【DRY-RUN】主 文 一 被告が中労委昭和五三年(不再)第四号事件につき昭和六二年五月二〇日付け でした別紙(二)記載の命令中、次の部分を取り消す。 1 主文第2ないし第4項 2 主文第5項中(2)、(3)、(
主文 一被告が中労委昭和五三年(不再)第四号事件につき昭和六二年五月二〇日付けでした別紙(二)記載の命令中、次の部分を取り消す。 1 主文第2ないし第4項 2 主文第5項中(2)、(3)、(5)につきポストノーティスを命じた部分 3 主文第5項(4)中昭和五一年春の賃上げ交渉中に全従業員に受領書を配付し賃金を受領する者に署名押印のうえ提出させたことにつきポストノーティスを命じた部分 4 右1ないし3に関する原告の再審査申立てを棄却した部分二原告のその余の請求を棄却する。 三訴訟費用はこれを三分し、その一を原告の、その余を被告の負担とし、参加によって生じた費用はこれを三分し、その一を原告の、その余を補助参加人の負担とする。 事実 第一当事者の求めた裁判一請求の趣旨 1 被告が中労委昭和五三年(不再)第四号事件につき昭和六二年五月二〇日付けでした命令中、原告の再審査申立てを棄却した部分を取り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 二請求の趣旨に対する答弁 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 第二原告の主張一救済命令の成立千葉県地方労働委員会は、被告補助参加人(旧名称は総評全国金属労働組合千葉地方本部オリエンタル支部。以下「補助参加人」という。)を申立人、原告を被申立人とする千労委昭和五〇年(不)第三号不当労働行為救済申立事件につき、昭和五三年一月一三日付けで別紙(一)記載のとおりの救済命令を発した。原告が右命令を不服として被告に対し再審査の申立てをしたところ、被告は、右申立てにかかる中労委昭和五三年(不再)第四号事件につき、同六二年五月二〇日付けをもって、別紙(二)記載のとおり原告の再審査申立ての一部を認容して補助参加人の救済申立ての一部を棄却し、原告のその余の再審査申立て る中労委昭和五三年(不再)第四号事件につき、同六二年五月二〇日付けをもって、別紙(二)記載のとおり原告の再審査申立ての一部を認容して補助参加人の救済申立ての一部を棄却し、原告のその余の再審査申立てを棄却する旨の命令(以下「本件命令」という。)を発し、この命令書の写しは同年八月六日原告に交付された。 二しかしながら、本件命令には、以下のとおりの違法がある。 1 就業時間中の組合活動の範囲に関する団体交渉の拒否について就業時間中の組合活動については、組合活動は本来就業時間外に行われるものであるとする原告の見解と、就業時間中の組合活動は本来認められるべきであるとの補助参加人の見解が対立している。労働者は、雇用契約に基づき職務専念義務を負っており、就業時間中の組合活動は違法とされるべきであるから、原告の右見解は正当である。原告と補助参加人の右対立はもはや見解の相違としかいいようがなく、このように見解の対立が明白でいわゆるデッドロック状態にある場合には団体交渉の拒否に正当理由があるというべきである。 また、本件命令は、秋闘要求等の団体交渉において就業時間中の社外組合活動について具体的な話合いが行われたとする疎明がないとしているが、昭和五〇年一一月一一日にこの点につき話合いが行われたことが証拠上明らかである。 2 人事異動に関する団体交渉の拒否について本件命令は、原告が同五一年一一月一七日付け団体交渉申入書で団体交渉の議題として人事異動の件をわざわざ追加して原告側から団体交渉を申し入れたことを全く無視している。 次に、本件命令は、交渉事項が不明確であったとしても団体交渉においてその点を質し明確にすれば足りるとしているが、これは原告が同月二五日に行われた団体交渉の席上で補助参加人にこの点を質したのに対し、補助参加人が交渉事項を具体的に明確化 あったとしても団体交渉においてその点を質し明確にすれば足りるとしているが、これは原告が同月二五日に行われた団体交渉の席上で補助参加人にこの点を質したのに対し、補助参加人が交渉事項を具体的に明確化することができなかったことを無視した立論である。 さらに、補助参加人は、交渉事項に非組合員の問題が当然含まれる旨明示しているが、一般に労働組合は、組合員の労働条件その他の待遇についてのみ団体交渉権を有し、非組合員のそれらについては団体交渉権を有しないのであるから、原告が当該団交申入れを拒否しても不当労働行為は成立しないものというべきである。 3 組合事務所の設置、貸与に関する団体交渉の拒否等について原告は、別紙図面C記載の部分に位置する地下二階の倉庫の一部約三〇平方メートル(以下「C部分」という。)の貸与契約につき、同五〇年七月、間仕切り工事を完成させたうえ、原告作成の組合事務所貸与協定案を提示して補助参加人に記名調印を求めたところ、補助参加人は、それ以前の団体交渉において既に原告が建築基準法上の問題から拒否した事項(C部分の貸与は暫定的なものとして、別紙図面B記載の中庭のコンクリートに面した部分(以下「B部分」という。)に組合事務所を設置する。)やそれまで労使間に全く合意がない事項(オリエンタルサービス本社について書類等の保管スペースを設け貸与する。)を突如として付帯条件として持ち出したものである。したがって、C部分の貸与契約が成立しなかったのは、専ら補助参加人側の身勝手な付帯条件の固執による拒絶行為のせいであるから、本件命令が貸与契約の不成立を一方的な原告の翻意によるがごとき認定を行っているのは不当である。原告は、本来便宜供与であるから貸与する義務のない組合事務所の問題についても、補助参加人の結成直後から終始前向きに対応し、C部分につい 方的な原告の翻意によるがごとき認定を行っているのは不当である。原告は、本来便宜供与であるから貸与する義務のない組合事務所の問題についても、補助参加人の結成直後から終始前向きに対応し、C部分について工事まで行い、その後C部分が部品庫として使用され組合事務所用としては使用が不可能となった後は、別紙図面A記載の部分(以下「A部分」という。)に組合事務所を設置することを提案する措置まで講じてきたが、補助参加人は、右代替案に対し難色を示し、結局補助参加人自身の自主的判断に基づく選択の結果、組合事務所貸与に関する合意をみなかったものであって、原告の対応が権利の濫用であると認められるような特段の事情はない。また、原告の態度が補助参加人のストライキを契機として変わったとの本件命令の認定も事実無根である。 次に、本件命令は、補助参加人が約一〇平方メートルのプレハブ建物をもって組合事務所とすることに実質的に同意した旨の疎明がないとしているが、同五二年七月二一日の団体交渉において右の点につき同意があったことは証拠上明らかである。 4 組合集会等のための食堂使用について本件命令は、P1守衛に対する同五一年二月二三日の事件についての事実認定を誤っている。当時、原告の豊四季事業所食堂では就業時間後原告の承諾を得て社員の各種サークル活動、勉強会、課単位の打合せ等が行われており、守衛は、保安管理業務の一環として終業時間後他の職場はもちろん食堂についても巡回するとともに、残っている者の人数及び氏名を確認する業務を行っていた。同日も午後六時二〇分ころ、P1守衛が食堂を巡回し同所を組合集会のため使用中の者の人数及び氏名を確認していたところ、補助参加人のP2委員長及びP3書記長が、P1守衛に対し「会社の犬」等と暴言をはいて同人の職務を妨害し、氏名を記録した用紙を取り上 同所を組合集会のため使用中の者の人数及び氏名を確認していたところ、補助参加人のP2委員長及びP3書記長が、P1守衛に対し「会社の犬」等と暴言をはいて同人の職務を妨害し、氏名を記録した用紙を取り上げる等の行為に及んだものであって、このような補助参加人の行為は到底正当とはいえず、原告がこれに対し厳重な警告を行うことは当然である。そもそも、終業時間後の食堂使用について、守衛が巡回し居残った者の人数及び氏名を確認することは保安管理上必要最小限の業務行為であって、労働組合といえども企業施設を借りる以上、施設管理権を有する企業が保安管理の必要から行う一定の制約に服する義務がある。右施設管理権に基づく規律や制約に服さない者に対しては、企業秩序を乱すものとして、その行為の中止、原状回復等必要な指示、命令を発し、又は規則に定めるところに従い制裁として懲戒処分を行うことができると解すべきであるから、原告が補助参加人に対し、前記守衛業務を否定するのであれば、原告の施設の使用は一切認めない旨通告することも、施設管理権者たる原告としては当然の正当な行為である。 次に、本件命令は、原告が、補助参加人においてP1守衛の事件についての補助参加人の見解を維持するならば、原告の施設の使用は一切認めないとの態度で以後一貫して対処した旨の認定をしている。しかしながら、原告は、補助参加人宛同年三月一八日付け申込書で同書記載1ないし4の条件を補助参加人が今後誠実に守る旨を約束すれば、支障のない限り補助参加人の大会開催のための食堂使用を許可する旨申し出ており、右条件は施設管理権を有する企業としては極めて穏当かつ常識的な内容である。しかるに、補助参加人は、事前に届出さえすれば食堂を自由に使用できるとの独自の見解に立って原告の右申出を拒絶し、原告所定の会場使用許可願の書式を勝手に 企業としては極めて穏当かつ常識的な内容である。しかるに、補助参加人は、事前に届出さえすれば食堂を自由に使用できるとの独自の見解に立って原告の右申出を拒絶し、原告所定の会場使用許可願の書式を勝手に会場使用届と改めて同年二月二七日以降数回にわたり原告の許可なく食堂を勝手に使用しているものである。このような原告の一定の譲歩案を示した柔軟で正当な対応に比し、補助参加人の硬直した見解に基づく不当かつ違法な一連の食堂の無断使用行為の数々を総合勘案すれば、本件の食堂使用に関する原告の措置が権利の濫用であると認められるような特段の事情があるということはできない。 5 組合加入状況の調査について本件命令は、補助参加人にその組織率を尋ねれば足りるかのごとき判断をしているが、原告は、団体交渉の席において補助参加人に対し組合員数及び組織率について、しばしば質問したにもかかわらず補助参加人は一切これを明らかにしなかったものである。 さらに、本件命令は、本調査が記名式であることを非難するが、右調査のための回答書の提出及び同票に記名をするか否かは従業員の自主的判断に委ねられていたのであるから、右非難は失当である。 6 新入社員教育における組合誹謗についてそもそも原告が、P4に対し、本件命令が認定したような内容の講義を依頼した事実はない。P4と原告との関係は、総務関係の相談や社員教育等の講演に対し顧問料を支払うという委任契約関係であって、P4が会社に常駐することはなく、会社に同人の部屋があるわけでもない。したがって、P4は会社外の第三者にすぎないから、同人の行為は原告との通謀や指示がある場合にのみ原告の行為とみなされるべきであると解すべきところ、本件命令は、原告の指示や通謀がないにもかかわらず、P4が原告の顧問の地位にあることから直ちにP4の行為を原告に帰責 告との通謀や指示がある場合にのみ原告の行為とみなされるべきであると解すべきところ、本件命令は、原告の指示や通謀がないにもかかわらず、P4が原告の顧問の地位にあることから直ちにP4の行為を原告に帰責させている点において誤っている。 7 一時金の念書及び受領書の配布について本件命令は、本件一時金等を支給するにつき非組合員と組合員とを区別すべき合理的理由がないとしているが、本件のように原告と補助参加人との交渉が継続中でいまだ妥結に至らない時に、直接組合員に対し原告回答額の金員を支給することは、組合の団体交渉権を無視した不当労働行為と非難されることが確実であるから、これを回避する目的で非組合員と組合員とを区別することには合理的理由がある。 さらに、本件命令は、受領の事実を証するためには、本件念書又は受領書の配布以外に方法がないわけではないというが、それ以外の方法とは何を指すか不明である。 8 組合脱退工作について原告は、P5取締役の本件行為を全く了知しておらず、仮に本件命令が認定したような事実があったとしても、それはあくまでP5取締役の個人的行為であるから不当労働行為にはならない。 三本件命令書の理由中「第1 当委員会の認定した事実」に対する認否は、以下のとおりである。 1 「1 当事者」について(一) (1)の事実のうち、原告の資本金額及び株式会社オリエンタルサービスの業務内容は否認し、その余の事実は認める。原告の資本金額は昭和六二年九月現在一〇億円であり、株式会社オリエンタルサービスは同六一年六月以降サービス部門の業務のみを扱っている。 (二) (2)の事実のうち、補助参加人が存在することは認め、その余の事実は知らない。 2 「2 組合の公然化から昭和五〇年七月三日のストライキまでの経過」について(一) (1)の事実のうち、補 (二) (2)の事実のうち、補助参加人が存在することは認め、その余の事実は知らない。 2 「2 組合の公然化から昭和五〇年七月三日のストライキまでの経過」について(一) (1)の事実のうち、補助参加人が昭和五〇年五月一三日、原告に組合を結成したことを通知するとともに、一三項目についての要求書を提出したことは認め、その余の事実は知らない。 (二) (3)の事実のうち、ストライキに参加した組合員数は知らない。部課長ら職制が、組合員が就労中の非組合員に対しストライキに協力するよう説得することを阻止したとの点、会社が組合に出した文書が警告書であるとの点及び会社が組合宛に平和条項又は争議条項があることを前提とするかのごとき要求を行ったとの点はいずれも否認する。その余の事実は認める。 3 「3 就業時間中の組合活動の範囲に関する団体交渉」について(一) (1)ないし(4)の各事実は認める。 (二) (5)の事実のうち、原告が団体交渉に応じなかったとの点は否認し、その余の事実は認める。補助参加人の交渉事項の趣旨が不明確であったので、議題の整理と明確な具体案の提出を求めたが、補助参加人がこれに応ぜず団体交渉に至らなかったものである。 (三) (6)の事実のうち、原告が団体交渉に応じなかったとの点は否認し、その余の事実は認める。 (四) (7)の事実のうち、原告が団体交渉に応じなかったとの点は否認し、その余の事実は認める。補助参加人の要求事項が多岐にわたり検討に相当期間を要するため、団交日の順延を要請したのであって、団体交渉を拒否したものではない。 (五) (8)ないし(12)の各事実は認める。 (六) (13)の事実のうち、原告が団体交渉に応じなかったとの点は否認し、その余の事実は認める。原告は、補助参加人の求める交渉事項のうち組合事務所の件について検 )ないし(12)の各事実は認める。 (六) (13)の事実のうち、原告が団体交渉に応じなかったとの点は否認し、その余の事実は認める。原告は、補助参加人の求める交渉事項のうち組合事務所の件について検討中のため、検討終了まで団体交渉の開催の延期を求めたに過ぎない。 4 「4 人事異動に関する団体交渉」について(一) (1)の事実のうち、原告が要求事項②について原則として事前に協議することを了解し、右事項中の「労働条件」の文言の内容について今後双方が具体的に検討のうえ話合いで決めることになったとの点は否認し、その余の事実は認める。原告は、「労働条件」の文言が補助参加人のいう「労働者が働くためのすべての条件」という意味ならば不明確で理解できないと主張したものである。 (二) (2)及び(3)の各事実は認める。 (三) (4)の事実のうち、原告が補助参加人の昭和五一年八月一七日付け及び同月二五日付け各団体交渉の申入れに応じなかったとの点は否認し、その余の事実は認める。原告は交渉事項の趣旨を明確にするよう補助参加人に求めたに過ぎない。 (四) (5)及び(6)の各事実は認める。 (五) (7)の事実のうち、原告が九月一七日に同月六日付けの回答書と同趣旨の回答を行ったことは認め、その余の事実は否認する。 (六) (8)及び(9)の各事実は認める。 5 「5 組合事務所設置・貸与に関する団体交渉」について(一) (1)の事実のうち、原告が組合事務所及び掲示板の設置について基本的に了解したとの点は否認し、その余の事実は認める。原告は、具体的な場所、広さ、管理責任の所在、貸与期間等について労使が合意を見れば貸与しようと述べたに過ぎない。 (二) (2)の事実のうち、原告が松林の中に一〇平方メートル以上の建物を建築することが建築基準法上できるかどうか調査すること 在、貸与期間等について労使が合意を見れば貸与しようと述べたに過ぎない。 (二) (2)の事実のうち、原告が松林の中に一〇平方メートル以上の建物を建築することが建築基準法上できるかどうか調査すること及び第二事務棟地下二階の倉庫内の場所は右調査結果がわかるまで、とりあえず用意するものである旨提案したことは否認し、その余の事実は認める。 (三) (3)の事実のうち、原告が、組合事務所の設置場所として補助参加人が希望する中庭のコンクリートに面した場所につき、実際にやってみなければわからないので確約できないと答えたこと、営繕の向かい側の倉庫の一部の貸与が暫定的なものであること、組合事務所貸与協定案がほぼ合意に達したことは否認し、その余の事実は認める。原告は補助参加人の希望については建築基準法上の問題等があるので拒否している。組合事務所貸与協定については、貸与協定の最重要項目ともいえる貸与期間等について、結局物別れに終わっているのであるから、ほぼ合意に達したというような状態ではない。 (四) (4)の事実のうち、原告が貸与すると確答したことは否認し、その余の事実は認める。原告は、あくまで原告作成の組合事務所貸与協定案に同意することを条件に、貸与の申出をしたものである。 (五) (5)の事実は認める。 (六) (6)の事実のうち、覚書が本事務所の場所を会社が当初提案した松林の中としていたこと及び原告が組合事務所貸与協定書の締結を拒否したのが、原告の調査の結果松林の中に一〇平方メートル以上の建物を建築することが建築基準法上認められないことが明らかとなったためであることは否認し、その余の事実は認める。覚書では、当初から組合が要求していた中庭に面した林の中を指定している。 右覚書には、労使間で全く合意のない、オリエンタルサービスについては書類の保管スペースを ることは否認し、その余の事実は認める。覚書では、当初から組合が要求していた中庭に面した林の中を指定している。 右覚書には、労使間で全く合意のない、オリエンタルサービスについては書類の保管スペースを設け貸与するとの記載もあり、原告は、労使間で全く合意のない覚書を条件として組合事務所を貸与することはできないとして、覚書のある協定書の締結を断ったものである。 (七) (7)の事実は認める。 (八) (8)の事実のうち、原告が組合事務所を貸すのであれば貸す相手の組織機構及び権限の範囲を知りたいと主張したことは否認し、その余の事実は認める。 (九) (9)の事実のうち、P3書記長が覚書を撤回して、第二事務棟地下二階の営繕の向い側の倉庫の一部を組合事務所として借りてもよい旨伝えたことは否認し、その余の事実は認める。 (一〇) (10)の事実は認める。 (一一) (11)の事実は認める。P6課長は、補助参加人の申入れに対し、スペースも不足して来たし、いまさら無理だろうと答えている。 (一二) (12)の事実中、原告が団体交渉に応じなかったとの点は否認し、その余の事実は認める。原告は、要求事項の検討を終了するまで団体交渉の開催の延期を求めていたに過ぎない。 (一三) (13)ないし(16)の各事実は認める。 (一四) (17)の事実は認める。原告が団体交渉の申入れに応じなかったのは、既に十二分な検討を加えた最終回答を行っていたうえ、さらに二回にわたる団体交渉において本議題につき労使が全く平行線のまま終わっていたため、これ以上交渉しても無意味だと考えたためである。 (一五) (19)の事実は認める。 6 「7 組合集会等の食堂使用」について(一) (1)の事実のうち、P1守衛が原告の業務命令を受けて参加者の氏名を記録したこと、P1守衛が当該記録用紙をP2委員長に 五) (19)の事実は認める。 6 「7 組合集会等の食堂使用」について(一) (1)の事実のうち、P1守衛が原告の業務命令を受けて参加者の氏名を記録したこと、P1守衛が当該記録用紙をP2委員長に手渡したこと、それまでは守衛は食堂を利用した組合集会について遠くから人数を確認するだけであったことは否認し、その余の事実は認める。原告は、従来から退社時間後残業あるいはクラブ活動のため会社構内に残留している者の氏名、所属部課等を社内巡回する守衛がチェックする制度をとっており、本件も右の趣旨で氏名等をチェックしていたにすぎない。P2らはP1守衛に対し、会社の犬等と暴言脅迫を行って同人の意思に反して強引に記録用紙を取り上げたものである。 (二) (2)の事実のうち、三月三日の分会大会が不成立に終わったことは知らず、その余の事実は認める。 (三) (3)の事実のうち、原告が団体交渉に応じなかったことは否認し、その余の事実は認める。原告は、要求事項の検討を終了するまで団体交渉の延期を求めたに過ぎない。 (四) (4)の事実は認める。 (五) (5)の事実のうち、会社の回答日が四月四日であることは否認し、その余の事実は認める。回答日は四月五日である。 (六) (6)ないし(8)の各事実は認める。 7 「8 組合加入状況の調査」について(一) (1)の事実のうち、イ、ロは認める。ハのうち、補助参加人が昭和五〇年九月一八日、原告に三六協定の締結を申し込んだことは認め、その余は知らない。ニのうち、原告と補助参加人が三六協定締結につき団体交渉を行ったが、原告は補助参加人が従業員の過半数を組織しているか否か不明であるとして三六協定の締結を拒否したことは否認し、その余の事実は認める。ホ、ヘは認める。トのうち、補助参加人が抗議のビラを配布したことは知らず、その余は認める 従業員の過半数を組織しているか否か不明であるとして三六協定の締結を拒否したことは否認し、その余の事実は認める。ホ、ヘは認める。トのうち、補助参加人が抗議のビラを配布したことは知らず、その余は認める。 (二) (2)の事実のうち、イは、昭和五〇年一一月二一日に認定のような署名用紙が従業員に配られたことは知らず、その余は認める。ロ、ハは認める。 8 「11 新入社員教育における組合誹謗」について(一) (1)の事実のうち、原告がP4を非常勤の顧問として迎えた年月日は否認し、その余の事実は認める。同人との顧問関係は、昭和四九年末からあった。 (二) (2)の事実のうち、講義録の大部分が組合問題に言及しているとの点は否認し、その余の事実は認める。原告がP4に組合問題の講演を依頼した事実はなく、同人が当日組合問題に触れたのは、新入社員の一人がたまたま組合問題について質問したため、これに答えたものにすぎない。 9 「12 一時金の念書及び受領書配布」について(一) (1)の事実のうち、原告が団体交渉に応じなかったとの点は否認し、その余の事実は認める。原告は、要求事項の検討が終了するまで団体交渉の延期を求めたに過ぎず、組合規約、組合員名簿の未提出を理由に団体交渉を拒否したものではない。 (二) (2)の事実のうち、原告が平均二・五六か月分を支給する旨の文書回答をしたことは否認し、その余の事実は認める。同文書では、配分月表に基づく支給月数の回答を行っている。 (三) (3)の事実は認める。 (四) (4)の事実のうち、補助参加人が原告の回答を受け入れる旨の通告をしたことは否認し、その余の事実は認める。補助参加人は、原告の回答のうち年末一時金の金額及び秋闘要求の棚上げについてのみ執行委員会段階で了解すると回答したに過ぎない。また、原告は、既に一一月二一日から たことは否認し、その余の事実は認める。補助参加人は、原告の回答のうち年末一時金の金額及び秋闘要求の棚上げについてのみ執行委員会段階で了解すると回答したに過ぎない。また、原告は、既に一一月二一日から三六協定の締結との一括妥結を提案しており、一二月五日に新たにこのことを主張したものではない。 (五) (5)及び(6)の各事実は認める。 (六) (7)の事実のうち、念書に署名しなかった者の中に組合員がいたかどうかは知らず、その余の事実は認める。 (七) (8)の事実のうち、原告が団体交渉を行えない旨回答したことは否認し、その余の事実は認める。原告は、要求事項の検討が終了するまで団体交渉の開催の延期を求めたに過ぎない。 (八) (9)ないし(11)の各事実は認める。 10 「13 組合脱退工作」について(一) (1)の事実は知らない。 (二) (2)は認める。 四よって、原告は、本件命令の取消しを求める。 第二原告の主張に対する認否及び被告の主張一原告の主張1の事実は認める。 二同2の主張は争う。 三本件命令は、本件命令書の理由欄記載のとおりの事実に基づいてされたもので、その事実認定及び判断に違法はない。 第三補助参加人の主張一就業時間中の組合活動の範囲に関する団体交渉の拒否について就業時間中の社内の組合活動の範囲については、原告と補助参加人との間で最小限のものについては原告もこれを認め、その内容について今後の労使間の交渉事項とすることが確認されたが、社外における組合活動については、要求事項に具体的に挙げられておらず、団体交渉でも議題にもならず具体的に検討されたこともない状態であった。しかるに、原告は、突然昭和五〇年八月八日に補助参加人に対し、就業時間中の組合活動の範囲についてと題する文書を示し、以後は同文書に記載された見解を繰り返 ず具体的に検討されたこともない状態であった。しかるに、原告は、突然昭和五〇年八月八日に補助参加人に対し、就業時間中の組合活動の範囲についてと題する文書を示し、以後は同文書に記載された見解を繰り返し、組合規約の提出を団体交渉の前提条件として主張し、未提出の間は一切団体交渉に応じないとの姿勢を変えず、この点について誠実に団体交渉を行わなかった。原告は、同年一一月一一日にこの点につき話合いが行われたと主張するが、ここでも原告は誠意ある対応をせず前記見解を繰り返していたにすぎない。団体交渉に誠意をもって応じたうえでのいわゆるデッドロック状態であるならともかく、原告の対応は、それ以前に誠意ある交渉すら行ってきていないのであって、デッドロックを主張できるような状態ではない。 二人事異動に関する団体交渉の拒否について原告は、この点につき、当初から人事異動は原告の権限として行われるものであり、人事異動に関する約款を締結する意思はないこと等の見解を示し、以後同見解を繰り返したにすぎず、誠意ある団体交渉を行ったとはいえない。また、補助参加人が同五一年八月時点で降格処分があると指摘した人事異動の対象者は、当時補助参加人に所属していた者であるから、補助参加人が団体交渉権を有しない者について団体交渉の申入れを行っていたということはできない。 三組合事務所の設置、貸与に関する団体交渉の拒否について原告は、B部分に組合事務所を設置することには建築基準法上の問題があると主張するが、補助参加人の調査によれば右主張は根拠がないことが明らかである。C部分に設置した事務所を暫定的なものとした補助参加人作成の覚書は、組合事務所貸与問題の合意を正確に表現したものである。また、原告は、補助参加人がオリエンタルサービス本社についての書類等の保管スペースを設け貸与するというこ 暫定的なものとした補助参加人作成の覚書は、組合事務所貸与問題の合意を正確に表現したものである。また、原告は、補助参加人がオリエンタルサービス本社についての書類等の保管スペースを設け貸与するということを突如として付帯条件として持ち出したと主張するが、この点について原告は第一回団体交渉において拒否することなく了解していたもので、突如として持ち出したものではない。 さらに、原告は、補助参加人が約一〇平方メートルのプレハブ建物をもって組合事務所とすることに実質的に同意した旨主張するが、補助参加人は、一〇平方メートルのスペースでは組合会議を行うには狭すぎるので、食堂を組合備品の暫定的置場とし、補助参加人が使用許可願を出せば原告が使用しない限り食堂を貸与するとの条件付きで同意したに過ぎず、原告が右条件を承諾しなかったので合意に達しなかったものである。 四組合集会等のための食堂使用について原告は、P2らがP1守衛に対し会社の犬等と暴言をはいたと述べているが、事実に反する。原告は、従来は窓の戸締りの点検、クラブ活動や会議参加者の人数確認程度しか行っていなかったにもかかわらず、昭和五一年二月二三日の春闘学習会の際は、P1守衛が学習会参加者のそばまで近寄ってきて氏名を書く素振りをしたので、P2委員長が「氏名のチェックはやめてほしい。会社に言われてこのようなことをやっているんだろうから、会社に対して組合が抗議するから、この場は引き取ってくれ」と穏やかに話したに過ぎない。 次に原告は、同年三月一八日付け申入書で食堂使用許可条件を示したが、補助参加人がこれを一蹴した旨主張する。しかしながら、原告は、同年四月一三日付けで千葉地方労働委員会から「組合が組合会議または職場大会もしくは分会大会等のため会場使用許可願を提出して食堂の使用を申し入れた時は、会社が使 蹴した旨主張する。しかしながら、原告は、同年四月一三日付けで千葉地方労働委員会から「組合が組合会議または職場大会もしくは分会大会等のため会場使用許可願を提出して食堂の使用を申し入れた時は、会社が使用する場合を除きこれを拒否しないこと」という勧告を受けたにもかかわらず、正当な理由なく受諾を拒否し、その後は前記申入書を盾に誠実な団体交渉に応ぜず、さらに、同労働委員会の和解勧告に基づく団体交渉でも組合事務所問題が解決した後の問題であるとの主張を譲らなかったものである。 五組合加入状況の調査についてこの点についても、被告が認定したとおりであり、回答書の提出が従業員の自主的判断に委ねられたことや、無記名による提出が相当数あったというようなことはない。 六新入社員教育における組合誹謗についてP4の講義録は、従業員の勉強会や新入社員の研修会等で使用されたものであり、明らかに原告が従業員に反組合的な意識を植えつけるためにP4を利用したものである。また、同人は、非常勤といえども、総務関係の相談に応じる顧問であり、原告の意思決定に影響を与える地位にいる役職者であるから、支配人、支店長、工場長のような上級職制に準ずる立場の者というべきであって、反証のない限りP4の行為は会社に帰責されると解すべきところ、この点についての反証はない。 七一時金の念書及び受領書の配布について本件においては、同五〇年一二月五日補助参加人が、一時金についての原告回答を受け入れる旨の通告をしたことにより、その支給問題は、既に実質的には妥結していた。ところが、原告が、補助参加人が三六協定の締結に応じなければ年末一時金を支給しない旨の差違え条件を主張して妥結を延ばし、組合員に対して慣行支給日以降も支給を繰延べしようとしていた状況であった。したがって、一時金を組合員に対し非組 六協定の締結に応じなければ年末一時金を支給しない旨の差違え条件を主張して妥結を延ばし、組合員に対して慣行支給日以降も支給を繰延べしようとしていた状況であった。したがって、一時金を組合員に対し非組合員と同様に支給しても、決して団体交渉権を無視した不当労働行為と非難されるようなことはなかったものである。 八組合脱退工作について原告による組合脱退工作は、組織的に行われており、P7の結婚仲人に関するP5取締役の行為はその一環として行われたものであるから、同人の個人的行為ではないことは明らかである。P5は取締役という原告の重役であるから、P7の脱退のための工作が原告と切り離された個人的なものとは到底いえない。 第四証拠(省略) 理由 一原告の主張一(救済命令の成立)の事実は当事者間に争いがない。 二当事者原告が、精密小型モーターの製造、販売を業とする株式会社であって、肩書地に本社及び豊四季事業所を、茨城県土浦市、香川県高松市及び山形県鶴岡市に各事業所を有することは、当事者間に争いがない。 成立に争いのない乙第二七三号証及び証人P8の証言によれば、補助参加人は、原告及び当時その子会社であったオリエンタルサービス株式会社の従業員らにより昭和四九年一二月二二日に結成された労働組合であることが認められる。 三不当労働行為の成否 1 就業時間中の組合活動の範囲に関する団体交渉の拒否について(一) 事実関係当事者間に争いのない事実と、成立に争いのない乙第二七五、第二七八、第二八二、第二八八、第三一七号証、第三一九号証の四、第三二一号証の一、丙第一、第一六、第一七、第二四号証、原本の存在及び成立に争いのない乙第二五ないし第二八、第三二ないし第三六、第九一、第一一〇、第一八四ないし第一八七、第一八九、第一九三ないし第一九六、 号証の一、丙第一、第一六、第一七、第二四号証、原本の存在及び成立に争いのない乙第二五ないし第二八、第三二ないし第三六、第九一、第一一〇、第一八四ないし第一八七、第一八九、第一九三ないし第一九六、第二〇八、第二〇九、第二四一、第二五五ないし第二五七号証、丙第一四、第一五号証、証人P8の証言により真正に成立したものと認められる甲第二、第四号証、同証人及び証人P3の各証言(乙三一七号証、証人P8及び同P3の各証言中、後記採用しない部分を除く。)を総合すれば、次の事実を認めることができる。 (1) 補助参加人は、結成後非公然に活動していたが、昭和五〇年五月一二日公然化大会を開き、翌一三日原告に対して組合結成を通知するとともに、一三項目にのぼる要求書を提出した。原告と補助参加人は、同五〇年五月一五日第一回団体交渉を開いたが、同交渉において就業時間中の組合活動の範囲につき協議し、電話の取次、面会等については執行委員を対象範囲とすること、面会者の入退場は原告の規則に従うこと及び就業時間中の組合活動については連絡等必要最小限とし、緊急を要する時のみとすることを合意した。その後、原告と補助参加人との間で右「必要最小限」の文言の解釈をめぐって争いが生じ、同年六月一〇日の団体交渉において、右文言の解釈につき原告及び補助参加人双方の認識に差異があるので、内容を明確にして双方一致了解する必要があることが確認された。 (2) ところが、原告は、同年八月八日、補助参加人に対し、同日付け文書で就業時間中の組合活動の範囲について今まで不明確だった取扱いを明確にするとして、外出等会社外の組合活動は認められないので賃金カットをするとの見解を示し、同月一一日以降は右見解に従った取扱いを実施することを通知し、同年九月八日、補助参加人の役員四名が就業時間中に会社外で組合活動をし 等会社外の組合活動は認められないので賃金カットをするとの見解を示し、同月一一日以降は右見解に従った取扱いを実施することを通知し、同年九月八日、補助参加人の役員四名が就業時間中に会社外で組合活動をしたとして賃金カットをするとともに、欠勤・遅刻の扱いとした。補助参加人は、同月九日、原告に対し社外組合活動賃金カットの件を議題として団体交渉を申し入れたが、原告は翌一〇日交渉事項の趣旨が不明確であるから具体案を提出してほしいと文書で回答したにとどまり、団体交渉に応じなかった。そこで、補助参加人は、同月一六日、原告に対し再度同議題について団体交渉を申し入れるとともに、会社外における組合活動について賃金カットをされることは止むを得ないとしても、欠勤又は遅刻扱いをすることは不当であり、この件につき団体交渉によって解決することを要求し、原告の一方的な決めつけに断固抗議する旨の抗議書を提出したが、原告は、同月三〇日、就業時間中の組合活動は原則として認めない旨文書で回答し、団体交渉に応じなかった。補助参加人は、同年一〇月六日、原告に対する秋闘要求書中で「組合員が組合業務のため欠勤、早退、遅刻、外出などする場合はこれを通常出勤扱いとせよ」との要求事項を掲げ、原告に団体交渉を申し入れたが、原告は要求事項について検討中なので同年一一月二〇日までに他の要求事項と一括して回答すると通知して団体交渉を開催しなかった。その後、千葉県地方労働委員会(以下「千葉地労委」という。)の勧告に基づき、同月一一日に原告と補助参加人との間で団体交渉が開かれたが、同交渉において原告は、就業時間中の組合活動については右八月八日付け文書のとおり取り扱う旨主張し、同年一一月二〇日にも補助参加人の前記秋闘要求書に対する回答書中で、就業時間中の組合活動の件については前記八月八日付け文書等により 中の組合活動については右八月八日付け文書のとおり取り扱う旨主張し、同年一一月二〇日にも補助参加人の前記秋闘要求書に対する回答書中で、就業時間中の組合活動の件については前記八月八日付け文書等により回答ずみであると主張した。 (3) 原告と補助参加人は、同年一一月から一二月にかけて秋闘要求及び年末一時金について団体交渉を行った際、補助参加人が就業時間中の組合活動についての原告の回答を受け取ったことを認めるという意味で、「会社が回答ずみであることを組合は了解する。」旨の文言を年末一時金について作成した同月一八日付け協定書に記載した。ところが、補助参加人が同五一年三月九日、就業時間中の組合活動の件を議題として原告に団体交渉を申し入れたところ、原告は、同月一一日付け文書で、就業時間中の組合活動の件については、前記同五〇年九月三〇日付け文書で回答ずみであり、補助参加人も同年一二月一八日に締結した協定書でこの件につき原告が回答ずみであることを了解している等と回答し、団体交渉に応じなかった。 