平成14(ワ)20611 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
平成16年6月11日 東京地方裁判所
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判決文本文35,579 文字)

平成14年(ワ)第20611号損害賠償請求事件(口頭弁論終結の日平成16年2月17日)判決原告 A同訴訟代理人弁護士對﨑俊一被告シチズン商事株式会社同訴訟代理人弁護士篠崎正巳 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 原告の請求被告は,原告に対し,2400万円及びこれに対する平成14年2月27日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 原告は,「AEROBATICS」,「アエロバティックス」及び別紙標章目録1記載の標章(以下「ウイングマーク」という。)の各表示(以下,これら3つの表示を総称して「本件各表示」という。)を用いた曲技飛行競技会「FAIWORLDGRANDPRIXOFAEROBATICS」(以下「本件競技会」という。)の開催に携わる者であり,別紙原告商標目録記載の商標(以下「原告商標」という。)につき商標権(以下「原告商標権」という。)を有する。 本件において,原告は,被告が,商品名を「AEROBATICSMODEL」とする腕時計(以下「被告製品」という。)に別紙標章目録2記載の標章(以下「被告ウイングマーク」という。)を付して販売する行為が,原告の周知商 ,被告が,商品名を「AEROBATICSMODEL」とする腕時計(以下「被告製品」という。)に別紙標章目録2記載の標章(以下「被告ウイングマーク」という。)を付して販売する行為が,原告の周知商品等表示を使用した不正競争行為,原告商標権についての商標権侵害に該当すると主張して,損害賠償2400万円及び遅延損害金の支払を求めている(不正競争行為の主張につき不正競争防止法2条1項1号,4条,5条3項1号,商標権侵害の主張につき商標法38条3項)。 2 前提となる事実(当事者間に争いのない事実及び証拠により容易に認定される事実。証拠により認定した事実については末尾に証拠を掲げた。)(1) 平成7年から平成11年までの間,日本において,次のとおり,曲技飛行競技会が開催され,原告は,各競技会の開催に携わった。 ア平成7年10月7日及び8日に,「ブライトリング・ワールドカップ」が,兵庫県豊岡市但馬空港において開催された。 同競技会は,但馬空港フェスティバル実行委員会が主催した(甲55)。 イ平成8年10月25日ないし27日に,「FAIWORLDGRANDPRIXOFAEROBATICSinTAJIMA」(本件競技会)が,兵庫県豊岡市但馬空港において開催された。 同競技会は,但馬空港フェスティバル実行委員会が主催し,FAI(「FederationAeronautiqueInternationale」(国際航空連盟。以下「FAI」という。)が主管した(甲10)。 ウ平成10年10月23日ないし25日に,「FAIWORLDGRANDPRIXOFAEROBATICS’98アエロバティックス日本グランプリ」(本件競技会)が,栃木県茂木町ツインリンクもてぎにおいて開 10月23日ないし25日に,「FAIWORLDGRANDPRIXOFAEROBATICS’98アエロバティックス日本グランプリ」(本件競技会)が,栃木県茂木町ツインリンクもてぎにおいて開催された。 同競技会は,株式会社ツインリンクもてぎ(以下「ツインリンクもてぎ社」という。)が主催し,FAI及びFWGPAが主管した(甲53)。 エ平成11年10月15日ないし17日に,「FAIWORLDGRANDPRIXOFAEROBATICS’99アエロバティックス日本グランプリ」(本件競技会)が,栃木県茂木町ツインリンクもてぎにおいて開催された。 同競技会は,ツインリンクもてぎ社が主催し,FAI及びFWGPAが主管した(甲54)。 (2) 原告は,平成11年12月24日,原告商標について商標登録出願手続を行い,同商標につき次のとおり商標権(原告商標権)を有する。下記の商品区分のうち,第14類には「時計」が含まれる。(甲1,2)ア出願日平成11年12月24日イ出願番号 11-117901ウ登録年月日平成13年1月26日エ登録番号第4448213号オ商品及び役務の区分第14類,第16類,第18類,第21類,第24ないし26類,第28類。 (3) 被告は,平成12年から平成14年12月末日までの間に,被告製品を販売した(甲4の1・2,99の1ないし3,100,乙2ないし9及び弁論の全趣旨)。 被告製品の商品名は,「AEROBATICSMODEL」であり,被告製品の広告等には同商品名が記載されている。また,被告製品の文字盤等には,被告ウイングマークが付さ 弁論の全趣旨)。 被告製品の商品名は,「AEROBATICSMODEL」であり,被告製品の広告等には同商品名が記載されている。また,被告製品の文字盤等には,被告ウイングマークが付されている(甲4の1,2)。 3 争点(1) 被告による被告製品の販売が不正競争防止法2条1項1号に該当するかア本件各表示が原告の商品等表示といえるか(争点1)イ本件各表示が原告の商品等表示として周知性を有するか(争点2)ウ被告が被告製品を販売する行為が原告の商品と混同を生じさせる行為といえるか(争点3)(2) 被告による被告製品の販売が商標権侵害行為に該当するか(争点4)(3) 使用許諾の有無(争点5)(4) 不法行為の成否(争点6)(5) 損害について(争点7)第3 争点に関する当事者の主張 1 争点1(本件各表示が原告の商品等表示といえるか)(原告)ア原告の主張(ア) 本件各表示は,平成8年以来,本件競技会において用いられてきた。 そして,本件競技会の主管は,FWGPAであり,FWGPAとは,原告のことである。したがって,本件各表示は,原告の商品等表示というべきである。 原告は,「FWGPAJAPANDELEGATION」,「FWGPA-J」との表示を用いることもあったが,いずれも「FWGPA」という主体(組織)の中の一部としての表示として用いたものである。 なお,FWGPAとは,本件競技会の競技会名である「FAIWORLDGRANDPRIXOFAEROBATICS」の略称であり,この中には,FAIの表示が使用されているが,原告は,本件競技会に お,FWGPAとは,本件競技会の競技会名である「FAIWORLDGRANDPRIXOFAEROBATICS」の略称であり,この中には,FAIの表示が使用されているが,原告は,本件競技会についてFAIに届け出て一定の金銭を支払っており,FAIの公認手続を経ているので,表示の中に「FAI」を用いることに問題はない。 (イ) 原告が,FWGPAを名乗って本件競技会を開催するようになった経緯は,次のとおりである。 原告は,スイスの有力時計メーカーであるブライトリング社がFAIの公認を得て開催していた曲技飛行競技会である「ブライトリング・ワールドカップ」において,ブライトリング社から企画運営を任された経験があったことから,兵庫県豊岡市は,原告に対し,平成8年の本件競技会の開催を依頼した。原告は,その後も,平成10年,平成11年と本件競技会を開催することになった。平成8年の本件競技会については,豊岡市が原告に対する報酬等の支払を拒絶したことから,原告は訴えを提起し(東京地裁平成9年(ワ)第26927号事件),豊岡市が,原告に対して,本件競技会の開催実施委託料として5265万円を支払う旨の和解が成立した。平成10年,平成11年の本件競技会については,原告とツインリンクもてぎ社との間で,原告が同競技会を主管し,ツインリンクもてぎ社に対してウイングマーク等の表示の使用を許諾し,ツインリンクもてぎ社が,原告に対し,4500万円(平成10年),3000万円と事業商権上限1500万円(平成11年)を支払う旨の契約を締結している(甲56,67)。 原告は,本件競技会には,ブライトリング社が関与していないことから,「ブライトリング・ワールドカップ」とは異なる競技会名を使用する必要があると考え,平成7年1 (甲56,67)。 原告は,本件競技会には,ブライトリング社が関与していないことから,「ブライトリング・ワールドカップ」とは異なる競技会名を使用する必要があると考え,平成7年10月24日,平成7年のブライトリング・ワールドカップの精算のため,スイスのブライトリング社を訪れた際に,新しい競技会の名称として,「FAIWORLDGRANDPRIXOFAEROBATICS」を着想して手帳にメモし,友人のCにも電話でその旨話した(甲91の1,2)。また,原告は,平成8年7月ころ,本件競技会のマークとして,ウイングマークを創作した。 原告は,本件競技会において,「ブライトリング・ワールドカップ」ではエキシビジョンにとどまっていた音楽とシンクロした曲技飛行を,競技として取り入れた。 (ウ) その他,原告は,自己の商品等表示である本件各表示につき知的財産権を確保するため,次のような手続をしている。 a 原告は,平成9年1月13日,ウイングマークについて,意匠に係る物品をラベルとして,意匠登録出願手続を行い,同年12月19日,登録された(第1005786号)。 b 原告は,平成11年12月24日,原告商標について商標登録出願手続を行い,平成13年1月26日,登録された(原告商標)。 c 原告は,平成11年12月24日,「FWGPA」について商標登録出願手続を行い,平成12年10月20日,登録された(第4425181号)。 商品区分は,第14,第16,第18,第21,第24,第25,第26,第28類である。 イ被告の主張に対する反論(ア) 被告は,本件競技会の実質的主催者は,E(以下「E」という。)が代表者を務めるFWGPAOp 21,第24,第25,第26,第28類である。 イ被告の主張に対する反論(ア) 被告は,本件競技会の実質的主催者は,E(以下「E」という。)が代表者を務めるFWGPAOperatingServicesS.A.というスイス法人(以下「FWGPA.S.A」という。)であり,原告はFWGPA.S.Aの日本における代理人として関与したにすぎない旨主張する。 