- 1 -令和4年8月22日判決言渡令和4年(ネ)第10010号商標権侵害行為差止等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所令和2年(ワ)第1494号)口頭弁論終結日令和4年6月1日判決控訴人 X同訴訟代理人弁護士田辺信彦植松祐二松原香織北村恵眞被控訴人 Y1被控訴人 Y2上記両名訴訟代理人弁護士大口昭彦勝又祐一上記両名補佐人弁理士神保欣正 主文 1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実及び理由 用語の略称及び略称の意味は、本判決中で改めるほかは、原判決に従うものとする。また、原判決の引用部分の「別紙」を「原判決別紙」と読み替える。 第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人らは、武道に関する宣伝用のウェブサイトに原判決別紙被告標章目録1記載の標章を付して電磁的記録により提供し、又は武道に関するめくり若しくは宣伝用のパンフレット等の広告物に同目録1及び2記載の標章を付して展示若し - 2 -くは頒布してはならない。 3 被控訴人らは、武道の教授、普及、演武その他これらに関連する活動において、原判決別紙被告標章目録1及び2記載の表示を使用してはならない。 4 訴訟費用は第1審、第2審とも被控訴人らの負担とする。 第2 事案の概要等 1 事案の概要(1) 本件は、剣術の小野派一刀流の宗家であると主張する控訴人が、被 の表示を使用してはならない。 4 訴訟費用は第1審、第2審とも被控訴人らの負担とする。 第2 事案の概要等 1 事案の概要(1) 本件は、剣術の小野派一刀流の宗家であると主張する控訴人が、被控訴人らに対し、次の各請求をする事案である。 ア被控訴人らによる標章の使用が、次のとおり、「小野派一刀流」の文字からなり第41類「剣道を主とする古武道の教授」を指定役務とする控訴人の登録商標(本件商標)に係る商標権を侵害するもの(商標法37条1項)であると主張して、被控訴人らによるウェブサイト、めくり、パンフレット等における標章の使用差止めを求める請求(前記第1の2に係る請求)(ア) 被控訴人らが、日本古武道振興会(古武道振興会)のウェブサイトにおいて「小野派一刀流剣術」(原判決別紙被告標章目録1)の標章を使用したこと(本件標章使用①)は、指定役務又はこれと類似する役務の広告に標章を付して電磁的方法により提供する行為(商標法2条3項8号)に当たる。 (イ) 被控訴人らが、古武道大会における演武の際のめくりやパンフレットにおいて「小野派一刀流剣術」及び「小野派一刀流」(原判決別紙被告標章目録1及び2)の各標章(以下、併せて単に「被告標章」ということがある。)を使用したこと(本件標章使用②)は、指定役務又はこれと類似する役務の提供の用に供する物に標章を付したものを役務の提供のために展示し、また、役務に関する広告に標章を付して頒布する行為(商標法2条3項5号・8号)に当たる。 イ被控訴人らによる本件標章使用①及び②(本件標章使用)が、主位的には、控訴人の周知な商品等表示である原判決別紙原告商品等表示目録記載の標章(原告標章)と同一又は類似の商品等表示の使用に当たり、控訴人の営業と混同を生じさ - 3 -せる不正競争行為(不正競争 控訴人の周知な商品等表示である原判決別紙原告商品等表示目録記載の標章(原告標章)と同一又は類似の商品等表示の使用に当たり、控訴人の営業と混同を生じさ - 3 -せる不正競争行為(不正競争防止法2条1項1号)に当たるとして、不正競争防止法3条1項に基づき、予備的には、控訴人が代表する法人格のない団体である「小野派一刀流」の名称権に基づき、武道の教授等の活動における被告標章の使用差止めを求める請求(前記第1の3に係る請求)(2) 原審は、前記(1)アの請求について、本件標章使用①については、保存振興の対象とされている古武道の流派の名称を掲げたものにすぎず、本件標章使用②については、演武される流派等の名称を表示するものにすぎず、いずれも商標的使用には当たらないと判断するとともに、前記(1)イの請求のうち不正競争防止法に基づくものについては、同様に、本件標章使用につき、「商品等表示」の「使用」に当たらず、また、原告標章につき、「小野派一刀流」の名称は、継承した流派の名称を示すにとどまり、剣道の教授に係る周知な営業を表示するものとして使用されたとは認められないから、控訴人の周知な商品等表示を認めることはできず、不正競争行為は認められないと判断し、さらに、前記(1)イの請求のうち名称権に基づく請求については、そもそも、控訴人が代表し、その名称を「小野派一刀流」とする団体の存在を認めるに足りず、仮にその存在が認められたとしても控訴人個人の資格でその権利を行使し得るものではないと判断して、控訴人の請求をいずれも棄却した。 (3) 原判決を不服として、控訴人が控訴を提起した。 2 前提事実次のとおり改めるほかは、原判決の「事実及び理由」中の「第2 事案の概要」の2に記載するとおりであるから、これを引用する。 (1) 原判決2頁25行 して、控訴人が控訴を提起した。 2 前提事実次のとおり改めるほかは、原判決の「事実及び理由」中の「第2 事案の概要」の2に記載するとおりであるから、これを引用する。 (1) 原判決2頁25行目の「津軽藩主に伝えられた」を「津軽藩主にも伝えられたとされる」に、3頁1行目の「津軽藩主家においても」を「小野家と津軽藩主家において」にそれぞれ改める。 (2) 原判決3頁4行目末尾の次に改行して、次のとおり加える。 「もっとも、小野派一刀流は、津軽藩主家や山鹿家に伝えられたとされるほかに - 4 -も、江戸時代、小野家や弟子らによって幕藩体制下の多くの藩に伝えられるなどし、江戸時代から明治時代にかけて、津軽藩主家や山鹿家に伝えられた系統とは異なる様々な分派が創始され、「一刀流」に「忠也派」、「中西派」などを付する形で伝えられ、現在に至っているが、その中には「小野派一刀流」を自称してきたものもある。(甲13の1の1、甲13の2・3、甲31の1、乙11、12の2~4、乙13、14、15の1~3、乙37、38の1・2、乙39の1、乙40、41、乙42の2・7・13・18、乙43の2の1~10、乙46の1~7、乙47~50、弁論の全趣旨)」(3) 原判決3頁8行目~9行目の「A(第6代)の9代後である」を「Aの道統を継承する」に、同頁12行目の「衆議院及び参議院議員を20年以上」を「衆議院議員又は参議院議員を計20年以上」にそれぞれ改める。 (4) 原判決4頁1行目の「Bと離反し」を「Bとの間の溝を深め」に改める。 (5) 原判決4頁15行目の「Bが遺した」から16行目の「基づき」までを「Bの公正証書遺言(甲14)の付言事項に従い、B作成の「礼楽堂に関する遺言書」と題する書面(甲15)に示された意向を踏まえ」に、同頁20行目及び24 目の「Bが遺した」から16行目の「基づき」までを「Bの公正証書遺言(甲14)の付言事項に従い、B作成の「礼楽堂に関する遺言書」と題する書面(甲15)に示された意向を踏まえ」に、同頁20行目及び24行目の各「神夢想林崎流」をいずれも「神夢想林崎流居合術」にそれぞれ改め、5頁1行目の「被告Y1に対し」から5行目の「決定をした」までを「前記「礼楽堂に関する遺言書」と題する書面の内容を踏まえ、①被控訴人Y1に対しては、「直元流大長刀術」については宗家として、「小野派一刀流」及び「神夢想林崎流居合術」については被控訴人Y1の修行内容や古武道振興会主催の演武大会への参加実績等を考慮して代表者として、それぞれ受継を承認するとともに、②Cに対しては「神夢想林崎流居合術」について宗家として、原告に対しては「小野派一刀流」について宗家として、それぞれ受継届を受理し、いずれも古武道振興会には新規入会をするという形で取り扱う旨を決定した」に、同頁6行目~7行目の「代表会員とする旨の」を「自らを小野派一刀流等3流派全ての代表者とする旨の」に、同頁11行目の「小野派一刀流等四流派」を「小野派一刀流等4流派」にそれぞれ改める。 - 5 -(6) 原判決5頁16行目の「甲12」を「甲1」に改める。 (7) 原判決6頁9行目、21行目及び22行目の各「靖国神社」をいずれも「靖國神社」に、同頁14行目及び17行目の各「無双」をいずれも「夢想」に、同頁15行目の「D」を「D’」に、同頁17行目の「これを一覧したページ」を「参加流派の一覧を掲載したページ」に、同頁26行目の「下賀茂神社」を「下鴨神社」にそれぞれ改め、7頁2行目の「パンフレットには」の次に「、「小野派一刀流剣術」について」を加える。 3 争点及び争点に関する当事者の主張次のとおり改め、後記4 目の「下賀茂神社」を「下鴨神社」にそれぞれ改め、7頁2行目の「パンフレットには」の次に「、「小野派一刀流剣術」について」を加える。 3 争点及び争点に関する当事者の主張次のとおり改め、後記4のとおり当審における控訴人の補充主張を加えるほかは、原判決の「事実及び理由」中の「第2 事案の概要」の3及び「第3 争点に関する当事者の主張」にそれぞれ記載するとおりであるから、これを引用する。 (1) 原判決7頁12行目の「周知どうか」を「周知かどうか。」に、同頁13行目の「本件請求」を「差止請求」にそれぞれ改める。 (2) 原判決8頁21行目の「被告ら行為②」を「本件標章使用②」に改め、9頁3行目の「あるから」の次に「被控訴人らの主張は」を加え、同頁17行目の「本件ウェブページの」を「本件ウェブページにおける」に改める。 (3) 原判決10頁22行目の「修練であり」の次に「、かつ」を加え、11頁7行目~8行目の「被告らの活動」を「被控訴人らのする古武道の演武」に、同頁11行目~12行目の「被告らの活動は、差止めの対象となる」を「被控訴人らのする古武道の演武は、」に、同頁18行目の「束修・入門料、謝等」を「束脩・入門料、月謝等」に、同頁19行目の「旧師」を「E」に、12頁4行目の「商標の効力が」を「本件商標に係る商標権の効力は」に、同頁23行目の「本件標章使用は」を「被控訴人らによる演武は」にそれぞれ改める。 (4) 原判決13頁15行目の「本件商標」を「本件商標に係る商標権」に、同頁22行目の「流儀など」を「流儀などを」にそれぞれ改める。 (5) 原判決15頁25行目の「法の目的」を「同法の目的」に改める。 - 6 -(6) 原判決16頁4行目の「周知かどうか」の次に「。」を加える。 (7) 原判決17頁23行目の「『一刀流 ) 原判決15頁25行目の「法の目的」を「同法の目的」に改める。 - 6 -(6) 原判決16頁4行目の「周知かどうか」の次に「。」を加える。 (7) 原判決17頁23行目の「『一刀流極意』」を「「一刀流極意」」に、18頁14行目の「古武道協会」を「日本古武道協会(以下「古武道協会」という。)」に、19頁7行目の「日本武道館」を「財団法人日本武道館(当時。現在の公益財団法人日本武道館。以下、公益認定の前後を通じて「日本武道館」という。)」に、同頁25行目の「ウェブサイトも」を「ウェブサイトでも」に、同頁26行目の「表示している」を「表示されている」に、20頁15行目の「一刀流は」を「一刀流については」にそれぞれ改める。 4 当審における控訴人の補充主張(1) 争点1(本件標章使用が商標法2条3項の「使用」に当たるか。)についてア 「小野派一刀流」が当該流派を継承する集団(団体)の名称でもあること次のとおり、「小野派一刀流」の流派名は、小野派一刀流の流派の教え・系統を指すとともに、宗家を長とし門人によって構成される本流流派を継承する集団(団体)を指す固有名詞であり、両者は密接不可分の関係にある。小野派一刀流は、現在まで宗家を長とし門人によって構成される集団(団体)において継承され、これが需要者たる古武道界及び剣道界で周知性を有している。そのため、流派の教え・系統のみを指す趣旨で「小野派一刀流」の流派名を使用する場合であっても、教え・系統を継承する集団(団体)たる「小野派一刀流」を想起させ、さらには正統を継承し小野派一刀流を統率する宗家をして教え・系統の出所として想起させることとなる。したがって、「小野派一刀流」を古武道の流派の名称やその特徴的な形を意味するものとして用いる限りは需要者が提供される役務の出所を認識し得る 率する宗家をして教え・系統の出所として想起させることとなる。したがって、「小野派一刀流」を古武道の流派の名称やその特徴的な形を意味するものとして用いる限りは需要者が提供される役務の出所を認識し得るような使用態様に当たらないとの原判決の判断は、誤りである。 (ア) 日本の伝統芸能における「流派」の意義古来(特に江戸時代)、日本では家制度により家業(技能)を継承していたところ、明治期以降も伝えられてきた伝統芸能においては、この慣習を維持し、家元や宗家が代々その正統を継承し、流派一門の中心・代表として各流派の流儀を普及する活 - 7 -動を行ってきた。そのため、日本の伝統芸能において、「流派」という言葉は、流儀の違いによるそれぞれの系統を指すのみならず、家元・宗家を長とし門弟や名取によって構成される当該系統を継承する集団をも指すもので、流儀の違いによるそれぞれの系統は、家元・宗家を長とする当該集団に継承されるものであるから、系統と集団とは密接不可分の関係にあり、流派の名称によってその双方が想起される。 (イ) 古武道における「流派」の意義古武道も、前記(ア)の伝統芸能と同じく、家業として継承されてきた。古来、古武道では、一子相伝、唯授一人の制度によって流儀(流派)の相続がされてきたもので、正統は一人に限って相続せしめ、これを証するため、特別の伝書、相伝の刀剣、古文書などの物的証拠又は極秘の形などの伝授がされた。 宗家は、次期宗家選定と相伝、弟子の取立てと当該修錬度に応じた免許付与、破門等の広範かつ強大な権限を有するところ、前宗家から指名され唯授一人で就任した新宗家は、歴代宗家が脈々と護持相伝してきた流派の名称、形、流儀、実績や権威を含む道統に係る精神、秘伝等ことごとくを書伝又は口伝等で引き継ぎ、宗家制の根幹である弟子取立て 指名され唯授一人で就任した新宗家は、歴代宗家が脈々と護持相伝してきた流派の名称、形、流儀、実績や権威を含む道統に係る精神、秘伝等ことごとくを書伝又は口伝等で引き継ぎ、宗家制の根幹である弟子取立て、破門等のほか、師弟同行して流祖の信念と術技を正しく伝承する責任と権限を有する。 明治期以降、流派の権威が往時に比べて薄れていったとはいえ、現在でも、流派は流祖の教え・系統を正しく伝えるもので、宗家はその代表者であるというのが古武道界の常識である(甲13の1の2の17頁。なお、このことは、古武道に淵源を持ち密接な関係を有し、需要者の多くを共通とする剣道界にあっても常識であるといえる。)。流派とは、単にその古武道の型・やりよう(体技)のみをいうのではなく、体技、心術、哲理、道義の一体化した教え・系統(甲31の7頁)をいうとともに、これを作り上げ継承してきた宗家を長とし門人によって構成される集団をも指し、両者は密接不可分の関係にある。 したがって、前記(ア)の伝統芸能と同様、古武道においても、流派の名称は、その流派の教え・系統と、宗家を長とし門人によって構成される当該教え・系統を継承す - 8 -る集団との両方を想起させる(甲106の1・2、甲107、108参照)。 (ウ) 「小野派一刀流」の流派名の意義「小野派一刀流」も、次のとおり、前記(イ)と同様、流派の教え・系統と、宗家を長とし門人によって構成される当該教えを継承する集団(団体)とを指す固有名詞であって、両者は不可分の関係にある。 a 「小野派一刀流」は、次のとおり、現に宗家を長とし門人によって構成され、教え・系統たる小野派一刀流を継承する集団を指す固有名詞として使用されている。 外部者から見て、宗家を長とし門人によって構成され、小野派一刀流の教え・系統を継承する集団が「小野 門人によって構成され、教え・系統たる小野派一刀流を継承する集団を指す固有名詞として使用されている。 外部者から見て、宗家を長とし門人によって構成され、小野派一刀流の教え・系統を継承する集団が「小野派一刀流」と呼称されているとともに、当該集団(団体)を統率する宗家も当該集団(団体)を「小野派一刀流」と呼称しているところである。 (a) 昭和57年に古武道協会と日本武道館とが日本古武道演武パリ大会を開催するに当たり、「小野派一刀流」に演武者の派遣等協力方を依頼し、当該協力に対する感謝状を「小野派一刀流」に献呈した(甲106の1・2)。 (b) 古武道協会が編集した我が国における古武道の解説書である「日本古武道総覧」(甲13の1の1)における「小野派一刀流剣術」の紹介記事では、Bが宗家として記載されているほか、創始者からBに至る本流承継図が掲載されており、また、当時の門弟数が約150名で、免許皆伝者が20名であったことも記載されている。 (c) 古武道協会の機関誌である「日本古武道協会四十年史」(甲53)における「小野派一刀流剣術」の紹介記事では、控訴人が第18代宗家として記載されているほか、「支部数・会員数」等が明記されている。 (d) 古武道協会のウェブサイトにおける「小野派一刀流剣術」の紹介記事(甲33の2)では、控訴人が第18代宗家と明記された上、稽古場及び支部並びに小野派一刀流ウェブサイトのURLに加え、門人らが稽古に励んでいる旨が記載されている。 (e) 古武道協会及び日本武道館が共催する日本古武道演武大会又は日本古武道演武交流大会では、剣術等の公開演武等が行われ、当該大会の参加者や観客に頒布さ - 9 -れるパンフレットには参加「流派」の紹介記事が掲載されているところ、当該記事では、Bや控訴人が小野派一刀流宗家とし は、剣術等の公開演武等が行われ、当該大会の参加者や観客に頒布さ - 9 -れるパンフレットには参加「流派」の紹介記事が掲載されているところ、当該記事では、Bや控訴人が小野派一刀流宗家として明記され、本流の承継図が記載されるとともに、活動状況、稽古場及び支部等が併せて記載されている(甲78、82)。 b 「小野派一刀流」は、次のとおり、単なる集団に留まらず、現在に至るまでの間に、共通目的等を有する団体性をも優に備えるに至っている。 (a) Eの代における「小野派一刀流」本流は、歴代宗家及び門人によって継承されてきたが、Eは、原点を掘り起こし、全ての技法、理論、伝統を再統合し再確立し(甲13の1の1の66頁)、古来から伝わる入門手続を改めて認めた上、(宗家に誓って)宗家の門人となる入門手続(甲31の75頁)にならって小野派一刀流入門帳(甲20)を新たに編成し、起請文を認めて同入門帳に記帳した者を本流の門人とした。Eは、入門・破門という集団(団体)への入会・退会手続及び起請文という集団(団体)内部の定め(規則)を改めて整備した。 (b) Bの代における「小野派一刀流」Bの代において、小野派一刀流の団体性は、一層高まった。Bは、新たに弟子を取り立てて門人を増やし、禮楽堂で修錬を行う禮楽堂門人に対して指導稽古を行い、門人による稽古修錬・演武を許諾したほか、提携道場や海外支部における小野派一刀流の門人による稽古修錬や演武も許諾し、さらに、小野派一刀流は宗家禮楽堂道場においてのみ継承される旨を定めた上(甲76)、小野派一刀流等3流派の継承道場である禮楽堂に入門する者は必ず小野派一刀流に入門しなければならず、本流修錬が進んだ者にのみ他二流を教授することとした。