原告は、同五一年五月一一日に行われた団体交渉においても、就業時間中の組合活動については、前同様の主張を繰り返した。 乙第三一七号証、証人P8及び同P3の各証言中、右認定に反する部分は、前掲各証拠に照らし採用することができず、他に右認定を覆すに足りる証拠はない。 (二) 不当労働行為の成否前認定によれば、就業時間中の組合活動の範囲についての同五〇年五月一五日付け合意の時点では、組合活動の許される「必要最小限」の内容について原告、補助参加人双方の認識が一致せず、双方とも会社外における組合活動の問題について意識しないまま、この件について具体的な話合いは行われていなかったというべきであるところ、原告は、同年八月八日に補助参加人となんらの協議もしないで、文書で会社外での 外における組合活動の問題について意識しないまま、この件について具体的な話合いは行われていなかったというべきであるところ、原告は、同年八月八日に補助参加人となんらの協議もしないで、文書で会社外での組合活動は認められないとの見解を示し、この問題についての補助参加人の団体交渉申入れに対し、右文書等で回答ずみであるとして応じようとしなかった。そして、千葉地労委の勧告を受け、同年一一月一一日に漸く団体交渉を開いたが、その後一時金等の問題で開催された団体交渉により作成された同年一二月一八日付け協定書に「会社が回答ずみであることを組合は了解する。」との文言が記載されたことを盾に取り、団体交渉の要求に応じないで再び文書で回答するにとどめ、同五一年五月になって開かれた団体交渉においても、右協定書によりこの問題は解決ずみであると主張しているものである。このような原告の対応は、団体交渉を開いてはいるものの補助参加人との実質的な協議を行っていないものといわざるを得ず、誠意をもって団体交渉に応ずべき義務を尽くしたものということはできないから、正当な理由のない団体交渉拒否(労働組合法七条二号)に該当するというべきである。原告は、就業時間中の組合活動の範囲については原告と補助参加人の見解の対立が明白で、いわゆるデッドロック状態にあるから団体交渉拒否に正当理由があると主張するが、原告がこの件について協議を尽くしていないことは右説示のとおりであり、協議を尽くした結果双方の主張が対立し膠着状態にあるというわけではないから、原告の右主張は採用することができない。 したがって、本件命令が原告に対し、補助参加人の会社外組合活動の件を交渉事項とする団体交渉の申入れに誠意をもって応じるよう命じたのは正当である。 2 人事異動に関する団体交渉の拒否について(一) 事実関係当事 件命令が原告に対し、補助参加人の会社外組合活動の件を交渉事項とする団体交渉の申入れに誠意をもって応じるよう命じたのは正当である。 2 人事異動に関する団体交渉の拒否について(一) 事実関係当事者間に争いのない事実と、前掲甲第二号証、乙第三二ないし第三六、第九一、第一八四、第一八五、第二〇九、第二七三、第三一七号証、丙第二四号証、成立に争いのない乙第二九六、第二九八号証、第三一九号証の一、原本の存在及び成立に争いのない乙第四八、第一五二ないし第一六〇、第二五二、第二五四号証、証人P8及び同P3の各証言を総合すれば、次の事実を認めることができ、これに反する証拠はない。 (1) 原告と補助参加人は、昭和五〇年五月一五日の第一回団体交渉において、補助参加人の要求中、①労働条件の改訂、新規実施については組合と事前に話合いを行い、一方的に行わないこと、②労働者の労働条件に大きな影響のある問題は事前に組合と話し合い、組合と本人の了解なく一方的に行わないこと、③労働条件の改悪及び生活の圧迫につながる出向、配転、転勤を一方的に行わないこと、との三点について協議し、原告は、①について事前に協議することは了解するが、「労働条件」の内容が不明確であり、②、③についても同様に字句が不明確であると主張したので、双方で内容につき具体的に協議して決定してゆくことを合意した。補助参加人は、同月下旬、右合意に基づき①ないし③の要求を修正し、「労働条件の改訂、新規実施及び出向、転勤、転籍等労働者に関する事項は組合と事前に話し合い、組合と本人の了解なく一方的に行わないこと。」との要求を改めて原告に提示した。さらに、補助参加人は、同年一〇月六日、会社に対し、すべての労働条件の改定、新規実施を補助参加人と協議決定のうえ行うよう要求したが、原告は同年一一月二〇日、右要求にかか 要求を改めて原告に提示した。さらに、補助参加人は、同年一〇月六日、会社に対し、すべての労働条件の改定、新規実施を補助参加人と協議決定のうえ行うよう要求したが、原告は同年一一月二〇日、右要求にかかる協議約款及び同意約款(以下「人事に関する約款」という。)を締結する意思はない旨回答した。右要求は、同年一二月一八日に年末一時金について妥結した際、一時棚上げとすることが合意された。 (2) 原告は、同五一年八月一六日、補助参加人に対し、同月一日付けで三一名の人事異動を実施することを通知した。補助参加人は、翌一七日、原告に対し、人事異動の件を議題として団体交渉を申し入れたが、原告は、議題の趣旨が不明確であり、人事異動については右通知のとおりであって補助参加人と人事に関する約款を締結する意思は全くないと文書で回答して団体交渉に応じなかった。補助参加人は、同月二三日にも原告に対し八月一日付け人事異動の件を議題として団体交渉を申し入れたが、原告はこれに応じなかった。そこで、補助参加人は、同月三〇日、原告が組合を無視して個人交渉を行い、労働条件の変更を一方的に行ったこと、補助参加人の人事異動に関する右団体交渉申入れを拒否したこと等につき原告に抗議したところ、原告は、同年九月六日、人事異動は会社の責任と権限において実施するものであること、補助参加人と人事に関する約款を締結する意思は全くないこと、補助参加人の団体交渉の申入れは人事異動の件とあるのみで趣旨具体案を明示しておらず、右申入れに対しては既に回答ずみであって団体交渉拒否はないこと等を文書で回答した。これに対し補助参加人は、同月一三日原告に対し、右回答は労働者と労働組合の意思を無視するものであり、直ちに誠意をもって団体交渉を開催すべきだと申し入れたが、原告は、同月一七日、文書で前記同月六日付け文書と同 し補助参加人は、同月一三日原告に対し、右回答は労働者と労働組合の意思を無視するものであり、直ちに誠意をもって団体交渉を開催すべきだと申し入れたが、原告は、同月一七日、文書で前記同月六日付け文書と同趣旨の回答をした。補助参加人は、同年一〇月二二日、原告に対し、雇用の安定と権利を保障する協定書案を添付して転勤、配転等の労働条件の変更につき人事に関する約款を締結するよう要求した。 (3) 原告は、同年一一月一七日人事異動の件等につき補助参加人に対して団体交渉を申し入れ、原告と補助参加人は、同月二五日、団体交渉を行ったが、原告は、人事に関する約款を締結する意思がないことは既に文書で回答したとおりである。個別的な人事異動を問題とするのであれば誰が組合員かわからないので組合員名簿を提出してほしいと主張した。これに対し、補助参加人は、原告が人事に関する約款を結ばないと回答していることは問題である、人事の問題は労働条件の変更であるから従業員全体の問題であり組合員が誰であるかは関係がないと主張し、結局双方の主張が対立したまま交渉は終了した。 (二) 不当労働行為の成否前認定によれば、補助参加人は、第一回団体交渉当時から、人事異動を含む労働条件の変更につき事前に補助参加人と協議するよう原告に要求し、労働条件の改定、新規実施につき協議約款又は同意約款の締結を求めていたのであり、補助参加人の同五一年八月の各団体交渉申入れにも、同月一日付けの人事異動を契機として、原告に対し、一時棚上げにされていた人事に関する約款を締結することを求める趣旨が含まれていたものというべきである。原告も右申入れに対する回答書中に自ら人事に関する約款に言及していることからみて、このことを十分認識していたものと推認できる。しかるに、原告は、文書で人事に関する約款を締結する意思はないと である。原告も右申入れに対する回答書中に自ら人事に関する約款に言及していることからみて、このことを十分認識していたものと推認できる。しかるに、原告は、文書で人事に関する約款を締結する意思はないと回答するのみで、この点に関する協議を実施せず、同年一一月の団体交渉においても人事に関する約款を締結する意思のないことは既に回答したとおりであるとして、実質的な協議をしていないのであるから、誠意をもって団体交渉に応じていないものといわなければならない。原告は、補助参加人の申し入れた団体交渉の趣旨が不明確であったと主張し、確かに前認定の事実に照らすと、明確を欠く点がなかったわけではないが、原告自身回答することができたところからも明らかなように、団体交渉に応じないことを正当化するほど不明確ではなかったものといわざるを得ないから、右主張は採用することができない。 したがって、このような原告の対応は正当な理由のない団体交渉拒否(労働組合法七条二号)に該当するものといわざるを得ず、本件命令が、補助参加人の同五一年八月一日付け人事異動に関する団体交渉を拒否したことにつき原告にポストノーティスを命じたのは、結論において正当である。 3 組合事務所の設置、貸与に関する団体交渉の拒否について(一) 事実関係当事者間に争いのない事実に、前掲甲第二号証、乙第一一〇、第一五六、第一八四、第一八五、第一八九、第二〇八、第二四一、第二五五、第二七三、第二七五、第二八八、第二九六、第三一七号証、第三一九号証の一、同号証の四、第三二一号証の一、第二四号証、成立に争いのない乙第二八〇、第二八四号証、第二八六号証の一、第二九〇号証、第二九二号証の一、第二九四号証の二、丙第二号証の一ないし三、第一二、第一三、原本の存在及び成立に争いのない乙第五五、第五八、第五九、第六一、第六五 、第二八四号証、第二八六号証の一、第二九〇号証、第二九二号証の一、第二九四号証の二、丙第二号証の一ないし三、第一二、第一三、原本の存在及び成立に争いのない乙第五五、第五八、第五九、第六一、第六五、第二〇三、第二〇五、第二二九、第二三一、第二三三、第二三五、第二六三ないし第二六九号証、丙第七号証、弁論の全趣旨により原本の存在及び真正に成立したことが認められる乙第五〇、第一七四ないし第一七九号証、証人P8の証言により真正に成立したものと認められる甲第五号証の一ないし五、第六号証(原本の存在も認められる。)、同証人及び証人P3の各証言(甲第二号証、乙第二七五、第二八〇、第二八四号証、第二八六号証の一、第二九四号証の二、第二九六号証、第三一九号証の四、第三二一号証の一、丙第二四号証、証人P8及び同P3の各証言中、後記採用しない部分を除く。)を総合すれば、次の事実を認めることができる。 (1) 原告と補助参加人は、昭和五〇年五月一五日、組合事務所等の貸与について団体交渉を行い、原告は組合事務所を豊四季、土浦の各事業所に設置することを基本的に了解し、具体的な設置場所を後日回答することになった。なお、右交渉の際、補助参加人からオリエンタルサービスに書類等の保管スペースを設けてほしいとの要望が出された。同年五月一九日の団体交渉においても、原告が組合事務所の設置について了解するとの確認をするとともに、組合事務所貸与協定の内容及び設置場所について検討することを合意した。 (2) 原告は、同年五月二八日の団体交渉において、補助参加人に対し組合事務所等使用貸借協定書及び組合事務所の設置場所を提示した。補助参加人は、同年六月五日の団体交渉において、豊四季事務所の松林の中のA部分に一〇平方メートルの面積の組合事務所を設置するとの原告案に対し、一〇平方メートルでは 及び組合事務所の設置場所を提示した。補助参加人は、同年六月五日の団体交渉において、豊四季事務所の松林の中のA部分に一〇平方メートルの面積の組合事務所を設置するとの原告案に対し、一〇平方メートルでは狭いので広くしてほしい、A部分では目立たないのでもっと目立つ場所に設置してほしいとの希望を出したが、原告は、松林の中に一〇平方メートル以上の面積の建物を建築することは建築基準法上問題があるので調査することとし、とりあえず暫定的に第二事務棟地下二階のC部分に約三〇平方メートルの広さの組合事務所を設置する旨提案した。補助参加人は、食堂に組合事務所を設置することを提案したところ、原告がこれを拒絶したため、さらに、松林の中の中庭に面したB部分ほか二か所を設置場所として提案したが、当日は結論が出なかった。 (3) 補助参加人は、同月一〇日の団体交渉において、豊四季事業所の組合事務所としてB部分に独立棟を設置すること、独立棟が設置されるまでの間暫定的にC部分を組合事務所として使用することを提案した。これに対し、原告は、B部分に組合事務所を設置することには同意しなかったが、暫定的に使用するC部分については電気工事等を実施して一週間から一〇日くらいで組合事務所として使用できるようにしたいと答えた。原告は、同月下旬ころ、補助参加人に対し、C部分の貸与につき組合事務所貸与協定書を提示して記名調印を求め、同五〇年七月二日ころC部分につき組合事務所として使用するための間仕切り等の工事を完了した。 (4) そのころ、補助参加人は、同年の夏期一時金等について原告に対して要求をしていたが、これに対する原告の回答を不満として、同月三日原告に通告のうえ午後二時から五時一五分まで統一時限ストライキを実施した。原告は、同日補助参加人にストライキを遺憾としてその撤回を求めたが、補助参 いたが、これに対する原告の回答を不満として、同月三日原告に通告のうえ午後二時から五時一五分まで統一時限ストライキを実施した。原告は、同日補助参加人にストライキを遺憾としてその撤回を求めたが、補助参加人は、原告が組合執行部を通さず直接組合員に業務命令を発し、ストライキ不参加を呼びかけているとして原告に抗議するということがあった。 (5) 同月上旬、補助参加人は、前記(3)の組合事務所貸与協定書に記名調印して原告に渡すとともに、右協定書に①調印した協定書中のC部分の貸与は暫定的なものとし、豊四季事業所の本組合事務所はB部分に設置すること、②オリエンタルサービスに書類等の保管スペースを設け貸与すること等を内容とする覚書を添付した。これに対し原告は、労使間に合意のない事項を内容とする覚書の添付された協定書の締結には応じられないと回答した。 (6) 原告は、同年九月九日、従業員に対し「社員の皆様へ」という文書で、原告は組合事務所を組合本部の所在地である豊四季第二事務棟に用意して専用直通電話も架設しており、貸与協定書に調印後貸与することになっていること、補助参加人に対し再三にわたり組合規約の提出を要求しているにもかかわらず補助参加人がこれを拒否しており、本来このような組合とは交渉するわけにはいかないが、組合規約の提出されることを期待して補助参加人との交渉を続け今日に至っていること等を通知した。 (7) 原告と補助参加人は、同年一一月一一日の団体交渉において組合事務所設置の問題について協議した。原告は、組合事務所の貸与は便宜供与であって組合が権利として要求すべきことではない、相互の信頼関係のもとに話合いをするためには、組合規約及び組合員名簿の提出が前提であると主張したが、補助参加人は組合員名簿の提出義務はない、組合規約を出さないとはいわないが、現在の べきことではない、相互の信頼関係のもとに話合いをするためには、組合規約及び組合員名簿の提出が前提であると主張したが、補助参加人は組合員名簿の提出義務はない、組合規約を出さないとはいわないが、現在の状況では出せないと主張して合意に至らなかった。補助参加人は、同年一二月二五日、原告に対し組合事務所の件について団体交渉を申し入れたが、原告は業務繁忙を理由に年が明けてからの開催を希望した。 (8) 補助参加人は、同五一年二月末ころ、原告との事務折衝の中で、前記(5)の覚書を撤回してC部分を組合事務所として借りたいと申し入れ、さらに、同年三月九日、原告に対し組合事務所設置の件等について団体交渉を申し入れたところ、原告は、同月一一日、検討中であるから検討終了後回答するとし、豊四季事業所のC部分は既に部品、製品の保管場所として使用しており組合事務所として使用不可能だったことから、同月一八日、補助参加人に対し文書で、組合事務所使用貸借協定書を添付のうえ、豊四季事業所の組合事務所をA部分に設置することを提案する旨を通知した。これに対し補助参加人は、同月二九日、組合事務所の設置場所は労使間の合意で設置したC部分であることを確認し貸与協定を締結すべきである、面積は原告が提案している一〇平方メートルでは狭すぎる等と回答した。原告は、同年四月五日、C部分は原告が製品、部品等の倉庫として使用する必要性があるため使用できないので、今回A部分を設置場所として提案したものであること、補助参加人が右原告案に同意すれば組合事務所を貸与するつもりであることを文書で通知した。原告及び補助参加人は、同月八日及び一三日に組合事務所貸与問題について団体交渉を行ったが、双方とも従前の主張を繰り返すのみで合意に至らなかった。補助参加人は、同年八月二三日、組合事務所設置の件について団体交 補助参加人は、同月八日及び一三日に組合事務所貸与問題について団体交渉を行ったが、双方とも従前の主張を繰り返すのみで合意に至らなかった。補助参加人は、同年八月二三日、組合事務所設置の件について団体交渉を申し入れたが、原告はこれに応じなかった。 (9) 原告と補助参加人は、千葉地労委の勧告に基づき、同五二年七月五日から同月二七日までの間六回にわたり団体交渉を行った。右各団体交渉において、補助参加人は、豊四季事業所の組合事務所をC部分に設置せよとの要求は撤回する、設置場所は中庭松林の中央寄りとし面積は一〇平方メートルでは狭いので広くしてほしい、原告が一〇平方メートル以上の面積の事務所の設置をあくまで拒否するのであれば一〇平方メートルの面積で借りてもよいが、その場合には後記4(3)の千葉地労委の勧告に従って組合事務所の問題が解決するまで暫定的に補助参加人に食堂の使用を認めることが条件であると主張した。これに対し原告は、組合事務所については前記(8)の同五一年三月一八日の回答のとおりであり、建築基準法上一〇平方メートル以上の面積の事務所を建築することはできない、組合事務所貸与協定書に調印する前に補助参加人主張のとおり食堂の使用を認めることは食堂が実質的に組合事務所化するおそれがあるため認められず、組合事務所の貸与の問題が先決である等と主張し、合意に至らなかった。 甲第二号証、乙第二七五、第二八〇、第二八四号証、第二八六号証の一、第二九四号証の二、第二九六号証、第三一九号証の四、第三二一号証の一、丙第二四号証、証人P8及び同P3の各証言中右認定に反する部分は前掲各証拠に照らし採用することができず、他に右認定を覆すに足りる証拠はない。 (二) 不当労働行為の成否使用者による組合事務所の貸与は、便宜供与の一種であって、使用者は原則として組合に対し 分は前掲各証拠に照らし採用することができず、他に右認定を覆すに足りる証拠はない。 (二) 不当労働行為の成否使用者による組合事務所の貸与は、便宜供与の一種であって、使用者は原則として組合に対して組合事務所を貸与する義務を負わず、組合も当然にその貸与を要求する権利を有するものではない。したがって、使用者が組合事務所を貸与しなかったとしても、特段の事情のない限り不当労働行為を構成するものではないと解すべきであるから、本件において右の特段の事情が認められるかどうかを検討する。 前認定によれば、豊四季事業所の組合事務所の設置場所及び面積について原告と補助参加人の主張が対立したため、この点につき合意が成立するまでの間暫定的にC部分を組合事務所として使用することになり、原告が必要な工事を完了して組合事務所貸与協定書に調印するまでになっていたところ、補助参加人が、右協定書にいまだ労使間に合意のないB部分を本事務所の設置場所とすること等を内容とする覚書を添付して原告に調印を求めたことから、原告は右貸与協定への調印を拒否したものである。この協定書への調印については、原告としては合意のない覚書が添付されていた以上、調印することは容易に受諾し難いところであったと考えられるから、右調印を拒否したことをもって原告を非難することはできない。この点につき本件命令は、右覚書中に示された組合事務所の設置場所は原告が当初提案していた場所であると認めて、原告が従前の話合いを反故にするような態度に出たのは補助参加人が統一ストライキを行ったことが契機となっているとしているが、覚書中の組合事務所の設置場所は原告の当初提案と異なっていたことは右のとおりであり、前認定のとおり原告が調印を拒否した直前に統一ストライキが行われているとはいえ、右拒否にはそれなりの理由があるのであって の組合事務所の設置場所は原告の当初提案と異なっていたことは右のとおりであり、前認定のとおり原告が調印を拒否した直前に統一ストライキが行われているとはいえ、右拒否にはそれなりの理由があるのであって、ストライキが原因となっていると認めるに足りる証拠はないから、本件命令のいうところには賛同し難い。 さらに、前認定によれば、補助参加人が同五一年二月末ころ右覚書を撤回して原告に対しC部分の貸与を求めたのに対し、原告はこれを拒絶しているので、これが不当労働行為を構成しないか問題となるが、右覚書の撤回は協定書の調印を拒否してから約七か月後であり、前認定のとおり原告は既にC部分を製品、部品の保管場所として使用していたものであるし、あらためてA部分に一〇平方メートルの面積の組合事務所を設置することを提案するなど一応の努力をしていたことを考慮すると、この時点でC部分の貸与を拒否したからといって、不当労働行為として論難することはできない。 また、前認定によれば、同五二年七月の団体交渉においては、補助参加人が食堂の使用を条件として原告の提案する組合事務所案を了承する旨申し出たが、原告が食堂使用に難色を示したため、協定不成立に終わっているので、原告のこの時点における使用拒否についても検討しなければならない。しかし、食堂使用については後記のとおり問題があったのであるから、原告の右行為も不当視することはできない。 その他原告が補助参加人に組合事務所を貸与しなかったことが、労働組合に対する支配介入(労働組合法七条三号)に該当すると認めるに足りる特段の事情は認めることができず、また、前認定の団体交渉の経過によれば、原告の組合事務所に関する対応が正当な理由のない団体交渉の拒否(同条二号)に該当するということもできない。 したがって、本件命令中、組合事務所の不貸与 できず、また、前認定の団体交渉の経過によれば、原告の組合事務所に関する対応が正当な理由のない団体交渉の拒否(同条二号)に該当するということもできない。 したがって、本件命令中、組合事務所の不貸与について原告の不当労働行為を認め、原告に対しC部分の貸与を命じた部分は、違法といわざるを得ないから、取り消されるべきである。 4 組合集会等のための食堂使用について(一) 事実関係当事者間に争いのない事実と前掲甲第二号証、乙第一一〇、第一七四ないし第一七九、第二〇八、第二四一、第二六三ないし第二六九、第二八四号証、第二八六号証の一、第二九四号証の二、第二九六、第三一七号証、第三二一号証の一、丙第二四号証、成立に争いのない乙第一六号証、原本の存在及び成立に争いのない乙第一〇五、第一〇六、第一四五、第二一〇ないし第二二八、第二三〇、第二三四、第二三六、第二三七、第二六二号証、前掲乙第二八四号証により原本の存在及び被告主張のとおりの写真であると認められる乙第一一二ないし第一一六号証、証人P8及び同P3の各証言を総合すれば、次の事実を認めることができ、これに反する証拠はない。 (1) 原告は、補助参加人の結成通知を受けて以来、会場使用許可願の提出があれば、業務に支障のない限り補助参加人に従業員食堂の使用を許可していた。昭和五一年二月二三日午後六時三〇分ころ、補助参加人が原告の許可を得て食堂の一角で春闘の学習会を行っていたところ、P1守衛が近づいてきて守衛業務として右学習会に参加していた者の氏名を記録した。これを見た補助参加人執行委員長のP2らは、P1守衛に抗議して右記録用紙の交付を迫り、P1守衛からこれを提出させた。 補助参加人は翌二四日、右P1守衛の行動は組合活動に対する内政干渉であると抗議したところ、原告は、同月二七日、補助参加人に対し、守衛 に抗議して右記録用紙の交付を迫り、P1守衛からこれを提出させた。 補助参加人は翌二四日、右P1守衛の行動は組合活動に対する内政干渉であると抗議したところ、原告は、同月二七日、補助参加人に対し、守衛が就業時間終了後社内を巡回して残っている者の氏名及び人数を確認することは守衛の重要業務であるにもかかわらず、P2委員長らはこれを妨害し「会社の犬」等の暴言、脅迫を用いてP1守衛から氏名を記録した用紙を取り上げる等の行為をしたもので、極めて重大な業務妨害行為であるとして、記録用紙の返還を求めるとともに、補助参加人がこのような守衛業務を組合に対する内政干渉であるとの主張を今後も維持するのであれば原告は補助参加人に対し会社施設の使用を一切認めないとの警告並びに通告を行い、同日の補助参加人の食堂使用許可願を却下した。これに対し、補助参加人は、原告の会場使用許可願用紙を会場使用届と書き直して提出して原告の許可なく食堂を使用し、その後も原告が同年七月に食堂の出入口に扉をつけて施錠するまで、食堂の使用に際して会場使用届を提出するのみで原告の許可を得なかった。原告は、これに対し補助参加人の食堂使用は無許可使用であるとして食堂から組合員の退去を求め、電灯を消す等の行為で対抗した。 補助参加人は、同年三月九日、原告に対し食堂の使用等につき団体交渉を申し入れたが、原告は、同月一一日、食堂使用については右警告のとおり、P1守衛より取り上げた記録用紙の返還と陳謝があれば事前の申入れにより補助参加人に使用を許可することがあるとの回答を文書でしたが、団体交渉には応じなかった。 (2) 原告は、同月一八日、補助参加人に対し、①所定の会場使用許可願を使用目的、使用人数、使用時間を明確にして遅くとも前日までに提出すること、②全金千葉地方本部の役員以外の外部者の入場は総務部長の許 2) 原告は、同月一八日、補助参加人に対し、①所定の会場使用許可願を使用目的、使用人数、使用時間を明確にして遅くとも前日までに提出すること、②全金千葉地方本部の役員以外の外部者の入場は総務部長の許可を得ること、③組合員以外の入場をむような排他的な使用をしないこと、④会社構内への入退場はもちろん、その他の会社の規範、規則を遵守することを補助参加人が今後誠実に守る旨の意思表示があれば、支障のない限り組合大会開催のため食堂の使用を許可することを文書で申し入れた。補助参加人は、右申入れに対し、同月二九日、①原告は補助参加人に対し正当な理由がない限り食堂を使用させることとし、補助参加人が食堂を使用する場合には従来どおり原告の会場使用許可願用紙を用い事前に届け出ること、②外部者の入場は従来どおり制限すべきでないこと、③補助参加人は食堂使用に当たり、原告が意図的に組合介入を行わない限り従来どおり非組合員に対し排他的使用はしないこと等を原告に申し入れた。これに対し原告は、同年四月五日、補助参加人の右申入れは原告の施設管理権を全く無視した要求であるから容認できず、補助参加人が右見解を今後とも維持するのであれば食堂使用は許可できないと文書で回答した。 (3) 千葉地労委は、同月一三日、労働委員会規則三七条の二の規定に基づいて原告に対し、補助参加人が組合会議又は職場大会若しくは分会大会等のため会場使用許可願を提出して食堂の使用を申し入れたときは、原告が使用する場合を除きその使用を拒否しないこと、組合事務所問題が解決するまで組合備品を食堂に保管して使用することを認めることを勧告したが、原告は同年五月一二日付け千葉地労委宛上申書で、右勧告は食堂使用について許可制を認めているものの、ほとんど無制限に近いものとしているとして、これを拒否した。 (4) 原告と補助参 ることを勧告したが、原告は同年五月一二日付け千葉地労委宛上申書で、右勧告は食堂使用について許可制を認めているものの、ほとんど無制限に近いものとしているとして、これを拒否した。 (4) 原告と補助参加人は、千葉地労委の勧告に基づき、同年七月五日から同月二七日までの間六回にわたり前記3(9)記載のとおり団体交渉を行い、食堂使用の問題を組合事務所貸与の問題とともに話し合ったが、補助参加人が食堂使用については右(3)の千葉地労委の勧告どおり実施してほしいと主張したのに対し、原告は、前記3(9)に記載したとおりの理由から組合事務所貸与の問題が先決であること、補助参加人が前記(2)の同年三月一八日付け文書記載の条件を受諾すれば食堂を貸与する意思のあることを主張したが、補助参加人は右条件に承服することができない部分があると主張し、結局双方とも主張を譲らず団体交渉は打ち切られた。 (二) 不当労働行為の成否一般に使用者は、職場環境を適性良好に保持し、規律のある業務運営態勢を確保するため、企業施設を管理する権限を有するものであり、労働組合は当然に企業施設を利用する権利を保障されているものではないから、使用者が労働組合にその企業施設の使用を拒否したとしても、それが団結権保障の趣旨等からみて右施設管理権の濫用であると認められるような特段の事情がない限り、右使用拒否は不当労働行為にならないというべきである。本件食堂も原告の企業施設であり、右の理が妥当するから、本件において右特段の事情の存否を検討する。 前認定によれば、原告は補助参加人に対し、従来は会場使用許可願の提出があれば業務に支障のない限り食堂の使用を認めて来たのに、前記P1守衛の事件を契機として同五一年二月二七日補助参加人の食堂使用願を却下したものである。右の使用拒否は、労使間の慣行となりつつあっ 提出があれば業務に支障のない限り食堂の使用を認めて来たのに、前記P1守衛の事件を契機として同五一年二月二七日補助参加人の食堂使用願を却下したものである。右の使用拒否は、労使間の慣行となりつつあった取扱いを変更したものであるところ、原告は、前記のとおり補助参加人による守衛業務の妨害行為があったことを拒否の理由としている。すなわち、補助参加人のP2委員長らが「会社の犬」等の暴言、脅迫を用いてP1守衛から記録用紙を取り上げたというものであるが、この事実そのものは、本件において認めるに足りる十分な証拠はない。しかしながら、証人P8の証言及び前認定の本件事件とその後の状況を総合してみると、P1守衛は少なくとも自発的に記録用紙をP2委員長に交付したものではないことを推認することができる。そして、原告が企業施設の保安管理の必要から、就業時間後の食堂使用について守衛に巡回させ、居残った者の人数及び氏名を確認したとしても、特別これを不当とする事情は、本件において認められない。そうすると、原告がP1守衛の事件を契機に、その直後補助参加人の食堂使用について従前の取扱いを変更したことには、合理的な理由がないとはいえないのであって、これをもって施設管理権の濫用とまでいうことはできない。 次に、原告は、前認定のとおり、右事件が起きて以来補助参加人に対して食堂の使用を一切許容していないが、これも特段不当労働行為を構成するものではないというべきである。なぜなら、前認定によれば、補助参加人は、右のとおり食堂の使用を一度不許可とされてからは、原告所定の使用許可願用紙を勝手に書き換えた使用届を提出するのみで原告の許可なく食堂を使用するようになり、これを原告が食堂に施錠するまで五か月近く続け、原告の施設管理権を無視しているといわれても仕方のない態度を取っていたものであり き換えた使用届を提出するのみで原告の許可なく食堂を使用するようになり、これを原告が食堂に施錠するまで五か月近く続け、原告の施設管理権を無視しているといわれても仕方のない態度を取っていたものであり、他方、原告は、食堂使用につき一応考慮に値するルールを提案し、労使間の合意の形成に努める姿勢を取っていたものということができるのであるから、一切の使用を許可しなかったとしても、そのことが原告の施設管理権の濫用に当たるとはいえないからである。 そして、他に原告の補助参加人に対する食堂利用の拒否が施設管理権の濫用となるような特段の事情は、本件において認めることができない。 したがって、原告の補助参加人に対する食堂利用の拒否は、不当労働行為に該当しないというべきであるから、本件命令中、これを補助参加人に対する支配介入であるとして主文第4項のとおり救済命令を発した部分は、違法であり、取り消されるべきである。 5 組合加入状況の調査について(一) 事実関係当事者間に争いのない事実に前掲甲第二号証、乙第一八九、第一九三、第二〇五、第二七五、第二八二、第二八八、第二九〇号証、第二九二号証の一、丙第二四号証、成立に争いのない乙第二八六号証の二、原本の存在及び成立に争いのない乙第二九、第三七、第四二、第四三、第九〇、第一九七、第一九九号証、弁論の全趣旨により原本の存在及び真正に成立したことが認められる乙第三〇、第四五号証、証人P8及び同P3の各証言を総合すれば、次の事実を認めることができ、これに反する証拠はない。 (1) 原告は、昭和五〇年四月二一日、豊四季事業所の従業員代表のP9との間に労働基準法三六条の規定するいわゆる三六協定を締結し、松戸労働基準監督署(以下「松戸労基署」という。)に届け出て残業を実施していた。ところが、補助参加人は、同年六月五日の の従業員代表のP9との間に労働基準法三六条の規定するいわゆる三六協定を締結し、松戸労働基準監督署(以下「松戸労基署」という。)に届け出て残業を実施していた。ところが、補助参加人は、同年六月五日の団体交渉において右三六協定は無効であると主張し、同年九月一八日原告に対し、補助参加人は従業員の過半数で組織されている組合であるから、補助参加人との間で三六協定を締結するよう要求した。 (2) 松戸労基署は、補助参加人から右三六協定の適法性についての異議が出されたことから、原告に対し、同年一〇月二二日、右三六協定の締結当事者である従業員代表の選任方法に疑義があるとして是正を勧告し、さらに同年一一月七日、右従業員代表が三六協定の締結当事者としての資格要件を欠くとして残業を中止するよう指示したため、原告は、同月九日、残業を中止した。 (3) 原告は、同月四日、補助参加人が三六協定の締結当事者としての適格があるか否かを知る必要があるとして、補助参加人に対し組合員名簿の提出を求めたが、補助参加人はこれを拒否した。原告は、同月一一日団体交渉において、同月一四日及び一八日には文書で、重ねて組合員名簿の提出を求めたが、補助参加人はこれに応じなかった。 (4) 原告は、同月一八日、本社、豊四季、高松、土浦の各事業所において、所属課長を通じて就業時間中に一斉に従業員全員に「組合員名簿の提出は組合に対し再三に亘り申入れているにも拘らず、組合から組合員名簿は提出する必要はないとして拒否されております。会社と致しましては、過半数の労働者の代表者と締結すべき三六協定の締結にも支障を来たしております。この事情について松戸労働基準監督署に説明したところ、会社においてすみやかに調査し三六協定を締結されるよう指導されましたので次の通り各位に照会致します。」との文面で組合加入の有無 来たしております。この事情について松戸労働基準監督署に説明したところ、会社においてすみやかに調査し三六協定を締結されるよう指導されましたので次の通り各位に照会致します。」との文面で組合加入の有無を調査する照会票を配付し、記名のうえ即刻回答するよう求めた。補助参加人は、同日、原告に対し右照会票の配付は組合に対する不当な介入であり、即刻組合に対し謝罪するとともに、原告に提出された右照会票に対する回答書を補助参加人に引き渡すよう求める抗議文を提出した。原告と補助参加人は、同月二一日、右照会票配付の件について団体交渉を行ったが、補助参加人が照会票の配付は組合に対する支配介入であり不当労働行為に該当すると主張したのに対し、原告は、三六協定を締結する以上は組合員が従業員の過半数を超えているかどうか知る必要があり、再三にわたり補助参加人に組合員名簿の提出を求めたにもかかわらず、提出されなかったので調査する以外に方法がなかったと主張し、双方の主張が対立したままであった。 (5) 原告が右照会票に対する回答書を集計したところ、豊四季事業所では従業員の過半数以上の者が非組合員と回答していた。そこで、原告は、同年一二月四日、豊四季事業所につき非組合員であるP10ほか五名の従業員代表と三六協定を締結して松戸労基署に届け出、同月九日同署から右三六協定が適法である旨の連絡を受けた。また、土浦事業所においても同月四日までに従業員代表との間で三六協定を締結した。 (二) 不当労働行為の成否前認定によれば、原告は、補助参加人から自らが従業員の過半数を組織する労働組合であるとして三六協定を締結するよう要求されていた一方、当時の三六協定の適法性に疑義があるとする松戸労基署の指示に基づき、残業を中止せざるを得なくなり、早急に新たな三六協定を締結する必要に迫られていた。そ として三六協定を締結するよう要求されていた一方、当時の三六協定の適法性に疑義があるとする松戸労基署の指示に基づき、残業を中止せざるを得なくなり、早急に新たな三六協定を締結する必要に迫られていた。