平成15(行コ)2 出納長オースチン訪問旅費返還等請求住民訴訟控訴事件

裁判年月日・裁判所
平成15年8月20日 福岡高等裁判所 大分地方裁判所 平成13(行ウ)12
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判決文本文8,840 文字)

主文 1 本件控訴をいずれも棄却する。 2 控訴費用は控訴人らの負担とする。 事実及び理由 第1 当事者の求める裁判 1 控訴の趣旨(1) 原判決を取り消す。 (2) 被控訴人Aは,大分県に対し,87万8700円及びこれに対する平成13年4月20日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (3) 被控訴人Bは,大分県に対し,被控訴人Aと連帯して60万8600円及びこれに対する平成13年4月20日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (4) 被控訴人Cは,大分県に対し,被控訴人Aと連帯して27万0100円及びこれに対する平成13年4月20日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 原審における控訴人らの被控訴人らに対する請求の趣旨前記控訴の趣旨(2)ないし(4)記載と同旨 3 当審における審理及び判断の範囲原判決は,前記2の控訴人らの被控訴人らに対する本訴各請求をいずれも棄却したのに対し,控訴人らが控訴を申し立てて,前記1控訴の趣旨(1)ないし(4)記載のとおりの判決を求めている。したがって,当審では,前記1控訴の趣旨(2)ないし(4)記載のとおりの金額の不法行為に基づく損害賠償金あるいは選択的に不当利得に基づく不当利得金並びにこれに対する遅延損害金の各支払義務の存否を判断することとなる。 第2 本件事案の概要及び当事者の主張 1 本件事案の概要は,当審において控訴人が後記2のとおり主張を付加した外は,原判決の「事実及び理由」欄の「第2 事案の概要」記載のとおりであるから,これを引用する(ただし,職名は当時)。 すなわち,本件は,大分県の住民である控訴人らが,大分県の出納長が大分市の姉妹都市オースチン市を訪 欄の「第2 事案の概要」記載のとおりであるから,これを引用する(ただし,職名は当時)。 すなわち,本件は,大分県の住民である控訴人らが,大分県の出納長が大分市の姉妹都市オースチン市を訪問する本件訪問団顧問として講演等をしたことが,①出納長の職務に当たらず公務性がない,②出納長としての職務専念義務に違反する,③仮に公務に当たるとしてもその旅費の支出は必要最少限度の支出を定めた地方自治法等の諸法規に違反するなどの理由により違法であるとして,大分県知事に対し,地方自治法に基づき,出納長及びその秘書役を務めた随行職員に対し,同法に基づき,大分県に代位して,出納長及び随行職員に支出された旅費相当額の損害賠償金(出納長及び随行職員に対しては,不法行為に基づく損害賠償金と選択的に不当利得に基づく不当利得金)及びこれに対する遅延損害金の支払を求めている事案である。 本件の争点は,①被控訴人Bの本件出張に出納長の職務権限との関係で公務性が認められるか否か,②本件出張によって被控訴人Bに職務専念義務違反が生じ,本件支出が違法となるか否か,③本件支出が,地方自治法2条14項,地方財政法4条1項に違反するか否か,④被控訴人Cへの本件支出の適法性の有無である。 2 当審において控訴人らが付加した主張(1) 出納長の職務権限について,原判決は,事実認定及び法解釈を誤っている,すなわち,原判決は,実質的に出納長が知事のあらゆる業務の「補佐役」としての役割を果たすことまで容認する結果を導く点で飛躍があり,予算執行機関と会計機関を分離した地方自治法の趣旨を没却するものである。 そもそも,知事を代理し,補佐するのは副知事であり,地方自治法上,知事に差し支えがある場合,まず副知事が代理すべきであり,出納長に「知事代理としての儀礼行為」を広く出納長の 旨を没却するものである。 そもそも,知事を代理し,補佐するのは副知事であり,地方自治法上,知事に差し支えがある場合,まず副知事が代理すべきであり,出納長に「知事代理としての儀礼行為」を広く出納長の職務権限と解することは許されず,副知事の知事代理を検討したことの立証がされておらず,出納長代理を適法と結論づけるのは許されない。 