昭和56(あ)929 兇器準備集合、火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反、公務執行妨害、傷害

裁判年月日・裁判所
昭和59年11月30日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件各上告を棄却する。          理    由  被告人A外七名の上告趣意のうち、いわゆる共謀共同正犯論の違憲(一三条、一 九条、二一条、三一条、三七条)をいう点は、い

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判決文本文3,355 文字)

主文 本件各上告を棄却する。 理由 被告人A外七名の上告趣意のうち、いわゆる共謀共同正犯論の違憲(一三条、一九条、二一条、三一条、三七条)をいう点は、いわゆる共同共謀正犯の成立に必要な共謀に参加した事実が認められる以上、直接実行行為に関与していない者であつても、他人の行為をいわば自己の手段として犯罪を行つたものとして共同正犯の刑事責任を負うものと解すべきであり、このように解した上、本件各犯行につき実行行為者らと意思を相通じ共謀したものと認められる被告人らについて共謀による共同正犯としての刑事責任を問うことが憲法の所論規定に違反しないことは、当裁判所の判例(昭和二九年(あ)第一〇五六号同三三年五月二八日大法廷判決・刑集一二巻八号一七一八頁)の趣旨に徴し明らかであるから、所論は理由がなく、その余の点は、違憲をいう点を含め、その実質は事実誤認、単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由にあたらず、弁護人遠藤直哉、同佐藤優、同熊谷裕夫、同今村俊一の上告趣意は、違憲(三一条、三二条、三七条)をいう点を含め、その実質はすべて単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由にあたらない。 なお、所論にかんがみ、第一審の東京地方裁判所が本件各被告事件につき土地管轄があるものとして審理判決したことの適否について、職権で判断する。 一記録によれば、次の事実を認めることができる。 1 被告人らは、いずれも、昭和五三年四月一六日、本件各被告事件につき犯罪地及び被告人らの現在地として土地管轄を有する千葉地方裁判所に起訴されたものであるが、検察官は、同年六月一九日、同裁判所に対し、右各被告事件は東京都内に住所を有するBらに対する兇器準備集合等被告事件に関連するとして、これを刑訴法一九条一項により右Bらに対する各被告事 ものであるが、検察官は、同年六月一九日、同裁判所に対し、右各被告事件は東京都内に住所を有するBらに対する兇器準備集合等被告事件に関連するとして、これを刑訴法一九条一項により右Bらに対する各被告事件につき土地管轄を有する東京地方- 1 -裁判所に移送されたい旨の請求をした。これを受けて、千葉地方裁判所は、同月三〇日、本件各被告事件については東京地方裁判所も管轄権を有するものとして、同規定により、いずれも同裁判所に移送する旨の決定(以下、本件各移送決定という。)をした。本件各移送決定に対し弁護人らから即時抗告がされたが、東京高等裁判所は、同年八月一五日、右各移送決定に違法不当はないとして各即時抗告棄却の決定をし、右各決定はいずれも確定した。 2 一方、本件各被告人と同様の公訴事実により同五三年四月一六日千葉地方裁判所に起訴されたC(当時は氏名不詳であつた。)に対する被告事件も、右各被告人の場合と同様に同裁判所の同年六月三〇日付移送決定及びこれに対する即時抗告棄却決定(同年八月一五日付)を経て東京地方裁判所に係属するに至り、その後、同人は東京都内に住所があること及び少年であることが判明したため、同年九月一二日同人に対し同裁判所で公訴棄却の判決が言い渡されたが、同人は、少年法所定の手続を経て改めて同年一〇月六日右公訴事実により同裁判所に起訴され、東京地方裁判所刑事第二部がその審理を担当することとなつた。同部は、同年一二月二二日、同人に対する被告事件及びこれと関連する外一〇名に対する被告事件につき審判併合決定をした。