そこで、原告は、補助参加人が三六協定の締結当事者としての適格性を有しているか否かを確かめようとして、補助参加人に組合員名簿の提出を求めたが、これを拒否されたため、本件照会票を配布して組合加入状況を調査したものである。本件命令は、原告が本件照会票を配付したのは、三六協定の締結に藉口して組合員の氏名を知ることを目的として行ったものであるとするが、右事実関係のもとでは、原告が本件照会票を配付したことには相当な理由があったものといわざるを得ず、原告の目的が右のようなところにあったものとは認め難い。確かに本件命令のいうように、組合員の氏名を明らかにする必要はなかったのであるから、原告としては補助参加人に対してその組織率を明らかにするよう求めれば足りたとも考えられないでもないが、ことは三六協定の締結当事者の要件を満たすか否かという問題で、しかも労基署から右協定を締結するよう指示されていたのであるから、正確を期するため氏名を明らかにしたうえでの回答を求めたとしても、そのこと自体非難に値するものということはできない。まして補助参加人は、自ら過半数を組織するとして三六協定の締結を求めたのであるから、組合員名簿の提出を拒否するのであれば、別途組織率を明らかにする方法を提案してしかるべきであった。ところが、本件において、補助参加人からこの点につき積極的に協力しようとした事実は、全証拠によっても認めることができない。そうすると、原告が本件照会票の配付という方法によったことも、他に適切な方法が検討されていなかった以上、やむを得なかったものといえよう。右によれば、原告が は、全証拠によっても認めることができない。そうすると、原告が本件照会票の配付という方法によったことも、他に適切な方法が検討されていなかった以上、やむを得なかったものといえよう。右によれば、原告が補助参加人に対して組織率を明らかにするよう求めた事実を認めるに足りる証拠がないからといって、本件照会票の配付の目的が組合員の氏名を知ることにあったと断ずることはできず、結局右行為が不当労働行為に当たると認められるような事情は、本件において認めることができないことに帰する。 したがって、本件命令中、右照会票の配付を組合の運営に対する支配介入に該当する不当労働行為であるとして、原告に対しこのような方法で補助参加人の運営に介入することを禁止するとともに、ポストノーティスを命じた部分は違法であって、取り消されるべきである。 6 新入社員教育における組合誹謗について(一) 事実関係当事者間に争いのない事実に前掲乙第二八二、第二八八号証、原本の存在及び成立に争いのない乙第一〇四号証、証人P8の証言を総合すると、次の事実を認めることができ、これに反する証拠はない。 (1) 原告は、昭和四九年末ころからP4(以下「P4」という。)に原告の総務関係業務について相談するようになり、同五〇年四月一日に同人と非常勤の顧問契約を締結した。P4は、右顧問契約に基づき同人の自宅や事務所において原告からの相談を受けたり、原告の従業員教育の実施の際に講師として講演を行う等していたが、原告の社屋内に同人のための顧問室といったものはなく、同人が社内に常駐したり、顧問業務のため定期的に会社を訪れるということはなかった。 (2) P4は、同年一〇月二九日に千葉県夷隅郡<以下略>の原告保養所で実施された高校卒業新入社員合宿教育の講師として、原告から依頼された「不安定成長経済と企業」と 社を訪れるということはなかった。 (2) P4は、同年一〇月二九日に千葉県夷隅郡<以下略>の原告保養所で実施された高校卒業新入社員合宿教育の講師として、原告から依頼された「不安定成長経済と企業」というテーマについて講義を行った。P4は、右講義の際、出席者から労働組合について質問を受けてこれに答える形で、労働組合について述べたが、その中で、全金は会社が組合員名簿の提出を要求しても拒否するという非常に卑怯な方法をとっており、補助参加人はまさしくこれに該当する等と補助参加人に批判的な見解を述べた。原告は、同年一一月七日、右講義の講義録を管理職に対する参考資料として作成、配付したが、右労働組合に関する部分が右講義録のかなりの部分を占めていた。 (二) 不当労働行為の成否前認定によれば、P4は会社に常駐しない原告の非常勤の顧問にすぎない者であり、同人のこのような地位に照らすと、原告がP4に前記講義において組合問題に言及するよう依頼するなど、予め同人の労働組合に言及した部分の講義内容を予測できたという事情を認めるに足りる証拠がない本件においては、同人が前記講義中で補助参加人を批判する言動をしたとしても、その責めを原告に負わせることはできず、それが原告の組合に対する支配介入(労働組合法七条三号)に該当するということはできない。右講義の講義録が後日管理職の参考資料として作成、配付され、労働組合に言及した部分が同講義録のかなりの部分を占めていたことも、右判断を左右するものではない。したがって、本件命令がこれを不当労働行為として、原告に対しこの点につきポストノーティスを命じた部分は違法であるから、取り消されるべきである。 7 一時金の念書及び受領書の配布について(一) 事実関係当事者間に争いのない事実に前掲乙第四二、第四三、第九一、第一九三ないし第 ーティスを命じた部分は違法であるから、取り消されるべきである。 7 一時金の念書及び受領書の配布について(一) 事実関係当事者間に争いのない事実に前掲乙第四二、第四三、第九一、第一九三ないし第一九六、第二〇九、第二五七、第二七五、第二八二、第二八四号証、第二八六号証の一、第二八八、第二九〇、第三一七号証、第三一九号証の四、丙第二四号証、原本の存在及び成立に争いのない乙第三八ないし第四一、第六七、第一一一、第一一八、第一九〇、第二三二、第二四五ないし第二四七号証、弁論の全趣旨により原本の存在及び真正に成立したことが認められる乙第四四号証、証人P8及び同P3の各証言を総合すれば次の事実を認めることができ、これに反する証拠はない。 (昭和五〇年年末一時金に関する念書の配付について)(1) 補助参加人は、原告に対し、昭和五〇年一一月五日、平均三・五か月分の年末一時金の要求書を提出し、この件につき同月一二日、一四日、一八日及び二〇日を指定日としてそれぞれ団体交渉を申し入れた。これに対し原告は、現在検討中であるから遅くとも同月二〇日までには回答すると通知するとともに、組合規約及び組合員名簿の提出を求めて団体交渉を開催せず、同月二〇日、補助参加人に対し文書で年末一時金を同書記載の算定基準に基づいて支給する旨の回答を行い、あわせて同月二九日までに妥結しない場合には同年一二月一二日に年末一時金を支給できず、妥結後一四日以内に支給となると申し添えた。 (2) 原告と補助参加人は、同年一一月二一日、二五日、二八日、二九日及び同年一二月三日に年末一時金について団体交渉を行い、金額及びその算定方式について双方の主張が対立したほか、原告は秋闘要求及び三六協定締結問題との一括解決を主張し、補助参加人は別個に切り離して解決すべきであると主張して合意に至らなかった 交渉を行い、金額及びその算定方式について双方の主張が対立したほか、原告は秋闘要求及び三六協定締結問題との一括解決を主張し、補助参加人は別個に切り離して解決すべきであると主張して合意に至らなかった。また、原告は、同年一一月二一日の団体交渉において、補助参加人に対し組合規約及び組合員名簿の提出を要求したが、補助参加人は、組合内部の問題であって原告に提出する必要はないとして右要求を拒否した。 (3) 補助参加人は、同年一二月五日、年末一時金について原告の回答額を受け入れる旨通告したが、原告が右同様三六協定締結との一括解決を主張したことから、妥結に至らなかった。 (4) 原告は、同月初旬に一〇〇名以上の従業員有志から、慣行支給日である同月一二日に年末一時金の支給をしてほしいとの要望が出されたため、非組合員に年末一時金を支給する必要があるとして、同月九日、全従業員に原告提示の年末一時金の金額に異議がない旨の記載のある念書を配付し、同月一二日、右念書に署名した従業員に原告の前記(1)の回答額どおり年末一時金を支給した。 (5) その後原告は、同月一七日、「社員の皆さんへ」と題する文書を出し、その中で、年末一時金の額については合意に達しているが、補助参加人が三六協定の締結を了解していないこと、三六協定の締結なくしては年末一時金について妥結調印することはできない旨を述べた。原告と補助参加人は、同月一八日、三六協定を締結することなく、年末一時金について妥結調印し、原告は右念書に署名しなかった従業員にも年末一時金を支給した。 (昭和五一年春の賃上げに関する受領書の配付について)(1) 補助参加人は、同五一年三月中旬、原告に対し同年春の賃上げ要求書を提出し、同月一九日及び二五日を指定日として団体交渉を申し入れた。これに対し原告は、補助参加人に対し、同月一九日 付について)(1) 補助参加人は、同五一年三月中旬、原告に対し同年春の賃上げ要求書を提出し、同月一九日及び二五日を指定日として団体交渉を申し入れた。これに対し原告は、補助参加人に対し、同月一九日は会社業務の都合で、同月二五日は補助参加人の要求事項について検討中のため団体交渉を開催できないと回答し、同月二九日、右要求事項について同年四月二〇日までに回答すると通知した。原告は、同月一三日、春の賃上げについて回答し、賃上げは妥結月から実施する旨述べた。原告と補助参加人は、同月一六日及び同月二一日、この件につき団体交渉を行ったが、妥結に至らなかった。 (2) 原告は、一般従業員から原告の給与支給日である同月二五日に賃上げ後の賃金支給の要望があるとして、従業員に原告の支給額に同意する旨の記載のある受領書を配付し、これに署名した者に右原告回答額どおりの賃金を支給することとし、同月二五日ころ、受領書に署名押印した従業員に右賃金を支給した。その後、原告と補助参加人は、同月三〇日、春の賃上げにつき原告の回答額で妥結した。 (二) 不当労働行為の成否(昭和五〇年年末一時金に関する念書の配付について)前認定によれば、補助参加人は同五〇年一二月五日、年末一時金について原告の回答額を受け入れる旨回答したが、原告は、補助参加人との三六協定の締結を条件として妥結調印を拒否し、非組合員に年末一時金を支給する必要があるとして右念書の配付行為に及んだものである。しかしながら、原告は、前記5(一)で認定したとおり、前記照会票に対する回答結果をふまえて同月四日に豊四季事業所において非組合員の過半数を代表する者との間で三六協定を締結し、同月九日には松戸労基署から右三六協定が有効である旨の連絡を受け、また、土浦事業所においても同月四日までには従業員代表と三六協定を締結してお て非組合員の過半数を代表する者との間で三六協定を締結し、同月九日には松戸労基署から右三六協定が有効である旨の連絡を受け、また、土浦事業所においても同月四日までには従業員代表と三六協定を締結しており、さらに、同月一八日には補助参加人との間で三六協定を締結することなく年末一時金について妥結調印しているところからみると、原告が同月五日の時点で補助参加人との三六協定締結を年末一時金支給の条件としたことに合理的理由を見い出すことはできず、これに執着して妥結を拒否したのはなぜか理解に苦しむところである。このような事情に照らすと、原告が同月五日に補助参加人との間で年末一時金について妥結せず、非組合員のみに年末一時金を支給するため右念書を配付した行為は、補助参加人の弱体化を図るものであって、補助参加人の運営に対する支配介入(労働組合法七条三号)に該当するものというべきである。したがって、本件命令が、右念書の配付につき不当労働行為の成立を認め、原告にポストノーティスを命じたのは正当である。 (昭和五一年春の賃上げに関する受領書の配付について)前認定によれば、原告と補助参加人は同五一年春の賃上げについて給与支給日である同年四月二五日までに妥結に至っていなかったところ、原告は、右給与支給日に非組合員に対し原告の回答額に基づく賃上げ後の賃金を支給する必要があるとして、右受領書の配付に及んだものである。このように組合との間で妥結していない段階で支給日を迎えたため、原告が組合員に対する右回答額による賃金の支給を留保し、非組合員にのみこれを支給しようと考えたのは当然であり、その必要があったものというべきところ、前認定のとおり補助参加人が原告の組合員名簿の提出要求に応じていなかったため、組合員と非組合員とを区別することができなかったのであるから、このような場合に り、その必要があったものというべきところ、前認定のとおり補助参加人が原告の組合員名簿の提出要求に応じていなかったため、組合員と非組合員とを区別することができなかったのであるから、このような場合に原告が非組合員にのみ支給する方法として右受領書の配付という方法によったとしても、他に適切な方法がすぐには考えにくい以上、やむを得なかったものと認められ、これが直ちに不当労働行為に当たるということはできない。そして、本件において他に右受領書の配付が不当労働行為に該当すると認めるべき事情は存在しない(本件命令は、三六協定の締結資格に関して組合員名簿の提出をめぐる紛争が生じていた時期であったことを問題とするが、三六協定をめぐる紛争がこの時期まで継続していたと認めるに足りる証拠はない。)。したがって、本件命令中、同五一年春の賃上げ交渉中、全従業員に右受領書を配付した行為を不当労働行為であるとして、この点につき原告にポストノーティスを命じた部分は違法であるから、取り消されるべきである。 8 組合脱退工作について(一) 事実関係成立に争いのない乙第三二一号証の二によれば、原告の取締役であるP5(以下「P5取締役」という。)は、昭和五一年三月初旬ころ、原告の従業員であったP7(以下「P7」という。)から同人の結婚式の仲人を頼まれてこれを引き受けたこと、P5取締役は、同年四月二六日に予定されていたP7の結婚式の直前である同月一九日に同人と組合活動について話した際、同人が組合活動を続けるならば仲人を辞めさせてもらいたい旨述べたこと、これに対しP7から、組合を抜けるから仲人をお願いしたい旨を述べてP5取締役に仲人を辞めないよう頼んだところ、P5取締役が、組合を脱退すると言っても言葉だけでは信用できないから退職届を書いてほしいと言ったので、P7はその場で退職届 ら仲人をお願いしたい旨を述べてP5取締役に仲人を辞めないよう頼んだところ、P5取締役が、組合を脱退すると言っても言葉だけでは信用できないから退職届を書いてほしいと言ったので、P7はその場で退職届を書いてP5取締役に提出し、翌日補助参加人に組合脱退届を提出したこと、結婚式終了後、P7は再び補助参加人に加入したことが認められ、右認定に反する証拠はない。 (二) 不当労働行為の成否右認定によれば、補助参加人所属組合員であったP7は、原告の取締役であるP5から結婚式直前に、組合活動を続けるなら引き受けていた仲人を断ると言われたことを契機として、組合を脱退したものである。ところで、P5取締役は原告のいわゆる利益代表者の立場にあるものであるが、利益代表者の行為であっても、それが私生活関係において行われた個人的な行為である場合には、不当労働行為は成立しないものと解すべきである。そして、結婚式の仲人を引き受けるか否かは、純然たる私生活関係上の問題である。そうすると、P5取締役の仲人辞退が原告の指示に基づくなど、原告の組合脱退工作の一環として行われたという事情を認めるに足りる証拠がない本件においては、P5取締役の右言動は同人の個人的行為であるといわざるを得ないから、原告の補助参加人に対する不当労働行為とはならないというべきである。したがって、本件命令中これを原告の組合運営に対する支配介入であるとして不当労働行為の成立を認め、この点につきポストノーティスを命じた部分は違法であるから、取り消されるべきである。 四結論以上によれば、原告の本訴請求のうち、本件命令主文第2ないし第4項、第5項中(2)、(3)、(5)につきポストノーティスを命じた部分、第5項(4)中昭和五一年春の賃上げ交渉中に全従業員に受領書を配付し、賃金を受領する者に署名押印のうえ提 命令主文第2ないし第4項、第5項中(2)、(3)、(5)につきポストノーティスを命じた部分、第5項(4)中昭和五一年春の賃上げ交渉中に全従業員に受領書を配付し、賃金を受領する者に署名押印のうえ提出させたことにつきポストノーティスを命じた部分並びにこれらに関する原告の再審査申立てを棄却した部分の取消しを求める部分は理由があるので認容し、その余の部分は理由がないので棄却することとし、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法八九条、九二条本文、九四条をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する。 (裁判官相良朋紀長谷川誠阿部正幸)別紙(一)命令書申立人千葉県柏市<以下略>総評全国金属労働組合千葉地方本部オリエンタル支部執行委員長 P2被申立人千葉県柏市<以下略>オリエンタルモーター株式会社代表取締役 P11上記当事者間の千労委昭和五〇年(不)第三号不当労働行為救済申立事件について、当委員会は、昭和五二年九月二七日第六九七回及び昭和五三年一月一三日第七〇四回公益委員会議において、会長公益委員P12、公益委員P13、同P14、同P15、同P16出席し、合議のうえ、次のとおり命令する。 主文 1 被申立人会社は、就業時間中の組合活動の範囲の件及び人事異動に関する事前協議約款又は同意約款の締結の件を交渉事項とする申立人組合の団体交渉申入れに対し、誠意をもって応じなければならない。 2 被申立人会社は、豊四季事業所第二事務棟地下二階の一部(別紙図面の斜線部分)を組合事務所として速やかに申立人組合に貸与しなければならない。貸与の条件は、昭和五〇年六月下旬に申立人組合が記名調印して被申立人会社に渡した組合事務所貸与協定書によるものとする。 3 被申立人会社は、申立人組合の組合員に対し、申立人組合 与しなければならない。貸与の条件は、昭和五〇年六月下旬に申立人組合が記名調印して被申立人会社に渡した組合事務所貸与協定書によるものとする。 3 被申立人会社は、申立人組合の組合員に対し、申立人組合加入状況の調査をして、申立人組合の運営に介入してはならない。 4 被申立人会社は、申立人組合が支部大会及び分会大会開催のため、会場使用許可願を提出して豊四季事業所の食堂の使用を申し入れた時は、被申立人会社が使用する等特段の事情がある場合を除いて、その使用を拒否してはならない。 支部大会及び分会大会以外の申立人組合の会議又は集会のために豊四季事業所の食堂の使用を許可する範囲について申立人組合から団体交渉の申入れがあった場合には、被申立人会社は、誠意をもって応じなければならない。 5 被申立人会社は、本命令書の交付を受けた後、直ちに下記の陳謝文を縦一・五メートル横一メートルの白い木板いっぱいに楷書でわかりやすく墨書して、被申立人会社豊四季事業所の正門わきの従業員の見やすい場所に二週間掲示しなければならない。 陳謝文当会社は、貴組合に対し、 1 従業員に照会票を配布して、貴組合の組合員か否かを調査したこと。 2 組合備品を撤去したこと。 3 貴組合の分会大会等の各種集会を妨害したこと。 4 貴組合の組合規約又は組合員名簿が提出されないことを理由として、団体交渉を拒否したこと。 5 組合旗を撤去したこと。 6 総評全国金属労働組合千葉地方本部統一交渉団の入構を拒否したこと。 7 新入社員教育において、貴組合を誹謗したこと。 8 貴組合と昭和五〇年年末一時金、昭和五一年賃上げ及び同年夏季一時金の交渉中に、従業員に受領書を配布し、署名押印を求めたこと。 9 貴組合の組合員に対し、脱退を強要したこと。 が労働組合法第七条第二号又は第三号に該当する不当労働 金、昭和五一年賃上げ及び同年夏季一時金の交渉中に、従業員に受領書を配布し、署名押印を求めたこと。 9 貴組合の組合員に対し、脱退を強要したこと。 が労働組合法第七条第二号又は第三号に該当する不当労働行為であると千葉県地方労働委員会において認定されました。当会社はこのような不当労働行為を行ったことについて、貴組合及び組合員に対し、深く陳謝します。 昭和年月日オリエンタルモーター株式会社代表取締役 P11総評全国金属労働組合千葉地方本部オリエンタル支部執行委員長 P2殿(注、年月日は、陳謝文の掲示を始めた日を記入すること。) 6 申立人組合のその余の申立は棄却する。 理由 第1 認定した事実 1 当事者(1) 被申立人オリエンタルモーター株式会社(以下「会社」という。)は、精密小型モーターの製造、販売を目的として、昭和二五年に設立され、肩書地に本社及び豊四季事業所を、茨城県土浦市、香川県高松市、及び山形県鶴岡市に各事業所を置く資本金一億円の株式会社であって、製品の販売部門として株式会社オリエンタルサービス(以下「サービス」という。)を有し、本件申立時の従業員数は約九七〇名(うちサービス約一〇〇名)である。 (2) 申立人総評全国金属労働組合千葉地方本部オリエンタル支部(以下「組合」という。)は、会社及びサービスの従業員が組織する労働組合であって、昭和四九年一二月二二日に結成され、上部団体たる総評全国金属労働組合千葉地方本部(以下「千葉地本」という。)及び総評全国金属労働組合(以下「全金」という。)に所属し、豊四季分会、土浦分会、高松分会、鶴岡分会及びサービス分会を組織し、組合員数は最も多い時で約六二〇名を擁したが、後記の事情で減少し、結審時には約五〇名になったと推定される。 2 組合結成から昭和五〇年七月 分会、土浦分会、高松分会、鶴岡分会及びサービス分会を組織し、組合員数は最も多い時で約六二〇名を擁したが、後記の事情で減少し、結審時には約五〇名になったと推定される。 2 組合結成から昭和五〇年七月三日のストライキ頃までの経過(1) 組合結成前、従業員の間には、賃金昇給率、一時金、有給休暇日数、三六協定締結当事者としての従業員代表の選出方法、雇用の不安定、その他の労働条件に不満があるとして、P2、P3及びP17らが中心となって、昭和四九年一二月二二日従業員三六名が組合を結成し、P2は執行委員長に、P17は副執行委員長に、P3は書記長にそれぞれ選任され、その他の執行部員も選出された。 (2) 昭和五〇年四月二一日、会社は、豊四季事業所の従業員代表のP9との間にいわゆる三六協定を締結して、松戸労働基準監督署(以下「松戸労基署」という。)に届け出たが、組合は、同人は法定の選任手続きを経ていないものであり、協定は無効であるとみていた。 (3) 同年五月一二日、会社は、昭和五〇年度春の賃上げを発表した。 (4) 翌一三日、組合は会社に対し、P2委員長以下一一名の執行部全員の氏名を記載した組合結成通知書を提出して組合結成通知をなすとともに、下記要求事項を含む一三項目の要求を提出した。 記① 私たちオリエンタル支部をオリエンタルモーター株式会社及び株式会社オリエンタルサービスに働く労働者を代表する唯一の労働組合と認め、労働者の働く諸条件に関する事項について団体交渉権を認めること。 ② 労働条件の改訂、新規実施については、組合と事前に話し合いを行い、一方的に行わないこと。 ③ 労働者の労働条件に大きな影響のある問題は事前に話し合い、組合と本人の了解なく一方的に行わないこと。 ④ 会社は、組合に組合事務所、掲示板を貸与すること。また、会社建物、施設使用の便 ないこと。 ③ 労働者の労働条件に大きな影響のある問題は事前に話し合い、組合と本人の了解なく一方的に行わないこと。 ④ 会社は、組合に組合事務所、掲示板を貸与すること。また、会社建物、施設使用の便宜を与えること。 ⑤ 就業時間中の電話の取次ぎ、面会等の便宜を計らい、また連絡等最少限の組合活動を認めること。 ⑥ 団体交渉は、労使双方いずれか一方が申し入れた場合、直ちに他方が応ずることを原則とし、特別な事情がある場合でも三日以内に行うこと。 ⑦ 労働条件の改悪及び生活の圧迫につながる出向、配転、転勤を一方的に行わないこと。 ⑧ 昭和五〇年度春の賃上げについて、労働組合と協議すること。 上記一三日の通知を受けた会社は、組合関係の労務担当役員として最高責任者P18常務取締役以下を決定した。 なお、会社は従業員中大多数が組合に加入していると推定した。 (5) 五月一五日、組合の申し入れによって前記要求事項について、第一回団体交渉が開かれ、要求事項の①乃至⑧について次のとおり交渉がなされた。 ①について、会社は、「労働者を代表する」とあるのは、「全国金属オリエンタル支部に加入した労働者を代表する」との趣旨に解する。また「唯一の労働組合」とあるのは「現時点において、オリエンタル支部を唯一の労働組合」と解して認め、かつ、団体交渉権を認めると答えた。 なお、組合はこれを会社が組合を基本的に会社における労働者を代表する唯一の労働組合であると認め、かつ、団体交渉権を認めたと受けとっている。 ②について、会社は原則として事前に協議することは了解するが、「労働条件」の内容については、今後、双方が具体的に検討して話し合いをして決める。 ③及び⑦について、会社は「労働条件」等字句の不明確なものが多くあると主張したので、双方が具体的に内容を示し合って話し合う。 ④について、会 いては、今後、双方が具体的に検討して話し合いをして決める。 ③及び⑦について、会社は「労働条件」等字句の不明確なものが多くあると主張したので、双方が具体的に内容を示し合って話し合う。 ④について、会社は、組合事務所(豊四季、土浦各事業所に各一か所)、掲示板(豊四季、土浦各事業所に各二か所、サービスに一か所)の設置について、基本的に了解した。具体的設置場所については、会社は五月一九日に回答する。 なお、組合は、サービスに書類等を保管するスペースが欲しいと要望した。 ⑤について、会社は基本的に了解した。但し、ア電話の取次ぎ、面会等については執行委員を対象範囲とする、イ面会者の入退場は、会社の規則に従うこと、ウ就業時間中の組合活動については、連絡等最少限とし、緊急を要する時のみとする、と答えた。 ⑥について、会社は基本的に了解した。ただし、「特別な事情がある場合でも三日以内に行う」ことについては、双方が再検討することとなった。 ⑧について、組合は会社の説明を基本的には了解するが、組合としてアンケート調査中のため、調査集計後交渉を持ちたいと申し入れた。 (6) 五月一九日、第二回団体交渉では① 要求項目⑥の「団体交渉を一方が申し入れた場合、特別な事情があるときでも三日以内に行うこと」については「団体交渉申入書の指定日より三日以内」ということ、「三日」とは「三労働日」ということ、「団体交渉の時間は三時間以内とし、合意によって延長できる」こと、及び「団体交渉の日時、場所は事務折衝で決める」ことについて労使双方了解した。 ② 要求項目④のうち組合事務所設置については、貸与に関する協定内容、利用方法を組合から会社に文書で提出し、その上で会社が設置場所を検討することで双方合意した。 (7) 五月二二日、会社は、「従業員の皆さんへ」と題する文書を従業員に配布し は、貸与に関する協定内容、利用方法を組合から会社に文書で提出し、その上で会社が設置場所を検討することで双方合意した。 (7) 五月二二日、会社は、「従業員の皆さんへ」と題する文書を従業員に配布して、①会社は五月一三日総評全国金属労働組合千葉地方本部オリエンタル支部の結成通知を受けとり、同時に一三項目の要求書を受けとった。②要求書の第一項に、組合を会社に働く労働者の唯一の労働組合と認め、団体交渉権を認めることとの要求があったが、この要求は労働組合が結成されると必ず出る項目であり、団体交渉権は法律的に認めることになっている。また、唯一の組合となっているが、これは慣行上うたわれることである。③団体交渉により労使間で決めたことは、組合員だけでなく全従業員に及ぶことになっている。④会社は、全従業員のことを考えて進めていく。⑤今後、会社も慎重に対処していくので、従業員の皆さんも充分考えた上で慎重な行動を期待する。 などと述べた。 (8) 六月五日の第五回団体交渉では、① 会社は、豊四季事業所の組合事務所の設置場所について、組合申入れの松林の中での三〇平方メートルは建築基準法上難しいとして、第二事務棟地下二階の営繕の向い側の場所を提示した。 一方組合は、希望場所として食堂をあげたが、そのほか、アAホール、Bホールのいずれか、イ中庭に面した所、ウ三課のコイルインサーターがある所をあげた。 そして、組合事務所等貸与協定書についても逐条的に検討した。 ② 春の賃上げについて、会社は、資料を提出して支払い能力等についても説明し既に解決済みであると回答したが、組合は、現状の説明だけでは過去二か年の推移が不明であるとして、納得しなかった。なお組合は、アンケート調査の結果をふまえて五月二三日に賃上げ率一律二二・五パーセントの要求書を提出していた。 ③ 三六協定につ 現状の説明だけでは過去二か年の推移が不明であるとして、納得しなかった。なお組合は、アンケート調査の結果をふまえて五月二三日に賃上げ率一律二二・五パーセントの要求書を提出していた。 ③ 三六協定について、組合が、現在の協定は無効であると主張したのに対し、会社は、有効であるが新しく結ぶについては、スケジュール残業のためよりも、現在は突発的な残業が必要な時期であるため、弾力的に考えて一年か少くとも半年間の協定を主張したが、組合は、残業に協力しないということではないが、現在は正常な労使関係ではないので、賃上げなどの問題が取り除かれるまでは、その都度協定する方法しか受け入れられないと主張し、労使の意見は対立した。 ④ 会社施設の使用について、組合は、「用紙を組合で用意するから、コピーを使用させてもらいたい。輪転機、ファクス、青やき用なども使わせてもらいたい。」と申し入れ、これに対し会社は、「こういう事、こういう事と出してもらって検討する。一応事務折衝でやって、その上でやろう。」と答えた。 ⑤ なお、会社は、夏季一時金の支給基準について文書に基づき説明を試みたが、組合は、六月一〇日に要求書を提出することになっているので六月一七日に回答してもらいたいと希望を述べた。 (9) 組合は、組合公然化直後から組合備品を会社の食堂に置いていたが、六月初めP3書記長とP6庶務課長との事務折衝において、このことについて非公式に了解された。 この頃組合は、組合事務所が貸与されれば、直ちに組合備品を食堂から撤去する考えであった。 (10) 六月一〇日、第六回団体交渉で① 豊四季事業所の組合事務所の設置場所について、組合は、会社提案の松林の中で、コンクリートに面した所まで出した独立棟を建ててもらいたいこと、独立棟ができるまでは、暫定として会社提示の営繕の向い側の所を仕切 季事業所の組合事務所の設置場所について、組合は、会社提案の松林の中で、コンクリートに面した所まで出した独立棟を建ててもらいたいこと、独立棟ができるまでは、暫定として会社提示の営繕の向い側の所を仕切って事務所として使用したいと希望した。 これに対し会社は、コンクリートに面した所という位置の希望については、実際にやってみなければわからないので確約できない。暫定で使う営繕の向い側の所については、電気関係など工事関係者と相談して一週間か一〇日ぐらいで使えるようにしたいが、工事の都合でどうなるかわからないと答えた。その他の貸与条件については、事務所の貸与協定の有効期間等一部を除いて協定書案は、ほぼ合意に達した。また、土浦事業所の組合事務所については、労使双方から具体的な設置場所の提案があり、現地に行く等してさらに協議することとした。 ② 就業時間中の組合活動の範囲について検討されたが、「就業時間中の組合活動については連絡等最少限とする。」の「最少限」の解釈について、双方ずれがあるので内容をはっきりさせて双方一致了解できるようにすることとなった。 ③ 春の賃上げについて、組合は有額回答を要求した。これに対し会社は、五月一二日に一三・九七パーセント賃上げして終了しているが、組合の再賃上げ要求があるので、売上げ台数に対する各人奨励加給金を支給すると提示した。 しかし組合は、基本給の賃上げ要求であるとして納得しなかった。 ④ 夏季一時金について、組合は、六月一〇日付け要求書(要求額平均三・五か月、配分については別途協議する。回答指定日六月一七日。)を提示し、配分について別途協議するために組合として研究したいので、賃金の実態の資料を欲しいと申し入れた。 これに対し会社は、六月に出すのが慣行になっているので、あてにしている社員もいることだし早い時期に支給し ついて別途協議するために組合として研究したいので、賃金の実態の資料を欲しいと申し入れた。 これに対し会社は、六月に出すのが慣行になっているので、あてにしている社員もいることだし早い時期に支給したいと答えた。 (11) 同日、組合は、六月一七日までに夏季一時金について誠意ある回答がないときは、ストライキを行うと会社に通告した。 (12) 六月一七日、会社は、①春の賃上げは解決済みとする、②夏季一時金は①を前提として前年度年末一時金と同率の支給基準により支給すると回答したが、この回答額は、組合の要求額をかなり下まわる額であった。 (13) 六月下旬、会社は、組合事務所の設置について、第二事務棟地下二階の営繕の向い側の一部約三〇平方メートルを仕切って貸与すると確答し、組合事務所貸与協定書を提示して、記名調印を求めた。 組合はこれに記名調印して会社に渡したが、その際調印した協定書中の「事務所」とは暫定的なものであり、本事務所は、会社が当初提案した松林の中に建築する約三〇平方メートルの独立建物とするとの覚書を添付した。 (14) 七月二日頃、会社は、第二事務棟地下二階の営繕の向い側の一部約三〇平方メートルを間仕切りして別紙図面のとおり組合事務所の工事を終えた。 (15) 七月三日、組合は、会社に通告して同日午後統一時限ストライキを打った。このストライキには豊四季、土浦、高松各事業所の組合員約六〇〇名が参加した。組合員は就労中の非組合員に対してストライキに協力するよう説得に努めたが、部課長ら職制はこれを阻止し、会社は組合宛にストライキを遺憾としてその撤回を求め、組合に強く警告するという趣旨の警告書を出した。また、この時点では労使間には争議予告期間、保安要員等に関する協約は存在しなかったが、会社は同日組合宛にこれら平和条項又は争議条項があることを前提 求め、組合に強く警告するという趣旨の警告書を出した。また、この時点では労使間には争議予告期間、保安要員等に関する協約は存在しなかったが、会社は同日組合宛にこれら平和条項又は争議条項があることを前提とするかの如き要求を行った。 これに対し、組合は、会社が組合執行部の頭越しに個々の組合員に業務命令を発し、又はストライキ不参加を呼びかけたとして抗議を行った。 (16) 同月中旬、組合は、夏季一時金について、会社の前記回答に一律一五、〇〇〇円を上積みさせ、また春の賃上げについては調整手当一、五〇〇円を上積みさせて妥結した。 3 ストライキ後の経過(1) 団体交渉応諾について① 就業時間中の組合活動の範囲についてア昭和五〇年八月八日、会社は、「就業時間中の組合活動の範囲について」と題する文書をもって、「就業時間中の外出等社外の組合活動は認めない。賃金カットする。」と組合に通知した。 イ会社は、同年九月四日付け文書をもって、同年八月一三日、P2委員長が就業時間中千葉地本の執行委員会に出席したので、賃金をカットしてしかも欠勤扱いとし、同月二六日、P3書記長及びP19執行委員が就業時間中鶴岡事業所に転勤になった組合員を上野駅に見送りに行ったので、賃金をカットしてしかも遅刻扱いとし、同月二九日及び三〇日、P17副執行委員長が高松事業所に組合用務で旅行したので賃金をカットしてしかも欠勤扱いとした。 ウ会社では、遅刻三回で欠勤一日の扱いになる。 エ同年九月九日付けで、組合は、上記賃金カット等の取り扱いについて「社外組合活動の件」という交渉事項を記して団体交渉を申し入れたが、会社は、同月一〇日交渉事項が不明確であるとして応じなかった。(なお、この会社の回答の文書には就業時間中の組合活動について、賃金カットをしないことは不当労働行為となるから会社とし 渉を申し入れたが、会社は、同月一〇日交渉事項が不明確であるとして応じなかった。(なお、この会社の回答の文書には就業時間中の組合活動について、賃金カットをしないことは不当労働行為となるから会社としては賃金カットをするという意見が付されていた。)組合は、また同月一六日付けで団体交渉事項を「社外組合活動賃金カットの件」として団体交渉を申し入れるとともに、賃金カットはやむを得ないが、欠勤又は遅刻扱いをすることは不当である旨の抗議書を会社に出した。会社はこの団体交渉の申し入れに対し、昭和五〇年八月八日付け文書で回答済みであると文書で回答し、結局応じなかった。会社はこの件に関し、さらに同月三〇日「就業時間中の社外組合活動は原則として認めない。連絡等最少限とし、緊急を要する時のみとする。」と文書で回答した。 オ同年一〇月六日、組合は秋闘の要求書を会社に提出し、就業時間中の組合活動の範囲についても要求事項の中に取り上げ、同日団体交渉を申し入れたが、会社は、同年一一月二〇日までに回答するとして団体交渉に応じなかった。 組合はさらに同年一〇月二五日、同月二七日にも団体交渉を申し入れたが会社は拒否した。 