令和4刑(わ)2273 建造物侵入、窃盗

裁判年月日・裁判所
令和5年3月2日 東京地方裁判所
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判決文本文1,758 文字)

令和5年3月2日東京地方裁判所刑事第13部宣告令和4年刑第2273号、同第2432号、同第2599号、同第2854号建造物侵入、窃盗被告事件 主文 被告人を懲役2年6か月に処する。 未決勾留日数中110日をその刑に算入する。 この裁判が確定した日から4年間その刑の執行を猶予する。 理由 【罪となるべき事実】被告人は、下記第1から第4までの各行為をした。 第1(令和4年10月26日付け追起訴状公訴事実)正当な理由がないのに、令和4年6月上旬頃、警視庁総務部参事官企画課長Aが看守する東京都千代田区丸の内3丁目8番1号にある警視庁丸の内庁舎内に、鍵のかかっていない正面出入口自動扉から侵入した。その上で、その頃、同庁舎a階フロアにある同庁b部c課において、同課課長B管理に係る腕章2個を盗んだ。 第2(令和4年11月21日付け追起訴状公訴事実)正当な理由がないのに、令和4年8月24日午後3時24分頃、自由民主党本部総務局事務局Cが看守する東京都千代田区永田町1丁目11番23号にある自由民主党本部内に、鍵のかかっていない東側正面出入口自動式両開きドアから侵入した。 第3(令和4年9月20日付け起訴状公訴事実)正当な理由がないのに、令和4年8月24日午後5時18分頃、外務省大臣官房会計課長Dが看守する東京都千代田区霞が関2丁目2番1号にある外務省内に、衆議院議員を装って正面玄関から侵入した。 第4(令和4年10月6日付け追起訴状公訴事実) 正当な理由がないのに、令和4年8月25日午後4時55分頃、厚生労働省大臣官房会計課長Eが看守する東京都千代田区霞が関1丁目2番2号にある中央合同庁舎第5号館内に、衆議院議員を装って同館東ゲートから侵入した。 【量刑の 令和4年8月25日午後4時55分頃、厚生労働省大臣官房会計課長Eが看守する東京都千代田区霞が関1丁目2番2号にある中央合同庁舎第5号館内に、衆議院議員を装って同館東ゲートから侵入した。 【量刑の理由】被告人は、警視庁丸の内庁舎内に初めて侵入したときに、まとめて置いてある腕章の存在に気付き、その後何度も侵入するたびに同腕章が変わらず置いてある状況を確認し、同腕章が欲しくなり、第1の犯行に及んだと説明している。その建造物侵入は常習的犯行の一環であり、手口も大胆で手馴れている。窃盗の被害品は、廃棄予定のものであるとはいえ警察官が使用する真正な腕章であって、悪用のおそれがあることを考慮すると、たとえ被告人に悪用の意図がなかったとしても、その結果を軽くみることはできない。庁舎内を見てみたい、腕章が欲しいとの動機は身勝手なものであり、酌むべき点はない。 被告人は、その約2か月後、予め入手していた偽の議員バッヂを着用して衆議院議員になりすますなどして、自由民主党本部、外務省、中央合同庁舎第5号館に、立て続けに侵入している。計画的かつ常習的犯行の一環であり、その手口も大胆かつ巧妙である。警備員に声をかけられたときに名のる偽名を予め考えていなかったこと、容易に侵入を果たすことができたこと等の弁護人が指摘する事情は、上記評価を左右しない。自由民主党本部の空気感を味わいたい、偉い人になったような気分を味わいたい、庁舎内の様子を見てみたいとの動機はいずれも安易かつ幼稚なものであり、やはり酌むべき点はない。 以上によれば、被告人の刑事責任は重く、相応の期間の懲役刑は免れない。 他方、被告人は、事実関係をすべて認めて反省しており、二度と犯罪をしない旨誓っている。未だ若く、前科もない。被告人の母が、社会復帰後は被告人を同居させて監督する旨証言してい の懲役刑は免れない。 他方、被告人は、事実関係をすべて認めて反省しており、二度と犯罪をしない旨誓っている。未だ若く、前科もない。被告人の母が、社会復帰後は被告人を同居させて監督する旨証言している。これらの情状を併せ考慮すると、直ちに被告人を服役させることは相当でない。 そこで、被告人に対しては、その責任に見合った刑期を定めた上で、今回に限り、 その刑の執行を猶予して、社会内で立ち直る機会を与えることとした。 (求刑懲役2年6か月)令和5年3月2日東京地方裁判所刑事第13部裁判官渡邉一昭

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