主文 本件抗告を棄却する。抗告費用は抗告人の負担とする。理由 一、抗告人は「原決定を取り消す。相手方らの執行停止の申立を却下する。申立費用は相手方らの負担とする。」との裁判を求めた。その理由とするところは「抗告人の主張及び疎明方法は原審に提示したとおりである。原審が、最近の学生運動の暴力化の趨勢をよく知りながら、これに目を掩い、本件執行停止の決定をなしたことは、不当も甚しいので、本抗告に及んだものである。」というのである。二、そこで、本件執行停止の申立の当否について考えるに、当裁判所は、次の点を補足するほか、原決定が説示するところと同一の理由により、右申立を相当と認めるものである。(一)疎明資料によると、相手方Aが「大学を考える研究者の会」の代表者として広島市公会堂の使用許可を申請した目的は、同会の主催の下にその構成員のほか多数学生、市民らの参加を得て、広島大学の紛争問題につき報告と討論を行なうためであり、右集会の参加人員として約一、〇〇〇名を予定していること、同会は右集会につきすでにステツカー、ポスターによる宣伝など諸般の準備を行なつていることが認められる。それらの事実を原決定判示の事実に合わせ考えると、本件使用許可取消処分により、右集会を予定の日時に広島公会堂で開くことができなくなるだけでなく、右集会を予定の日時に他の適当な場所で開くとか、一旦延期したうえ近日中に開催することも、会場設備等の関係から著しく困難であることが窺われ、また、大巾の延期をしたのでは右集会の性質上その目的を達しえないことは明らかであつて、結局本件使用許可取消処分は右集会の開催自体を不可能ないし著しく困難ならしめるものといわなければならない。従つて、本件執行停止の申立は、回復の困難な損害を避けるための緊急の必要に基づくものとい つて、結局本件使用許可取消処分は右集会の開催自体を不可能ないし著しく困難ならしめるものといわなければならない。 ことが窺われ、また、大巾の延期をしたのでは右集会の性質上その目的を達しえないことは明らかであつて、結局本件使用許可取消処分は右集会の開催自体を不可能ないし著しく困難ならしめるものといわなければならない。従つて、本件執行停止の申立は、回復の困難な損害を避けるための緊急の必要に基づくものとい つて、結局本件使用許可取消処分は右集会の開催自体を不可能ないし著しく困難ならしめるものといわなければならない。従つて、本件執行停止の申立は、回復の困難な損害を避けるための緊急の必要に基づくものというべきである。(二)抗告人は、広島市公会堂で前記集会が行なわれた場合に、反対勢力等からの妨害により混乱を生じ破壊行為がなされるおそれがあると主張する。しかし、昨今の大学紛争における暴力事件頻発の情況から直ちに、これと条件を異にする前記集会の場においても同種事件の発生の危険性があるとすることは根拠に乏しく、本件にあらわれた全疎明資料をもつてしても、相手方らの集会自由の侵害をやむなしとするに足りるだけの危険性があるとは認められない。三、よつて、原決定は相当であり、本件控訴は理由がないのでこれを棄却し、抗告費用は抗告人に負担させることとして、主文のとおり決定する。(裁判官松本冬樹浜田治村岡二郎)
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