カ同年一一月四日の本件調査期日に、当委員会から会社に、団体交渉に応ずるように勧告がなされ、同月一一日、就業時間中の組合活動の範囲等について団体交渉が行われたが、会社は、「組合活動は就業時間外に行うものである。昭和五〇年八月八日付け文書ですすめる。」という主張を繰り返すだけで新たな進展はなかった。 キ同月二〇日、秋闘要求の回答が出され、この中で会社は、就業時間中の組合活動の件については昭和五〇年八月八日付け文書により回答済みであると回答した。 ク同年一二月一八日、秋闘要求と年末一時金に関する協定書が労使間で締結され、この中で「就業時間中の組合活動につ 中の組合活動の件については昭和五〇年八月八日付け文書により回答済みであると回答した。 ク同年一二月一八日、秋闘要求と年末一時金に関する協定書が労使間で締結され、この中で「就業時間中の組合活動について、会社が回答済みであることを組合は了解」した。 ケ昭和五一年三月五日、組合は、当委員会の団体交渉促進の口頭勧告に基づき、「労使間懸案事項」を団体交渉事項として団体交渉を申し入れたところ、会社は、団体交渉事項の趣旨が不明確であるとして応じなかった。 そこで組合は、同月九日「就業時間中の組合活動の件」ほか三項目を交渉事項として再度申し入れたが、会社は、同月一一日文書で回答し、団体交渉に応じなかった。 会社は上記回答書において「就業時間中の組合活動の件については、九月三〇日付け貴組合宛文書において回答済みでありますが、貴組合の不当労働行為救済申立において『不当労働行為を構成する具体的事実』としてとり上げられておりますので千葉県地方労働委員会のなりゆきを見守るべきと考えます。 なお、貴組合の一〇月六日付け秋闘要求第一三項に『組合員が組合業務のため欠勤、早退、遅刻、外出などする場合、これを通常出勤扱いとせよ』の要求があり、一二月八日に『会社が回答済みであることを組合は了解する』と労使間で協定されていることはご承知のとおりです。」と述べている。 コ同年一〇月二二日、豊四季分会は、秋闘要求の中で、就業時間中の組合活動を認めるよう要求し、同月二五日団体交渉を申し入れたが、会社は応じなかった。また同月二七日、組合は団体交渉を申し入れたが、会社はこれに応じなかった。 ② 組合事務所設置についてア昭和五〇年九月九日、会社が従業員に配布した「社員の皆様へ」と題する文書で「会社は、組合事務所を豊四季事業所第二事務棟に用意し、専用直通電話を架設し、貸与協定調 た。 ② 組合事務所設置についてア昭和五〇年九月九日、会社が従業員に配布した「社員の皆様へ」と題する文書で「会社は、組合事務所を豊四季事業所第二事務棟に用意し、専用直通電話を架設し、貸与協定調印後貸与する。」と明言した。 イ同年一一月一一日、当委員会の団体交渉促進についての口頭勧告に基づき就業時間中の組合活動の範囲等を交渉事項とする団体交渉が行われたが、この中で会社は、組合事務所は組合自身が自主的に解決すべきもので、便宜供与は避けたいとし、また、話し合いの前提として、組合規約、組合員名簿の提出を求めたが、組合は、これを拒否した。 ウ同年末頃、P3書記長は、P6庶務課長との事務折衝において、意向打診的に、前記2(13)で添付した覚書を撤回しても良いと申し入れた。 エ昭和五一年二月一八日、当委員会の団体交渉開催についての勧告に対し、会社は組合事務所について検討し、後日、最終的見解を示すと述べた。 オ同月二〇日及び三月九日、組合は、組合事務所の件について団体交渉を申し入れたが、会社は、現在検討中であるとして応ぜず、三月一八日会社は、文書をもって、昭和五〇年一一月一一日の団体交渉での主張を繰り返した。 また、第二事務棟地下二階は現在部品、製品の保管場所として使用しており、組合事務所として使用不可能であるから、松林の中に一〇平方メートルのプレハブ建物を貸与すると提示した。 カ同年三月二九日、組合は、同月一八日の会社回答に対し、次の趣旨の回答をした。(ア)労働組合法は、労使間で民主的に協議決定した事項(この場合は組合事務所貸与の如き便宜供与)について規制するものではないこと、(イ)組合規約の提出要求は撤回すべきこと、(ウ)第二事務棟の一角に組合事務所を設置することが労使間で合意されており、その合意に従って組合事務所を貸与すべきこと、(エ いて規制するものではないこと、(イ)組合規約の提出要求は撤回すべきこと、(ウ)第二事務棟の一角に組合事務所を設置することが労使間で合意されており、その合意に従って組合事務所を貸与すべきこと、(エ)会社提案の松林の中のプレハブ建物は一〇平方メートルにすぎず狭すぎること、(オ)土浦分会の組合事務所については、二〇平方メートル以上の広さのもので再考されたいこと、等であった。 キこれに対し、会社は、同年四月五日組合宛に、「三月二九日付け回答書のとおりの主張を貴組合が今後とも維持されるのであれば、会社の見解と全く相容れませんので、組合事務所貸与について会社は、遠慮させて頂きます。なお、貴組合宛三月一八日付け回答書を会社は撤回しておりません。貴組合が同意されれば貸与いたします。」と述べた回答書を出した。 ク同年四月八日及び同月一三日、組合事務所貸与問題について団体交渉を行ったが、平行線のまま終った。 ③ 人事異動についてア組合は、昭和五〇年一〇月六日付け秋闘要求の中で、人事異動の協議約款の締結要求をしたが、会社は、同年一一月二〇日付け回答書で協議約款又は同意約款を締結する意志がないと回答した。 イ昭和五一年八月一六日、会社は、同月一日付けで三一名の人事異動を実施する旨組合に通知した。 ウ上記通知を受けて、組合は同月一七日、人事異動の件を議題として団体交渉を申し入れたが会社は、同月一七日、交渉事項が不明確であること及び人事異動に関する事前協議約款又は同意約款を締結する意志がないことを挙げて団体交渉に応じなかった。そこで組合は、同月二三日「八月一日の人事異動の件」ほか一項目を団体交渉事項に掲げて団体交渉を申し入れたが、会社は応じなかった。 同月三〇日、組合は会社に対し、大略次の趣旨の抗議文を出した。(ア)会社は組合を無視して個人交渉をし、労 人事異動の件」ほか一項目を団体交渉事項に掲げて団体交渉を申し入れたが、会社は応じなかった。 同月三〇日、組合は会社に対し、大略次の趣旨の抗議文を出した。(ア)会社は組合を無視して個人交渉をし、労働条件を一方的に変更したこと。(イ)人事異動に関する八月一六日、同月二三日及び同月二五日の団体交渉申し入れを拒否したこと。(ウ)降格処分があること。(エ)不当処分を撤回すべきこと。(オ)団体交渉に応ずること、等であった。 会社は、同年九月六日、組合に対し(ア)人事異動は会社の権限として行われるものであること。(イ)人事に関する協議約款又は同意約款を締結する意思がないこと。(ウ)降格処分と言われるものはないこと。(エ)この件については既に回答済みであること。を内容とする回答をした。 エその後、組合は同年九月一三日重ねて人事異動の件について団体交渉を申し入れたが、会社は同月一七日、さきの同月六日の組合宛の回答書と同趣旨の回答書を組合に出し結局この時点では団体交渉は行われなかった。 オ組合の豊四季分会は、同月二二日「雇用の安定と権利を保障する協定書(案)」を添付して人事の協議約款又は同意約款の締結を要求し、一一月二五日の団体交渉において、この問題が検討された。その際、組合は人事の協議又は同意は特定個人の問題にとどまらず、非組合員を含めての問題である等の説明をしているが、会社は従来の主張をくり返しており、内容の面では進展はなかった。 (2) 組合加入状況調査について① 組合加入状況調査に至る経過ア組合は、昭和五〇年九月一八日、会社に三六協定の締結を要求し、一〇月一六日松戸労基署に現在結ばれている三六協定の代表者を選任したことがない旨の従業員の署名を集めて提出した。 イ一〇月二〇日、松戸労基署は会社に調査に訪れ、同月二二日会社に対して従業員代表 、一〇月一六日松戸労基署に現在結ばれている三六協定の代表者を選任したことがない旨の従業員の署名を集めて提出した。 イ一〇月二〇日、松戸労基署は会社に調査に訪れ、同月二二日会社に対して従業員代表の選任方法に疑義があるとして是正勧告を出した。会社は、同月二七日松戸労基署に現在の三六協定が有効なる旨の上申書を提出し、その後も従業員に残業を命じた。 ウ一一月四日、会社は三六協定締結のために必要として、組合に組合員名簿の提出を求めたが、組合は拒否した。 エ会社は、一一月七日松戸労基署から呼出しを受け、現行三六協定の従業員代表は資格要件を欠くとして残業を中止するよう指示され、一一月九日残業を中止した。 オその後、会社は一一月一一日の団体交渉の場において、並びに同月一四日及び一八日には文書をもって、重ねて組合員名簿の提出を求めたが、組合からの提出がなかったところ、一一月一八日会社は、本社、豊四季、高松、土浦の各事業所で所属課長を通じて就業時間中、一斉に従業員全員に組合加入の有無を調査する照会票を配布し、記名式で即刻回答を求めた。組合は、このような会社の行為に対して、同日抗議のビラを配布するとともに、会社に対して組合への謝罪と照会票の交付を求める抗議文を出した。 ② 調査後の経過ア一一月二一日、「三六協定を締結したいので、下記の者を代表者として選任します。」として非組合員P10ほか五名の氏名を記載した署名用紙が従業員に配られた。 イ一二月四日、会社は、非組合員であるP10ほか五名の従業員代表と三六協定を締結し、松戸労基署に届出をした。 ウ松戸労基署は、同月八日、会社が一一月一八日照会票を配布した際、照会票の中に、松戸労基署の指導により調査する旨を記載して松戸労基署の名を使用したことに対し、注意書を会社に出した。 エ会社は、年末一時金の 基署は、同月八日、会社が一一月一八日照会票を配布した際、照会票の中に、松戸労基署の指導により調査する旨を記載して松戸労基署の名を使用したことに対し、注意書を会社に出した。 エ会社は、年末一時金の妥結前である一二月一七日に、組合が三六協定締結に応じなければ年末一時金の解決もあり得ないと「社員の皆様へ」と題する文書の中で述べた。 オその後、組合と会社との間に、三六協定は結ばれていない。 (3) 食堂使用をめぐる紛争① 組合備品の撤去ア組合は、組合公然化直後から備品を会社の食堂に置いていたが、第五回団体交渉後である六月初め、P3書記長とP6庶務課長との事務折衝において、このことについて非公式に了解された。 イその後七月頃、組合は上記備品を撤去せよとの会社の警告を無視したので、会社は、七月三〇日自ら徹去して地下倉庫に保管したが、組合は翌三一日に原状に復した。同年一〇月、組合はキャビネットを上記食堂に持ち込んだので、会社は口頭で注意した。 ウ同年一二月二四日、会社は組合備品を食堂から撤去するよう文書で警告した。 組合は同月二五日この件で団体交渉を申し入れたが会社は年が明けてからにしたいと言って団体交渉の延期を望み団体交渉は開かれなかった。しかるところ同月二七日頃、会社は食堂の一角に置いていた組合備品及び組合旗を一括して持ち去った。 P3書記長は、昭和五一年一月二三日、今後社内に持ち込まない約束で会社から輪転機等の組合備品の返還を受けたが、同年二月一三日再び食堂に持ち込んだので会社は再び撤去した。 エ同年四月一三日、当委員会は労働委員会規則第三七条の二の規定に基づき、会社は、会社が保管中の組合備品を即時組合に返還し、組合事務所問題が解決するまで組合がこれを食堂の元の位置に保管し、かつ、従前通りの使用を認めることを勧告したが会社は従わなかっ の二の規定に基づき、会社は、会社が保管中の組合備品を即時組合に返還し、組合事務所問題が解決するまで組合がこれを食堂の元の位置に保管し、かつ、従前通りの使用を認めることを勧告したが会社は従わなかった。その後これらの備品は同年六月一五日千葉地方裁判所松戸支部による強制執行がなされるまで組合に返還されなかった。 ② 組合集会の妨害ア同年二月二三日、組合は、終業後食堂の一角で春闘の学習会を開いていたが、守衛のP1が学習会の開かれている場所の近くまで来て椅子に坐り参加者の氏名を記録しはじめたので、P2委員長が抗議して記録用紙を渡すように求めたところ、P1守衛は当該記録用紙をP2委員長に手渡した。 なお、それまでは、守衛は食堂を利用した組合集会については遠くから人数を確認するだけであった。そこで組合は上記の守衛の行動について会社に抗議した。これに対し会社は、同月二七日「(P2委員長、P3書記長が)『会社の犬』などの暴言、脅迫を用い、氏名を記した記録用紙をとりあげるなどの行為(をしたが、これは)極めて重大な業務妨害行為で処分の対象となりますので今後かかる行為を繰り返さないよう強く警告を発するとともに記録用紙の返還を二月二八日までに求める。なお、この守衛業務を『組合に対する内部干渉である』との主張を(組合が)今後も維持されるのであれば会社は組合に対し、会社施設の利用は一切認めません。社外において自主的に解決されたい。」という警告書を出し、同月二七日、組合の会場使用許可願を不許可にしたところ、組合は会場使用許可願の用紙を書き直して会場使用届として提出して食堂を使用し、さらに三月一日、二日及び三日にも組合は同様の届で食堂を使用した。これに対して会社は、組合の食堂使用は無許可使用であるとして食堂から組合員の退去を求め、あるいは電灯を消したりした。この 堂を使用し、さらに三月一日、二日及び三日にも組合は同様の届で食堂を使用した。これに対して会社は、組合の食堂使用は無許可使用であるとして食堂から組合員の退去を求め、あるいは電灯を消したりした。このため前記三月三日の分会大会は不成立に終った。 イ三月一八日、会社は組合に対し、食堂使用の許可条件として(ア)所定の会場使用許可願に使用目的、使用人数、使用時間を明記して前日までに提出すること。 (イ)千葉地本役員以外の入場については、総務部長の許可を得ること。(ウ)排他的な使用をしないこと。(エ)構内への入退場は会社諸規定を遵守すること。を求める申入書を出した。組合はこれに同意せず、しばしば会場使用届を提出して食堂を使用する状態が続いた。 ウ四月一三日、当委員会は労働委員会規則第三七条の二に基づき、組合が職場大会、分会大会等のため食堂使用を申し入れた時は、会社が使用する場合を除き使用を拒否しないことを勧告したが会社は従わなかった。 エ同年七月以降、会社は食堂の出入口に扉をつけ、終業後施錠したので、組合は食堂使用ができなくなった。 オなお、組合は結成通告翌日の昭和五〇年五月一四日以降前記の昭和五一年二月二三日までは会場使用許可願を提出して会社の許可を得て執行委員会、職場大会、分会大会、支部大会等の集会に食堂を使用していた。 (4) 組合規約、組合員名簿の提出要求について① 組合規約の提出要求についてア昭和五〇年八月二一日、組合は、事業所ごとの交渉の件を交渉事項とする団体交渉を、八月二六日に開くよう会社に文書で申し入れた。 会社は、八月二七日付け文書をもって、組合規約の提出を求め、提出なき間は団体交渉に応じないと回答した。 イ八月二八日、組合は、再び同一交渉事項で九月一日団体交渉を開きたいと文書で申し入れた。 会社は、九月四日文書で組合が をもって、組合規約の提出を求め、提出なき間は団体交渉に応じないと回答した。 イ八月二八日、組合は、再び同一交渉事項で九月一日団体交渉を開きたいと文書で申し入れた。 会社は、九月四日文書で組合が規約の提出を拒否しているのは今後の労使関係にとって極めて重大であるから強く反省を求める。会社は組合が法的に要件を満たしている労働組合であるか否か不明であり、組合が規約を有するか否かも不明であるから、今後規約の提出があるまで団体交渉に応じない。会社は法的に認められた労働組合と交渉する意思はあるが、組合規約が提出されず、または、規約があるか否か不明の労働組合とは一切交渉しないと回答した。 ウ会社は、九月九日付けで「社員の皆様へ」と題する文書を作成して、組合に対する会社の姿勢、主な懸案事項の交渉経過等を周知させるべく従業員に配布した。 その中で組合規約の提出に関連して前記九月四日付けの組合宛の文書で述べたと同趣旨のことを述べた。 エ九月九日、組合は、(ア)組合規約提出の件、(イ)社外組合活動賃金カットの件、(ウ)事業所ごとの交渉の件、を交渉事項とする団体交渉を九月一一日に開くよう申し入れた。会社は九月一〇日、文書をもって(ア)は団体交渉の対象とならない、(イ)は交渉事項の趣旨不明、(ウ)は回答済みとして団体交渉を拒否した。 その後も会社は、一一月一一日の団体交渉の席上であるいは同月一四日及び一八日並びに昭和五一年三月一一日、同月一八日及び四月五日の文書で、それぞれ組合規約の提出を求めたが拒否された。 ② 組合員名簿の提出要求についてア会社は、昭和五〇年一一月四日、組合からの申入れの三六協定締結のために組合が締結当事者として適格かどうかを知るためと称して、組合員名簿の提出を要求したが組合は拒否した。 イその後、会社は一一月一一日の団体交渉の席上 一一月四日、組合からの申入れの三六協定締結のために組合が締結当事者として適格かどうかを知るためと称して、組合員名簿の提出を要求したが組合は拒否した。 イその後、会社は一一月一一日の団体交渉の席上で、あるいは同月一四日及び一八日には文書をもって、重ねて組合員名簿の提出を求めたが、組合は提出しなかった。 (5) 組合旗の撤去について① 組合は、昭和五〇年春の賃上げ、夏季一時金の交渉中及び年末一時金の交渉中に、組合旗を会社に無断で会社構内に掲揚したので、会社は口頭で撤去を申し入れたが、組合は交渉妥結後に撤去した。 ② 組合は、昭和五一年三、四月頃春の賃上げ交渉中に組合旗を三度構内に掲揚した。 四月三〇日、会社は春の賃上げ交渉が妥結したので、組合旗の撤去を組合に申し入れたが拒絶された。会社は、組合が撤去しなければ会社が撤去する旨警告し、五月二六日撤去保管した。組合は柏警察署に告訴し、六月七日会社は柏警察署を経由して返還した。 ③ 同年六月一〇日、会社は、豊四季事業所内に掲揚されていた組合旗を撤去して自ら保管したが、柏警察署から注意されて組合に返還した。 (6) 千葉地本統一交渉団の入構について① 昭和五一年三月五日、組合は三月九日を指定日とし、「労使間懸案事項」を交渉事項として団体交渉を申し入れたが、会社は、指定日の九日に交渉事項の趣旨が不明確であると文書通知した。 ② 同月九日、組合は交渉事項の趣旨を説明した文書を会社に提出し、団体交渉を申し入れ、全国金属千葉地方本部統一交渉団(以下「地本統一交渉団」という。)が会社を訪れたが、会社は事前に何の予告も同意もなかったとして団体交渉を拒否し、面会もしなかった。そして三月一一日この交渉事項はあるいはすでに解決済みであること、あるいは現在検討中であること等の理由をあげて文書で回答しただけであった 告も同意もなかったとして団体交渉を拒否し、面会もしなかった。そして三月一一日この交渉事項はあるいはすでに解決済みであること、あるいは現在検討中であること等の理由をあげて文書で回答しただけであった。 ③ 会社は、三月一一日、別途「警告書並びに通告書」を出し、三月九日の地本統一交渉団の行動について、組合に次のように警告した。 ア就業時間中、千葉地本役員など一六名がP2委員長の指揮誘導により食堂に侵入したこと。 イ役員室のドアをたたき面会を強要したこと。 ウ五時一〇分頃、外部者五七名らが分会大会を開催すると称して食堂に集まり、退去を求めたP6庶務課長を一時間以上にわたって拉致拘束したこと。 エこのことは集団暴力行為であり、あるいは不法侵入であること。 オかかる行為は懲戒処分の対象となること。 というものであった。 ④ 三月一六日、組合は三月一九日を指定日とし、春闘要求の回答確約の件を交渉事項として団体交渉を申し入れ、組合側の団体交渉当事者は地本統一交渉団である旨会社に通知していたが、会社は当日の団体交渉を拒否し、かつ、正門を閉めて地本統一交渉団の入場を阻止し、結局、会社構内に入れず、また組合は三月二四日付けで三月二五日を指定日として団体交渉を申し入れたが、会社は三月二五日交渉事項について検討中である旨回答して団体交渉に応ぜず、地本統一交渉団四名の入構を妨害した。この日は結局入構し、会社受付ロビーでP6庶務課長と話し合いが行われたが、団体交渉は開かれなかった。 (7) 新入社員教育における組合誹謗について① 会社は昭和五〇年四月一日P4を非常勤の顧問として迎え入れ、総務関係業務の相談にあずかるほか社員教育が実施されるときには講師として講演を行ったりしていたが、P4は同年一〇月二九日千葉県夷隅郡<以下略>の会社保養所で行われた高校卒新入社員 問として迎え入れ、総務関係業務の相談にあずかるほか社員教育が実施されるときには講師として講演を行ったりしていたが、P4は同年一〇月二九日千葉県夷隅郡<以下略>の会社保養所で行われた高校卒新入社員教育の講師として講義をし、組合問題に言及した。 ② P4はその中でア全金という組織は政党色から言うと非常に左翼系の色彩をもったものです。 イ全金という組織は……たとえばAという会社があり一〇〇名の従業員がいるとするとそのうちの数名をつり上げて地本に加盟する。そうすると……地本の執行部はA社の経営者に対して団体交渉権と団体行動権を委任されるという姿になります。 ウ全金という組織は誰れと誰れが組合員なのだと組合員名簿を提出してくれと言うと組合員名簿は提出できないと拒否する。……いわば非常に卑怯な男らしくないやり方をとっている。……そういうやり方で攻めてくるのが全金……のやり方で当社の労働組合もまさしく該当する。 エ皆さん、現実の労使関係がどういう実相なのか……皆さんがどれだけ賢明に判断力を働かせるかということが問題です。 等と発言している。 (8) 一時金等の受領書の配布、署名の件① 組合は、昭和五〇年一一月五日、平均三・五ケ月分の年末一時金の要求書を提出し、一一月一〇日、一二日、一四日及び一九日を指定日としてそれぞれ団体交渉を申し入れたが、会社はその都度、現在検討中であり、一一月二〇日までに文書で回答する旨、また検討終了後団体交渉に応ずる旨の発言を繰りかえし、団体交渉に応じなかった。会社は一一月二〇日に至って平均二・五六カ月分の文書回答をしたが、あわせて「一一月二九日までに妥結しない場合は一二月一二日に支給できません。妥結後一四日以内に支給となります。」と申し添えた。その後、この回答をめぐって一一月二一日、二五日、二八日、二九日及び一二月三 わせて「一一月二九日までに妥結しない場合は一二月一二日に支給できません。妥結後一四日以内に支給となります。」と申し添えた。その後、この回答をめぐって一一月二一日、二五日、二八日、二九日及び一二月三日に団体交渉が行われた。 ② 組合は、一二月五日会社回答を受け入れる通告をしたが、会社は組合が三六協定の締結に応じなければ年末一時金を支給しないと主張した。 ③ 一二月九日頃、従業員有志により慣行支給日である一二月一二日の支給を要求する署名が集められ会社に提出されたので、会社は金額に異議がない旨の受領書に署名した従業員(全従業員の約九〇パーセント)に対し、一二月一二日年末一時金を支給した。 ④ 一二月一八日に至って組合と会社は年末一時金について妥結調印し、一二月二二日に残りの組合員に支給された。 ⑤ 組合は、昭和五一年三月中旬、春闘の賃上げ要求書を提出し、三月一九日及び二五日を指定日として団体交渉を申し入れたが、会社は検討中であるので四月二〇日までには回答するから組合は協力してほしい旨を繰り返し、団体交渉に応ぜず、四月一三日に最終案であるとして賃上げの妥結月をもって実施月とする旨回答した。 ⑥ この回答後、四月一六日及び二一日に団体交渉が行われたが妥結に至らず、その間一般従業員から四月二五日より賃上げ後の賃金の支給の要望があったので、会社は会社案に同意する従業員に受領書の署名押印を求め、同意した従業員に支給することにした。 ⑦ 四月三〇日に至って組合と会社は、四月一三日の会社案によって妥結したので、妥結月は四月中であり、受領書に署名したものとそうでない組合員との賃上げ実施月の差は生じなかった。 (9) 脱退工作について① 昭和五〇年八月下旬頃、サービス分会の組合員らは、サービス本社のP20営業部次長から遊びに来ないかと誘われて同人宅を訪れ、同人 合員との賃上げ実施月の差は生じなかった。 (9) 脱退工作について① 昭和五〇年八月下旬頃、サービス分会の組合員らは、サービス本社のP20営業部次長から遊びに来ないかと誘われて同人宅を訪れ、同人から「全国金属はアカだ、電機労連の組合の方がいいじゃないか」等と言われた。 ② 同年八月頃から組合は、課長ら職制が、豊四季事業所や土浦事業所の組合員らを、柏市内や土浦市内の飲食店に連れて行って饗応して、組合脱退を勧奨している、との情報に接した。 ③ 鶴岡事業所の一時閉鎖中に土浦事業所で働いていた組合員一八名全員が、鶴岡事業所に復帰して間もない同年九月九日頃郵送によって脱退届を提出して組合を脱退した。この脱退届には一律に「私此の度貴組合を脱退します」と記載されていた。 鶴岡事業所には昭和五〇年二月一日の一時閉鎖前から「オリ鶴会」という親睦団体がつくられていたが、組合員はP21マネージャーから「オリエンタル支部組合員は組合脱退届を提出しなければオリ鶴会には入会できない」と言われた。 ④ 同年一〇月二日頃、サービス分会の執行委員二名を除く組合員一三名全員が脱退届を提出して組合を脱退した。この脱退届は一三通とも横書に同一形式で書かれて、一通の封筒で郵送されてきた。 ⑤ 昭和五一年四月頃、組合員P7は、結婚式の仲人役を一旦引受けた取締役P5から、結婚式の直前になって、組合を脱退しなければ仲人を断ると言われて、脱退届を提出した。P7はその後再び組合に加入した。 ⑥ 組合の組合員数は、昭和五〇年七月頃は約六二〇名、同年一〇月九日本件申立時現在では五六六名、同年一一月一八日現在では、会社全従業員の半数を割り、同年一二月頃は一〇〇名以下に減少して結審時には約五〇名と推定される。 第2 判断 1 就業時間中の組合活動の範囲の件を交渉事項とする団体交渉の拒否について 八日現在では、会社全従業員の半数を割り、同年一二月頃は一〇〇名以下に減少して結審時には約五〇名と推定される。 第2 判断 1 就業時間中の組合活動の範囲の件を交渉事項とする団体交渉の拒否について組合は、会社が昭和五一年八月八日付けの「就業時間中の組合活動について」と題する文書による通告に基づいて、P2委員長ほか三名を欠勤又は遅刻として扱ったのは、昭和五〇年五月一五日の団体交渉において成立した就業時間中の社外組合活動の扱いを後日、労使の話し合いで決定するという合意に反するものであり、P2委員長ほか三名はいずれも事前の届出をしており、一方的に欠勤又は遅刻として扱うのは従来の慣行に反する措置であるから、このような場合、会社は当然事前にその措置の是非、程度、範囲について労使間で討議して決定すべきである。また組合の団体交渉申し入れに対し、会社は既に文書で回答済みであるとして、交渉に入る前から組合の言い分を聞こうとしない態度をとって拒否することは正当な理由のない団体交渉の拒否であって、不当労働行為であると主張する。 一方会社は、昭和五〇年五月一五日の団体交渉において、会社は一定範囲の就業時間中の組合活動を認め、その範囲は電話の取次ぎ、面会等についてのみで、その他の組合活動については連絡等最少限かつ緊急を要する時のみとするとの合意が成立したが、組合は、この合意の範囲を越えて組合活動を行ったので、八月八日付けの文書による通告を行ったものであり、また同年九月九日の団体交渉申入れに対し、交渉事項の趣旨が不明であるので、釈明を求めたが、何ら釈明がなく、その後秋闘要求事項の一項として、一一月一一日、同月二一日、同月二五日、同月二八日、同月二九日、一二月二日及び同月三日に団体交渉を行い、一二月三日の団体交渉で、組合は八月八日付けの通知に従って現在就業時間中の 要求事項の一項として、一一月一一日、同月二一日、同月二五日、同月二八日、同月二九日、一二月二日及び同月三日に団体交渉を行い、一二月三日の団体交渉で、組合は八月八日付けの通知に従って現在就業時間中の組合活動に関して処理されていることを了承したのであって、不当労働行為ではないと主張するので以下判断する。 (1) 昭和五〇年五月一五日の団体交渉で、就業時間中の社外組合活動の扱いを、後日労使の話し合いで決定するという合意が成立したとする組合の主張に添う疎明はない。しかし、五月一三日に組合から提出された一三項目の要求の中の「連絡等最少限の組合活動」の範囲の解釈について、六月一〇日の第六回団体交渉においても労使間に「ずれ」があり、未解決であったことは前記第1の2の(10)、②において認定したとおりである。ただこの「ずれ」は「連絡等最少限」の意図する範囲の解釈についてであり、外部からの面会者や電話連絡等に対する組合の応対者及びその代理者の範囲等にのみしぼられており、社外の組合活動については、むしろこの要求事項範囲から除外されていると解するのが妥当である。そしてこの「ずれ」について、十分に労使間で検討されることなく懸案事項として残されていたものであるにもかかわらず、会社は突然八月八日付けの通告をなしたもので「ずれ」の解釈についてそれまで保持していた話し合いで解決しようとする態度を覆し、また社外の組合活動については一方的に会社の考え方を組合に押しつけたとの非難を免れない。 (2) P2委員長ほか三名の欠勤扱い等の通知を受けて、組合はこの件について、数回団体交渉の申し入れをし、会社は、同年一一月一一日以降一二月三日まで、数度、団体交渉に応じているが、この期間には年末一時金が主要な問題となっており、就業時間中の組合活動の範囲について、十分に話し合われたとは の申し入れをし、会社は、同年一一月一一日以降一二月三日まで、数度、団体交渉に応じているが、この期間には年末一時金が主要な問題となっており、就業時間中の組合活動の範囲について、十分に話し合われたとは認められない。 (3) また、会社は、組合が八月八日付けの通告書による処理を了承したと主張するが、同年一二月一八日の協定書の中の「回答済みであると了解する」の解釈について労使間に対立があり、組合は同年一二月三日付けの会社作成の団体交渉議事録で明らかなように、「回答済みであると了解する」の文字は、組合が会社の回答内容を受け入れるという意味ではなく、会社から回答があったという事実を認めるというにとどまり、この問題については、さらに、後日、団体交渉で取り上げる旨の留保をしている。そして、組合が、この方針に従って、これ以後第1の3の(1)、①、ケ及びコのごとく、団体交渉要求や秋闘要求で再三会社に申し入れているにもかかわらず、会社は「回答済みであると了解する」というのは組合が回答内容を受諾する趣旨である旨一方的に主張してこれを団体交渉拒否の口実に利用しているにすぎない。 また、会社は交渉事項の趣旨が不明確である旨主張しているが、組合の団体交渉申入書の中には、たとえば昭和五〇年五月二三日に「①前回の団体交渉における未解決の諸問題について」として、また同年六月二二日に「①春の賃上げの件 ②その他」として、それぞれ団体交渉事項が記載されているにもかかわらず、会社は異議なく団体交渉に応じていたのである。したがって団体交渉事項の趣旨が不明確である旨の会社の主張は、同年七月三日ストライキが行われた後の組合に対して会社が強硬な態度をとるようになった状態の下での団体交渉拒否の言い逃れと見ざるを得ない。とすれば第1の3の(1)、①、ケのように組合からの団体交渉申し入れ 七月三日ストライキが行われた後の組合に対して会社が強硬な態度をとるようになった状態の下での団体交渉拒否の言い逃れと見ざるを得ない。とすれば第1の3の(1)、①、ケのように組合からの団体交渉申し入れに対して、会社が協定が成立していると単に文書回答するのみで団体交渉に応じようとしない態度、協定書の真意を歪曲して主張すること及び交渉事項の趣旨が不明確であることを理由として団体交渉に応じないことは、いずれも正当な理由のない団体交渉の拒否である。 2 組合事務所設置についての団体交渉の拒否について組合は次のとおり主張する。 豊四季事業所の組合事務所設置については昭和五〇年六月一〇日の第六回団体交渉において会社が第二事務棟地下二階の営繕の向い側に約三〇平方メートルを間仕切り工事して組合事務所の仮事務所として貸与することを約し、また、労使間で検討合意に達した組合事務所貸与協定書に記名調印するよう求められたので、六月下旬記名調印して会社に渡した。そのとき、この事務所は仮事務所であり、本事務所は、会社が約束した松林の中に建築する約三〇平方メートルのプレハブ建物であるという覚書を添付して会社に渡した。昭和五〇年一一月一一日、当委員会の勧告に基づく組合事務所設置の件等を交渉事項とする団体交渉において、会社は、「組合事務所は組合自身が自主的に解決すべきものである。会社は便宜供与は避けたい。 話し合いの前提として、組合規約、組合員名簿の提出を要求する。」と主張したため、団体交渉は進展しなかった。 その後、昭和五〇年一二月二四日、会社は、組合がそれまで会社の了解を得て食堂の一角に置いて保管していた組合備品を撤去するよう文書で警告したので、翌二五日組合は、組合事務所設置の件で団体交渉を申し入れたが、会社は応じなかった。そこで組合は、一二月末頃、事務折衝でP3書 食堂の一角に置いて保管していた組合備品を撤去するよう文書で警告したので、翌二五日組合は、組合事務所設置の件で団体交渉を申し入れたが、会社は応じなかった。そこで組合は、一二月末頃、事務折衝でP3書記長からP6庶務課長に意向打診的に上記覚書を撤回しても良いと申し入れた。会社は上記組合事務所を貸与すべきであるのに、団体交渉に応ぜず、上記組合事務所を会社が自ら倉庫に使用しているとして、松林の中に一〇平方メートルのプレハブ建物を建築して貸与するという主張を一歩も譲らないのは正当な理由のない団体交渉拒否である、と。 これに対して会社はつぎのように主張する。 昭和五〇年六月下旬に至って、ようやく労使が合意して、組合事務所貸与協定書案が作成されたが、松林の中には、建築基準法上一〇平方メートル以上の建物を建てることは事実上困難なので、第二事務棟地下二階の一部の間切り工事をして、約三〇平方メートルくらいを貸与すると提案したところ、組合は、第二事務棟の一部は暫定的な事務所で、将来松林の中に本事務所をつくることを約束する覚書を締結しなければ、これを借りないと主張して覚書を会社に交付した。その後昭和五〇年一〇月以降の生産増加に伴い、昭和五一年三月一八日以後、第二事務棟の組合事務所設置予定部分は倉庫として使用している。また昭和五一年三月一八日組合に対し、松林の中に一〇平方メートルのプレハブ建物を建築して貸与すると申し入れたところ、組合は拒んだ。 また、組合は昭和五〇年一二月頃覚書を撤回して第二事務棟地下二階の一部を約束どおり貸与すべきであると言っているが、昭和五一年三月一八日以前にそのような組合の申出はなかったのである。更にその後、同年四月八日及び同月一三日に団体交渉を行ったが対立のまま終った。かかる状況では組合が自らの当初の要求を貫かない以上満足しないこ 三月一八日以前にそのような組合の申出はなかったのである。更にその後、同年四月八日及び同月一三日に団体交渉を行ったが対立のまま終った。かかる状況では組合が自らの当初の要求を貫かない以上満足しないことが明らかであるから、これ以上団体交渉を行う利益はない。従って、会社の団体交渉拒否は正当な理由がある、と。 よって以下判断する。 (1) 昭和五〇年六月一〇日の第六回団体交渉で、豊四季事業所の第二事務棟地下二階の一部約三〇平方メートルを仕切って、暫定で組合事務所として貸与する旨の合意が成立したことは、前記第1の2の(8)①、(10)①及び(13)で認定した労使の交渉経過から見て明らかである。しかし、組合が主張するように、会社が、地下二階は仮事務所であり、松林の中に約三〇平方メートルの本事務所を建築して貸与することを確約したとは即断し難い。 けだし、上記認定で明らかように、会社は、松林の中の約三〇平方メートルの建物の建築は、建築基準法上難しいとして当初から難色を示しており、また、会社側P8証人の証言によれば、当時会社は松林の中に一〇平方メートル以上の建物を建築することは困難であると考えており、今一度確認のうえ一〇平方メートル以上の建物の建築が可能であれば組合事務所をつくるという意図であったことがうかがえるからである。 (2) そして、組合は上記合意に基づく第二事務棟地下二階の約三〇平方メートルの暫定的組合事務所について、六月下旬、会社提示の組合事務所貸与協定書に記名調印して会社に渡し、その際、上記暫定の組合事務所は仮事務所であり、本事務所は会社が当初提案した松林の中に建築する約三〇平方メートルの独立建物とする旨の覚書を添付し、また、会社は七月二日頃、第二事務棟地下二階に約束の約三〇平方メートルを間仕切りして組合事務所(別紙図面参照)を完成したこ 案した松林の中に建築する約三〇平方メートルの独立建物とする旨の覚書を添付し、また、会社は七月二日頃、第二事務棟地下二階に約束の約三〇平方メートルを間仕切りして組合事務所(別紙図面参照)を完成したことは、前記第1の2の(13)及び(14)で認定したとおりである。 (3) ところが組合が上記覚書を添付し、また、会社が上記豊四季事業所の組合事務所を完成した後における豊四季事業所の組合事務所に関する労使間の折衝の経過は、前記第1の3の(1)②イで認定したとおりである。 