同事件の第一回公判期日(同五四年一月一一日)に、弁護人らから同裁判所には土地管轄がない旨の管轄違の申立がされたが、同部は、同人らに関する千葉地方裁判所の移送決定が確定していること等を理由に審理を進め、同五五年三月三一日同人らに 一月一一日)に、弁護人らから同裁判所には土地管轄がない旨の管轄違の申立がされたが、同部は、同人らに関する千葉地方裁判所の移送決定が確定していること等を理由に審理を進め、同五五年三月三一日同人らに対し有罪判決を言い渡し、その理由中で右管轄違の申立を排斥する旨の判示をした。右第一審裁判所の措置についてはその控訴審もこれを是認し、その上告審も控訴審の判断は結論において相当としている。 3 本件各被告事件の審理を担当することとなつた東京地方裁判所刑事第三部は、同五四年一月一二日に第一回公判を開いたところ、弁護人から同裁判所には土地管轄がない旨の管轄違の申立がされたが、刑訴法六条の関連事件の管轄は必ずしも固- 2 -有管轄事件との弁論の併合を要件とするものではないこと、本件各移送決定が確定していること等を理由に審理を進め、同五五年三月三一日被告人らに対し有罪判決を言い渡し、その理由中で右管轄違の申立を排斥する旨の判示をし、原判決も右第一審裁判所の措置を是認した。 二しかるところ、本件記録による限り、本件各被告事件と前記Bらに対する被告事件とが刑訴法九条一項三号所定の関連事件であるか否かが明らかでないことは原判示のとおりであり、かつ、本件各移送決定がされた当時被告人らのうちに東京都内に住居を有することが明らかな者はいなかつたのであるから、右時点においては東京地方裁判所が本件各被告事件につき土地管轄を有するものとはいえず、この段階でこれを理由に管轄違の申立がされたならば、右各被告事件について同法三二九条による管轄違の判決を免れなかつたというべきである。 三しかしながら、本件においては、前示のとおり、本件各移送決定が確定して東京地方裁判所に本件各被告事件の訴訟係属が生じたのち、前記Cにつき東京都内に住所を有することが判明し、同人は前示の経 る。 三しかしながら、本件においては、前示のとおり、本件各移送決定が確定して東京地方裁判所に本件各被告事件の訴訟係属が生じたのち、前記Cにつき東京都内に住所を有することが判明し、同人は前示の経過でいつたんは公訴棄却の判決を受けたものの、同五三年一〇月六日改めて前記公訴事実により右住所地を管轄する東京地方裁判所に起訴されたものであるところ、同人に対する被告事件と本件各被告事件とが刑訴法九条一項二号所定の関連事件であることは記録上明らかであるから、同裁判所は本件各被告事件についても同法六条により土地管轄を有することが明らかになつたものというべきであつて、刑訴法所定の土地管轄制度及び同法三三一条の規定の趣旨に照らすと、このように、本件各被告事件につき本件各移送決定が確定し東京地方裁判所に訴訟係属が生じた時点以後において、たとえ一時期同裁判所に土地管轄があることが明らかでなかつたとしても、その後土地管轄が備わるに至つた場合には、土地管轄についての右瑕疵は治癒されたものと解するのが相当である(昭和五六年(あ)第一三九八号同五八年一〇月一三日第一小法廷判決・刑集三- 3 -七巻八号一一三九頁参照)。 四なお、裁判所の管轄制度、刑訴法六条及び七条の各規定の趣旨に照らすと、同法六条所定の関連事件の管轄が成立するためには、いわゆる固有管轄事件及びその関連事件が共に同一の裁判所に係属することを要するが、必ずしも右の両事件が併合して審判されることを要件とするものではないと解するのが相当であるから、本件において、東京地方裁判所が本件各被告事件を同裁判所の固有の土地管轄に属する前記Cに対する被告事件と併合して審判しなかつたことをもつて、本件各被告事件が同裁判所の管轄に属しないとすることはできないというべきである。 以上の理由により、第一審の東京地方裁 の土地管轄に属する前記Cに対する被告事件と併合して審判しなかつたことをもつて、本件各被告事件が同裁判所の管轄に属しないとすることはできないというべきである。 以上の理由により、第一審の東京地方裁判所が本件各被告事件につき管轄違の言渡しをすることなく実体について審理判決をしたことを是認した原判決は、結論において正当である。よつて、刑訴法四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。 昭和五九年一一月三〇日最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官木下忠良裁判官鹽野宜慶裁判官大橋進裁判官牧圭次裁判官島谷六郎- 4 -

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