平成14年10月11日宣告平成14年(わ)第1578号判決Aに対する収賄被告事件,B及びCに対する各贈賄被告事件について,当裁判所は,検察官德光亮出席の上審理し,次のとおり判決する。 主文 被告人Aを懲役1年6月に,同B及び同Cを各懲役1年にそれぞれ処する。 被告人Aに対し,この裁判確定の日から4年間その刑の執行を猶予する。 被告人B及び同Cに対し,この裁判確定の日から3年間それぞれその刑の執行を猶予する。 被告人Aから金90万円を追徴する。 訴訟費用は被告人Aの負担とする。 理由 (罪となるべき事実)被告人Aは,D公団保安警備部警備計画課課長代理として,警備に係る関係機関との連絡調整等の職務に従事し,D公団発注に係る,空港警備に伴う寝具類賃貸借契約の指名競争入札における指名業者の推薦,入札予定価格の積算及び同契約履行の監督等の事務を担当していたもの,被告人Bは,寝具リース業を営むE株式会社の代表取締役,被告人Cは同社取締役であるところ,第1 被告人Aは,空港警備に伴う寝具類賃貸借契約の指名競争入札に関し,E社を指名業者に推薦するなど有利・便宜な取り計らいをしたことに対する謝礼及び今後も同様の取り計らいを受けたい趣旨のもとに供与されるものであることを知りながら,被告人B,同C及びE社営業部長Eから, 1 平成11年8月12日ころ,千葉市a区a3丁目a1番a2号F銀行a支店から千葉県成田市b町b3番地F銀行b支店の被告人A名義の普通預金口座に,現金20万円の振込みを受け, 2 同年10月18日ころ,千葉市c区c2丁目c3番c5号F銀行c支店から上記1の被告人A名義の普通預金口座に,現金30万円の振込みを受け, 3 平成12年1月29日ころ,千葉県d市d字d4番地1所在のK株式会社d支店駐車場内に 市c区c2丁目c3番c5号F銀行c支店から上記1の被告人A名義の普通預金口座に,現金30万円の振込みを受け, 3 平成12年1月29日ころ,千葉県d市d字d4番地1所在のK株式会社d支店駐車場内に駐車した普通乗用自動車内において,現金40万円の供与を受け,もって自己の職務に関して賄賂を収受し,第2 被告人B,Cは,Eと共謀の上,被告人Aに対し,前同趣旨のもとに 1 平成11年8月12日ころ,F銀行a支店において,前記第1の1の被告人A名義の普通預金口座に現金20万円を振り込み, 2 同年10月18日ころ,F銀行c支店において,上記1の被告人A名義の普通預金口座に現金30万円を振り込み, 3 平成12年1月29日ころ,K社d支店駐車場内に駐車した普通乗用自動車内において,現金40万円を供与し,もって被告人Aの職務に関して賄賂を供与したものである。 (証拠の標目)省略(法令の適用)省略(量刑の事情)本件は,D公団職員であった被告人Aと,寝具リース業を営むE社の役員である被告人B,Cらとの間で,平成11年8月から平成12年1月までの間,3回にわたり,被告人AがE社を指名業者に推薦するなど有利・便宜な取り計らいをしたことに対する謝礼などの趣旨で,現金合計90万円の賄賂が授受された,という事案である。 被告人Aは,D公団発注に係る寝具類賃貸借契約に関し,指名業者の推薦,入札予定価格の積算及び契約履行の監督等の事務に従事していたところ,自己の私的な海外旅行等の遊興費を捻出するため,当時の暫定滑走路建設決定による警備の強化に伴い,E社のD公団に対する寝具類賃貸の売上げが3倍以上に急増したことなどを背景として,約5か月余りの間に3回にわたり,出入りしていたE社の社員を介して,被告人B,Cに対し,積極的に賄賂を要求し現金合計90万円を収受 に対する寝具類賃貸の売上げが3倍以上に急増したことなどを背景として,約5か月余りの間に3回にわたり,出入りしていたE社の社員を介して,被告人B,Cに対し,積極的に賄賂を要求し現金合計90万円を収受したものである上,被告人Aの行為により,D公団による発注業務及びD公団職員の職務遂行の公平さに対する国民の信頼を失わせたことをも考慮すると,被告人Aの刑事責任は相当重い。 被告人B,Cも,被告人Aの要求とはいえ,自己らの経営するE社の利益の確保のため,違法であることを十分認識しながらも,3回にわたり賄賂を供与したというものであって,被告人B,Cの責任も決して軽視できるものではない。 もっとも,被告人Aについては,本件により相当期間勾留され,反省の態度を示していること,当然のことながらD公団を懲戒解雇されるなどの社会的制裁を受けたこと,これまで前科前歴が全くないことなど,酌むべき事情も認められる。また,被告人B,Cについても,判示各贈賄が被告人Aからの要求によりされたものであること,本件により逮捕勾留され,反省の態度を示していること,これまで前科前歴が全くないことなど,酌むべき事情も認められる。 そこで,以上の被告人らの諸事情を総合考慮し,被告人3名に対し,主文記載の各刑をそれぞれ科するとともに,特に,今回に限り,それぞれその刑の執行を猶予し,社会内での更生の機会を与えることとした。 (求刑・被告人Aにつき,懲役1年6月,金90万円の追徴,被告人B,Cにつき,それぞれ懲役1年)平成14年10月11日千葉地方裁判所刑事第1部裁判官土屋靖之・ 裁判官土屋靖之
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