令和4刑(わ)974 建造物侵入

裁判年月日・裁判所
令和4年12月22日 東京地方裁判所
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判決文本文2,778 文字)

- 1 - 令和4年12月22日東京地方裁判所刑事第13部宣告令和4年刑第974号、同第1034号、同第1206号、同第1450号、同第1451号、同第1452号、同第1893号、同第1895号、同第1896号建造物侵入被告事件 主文 被告人Aを懲役10月に、被告人Bを懲役1年に、被告人Cを懲役10月に、被告人Dを懲役1年6月に、被告人Eを懲役1年に処する。 未決勾留日数中、被告人A、被告人B及び被告人Cに対し各100日を、被告人Dに対し90日を、被告人Eに対し70日を、それぞれその刑に算入する。 被告人5名に対し、この裁判確定の日から3年間それぞれその刑の執行を猶予する。 訴訟費用中、被告人Bの国選弁護人に関する分は被告人Bの負担とし、被告人Cの国選弁護人に関する分は被告人Cの負担とする。 理由 (罪となるべき事実)被告人Dは、新型コロナウイルスワクチン接種に反対する団体である甲会の代表であった者、被告人A、被告人B、被告人C及び被告人Eは、いずれも同会構成員であった者であるが、第1(令和4年刑第1893号、同第1895号及び同第1896号各追起訴状記載の公訴事実)被告人D、被告人B及び被告人Eは、同会構成員F、同G、同H、同I、同J及び氏名不詳者らと共謀の上、多数人でワクチン接種会場に赴いて、同会の活動の一つとして同会場内で現に行われているワクチン接種の中止を求める目- 2 - 的で、予め面談の約束を取り付けるなどしないまま、被告人B、被告人E、前記F、前記G、前記H、前記I、前記J及び複数名の氏名不詳者らが、令和4年3月15日午前11時49分頃から同日午前11時50分頃までの間に、株式会社乙代表取締役社長Kが看守する東京都文京区ab丁目c番d号乙新型コロ H、前記I、前記J及び複数名の氏名不詳者らが、令和4年3月15日午前11時49分頃から同日午前11時50分頃までの間に、株式会社乙代表取締役社長Kが看守する東京都文京区ab丁目c番d号乙新型コロナウイルスワクチン接種会場内に、係員の制止を振り切って無施錠の20番ゲートから侵入した。 第2(令和4年刑第1450号、同第1451号及び同第1452号各追起訴状記載の公訴事実)被告人5名は、同会構成員L、同M、同N及び氏名不詳者らと共謀の上、前記と同様の目的で、予め面談の約束を取り付けるなどしないまま、被告人5名、前記L、前記M、前記N及び多数名の氏名不詳者らが、同月29日午後1時10分頃から同日午後1時15分頃までの間に、新宿区長Oが看守する東京都新宿区ef丁目g番h号所在の丙新型コロナウイルスワクチン接種会場内に、所定の受付手続を経ることなく無施錠の南西側出入口及び西側出入口から侵入した。 第3(令和4年刑第974号、同第1034号及び同第1206号各起訴状記載の公訴事実)被告人5名は、前記L、前記M、前記N及び氏名不詳者らと共謀の上、前記と同様の目的で、予め面談の約束を取り付けるなどしないまま、被告人5名、前記L、前記M、前記N及び複数名の氏名不詳者らが、同年4月7日午前9時42分頃から同日午前9時45分頃までの間に、丁クリニック院長Pが看守する東京都渋谷区ij丁目k番l号所在の新型コロナウイルスワクチン接種会場である同クリニック内に、無施錠の出入口から侵入した。 (量刑の理由)被告人らは、第1の犯行では、民間企業が場所を提供し運営も行うとして設置した集団接種会場に十数名で係員の制止を振り切って強引に侵入し、第2の犯行では、- 3 - 地方自治体が設置した集団接種会場に所定の受付手続を経ることなく数十名が 所を提供し運営も行うとして設置した集団接種会場に十数名で係員の制止を振り切って強引に侵入し、第2の犯行では、- 3 - 地方自治体が設置した集団接種会場に所定の受付手続を経ることなく数十名が二手に分かれて侵入し、第3の犯行では、地方自治体の要請に応じてワクチン接種を行っていた個人経営の小規模のクリニックにいきなり十数名で侵入している。いずれも多数の共犯者による計画的犯行である。各会場で勤務していた者らは、恐怖感や不安感に襲われており、各ワクチン接種会場の平穏は大きく害されている。いずれも、建造物侵入として悪質なものといえる。 被告人らは、デモ活動等の適法な方法による意見表明では新型コロナウイルスワクチン接種を中止させるという目的が達成できないと考え、自分たちの意見を押し通すため、あえて第1から第3までないしは第2及び第3の各犯行に及んだものであるから、いずれも厳しい非難を免れない。 本件各犯行は、新型コロナウイルスワクチン接種に反対する団体の活動の一つとして行われているところ、被告人Dは、同団体の代表であり、第1から第3までのすべての犯行において主導的役割を果たし、第2及び第3の犯行において侵入行為もしている。その責任は、被告人5名の中で最も重い。 被告人B及び被告人Eは、いずれも前記団体のサブリーダーとして、第1から第3までのすべての犯行において侵入行為をしている。その責任は、被告人Dに次いで重い。 被告人A及び被告人Cも、同様に前記団体のサブリーダーとして、第2及び第3の犯行において侵入行為をしている。その責任は、被告人B及び被告人Eに次いで重い。 以上によれば、被告人らの刑事責任はいずれも相応に重く、懲役刑の選択は免れない。 他方で、被告人らは、いずれも公訴事実を認めるに至り、前記団体に退会届を提出し、 B及び被告人Eに次いで重い。 以上によれば、被告人らの刑事責任はいずれも相応に重く、懲役刑の選択は免れない。 他方で、被告人らは、いずれも公訴事実を認めるに至り、前記団体に退会届を提出し、各被害者に謝罪文を送付するなどして反省の態度を示している。また、被告人Dの同居の父が、今後は同居予定の被告人Dの妻と共に被告人Dを監督する旨証言し、被告人Eの同居の妻が、今後は2人で包み隠さず話をするようにして被告人- 4 - Eを監督する旨証言し、被告人Bの同居の妹が、今後は近隣に居住させて見守るなどして被告人Bを監督する旨証言し、被告人Cの父が、被告人Cには二度と犯罪をさせない旨証言しており、被告人Aも、同居の妻から、厳しい態度で自覚を促されている。 これらの事情も踏まえて、被告人らに対し、それぞれの責任に見合った刑期を定めた上、その刑の執行を猶予することとした。 (求刑-被告人A及び被告人Cにつき懲役10月、被告人B及び被告人Eにつき懲役1年、被告人Dにつき懲役1年6月)令和4年12月23日東京地方裁判所刑事第13部 裁判長裁判官平出喜一 裁判官須田雄一 裁判官渡邉一昭

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