しかし,FWGPA.S.Aは,FWGPAという表示が使用され始めた平成8年当時,「エアマスターバレ」という商号を用いていたのであり,同社が「FWGPAOperatingServicesS.A.」に商号変更したのは平成11年2月以降であるから,同社が平成8年当時FWGPAを名乗ることはあり得ない。同社は,FAIへの届け出業務の代行を行う会社であり,原告の依頼を受けて,平成7年のブライトリング・ワールドカップ及び平成8年以降の本件競技会についてのFAIへの届出事務を担当していたにすぎない(FAIは,航空競技についての諸規則を定めており,FAIの規則を用いて競技会を行う場合には,FAIへ届け出て一定の金銭を支払うという手続を経て,FAI公認競技会となる。)。 平成10年の本件競技会について,EをFWGPAの代表とする契約書が作成されているが(乙20),同契約書は,原告がEに指示して作成させた書面である。乙20が作成されたのが会直前の9月15日であり,さらに,Eのサインのある頁は,同月22日に,原告が,ツインリンクもてぎ社に対し,別途ファックス送信したものであることから,乙20の契約は,形式的なものにすぎないことが明らかである。また,FAI事務局長を名乗る者が,FAIは,Eに対し,本件競技の主催等の権限を付与している旨の文書 ファックス送信したものであることから,乙20の契約は,形式的なものにすぎないことが明らかである。また,FAI事務局長を名乗る者が,FAIは,Eに対し,本件競技の主催等の権限を付与している旨の文書を作成しているが(乙12),同文書の内容は,FAIが原告の代理人であったEに対してFAIの公認を与えたという意味では正しいが,FAIは,後記(イ)のとおり,FWGPAという表示について何らの権限を有していないのであるから,同書面は信用できない。 FWGPA.S.Aは,平成11年2月以降に,「エアマスターバレ」から現在の商号に商号変更したが,これは,本件競技会がイベントとして定着し,将来的に継続開催される見通しがついてきたことから,原告から本件競技会の開催者たる地位を奪うために行ったものである。 なお,原告は,平成10年1月ころから,従業員としてB(以下「B」という。)を使用し,本件競技会の事務手続を手伝わせていたが,同人は,次第に原告の金員を横領するなどの背信行為を行うようになり,平成12年6月27日には,原告が創作して使用していたウイングマークと類似する別紙商標目録1の標章を,原告に無断で自己の名において商標登録出願手続を行い,平成13年6月1日に登録された後(登録番号第4479729号),同商標権をFWGPA.S.Aに譲渡している(原告は,上記商標につき無効審判を請求中である。)。上記のような経緯からすれば,エアマスターバレ(現在のFWGPA.S.A)は,平成11年1月ころから,Bと共同して原告の事業の乗っ取りを画策していたというべきである。 (イ) 被告は,本件競技会の実質的主催者が,FAIであるかのような主張をもする。 しかし,FAIが行ってきた競技会は,昭和45年から,「W を画策していたというべきである。 (イ) 被告は,本件競技会の実質的主催者が,FAIであるかのような主張をもする。 しかし,FAIが行ってきた競技会は,昭和45年から,「WAC」(WorldAerobaticChampionships(世界エアロバティック世界選手権)の略称)と呼ばれており(甲58),平成7年にブライトリング・ワールドカップの撤退が決まった際には,その後のイベントを,「FAIWorldCupofAerobatics」として存続させることを発表しているのであるから(甲90),FAIが主催する競技会は本件競技会とは異なるものである。 したがって,FAIは,本件競技会の主催者ではない。本件競技会は,FAIの公認を得ているが,これは,FAIの定めたルールを用いて競技会を行っているという意味にすぎない。 FAIは,平成8年4月11日に,フランスにおいて,別紙商標目録2(「FAIWORLDGRANDPRIXOFAEROBATICS」)について商標出願しているが,上記標章は,原告が平成8年に開催された本件競技会に使用するために,前年の12月から自ら考案して使用し始めた表示であり,FAIの商標登録出願は原告の後追いである。 (被告)ア被告の主張本件競技会の実質的主催者であるFWGPAとは,FWGPA.S.Aの略称であって,FWGPA.S.Aが本件各表示の商品等表示主体である。FWGPA.S.Aは,FAIから,本件競技会を主催,組織,上演,広報等の活動をする一切の包括的権限を与えられて,本件競技会を主催しているものである。 したがって,本件各表示は,原告の商品等表示ではない。 イ原告の主張に対する反論 ,広報等の活動をする一切の包括的権限を与えられて,本件競技会を主催しているものである。 したがって,本件各表示は,原告の商品等表示ではない。 イ原告の主張に対する反論原告は,FWGPAが原告を表す表示であり,原告が,本件競技会の主催者であると主張して,甲8ないし甲55を提出する。 しかし,これらの新聞記事やポスター等には,原告の氏名等は一切掲載されていない。甲18ないし26の許可書には原告の名前が記載されているが,これらの書証は,原告が本件競技会に関わったことを示すにとどまり,原告が本件競技会の主催者であったことを示すものではない。 なお,原告は,平成10年,11年の本件競技会において本件競技会の主管者としてツインリンクもてぎ社との間で契約を締結した旨主張して甲56,67を提出する。しかし,上記契約書の1条には,「大会を円滑に運営実施するため,別紙に定める役務を実施監修する。」と定められ,別紙には原告の実施役務が詳細に規定されている。また,他方で,ツインリンクもてぎ社は,本件競技会の開催にあたり,平成10年9月15日付でEを代表者とするFWGPAとの間で,乙20の契約を締結しており,同契約書には,EがFAIから本件競技会の開催と上演の権限を与えていることが明記されている。また,同契約には,ツインリンクもてぎ社のプロモーターとしての責務が規定されており,甲67の契約書は,ツインリンクもてぎ社が,乙20の契約上負うプロモーターとしての責務の実行を,原告に委託したものというべきである。 ウイングマークについては,原告は,平成9年1月13日に商標出願したが,平成11年1月21日に拒絶査定を受けている。その後,Bが商標登録済ウイングマークについて商標登録を得ており 。 ウイングマークについては,原告は,平成9年1月13日に商標出願したが,平成11年1月21日に拒絶査定を受けている。その後,Bが商標登録済ウイングマークについて商標登録を得ており,原告が無効審判を請求していたが,当該無効審判手続においては,原告の請求は成り立たない旨の審決がされている。 なお,原告は,自らが本件競技会において,初めて音楽とシンクロした曲技飛行を取り入れた旨主張するが,甲51の4,19頁左欄28ないし33行には,アエロバティックスに初めて音楽が導入されたのは93年ブライトリング・ワールドカップであった旨記載されており,音楽とシンクロした曲技飛行が原告の着想によるものでないことは,明らかである。 2 争点2(本件各表示が原告の商品等表示として周知性を有するか)(原告)原告は,本件競技会の事務において,本名ではなくFWGPAとの表示を使用していたことから,本件各表示が原告の営業を示す表示として周知になっているとはいえないが,本件各表示はFWGPAの営業を表す表示として周知性を有している。 被告は,原告提出の雑誌等の記事に原告の本名が記載されていないことから,本件各表示が原告の商品等表示として周知性を有しない旨主張するが,的を得ていない。 (被告)原告が提出した甲8ないし甲55には,本件各表示が原告の商品等表示として周知になっていることを示す記載はない。 3 争点3(被告が被告製品を販売する行為が原告の商品と混同を生じさせる行為といえるか)(原告)被告製品は,「AEROBATICSMODEL」との商品名であるところ,同商品名は,本件各表示のうち「AEROBATICS」を使用した商品名である。また,被告製品の文字 (原告)被告製品は,「AEROBATICSMODEL」との商品名であるところ,同商品名は,本件各表示のうち「AEROBATICS」を使用した商品名である。また,被告製品の文字盤等には被告ウイングマークが付されており,そのパンフレット等にも被告ウイングマークが掲載されているところ,被告ウイングマークは,本件各表示のうちウイングマークのマーク下部の記載を「AEROBATICS」ではなく,「SINCE 1905」と変更したものであって,ウイングマークと被告ウイングマークは酷似している。したがって,被告による被告製品の販売は,原告の商品等表示である「AEROBATICS」と同一の表示及び同ウイングマークと類似した表示を用いて原告の商品と誤認混同を生じさせる行為であって,不正競争防止法2条1項1号の不正競争行為に該当する。 (被告)被告製品には「AEROBATICS」が用いられているが,これは当該競技用モデルという意味の説明として用いているにすぎず,商品の出所の表示ではないから,上記表示を用いたとしても本件競技会の営業主体と被告製品の出所との間に混同を生じさせることはない。 また,ウイングマーク中の文字は,「FAIWORLDGRANDPRIXOFAEROBATICS」であるところ,被告ウイングマーク中の文字は,「FAIWORLDGRANDPRIXSINCE 1905」であり,FAIの設立年を記載しているにすぎないから,パンフレットにウイングマークを用いたとしても「アエロバティックス」の営業主体と被告製品の出所との間に混同を生じさせることはない。 4 争点4(商標権侵害の成否)(原告)平成13年1月26日以降に,「AEROBATICSMODEL」 の営業主体と被告製品の出所との間に混同を生じさせることはない。 4 争点4(商標権侵害の成否)(原告)平成13年1月26日以降に,「AEROBATICSMODEL」の表示を使用した腕時計を販売する行為は,原告商標権を侵害する行為である。 被告は,「アエロバティックス,AEROBATICS」は,曲芸飛行を指す一般名詞である旨主張するが,曲芸飛行を指す一般名称は,「エアロバティクス」であって,「アエロバティックス」ではない。平成7年のブライトリングワールドカップにおいてもエアロバティクスと表示されていた。両者は,「ア」と「エ」が異なるにすぎないが,この相違には十分な感銘力が認められる。 (被告)被告は,被告製品に「AEROBATICS」を用いているが,これは当該競技用モデルという意味の説明として用いているにすぎず,商品の出所の表示として使用しているわけではないから,原告の商標権を侵害しない。 なお,被告製品には,ウイングマークを付しているが,ウイングマークは,FWGPA.S.Aの商標であって,原告の商標ではない。 また,「AEROBATICS/アエロバティックス」は,曲芸飛行を指す一般名詞であり,原告は,本件商標が登録された平成13年1月26日以来,一度も上記商標を使用していないのであるから,本件商標権の行使は権利の濫用であって許されない。 5 争点5(使用許諾の有無)(被告)(1) 使用許諾契約について仮に,本件各表示が,原告の商品等表示であり,被告製品が原告商標を使用しているとしても,原告は,被告に対し,平成12年8月ころ,被告が「アエロバティックス」やウイングマークを使用して被告製品を製造販売することを許 示が,原告の商品等表示であり,被告製品が原告商標を使用しているとしても,原告は,被告に対し,平成12年8月ころ,被告が「アエロバティックス」やウイングマークを使用して被告製品を製造販売することを許諾しており(以下,「本件使用許諾契約」という。),本件使用許諾契約について覚書を作成している(甲3。以下,「本件覚書」という。)。 本件使用許諾契約及び本件覚書の作成経緯は次のとおりである。 被告は,平成11年7月ころに,広告代理店である株式会社弘研(以下「弘研」という。)のF(以下「F」という。)から,FWGPAの日本代表者としてBを紹介された。F及びBは,被告に対し,平成11年10月に開催される本件競技会に出場するパイロットであるG及びその機体に500万円で協賛することを申し出た。被告は,パイロットや機体に対する協賛がどれほどの宣伝効果を有するか未知数であったことから,協賛の申出を受けることを躊躇していたところ,F及びBは,後日,被告に対し,本件競技会に関するオリジナルモデルの作成とこれに対する名称等の使用を含めて300万円との提示をしたので,被告は,これを受けることにした。 被告は,Fに,上記内容を盛り込んだ書面を作成するよう依頼し,Fが本件覚書を作成した。 原告は,本件使用許諾契約についてBに代理権を与えていない旨主張するが,原告は,訴状において本件覚書が被告製品に関するものであることを前提とした記載をしており,本件覚書は,その文章を読んだだけでは,被告製品に関するものとは分からない内容であるから,原告は,訴状を作成する前の段階から,本件覚書が被告製品に関するものであることを承知していたはずである。また,原告は,国際線の「JALSHOP」に掲載された被告製品の広告を見て,F 内容であるから,原告は,訴状を作成する前の段階から,本件覚書が被告製品に関するものであることを承知していたはずである。また,原告は,国際線の「JALSHOP」に掲載された被告製品の広告を見て,Fに対し,被告製品の販売は海外でも行われているのかと問い合わせてきていることから,原告は,少なくとも,被告製品が,国内で販売されていることは承知していたはずである。 被告は,本件使用許諾契約に基づき,FWGPAに対し,使用許諾料(弘研の仲介手数料15%と送金手数料を控除した金額)を次のとおり3回に分割して支払った。①平成11年8月30日に「10月アエロバティックス日本グランプリ」との名目で55万円の請求を受け(乙31の2),平成11年10月29日に他の支払と合わせて110万円を支払った(乙31の1,2,34)。②同年9月30日に100万円の支払いを請求され(乙32の2),同年11月30日に他の支払と合わせて117万円を支払った(乙32の1,2,35)。③同年10月30日に請求を受け(乙33),同年12月30日に100万円を支払った(乙36)。 (2) 本件使用許諾契約による許諾の範囲本件覚書作成の際,使用を許諾する具体的表示は記載せず,「プロマスター『FWGPA』モデル(仮称)」,「『G』アドバイスモデル(仮称)」と記載した。これは,オリジナルモデルの作成には時間を要し,具体的な表示が決まるのは販売間近になることも多いから,本件覚書作成当時には,具体的な名称を確定できないためであった。その後,被告は,オリジナルモデルを作成し,使用する表示が「AEROBATICS」及びウイングマークに決定したので,Bに対し,「プロマスター『アエロバティックス』モデル」に名称が確定した旨を伝え,了解を得ている。 ( デルを作成し,使用する表示が「AEROBATICS」及びウイングマークに決定したので,Bに対し,「プロマスター『アエロバティックス』モデル」に名称が確定した旨を伝え,了解を得ている。 (3) 本件使用許諾契約による使用許諾の期間本件覚書においては,被告が使用する広告物に関する写真,映像に関する使用期限は,平成11年8月5日から平成12年8月4日までとされているが(3条),オリジナルモデルの製造に関する規定(4条,5条)では,特にその制作や販売期間について限定していない。 (原告)(1) 使用許諾の有無について本件覚書は,被告とBとの間で作成されたもののようであるが,原告は,本件覚書の存在を,平成12年7月8日に弘研の担当者から見せられるまで知らなかった。たしかに,原告は,本件覚書の日付である平成11年8月ころ,Bを従業員として使用して国内業務の一部を担当させていたが,原告は,本件覚書を締結する代理権限をBに与えたことはないから,本件覚書は,具体的権限のない者との間で作成されたものである。そもそも,本件覚書には,使用許諾の対価が記載されていない。この種の許諾契約が何らの対価もなく合意されることはあり得ないから,本件覚書は,原告の従業員であったBが原告の了解を得ることなく作成したものである。 Bが,後日,対価について原告の了解を得ることを停止条件として本件覚書を作成した可能性もあるが,原告は,対価について一切了解を与えていないから,いずれにしても本件覚書の効力は生じていない。 なお,被告は,本件覚書の許諾の対価は300万円であった旨を主張するが,そのような合意を裏付ける証拠は提出されておらず,使用許諾料の支払についても何ら証拠がない。乙31ない いない。 なお,被告は,本件覚書の許諾の対価は300万円であった旨を主張するが,そのような合意を裏付ける証拠は提出されておらず,使用許諾料の支払についても何ら証拠がない。乙31ないし33の支払は,証拠に明記してあるとおり,アエロバティックスに参加した機体「スホーイ31」への協賛金であり,同機体に貼り付ける被告のロゴの貼り付け代の支払であって,本件各表示の使用許諾料の支払ではない。 (2) 本件使用許諾契約による許諾の範囲仮に,本件使用許諾契約の存在が認められるとしても,本件使用許諾契約によって許諾されているのは,「FWGPA」の表示と「G」の表示のみであって,原告が被告に対し,「AEROBATICS」やウイングマークの使用許諾したということはできない。 6 争点6(一般不法行為の成否)(原告)被告は,Bが平成12年6月27日にウイングマークの商標権を取得する際に,弁理士を紹介した上,Bとの間で,ウイングマークの商標の使用許諾契約を締結した。 しかし,ウイングマークは原告が作成して使用してきたものであって,Bの出願は冒認出願である。また,ウイングマークの商標につき許諾権限を有するのは原告であってBではない。 被告は,故意又は重大な過失により上記のようなBの冒認出願に関与した上,Bとの間で使用許諾契約を締結したものであって,被告の行為は,Bとの共同不法行為である。 (被告)原告の主張は争う。 7 争点7(損害について)(原告)原告は,被告の不正競争行為及び商標権侵害行為により少なくとも使用許諾の対価として得べかりし利益を喪失した。また,原告は,被告とBとの共同不法行為によりウイングマークについて商 告)原告は,被告の不正競争行為及び商標権侵害行為により少なくとも使用許諾の対価として得べかりし利益を喪失した。また,原告は,被告とBとの共同不法行為によりウイングマークについて商標登録出願し,商標権者となる利益を喪失した。原告の被った上記損害額の合計は2400万円を下らない。 (被告)被告は,平成12年9月1日から平成14年12月末までの間に,被告製品を1個5万5000円で,国内において720個販売し,このうち,平成13年1月26日以降の販売数量は176個であり,売上合計額は968万円である。 海外において545個販売した。販売することなく,営業用に贈与する等したものが10個ある(乙1)。 被告は,平成11年10月から平成13年2月1日までの間に,「アエロバティックス」やウイングマークを,カタログ(乙2,3,5,9),ポスター(乙8),雑誌(乙4,6,7)に用いて広告宣伝活動を行った。 第4 当裁判所の判断 1 争点1(本件各表示が原告の商品等表示といえるか)について(1) 証拠(甲1,2,5,8,9の2ないし9の11,10,11ないし63,65ないし68,70ないし86,88,90,91の1,92ないし98,101,乙10ないし13,15ないし30)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 ア FAIは,昭和45年,TheCommissionInternationaledeVoltigeAerienne(以下「CIVA」という。)という曲技飛行競技会を主催する組織を後援し,同年以降,CIVAが,世界エアロバティック世界選手権(WAC)を開催するようになった。 なお,FAI(FederationAeronautiqueInt を主催する組織を後援し,同年以降,CIVAが,世界エアロバティック世界選手権(WAC)を開催するようになった。 なお,FAI(FederationAeronautiqueInternationale。国際航空連盟)は,各加盟国の主要な国立空港管理組織が代表して加盟する国際航空連盟であり,各種航空スポーツ活動を行う団体等も活動の規模によって参加することができる組織である。FAIは,毎年1回総会を開催し,8人からなる幹部会が存在し,総会の決定事項の実施等を行っている。 幹部会の執行スタッフとしてFAI事務局が,スイスのローザンヌに設置されている。 FAIは,自らを表示するものとして別紙標章目録3記載のマークを用い,CIVAは,別紙標章目録4記載のマークを用い,WACには別紙標章目録5記載のマークが用いられていた。 