて6か月間,週2回のペースで騎乗練習を行っていたものである(甲18の3には「騎乗回数は40-50鞍くらい」とある)。通常の運動神経と騎乗に必要な基礎体力を有する少年が,このようなペースで6か月間も乗馬クラブにおいて騎乗を行っていた場合には,極く自然に騎乗技術が身に付くものと言えるのであって(乙8の7-8頁),かかる基礎的な騎乗の技量は控訴人牧場にお する少年が,このようなペースで6か月間も乗馬クラブにおいて騎乗を行っていた場合には,極く自然に騎乗技術が身に付くものと言えるのであって(乙8の7-8頁),かかる基礎的な騎乗の技量は控訴人牧場における騎乗訓練のプログラムの設定においても考慮に入れられてしかるべきものである。 ところで,当時のD場長は,牧場生活や基礎的な騎乗訓練の場における亡Aの馬の接し方,馬の扱い方,馬上での動作などをつぶさに観察し(一連の動的観察である),新人牧夫とは思えないほどのスムーズで手慣れた馬の取り扱いと適切な騎乗動作を確認したうえで,部班での騎乗訓練に移行するに十分な基礎的技量ありと判断したものであって,特段の理由がない限り,かかる判断自体を非難することはできないものと言うべきである。 ところが,原判決は,被控訴人が主張した「キャンターの経験が就職直前の1回しかない」「騎乗技術は極めて未熟」「所詮子供である」「子供にプロの業務をさせたのは不適切」といった趣旨の歪められた説明に引きずられたためか,亡Aの力量を殊更に過小評価したものであって到底是認することができない。 D場長は,事実,本件事故発生直前の亡Aが正しい騎乗姿勢を維持していたことを確認しており,原判決の認定するような「慌ててしまったのは当然」という状況は少なくとも外形的には全く見られなかったものであって,証拠に基づかない素人的憶測の域を出ないものと指摘せざるを得ない。 亡Aがダクまでの基礎的な騎乗技術を十分に有していたことは,本件事故発生までの間,落馬やそれに近い事態の発生が全くなかったことからも明らかであって,本件落馬の原因を亡Aの技量不足に求めることはできないものと言わざるを得ないし,かような誤った認識に立つ原判決は,到底甘受し難いものである。 (7) 原審におけるE証人の信用性につい 明らかであって,本件落馬の原因を亡Aの技量不足に求めることはできないものと言わざるを得ないし,かような誤った認識に立つ原判決は,到底甘受し難いものである。 (7) 原審におけるE証人の信用性について原判決は,亡Aの技量の評価や騎乗訓練の有り様等に関して,控訴人提出の広瀬陳述書を一顧だにせず,「まず結論ありき」の観点から,その判断を支えるに都合の良いE陳述書やE証人の証言等に顕れた字面を表面的に援用したに過ぎないものであって,その信用性に関して十分な吟味はされていない。 育成・乗馬の実際やその有り様に関するE陳述書や証言内容も,斯界における一般的・標準的理解とかけ離れ,被控訴人の主張に沿うことのみに傾斜した独自の見解というべきものであって,到底措信することができない。 4 被控訴人らの応答(1) 控訴人の第1の主張は,「ダクよりも先にキャンターの訓練をするように求めるのは,論理矛盾である。」というものである。 しかしながら,これは的はずれの主張である。被控訴人らの主張は,「ダクよりも先にキャンターをマスターせよ。」というものではない。 被控訴人らは,とりあえず,ダクの調教業務に従事するに先立って,調馬索を利用するなどして騎乗馬をコントロールしうる状態の下で,指導者とマンツーマンで,キャンターの歩様を体験させるとともに,ダクとキャンターとの扶助の違いを教え,ダクからキャンターへの出し方,キャンターからダクへの戻し方等について,基礎的な訓練を行ってから,ダクの集団(部班)による調教業務に従事させる義務があった,と主張しているのである。 業務全般の前提となる基礎的訓練を行ってから,簡単な業務から開始してゆくことが,新人育成の常識であろう。 控訴人は,上記の被控訴人らの主張を意図的に曲解して,論理矛盾だ,と非難しているので 業務全般の前提となる基礎的訓練を行ってから,簡単な業務から開始してゆくことが,新人育成の常識であろう。 控訴人は,上記の被控訴人らの主張を意図的に曲解して,論理矛盾だ,と非難しているのである。 (2) 控訴人の第2の主張は,本件事故発生時に行われていたダクの集団による調教業務について,これを亡Aの騎乗訓練と捉え,この騎乗訓練については,「前日までの各馬場における単独の騎乗訓練と,事故当日の円形馬場における部班性でのダクの騎乗訓練には,・・(中略)・・本質的な差異はない。」