これらによって、本流を継承する集団(団体)は、「代表者として宗家を置き、「 場である禮楽堂に入門する者は必ず小野派一刀流に入門しなければならず、本流修錬が進んだ者にのみ他二流を教授することとした。これらによって、本流を継承する集団(団体)は、「代表者として宗家を置き、「小野派一刀流」との固有名詞を使用し、禮楽堂を中心として剣術の教授等を行う集団(団体)」と画された。 さらに、Bは、小野派一刀流及び禮楽堂道場を維持発展させるために禮楽堂維持会を発足させ(甲76)、会長に就任し、本流門人の中心的存在である禮楽堂門人のほとんどは禮楽堂維持会に加入した。以降、Bの小野派一刀流の教授、演武その他指 - 10 -導普及のための活動は、禮楽堂維持会会員が拠出する入会金、維持会費その他の収入を原資とし、経済上の収支計算の上に立って行われたため、小野派一刀流は、収支の上でも団体性を備えたといえる。 (c) 控訴人の宗家就任後の「小野派一刀流」控訴人は、新たに弟子を取り立てて門人を一層増やしている。控訴人の下、それまで提携道場であった長正館(大阪)、石鶏館(茨城)、松元会(警視庁)及び中野松元会(東京)の各門人(小野派一刀流門人でない同好者という位置付けであった者)は、小野派一刀流に入門した。海外の門人を含め、現在の小野派一刀流の門人数は、200名を超えた。そして、本流門人の多くは、小野派一刀流等4流派の各宗家がする事業を支援する団体として設立された一般財団法人禮楽堂(代表理事は控訴人。 甲109)の会員(甲110)となっており、会員規則に基づき同財団法人に入会金及び年会費を支払っている(甲111)。現在、小野派一刀流の教授、演武その他指導普及のための活動は、同財団法人の会員が拠出した入会金、会費その他の収入を原資とし、経済上の収支計算の上に立って行われており、小野派一刀流の団体性は更に強固なものとなっている。 、演武その他指導普及のための活動は、同財団法人の会員が拠出した入会金、会費その他の収入を原資とし、経済上の収支計算の上に立って行われており、小野派一刀流の団体性は更に強固なものとなっている。 (エ) 武道に関する役務の出所表示としての「小野派一刀流」の使用例について乙43に示された小野派一刀流を名乗って演武大会に出場している者(小野派一刀流五行之形は中西派であるため除く。)は、いずれも禮楽堂と提携関係にあった長正館(大阪)、宏道会(千葉)、石鶏館(茨城)、松元会(警視庁。控訴人勤務先)、中野松元会(東京)の門人であり、演武に当たり、宗家であるB又は控訴人の許諾を得て「小野派一刀流」の名称を使用していたから(甲48)、役務の出所に混同を生じさせる態様で使用されたものではなかった。また、Bと異なる伝系を示すものについては、大東流合気柔術の道場は「会津藩伝継小野派一刀流」(乙42の2の「静岡神刀柔進会清進会」。甲112)、「会津伝小野派一刀流」(乙42の2・18)又は「惣角伝小野派一刀流」(乙42の20)と表示し、中西派の道場は「小野派一刀流中西派」(乙89の39)又は「小野派一刀流五行之形」(五行之形はFが考案 - 11 -した中西派独自の形である。乙43の2の9の13頁)と表示しており、役務の出所に混同を生じさせない態様で使用している。なお、乙42及び乙89における「小野派一刀流」の使用は、歴史的説明の文脈でEに伝わった以外の伝系が存在することを示すもの(Bの代以降における武道に関する役務の出所表示としての使用ではないもの)がほとんどである。 イ本件標章使用が商標法2条3項の「使用」に当たること前記アの点に加え、「小野派一刀流」を代表者名と共に記載する方法で使用した場合には、教え・系統たる小野派一刀流とともに、宗家を んどである。 イ本件標章使用が商標法2条3項の「使用」に当たること前記アの点に加え、「小野派一刀流」を代表者名と共に記載する方法で使用した場合には、教え・系統たる小野派一刀流とともに、宗家を長とし門人によって構成される当該系統を継承する集団(団体)たる小野派一刀流との観念を生じるといえ、当該代表者名は、同集団(団体)を統率する宗家又は宗家から代表と称することを許諾された門人(支部代表者等)の名称と認識される。また、演武に当たり、「小野派一刀流」を演武者の氏名と共に記載する方法で使用した場合には、当該流派を継承する集団(団体)たる小野派一刀流を統率する宗家から演武の許諾を受けた者(通常は集団(団体)の構成員たる門人)と認識される。そのため、被告標章は、単に(出所と切り離された)小野派一刀流の流派の教え・系統を指すものではなく、宗家を長とし門人によって構成される当該流派を継承する集団(団体)たる小野派一刀流を指し、又はサービスの出所として当該集団(団体)を統率する宗家を想起させるものとして使用され、被控訴人らの提供するサービスの出所を識別し得る態様で表示されたものである。具体的には、次のとおりである。 (ア) 本件標章使用①について小野派一刀流の教え・系統とこれを継承してきた集団(団体)とが密接不可分であり、本流が宗家を長とし門人によって構成される集団(団体)において継承されてきたこと、中でも正統は広範かつ強大な権限を有する宗家一人に継承されることは、前記アで述べたとおり、古武道界・剣道界の常識である(以下、この常識を「本件常識」ということがある。)。そのため、本件ウェブページにおいて、「小野派一刀流剣術」の名称に代表者名と連絡先が併せて掲示されると、需要者たる古武道界・剣道 - 12 -界に属する者は、小野派一刀流( ことがある。)。そのため、本件ウェブページにおいて、「小野派一刀流剣術」の名称に代表者名と連絡先が併せて掲示されると、需要者たる古武道界・剣道 - 12 -界に属する者は、小野派一刀流(教え・系統)を継承する集団(団体)たる小野派一刀流を想起し、当該「代表者」とは、小野派一刀流に係る武道に関するサービスを提供する権限を唯一有し、同集団(団体)を統率する本流宗家又は同宗家から代表と称することを許諾された門人(支部代表者等)であると認識するであろうことは、古武道界及び剣道界の常識に属するといえる。 したがって、本件標章使用①は、被控訴人らの提供する小野派一刀流の教授を含む武道に関する役務の出所を識別し得る態様で表示されたものといえ、その出所につき需要者をして、実際の宗家である控訴人又は控訴人と組織的関係のある者による役務提供であると誤認混同させるおそれがあるから、本件標章使用①は、商標法2条3項の「使用」に当たる。 (イ) 本件標章使用②についてa 浅草第37回日本古武道大会のパンフレットの記載について(a) 同パンフレットには、第一会場での演武流派として、他の流派に係る記載と並んで「小野派一刀流剣術(G) Y1(東京都)」と太字で記載されている(甲10の2の6頁)。「Y1(東京都)」の記載は、その左隣に列記された演武者の氏名より一段高く太字で目立つように記載されており、演武者の氏名として被控訴人Y1の氏名が重ねて記載されていることからも分かるとおり、演武者の表示ではなく小野派一刀流剣術の代表者の記載であることが一目瞭然である。また、令和元年5月4日に開催された下鴨神社奉納演武、同月5日に開催された白峯神宮奉納演武、同年11月3日に開催された日本古武道大会のパンフレットの記載(甲11の2・3・5)も同様である。 本件常 た、令和元年5月4日に開催された下鴨神社奉納演武、同月5日に開催された白峯神宮奉納演武、同年11月3日に開催された日本古武道大会のパンフレットの記載(甲11の2・3・5)も同様である。 本件常識を踏まえると、上記のような記載に接した需要者たる古武道界・剣道界に属する者は、「小野派一刀流剣術」の記載は、古武道大会で演武される流派(ここでは「教え・系統」に内包される「体技」の趣旨かと思われる。)の表記であるとともに、小野派一刀流(教え・系統)を継承する集団(団体)たる小野派一刀流を表記するものと認識する。そして、代表者として記載された氏名は、小野派一刀流に係る - 13 -武道に関するサービス(教授、演武を含む。)を提供する権限を唯一有し、同集団(団体)を統率する本流宗家又は同宗家から代表と称することを許諾された門人(支部代表者等)であると認識する。この点、小野派一刀流剣術と並んで記載されている「小笠原流弓馬術礼法(H) I」のIが小笠原流弓馬術礼法の宗家、「天真正伝香取神道流兵法(J) K」のKが天真正伝香取神道流の宗家であることが需要者にとって周知であることからすると(甲3の3、甲113)、これらと同様の体裁で記載された被控訴人Y1の氏名は、宗家から許諾された小野派一刀流の支部代表者にとどまらず、小野派一刀流を代表する宗家の記載と誤認されるおそれが高い。 (b) 浅草第37回日本古武道大会等は古武道振興会が主催又は共催する演武大会であること(甲10の2、甲11の2・3)から、単なる同好者による演武ではなく、古武道振興会が加盟流派と認めた流派代表者の許諾のもとその一門によって演武されるものと認識されるのが通常である。そして、本件常識を踏まえると、演武者の氏名の表示は、小野派一刀流を継承する集団(団体)たる小野派一刀流を統率す 認めた流派代表者の許諾のもとその一門によって演武されるものと認識されるのが通常である。そして、本件常識を踏まえると、演武者の氏名の表示は、小野派一刀流を継承する集団(団体)たる小野派一刀流を統率する宗家から演武の許諾を受けた者(通常は集団(団体)の構成員たる門人)の表示と認識される。 (c) 参加流派一覧のページにおける記載についても、演武される流派を表示するだけであれば必要ないはずの氏名があえて表記してあるのは、そこに記載された流派名が、演武される流派(体技)のみならず演武する流派(継承する集団)を示すものであるからに他ならない。そのような記載に接した需要者たる古武道界・剣道界に属する者は、「小野派一刀流剣術」の記載は、古武道大会で演武される流派(体技)の表記であるとともに、小野派一刀流(教え・系統)を継承する集団(団体)たる小野派一刀流を表記するもので、かっこ書きされた氏名は、小野派一刀流に係る武道に関するサービス(教授、演武を含む。)を提供する権限を唯一有し、同集団(団体)を統率する小野派一刀流宗家又は宗家から代表と称することを許諾された門人(支部代表者等)であると認識する。 (d) したがって、被告標章は、被控訴人らの提供する「教授」、「演武」という役 - 14 -務の出所を識別し得る態様で表示されているというほかない。 b 浅草第37回日本古武道大会でのめくりの使用についてめくりは、武道大会等での公開演武の場合には、演武者及び当該演武者の所属流派とともに、当該流派の形を演武することを表示する。浅草第37回日本古武道大会は、古武道振興会が主催する演武大会であり(甲10の2)、一般の武道同好者が飛び入りで参加することはできず、かねて古武道振興会加盟流派の代表者が当該流派の門人の中から選抜又は許諾した適正な資格者の 会は、古武道振興会が主催する演武大会であり(甲10の2)、一般の武道同好者が飛び入りで参加することはできず、かねて古武道振興会加盟流派の代表者が当該流派の門人の中から選抜又は許諾した適正な資格者のみがめくりに記載された演武者として演武すると認識されるのが通常である。本件常識を踏まえても、当該演武者は、本流に係る武道に関するサービス(教授、演武を含む。)を提供する権限を唯一有し、集団(団体)を統率する宗家から演武の許諾を受けた者(通常は集団(団体)の構成員たる門人)であると認識される。そのため、上記大会でのめくりに接した需要者たる古武道界・剣道界に属する者は、「小野派一刀流」の記載を、その時点で演武されている流派の表示と認識するとともに、その時点で演武している演武者が、本流を統率する宗家から演武の許諾を受けた者(通常は門人)であることの表示と認識する。 したがって、上記めくりにおける「小野派一刀流」の表示は、被控訴人らの提供する「教授」、「演武」という役務の出所を識別し得る態様で表示されているというほかない。 c 靖國神社春季例大祭奉納演武及び靖國神社秋季例大祭奉納演武のパンフレットの記載について靖國神社春季・秋季例大祭は、古武道振興会が共催する演武大会であること(甲3の3)から、単なる同好者による演武ではなく、古武道振興会が加盟流派と認めた流派代表者の許諾のもとその一門によって演武されるものと認識されるのが通常である。そして、本件常識を踏まえると、演武者は小野派一刀流に係る武道に関するサービス(教授、演武を含む。)を提供する権限を唯一有し、集団(団体)を統率する宗家から演武の許諾を受けた者(通常は集団(団体)の構成員たる門人)と認識される。 - 15 -そのため、「小野派一刀流剣術」の表記と共にこれを演舞する被控訴人Y し、集団(団体)を統率する宗家から演武の許諾を受けた者(通常は集団(団体)の構成員たる門人)と認識される。 - 15 -そのため、「小野派一刀流剣術」の表記と共にこれを演舞する被控訴人Y2らの氏名を併記した記載に接した需要者たる古武道界・剣道界に属する者は、「小野派一刀流剣術」の記載は、演武される流派(体技)の表示であると同時に、これを継承する流派(集団・団体)としての「小野派一刀流」の表示であると認識するとともに、演武者たる被控訴人Y2らの氏名を、本流を統率する宗家から演武の許諾を受けた者(通常は集団(団体)の構成員たる門人)の表示と認識する。 したがって、靖國神社春季例大祭奉納演武及び靖國神社秋季例大祭奉納演武のパンフレットにおける「小野派一刀流」の表示は、被控訴人らの提供する「教授」、「演武」という役務の出所を識別し得る態様で表示されているというほかない。 d 小括以上のとおり、本件標章使用②は、いずれも単に小野派一刀流の流派の教え・系統を指すものではなく、宗家を長とし門人によって構成される当該流派を継承する集団(団体)たる小野派一刀流を指し、又はサービスの出所として当該集団(団体)を統率する宗家を想起させるものとしての使用であって、被控訴人らの提供するサービスの出所を識別し得る態様で標章を表示したもので、その出所につき需要者をして、実際の宗家である控訴人又は控訴人と組織的関係のある者による役務提供であると誤認混同させるおそれがあるから、本件標章使用②は、商標法2条3項の「使用」に当たる。 (2) 争点5(本件標章使用が「商品等表示」の「使用」に当たるか。)について前記(1)によると、本件標章使用は、被控訴人らの提供するサービスの出所を識別し得るものとして被告標章を表示するもので、不正競争防止法2条1項1号にい 「商品等表示」の「使用」に当たるか。)について前記(1)によると、本件標章使用は、被控訴人らの提供するサービスの出所を識別し得るものとして被告標章を表示するもので、不正競争防止法2条1項1号にいう「商品等表示」の「使用」に該当し、その出所につき需要者をして、実際の宗家である控訴人又は控訴人と組織的関係のある者による役務提供であると誤認混同させるおそれがある。 (3) 争点6(原告標章が周知かどうか。)について「小野派一刀流」の標章は、前記(1)のように、需要者の間においては、宗家を長 - 16 -とし門人によって構成される小野派一刀流(教え・系統)を継承する集団の固有名詞として知られており、かつ、流派の正統が広範かつ強大な権限を有する宗家一人に継承されていることは需要者の間において常識であるから、同標章を同流の宗家が使用すれば、需要者にとっては、剣術等の教授等に係る宗家の営業が想起され、そのような表示として需要者の間で周知性を有することは明白であった。具体的には、次のとおりである。 ア控訴人の業務の需要者需要者の範囲は、次のとおり、古武道界及び剣道界に身を置く者並びに古武道に関心のある者である。 (ア) 古武道界小野派一刀流は、古武道の演武大会等において演武等を披露する機会が多く、古武道団体に所属する人は演武等の本流の活動を観覧する機会が多い。また、古武道協会等の古武道を統括する団体は、古武道の普及等を目的として小野派一刀流を始めとする古武道の実践団体に演武等を依頼することもある(甲106の1)。したがって、これらの古武道の団体や古武道の統括団体に所属する古武道たる剣術等に携わる者は、需要者に該当する。 (イ) 剣道界剣術は、剣道の源流であるがゆえに、古武道界のみならず広く剣道界において保存普及に係る の古武道の団体や古武道の統括団体に所属する古武道たる剣術等に携わる者は、需要者に該当する。 (イ) 剣道界剣術は、剣道の源流であるがゆえに、古武道界のみならず広く剣道界において保存普及に係る支援を受け、剣道関係者に演武が披露されたり、これらが愛読する雑誌において度々紹介されたりすることにより、剣道関係者の関心を集め、また、関心を集めることにより更に剣道関係者に周知される機会を得ている(甲30、32、58の1~5、甲59の1~16、甲83、87、88、100~104、114の1・2、乙43))。そして、剣道関係者、分けても高段者が剣術を修練する実例は多い。したがって、剣道界に身を置く人間にとって、古武道たる剣術の教授や演武に関わる機会が多数存在するといえ、これらの者も需要者に含まれる。 (ウ) 古武道(剣術を含む。)に関心がある者 - 17 -小野派一刀流を含む古武道たる剣術等が各地の神社等での演武大会等において公開演武を行う際、その場には古武道界や剣道界に身を置く者のほか、古武道たる剣術等に関心を持つ一般の観覧客も多数存在しており、それら観客も需要者に含まれる。 イ控訴人の営業表示の周知状況前記(1)のとおり、小野派一刀流は、宗家を長とし門人によって構成される小野派一刀流を継承する集団(団体)であり、現在では、代表者として宗家を置き、「小野派一刀流」との固有名詞を使用し、禮楽堂を中心として剣術等の教授等を行う団体であるといえる。本流の主な目的は、古武道たる剣術等の継承・普及発展であり、その活動は経済上の収支計算の上に立って行われている。そして、次の各事実からすると、少なくとも前記アの需要者にとっての一般的な常識(前記(1)ア(イ)参照)に照らし、「小野派一刀流」の標章からは、控訴人を長とし門人から構成される古 って行われている。そして、次の各事実からすると、少なくとも前記アの需要者にとっての一般的な常識(前記(1)ア(イ)参照)に照らし、「小野派一刀流」の標章からは、控訴人を長とし門人から構成される古武道の団体及び小野派一刀流に係る武道に関するサービス(教授、演武を含む。)を提供する権限を唯一有する宗家たる控訴人による本流の教授等の活動が想起される。したがって、「小野派一刀流」の標章は、控訴人の営業表示として使用されており、かつ、そのことは需要者にとって周知となっていた。 (ア) 小野派一刀流が宗家とともに団体として複数の文献において紹介されていること小野派一刀流が単なる流派の名称としてだけでなく当該流派を継承する団体の名称としても使用されていたこと及び宗家が剣術等の教授等において「小野派一刀流」の標章を付して活動を行っていたことは、「日本古武道総覧」(甲13の1の1)、古武道協会の機関誌「日本古武道協会四十年史」(甲53。