会社は昭和五〇年一一月一一日の団体交渉において、組合規約のほか組合員名簿の提出をも前提要件として主張し、かつ、組合事務所は、組合が自主的に解決すべきものであり、会社は、組合に対する便宜供与を避けたいと主張し、団体交渉は進展しなかった。 (4) 同年一二月末頃、P3書記長が事務折衝でP6庶務課長に対し、意向打診的に前記覚書を撤回しても良いと申し入れたこと、その後の組合申入れの上記組合事務所設置の件の団体交渉に対し、会社が昭和五〇年一一月一一日以降の態度を持してこれに応ぜず、その後第二事務棟地下二階の組合事務所予定部分を、自ら倉庫に使用中として貸与についての団体交渉を拒否し、代りに、会社が当初提案した松林の一角に法定の限度内の一〇平方メートルのプレハブ建物を建築して貸与すると提案しその態度を維持し続けたことは前記第1の3の(1)②ウ乃至クで認定のとおりである。 (5) 以上から判断すると① 会社としては、組合事務所貸与協定書の検討も労使合意に達したので、暫定的措置として、約束の第二事務棟地下二階に組合希望の約三〇平方メートルの場所を用意して、大急ぎで間仕切り工事を完成したにかかわらず、組合は、完成間際になって、組合事務所貸与協定書に、会社としては確定的には約束もしていない松林の中 下二階に組合希望の約三〇平方メートルの場所を用意して、大急ぎで間仕切り工事を完成したにかかわらず、組合は、完成間際になって、組合事務所貸与協定書に、会社としては確定的には約束もしていない松林の中の約三〇平方メートルのプレハブ建物が本事務所であるとの組合の一方的な覚書をつきつけられ、組合嫌悪の兆しが生じていた矢先、七月三日に組合員約六〇〇名による統一時限ストライキを打たれて、組合嫌悪が極度に達したであろうことは、前記第1の2の(13)、(14)及び(15)の認定事実から容易にうかがえること。 ② 一方、P8証人の証言によれば、会社は、最初に提案した松林の中に一〇平方メートル以上のプレハブ建築が法的に認められるかについては、単に建築会社に打診するにとどまり所轄行政庁と折衝するなどの努力の跡はみられず、一〇平方メートル以上のプレハブ建築の実現への熱意はうかがわれないこと。 ③ 会社は、一一月一一日の団体交渉の席で、「組合事務所は組合自身が自主的に解決すべきものであり、便宜供与は避けたい。」「話し合いは、組合規約、組合員名簿の提出が前提である。」等主張し、かつ、組合が提出を拒否していることを知りながら、その後も組合と対立を続けていること。 ④ 一二月末頃、組合から意向打診的に覚書の撤回を申し入れられたにもかかわらず、これには何等回答していないこと。むしろ、P18専務(P18常務は昭和五〇年八月専務取締役に昇格した)が証人として昭和五一年八月三〇日の本件の審問において第二事務棟地下二階の一角を組合事務所として貸与しない理由として、ア会社が倉庫として使用していること、のほかイ食堂使用に関連して紛争が発生し、社内に組合に対する反感が生じていること、ウ組合が覚書をとり下げるといった昭和五〇年一二月頃は会社が貸与を約していた頃と情勢が変わっていたこと、を ていること、のほかイ食堂使用に関連して紛争が発生し、社内に組合に対する反感が生じていること、ウ組合が覚書をとり下げるといった昭和五〇年一二月頃は会社が貸与を約していた頃と情勢が変わっていたこと、を挙げている。この証言に照して明らかなように、労使関係の変化ということが、当初約束した第二事務棟地下二階の一角を貸与しないことの重要な要素となっていると見るべきであること。 ⑤ 既に間仕切り工事を終り、準備完了し、組合事務所貸与協定書についても組合の記名調印を終っており、覚書の撤回があれば貸与条件については既に労使が合意している第二事務棟地下二階の約三〇平方メートルの事務所は直ちに組合に使用させられる段階にあるにかかわらず、会社が前言をひるがえし、自ら倉庫に使用しているとして、当初から組合が狭すぎるとして反対している一〇平方メートルのプレハブ建築を貸与する旨一方的に主張していること。 以上を総合すれば、会社は現在では第二事務棟地下二階に組合事務所を貸与することについて、組合を嫌悪するの余り、当初の約束を反古にし、かえって組合が結成通告当初の団体交渉当時から狭すぎるとして難色を示していた約一〇平方メートルのプレハブ建物の貸与という案を押しつける態度をとり続けているものであって、このような会社の姿勢は到底団体交渉に誠意をもって当っているということはできないのであって、正当な理由のない団体交渉の拒否である。 (6) ところで、組合は、組合事務所の設置の件を、交渉事項とする団体交渉応諾の救済を求めているが、審問の全過程を総合すれば、組合は既に完成している上記第二事務棟地下二階の組合事務所の貸与を求めていると解される。 そこで救済の方法について案ずるに、既に完成している上記組合事務所については、完成当時、会社がこれを貸与することを渋った原因の一つと解され 二事務棟地下二階の組合事務所の貸与を求めていると解される。 そこで救済の方法について案ずるに、既に完成している上記組合事務所については、完成当時、会社がこれを貸与することを渋った原因の一つと解される上記組合の覚書は、既に組合が上記判断のとおり意向打診的にこれの撤回の意向を表明しており、このことは会社も審問の過程で認めているので、組合が先に記名調印して会社に渡した組合事務所貸与協定書の貸与条件に基づき、これを組合に一先ず暫定的に使用させるのが相当であると考える。 けだしこの救済方法は、上記組合事務所を会社が現在部品、製品の保管場所として倉庫代りに使用しているとしても、もともとは組合に貸与するため組合事務所貸与協定書に記名調印までさせて準備完成した会社提案の場所であり、約三〇平方メートルというスペースは会社にとっては極く僅かな一小部分にすぎないことと、この救済方法による措置は同時に別項の組合備品の置き場に関する紛争を暫定的にとはいえ一挙に解決する手段ともなること、そして松林の中のプレハブ建築については、今後の労使の良識ある団体交渉により結論を出すことが労使の正常化をもたらす要因ともなると考えるからである。 3 人事異動に関する事前協議約款又は同意約款の締結の件を交渉事項とする団体交渉の拒否について組合は、昭和五一年八月一日付けの人事異動でP22マネージャーが平課員に降格され経済的不利益を受けたが、この異動は本人の意思を全く無視した不当処分であったので、同月一七日以後数回団体交渉を申し入れたところ、会社は組合と人事に関する協議約款又は同意約款を締結する意思は全くないとして、一切の団体交渉を拒否したが、これは不当な団体交渉拒否である、と主張する。 一方会社は、昭和五一年八月一日付けの人事異動については発令された者は全員異議なく異動命令に 締結する意思は全くないとして、一切の団体交渉を拒否したが、これは不当な団体交渉拒否である、と主張する。 一方会社は、昭和五一年八月一日付けの人事異動については発令された者は全員異議なく異動命令に応じて新しい職場で働いており、組合が降格処分であると主張するP22マネージャーについては毎月一二、〇〇〇円の手当はなくなるが、作業職から事務職にかわったことにより同人の将来性は大きく、本人も会社に異議を申し立てていない。ところが組合は、P22マネージャーの降格処分について団体交渉を申し入れながら、同年一一月二五日の団体交渉の席上これは個人の問題を団体交渉の議題にしているのではないと自己矛盾の主張をしている。また人事に関する協議約款又は同意約款については組合結成以来団体交渉を行い会社は終始締結の意思がないと明らかにしており協議をしても妥結する見込みは全くないし、また組合員個人の人事異動の件については組合結成以来会社が口頭で組合員名簿の提出を求めているにもかかわらず、組合はこれを拒否しており、かつ八月一日付けの人事異動に際しても組合員名を明らかにしなかったので回答の限りでなく、いずれにしても団体交渉応諾の義務はない、と主張する。 よって以下判断する。 (1) 昭和五〇年五月一五日の第一回団体交渉で協議約款については「労働条件」等の字句に不明確なものが多いので、労使双方で具体的に内容を示して話合いを続ける合意がなされており、また、その後会社は同年一一月二〇日の組合の秋闘要求に対する回答書において協議約款又は同意約款を締結する意思はないと回答しているが、それ以外では昭和五一年八月までこの件で協議が行われたかは明らかでない。 (2) 人事異動の件で昭和五一年八月一七日組合が団体交渉を申し入れたところ、同日会社は交渉事項の趣旨が不明確であるとして文書回答 以外では昭和五一年八月までこの件で協議が行われたかは明らかでない。 (2) 人事異動の件で昭和五一年八月一七日組合が団体交渉を申し入れたところ、同日会社は交渉事項の趣旨が不明確であるとして文書回答のみで団体交渉申入れに応ぜず、また同月二三日に、組合が交渉事項を八月一日付け人事異動の件として改めて団体交渉の申入れをし、更に同月三〇日抗議したところ、九月六日に会社は協議約款又は同意約款を締結する意思はなく、また不当な降格処分を行ったことはないのでその件について具体的に文書で明らかにするよう文書で回答して団体交渉に応ぜず、会社は締結意思がないと文書で回答するのみで話合いの姿勢は見られない。しかし、たとえ会社が組合と協議をしても妥結の見込みがないと確信していたとしても、組合を説得しようと努力もせず、一方的に団体交渉に応じないとする態度に終始したのは、昭和五〇年五月一五日の団体交渉における話合いを続けるという合意にも反し正当な理由のない団体交渉拒否と言わざるを得ない。昭和五一年一一月二五日にこの件で団体交渉が行われたが、会社は従来の主張を一歩も譲らない態度を固持して単なる形式的団体交渉に終っており、十分に誠意ある団体交渉が行われたとは受けとれない。 (3) P22マネージャーの降格問題については後記11で判断されるように、会社による組合切り崩しの行われている中でP22マネージャーが組合員か否かを明らかにすることは、仮に、P22マネージャーが組合員であるとすればP22マネージャーに対する会社の脱退工作を誘発することになることも予想されるので、その点を明らかにしないで団体交渉申入れをしたとしても、会社の拒否できる正当な理由とはならない。また、同年一一月二五日に行われた団体交渉において、組合はP22マネージャー個人の問題を交渉事項にしているのではない かにしないで団体交渉申入れをしたとしても、会社の拒否できる正当な理由とはならない。また、同年一一月二五日に行われた団体交渉において、組合はP22マネージャー個人の問題を交渉事項にしているのではないと自己矛盾の主張をしていると会社は主張するが、P22マネージャーと同様の処分が将来組合員にも行われることは、会社の組合嫌悪の姿勢から見て全くないとは言い切れず、また後記11で判断されるような会社の組合切り崩しが行われた経過をふまえて、会社が行った具体的人事異動に関し、組合が、将来他の組合員に同種の人事異動が行われることを予防するため、組合員名を明らかにすることなく、人事異動に関し引き続き交渉することは組合員の労働条件の維持向上に連なることでもあるのであるから、P22マネージャー個人の問題ではないという組合主張に矛盾はなく、会社が団体交渉を拒否するについて十分な合理性があるとは言い難い。しかも同日の団体交渉で会社は、組合員名簿の提出がない以上具体的人事異動としては団体交渉応諾の義務なしとして、単に話を聞きおくという態度に終始しているが、後記11で判断されるような会社の組合切り崩しの経過のもとでは、組合としても組合員名を秘匿するにつき正当な理由があり、また、組合は具体的人事異動の件についての団体交渉に先だち組合員名簿を提出しなければならないとする法的根拠はなく、これを提出するか否かは組合の自主的判断に委ねられると解するのが相当であるから、会社の主張は採用し難く、十分に誠意ある団体交渉を行ったとは認め難い。 4 組合加入状況調査について組合は、会社は組合結成直後は組合と三六協定を締結する姿勢を示したが、昭和五〇年七月下旬頃以降態度を一変し、同年八月以降の団体交渉申入れを拒否しあるいは引き延ばすほか、組合の当委員会へのあっせん申請についてもあっせん 結成直後は組合と三六協定を締結する姿勢を示したが、昭和五〇年七月下旬頃以降態度を一変し、同年八月以降の団体交渉申入れを拒否しあるいは引き延ばすほか、組合の当委員会へのあっせん申請についてもあっせんを拒否する一方、組合員の脱退工作を押し進め、組合員数が急速に減少していく中で組合員名簿の提出を要求し、これを拒否されるや照会票を配布し加入状況の調査を行ったもので、会社は組合の組織率のおおよそを知らないはずはなく、三六協定締結のため組合加入状況を調査する必要があるというのは口実にすぎない。しかもこの照会票には松戸労基署の名称が使われており、あたかも松戸労基署が指導しているととれるような表現をしており不当労働行為である、と主張する。 一方会社は以下のように主張する。 会社は、昭和五〇年一〇月二〇日松戸労基署の三六協定についての調査の際、同署の指導もあって、一一月四日、組合員名簿の提出を求めたが拒否され、緊急の必要があって組合加入の有無を調査した。そしてこの調査に関連して、一二月八日松戸労基署から照会票の中に松戸労基署名を使用したのは誤解を招く虞れがあるという注意書を交付されたが、これは松戸労基署名を使用したことについてであって、照会票の配布自体を注意されたわけではなく、照会票を配布するに至った経緯、配布の動機、目的、内容、回収方法、回答内容の利用状況等を総合すれば不当労働行為ではない、と。 よって以下判断する。 (1) 昭和五〇年七月三日に行われた組合の統一ストライキに組合員約六〇〇名が参加したことは、前記第1の2の(15)で認定したとおりであり、参加者が約六〇〇名あったことを会社は確認しており、これが従業員の過半数を占めたことは自明の理である。会社は同年一一月一八日に照会票を配布したのは、組合に組合員名簿の提出を求めたが拒否されたため、組 加者が約六〇〇名あったことを会社は確認しており、これが従業員の過半数を占めたことは自明の理である。会社は同年一一月一八日に照会票を配布したのは、組合に組合員名簿の提出を求めたが拒否されたため、組合が三六協定締結当事者としての資格要件つまり過半数を占めるか否かを確認するためであったと主張するが、会社は前記第1の2の(4)で認定したとおり組合結成当時従業員の大多数が組合に加入していると推定していたし、また前記第1の2の(8)、③で認定したとおり、会社はストライキ前の昭和五〇年六月五日当時は自ら進んで組合と三六協定を締結するとの意向を示し、しかもこの時点では組織率や組合員名簿の問題には何ら触れていないにもかかわらず、この時期において組合員名簿の提出を要求し、これを拒否されるや更に照会票を使用して調査した会社の意中には、後記11で判断するようにむしろ会社の脱退工作によりすでに多数の組合員が脱退しており組合員数が従業員の半数を割ったという認識があったものと推認できる。 (2) また、会社がこの照会票に松戸労基署の名を使用したのは、あたかも松戸労基署が指導しているという印象を配布された従業員に与えて、この配布が公正なものであり回答せざるを得ないとの感じを抱かせることをも計算に入れたうえでのことと受けとれる。 (3) 会社にとっては組合の組織率を知ることが必要不可欠であるとしても、三六協定締結問題での労使対立の経過に鑑み、組合に連絡のうえ何らかの協力を求める態度があって然るべきである。 また、仮に緊急の必要があったとしても(緊急の必要についての具体的な疎明はない)、組合との折衝の余裕もなかったとは考えられない。 (4) 次に照会票の内容を見ると、記名式で「1、支部組合員であります。」「2、支部組合員ではありません。」のいずれかに○印を付して組合員、 はない)、組合との折衝の余裕もなかったとは考えられない。 (4) 次に照会票の内容を見ると、記名式で「1、支部組合員であります。」「2、支部組合員ではありません。」のいずれかに○印を付して組合員、非組合員の別を明らかにする形式がとられている。たとえばチェック・オフ協定に基いてチェック・オフをする場合には、会社が組合員の氏名を個別に把握する必要があることは疑いを容れない(この場合であっても、会社が組合の頭越しに直接組合員に対して組合員であるか否かを調査することが妥当であるかについては問題がある。)。しかし三六協定の締結当事者としての資格を有するか否かを知れば足りるこの調査においては、会社は組合の組織率を知れば十分の筈であって、具体的に組合員の氏名まで把握する必要性を認めることはできない。むしろ、組合員に対する脱退工作が行われている最中に行われたこの調査において、会社が記名式という方法をとったことは、組合員に対して組合員である旨の印を記入することにためらいを感じさせるであろうことは十分に推測されるところであって、組合員に不安と動揺を与える行為と見ざるを得ない。 (5) 次に、会社が、松戸労基署の指導によると称して照会票を全従業員に配布して組合員であるか否かの調査を行うことは、とりもなおさず全従業員に三六協定問題に対する関心を呼び起こすと同時に、従業員のうち実際に誰が組合員であるかについて会社が関心を持っていることを認識させることとなる。従って、この調査の結果組合がもはや三六協定の締結当事者としての資格を有しないことが明らかになれば、全従業員注視の中で三六協定の締結を会社に要求している組合が、既に少数組合に転落したことを強く印象づけることとなる。少数組合となっていることが事実であったとしても、会社が一方では組合を全く無視し、他方では用意周到 中で三六協定の締結を会社に要求している組合が、既に少数組合に転落したことを強く印象づけることとなる。少数組合となっていることが事実であったとしても、会社が一方では組合を全く無視し、他方では用意周到な調査方法によってその事実を明らかにすること自体、組合に大きな打撃を与えることとなることも否定できないところである。 (6) 以上を総合すれば、会社は既に組合員数が全従業員の半数以下であることを知りながら、敢えて組合員名簿の提出を求め、これを拒否されるや今度は調査に名を藉りて、就業時間中に所属課長を通じて一斉に照会票を組合員に配布し、即刻しかも記名式で組合加入についての回答を求め、もって組合に介在の余裕を与えず組合を無視して直接各組合員について組合加入の事実を個別的、具体的に把握せんとしたものであり、会社が切り崩しの対象とすべき組合員を具体的に把握したいという意図があったと推認されるところであって、会社の行為は組合の運営に対する支配介入である。 (7) なお、組合は上記照会票を組合に返還することを救済内容として求めているが、現在会社が照会票を保管しているか否かの疎明もなく、また照会票に組合員であると書いた者と現在の組合員とが一致しているか否かも明らかではないので、会社に陳謝を命ずることで十分救済の目的が達せられるものと判断する。 5 食堂使用をめぐる紛争について(1) 組合備品の撤去について組合は次のように主張する。組合は昭和五〇年五月一五日の第一回団体交渉において、会社が豊四季事業所内に組合事務所を貸与することを約束したので、組合事務所が貸与されるまでの暫定措置として食堂の一角に組合備品(がり版印刷機、組合旗そのほか書類)を置いて組合機関紙の印刷等の作業を行ってきたが、このことは、同年六月初めP3書記長とP6庶務課長との事務折衝で非公式に るまでの暫定措置として食堂の一角に組合備品(がり版印刷機、組合旗そのほか書類)を置いて組合機関紙の印刷等の作業を行ってきたが、このことは、同年六月初めP3書記長とP6庶務課長との事務折衝で非公式に了解され、以来会社は組合が組合備品を食堂の一角に保管して使用することを黙認してきた。 にもかかわらず会社は同年七月三〇日、組合に無断でこれらの備品を持ち去り会社の地下倉庫に搬出した。また会社は同年一二月二七日にも組合備品(輪転機、コピー機、キャビネット、ハンドマイク、組合旗)を組合に無断で持ち去り、組合の要求により昭和五一年一月二三日に輪転機を一旦組合に返還したが、同年二月一四日頃再びこれを持ち去り、同年六月一五日に組合申請に基づく千葉地方裁判所松戸支部による強制執行がなされるまで組合に返還しなかった。会社のこれらの行為は、会社の施設管理権の濫用による組合活動に対する支配介入であって不当労働行為である、と。 これに対し会社は次のとおり主張する。会社は、組合が食堂に組合備品を持ち込むことを容認する明示又は黙示の意思表示をしたことはなく、また組合備品の置き場として食堂の一角を貸与したことはない。七月三〇日に組合備品を撤去して第二事務棟地下二階の通路に搬出したのは、口頭による撤去要求を組合が無視して食堂の使用を続けたからである。また一二月二七日に会社が組合備品を撤去したのは会社が一二月二四日組合に対し同月二六日までに撤去しない時は会社が撤去すると警告したにもかかわらず組合が撤去しなかったからである。また昭和五一年二月一四日に輪転機を撤去したのは、同年一月二三日にP3書記長が今後再び会社構内に組合備品を持ち込まないと約束したにもかかわらず、約束に反し二月一三日に輪転機を食堂に持ち込んだからである。これらの会社の撤去行為は会社の施設管理権に基づく正 二三日にP3書記長が今後再び会社構内に組合備品を持ち込まないと約束したにもかかわらず、約束に反し二月一三日に輪転機を食堂に持ち込んだからである。これらの会社の撤去行為は会社の施設管理権に基づく正当な行為であり、会社が食堂に組合備品を置くことを認めないのは次の理由によるものであって会社の行為は施設管理権の濫用ではなく、従って組合に対する支配介入ではない、と。 ① 会社は組合が食堂に備品を持ち込むことを許可したことも黙認したこともないこと。 ② 会社は二度と会社構内に備品を搬入しないことを合意しながら、合理的な理由もなくこの合意に違反して搬入し会社と組合間の信頼関係を著しく破壊したこと。 ③ 食堂の一部であってもその部分の排他的使用を組合に許すことになり、食堂が一般従業員のための施設であるという性格から好ましくないこと。 ④ 集会を目的とする食堂使用と相俟って食堂を実質上組合事務所化し組合事務所問題を解決することがますます困難となること。 よって以下判断する。 ① 組合が組合公然化直後から組合備品を食堂の一角に置いたこと、昭和五〇年六月初め頃P3書記長がP6庶務課長との事務折衝で、このことについて非公式に了解を得たこと、この当時組合は組合事務所が貸与されれば直ちに組合備品を食堂から撤去する考えであったこと、昭和五〇年七月三〇日、同年一二月二七日及び昭和五一年二月一四日の撤去の経緯は前記第1の2の(9)及び3の(3)、①で認定のとおりである。会社は会社が行った撤去行為は正当なる施設管理権に基づくものであると主張するが、ア第一回団体交渉後昭和五〇年七月三日の統一ストライキまでの間は、会社は従業員中大多数が組合に加入していると推定しており、施設管理権を行使して、組合備品について強硬な姿勢を示したとの疎明はないこと。 イ七月三日の統一ストライキ後 三日の統一ストライキまでの間は、会社は従業員中大多数が組合に加入していると推定しており、施設管理権を行使して、組合備品について強硬な姿勢を示したとの疎明はないこと。 イ七月三日の統一ストライキ後、会社は極度に全金傘下の組合を嫌悪し、後記11において判断するとおり、組合に対し切り崩し工作を続けてきたこと。 ウ組合備品の撤去も第一回の昭和五〇年七月三〇日の場合は翌日組合に組合備品を返還しているが、撤去の回を重ねるに従って強硬な姿勢を強めていること。 エ組合は第一回団体交渉の結果組合事務所が程遠からず貸与されるとの見通しの下に、組合事務所が貸与されたら直ちに組合備品を食堂外に搬出する考えで暫定的に食堂に置き、しかも、非公式とはいえP3書記長がP6庶務課長との事務折衝でこのことについて了解を得ていたにもかかわらず、豊四季事業所における組合事務所の貸与が意外に長びいた過程における会社の一方的な撤去であったこと。 オ会社は、食堂に備品を置かせることは組合事務所設置の問題の解決をますます困難にすると主張しているが、この解決を困難にしているのは会社自身であること。 以上を総合すれば、会社の上記組合備品の撤去行為は組合の日常活動を困難ならしめて組合を弱体化しようとする意図によるものであって組合の運営に対する支配介入であると言わざるを得ない。 ② なお、組合は組合事務所問題が解決するまでの間、備品置き場として食堂の一部使用の救済を求めているが、組合事務所の貸与について救済したことにより、問題は解決し救済の必要はないものと思料する。 (2) 組合集会の妨害について組合は以下のように主張する。組合は、組合結成以来執行委員会、職場集会、分会大会等の集会を会社に許可願いを提出して、許可を得た上で食堂を使用して開いてきた。昭和五一年二月二三日、会社終業後、食 て組合は以下のように主張する。組合は、組合結成以来執行委員会、職場集会、分会大会等の集会を会社に許可願いを提出して、許可を得た上で食堂を使用して開いてきた。昭和五一年二月二三日、会社終業後、食堂で春闘学習会を行っていたところ、守衛のP1がやってきて、従来、遠くから人数を確認していた業務行動と異り、学習会の席近くに来て参加者の氏名をメモ用紙に控えはじめたので、P2委員長が近寄りP1守衛から極めて平穏にメモ用紙を受けとった。ところが会社は事実を歪曲し、組合がP1守衛に暴言を吐き、またメモを渡すように強要する等守衛活動を妨げ、このことにより会社の業務を妨害したと称して、組合が提出した同月二七日の会場使用許可願を受けとらず、組合に返したので組合は、会場使用届として提出し食堂を使用した。その後、同年三月一日の執行委員会、同月二日の拡大執行委員会、同月三日の分会大会のための会場使用届を提出したが、会社はいずれも職制を使って退去を強要したり電源を切ったりして妨害した。このような行為は組合活動に対する支配介入であり不当労働行為である、と。 これに対して会社は以下のように主張する。会社は組合結成後、会社の規則に従って食堂使用を認めていたが、組合はしばしば規則を守らず、会社でも問題視していたものであって、昭和五一年二月二三日組合は終業後約四〇名が参加して学習会を開いていたので、守衛のP1が定時の巡回中、食堂で参加者の人数、氏名を記録していたところ、P2委員長、P3書記長がP1守衛に対し暴言を吐き記録用紙を渡すように強要した。かかる事件が発生したので会社は同月二七日記録用紙の返還と守衛業務が組合に対する内部干渉であるとの組合主張を撤回することを求める警告書を組合に発した。しかるに、組合は、食堂の使用は当然の権利であり許可制でなく届出で足りるとして、会 二七日記録用紙の返還と守衛業務が組合に対する内部干渉であるとの組合主張を撤回することを求める警告書を組合に発した。しかるに、組合は、食堂の使用は当然の権利であり許可制でなく届出で足りるとして、会場使用許可願の用紙を勝手に「会場使用届」に書きかえて会社に提出し、二月二七日以後使用を強行している。 このように組合は、食堂利用の正規の手続きを踏まず、会社の施設管理権を無視した利用を行っている以上組合の食堂利用を認めないことは正当な理由がある、と。 よって以下判断する。 ① 会社は昭和五一年二月二三日、P1守衛が平常どおり定時の巡回をした際、食堂に多数の参加者がいたので参加者の人数、氏名を記録したと主張する。しかしながら会社は、従来は集会参加者が多人数のときは、人数のみを記録し氏名の記録はしていなかった。しかもP1守衛はすぐ近くに来てメモをとっているが、わざわざそのような行動をとらずとも顔の確認ができないような場所ではない。以上を総合すれば、会社のこのような行動は、組合へのいやがらせか挑発行為であるとしか考えられず、組合の学習活動を妨害する支配介入と断ぜざるを得ない。 ② 組合は守衛のメモ用紙を手渡すよう要求したが上記のような挑発行為の下ではやむを得ない行動であったと解するのが相当である。しかるに会社が、二月二七日の会場使用許可願に対しこのメモ事件をとりあげて不許可にしたのは、労使のこの事件に対する見解が鋭く対立しているこの時点において、会社に他に食堂使用が予定されている等の合理的理由が全くみられない事等の事情を勘案すれば、会社はこの事件を奇貨として組合の食堂使用を排除し、これによって組合の集会を妨害せんとする意図を有していたものとみるほかはない。 ③ 会社の上記二月二七日の不許可行為がこのようなものである以上、組合が同日以後会社に会場使用 て組合の食堂使用を排除し、これによって組合の集会を妨害せんとする意図を有していたものとみるほかはない。 ③ 会社の上記二月二七日の不許可行為がこのようなものである以上、組合が同日以後会社に会場使用許可願を会場使用届と書きかえて提出し食堂を使用したことはやむを得なかったことと解するのが相当であるところ、会社が施設管理権に名を藉りて組合の集会を妨害したことは、組合の各種集会を会社の施設内で事実上禁圧することになるのであって、会社の行為は組合活動に対する支配介入といわざるを得ない。 ④ なお、今後の食堂使用について考えるに、支部大会、分会大会については第1の3の(3)に認定した事実に徴すれば、食堂を使用するのが適当と思料されるが、本命令により第二事務棟地下二階の一部を組合が組合事務所として使用した場合、組合事務所で間に合う小人数の会合を除き、組合が必要とする会議について食堂使用を許可する範囲を団体交渉で決定するのが適当と考える。 6 組合規約及び組合員名簿の提出要求について組合は、会社は組合との団体交渉を拒否する理由として組合規約、組合員名簿の不提出をあげているが、何ら法律上の根拠のないことであり、労使間の信頼関係確立のためには団体交渉申入れに誠意をもって応ずることが基本であって、組合規約、組合員名簿の提出を強要するのは組合への不信感の現れであり、団体交渉を拒否するための口実に利用しているものであって団体交渉拒否の正当理由とはならない、と主張する。 一方会社は、組合結成通知後間もない頃から組合に組合規約、組合員名簿の提出を申し入れてきたが、組合は昭和五〇年八月二〇日に組合規約は自主的に提出するものであるとして応じなかった。組合は企業内組合ではないので、組合掲示板や組合事務所の貸与に関し、協定当事者が誰になるかも明確ではなかったので、組合規 昭和五〇年八月二〇日に組合規約は自主的に提出するものであるとして応じなかった。組合は企業内組合ではないので、組合掲示板や組合事務所の貸与に関し、協定当事者が誰になるかも明確ではなかったので、組合規約の提出を要求したのであるが、組合は八月二〇日提出を正式に拒否してきた。また組合員名簿については、会社は組合と三六協定を締結するについて組合が締結当事者として適格か否かを知る必要があるため、昭和五〇年一一月四日組合に提出を求めたが、組合は同日これを拒否した。これらは労使間の信頼関係を破るものであって、組合規約、組合員名簿の提出を要求するのは労使間の信頼関係の確立に必要なことであり、正当な理由がある、と主張する。 よって以下判断する。 (1) 組合規約の提出要求について正常な労使関係にある場合には、会社の主張するように、組合の根本規範たる組合規約をまず会社に提出することは労使の信頼関係の確立の前提条件であることは否めない。ところで本事件においては第1の2の(5)、(6)、(8)及び(10)で認定したように昭和五〇年七月までは、組合規約の提出がなされないままに団体交渉権が開かれ順調に交渉が行われていた。そのような状況下では団体交渉によって労使間の懸案事項が解決し、早晩労働協約が締結されると期待されていたとみられる。したがってやがては会社が組合掲示板、組合事務所の貸与協定の相手方が誰であるかについて関心を持ち組合規約の提出を求めるに至ることは理解に難くないところである。その意味において組合が団体交渉を何回も重ねていながら組合規約を提出しようとしなかったことは安易すぎる態度であったと言わなければならない。しかしながら、昭和五〇年六月下旬、会社が組合事務所貸与協定書に組合の記名調印を求めた際に、組合規約の提出を求めたという疎明はない。しかるに、昭 ことは安易すぎる態度であったと言わなければならない。しかしながら、昭和五〇年六月下旬、会社が組合事務所貸与協定書に組合の記名調印を求めた際に、組合規約の提出を求めたという疎明はない。しかるに、昭和五〇年七月三日に組合がストライキを打った頃を境として労使双方の信頼関係は崩れ始め、この頃からしばしば団体交渉拒否の理由として組合規約の不提出をあげている。そこで会社の組合規約提出要求の真意が問題となる。ところで事実認定において述べたとおり会社顧問のP4は社員教育の講師として全金の組織、運動形態等について極めて詳細な批判を加えている。そうだとすれば、P4が昭和五〇年四月から顧問に就任している事実と考え合わせて、会社が組合に対して組合規約を強く要求するようになった同年八月頃には組合規約の提出はなかったとしても、会社内部において全金、千葉地本及びその傘下組合の組合規約の検討は進んでいたものと見ざるを得ない。したがって会社が組合規約の提出がなかったことを理由として団体交渉に応じなかったことは、組合結成を通告し、団体交渉が行われるようになって二、三か月を経過しているのに組合規約を提出しなかった組合の手落ちにつけこんで団体交渉を拒否する口実に利用したと推認されるところであって、団体交渉拒否の正当な理由とはなり得ない。 (2) 組合員名簿の提出要求について組合員名簿については第2の11の(1)で判断されるように、昭和五〇年八月頃から組合員に対する会社の脱退工作が行われており、組合がその脱退工作を恐れていたことは十分推察されることであって、いかに信頼関係確立のため必要なものであると説明したとしても、かかる雰囲気の中にあってその提出を求める合理的理由は見出せない。 また、会社が組合に対して三六協定締結を理由として組合員名簿の提出を求め、昭和五〇年一一月四 必要なものであると説明したとしても、かかる雰囲気の中にあってその提出を求める合理的理由は見出せない。 また、会社が組合に対して三六協定締結を理由として組合員名簿の提出を求め、昭和五〇年一一月四日、一一日、一四日及び一八日にそれぞれ組合は提出を拒否したが、これについても前記第1の2の(4)で認定したように会社は組合結成通告を受けた時点では従業員の大多数が組合に加入していると推定していたし、また昭和五〇年七月三日のストライキの時点では組合員約六〇〇名がこれに参加したことを確認しており、ともに組合員が従業員の過半数を占めていたことを十分知っていたわけである。したがって会社が改めて組合員名簿の提出を組合に求める必要は認められないにもかかわらず、組合員名簿の提出を組合に求めること自体、会社の組合に対するいやがらせであって組合に対する支配介入である。このように組合員名簿の提出を求めるについて合理的理由を見出せない以上、その提出がないことを理由として団体交渉に応じないことは正当な理由のない団体交渉の拒否であると言わざるを得ない。 7 組合旗の撤去について組合は、昭和五一年四月三〇日、春の賃上げが妥結した当時、組合は組合備品の撤去問題、食堂使用問題等未解決の問題について会社に抗議のため、組合の団結を示威すべく組合旗を掲揚したものであって正当な組合活動である。しかるに会社が組合の意思を無視してこれを撤去保管したことは、組合の団結に対する妨害行為であり、不当労働行為である、と主張する。 これに対し、会社は、組合が会社の許可なく組合旗を構内に掲揚したことは、会社の施設管理権を侵し、就業規則に違反するのであるが、組合の感情を刺激し、若しくは暴力沙汰に発展することを避けるため、賃上げ妥結前は慣行に従い忍受したが、妥結後も組合は会社の撤去申入れに反して、 会社の施設管理権を侵し、就業規則に違反するのであるが、組合の感情を刺激し、若しくは暴力沙汰に発展することを避けるため、賃上げ妥結前は慣行に従い忍受したが、妥結後も組合は会社の撤去申入れに反して、自ら撤去しないため会社が撤去したに過ぎず、不当労働行為ではない、と主張する。 よって以下判断する。 昭和五一年四月三〇日以後も組合備品の撤去問題、食堂使用の問題等未解決の問題について労使間に紛争が続いていたことは前記第1の3の(5)で認定のとおりである。かかる労使関係のもとにおいては、組合旗の掲揚の継続は会社の忍受すべき正当なる範囲内の組合活動であると解する。会社業務に支障が生ずる等特段の事情があれば、組合との話し合いによって解決する外なく、会社が単に撤去を申し入れただけで撤去し、且つ自ら保管し、警察沙汰になって初めて返還したことは、会社に施設管理権があるとは言え争議中であることを考慮すれば組合旗の掲揚程度のことは会社としても忍受の範囲内にあると思料されるところであって、会社が敢えて組合旗を撤去する挙に出たことは先に判断した会社の団体交渉拒否及び組合加入状況調査等の不当労働行為と総合すれば、組合の正当なる組合活動に対する支配介入である。 8 千葉地本統一交渉団の入構拒否について組合は、昭和五一年三月に組合の春闘要求を実現するため、千葉地本の役員により構成されている地本統一交渉団が団体交渉のため会社を訪問し、団体交渉を申し入れたのに対し、会社が三月九日及び一九日には団体交渉を拒否して入構を拒否しようと図り、また三月二五日にも当初は入構を拒否して、結局団体交渉に応じなかった態度は、正当な理由のない団体交渉拒否であり不当労働行為である、と主張する。 