19く396東京高裁平成19・8・2316条の15第1項5号ロ棄却 主文 本件抗告を棄却する。 理由 本件抗告の趣意は,弁護人A作成の即時抗告申立書に記載されたとおりであるから,これを引用する。 論旨は,要するに,弁護人は,刑訴法316条の15第1項5号ロの類型証拠に該当するとして,捜査報告書(甲第216号証ないし第279号証及び甲第311号証ないし第336号証)を作成した警察官又は検察官が,被告人の取調べに際して作成した手控え,備忘録又はこれらのデータファイル(以下「本件手控え等」という。)の開示命令を請求したのに,これらを棄却した原裁判の判断には,刑訴法の解釈適用を誤った違法があるので,原決定を取り消した上,上記各証拠の開示を命じるとの裁判を求める,というのである。 そこで検討すると,刑訴法316条の15により開示が予定されている証拠は,基本的には検察官が現に保管している証拠を意味すると解されるところ,本件手控え等は,検察官の手持ち証拠としては存在しないとのことである上,仮にそれらが存在するとしても,いずれも捜査官らが上記捜査報告書を作成する下準備として,個人的に作成,所持するものにすぎず,検察官の手持ち証拠となるべきものではないから,同条第1項5号ロに該当する証拠とは認められないことが明らかである。 以上によれば,上記各証拠の開示を求める弁護人の請求は理由がないから,これらをいずれも棄却した原決定は正当であり,論旨は理由がない。 よって,刑訴法426条1項後段により,本件抗告を棄却することとし,主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官・安廣文夫,裁判官・山田敏彦,裁判官・前澤久美子) 官・安廣文夫 裁判官・山田敏彦 裁判官・前澤久美子
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