なお、古武道協会には現在まで我が国に伝承されている古武道の流派のほとんどが加盟しており、原則として正会員となれるのは各流派の宗家・代表者であって、まさに日本の古武道界を統括する組織である。)、古武道協会及び日本武道館が共催する日本古武道演武大会や日本古武道演武交流大会で参加者や観客に頒布されるパンフレット(甲78、 - 18 -82)など、複数の文献において紹介されている。それらの内容からすれば、控訴人を含む本流宗家が「小野派一刀流」の標章を付して、剣術等の教授等の活動を行っていたことが需要者に周知であるといえる。 (イ) E及びBが剣術等の教授等を含む各活動において「小野派一刀流」の標章を付して活動していたことE及びBは、本流の宗家として、その活動を公刊物で紹介され、各演武大会等へ出場し、古武道を統 (イ) E及びBが剣術等の教授等を含む各活動において「小野派一刀流」の標章を付して活動していたことE及びBは、本流の宗家として、その活動を公刊物で紹介され、各演武大会等へ出場し、古武道を統括する組織の委員等の活動等を行い、各活動において「小野派一刀流」の標章を付していた。これらの活動により、遅くともBが死去した平成29年8月までには、「小野派一刀流」の標章は本流の宗家の営業表示として周知のものとなったといえる。上記活動等の概要は、次のとおりである。 aEの活動Eは、禮楽堂を創設し、その献堂式には各界の著名人多数が参集し、本流の公開演武等を拝見し言祝いだ(甲17)。Eが本流の宗家であり、「小野派一刀流」の標章を付して禮楽堂において剣術等の教授等の活動を行うことは、需要者に広く深く周知された。また、Eは、オリンピック東京大会のデモンストレーション競技として本流の公開演武を広く公開し披露し、我が国武道界のみならず、世界的にも「小野派一刀流」が宗家たるEの活動を示す標章であることを周知させた(甲41)。 さらに、Eは、平成15年には「剣道殿堂」の第一次顕彰者のうちの一人に選抜されて広報等で広く紹介され(甲39)、全日本剣道連盟(以下「全剣連」という。)が年3回開催する大会で関係者数千人に配布されるプログラムの「顕彰の栞」に毎回掲載されて顕彰され、併せて本流宗家であることが喧伝され(甲42)、全日本学生剣道優勝大会では今も優勝チームがE杯をもって表彰されている。Eは、長年、剣術等の教授等を行い、その普及振興について大きな功績を遺したもので、Eの第16代宗家としての活動の周知性は、現在も大きく重いものとして遺っている。 bBの活動(a) 禮楽堂を中心にした剣術等の教授等の活動 - 19 -需要者の多くが購読している「 の第16代宗家としての活動の周知性は、現在も大きく重いものとして遺っている。 bBの活動(a) 禮楽堂を中心にした剣術等の教授等の活動 - 19 -需要者の多くが購読している「月刊剣道日本」(甲58の1~5)、「剣道時代」(甲59の1~16)、「月刊武道」(甲60の1~8)、「月刊秘伝」(甲61の1~8)といった雑誌は、Bを小野派一刀流の第17代宗家として紹介するとともに、「小野派一刀流」の標章を付して、本流の技解説のほか、禮楽堂を含む国内外道場における本流の活動状況に関する記事を掲載した(発行部数については甲75の3・4、甲115)。 また、本流宗家としてBがした諸活動は、上記のような主に需要者を対象とした雑誌のみならず、別冊歴史読本シリーズ「⑦日本伝承武芸流派読本」(甲62)、歴史群像シリーズ「68 戦国剣豪伝」(甲53)、「WeeklyAERA」(甲64)、「百万人の福音」(甲65)、「新潮45」(甲66)、「青山学報」(乙53の1)、「駒場エデン教会創設35周年記念誌」(甲51の2)といった一般人読者を対象とした雑誌等にも掲載された(発行部数については甲67の3・4、甲115)。 前記(1)ア(イ)のとおり、「小野派一刀流」という流派の名称から本流の教え・系統のみならず当該系統を継承する集団(団体)が想起されること及び流派の正統は広範かつ強大な権限(当該武道流派に関する役務提供権限を含む。)を有する宗家一人に継承されることが需要者の間での常識であることからすると、上記各雑誌の記事に接した需要者は、宗家たるBを長とし門人から構成される集団(団体)が、宗家権限に基づく剣術の教授という活動を行うに際して、「小野派一刀流」の標章を付していると認識することが自然であり、当該標章は宗家たるBの営業表示として需要者 とし門人から構成される集団(団体)が、宗家権限に基づく剣術の教授という活動を行うに際して、「小野派一刀流」の標章を付していると認識することが自然であり、当該標章は宗家たるBの営業表示として需要者の間で周知となっていたといえる。 (b) 演武大会への出場Bは、本流の宗家として、日本古武道演武大会を始めとする複数の演武大会に出場したもので、各演武大会のパンフレット等の記載を見れば、Bが本流の宗家で、かつ、宗家自らが公開演武者として出場した事実は明らかである(甲38、78、乙4の2~5)。前記(1)ア(イ)の流派名の意義に関する古武道界の常識に照らすと、 - 20 -「小野派一刀流」の標章は、かかる公開演武やパンフレット等に接した需要者に、宗家であるBとBを長とする門人によって構成される団体の名称及び宗家の権限に由来する当該団体による剣術等の教授等の活動を想起させる。したがって、「小野派一刀流」の標章はBの営業表示として需要者に周知されていたことが明らかである。 (c) 古武道界での業界活動Bは、小野派一刀流宗家の地位にあったことから、我が国古武道の主要統括団体である古武道協会及び古武道振興会の双方において理事又は常任理事の重職を務め、公益財団法人日本武道館五十年史(甲28)、日本古武道演武大会のパンフレット(甲78)には、「小野派一刀流」の標章とともにこれらの事実が明記された。長期にわたる在任期間において、Bが小野派一刀流宗家としての活動を行っていることが広く周知された。 また、Bは、古武道協会から第1回(平成22年度)「古武道功労者」に選ばれ(甲43)、古武道振興会からも平成29年に感謝状を贈呈された(甲52)。 (d) 剣道家への指導Bは、平成10年から平成27年までの間、警察大学校で本流に関する教授を行っ 武道功労者」に選ばれ(甲43)、古武道振興会からも平成29年に感謝状を贈呈された(甲52)。 (d) 剣道家への指導Bは、平成10年から平成27年までの間、警察大学校で本流に関する教授を行った(甲97)。教授の対象者が全国警察の剣道指導者(都道府県警師範クラス)であり、剣道高段者に警察官が占める割合が高いことをも踏まえると、剣道高段者の中に当該教授結果を直接、間接に享受した者が多く存在することが容易に推認でき、結果として、Bによる小野派一刀流の宗家としての活動の周知性を質量ともに格段に高めた。その他、Bは、日本武道館主催の「地域社会武道指導者全国研修会」(甲79)及び「第16回国際武道文化セミナー」(甲80)において講師を務め、小野派一刀流宗家として本流について解説を行うなどの活動を通じて、「小野派一刀流」が自己の営業表示であることの周知性を高めた。 (e) 稽古道場の建替え及び披露Bは、平成12年の禮楽堂建替え時、小野派一刀流宗家及び禮楽堂の堂主として - 21 -関係者に案内状等を送付し、これを受けて需要者を含む多数の来賓が披露式に参集した。「小野派一刀流」の標章が集団(団体)を指し、宗家であるBの営業表示として周知されたことは明らかである(甲58の2、甲60の3、甲81)。 (f) その他の情報媒体を通じた周知化「日本の古武道」、「日本の剣術」などその他一般公刊物やメディア情報媒体は、Bを小野派一刀流宗家として紹介し、併せてBが禮楽堂を主道場として「小野派一刀流」の標章を付して剣術の教授等を行っている状況など本流の具体的活動内容等を記載・記録して公表した(甲13の4、甲54~57、70~76。発行部数については甲115)。したがって、「小野派一刀流」の標章から、禮楽堂を中心として継承される剣術の教え・系統及 体的活動内容等を記載・記録して公表した(甲13の4、甲54~57、70~76。発行部数については甲115)。したがって、「小野派一刀流」の標章から、禮楽堂を中心として継承される剣術の教え・系統及びBを長とし門人により構成されるそれを継承する団体双方の観念が想起されることはもとより、同標章は、Bの営業表示として周知性を獲得し維持している。 (ウ) 本流宗家の営業表示として「小野派一刀流」の標章が現在もよく周知性を保持していること。 a 控訴人が小野派一刀流宗家の地位とともに本流の営業表示たる標章を承継したこと前記(イ)のとおり、「小野派一刀流」の標章は、小野派一刀流の宗家であったE又はBによる営業活動を表示するものとして、遅くとも平成29年8月には需要者の間において周知性を獲得していたところ、営業表示が承継元の行っていた営業活動自体と一体のものとして承継された場合には、承継元の行っていた活動の営業表示としての周知性も承継されるといわねばならず、控訴人は、Bの遺言書に基づき禮楽堂堂主及び小野派一刀流宗家に指名され、営業表示を承継したものである。 そして、控訴人は、小野派一刀流剣術の第18代宗家として、禮楽堂を中心にしたBの剣術教授等の営業を承継し、これを継続中である(甲53等)。 したがって、控訴人は、Bの行為によって需要者間に周知性を獲得した本流集団(団体)としての活動に係る営業表示を承継したのであり、「小野派一刀流」の標 - 22 -章は、控訴人の営業表示としても周知性を保持している。 