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昭和30(あ)1941 爆発物取締罰則違反、強盗殺人未遂、強盗傷人、放火未遂等

裁判所

昭和32年1月22日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所

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13,111 文字

主文 本件各上告を棄却する。被告人Aに対し当審における未決勾留日数中五〇〇日を原判決の刑に算入する。理由 検察官の上告事件受理申立理由について。原判決に判示するいわゆる火焔瓶が爆発物取締罰則にいう爆発物にあたらないことは、本件と同様の構造と性能を有するいわゆる火焔瓶について、昭和二九年(あ)第三九五六号同三一年六月二七日言渡大法廷判決の判示したところに徴して明らかであるから、論旨は理由がない。各被告人の弁護人為成養之助の上告趣意第一点について。所論は、原判決が強制による任意性のない供述調書を証拠とすることを許容した点で憲法三八条二項に違反すると主張する。しかし、記録を調べても所論の各供述調書の内容たる供述が強制による任意性のないものであるとは認められず、原審が弁護人の論旨第五点に対する判断及び被告人等の論旨に対する判断の(五)に説示する理由によつて、これらの供述の任意性を肯定したのは正当である。従つて違憲の主張は前提を欠き、刑訴四〇五条の適法な上告理由とならない。同第二点について。所論は事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。かつ記録を調べると、被告人Fの供述とBの供述との間には所論の如き相違点はあるけれども、それらの供述を綜合すれば、被告人C、同D、同E、同F並びにB及びG等の間に判示H方に放火することについての謀議がなされ、その謀議に基ずいて判示放火未遂の犯行のなされたことを認めることができるのであるから、事実誤認の主張は理由がない。- 1 -同第三点について。所論は単なる訴訟法違反又は事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。かつ記録を調べると第一審判決挙示の証拠によれば、被告人D及び同Eがその前日のI方における謀 同第三点について。所論は単なる訴訟法違反又は事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。かつ記録を調べると第一審判決挙示の証拠によれば、被告人D及び同Eがその前日のI方における謀議の際に分配された兇器を携えてJに迫つたことはこれを認めることができるのであつて、それ以後の右被告人両名の具体的な行動についてはこれを詳かにすることができないとはいえ、予め謀議したところに従つて被告人等が共同して判示の如き行為をしたことは明らかであるから、その個々の行為を被告人等の中の何人がしたかを一々個別的に明示しないからといつて、所論の如き違法があるといえないことは原判決の説示するとおりである。 の際に分配された兇器を携えてJに迫つたことはこれを認めることができるのであつて、それ以後の右被告人両名の具体的な行動についてはこれを詳かにすることができないとはいえ、予め謀議したところに従つて被告人等が共同して判示の如き行為をしたことは明らかであるから、その個々の行為を被告人等の中の何人がしたかを一々個別的に明示しないからといつて、所論の如き違法があるといえないことは原判決の説示するとおりである。各被告人の弁護人佐藤義彌、同為成養之助、同青柳盛雄、同大塚一男、同上田誠吉、同岡林辰雄、同小沢茂、同柴田睦夫、同松本善明、同金綱正己及び被告人Pの弁護人池田輝孝の上告趣意第一点について。所論は単なる訴訟法違反の主張で刑訴四〇五条の上告理由に当らない。且つこの点についての原判決の判断は正当であつて、所論の如き違法はない。同第二点について。所論は単なる訴訟法違反の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(なお、為成弁護人の上告趣意第三点についての判断参照)同第三点について。所論は単なる訴訟法違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。記録によれば、第一審において、弁護人からBが従来の自白は虚偽であつたと告白し、公判廷で真実を述べるといつているからとの理由で、Bの再度の尋問の請求がなされていることが認められる。