令和5(わ)192 傷害致死

裁判年月日・裁判所
令和6年3月8日 津地方裁判所
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判決文本文1,235 文字)

主文 被告人を懲役6年に処する。 未決勾留日数中170日をその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は 1 令和5年5月21日頃、津市(住所省略)被告人方において、布団の上に立っていた三女であるA(当時4歳)に対し、同布団を左手で強く引っ張り上げて同人を後方に転倒させ、その後頭部を床に打ち付けさせる暴行を加え 2 同月22日頃、同所において、高さ31センチメートルの机の上に立っていた同人に対し、その背中を右手で殴り、同机の上から転落させ、その前額部等を床に打ち付けさせる暴行を加えよって、同人に急性硬膜下血腫等の傷害を負わせ、同月26日午前8時23分頃、同市(住所省略)B病院において、同人を前記急性硬膜下血腫から生じた脳ヘルニアにより死亡させた。 (法令の適用)被告人の判示所為は包括して刑法205条に該当するので、その所定刑期の範囲内で被告人を懲役6年に処し、同法21条を適用して未決勾留日数中170日をその刑に算入することとし、訴訟費用は、刑事訴訟法181条1項ただし書を適用して被告人に負担させないこととする。 (量刑の理由)被告人は、日頃から被害者を長女、二女と比べて差別的に扱い、被害者に対しネグレクトや暴行を繰り返すなど、被害者の存在(生命、身体)を軽視し、被害者の粗相等といっても些細なものであるにもかかわらず、育児が思い通りにいかないことへの苛立ちから安易に連日暴行に及んだ。被告人は、生活が苦しい中、発達の遅 れを感じていた被害者の育児について悩みを抱え込んでいたというが、周囲に相談することができたのに何ら相談しなかったことに鑑みれば、犯行に至る経緯及び動機は身勝手かつ短絡的であるといえる。慕っていた母親から暴行を加えられ、頭を強く打ち付けて亡くな でいたというが、周囲に相談することができたのに何ら相談しなかったことに鑑みれば、犯行に至る経緯及び動機は身勝手かつ短絡的であるといえる。慕っていた母親から暴行を加えられ、頭を強く打ち付けて亡くなった被害者の精神的、肉体的苦痛は計り知れない。他方、本件各暴行は、いずれも、被害者を転倒させ、頭を打ち付けさせる危険性のある行為であるが、頭部への打撃を目的とはしておらず、突発的、一回的なものである。以上を考慮すると、本件の犯情は、前科等のない親が、単独で、子に対し、凶器等を用いず暴行を加えて死亡させた児童虐待1件の同種事案の中で、中程度からやや軽い部類に位置付けられる。 被告人が事実を認めて反省の言葉を述べていること、被告人の母親が社会復帰後の身元引受及び雇用等を約束していること、長女及び二女が、被告人が早く戻ってきてくれるよう願っていることは、被告人の更生を支える有利な事情として考慮できる。 これらを総合して主文の刑に処するのが相当と判断した。 (求刑懲役8年) 令和6年3月8日 津地方裁判所刑事部 裁判長裁判官西前征志 裁判官中村海山 裁判官髙島菜緒

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