とするものである。 しかし,この控訴人の主張は失当である。 前日までの単独の騎乗訓練の場合には,指導者が綱を持ち,あるいは亡Aとその騎乗馬の挙動を常に注視し声を掛けるなどして,その指導者であったD場長においては,亡Aの騎乗馬をコントロールし,仮に異常が認められる場合には,直ちに亡Aの騎乗馬を抑止できる体制を整えた上での騎乗訓練だったものである。 しかるに,事故当日の集団による調教業務(騎乗訓練)の場においては,亡Aの騎乗馬を指導者が常にコントロールできる状況にはなかったのである。特に,事故発生時には,D場長は先頭に立ち,亡Aやその騎乗馬を注視することもない場所にいたのである。そのため,本件事故発生時には,亡Aの騎乗馬だけがコントロールが効かずに走り出してしまったのであるが,この異変を,指導者であるD場長は,事前に抑止できなかったのである。 上記のように,亡Aの騎乗馬を常にコントロールできる状態においているか否か,という点において,両者(すなわち,前日までの各馬場における単独の騎乗訓練と,事故当日の円形馬場における部班性でのダクの騎乗訓練と)は,決定的に相違している。 被控訴人らは,亡Aの騎乗馬が,指導者から常にコントロールされていない状態で の各馬場における単独の騎乗訓練と,事故当日の円形馬場における部班性でのダクの騎乗訓練と)は,決定的に相違している。 被控訴人らは,亡Aの騎乗馬が,指導者から常にコントロールされていない状態でダクの訓練をする場合には,その前提として,前項に述べた,調馬索などを使用したキャンターの初歩的訓練を加えておくべきであった,と主張している。控訴人に無理を言っているもの,という評価は,およそなしえない。 (3) 控訴人の第3の主張は,防護服が事故防止に有用ではなく,競走馬育成の現場では使われていなかった,とするものである。 しかし,控訴人自身も認めているように,既に平成7年の時点で,日本中央競馬会が,障害飛越競争において,防護服の着用を義務づけていたことは,事故防止に対する防護服の有用性が承認されていた何よりの証左である。 また,甲21の1ないし3,甲21の9の写真によって判明するように,小牧市近郊の競走馬育成牧場においては,使い古された腹部まで覆うことのできる防護服が用意され,かつ,その防護服が調教時に使用されていることが認められる。 さらに,かような防護服を着用していたならば,仮に,騎乗者が騎乗馬に踏まれ(もしくは蹴られ)た場合において,その圧力が分散され,本件事故の場合のような「肝臓が鋭利に断列される」などという最悪の結果が発生することを防止できる蓋然性が高かったことは,経験則上明らかである。 控訴人においては,事故当時,防護服を準備さえしていなかったのであり,控訴人が,本件事故発生以前において,事故防止につき,何の注意も配慮もしていなかったことを物語るものである。 (4) 控訴人の主張する「自己責任」「危険の引受の抗弁」は,控訴人の安全配慮義務を全て免責するものではあり得ない。 控訴人は,たった2日半のマンツーマンの練習で, かったことを物語るものである。 (4) 控訴人の主張する「自己責任」「危険の引受の抗弁」は,控訴人の安全配慮義務を全て免責するものではあり得ない。 控訴人は,たった2日半のマンツーマンの練習で,亡Aを,騎乗馬が指導者によってコントロールされていない状態での調教業務に従事させたものである。これは,いかにも性急であったとのそしりを免れないであろう。 本件事故は,亡Aに,マンツーマンで指導者に騎乗馬がコントロールされた状態の下における練習をおこない,亡Aにキャンターの歩様に慣れさせ,キャンター状態の騎乗馬に慌てずに乗り続けていられるだけの訓練を加えていれば,避けられた蓋然性は極めて強いのである。 しかも,上記の配慮は,控訴人にとって,何の設備も投資も要しない,極めて簡単に行うことのできる事故防止に向けた配慮であった。 しかるに,控訴人においては,このように簡単な配慮を欠いた結果,本件事故を惹起せしめたのであるから,極めて重大な責任があるものであり,上記の状況において,亡Aが負担ないし引き受けるべき責任や危険は,およそ存在しない。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も,被控訴人らの請求は,それぞれ3278万9959円及び同金員に対する平成12年7月10日から各支払済みまで年5分の割合による金員の支払を求める限度で認容すべきであるものと判断するが,その理由は,次のとおり付加訂正するほか,原判決の「第3 争点に対する判断」の1,2に記載のとおりであるから,これを引用する。 