しかし、右のような理由で再度の尋問の請求があつたというだけで、別にこれについて疏明の提出もなく、法廷に顕出された全証拠及び記録に徴し再度尋問の必要が認められない場合でも、裁判所は必ず右尋問請求- 2 -を許容し 理由で再度の尋問の請求があつたというだけで、別にこれについて疏明の提出もなく、法廷に顕出された全証拠及び記録に徴し再度尋問の必要が認められない場合でも、裁判所は必ず右尋問請求- 2 -を許容しなければ違法であるということはできない。それ故第一審がその請求を採用しなかつたのは相当である。同第四点について(弁護人佐藤義彌の上告趣意補充を含む)。所論は被告人Fの検察官に対する供述調書中の被告人Dから同人外三名がH方に火焔瓶を投げつけて来たということを聞いたとの被告人Fの供述は、伝聞の供述であるから刑訴三二一条一項二号により証拠とすることはできず、又公判準備又は公判期日において反対尋問を経たものではないから、同三二四条によつても証拠とすることはできない。然るにこれを証拠とすることは憲法三七条二項に違反するというに帰する。 告趣意補充を含む)。所論は被告人Fの検察官に対する供述調書中の被告人Dから同人外三名がH方に火焔瓶を投げつけて来たということを聞いたとの被告人Fの供述は、伝聞の供述であるから刑訴三二一条一項二号により証拠とすることはできず、又公判準備又は公判期日において反対尋問を経たものではないから、同三二四条によつても証拠とすることはできない。然るにこれを証拠とすることは憲法三七条二項に違反するというに帰する。しかし、原審が弁護人の論旨第六点に対する判断において説示する理由によつて、刑訴三二一条一項二号及び同三二四条により右供述調書中の所論の部分についての証拠能力を認めたことは正当である。そして、これが反対尋問を経ない被告人Fの供述の録取書であるからという理由で、憲法三七条二項によつて証拠とすることが許されないものではないことは当裁判所の判例の趣旨に徴して明らかである(昭和二三年(れ)第八三三号同二四年五月一八日言渡大法廷判決、刑集三巻六号七八九頁、昭和二三年(れ)第一〇六九号同二五年九月二七日言渡大法廷判決、刑集四巻九号一七七五頁参照)。又右伝聞の供述の原供述者に対する反対尋問権について考えるに、この場合反対尋問をなすべき地位にある者は被告人Dであり、反対尋問をされるべき地位にある原供述者もまた被告人Dであるから、結局被告人Dには憲法三七条二項の規定による原供述者に対する反対尋問権はないわけである。従つてその権利の侵 にある者は被告人Dであり、反対尋問をされるべき地位にある原供述者もまた被告人Dであるから、結局被告人Dには憲法三七条二項の規定による原供述者に対する反対尋問権はないわけである。従つてその権利の侵害ということもありえないことは明白である(被告人Dは、欲すれば、任意の供述によつてその自白とされる供述について否定なり弁明なりすることができるのであるから、それによつて自らを反対尋問すると同一の効果をあげることができるのである)。- 3 -被告人Cの上告趣意について。冒頭の部分は(い)本件は政治的陰謀事件である。(ろ)第一審の法廷警備の措置が不当で威圧的審理を行つた。(ほ)第一審は証人に対する被告人の重要な尋問を制限した。(に)第一、二審は検証に被告人を立会わせなかつた。(ほ)第一審は被告人の最終陳述を制限した。(へ)第二審は被告人の供述調書の「真評性」を確めるための検察官を証人として喚問することの請求を採用しなかつた。 。- 3 -被告人Cの上告趣意について。冒頭の部分は(い)本件は政治的陰謀事件である。(ろ)第一審の法廷警備の措置が不当で威圧的審理を行つた。(ほ)第一審は証人に対する被告人の重要な尋問を制限した。(に)第一、二審は検証に被告人を立会わせなかつた。(ほ)第一審は被告人の最終陳述を制限した。(へ)第二審は被告人の供述調書の「真評性」を確めるための検察官を証人として喚問することの請求を採用しなかつた。(と)第二審は被告人の口頭による最終陳述を許可しなかつた等を挙げて原判決の事実誤認を主張するものであつて、刑訴四〇五条の上告理由にあたらない。のみならずこれらの点については(ほ)(へ)以外は以下の被告人Cの各論旨並びに被告人KことA及び被告人Fの各上告趣意中の同趣旨の論旨に対する判断のとおりすべてその理由がないといわねばならない(第一審が身体拘束中の被告人を検証に立会わせなかつたことの非難についての判断は、原審における検証についての同趣旨の非難に対しても妥当するものである)。又(ほ)(へ)については、記録を調べても裁判長が被告人の証人に対する尋問を不当に制限したことは認められず、又原審が所論証人尋問請求を採用しなかつたことが不当であるとも認められない。以下各論旨について、次のとおり判断する。