平成18(行コ)284 特別土地保有税納税義務免除不許可決定処分取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成16年(行ウ)第561号)

裁判年月日・裁判所
平成19年4月12日 東京高等裁判所 租税
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判決文本文18,646 文字)

- 1 -主文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実 及び理由第1控訴の趣旨 原判決を取り消す。 被控訴人が控訴人に対して平成15年1月24日付けでした原判決別紙1物件目録記載の各土地(以下「本件各土地」という)に係る平成13年1月1。 日から同年12月31日までの取得分及び平成14年度保有分に係る特別土地(,「」保有税の納税義務を免除しない旨の各処分以下これらを併せて本件処分という)をいずれも取り消す。 。 訴訟費用は,第1,2審とも,被控訴人の負担とする。 第2事案の概要 本件は,本件各土地を売買によって取得した控訴人が,本件各土地に係る特別土地保有税について,地方税法603条の2の2第1項による免除土地予定地に係る納税義務の免除を受けるために,本件各土地を免除土地として使用し又は使用させようとすることについての認定を被控訴人に申請し,その認定を受けて特別土地保有税の徴収を猶予されていたところ,信託によって本件各土地の所有権を受託者に移転したため,被控訴人から,①本件各土地の所有権移転によって控訴人は同項の「土地の所有者等(当該土地の所有者又は取得」「者)でなくなったために同項の適用を受けられなくなったこと,②控訴人に」よる本件各土地の譲渡には平成14年法律第17号による改正後の地方税法附則31条の3の2による免除土地予定地のための譲渡に係る土地に係る納税義務の免除の特例の適用がないこと,を理由として,本件各土地に係る特別土地保有税の納税義務を免除しない旨の本件処分を受けたことから,①本件各土地は信託の委託者兼受益者である控訴人が実質的に所有するものであり,本件- 2 -処分は地方税法603条の2の2第1項の解釈適用を誤った違法がある,②仮に本件各土地につ 受けたことから,①本件各土地は信託の委託者兼受益者である控訴人が実質的に所有するものであり,本件- 2 -処分は地方税法603条の2の2第1項の解釈適用を誤った違法がある,②仮に本件各土地について同項の適用がないとしても,上記改正後の地方税法附則31条の3の2の適用がある,などと主張して,本件処分の取消しを求めた事案である。 原審が控訴人の請求を棄却したので,控訴人が控訴した。 関係法令の定めは,原判決の「事実及び理由」欄の「第2事案の概要」の「1関係法令の定め」に記載のとおり(原判決2頁23・24行目)であるから,これを引用する。 前提となる事実は,原判決の「事実及び理由」欄の「第2事案の概要」の「」() 前提となる事実に記載のとおり原判決2頁末行から5頁7行目まで,。 ,「,」であるからこれを引用するただし原判決3頁14行目の事業と定めの次に「事業割合を原告60%,A株式会社40%とした上」を加え,同頁,18・19行目の委託者兼第1及び第2受益者を委託者兼第1受益者受「」「(益権割合60%)及び第2受益者(同40%」に改める。 ) 争点及びこれに関する当事者の主張は,次のとおり訂正し,下記5に控訴人の当審における補充の主張を掲げるほかは原判決の事実及び理由欄の第,「」「 事案の概要」の「3争点及び当事者の主張」に記載のとおり(原判決5頁9行目から20頁6行目まで)であるから,これを引用する。 ( )原判決5頁11行目の「同項」から同頁12・13行目の「といえるか 否か」までを「同項に定める納税義務の免除要件を満たしているといえるか否か」に改める。 ( )原判決9頁1行目の「原告」を「被告」に改める。 控訴人の当審における補充の主張(争点①について)仮に,控 を「同項に定める納税義務の免除要件を満たしているといえるか否か」に改める。 ( )原判決9頁1行目の「原告」を「被告」に改める。 控訴人の当審における補充の主張(争点①について)仮に,控訴人の争点①についての原審における主張(原判決第2の3( )ア の(ア)及び(イ))が認められないとしても,法は,少なくとも,土地の取得に対する特別土地保有税(取得分)に関しては,信託譲渡が形式的な所有権の移- 3 -転にすぎず実質上は所有者の変更がないことを踏まえ,委託者と受託者を一体のものとみる考え方を採用しているというべきである。すなわち,法587条2項は「委託者から受託者に信託財産を移す場合における不動産の取得(法,」73条の7第3号)が形式的な所有権の移転にすぎず実質上は所有者の変更がないとの趣旨に基づいて,原則として土地の取得に対して課する特別土地保有税(取得分)を課さないことを定めており,土地の取得については委託者と受託者を一体のものとみているのである。したがって,委託者が受託者に土地を信託譲渡した場合,土地の取得に対する特別土地保有税に関しては,委託者はなお法603条の2の2第1項の「土地の所有者等」の地位を失っていないと解すべきであり,本件においては,委託者である控訴人は,本件信託後も同項の「土地の所有者等」であり,土地の取得に対する特別土地保有税の納税義務の免除要件を満たしているといえるのである。 