2(原判決の付加訂正)(1) 原判決28頁21行目の「証人」を「原審及び当審証人」と,同頁22行目の「同」を「原審証人」と,それぞれ改める。 (2) 原判決32頁18行目の「調馬策」を「調馬索」と改める。 (3) 同32頁19行目の次に,改行して,次のように付加する。 当審証人」と,同頁22行目の「同」を「原審証人」と,それぞれ改める。 (2) 原判決32頁18行目の「調馬策」を「調馬索」と改める。 (3) 同32頁19行目の次に,改行して,次のように付加する。 「D場長が未経験者の新人牧夫に騎乗訓練をした経験からすると,平均的には,並足での歩行訓練は1週間ないし10日程度であり,次にD場長が引き綱を持ってダクの訓練を1か月程度であった。但し,個人差によりもっと長くも短くもなった(当審証人D)。」(4) 同33頁22行目冒頭から34頁2行目末尾までを次のように改める。 「また,前記認定のとおり,亡Aは,控訴人に就業以来16日間連続勤務で休日がなく,かつ,同月14日から17日にかけては他の牧夫と同一の内容の騎乗訓練をしたものであって,亡Aが未だ15歳であり,親元を遠く離れた新しい生活環境に入ったばかりであったことからすれば,亡Aは相当程度疲労していたものと推認することができる。証人Dは原審において,亡Aは疲労しているとはみえなかった趣旨の証言をしているが,上記亡Aがおかれた状況に鑑みれば同証言を採用し難く,他に同推認を覆すに足りる証拠はない。したがって,亡Aが疲労していた状況にあったことも本件事故の原因であるとするのが相当である。」(5) 同34頁7行目の「見極めた上で,」を,「見極め,かつ,亡Aの疲労状況など体調を考慮して,」と改める。 (6) 同34頁22行目の「させないまま」の次に,「,またその体調に配慮しないまま,」と付加する。 (7) 同34頁24行目の「いわざる得ず」を,「いわざるを得ず」と改める。 (8) 同35頁8行目の「被告」から11行目の「ところ,」までを削除する。 3(控訴人の当審主張について)(1) 控訴人は,馬が生き物である以上,これに騎乗する人間がその動静を完全に管理, (8) 同35頁8行目の「被告」から11行目の「ところ,」までを削除する。 3(控訴人の当審主張について)(1) 控訴人は,馬が生き物である以上,これに騎乗する人間がその動静を完全に管理,制御することは熟達の程度にかかわらず困難なのであるから,原判決がいうように,ダクの騎乗練習に先立って,馬がかかってキャンターなみのスピードになったときに落ち着いて対処できるだけの技量を備えさせなければならないということは,その技量が十分に備わるまではダクの騎乗訓練には乗せてはならないという論理矛盾をおかしているばかりでなく,騎乗訓練の方法論としても無意味である旨主張する。 しかしながら,前記(引用にかかる訂正後の原判決)のとおり,亡Aが控訴人に就業する前は約半年の間に平均週2,3回,1日の騎乗は30分間1鞍との乗馬経験しかなく,他方,他の競走馬育成牧場においては,実際の競走馬の調教業務に従事するまで最低4,5週間から最長1年程度の訓練期間をとっているところがあることに照らし,また,亡Aが新しい環境で16日間連続勤務し,疲労した状態にあったとみられることからすれば,亡Aには,本件事故時に,競走馬の調教業務に従事中に騎乗馬がキャンターなみの速度で暴走した場合,これを落ち着いて制御できるような技量が十分には備わっていなかったものと認めるのが相当であり,そのような状態の亡Aを,防護服を着用させないまま,1周約300メートルの屋内円形馬場における集団によるダクまでの調教に従事させたことについて,控訴人には使用者としての安全配慮義務に違反した点があったと認められる。 控訴人は,原判決がダクの騎乗練習に先立って馬がかかってキャンターなみのスピードになったときに落ち着いて対処できるだけの技量を備えさせなければならない旨判示したかの主張をするが,上記の られる。 控訴人は,原判決がダクの騎乗練習に先立って馬がかかってキャンターなみのスピードになったときに落ち着いて対処できるだけの技量を備えさせなければならない旨判示したかの主張をするが,上記のとおり,そのような技量を充分備えておらず,かつ,疲労した状態にあった亡Aを,防護服を着用させないまま,集団によるダクの調教に従事させたことが安全配慮義務違反となると判断したものであって,上記技量を充分備えるまではダクの騎乗訓練をさせてはならないとしているものではない。