1、論旨第一は憲法七六 人の証人に対する尋問を不当に制限したことは認められず、又原審が所論証人尋問請求を採用しなかつたことが不当であるとも認められない。以下各論旨について、次のとおり判断する。1、論旨第一は憲法七六条三項違反を主張する。しかし、記録上原審裁判官が所論の如き偏見を抱いて審理判決したとは認められないし、又その良心に従い独立して職権を行わなかつたということも認められない。従つて、違憲の主張は前提を欠くものといわねばならない。又本件が所論の如き事情に基ずく政治的陰謀によつて作り上げられたものであるということも、記録上根拠のないところであり、審理不尽による事実誤認も存しない。2、論旨第二は被告人Cの供述調書が拷問、脅迫、誘導による強制によつて作成されたものであり、任意性と真実性がないということを前提とする憲法三八条二項- 4 -及び刑訴三一九条一項違反の主張である。しかし、記録に徴すると任意性の点については、原判決中の弁護人の論旨第五点に対する判断は肯定するに足り、所論違憲、刑訴違反の主張は前提を欠くものといわねばならない。 ろであり、審理不尽による事実誤認も存しない。2、論旨第二は被告人Cの供述調書が拷問、脅迫、誘導による強制によつて作成されたものであり、任意性と真実性がないということを前提とする憲法三八条二項- 4 -及び刑訴三一九条一項違反の主張である。しかし、記録に徴すると任意性の点については、原判決中の弁護人の論旨第五点に対する判断は肯定するに足り、所論違憲、刑訴違反の主張は前提を欠くものといわねばならない。真実性の点についても記録に徴しこれを認めるに足り、事実誤認もないといわねばならない。3、論旨第三は証人Lの証言及び同人の供述調書の真実性のないこと及びこれを証拠に採用したことは採証法則違反であることを主張するのであつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。かつ記録を調べると、Lの証言及び同人の供述調書記載の供述の信用するに足りることは原判決中弁護人の論旨第九点に対する判断のとおりであつて、採証法則の違反も認められない。4、論旨第四は、第一審判決の判示第一の放火未遂の事実認定の証拠として挙示されている被告人Fの供述調書及びBに対する証人尋問調書、同人の検察官に対する供述調書について、前者は拷問、脅迫により強制された自白で 第四は、第一審判決の判示第一の放火未遂の事実認定の証拠として挙示されている被告人Fの供述調書及びBに対する証人尋問調書、同人の検察官に対する供述調書について、前者は拷問、脅迫により強制された自白であり、後者は脅迫甘言による取調に基く供述であつて、任意性と真実性がなく、これを証拠に採用したのは採証法則に違反し事実誤認があるというにある。しかし、記録を調べると所論被告人F及びBの供述が所論の如く強制されたもので任意性がないとはいえないことは、弁護人為成養之助の上告趣意第一点について判断したところであり、その真実性についてもこれを肯定することができるのでつて、採証法則違反や事実誤認は認められない。5、論旨第五は、第一審判決が証拠として、一、Kノート(原審昭和二八年押第八七六号の一二)二、下駄一足(同号の二四)三、日本刀(同号の二八)を採用したのは事実誤認による採証法則違反であるというのであつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。かつ記録を調べても所論の如き採証法則違反があるとは認められない。6、論旨第六は、論旨第三点乃至第五点に指摘の如く事実誤認、採証法則違反に- 5 -よつて被告人に有罪判決をした原判決は憲法七六条三項に違反するというのである。 昭和二八年押第八七六号の一二)二、下駄一足(同号の二四)三、日本刀(同号の二八)を採用したのは事実誤認による採証法則違反であるというのであつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。かつ記録を調べても所論の如き採証法則違反があるとは認められない。6、論旨第六は、論旨第三点乃至第五点に指摘の如く事実誤認、採証法則違反に- 5 -よつて被告人に有罪判決をした原判決は憲法七六条三項に違反するというのである。しかし、論旨第三点乃至第五点の理由のないことは前記のとおりであつて、所論は前提を欠くものである。被告人KことAの上告趣意について。1、論旨一、は本件がデッチ上げられた事件であるというにあつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。のみならずその理由のないことは、被告人Cの上告趣意に対する判断の1に示したところである。