一方会社は、以前に五名前後の地本統一交渉団が事前の通知もなく突然会社を訪問し、会社構内を無断 局団体交渉に応じなかった態度は、正当な理由のない団体交渉拒否であり不当労働行為である、と主張する。 一方会社は、以前に五名前後の地本統一交渉団が事前の通知もなく突然会社を訪問し、会社構内を無断で歩きまわり、電話で役員に面会を求めるなどの行動をなし、業務に支障を来たしたもので、昭和五一年三月九日、同月一九日及び同月二五日には閉門して入構を拒否したことはあるが、これは組合が労使間の規律ある秩序を保とうとしないことに起因するものであって、会社の行為は正当な理由がある、と主張する。 よって以下判断する。 会社は組合が秩序を保とうとしないので入構を拒否したと主張するが、会社は労使関係が悪化してから以降は、組合結成当初の団体交渉で団体交渉指定日から原則として三労働日以内に団体交渉を行う合意が成立しているにもかかわらず、この合意を無視して窓口折衝の段階で交渉事項が不明確である等の口実を設け、あるいは交渉事項が明らかになると、文書回答を行って以後は文書で回答済みであると言って団体交渉に応じない態度をとってきた。昭和五一年三月九日、同月一九日及び同月二五日にも会社が第1の3の(6)で認定したように誠意を持った話し合いを行おうとしなかったために、組合と千葉地本が事態を打開するために地本統一交渉団による交渉に訴えようとした事情は十分に理解できることであって、むしろ会社の団体交渉を開こうとしない態度に紛争の原因があったものというべく、会社の態度は正当な理由のない団体交渉の拒否であり、同時に地本統一交渉団の入構拒否は、全金がいわゆる企業内組合ではなく部外者をも構成員とする労働組合であるがゆえの嫌悪の現れであって、組合無視の支配介入である。 9 新入社員教育における組合誹謗について組合は、新入社員研修でP4が全金を誹謗し、全金の支部である組合に加入しない 成員とする労働組合であるがゆえの嫌悪の現れであって、組合無視の支配介入である。 9 新入社員教育における組合誹謗について組合は、新入社員研修でP4が全金を誹謗し、全金の支部である組合に加入しないよう暗に呼びかけているのは、会社の組合切り崩しであり、支配介入である、と主張する。 一方、会社は新入社員教育でP4に「社会人としての心得、会社生活の心構え、仕事に対する取り組み姿勢」のテーマについて講義を依頼したのであって、組合問題に言及するよう指示したことはなく、昭和五〇年一〇月二九日の研修においては社員の質問に答えて言及したもので、内容も公正で客観的な立場から事実を説明し、かつ個人的見解を述べたものであり、会社が意図的に組合誹謗を行わせたものでないから支配介入ではない、と主張する。 よって以下判断する。 (1) 第1の3の(7)で認定したようにP4の発言は到底公正なものとは言えないものである。まだ組合問題について経験も知識も比較的少いと推測される高校卒の新入社員に対するかかる発言は、参加を義務づけられた会社の社員研修の中で行われたということと考え合わせると新入社員に対し、相当強烈な先入観を与えるものであることは否定できない。 (2) P4は会社の顧問をしており、研修に参加している新入社員とすれば、顧問の発言はすなわち会社の発言であると受けとるのは当然であるから、会社がP4をして組合の誹謗を行わせる意図がなかったとしても、P4の発言が研修生に与えた印象には変わりはないといわなければならない。まして、この研修は会社が新入社員に会社の方針を説明するために行ったものであり、講師に対しては会社の意図を十分に伝えて、効果ある発言を期待していたものと推測される。従って、P4の発言をもって個人的見解であると主張するのは言い逃れにすぎず、P4の発言は会社 めに行ったものであり、講師に対しては会社の意図を十分に伝えて、効果ある発言を期待していたものと推測される。従って、P4の発言をもって個人的見解であると主張するのは言い逃れにすぎず、P4の発言は会社の意を体し、会社のためになされたものであるから、会社に帰責されるものである。また会社は、P4の発言は研修生の質問に対する回答であったと弁明する。しかしながらP4の講義録は全体で一八ページであるが、全金又は労働組合に触れた部分はそのうち一三ページを占めており、量、質ともに中心をなしており、質問に対する回答であったとはにわかに信ずることはできない。仮に質問に対する答であったとしても結論は変らない。従って、会社は、P4の発言を通じて、組合を誹謗し、組合の運営に支配介入したものである。 10 受領書の配布、署名の件について会社は分会ごとにではなく、組合が一括して三六協定を締結するのでなければ昭和五〇年の年末一時金を支給しないとして支給を引き延ばし、そのような状態の中で課長代理やマネージャーに一般従業員から署名を集めた要望書を会社に提出させ、受領書を提出した従業員に年末一時金を支給したもので、昭和五一年春の賃上げ交渉時及び同年の夏季一時金の交渉時にも同様の方式をとっているが、このようなやり方は、組合員を動揺させて組合の切り崩しを狙った不当労働行為である、と組合は主張する。 これに対して会社は、昭和五〇年の年末一時金の交渉の際、組合は三六協定締結を拒否し、協力しない態度を示したので会社は年末一時金の支給を三六協定締結後にしたいと申し入れたが、結局、三六協定締結を後日に譲り、一二月二二日には一時金を支給しており、また受領書については慣行支給日の一二月一二日が迫り、多くの従業員から会社案を了承するとの要望もあり、少数であると推認される組合と妥結していな 結を後日に譲り、一二月二二日には一時金を支給しており、また受領書については慣行支給日の一二月一二日が迫り、多くの従業員から会社案を了承するとの要望もあり、少数であると推認される組合と妥結していないからといって多数の非組合員への支給を遅らせるわけにはいかないと判断して受領書に署名した者に支給することにし、また昭和五一年春の賃上げ及び同年の夏季一時金についても、会社は同様の趣旨で同様の経過を経て支給したのであって、組合に対する支配介入ではない、と主張する。 よって以下判断する。 (1) 組合は、後記11で判断するように、会社から脱退工作を受けており、このような組合員名簿の提出ができないような状態で、しかも組合からの要求に対する回答と団体交渉の日時を引き延ばし、十分団体交渉をつくす時間的余裕もない時に、支給が遅れるのは、組合が妥結をしないためであるという雰囲気が作り出されるなかで、会社が受領書の署名を集めたのは、一方においては署名をしない者は組合員として脱退工作の対象者となし、また署名した者には自ら組合員としての要求を放棄させたことになるという効果があり、同時に他方においては、組合員間に動揺を起し、ひいては組合切り崩しになるという効果を狙ったものであって、組合の運営に対する支配介入である。 (2) ところで、組合は、昭和五一年五月三一日付けの準備書面において、「4、非組合員に対する不当強要」と題して、「(昭和五一年)四月二一日以降、賃上げ額に同意する旨の受領書に署名押印を強要し、これに応じなければ賃上げ額を支給しないと脅している」と述べているにとどまり、これだけでは、会社の当該行為が不当労働行為であるとして救済を求めている趣旨であるかについて、必ずしも明確ではない。また、組合は昭和五〇年年末一時金及び昭和五一年夏季一時金の団体交渉中に会社 まり、これだけでは、会社の当該行為が不当労働行為であるとして救済を求めている趣旨であるかについて、必ずしも明確ではない。また、組合は昭和五〇年年末一時金及び昭和五一年夏季一時金の団体交渉中に会社が受領書を配布した行為について、明確に整理した形で、請求する救済内容として申し立てているわけではない。そこで、これらの救済方法について案ずるに、組合が請求する救済内容として、準備書面に記載しているものは、整理が不十分であることは否定し難いところであるが、審査の全過程を総合して、組合の意思を推測すれば、組合は会社が行った昭和五〇年年末一時金、昭和五一年の賃上げ及び同年夏季一時金の各団体交渉中における受領書の配布について、不当労働行為として救済を求めていると認められる。これら受領書を配布した会社の行為は、いずれも前記(1)記載のとおり、不当労働行為と認められるので、救済するのが相当である。 (3) なお組合は、請求する救済内容を整理した昭和五二年四月九日付け準備書面において、「謝罪文」に掲記すべきものとして、「昭和五一年年末一時金の団体交渉中に、従業員に対し、受領書又は念書を配布し、かつ、署名押印を強要したこと」を挙げて救済を求めているが、この点について、組合は何ら疎明をしていないので、これを棄却する。 11 組合脱退工作について組合は、会社が昭和五〇年八月頃から職制を使って組合切り崩しをはかり、職制が組合員を自宅に招待したり、飲食店で饗応したりして執拗に組合退脱を勧誘し、同年九月始め組合員一八名が鶴岡事業所に転勤になった際、同事業所のP21マネージャーが強要してこれら組合員全員を脱退させ、また昭和五一年四月には、組合員のP7の結婚の際、会社のP5取締役は、挙式の直前になって、組合を脱退しなければ仲人を辞退すると言い出し、P7は脱退届を提出させ ーが強要してこれら組合員全員を脱退させ、また昭和五一年四月には、組合員のP7の結婚の際、会社のP5取締役は、挙式の直前になって、組合を脱退しなければ仲人を辞退すると言い出し、P7は脱退届を提出させられた。これらの会社の行為は支配介入である、と主張する。 一方会社は、職制を使って脱退を強要、勧誘したことはなく、具体的にいつ、どこで、どのような脱退工作を行ったか組合は明らかに指摘できなかった。またP7の仲人をする際、P5取締役は脱退強要したことはなく、多数の組合員が脱退したのは、組合の運動方針の誤りなどによる自壊作用であり、また、組合脱退届がほとんど同一の形式で書かれているとしても、それは入社時期が同一であった友人達が話し合ったうえで、同じ形式をとったのではないかと推測されるに過ぎない。いずれにしても、会社が脱退工作を行った事実はない、と主張する。 よって以下判断する。 (1) 会社は、多数の組合員が脱退したのは組合の運動方針の誤りなどの自壊作用によるもので、会社の脱退工作によるものではないと主張し、第1の3の(9)で認定したとおり、昭和五〇年八月末以後組合員の脱退が相次いでいるが、この頃組合員が大量に脱退せねばならないような組合の運動方針に顕著な誤りがあったというような特段の事情は見出されない。たとえ昭和五〇年七月三日に行われたストライキについて、組合員の間に異論があったとしても、ストライキ参加者は約六〇〇名の多きに達しており、また、ストライキは大量脱退の時期とも離れすぎていること。 (2) また、会社は、脱退強要、勧誘を行ったことはなく、組合は具体的に脱退工作の事実を明らかに指摘できなかったと主張するが、会社が組合員に脱退工作を行い、それが成功した場合は、会社の威圧のもとにある脱退組合員がその脱退工作の模様を組合に知らせることは通常 は具体的に脱退工作の事実を明らかに指摘できなかったと主張するが、会社が組合員に脱退工作を行い、それが成功した場合は、会社の威圧のもとにある脱退組合員がその脱退工作の模様を組合に知らせることは通常考えられないところであり、組合が具体的に脱退工作を明らかに指摘できなかったとしても、会社は一切の脱退工作をしなかったと即断することはできないこと。 (3) 鶴岡事業所の組合員一八名が提出した脱退届は文章が全員同一であり、また、サービス分会の組合員一三名が提出した脱退届は横書きの同一形式である点につき会社は、入社時期が同一であった友人達が話し合ったと推測されるに過ぎないし、会社は関知しないと主張するが、上記一八名の組合員は、いずれも昭和二九年六月から昭和三一年三月までに生れた当時二一才から一九才までの人達で、いずれも若く「私此度」の用語はお互いが話し合ったとしても不均合いの文句であるし、また、一三名の脱退届の組合員の入社時期が同じであるかは脱退届自体からは推測できないが、仮に入社時期が同じであるとしても、これらの脱退届は誰かの指導によって書かれたとの推測が成りたつこと。 (4) のみならず① 会社は、第1の2の(5)で認定したとおり、第一回の団体交渉で組合が代表する会社に働く労働者の範囲を「全国金属オリエンタル支部に加入した労働者」に限定し、かつ「会社における唯一の労働組合」とは、「現時点における」唯一の労働組合と解する等、註釈をつけて、組合結成通告当初から、組合との団体交渉によって組合の要求事項を話し合いによって解決しようとする姿勢をとりつつも、一方においてこのように含みのある言い方をして、組合と対立的見解に立っていること。 ② 第1の2の(7)で認定したとおり、昭和五〇年五月二二日に会社が従業員に配布した「従業員のみなさんへ」と題する文書の においてこのように含みのある言い方をして、組合と対立的見解に立っていること。 ② 第1の2の(7)で認定したとおり、昭和五〇年五月二二日に会社が従業員に配布した「従業員のみなさんへ」と題する文書の表現は、これを読む組合員をして、ア組合が要求している「唯一の労働組合として認めよ」との項目は、労働組合が結成されると必ず出てくる項目で慣行的な形式的な要求であり、会社は必ずしもこれを重視せず、むしろ軽視しているとの印象を与え、イ団体交渉により労使間に決めたことは組合員だけでなく、全従業員に及ぶことになっているので、組合員としては必ずしも組合にとどまっていなくてもよいとの印象を与え、ウ会社が全従業員のことを考えて進めていくので、組合員も、組合とは別個に慎重な行動をとることを会社が期待しているとの印象を与えるものであるが、この文書を配布した会社の意図は、組合を無視して直接組合員に働きかけ、会社が組合を必ずしも信頼せず、警戒心をもって慎重に行動していることを組合員に知らせて、心理的動揺を与えて組合を弱体化せんとの狙いであること。 ③ 会社が従業員に配布した昭和五〇年九月九日付けの「社員の皆様へ」と題する書面には、冒頭に「労使関係の問題は重大な問題であり……」と書き起こして、一方では殊更に組合との労使関係を重大視する表現を用いながら、他方では組合が会社の要求にもかかわらず組合規約も提出せず、法的に認められる労働組合か否か判明せず、会社はかくの如き組合とは交渉しないとの趣旨を組合の頭越しに、組合員に発表していることは、会社がこれを読む組合員をして、組合に対し不安と不信を懐かせ、その心理的動揺を狙って組合の弱体化を意図していると受けとれること。 ④ 以上の事情を前提にして考えると、前記第1の3の(9)①②③で認定した組合が得た情報の真実性が推認されること。 と不信を懐かせ、その心理的動揺を狙って組合の弱体化を意図していると受けとれること。 ④ 以上の事情を前提にして考えると、前記第1の3の(9)①②③で認定した組合が得た情報の真実性が推認されること。 ⑤ 組合員数が昭和五〇年七月頃の従業員の大多数である約六二〇名から、同年一〇月九日の本件申立時の五六六名に、更に同年一一月一八日までに全従業員の半数以下に、更にまた、同年一二月頃までに一〇〇名以下にと、わずか四~五カ月の短期間内に激減していること。 ⑥ その後においても、P5取締役に、組合を脱退しなければ結婚式の仲人役を辞退すると言われて、組合員P7が一時的とはいえ組合を脱退していること。 以上を総合すれば、上記鶴岡事業所の組合員一八名並びにサービス分会の組合員一三名の脱退は、いずれも会社職制の脱退勧奨が行われた結果とみるのが相当であり、また上記組合員の急激な脱退、激減は、会社がP18常務を対組合関係の最高責任者として、組合結成通知を受けた当初から、警戒心を懐きつつも、慎重に労働組合対策を実行に移して来た相手方である全金傘下の千葉地本に所属する労働組合である組合を、ストライキ以後極度に嫌悪し、これを弱体化させ、ひいては、壊滅させることを意図して職制をして脱退工作を行わせた結果による現象であって、P7組合員に対するP5取締役の行為はその顕著な例とみられるところであり、かかる会社の行為は組合の運営に対する支配介入である。 12 その他組合は以上のほか(1) 昭和五〇年一〇月九日の救済申立当時は、事業所ごとの交渉の件、高松事業所の組合事務所及び組合掲示板設置の件、社外の組合活動賃金カットの件、並びに労働時間や有給休暇日数等の労働条件を交渉事項とする団体交渉に誠意をもって応ずること。 (2) 同年一一月二一日には ①昭和五〇年年末一時金、秋闘要求及 設置の件、社外の組合活動賃金カットの件、並びに労働時間や有給休暇日数等の労働条件を交渉事項とする団体交渉に誠意をもって応ずること。 (2) 同年一一月二一日には ①昭和五〇年年末一時金、秋闘要求及び時間外、休日労働協定の件を交渉事項とする団体交渉に誠意をもって応ずること。②申立人組合の組合員に対して組合加入状況の調査をするなど組合の活動、組織に介入してはならないこと。③昭和五〇年一一月一八日、組合員であるかどうかを記載してあり、かつ、組合員の署名押印のあるすべての照会票を組合に返還すること。④組合加入状況を照会票によって調査したことを陳謝すること。について救済を申し立てたのであるが、本件申立てを整理した昭和五二年四月一日付けの準備書面では以上列挙した申立て事項のうち(1)及び(2)の①は削除されているので、これら申立ては取り下げられたものと認め、判断しない。 第3 法律上の根拠以上の次第であるから、第1の3の会社の行為中、(1)の①、②、③及び(4)の①の各団体交渉拒否の行為は、労働組合法第七条第二号に該当する不当労働行為であり、(2)、(3)の①、②、(5)、(7)、(8)及び(9)の各支配介入行為は、同法第七条第三号に該当する不当労働行為であり、(4)の②及び(6)の各行為は同法第七条第二号、第三号に該当する不当労働行為である。 なお、組合は、鶴岡事業所の再開直後の昭和五〇年九月九日頃、同事業所に転勤赴任した組合員一八名全員が集団で組合を脱退したのでP2委員長と千葉地本副委員長P23の両名が脱退事情を調査すべく、同年九月中の午前中に鶴岡事業所に出向き、脱退組合員との面会方を申し入れたところ、事業所長P24は、面会申入れを拒否し、組合の調査活動を妨害したと主張し、上記P24所長の行為は、労働組合法第七条第三号に該当する不当労働行 事業所に出向き、脱退組合員との面会方を申し入れたところ、事業所長P24は、面会申入れを拒否し、組合の調査活動を妨害したと主張し、上記P24所長の行為は、労働組合法第七条第三号に該当する不当労働行為であるとして、会社に対し陳謝を求める救済申立てをしているが、組合は、昭和五二年四月一日付け書面をもって、始めてこの事項について救済を申し立てており、また、組合側証人P23は、昭和五一年一二月一三日の第一二回審問においてこの事実について証言しており、いずれにしても、組合の主張事実は行為の日から申立ての日までに一年以上を経過しているので、労働委員会規則第三四条第三号によりこの点については判断しない。 よって、労働組合法第二七条および労働委員会規則第四三条を適用して、主文のとおり命令する。 昭和五三年一月一三日千葉県地方労働委員会会長 P12<03475-001>別紙(二)命令書再審査申立人千葉県柏市<以下略>オリエンタルモーター株式会社代表取締役 P11再審査被申立人千葉県柏市<以下略>総評全国金属労働組合千葉地方本部オリエンタル支部執行委員長 P2上記当事者間の中労委昭和五三年(不再)第四号事件(初審千葉地労委昭和五〇年(不)第三号事件)について、当委員会は、昭和六二年五月二〇日第一、〇〇六回公益委員会議において、会長公益委員P25、公益委員P26、同P27、同P28、同P29、同P30、同P31、同P32出席し、合議のうえ、次のとおり命令する。 主文 Ⅰ 初審命令を次のとおり変更する。 1 再審査申立人会社は、再審査被申立人組合の就業時間中の社外組合活動の件を交渉事項とする団体交渉の申入れに対し、誠意をもって応じなければならない。 2 再審査申立人会社は、再審査被申立人組合に対し、豊四季事業所に 人会社は、再審査被申立人組合の就業時間中の社外組合活動の件を交渉事項とする団体交渉の申入れに対し、誠意をもって応じなければならない。 2 再審査申立人会社は、再審査被申立人組合に対し、豊四季事業所における組合事務所として、同事業所第二事務棟地下二階の一部(別紙図面の斜線表示の部分)を貸与しなければならない。 上記貸与の条件は、再審査被申立人組合の記名押印に係る「組合事務所貸与協定書」によるものとする。 3 再審査申立人会社は、再審査被申立人組合の組合員に対して、組合加入の有無を照会するなどして再審査被申立人組合の運営に介入してはならない。 4 再審査申立人会社は、再審査被申立人組合が支部大会及び分会大会開催のため、会場使用許可願を提出して、豊四季事業所の食堂の使用を申し入れたときは、再審査申立人会社が自ら使用する等特段の事情のある場合を除き、その使用を拒否してはならない。 再審査被申立人組合の支部大会及び分会大会以外の会議又は集会のためにする同食堂の使用許可の範囲について、改めて再審査被申立人組合から団体交渉の申入れのあったときは、再審査申立人会社は、誠意をもってそれに応じなければならない。 5 再審査申立人会社は、本命令受領後直ちに、下記文書を縦一・五メートル横一メートルの白色木板に墨書し、豊四季事業所の掲示板等従業員の見やすい場所に七日間これを掲示しなければならない。 記昭和年月日総評全国金属労働組合千葉地方本部オリエンタル支部執行委員長 P2殿オリエンタルモーター株式会社代表取締役 P11当社は、(1) 貴組合が申し入れた昭和五一年八月一日付け人事異動に関する団体交渉を拒否したこと。 (2) 全従業員に対し照会票を配布して貴組合の組合員であるかどうかの調査をしたこと。 (3) 新入社員教育において貴組合を誹 し入れた昭和五一年八月一日付け人事異動に関する団体交渉を拒否したこと。 (2) 全従業員に対し照会票を配布して貴組合の組合員であるかどうかの調査をしたこと。 (3) 新入社員教育において貴組合を誹謗したこと。 (4) 貴組合と昭和五〇年年末一時金及び昭和五一年春の賃上げ交渉中、全従業員に念書等を配布し、一時金等を受領する者に対してそれに署名押印して提出させたこと。 (5) 貴組合の組合員に対し脱退を強要したこと。 以上の事項が中央労働委員会によりいずれも労働組合法第七条に該当する不当労働行為であると認定されました。よって、このことをお知らせするとともに、今後はかかる行為を繰り返さないよういたします。 6 その余の再審査被申立人組合の救済申立てを棄却する。 Ⅱ その余の本件再審査申立てを棄却する。 理由 第1 当委員会の認定した事実 1 当事者(1) 再審査申立人オリエンタルモーター株式会社(以下「会社」という。)は、精密小型モーターの製造・販売を目的として、昭和二五年に設立させ、肩書地に本社及び豊四季事業所を、茨城県土浦市、香川県高松市及び山形県鶴岡市に各事業所を置く、資本金一億円の株式会社であって、製品の販売部門として株式会社オリエンタルサービス(以下「サービス」という。)を有し、本件初審申立時の従業員は約九七〇名(うちサービス約一〇〇名)である。 (2) 再審査被申立人総評全国金属労働組合千葉地方本部オリエンタル支部(以下「組合」という。)は、昭和四九年一二月二二日、会社及びサービスの従業員三六名によって結成され、豊四季分会、土浦分会、高松分会、鶴岡分会及びサービス分会を組織し、上部団体として総評全国金属労働組合千葉地方本部(以下「千葉地本」という。)及び総評全国金属労働組合(以下「全金」という。)に所属する。 本件 、土浦分会、高松分会、鶴岡分会及びサービス分会を組織し、上部団体として総評全国金属労働組合千葉地方本部(以下「千葉地本」という。)及び総評全国金属労働組合(以下「全金」という。)に所属する。 本件初審申立時の組合員は約五六〇名であったが、本件再審査結審時には三五名となった。 2 組合の公然化から昭和五〇年七月三日のストライキまでの経過(1) 組合は、従業員間に、賃金昇給率、一時金、有給休暇日数、三六協定締結当時者としての従業員代表選出方法及びその他労働条件に不満があるとして、P2、P3及びP17らが中心となり結成されたものである。組合結成後は非公然に活動を行い、組織の拡大に力を注いだ。組合員が約二五〇名になったのを機に、昭和五〇年五月一二日、公然化大会を開催し、翌一三日、会社に組合を結成したことを通知するとともに、下記要求事項を含む一三項目についての要求書を提出した。 ① 私たちオリエンタル支部をオリエンタルモータ株式会社及び株式会社オリエンタルサービスに働く労働者を代表する唯一の労働組合と認め、労働者の働く諸条件に関する事項について団体交渉権を認めること。 ② 労働条件の改訂、新規実施については、組合と事前に話合いを行い、一方的に行わないこと。 ③ 労働者の労働条件に大きな影響のある問題は事前に話し合い、組合と本人の了解なく一方的に行わないこと。 ④ 会社は、組合に組合事務所、掲示板を貸与すること。また、会社建物、施設使用の便宜を与えること。 ⑤ 就業時間中の電話の取次ぎ、面会等の便宜を計らい、また連絡等最少限の組合活動を認めること。 ⑥ 団体交渉は、労使双方いずれか一方が申し入れた場合、直ちに他方が応ずることを原則とし、特別な事情がある場合でも三日以内に行うこと。 ⑦ 労働条件の改悪及び生活の圧迫につながる出向、配転、転勤を一方的に行わな 渉は、労使双方いずれか一方が申し入れた場合、直ちに他方が応ずることを原則とし、特別な事情がある場合でも三日以内に行うこと。 ⑦ 労働条件の改悪及び生活の圧迫につながる出向、配転、転勤を一方的に行わないこと。 ⑧ 昭和五〇年春の賃上げについて、労働組合と協議すること。 (2) 昭和五〇年五月一五日、組合の申入れにより上記要求事項について、第一回目の団体交渉が行われ、その後、昭和五〇年六月一〇日までの間に五回の団体交渉が重ねられた。以上の団体交渉の経過及び内容につき本件争点に係る上記要求事項の②ないし⑤及び⑦については、下記3の(1)(2)、4の(1)、5の(1)ないし(3)で認定したとおりである。 (3) 組合は、六月一七日の夏期一時金に関する会社の回答が組合の要求額をかなり下回っていたのをきっかけとして七月三日、会社に通告して同日午後統一時限ストライキを打った。このストライキには豊四季、土浦、高松各事業所の組合員約六〇〇名が参加した。組合員は就労中の非組合員に対してストライキに協力するよう説得に努めたが、部課長ら職制はこれを阻止し、会社は組合あてにストライキを遺憾としてその撤回を求め、組合に強く警告するという趣旨の警告書を出した。また、この時点では労使間には争議予告期間、保安要員等に関する協約は存在しなかったが、会社は、同日組合あてにこれら平和条項又は争議条項があることを前提とするかのごとき要求を行った。 これに対し、組合は、会社が組合執行部の頭越しに個々の組合員に業務命令を発し、また、ストライキ不参加を呼びかけたとして抗議を行った。 3 就業時間中の組合活動の範囲に関する団体交渉(1) 昭和五〇年五月一五日、会社と組合は、上記2の(1)認定の要求書中⑤の就業時間中の組合活動について団体交渉を行い、会社は上記要求事項について基本的には了 間中の組合活動の範囲に関する団体交渉(1) 昭和五〇年五月一五日、会社と組合は、上記2の(1)認定の要求書中⑤の就業時間中の組合活動について団体交渉を行い、会社は上記要求事項について基本的には了解したものの、イ電話の取次ぎ、面会等については執行委員を対象範囲とする、ロ面会者の入退場は会社の規則に従うこと、ハ就業時間中の組合活動については、連絡等最少限とし、緊急を要するときのみとすると答えた。 (2) 昭和五〇年六月一〇日の団体交渉では、就業時間中の組合活動の範囲について検討されたが、上記ハの「最少限」の解釈につき双方の認識に相違があるため、内容をはっきりさせて双方一致了解するまでは、執行委員以外の者が執行委員の代行は行わないこととなった。 (3) 昭和五〇年八月八日、会社は、組合に対し「就業時間中の組合活動について」と題する文書をもって、「就業時間中の組合活動について今までの取扱いが不明確であったので、八月一一日以降は就業時間中の外出等社外の組合活動は認めない。賃金カットする。」との通知をした。 (4) 昭和五〇年九月八日、会社は、文書で八月一三日、P2委員長(以下「P2委員長」という。)が就業時間中千葉地本の執行委員会に出席したので、賃金をカットして欠勤扱いとし、同月二六日、P3書記長(以下「P3書記長」という。)及びP19執行委員(以下「P19執行委員」という。)が就業時間中鶴岡事業所に転勤になった組合員を上野駅に見送りに行ったので、賃金をカットして遅刻扱いとし、同月二九日及び三〇日、P17副執行委員長(以下「P17副執行委員長」という。)が高松事業所に組合用務で旅行したので賃金をカットして欠勤扱いとすることを組合に通知した。 (5) 昭和五〇年九月九日、組合は、会社に対し、社外組合活動賃金カットの件などを交渉事項として団体交渉を申 が高松事業所に組合用務で旅行したので賃金をカットして欠勤扱いとすることを組合に通知した。 (5) 昭和五〇年九月九日、組合は、会社に対し、社外組合活動賃金カットの件などを交渉事項として団体交渉を申し入れたが、会社は、交渉事項の趣旨が不明確であると回答し、団体交渉に応じなかった。 (6) 昭和五〇年九月一六日、組合は、再度、社外組合活動賃金カットの件を交渉事項として団体交渉を申し入れるとともに、賃金カットはやむを得ないが、欠勤又は遅刻扱いをすることは不当であるとの抗議書を会社に提出した。会社は、この団体交渉の申入れに対し、九月三〇日、「就業時間中の社外組合活動は原則として認めない。連絡等最少限とし、緊急を要する時のみとする。」と文書で回答し、団体交渉には応じなかった。 (7) 昭和五〇年一〇月六日、組合は、会社に一四項目にわたる秋闘要求書を提出し、その第一三項で「組合員が組合業務のため欠勤、早退、遅刻、外出などする場合はこれを通常出勤扱いとせよ」との要求事項を掲げ、秋闘要求書について一〇月一三日を指定して団体交渉を申し入れた。この組合の申入れに対し会社は、要求事項については検討中であるから一一月二〇日までに一括回答するとして団体交渉には応じなかった。 (8) 昭和五〇年一〇月九日、組合は、千葉県地方労働委員会(以下「千葉地労委」という。)に社外組合活動賃金カットの件について団体交渉を求める救済申立てを行った。 その後、組合は、昭和五二年四月一日付けの文書をもって従来の救済申立ての趣旨を整理し、上記救済申立てについて就業時間中の組合活動の範囲の件についての団体交渉を求めるとして、その申立ての趣旨を変更した。 (9) 昭和五〇年一一月四日、千葉地労委から会社に団体交渉に応ずるように勧告がなされ、同月一一日、就業時間中の組合活動の範囲等について ついての団体交渉を求めるとして、その申立ての趣旨を変更した。 (9) 昭和五〇年一一月四日、千葉地労委から会社に団体交渉に応ずるように勧告がなされ、同月一一日、就業時間中の組合活動の範囲等について団体交渉が行われた。その団体交渉の席上、組合は、就業時間中の組合活動を行ったときに賃金をカットされることはやむをえないが、就業時間中の組合活動を認めてほしいと主張した。これに対し、会社は、就業時間中の組合活動については最少限とするということになっているのに現実には拡大されている、また、組合活動は本来就業時間外に行うべきものであり昭和五〇年八月八日付け文書に記載したとおり就業時間中の社外の組合活動は認めないが、電話の取次ぎ、面会等は認めると主張し、話合いは平行線のまま終った。 (10) 昭和五〇年一一月二〇日、会社は、組合の秋闘要求書について文書で回答し、その中で、就業時間中の社外の組合活動の件については昭和五〇年八月八日付け文書により回答済みであると回答した。 (11) 昭和五〇年一一月二一日から一二月三日までの間、六回にわたり会社と組合は秋闘要求書及び年末一時金について団体交渉を行った。その中で、組合は、秋闘要求書中の就業時間中の組合活動については会社の回答を受け取ったことを認めた。他の要求事項については棚上げとなった。 (12) 昭和五〇年一二月一八日、会社と組合は、年末一時金及び秋闘要求について協定書を締結し、その中で、就業時間中の組合活動については、「会社が回答済みであることを組合は了解する。」と記載されている。 (13) 昭和五一年三月五日、組合は、千葉地労委の団体交渉促進の口頭勧告に基づき、「労使間懸案事項」を交渉事項として団体交渉を申し入れた。これに対し、会社は、三月九日、団体交渉事項の趣旨が不明確であるとして、改めて申入れがあっ 合は、千葉地労委の団体交渉促進の口頭勧告に基づき、「労使間懸案事項」を交渉事項として団体交渉を申し入れた。これに対し、会社は、三月九日、団体交渉事項の趣旨が不明確であるとして、改めて申入れがあった後回答すると組合に通知した。 そこで、組合は、同日「就業時間中の組合活動の件」ほか三項目を交渉事項として再度団体交渉を申し入れたが、会社は、同月一一日、文書で「就業時間中の組合活動の件については、九月三〇日付け貴組合あて文書において回答済みでありますが、貴組合の不当労働行為救済申立てにおいて『不当労働行為を構成する具体的事実』としてとり上げられておりますので千葉県地方労働委員会のなりゆきを見守るべきと考えます。なお、貴組合の一〇月六日付け秋闘要求第一三項に『組合員が組合業務のため欠勤、早退、遅刻、外出などする場合、これを通常出勤扱いとせよ』の要求があり、一二月八日に『会社が回答済みであることを組合は了解する』と労使間で協定されていることはご承知のとおりです。」と回答し、団体交渉には応じなかった。 4 人事異動に関する団体交渉(1) 昭和五〇年五月一五日、会社と組合は、上記2の(1)認定の要求書の要求事項②、③及び⑦について団体交渉を行い、②について、会社は原則として事前に協議することは了解するが、「労働条件」の内容については、今後、双方が具体的に検討して話合いをして決める、③及び⑦について、会社は「労働条件」等字句の不明確なものが多くあると主張したので、双方が具体的に内容を示し合って話し合うことになった。 (2) 昭和五〇年一〇月六日、組合は、上記3の(7)認定の秋闘要求書の中で、労働条件の改訂及び新規実施についての協議約款の締結を要求した。会社は、この要求に対し、一一月二〇日、組合申入れの協議約款又は同意約款(以下「協議約款又は同意約款 3の(7)認定の秋闘要求書の中で、労働条件の改訂及び新規実施についての協議約款の締結を要求した。会社は、この要求に対し、一一月二〇日、組合申入れの協議約款又は同意約款(以下「協議約款又は同意約款」を「人事異動に関する約款」という。)を締結する意思はない旨回答した。 なお、上記3の(2)認定の一一月二一日から一二月三日までの間の団体交渉において、人事異動に関する約款の締結についての話合いが行われたが、一二月三日の団体交渉において、この件については棚上げとすることとなり、一二月一八日、その旨の協定書が締結された。 (3) 昭和五一年八月一六日、会社は、八月一日付けで三一名の人事異動を実施する旨組合に通知した。 (4) 昭和五一年八月一七日、組合は、上記通知を受けて人事異動の件を議題として同日午後二時に団体交渉を行うことを申し入れたが、同日会社は、交渉事項の趣旨が不明確であり、人事異動については八月一六日付け通知書のとおりであると文書で回答し、団体交渉には応じなかった。また、会社は、上記回答書に人事異動に関する約款を締結する意思はない旨申し添えた。 そこで、組合は、八月二三日「八月一日付け人事異動の件」ほか一項目を団体交渉事項として八月二五日に団体交渉を行うことを申し入れたが、会社は応じなかった。 (5) 昭和五一年八月三〇日、組合は、会社に対し、大略次の趣旨の抗議文を出した。①会社は組合を無視して個人交渉をし、労働条件を一方的に変更したこと、②人事異動に関する八月一六日、同月二三日及び同月二五日の団体交渉申入れを拒否したこと、③降格処分があること、④不当処分を撤回すべきこと、⑤団体交渉に応ずることなどであった。 (6) 昭和五一年九月六日、会社は、組合に対し、①人事異動は会社の権限として行われるものであること、②人事異動に関する約款を締 と、④不当処分を撤回すべきこと、⑤団体交渉に応ずることなどであった。 (6) 昭和五一年九月六日、会社は、組合に対し、①人事異動は会社の権限として行われるものであること、②人事異動に関する約款を締結する意思がないこと、③降格処分と言われるものはないこと、④この件についてはすでに回答済みであることを文書で回答した。 (7) 昭和五一年九月一三日、組合は、重ねて人事異動の件について団体交渉を申し入れたが、これに対し、会社は九月一七日上記九月六日付けの回答書と同趣旨の回答を行い、団体交渉には応じなかった。 (8) 昭和五一年一二月五日、組合は、千葉地労委に人事異動の件についての団体交渉の応諾を求めて救済申立ての追加を行った。 (9) 昭和五一年一一月二五日、千葉地労委の団体交渉促進のあっせんにより、人事異動の件等を交渉事項として団体交渉が行われたが、その席上、組合は、人事の問題は特定個人の問題ではなく非組合員をも含めた従業員全体の問題であると主張した。 