昭和41(う)333 準強姦被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和41年8月31日 福岡高等裁判所
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判決文本文1,479 文字)

主文 本件控訴を棄却する。当審における未決勾留日数中一〇〇日を原判決の刑に算入する。理由 本件控訴の趣意は、弁護人斉藤鳩彦提出の控訴趣意書及び同補充書記載のとおりであつて、これに対する当裁判所の判断はつぎに示すとおりである。(一) 事実誤認の点について所論は、要するに本件被害者Aは心神喪失の状態にあつたものでなく、かりに心神喪失の状態にあつたとしても被告人は当時右事情を知らず心神喪失に乗じて姦淫したものではないから、被告人の本件所為を準強姦と認定した原判決は事実を誤認したものであるというのである。<要旨>よつて審按するのに、原判決の挙示引用にかかる証拠によればAは昭和二六年三月一日生れで、本</要旨>件当時まだ満一四才八ケ月であり、当時八代市立B中学校第三学年特殊学級に在学中であつたこと、同女の鈴木ビネー式(個人)による知能指数は五二、精神年令は六年一〇月、生活年令は一三年三月であること、同女は常に不安定な精神状態で、行動に統一性がなく、判断力もなく、衝動的で、生活にしまりがなく、自主性をかき、他人にだまされ易い性格であること、同女の初潮は昭和四〇年四月頃で、性本能は発達していてもまだ正常な性知識をもたず、性的差恥心もなかつたこと、当時同女は家の者を嫌つていて、同年二月頃から本件に至るまで何回も被告人と会つており、被告人になついていたこと、被告人は同女の言動から頭のおかしいことを知つていたことが認められ、以上を綜合すると、Aは当時正常な判断力を有せず、特に外部からの影響を蒙り易い強度の精神薄弱(痴愚)の状態にあつたものというべきであり、同女が本件姦淫について通常の社会生活上信頼され得る同意を与えたとは到底認められないのであつて、被告人もそのことを当然知つていたと認められ 強度の精神薄弱(痴愚)の状態にあつたものというべきであり、同女が本件姦淫について通常の社会生活上信頼され得る同意を与えたとは到底認められないのであつて、被告人もそのことを当然知つていたと認められる。 り易い強度の精神薄弱(痴愚)の状態にあつたものというべきであり、同女が本件姦淫について通常の社会生活上信頼され得る同意を与えたとは到底認められないのであつて、被告人もそのことを当然知つていたと認められ 強度の精神薄弱(痴愚)の状態にあつたものというべきであり、同女が本件姦淫について通常の社会生活上信頼され得る同意を与えたとは到底認められないのであつて、被告人もそのことを当然知つていたと認められる。そうすると、被告人が右認定のような精神状態にあるAを姦淫した本件所為は、まさに刑法第一七八条にいう人の心神喪失に乗じて姦淫したものと解するのが相当であり、これと同旨に出た原判決に所論のような事実誤認の違法はない。論旨は理由がない。(二) 量刑不当の点について所論は、要するに原判決の刑の量定は重きに過ぎ不当であるというのである。しかし、記録並びに証拠に現われている本件犯罪の動機、態様、罪質、被害の状況、犯罪後の情状、被告人の性格、素行、年令、経歴、前科歴その他諸般の情状にてらし、所論の被告人に有利な諸点を参酌考量しても、原判決の刑の量定は相当であつて、所論のように重きに過ぎるものとは認められない。論旨は理由がない。よつて、刑事訴訟法第三九六条により本件控訴を棄却し、未決勾留日数の本刑算入につき刑法第二一条、訴訟費用の負担免除の点につき刑事訴訟法第一八一条第一項但書を適用して、主文のとおり判決する。(裁判長裁判官柳原幸雄裁判官至勢忠一裁判官武智保之助)

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