2、論旨二、(イ)は第一審公判における法廷警備に関する第一審裁判所の措置に関する非難であるが、記録上第一審裁判所若しくは裁判長の措置に違法な点があつたことは認められない。に示したところである。2、論旨二、(イ)は第一審公判における法廷警備に関する第一審裁判所の措置に関する非難であるが、記録上第一審裁判所若しくは裁判長の措置に違法な点があつたことは認められない。3、論旨二、(ロ)は共犯者Lを本件被告人等と分離して審理したことの非難であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。かつその理由のないことは、原判決のこの点に対する判断において示されているとおりである。4、論旨二、(ハ)は第一審における検証に被告人等を立会させなかつたことを非難するのであつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。かつその理由のないことは、原判決のこの点に対する判断に示されているとおりである。5、論旨二、(ニ)は逮捕の不法不当を主張するのであつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない(昭和二三年(れ)七七四号同年一二月一日大法廷判決、集二巻一三号一六七九頁参照)。のみならず、被告人KことAの逮捕が不法不当であつたことは記録上認められない。6、論旨三、は被告人等の供述調書について、その内容たる供述が強制による自白であることを前提として憲法三八条違反を主張する。しかし、その理由のないことは、弁護人為成養之助の上告趣意第一点に対する判断に示したとおりである。7、論旨四、はLの証言は信用できず証拠能力がないというのであつて、刑訴四- 6 -〇五条の上告理由に当らない。 ならず、被告人KことAの逮捕が不法不当であつたことは記録上認められない。6、論旨三、は被告人等の供述調書について、その内容たる供述が強制による自白であることを前提として憲法三八条違反を主張する。しかし、その理由のないことは、弁護人為成養之助の上告趣意第一点に対する判断に示したとおりである。7、論旨四、はLの証言は信用できず証拠能力がないというのであつて、刑訴四- 6 -〇五条の上告理由に当らない。かつその理由のないことは、被告人Cの上告趣意に対する判断の3に示したとおりである。8、論旨五、はBの供述書は任意性を欠くとして憲法三八条違反を主張する。しかし、その採用すべからざることは、弁護人為成養之助の上告趣意第一点に対する判断のとおりである。9、論旨六、の(1)乃至(9)はいずれも採証法則違反及び事実誤認の主張で刑訴四〇五条の上告理由に当らない。かつ記録を調べ からざることは、弁護人為成養之助の上告趣意第一点に対する判断のとおりである。9、論旨六、の(1)乃至(9)はいずれも採証法則違反及び事実誤認の主張で刑訴四〇五条の上告理由に当らない。かつ記録を調べても、所論の如き採証法則違反や事実誤認は認められず、原判決が各論旨について示した判断は正当である。又証拠が作為によつて作り上げられたをのであるという所論も記録上認めることのできないところである。10、論旨七、は第一審及び第二審の証拠の価値判断に対する非難であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。かつ記録を調べても、原審が所論アリバイに関する証言を措信できないものと判断したことが違法又は不当であると認むべき理由は見出されない。11、論旨八、九、はいずれも事実誤認の主張で刑訴四〇五条の上告理由に当らない。かつ記録を調べても、所論の点について事実誤認があるとは認められない。被告人Mの上告趣意について。1、論旨(一)(イ)は被告人KことAの論旨二(イ)と同趣意であつて、これに対する当裁判所の判断も同一であり、所論中憲法七六条三項違反の主張は、その前提を欠くこととなり採用できない。2、論旨(一)(ロ)は被告人KことAの論旨二、(ロ)と同趣旨であつて、これに対する当裁判所の判断も同一である。3、論旨(一)(ハ)は被告人KことAの論旨二、(ニ)と同趣旨で、これに対する当裁判所の判断も同一である。4、論旨(二)は第一審判決判示第五(三)のH方における謀議に関する事実誤- 7 -認の主張で、被告人KことAの論旨九、と同趣旨であり、当裁判所のこれに対する判断も同一である。 用できない。2、論旨(一)(ロ)は被告人KことAの論旨二、(ロ)と同趣旨であつて、これに対する当裁判所の判断も同一である。3、論旨(一)(ハ)は被告人KことAの論旨二、(ニ)と同趣旨で、これに対する当裁判所の判断も同一である。4、論旨(二)は第一審判決判示第五(三)のH方における謀議に関する事実誤- 7 -認の主張で、被告人KことAの論旨九、と同趣旨であり、当裁判所のこれに対する判断も同一である。