第3当裁判所の判断 争点①(法603条の2の2関係)について( )特別土地保有税と信託について ア(ア)地方税法に基づく特別土地保有税は,土地投機を抑制しあわせて土地の有効利用と供給を促進するために昭和48年に創設された市町村税(法734条1項により,都の特別区の存する区域においては都が課す税であり,都を市 基づく特別土地保有税は,土地投機を抑制しあわせて土地の有効利用と供給を促進するために昭和48年に創設された市町村税(法734条1項により,都の特別区の存する区域においては都が課す税であり,都を市とみなして関係の規定が準用される。以下同じ)で。 あり,土地又はその取得に対し,当該土地の所有者又は取得者に課するものである(法585条1項。 )(イ)土地に対して課する特別土地保有税(保有分)は,同法上の固定資産税と同様いわゆる財産税に属し,毎年の1月1日を基準日として基準日において取得後10年未満の土地に対して,その所在する市町村により,その所有者に課されるものであり(法585条1項,3項,課税)標準はその土地の取得価額法593条1項税率は14%の定率法(),(.- 4 -594条)とされ,税額の算定に当たっては重複課税を避けるために同じ性質を持つ固定資産税相当額を控除することとされている(法596条1号。 )(ウ)土地の取得に対して課する特別土地保有税(取得分)は,同法上の不動産取得税と同様いわゆる流通税に属し,土地の取得に対して,その所在する市町村により,その取得者に課されるものであり(法585条1項,課税標準はその土地の取得価額(法593条1項,税率は3%))の定率(法594条)とされ,税額の算定に当たっては重複課税を避けるために同じ性質を持つ不動産取得税相当額を控除することとされている(法596条2号。 )イ(ア)特別土地保有税(保有分,取得分)については,土地投機を抑制するとの目的から,一定規模未満の土地の取得及び保有を課税対象から除外する免税点の規定が設けられたり(法595条,有効利用に供され)る土地などにつき,非課税ないしは納税義務の免除の規定が設けられている(法586条,587条,601条 取得及び保有を課税対象から除外する免税点の規定が設けられたり(法595条,有効利用に供され)る土地などにつき,非課税ないしは納税義務の免除の規定が設けられている(法586条,587条,601条~603条の2の2,法附則31条の2。 )(イ)また,特別土地保有税(保有分,取得分)は,土地投機を抑制しあわせて土地の有効利用と供給を促進するために設けられたものであるため,時々の社会経済情勢に応じた土地政策として,政策的にその課税が強化されたり緩和されたりしてきており,平成15年度以後の特別土地保有税(保有分,取得分)は,これを課さないこととされている(平成15年法律第9号による改正後の法附則31条1項,2項。 )ウ(ア)他方,信託とは,委託者の特定財産を受託者に移転し,その財産を一定の目的のために管理させ,これから得られる利益を受益者に受けさせる契約である(信託法1条。 )(イ)法は,特別土地保有税に関して,土地の信託は,受託者による土地- 5 -の取得(委託者から受託者に対する土地の所有権の移転)に該当し,受託者が土地の所有者であることを前提として,必要に応じて信託に関する規定を設けている。 (ウ)すなわち,土地の取得に対して課する特別土地保有税は,いわゆる,,流通税に属し土地の所有権の移転自体に着目して課されるものであり土地に対して課する特別土地保有税は,いわゆる財産税に属し,取得に引き続いて土地を所有している事実自体に着目して課されるものであり,いずれも,土地の取得者又は所有者がその土地を使用,収益,処分することにより得られるであろう利益に着目して課されるものでないから,法585条1項にいう土地の取得とは所有権の移転の形式により土地を取得するすべての場合を含み(実質的に完全な内容の所有権を取得するか否かには関 得られるであろう利益に着目して課されるものでないから,法585条1項にいう土地の取得とは所有権の移転の形式により土地を取得するすべての場合を含み(実質的に完全な内容の所有権を取得するか否かには関係ない,同項にいう土地(の所有)とは上記の土地。)の取得に引き続いて土地を所有するすべての場合を含むこと,したがって,土地の信託は,受託者による土地の取得(委託者から受託者に対する土地の所有権の移転に該当し受託者が土地の所有者であること最),(高裁平成14年12月17日第三小法廷判決・裁判集民事208号581頁,譲渡担保に対する不動産取得税に関する最高裁昭和48年1月16日第二小法廷判決・民集27巻10号1333頁参照,を前提とし)て,必要に応じて,例えば,土地の取得に対して課する特別土地保有税は,土地の取得者(信託の受託者)に課すことができず(法587条2項・73条の7第3号,土地に対して課する特別土地保有税は,その)うち政令で定めるものに限って(令54条の32第2項2号により,取得の直前において非適用土地であった土地の取得がなされた場合,土)地の所有者(信託の受託者)に課すことができない(法587条1項・73条の7第3号)などと,信託に関する規定を設けているのである。 ( )法603条の2の2と本件処分について - 6 -ア(ア)特別土地保有税(保有分,取得分)は,土地投機を抑制しあわせて土地の有効利用と供給を促進するために設けられたものであるため,一定の恒久的な利用に供される建物,構築物又は施設の敷地に使われる土地については,有効利用に供される土地として,一定の条件のもとに納税義務が免除され(法603条の2第1項。