b 前記aをおいても「小野派一刀流」の標章が控訴人の営業表示として周知であること百歩譲って、前記aのE及びBの営業表示としての周知性が控訴人に承継されていないとしても、需要者における一般的な常識に照らすと、控訴人が小野派一刀流の 標章が控訴人の営業表示として周知であること百歩譲って、前記aのE及びBの営業表示としての周知性が控訴人に承継されていないとしても、需要者における一般的な常識に照らすと、控訴人が小野派一刀流の宗家として行った次のような活動を通じて、「小野派一刀流」の標章は、本流宗家たる控訴人の営業表示として周知性を獲得した。 (a) 古武道協会の機関誌は、控訴人が本流第18代宗家に就任し、「小野派一刀流」の標章を付して禮楽堂を中心に剣術教授等を行っていることを掲載した。また、控訴人は、日本古武道演武大会、鹿島神宮奉納日本古武道交流演武大会、東京剣道祭などの各種大会において、宗家として本流門人と共に自ら公開演武した際、「小野派一刀流」の標章を付して演武披露し、当該大会のパンフレットやウェブサイトでは、「小野派一刀流」の標章とともに控訴人が宗家として紹介された(甲44、78の12、甲82~90、101、103、104)。 (b) 控訴人は、剣道専門家たる警視庁警務部教養課剣道指導室教師であり、警視庁管内警察署を巡回し、剣道実技を指導中であるが、平成30年度全国警察剣道大会において、命により小野派一刀流の宗家として「小野派一刀流」の標章を付し演武を行った(甲83)。 (4) 争点7(控訴人は団体の名称権侵害を理由に差止請求をし得るか。)について前記(1)のように、小野派一刀流という名称が、単なる流派の名称にとどまらず、宗家を長とする門人によって構成される当該流派を継承する集団(団体)の名称を指すことは明らかである。そして、古武道の流派の宗家が、広範かつ強大な権限を唯一有しており、一般的に当該流派への入門、破門の承認等の内部統制を行う権限を有するだけでなく、外部に対して当該団体を代表する地位を有していることも、前記(1)ア(イ)のとおりである。 し 権限を唯一有しており、一般的に当該流派への入門、破門の承認等の内部統制を行う権限を有するだけでなく、外部に対して当該団体を代表する地位を有していることも、前記(1)ア(イ)のとおりである。 したがって、控訴人は、小野派一刀流の宗家として、本流の名称権を行使し得る - 23 -地位にあるということができる。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も、控訴人の本訴請求はいずれも理由がないものと判断するが、その理由は、後記2のとおり改め、後記3のとおり当審における控訴人の補充主張についての判断を加えるほかは、原判決の「事実及び理由」中の「第4 当裁判所の判断」(以下、単に「原判決の第4」という。)の1~4に記載するとおりであるから、これを引用する。 2 引用に係る原判決の訂正(1) 原判決22頁2行目末尾の次に改行して、次のとおり加える。 「(1) 認定事実ア平成29年5月28日時点の「日本古武道振興会規約」には、次の旨の定めがある。(甲4)(ア) 古武道振興会の会員は、①代表会員(当該古武道流派継承の本にある者で、日本国籍を有する者又は日本国内に住所を有する者)、②流派会員(代表会員から一門として申請されて古武道振興会所定の会員登録簿に記載された者)、③特別会員(会費として細則規定による年額を納入する者)及び④名誉会員(古武道振興会の事業に関して特に功労があった者又は細則規定の金額を寄付した者)の区分によるものとする。(5条1項1号~4号)(イ) 代表会員は、入会時に細則規定の流派登録料を納入するものとする。会員は、登録料を納入した流派以外の演武をすること、名称を名乗ることができない。(5条2項)(ウ) 代表会員になろうとするものは、理事2名以上の推薦により入会申込書を提出し、審査担当常任理事の調査結果をふ 録料を納入した流派以外の演武をすること、名称を名乗ることができない。(5条2項)(ウ) 代表会員になろうとするものは、理事2名以上の推薦により入会申込書を提出し、審査担当常任理事の調査結果をふまえた常任理事会の承認を経なければならない。(6条1項)(エ) 前記(ウ)の入会申込書は、次の各項目等につき説明し、かつ、資料を添付しなければならない。推薦状及び入会申込書については細則で定める。(6条2項) - 24 -① 流派の成立から当代までの伝承・系譜② 先代から申込者に対する流派の免許・伝書等の授与③ 申込者の入門から現在までの修行内容④ 5条1項1号に該当する旨(オ) 明治以降に成立した流派及び復元された流派の入会は原則として認めない。 (6条3項)(カ) 江戸時代以前から併伝(単なる併修を含まない。)された流派は、これを併せて単一の流派とみなす。(6条4項)(キ) 代表会員の資格は、5条1項1号の要件を満たす他の者が受け継ぐことができる。(7条1項)(ク) 前記(キ)の場合は、受継届を提出し、常任理事会の承認を得なければならない。 受継届については細則で定める。 (ケ) 受継届には次の項目等を説明し、かつ、資料を添付しなければならない。 ① 現代表会員から受継者に対する流派の免許・伝書等の授与② 受継者の入門から現在までの修行内容③ 5条1項1号に該当する旨イ訂正して引用した原判決の第2の2「前提事実」の(4)のとおり、Bの死去後の小野派一刀流等3流派に関する受継の問題については、平成30年度の古武道振興会の第1回常任理事会において審議され承認等の判断がされたところ、古武道振興会作成の平成30年5月31日付けの被控訴人Y1宛ての文書には、次のような記載がある。(乙20の1・2)(ア 古武道振興会の第1回常任理事会において審議され承認等の判断がされたところ、古武道振興会作成の平成30年5月31日付けの被控訴人Y1宛ての文書には、次のような記載がある。(乙20の1・2)(ア) 受継とは、前代表会員の指名等により、同門の一人が代表会員の地位を承継するものであり、受継を承認するには、受継申出者が古武道振興会規約5条1項1号の要件を満たす必要がある。 (イ) 控訴人、被控訴人Y1及びCは、いずれもB又はEのもとで長年にわたって修行を積み重ねてきた実績を有し、禮楽堂での稽古においても中心的な役割を果た - 25 -しているものと思われ、宗家指名を受けた流派における各氏の受継は、特に問題はないように思われる。 (ウ) 被控訴人Y1の小野派一刀流及び神夢想林崎流居合術の受継について検討するに、そもそも古武道振興会規約5条1項1号が代表会員の要件として求めるものは「流派継承の本」すなわち当該流派がよって立つ基としての存在であり、流派内での宗家その他の地位は古武道振興会における代表会員の資格要件ではない。被控訴人Y1は上記二つの流派の宗家には指名されなかったものの、これまでの被控訴人Y1の修行内容、禮楽堂における稽古の状況、前宗家指示による古武道振興会主催の演武大会への参加実績等を考慮すると、被控訴人Y1もまた小野派一刀流等3流派の本をなす実質を備えているものといえる。そして、前宗家が遺言書において被控訴人Y1を古武道振興会との事務連絡責任者として指名したのは、前宗家もまた、過去の実績や経験、禮楽堂における実態を踏まえ、被控訴人Y1を中心とした古武道振興会における活動を期待され、少なくとも古武道振興会の関係においては宗家という地位の有無を問題としないことを明文にて宣言されたものと解される。 ウ(ア) 本件標章使用② 訴人Y1を中心とした古武道振興会における活動を期待され、少なくとも古武道振興会の関係においては宗家という地位の有無を問題としないことを明文にて宣言されたものと解される。 ウ(ア) 本件標章使用②がされた武道大会等のうち、浅草第37回日本古武道大会は、東京都台東区の後援を得て古武道振興会が主催したもの、下鴨神社奉納演武は、下鴨神社が主催し古武道振興会が共催となったもの、白峯神宮奉納は、白峯神宮が主催し古武道振興会が共催となったもの、日本古武道大会は、明治神宮の協賛を得て古武道振興会が主催したものであった。また、靖國神社春季例大祭奉納演武及び靖國神社秋季例大祭奉納演武についても、古武道振興会がその開催に関与した。(甲3の2、甲10の2、甲11の2・3・5、弁論の全趣旨)(イ) 古武道振興会が主催する大会において使用されるパンフレットやめくりは、本件ウェブページに掲載されている加盟流派の情報と同様に、古武道振興会に既に登録されている情報に基づき、古武道振興会が主体となって、作成、掲示、配布等するもので、加盟流派からの要望等は受け付けられていない。(乙84の2)」(2) 原判決22頁3行目の「(1)」を「(2)」に改め、同頁5行目~6行目の「, - 26 -「淺山一傳流兵法」を皮切りに」を削除し、同頁10行目の「名前」を「氏名」に、同頁11行目の「同ウェブページの」を「本件ウェブページがそもそも古武道振興会のウェブサイト中の「加盟流派」と題したページであることに加え、上記のような」に、同頁12行目の「同振興会に」から15行目末尾までを「あくまで古武道振興会において保存振興の対象として加盟を認めている古武道の各流派の名称であって、当該各流派の古武道を実施する団体の名称ではなく、そこに併記された代表者の氏名及び連絡先もあくまで上記 あくまで古武道振興会において保存振興の対象として加盟を認めている古武道の各流派の名称であって、当該各流派の古武道を実施する団体の名称ではなく、そこに併記された代表者の氏名及び連絡先もあくまで上記のような各流派の代表者及び連絡先として古武道振興会が把握しているものの記載にすぎないものとみるのが合理的である。」