5、論旨(三)は被告人Mの供述調書の任意性を否定して憲法三八条刑訴三一九条違反を主張するものである。しかし、その採用すべからざることは弁護人為成養之助の上告趣意第一点 対する判断も同一である。5、論旨(三)は被告人Mの供述調書の任意性を否定して憲法三八条刑訴三一九条違反を主張するものである。しかし、その採用すべからざることは弁護人為成養之助の上告趣意第一点に対する判断のとおりである。6、論旨(四)はLの証言は信用できず証拠能力がないというのであつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。かつその理由なきことは、被告人Cの上告趣意に対する判断の3、に示したとおりである。7、論旨(五)はBの供述書に任意性がないとして憲法三八条違反を主張する。しかしその採用すべからざることは弁護人為成養之助の上告趣意第一点に対する判断のとおりである。8、論旨(六)の(1)乃至(5)はいずれも採証法則違反及び事実誤認の主張で刑訴四〇五条の上告理由に当らない。かつ記録を調べても、所論の如き採証法則違反や事実誤認は認められず、原判決が各論旨について示した判断は正当である。又証拠が作為によつて作り上げられたものであるとの所論も記録上認めることのできないところである。9、論旨(七)は被告人KことAの論旨八、と同趣旨であり、論旨(八)は同被告人の論旨七、とそれぞれ同趣旨であつて、これに対する当裁判所の判断もそれぞれ同一である。被告人Nの上告趣意について。1、憲法三八条違反の論旨は、本件被告人等の供述調書並びにBの証人尋問調書及び同人の供述調書の内容たる供述が脅迫拷問、強制による自白であるということを前提とするものであるが、その理由のないことは弁護人為成養之助の上告趣意第一点に対する判断のとおりである。- 8 -2、憲法三七条違反の論旨については、記録を調べても第一審裁判所がその公判において、所論の如く被告人及び傍聴人に圧力をかけ又は被告人と弁護人の話をスパイしていたというような事実は認めることができない。 証人尋問調書及び同人の供述調書の内容たる供述が脅迫拷問、強制による自白であるということを前提とするものであるが、その理由のないことは弁護人為成養之助の上告趣意第一点に対する判断のとおりである。- 8 -2、憲法三七条違反の論旨については、記録を調べても第一審裁判所がその公判において、所論の如く被告人及び傍聴人に圧力をかけ又は被告人と弁護人の話をスパイしていたというような事実は認めることができない。従 憲法三七条違反の論旨については、記録を調べても第一審裁判所がその公判において、所論の如く被告人及び傍聴人に圧力をかけ又は被告人と弁護人の話をスパイしていたというような事実は認めることができない。従つて違憲の主張は前提を欠くものといわねばならない。3、憲法七六条三項違反の論旨は「裁判官がその良心に従つたとは言えない」ということを前提とするのであるが、記録を調べても所論の如き事実のあつたことは認めることができない。従つて違憲の主張は前提を欠くものといわねばならない。4、事件の事実関係についての論旨は、事実誤認の主張に帰し刑訴四〇五条の上告理由に当らない。のみならず記録を調べても、被告人Nに対する有罪の認定が誤りであるとは認められない。被告人Oの上告趣意について。所論は(い)被告人O、同C、同M、同Fの供述調書が強制、誘導、暗示又は精神的拷問によつて作り上げられ任意性のないものであるとの主張(ろ)Lの証言及び検察官に対する供述調書の信憑性のないものであるとの主張(は)事実誤認の主張(に)証拠に関する採証法則違反の主張(は)法廷警備に関する第一審裁判所の措置及び警備のための警察官の行動の非難であつて、(い)の外はいずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。そして(い)の主張の採用すべからざることは弁護人為成養之助の上告趣意第一点に対する判断のとおりである。又(ろ)の主張の理由なきことは被告人Cの上告趣意に対する判断の3.に示したところ、(に)の主張の理由なきことは所論についての原判決の判断に示されているところであり、(は)については記録を調べても事実誤認は認められず、(ほ)についても所論の如き事実のあつたことは記録上認めることができない。被告人Dの上告趣意について。1.論旨第一「裁判所の認定する『Dの行動』なるものを駁す」は、 べても事実誤認は認められず、(ほ)についても所論の如き事実のあつたことは記録上認めることができない。 