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主文 本件抗告を棄却する。理由 本件抗告の趣旨及び理由は別紙のとおりであり、疏明方法の添付がある。抗告理由第一の(一)乃至(三)に付て、憲法第三一条にいわゆる刑罰は固有の刑罰のほか、強制的な財産罰である過料をも含むものと解すべきことは抗告人等の所論のとおりである。しかしながら、憲法第八二条にいう裁判とは民事および刑事の訴訟手続をいうのであつて、本来の意味の民事及び刑事の訴訟手続以外の手続である非訟事件手続はこれに包含せられないと解すべきである。従つて過料の裁判を憲法第八二条所定の公開法廷で対審及び判決によつて之を行うことを要するものではなく、要は過料の裁判が法律で定められた妥当な手続によつて行われることを以て足るものであり、而して非訟事件手続法所定の裁判手続はこの意味において欠くるところはないと解すべきであると共に、抗告人所論の別訴の提起により更に過料の裁判を覆えすごときことは許すべきでない。詳細な所論を逐一検討するも到底採用することはできない。抗告理由第二の(一)に付て、過料の裁判手続が対審公開の裁判手続と異なることを許されるのは右に説明したとおりであるから、之に付て訴なければ裁判なしとの原則の支配を受けるものではなく、裁判所が職権により之をなし得るものと解すべきである。抗告理由第二の(二)について、原審における被審人四名のほかに尚、Aが理事であつたに拘らず、同人に対しては陳述書の提出も命ぜられず、且つ過料の裁判を受けていないことは抗告人所論のとおりであるが、このことは、抗告人等の責任の無いことの論拠とは認められない。抗告理由第二の(三)に付て、<要旨>非訟事件手続法第一二一条第一項所定の法人の登記事項の変更の登記は、理事の全員より之を申請すること</要旨>を要せ の責任の無いことの論拠とは認められない。抗告理由第二の(三)に付て、<要旨>非訟事件手続法第一二一条第一項所定の法人の登記事項の変更の登記は、理事の全員より之を申請すること</要旨>を要せず、理事が数人あるときはその中一人より之をなすことを得る趣旨であると解せられるが、之は単に理事の中の一人が登記義務を履行すれば他の理事も責任を免れる結果を生ずるにすぎないのであり、之が為各理事の登記義務並にその懈怠のときの制裁を理事中の一人に制限し得べき法意と見ることはできない。 <要旨>非訟事件手続法第一二一条第一項所定の法人の登記事項の変更の登記は、理事の全員より之を申請すること</要旨>を要せず、理事が数人あるときはその中一人より之をなすことを得る趣旨であると解せられるが、之は単に理事の中の一人が登記義務を履行すれば他の理事も責任を免れる結果を生ずるにすぎないのであり、之が為各理事の登記義務並にその懈怠のときの制裁を理事中の一人に制限し得べき法意と見ることはできない。抗告人提出の疏明方法によれば、財団法人白楽天山保存会寄附行為中には、同法人の理事が互選で理事長一名を選任し、理事長がこの法人を代表する旨の規定があり、而して之に基いて昭和三五年七月二〇日の理事会において理事Bが理事長に選任されたことは認められるが登記のごとき公法上の義務に関する行為については、かかる寄附行為の定めを以て法律の定めた各理事の義務を左右し得るものではない。抗告人援用の大審院判例には抗告人の主張に副うものがあるが、当裁判所は旧工業組合法第三五条に付ての大審院決定(昭和一〇年七月一二日、大審院民事判例集同年一三七九頁)の趣旨に従うものである。以上の次第であるから、抗告人の主張はすべて採用できないのであり、その他記録を精査するも原決定には違法の廉がないから、本件抗告を理由なきものとして棄却すべきものとし、主文のとおり決定する。(裁判長裁判官加納実裁判官沢井種雄裁判官加藤孝之)
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