昭和26(オ)209 損害賠償請求

裁判年月日・裁判所
昭和32年2月7日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  論旨主張の要点は、別件課税処分取消、増加所得税債務不存在確認訴訟において (一

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判決文本文1,813 文字)

主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 論旨主張の要点は、別件課税処分取消、増加所得税債務不存在確認訴訟において(一)被告たる国の指定代理人たる被上告人B1が課税原因たる所謂横流しの事実をまず具体的に主張するを要するのに拘らず、そのことなくして証拠調(証人訊問)の申出をし、裁判所はその証人訊問をなしたこと、(二)右証人たる被上告人B2のなした証言は、(イ)係争事実に関係なく、(口)抽象的で具体性なく、(ハ)伝聞先を明かにしない伝聞証言であることにおいて、証拠価値なきに拘らず、これを証拠として顕出せしめたことは適法な攻撃防禦の方法とは認められない。然るに原判決は、これを適法であると判示しているのであつて、右原審の判断は訴訟法の解釈を誤り且つ判例に違反するものであるというにある。 しかし右(一)について、原審の判示したところによれば、横流しの主張は上告人がこれに対し答弁し得ない程に抽象的なものではなく、これに関し証拠調に入るに先だち裁判所が釈明権を行使するか否かは結局受訴裁判所の訴訟指揮権の範囲に属し、自由心証の問題に帰着するのであつて、被上告人B1が横流しの主張をなしこれを立証するため証拠調の申出をすることは、前記別件訴訟における防禦方法として不適法なものということはできないというのであつて、右判断は正当であり所論は採ることを得ない。なお、右に関連する上告理由第五ノ三の所論は、原審の判示に副わない事項を前提として原判決を非難するに帰し、上告理由として不適法である(原審は、被上告人B1のなした課税原因の主張についてのみ論旨指摘の判示をしたのであつて、所得の発生原因のすべてについて何らの主張なくして証拠調の申出をしても適法であるとしたものでないことは判文上明らか 審は、被上告人B1のなした課税原因の主張についてのみ論旨指摘の判示をしたのであつて、所得の発生原因のすべてについて何らの主張なくして証拠調の申出をしても適法であるとしたものでないことは判文上明らかである。)。 - 1 -また右(二)(イ)については、前記別件訴訟における審判の範囲は横流しの事実のみに限定せらるべきでなく、これと関連性ある事実は、その関連性の限度においては審判の範囲に属するものと解すべきところ、論旨指摘の証言は直接間接に横流しの事実を推測させる事実に関するものとみられるのであつて、その間に関連性を認めうべく、これと結論を同じくする原判決には所論のような違法は認められない(右に関する所論引用の判例にいうところの係争事実とは関連性ある間接事実をも含むと解すべきであつて、従つて原判決は、右判例にも違反するものではない。)。 (二)(ロ)については、上告人は原審において抽象的事実は証拠とすること能わずとの学説判例を陳述したに止まり、所論証言がかかる証言に該当する旨の主張を明らかにした形跡なく、従つて所論は原審においで主張判断のない事実に基づき原判決を非難するに帰し上告理申として不適法である。(二)(ハ)については、伝聞先を明らかにしない伝聞証言であるからといつて、その一事をもつて証拠能力がないとすることはできず、原審の認定した事実によれば、本件証言においては単に徴税の便宜上伝聞先を明にしないのにすぎず、かような証言の証拠力の有無は、事実審裁判所の自由心証に委ねられていると解すべきであり、従つて、かような証言も適法な防禦方法たるを失わないとした原判決には所論のような違法なく、右に関する論旨引用の判例は、空漠たる風聞が証拠力を有しないと判示したものであるから、本件には適切でない。 以上説明をした以外の論旨は「最高裁判所における民事 とした原判決には所論のような違法なく、右に関する論旨引用の判例は、空漠たる風聞が証拠力を有しないと判示したものであるから、本件には適切でない。 以上説明をした以外の論旨は「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号ないし三号のいずれにも該当せず、又同法にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない。 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 - 2 -最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官入江俊郎裁判官真野毅裁判官斎藤悠輔- 3 -

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