これに対し、会社は、人事異動の個別的な問題であれば誰が組合員かわからないので組合員名簿を出してほしい、また、一般的な人事異動に関する約款の締結要求を議題とするなら締結の意思はないと主張し、結局、交渉は労使双方の主張が対立したまま終った。 5 組合事務所設置・貸与に関する団体交渉(1) 昭和五〇年五月一五日、上記2の(1)認定の要求書中の要求事項④について団体交渉が行われ、会社は、組合事務所(豊四季、土浦各事業所に各一箇所)、掲示板(豊四季、土浦各事業所に各二箇所、サービスに一箇所)の設置について、基本的に了解し、具体的な設置場所については、五月一九日に回答することとなった。 (2) 昭和五〇年六月五日、豊四季事業所における組合事務所の設置場所について団体交渉が行われ、会社は、松林のフェンス寄 本的に了解し、具体的な設置場所については、五月一九日に回答することとなった。 (2) 昭和五〇年六月五日、豊四季事業所における組合事務所の設置場所について団体交渉が行われ、会社は、松林のフェンス寄りに一〇平方メートルのプレハブを建てて貸与する旨提案したが、組合は、一〇平方メートルのプレハブでは狭いので広くしてほしいと希望するとともに、代案として食堂の中に組合事務所を設置することを提案した。 これに対し、会社は、食堂は従業員が食事をするために使用するものであり、また、クラブ活動などでも使用するので、食堂内に組合事務所を設置することはできないとし、一方、松林の中に一〇平方メートル以上の建物を建築することは建築基準法上疑問があるので調査し、その結果がわかるまでの間、とりあえず第二事務棟地下二階の営繕の向い側の倉庫に約三〇平方メートルの場所を用意する旨提案した。 しかし、結局、設置場所については今後の話合いの中で決めていくこととなった。 また、この団体交渉の席上、会社から組合事務所の貸与条件に関する組合事務所貸与協定書案が示され、これについても逐条的に検討された。 (3) 昭和五〇年六月一〇日、再び豊四季事業所の組合事務所の設置場所についての団体交渉が行われ、組合は、会社提案の松林の中のフェンス寄りではなく、中庭のコンクリートに面した所まで出した独立棟を建ててもらいたいこと、独立棟ができるまでは、暫定的に会社提示の営繕の向い側の倉庫の一部を仕切って事務所として使用したいと希望した。これに対し、会社は、中庭のコンクリートに面した所という位置の希望については、実際にやってみなければわからないので確約できない。暫定的に使う営繕の向い側の倉庫の一部については、電気関係など工事関係者と相談して一週間か一〇日ぐらいで使えるようにしたいが、工事の都合で ついては、実際にやってみなければわからないので確約できない。暫定的に使う営繕の向い側の倉庫の一部については、電気関係など工事関係者と相談して一週間か一〇日ぐらいで使えるようにしたいが、工事の都合でどうなるかわからないと答えた。その他の貸与条件については、事務所の貸与協定の有効期間等一部を除いて組合事務所貸与協定書案は、ほぼ合意に達した。 (4) 昭和五〇年六月下旬、会社は、組合に対し、組合事務所の設置について、第二事務棟地下二階の営繕の向い側の倉庫の一部約三〇平方メートルを仕切って貸与すると確答し、組合事務所貸与協定書を提示して、記名調印を求めた。 (5) 昭和五〇年七月二日ごろ、会社は、第二事務棟地下二階の営繕の向い側の倉庫の一部約三〇平方メートルを間仕切りして別紙図面のとおり組合事務所の工事を終えた。 (6) 昭和五〇年七月、組合が、組合事務所貸与協定書に記名調印して会社に渡したが、その際調印した協定書中の「事務所」とは暫定的なものであり、本事務所は、会社が当初提案した松林の中とし、その広さは約三〇平方メートルの独立建物とするとの覚書を添付した。 これに対し、会社は、調査の結果、松林の中に一〇平方メートル以上の建物を建築することは建築基準法上認められないことが明らかとなったので、上記覚書のある協定書は締結できないと答えた。 (7) 昭和五〇年九月九日、会社が従業員に配布した「社員の皆様へ」と題する文書で、会社は、組合事務所を豊四季事業所第二事務棟に用意し専用直通電話を架設し貸与協定書調印後貸与する、組合規約があるか否か不明な組合や法的に認められない組合とは交渉をするわけにはいかない、会社と組合とは対等の関係にたち相互信頼関係で話合いを進めるべきである旨通知した。 (8) 昭和五〇年一一月一一日、会社と組合は、豊四季事業所の組合事務所設 れない組合とは交渉をするわけにはいかない、会社と組合とは対等の関係にたち相互信頼関係で話合いを進めるべきである旨通知した。 (8) 昭和五〇年一一月一一日、会社と組合は、豊四季事業所の組合事務所設置等について団体交渉を行った。その席上、会社は、組合事務所は組合自身が自主的に解決すべきもので便宜供与は避けたいし、組合が権利として要求すべきことではない、組合事務所を貸すのであれば貸す相手の組織機構及び権限の範囲を知りたい、また、お互いの信頼関係のためにも当然組合規約、組合員名簿の提出があるものと思っていたが、五月以降現在に至るまでその提出がない、話合いの前提として組合規約、組合員名簿を提出してほしいと主張した。これに対し、組合は、組合員名簿を会社に出す義務はない、組合規約については組合自身の問題であり、出さないとは言わないが今の状況では出せないと主張し、話合いは平行線のまま終った。 (9) 昭和五〇年一二月二五日、組合は、交渉事項を組合事務所の件として団体交渉を申し入れたが、その際、P3書記長は、上記(6)の覚書を撤回して、第二事務棟地下二階の営繕の向い側の倉庫の一部を組合事務所として借りてもよい旨伝えた。これに対し、会社は、業務繁忙を理由に年が明けてからの開催を希望した。 (10) 昭和五一年二月一八日、千葉地労委は、組合事務所の貸与に関し、団体交渉開催の口頭勧告を行い、会社は、組合事務所について検討し後日最終的見解を示す旨述べた。 (11) 昭和五一年二月末ごろ、P3書記長は、P6庶務課長との事務折衝の中で上記5の(6)の覚書を撤回して、第二事務棟地下二階の営繕の向い側の倉庫の一部を組合事務所として借りたいと申し入れ、会社の意向を打診した。 (12) 昭和五一年三月九日、組合は、組合事務所設置の件及び食堂使用等を交渉事項として団体交渉を申 棟地下二階の営繕の向い側の倉庫の一部を組合事務所として借りたいと申し入れ、会社の意向を打診した。 (12) 昭和五一年三月九日、組合は、組合事務所設置の件及び食堂使用等を交渉事項として団体交渉を申し入れた。 三月一一日、会社は①組合事務所については現在検討中であり検討終了後回答する、②組合規約の提出を求めると文書で回答して団体交渉には応じなかった。食堂使用についての会社の回答は下記7の(3)認定のとおりである。 (13) 昭和五一年三月一八日、会社は、組合事務所についての最終的見解として便宜供与は避けたい、組合事務所も経費援助の単なる例外規定にすぎず、組合の権利として許容したものではないと文書で回答した。そして、組合事務所の具体的設置場所については、第二事務棟地下二階は現在、部品、製品の保管場所として使用しており、組合事務所として使用不可能であるから、松林の中に一〇平方メートルのプレハブ建物を建てて貸与すると回答した。 (14) 昭和五一年三月二九日、組合は、上記会社の回答及び申入書に対し、①組合事務所の設置場所は労使間の合意で設置してある第二事務棟地下二階の一部であることを確認し、協定書を締結すること、②会社が新たに提案した松林の中の一〇平方メートルのプレハブでは狭すぎる、③組合規約の提出が相互信頼を築く大前提となるというような要求は撤回すべきである、④組合が食堂を使用する場合は事前に届け出るが、会社は正当な理由がない限り食堂を使用させることなど文書で回答した。 (15) これに対し、会社は、四月五日①会社提案の組合事務所の場所と広さについては、会社が第二事務棟地下二階を製品、部品等の倉庫として使用していることから、組合事務所としては使用できないので提案したものであり、松林の中に一〇平方メートルまでの建物を建てるのであれば問題がない、 は、会社が第二事務棟地下二階を製品、部品等の倉庫として使用していることから、組合事務所としては使用できないので提案したものであり、松林の中に一〇平方メートルまでの建物を建てるのであれば問題がない、②組合事務所を要求するのであれば、組合規約を提出して組合の機構を明らかにするのは当然である、③組合が会社案に同意すれば組合事務所を貸与する、④食堂使用について、組合が三月二九日付け回答書の主張を維持するのであれば許可できないなど文書で回答した。 (16) 昭和五一年四月八日及び四月一三日、組合事務所貸与問題について団体交渉が行われたが、労使双方とも従前の主張を繰り返すのみで話合いは平行線のまま終った。 (17) 昭和五一年八月二三日、組合は、組合事務所設置の件について団体交渉を申し入れたが、会社はこれに応じなかった。 (18) 昭和五一年一〇月二〇日、組合は千葉地労委に、組合事務所の設置・貸与の件に関する団体交渉の応諾及び組合集会等に食堂を使用させることを求める救済申立てを追加した。 (19) 千葉地労委は、結審後和解勧告を行った。この勧告を受けて会社と組合は、昭和五二年七月五日から七月二七日までの間六回にわたり、組合事務所の件及び食堂使用の件等について団体交渉を行った。その団体交渉の経過は次のとおりである。 イ昭和五二年七月五日、第一回目の団体交渉が行われ、組合は、組合事務所の設置場所として今まで主張していた第二事務棟の地下室については撤回するが、会社が提案している松林の中でも中央寄りに建ててもらいたい、また、一〇平方メートルでは狭いので広くしてもらいたいと主張した。これに対し、会社は、組合事務所については、昭和五一年三月一八日付け回答書のとおりであり、広さについては建築基準法上一〇平方メートル以上の建物は建てられないので広くすることはでき らいたいと主張した。これに対し、会社は、組合事務所については、昭和五一年三月一八日付け回答書のとおりであり、広さについては建築基準法上一〇平方メートル以上の建物は建てられないので広くすることはできないと主張した。 七月七日の第二回目の団体交渉でも第一回目と同様の交渉が行われた。 ロ昭和五二年七月一三日、第三回目の団体交渉が行われ、組合は、組合事務所の広さについて一〇平方メートル以上の広さを拒否するのであれば、組合会議のための食堂の使用を認めてほしいと主張した。これに対し、会社は、組合事務所については組合が会社案で了解するのが先決であり、組合事務所問題が解決した後に食堂使用について話し合いたいと主張した。そして、会社は、組合規約を提出してもらえば、組合規約に基づく組合大会等については食堂の使用を認めてもよいとつけ加えた。 ハ昭和五二年七月一五日の第四回目の団体交渉では、組合は、組合事務所については場所と広さについて問題があり、また、食堂の使用については組合大会に限らず会社が使用しない限り貸してほしい旨主張した。これに対し、会社は、組合事務所については狭いとか広いとかの問題ではなく、組合が会社の昭和五一年三月一八日付け回答を受けるか否かの問題であり、食堂使用についてはその後の問題であると主張した。 ニ昭和五二年七月二一日、第五回目の団体交渉が行われた。組合は、組合事務所を一〇平方メートルの広さのもので借りてもよいが、食堂使用については、下記7の(6)認定の昭和五一年四月一三日の千葉地労委の勧告に基づき食堂を使用させることを条件とする旨主張した。これに対し、会社は、食堂の使用については組合大会の開催以外は、組合規約を提出して集会の頻度、規模等をあらかじめ明らかにしてほしい旨主張した。 ホ昭和五二年七月二七日、第六回目の団体交渉が行わ た。これに対し、会社は、食堂の使用については組合大会の開催以外は、組合規約を提出して集会の頻度、規模等をあらかじめ明らかにしてほしい旨主張した。 ホ昭和五二年七月二七日、第六回目の団体交渉が行われた。組合の上記ニと同様の主張に対し、会社は、組合事務所及び食堂の使用については従来の主張と変わりはない旨主張し、結局、団体交渉はこの日をもって打切りとなった。 6 組合備品の撤去(1) 組合は、組合結成を公然化した直後から組合備品、輪転機等を会社食堂内に置き、そこで組合用務を行っていた。また、そのころから組合は、会社に会場使用許可願を提出し、会社の許可を得ることによって会社食堂内の組合備品置場周辺で組合大会、執行委員会などの集会を行っていた。 (2) 昭和五〇年七月ごろ、会社は、組合に対し、口頭で食堂内の組合備品を撤去するよう申し入れていたが、組合はこれを撤去しなかった。そこで会社は、七月三〇日、自ら組合備品を撤去して地下倉庫に保管したが、翌三一日、組合は、これを持ち出し食堂内の元の場所に戻した。 (3) 昭和五〇年一一月ごろ、組合が食堂内にキャビネットを持ち込んだので、会社は口頭で注意した。 (4) 昭和五〇年一二月二四日、会社は、組合に、食堂内の組合備品を一二月二六日までに撤去するよう文書で警告した。その中には①会社は、食堂を組合集会等に使用することについては、許可願があれば、支障のない限り使用を許可してきたこと、②組合は会社の許可なくキャビネット等を持ち込み無断で食堂を使用していること、③再三にわたり撤去するように口頭で警告しているにもかかわらず改められていないこと、④一二月二六日までに撤去するよう警告するとともに、それまでに撤去されない場合は会社で撤去することなどが記載されていた。 (5) 組合が食堂内のキャビネット等を期日までに撤去し 改められていないこと、④一二月二六日までに撤去するよう警告するとともに、それまでに撤去されない場合は会社で撤去することなどが記載されていた。 (5) 組合が食堂内のキャビネット等を期日までに撤去しなかったので、会社は、一二月二七日これらをすべて撤去した。 (6) 昭和五一年一月二三日、会社は、P3書記長が今後食堂内に組合備品を持ち込まないことを了承したので、撤去した組合備品を返還した。ところが、組合は、再び組合備品を食堂内に持ち込んだので、二月一三日、会社は、組合に撤去通告後これを撤去した。 (7) 昭和五一年三月九日、組合は、組合備品の返却を交渉事項として団体交渉を申し入れた。これに対し、会社は、組合が昭和五一年一月二三日のP3書記長と会社との約束を守るとの意思表示をすれば、現在保管中の組合備品を返還すると回答し、団体交渉には応じなかった。 (8) 昭和五一年四月一三日、千葉地労委は、労働委員会規則第三七条の二の規定に基づき、会社に対して、会社が撤去保管中の組合備品を即時組合に返還し、組合事務所問題が解決するまで組合がこれを食堂の元の位置に保管し、かつ、従前どおりの使用を認めることを勧告したが、会社は、これを拒否した。 当該組合備品は、六月一五日、千葉地方裁判所松戸支部による強制執行がなされるまで組合に返還されなかった。 七組合集会等の食堂使用(1) 昭和五一年二月二三日、組合は、会社の許可を得て食堂の一角で春闘の学習会を行っていたところ、六時三〇分ごろ会社の業務命令を受けたP1守衛が近づいて来て参加者の氏名を記録した。そこで、P2委員長が抗議して記録用紙を渡すように求めたところ、P1守衛は当該記録用紙をP2委員長に手渡した。 なお、それまでは、守衛は食堂を利用した組合集会については遠くから人数を確認するだけであり、また、会社は、 抗議して記録用紙を渡すように求めたところ、P1守衛は当該記録用紙をP2委員長に手渡した。 なお、それまでは、守衛は食堂を利用した組合集会については遠くから人数を確認するだけであり、また、会社は、業務に支障のない限り、組合の食堂使用を許可していた。 (2) 昭和五一年二月二四日、組合は、上記の守衛の行動について会社に抗議した。これに対し、会社は、同月二七日、P2委員長、P3書記長が「会社の犬」などの暴言、脅迫を用い、氏名を記した記録用紙を取り上げるなどの行為をしたが、これは極めて重大な業務妨害行為で処分の対象となるので今後かかる行為を繰り返さないよう強く警告を発するとともに記録用紙の返還を二月二八日までに求める、なお、この守衛業務を「組合に対する内部干渉である」との主張を組合が今後も維持するのであれば、会社は組合に対し、会社施設の利用は一切認めない、社外において自主的に解決されたい旨の警告書を出し、同日の組合の会場使用許可願を不許可にした。これに対し、組合は、会場使用許可願の用紙を書き直して会場使用届として提出して食堂を使用し、さらに三月一日、二日及び三日にも組合は同様の会場使用届で食堂を使用した。これに対し、会社は、組合の食堂使用は無許可使用であるとして食堂から組合員の退去を求め、電灯を消したりしたため上記三月三日の分会大会は不成立に終った。 (3) 昭和五一年三月九日、組合は、食堂使用等について団体交渉を申し入れたが、会社は、三月一一日、組合がP1守衛から取り上げた記録用紙の返還と陳謝をすれば、事前の申入れにより支障のない限り使用を許可する旨回答し、団体交渉には応じなかった。 (4) 昭和五一年三月一八日、会社は、組合に対し、食堂使用の許可条件として①所定の会場使用許可願に使用目的、使用人数及び使用時間を明記して前日までに提出する 旨回答し、団体交渉には応じなかった。 (4) 昭和五一年三月一八日、会社は、組合に対し、食堂使用の許可条件として①所定の会場使用許可願に使用目的、使用人数及び使用時間を明記して前日までに提出すること、②千葉地本役員以外の入場については総務部長の許可を得ること、③排他的な使用をしないこと、④構内への入退場は会社諸規定を遵守することを文書で提示した。 (5) 昭和五一年三月二九日、組合は、上記会社の回答に対し、上記5の(14)の④ 認定のとおり会社に申し入れた。これに対し、会社は、四月四日、上記5の(15)の④ 認定のとおり回答した。 (6) 昭和五一年四月一三日、千葉地労委は、労働委員会規則第三七条の二の規定に基づき会社に対し、組合が組合会議又は職場大会もしくは分会大会等のため、会場使用許可願を提出して食堂の使用を申し入れた時は、会社が使用する場合を除きその使用を拒否しないことを勧告したが、会社はこれを拒否した。 三月以降も組合が会場使用届を会社に提出するのみで会社の許可を得ることなくして食堂を使用する状態が続いたことから、七月四日、新たに会社は、食堂の出入口に扉をつけ終業後は施錠したので、同日以降組合は食堂使用ができなくなった。 (7) 昭和五一年一〇月二〇日、上記5の(18)認定のとおり、組合は、千葉地労委に組合集会等に食堂を使用させることを求める救済申立てを追加した。 (8) 千葉地労委の和解勧告を受けて会社と組合は、上記5の(19)認定のとおり、昭和五二年七月五日から七月二七日までの間六回にわたり組合事務所の使用につき団体交渉を行い、その際、食堂使用についても話し合ったが、結局、食堂使用について、会社は、組合事務所問題が解決した後の問題であるとの主張を譲らず、団体交渉は打ち切られた。 8 組合加入状況の調査(1) 組合加入状況の調 、食堂使用についても話し合ったが、結局、食堂使用について、会社は、組合事務所問題が解決した後の問題であるとの主張を譲らず、団体交渉は打ち切られた。 8 組合加入状況の調査(1) 組合加入状況の調査に至る経過イ昭和五〇年四月二一日、会社は、豊四季事業所の従業員代表のP9との間にいわゆる三六協定を締結し、松戸労働基準監督署(以下「松戸労基署」という。)に届け出た。 ロ昭和五〇年六月五日、三六協定についての団体交渉が行われ、組合が、現在の協定は無効であると主張したのに対し、会社は、有効であるが、新しく結ぶについてはスケジュール残業のためよりも現在は突発的な残業が必要な時期であるため、弾力的に考えて一年か少くとも半年間の協定を主張した。組合は、残業に協力しないということではないが、現在は正常な労使関係ではないので、賃上げなどの問題が取り除かれるまでは、その都度協定する方法しか受け入れられないと主張し、労使の意見は対立した。 ハ昭和五〇年九月一八日、組合は、会社に三六協定の締結を要求し、一〇月一六日松戸労基署に現在結ばれている三六協定の代表者を選任したことがない旨の従業員の署名を集めて提出した。 ニ昭和五〇年一〇月二〇日、松戸労基署は、現在締結されている三六協定について、組合から異議が出ているから調査したいとして会社を訪れ、同月二二日、会社に対して従業員代表の選任方法に疑義があるとして是正を勧告した。 一〇月二七日、会社は、松戸労基署に現在の三六協定は有効である旨の上申書を提出し、その後も従業員に残業を行わせていた。 上記松戸労基署からの是正勧告後、会社と組合は三六協定締結について団体交渉を行ったが、会社は、組合が従業員の過半数を組織しているか否か不明であるとして、組合との三六協定の締結を拒否した。 ホ昭和五〇年一一月四日、会社は、 勧告後、会社と組合は三六協定締結について団体交渉を行ったが、会社は、組合が従業員の過半数を組織しているか否か不明であるとして、組合との三六協定の締結を拒否した。 ホ昭和五〇年一一月四日、会社は、三六協定を締結する上で組合が締結当事者としての適格があるか否かを知る必要があるとして、組合に組合員名簿の提出を求めたが、組合はこれを拒否した。 ヘ昭和五〇年一一月七日、会社は、松戸労基署から現行の三六協定の従業員代表は資格要件を欠くとして残業を中止するよう指示され、一一月九日残業を中止した。 トその後、会社は、上記5の(8)認定の一一月一一日の団体交渉の場において並びに同月一四日及び一八日には文書をもって、重ねて組合員名簿の提出を求めたが、組合からの提出がなかった。一一月一八日会社は、本社、豊四季、高松、土浦の各事業所で所属課長を通じて就業時間中、一斉に従業員全員に組合加入の有無を調査する下記照会票を配布し、記名式で即刻回答を求めた。同日組合は、このような会社の行為に対して、抗議のビラを配布するとともに、会社に対して組合への謝罪と照会票の引渡しを求める抗議文を出した。 会社が照会票を集計したところ、豊四季事業所では従業員の過半数以上の者が非組合員と回答していた。 照会票組合員名簿の提出は組合に対し再三に亘り申入れているにも拘らず、組合から組合員名簿は提出する必要はないとして拒否されております。 会社と致しましては、過半数の労働者の代表者と締結すべき三六協定の締結にも支障を来たしております。 この事情について松戸労働基準監督署に説明したところ、会社においてすみやかに調査し三六協定を締結されるよう指導されましたので次の通り各位に照会致します。 よって次の該当欄に○印をつけて一一月一八日迄に必ず所属課長を通じ会社に御提出して下さい。 、会社においてすみやかに調査し三六協定を締結されるよう指導されましたので次の通り各位に照会致します。 よって次の該当欄に○印をつけて一一月一八日迄に必ず所属課長を通じ会社に御提出して下さい。 なお本照会票は公表しません。 取締役社長 P11殿回答書私は 1 支部組合員であります。 2 支部組合員ではありません。 月日氏名印(2) 調査後の経過イ昭和五〇年一一月二一日、「三六協定を締結したいので下記の者を代表として選任します。」として非組合員P10ほか五名の氏名を記載した署名用紙が従業員に配られた。 同日、照会票の配布の件について団体交渉が行われ、会社は、三六協定を締結する以上は、組合員が従業員の過半数であるか否かを知る必要があり、組合に再三にわたり組合員名簿の提出を求めたが、組合は提出しなかったので、調査する以外に方法はなかったと述べた。これに対し、組合は、照会票の配布は不当労働行為であると主張し、双方対立したまま団体交渉は終った。 なお、同日組合は千葉地労委に対して、会社の組合加入状況調査について照会票の返還及び組合組織に対する介入行為の禁止を求める救済申立てを追加した。 ロ昭和五〇年一二月四日、会社は、非組合員であるP10ほか五名の従業員代表と三六協定を締結し、松戸労基署に届け出た。 ハ昭和五〇年一二月八日、松戸労基署は、会社が一一月一八日に照会票を配布した際、照会票の中に松戸労基署の名を使用したことについて注意書を会社に交付した。 翌日、会社は、松戸労基署から上記ロの三六協定は適法である旨の連絡を受けた。 9 組合旗の撤去(1) 組合は、昭和五一年春の賃上げ交渉中、千葉地本の組合旗など十数本の組合旗を豊四季事業所の正門に掲げた。 (2) 昭和五一年四月三〇日、会社は春の賃上げ交渉が妥結したので組合旗の撤 合旗の撤去(1) 組合は、昭和五一年春の賃上げ交渉中、千葉地本の組合旗など十数本の組合旗を豊四季事業所の正門に掲げた。 (2) 昭和五一年四月三〇日、会社は春の賃上げ交渉が妥結したので組合旗の撤去を組合に申し入れたが、組合は、食堂使用をめぐる問題などが残されているとして組合旗の撤去を拒否した。 五月二〇日、会社は、組合が組合旗を自主的に撤去しなければ会社が撤去する旨警告書を出したが、組合が撤去しなかったので、五月二五日の夜半ごろにこれを撤去した。 これに対し、組合は、柏警察署に窃盗事件として告訴したところ、六月七日、組合旗は柏警察署から組合に返還された。 なお、組合は、かつて、昭和五〇年春の賃上げ、夏季一時金及び年末一時金の交渉中に無断で組合旗を会社構内に掲揚したことがあったが、組合は交渉妥結後に撤去していた。 (3) 昭和五一年五月二七日、組合は、支援組合の桜井鉄工所支部等の組合旗を豊四季事業所内に掲げた。これに対し、会社は、組合に組合旗の撤去を通告し、六月一〇日、これを撤去した。その後会社は組合旗を直接組合に返還した。 10 千葉地本統一交渉団の入構拒否(1) 昭和五一年三月五日、組合は、三月九日を指定日として「労使間懸案事項」を交渉事項として団体交渉を申し入れたが、会社は、三月九日交渉事項の趣旨が不明確であると文書で回答した。 (2) 昭和五一年三月九日、組合は、上記3の(13)、5の(12)及び6の(7)認定のとおり、交渉事項を組合事務所設置の件、食堂使用及び組合備品の返却について、就業時間中の組合活動の件及び事業所ごとの団交の件として、改めて団体交渉を申し入れた。 ところが、同日、全国金属千葉地方本部統一交渉団(以下「千葉地本統一交渉団」という。)が約六〇名で突然会社を訪れたので、会社は事前に何の予告もなく、また、会社 して、改めて団体交渉を申し入れた。 ところが、同日、全国金属千葉地方本部統一交渉団(以下「千葉地本統一交渉団」という。)が約六〇名で突然会社を訪れたので、会社は事前に何の予告もなく、また、会社の同意もないとして団体交渉を拒否したところ、千葉地本統一交渉団員約六〇名は、会社構内に入り無断で食堂を使用したり、あるいはそのうちの数名が団体交渉申入れのため役員室におしかけるなどした。 (3) 昭和五一年三月一一日、会社は、三月九日の千葉地本統一交渉団の行動について、別途「警告書並びに通告書」を出して組合に次のように警告した。①就業時間中、千葉地本役員など一六名がP2委員長の指揮誘導により食堂に侵入したこと、②役員室のドアをたたき面会を強要したこと、③五時一〇分ごろ、部外者五七名が分会大会を開催すると称して食堂に集まり、退去を求めたP6庶務課長を一時間以上にわたって拉致拘束したこと、これらの行為は集団暴力行為あるいは不法侵入行為であるので、懲戒処分の対象となるというものであった。 そして、会社は、上記10の(2)認定の各交渉事項についてそれぞれ回答した。 (4) 昭和五一年三月一六日、組合は、春闘要求の回答確約の件を交渉事項として団体交渉を三月一九日に開くよう申し入れるとともに、組合側の団体交渉当事者は千葉地本統一交渉団である旨会社に通知した。これに対し、三月一八日、会社は、会社業務の都合を理由に団体交渉はできないと回答した。 三月一九日、千葉地本統一交渉団が会社に押しかけ、会社は正門を閉めてその入構を拒否した。 (5) 昭和五一年三月二四日、組合は、春闘要求の件を交渉事項として団体交渉を三月二五日に開くよう申し入れたが、三月二五日、会社は、交渉事項について検討中であるので団体交渉はできないと回答した。同日、会社を訪れた千葉地本統一交渉団の 、春闘要求の件を交渉事項として団体交渉を三月二五日に開くよう申し入れたが、三月二五日、会社は、交渉事項について検討中であるので団体交渉はできないと回答した。同日、会社を訪れた千葉地本統一交渉団の四名が会社構内に入り、会社受付ロビーでP6庶務課長と話し合ったが、結局、団体交渉は開かれなかった。 (6) 昭和五一年四月一三日に春闘要求についての会社の回答が出され、その後五回にわたり団体交渉が行われ、四月三〇日、会社回答どおり妥結した。 11 新入社員教育における組合誹謗(1) 昭和五〇年四月一日、会社は、P4(以下「P4」という。)を非常勤の顧問として迎えた。P4は、総務関係業務の相談にあずかるほか、社員教育が実施されるときには講師として講演を行っていた。 (2) 一〇月二九日、P4は、千葉県夷隅郡<以下略>の会社保養所で行われた高校卒新入社員教育の講師として講義をし、組合問題に言及した。 会社は、管理職に対する参考資料とするために、一一月七日、一八頁におよぶ上記講義の講義録を人事課長名で作成した。P4は、その中で、イ「全金という組織は政党色から言うと非常に左翼系の色彩をもったものです。」、ロ「全金という組織は……たとえばAという会社があり一〇〇名の従業員がいるとするとそのうちの数名をつり上げて地本に加盟する。そうすると……地本の執行部はA社の経営者に対して団体交渉権と団体行動権を委任されるという姿になります。」、ハ「全金という組織は誰と誰が組合員なのだと組合員名簿を提出してくれと言うと組合員名簿は提出できないと拒否する。……いわば非常に卑怯な男らしくないやり方をとっている。……そういうやり方で攻めてくるのが全金……のやり方で当社の労働組合もまさしく該当する。」、ニ「皆さん、現実の労使関係がどういう実相なのか……皆さんがどれだけ賢明に判断 しくないやり方をとっている。……そういうやり方で攻めてくるのが全金……のやり方で当社の労働組合もまさしく該当する。」、ニ「皆さん、現実の労使関係がどういう実相なのか……皆さんがどれだけ賢明に判断力を働かせるかということが問題です。」等と発言するなど講義録の大部分が組合問題に言及している。 12 一時金等の念書及び受領書配布(1) 昭和五〇年一一月五日、組合は、平均三・五カ月分の年末一時金の要求書を提出し、一一月一二日、一四日及び一八日を指定日としてそれぞれ団体交渉を申し入れた。この組合の申入れに対し、会社は、その都度、現在検討中であるから一一月二〇日までに文書で回答する旨回答するとともに一一月一二日には組合規約を、一一月一四日及び一八日には組合規約及び組合員名簿の提出をそれぞれ求め、団体交渉には応じなかった。 (2) 昭和五〇年一一月二〇日、会社は、平均二・五六カ月分を支給する旨の文書回答をしたが、あわせて「一一月二九日までに妥結しない場合は一二月一二日に支給できません。妥結後一四日以内に支給となります。」と申し添えた。 (3) 昭和五〇年一一月二一日、上記会社回答について団体交渉が行われたが、その冒頭、出席メンバーをめぐり、会社は、組合と合意した交渉員以外の者の出席は認められないとし、労使で話し合っていくのであれば、組合規約と組合員名簿を出してほしい旨主張したが、組合は、組合規約と組合員名簿は組合内部の問題であり、会社に出す必要はないと主張した。年末一時金については、労使双方の意見表明があった後、次回の団体交渉の中で継続協議していくことになった。 一一月二五日、二八日、二九日及び一二月三日に団体交渉が行われ、会社は、全社一丸となって業績の回復をしていかなければならないのであるから、一時金を支給するためには三六協定問題などについても解 た。 一一月二五日、二八日、二九日及び一二月三日に団体交渉が行われ、会社は、全社一丸となって業績の回復をしていかなければならないのであるから、一時金を支給するためには三六協定問題などについても解決してもらいたいと主張し、組合は、三六協定問題と一時金問題は別個の問題であると主張し、結局、一二月三日の団体交渉において、組合が会社回答で妥結できるか否か結論が出ないとしたことから、次回期日を一二月五日として終った。 (4) 昭和五〇年一二月五日、組合は、会社回答を受け入れる旨の通告をしたが、会社は、組合が三六協定の締結に応じなければ年末一時金を支給しないと主張したことから、妥結には至らなかった。 (5) 昭和五〇年一二月初旬、一〇〇名以上の従業員有志から年末一時金の慣行支給日である一二月一二日に年末一時金の支給を要望する署名が会社に提出された。そこで、会社は、従業員中大多数の者が非組合員であるから、何らかの方法でこれらの者に一時金を支給する必要があるとして、一二月九日、全従業員に会社提示の金額に異議がない旨の念書を配布し、一二月一二日、会社は、念書に署名した従業員(全従業員の九〇%)に対し、上記12の(2)認定の従業員一人平均二・五六カ月分の会社回答どおりの年末一時金を支給した。 (6) 昭和五〇年一二月一七日、会社は、「社員の皆様へ」と題する文書を出し、その中で、年末一時金についての組合との交渉経過を説明するとともに、三六協定の締結なくしては年末一時金の解決もありえない旨の主張をした。 (7) 昭和五〇年一二月一八日、組合と会社は年末一時金について妥結調印した。会社は、念書に署名しなかった組合員にも年末一時金を支給した。 (8) 昭和五一年三月中旬、組合は、春の賃上げ要求書を提出し、三月一九日及び三月二五日を指定日として団体交渉を申し入れたが、 調印した。会社は、念書に署名しなかった組合員にも年末一時金を支給した。 (8) 昭和五一年三月中旬、組合は、春の賃上げ要求書を提出し、三月一九日及び三月二五日を指定日として団体交渉を申し入れたが、会社は、団体交渉は行えない旨回答した。 三月二九日、会社は、組合の要求事項について現在検討中であるから四月二〇日までに回答するが、要求の趣旨説明のための団交であれば応ずる旨述べた。 (9) 昭和五一年四月一三日、会社は、春の賃上げについての最終回答をなし、賃上げは妥結月より実施する旨回答した。 (10) 昭和五一年四月一六日及び四月二一日、上記会社回答について団体交渉が行われたが、妥結には至らなかった。 この間、会社は、一般従業員から会社の給与支給日である四月二五日に賃上げ後の賃金支給の要望があるとして、「受領書」への署名押印を求め、署名押印した者に会社回答額どおりの賃金を支給することとした。 (11) 昭和五一年四月二五日ごろ、会社は、「受領書」に署名押印した従業員に対し、上記12の(9)認定の会社回答額による賃金を支給した。 (12) その後、組合は、会社が組合と妥結する以前に従業員に対し賃上げ後の賃金を支給したことについて、会社に抗議した。昭和五一年四月三〇日、会社と組合は、上記12の(9)認定の会社回答で妥結した。 13 組合脱退工作(1) 昭和五一年三月初旬、P7(以下「P7」という。)は、結婚の仲人を取締役P5(以下「P5取締役」という。)に依頼した。P5取締役は、仲人を引き受けたが、四月二六日の結婚式の直前の四月一九日になって、組合活動について話した際「組合活動を続けるなら仲人を断る。組合を脱退すると言っても言葉だけでは信用できないから退職届を書いてくれ。」と言った。そこで、P7は、その場で退職届を書いてP5取締役に渡し、翌日、組 いて話した際「組合活動を続けるなら仲人を断る。組合を脱退すると言っても言葉だけでは信用できないから退職届を書いてくれ。」と言った。そこで、P7は、その場で退職届を書いてP5取締役に渡し、翌日、組合に脱退届を提出した。 その後、P7は、会社を退職することなく再び組合に加入した。 (2) そのほか、会社が組合員の脱退工作等を行ったという事実は認められない。 14 組合規約、組合員名簿の提出要求会社は、上記5の(7)、(8)及び(12)、8の(1)のホ並びに12の(1)及び(3)認定のとおり、組合に対し、組合規約及び組合員名簿の提出を求めた。 第2 当委員会の判断 1 就業時間中の組合活動の範囲に関する団体交渉の拒否について会社は、初審命令が就業時間中の組合活動の範囲の件を交渉事項とする団体交渉の要求に応じなかったことは不当労働行為に当たると判断したことを不服として次のとおり主張する。すなわち、本件就業時間中の組合活動の範囲の件については、昭和五〇年五月一五日に行われた団体交渉において、その範囲を電話の取次ぎ、面会等については執行委員に限り認め、その他の組合活動については、連絡等最小限かつ緊急を要するときのみとすることで合意されている。この合意の解釈について、社外の組合活動は除外されているとか、合意もされていないとする余地がないことは、会社が、八月八日付け文書で社外の組合活動を認めず、賃金カットする旨を通知し、また、九月八日付け文書で具体的に社外の組合活動を行った者に対し、賃金カット及び欠勤扱い等とする旨を通知したことからみても疑う余地がない。 しかも、就業時間中の社外組合活動の件については、千葉地労委の勧告に基づき、一一月一一日に団体交渉が行われているほか、昭和五〇年秋闘要求及び年末一時金の団体交渉の中でも交渉を重ね、一二月一八日の しかも、就業時間中の社外組合活動の件については、千葉地労委の勧告に基づき、一一月一一日に団体交渉が行われているほか、昭和五〇年秋闘要求及び年末一時金の団体交渉の中でも交渉を重ね、一二月一八日の組合との秋闘要求に関する協定書中でも、就業時間中の社外における組合活動については、「会社が回答済みであると了解する。」