イブライトリング・ワールドカップについて(ア) スイス法人のブライトリング社は,平成5年に,FAIの公認を得て,WACとは別個の曲技飛行競技会である「ブライトリング・ワールドカップ」を開催し,その後,平成7年まで同競技会を開催した。 ブライトリング社は,Eを,CIVAに派遣して,同競技会に関する業務を担当させた。Eは,ブライトリング・ワールドカップ当日には,コンテストディレクターとして採点委員長を務めるなどした。 同競技会は,1年回に数回,世界5か国で開催され,各パイロットが,1年間に開催される各競技会において得られた合計点数により,年間ランキングを競うものであった。平成6年からは,各パイロットが,4分間,会場に流れる音楽をパイロットが無線で受けて音楽に合わせて自由演技を行い,その技術,芸術性を競うというプログラムで構成され 年間ランキングを競うものであった。平成6年からは,各パイロットが,4分間,会場に流れる音楽をパイロットが無線で受けて音楽に合わせて自由演技を行い,その技術,芸術性を競うというプログラムで構成されるようになった。 (イ) ブライトリング社は,平成7年ころ,ブライトリング社の日本法人としてブライトリング・ジャパン株式会社(以下「ブライトリング・ジャパン」という。)を設立し,同社のキャンペーンの意味もあって,平成7年のブライトリング・ワールドカップのうち1回を,日本の兵庫県豊岡市但馬空港において開催することにした。 原告は,ブライトリング社製の時計の日本における販売に関与していた経験があったことから,ブライトリング・ジャパンの平成10年当時の代表取締役であったC(以下「C」という。)から,依頼を受けて,上記ブライトリング・ワールドカップに関する各種許可申請手続等の実務を担当した。 同競技会においては,曲芸飛行の一般名称として,「AEROBATICS」,「エアロバティック」が用いられ,ブライトリング・ワールドカップのマークとして別紙標章目録6記載のマークが用いられた。 ウブライトリング・ワールドカップの終了と本件競技会の開始(ア) ブライトリング社は,平成7年,同年の競技会をもって,ブライトリング・ワールドカップから撤退する意向を表明した。 (イ) FAIは,これを受けて,今後,「ブライトリング・ワールドカップ・オブ・エアロバティックス」の代わりに,「FAIWORLDCUPOFAEROBATICS」を開催する旨の緊急プレスリリースを行った。 (ウ) FAIは,同年11月4日及び5日,CIVA会議を開催し,ブライトリング・ FAIWORLDCUPOFAEROBATICS」を開催する旨の緊急プレスリリースを行った。 (ウ) FAIは,同年11月4日及び5日,CIVA会議を開催し,ブライトリング・ワールドカップの終了と,これに代わる曲技飛行競技会の開催について話し合った。Eは,同会議において,ブライトリング・ワールドカップが大成功を納めており,複数のスポンサーを集めて同種の競技会を実施することが可能である旨述べた。CIVA会議の出席者は,Eの上記説明を受け,平成8年以降もAEROBATICSシリーズを実施することで合意した。この際,新たな競技会名を「FAIWORLDGRANDPRIXOFAEROBATICS」とすることが決定されたが,トレードマークの作成前に上記競技会名を公表することはできないとして公表しないこととされた(上記具体的名称は,同会議の会議録には,公表できないとして記載されていないが,後記のとおり,同会議の2日後の同月7日にはCIVA会長からEに対して上記具体的名称の登録手続がまもなくである旨のファックスが送信されていることから(乙23),同会議の時点で,上記具体的名称が決定されたと認められる。)。Eは,今後の計画として具体的な方針を述べた(例えば,本件競技会を1年に5回,最多で1年に20回開催し,パイロットの数は12名に制限することを考えていること,プログラムに関しては,音楽に合わせたフリーのフィギュアを導入すること,3部構成の最初のプログラムはFAI公認の国際審判員による判定を行うが,最終日はFAIとは関係のない審判員により芸術点を判定し,後者の判定は1年のファイナルランキングには加味しないこと,平成8年は,ベルリン,ハンガリー(6月初旬),オクラホマ(8月),アリゾナ(9月21日),サンフランシスコ(10月 により芸術点を判定し,後者の判定は1年のファイナルランキングには加味しないこと,平成8年は,ベルリン,ハンガリー(6月初旬),オクラホマ(8月),アリゾナ(9月21日),サンフランシスコ(10月5ないし6日),及びアジア(10月中旬から11月中旬まで)での開催を考えていること,平成9年2月18日ないし23日には,オーストラリアでの開催を予定していることなど。)。 エ平成8年の本件競技会の開催経緯は,概ね次のようなものであった。 (ア) Eは,平成7年11月7日には,CIVA会長マイケル・R・ヘウアーから,「WORLDGRANDPRIXOFAEROBATICS」の名称についてまもなく登録手続がなされる旨の連絡を受けた。 (イ) 一方,日本においては,豊岡市が,平成7年のブライトリング・ワールドカップが成功したことから,平成8年にも同様の競技会を開催したいと考えており,ブライトリング・ジャパンのCにその旨要請した。しかし,Cは,ブライトリング社がブライトリング・ワールドカップから撤退したことから豊岡市の要請を断った。 もっとも,Cは,FAIが平成8年に同種の競技会を開催する意向を示していることから,豊岡市が競技会の開催を希望している旨をFAIに取り次ぐこととし,原告に対し,平成7年のブライトリング・ワールドカップに要した費用等から,平成8年の競技会に要する費用等を見積もって豊岡市に提示するよう指示した。原告は,事業計画書(費用約2億6000万円との内容であった。)を作成して豊岡市に提出し,豊岡市は,当該書面を検討した上で,再度,平成8年の競技会の開催を希望した。 原告は,このころまでに,日本オリンピック委員会の勤務経験を有する知人のD(以下「D」と 岡市に提出し,豊岡市は,当該書面を検討した上で,再度,平成8年の競技会の開催を希望した。 原告は,このころまでに,日本オリンピック委員会の勤務経験を有する知人のD(以下「D」という。)に本件競技会開催について話をもち掛け,Dも本件競技会の開催に関与するようになっていた。 (ウ) Dは,平成7年11月17日,Eに対し,平成7年のブライトリング・ワールドカップの協力者である旨の自己紹介のファックスを送信した。その後,Dは,同月23日,Eに対し,但馬空港の関係者が曲技飛行競技会の開催を希望していること,但馬空港関係者に対し,ブライトリング社の撤退について,今後のアエロバティックスの将来のことを考えて本件競技会をブライトリング社の手からFAIへ戻した旨説明したこと,但馬空港の関係者が,FAIとEが新しい組織を作った後にプレスリリースすることに同意したことについて報告した。 (エ) Eは,同月30日,Dに対し,本件競技会の名称が「FAIWORLDGRANDPRIXOFAEROBATICS」に決定したことを通知し,FAI及びCIVAは,未だ上記名称の決定を公表していない旨を連絡した。 (オ) Eは,同年12月初旬ころから,本件競技会のロゴを作成するため,建築家と打合せを行った。このときまでに,フランスの戦闘機のウイング,地球,FAI旗にちなんだ虹のデザイン,「FAI」及び「WORLDGRANDPRIXOFAEROBATICS」の文字をロゴに取り込む話がされていた。 (カ) 原告とDは,同月12日ないし13日ころ,スイスを訪れてEと打合せを行った。DとEとの間で,DがEに対し,保証金を支払い,EはDに対し,FWGPAの日本代表部としての権限を与えること (カ) 原告とDは,同月12日ないし13日ころ,スイスを訪れてEと打合せを行った。DとEとの間で,DがEに対し,保証金を支払い,EはDに対し,FWGPAの日本代表部としての権限を与えることについて大筋で合意した。 (キ) Dは,同月20日ころ,上記合意について契約書を作成する前ではあるが,FWGPA日本代表部として日本の企業と契約を締結する必要があると要請し,Eは,同月23日,Dに対し,上記(カ)記載の合意について契約書を作成することを条件として,FWGPA日本代表部として契約を締結することを認めた。 しかし,Dは,上記(カ)記載の合意について契約書を作成せず,保証金を支払わなかったことから,Eは,Dではなく,原告を代理人として,豊岡市との間で,豊岡市が,本件競技会を開催し,Eに対し保証金25万米ドルを支払う旨の契約を締結した。豊岡市は,上記契約に基づき,Eに対し,手付金として10万米ドルを支払った。 (ク) Eは,日本における平成8年の本件競技会開催準備のため,原告をEの連絡業務担当の代表として認める書面を作成した。原告は,平成8年の本件競技会のポスターやチケットの作成に携わり,ポスターやチケットに,「AEROBATICS」の称呼を記載する際,「エアロバティックス」ではなく「アエロバティックス」と記載した。テレビ局等から,誤記ではないかとの問い合わせが多数あったが,原告は,空戦術のイメージを払拭してスポーツのイメージを強調し,差別化を図る意図である旨説明し,「アエロバティックス」の称呼で統一した。 (ケ) 原告は,同年5月19日ころ,Eの事務所を訪れ,ロゴに関する資料をコピーして持ち帰った。 Eは,同年7月1日,依頼していたデザイナーからロゴの で統一した。 (ケ) 原告は,同年5月19日ころ,Eの事務所を訪れ,ロゴに関する資料をコピーして持ち帰った。 Eは,同年7月1日,依頼していたデザイナーからロゴのデザインを受け取り,同月7日ころ,これを原告に交付した。Eは,同月30日,ロゴについて,ウイングマークのデザインを採用する旨最終決定し,その旨を原告にファックスで知らせた。Eは,ロゴデザインを担当したデザイナーに対し,報酬を支払った。 (コ) Eは,同年9月6日,豊岡市に対し,保証金残額15万米ドルの支払を求めたが,豊岡市から保証金が支払われることはなかった。 (サ) 本件競技会は,上記のような準備を経て,同年10月25ないし27日,開催されたが,競技会日程3日間のうち2日間が雨天だったこともあり,期待していた入場料収入が得られず,多額の損失が生じた。 (シ) 原告は,同競技会終了後,豊岡市の但馬空港フェスティバル実行委員会に対し,同競技会の開催費用を請求したが,豊岡市が支払を拒絶したことから,原告は,平成9年12月ころ,東京地方裁判所に対し,豊岡市を被告として,同競技会の開催費用等2億0846万円の支払を求める訴訟を起こした(同裁判所平成9年(ワ)第26927号事件等)。Eは,上記訴訟との関係で,原告の要請により,平成8年の本件競技会においては,原告にFWGPAのすべての権限を与えていた旨の書面を作成した。同事件においては,豊岡市が原告に対し,上記競技会の開催実施委託料として5265万円を支払い,上記競技会に使用した機体等を輸送した郵船航空サービス株式会社に対して和解金として4565万円を支払い,会場設営をした株式会社イーレントに対し,和解金として5300万円を支払い,会場警備を行った綜合警備保 会に使用した機体等を輸送した郵船航空サービス株式会社に対して和解金として4565万円を支払い,会場設営をした株式会社イーレントに対し,和解金として5300万円を支払い,会場警備を行った綜合警備保障株式会社に対し和解金として450万円を支払うという内容の和解が成立した(甲66,68)。 オ平成10年の本件競技会開催までの間に,日本において,次のようなイベントが実施された。 (ア) 原告は,平成9年8月9日ないし10日にかけて,北海道中川郡(以下省略)において,自ら5700万円を支出し,土地・施設使用承諾や運輸省東京航空局釧路空港事務所長,東京航空局長の許可を得るなどして「遠音withAEROBATICS」を実施した。Eは,北海道スポーツ協会に対し,同イベントを支援する旨の書面を送付した。 同協議会のパンフレットには「共催 FWGPA-JAPANDELEGATION」,「FWGPAofficialExhibition」などと表示された。 (イ) 平成10年3月28日ころ,ツインリンクもてぎにおいて開催されたカーレースの最終日にGが,機体にウイングマークを付して合計30分間の曲技飛行を披露した。 原告は,Gの上記飛行のための土地・施設使用承諾,東京国際空港長の許可等についての申請手続を行った。 (ウ) 同年6月13日ないし14日に,ツインリンクもてぎにおいて開催されたカーレースの際,エキシビジョンとして航空ショーが行われた。上記カーレースのパンフレットには,上記航空ショーを「アエロバティックス」と表示した。 原告は,上記航空ショーのための土地・施設使用承諾,東京航空局長からの許可,東京国際空港長からの許可等の申請手 フレットには,上記航空ショーを「アエロバティックス」と表示した。 原告は,上記航空ショーのための土地・施設使用承諾,東京航空局長からの許可,東京国際空港長からの許可等の申請手続を行った。 カ平成10年の本件競技会開催経緯は,概ね次のとおりであった。 (ア) ツインリンクもてぎ社は,Eとの間で,FAI世界航空グランプリプロモーター契約を締結した(乙20)。同契約書には,Eの肩書きとして「FWGPAChiefExecutive」との記載がされている。なお,原告は,同契約書の作成の際,Eに対し,契約書をファックスで送信しただけで原本を送付しなかったことから,Eは,ファックス送信された用紙に署名し,これを契約書の原本に挿入する形で契約書が作成された。 同契約書には,次のような内容が記載されている。 aFAI(国際航空連盟)は,世界中の航空スポーツを統括する唯一の国際的に認知された機関であり,“FAIWorldGrandPrixofAviation”と称される競技に関連するすべての保有する権利を管理する。 bFAIは,世界中のFWGPAの開催と上演をEに任命しその権利を与えている。 c ツインリンクもてぎ社は,FWGPAに対し,グランプリ開催前6か月前までに登録の費用(登録費)として1万5000米ドルを支払い,当該登録費の支払は,FWGPAチームが当プロジェクトの作業を開始するための必要条件となる。 d プロモーターは,FAIが本協議イベントに関するすべての権利を保有することを認めこれに同意する。 e プロモーターは,広告及び販促目的で日本もてぎグランプリの名称を使 d プロモーターは,FAIが本協議イベントに関するすべての権利を保有することを認めこれに同意する。 e プロモーターは,広告及び販促目的で日本もてぎグランプリの名称を使用し(ただし,FWGPAの事前の文書による承認を条件とする。),日本もてぎグランプリのための専用ロゴを制作すること(ただし,使用前にFWGPAの文書による承認を得なければならない。)等の権利を有する。 (イ) ツインリンクもてぎ社は,原告との間で,「’98エアロバティックス日本グランプリ開催に関する覚書」を作成した。同覚書には,原告の肩書きとして「国際航空連盟・曲技飛行部門・FAIWORLDGRANDPRIXOFAEROBATICS日本代表部」との記載がされている。同覚書には,ツインリンクもてぎ社が上記競技会の主催者であること,ツインリンクもてぎ社は,原告に対し,大会開催準備,開催に至る実施報酬として,4500万円を支払う(運行許可取得費用,出張費用等を含む)旨が記載されている(甲67)。 (ウ) 原告は,平成8年の本件競技会開催のために,土地・施設使用承諾,東京航空局長及び東京国際空港長の許可等について申請手続を行った。 (エ) 平成10年の本件競技会は,日本経済新聞,朝日新聞,下野新聞,福島民友,映像新聞,岐阜新聞の各紙で報道されたほか,航空情報平成11年1月号,航空ファン平成11年1月号,シュナイダー平成10年12月16日号,週刊プレイボーイ平成10年11月24日号,カーグラフィック平成11年1月号,NAVI平成11年1月号,GoodPress平成11年1月号,スカイスポーツ平成11年2月号,Clubman平成11年1月号,OPT4WD平成10年12月号,エアワールド平成11年1月 月号,NAVI平成11年1月号,GoodPress平成11年1月号,スカイスポーツ平成11年2月号,Clubman平成11年1月号,OPT4WD平成10年12月号,エアワールド平成11年1月号,LEMONDEDEL’AVIATIONの各雑誌に掲載され,その際,本件各表示が使用された。 上記掲載記事の一部について,その内容を記すと,次のようなものであった。 a シュナイダー平成10年12月16日号(甲51の4)の26頁,27頁には,原告のインタビュー記事が掲載されており,そこには,「FWGPA(FAIWorldGrandPrixofAerobatics)競技会代表・A氏に,98アエロバティックス日本GPの背景を語っていただいた。/A:本業はドイツ・ミュンヘンのホフマン・アイテル法律事務所でオペレーションズリサーチをしています。‥‥‥アエロバティックスと初めて関わったのは,95年にスイスの時計メーカーが主催するアエロバティックス競技会を日本で主催したのですが,不馴れながら準備は私が行いました。その時の実績が評価され,現在はFWGPA競技会代表という肩書きを頂いて,各国で開催されるFAIアエロバティックスGPをオペレーションしています。」といった記載があるほか,Bのインタビュー記事も掲載されており,そこでは,同人は,「国際空港連盟ワールド・グランプリ・アエロバティックス(FWGPA)の日本代表部,マネージングディレクター」との肩書で,「95年の但馬大会にたずさわっていらい,どっぷりとアエロバティックスにはまり,いまの職に。現在,札幌市に居を構え,仕事のために日本中を飛び回る。」と紹介されている。 b 週刊プレイボーイ平成10年11月24日号(甲51の5)には, ロバティックスにはまり,いまの職に。現在,札幌市に居を構え,仕事のために日本中を飛び回る。」と紹介されている。 b 週刊プレイボーイ平成10年11月24日号(甲51の5)には,「サーキットのヒコーキ野郎たち」と題する記事が掲載されており,「このグランプリを運営するのは国際航空連盟(FAI)。オリンピック競技委員会(IOC)の参加の下,非政府・非営利で航空活動を推進する国際団体だ」と記載されている。 c カーグラフィック平成11年1月号(甲51の6)には,「壮絶にして華麗大空に描く芸術 ‘98アエロバティックス日本グランプリ」と題する記事が掲載されており,「アエロバティックス・ワールド・グランプリというのは,FAI(国際航空連盟)公認曲技飛行競技の頂点に位置する大イベントである。98/99年シーズンは8月のスイスを皮切りに4戦が行われ,10月の日本,11月の中国に続き,99年2月のオーストラリアでシーズンを終える。日本では,95,96年に兵庫県但馬空港で開催されたのが最初である。小さな飛行場で行われるのが普通で,ツインリンクのようなレースコースで開かれるのは世界的にも例がない。」と記載されている。 dNAVI平成11年1月号(甲51の7)には,「エンスーへの道(第101回) コレを観ないと,あなたの人生はエンスーではなくなってしまうの巻」と題する観戦記が掲載されており,「今回の『ワールド・グランプリ・オブ・アエロバティックス』は,世界航空連盟(FAI)が公認する世界最高峰の『カテゴリー』にランクされる大会で,いわば“空のF1”といったところ。日本を初め,スイスや中国,オーストラリアなど1シーズンに4,5か国を転戦し,FAIの審判員によって採点される技術点と芸術点の合計ポイン リー』にランクされる大会で,いわば“空のF1”といったところ。日本を初め,スイスや中国,オーストラリアなど1シーズンに4,5か国を転戦し,FAIの審判員によって採点される技術点と芸術点の合計ポイントでチャンピオンが決定されるのだ」と記載されている。 eOPT4WD平成10年12月号(甲51の11)には,「AIRBALL 空中舞踏会」と題する記事が掲載されており,「このアエロバティックスは38年間も続いている。第1回目の世界選手権は,1960年にチェコスロバキア(当時)で開かれている。その後,FAIの認可を受け,93年にはワールドカップが開催された。この大会は,95年までに三大陸で計15回行われた。96年,そのワールドカップが『FAIワールド・グランプリ・オブ・アエロバティックス』に代わり,年間競技として五大陸で開催された。日本でも但馬で開催されている。」と記載されている。 f エアワールド平成11年1月号(甲51の12)には,「‘98アエロバディックス日本グランプリ」と題する記事が掲載され,「世界エアロバティックス選手権と並ぶFAI公認の大会『FAIワールド・グランプリ・オブ・アエロバティックス』は,1996年に日本で始まった。