、(に)の主張の理由なきことは所論についての原判決の判断に示されているところであり、(は)については記録を調べても事実誤認は認められず、(ほ)についても所論の如き事実のあつたことは記録上認めることができない。被告人Dの上告趣意について。1.論旨第一「裁判所の認定する『Dの行動』なるものを駁す」は、 べても事実誤認は認められず、(ほ)についても所論の如き事実のあつたことは記録上認めることができない。被告人Dの上告趣意について。1.論旨第一「裁判所の認定する『Dの行動』なるものを駁す」は、(い)被告- 9 -人Fの供述調書のみによつて第一審判決判示第五(二)の事実を認定したことが、刑訴三一九条二項三八条三項に違反するという主張(ろ)被告人Fの供述調書は証拠価値がないという主張、(ほ)第一審判決の理由不備の主張、(に)以上の外証拠の採否、価値判断の非難及び事実誤認の主張であつて、(い)の違憲の主張の外はいずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。そして右違憲の主張については、所論第一審判決判示第五の(二)は、J方における強盗殺人未遂の犯行の謀議の一過程の判示で、独立した犯罪事実ではないのであつて、このような謀議の一過程に属する事実のみについて被告人の自白だけで認定しても、憲法三八条三項に違反するものでないことは当裁判所の判例(昭和二二年(れ)一五三号昭和二三年六月九日言渡大法廷判決、昭和二三年(れ)一四二六号昭和二四牟一〇月五日言渡大法廷判決参照)の趣旨に徴し明らかであつて、所論は理由がない。次に(ろ)の主張については記録を調べても被告人Fの供述調書が所論の如く証拠価値のないものとは認められず(ほ)の主張については弁護人為成養之助の上告趣意第三点について説明したところによりその理由のないことが明らかであり、(に)の主張については、記録を調べても所論の如く証拠の採否、価値判断に違法又は不当な点があるとは認められず、事実誤認も認めることができない。尚以上を総括して刑法二四〇条後段二四三条、六〇条、四三条、六八条二号などの適用は違法であり、憲法一一条、一三条、一八条、一九条、三六条、三八条二項、七六条三項、九九条及び刑訴三一七条、 きない。尚以上を総括して刑法二四〇条後段二四三条、六〇条、四三条、六八条二号などの適用は違法であり、憲法一一条、一三条、一八条、一九条、三六条、三八条二項、七六条三項、九九条及び刑訴三一七条、三一九条の違反があるというのであるが、刑法の適用に関する主張は事実誤認を前提とするものであり又違憲、刑訴違反の主張は、原判決のどの点が憲法又は刑訴のどの条項に違反するのか、憲法七六条三項以外については具体的に説明されていないから、適法な上告理由と認めることができない。 三条、六八条二号などの適用は違法であり、憲法一一条、一三条、一八条、一九条、三六条、三八条二項、七六条三項、九九条及び刑訴三一七条、三一九条の違反があるというのであるが、刑法の適用に関する主張は事実誤認を前提とするものであり又違憲、刑訴違反の主張は、原判決のどの点が憲法又は刑訴のどの条項に違反するのか、憲法七六条三項以外については具体的に説明されていないから、適法な上告理由と認めることができない。憲法七六条三項違反の主張については、記録を調べても所論のように偏見による審理を行つたという事実を認めることができないから、所論違憲の主張は前- 10 -提を欠くものである。2.論旨第二「いわゆるQ(a村)事件について」は、(い)Bに対する証人尋問調書及び同人の検察官に対する供述調書の任意性、真実性を否定する主張(ろ)被告人Fの供述調書記載の供述中被告人Dからの伝聞に関する部分の証拠能力を否定する主張である。しかし、(い)のBの供述の任意性の肯定すべきことは弁護人為成養之助の上告趣意第一点に対する判断のとおりであり、その真実性も亦記録に徴して認めることができる。又(ろ)の主張については、その理由のないことは弁護人佐藤義彌外一〇名の上告趣意第四点に対する判断のとおりであり、所論中Fの供述の任意性に関する主張の理由なきことは弁護人為成養之助の上告趣意第一点に対する判断のとおりである。なお、第一審判決の放火未遂の事実に対する刑法の適用の違法を主張し、論旨第一の末尾に掲げたと同一の憲法及び刑訴の各条項に違反するとの主張があるが、これに対する当裁判所の判断は1に示したところと同一である。被告人Pの上告趣意について。1.論旨(一)は逮捕の違法違憲を主張するのであり、同(二)は警察 刑訴の各条項に違反するとの主張があるが、これに対する当裁判所の判断は1に示したところと同一である。被告人Pの上告趣意について。1.論旨(一)は逮捕の違法違憲を主張するのであり、同(二)は警察における被告人に対する処遇を非難するものであつて、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。