また,原判決は,本件出張を「国際交流の支援という業務に関して行われた知事代理としての儀礼行為」と評価して,その適法性を論じているが,本件出張の旅行命令簿記載の出張用務は「経済交流」とされ,「国際交流」あるいは「知事による経済交流の代理」とはされておらず,出納長には,明らかに経済交流の目的で海外出張する職務権限は存在しないのであるから,端的に職務権限外の出張であるとして違法と評価すべきである。 (2) 知事の職務上の命令に基づくとしても,その命令自体が違法であれば,職務専念義務を免れるものではなく,被控訴人Bは,本件出張以外にも8日間の中国出張をし,それに引き続き本件出張をしており,長期間職務を離れ,本来の職務を行っていないことは,職務専念義務に違反したものといわなければならない。 (3) 出納長である被控訴人Bの知事代理としての本件出張は,必要最小限度性の要件に関する合理的裁量の範囲を逸脱した違法なものであり,被控訴人B及び同Cがダラスに一泊した点については,前日まで同じ行動をとっていた他の随行者が10月31日早朝の便で帰途についたが,被控訴人B及び同Cも同じ便に乗ることができたはずであり,あえて前記便に乗らず,10月31日午前9時に宿舎を出て13時17分にオースチン空港を発ち,同日ダラスに着いて宿泊しているのは,10月31日午前中は「オースチン市内視察」を行い,ダラスにおいても個人観光をするなど公務 ,10月31日午前9時に宿舎を出て13時17分にオースチン空港を発ち,同日ダラスに着いて宿泊しているのは,10月31日午前中は「オースチン市内視察」を行い,ダラスにおいても個人観光をするなど公務以外の行為を行っていたからであると認められ,10月31日午前のオースチン,同日午後以降のダラスにおいて,出張目的に必要最小限の公務を遂行したことの証明がない限り,1日分については必要最小限度性を欠くものとして,当然に違法な支出と認定しなければならない。 (4) 被控訴人Cについては,旅行命令簿に出張用務として「経済交流」と記載されているところ,同人には経済交流の職務権限はなく,現地で経済交流も行っていないのであるから,旅費の支出は違法であり,違法な旅費支払いを受け,自ら違法を認識しつつ,公費を取得したものとして,不法行為又は不当利得により旅費を返還しなければならない。 (5) 被控訴人Cは出納長の職務権限についても当然に認識し,出納長が国際交流の職務に従事することが出納長の職務権限を明らかに逸脱するものであり,被控訴人Cに対する本件出張命令には重大かつ明白な瑕疵があるというべきであるし,被控訴人Cは,出納長の日程調整の実質的責任者であり,形式的に会計課長が出張命令を出すとしても実質的に命令を出したのは被控訴人C自身であり,徳島県議員野球大会旅費・日当・宿泊料返還請求事件の最高裁判決を援用することは相当でない。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も控訴人らの被控訴人らに対する本訴各請求はいずれも棄却すべきものと判断する。 その理由は,原判決の「事実及び理由」欄の「第3 争点に対する判断」の「2 職務専念義務違反(争点(2))について」のうち,原判決13頁12行目から同頁22行目までを後記のとおり改め,後記2のとおり付加する は,原判決の「事実及び理由」欄の「第3 争点に対する判断」の「2 職務専念義務違反(争点(2))について」のうち,原判決13頁12行目から同頁22行目までを後記のとおり改め,後記2のとおり付加する外は,原判決の「事実及び理由」欄の「第3 争点に対する判断」記載の理由説示と同一であるから,これを引用する。 前記の改める部分は次のとおりである。 「地方公務員法4条,30条及び35条は,一般職に属するすべての地方公務員について,その職務専念義務を規定しているが,同法4条2項は「法律に特別の定がある場合を除く外,特別職に属する地方公務員には適用しない。」