この土地を「免除土地」という,さらに,土地が近い将来に上記の目的に使用される見込みであ。)る いては,有効利用に供される土地として,一定の条件のもとに納税義務が免除され(法603条の2第1項。この土地を「免除土地」という,さらに,土地が近い将来に上記の目的に使用される見込みであ。)る場合にも(免除土地予定地,いったんその徴収を猶予した後,現実)にその目的に使用された場合には,納税義務を免除するものとされている(法603条の2の2第1項,2項・601条3項前段。 )(イ)法603条の2の2第1項は,免除土地予定地に係る納税義務の免。 ,,「」除の要件を定めた規定であるすなわち市町村は土地の所有者等が「その所有する土地」を免除土地として使用し又は使用させようと,する場合において,市町村長が当該事実を認定したところに基づいて定める日から2年を経過する日までの期間(5年を超えない範囲内で延長があり,この期間を「納税義務の免除に係る期間」という)内に「当。 該土地」を「免除土地として使用し,又は使用させ」かつ,これらの,使用が開始されたことにつき市町村長の確認を受けたときは,当該土地に係る特別土地保有税の納税義務を免除するものとされている。 (ウ)上記(イ)の納税義務の免除を受ける主体である「土地の所有者等」とは,法「第8節特別土地保有税」の「第1款通則」に規定されている法585条1項において「土地の所有者又は取得者(以下本節に,おいて「土地の所有者等」という」とされ,法603条の2の2が同。)節中に規定されていることから「土地の所有者又は取得者」であるこ,とが明らかである。また,上記(イ)の「その所有する土地」とは,法585条1項におけると同様,所有権の移転の形式により土地を取得して引き続いて当該土地を所有するすべての場合を含むと解すべきであり,- 7 -上記(イ)の「当該土地」とは「土地の る土地」とは,法585条1項におけると同様,所有権の移転の形式により土地を取得して引き続いて当該土地を所有するすべての場合を含むと解すべきであり,- 7 -上記(イ)の「当該土地」とは「土地の所有者等がその所有する土地」,,「,,」をいうものと解すべきであり免除土地として使用し又は使用させとは「免除土地として自ら使用し,又は他人に使用させること」であ,る。 したがって,上記(イ)の納税義務の免除を受ける要件として「土地,の所有者又は取得者」が「その所有する土地」を現実に「免除土地として自ら使用し,又は他人に使用させ」かつ,これらの使用が開始され,たことにつき市町村長の確認を受けたことが必要となるのであり,この使用以前に「土地の所有者又は取得者」が「その所有する土地」の所,,有権を喪失したときは,免除の要件を満たさないというべきである。 イこれを本件処分についてみると,控訴人は,本件各土地を売買によって取得し,本件各土地に係る特別土地保有税について,法603条の2の2第1項による免除土地予定地に係る納税義務の免除を受けるために,本件各土地を免除土地として使用し又は使用させようとすることについての認定を被控訴人に申請し,その認定を受けて特別土地保有税の徴収を猶予されたが,その後,本件各土地を現実に免除土地として自ら使用し又は他人に使用させる以前に本件信託によって本件各土地の所有権を受託者に移転したのであるから,委託者である控訴人は,本件各土地について,法603条の2の2第1項に定める「土地の所有者又は取得者」が「その所有,する土地」を「免除土地として自ら使用し,又は他人に使用させ」とい,う要件を満たしていないものというべきであり,したがって,同項の納税義務の免除の要件に該当しないとした本件処分の判断は相当 有,する土地」を「免除土地として自ら使用し,又は他人に使用させ」とい,う要件を満たしていないものというべきであり,したがって,同項の納税義務の免除の要件に該当しないとした本件処分の判断は相当である。 ( )控訴人の主張に対する判断 ア(ア)これに対し,控訴人は「本件信託は,控訴人が自らの事業を遂行,する上で信託という法形式を借用したものにすぎず,実質的な所有権の移転はない「本件信託の諸事情にかんがみれば,控訴人が実質的な。」,- 8 -所有者として,本件各土地の占有を一度として放棄せず,自ら一貫して本件各土地の占有を維持継続して実効支配しつつ免除土地に向けての事業を自ら遂行し,完成させたことは明らかである。一般的に信託譲渡について形式的な所有権移転が認められるとしても,特別土地保有税の納税義務を負担すべき「土地の所有者等」をいかに解すべきかという本件固有の問題に関しては,以上のような控訴人の事業主体性が高い本件信託の実態に着目すれば,当然に控訴人こそが法603条の2の2第1項の「土地の所有者等」に該当すると解すべきことは明らかである」旨。 を主張する。 (イ)たしかに,本件処分の対象となっている本件各土地に係る平成13年1月1日から同年12月31日までの取得分及び平成14年度保有分に係る特別土地保有税に関して,控訴人が法603条の2の2第1項の「土地の所有者等」すなわち「土地の所有者又は取得者」であるといえる。しかしながら,上記( )イのとおり,本件信託後は,委託者である 控訴人は,もはや本件各土地の所有者ではないから,同項に定める「その所有する土地」という要件を満たさないものというべきである。控訴人の上記(ア)の主張は,本件信託後も本件各土地につき実質的な所有権を有するから「その所有する土地」という要件を ら,同項に定める「その所有する土地」という要件を満たさないものというべきである。