その2回目となる大会が98年10月23~25日,栃木県にあるモータースポーツ専用サーキットの『ツインリンクもてぎ』で開催された」と記載されている。 キ平成11年の本件競技会開催までの間に,日本において,次のようなイベントが実施された。 (ア) 平成11年4月8日ないし10日に開催されたカーレースのオープニングで平成10年の本件競技会に出場した選手2名が曲技飛行を披露した。 原告は,上記飛行のため,土地・施設使用承諾,東 1年4月8日ないし10日に開催されたカーレースのオープニングで平成10年の本件競技会に出場した選手2名が曲技飛行を披露した。 原告は,上記飛行のため,土地・施設使用承諾,東京航空局長の許可,東京国際空港長の許可等についての申請手続を行った。 (イ) 同年8月4日ころ,ツインリンクもてぎにおいて,マスコミ向けにアエロバティックスの試乗(以下「マスコミ向けイベント飛行」という。)が行われた。 原告は,東京航空局長の許可等についての申請手続を行った。 (ウ) 同年9月ころ,米軍厚木基地祭ウイング99において,曲技飛行(以下「厚木基地イベント飛行」という。)が実施された。 ク Eが代表者を務めるスイス法人エア・マスター・バレ社は,平成11年9月1日,商号を,FWGPA.S.Aに変更した(甲60)。 原告は,同年12月24日,「FWGPA」(標準文字)について商標登録出願手続を行い,商標登録された(甲88。登録第4425181号)。 ケ平成11年の本件競技会開催経緯は,概ね次のとおりであった。なお,平成11年の本件競技会は,「'99アエロバティックスHONDAグランプリ」との大会名で報道された(甲52の17,19,20,21,22)。 (ア) ツインリンクもてぎ社は,Eとの間で,FAI世界航空グランプリプロモーター契約を締結した(乙21)。同契約書の内容は,平成10年に締結されたものとほぼ同内容であった。 (イ) ツインリンクもてぎ社は,原告との間で,「'99エアロバティックス日本グランプリ開催に関する覚書」を作成した。同覚書には,原告の肩書きとして「国際航空連盟・曲技飛行部門・FWGPAFAIWOR ツインリンクもてぎ社は,原告との間で,「'99エアロバティックス日本グランプリ開催に関する覚書」を作成した。同覚書には,原告の肩書きとして「国際航空連盟・曲技飛行部門・FWGPAFAIWORLDGRANDPRIXOFAVITATION対日本代表部」との記載がされている。同覚書には,ツインリンクもてぎ社が上記競技会の主催者であること,ツインリンクもてぎ社は,原告に対し,大会開催準備,開催に至る実施報酬として,現金3000万円,事業商権は金1500万円相当を上限として支払う(運行許可取得費用,出張費用等を含む)旨記載されている(甲56)。 (ウ) 平成11年の本件競技会及び前記キ記載のイベントは,エアショーガイド平成11年4月発売号,スカイスポーツ平成11年6月号,航空ファン平成11年6月号,平成12年1月号,航空情報平成11年7月号,11月号,平成12年1月号,GoodPress平成11年7月号,11月号,ラジコンエアーワールドvol.4,キャノンサークル平成11年3月号,週刊プレイボーイ平成11年8月31日号,ベストカー平成11年9月26日号,カーグラフィック平成11年10月号,スカイスポーツ平成11年10月号,ラピタ平成11年11月号,ラジコン技術平成11年11月号,シュナイダー平成11年秋号,週刊読売平成11年11月7日号,ラジコン技術平成11年12月号,エアワールド平成12年1月号等に記事が掲載され,本件各表示が使用された。 コ原告は,平成11年12月24日に,原告商標について商標登録出願手続を行った。 サ平成12年の本件競技会開催経緯は,概ね次のとおりであった。 (ア) Eは,同年4月6日,原告との間で,平12年の本件競技会に関する打合せを行った。Eは, を行った。 サ平成12年の本件競技会開催経緯は,概ね次のとおりであった。 (ア) Eは,同年4月6日,原告との間で,平12年の本件競技会に関する打合せを行った。Eは,この際,原告に対し,FWGPA.S.Aの代理人として活動する意思があるなら,Eと正式に契約を締結するよう求めたが,原告は,FWGPAとは独立の立場で活動したい旨を述べてこれを拒絶した。 (イ) Eは,BをFWGPA.S.Aの代理人にすることにした。 原告は,これを知って,Bと話をするために同月15日ころ,北海道札幌市にある原告の事務所を訪れた。原告は,原告の事務所のパソコン等の機材,CD,資料,預金通帳等がなくなっていたとして,北海道警察に被害届を出し,同月25日には,Bを業務上横領の罪で告訴した。 (ウ) FWGPA.S.Aは,Bとの間で,同年5月11日,BをFWGPA.S.Aの代理人とする旨の契約を締結した。 Bは,同年6月27日に,別紙商標目録1について商標登録出願手続を行った。 (エ) ツインリンクもてぎ社は,FWGPA.S.Aの代理人Bとの間で,平成12年の本件競技会開催についての契約を締結した。 (オ) 平成12年の本件競技会は,BがFWGPA.S.Aの代理人として活動し,開催された。 シその後の経緯(ア) Eは,平成13年4月6日,別紙商標目録3の商標につき商標登録出願し,平成14年7月2日,「曲芸飛行ショー及び気球・スカイダイビング・グライダー・ハングライダー・パラセーリング・その他の空港スポーツショーの興行の企画・運営又は開催」等を指定商品又は指定役務として商標登録を得た。 (イ) 原告 球・スカイダイビング・グライダー・ハングライダー・パラセーリング・その他の空港スポーツショーの興行の企画・運営又は開催」等を指定商品又は指定役務として商標登録を得た。 (イ) 原告は,商標登録済ウイングマークについて無効審判を請求していたが(無効2002-35285),特許庁は,平成15年7月9日,原告の無効審判の請求は成り立たない旨の審決をした(乙22)。 (ウ) 平成15年10月31日,ツインリンクもてぎにおいて,本件競技会が,「FAIWORLDGRANDPRIX 2003“オートボルテージュ”アエロバティックス日本グランプリ」の名称で開催された。 同大会の主管は,FAI及びHAUTEVOLTIGEとされた。 もっとも,同競技会は,当日,事故が発生し,その後のプログラムは中止された。 (2) 上記認定事実によれば,本件競技会は,FAIから全権委任されたEによって,世界各国で開催されていた「FAIWORLDGRANDPRIXOFAEROBATICS」の一環として日本において開催されたものであって,本件競技会の開催が,原告の営業であったということはできない。 原告は,Eと正式な契約書を作成しないまま,日本における本件競技会開催事務の担当者としてFWGPAないしFWGPA-J等と名乗って活動し,日本における会場提供者である豊岡市やツインリンクもてぎ社から,上記活動の対価を得ていたたものと認められる。Eは,平成12年初めころ,原告に対し,正式な契約を締結することを求めたが,原告がこれを拒んだことから,Bとの間で,契約を締結して本件競技会の開催事務を担当させることにしたものである。 したがって,本件競技会において使用された本件各表示が,原告の商 求めたが,原告がこれを拒んだことから,Bとの間で,契約を締結して本件競技会の開催事務を担当させることにしたものである。 したがって,本件競技会において使用された本件各表示が,原告の商品等表示であるということはできない。 この点に関し,原告は,「FAIWORLDGRANDPRIXOFAEROBATICS」の競技会名及びウイングマークを考えたのは原告であり,Eは原告から依頼を受けてFAIに対する諸手続を担当していたに過ぎない旨主張し,これに沿う陳述書を提出するとともに原告本人尋問において同趣旨の供述をしている。 しかし,「FAIWORLDGRANDPRIXOFAEROBATICS」の競技会名及びウイングマークを創作したのが原告であるか否かは,これらの表示が原告の商品等表示であるか否かとは直接関係がない上,Eは原告から依頼を受けてFAIに対する諸手続を担当していたにすぎない旨の原告の供述は,Eが,平成7年11月4日及び5日に開催されたCIVA会議において,今後の競技会の具体的計画を述べており(甲92),本件競技会が概ねEの計画どおり実行されていること,同月30日に,Dに対し,上記競技会名の決定を通知していること(乙25),スイスのFWGPA事務所が,平成8年7月30日に,原告とウイングマークについて話をした後,原告に対してウイングマークのコピーを送信していること(乙27),スイスのFWGPA事務所が,原告を日本代表部として扱っていること(乙27)など,客観的証拠から認められる事実と符合しないものであり,原告本人の上記陳述書の内容及び本人尋問における供述は,信用できない。 原告が,自らの主張を裏付ける証拠として提出する甲9の2ないし9の11(平成8年5月ころの原 しないものであり,原告本人の上記陳述書の内容及び本人尋問における供述は,信用できない。 原告が,自らの主張を裏付ける証拠として提出する甲9の2ないし9の11(平成8年5月ころの原告の手帳にウイングマーク類似のロゴが手書きされているもの。)及び甲56,67(ツインリンクもてぎ社と原告との間の契約書)は,上記認定事実と矛盾するものではない。 また,原告が自らの主張を裏付ける証拠として提出する甲91の1及び91の2(平成7年10月下旬ころの原告の手帳に上記競技会名が記載されているもの。)については,真実その時期に作成されたものであるか定かでない上,仮に作成時期が原告主張のとおりであったとしても,原告の主張によれば,上記手帳の記載は,原告がスイスのEを訪れた際になされたメモであるというのであるから,原告が,Eから本件競技会の新たな名称を聴取してメモしたものである可能性を否定できない。 いずれにしても,原告の提出する証拠は,いずれも前記認定を覆すに足りるものとはいえない。 2 争点4(被告による被告製品の販売が商標権侵害行為といえるか)について(1) 被告商品の商品名と原告商標の類否について原告商標は,上段に明朝体英字で「AEROBATICS」と横1列に書し,下段に明朝体片仮名で「アエロバティックス」と横1列に書した横2列の文字列から成る商標であり,これらの活字は,すべて同じ大きさである。