に、同頁19行目~20行目の「保存振興の対象となる流派」を「あくまで古武道振興会において保存振興の対象として加盟を認めている流派」に、同頁21行目の「その代表者である」から23行目末尾までを「「代表」として被控訴人Y1の氏名が記載されていることを考慮しても、被控訴人らによってその提供する何らかの役務の出所を示すものとして表示されているとみることはできない。」に、23頁2行目の「保存振興の」から3行目の「掲げたものであり」までを「古武道振興会において保存振興の対象として加盟を認めている流派の名称の一つを掲げたものであって、団体の名称としてこれを掲げたものではなく、当該流派に係る特定の団体が提供する何らかの役務の出所を認識し得るような態様で被控訴人らにより用いられているものとは認められないから」にそれぞれ改める。 (3) 原判決23頁5行目の「(2)」を「(3)」に、同頁7行目の「下賀茂神社」を「下鴨神社」に、同頁17行目の「氏名表示は」を「氏名の記載は、」に、同頁23行目の「これらの記載が」を「上記各大会が前記認定のとおり古武道振興会の主催等によるものであったことからしても、上記各記載が被控訴人らにより」に、24頁3行目の「演武されている」を「されている演武に係る」に、同頁4行目の「示すものであり,これをもって,」を「示すものとみるのがその使用態様に照らして合理的であり、上記大会が前記認定のとおり古武道振興会の主催によるものであっ を「されている演武に係る」に、同頁4行目の「示すものであり,これをもって,」を「示すものとみるのがその使用態様に照らして合理的であり、上記大会が前記認定のとおり古武道振興会の主催によるものであったことからしても、上記めくりが被控訴人らにより」に、同頁6行目及び7行目の - 27 -各「靖国神社」をいずれも「靖國神社」に、同頁8行目の「「演武流派」として」から9行目の「氏名が表示」までを「演武者の順番表に、「小野派一刀流剣術」として、被控訴人Y2の氏名が記載」に、同頁12行目の「表示されているにすぎず,これをもって,」を「表示されているとみるのがその形式及び内容に照らして合理的であり、上記各奉納演武が前記認定のとおり古武道振興会の関与したものであったことからしても、上記各パンフレットの記載が被控訴人らにより」にそれぞれ改め、同頁17行目の「掲げたものにすぎず,」の次に「被控訴人らによる」を加え、同頁19行目の「(3)」を「(4)」に改め、同行目の「被告らによる」を削除する。 (4) 原判決24頁23行目の「意味するものにすぎず,」を「表示したものにすぎず、被控訴人らにおいて」に、同頁24行目の「ものとして表示されている」を「態様で表示した」にそれぞれ改める。 (5) 原判決25頁3行目の「周知どうか」を「周知かどうか」に改め、同頁4行目の「商標権侵害及び」及び同頁5行目の「いずれも」をいずれも削除し、同頁20行目の「前記前提事実(2)によれば」を「訂正して引用した原判決第2の2「前提事実」の(1)及び(2)によれば」と改め、同頁23行目の「認められるが」の次に「、当時、津軽藩主家や山鹿家に伝えられたとされる系統とは異なる小野派一刀流の分派が存在し、その中には「小野派一刀流」を自称する分派も存在しており、また」を加え、同頁26 目の「認められるが」の次に「、当時、津軽藩主家や山鹿家に伝えられたとされる系統とは異なる小野派一刀流の分派が存在し、その中には「小野派一刀流」を自称する分派も存在しており、また」を加え、同頁26行目の「71等」を「71」に改め、26頁4行目の「認められるが」の次に「、「小野派一刀流」が古武道の流派の名称であることや、訂正して引用した原判決第2の2「前提事実」の(1)のとおり、当時、津軽藩主家や山鹿家に伝えられたとされる系統とは異なる分派が存在し、その中には「小野派一刀流」を自称する分派も存在していたことからすると」を加え、同頁5行目の「示すにすぎず」から8行目末尾までを「示すものとみられ、それを超えて、これらの記事から直ちに、「小野派一刀流」が特定の団体の固有の名称を示すものとして使用されていたものとは認め難く、また、それが禮楽堂における剣術の教授に係る役務の提供主体としてのBや特定の団体を示す表示として使用されていたと認めるにも足りな - 28 -い。」に、同頁9行目の「甲61,75の4」を「甲75の5」に、同頁14行目の「同事実から」から16行目末尾までを「それを超えて、これらの記事から直ちに、「小野派一刀流」が特定の団体の固有の名称を示すものとして使用されていたものとは認め難く、また、それが役務の提供主体としての控訴人や特定の団体を示す表示として使用されていたと認めるにも足りない。」に、同頁23行目の「主張は」を「主張には」にそれぞれ改める。 (6) 原判決26頁24行目の「争点8(原告は団体の名称権侵害を理由に本件請求をし得るか。)」を「控訴人は団体の名称権侵害を理由に差止請求をし得るか(争点7)」に改め、同頁25行目の「代表する」の次に「団体である」を、同頁26行目の「しかし」の次に「、訂正して引用した原判決の第 得るか。)」を「控訴人は団体の名称権侵害を理由に差止請求をし得るか(争点7)」に改め、同頁25行目の「代表する」の次に「団体である」を、同頁26行目の「しかし」の次に「、訂正して引用した原判決の第4の3(4)のとおり、控訴人が、「小野派一刀流」又は「小野派一刀流剣術」の「第十八代宗家」又は「宗家」であるとして、「小野派一刀流」という剣術の流派を継承したとされている武道雑誌の記事などが存在することが認められるものの、それを超えて」をそれぞれ加える。 3 当審における控訴人の補充主張についての判断(1) 争点1(本件標章使用が商標法2条3項の「使用」に当たるか。)についてア控訴人は、日本の伝統芸能や古武道における流派の意義、そして「小野派一刀流」の流派名の意義等を主張して、「小野派一刀流」は、流派の教え・系統を指すとともに、宗家を長とし門人によって構成される本流流派を継承する集団(団体)を指し、両者は密接不可分の関係にあるから、流派名としての「小野派一刀流」の使用は、同時に集団(団体)としての「小野派一刀流」を想起させるもので、需要者が提供される役務の出所を認識し得るような態様での使用に当たる旨を主張する。 しかし、本件全証拠によっても、日本の伝統芸能一般又はそのうち古武道一般において、一つの流派について一つの集団(団体)しか存在しないという事情は認められない。この点、例えば、古武道振興会の「加盟流派」のページ(本件ウェブページ。 甲3の1)には、「荒木流拳法(K)」(代表はK)及び「荒木流拳法(L)」(代 - 29 -表はL)として、「荒木流拳法」という流派名を冠する加盟流派が代表を異にして二つ掲載されており、同様に「神道夢想流杖術」、「夢想神伝流居合術」及び「柳生心眼流兵法」についても、同一の流派名を冠する加盟流派が代 して、「荒木流拳法」という流派名を冠する加盟流派が代表を異にして二つ掲載されており、同様に「神道夢想流杖術」、「夢想神伝流居合術」及び「柳生心眼流兵法」についても、同一の流派名を冠する加盟流派が代表を異にして複数掲載されている。また、古武道協会のウェブサイトにおける「各流派の紹介」のページ(甲33の1)にも、「天神真揚流柔術(新座市)」と「天神真揚流柔術(川越市)」とが掲載されている。 そうすると、控訴人の主張するように、流派名と当該流派を継承する集団(団体)との間に密接な関係があることを前提としても、当該密接な関係により流派名が想起させる集団(団体)が、直ちに特定の役務の提供等の一主体となるような特定の団体であるということはできず、それは、当該流派を継承する複数の団体を含み得るより抽象的な集団にすぎないとみるのが相当である。 そして、本件全証拠をもってしても、「小野派一刀流」が古武道の流派の名称であるということを前提にしてもなお、それが特定の役務の提供等の一主体となるような当該流派を継承する特定の団体を指すものであると認めるに足りず、「小野派一刀流」について上記と異なって解すべき事情は認められない。 したがって、流派名としての「小野派一刀流」の使用が同時に集団(団体)としての「小野派一刀流」を想起させるものであるとの控訴人の前記主張は、訂正して引用した原判決の第4の1における、本件標章使用が被控訴人らによる商標的使用であるとは認められないという判断を左右するものではないというべきである。 イ控訴人は、本件標章使用①について、本件常識(小野派一刀流の教え・系統とこれを継承してきた集団(団体)とが密接不可分であり、本流が宗家を長とし門人によって構成される集団(団体)において継承されてきたこと、中でも正統は広範かつ強大な権限を有する 野派一刀流の教え・系統とこれを継承してきた集団(団体)とが密接不可分であり、本流が宗家を長とし門人によって構成される集団(団体)において継承されてきたこと、中でも正統は広範かつ強大な権限を有する宗家一人に継承されること)のほか、「小野派一刀流剣術」の名称と共に「代表」等として被控訴人Y1が掲載されているという態様を特に指摘して、本件標章使用①が商標的使用に当たる旨を主張する。 