控訴人の同主張は採用できない。 (2) 控訴人は,原判決が本件事故時の騎乗を亡Aの騎乗訓練であるとの側面を軽視ないし無視している,前日までの角馬場における単独のダクの騎乗訓練と事故当日の円形馬場における部班制でのダクの騎乗訓練に質的差異があるかのように理解しているが,しかしながら,安全管理面,騎乗訓練としての効用,調教としての効用のどれをとっても,両者の間には何ら本質的な差異はない旨主張する。 しかしながら,前記(引用にかかる訂正後の原判決)のとおり,同月16日までは単独での騎乗訓練であり,D場長が引き綱を持ち,あるいは亡Aとその騎乗馬の挙動を見守っていたのであって,D場長において,亡Aの騎乗を見守り,仮に異常が認められれば直ちに亡Aの騎乗馬を抑止できる体制をとっていたと考えられる。しかるに,本件事故当日の集団による調教業務(騎乗訓練)においては,D場長は,亡Aを2列縦隊の2列目の内側に配置し,自らは前列,同列,後列と位置を移動し亡Aの騎乗姿勢を確認していたものの,亡Aの騎乗を常に注視することはできない状況であったと考えられ,亡Aの騎乗馬をD場長が常にコントロールできる状況にはなかったものである。したがって,前日までの角馬場における単独のダクの騎乗訓練と事故当日の円形馬場にお することはできない状況であったと考えられ,亡Aの騎乗馬をD場長が常にコントロールできる状況にはなかったものである。したがって,前日までの角馬場における単独のダクの騎乗訓練と事故当日の円形馬場における部班制でのダクの騎乗訓練とに,何ら本質的な差異がないとはいえない。 (3) 控訴人は,原判決が,控訴人には,使用者として危険防止のために防護服を着用させるべき安全配慮義務があったと判示したことを非難する。 しかしながら,前記(引用にかかる訂正後の原判決)のとおり,日本中央競馬会競馬施行規程は,本件事故当時において,平地競走に比べ落馬等の危険性の高い障害飛越競走において,防護服の着用を義務づけており,防護服の着用によりかえって落馬を招きかねないものと認めることはできず,また,腹部まで防護する防護服があったことが認められる。そして,日本中央競馬会競馬施行規程が騎手に対し一定の場合に防護服の着用を義務づけていること等によれば,防護服の着用が落馬等の事故による被害を軽減する効果があることは明らかであって,防護服の不着用が亡A死亡の原因の1つであると推認することができ,これを覆すに足りる証拠はない。 控訴人は,本件事故当時,他の育成牧場で防護服が着用されているとの実態がない旨主張し,乙19の1ないし23,乙20によれば,本件事故当時は多くの育成牧場においては防護服が備えられていなかったことが認められるが,上記のとおり,防護服の着用が落馬等の事故による被害を軽減することは明らかであるから,上記事実があることによって上記のとおり判示することが不当であるとはいえない。控訴人の同主張は採用できない。 (4) 控訴人は,原判決が,亡Aの死亡が騎乗馬に腹部(肝臓所在個所)を踏みつけられるか,蹴られるかした結果によることを過小に評価しており,このような不可 はいえない。控訴人の同主張は採用できない。 (4) 控訴人は,原判決が,亡Aの死亡が騎乗馬に腹部(肝臓所在個所)を踏みつけられるか,蹴られるかした結果によることを過小に評価しており,このような不可抗力的事態については,亡Aの死亡は防止できなかった旨主張する。 たしかに,騎乗した馬自体が落馬した騎乗者の腹部を踏み付ける,あるいは蹴るということは,あまり考えられる事態ではないとみられるが,しかしながら,前記(引用にかかる訂正後の原判決)のとおり,本件事故の状況は,亡Aの騎乗馬が2列縦隊の集団からキャンターなみの速度で暴走し,他の騎乗者は,馬を反転させ,逆回りに移動して円形馬場の4分の1周ほど行ったところで,亡Aが外側の壁際で,ずり落ちるように落馬したのを目撃しており,その際に亡Aが騎乗馬自体に踏み付けられるか蹴られるかしたものであって,とくに異常な落馬状況であったとはいえず,騎乗の仕方しだいではあり得ない事態ではなかったものであり,不可抗力とはいえないとするのが相当である。 (5) 控訴人は,亡Aの自己責任ないし危険の引き受けという観点を加味して安全配慮義務の具体的内容を判断すべきであると主張する。 