同商標の上段の文字列と下段の文字列とは外観上それぞれ独立した部分ととらえられるものであり,また,下段の「アエロバティックス」は上段の「AEROBATICS」の称呼を片仮名で表記したものであることが一見して明らかであるから,原告商標においては,全体が外観上見る者の目を引くほか,上段の「AER ,下段の「アエロバティックス」は上段の「AEROBATICS」の称呼を片仮名で表記したものであることが一見して明らかであるから,原告商標においては,全体が外観上見る者の目を引くほか,上段の「AEROBATICS」及び下段の「アエロバティックス」がそれぞれ見る者の注意をひく部分であり,これらの部分はそれぞれ商品の出所を表示する部分(要部)ということができる。そうすると,上段の「AEROBATICS」からは,「エアロバティックス」ないし「アエロバティックス」の称呼を(「AEROBATICS」からは,一般的には「エアロバティックス」の称呼を生じるものであるが,原告商標においては,下段の「アエロバティックス」と結合商標を成していることから,「アエロバティックス」の称呼をも生ずる。),下段の「アエロバティックス」の部分からは「アエロバティックス」の称呼を生じ,曲技飛行又は本件競技会の観念を生じさせる。 他方,被告製品の商品名は「AEROBATICSMODEL」であり,その広告等には,同じ大きさの英文字により横一列に記載されている。このうち,「MODEL」の部分は商品の「型式」「タイプ」等を意味するものであって,自他識別機能を有するものではないから,被告製品の商品名において出所表示機能を有する要部は「AEROBATICS」の部分である。そうすると,被告製品の商品名の要部からは,「エアロバティックス」ないし「アエロバティックス」の称呼を生じ,曲技飛行又は本件競技会の観念を生じる。「AEROBATICS」は,一般的には「エアロバティックス」の称呼を生じるものであるが,被告製品は,本件競技会において公認された製品として製造販売されているものであり,被告製品のカタログ,公告等にも「アエロバティックス」と記載されていることから,「エアロバティ を生じるものであるが,被告製品は,本件競技会において公認された製品として製造販売されているものであり,被告製品のカタログ,公告等にも「アエロバティックス」と記載されていることから,「エアロバティックス」のほか「アエロバティックス」の称呼をも生ずるというべきである。 上記によれば,被告製品の商品名の要部である「AEROBATICS」は,原告商標の要部と同一であるから,被告製品の商品名は,原告商標と類似するものというべきである。 (2) 原告商標権に基づく権利行使が権利の濫用といえるか被告は,原告商標が「曲芸飛行」を意味する一般名詞であると主張する。 しかし,原告商標の指定商品ないし役務には曲芸飛行の展示等は含まれておらず,原告商標が指定商品又は役務に係る商品又は役務の普通名称であるということはできないから,原告商標が曲芸飛行を意味する一般名詞であることは,原告商標の無効事由たり得ない(商標法46条1項1号,3条1項1号)。 また,被告は,原告が,指定商品又は役務について,原告商標を日本国内において使用していない旨主張し,原告商標は取消事由を有することが明らかであるから(商標法50条1項),原告商標権に基づいて被告の平成12年9月から平成14年12月末までの間の被告製品販売について損害賠償を請求することは権利の濫用であるかのような主張するが,商標登録の取消の効果は遡及しない(商標法54条1項)ことに照らせば,被告主張のような事由のみをもって,直ちに原告商標の商標権に基づく権利行使が権利濫用に該当するとまではいえない。 3 争点5(使用許諾の有無)について(1) 証拠(甲3,51の4,86,99の1,2,3,100,101,乙2,4,5,6,7,9,14,15,16,19,20,31な ではいえない。 3 争点5(使用許諾の有無)について(1) 証拠(甲3,51の4,86,99の1,2,3,100,101,乙2,4,5,6,7,9,14,15,16,19,20,31ないし38の各枝番号,36,証人F,原告本人)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。 ア原告は,平成10年1月ころ,友人のBとの間で,Bが,原告の本件競技会の開催業務を手伝い,原告がBに対して業務手伝いの対価として月50万円を支払い,ベンツワゴン2台,パソコン2台を貸与する旨合意した。 原告は,そのころ,Bに対し,札幌市所在の事務所を提供し,東京三菱銀行札幌支店の自己の銀行口座(ただし,名義は,当初「マーケテイング・サービスイズエフダブルジーピー」,後に「マーケテイング・サービスイズダイヒヨウミツカノブユキ」に変更)の預金通帳や銀行印等を渡して,その管理を委ねた。 イシュナイダー平成10年12月16日号26頁,27頁(甲51の4)には,原告のインタビュー記事と共に,Bのインタビュー記事も掲載されているが,そこでは,同人は,「国際航空連盟ワールド・グランプリ・アエロバティックス(FWGPA)の日本代表部,マネージングディレクター」との肩書で,「95年の但馬大会にたずさわっていらい,どっぷりとアエロバティックスにはまり,いまの職に。現在,札幌市に居を構え,仕事のために日本中を飛び回る。」と紹介されている。 ウ Bは,平成11年2月ころ,FWGPA日本代表部のマネージングディレクターとして,弘研のFと面会した。Bは,その際,Fに対し,FWGPAが本件競技会を運営していること,FWGPA日本代表部として,Bのほかに原告がおり,原告と一緒に業務を行っていることを話した。 のFと面会した。Bは,その際,Fに対し,FWGPAが本件競技会を運営していること,FWGPA日本代表部として,Bのほかに原告がおり,原告と一緒に業務を行っていることを話した。 Fは,Bに対して,本件競技会の協賛企業として被告を紹介することにした。 エ Bは,同年7月ころ,ドイツに滞在中の原告に対し,弘研の紹介で,被告が飛行機の機体にロゴを表示する形でスポンサーになりそうである旨伝え,その対価額はいくらが相当であるかを相談した。 オ B及びFは,被告に対し,本件競技会に対する協賛の話を申し出た。B及びFは,被告に対し,様々な協賛メニューを提示したが,この時点では,結局,FWGPA日本代表部が,マスコミ向けイベント飛行及び平成11年の本件競技会において,Gの機体に「CITIZEN」及び「PROMASTER」のロゴを記載したカッティングシートを貼付し,被告がFWGPA日本代表部に対し,協賛金300万円を支払うことで合意した。Bは,被告に対し,Gの機体のほか,サービスで,もう1機に同様のカッティングシートを貼付する旨申し出た。 さらに,Bは,Fとの間で,FWGPA日本代表部が,弘研に対し,仲介手数料として,売上金の15%を支払う旨合意した。 カ原告は,同年8月に行われたマスコミ向けイベント飛行において2機の機体に被告のロゴを貼付して飛行した。上記イベントの際,原告は,弘研のFや被告の担当者と初めて顔を合わせたが,契約関係についての詳しい話はしなかった。 キ Bは,マスコミ向けイベント飛行の後,被告との間で,前記オ記載の合意について覚書を作成することにした。 Bは,上記覚書作成作業の中で,被告に対し,協賛金支払に対するサービスとして,機体に被告のロゴを けイベント飛行の後,被告との間で,前記オ記載の合意について覚書を作成することにした。 Bは,上記覚書作成作業の中で,被告に対し,協賛金支払に対するサービスとして,機体に被告のロゴを貼付するサービスだけでなく,FWGPA等の表示を使用した時計の製作を認めることについても提案するようになった。そこで,Bと被告の間においては,結局,FWGPA日本代表が,本件競技会に出場するGの機体に「CITIZEN」及び「PROMASTER」のロゴを記載したカッティングシートを貼付すると共に,被告がFWGPA等の本件競技会関連の表示を使用した時計を製作することを認め,被告がFWGPA日本代表部に対し,協賛金300万円を支払うことで合意し(本件使用許諾契約契約),同年9月ころ,その旨の覚書を作成した。(甲3。本件覚書)。ただし,本件覚書には,作成日付として同年8月1日との記載がなされ,被告が支払う具体的な金額は記載されず,FWGPA日本代表部が使用許諾する表示の例として「FWGPA」及び「G」が記載されただけで,具体的な表示は記載されなかった。 本件覚書(甲3)は,被告(甲),弘研(乙)及び「FWGPA JapanDelegation」の3者を契約当事者とするものであり,「上記3社を当事者とし,甲のためになされる,丙が主管するアエロバディックスグランプリ開催(平成11年10月15日から17日)における出場パイロット,Gおよび機体(以下を「丁」という。)への協賛および,甲が展開する広告物の企画,制作および映像使用等に関し,以下の各条項により覚書を取り交わした。」との前文に始まり,次のような条項を含むものである。 第1条(委託業務)甲は乙に対し,丙主管のアエロバティックスグランプリに出場する丁への より覚書を取り交わした。」との前文に始まり,次のような条項を含むものである。 第1条(委託業務)甲は乙に対し,丙主管のアエロバティックスグランプリに出場する丁への協賛,広告の企画,制作および実施等の業務を委託し,乙はこれを受諾した。 第2条(公告の範囲)前条に定める公告は,甲の商品「CITIZENPROMASTER(シチズンプロマスター)」空展開商品(以下「本商品」という)のための電波媒体広告物(テレビCMおよびラジオCM,尚テレビCMについては劇場用CM,店頭放映用ビデオソフトCMへの流用を含む),印刷媒体広告物(新聞,雑誌,ポスター,パンフレット,チラシ,ダイレクトメール,テレフォンカード,カレンダー,POP等の一切を含む),交通広告物および無償頒布品等販売促進物(以下これらの広告物を総称して「本件広告物」という),パブリシティ活動並びに催事等の一切をいう。尚,電波媒体には有線放送,衛星放送及び通信ネット等によるものを含む。 第3条(使用期間)甲が展開する本件広告物に関する丙保管の写真,映像の使用期間は,平成11年8月5日から平成12年8月4日の1年間とする。 第4条(オリジナルモデルの製造その1)甲は,限定発売商品のオリジナルモデル「プロマスター『FWGPA』モデル(仮称)」を製造・販売する際には,および当該商品に『FWGPA』の名称を使用することができるものとする。 