令和7年6月24日東京地方裁判所刑事第11部宣告令和7年刑(わ)第676号占有離脱物横領、邸宅侵入、窃盗被告事件 主文 被告人を懲役2年6月に処する。 この裁判確定の日から3年間その刑の執行を猶予する。 理由 (罪となるべき事実)被告人は、第1 令和7年1月31日午後8時頃から同日午後8時25分頃までの間に、東京都大田区(住所省略)A方において、既に死亡した同人が生前に所有又は管理していた現金約300万円及び鍵1本を発見し、その頃、これらを自己のものにするため同所から持ち去り、もって、占有を離れた他人の物を横領し、第2 窃盗の目的で、同年2月4日午後5時41分頃から同日午後6時4分頃までの間に、Bが看守する前記A方に、前記第1の犯行により横領した鍵を使用して玄関ドアから侵入し、その頃、同所において、前記B管理の現金約2700万円を窃取したが、同月23日、警視庁蒲田警察署において、同署司法警察員Cに自首した。 (法令の適用)令和4年法律第68号を「整理法」、整理法441条1項により適用される同年法律第67号による改正前の刑法を「旧刑法」という。 ・罰条判示第1の行為旧刑法254条判示第2の行為邸宅侵入の点旧刑法130条前段窃盗の点旧刑法235条 ・科刑上一罪の処理判示第2の罪刑法54条1項後段、10条(ただし、同条1項は旧刑法)(重い窃盗罪の刑で処断)・刑種の選択判示第1及び第2の各罪について懲役刑を選択・併合罪の加重旧刑法45条前段、47条本文、刑法10条(ただし、同条1項は旧刑法)(重い判示第2の罪の刑に旧刑法47条ただし書の制限内で法定の加重)・刑の全部執行猶予刑法25条1項(量刑の理由)本件は、警察 5条前段、47条本文、刑法10条(ただし、同条1項は旧刑法)(重い判示第2の罪の刑に旧刑法47条ただし書の制限内で法定の加重)・刑の全部執行猶予刑法25条1項(量刑の理由)本件は、警察官であった被告人が、変死事案についての職務遂行中に発見した現金約300万円と変死体が発見された部屋の合鍵を横領し、さらに後日、同合鍵を用いるなどして同部屋に侵入し、現金約2700万円を窃取したというものであり、警察官としての職務遂行中又はその職務に関連し、その立場を悪用して犯行に及んだものといえ、警察官の職務に対する信頼を著しく害する悪質な犯行である。加えて、被害総額も約3000万円と非常に高額であり結果も重大である。 以上によれば、被告人の責任は重い。 しかしながら、被害金は被害者に全額還付等されたほか、被告人と被害者との間で示談が成立していること、被告人は、本件後、自身の犯した罪を悔い、被害金の一部を被害者に返還するとともに自首し、事実を認めて反省の弁を述べていること、被告人の父親が、今後同居しながら被告人を監督する旨誓約していること、被告人には前科がないことなど、弁護人が弁論で主張する諸点を踏まえると、被告人に対しては、その刑の執行を猶予するのが相当であると判断した。 (検察官上田生久代、弁護人高本真莉瑛各出席)(求刑懲役2年6月)令和7年6月24日東京地方裁判所刑事第11部 裁判官江口和伸
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