昭和29(う)28 賍物故買同牙保及びたばこ専売法違反被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和29年11月10日 広島高等裁判所 棄却
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【DRY-RUN】主    文      本件各控訴を棄却する。          理    由  各弁護人の控訴の趣意は記録編綴の各弁護人提出に係る控訴趣意書のとおりであ るから、ここにこれを引用する。  これに対す

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判決文本文2,993 文字)

主文本件各控訴を棄却する。 理由各弁護人の控訴の趣意は記録編綴の各弁護人提出に係る控訴趣意書のとおりであるから、ここにこれを引用する。 これに対する当裁判所の判断は次のとおりである。 被告人A、同Bの弁護人小野実の控訴趣意第一点(法令適用の誤)につき(一) の論旨についてしかし原判決は被告人AにおいてC公社又は同公社から指定された、たばこ小売人でないD及び通称Eから、同人等が窃取した判示たばこの売却斡旋方を依頼され、これが賍品であることの情を知りながら更に被告人Bの斡旋によつてこれをFに売却してやつた旨、被告人Bは、被告人Aから前記たばこの売却斡旋方を依頼され、これが賍物であることの情を知りながらこれをFに売却してやつた旨夫々認定判示しているので、右は被告人A、同Bは、いづれもC公社又は同公社から指定された、たばこ小売人でないD、Eが賍品である公社製造たばこを他に販売するに際して、これが賍物であることの情を知りながらその売却斡旋をしてやつた趣旨であることは判文自体によつて明かである。してみれば同被告人等の所為が賍物牙保罪を構成すると共に一面たばこ専売法第二九条第二項の罪の幇助罪にも該当する旨の事実摘示としては欠くるところがないものといわねばならない。論旨に理由がない。 (二) の論旨について所論は、原判決が本件たばこの価額を追徴するに当り、被告人等が他に売却して得た対価によらないでその<要旨>公定価格により追徴したのは違法であると主張する。しかしたばこ専売法第七五条第二項の価額の追徴は、本</要旨>来犯人からその物件を没収すべき場合において、犯人が他にこれを譲り渡し若しくは消費したがため没収することができないので、その没収に代えてその価格に相当する金額を納付させる趣旨である は、本</要旨>来犯人からその物件を没収すべき場合において、犯人が他にこれを譲り渡し若しくは消費したがため没収することができないので、その没収に代えてその価格に相当する金額を納付させる趣旨であると解せられるから、右の追徴額は、消費の場合は勿論、譲渡の場合においても犯人の取得した現実の対価にかかわらずその物件の客観的な適正価格(本件のようなC公社の製造たばこの場合は公社が定めて公告した定価)を指すものと解するのを相当とする。 従つて原判決が被告人等に対し判示の追徴額を言渡したのは正当である。なお本件のようなC公社の製造たばこを公定価格より高く売り渡すということは想像し難いところであるけれども、若し所論のように高く売り渡したため不正の利益がなお残存しこれを取上げる必要がある場合においては、右超過部分については、別に一般法である刑法第一九条第一項第四号第二項第一九条の二の適用があるべきものと解せられるから、これらの法条により没収又は追徴し得るものというべく、従つて、前記のように解したとて何等所論のように不正の利益を保持せしめる結果にはならない。論旨は理由がない。 被告人A、同Bの弁護人小野実の控訴趣意第二点、被告人Bの弁護人山中恒三の控訴趣意第一点(各事実誤認)についてしかし被告人Bについては原判決引用に係る同人の司法警察員に対する第三回、第四回供述調書(同調書の記載に任意性のあることについては後述)の各記載に徴し、又被告人Aについては原判決引用のGの司法巡査に対する第一回供述調書謄本、Hの司法警察員に対する供述調書、被告人Aの司法巡査に対する第一回、第三回供述調書の各記載に徴し、同被告人等が、いづれも本件犯行当時、所論の判示物件が賍物であることを知悉していたことを知るに十分であり、記載を調査するも原審の事実認定に誤りがあるとに確め る第一回、第三回供述調書の各記載に徴し、同被告人等が、いづれも本件犯行当時、所論の判示物件が賍物であることを知悉していたことを知るに十分であり、記載を調査するも原審の事実認定に誤りがあるとに確められない。論旨にいづれも理由がない。 被告人Bの弁護人山中恒三の控訴趣意第二、三点について所論は要するに、原判決が証拠として引用している被告人Bの司法警察員に対する供述調書及びDの検察官に対する第一回供述調書任意性を争い、延て該調書の記載を採用して認定した原判決は事実誤認をおかしたものであるというにある。しかし記録を精査し、同被告人の前記供述調書の記載内容を検討するに、該調書の記載が所論の如く強制によるものとは認められないし、又D供述調書については、これが取調に当つて弁護人、被告人において同意しており、その記載内容についても記録に照し信用性を有するものと認められるので、原審がこれらの調書を証拠として採用したことについて手続違反はない。又原判決挙示の各該当証拠によつて夫々判示事実を十分認定し得られるところであり、なお記録を調査するも原判決に事実誤認は認められない。所論は要するに原審が適法にした証拠の取捨、判断を非難攻撃し又は記録及び証拠に基かない主張をするものであつて採用できない被告人Iの弁護人原田左近の控訴趣意中、事実誤認の主張について(一) の論旨につき原審第六回公判調書中、被告人Aの供述として論旨に指摘する如き記載のあることは所論のとおりである。しかし該供述は同被告人が原審第六回公判において突如として陳述した事柄であつて、被告人IがAから買受けた衣類の点数及びその代金が原判決摘示のとおりであることは同被告人も原審においてこれを認めて争わなかつたところであり、原判決が引用している被告人Aの司法巡査に対する第三回供述調書、被告人I ら買受けた衣類の点数及びその代金が原判決摘示のとおりであることは同被告人も原審においてこれを認めて争わなかつたところであり、原判決が引用している被告人Aの司法巡査に対する第三回供述調書、被告人Iの司法巡査に対する第一回供述調書の各記載によるも十分これを認められ、なお記録を調査するも、原判決に所論の如き事実誤認があるとは認められない。 (二) の論旨についてしかし被告人Iの司法巡査に対する第一回供述調書中、「Aは衣類の古物商でもなく、呉服商でもないし、農業はしているかも知れぬがそんな衣類を取扱う商人でもなく、衣類ブローカーとも見受けられないし、不審に思つたが、飲んだ元気で一儲けしようと思い、見せて貰つた品物のうち上等のものをAが抜いた残りを林檎箱につめて持返つた」「その品物は翌日広島駅前の道路上でブローカーに二八、〇〇〇円で売却した」「不審な品とは思つたが生活に窮して一儲けしようと思いつまらないことに手を出した」旨の記載に徴し、判示知情の事実は十分認定し得るところであり、なお記録を調査するも原判決の事実認定に誤りがあるとは認められない論旨は理由がない被告人A、同Bの弁護人小野実、被告人Iの弁護人原田左近の各控訴趣意中、各量刑不当の主張について本件記録を精査検討し、本件犯行の動機、態様並に各被告人の前歴等諸般の事情を考慮すれば、所論の事情を参酌するも各被告人に対する原判決の科刑はいづれも相当であつて重過ぎるとは認められない。論旨は理由がないよつて刑事訴訟法第三九六条に則り主文のとおり判決する。 (裁判長判事柳田躬則判事尾坂貞治判事石見勝四) 治判事石見勝四)

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