【DRY-RUN】主 文 原判決中被告人A、同A1、同A2に関する部分を破棄する。 被告人Aを懲役一年に、被告人A1、同A2を各懲役八月にそれぞれ処 する。 被告人A1、同A2より各
主文 原判決中被告人A、同A1、同A2に関する部分を破棄する。 被告人Aを懲役一年に、被告人A1、同A2を各懲役八月にそれぞれ処する。 被告人A1、同A2より各金五〇万円ずつを追徴する。 原審における訴訟費用中証人B(第五回公判)、同B1、同B2、同B3(第五回公判)、同B4、同B5、同B6、同B7、同B8、同B9、同B10、同B11、同B12、同B13、同B14、同B15にそれぞれ支給した分は、被告人A、原審相被告人A3の連帯負担とし、証人B16に支給した分は、被告人Aの負担とし、証人B17に支給した分は、被告人A2の負担とし、当審における訴訟費用中証人B、同B18に各支給した分は、被告人Aの負担とし、証人B15に支給した分は、被告人A1、同A2の連帯負担とする。 理由 本件控訴の趣意は、被告人Aの弁護人佐藤藤佐提出の控訴趣意書、被告人Aの弁護人佐藤藤佐、同野村佐太男、同本谷康人、同大越譲、同藤本昭の連名で提出にかかる控訴趣意書、被告人A1、同A2の弁護人平井嘉春提出の控訴趣意書にそれぞれ記載されているとおりであるから、ここにこれらを引用し、これに対し当裁判所は、事実の取調を行つたうえ、次のとおり判断する。 被告人A1、同A2の弁護人平井嘉春の控訴趣意第一点について。 所論に、被告人A1、同A2に対する原判決の判示罪となるべき事実の第二の(1)(2)の各事実、原裁判所の判断および原判決の弁護人平井嘉春の主張に対する判断には、判決に影響を及ぼすことの明らかな事実の誤認があるとして、その理由を四項目に分けて主張しているので、以下これらの主張に対し順次判断を示す。 一、 所論は、要するに、原判決は、「本件ビラ頒布行為が、その記事内容から公職選挙法第二三五条第二号の虚 として、その理由を四項目に分けて主張しているので、以下これらの主張に対し順次判断を示す。 一、 所論は、要するに、原判決は、「本件ビラ頒布行為が、その記事内容から公職選挙法第二三五条第二号の虚偽事項を構成するかどうかについて検討するに、……中略……結局本件ビラは真偽不明の風聞ないし噂を恰もこれを真実であるかのごとく仮装したもので、その頒布行為は前法条にいう『虚偽の事実を公にしたとき』に該当するものといわざるを得ない。」旨判示し、その証拠として、特に第五回公判調書中の証人B19、第九回公判調書中の証人B17の各供述記載、Cの司法警察員に対する供述調書の外、第二七回公判廷における証人B13、同B14、同B15の各供述を掲記している。しかしながら、原判決挙示の右各証拠は信用することができないばかりでなく、とくに右証人B19、同B17の各供述は、その内容が真実に反し、とうてい信用に足るものでないうえに、右Cの司法警察員に対する供述調書、証人B13、同B14、同B15の各供述、第七回公判調書中の証人B7の供述記載、原審公判廷における被告人A、同A3、同A1、同A2の各供述を綜合すれば、D組合加入業者から贈賄された金銭のあることが相当程度に認定でき、B19の汚職の被疑事実が公然と青梅はじめ西多摩地区の人々の耳に伝わつていたことが認められるのであつて、原判決認定のごとく、単に仮装した事実でないことが認められるから、同判決には、事実の誤認があるというのである。 しかし、原判決挙示の関係証拠を綜合して考察すると、原判示B19が砂利業者から二〇〇万円を収賄した事実を認めるに足る証拠はないから、原判決が、原判示実在しないE名義の二種類のビラは、真偽不明の風聞ないし噂を、あたかもこれを真実であるかのごとく仮装したものである旨の判断をしたのは正当であつて、 た事実を認めるに足る証拠はないから、原判決が、原判示実在しないE名義の二種類のビラは、真偽不明の風聞ないし噂を、あたかもこれを真実であるかのごとく仮装したものである旨の判断をしたのは正当であつて、記録を精査し、当審における事実取調の結果によつても、これを左右するに足る証拠は存しない。なお、原判決が証拠に採用している前記各証拠は、その各供述内容および供述記載を仔細に検討し、原判決掲記のその余の関係証拠と対比すれば、信用性があるものと認められる。 二、 所論は、要するに、公職選挙法第二三五条第二号の犯罪が成立するには、特定候補者または候補者になろうとする者をして当選を得させない目的を有すること、および被告人らにおいて、公表された事実が虚偽であることの認識を有していることを必要とするところ、原判決摘示の各証拠をもつてしても、被告人らが右の目的および認識を有していたことを認定することができないばかりでなく、本件ビラの内容は、当選を妨ぐるに至るべきおそれ、またはその性質を有するものでないことがうかがわれるから、原判決には、事実の誤認があるというのである。 <要旨>しかし、公職選挙法第二三五条第二号の罪は、当選を得させない目的をもつて公職の候補者または公職の</要旨>候補者となろうとする者に関し虚偽の事項を公にすることにより成立し、公表された事項が虚偽であるかぎり、それによつて当選を妨げるに至るべきおそれがあるかどうか、またはその性質を有していないかどうかは、本罪の成立に影響を及ぼすものではないと解するのを相当とする。けだし、虚偽事項の公表は、買収行為や選挙の自由妨害などとともに、選挙人をしてその公正な判断を誤らせる因となるものであつて、選挙の自由公正を害するところ大なるものがあるからである。そして、本件二種類のビラに公表された事項が、真実と や選挙の自由妨害などとともに、選挙人をしてその公正な判断を誤らせる因となるものであつて、選挙の自由公正を害するところ大なるものがあるからである。そして、本件二種類のビラに公表された事項が、真実と符合しない虚偽であることは、前段で説示したとおりであり、原判決挙示の関係証拠によれば、被告人A1、同A2の両名において、原判示立候補者B19に当選を得させない目的を有するとともに、原判示二種類のビラに公表された事項が虚偽であることを認識していたことを含めて、原判示第二の(1)の事実を十分に肯認することができ、記録を精査し、当審における事実取調の結果に徴しても、これを覆すに足る証拠はない。 (その余の判決理由は省略する)(裁判長判事吉川由己夫判事岡村治信判事桑田連平)
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