として、会社が就業時間中における社外の組合活動を認めないことを組合も認識していることを表明しているのであるから、会社が同議題の本件団体交渉申入れを応諾する義務はないと主張する。 よって判断するのに、(1) 前記第1の3認定の就業時間中の組合活動の範囲に関する団体交渉の経緯からみれば、昭和五〇年五月一五日及び六月一〇日の団体交渉の中では、就業時間中の組合活動についてほぼ合意に達しているが、それは社内における組合活動の取扱いについてであって、後日問題となる社外における組合活動については、当時、労使双方にその認識がなく、この問題を特に取り上げて話合いが行われていたものとみることはできない。このことは、前記第1の3の(3)認定のように、会社が八月八日就業時間中の組合活動の範囲について組合に通知した文書の中ではじめて組合の社外における組合活動を問題とし、就業時間中の組合活動について今までの取扱いが不明確であったと認めていることからも窺われるのである。 (2) したがって、会社の組合に対する昭和五〇年八月八日付け社外の組合活動についての通知及び九月八日付けP2委員長ほか三名の処分通知に対し、組合が会社に対して行った九月九日及び九月一六日の社外組合活動賃金カットの件を交渉事項とした団体交渉の申入れは、会社の一方的な社外の組合活動に対する取扱い及び処分通知に対する新たな団体交渉の申入れとみることが相当である。 (3) そこで、社外の組合活動に 活動賃金カットの件を交渉事項とした団体交渉の申入れは、会社の一方的な社外の組合活動に対する取扱い及び処分通知に対する新たな団体交渉の申入れとみることが相当である。 (3) そこで、社外の組合活動についての話合いの実情をみるのに、会社は、組合の昭和五〇年九月九日及び九月一六日の団体交渉の申入れに対し、すでに合意された同一の事項を議題とする団体交渉の申入れであるとして、団体交渉に応じておらず、その後の団体交渉においても、前記第1の3の(9)ないし(12)認定のとおり、千葉地労委の勧告に基づき、一一月一一日、就業時間中の組合活動の範囲等について団体交渉が行われたが、会社は、組合活動は就業時間外に行うものであり、昭和五〇年八月八日付け文書の内容ですすめると主張し、組合は、就業時間中の組合活動を行ったときに賃金をカットされることはやむを得ないが、就業時間中の組合活動を認めて欲しいと主張し、話合いは平行線のまま終っている。また、組合の昭和五〇年秋闘要求について会社は、一一月二〇日、文書回答を行い、その中で就業時間中の組合活動の件については、昭和五〇年八月八日付け文書により回答済みであると回答し、その後の上記秋闘要求及び年末一時金の一連の団体交渉の結果同要求について協定を締結しているが、上記秋闘要求等の団体交渉は、年末一時金等についての話合いが主であり、就業時間中の社外組合活動について具体的に話合いが行われたとする疎明はない。もっとも、上記秋闘要求等の協定書には就業時間中の組合活動に関する事項については「会社が回答済みであることを組合は了解する。」とあるが、それは、会社が提出した昭和五〇年一二月三日開催の団体交渉議事録によって明らかなとおり、単に組合が会社の回答した文書を受けとったことを認めるというものであって、その内容である社外の組合活動について 、それは、会社が提出した昭和五〇年一二月三日開催の団体交渉議事録によって明らかなとおり、単に組合が会社の回答した文書を受けとったことを認めるというものであって、その内容である社外の組合活動についてまで了解したものであるとは認められない。 (4) したがって、本件社外における組合活動についての新たな組合の団体交渉申入れに対し、昭和五〇年八月八日一方的に組合に通知した内容をもって、既に回答ずみであるとして、また、一二月一八日秋闘要求等妥結協定書の文言を歪曲して主張し、団体交渉に応じない会社の態度は、正当な理由のない団体交渉拒否といわざるを得ず、会社の主張は採用できない。よって、初審命令がこれをもって労働組合法第七条第二号の団体交渉の拒否に該当すると判断したことは相当である。 2 人事異動に関する団体交渉の拒否について会社は、初審命令が組合の「人事異動の件」を議題とする団体交渉申入れについて、人事異動に関する約款を締結する意思はないこと等を理由として拒否したことは不当労働行為に当たると判断したことは不服として、次のとおり主張する。すなわち、組合は、昭和五一年八月一七日付けで、「人事異動の件」を議題とする団体交渉の申入れをし、それと同時に八月一日付けの人事異動につき一方的に行った旨の抗議をした。しかし、人事異動に関する約款の締結については、すでに昭和五〇年末ごろ話合いによりそれを棚上げすることで労使の合意をみている問題であり、また、八月一日付けの人事異動についても、昭和五一年一一月二五日の団体交渉において話合いが行われ、その中で組合自身、人事の問題は特定個人の問題ではないことを認めているのであるから、もはや、これにつき会社として積極的に応諾する義務はないと主張する。 よって判断するのに、(1) 前記第1の4の(4)ないし(6)認定のとおり 特定個人の問題ではないことを認めているのであるから、もはや、これにつき会社として積極的に応諾する義務はないと主張する。 よって判断するのに、(1) 前記第1の4の(4)ないし(6)認定のとおり、組合は、会社の昭和五一年八月一六日の人事異動の通知に対し、翌一七日「人事異動の件」として団体交渉を申し入れたところ、会社は、交渉事項の趣旨が不明確であるとして団体交渉に応じなかったので、さらに八月二三日に「八月一日付け人事異動の件」として改めて団体交渉を申し入れているのであるから、少なくともその時点においては、組合の八月一七日付け団体交渉の申入れは、八月一日付けの人事異動に関するもので、人事異動に関する約款の締結を求めるものでないことは明らかである。また、仮りに会社が主張するように交渉事項の趣旨が不明確であったとしても、団体交渉においてその点を質し、明確にすれば足りることである。しかるに、会社は、前記第1の4の(6)及び(7)認定のとおり、人事異動は会社の権限として行われるものであること、人事異動に関する約款を締結する意思がないこと、降格処分と言われるものはないこと、この件についてはすでに回答済みであるなどと文書で回答するのみで、組合の団体交渉申入れに誠意をもって応じていない。 (2) さらに、前記第1の4の(9)認定のとおり、昭和五一年一一月二五日千葉地労委のあっせんにより行われた団体交渉の中で、組合が問題点として指摘したことについて、誰が組合員であるか分からないので組合員名簿を出してほしい、人事異動に関する約款の締結の意思はないなどの主張を繰りかえすのみで、組合の申入れに具体的に答えようとせず、誠意を尽くして団体交渉を行っていない。 (3) 以上のとおり、本件人事異動に関する組合の団体交渉申入れに応じない会社の態度は、組合の申入れた交渉事 えすのみで、組合の申入れに具体的に答えようとせず、誠意を尽くして団体交渉を行っていない。 (3) 以上のとおり、本件人事異動に関する組合の団体交渉申入れに応じない会社の態度は、組合の申入れた交渉事項が抽象的であることに藉口した団体交渉拒否であると言わざるを得ない。ところで、本件の救済方法としては、上記の経緯にかんがみ、初審命令主文第一項を主文Iの5の(1)のとおりに変更する。 3 組合事務所設置・貸与に関する団体交渉の拒否について会社は、初審命令が組合事務所設置・貸与に関する団体交渉について、当初の約束を反古にし、組合が難色を示していた約一〇平方メートルのプレハブ建物の貸与という案を押しつける態度をとり続けた会社の姿勢は、誠意をもって団体交渉を行ったものとはいえず不当労働行為に当たると判断したことを不服として、次のとおり主張する。すなわち、本件組合事務所設置・貸与に関しては、昭和五〇年一一月一一日、昭和五一年四月八日、四月一三日及び昭和五二年七月五日以降行われた団体交渉において貸与協定に関する合意が成立し、貸与する組合事務所の広さ及び場所は、松林の中に会社がその費用を負担して建築する一〇平方メートルのプレハブ建物とすることで組合も実質的に同意しており、あとは組合が借りることを決断するか否かの問題が残されているだけであり、今後、団体交渉を継続して解決しなければならない事項は全く存しない。また、初審命令の内容は昭和五二年七月五日から同年七月二七日までの間に行われた団体交渉の経緯を全く無視したものである。 なお、組合は、上記組合事務所の貸与につき食堂使用の自由を条件としてはいるが、組合事務所の設置・貸与と食堂使用とは密接な関係があるとはいえ、不可分ではないのであるから、組合事務所の貸与に関する組合の決断のいかんと、食堂使用問題とは分離して考 使用の自由を条件としてはいるが、組合事務所の設置・貸与と食堂使用とは密接な関係があるとはいえ、不可分ではないのであるから、組合事務所の貸与に関する組合の決断のいかんと、食堂使用問題とは分離して考えるべきであると主張する。 よって判断するのに、組合事務所の設置・貸与については、前記第1の5認定に係る事実に照らすと、豊四季事業所の分を除き合意に達し、豊四季事業所の分についても、暫定的措置としてではあるが、同事業所第二事務棟地下二階営繕の向い側倉庫の一部約三〇平方メートルを仕切って組合事務所に充てる旨の話合いがまとまり、会社は昭和五〇年七月二日ごろまでに同倉庫内に別紙図面表示の斜線部分のような間仕切り工事を完成し、また、貸与条件についても、期間等一部を除いてはほぼ合意に達していたこと、ところが、同年七月三日組合が統一ストライキを行ったことを契機とし、かつ、組合が組合事務所貸与協定書に記名押印してそれを会社に渡す際、「調印した協定書にいう事務所とは暫定的なものであり、本事務所は、会社が当初提案した松林の中とし、その広さは約三〇平方メートルの独立の建物とする。」旨の覚書を協定書に添付したこと、及び、その後の団体交渉において組合側が組合事務所の設置・貸与の問題に食堂使用の問題をからませてきたことも副次的な機縁となって、会社の態度が大きく変わり、爾来、会社は、組合事務所の問題は組合自身で自主的に解決すべきものであって、会社としてはこの点の便宜供与は避けたいとか、組合側が難色を示していた約一〇平方メートルのプレハブ建物を建てて貸与する案に固執する(同建物をもって組合事務所とすることに組合も実質的に同意していた旨の会社の主張を裏付けるに足る疎明はない)等従前の話合いを反古にするような言動に終始するに至ったことを認めるのに十分であり、そのことは、労働 もって組合事務所とすることに組合も実質的に同意していた旨の会社の主張を裏付けるに足る疎明はない)等従前の話合いを反古にするような言動に終始するに至ったことを認めるのに十分であり、そのことは、労働組合法第七条第二号の団体交渉の拒否及び同条第三号の組合運営の介入に該当するものというべきである。 なお、会社は、完全な協定が成立していないにもかかわらず、初審命令が会社に対して組合事務所の貸与を命じたことは、労働委員会に与えられた裁量権の範囲を逸脱する不当な措置であると論難する。しかし、以上のような事実関係のもとにおいては、組合事務所の貸与を命ずることも、労働委員会に与えられた裁量権の正当な行使であるというべきである。 4 組合備品の撤去について会社は、初審命令が食堂内組合備品の撤去は不当労働行為に当たると判断したことを不服として次のとおり主張する。すなわち、会社は、組合が無断で食堂内に組合備品を持ち込んだことについて、それを会社のP6庶務課長と組合のP3書記長との事務折衝において合意したこともないし、また、黙認していたこともなく、組合の良識を期待して口頭で撤去を求めていたが、組合はこれに応じないばかりか、昭和五〇年一一月ごろにはキャビネットまで持ち込み、食堂の使用部分が広がってきたので、撤去通告後一二月二七日に組合備品を撤去した。その後組合のP3書記長に組合備品を会社構内に持ち込まないことを条件に組合備品を返還したが、組合は約束に反し、再度、食堂内に組合備品を持ち込んだので、撤去通告後これを会社が撤去した。これら会社による組合備品の撤去は、組合が会社の施設管理権を無視して組合備品を会社構内に持ち込むことを既成事実化しようとしたことから、会社が次第に強硬な姿勢を示さざるを得なくなったのである。さらに、組合が会社構内に組合備品を持ち込むこと 会社の施設管理権を無視して組合備品を会社構内に持ち込むことを既成事実化しようとしたことから、会社が次第に強硬な姿勢を示さざるを得なくなったのである。さらに、組合が会社構内に組合備品を持ち込むことに執着しているのは、五月一五日以来継続して行われてきた組合事務所設置・貸与に関する団体交渉を有利に解決する意図のもとになされたものであり、組合が合理的な理由がないのに会社提案に係る組合事務所を借りようとしないのは、食堂の一部が実質上組合事務所化しているためにほかならず、会社がかかる事態を容認しなければならない理由はないと主張する。 一方、組合は、食堂内の組合備品の撤去が不当労働行為に当たるとして次のとおり述べている。すなわち、組合は会社から組合事務所の貸与を受ける約束を得ていたので、組合結成通告以来、暫定的に組合備品を食堂の一角に置き、日常の組合活動を食堂において行い、しかも、会社は、これを黙認していたのであるから、何ら不当な会社施設の占拠ではない。にもかかわらず、会社は、昭和五〇年七月三〇日組合備品を組合に無断で持ち去り、また、一二月二七日ごろにも再度組合備品を持ち去った。しかも、昭和五一年四月一三日の千葉地労委が「組合用品を即時組合に返還し、組合事務所問題が解決するまで組合がこれを食堂の元の位置に保管し、かつ、従前どおりの使用を認めること」との勧告をしているのに、会社は、組合備品の撤去を行ない、組合活動を妨害したことは、正当な組合活動に対する不当な介入である旨主張する。 よって判断するのに、(1) 前記第1の6の(1)認定のとおり、組合は組合公然化直後から食堂内に組合備品を置き、そこで組合用務を行っており、また、前記第1の5の(1)認定のとおり、昭和五〇年五月一五日団体交渉において、会社と組合は、組合事務所を設置・貸与することを合意し 然化直後から食堂内に組合備品を置き、そこで組合用務を行っており、また、前記第1の5の(1)認定のとおり、昭和五〇年五月一五日団体交渉において、会社と組合は、組合事務所を設置・貸与することを合意していたことが認められる。しかしながら、六月初め組合のP3書記長と会社のP6庶務課長との事務折衝において、組合備品を食堂内に置くことを会社が認めたとの疎明はなく、また、前記第1の6の(2)認定のとおり、会社は、組合に対し口頭で食堂内の組合備品を撤去するよう申し入れているのであるから、組合が食堂内に組合備品を置いて日常の組合活動を行っていることを黙認してきたとまでは言えず、さらに、組合事務所が設置・貸与されるまでの間、食堂内に組合備品を置くことを会社が認めていたとの疎明もないから、これに反する組合の主張は採用できない。 (2) また、会社の具体的撤去行為についてみると、前記第1の6の(2)ないし(5)認定のとおり、昭和五〇年七月三〇日の組合備品の撤去に当っては、事前に口頭で撤去するよう組合に申し入れており、また、一一月ごろの食堂内へのキャビネット持込みに対しても口頭で注意し、さらに、さらに一二月二四日には文書をもって一二月二六日までに撤去するよう警告しているのである。もっとも、組合は、一二月二四日会社から撤去通告を受けた翌日、前記第1の5の(9)認定のとおり、組合事務所の件で団体交渉を求めており、また、組合が組合事務所の貸与を受ける約束を得ていたことをも考慮すれば、会社が上記の団体交渉に応じることなくその二日後に撤去したことは、いささか唐突であったといえなくもないが、前記第1の6の(6)認定のとおり、組合が今後食堂に組合備品を持ち込まないことを了承して返還を受けたにもかかわらず、再び食堂内に無断で組合備品を持ち込むという不信行為があったこと、しか くもないが、前記第1の6の(6)認定のとおり、組合が今後食堂に組合備品を持ち込まないことを了承して返還を受けたにもかかわらず、再び食堂内に無断で組合備品を持ち込むという不信行為があったこと、しかもその撤去に当たっては前記のように、予め通告等相当な手続きを経ていることをも勘案すれば、組合備品の撤去をもって敢えて会社の不当労働行為であると認めることは相当でない。 (3) なお、組合は、会社が昭和五一年四月一三日付けの千葉地労委の勧告に応じなかった点を非難するが、上記(2)認定のような事情のもとにおいては、組合の非難は当たらないものというべきである。 (4) 以上のとおり、会社が組合備品を撤去したことについては相当の理由があり、会社の行為を不当労働行為とすることはできず初審判断は取消しを免がれない。 5 組合集会等の食堂使用について会社は、初審命令が組合の集会等に食堂使用を認めなかったことは不当労働行為に当たると判断したことを不服として次のとおり主張する。すなわち、昭和五一年二月二七日の組合集会を不許可とし、それ以降も食堂使用を認めなかったのは、二月二三日、食堂で行われた組合の春闘学習会において、職務遂行中のP1守衛に対し、組合のP2委員長等が暴言をはき、多数の威力によって記録用紙を取り上げたことにある。会社がかかる違法行為を黙認すれば会社の施設管理ができないこととなるので、警告書を組合に交付して、今後かかる行為をしないことを誓約するよう申し入れたが、組合は事実を認めようとせず、依然会社の施設管理権を侵害し、食堂を排他的に使用してたのであるから、食堂の使用を許可しなかったのは当然であると主張する。 よって判断するのに、記前第1の7の(1)認定のとおり、豊四季事業所においては、従来、組合が許可願を提出して、支部大会及び分会大会のため食堂の 食堂の使用を許可しなかったのは当然であると主張する。 よって判断するのに、記前第1の7の(1)認定のとおり、豊四季事業所においては、従来、組合が許可願を提出して、支部大会及び分会大会のため食堂の使用許可を申し出た場合、会社は自らそれを使用する等特段の事情のない限りこれが使用を認めてきたこと、ところが、会社は昭和五一年二月二七日以降食堂の使用を認めないこととなったが、その認めない理由について、会社の主張するところは、それを肯認するに足る疎明がなく、却って、前記第1の7の(1)ないし(8)の認定のように、同月二三日、組合が会社の許可を得て食堂で春闘の学習会を聞いていたところ、その日に限り、P1守衛が学習会参加者の氏名を記録し、P2委員長らがそれに抗議するとともに記録した紙を渡すよう迫り、P1守衛がそれに応じて任意に記録した紙をP2委員長に手渡したことがあったが、会社は、P2委員長らの言動が会社業務に対する重大な妨害行為であるとして、組合に対し、以後かかる行為を繰り返さないよう警告するとともに、もし組合側がP1守衛の記録行為のようなものをもって組合に対する不当な介入であるとの主張を維持するのであれば、会社施設の使用は一切認めないと主張し、前述のように、同月二七日組合から提出された大会のための食堂使用の許可願を、組合がかかる主張を維持しているとの理由で不許可にし、爾来食堂の使用を一切許容していないのであり、初審命令が会社のかかる行為をもって労働組合法第七条第三号の組合運営に対する支配介入であると認めたことは相当であり、会社の主張は採用できない。 なお、豊四季事業所において、支部大会及び分会大会以外の組合の会議、集会等のために食堂の使用を認めるという食堂使用の許可範囲及び使用の方法については、前記第1の7の認定に照らしても、明確な協定が成立 なお、豊四季事業所において、支部大会及び分会大会以外の組合の会議、集会等のために食堂の使用を認めるという食堂使用の許可範囲及び使用の方法については、前記第1の7の認定に照らしても、明確な協定が成立していないこと明らかであるので、この点につき、さらに団体交渉を尽くさせる必要があるものというべきである。 6 組合加入状況の調査について会社は、初審命令が組合との三六協定を締結する必要から、組合加入の有無を調査したことは不当労働行為に当たると判断したことを不服として次のとおり主張する。すなわち、従業員の過半数を代表する者との協定による現行の三六協定が無効であるとの組合の申告に基づく松戸労基署の是正勧告により会社は残業を中止せざるを得ない状況にあるにもかかわらず、組合は、三六協定締結当事者は組合であると主張するのみで、積極的に組合員名簿を提出するとか、組織率を明らかにする等の挙に出なかったので、会社は、やむなく、組合が三六協定締結のために必要な過半数を組織しているか否かを知るため、照会票による調査を行ったのである。しかも、その方法も、組合員であるか否かについて○印で回答させる簡単なものであり、また、照会票の配布にあたっては、就業時間中に所属課長を通じて配布の目的を十分に説明し、照会票の提出についても、従業員の自主的判断に委ねて強制にわたることはなかったのであるから、照会票の配布による組合組織率の調査をもって不当労働行為とされる理由はないと主張する。 よって判断するのに、三六協定の締結に当たっては、労働基準法第三六条に規定されているとおり、労働組合と三六協定を締結する場合は、その組合員の氏名を明らかにする必要は必ずしもなく、労働組合が労働者の過半数を組織しているか否かを了知できれば足りるにもかかわらず、前記第1の8の(1)のホ及びト認定のと 三六協定を締結する場合は、その組合員の氏名を明らかにする必要は必ずしもなく、労働組合が労働者の過半数を組織しているか否かを了知できれば足りるにもかかわらず、前記第1の8の(1)のホ及びト認定のとおり、会社は、組合にその組織率を明らかにするよう求めることなく、ひたすら組合員名簿の提出を求めることにのみ終始したこと、また、前記第1の8の(1)のト認定のとおり、各事業所の所属課長を通じ就業時間中一斉に全従業員につき、組合加入の有無を調査し、しかも、照会票にはその調査があたかも松戸労基署の指導によるものであるかのような表現が使用され、記名式で回答を求めるなど、調査の方法が、会社の主張するように強制にわたることはなかったとしても、従業員に対し少なからぬ威圧感を与えたであろうことは推認するに難くないこと、以上のような諸事情からみれば、会社が照会票を配布した真の意図は、松戸労基署からの是正勧告及び残業の中止指示で残業を行えなくなった会社が三六協定の締結に藉口して組合員の氏名を知ることを目的として行ったものと推認することができ、かかる行為は、組合員に動揺を与え、組合の弱体化を図るものであって、労働組合法第七条第三号にいう組合の運営に対する支配介入に該当するものといわざるを得ず、これを不当労働行為であるとした初審判断は相当である。 7 組合旗の撤去について会社は、初審命令が会社構内に掲揚した組合旗を撤去したことは不当労働行為に当たると判断したことを不服として次のとおり主張する。すなわち、従来、賃上げあるいは賞与が妥結した時は、調印日までに組合は組合旗を撤去していたことから、会社は、昭和五一年の賃上げ交渉が妥結したので組合旗を撤去するよう申し入れたが、組合は食堂使用問題が未解決であることなどを理由に撤去に応じなかった。そこで文書をもって組合旗の無断掲 ていたことから、会社は、昭和五一年の賃上げ交渉が妥結したので組合旗を撤去するよう申し入れたが、組合は食堂使用問題が未解決であることなどを理由に撤去に応じなかった。そこで文書をもって組合旗の無断掲揚を警告し、撤去を通告した後に会社が自ら組合旗を撤去、保管したものであり、単に会社組合間に未解決の問題が続いていることだけを理由に会社が組合旗の掲揚を受忍すべきいわれはないと主張する。 よって判断するのに、前記第1の9の(2)認定のとおり、組合は、昭和五〇年の春の賃上げ、夏季一時金、年末一時金の各交渉中、会社に無断で会社構内に組合旗を掲揚しているが、しかし、そのいずれの時期にも会社は交渉中に掲げられた組合旗については、特段の意思表示をせず、また、組合も上記交渉妥結後には、自ら組合旗を撤去している。さらに、前記第1の9の(1)認定のとおり、昭和五一年春の賃上げ交渉中においても、組合が会社に無断で社内外から目につきやすい正門前に組合旗を掲揚したにもかかわらず、会社は従前と同様の態度に終始してきた。 ところが前記第1の9の(2)認定のとおり、組合が賃上げ交渉妥結後も組合旗の掲揚を続けていたので、会社は、昭和五一年四月三〇日組合旗の撤去を組合に申し入れたが、組合が、食堂使用問題等が未解決であるなど従前と異なることを理由にこれを拒否したので、会社は、組合に対し、組合旗の無断掲揚を警告し、撤去を通告する等相当の手続を踏んだ上で、約一カ月後の五月二五日にこれを撤去したのである。 以上のことからすれば、会社の上記組合旗の撤去をもって組合活動に対する不当な介入とまではいうことはできない。また、前記第1の9の(3)に認定する会社の組合旗撤去についても、上記判断と同様とみることができ、会社の主張には理由がある。 よって、上記判断と異なる初審命令は取消しを免れない いうことはできない。また、前記第1の9の(3)に認定する会社の組合旗撤去についても、上記判断と同様とみることができ、会社の主張には理由がある。 よって、上記判断と異なる初審命令は取消しを免れない。 8 千葉地本統一交渉団の入構拒否について会社は、初審命令が千葉地本統一交渉団の入構を拒否したことは不当労働行為に当たると判断したことを不服として次のとおり主張する。すなわち、千葉地本統一交渉団の会社構内への入構を拒否したのは、昭和五一年三月一九日だけであり、その理由は、三月九日部外者五七名を含む組合員が会社の許可なく会社構内において不法な行動を行ったことからこのような不法行為の再発を恐れ、その旨を告げて入構を拒否したもので何ら不当なことではないと主張する。 よって判断するのに、前記第1の10の(2)認定に係る千葉地本統一交渉団の三月九日の入構は、交渉団員約六〇名が突然会社を訪れ、無断で食堂を使用したり、そのうちの数名が役員室に押しかけたりして会社の施設管理権を侵害し、業務に支障を与える等不当なものといわざるを得ないものであった。そこで、会社は、前記第1の10の(4)認定のとおり、予め、三月一九日には業務の都合上団体交渉には応じられない旨を回答しているにもかかわらず、当日同統一交渉団が押しかけてきたので三月九日の不当な行動の再発を恐れてその入構を拒否したものである。 また、三月二五日の入構拒否ないし団交拒否についてみるのに、前記第1の10の(5)認定のとおり、会社は、予め、交渉事項については検討中であるので、その日には団体交渉に応じられない旨を回答していたにもかかわらず、千葉地本統一交渉団員四名が会社を訪れたが、会社は、入構を拒否することなく、受付ロビーでP6庶務課長が同人らと面談し、組合の要求事項についても、前記第1の10の(6)認 回答していたにもかかわらず、千葉地本統一交渉団員四名が会社を訪れたが、会社は、入構を拒否することなく、受付ロビーでP6庶務課長が同人らと面談し、組合の要求事項についても、前記第1の10の(6)認定のとおり、四月一三日回答を示し、その後組合と五回団体交渉を行い、四月三〇日には会社の回答どおり妥結しているのである。 したがって、会社が千葉地本統一交渉団の入構を拒否したり、組合の指定する日に団体交渉を行わなかったことが組合を敵視し、組合要求を無視したものとはいえず、会社の主張には理由がある。 よって、上記判断と異なる初審命令は取消しを免れない。 9 新入社員教育における組合誹謗について会社は、初審命令が新入社員研修におけるP4講師の発言は不当労働行為に当たると判断したことを不服として次のとおり主張する。すなわち、昭和五〇年一〇月二九日の新入社員研修においてP4講師が組合問題に触れたのは、研修生の質問に答えたもので、会社が同人に依頼したテーマは組合問題ではないから、同人の発言をとらえて会社の意を体し、会社のためになされたものとして会社に帰責する筋合いのものではない。また、組合提出の「講義録」なるものは一八頁にすぎないが、P4講師の使用した研修資料は別に作成されているのであるから、「講義録」の分量を基準に研修生の質問に対する回答でないとするのは不当であると主張する。 よって判断するのに、前記第1の11の(1)認定のとおり、昭和五〇年一〇月二九日の高校卒新入社員の研修において、P4講師の組合問題に言及した発言内容をみると「全金という組織は政党色からいうと非常に左翼系の色彩をもったものです。」、「全金という組織は……たとえばAという会社があり一〇〇名の従業員がいるとするとそのうちの数名をつり上げて地本に加盟する。そうすると…地本の執行部はA社 うと非常に左翼系の色彩をもったものです。」、「全金という組織は……たとえばAという会社があり一〇〇名の従業員がいるとするとそのうちの数名をつり上げて地本に加盟する。そうすると…地本の執行部はA社の経営者に対して団体交渉権と団体行動権を委任されるという姿になります。」、「全金という組織は…組合員名簿を提出してくれと言うと組合員名簿は提出できないと拒否する。…いわば非常に卑怯な男らしくないやり方をとっている。…そういうやり方で攻めてくるのが全金…のやり方で当社の労働組合もまさしく該当する。」など述べていることからすれば、たとえ研修生の質問に答えたものであったとしても、高校を卒業して間もない新入社員をして組合に対する不当な予断を抱かせるものであり、かつ、組合を誹謗したものであるといわざるを得ない。 また、P4講師の研修テーマが、本来は組合問題に関するものでなかったとしても、組合提出の「講義録」をみると、一八頁中の大部分が組合問題に言及しており、しかも、当該「講義録」は後日管理職の参考資料として作成されたものであること、P4講師は会社の顧問であり、同人の当該講義が新入社員研修の一環としてなされたものであることなどを併せ考えると、会社が高卒の新入社員研修の研修テーマとしてP4講師に直接には組合問題について依頼していなかったとしても、会社の顧問としての立場にある同人の発言は、結局、会社に帰責するものと言わざるを得ないからこれに反する会社の主張は採用できない。したがって、初審命令が本件について会社は、P4講師の発言を通じて、組合を誹謗し、組合の運営に支配介入したものと判断したことは相当である。 10 一時金等の念書及び受領書の配布について会社は、初審命令が一時金の念書及び受領書の配布は不当労働行為に当たると判断したことを不服として次のとおり主張す したものと判断したことは相当である。 10 一時金等の念書及び受領書の配布について会社は、初審命令が一時金の念書及び受領書の配布は不当労働行為に当たると判断したことを不服として次のとおり主張する。すなわち、昭和五〇年年末一時金に関し、組合と妥結できないまま推移し、非組合員から慣行支給日の昭和五〇年一二月一二日に支給するよう求められ会社としては、組合員以外の者で会社回答額を承諾する者には、組合との交渉が妥結するまで支給を待たせることができない状況にあったこと、しかし、組合に組合員名簿の提出を求めても組合からはその提出がなく、したがって、誰が組合員であるかを特定できなかったので、会社回答額に異議がないか否かを確認する方法として、一二月九日に会社支給額に異議なく受領する旨の念書を全従業員に配布したにすぎないのである。また、念書等の配布について、組合が救済を求めたのは、昭和五〇年年末一時金支給時の念書の配布のことだけであるのに、初審命令が昭和五一年の賃上げ、夏季一時金支給時の受領書の配布についてまで不当労働行為であるとしたことは不当であると主張する。 よって判断するのに、会社主張のように、組合員以外の従業員に対しては、組合との交渉が妥結するまで一時金等の支給を待たせることができなかったとしても、一時金等を支給するにつき非組合員と組合員とを区別すべき合理的理由がないばかりでなく、一時金等を受領した者について受領の事実を証するためにも、本件念書又は受領書以外に方法がないわけではないにもかかわらず、しかも、前記第1の8並びに12の(1)、(3)及び(4)認定のとおり、三六協定締結資格の問題に関し組合との間に組合員名簿の提出をめぐる紛争が生じている時期に、敢えて、会社が組合員を含む全従業員に対して本件念書又は受領書を配布し、一時金等を受領する者 )認定のとおり、三六協定締結資格の問題に関し組合との間に組合員名簿の提出をめぐる紛争が生じている時期に、敢えて、会社が組合員を含む全従業員に対して本件念書又は受領書を配布し、一時金等を受領する者に対してそれに署名押印して提出させたことは、組合加入の有無を確認し、それによって組合員に不安動揺を与え、組合の弱体化を図るものであって、労働組合法第七条第三号の組合の運営に対する支配介入に該当するといわざるを得ず、会社の主張は採用できない。 ただし、昭和五一年夏季一時金の支給時に組合員を含む従業員に対し、受領書を配布した点については、それを認めるに足る疎明がないので、これを不当労働行為であるとした初審判断は失当であり、取消しを免れない。 11 組合脱退工作について会社は、初審命令が組合脱退工作を行ったと判断したことを不服として次のとおり主張する。すなわち、組合の主張する昭和五〇年八月ごろからの会社職制による組合員の自宅招待又は飲食店における饗応による脱退工作並びに鶴岡分会員及びサービス分会員の脱退届書式等の問題については、いずれも推測の域を出ないものである。また、会社のP5取締役が組合員P7の結婚に関していったん引き受けた仲人を辞退したのは、組合の主張するように組合脱退工作の一環として行ったものではなく、P5取締役の立場上から、労使関係が紛糾している時期に組合員の仲人をすることは誤解を与えるとの配慮に出たものであって、P7が組合を脱退したのは、同人においてP5取締役の仲人辞退という不祥事を避けるために行った自発的な行為にすぎないものであると主張する。 よって判断するのに、(1) 会社主張のうちP5取締役のP7の結婚仲人に関する問題についてみると、当時は、上記3ないし5判断のとおり組合事務所設置・貸与、食堂使用及び組合備品の撤去をめぐる紛 。 よって判断するのに、(1) 会社主張のうちP5取締役のP7の結婚仲人に関する問題についてみると、当時は、上記3ないし5判断のとおり組合事務所設置・貸与、食堂使用及び組合備品の撤去をめぐる紛争があり、必ずしも労使関係が安定していたとは認められない。しかしながら、前記第1の13の(1)認定のとおり、P5取締役は昭和五一年三月初旬にP7から結婚の仲人の依頼を受け、それを承諾していたにもかかわらず、四月二六日の結婚式の間近である四月一九日になり、P7に対し「組合活動を続けるなら仲人を断る。組合を脱退すると言っても言葉だけでは信用できないから退職届を書いてくれ。」と述べたことから、P7は結婚式が間近に迫っていたこともあり、やむを得ず組合に脱退届を提出し現実に組合を脱退したのである。 (2) 以上のような経過からみると、P5取締役が一旦引き受けた仲人役を辞退すると述べたことは、たとえ、労使関係が安定していなかった時期であり、また、立場上誤解を受ける恐れがあったとしても、同人の仲人役辞退の言動を契機として、結局、P7が組合を脱退したものと認められるから、昭和五一年四月一九日におけるP5取締役の言動は、四月二六日に迫ったP7の結婚式に藉口し、同人をして組合を脱退させるべく圧力をかけ、組合脱退届を書かせ、一時的にもせよ、組合を脱退させたものといわざるを得ず、会社の主張は採用できない。 (3) しかし、上記P5取締役の言動のほか、会社職制が組合員を饗応等して組合脱退を勧誘したり、鶴岡分会員及びサービス分会員に対して組合脱退工作を行ったとする点についてはそれを認めるに足る疎明がなく、いずれも、伝聞又は推測の域を出るものではない。 (4) 以上のとおり、会社職制の組合脱退勧誘並びに鶴岡分会員及びサービス分会員の組合脱退等については、会社の組合脱退工作があ 認めるに足る疎明がなく、いずれも、伝聞又は推測の域を出るものではない。 (4) 以上のとおり、会社職制の組合脱退勧誘並びに鶴岡分会員及びサービス分会員の組合脱退等については、会社の組合脱退工作があったとは認められないが、P7に対するP5取締役の言動については、組合脱退勧奨行為といわざるを得ないので、本件について初審命令が会社の組合運営に対する支配介入であるとした判断は相当である。 12 その他の救済申立てについて組合は、さらに、会社が食堂の使用を認めないことによって組合の各種集会を妨害し、また、組合が組合事務所の貸与、昭和五〇年年末一時金の支給、昭和五一年八月一日付け人事異動の件等について団体交渉を申し入れても、組合に対して組合規約及び組合員名簿の提出を要求したり、また、組合がその提出をしないことを理由として交渉に応じないので、これらの点についても、相当の救済を求めるというのである。 しかし、集会妨害の点については主文Iの4により、また、その余の点については主文Iの2及び5によって申立ての目的を達することができるので、重ねて救済を与える必要はない。 それ故、これと異なる初審命令を主文のとおり変更する。 よって、労働組合法第二五条及び第二七条並びに労働委員会規則第五五条の規定に基づき、主文のとおり命令する。 昭和六二年五月二〇日中央労働委員会会長P25印別紙図面豊四季事業所第2事務棟地下2階<03475-002>別紙図面豊四季事業所(現中央研究所)<03475-003>
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