確かに,育成牧場における調教業務(騎乗訓練)は落馬等の危険を伴うものではあり,亡Aがこのような危険を有する職場への就職を自らの意思で決断したものではあるが,危険を有する職場において従業員を就業させる使用者はその危険から従業員の身体生命健康を守るため従業員に対し安全配慮義務を負うのであって,従業員が自らの意思で決断して危険な職場に就職したことをもって,自己責任ないしは危険の引き受けとし,安全配慮義務を免れるものではない。 前記(引用にかかる訂正後の原判決)認定のとおり,競走馬の調教業務に従事中に騎乗馬がキャンターなみの速度で暴走した場合, ,自己責任ないしは危険の引き受けとし,安全配慮義務を免れるものではない。 前記(引用にかかる訂正後の原判決)認定のとおり,競走馬の調教業務に従事中に騎乗馬がキャンターなみの速度で暴走した場合,これを落ち着いて制御できるような技量が十分に備わっていない亡Aを,防護服を着用させないまま,集団によるダクまでの調教に従事させたのであるから,控訴人主張の自己責任ないし危険の引き受けの観点を考慮しても,控訴人には使用者として安全配慮義務違反があったと認められる。 (6) 控訴人は,原判決が亡Aの力量を殊更過小評価している旨主張する。 しかしながら,前記(引用にかかる訂正後の原判決)認定のとおり,亡Aが控訴人に就業する前は約半年の間に平均週2,3回,1日の騎乗は30分間1鞍しか乗馬経験がなかったものである。控訴人は,上記程度の経験があれば,通常の運動神経と騎乗に必要な基礎体力を有する少年なら,極く自然に騎乗技術が身につくもので,かかる基礎的な騎乗の技量は控訴人牧場における騎乗訓練のプログラムの設定においても考慮に入れられてしかるべきであると主張するが,亡Aは,控訴人に就業して僅か16日間であり,しかも,騎乗訓練に入ったのは4日目にすぎなかったこと,他の競走馬育成牧場においては,実際の競走馬の調教業務に従事するまで最低4,5週間から最長1年程度の訓練期間をとっているところがあることからすれば,上記乗馬クラブにおいての6か月間の経験があったこと,D場長が亡Aの騎乗訓練を見守っていたことがあったとしても,騎乗訓練の4日目に,防護服を着用させないまま,疲労した状態で,屋内円形馬場における集団によるダクまでの調教に従事(騎乗訓練)させたことには,安全配慮義務違反があるといわざるを得ない。 (7) 控訴人は,原判決が,亡Aの技量の評価や騎乗訓練の有り様等 た状態で,屋内円形馬場における集団によるダクまでの調教に従事(騎乗訓練)させたことには,安全配慮義務違反があるといわざるを得ない。 (7) 控訴人は,原判決が,亡Aの技量の評価や騎乗訓練の有り様等に関して,E陳述書やE証人の証言等に顕れた字面を表面的に援用したに過ぎないものであって,その信用性に関して十分な吟味はされていない,育成・乗馬の実際やその有り様に関するE陳述書や証言内容も,斯界における一般的・標準的理解とかけ離れた独自の見解というべきものである旨主張する。 しかしながら,前記(引用にかかる訂正後の原判決)のとおり,原審における証人Eの証言により認定された事実は,前記引用にかかる原判決の第3の1(1)アの事実(亡Aは,中学校3年生であった平成9年12月ころから,中央競馬の騎手になることを希望するようになり,高校を中退して,平成10年6月から,F乗馬協会で,乗馬の練習をするようになった。練習馬場は,直径約14メートルの円形馬場であり,騎乗馬は,牡12歳のサラブレッドであった。最初は週1回(騎乗時間は10分間から30分間),同年7月からは週2回くらいの乗馬練習を行い,同年12月までの半年ほどの間に,平均週2,3回,1日の騎乗は30分間1鞍という乗馬経験を積んだ。亡Aの習得技術は,ダクまでであり,キャンターの練習に入る段階ではなかったが,上記の乗馬教室の主催者であるEが,亡Aの育成牧場への就職希望を聞いて,キャンターの動きを体験させるため,調馬索を用いてキャンターの体験をさせたことがあった。)であって,控訴人が指摘するような,亡Aの技量の評価,騎乗訓練の有り様,育成・乗馬の実際やその有り様について認定してはおらず,控訴人の同主張は採用できない。 4 よって,原判決は相当であって,控訴人の本件控訴は理由がないからこれを棄却すること の評価,騎乗訓練の有り様,育成・乗馬の実際やその有り様について認定してはおらず,控訴人の同主張は採用できない。 4 よって,原判決は相当であって,控訴人の本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 名古屋高等裁判所民事第3部裁判長裁判官青山邦夫裁判官藤田敏裁判官榊原信次

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