しかし、訂正して引用した原判決の第4の1(2)(本件標章使用①について)で認 - 30 -定説示したとおり、「加盟流派」について掲載した本件ウェブページの記載の形式や内容からすると、そこにおける「小野派一刀流剣術」の名称やその「代表」等の記載に接した者においては、その名称は古武道振興会において加盟を認められている古武道の流派の一つの名称であって、併記された代表者の氏名及び連絡先もあくまでそのような流派の代表者及び連絡先として古武道振興会が把握しているものの記載であると理解するとみるのが合理的である(なお、前記アで指摘したとおり、本件ウェブページには、同一の流派名を冠する加盟流派が代表を異にして複数掲載されている例があるところ、「小野派一刀流剣術」については代表を異にする同名とみられる加盟流派が他に記載されていないことから、その記載に接した者においては、加盟流派としては単一のものと理解することにはなるが、他方で、上記の例があることが同時に容易に看取できることからすると、「小野派一刀流剣術」に係る「代表」等の記載が、古武道振興会の加盟流派、換言すると古武道振興会の認識を離れて、客観的に、流派としての「小野派一刀流剣術」の唯一の宗家や当該宗家から代表と称することを許諾された者を示すものであると直ちに認識するとまではいえない。)。 また、訂正して引用した原 の認識を離れて、客観的に、流派としての「小野派一刀流剣術」の唯一の宗家や当該宗家から代表と称することを許諾された者を示すものであると直ちに認識するとまではいえない。)。 また、訂正して引用した原判決の第4の1(1)(認定事実)からすると、本件ウェブページの記載に当たり、古武道振興会は、自律的に定めた「日本古武道振興会規約」における会員に関する定めに基づき、会員資格や代表会員の資格の受継について判断しているもので、Bの死去後の受継の問題についても、平成30年度第1回常任理事会において、自律的に判断がされたものとみられる(なお、その判断の前提とされた事実関係について、本件証拠に照らし、明白な誤認があったというべき事情や被控訴人らから古武道振興会を欺罔するような説明がされたといった事情も認められない。)。そのような判断に基づいてされたとみられる本件ウェブページにおける「小野派一刀流剣術」に係る記載(なお、古武道振興会規約は、古武道振興会のウェブサイトにも掲載されていることが窺われる(甲3の1~3)。)をもって、当該流派に係る特定の団体が提供する何らかの役務の出所を認識し得るような態様で被控訴人らが表示をしたものと認めることもできない。 - 31 -したがって、「小野派一刀流剣術」の名称と共に「代表」等として被控訴人Y1が掲載されているという態様を特に指摘しての控訴人の前記主張は、訂正して引用した原判決の第4の1(2)(本件標章使用①について)の判断に影響を与えるものではない。控訴人が主張する本件常識も、前記アで説示した点に照らし、同判断を左右しない。 ウ控訴人は、本件標章使用②について、「小野派一刀流剣術(G) Y1(東京都)」との記載が太字でされていることや演武者名とは別に記載されていること、並んで記載された流派について を左右しない。 ウ控訴人は、本件標章使用②について、「小野派一刀流剣術(G) Y1(東京都)」との記載が太字でされていることや演武者名とは別に記載されていること、並んで記載された流派について記載されている者が当該流派の宗家であることが需要者に周知であること、本件常識や本件標章使用②に係る武道大会等は古武道振興会が主催等するものであること等を特に指摘して、本件標章使用②が商標的使用に当たる旨を主張するが、本件標章使用②が被控訴人らによる被告商標の商標的使用と認められないことは、訂正して引用した原判決の第4の1(3)(本件標章使用②について)で認定説示したとおりである。 前記アで説示した点に照らし、本件常識は、本件標章使用②が被控訴人らによる被告商標の商標的使用と認められないとの判断を左右するものではない。 また、訂正して引用した原判決の第4の1(1)(認定事実)のとおり、本件標章使用②がされた武道大会等は古武道振興会が主催等したものであること、古武道振興会が主催する大会において使用されるパンフレットやめくりは、本件ウェブページに掲載されている加盟流派の情報と同様に、古武道振興会に既に登録されている情報に基づき、古武道振興会が主体となって作成、掲示、配布等するものであること(これは、古武道振興会が主催以外の態様で関与した武道大会等についても同様と推認され、この推認を覆す事情はない。)や、本件標章使用②に係るパンフレットの記載内容等を踏まえると、前記イで説示したのと同様、控訴人が指摘するその余の点も、本件標章使用②が被控訴人らによる被告商標の商標的使用と認められないとの判断に影響を与えるものではないというべきである(なお、控訴人が指摘する点のうち、本件標章使用②に係る武道大会等は古武道振興会が主催等するものであ - 32 - 商標的使用と認められないとの判断に影響を与えるものではないというべきである(なお、控訴人が指摘する点のうち、本件標章使用②に係る武道大会等は古武道振興会が主催等するものであ - 32 -るという点は、むしろ、同判断の根拠となり得るものといえる。この点、本件全証拠をもってしても、古武道振興会が、古武道の各流派の正当性について有権的に判断する団体であるといった事情や、古武道の流派が加盟し得る唯一の団体であるといった事情は見受けられない。控訴人の主張は、ひっきょう、被控訴人Y1について受継を認めたという古武道振興会の判断を論難するものにすぎないというべきである。)。 (2) 争点5(本件標章使用が「商品等表示」の「使用」に当たるか。)について争点1についての控訴人の主張が採用できないことは、前記(1)で説示したとおりであるから、当該主張を前提とした争点5についての控訴人の主張は、訂正して引用した原判決の第4の2の判断を左右するものではない。 (3) 争点6(原告標章が周知かどうか。)についてア訂正して引用した原判決の第4の2のとおり、争点5についての控訴人の主張が採用できないこと及び前記(2)からすると、原告標章が周知かどうかにかかわらず、不正競争防止法に基づく控訴人の主張には理由がないというべきであり、争点6についての控訴人の当審における補充主張は、当該判断に影響を与えるものではない。 イなお、控訴人の当審における補充主張を踏まえても、訂正して引用した原判決の第4の1で指摘したように、古武道の流派の名称である「小野派一刀流」について、それが直ちに特定の団体の固有の名称を示すものとして使用されていたものとは認め難く、また、訂正して引用した原判決の第4の3で指摘したように、「小野派一刀流」については様々な分派が存在し、 について、それが直ちに特定の団体の固有の名称を示すものとして使用されていたものとは認め難く、また、訂正して引用した原判決の第4の3で指摘したように、「小野派一刀流」については様々な分派が存在し、その中には「小野派一刀流」を自称する分派も存在していたことのほか、前記(1)アのとおり、その他にも同一の流派について複数の団体が存するとみられる例があることも証拠上認められる本件において、原告標章が控訴人の周知な「商品等表示」に当たると認めるには足りないというべきである。さらに付言するに、被控訴人らは平成31年3月5日付けで禮楽堂(小野派一刀流等4流派)から破門する旨の通知を受けるまで、Eが継承した「小 - 33 -野派一刀流」の門下にあった者で、かつ、前記(1)イ及びウで指摘したとおり、本件標章使用はいずれも古武道振興会におけるしかるべき手続を経て被控訴人Y1が代表会員としての受継を認められたことによるものであると認められるのであって、本件ウェブページにおける掲載や武道大会等におけるパンフレット及びめくりにおける被告標章の使用という限度での本件標章使用の態様を踏まえても、本件標章使用が、控訴人との関係で、「他人」(Eが継承した「小野派一刀流」という流派に属する者により構成される団体が観念でき、かつ、それが営業主体たり得ると仮定した場合に、同団体とは異なる団体)の商品等表示の使用に当たるとみることも困難であるというべきである。 (4) 争点7(控訴人は団体の名称権侵害を理由に差止請求をし得るか。)について争点7についての控訴人の主張が採用できないことは、訂正して引用した原判決の第4の4で説示したとおりである。前記(1)アで指摘した点に照らし、控訴人の当審における補充主張は、上記判断を左右するものではない。 4 まとめ(1) できないことは、訂正して引用した原判決の第4の4で説示したとおりである。前記(1)アで指摘した点に照らし、控訴人の当審における補充主張は、上記判断を左右するものではない。 4 まとめ(1) 以上によれば、その余の点について判断するまでもなく、控訴人の本訴請求にはいずれも理由がない。 (2) なお、控訴人は、我が国文化の一翼を担う剣術古流を正しく承継していくことの重要性、武道界における破門等の意義の重大性などを指摘し、原判決は、日本文化、現代武道の淵源である古武術の法的保護を図るとの視点や武道の現代的意義等に係る基本的理解に欠け、原判決を放置した場合に伝統文化である剣道(剣術や居合を含む。)の普及等に与える影響は重大であるなどと主張する。 しかし、商標法及び不正競争防止法を根拠とする控訴人の各請求についての前記各判断は、控訴人が主張するような、商標法の目的(同法1条)や不正競争防止法の目的(同法1条)の範囲を超える歴史的、文化的事情によって左右されるものとはいえず、名称権に関する前記判断も、それらの事情によって左右されない(他方で、本件訴訟における商標法、不正競争防止法又は名称権に関する判断が、控訴人 - 34 -による被控訴人らに対する破門の効力に影響を与えるものでもないことも当然である。)。 第4 結論よって、控訴人の本訴請求をいずれも棄却した原判決は相当であり、本件控訴は理由がないから、これを棄却することとして、主文のとおり判決する。 知的財産高等裁判所第2部 裁判長裁判官本多知成 裁判官 本多知成 裁判官中島朋宏 裁判官勝又来未子
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