第5条(オリジナルモデルの製造その2)甲は,限定発売商品のオリジナルモデル「プロマスター『G』アドバイスモデル(仮称)」を製造・販売する際には,および当該商品に丁の氏名を使用することができるものとす の製造その2)甲は,限定発売商品のオリジナルモデル「プロマスター『G』アドバイスモデル(仮称)」を製造・販売する際には,および当該商品に丁の氏名を使用することができるものとする。 ク同年9月に,厚木基地イベント飛行が行われた。Bは,Fに対し,上記イベント飛行が行われることを告げ,被告のロゴをどうするか尋ねたところ,Fは,そのままにしておくよう答えた。原告は,Bからその旨の報告を受け,上記エアショーにおいても被告のロゴを2機の機体に貼付し,1機は展示飛行を,1機は地上展示を行った。 ケ同年10月の本件競技会においても,マスコミ向けイベント飛行と同様に,2機の機体に被告のロゴを貼付して飛行した。原告とFは,同競技会において顔を合わせたが,契約内容についての詳細な話はしなかった。 コ Bは,本件覚書に基づく協賛金等の支払として,Fに対し,次の(ア)ないし(ウ)のとおり合計255万円(弘研の仲介手数料15%を控除したもの)を請求し,Fは,これらの金員を上記ア記載の原告の銀行口座に振込送金する方法により支払った。これらの入金については,そのころ,Bから原告に対してEメールにより報告がされている。また,本件覚書に基づく協賛金とは別に,上記クに対する協賛金及びブース代の支払として(エ)及び(オ)のとおり請求した。その他,カッティングシートや編集ビデオ作成の実費の支払として次の(カ)のとおり請求した。 (ア) Bは,同年8月30日に,協賛金300万円の一部として55万円の支払を請求し(乙31の2),Fは,同年10月29日に,他の支払と合わせて110万円を,東京三菱銀行札幌支店の「マーケテイング・サービスイズエフダブルジーピー」名義の口座に振込送金する方法により,支払った(乙31 31の2),Fは,同年10月29日に,他の支払と合わせて110万円を,東京三菱銀行札幌支店の「マーケテイング・サービスイズエフダブルジーピー」名義の口座に振込送金する方法により,支払った(乙31の1,2,34)。 (イ) Bは,同年9月30日に,協賛金300万円の一部として100万円の支払を請求し(乙32の2),Fは,同年11月30日に,他の支払と合わせて117万円を,東京三菱銀行札幌支店の「マーケテイング・サービスイズダイヒヨウミツカノブユキ」名義(ただし,口座番号は(ア)記載の口座と同一)の口座に振込送金する方法により,支払った(乙32の1,2,35)。 (ウ) Bは,同年10月30日に,協賛金300万円の一部として100万円の支払を請求し(乙33),Fは,同年12月30日に100万円を,上記(イ)記載の口座に振込送金する方法により,支払った(乙36)。 (エ) Bは,同年8月30日に,米軍厚木基地での航空ショーにおける機体への協賛金50万円から弘研の仲介手数料15%を控除した42万5000円の支払を請求した(乙31の2)。 (オ) Bは,同年9月30に日に,米軍厚木基地での航空ショーにおけるブース代20万円から弘研の仲介手数料を控除した17万円の支払を請求した(乙32の1)。 (カ) Bは,同年8月31日に,カッティングシート代及びビデオ編集代として合計12万5000円の支払を請求した(乙31の1)。 サ被告は,平成11年10月ないし平成12年12月ころ,被告製品を掲載したプロマスターシリーズのカタログを頒布し(乙2,5,9),同年8月から9月,同年12月から平成13年1月のJALSHOPのパンフレットに被告製品を掲載し(甲4の1・2,9 ころ,被告製品を掲載したプロマスターシリーズのカタログを頒布し(乙2,5,9),同年8月から9月,同年12月から平成13年1月のJALSHOPのパンフレットに被告製品を掲載し(甲4の1・2,99の1ないし99の3,同年12月ないし平成13年2月ころ,雑誌に被告製品の広告を掲載した(乙4,6,7)。同パンフレットには被告商品の商品名「AEROBATICSMODEL」が記載され,別紙標章目録2の標章が掲載され,FAIの公認モデルであることが記載された。 シ Eは,前記1(1)サ(ア)記載のとおり,原告に対してFWGPA.S.Aの正式な代理人として契約を締結するよう求めたが,原告は,これを拒絶したため,Eは,BをFWGPA.S.Aの正式な代理人にすることにした。 ス原告は,平成12年に,国際線の「JALSHOP」に掲載された被告製品の広告を見て,Fに対し,被告製品の販売は海外でも行われているのかと問い合わせた。原告の問い合わせ内容は,当初,被告製品の販売は国内だけではなかったかとの内容であったが,後に,被告製品の製作については承知していないという内容に変化した。 (2) 以上認定の各事実によれば,①原告は,平成10年からBに「FWGPA日本代表部マネージングディレクター」の肩書を与えて,原告の本件競技会の開催業務全般に関与させていたものであるところ,本件においても,Bは,FWGPA日本代表部マネージングディレクターとして,弘研の紹介により被告を知り,被告に対して本件競技会の協賛企業となるように働きかけ,被告との折衝を行っていること,②マスコミ向けイベント飛行及び平成11年の本件競技会において,原告の関与の下,BとFの間の合意(本件使用許諾契約)の内容に従って,Gほか1機(合計2機)の機体に「CITIZE 衝を行っていること,②マスコミ向けイベント飛行及び平成11年の本件競技会において,原告の関与の下,BとFの間の合意(本件使用許諾契約)の内容に従って,Gほか1機(合計2機)の機体に「CITIZEN」及び「PROMASTER」のロゴを表示したカッティングシートを貼付して飛行等が行われていること,③被告から,BとFの間の合意(本件使用許諾契約)の内容に従った金員が,原告の銀行口座に支払われ,当該入金についてはBから原告に報告されていること,④原告は,当初,Fに対しては,被告製品の国内における販売は承知しているような言動をしていたこと,などの事実が指摘できるものであり,これらの事情に照らせば,原告は,本件競技会の開催に関する業務全般につき,Bに包括的な代理権を付与していたものであり,被告との間の本件使用許諾契約も,このようなBの代理権に基づく権限の範囲に属するものとして締結されたものと認めるのが相当である(加えて,本件使用許諾契約の内容については,原告自身もこれを認識し,了承していたものと認められる。)。 なお,原告は,本件使用許諾契約合意のうち,Gの機体に「CITIZEN」及び「PROMASTER」のロゴを記載したカッティングシートを貼付することと被告がFWGPAに対して300万円を支払うことは承知していたが,被告に対してFWGPAやウイングマークを使用した時計を製作することを認めることは承知していない旨,及び,原告はBに対して1機1飛行につき50万円にするよう指示しており,被告から受領した300万円(弘研に対する手数料控除前)は,平成11年8月のマスコミ向けイベント飛行,同年9月の米軍厚木基地の航空ショーにおけるイベント飛行及び同年10月開催の本件競技会の3回の飛行で2機に被告のロゴを表示したことの対価である旨を陳述書及び 平成11年8月のマスコミ向けイベント飛行,同年9月の米軍厚木基地の航空ショーにおけるイベント飛行及び同年10月開催の本件競技会の3回の飛行で2機に被告のロゴを表示したことの対価である旨を陳述書及び本人尋問において述べている。しかし,同年9月の厚木基地イベント飛行に関しては,原告は,別途対価50万円(弘研に対する手数料控除前)を受領しているのであるから,本件使用許諾契約の内容は,前記のとおり認定できるものというべきである。 また,原告は,仮に本件使用許諾契約が認められたとしても,使用を許諾する範囲は「FWGPA」又は「G」であって,「AEROBATICS」やウイングマークについては使用許諾していない旨主張する。 しかし,本件覚書においては,被告の限定発売商品について「プロマスター『FWGPA』モデル(仮称)」,「プロマスター『G』モデル(仮称)」と記載されているものであり,これによれば「FWGPA」や「G」の表示が例示であることは明らかであり,また「FWGPA」の正式名称が「FAIWORLDGRANDPRIXOFAEROBATICS」であることに加えて,前記の本件使用許諾契約の成立経緯や,原告が被告製品の広告等によりその商品名が「AEROBATICSMODEL」であることを了知していたこと(前記(1)ス参照)等に照らせば,「AEROBATICS」の表示も本件使用許諾契約の範囲内の表示というべきである(ウイングマークについては,前判示のとおり,原告の商品等表示とは認められず,原告はウイングマークについて何ら権限を有していない。)。 上記によれば,原告は,Bを代理人として,FWGPA日本代表部の名前で,被告との間で,「AEROBATICS」の表示を使用許諾を含む本件使用許諾契約を締結したものと認 していない。)。 上記によれば,原告は,Bを代理人として,FWGPA日本代表部の名前で,被告との間で,「AEROBATICS」の表示を使用許諾を含む本件使用許諾契約を締結したものと認められる。 なお,使用許諾の期間については,本件覚書においては,第3条に広告物に関する写真,映像の使用期間についての定めは置かれているものの,被告の販売する製品(オリジナルモデル)については期間の定めが置かれていないこと等に照らせば,被告製品の製造販売に関しては使用許諾に期間的限定は付されていないものというべきである。 上記によれば,被告が被告製品に「AEROBATICSMODEL」の商品名を付して販売した行為は,本件使用許諾契約による許諾の対象となっていたと認めるのが相当である。 4 以上によれば,その余の点について判断するまでもなく,原告の請求は,いずれも理由がない。 よって,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第46部裁判長裁判官三村量一 裁判官吉川泉 裁判官大須賀寛之は,転任のため署名押印することができない。 裁判長裁判官三村量一(別紙)原告商標目録標章目録1標章目録2商標目録1商標目録2標章目録3標章目録4標章目録5標章目録6商標目録3 録5 標章目録6 商標目録3

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