控訴人の上記(ア)の主張は,本件信託後も本件各土地につき実質的な所有権を有するから「その所有する土地」という要件を満たすという主張であ,,,,ると解されるが前記( )ウのとおり法は特別土地保有税に関して 土地の信託は,受託者による土地の取得(委託者から受託者に対する土地の所有権の移転)に該当し,受託者が土地の所有者であることを前提として必要に応じて信託に関する規定を設けているのであるから「そ,の所有する土地」の解釈について,土地の信託がなされてもなお委託者がこれを所有していると解する余地はないというべきである。 この点,控訴人は「前記最高裁平成14年12月17日第三小法廷,判決は,特別土地保有税の納税義務の発生を定める法585条1項に関- 9 -するものであって,納税義務の免除を定めた法603条の2の2の解釈に直接関係するものではなく,それぞれの規定の趣旨・目的に照らした法令解釈をすべきである」とも主張するが,特別土地保有税の納税義。 務の発生を定める法585条1項とその免除を定める法603条の2の2第1項において,その要件の基礎をなす土地の取得や土地の所有権の帰属に関する概念を別異に解すべき根拠はなく,むしろ,土地の信託について別異の取扱いをするのであれば,必要に応じて信託に関する別段の規定を設けているはずであるから,控訴人のこの点に関する主張は採用できない。 (ウ)したがって,控訴人の上記(ア)の主張は採用することができない。 イ(ア)また,控訴人は「仮に本件信託後は控訴人が「土地の所有者等」,に該当しないとしても「土地の所有者等」であった本件信託前に控訴,人が既に得ていた特別土地保有税に関する徴収猶予が取り消されるべき )また,控訴人は「仮に本件信託後は控訴人が「土地の所有者等」,に該当しないとしても「土地の所有者等」であった本件信託前に控訴,人が既に得ていた特別土地保有税に関する徴収猶予が取り消されるべきか否かという問題は別異に考え得る問題であり「特別土地保有税にお」,いては,信託による所有権の移転があった場合について,土地の投機的取引を抑制し有効利用を促進するという特別土地保有税の課税の趣旨及び形式的な所有権の移転にすぎない信託に基づく所有権移転の特質を考慮して,場面に応じて委託者・受託者一体説の考え方が採用されているものと解され,かかる立法政策の採用は,明示的な規定がない場面の法の適用に関しても影響すると考えるのが自然である「法603条の。」,2の2の免除要件は,委託者が,対象土地を免除土地として使用し又は使用させようとする意図のもとに信託し,信託後においても委託者が対象土地に対する実質的な支配を失うことなく,免除土地として使用し又は使用させるに至った場合にもこれに該当すると解すべきである」旨。 を主張する。そして,控訴人は,法が場面に応じて「委託者と受託者とを一体のものとみる考え方」を採用していることの根拠として,①受- 10 -託者による取得の直前において非適用土地であった土地の取得がなされ,(),た場合には特別土地保有税の取得課税のみならず法587条2項保有課税も行わない(法587条1項,令54条の32第2項2号)とされていること,②免税点に係る基準面積の判定において,信託財産たる土地は,その信託の委託者が所有するものとみなして,委託者に係る基準面積の判定を行う(令54条の36第3項)とされていることなどを指摘する。 (イ)たしかに,法は,特別土地保有税に関して,土地の信託は,受託者による土地の取得(委託 のとみなして,委託者に係る基準面積の判定を行う(令54条の36第3項)とされていることなどを指摘する。 (イ)たしかに,法は,特別土地保有税に関して,土地の信託は,受託者による土地の取得(委託者から受託者に対する土地の所有権の移転)に該当し,受託者が土地の所有者であることを前提として,必要に応じて信託に関する規定を設けている。 しかしながら,上記ア(イ)でも説示したとおり,土地の信託について別異の取扱いをするのであれば,必要に応じて信託に関する別段の規定を設けているはずであり,そうとすれば,法が場面に応じて「委託者と受託者とを一体のものとみる考え方」を採用しているとしてこれを明示的な規定がない法603条の2の2第1項の納税義務の免除要件の法解釈に及ぼすべきとする控訴人の上記(ア)の主張は,ひっきょう,法の規定する納税義務の免除要件を不当に拡張ないし類推解釈すべきであるという主張にほかならず,採用することができない。この判断は,そのような解釈が特別土地保有税の制度趣旨に合致するという主張を伴っても左右されない。けだし,特別土地保有税の制度趣旨を実現するための具体的な法制度は一義的に決まるものではなく,どのような立法事実を取り上げてどのような要件の下に納税義務を免除するかはその時々の立法政策によるのであって,本件信託の実態を強調し,納税義務の免除規定の適用を認めなければ制度趣旨に合致しないと主張しても,これによって,法603条の2の2第1項の定める要件を超えて控訴人にこれを適- 11 -用すべきという解釈はとり得ないからである。 ウ(ア)さらに,控訴人は,当審において「仮に,上記ア(ア)及びイ(ア),の控訴人の主張が認められないとしても,法は,少なくとも,土地の取得に対する特別土地保有税(取得分)に関しては,信託譲渡が形式的な さらに,控訴人は,当審において「仮に,上記ア(ア)及びイ(ア),の控訴人の主張が認められないとしても,法は,少なくとも,土地の取得に対する特別土地保有税(取得分)に関しては,信託譲渡が形式的な所有権の移転にすぎず実質上は所有者の変更がないことを踏まえ,委託者と受託者を一体のものとみる考え方を採用しているというべきである。