のみならず記録上所論の如き違法不当な事実は認められない(なお、(一)については被告人KことAの論旨二、(こ)について示した判例参照)。2.論旨(三)は被告人Pの検察官に対する供述調書が検察官の拷問、脅迫、誘導、甘言によつて作成されたものであると主張する。 一)は逮捕の違法違憲を主張するのであり、同(二)は警察における被告人に対する処遇を非難するものであつて、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。のみならず記録上所論の如き違法不当な事実は認められない(なお、(一)については被告人KことAの論旨二、(こ)について示した判例参照)。2.論旨(三)は被告人Pの検察官に対する供述調書が検察官の拷問、脅迫、誘導、甘言によつて作成されたものであると主張する。しかし、その主張の採用できないことは、弁護人為成養之助の上告趣意第一点に対する判断のとおりである。3.論旨(四)は証人Lの証言の信憑力のないことを前提とする事実誤認の主張で刑訴四〇五条の上告理由に当らない。そして右証言の信用するに足ることについては、被告人Cの上告趣意に対する判- 11 -断の3に示したとおりである。4.論旨(五)及び(七)は事実誤認の主張に帰し、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。かつ記録を調べても、所論の点について事実誤認は認められない。5.論旨(六)は法定警備に関する第一審裁判所の裁判長の措置等の非難で刑訴四〇五条の上告理由に当らない。かつ所論の如き事実は記録上認めることができない。被告人Eの上告趣意について。1.論旨一、は被告人等の検察官に対する供述調書及びL、Bの供述調書が強制によつて作成されたもので任意性がなく、真実性もないというにある。しかし、被告人等の供述調書及びBの供述調書の任意性に関する主張の理由のないことは、弁護人為成養之助の上告趣意第一点に対する判断のとおりであり、その真実性についても記録によつてこれを肯定するに足るものと認められる。の供述調書及びBの供述調書の任意性に関する主張の理由のないことは、弁護人為成養之助の上告趣意第一点に対する判断のとおりであり、その真実性についても記録によつてこれを肯定するに足るものと認められる。又Lの供述調書が強制により作成されたものでなく、その任意性及び真実性を認めうることは記録上明らかである。2.論旨二、(1)乃至(4)及び論旨三、(1)(2)(3)は証拠の採否、価値判断の非難及び事実誤認の主張で、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。かつ記録を調べても証拠の採否、価値判断について所論の如き違法や不当な点はなく、又事実誤認も認められない。3.論旨四、に主張するところはすべて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。 成されたものでなく、その任意性及び真実性を認めうることは記録上明らかである。2.論旨二、(1)乃至(4)及び論旨三、(1)(2)(3)は証拠の採否、価値判断の非難及び事実誤認の主張で、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。かつ記録を調べても証拠の採否、価値判断について所論の如き違法や不当な点はなく、又事実誤認も認められない。3.論旨四、に主張するところはすべて刑訴四〇五条の上告理由に当らない。かつ法廷警備に関する所論については、第一審裁判所若しくは裁判長の措置に違法不当のあつたことは記録上認めることはできない。Lを本件被告人と分離して審判したことについての所論及び第一審における被告人等の最終陳述に関する所論の理由のないことは、原判決がそれぞれ所論の点について判断しているとおりである。又- 12 -原審において被告人等に最終の意見陳述をさせなかつたことを非難する点については、記録上かかる事実を認めることができないから所論は理由のないものといわねばならない。よつて、刑訴四一四条、三九六条刑法二一条(被告人Aに対する未決勾留日数の算入につき)により、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。検察官宮崎三郎出席。昭和三二年一月二二日最高裁判所第三小法一廷裁判長裁判官島保裁判官河村又介裁判官小林俊三裁判官垂 島保裁判官河村又介裁判官小林俊三裁判官垂水克己- 13 -

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