平成21(わ)311 殺人未遂

裁判年月日・裁判所
平成22年3月3日 大分地方裁判所 大分地方裁判所
ファイル
hanrei-pdf-80131.txt

判決文本文1,193 文字)

主文 被告人を懲役2年に処する。 未決勾留日数中30日をその刑に算入する。 この裁判が確定した日から4年間その刑の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は,認知症などを患う夫A(当時77歳)の介護にあたっていた者であるが,知人とのささいなトラブルから思い詰め,夫Aとの無理心中を企て,平成21年10月8日午前3時50分ころ,大分県甲市内の被告人方において,前記Aに対し,殺意をもって,同人の首を腰ひもで絞めたが,同人が死亡したものと誤信して,同人の首を絞めるのをやめたため,同人に加療約1週間を要する窒息による低酸素脳症及び前頸部擦過傷の傷害を負わせたにとどまり,殺害の目的を遂げなかったものである。 (証拠の標目)省略(法令の適用)罰条刑法203条,199条刑種の選択有期懲役刑法律上の減軽同法43条本文,68条3号(障害未遂)酌量減軽同法66条,71条,68条3号未決勾留日数算入同法21条刑の執行猶予同法25条1項訴訟費用刑訴法181条1項ただし書(不負担)(量刑の理由)本件犯行は,睡眠中の被害者の首を強く腰ひもで絞めたというもので,被害者の命を奪いかねない危険なものである。 犯行の直接的な動機は,知人とのささいなトラブルから思い詰めて自殺を考え, 夫を道連れにしようと決意したことにあり,そのようなことで無理心中までしようとするのは短絡的といわざるをえない。 以上からすると,被告人の刑事責任を軽視することはできない。 しかしながら,本件は幸いにして未遂におわっている。被害者の負った傷害も加療約一週間程度にとどまり,現在は完治するに至っている。 被告人は,犯行後,110番通報して自首するとともに,二度目の自殺を試みるなど,反省,悔悟の念が深いこともうかがわれる。 本件の背景には,高齢の被告 一週間程度にとどまり,現在は完治するに至っている。 被告人は,犯行後,110番通報して自首するとともに,二度目の自殺を試みるなど,反省,悔悟の念が深いこともうかがわれる。 本件の背景には,高齢の被告人が被害者の介護に心身ともに疲れ切っていたことの影響がうかがわれるが,現在,被害者については乙市の病院で認知症などの治療を受けており,被告人らの長男が看護にあたっている。被告人については,本件後大分に転居した次男夫婦が受け入れを表明しているので,被告人が被害者に対して同じような行為に及ぶ可能性はほとんど考えられない。また,被告人には前科がなく,本件に関して近隣の住人から嘆願書も提出されるなど,犯罪傾向もうかがわれない。 このような事情を考慮すると,被告人に対しては,その刑の執行を猶予するのが相当であり,刑も懲役2年にとどめてよいものと判断した。 (求刑懲役3年)平成22年3月3日大分地方裁判所刑事部裁判長裁判官宮本孝文裁判官西﨑健児 裁判官嶋田真紀

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る