すなわち,法587条2項は「委託者から受託者に信託財産を移,す場合における不動産の取得(法73条の7第3号)が形式的な所有」権の移転にすぎず実質上は所有者の変更がないとの趣旨に基づいて,原則として土地の取得に対して課する特別土地保有税(取得分)を課さないことを定めており,土地の取得については委託者と受託者を一体のものとみているのである。したがって,委託者が受託者に土地を信託譲渡した場合,土地の取得に対する特別土地保有税に関しては,委託者はなお法603条の2の2第1項の「土地の所有者等」の地位を失っていないと解すべきであり,本件においては,委託者である控訴人は,本件信託後も同項の「土地の所有者等」であり,土地の取得に対する特別土地保有税の納税義務の免除要件を満たしているといえるのである」旨を。 補充的に主張する。 (イ)しかしながら,控訴人の上記(ア)の主張も,上記ア及びイに説示するところと同様の理由(法603条の2の2第1項の解釈としてとり得ないという理由)で採用することができない。 争点②(法附則31条の3の2関係)について( )法附則31条の3の2について ア特別土地保有税は,前記1( )イ(イ)のとおり,土地投機を抑制しあわ せて土地の有効利用と供給を促進するために設けられたものであるため,時々の社会経済情勢に応じた土地政策として,政策的にその課税が強化さ- 12 -れたり緩和された とおり,土地投機を抑制しあわ せて土地の有効利用と供給を促進するために設けられたものであるため,時々の社会経済情勢に応じた土地政策として,政策的にその課税が強化さ- 12 -れたり緩和されたりしてきている。そして,いわゆるバブル崩壊後の地価下落と長引く経済不況の中,平成6年度以降は課税の緩和に向けた改正が繰り返され,平成15年度以後の特別土地保有税は,これを課さないこととされている(平成15年法律第9号による改正後の法附則31条1項,2項。 )イこのような特別土地保有税の課税緩和政策のひとつとして平成11年法律第15号により新設されたのが,いわゆる他人譲渡の場合の徴収猶予・納税義務免除の制度である(旧法附則31条の3の2。平成13年法律第8号による改正前のもので,平成11年4月1日施行。すなわち「こ。),れまで特別土地保有税の徴収猶予を受けた土地について土地所有者等の資金繰りの悪化などによりその事業が進展せず,かつ,当該土地を他人に譲渡した場合には徴収猶予の取消しを受けて一括して特別土地保有税の納付をしなければならない状況となることから,いわゆる塩漬け状態に置かれた土地が相当程度存在する」との指摘に応えた土地流動化・有効利用の。 促進策として,これまで特別土地保有税の徴収猶予を受けた土地について土地所有者等(①非課税土地(法586条)の予定地として(法601条1項,②特例譲渡予定地として(法602条1項各号に定める国・地)方公共団体に対する譲渡,宅地供給に資する一定の譲渡等の予定地,③)免除土地予定地として(法603条の2の2第1項,それぞれ納税義務)の免除に係る期間が定められている土地所有者等。以下「免除期間が定められている土地所有者等」という)が,非課税土地(法586条)のう。 ち住宅用地(同条2項18号 2の2第1項,それぞれ納税義務)の免除に係る期間が定められている土地所有者等。以下「免除期間が定められている土地所有者等」という)が,非課税土地(法586条)のう。 ち住宅用地(同条2項18号,19号,及び特例譲渡(法602条1項)各号に定める国・地方公共団体に対する譲渡,宅地供給に資する一定の譲)(,「」,「」渡等の各予定地以下それぞれ住宅用地予定地特例譲渡予定地という)として,土地を他人に譲渡した場合に,一定の条件のもと徴収。 猶予・納税義務の免除をすることなどが定められた。 - 13 -ウ法附則31条の3の2(平成13年法律第8号による改正後のもので,。 。),平成14年法律第17号による改正前のもの平成13年4月1日施行は,特別土地保有税の他人譲渡の場合の徴収猶予・納税義務の免除などについてその範囲を拡大した。すなわち,他人譲渡の対象を住宅用地予定地としての譲渡から非課税土地(法586条)の予定地(以下「非課税土地予定地」という)としての譲渡に拡大し,あわせて特例譲渡予定地とし。 ての譲渡を残置した。その納税義務の免除の要件(要旨)は,①平成13年4月1日において免除期間が定められている土地の所有者等が,②同日から平成15年3月31日までの間に当該土地を非課税土地予定地又は特例譲渡予定地として譲渡し,③その譲受者が,予定期間内に,非課税土地として使用し使用させ,又は特例譲渡をしたことにつき市町村長の確認を受けること,であり(法附則31条の3の2第1項,④さらに,)上記の譲渡の日までに,市町村長に同項の適用を受けたい旨の申出をしなければならず(法附則31条の3の2第2項本文,ただし,当該申出が)遅延したことについてやむを得ない理由があると市町村長が認める場合には当該譲渡の日後に申出をするこ の適用を受けたい旨の申出をしなければならず(法附則31条の3の2第2項本文,ただし,当該申出が)遅延したことについてやむを得ない理由があると市町村長が認める場合には当該譲渡の日後に申出をすることができる(同項ただし書。 )なお,控訴人との関係でいえば,他人譲渡の場合の徴収猶予・納税義務の免除の対象には,免除土地予定地としての譲渡は含まれていなかったために,控訴人が平成14年3月29日にBに本件各土地を免除土地予定地として譲渡した本件信託には適用がないものであった。 エところが,新法附則31条の3の2(平成14年法律第17号による改正後のもので,平成15年法律第9号による改正前のもの。平成14年4月1日施行)は,特別土地保有税の他人譲渡の場合の徴収猶予・納税義。 務の免除などについてさらにその範囲を拡大した。すなわち,(a) 上記ウ①の免除期間が定められている土地についてその時点要件が削除され,(b) 上記ウ②の他人譲渡の対象として,非課税土地予定地及び特例譲渡- 14 -予定地としての譲渡に加え,新たに免除土地予定地としての譲渡を加える改正がされた。しかし,(c) 他人譲渡がなされた期間については,そのまま「平成13年4月1日から平成15年3月31日まで」とされた。その結果,納税義務の免除の要件(要旨)は,①免除期間が定められている土地の所有者等が,②平成13年4月1日から平成15年3月31日までの間に当該土地を非課税土地予定地,特例譲渡予定地又は免除土地予定地として譲渡し,③その譲受者が,予定期間内に,非課税土地として使用し使用させ,若しくは特例譲渡をし,又は免除土地として使用し使用させたことにつき市町村長の確認を受けること,であり(新法附則31条の3の2第1項,④さらに,上記の譲渡の日までに,市町村長に同項の)適用を せ,若しくは特例譲渡をし,又は免除土地として使用し使用させたことにつき市町村長の確認を受けること,であり(新法附則31条の3の2第1項,④さらに,上記の譲渡の日までに,市町村長に同項の)適用を受けたい旨の申出をしなければならず(新法附則31条の3の2第2項本文,ただし,当該申出が遅延したことについてやむを得ない理由)があると市町村長が認める場合には当該譲渡の日後に申出をすることができる(同項ただし書。 )なお,控訴人との関係でいえば,控訴人によるBに対する本件各信託は平成14年3月29日であり,平成14年4月1日に施行された新法附則31条の3の2がその文言によれば遡及的に適用されるように読めるものである。 ( )新法附則31条の3の2第1項の遡及的適用の可否について ア(ア)新法附則31条の3の2第1項の施行日は平成14年4月1日であるが,同項は,その規定自体において,免除期間が定められている土地の所有者等が「平成13年4月1日から平成15年3月31日までの,期間」内に,当該土地を非課税土地予定地,特例譲渡予定地又は免除土地予定地として譲渡したときは,同項による納税義務の免除の対象となる旨を定めている。 (イ)我が国の立法実務においては,過去の一定事実をとらえて,それに- 15 -対してある法律効果を生じさせることを法令の本則で規定することがあり,この場合はその本則の規定自体によって遡及の効果が生ずるものであり,一定期日にさかのぼってその法律を適用する旨の規定を附則に置く必要はないとされている(林修三ほか著『例解立法技術(甲18)』)のであるから,新法附則31条の3の2第1項の文言のみを読む限りにおいては,平成13年4月1日から平成14年3月31日までの期間内に免除土地予定地として譲渡が行われた場合にも,施行 甲18)』)のであるから,新法附則31条の3の2第1項の文言のみを読む限りにおいては,平成13年4月1日から平成14年3月31日までの期間内に免除土地予定地として譲渡が行われた場合にも,施行日である平成14年4月1日以降においては同項の規定が適用されると解釈する余地もあるというべきである。 イ(ア)他方,平成14年法律第17号による改正前後の法附則31条の3の2第1項の適用関係については,改正法附則6条16項に「施行日前にされた旧法附則31条の3の2第1項に規定する非課税土地等予定地のための譲渡に係る土地に係る特別土地保有税については,なお従前の例による」との規定が置かれている(なお,ここにいう「非課税土地。 等予定地」とは,非課税土地予定地又は特例譲渡予定地を指す。 。)(イ)我が国の立法実務において「なお従前の例による」とは,ある事,項に対する法律関係について,新法令又は改正後の法令の規定によることなく,新法令又は改正後の法令の規定の施行直前の法律制度をそのまま凍結した状態で適用する場合に用いられる用語であるとされている(前田正道編『ワークブック法制執務(乙16。そうすると,改正』))法附則6条16項の規定は,施行日である平成14年4月1日よりも前にされた非課税土地等予定地(非課税土地予定地又は特例譲渡予定地)としての譲渡の場合の特別土地保有税については,改正前の法附則31条の3の2第1項と同じ取扱いをすべきことを定めた規定ということになり,これによれば,新法附則31条の3の2第1項の遡及適用はないことになる。 - 16 -(ウ)ただし,上記(イ)のとおり,改正法附則6条16項は,施行日である平成14年4月1日よりも前にされた非課税土地等予定地(非課税土地予定地又は特例譲渡予定地)としての譲渡に係る特別 16 -(ウ)ただし,上記(イ)のとおり,改正法附則6条16項は,施行日である平成14年4月1日よりも前にされた非課税土地等予定地(非課税土地予定地又は特例譲渡予定地)としての譲渡に係る特別土地保有税について規定するものであり,文言上は免除土地予定地としての譲渡を含んだ規定にはなっていない。したがって,少なくとも免除土地予定地としての譲渡については新法附則31条の3の2第1項の適用があるようにも読める。