と規定し,同法3条3項1号,地方自治法168条7項,162条により出納長は特別職であるから,前記地方公務員法上の職務専念義務の規定の適用はなく,地方自治法附則第5条(昭和22年法律第169号,法律第196号)及び同法施行規程(昭和22年政令第19号)第28条の規定により,東京都職員服務紀律(昭和18年内務省令第51号)又は府県職員服務紀律(明治35年内務省令第3号)の例によるとされ(ただし両服務紀律とも昭和22年5月3日内務省令第29号(地方自治法施行規則)附則第2条により廃止),前記東京都職員服務紀律第1条は,「都吏員ハ忠実勤勉ヲ旨トシ法令ニ従ヒ其ノ職務ニ尽スベシ②都吏員ハ其ノ職務ニ付指揮監督者ノ命令ヲ遵守スベシ」と,同服務紀律第4条は,「都吏員ハ職務ノ為出張ヲ命ゼラレタル場合ヲ除クノ外指揮監督者ノ許可ヲ受クルニ非ザレバ職務ノ地ヲ離ルルコトヲ得ズ」と規定し,前記府県職員服務紀律にも同様の趣旨の規定がある。 このように,出納長などの特別職についても,忠実勤勉義務規定ともいうべき地方公務員法の職務専念義務規定に相当する同様の趣旨を定めた規定が存在するが,地方公務員法の職務 の趣旨の規定がある。 このように,出納長などの特別職についても,忠実勤勉義務規定ともいうべき地方公務員法の職務専念義務規定に相当する同様の趣旨を定めた規定が存在するが,地方公務員法の職務専念義務規定にいう「職務」とは,法令上与えられた権限としての職務のみならず,当該地方公共団体がなすべき職務,すなわち,当該地方公共団体が行うべき行政活動としての法律行為及び事実行為のうち,法令又は上司の職務上の命令(地方公務員法32条)によって,当該公務員がすべき行為全てをいうものと解するのが相当であり,法令により本来的職務として規定されている職務以外の行為であっても,前記行為に該当する限り,同行為を遂行することに職務専念義務違反の問題が生じるとはいえない。 そして,出納長等の特別職においても,前記のとおり,「其ノ職務ニ付指揮監督者ノ命令ヲ遵守スベシ」と規定されていることから,一般職の公務員の職務専念義務に相当する忠実勤勉義務にいう「職務」とは,指揮監督者である上司の命令によって,当該特別職の公務員がすべき行為全てをいうものと解するのが相当である。 そうすると,前記のとおり,出納長は知事の補助機関で知事の会計監督権に服するものであり,本件出張は前項で判示したとおり,上司である知事の職務上の命令に基づいて行われた公務であるから,職務専念義務あるいは忠実勤勉義務の対象となる職務に該当し,本件出張を遂行することに職務専念義務違反あるいは忠実勤勉義務違反が生じることはない。」当裁判所の引用する原判決の理由の要旨は次のとおりである。すなわち,(1) 出納長の職務権限と本件出張の公務性(争点(1))について出納長の本来的職務権限は,会計事務にあり,出納長は,独立の権限を有する会計機関としてその任務を全うする責務があるが,そう (1) 出納長の職務権限と本件出張の公務性(争点(1))について出納長の本来的職務権限は,会計事務にあり,出納長は,独立の権限を有する会計機関としてその任務を全うする責務があるが,そうであるからといって,純粋な会計事務以外の行為を一切行い得ないというわけではなく,県の特別職として県政を担う立場にあることから,会計事務に加えて,対外的関係における儀礼的な行為を行うことなどは,知事代理の立場で行う場合を含め,地方自治法が予算執行機関と会計機関を分離した趣旨に反しこれを没却するものでない限り,法令上許容されているものと解すべきであり,本件出張は,知事代理としての儀礼的事実行為であり,予算執行機関と会計機関を分離した地方自治法の趣旨にも反しないものであり,出納長の職務権限との関係で,本件出張の公務性が否定されるとはいえない。 (2) 職務専念義務違反(争点(2))について本件出張は,上司である知事の職務上の命令に基づいて行われる公務であるから,職務専念義務あるいは忠実勤勉義務の対象となる職務に該当し,本件出張を遂行することに職務専念義務違反あるいは忠実勤勉義務違反が生じることはない。 (3) 本件支出の必要最少限度性(争点(3))について地方自治法及び地方財政法は,地方公共団体の支出の必要最少限度性について規定しているが,あくまでその行政目的を達成するための支出について要求されるものであり,地方公共団体の執行機関には,行政目的の決定及び同目的達成のための手段の選択について一定の合理的な裁量が認められているから,決定された行政目的及び同目的達成のために選択された手段に裁量権の逸脱又は濫用がない限り,他の手段を選択したとしたらより少ない支出で済んだとしても,選択された手段実施に伴う支出につき地方 いるから,決定された行政目的及び同目的達成のために選択された手段に裁量権の逸脱又は濫用がない限り,他の手段を選択したとしたらより少ない支出で済んだとしても,選択された手段実施に伴う支出につき地方自治法2条14項,地方財政法4条1項の違反は生じないというべきである。本件出張は,大分市の行うオースチン市との国際交流を大分県が支援するという目的等に照らして合理的裁量の範囲内のものと認められ,また出納長という知事,副知事に次ぐ特別職にある被控訴人Bを選出したことは,知事の代理としてふさわしい高官を派遣するというオースチン市に対する社交的儀礼からしても,合理的裁量の範囲内の行為として是認することができるものというべきであり,被控訴人B及び同Cの本件出張に要した費用の内容・額と,前記本件出張の目的等,本件出張に至る経緯等及び本件の被控訴人Bらの本件出張日程を総合考慮すれば,本件支出が地方自治法2条14項,地方財政法4条1項に違反するとはいえない。 (4) 被控訴人Cへの本件支出の適法性(争点(4))について被控訴人Cは,出納長である被控訴人Bの秘書として本件出張を行ったものであるところ,前記のとおり,被控訴人Bの本件出張は公務としての適法性を有すると認められるから,被控訴人Cへの本件支出についても,適法であったと認められる。 2 当審において控訴人らが付加した主張について次のとおり検討する。 (1) 前記第2の2(1)記載の主張について①まず,原判決の解釈は,出納長が知事のあらゆる業務の「補佐役」となる結果を導き,地方自治法の趣旨を没却するとの主張については,原判決は,知事代理で行う場合を含めて儀礼的な行為を行うことは法令上許容されていると判示していて,あらゆる業務とはしていないから,所論は原判決を正解せずに論難するも 旨を没却するとの主張については,原判決は,知事代理で行う場合を含めて儀礼的な行為を行うことは法令上許容されていると判示していて,あらゆる業務とはしていないから,所論は原判決を正解せずに論難するものであり,②副知事の知事代理が検討されたとの立証がないとの主張については,当審において参加人大分県知事により提出された丙32によると,当時の大分県副知事Dは,平成12年10月23日から同月26日まで,中華人民共和国上海市及び杭州市をポートセールス及び観光ミッション用務で出張しており,本件出張の出発日である同年10月29日との間には27日,28日の両日しかなく,副知事の日程に余裕がなかったことから,当時の大分県知事被控訴人Aは,本件主張に出納長被控訴人Bを派遣することを決定したことが認められ,③「経済交流」云々の主張については,甲3の1及び甲4の1によると,旅行命令簿には,控訴人ら指摘の「経済交流」ではなく,正しくは「米国オースチン市姉妹都市10周年記念に伴う経済交流」と記載されており,乙1及び丙6ないし10の各1,2によると,本件出張には大分市長の要請で被控訴人Aが姉妹都市提携10周年記念のオースチン市親善訪問団に参加する予定であったところ,同被控訴人の訪問が不可能となり,被控訴人Bが知事代理として本件出張に赴くことが決定されたことが認められ,前記の旅行命令簿の記載には「知事代理」の文言はないが,被控訴人Bの出張用務は「知事の国際的経済交流の代理」であり,前記のとおり出納長には上司の命令で知事代理として儀礼的行為を行う職務権限があると認められる。以上のとおりであるから,控訴人らの主張はいずれも採用できない。 (2) 前記第2の2(2)記載の主張について原判決が「第3 争点に対する判断」の「2 職務専念義務違反(争点(2))」に 上のとおりであるから,控訴人らの主張はいずれも採用できない。 (2) 前記第2の2(2)記載の主張について原判決が「第3 争点に対する判断」の「2 職務専念義務違反(争点(2))」に説示しているとおりであるから,控訴人らの主張は採用できない。 (3) 前記第2の2(3)記載の主張について被控訴人Bの本件出張が必要最小限度の要件に関する合理的裁量の範囲を逸脱した違法なものでないことはこれまで説示してきたところで明らかであり,被控訴人B及び同Cがダラスに一泊した点については,なるほど控訴人ら指摘のとおり,前日まで行動を共にした他の随行者2名が10月31日早朝には帰国していることが認められるが,控訴人らが提出した甲9の1にも「10/31(火)E次長,F課長帰国  B出納長他2名は大分市訪問団とダラス入り」の記載があり,乙1及び当審で提出された丙33によると,被控訴人Bは大分市が企画した本件記念訪問団の顧問であり,同訪問団の旅行日程に従ってオースチン市内のホテルで別の視察予定の訪問団構成員と別れて,同訪問団の構成員である大分市長,同秘書外1名の構成員ら合計6名とダラス空港発の便で帰国する予定でダラスに移動したこと,前記の早くに帰国した随行職員2名は被控訴人B及び同Cなど本件記念訪問団の日程とは全く別の旅行計画であったことが認められ,以上認定した事実によると,被控訴人B及び同Cは,大分市が企画した本件訪問団の日程に従ったまでであることが窺われ,控訴人ら指摘の他の随行職員と日程を比較することに合理性はないから,控訴人らの主張は採用できない。 (4) 前記第2の2(4)記載の主張について地方公務員法の規定によれば,地方公共団体の職員は,上司の職務上の命令に忠実に従わなければならないものとされており(地方公務 は採用できない。 (4) 前記第2の2(4)記載の主張について地方公務員法の規定によれば,地方公共団体の職員は,上司の職務上の命令に忠実に従わなければならないものとされており(地方公務員法32条),上司の職務命令に重大かつ明白な瑕疵がない限り,これに従う義務を負うものと解される。上記職務関係からすれば,地方公共団体の職員が職務命令である旅行命令に従って旅行をした場合には,職員は,旅行命令に重大かつ明白な瑕疵がない限り,当該旅行に対して旅費の支給を受けることができ,それが不当利得となるものではない(最高裁判所第二小法廷平成15年1月17日判決(徳島県議員野球大会旅費・日当・宿泊料返還請求事件)参照)。そして甲3の2,乙1によると,被控訴人Cは,出納事務局会計課総務係主査で出納長秘書の職務を担当していて,会計課長から本件出張を命じられたものであり,この命令に重大かつ明白な瑕疵は認められない(控訴人の主張する「経済交流」が純粋経済交流より広い意味を有したことは前述したとおりである。)。また被控訴人Bは,特別職である出納長であって,地方公務員法4条2項により同法の適用はないが,前記のとおり例とされる前記の服務紀律にも「指揮監督者ノ命令ヲ遵守スベシ」との規定があり,上司の職務命令に重大かつ明白な瑕疵がない限りこれに従う義務を負うものと解され,上司の職務命令である旅行命令に従って旅行した場合には,旅行命令に重大かつ明白な瑕疵がない限り,当該旅行に対して旅費の支給を受けることができ,それが不当利得となるものではないことは一般職に属する公務員と異なるところはないと解され,かつ本件出張命令に重大かつ明白な瑕疵がないことはこれまで説示してきたところから明らかである。よって,控訴人らの主張はいずれも採用できない。 (5) 前記第2の2( と異なるところはないと解され,かつ本件出張命令に重大かつ明白な瑕疵がないことはこれまで説示してきたところから明らかである。よって,控訴人らの主張はいずれも採用できない。 (5) 前記第2の2(5)記載の主張について被控訴人Bの本件出張には出納長の職務権限との関係で公務性があり,本件出張が出納長の職務権限を何ら逸脱するものではないこと,被控訴人Cに対する本件出張命令になんら重大かつ明白な瑕疵はないこと,及び被控訴人Cに対する本件出張命令の命令権者はあくまでも会計課長と解せられるが,仮に被控訴人Cが実質的決定をしたとしても,本件出張命令には控訴人らが指摘するような違法性はないことから,控訴人らの主張は採用できないことはこれまで説示してきたとおりである。 3 以上のとおりであるから,原判決は相当であって,本件控訴は理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。 福岡高等裁判所第2民事部裁判長裁判官石塚章夫裁判官永留克記裁判官高宮健二

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