しかしながら,仮に,改正によって新たに納税義務の免除の対象に含まれることとなった免除土地予定地としての譲渡について新法附則31条の3の2第1項の規定が遡及的に適用されるとすると,免除期間の定められた時点のいかんにかかわらず,施行日である平成14年4月1日よりも前の平成13年4月1日からの免除土地予定地としての譲渡について新法附則31条の3の2第1項の規定が適用され,納税義務の免除を受けることができることとなるが,他方,従前から納税義務の免除の対象とされていた非課税土地等予定地(非課税土地予定地又は特例譲渡予定地)としての譲渡について,平成13年4月1日の時点で免除期間の定められていなかった土地の所有者等が同日から平成14年3月31日までの期間内に当該譲渡を行った場合には,従前どおり納税義務の免除を受けることができないことと比較して,著しく均衡を失するものといわなければならず,改正法附則6条16項の制定に当たり,このような不均衡の生じる事態をあえて容認し,あるいは漫然と放置したものとは考え難い。したがって,同項の文言が適切であったかどうかはともかく「なお従前の例による」とした同項の趣旨は,施行日前に,された譲渡についてはなお改正前の法附則31条の3の2第1項の例によるというもの,すなわち,免除土地予定地としての譲渡については かはともかく「なお従前の例による」とした同項の趣旨は,施行日前に,された譲渡についてはなお改正前の法附則31条の3の2第1項の例によるというもの,すなわち,免除土地予定地としての譲渡については新法の遡及適用を認めないとするものであったと解することも可能であると考えられる。 - 17 -ウ(ア)また,前記( )エ④のとおり,新法附則31条の3の2第2項本文 ,,は土地の所有者等が同条1項の規定の適用を受けようとする場合には「土地の譲渡の日までに,市町村長に同項の規定の適用を受けたい旨」の申出をしなければならないことを定めた規定であるが,その規定については,何らの改正も経過規定の設定も行われていない。 (イ)新法附則31条の3の2第2項の申出は,同条による徴収猶予及び納税義務免除の手続が開始される端緒となるものであり,また土地の所有者等に対する徴収猶予を当該土地の譲渡後にも継続させるためのものとして,重要な意義を有するものであるから,同条1項を改正し納税義務の免除の対象を免除土地予定地としての譲渡にまで拡大するに際し,仮に,改正後の新法附則31条の3の2第1項の規定を施行日よりも前に遡及適用させることが想定されていたとすれば,必然的に当該譲渡後の申出とならざるを得ない同条2項の申出について,何らかの立法的手当が行われていてしかるべきである。にもかかわらず,この点についての何らの立法的手当も行われなかったということは,前述した改正法附則6条16項の規定と相まって,改正後の新法附則31条の3の2第1項の規定を遡及適用させることはおよそ想定されていなかったことを推認させる事情ということができる。 (ウ)もっとも,この点,納税義務免除の対象になっていなかった施行日前の免除土地予定地としての譲渡について,事前に新法附則31条の よそ想定されていなかったことを推認させる事情ということができる。 (ウ)もっとも,この点,納税義務免除の対象になっていなかった施行日前の免除土地予定地としての譲渡について,事前に新法附則31条の3の2第2項の申出をすることは不可能であり,施行日以後の時点まで当該申出が遅延したとしても,その申出の遅延に「やむを得ない理由がある」ことは明らかであるから,このような場合には,同条2項ただし書の適用によって救済することとすれば,新法附則31条の3の2第1項の規定を遡及適用させることもできないことではない。しかしながら,もともと個別の事情を理由とする特別の救済規定にすぎない同条2項た- 18 -だし書の規定を,施行日前の免除土地予定地としての譲渡に係る譲渡後の申出の救済規定として一般的に流用することが明らかに想定されていたと解することもまた困難であるといわざるを得ず,同条2項ただし書の規定の存在をもって遡及適用の積極的な根拠とすることはできない。 エさらに,租税法において法改正により改正された免除規定を遡及適用させる場合,当該改正法附則に遡及規定を置くのが通例とされているのに対し,新法附則31条の3の2には遡及規定が置かれていない。 オそうとすると,上記アのとおり,新法附則31条の3の2第1項の文言のみを読む限りにおいては,平成13年4月1日から平成14年3月31日までの期間内に免除土地予定地として譲渡が行われた場合にも,施行日である平成14年4月1日以降においては,同項の規定が適用されると解釈する余地が文言上はあるとしても,他方,上記イのとおりの改正法附則6条16項の趣旨や,上記ウのとおり,法附則31条の3の2第2項の申出について何らの立法的手当も行われなかったこと,さらに,上記エのとおり,租税法において法改正により改正された免除規 りの改正法附則6条16項の趣旨や,上記ウのとおり,法附則31条の3の2第2項の申出について何らの立法的手当も行われなかったこと,さらに,上記エのとおり,租税法において法改正により改正された免除規定を遡及適用させる場合,当該改正法附則に遡及規定を置くのが通例とされており,新法附則31条の3の2には遡及規定が置かれていないこと,などを踏まえ新法附則31条の3の2に関係する規定を総合すると,新法附則31条の3の2第1項の規定が免除土地予定地としての譲渡についてのみ施行日前の譲渡に遡及適用されると解することはできないというべきである。 カこれを本件処分についてみると,控訴人がBに本件各土地(免除土地予定地)を信託したのは平成14年3月29日であり,平成14年4月1日に施行された新法附則31条の3の2が遡及的に適用されることはないから,控訴人が新法附則31条の3の2の納税義務の免除の要件に該当しないとした本件処分の判断は相当である。 キなお,仮に,新法附則31条の3の2第1項の規定が免除土地予定地と- 19 -しての譲渡についてのみ施行日前の譲渡に遡及適用されると解したとしても,控訴人は,平成14年3月29日の本件信託による本件各土地の譲渡について,改正法が平成14年4月1日に施行されたにもかかわらず速やかに法附則31条の3の2第2項の申出をせず,その後10か月近くを経過した平成15年1月24日の本件処分時においてもなお同項の申出をしていなかったのであるから,本件処分時においてはもはや控訴人の申出遅延に「やむを得ない理由」があったということはできず,控訴人が適法に同項の申出をする余地はなかったというべきである。したがって,いずれにしても,控訴人が新法附則31条の3の2の納税義務の免除の要件に該当しないとした本件処分の判断は相当である。 きず,控訴人が適法に同項の申出をする余地はなかったというべきである。したがって,いずれにしても,控訴人が新法附則31条の3の2の納税義務の免除の要件に該当しないとした本件処分の判断は相当である。 ( )控訴人の主張に対する判断 ア(ア)控訴人は「新法附則31条の3の2は「平成13年4月1日から,,平成15年3月31日までの期間内に当該土地を譲渡した場合において,…納税義務を免除する」と規定しており,当該期間内の対象土地。 の譲渡について適用のあることは,その文言上明らかである「改正。」,法附則6条16項は「旧法附則31条の3の2第1項に規定する非課,税土地等予定地のための譲渡に係る土地に係る特別土地保有税については,なお従前の例による」と規定しているところ,新法で初めて「非。 課税土地等予定地」に含められた免除土地予定地は「旧法附則31条,の3の2第1項に規定する非課税土地等予定地」には含まれていない土地であるから,免除土地予定地としの譲渡について,改正法附則6条16項により,旧法附則31条の3の2第1項を適用する余地はない」。 旨を主張する。 (イ)たしかに,控訴人の上記主張には傾聴すべき点があるが,しかし,,,控訴人の上記主張は前記( )イないしエに説示した点を看過しており 新法附則31条の3の2に関係する規定を総合すると,控訴人の上記主- 20 -張は採用することができないというべきである。 イ(ア)この点,控訴人は,前記( )イに関して「改正法附則6条1項及び ,2項は,新法附則31条の3の2の適用に関しては,特別土地保有税の保有分及び取得分のいずれについても,課税対象年度に関する時的制限から除外している。これは要するに,新法附則31条の3の2は,その,,文言どおり平成14年度分に係る に関しては,特別土地保有税の保有分及び取得分のいずれについても,課税対象年度に関する時的制限から除外している。これは要するに,新法附則31条の3の2は,その,,文言どおり平成14年度分に係る特別土地保有税についてのみならず平成13年度分に係る特別土地保有税についても納税義務を免除することを規定しているということにほかならない」旨を主張する。 。 (イ)しかしながら,改正法附則6条1項及び2項は,特別土地保有税の課税対象となる土地について,その保有時期及び取得時期による適用規定の違いを規定したものであり,いったん取得し保有していた土地を他人に譲渡した場合の,当該譲渡時期による適用規定の違いを規定したものではないから,改正法附則6条1項及び2項に掲げる適用規定の中に新法附則31条の3の2が含まれていないのは,土地の保有時期及び取得時期が違っていても同条の規定による納税義務の免除の取扱いに差異がないことを意味するにとどまり,土地の譲渡時期が違っていても同条の規定による納税義務の免除の取扱いに差異がないことまでを意味するものではない。したがって,この点に関する控訴人の主張は採用することができない。 ウまた,控訴人は,前記( )ウに関して「平成13年4月1日から平成1 ,4年3月31日までの期間内の免除土地予定地のための譲渡に対応する手続法の制定がないことは,単に立法上の過誤にすぎない」旨を主張する。 が,新法附則31条の3の2が遡及適用されるものとして立法されたものであるならば,それに応じた手続規定が置かれるはずであり,これがなされていないということは,法が新法附則31条の3の2は遡及適用されないことを前提としているひとつの証左になるものである。 - 21 -エ控訴人は,その他種々の主張をするが,いずれも,上記( )の説示に いないということは,法が新法附則31条の3の2は遡及適用されないことを前提としているひとつの証左になるものである。 - 21 -エ控訴人は,その他種々の主張をするが,いずれも,上記( )の説示に照 らして採用することができない。 よって,原判決は相当であり,本件控訴は理由がないから,これを棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第8民事部裁判長裁判官原田敏章裁判官氣賀澤耕一裁判官渡部勇次

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